JP5908367B2 - 光学部材製造用金型の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば液晶表示装置などに用いられる、底面側に光利用効率をより高めるためのV溝を有する導光板等の光学部材の製造に用いる光学部材製造用金型の製造方法に関する。
近年、薄型の液晶テレビのバックライトや薄型の照明装置などの用途では、エッジライト方式の面光源装置を用いられており、消費電力削減の観点からも、効率の高い面光源装置が求められている。
このようなエッジライト方式の面光源装置の構成部材として、線状の光源を面光源に変換する機能を持つ導光板が用いられている。エッジライト方式の面光源装置では、導光板による光利用効率をより高めるために、例えば、特許文献1には、出射面又は底面(出射面と反対側の面)に交互に配列された台形形状の凹条及び凸条を有している導光板を備えている。
前記特許文献1の発明では、導光板の入射端面より入射した光を底面に形成されたV溝(凹条パターン)により、出射面の方向に効率よく反射させることができ、光利用効率をより高めることができると記載されている。また、導光板の入射端面より入射した光は、出射面に形成された台形状の凸条を介して出射面より出射することで、入射端面で垂直な方向で入射された光が正面方向に近い角度で出射できる。
上記導光板は、押し出し成形、射出成型またはプレス成形等の方法を用いて、光学透明樹脂に形状を転写することで作製可能であるが、押し出し成形では、MD方向とTD方向で賦形性に差が出やすい特徴があり、出射面と反射面で直するパターンを賦形する場合は、射出成型若しくはプレス成形の方がより好ましい。
また、成形に用いる平板金型は、成形に用いる材料に対して直接加工を行う方法の他、例えば、特許文献2のように、金型マスタを作製した後、この金型マスタをもとに紫外線硬化樹脂や電鋳等による形状の反転操作を所望の回数繰り返すことで、目的の形状を持つ金型を得ることができる。
なお、特許文献2の発明では、バイトによって表面にV溝を切削した金型マスタが作製されている。
国際公開WO2006/013969号公報 特開2001−315001号公報
ところで、バイトで金型マスタ表面に作製するV溝の深さは、バイトの先端と、被削材の表面までの距離と機械位置決め精度に応じた切込み深さによって決定されるが、切削加工中の環境温度の微妙な変化により、バイトの先端と金型マスタ表面の位置関係は常に変化している。特に、切削加工中の金型マスタは、環境温度、切削による発熱、切削油による除熱、切粉吸引機から受ける除熱など、複数の要因が複雑に重なっており、厳密に温度制御することが難しい。
例えば、直径416mmのロール状の金型マスタを考えた場合、金型マスタの材質が鉄(線膨張係数:1.17×10^-6)と仮定すると、切削加工中に金型マスタの温度が0.1度上昇しただけで、V溝は設計値よりも0.24μm程度深くなることになる。更に、最初に金型マスタの表面の平面だしのための表面切削加工を行い、その後所定間隔でV溝をロール状の金型マスタの全域に切削加工するには通常数時間以上要する。
このため、長時間の切削加工によって環境温度の変動がより大きくなるため、それにともなってV溝の高さ(深さ)変動が生じる。
また、V溝を切削する旋盤において、Z軸方向にリニアガイドを用いた構造であっても、リニアガイドの案内構造にボールベアリング構造を採用している場合、サブミクロンの精度ではガイドレールのZ軸方向の移動にともなってボールベアリングがベアリング溝内で周期的な微小振動する。このため、バイトもこのボールベアリングの周期的な微小振動に応じて周期的な微小振動する。
よって、Rバイトで金型マスタ表面を平面だしのために切削した後、バイトを交換してV溝を切削加工する場合では、平面だし加工時の、ボールベアリングのベアリング溝内で周期的な微小振動にともなうX軸方向の切り込み深さの軌跡と、V溝切削加工時の、ボールベアリングのベアリング溝内で周期的な微小振動にともなうX軸方向の切り込み深さの軌跡は一致しない。これによって、切削加工される複数のV溝の高さに周期的な変動が生じる。
このように、温度変動やバイト(ボールベアリング)の周期的な微小振動に起因して、金型マスタ表面に切削加工で形成したV溝の高さ(深さ)に周期的な変動が生じていると、設計値どおりのV溝の高さを得ることが難しくなる。このため、この金型マスタを用いて作製された製品としての導光板のV溝の高さが設計値とずれるため、高品質な導光板を得ることができない。
そこで、本発明は、温度変動やバイトの周期的な微小振動による影響を抑制して、精度よく切削加工を行うことができる光学部材製造用金型の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る光学部材製造用金型の製造方法は、先端部が平面で、該先端部の両側が傾斜面に形成された切削バイトを、金型表面に複数回切り込ませて、前記切削バイトの先端部よりも幅広の平坦部を加工する平坦部加工工程と、前記平坦部加工工程で次の平坦部を加工する際に、切り込ませた前記切削バイトの傾斜面を利用して、前に加工した前記平坦部との間に位置するようにして、前記平坦部から所定高さの断面が略三角形状の凸部を加工する凸部加工工程と、を有し、前記平坦部に前記凸部が一定ピッチ又は/及び可変ピッチで複数形成され、前記凸部の頂部は、加工前の前記金型表面から所定量だけ切削されて低い位置にあることを特徴としている。
本発明に係る光学部材製造用金型の製造方法によれば、先端部の両側が傾斜面に形成された切削バイトを、金型表面に複数回切り込ませて、切削バイトの先端部よりも幅広の平坦部を加工する平坦部加工工程と、この平坦部加工工程で次の平坦部を加工する際に、切り込ませた切削バイトの傾斜面を利用して、前に加工した平坦部との間に位置するようにして、平坦部から所定高さの断面が略三角形状の凸部を加工する凸部加工工程とによって、断面が略三角形状の凸部を作製することで、温度変動やバイトの周期的な微小振動による影響を抑制して、精度よく切削加工を行うことが可能となる。
本発明の実施形態における円筒状金型を示す斜視図。 (a)は、本発明の実施形態におけるダイヤモンドバイト先端のダイヤモンドチップ外観を示す斜視図、(b)は、ダイヤモンドチップの先端部を拡大した図。 (a)〜(f)は、本発明の実施形態に係る光学部材製造用金型の製造方法を説明するための図。 (a),(b)は、発明の実施形態の変形例における切削加工された凸部を示す図。 (a)は、本発明の実施例の製造方法で作製された金型マスタの全長における凸部の高さの測定結果を示す図、(b)は、比較例の製造方法で作製された金型マスタの全長におけるV溝の高さの測定結果を示す図。 (a)は、本発明の実施例の製造方法で作製された金型マスタの一部領域における凸部の高さの測定結果を示す図、(b)は、比較例の製造方法で作製された金型マスタの一部領域におけるV溝の高さの測定結果を示す図。 比較例の製造方法で得られた円筒状金型表面のV溝を示す図。
以下、本発明を図示の図1〜図3に示した実施形態に基づいて説明する。本実施形態では、導光板製造用の金型マスタの製造方法について説明する。
なお、この金型マスタを用いて作製される製品としての導光板は、例えば、大型液晶テレビ等のバックライトとしてのエッジライト方式の面光源装置に用いられる。この導光板は入射端面から入射される光を均一な面状光として出射させるために、少なくとも底面にV溝が所定間隔で複数形成されている。本実施形態の製造方法では、金型マスタとしての円筒状金型(ロール金型)の表面の周方向に、このV溝に対応した断面が略三角形状の微細凸部(以下、単に「凸部」という)を形成し、かつこの凸部をZ軸方向に沿って所定間隔で複数作製するものである。
図1に示すように、金属製の円筒状金型1は、旋盤(不図示)のZ軸方向に沿って回転自在に保持されており、所定の回転数で回転される。
そして、円筒状金型1を表面(被加工層)に断面三角形状の凸部を加工するダイヤモンドバイト2は、リニアガイド(不図示)によって円筒状金型1の中心軸と同一平面上でZ軸方向及びX軸方向に移動自在に保持されている。
円筒状金型1の表面に凸部等を形成するために使用する切削工具は、凸部形状、加工対象物の種類等によって、適宜選択される。切削工具の材質は、超硬バイト、CBNバイト、特に、ダイヤモンドバイトなどから選択される。ダイヤモンドバイトは、加工精度を他のバイトより高くできるので精密加工に適している。ダイヤモンドバイトは、天然又は合成の単結晶ダイヤモンドチップを金属製シャンクの先端に取付けたものである。
ダイヤモンドチップは、すくい面が最も摩耗しにくい面となる結晶方位にセットされる。ダイヤモンドチップは、シャンクに直接ロウ付けされるか、又は金属小片にロウ付けしてシャンクにねじ留めされるのが好ましい。
図2(a)は、本実施形態におけるダイヤモンドチップ3の外観を示したものであり、(b)は、ダイヤモンドチップ3の先端部を拡大した図である。
図2(b)に示すように、ダイヤモンドチップ3の傾斜角θは、切削する凸部の底角(傾斜角)に合わせて設定し、先端フラット部3aの幅wは、切削する凸部の間隔等によって設定されるが、切削回数及び切削時の抵抗等の観点から、10〜100μm程度であり、より好ましくは30〜50μm程度である。ダイヤモンドチップ3の両側は、傾斜面3b,3dとなっている。
円筒状金型1の本体となるロール材としては、軽量化のために中空円筒体のロール材が主に使用される。材料としては、機械構造用炭素鋼管等の鉄系材料、又はアルミ合金、銅合金などの非鉄材料が選択される。また、機械加工時の熱により残留応力が解放され歪まないように、予め熱処理を行なった材料を使用することが望ましい。
このロール材として鉄系材料を使用するときは、ダイヤモンドバイトによる精密加工が困難であるので、ダイヤモンドバイトで凸部形状を加工可能な被加工層を、予めロール表面にめっき処理等によって形成しておく。この被加工層としては、銅めっき層、ニッケルめっき層が挙げられる。特に、ビッカース硬度230〜250Hvの硬質銅めっき層が、ダイヤモンドバイトによる被削性に優れ、本実施形態のような導光板製造用金型の被加工層として適切である。
そして、円筒状金型1の表面に対して、突っ切り切削方法によって凸部の切削加工が開始されると、図3(a)に示すように、最初にダイヤモンドバイト(ダイヤモンドチップ3)2をX軸方向に所定量だけ移動させて、回転する円筒状金型1の表面(被加工層)に切り込んで、ダイヤモンドチップ3の先端フラット部3aを用いて平坦部1a(図3(d)参照)の一部を切削加工する。
そして、図3(b),(c)に示すように、ダイヤモンドバイト2をX軸方向に一旦退避移動させた後に、Z軸方向に先端フラット部3aの幅よりも小さい範囲(例えば、5μm程度)でオーバーラップするように移動させ、再度ダイヤモンドバイト(ダイヤモンドチップ3)2をX軸方向に所定量だけ移動させて、円筒状金型1の表面(被加工層)に切り込む工程を繰り返すことで、所定の深さで所定の幅の平坦部1aが作製される。この際、図3(c)に示すように、凸部1b(図3(d)参照)の一方側の傾斜面が形成される。
そして、図3(d)に示すように、ダイヤモンドバイト2を凸部1bの高さhに対応する間隔分だけZ軸方向に移動させた後、X軸方向に所定量だけ移動させて、上記した円筒状金型1の表面(被加工層)に切り込む工程を繰り返して次の平坦部を作製していく。
そして、上記した工程を繰り返すことで、図3(e),(f)に示すように、複数の断面が略三角形状の凸部1bが一定間隔で作製される。なお、この円筒状金型1の端面側の切削開始領域は凸部が得られないので、この端面側部分は最後にX軸方向に沿って切断する。
図3(f)に示すように、このような切削加工によって作製された凸部1bの頂部は、切削加工前の表面aから数μm程度低い位置にある。
なお、上記の平坦部1aを作製する際のZ軸方向の送り(移動)は、ダイヤモンドチップ3の先端フラット部3aの全幅を用いると、境目に微小バリが発生し易いので、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜5μmオーバーラップさせて切削するのが望ましい。
また、凸部1bをピッチを可変して作製する場合、可変ピッチに対応させるため、Z軸方向の送りのピッチは、隣接する凸部1b間に応じて可変して切削するのが望ましい。具体的には、先端フラット部3aをダイヤモンドチップ3の最大有効幅(先端フラット部3aの幅−オーバーラップ分)の整数倍より1小さいピッチで切削することが望ましい。なお、製品としての導光板が大型の場合は、底面に形成されるV溝(凸部1bに相当)のピッチは0.1〜1mm程度である。
このように、本実施形態の金型マスタの製造方法では、一本のダイヤモンドバイト(ダイヤモンドチップ3)2だけで平坦部1aと凸部1bを、円筒状金型1の表面(被加工層)から掘り下げるように形成することができるので、上記した従来のようにRバイトで金型マスタ表面を平面だしのために切削する工程が不要となる。
このため、使用する旋盤は、Z軸,X軸ともリニアガイド、及び位置決め精度の高い案内機構を備え、±0.1℃未満で温度制御された環境の中で使用するのが好ましいが、本切削方法を用いれば、位置決め精度の高い駆動方式(リニアガイド等)を用いることで、Z軸の案内は一般的な転がり案内を採用する旋盤で切削加工しても、各凸部1bの高さ精度を十分に確保することができる。
また、凸部1bの片側の斜面を切削加工してから他方の斜面を切削加工開始するまでの時間が十数秒と短いので、この間の円筒状金型1の表面(被加工層)の温度変化はほぼ無視できる。よって、基準面からダイヤモンドチップ3の先端フラット部3aまでの距離が、凸部1bの高さh以上保たれている限りは高さ精度が保たれるため、通常(±数度)の温度制御下でも、凸部1bの高さ精度を十分に確保することができる。
なお、円筒状金型1の表面の耐久性向上のために、表面に均一な厚さの表面処理薄膜を形成してもよい。この表面処理薄膜としては、めっき厚さの形状依存性が小さい無電解めっきによる、銅めっき層、ニッケルめっき層が好ましい。この他に、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリング等のドライプロセスによって形成された表面処理薄膜でもよい。
また、前記実施形態の切削加工では、全ての凸部1bが同じピッチで、かつ同じ高さで形成された構造であったが、これ以外にも、図4(a)に示すように、凸部1bのピッチを変化させて、凸部1bのピッチが大きい領域Aと、凸部1bのピッチが小さい領域Bを有するように切削加工することもできる。
また、図4(b)に示すように、ダイヤモンドバイト(ダイヤモンドチップ3)2の切込み位置をずらすことで、領域Cにある凸部1bの高さを少し低くすることができる。
前記実施形態では、金型マスタとして円筒状金型(ロール金型)を用いた構成であったが、金型マスタとして平面状金型を用いた場合でも同様に本発明を適用することができる。この場合、金型となる金属板を円筒体表面に巻き付けて固定することで、前記実施形態と同様に切削加工できる。更に、この金型となる金属板を、平板加工機を用いて切削加工してもよい。
次に、前記した本発明の製造方法で作製された金型を評価するために、以下に示す本発明の実施例と比較用の比較例の製造方法で作製した金型の評価を行った。
(実施例)
この実施例で使用した旋盤(UPL1500:理研製鋼社製)は、円筒状金型(ロール金型)の駆動部には空気静圧軸受けを採用し、X軸,Z軸方向の駆動はリニアモータ、X軸,Z軸方向ともリニアガイドには転がり案内を採用した精密旋盤である。また、切削油は石油系炭化水素を使用し、切削部位に滴下し、切粉および切削油の排出のため吸引機を作動させながら切削加工を行った。
使用した円筒状金型は、直径416mm、面長820mmの鋼製ロールに表面研磨仕上げを行い、下地層として硬質銅めっき(厚さ400μm)を施し、更にその表面に剥離層を設け、更にその表面に硬質銅めっきを施したものである。
そして、前記精密旋盤に前記円筒状金型を取り付け、前加工として、R20mmの単結晶天然ダイヤモンドバイトで切込み20μm、送り50μm/revで鏡面加工を実施し、スクラッチ、切粉を引きずった傷などが無いことを確認した。
この実施例での切削データは、切削加工幅583mm(加工ピッチ:121〜557μm、凸部(断面が略三角形状)の数:2313本)、凸部の高さ:6μmである。
また、凸部の切削加工に当たっては、先端部に35μm幅のフラット部を持つ底角40度の天然単結晶ダイヤモンドバイト(東京ダイヤモンド工具製作所社製)で一回転あたりの切り込み量1μm/revの突っ切り切削で加工を行った。なお、切り込み量の上限値を30μmと設定した上で、凸部間の平坦部の切り込み回数Aを以下のように指定した。
A=(凸部間の平坦部の長さ/30μm)の整数部+1回
そして、凸部間の平坦部を切削加工する際の送りを、設計ピッチ/Aで設定して平坦部を仕上げた後、平坦部の深さに対応する、49.3μm(35μm+2×6μm/tan40)だけZ軸方向に移動したのち、再び凸部間の平坦部を加工するという動作を繰り返すことで、図3(f)に示したような凸部と平坦部を作製した。
なお、X軸方向の切り込み量は、加工中の円筒状金型の温度の変動等による切り込み量の深さの変動を5.3μm未満と想定して、作製したい凸部の高さ6μmに付加し、11.3μmとして加工した。加工後の切削油が付着した円筒状金型は洗浄液(ハロゲン化炭化水素)にて脱脂し、その後、バラード層に切り込みをいれ、剥離層から剥離し目的の金型マスタを得た。
そして、得られた金型マスタを接触式形状測定装置(PGI420:テーラーホブソン社製)を用い、取り込みピッチ0.125μmで取り込み、凸部の高さを測定した。図5(a)、図6(a)はこの測定結果である。
図5(a)は、金型マスタ(円筒状金型)の切削開始の一端面(0mm)から他端面(約583mm)までの凸部の高さの測定結果、図6(a)は、金型マスタの切削開始の一端面(0mm)から約80mmまでの凸部の高さの詳細な測定結果である。図5(a)に示した測定結果において、測定点の数は2048点であり、凸部の高さの平均は5.80μm、標準偏差は0.02μmであった。なお、測定に用いた上記接触式形状測定装置の原理上、各点での凸部の高さの測定値は0.2μm低めに出力される。
この測定結果から明らかなように、この実施例で作製された凸部の高さは切削開始の一端面から他端面までの全長にわたって設計値(6μm)に近い値となり(図5(a)参照)、かつ凸部の高さの周期変動も小さく(図6(a)参照)、良好な金型マスタが得られた。
(比較例)
この比較例では、図7に示すように、円筒状金型(金型マスタ)10の表面に所定ピッチでV溝10aを切削加工する。
この比較例での切削データは、切削加工幅582mm(加工ピッチ:106〜714μm、V溝の数:1735本)、V溝の高さ:5μmである。
また、V溝の切削加工に当たっては、頂角135度のシャープエッジの天然単結晶ダイヤモンドバイト(東京ダイヤモンド工具製作所社製)で一回転あたりの切り込み量1μm/revの突っ切り切削で加工を行った。そして、V溝間の間隔をZ軸方向入力値として加工を実施した。それ以外の条件は前記実施例と同様である。
そして、得られた金型マスタを接触式形状測定装置(PGI420:テーラーホブソン社製)を用い、取り込みピッチ0.125μmで取り込み、V溝の高さを測定した。図5(b)、図6(b)はこの測定結果である。
図5(b)は、金型マスタの切削開始の一端面(0mm)から他端面(約582mm)までのV溝の高さの測定結果、図6(b)は、金型マスタの切削開始の一端面(0mm)から約80mmまでのV溝の高さの詳細な測定結果である。V溝は金型マスタ表面から内側へ切削されて形成されるので、金型マスタ表面におけるV溝の高さをゼロ(0)とすると、図5(b)、図6(b)におけるV溝の高さの測定値は金型マスタ表面からの値であり、測定値に−(マイナス)を付けている。即ち、例えばV溝の高さの測定値が−4.0μmの場合、金型マスタ表面から内側に4.0μmの距離であることを意味している。
図5(b)に示した測定結果において、測定点の数は1550点であり、V溝の高さの平均は−3.97μm、標準偏差は0.21μmであった。なお、測定に用いた上記接触式形状測定装置の原理上、各点でのV溝の高さの測定値は0.2μm高めに出力される。
この測定結果から明らかなように、この比較例で作製されたV溝の高さは設計値(5μm)からずれた値となり(図6(b)参照)、かつV溝の高さの周期変動も大きかった(図6(b)参照)。
1 円筒状金型
1a 平坦部
1b 凸部
2 ダイヤモンドバイト
3 ダイヤモンドチップ
3a 先端フラット部

Claims (2)

  1. 先端部が平面で、該先端部の両側が傾斜面に形成された切削バイトを、金型表面に複数回切り込ませて、前記切削バイトの先端部よりも幅広の平坦部を加工する平坦部加工工程と、
    前記平坦部加工工程で次の平坦部を加工する際に、切り込ませた前記切削バイトの傾斜面を利用して、前に加工した前記平坦部との間に位置するようにして、前記平坦部から所定高さの断面が略三角形状の凸部を加工する凸部加工工程と、を有し、
    前記平坦部に前記凸部が一定ピッチ又は/及び可変ピッチで複数形成され
    前記凸部の頂部は、加工前の前記金型表面から所定量だけ切削されて低い位置にあることを特徴とする光学部材製造用金型の製造方法。
  2. 前記金型は、円筒状金型であり、該円筒状金型の円周方向に沿って前記平坦部加工工程と前記凸部加工工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学部材製造用金型の製造方法。
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