JP2012201003A - ロール金型の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な溝形状が外周面に形成されたプリズムシート製造用のロール金型の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のロール金型の製造方法は、シート状の基材上に略三角柱状の微細なプリズム部が繰り返し配置されたプリズムシートを製造するためのロール金型であって、プリズム部と相補的な形状を有する微小溝が外周面に設けられているロール金型の製造方法であって、少なくとも外周面に被削材が配置されたロール状の金型材料4の外周面を第1のバイト8で切削し、微小溝の深さの80%ないし95%を切削加工する第1切削工程と、第1のバイトとは異なる第2のバイト10で、微小溝の残り深さ分を切削加工する第2切削工程と、を備えている。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のロール金型の製造方法は、シート状の基材上に略三角柱状の微細なプリズム部が繰り返し配置されたプリズムシートを製造するためのロール金型であって、プリズム部と相補的な形状を有する微小溝が外周面に設けられているロール金型の製造方法であって、少なくとも外周面に被削材が配置されたロール状の金型材料4の外周面を第1のバイト8で切削し、微小溝の深さの80%ないし95%を切削加工する第1切削工程と、第1のバイトとは異なる第2のバイト10で、微小溝の残り深さ分を切削加工する第2切削工程と、を備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロール金型の製造方法に関し、詳細には、液晶表示装置のバックライト機構等に使用されるプリズムシートを製造するために使用するロール金型の製造方法に関する。
近年、カラー液晶表示装置を備えたノートブック型パソコンや携帯型テレビ、ビデオ一体型液晶テレビなどの製品が数多く提供されている。この種の製品は、カラー液晶表示装置で消費される電力が多く、このことが、バッテリ駆動した場合の長時間作動を妨げる原因となっている。
カラー液晶表示装置における電力消費の多くは、バックライトとして使用される照明用面光源装置の電力消費が占めている。従って、照明用面光源装置の省電力化が、上述したような装置をバッテリで長時間作動させるための課題とされている。
一方、カラー液晶表示装置では、画像の見やすさの観点から、バックライトの正面輝度を向上させることが必要とされている。
したがって、低消費電力且つ高輝度のバックライトが求められている。
このような要請から、三角柱状の微小プリズム部を表面に並列配置したプリズムシートをバックライトに組み込むことによって、バックライトの光学的な効率を改善し、輝度を犠牲にすることなく消費電力を抑えたバックライト装置が提案されている(特許文献1および2)。
プリズムシートとしては、プリズム部の精度、生産性等の観点から、透明樹脂のフィルムまたはシート上に、紫外線硬化組成物等の活性エネルギ線硬化性組成物で形成された硬化部からなる多数の微小プリズム部が並列配置されたプリズムシートが使用されている。そして、このようなプリズムシートには、頂角が40〜140°の三角柱状のプリズム部が、約10〜100μmピッチで形成されているのが一般的である。
そして、このようなプリズムシートは、形成するプリズム部と相補的な微小構造が外周面に形成されたロール金型と長尺状の透明フィルム基材との間に、放射線硬化性組成物を配置した状態で、フィルム基材を通して放射線硬化性組成物に電離放射線を照射して放射線硬化性組成物を硬化させ、ロール金型の外周面の微小構造と相補的なプリズム部を透明フィルム基材上に形成することによって製造される(例えば、特許文献3)。
このロール金型は、プリズム部と相補的な形状の微小溝をロール状の金型材料の外周部に被削材として配置された銅めっき材に切削加工によって形成し、切削後に金型の防錆の為に保護めっき処理を施すことによって製造される場合が多い。
しかし、銅めっきをロール金型の外周部に使用した場合、金型面の硬度が150〜250Hv程度しかなく、プリズムシート製造時に、金型面に傷が発生しやすくなる。このような金型面の傷は、プリズムシートに転写されるが、傷が転写されたプリズムシートは光学性能が劣るため、光学シートとして使用することができず、結果として歩留が低下する。
一方、プリズムシート製造時の金型面における傷発生を防止する方法として、被削材として、ロール金型材料の表面に、銅めっきより高硬度な材料、例えば、無電解Ni−Pめっき層を配置する方法がある。
しかし、無電解Ni−Pめっきは銅めっきに比べ被削性が劣り、硬度が高い材料であるため、溝の切削加工に使用する工具磨耗が大きいという問題がある。工具磨耗が大きいと、切削加工が進むと形成する微小溝の形状が崩れ、溝形状の精度が低下し、結果として、製造したプリズムシートの光学性能が低下してしまうという問題があった。
このような問題を解決するため、ロール金型の外周面の溝を、平行に配置された複数条の螺旋状溝によって構成し、これら複数の螺旋状溝を1条ごとに異なる工具を用いて切削する方法が開示されている(特許文献4)。
しかし、この方法で加工した場合であっても、切削工具は切削距離とともに摩耗するため、各溝の下流側部分では溝形状の精度が低くなり、製造されるプリズムシートはその部分における光学特性が低くなるため、この方法は、大きなサイズの金型に適用できないという問題がある。
また、1条ごとに異なる工具を用意して加工する為、材料コストがかかってしまうという問題もがある。
しかし、この方法で加工した場合であっても、切削工具は切削距離とともに摩耗するため、各溝の下流側部分では溝形状の精度が低くなり、製造されるプリズムシートはその部分における光学特性が低くなるため、この方法は、大きなサイズの金型に適用できないという問題がある。
また、1条ごとに異なる工具を用意して加工する為、材料コストがかかってしまうという問題もがある。
本発明の目的は、高精度な溝形状が外周面に形成されたプリズムシート製造用のロール金型の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、
シート状の基材上に略三角柱状の微細なプリズム部が繰り返し配置されたプリズムシートを製造するためのロール金型であって、前記プリズム部と相補的な形状を有する微小溝が外周面に設けられているロール金型の製造方法であって、
少なくとも外周面に被削材が配置されたロール状の金型材料の外周面を第1のバイトで切削し、前記微小溝の深さの80%ないし95%を切削加工する第1切削工程と、
前記第1のバイトとは異なる第2のバイトで、前記微小溝の残り深さ分を切削加工する第2切削工程と、を備えている、
ことを特徴とするロール金型の製造方法が提供される。
シート状の基材上に略三角柱状の微細なプリズム部が繰り返し配置されたプリズムシートを製造するためのロール金型であって、前記プリズム部と相補的な形状を有する微小溝が外周面に設けられているロール金型の製造方法であって、
少なくとも外周面に被削材が配置されたロール状の金型材料の外周面を第1のバイトで切削し、前記微小溝の深さの80%ないし95%を切削加工する第1切削工程と、
前記第1のバイトとは異なる第2のバイトで、前記微小溝の残り深さ分を切削加工する第2切削工程と、を備えている、
ことを特徴とするロール金型の製造方法が提供される。
このような構成によれば、2つの異なるバイトを使用して金型材料の外周面に溝を切削形成するので、形成される溝の形状の精度が高くなる。
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記第1切削工程および第2切削工程において、前記微小溝は、ロール状の金型材料の外周面を螺旋状に切削するネジ切り切削によって形成されるロール金型の製造方法が提供される。
前記第1切削工程および第2切削工程において、前記微小溝は、ロール状の金型材料の外周面を螺旋状に切削するネジ切り切削によって形成されるロール金型の製造方法が提供される。
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記第2切削工程では、前記第2のバイトによる少なくとも2回以上のネジ切り切削で、前記微小溝の残り深さ分が切削加工されるロール金型の製造方法。
前記第2切削工程では、前記第2のバイトによる少なくとも2回以上のネジ切り切削で、前記微小溝の残り深さ分が切削加工されるロール金型の製造方法。
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記第1のバイトと第2のバイトは、前記ロール状の金型材料の軸線方向に並んで配置されてバイトホルダに取り付けられている。
このような構成によれば、X軸方向(切込方向)及びZ軸方向(送り方向)のみの補正で、バイトを交換することができるので、補正の精度が向上する。
前記第1のバイトと第2のバイトは、前記ロール状の金型材料の軸線方向に並んで配置されてバイトホルダに取り付けられている。
このような構成によれば、X軸方向(切込方向)及びZ軸方向(送り方向)のみの補正で、バイトを交換することができるので、補正の精度が向上する。
本発明によれば、高精度な溝形状が外周面に形成されたプリズムシート製造用のロール金型の製造方法が提供される。
以下、本発明の好ましい実施形態のロール金型の製造方法について図面に沿って詳細に説明する。
先ず、本発明の好ましい実施形態のロール金型の製造方法によって製造されるロール金型1の構成について説明する。
図1は、ロール金型1の概略的な構成を示す模式的な斜視図である。図1に示されているように、ロール金型1は、円筒状のロール金型であり、円筒状の鋼製本体部分2を備えている。本体部分2の外周面には、電解Ni−Pめっきによって電解Ni−Pめっき層4が設けられている。そして、この電解Ni−Pめっき層4には、切削加工によって形成された微小溝6が軸線方向に並列配置されている。
微小溝6は、断面が、ロール金型1で製造するプリズムシートのプリズム部の形状と相補的なV字形状を有し、円筒状の外周面に沿って螺旋状に円周方向に延びている。微小溝6は、ロール金型1の軸線方向においては、隣接して配置されているので、ロール金型1の円筒状の外周面全体が、微小溝6で覆われていることになる。
次に、ロール金型1の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法では、中空円筒体の鋼製のロール状金型材料2が原材料として用いられる。原材料のロール状金型材料2として、円筒状の鋼製ロールの表面に研磨仕上げを行い、さらに表面に電解Ni−Pめっきを施して被削材としての電解Ni−Pめっき層4が外周面に配置されたものが使用される。
本実施形態の製造方法では、中空円筒体の鋼製のロール状金型材料2が原材料として用いられる。原材料のロール状金型材料2として、円筒状の鋼製ロールの表面に研磨仕上げを行い、さらに表面に電解Ni−Pめっきを施して被削材としての電解Ni−Pめっき層4が外周面に配置されたものが使用される。
次いで、前加工として、ロール状金型材料2の外周面に鏡面加工が施される。鏡面加工に使用するバイトは、形状精度に優れた単結晶ダイヤモンドバイトを用いることが好ましい。例えば、単結晶ダイヤモンドバイトは先端がR1〜5mmの形状を有するダイヤモンドバイトを用いることが好ましい。本実施形態では、頂角80°で先端R2mmの形状を有する単結晶ダイヤモンドバイトを用いて鏡面加工が行われる。
次に、被削材としての電解Ni−Pめっき層4に微小溝6を切削加工によって螺旋状に形成する。
微小溝6の切削加工では、従来技術の螺旋状溝形成と同様に、円筒状金型材料(本体部分2)を、NC旋盤等によって、その軸線を中心に一定速度で回転させた状態で、固定した切削用バイトを円筒状金型材料の外周面の被削材(電解Ni−P層4)に所定の力で押しつけながら金型材料の軸線方向に移動させることによって、円筒状金型材料の外周面に設けられた電解Ni−Pめっき層4に螺旋状の微小溝6を形成していく。
微小溝6の切削加工では、従来技術の螺旋状溝形成と同様に、円筒状金型材料(本体部分2)を、NC旋盤等によって、その軸線を中心に一定速度で回転させた状態で、固定した切削用バイトを円筒状金型材料の外周面の被削材(電解Ni−P層4)に所定の力で押しつけながら金型材料の軸線方向に移動させることによって、円筒状金型材料の外周面に設けられた電解Ni−Pめっき層4に螺旋状の微小溝6を形成していく。
加工に使用する旋盤は、回転精度に優れる油静圧軸受け或いは空気静圧軸受けを用いたものであることが好ましい。
図2は、本発明の好ましい実施形態のロール金型の製造方法における金型材料とバイトの位置関係等を模式的に示す概略図である。
本実施形態では、微小溝6を切削するための切削バイトとして2本のバイト8、10が使用される。これらのバイト8、10は、ダイヤモンドバイトであり、旋盤に取付けられたバイトホルダ8に取付けられる。
本実施形態では、微小溝6を切削するための切削バイトとして2本のバイト8、10が使用される。これらのバイト8、10は、ダイヤモンドバイトであり、旋盤に取付けられたバイトホルダ8に取付けられる。
バイト8、10は、バイト先端に単結晶ダイヤモンドが使用され、バイト先端8’、10’の頂角は40°から90°であることが好ましい。より好ましくは60°から70°である。また、本実施形態では、2つのバイト8、10の先端8’、10’の頂角は同じである。
本実施形態の製造方法では、バイト8で所定量(全体の深さの80%ないし95%)だけ切削加工したV字状の微細溝6の残り部をバイト10で仕上げ切削加工する、バイト8、10の先端形状は同じであることが好ましい。2つのバイトの先端形状に差があると切削時に切削バリが発生し、このバリが、製造したロール金型を用いて製造するプリズムシートの欠陥原因となるためである。
2つのバイト8、10は、バイトホルダ12に取付けられ、さらに図2に示されているように、軸線Zを中心に回転駆動される円筒状金型材料の軸線方向に沿って並ぶようにNC旋盤(図示せず)に取付けられる。
このとき、図2に示されているように、第1のバイト8の先端が第2のバイト10より円筒状金型材料側に突出した状態で、2つのバイト8、10がNC旋盤(図示せず)に取付けられる。
このとき、図2に示されているように、第1のバイト8の先端が第2のバイト10より円筒状金型材料側に突出した状態で、2つのバイト8、10がNC旋盤(図示せず)に取付けられる。
本実施形態では、バイトによる微小溝6の切削に先立って、バイトホルダ12にバイト8、10を取付けた後、円筒状金型材料の端部で、バイト8、10の原点出しを行う。
原点出しを行うことで円筒状金型材料の表面に薄いスジが発生する。この薄いスジ部のレプリカを作製し、光学顕微鏡を用いてバイト8、10の原点出し時に発生した薄いスジ間の距離を測定することで、バイト8、10のX軸(切込方向すなわち円筒状金型材料の径方向)及びZ軸(送り方向すなわち円筒状金型材料の軸方向)における相対位置関係を把握することができる。この測定結果をNC旋盤に入力することで、第1切削工程終了後に、使用するバイトを変更した際に、精度の良い補正を実施することが可能となる。
原点出しを行うことで円筒状金型材料の表面に薄いスジが発生する。この薄いスジ部のレプリカを作製し、光学顕微鏡を用いてバイト8、10の原点出し時に発生した薄いスジ間の距離を測定することで、バイト8、10のX軸(切込方向すなわち円筒状金型材料の径方向)及びZ軸(送り方向すなわち円筒状金型材料の軸方向)における相対位置関係を把握することができる。この測定結果をNC旋盤に入力することで、第1切削工程終了後に、使用するバイトを変更した際に、精度の良い補正を実施することが可能となる。
次に、第1のバイトであるバイト8で、微細溝6の全体の深さDの80%ないし95%の深さD1(図3)を切削する第1切削工程を実行する。
第1切削工程では、従来技術の螺旋状溝の形成と同様に、円筒状金型材料(本体部分2)を、その軸線を中心に回転させながら、NC旋盤等に固定したバイト8を円筒状金型材料の外周面の被削材(電解Ni−P層4)に所定の力で押しつけながら金型材料の軸線方向に移動させることによって、円筒状金型材料の外周面に螺旋状の微小溝6が形成されていく。
第1切削工程では、従来技術の螺旋状溝の形成と同様に、円筒状金型材料(本体部分2)を、その軸線を中心に回転させながら、NC旋盤等に固定したバイト8を円筒状金型材料の外周面の被削材(電解Ni−P層4)に所定の力で押しつけながら金型材料の軸線方向に移動させることによって、円筒状金型材料の外周面に螺旋状の微小溝6が形成されていく。
バイト8による一回の切削で、微細溝6の全体の深さDの80%ないし95%の深さD1までの切削をおこなっても良いが、面精度の観点からは、バイト8による一回の切削における切削深さを10μm以下とし、複数回の切削を行い、最終的に、全体の深さDの80%ないし95%の深さD1まで切削するのがよい。
所定量すなわち微細溝6の全体の深さの80%ないし95%が完了すると、第1切削工程を終了する。
次いで、第2のバイトであるバイト10で、微細溝6の残りの深さ分を切削加工する第2切削工程を行う。
第2切削工程の開始に先だって、第1のバイトであるバイト8をバイトホルダ12から取り外す。
次いで、NC旋盤を作動させ、第2のバイトであるバイト10で、微細溝6の残りの深さ分を切削加工する第2切削工程を行う。
第2切削工程でも、従来技術の螺旋状溝の形成と同様に、円筒状金型材料(本体部分2)を、その軸線を中心に回転させながら、NC旋盤等に固定したバイト8を円筒状金型材料の外周面の被削材(電解Ni−P層4)に所定の力で押しつけながら金型材料の軸線方向に移動させることによって、円筒状金型材料の外周面に螺旋状の微小溝6を形成していく。
次いで、NC旋盤を作動させ、第2のバイトであるバイト10で、微細溝6の残りの深さ分を切削加工する第2切削工程を行う。
第2切削工程でも、従来技術の螺旋状溝の形成と同様に、円筒状金型材料(本体部分2)を、その軸線を中心に回転させながら、NC旋盤等に固定したバイト8を円筒状金型材料の外周面の被削材(電解Ni−P層4)に所定の力で押しつけながら金型材料の軸線方向に移動させることによって、円筒状金型材料の外周面に螺旋状の微小溝6を形成していく。
バイト8による一回の切削で、微細溝6の全体の深さの残り全部を切削してもよいが、切削スジの発生を抑制するために、バイト10による一回の切削における切削深さを3μm以下とし、少なくとも2回の切削で、微細溝6を最終的な深さDに仕上げるのがよい。
所定量すなわち微細溝6の全体の深さDまでの切削が完了すると、第2切削工程を終了し、ロール金型が完成する。
所定量すなわち微細溝6の全体の深さDまでの切削が完了すると、第2切削工程を終了し、ロール金型が完成する。
本発明は、前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
上記実施形態のロール金型製造方法は、第1および第2の切削工程のそれぞれにおいて、外周面に1本の溝を螺旋状に形成していく方法であるが、本発明はこれに限定されず、複数のリング(環)状の溝を並列的に切削形成することによって、外周面に微細溝6を並列配置させる方法でもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
表面にNi−Pめっきが施された被削材を使用し、工具はダイヤモンドバイトA及びダイヤモンドバイトBを用いてロール金型材料に微小溝を形成した。先ず、ダイヤモンドバイトBでプリズムレンズ溝5の高さの90%を切削し、プリズムレンズ溝5の高さの残り10%を、ダイヤモンドバイトAを用いて加工した。
表面にNi−Pめっきが施された被削材を使用し、工具はダイヤモンドバイトA及びダイヤモンドバイトBを用いてロール金型材料に微小溝を形成した。先ず、ダイヤモンドバイトBでプリズムレンズ溝5の高さの90%を切削し、プリズムレンズ溝5の高さの残り10%を、ダイヤモンドバイトAを用いて加工した。
(比較例1)
表面にNi−Pめっきが施された被削材を使用し、工具にダイヤモンドバイトAのみを用いてロール金型材料に微小溝を形成した。
表面にNi−Pめっきが施された被削材を使用し、工具にダイヤモンドバイトAのみを用いてロール金型材料に微小溝を形成した。
上述した方法で得られたそれぞれのロール金型に対し、下記のようなバイト磨耗評価、金型外観品評価を行い、さらに、それぞれのロール金型を後述するようなプリズムシート製造装置に組み込んでプリズムシートを製造し、そのプリズムシートの性能評価を行い、その結果を、表1にまとめた。
尚、参考例1として、表面に硬質銅めっきが施された被削材を使用し、工具にダイヤモンドバイトAのみを用いてプリズムレンズ加工を実施し、ロール金型を作製した。
(バイト磨耗評価方法)
切削加工前後で、ダイヤモンドバイトのすくい面からみた形状を光学顕微鏡(×3千倍)で評価した。加工前後で殆ど形状が変化していなければ「無」、加工前後で僅かに形状が変化していれば「小」、加工前後で大きく形状が変化していれば「大」と目視評価した。
参考例では、被削材に硬質銅めっきを用いて加工した際にバイト磨耗は発生しなかった。
切削加工前後で、ダイヤモンドバイトのすくい面からみた形状を光学顕微鏡(×3千倍)で評価した。加工前後で殆ど形状が変化していなければ「無」、加工前後で僅かに形状が変化していれば「小」、加工前後で大きく形状が変化していれば「大」と目視評価した。
参考例では、被削材に硬質銅めっきを用いて加工した際にバイト磨耗は発生しなかった。
(金型外観品評価方法)
切削加工後の金型品位を、指向性の強いラインライトを用いて目視評価した。金型表面にバリ等の光学欠陥となりうる不良が観られた場合には「悪」とし、金型表面にバリ等の光学欠陥となりうる不良が観られなかった場合には「良」と目視評価をした。
切削加工後の金型品位を、指向性の強いラインライトを用いて目視評価した。金型表面にバリ等の光学欠陥となりうる不良が観られた場合には「悪」とし、金型表面にバリ等の光学欠陥となりうる不良が観られなかった場合には「良」と目視評価をした。
(プリズムシート製造装置)
上述の方法(実施例、比較例)で得られたそれぞれロール金型1を、図4に示されるような、従来技術の光学シート製造装置20に取り付けた。ニップロール22およびニップロール24と、ロール金型1との間に厚み100μmのPETシート26を配置し、ニップロール22およびロール金型1を回転させ、PETシート26を搬送する。
上述の方法(実施例、比較例)で得られたそれぞれロール金型1を、図4に示されるような、従来技術の光学シート製造装置20に取り付けた。ニップロール22およびニップロール24と、ロール金型1との間に厚み100μmのPETシート26を配置し、ニップロール22およびロール金型1を回転させ、PETシート26を搬送する。
PETシート26とロール金型1との間に、モノマー供給装置28から以下に示されるような紫外線硬化性樹脂Rを供給し、UVランプ30a、30bから紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂Rを硬化させ、ロール金型1の外周面に形成された溝6+と相補的なプリズム部が表面に形成されたプリズムシートを得た。
紫外線硬化性樹脂:
フェノキシエチルアクリレート 50重量%
(大阪有機化学工業社製ビスコート#192)
ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリレート 50重量%
(共栄社油脂化学工業社製エポキシエステル3000A)
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 1.5重量%
(チバガイギー社製ダロキュア1173)
フェノキシエチルアクリレート 50重量%
(大阪有機化学工業社製ビスコート#192)
ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリレート 50重量%
(共栄社油脂化学工業社製エポキシエステル3000A)
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 1.5重量%
(チバガイギー社製ダロキュア1173)
上述のようにして得られたプリズムシートを、面光源装置(三星製SS141WL01)に組み込み、法線方向のピーク輝度を測定した。輝度の測定には、トプコン製BM−7を用いた。
上述のようにして得られたロール金型を参考例1と同様の方法でプリズムシートを作製し、ピーク輝度測定を実施した。光学特性は参考例1に対して101.4%であった。
実施例のロール金型を参考例1と同様の方法でプリズムシートを作製し、ピーク輝度測定を実施した。光学特性は参考例1に対して95.7%であった。
結果を表1に示す。ダイヤモンドバイトを加工途中で交換して、新しいダイヤモンドバイトで仕上げ加工することで良好な光学特性を得たことがわかる。バイト磨耗についてもダイヤモンドバイトを加工途中で交換することで抑制されることがわかった。金型外観品位についてもダイヤモンドバイトを加工途中で交換することで良好な外観品位を得ることがわかった。
1:ロール金型
2:(ロール金型)本体部分
4:電解Ni−Pめっき層
6:微小溝
2:(ロール金型)本体部分
4:電解Ni−Pめっき層
6:微小溝
Claims (4)
- シート状の基材上に略三角柱状の微細なプリズム部が繰り返し配置されたプリズムシートを製造するためのロール金型であって、前記プリズム部と相補的な形状を有する微小溝が外周面に設けられているロール金型の製造方法であって、
少なくとも外周面に被削材が配置されたロール状の金型材料の外周面を第1のバイトで切削し、前記微小溝の深さの80%ないし95%を切削加工する第1切削工程と、
前記第1のバイトとは異なる第2のバイトで、前記微小溝の残り深さ分を切削加工する第2切削工程と、を備えている、
ことを特徴とするロール金型の製造方法。 - 前記第1切削工程および第2切削工程において、前記微小溝は、ロール状の金型材料の外周面を螺旋状に切削するネジ切り切削によって形成される、
請求項1に記載のロール金型の製造方法。 - 前記第2切削工程では、前記第2のバイトによる少なくとも2回以上のネジ切り切削で、前記微小溝の残り深さ分が切削加工される、
請求項2に記載のロール金型の製造方法。 - 前記第1のバイトと第2のバイトは、前記ロール状の金型材料の軸線方向に並んで配置されてバイトホルダに取り付けられている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロール金型の製造方法。
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KR101481678B1 (ko) | 2013-05-31 | 2015-01-12 | 엘지디스플레이 주식회사 | 프리즘 시트 제조용 몰드 및 그의 제조 방법 |
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2011
- 2011-03-25 JP JP2011068104A patent/JP2012201003A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101481678B1 (ko) | 2013-05-31 | 2015-01-12 | 엘지디스플레이 주식회사 | 프리즘 시트 제조용 몰드 및 그의 제조 방법 |
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