JP5640797B2 - 防眩フィルム製造用金型の製造方法及び防眩フィルムの製造方法 - Google Patents

防眩フィルム製造用金型の製造方法及び防眩フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、防眩性に優れた防眩(アンチグレア)フィルムを製造するための金型の製造方法や、該金型を使用した防眩フィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの画像表示装置は、その表示面に外光が映り込むと視認性が著しく損なわれてしまう。このような外光の映り込みを防止するために、画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータ、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラ、反射光を利用して表示を行う携帯電話などにおいては、一般に、画像表示装置の表面に防眩フィルムが配置される。
このような防眩フィルムとして、例えば、特開2006−53371号公報(特許文献1)には、基材を研磨し、サンドブラスト加工を施した後、無電解ニッケルめっきを施すことによって、表面に微細な凹凸を有するロールを製造し、かかるロールの凹凸面をTACフィルム上に形成された光硬化性樹脂層に押し付けながら硬化して作製された防眩フィルムが記載されている。
特開2006−53371号公報
防眩フィルムには、防眩性が求められる他、画像表示装置の表面に配置した際に良好なコントラストを発現すること、画像表示装置の表面に配置した際に散乱光によって表示面全体が白っぽくなり、表示が濁った色になる、いわゆる「白ちゃけ」の発生を抑制すること、及び、画像表示装置の表面に配置した際に画像表示装置の画素と防眩フィルムの表面凹凸形状とが干渉し、結果として輝度分布が発生して見えにくくなる、いわゆる「ギラツキ」の発生を抑制することが要望されている。しかしながら、特許文献1に記載された防眩フィルムは、サンドブラスト加工によって凹凸形状を形成した金型を使用して作製されるため凹凸形状の精度の点で充分でなく、特に、50μm以上の周期を持つ比較的大きな凹凸形状を有する場合があるため「ギラツキ」が発生しやすかった。そこで、本発明の目的は、優れた防眩性を示しながら、良好なコントラストを発現し、「白ちゃけ」や「ギラツキ」の発生による視認性の低下を防止しうる防眩フィルムを製造するための金型の製造方法を提供することにある。
本発明は、金型用基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施す第1めっき工程と、第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する研磨工程と、研磨された面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、感光性樹脂膜上にパターン露光する露光工程と、パターン露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、現像された感光性樹脂膜をマスクとしてエッチング処理を行い、研磨されためっき面に凹凸を形成するエッチング工程と、エッチング処理後に感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、感光性樹脂膜を剥離して形成された凹凸面にクロムめっきを施す第2めっき工程とを含み、前記感光性樹脂膜形成工程において、感光性樹脂膜の膜厚の変動係数が10%未満になるように感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜が形成されることを特徴とする防眩フィルム製造用金型の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記金型の凹凸面の形状を透明樹脂フィルムに転写した後、金型の凹凸面の形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む防眩フィルムの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、優れた防眩性を示しながら、良好なコントラストを発現し、「白ちゃけ」や「ギラツキ」の発生による視認性の低下を防止しうる防眩フィルムを製造するための金型を製造することができる。
本発明の金型の製造方法の前半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。 感光性樹脂膜上に露光されるパターンを模式的に示す図である。 図2に示したパターンのエネルギースペクトルH2(fx,fy)のfx=0における断面を示す図である。 本発明の金型の製造方法の後半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。 第1エッチング工程においてサイドエッチングが進行する状態を模式的に示す図である。 第1エッチング工程によって形成された凹凸面が第2エッチング工程によって鈍る状態を模式的に示す図である。 実施例1、実施例2、および比較例1の露光工程において露光されるパターンを示す図である。
<金型の製造方法>
図1は、本発明の金型の製造方法の好ましい一例を模式的に示す図である。図1には各工程での金型の断面を模式的に示している。本発明の金型の製造方法は、〔1〕第1めっき工程と、〔2〕研磨工程と、〔3〕感光性樹脂膜形成工程と、〔4〕露光工程と、〔5〕現像工程と、〔6〕第1エッチング工程と、〔7〕感光性樹脂膜剥離工程と、〔8〕第2めっき工程とを基本的に含む。以下、図1を参照しながら、本発明の金型の製造方法の各工程について詳細に説明する。
〔1〕第1めっき工程
本発明の金型の製造方法ではまず、金型に用いる基材の表面に、銅めっきまたはニッケルめっきを施す。このように、金型用基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施すことにより、後の第2めっき工程におけるクロムめっきの密着性や光沢性を向上させることができる。これは、被覆性が高く、平滑化作用が強い銅めっきまたはニッケルめっきを施すことにより、金型用基材の微小な凹凸や鬆などを埋めて平坦で光沢のある表面を形成するためである。これらの銅めっきまたはニッケルめっきの特性によって、後述する第2めっき工程においてクロムめっきを施したとしても、基材に存在していた微小な凹凸や鬆に起因すると思われるクロムめっき表面の荒れが解消され、また、銅めっきまたはニッケルめっきの被覆性の高さから、細かいクラックの発生が低減される。
第1めっき工程において用いられる銅またはニッケルとしては、それぞれの純金属であることができるほか、銅を主体とする合金、またはニッケルを主体とする合金であってもよい。したがって、本明細書でいう「銅」は、銅および銅合金を含む意味であり、また「ニッケル」は、ニッケルおよびニッケル合金を含む意味である。銅めっきおよびニッケルめっきは、それぞれ電解めっきで行っても無電解めっきで行ってもよいが、通常は電解めっきが採用される。
銅めっきまたはニッケルめっきを施す際には、めっき層が余り薄いと、下地表面の影響が排除しきれないことから、その厚みは50μm以上であるのが好ましい。めっき層の厚みの上限は、コストの観点から、一般的には500μm程度で十分である。
なお、本発明の金型の製造方法において、基材の形成に好適に用いられる金属材料としては、コストの観点からアルミニウム、鉄などが挙げられる。さらに取扱いの利便性から、軽量なアルミニウムがより好ましい。ここでいうアルミニウムや鉄も、それぞれ純金属であることができるほか、アルミニウムまたは鉄を主体とする合金であってもよい。
また、基材の形状は、当分野において従来より採用されている適宜の形状であれば特に制限されず、平板状であってもよいし、円柱状または円筒状のロールであってもよい。ロール状の基材を用いて金型を作製すれば、防眩フィルムを連続的なロール状で製造することができるという利点がある。
〔2〕研磨工程
続く研磨工程では、上述した第1めっき工程にて銅めっきまたはニッケルめっきが施された基材表面を研磨する。当該工程を経て、基材表面は、鏡面に近い状態に研磨されることが好ましい。これは、基材となる金属板や金属ロールは、所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っており、銅めっきまたはニッケルめっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあるし、また、めっきした状態で、表面が完全に平滑になるとは限らないためである。
すなわち、このような加工目などが残った表面に後述する工程を施したとしても、各工程を施した後に形成される凹凸よりも加工目などの凹凸の方が深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性があり、そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。図1(a)には、平板状の金型用基材7が、第1めっき工程において銅めっきまたはニッケルめっきをその表面に施され(当該工程で形成した銅めっきまたはニッケルめっきの層については図示せず)、さらに研磨工程によって鏡面研磨された表面8を有するようにされた状態を模式的に示している。
銅めっきまたはニッケルめっきが施された基材表面を研磨する方法については特に制限されるものではなく、機械研磨法、電解研磨法、化学研磨法のいずれも使用できる。機械研磨法としては、超仕上げ法、ラッピング、流体研磨法、バフ研磨法が例示される。また、研磨工程において切削工具を用いて鏡面切削することによって、金型用基材表面7を鏡面としてもよい。その際の切削工具の材質や形状などは特に制限されるものではなく、超硬バイト、CBNバイト、セラミックバイト、ダイヤモンドバイトなどを使用することが出来るが、加工精度の観点からダイヤモンドバイトを用いることが好ましい。研磨工程後の表面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した中心線平均粗さRaが0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましい。研磨後の中心線平均粗さRaが0.1μmより大きいと、最終的な金型表面の凹凸形状に研磨後の表面粗度の影響が残る可能性があるので好ましくない。また、中心線平均粗さRaの下限については、加工時間や加工コストの観点から適宜設定される。
〔3〕感光性樹脂膜形成工程
続く感光性樹脂膜形成布工程では、上述した研磨工程によって鏡面研磨を施した基材7の表面8に、感光性樹脂を溶媒に溶解した溶液として塗布し、加熱・乾燥することにより、感光性樹脂膜を形成する。図1(b)には、基材7の表面8に感光性樹脂膜9が形成された状態を模式的に示している。
感光性樹脂としては従来公知の感光性樹脂を用いることができる。たとえば、感光部分が硬化する性質をもったネガ型の感光性樹脂としては分子中にアクリル基またはメタアクリル基を有するアクリル酸エステルの単量体やプレポリマー、ビスアジドとジエンゴムとの混合物、ポリビニルシンナマート系化合物などを用いることができる。また、現像により感光部分が溶出し、未感光部分だけが残る性質をもったポジ型の感光性樹脂としてはフェノール樹脂系やノボラック樹脂系などを用いることができる。また、感光性樹脂には、必要に応じて、増感剤、現像促進剤、密着性改質剤、塗布性改良剤などの各種添加剤を配合してもよい。
これらの感光性樹脂を基材7の表面8に塗布する際には、良好な塗膜を形成するために、適当な溶媒に希釈して塗布することが好ましく、セロソルブ系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、高極性溶媒などを使用することができる。
本発明では、この感光性樹脂膜形成工程において、感光性樹脂膜の膜厚の変動係数が10%未満になるように感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜が形成されることを特徴とする。このように膜厚の変動係数を所定値未満とし、より均一な膜厚とすることにより、得られる金型表面の凹凸形状のムラを軽減することが可能となる。加えて、該金型を使用して作製される防眩フィルムのムラも抑制することが可能となる。
ここでいう感光性樹脂膜の膜厚の変動係数とは、感光性樹脂膜の膜厚の標準偏差を感光性樹脂膜の膜厚の平均値で割った値を意味するものである。つまり、この変動係数が大きいほど、膜厚にムラが生じていることを意味するものである。感光性樹脂膜の膜厚が異なると、後の露光工程における感度や、後の現像工程における現像時間も変化するため、前記変動係数が10%以上になると、現像工程により金型基材表面の感光性樹脂膜に現像されるパターンにもムラを生じることになり、結果として、得られる金型表面の凹凸形状や、該金型を使用して作製される防眩フィルムにもムラが生じることになる。なお、前記変動係数は、前述した金型表面の凹凸形状のムラを抑制する観点から、5%以下となるようにするのがより好ましい。
前記変動係数は、金型用基材7の表面8に形成された感光性樹脂膜9の厚さを3箇所以上測定し、その平均値と標準偏差を計算することによって求めることが出来る。ここで精度良く変動係数を求めるためには感光性樹脂膜9の厚さは10箇所以上測定することが好ましい。
感光性樹脂膜の膜厚の変動係数が10%未満になるように感光性樹脂膜を塗布形成する方法としては、(1)感光性樹脂が溶媒に溶解した溶液〔以下、感光性樹脂溶液ということがある。〕に添加するレベリング剤の種類や量を調整することにより、該溶液のレベリング性を調整する方法、(2)前記溶液の希釈率を調整する方法、(3)適した塗布形式を採用する方法、(4)塗布条件を調整する方法などが挙げられる。
レベリング剤としては、シリコーン系のレベリング剤を使用することが好ましい。シリコーン系のレベリング剤を感光性樹脂溶液に添加すると、金属金型に対して塗工した際に塗布された溶液の表面張力が効果的に低下し、レベリング性が向上するためである。このようなシリコーン系のレベリング剤として、例えば、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、両末端変性シリコーンオイル、ポリエステル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、アクリル系シリコーンオイルなどの有機変性されたシリコーンオイルが挙げられる。
かかるシリコーンオイルの具体例としては、東レダウコーニング社製のアルキル変性シリコーンオイルである「SH203」、「SH230」、「SF8416」、「BY16−846」、「FZ−49」;東レダウコーニング社製のポリエーテル変性シリコーンオイルである「FZ−77」、「FZ−2105」、「SH 3746」、「FZ−2118」、「FZ−7604」、「FZ−2161」、「SH 3771」、「FZ−2162」、「FZ−2203」、「FZ−2207」、「FZ−2208」;東レダウコーニング社製のエポキシ変性シリコーンオイルである「FZ−3720」、「BY 16−839」、「SF 8411」、「SF 8413」、「SF 8421」、「BY 16−876」、「FZ−3736」、「BY 16−855D」;東レダウコーニング社製のアミノ変性シリコーンオイルである「FZ−3707」、「FZ−3504」、「BY 16−205」、「FZ−3760」、「FZ−3705」、「BY 16−209」、「FZ−3710」、「SF 8417」、「BY 16−849」、「BY 16−850」、「BY 16−879 B」、「BY 16−892」、「FZ−3501」、「FZ−3785」、「BY 16−872」、「BY 16−213」、「BY 16−203」、「BY 16−898」、「BY 16−890」、「BY 16−878」、「BY 16−891」、「BY 16−893」、「FZ−3789」;東レダウコーニング社製のカルボキシ変性シリコーンである「BY 16−880」;東レダウコーニング社製のカルビノール変性シリコーンオイルである「SF 8428」、東レダウコーニング社製のアルコキシ変性シリコーンオイルである「FZ−3704」、「BY 16−606」、東レダウコーニング社製の両末端変性シリコーンオイルである「BY 16−871」、「BY 16−853」、「BY 16−201」、「BY 16−004」、「SF−8427」、「BY 16−799」、「BY 16−752」が挙げられる。
また、ビックケミー・ジャパン株式会社製のポリエーテル変性シリコーンオイルである「BYK−300/302」、「BYK−306」、「BYK−307」、「BYK−320」、「BYK−325」、「BYK−330」、「BYK−331」、「BYK−333」、「BYK−337」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−345/346」「BYK−347」、「BYK−348」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−378」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3510」;ビックケミー・ジャパン株式会社製のポリエステル変性シリコーンオイルである「BYK−310」、「BYK−315」、「BYK−370」、「BYK−UV3570」;ビックケミー・ジャパン株式会社製のアラルキル変性シリコーンオイルである「BYK−322」、「BYK−323」、ビックケミー・ジャパン株式会社製のアクリル系シリコーンオイルである「BYK−350」、「BYK−352」、「BYK−354」、「BYK−355」、「BYK−358N/361N」、「BYK−380N」、「BYK−381」、「BYK−392」が挙げられる。
前述したレベリング剤は、単独で使用してもよく、それらの2種以上を使用してもよい。また、感光性樹脂溶液に添加するレベリング剤の添加量は、感光性樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましい。レベリング剤の添加量が少なすぎると、レベリング性向上の効果が得られないため好ましくなく、多すぎると感光性樹脂膜の金型基材への密着性が低下したり、感光性樹脂溶液の安定性が低下したりするため、好ましくない。
感光性樹脂溶液における感光性樹脂の含有量は、5〜50重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。感光性樹脂の含有量が、50重量%を上回る場合には、感光性樹脂溶液を塗布し、乾燥させる際のレベリング性が不十分となり、感光性樹脂膜の厚さの変動係数が大きくなるおそれがある。一方、感光性樹脂の含有量が、5重量%を下回る場合には、感光性樹脂溶液を塗布し、乾燥させる際に液垂れなどが発生し、感光性樹脂膜の厚さの変動係数が大きくなるおそれがある。また、感光性樹脂を希釈する溶媒としては前述のものを用いることができるが、レベリング性を向上させるために、メタノール(64.7度)、エタノール(78.4度)、イソプロピルアルコール(82.4度)、メチルエチルケトン(79.5度)などの沸点の比較的低い溶媒と、メチルイソブチルケトン(116.2度)、メチルセロソルブ(124度)、エチルチルセロソルブ(136.4度)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(121度)などの高沸点溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。
感光性樹脂溶液の塗布形式としては、該溶液の物性に応じて従来公知の形式を適宜選択しうるが、中でも、回転塗布、ロール塗布、ワイヤーバー塗布、リングコートが好ましく採用される。この中でもリングコート方式が特に好ましく採用される。リングコート方式は円筒状の基材に対して溶液を均一に塗布する方法として効果的なものである。リングコート方式では、溶液が塗布される円筒状基材の外周を取り囲む円盤状の塗布ヘッドが円筒状基材に沿って相対的に移動することによって溶液が塗布される。塗布装置中で円筒状基材は鉛直に支持され、その外周を取り囲む円盤状塗布ヘッドに溶液が供給された後、塗布ヘッドを円筒状基材の上端部側から下端部側に所定の速度で移動させることにより、円筒状基材の表面に溶液が均一に塗布される。溶液が円筒状基材に塗布される間は所定量の塗布液が塗布ヘッドに供給され続ける。リングコート方式を採用した場合、均一に溶液を塗布するために重要なパラメータは塗布ヘッドの相対移動速度である。塗布ヘッドの相対移動速度は、塗布される溶液の粘度やレベリング性に依存するため一概には言えないが、0.5〜300mm/secであることが好ましい。
また、感光性樹脂溶液を塗布した後、加熱、乾燥処理を施すのが好ましく、その温度は20〜80℃であるのが好ましく、25〜40℃であるのがより好ましい。加熱、乾燥温度が20℃を下回る場合には、乾燥時間が長くなり、乾燥中に液垂れが発生したりする可能性が高くなるため好ましくない。一方、加熱、乾燥温度が80℃を上回る場合には、乾燥時間が短くなり、乾燥中のレベリング効果が発現せず、感光性樹脂膜の厚さの変動係数が大きくなる可能性があるため好ましくない。
〔4〕露光工程
続く露光工程では、所定のパターンを上述した感光性樹脂膜形成工程で形成された感光性樹脂膜9上に露光する、所謂パターン露光を行う。露光工程に用いる光源は塗布された感光性樹脂の感光波長や感度等に合わせて適宜選択すればよく、たとえば、高圧水銀灯のg線(波長:436nm)、高圧水銀灯のh線(波長:405nm)、高圧水銀灯のi線(波長:365nm)、半導体レーザ(波長:830nm、532nm、488nm、405nmなど)、YAGレーザ(波長:1064nm)、KrFエキシマーレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマーレーザ(波長:193nm)、F2エキシマーレーザ(波長:157nm)等を用いることができる。
本発明の金型の製造方法において表面の凹凸形状を精度良く形成するためには、露光工程において、上述したパターンを感光性樹脂膜上に精密に制御された状態で露光することが好ましい。本発明の金型の製造方法においては、上述したパターンを感光性樹脂膜上に精度よく露光するために、コンピュータ上でパターンを画像データとして作成し、その画像データに基づいたパターンを、コンピュータ制御されたレーザヘッドから発するレーザ光によって描画することが好ましい。レーザ描画を行うに際しては印刷版作成用のレーザ描画装置を使用することができる。このようなレーザ描画装置としては、たとえばLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)などが挙げられる。
露光工程において感光性樹脂膜上に露光されるパターンは規則的なパターンでも良いし、ランダムなパターンでも良いが、規則的なパターンを露光した場合には、得られる金型の最終的な微細凹凸表面が規則的なものとなり、このような金型を用いて製造される防眩フィルムの微細凹凸表面も規則的なものとなる。規則的な微細凹凸表面を有する防眩フィルムはその規則性に起因する干渉色が発生する可能性がある。よって、露光工程において露光されるパターンはランダムであることがより好ましい。図2にランダムなパターンを模式的に示した。図2(a)は16μmのドット径を有するドットをランダムに配置したパターンであり、図2(b)はドットをランダムに配置して作成したパターンから、特定の空間周波数範囲のみを抽出するバンドパスフィルターを通過させて得られたパターンである。
ここで、防眩フィルムの微細凹凸表面は、防眩フィルムの微細凹凸表面によって発生するギラツキを抑制するという観点から、50μm以上の長周期成分を含まないことが好ましい。しかしながら、10μm以下の短周期成分のみを含む微細凹凸表面では優れた防眩性能が発現しない。よって、防眩フィルムの微細凹凸表面は、十分な防眩効果を発現しつつ、ギラツキを十分に防止するために、10〜50μmの周期を持つ表面形状を主成分として含むことが好ましい。よって、十分な防眩効果を発現しつつ、ギラツキを十分に防止する防眩フィルムを製造するための金型は、10〜50μmの周期を持つ表面形状を主成分として含むことが好ましい。
このような表面形状を形成するためには、露光工程において、空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギー
スペクトルH2 2の比H1 2/H2 2が0.3以下であり、かつ、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH3 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2の比H3 2/H2 2が5以下であるパターンを感光性樹脂膜上に露光することが好ましい。露光されるパターンのエネルギースペクトルの比H1 2/H2 2が0.3を上回る場合には、得られる防眩フィルムに周期が50μm以上である微細凹凸表面が形成されやすくなり、結果として、例えば、該防眩フィルムを高精細の画像表示装置の表面に配置したときにギラツキが発生しやすくなる。また、パターンのエネルギースペクトルの比H3 2/H2 2が5を上回る場合には、得られる防眩フィルムに周期が10μm以下である微細凹凸表面が形成されやすくなり、結果として、十分な防眩効果が発現しないおそれがある。
パターンのエネルギースペクトルは、例えば画像データであれば、画像データを2階調の二値化画像データに変換した後、画像データの階調を二次元関数h(x,y)で表し、得られた二次元関数h(x,y)をフーリエ変換して二次元関数H(fx,fy)を計算し、得られた二次元関数H(fx,fy)を二乗することによって求めることができる。ここで、xおよびyは画像データ面内の直交座標を表し(例えばx方向が画像データの横方向、y方向が画像データの縦方向である)、fxおよびfyはx方向の周波数およびy方向の周波数を表している。実際には、画像データの階調を示す二次元関数h(x,y)は画素毎の階調が離散的なデータ点の集合として得られるため離散関数である。よって、式(1)で定義される離散フーリエ変換によって離散関数H(fx,fy)を計算し、離散関数H(fx,fy)を二乗することによってエネルギースペクトルが求められる。ここで式(1)中のπは円周率、iは虚数単位である。また、Mはx方向の画素数であり、Nはy方向の画素数であり、lは−M/2以上M/2以下の整数であり、mは−N/2以上N/2以下の整数である。さらに、ΔfxおよびΔfyはそれぞれx方向およびy方向の周波数間隔であり、式(2)および式(3)で定義される。ここで式(2)および式(3)中のΔxおよびΔyはそれぞれ、x方向、y方向の画素の間隔である。
式(1)
Figure 0005640797
式(2)
Figure 0005640797
式(3)
Figure 0005640797
本発明の金型の製法において露光するパターンはランダムであることが好ましく、パターンがランダムである場合には、エネルギースペクトルH2(fx,fy)は原点を中心に対称となる。よって、パターンの空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2、および空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH3 2はエネルギースペクトルH2(fx,fy)の原点を通る任意の断面より求めることができる。図3は、図2に示したパターンのエネルギースペクトルH2(fx,fy)のfx=0における断面を示す図である。この図におけるfx=0.02μm-1の値、fx=0.04μm-1の値、fx=0.1μm-1の値から、それぞれエネルギースペクトルH1 2、エネルギースペクトルH2 2、およびエネルギースペクトルH3 2を求めることが出来る。これより図2(a)に示したパターンの比H1 2/H2 2および比H3 2/H2 2はそれぞれ0.238と0.188であり、図2(b)に示したパターンの比H1 2/H2 2および比H3 2/H2 2はそれぞれ0.009と0.084である。
上記したように空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2の比H1 2/H2 2が0.3以下であり、かつ、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH3 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2の比H3 2/H2 2が5以下であるパターンは、例えば図2(a)のように、多数のドットをランダムかつ均一に配置することにより作成することができる。ランダムに配置するドット径は1種類でもよいし、複数種類でもよい。ここで、空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2の比H1 2/H2 2を0.3以下とし、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH3 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2の比H3 2/H2 2を0.3以下とするためには、空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2を小さくし、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2を大きくし、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH 2を小さくする必要がある。図2(a)のように多数のドットをランダムに配置して作成したパターンにおいては、エネルギースペクトルはドット間の平均距離の逆数である空間周波数に第一の極大値(空間周波数が0μm−1より大きく最小の空間周波数における極大値)を示す。よって、空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2を小さくし、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2を大きくし、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH 2を小さくするためには、ドット間の平均距離を15〜30μm(空間周波数において0.033〜0.067μm−1)となるようにパターンを作成することが好ましい。さらに、ドット間の平均距離を15〜30μmとするためには、平均ドット径は8μm以上20μm以下であることが好ましい。平均ドット径が20μmを超える場合には、多数のドットをランダムに配置することが難しくなり、作成されたパターンに規則性が発生する虞がある。規則的なパターンを用いて作製した金型は、その最終的な微細凹凸表面が規則的なものとなり、このような金型を用いて製造される防眩フィルムの微細凹凸表面も規則的なものとなる。規則的な微細凹凸表面を有する防眩フィルムはその規則性に起因する干渉色が発生する可能性がある。また、平均ドット径が8μmを下回る場合には、作成されるパターンにドットが存在しない疎な領域が発生しやすくなるため、均一なパターンを作成することが困難となる。このような均一ではないパターンを用いて作成した金型は、その最終的な微細凹凸表面も均一ではなくなり、このような金型を用いて製造される防眩フィルムは優れた防眩性を示さなくなる可能性がある。また、このような多数のドットをランダムに配置して作成したパターンから、特定の空間周波数以下の低空間周波数成分を除去するハイパスフィルターを通過させて得られたパターンを用いることもできる。さらに、図2(b)のように、多数のドットをランダムに配置して作成したパターンから、特定の空間周波数以下の低空間周波数成分と特定の空間周波数以上の高空間周波数成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて得られたパターンを用いることもできる。図3に示したように多数のドットをランダムに配置して作成したパターンは、配置するドットのドット径とドット間の平均距離に依存する極大値を示す。このようなパターンを前記ハイパスフィルターもしくは前記バンドパスフィルターに通過させることによって不必要な成分を除去することができる。このようにハイパスフィルターもしくはバンドパスフィルターを通過させたパターンは、フィルターによって成分を除去しているため、より効率的に空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2を小さくし、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2を大きくし、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH 2を小さくすることができる。ここで、前記ハイパスフィルターを用いる場合、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2を相対的に大きくするために、除去する低空間周波数成分の上限空間周波数は0.01μm-1以上0.04μm-1未満であることが好ましい。また、前記バンドパスフィルターを用いる場合、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2を相対的に大きくするために、除去する低空間周波数成分の上限空間周波数は0.01μm-1以上0.04μm-1未満であることが好ましく、除去する高空間周波数成分の下限空間周波数は0.08μm-1以上であることが好ましい。ハイパスフィルターやバンドパスフィルターなどを通過させる手法を用いてパターンを作成する場合には、フィルターを通過させる前のパターンとして、乱数もしくは計算機によって生成された擬似乱数により濃淡を決定したランダムな明度分布を有するパターンを用いることもできる。
図1(c)には、感光性樹脂膜9にパターンが露光された状態を模式的に示している。
感光性樹脂膜をネガ型の感光性樹脂で形成した場合には、露光された領域10は露光によって樹脂の架橋反応が進行し、後述する現像液に対する溶解性が低下する。よって、現像工程において露光されていない領域11が現像液によって溶解され、露光された領域10のみ基材表面上に残りマスクとなる。一方、感光性樹脂膜をポジ型の感光性樹脂で形成した場合には、露光された領域10は露光によって樹脂の結合が切断され、後述する現像液に対する溶解性が増加する。よって、現像工程において露光された領域10が現像液によって溶解され、露光されていない領域11のみ基材表面上に残りマスクとなる。
〔5〕現像工程
続く現像工程においては、感光性樹脂膜9にネガ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光されていない領域11は現像液によって溶解され、露光された領域10のみ金型用基材上に残存し、続く第1エッチング工程においてマスクとして作用する。一方、感光性樹脂膜9にポジ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光された領域10のみ現像液によって溶解され、露光されていない領域11が金型用基材上に残存して、続く第1エッチング工程におけるマスクとして作用する。
現像工程に用いる現像液については従来公知のものを使用することができる。たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどの第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジンなどの環状アミン類などのアルカリ性水溶液、キシレン、トルエンなどの有機溶剤などを挙げることができる。
現像工程における現像方法については特に制限されず、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像などの方法を用いることができる。
図1(e)には、感光性樹脂膜9にネガ型の感光性樹脂を用いて、現像処理を行った状態を模式的に示している。図1(c)において露光されていない領域11が現像液によって溶解され、露光された領域10のみ基材表面上に残りマスク12となる。図1(d)には、感光性樹脂膜9にポジ型の感光性樹脂を用いて、現像処理を行った状態を模式的に示している。図1(c)において露光された領域10が現像液によって溶解され、露光されていない領域11のみ基材表面上に残りマスク12となる。
〔6〕第1エッチング工程
続く第1エッチング工程では、上述した現像工程後に金型用基材表面上に残存した感光性樹脂膜をマスクとして用いて、主にマスクの無い箇所の金型用基材をエッチングする。
図4は、本発明の金型の製造方法の後半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。図4(a)には第1エッチング工程によって、主にマスクの無い箇所13の金型用基材7がエッチングされる状態を模式的に示している。マスク12の下部の金型用基材7は金型用基材表面からはエッチングされないが、エッチングの進行とともにマスクの無い領域13からのエッチングが進行する。よって、マスク12とマスクの無い領域13の境界付近では、マスク12の下部の金型用基材7もエッチングされる。このようなマスク12とマスクの無い領域13の境界付近において、マスク12の下部の金型用基材7もエッチングされることを、以下ではサイドエッチングと呼ぶ。図5にはサイドエッチングの進行を模式的に示した。図5の点線14はエッチングの進行とともに変化する金型用基材の表面を段階に示している。
第1エッチング工程におけるエッチング処理は、通常、塩化第二鉄(FeCl3)液、塩化第二銅(CuCl2)液、アルカリエッチング液(Cu(NH34Cl2)などを用いて、金属表面を腐食させることによって行われるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。エッチング処理を施した際の金型用基材に形成される凹形状は、下地金属の種類、感光性樹脂膜の種類およびエッチング手法などによって変わりうるが、エッチング量が10μm以下である場合には、エッチング液に触れている金属表面から略等方的にエッチングされる。ここでいうエッチング量とは、エッチングにより削られる基材の厚みである。
第1エッチング工程におけるエッチング量は好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは2〜10μmである。エッチング量が1μm未満である場合には、金属表面に凹凸形状がほとんど形成されずに、ほぼ平坦な金型となってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。また、エッチング量が50μmを超える場合には、金属表面に形成される凹凸形状の高低差が大きくなり、得られた金型を使用して作製した防眩フィルムが白ちゃけることとなるため好ましくない。第1エッチング工程におけるエッチング処理は1回のエッチング処理によって行ってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行ってもよい。ここでエッチング処理を2回以上に分けて行う場合には、2回以上のエッチング処理におけるエッチング量の合計が1〜50μmであることが好ましい。このエッチング量は、エッチング処理の手法、エッチング処理に使用する処理液の組成、エッチング処理温度、エッチング処理時間等を調整することにより、制御することができる。中でも、エッチング処理の手法、処理液の組成、処理温度を固定して、処理時間の長短を調整することにより、エッチング量の大小を制御する方法が簡便であり好ましい。
〔7〕感光性樹脂膜剥離工程
続く感光性樹脂膜剥離工程では、第1エッチング工程でマスクとして使用した残存する感光性樹脂膜を完全に溶解し除去する。感光性樹脂膜剥離工程では剥離液を用いて感光性樹脂膜を溶解する。剥離液としては、上述した現像液と同様のものを用いることができるが、pH、温度、濃度および浸漬時間などを変化させること、例えば、現像液よりもpH、温度、濃度を高くしたり、浸漬時間を長くしたりすることによって、ネガ型の感光性樹脂膜を用いた場合には露光部の、ポジ型の感光性樹脂膜を用いた場合には非露光部の感光性樹脂膜を完全に溶解して除去する。感光性樹脂膜剥離工程における剥離方法についても特に制限されず、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像などの方法を用いることができる。
図4(b)は、感光性樹脂膜剥離工程によって、第1エッチング工程でマスクとして使用した感光性樹脂膜を完全に溶解し除去した状態を模式的に示している。感光性樹脂膜によるマスク12とエッチングによって、第1の表面凹凸形状15が金型用基材表面に形成される。
〔8〕第2めっき工程
続いて、クロムめっきを施すことによって、表面の凹凸形状を鈍らせる。図4(c)には、上述したように第1エッチング工程のエッチング処理によって形成された表面凹凸形状にクロムめっき層16を形成し、表面17を鈍らせた状態が示されている。
本発明では、平板やロールなどの表面に、光沢があって、硬度が高く、摩擦係数が小さく、良好な離型性を与え得るクロムめっきを採用する。クロムめっきの種類は特に制限されないが、いわゆる光沢クロムめっきや装飾用クロムめっきなどと呼ばれる、良好な光沢を発現するクロムめっきを用いることが好ましい。クロムめっきは通常、電解によって行われ、そのめっき浴としては、無水クロム酸(CrO3)と少量の硫酸を含む水溶液が用いられる。電流密度と電解時間を調節することにより、クロムめっきの厚みを制御することができる。
なお、第2めっき工程において、クロムめっき以外のめっきを施すことは好ましくない。何故なら、クロム以外のめっきでは、硬度や耐摩耗性が低くなるため、金型としての耐久性が低下し、使用中に凹凸が磨り減ったり、金型が損傷したりする。そのような金型から得られた防眩フィルムでは、十分な防眩機能が得られにくい可能性が高く、また、フィルム上に欠陥が発生する可能性も高くなる。
また、めっき後の表面を研磨することも、やはり本発明では好ましくない。研磨することにより、最表面に平坦な部分が生じるため、光学特性の悪化を招く可能性があること、また、形状の制御因子が増えるため、再現性のよい形状制御が困難になることなどの理由による。
このように本発明では、クロムめっきを施した後、表面を研磨する工程を含まず、そのままクロムめっき面を金型の凹凸面として用いることが好ましい。微細表面凹凸形状が形成された表面にクロムめっきを施すことにより、凹凸形状が鈍らせられるとともに、その表面硬度が高められた金型が得られるためである。この際の凹凸の鈍り具合は、下地金属の種類、第1エッチング工程より得られた凹凸のサイズと深さ、まためっきの種類や厚みなどによって変わりうるが、鈍り具合を制御するうえで最も大きな因子は、やはりめっき厚みである。クロムめっきの厚みが薄いと、クロムめっき加工前に得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方で、めっき厚みが厚すぎると、生産性が悪くなるうえに、ノジュールと呼ばれる突起状のめっき欠陥が発生してしまうため好ましくない。そこで、クロムめっきの厚みは1〜10μmの範囲内であるのが好ましく、3〜6μmの範囲内であるのがより好ましい。
当該第2めっき工程で形成されるクロムめっき層は、ビッカース硬度が800以上となるように形成されていることが好ましく、1000以上となるように形成されていることがより好ましい。クロムめっき層のビッカース硬度が800未満である場合には、金型使用時の耐久性が低下するうえに、クロムめっきで硬度が低下することはめっき処理時にめっき浴組成、電解条件などに異常が発生している可能性が高く、欠陥の発生状況についても好ましくない影響を与える可能性が高いためである。
また、本発明の防眩フィルム製造用金型の製造方法においては、上述した〔7〕感光性樹脂膜剥離工程と〔8〕第2めっき工程との間に、第1エッチング工程によって形成された凹凸面をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程を含むことが好ましい。
第2エッチング工程では、感光性樹脂膜をマスクとして用いた第1エッチング工程によって形成された第1の表面凹凸形状15を、エッチング処理によって鈍らせる。この第2エッチング処理によって、第1エッチング処理によって形成された第1の表面凹凸形状15における表面傾斜が急峻な部分がなくなり、得られた金型を用いて製造された防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。図6には、第2エッチング処理によって、基材7の第1の表面凹凸形状15が鈍化し、表面傾斜が急峻な部分が鈍らされ、緩やかな表面傾斜を有する第2の表面凹凸形状18が形成された状態が示されている。
第2エッチング工程のエッチング処理も、第1エッチング工程と同様に、通常、塩化第二鉄(FeCl3)液、塩化第二銅(CuCl2)液、アルカリエッチング液(Cu(NH34Cl2)などを用い、表面を腐食させることによって行われるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。エッチング処理を施した後の凹凸の鈍り具合は、下地金属の種類、エッチング手法、および第1エッチング工程により得られた凹凸のサイズと深さなどによって変わりうるが、鈍り具合を制御する上で最も大きな因子は、エッチング量である。ここでいうエッチング量も、第1エッチング工程と同様に、エッチングにより削られる基材の厚みである。エッチング量が小さいと、第1エッチング工程により得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方で、エッチング量が大きすぎると、凹凸形状がほとんどなくなってしまい、ほぼ平坦な金型となってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。そこで、エッチング量は1〜50μmの範囲内であることが好ましく、4〜20μmの範囲内であることがより好ましい。第2エッチング工程におけるエッチング処理についても、第1エッチング工程と同様に、1回のエッチング処理によって行ってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行ってもよい。ここでエッチング処理を2回以上に分けて行う場合には、2回以上のエッチング処理におけるエッチング量の合計が1〜50μmであることが好ましい。
<防眩フィルムの製造方法>
本発明はまた、上述した本発明の金型の製造方法で得られた金型を用いた防眩フィルムの製造方法についても提供する。すなわち、本発明の防眩フィルムの製造方法は、本発明の金型の製造方法で製造された金型の凹凸面の形状を透明樹脂フィルムに転写した後、金型の凹凸面の形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを特徴とするものである。このような本発明の防眩フィルムの製造方法によって、好ましい光学特性を示す防眩フィルムが好適に製造される。
金型形状のフィルムへの転写は、エンボスにより行うことが好ましい。エンボスとしては、光硬化性樹脂を用いるUVエンボス法、熱可塑性樹脂を用いるホットエンボス法が例示され、中でも、生産性の観点から、UVエンボス法が好ましい。
UVエンボス法は、透明樹脂フィルムの表面に光硬化性樹脂層を形成し、その光硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面の形状が光硬化性樹脂層に転写される方法である。具体的には、透明樹脂フィルム上に紫外線硬化型樹脂を塗工し、塗工した紫外線硬化型樹脂を金型の凹凸面に密着させた状態で透明樹脂フィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、その後金型から、硬化後の紫外線硬化型樹脂層が形成された透明樹脂フィルムを剥離することにより、金型の形状を紫外線硬化型樹脂に転写する。
UVエンボス法を用いる場合、透明樹脂フィルムとしては、実質的に光学的に透明なフィルムであればよく、たとえばトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。
またUVエンボス法を用いる場合における紫外線硬化型樹脂の種類は特に限定されないが、市販の適宜のものを用いることができる。また、紫外線硬化型樹脂に適宜選択された光開始剤を組み合わせて、紫外線より波長の長い可視光でも硬化が可能な樹脂を用いることも可能である。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能アクリレートをそれぞれ単独で、あるいはそれら2種以上を混合して用い、それと、イルガキュアー907(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)などの光重合開始剤とを混合したものを好適に用いることができる。
一方、ホットエンボス法は、熱可塑性樹脂で形成された透明樹脂フィルムを加熱状態で金型に押し付け、金型の表面形状を透明樹脂フィルムに転写する方法である。ホットエンボス法に用いる透明樹脂フィルムとしては、実質的に透明なものであればいかなるものであってもよく、たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどを用いることができる。これらの透明樹脂フィルムはまた、上で説明したUVエンボス法における紫外線硬化型樹脂を塗工するための基材フィルムとしても好適に用いることができる。
本発明の製造方法によって得られた金型を用いて製造される防眩フィルムは、微細凹凸表面を精度よく制御されて形成されるため、十分な防眩性を発現し、これを画像表示装置の表面に配置した際にも、白ちゃけやギラツキが発生せず、高いコントラストを示すものとなる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記ない限り重量基準である。
〔1〕感光性樹脂膜の膜厚の変動係数の測定
まず、金型基材に形成された感光性樹脂膜の一部を剥離し、金型基材表面(剥離していない箇所)と感光性樹脂膜表面(剥離していない箇所)の高低差を三次元顕微鏡PLμ2300(Sensofar社製)によって10箇所測定し、それらの測定値の平均値と標準偏差を計算することによって、感光性樹脂膜の平均膜厚および感光性樹脂膜の膜厚の標準偏差をそれぞれ得た。その後、得られた感光性樹脂膜の膜厚の標準偏差を感光性樹脂膜の平均膜厚で割ることによって感光性樹脂膜の膜厚の変動係数を求めた。
〔2〕防眩フィルムのヘイズの測定
防眩フィルムのヘイズは、JIS K 7136に規定される方法で測定した。具体的には、この規格に準拠したヘイズメータHM−150型(村上色彩技術研究所製)を用いてヘイズを測定した。防眩フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。一般的にヘイズが大きくなると、画像表示装置に適用したときに画像が暗くなり、その結果、正面コントラストが低下しやすくなる。それ故に、ヘイズは低い方が好ましい。
〔3〕防眩フィルムの防眩性能の評価
(映り込み、白ちゃけの目視評価)
防眩フィルムの裏面からの反射を防止するために、凹凸面が表面となるように黒色アクリル樹脂板に防眩フィルムを貼合し、蛍光灯のついた明るい室内で凹凸面側から目視で観察し、蛍光灯の映り込みの有無、白ちゃけの程度、およびムラの程度を目視で評価した。
映り込み、白ちゃけ、およびムラは、それぞれ1から3の3段階で次の基準により評価した。
映り込み 1:映り込みが観察されない。
2:映り込みが少し観察される。
3:映り込みが明瞭に観察される。
白ちゃけ 1:白ちゃけが観察されない。
2:白ちゃけが少し観察される。
3:白ちゃけが明瞭に観察される。
ムラ 1:ムラが観察されない。
2:ムラが少し観察される。
3:ムラが明瞭に観察される。
(ギラツキの評価)
ギラツキは、以下の方法で評価した。すなわち、市販の液晶テレビ(LC−32GH3(シャープ(株)製)から表裏両面の偏光板を剥離した。それらオリジナル偏光板の代わりに、背面側および表示面側とも、偏光板スミカラン SRDB31E(住友化学(株)製)を、それぞれの吸収軸がオリジナルの偏光板の吸収軸と一致するように粘着剤を介して貼合し、さらに表示面側偏光板の上には、以下の各例に示す防眩フィルムを凹凸面が表面となるように粘着剤を介して貼合した。この状態で、サンプルから約30cm離れた位置から、目視観察することにより、ギラツキの程度を7段階で官能評価した。レベル1はギラツキが全く認められない状態、レベル7はひどくギラツキが観察される状態に該当し、レベル3はごくわずかにギラツキが観察される状態である。
<実施例1>
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、研磨された銅めっき表面にリングコート方式の塗布装置によって感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成した。ついで、図7に示すパターン(12μmのドッット径を有するドットを多数ランダムに配置したパターンから、0.04μm-1以下の低空間周波数成分と0.1μm-1以上の高空間周波数成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作成した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光し、現像した。レーザ光による露光、および現像はLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行った。感光性樹脂膜にはポジ型の感光性樹脂を使用した。
その後、塩化第二銅液で第1のエッチング処理を行った。その際のエッチング量は3μmとなるように設定した。第1のエッチング処理後のロールから感光性樹脂膜を除去し、再度、塩化第二銅液で第2のエッチング処理を行った。その際のエッチング量は10μmとなるように設定した。その後、クロムめっき加工を行い、金型Aを作製した。このとき、クロムめっき厚みが4μmとなるように設定した。
光硬化性樹脂組成物GRANDIC 806T(大日本インキ化学工業(株)製)を酢酸エチルにて溶解して、50重量%濃度の溶液とし、さらに、光重合開始剤であるルシリンTPO(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)を、硬化性樹脂成分100重量部あたり5重量部添加して塗布液を調製した。厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、この塗布液を乾燥後の塗布厚みが6μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを、先に得られた金型Aの凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層が金型側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごと金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる、透明な防眩フィルムAを作製した。結果を表1に示す。
<実施例2>
第1のエッチング処理におけるエッチング量を4μmとなるように設定したこと以外は実施例1と同様にして金型Bを得た。得られた金型Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムBを作製した。結果を表1に示す。
<比較例1>
ファウンテンコート方式の塗布装置によって感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして金型Cを得た。得られた金型Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムCを作製した。結果を表1に示す。
<比較例2>
直径300mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面を鏡面研磨し、研磨されたアルミ面に、ブラスト装置((株)不二製作所製)を用いて、ジルコニアビーズTZ−SX−17(東ソー(株)製、平均粒径:20μm)を、ブラスト圧力0.1MPa(ゲージ圧、以下同じ)、ビーズ使用量8g/cm2(ロールの表面積1cm2あたりの使用量、以下同じ)でブラストし、表面に凹凸をつけた。得られた凹凸つきアルミロールに対し、無電解ニッケルめっき加工を行い、金型Dを作製した。このとき、無電解ニッケルめっき厚みが15μmとなるように設定した。得られた金型Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムDを作製した。結果を表1に示す。
Figure 0005640797
防眩フィルムAおよびBは、優れた防眩機能を示しながら、白ちゃけやギラツキによる視認性の低下が十分に防止され、ヘイズも小さかった。また、ムラも観察されなかった。
一方、感光性樹脂膜の膜厚の変動係数が本発明の要件を満たさない製法によって作製した金型Cを用いて製造した防眩フィルムCは、優れた防眩機能を示しながら、白ちゃけやギラツキによる視認性の低下が十分に防止され、ヘイズも小さかったものの、感光性樹脂膜の膜厚の変動係数に依存するムラが確認された。また、従来公知のサンドブラスト加工により作製した金型Dを用いて製造した防眩フィルムDは感光性樹脂膜形成工程に起因するムラは発生しなかったが、表面形状が精度よく形成されていないためにギラツキが発生した。
7 金型用基材、8 研磨工程によって研磨された基材の表面、9 感光性樹脂膜、10 露光工程において露光された感光性樹脂膜、11 露光工程において露光されない感光性樹脂膜、12 マスクとして作用する感光性樹脂膜、13 マスクの無い箇所、14 エッチングによって段階的に形成される表面、15 第1エッチング工程後の基材表面(第1の表面凹凸形状)、16 クロムめっき層、17 クロムめっきの表面、18 第2エッチング工程後の基材表面(第2の表面凹凸形状)。

Claims (6)

  1. 金型用基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施す第1めっき工程と、
    第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する研磨工程と、
    研磨された面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、
    感光性樹脂膜上にパターン露光する露光工程と、
    パターン露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
    現像された感光性樹脂膜をマスクとしてエッチング処理を行い、研磨されためっき面に凹凸を形成するエッチング工程と、
    エッチング処理後に感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、
    感光性樹脂膜を剥離して形成された凹凸面にクロムめっきを施す第2めっき工程とを含み、
    前記感光性樹脂膜形成工程において、感光性樹脂膜の膜厚の変動係数が10%未満になるように感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜が形成されることを特徴とする防眩フィルム製造用金型の製造方法。
  2. 前記感光性樹脂膜剥離工程と前記第2めっき工程の間に、形成された凹凸面をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程を含む請求項1に記載の防眩フィルム製造用金型の製造方法。
  3. 前記第2めっき工程において、クロムめっき層の厚みが1〜10μmになるようにクロムめっきを施す請求項1または2に記載の防眩フィルム製造用金型の製造方法。
  4. 前記第2めっき工程後に表面を研磨する工程を含まない請求項1〜3のいずれかに記載の防眩フィルム製造用金型の製造方法。
  5. 前記露光工程において、空間周波数0.02μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2の比H1 2/H2 2が0.3以下であり、かつ、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH3 2と、空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2の比H3 2/H2 2が5以下であるパターンを感光性樹脂膜上に露光する請求項1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム製造用金型の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造された金型の凹凸面の形状を透明樹脂フィルムに転写した後、金型の凹凸面の形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む防眩フィルムの製造方法。
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