JP2014117853A - 防眩フィルム製造用金型の製造方法および防眩フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な防眩性を有し、良好なコントラストを発現し、白ちゃけやギラツキの発生が抑制され、かつ、ムラの発生が抑制された防眩フィルムを得るための防眩フィルム製造用金型を提供すること。
【解決手段】本発明は、銅めっき層を形成する第1めっき工程と、研磨工程と、感光性樹脂膜形成工程と、露光工程と、現像工程と、前記銅めっき層の表面に微細な凹凸形状を形成する第1エッチング工程と、感光性樹脂膜剥離工程と、前記凹凸形状をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程と、保護めっき層を形成する第2めっき工程とを含み、前記感光性樹脂膜形成工程において、あらかじめフィルム基材上に形成された感光性樹脂膜を前記金型用基材の表面に転写することによって、前記感光性樹脂膜が形成されることを特徴とする、防眩フィルム製造用金型の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、防眩性に優れた防眩(アンチグレア)フィルムを製造するための金型の製造方法および防眩フィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの画像表示装置は、その表示面に外光が映り込むと視認性が著しく損なわれてしまう。このような外光の映り込みを防止するために、画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータ、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラ、反射光を利用して表示を行う携帯電話などにおいては、従来から画像表示装置の表面に外光の映り込みを防止するために防眩フィルムが使用されている。
防眩フィルムには、防眩性、画像表示装置の表面に配置した際に良好なコントラストを発現すること、画像表示装置の表面に配置した際に散乱光によって表示面全体が白っぽくなり、表示が濁った色になる、いわゆる「白ちゃけ」の発生を抑制すること、及び、画像表示装置の表面に配置した際に画像表示装置の画素と防眩フィルムの表面凹凸形状とが干渉し、結果として輝度分布が発生して見えにくくなる、いわゆる「ギラツキ」の発生を抑制することが要望されている。さらに、ムラなどの品質上の不具合が無いことが必要である。
このような防眩フィルムとして、例えば、特許文献1(特開2006−53371号公報)には、基材を研磨し、サンドブラスト加工を施した後、無電解ニッケルめっきを施すことによって、表面に微細な凹凸を有するロールを製造し、かかるロールの凹凸面をTACフィルム上に形成された光硬化性樹脂層に押し付けながら硬化して作製された防眩フィルムが記載されている。すなわち、金型の凹凸面の形状を透明樹脂フィルムに転写した後、金型の凹凸面の形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む防眩フィルムの製造方法が開示されている。
しかし、特許文献1に開示された防眩フィルムは、サンドブラスト加工によって凹凸形状を形成した金型を使用して作製されるため凹凸形状の精度の点で充分ではなく、特に、50μm以上の周期を持つ比較的大きな凹凸形状を有する場合があるため「ギラツキ」が発生しやすかった。
特許文献2(特開2010−76385号公報)には、金型用基材の表面に銅めっきを施す第1めっき工程と、第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する研磨工程と、研磨された面に感光性樹脂膜を塗布形成する感光性樹脂膜塗布工程と、感光性樹脂膜上にパターンを露光する露光工程と、パターンが露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、現像された感光性樹脂膜をマスクとして用いてエッチング処理を行い、研磨されためっき面に凹凸を形成する第1エッチング工程と、感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、感光性樹脂膜を完全に除去した後に、第1エッチング工程によって形成された凹凸面をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程と、鈍らせた凹凸面にクロムめっきを施す第2めっき工程とを含む、防眩フィルム製造用金型の製造方法について記載されている。
防眩フィルムに求められる特性のうち、防眩性、良好なコントラストの発現、白ちゃけ発生の抑制、ギラツキ発生の抑制については、特許文献2に開示されているようにパターン露光によって表面形状を形成した防眩フィルム製造用金型によって達成される。
しかし、感光性樹脂膜を感光性樹脂組成物の溶液を金型基材に直接塗布形成しているため、感光性樹脂膜の膜厚が変動し易く、その感光性樹脂膜の膜厚のわずかな変動によって、後の露光工程において銅めっき研磨面からの反射光と感光性樹脂膜の表面での反射光による干渉によって、露光の程度が変化し、現像工程により金型基材表面の感光性樹脂膜に現像されるパターンにムラが生じることになり、結果として、得られる金型表面の凹凸形状や、該金型を使用して作製される防眩フィルムにもムラが生じることとなる。
特許文献2に記載の方法を用いて防眩フィルム製造用の金型を作製する場合、ムラ解消の手段としては以下の方法が考えられる。
(1)銅めっき研磨面に塗布形成される感光性樹脂膜の膜厚を均一とし、銅めっき研磨面からの反射光と感光性樹脂膜の表面からの反射光の干渉光強度を一定とする。
(2)露光工程の露光光波長における吸光度を増大させ、銅めっき研磨面からの反射光の強度を極めて小さくし、感光性樹脂膜の表面からの反射光と略干渉しないようにする。
(3)銅めっき研磨面を粗面化し、銅めっき表面からの反射光を拡散反射させ、感光性樹脂膜の表面からの反射光と干渉しないようにする。
しかしながら、第一の方法では金型基材表面に塗布形成される感光性樹脂膜の膜厚の変動を、工程で使用する波長の1/4未満(200nm未満)とする必要があり、極めて均一性の高い感光性樹脂膜を形成する必要がある。このような均一性の高い感光性樹脂膜を形成するためには非常に精度の高い塗工装置を使用する必要があり、コストが嵩んでしまう。また、金型用基材が円筒形状の場合にはそのように高い均一性を発現するのは実質的に不可能である。
第二の方法では吸光度が十分に高く無い場合には所望の効果が得られないし、吸光度を十分に高くした場合には、感光性樹脂膜の感光性が敏感になりすぎ、露光工程での露光強度のわずかな変動がムラとなる虞がある。また、吸光度を上げたのみでは、その他の感光性樹脂膜に必要な特性(金型用基材への密着性、現像時の尤度、エッチング耐性など)が低下する可能性がある。
第三の方法では粗面化した銅めっき表面の影響が最終的な金型表面まで残り、光学特性が好ましくない方向に変化する虞がある。
特開2006−53371号公報 特開2010−76385号公報
上記課題に鑑み、本発明は、良好な防眩性を有し、良好なコントラストを発現し、白ちゃけやギラツキの発生が抑制され、かつ、ムラの発生が抑制された防眩フィルムを得るための防眩フィルム製造用金型を提供することを目的とする。
本発明は、金型用基材の表面に銅めっき層を形成する第1めっき工程と、
前記銅めっき層の表面を研磨する研磨工程と、
前記研磨工程で研磨された前記銅めっき層の表面に感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、
前記感光性樹脂膜上にパターン露光する露光工程と、
パターン露光された前記感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
現像された前記感光性樹脂膜をマスクとしてエッチング処理を行い、研磨された前記銅めっき層の表面に微細な凹凸形状を形成する第1エッチング工程と、
第1エッチング工程後に前記感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、
第1エッチング工程によって形成された前記凹凸形状をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程と、
第2エッチング工程によって鈍らされた前記凹凸形状を有する前記銅めっき層の表面に、保護めっき層を形成する第2めっき工程とを含み、
前記感光性樹脂膜形成工程において、あらかじめフィルム基材上に形成された感光性樹脂膜を前記金型用基材の表面に転写することによって、前記感光性樹脂膜が形成されることを特徴とする、防眩フィルム製造用金型の製造方法である。
前記保護めっき層はクロムめっきからなることが好ましい。
前記金属用基材は円筒形状であることが好ましい。
前記露光工程において、前記感光性樹脂膜上に露光されるパターンの一次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが、空間周波数0.007μm−1以上0.015μm−1以下において1つの極大値を有し、かつ、空間周波数0.05μm−1以上0.1μm−1以下において1つの極大値を有することが好ましい。
また、本発明は、上記の製造方法により製造された金型の表面の凹凸形状を透明樹脂フィルムに転写した後、該凹凸形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む防眩フィルムの製造方法にも関する。
本発明においては、平坦性の高いフィルム基材に感光性樹脂膜を形成し、そのフィルム基材上に形成された感光性樹脂膜を金型用基材に転写することによって、膜厚の均一性の高い感光性樹脂膜を金型用基材の銅めっき研磨面に形成することができるため、露光工程における銅めっき研磨面からの反射光と感光性樹脂膜の表面からの反射光の干渉光強度が略一定となり、結果として金型表面の凹凸形状のムラを抑制することができる。また、該金型を使用して作製される防眩フィルムのムラも抑制することができる。
(a)〜(h)は、本発明の防眩フィルム製造用金型の製造方法の一例を説明するための模式図である。 二次元パワースペクトルH(fx,fy)を周波数空間における原点からの距離fで平均化する方法を説明する模式図である。 実施例で使用したパターンを示す図である。 実施例で使用したパターンの1次元パワースペクトルを示す図である。
本発明の防眩フィルム製造用金型の製造方法においては、エッチング処理のマスクとして用いられる感光性樹脂膜を金型用基材に塗布することで形成するのではなく、平坦性の高いフィルム基材上に感光性樹脂膜を形成した後、フィルム基材上に形成された感光性樹脂膜を金型用基材に転写することによって感光性樹脂膜を形成する。
<防眩フィルム製造用金型の製造方法>
図1は、本発明の防眩フィルム製造用金型の製造方法の好ましい一例を模式的に示す図である。図1には各工程での金型の断面を模式的に示している。本発明の金型の製造方法は、第1めっき工程と、研磨工程と、感光性樹脂膜形成工程と、露光工程と、現像工程と、第1エッチング工程と、感光性樹脂膜剥離工程と、第2エッチング工程と、第2めっき工程とを基本的に含む。以下、図1を参照しながら、本発明の金型の製造方法の各工程について詳細に説明する。
(第1めっき工程)
まず、第1めっき工程では、金型用基材(図示せず)の表面に、銅めっき層1を形成する(図1(a))。これは、被覆性が高く、平滑化作用が強い銅めっきを施すことにより、金型用基材の微小な凹凸や鬆などを埋めて平坦で光沢のある表面を形成するためである。
第1めっき工程において用いられる銅としては、銅の純金属であってもよく、銅を主体とする合金であってもよい。したがって、本明細書でいう「銅」は、銅および銅合金を含む意味である。銅めっきは、それぞれ電解めっきで行っても無電解めっきで行ってもよいが、通常は電解めっきが採用される。
銅めっきを施す際には、めっき層が余り薄いと、下地となる金型用基材の表面の影響が排除しきれないことから、その厚みは50μm以上であるのが好ましい。めっき層の厚みの上限は、コストの観点から、一般的には500μm程度で十分である。
なお、金型用基材の形成に好適に用いられる金属材料としては、コストの観点からアルミニウム、鉄などが挙げられる。さらに取扱いの利便性から、軽量なアルミニウムがより好ましい。ここでいうアルミニウムや鉄も、それぞれ純金属であることができるほか、アルミニウムまたは鉄を主体とする合金であってもよい。
また、金型用基材の形状は、当分野において従来より採用されている適宜の形状であれば特に制限されず、平板状であってもよいし、円柱状または円筒状のロールであってもよい。ロール状の基材を用いて金型を作製すれば、防眩フィルムを連続的なロール状で製造することができるという利点がある。
(研磨工程)
次に、銅めっき層1の表面11を研磨する研磨工程を実施する(図1(a))。当該工程を経て、銅めっき層1の表面11は、鏡面に近い状態に研磨されることが好ましい。これは、金型用基材(金属板や金属ロールなど)は、その表面形状を所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っており、銅めっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあり、また、めっきした状態で表面が完全に平滑になるとは限らないためである。
すなわち、このような加工目などが残った表面に後述する工程を施したとしても、各工程を施した後に形成される凹凸よりも加工目などの凹凸の方が深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性があり、そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。
また、銅めっき加工したままの状態では、銅めっき層の厚み分布等によって、金型としての機械精度が不十分である。よって、切削加工や研磨加工等の機械加工によって金型としての所望の機械精度を達成する必要があるためである。
銅めっき層1の表面11を研磨する方法については特に制限されるものではなく、機械研磨法、電解研磨法、化学研磨法のいずれも使用できる。機械研磨法としては、超仕上げ法、ラッピング、流体研磨法、バフ研磨法が例示される。また、研磨工程において切削工具を用いて鏡面切削することによって、銅めっき層1の表面11を鏡面としてもよい。その際の切削工具の材質や形状などは特に制限されるものではなく、超硬バイト、CBNバイト、セラミックバイト、ダイヤモンドバイトなどを使用することができるが、加工精度の観点からダイヤモンドバイトを用いることが好ましい。
研磨工程後の銅めっき層1の表面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した最大高さ粗さRzが0.2μm以下であることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。研磨後の最大高さ粗さRzが0.2μmより大きいと、最終的な金型表面の凹凸形状に研磨後の表面粗度の影響が残る可能性もあるので好ましくない。また、最大断面高さ粗さRzの下限については、特に制限されないが、加工時間や加工コスト等の観点から、おのずと限界がある。
(感光性樹脂膜形成工程)
感光性樹脂膜形成工程では、上述した研磨工程によって鏡面研磨を施した基材の表面11に、あらかじめ平坦性の高いフィルム基材3上に形成された感光性樹脂膜2を転写することによって感光性樹脂膜を形成する(図1(a)および(b))。これにより、膜厚の均一性の高い感光性樹脂膜を金型用基材の銅めっき研磨面に形成することができる。なお、例えば金型用基材が円筒形状である場合でも、膜厚の均一性の高い感光性樹脂膜をその表面に形成することが可能となる。
感光性樹脂としては従来公知の感光性樹脂を用いることができる。たとえば、感光部分が硬化する性質をもったネガ型の感光性樹脂としては、分子中にアクリル基またはメタアクリル基を有するアクリル酸エステルの単量体やプレポリマー、ビスアジドとジエンゴムとの混合物、ポリビニルシンナマート系化合物などを用いることができる。また、現像により感光部分が溶出し、未感光部分だけが残る性質をもったポジ型の感光性樹脂としては、フェノール樹脂系やノボラック樹脂系などを用いることができる。また、感光性樹脂には、必要に応じて、増感剤、現像促進剤、密着性改質剤、塗布性改良剤などの各種添加剤を配合してもよい。
これらの感光性樹脂を用いてフィルム基材3上に感光性樹脂膜を形成する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。一例としては、まず、感光性樹脂組成物の溶液を調製し、この溶液をフィルム基材3の表面に均一に塗布して塗布層を形成する。その後、感光性樹脂組成物が塗布されたフィルム基材3を乾燥させることによって、塗布層から有機溶媒を除去する。これによって、感光性樹脂膜2がフィルム基材3上に形成される。なお、感光性樹脂組成物の溶液を調整する際の溶媒としてはセロソルブ系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、高極性溶媒などを使用することができる。また、感光性樹脂組成物をフィルム基材3に塗布する方法や条件は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を好適に用いることができる。
通常、フィルム基材3上に形成される感光性樹脂膜は、半硬化状態で保持されたものであり、加熱等により流動性を発揮し、その後、硬化が完了するように設計されている。上記のように形成された感光性樹脂膜もこのように設計されている。
具体的には、フィルム基材3上に形成された感光性樹脂膜は、金型用基材に転写する前は半硬化状態にあり、金型用基材に転写するために金型用基材に貼り合わされた時に流動性を発揮する。このとき、感光性樹脂膜は、その流動性により金型用基材に密着し、貼り合わせ後の加熱によって硬化が完了する。
感光性樹脂膜2の厚みは、特に限定されるものではないが、防眩フィルム作製用金型の製造に用いる場合には、5〜50μmの範囲内であることが好ましく、5〜25μmの範囲内であることがより好ましい。感光性樹脂膜の厚みが小さすぎると、金型用基材との密着性が低下する虞がある。一方、感光性樹脂膜の厚みが大きすぎると、微細なパターンを現像することが困難となり解像度が低下する傾向がある。
フィルム基材3上に感光性樹脂膜を形成する際に、塗布膜から有機溶媒を除去・乾燥する乾燥段階では、その乾燥温度は特に限定されるものではないが、通常、(メタ)アクリル系化合物に含まれるアクリル基等の硬化性に寄与する官能基が反応してしまわない程度の温度が好ましい。具体的には、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。なお、下限値については、有機溶媒を揮発させることが可能な温度以上であれば特に限定されるものではない。
上記乾燥段階では、その乾燥時間は溶媒が除去されるのに十分な時間であればよく、限定されるものではないが、なるべく短い時間である方が工程上有利となる。具体的には、数分間〜10分間程度の範囲内が好ましい。ただし、乾燥が不十分であると、半硬化状態の感光性樹脂膜にタック性(ベタツキ)が見られ、取扱性が低下するおそれがあるため、この点を考慮して乾燥時間を適宜設定すればよい。
感光性樹脂組成物の溶液を塗布するフィルム基材3の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム(PPSフィルム)、ポリイミドフィルム等、通常市販されている各種のフィルムを挙げることができる。中でも、ある程度の耐熱性を有し、比較的安価に手に入ることから、フィルム基材3としてはPETフィルムが多く用いられる。
上記フィルム基材3は、感光性樹脂膜2を金型用基材に転写する際には剥離されるので、当該フィルム基材3における感光性樹脂膜2が形成される面には、表面処理が施されていていることが好ましい。これにより、感光性樹脂膜とフィルム基材との密着性と剥離性との双方を向上させることができる。
上記フィルム基材3の厚みは特に限定されるものではないが、5〜50μmの範囲内であることが好ましく、10〜40μmの範囲内であることがより好ましい。フィルム基材3の厚みが小さすぎるとシワが生じやすく、フィルム基材3そのものの取扱性が低下したり、感光性樹脂膜をフィルム基材3上に形成する際の操作性が低下したりする傾向がある。一方、厚みが大きすぎると、この支持体フィルムは最終的に廃棄するものであるため、コスト高となる。
フィルム基材3上に形成された感光性樹脂膜2のフィルム基材3とは接していない面には、保護フィルムが積層されていてもよい。この保護フィルムは、ゴミの付着や空気中の酸素との接触による劣化を回避して、感光性樹脂膜の表面を保護することができる。この保護フィルムは感光性樹脂膜2を金型用基材に転写する際には剥離するため、保護フィルムと感光性樹脂膜の接する面は適度な密着性を有するとともに、使用時の剥離しやすさを兼ね備えていることが好ましい。
このような保護フィルムとしては、具体的には、例えば、PETフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム(PPSフィルム)、ポリエチレンフィルム(PEフィルム)、ポリエチレンビニルアルコールフィルム(EVAフィルム)、ポリエチレンとエチレンビニルアルコールの共重合体フィルム((PE+EVA)共重合体フィルム)、PEフィルムと(PE+EVA)共重合体フィルムの積層体(PE−PE+EVA積層フィルム)、または(PE+EVA)共重合体とポリエチレンとの同時押し出しフィルム(PE−PE+EVA同時押出フィルム)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、剥離性を向上させるために、感光性樹脂膜を形成するフィルム基材3と同様に、保護フィルムにおける感光性樹脂膜と接する側の表面は、従来公知の方法で表面処理してもよい。
上記保護フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、5〜50μmの範囲内であることが好ましく、10〜40μmの範囲内であることがより好ましい。厚みが小さすぎるとシワになりやすいため、保護フィルムそのものの取扱性が低下したり、保護フィルムを感光性樹脂膜に積層する際の操作性が低下したりする傾向がある。一方、厚みが大きすぎると、この保護フィルムは最終的に廃棄するものであるため、コスト高となる。
このようにフィルム基材3上に形成された感光性樹脂膜を金型用基材に転写する際には、まず、保護フィルムを剥離した後、感光性樹脂膜表面を、研磨された銅めっき表面に熱圧着する。熱圧着の方法は特に限定されるものではなく、例えば、熱ラミネートや熱プレス等の方法が挙げられる。熱圧着時の温度は60〜150℃の範囲内であることが好ましく、80〜120℃の範囲内であることがより好ましい。
熱圧着時の温度が高すぎると、感光性樹脂膜に含まれる感光性反応部位が架橋して感光性樹脂膜が硬化する。そのため、露光・現像時に感光性樹脂膜としての機能を失ってしまう。一方、熱圧着時の温度が低すぎると、感光性樹脂膜の流動性が十分に上昇しないため、金型用基材への密着性が低下する傾向がある。
このようにして感光性樹脂膜を転写した後の金型用基材表面は金型用基材/感光性樹脂膜/フィルム基材の順に積層された状態となる。このうち、フィルム基材は最終的に剥離することになるが、剥離するタイミングとしては、上記転写が完了した時点であってもよいし、露光が完了してからであってもよい。感光性樹脂膜を保護するという点からは、露光してから支持体フィルムを剥離するほうが好ましい。
(露光工程)
続く露光工程では、所定のパターンを上述した感光性樹脂膜形成工程で形成された感光性樹脂膜2上に露光する、所謂パターン露光を行う(図1(c))。
露光工程に用いる光源は塗布された感光性樹脂の感光波長や感度等に合わせて適宜選択すればよく、たとえば、高圧水銀灯のg線(波長:436nm)、高圧水銀灯のh線(波長:405nm)、高圧水銀灯のi線(波長:365nm)、半導体レーザ(波長:830nm、532nm、488nm、405nmなど)、YAGレーザ(波長:1064nm)、KrFエキシマーレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマーレーザ(波長:193nm)、F2エキシマーレーザ(波長:157nm)等を用いることができる。
本発明の金型の製造方法において表面の凹凸形状を精度良く形成するためには、露光工程において、上述したパターンを感光性樹脂膜上に精密に制御された状態で露光することが好ましい。本発明の金型の製造方法においては、上述したパターンを感光性樹脂膜上に精度よく露光するために、コンピュータ上でパターンを画像データとして作成し、その画像データに基づいたパターンを、コンピュータ制御されたレーザヘッドから発するレーザ光によって描画することが好ましい。レーザ描画を行うに際しては印刷版作成用のレーザ描画装置を使用することができる。このようなレーザ描画装置としては、たとえばLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)などが挙げられる。
〔露光されるパターンの特性〕
ここで、露光工程において感光性樹脂膜上に露光される所定のパターンの特性について説明する。
本発明の防眩フィルム製造用金型を用いて製造される防眩フィルムの微細凹凸表面は、十分な防眩性を発現するために70μm以上の長周期成分を含むことが好ましい。しかしながら、防眩フィルムの微細凹凸表面によって発生するギラツキを抑制するという観点から、40μm以上60μm以下の成分を含まないことが好ましい。
このような特徴を有する防眩フィルムの微細凹凸表面を精度よく形成するために、露光工程で感光性樹脂膜上に露光されるパターンの一次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが、空間周波数0.007μm−1以上0.015μm−1以下において1つの極大値を有し、かつ、空間周波数0.05μm−1以上0.1μm−1以下において1つの極大値を有することが好ましい。ここで、「パターン」とは、本発明の防眩フィルムの微細凹凸表面を形成するための画像データや透光部と遮光部を有するマスクなどを意味する。
また、本発明の防眩フィルム製造用金型の製造方法に用いるパターンの空間周波数0.007μm−1以上0.015μm−1以下における第一の極大値の強度は、空間周波数0.05μm−1以上0.1μm−1以下における第二の極大値の強度より小さいことが好ましい。第一の極大値の強度が第二の極大値より大きい場合にはギラツキが強くなる傾向があるため好ましくない。
上記の特性を有するパターンを作製するためには、例えば、ドットをランダムに配置して作成したパターンや乱数もしくは計算機によって生成された疑似乱数により濃淡を決定したランダムな明度分布を有するパターンから、特定の空間周波数範囲の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させれば良い。
〔一次元パワースペクトル〕
次に、パターンの一次元パワースペクトルについて説明する。一次元パワースペクトルは二次元パワースペクトルから求められる。
パターンの二次元パワースペクトルは、例えば画像データであれば、画像データを2階調の二値化画像データに変換した後、画像データの階調を二次元関数h(x,y)で表し、得られた二次元関数h(x,y)をフーリエ変換して二次元関数H(fx,fy)を計算し、得られた二次元関数H(fx,fy)を二乗することによって求めることができる。ここで、xおよびyは画像データ面内の直交座標を表し(例えばx方向が画像データの横方向、y方向が画像データの縦方向である)、fxおよびfyはx方向の周波数およびy方向の周波数を表している。
実際には、画像データの階調を示す二次元関数h(x,y)は画素毎の階調が、各画素に対応する値として得られるため離散関数である。よって、式(1)で定義される離散フーリエ変換によって離散関数H(fx,fy)を計算し、離散関数H(fx,fy)を二乗することによってパワースペクトルが求められる。ここで式(1)中のπは円周率、iは虚数単位である。また、Mはx方向の画素数であり、Nはy方向の画素数であり、lは−M/2以上M/2以下の整数であり、mは−N/2以上N/2以下の整数である。
さらに、ΔfxおよびΔfyはそれぞれx方向およびy方向の周波数間隔であり、式(2)および式(3)で定義される。ここで式(2)および式(3)中のΔxおよびΔyはそれぞれ、x方向、y方向の画素の間隔である。
ここで、露光工程で露光されるパターンはランダムであることが好ましく、パターンがランダムである場合、周波数空間(空間周波数領域)における二次元パワースペクトルH(fx,fy)は原点(fx=0,fy=0)を中心に対称となる。よって、二次元関数H(fx,fy)は、周波数空間における原点からの距離f(単位:μm−1)を変数とする一次元関数H(f)に変換することができる。
具体的には、まず、図2に示すように周波数空間において、原点O(fx=0,fy=0)から(n−1/2)Δf以上(n+1/2)Δf未満の距離に位置する全ての点(図2中の黒丸の点)の個数Nnを計算する。図2に示した例ではNn=16個である。次に、原点Oから(n−1/2)Δf以上(n+1/2)Δf未満の距離に位置する全ての点のH(fx,fy)の合計値Hn(図2中の黒丸の点におけるH(fx,fy)の合計値)を計算し、式(4)に示すように、その合計値Hnを点の個数Nnで割ったものをH2(f)の値とした。
ここで、M≧Nの場合、nは0以上N/2以下の整数であり、M<Nの場合、nは0以上M/2以下の整数である。また、Δfは(Δfx+Δfy)/2とした。
(現像工程)
続く現像工程においては、感光性樹脂膜2にポジ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光された領域22は現像液によって溶解され、露光されていない領域21のみが銅めっき層1上に残存し(図1(c)、(d))、続く第1エッチング工程においてマスクとして作用する。なお、感光性樹脂膜2にネガ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光されていない領域21のみ現像液によって溶解され、露光された領域22が銅めっき層1上に残存し、続く第1エッチング工程におけるマスクとして作用する。
現像工程に用いる現像液については従来公知のものを使用することができる。たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどの第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジンなどの環状アミン類などのアルカリ性水溶液、キシレン、トルエンなどの有機溶剤などを挙げることができる。
現像工程における現像方法については特に制限されず、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像などの方法を用いることができる。
(第1エッチング工程)
続く第1エッチング工程では、現像工程後に残存した感光性樹脂膜の露光されていない領域21をマスクとして用いて、主に銅めっき層1のマスクの無い領域12をエッチングする(図1(e))。
第1エッチング工程におけるエッチング処理は、通常、塩化第二鉄(FeCl)液、塩化第二銅(CuCl)液、アルカリエッチング液(Cu(NHCl)などを用いて、金属表面を腐食させることによって行われるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。エッチング処理を施した際の金型用基材に形成される凹形状は、下地金属の種類、感光性樹脂膜の種類およびエッチング手法などによって変わりうるが、エッチング量が10μm以下である場合には、エッチング液に触れている金属表面から略等方的にエッチングされる。ここでいうエッチング量とは、エッチングにより削られる基材の厚みである。
第1エッチング工程におけるエッチング量は好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは2〜10μmである。エッチング量が1μm未満である場合には、金属表面に凹凸形状がほとんど形成されずに、ほぼ平坦な金型となってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。また、エッチング量が50μmを超える場合には、金属表面に形成される凹凸形状の高低差が大きくなり、得られた金型を使用して作製した防眩フィルムが白ちゃけることとなるため好ましくない。
第1エッチング工程におけるエッチング処理は1回のエッチング処理によって行ってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行ってもよい。ここでエッチング処理を2回以上に分けて行う場合には、2回以上のエッチング処理におけるエッチング量の合計が1〜50μmであることが好ましい。このエッチング量は、エッチング処理の手法、エッチング処理に使用する処理液の組成、エッチング処理温度、エッチング処理時間等を調整することにより、制御することができる。中でも、エッチング処理の手法、処理液の組成、処理温度を固定して、処理時間の長短を調整することにより、エッチング量の大小を制御する方法が簡便であり好ましい。
(感光性樹脂膜剥離工程)
続く感光性樹脂膜剥離工程では、第1エッチング工程で微細な凹凸形状13が形成された銅めっき層1の表面から、マスク(現像工程後に残存した感光性樹脂膜の露光されていない領域21)を完全に除去する(図1(f))。
感光性樹脂膜剥離工程では、通常、剥離液を用いて感光性樹脂膜を溶解する。剥離液としては、上述した現像液と同様のものを用いることができるが、pH、温度、濃度および浸漬時間などを変化させること、例えば、現像液よりもpH、温度、濃度を高くしたり、浸漬時間を長くしたりすることによって、ネガ型の感光性樹脂膜を用いた場合には露光部の、ポジ型の感光性樹脂膜を用いた場合には非露光部の感光性樹脂膜を完全に溶解して除去する。感光性樹脂膜剥離工程における剥離方法についても特に制限されず、浸漬剥離、スプレー剥離、ブラシ剥離、超音波剥離などの方法を用いることができる。
(第2エッチング工程)
続く第2エッチング工程では、第1エッチング工程によって形成された凹凸形状13を、エッチング処理によって鈍らせる(図1(g))。この第2エッチング処理によって、第1エッチング処理によって形成された凹凸形状13における表面傾斜が急峻な部分がなくなり、得られた金型を用いて製造された防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。
第2エッチング工程のエッチング処理も、第1エッチング工程と同様に、通常、塩化第二鉄(FeCl)液、塩化第二銅(CuCl)液、アルカリエッチング液(Cu(NHCl)などを用い、表面を腐食させることによって行われるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。
エッチング処理を施した後の凹凸の鈍り具合は、下地金属の種類、エッチング手法、および第1エッチング工程により得られた凹凸のサイズと深さなどによって変わりうるが、鈍り具合を制御する上で最も大きな因子は、エッチング量である。ここでいうエッチング量も、第1エッチング工程と同様に、エッチングにより削られる銅めっき層1の厚みである。エッチング量が小さいと、第1エッチング工程により得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方で、エッチング量が大きすぎると、凹凸形状がほとんどなくなってしまい、ほぼ平坦な金型となってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。そこで、エッチング量は1〜50μmの範囲内であることが好ましく、4〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
第2エッチング工程におけるエッチング処理についても、第1エッチング工程と同様に、1回のエッチング処理によって行ってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行ってもよい。ここでエッチング処理を2回以上に分けて行う場合には、2回以上のエッチング処理におけるエッチング量の合計が1〜50μmであることが好ましい。
(第2めっき工程)
続く第2めっき工程では、第2エッチング工程によって鈍らされた凹凸形状13を有する銅めっき層1の表面に、クロムめっき、ニッケルめっき、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等からなる保護めっき層14を形成する(図1(h))。
クロムめっきの種類は特に制限されないが、いわゆる光沢クロムめっきや装飾用クロムめっきなどと呼ばれる、良好な光沢を発現するクロムめっきを用いることが好ましい。クロムめっきは通常、電解によって行われ、そのめっき浴としては、無水クロム酸(CrO)と少量の硫酸を含む水溶液が用いられる。電流密度と電解時間を調節することにより、クロムめっきの厚みを制御することができる。
ニッケルめっきの種類も特に制限されないが、いわゆる光沢ニッケルめっきなどと呼ばれる、良好な光沢を発現するニッケルめっきを用いることが好ましい。ニッケルめっきは電解によって行われることが好ましく、そのめっき浴としては硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸を含む水溶液が用いられる。電流密度と電解時間を調節することにより、ニケルめっきの厚みを制御することができる。
微細な凹凸形状が形成された銅めっき層1の表面に被覆性の高い保護めっき層14を形成することによって、工業的に有利に凹凸形状が鈍らせられ、その凹凸形状が防眩フィルム製造用金型として好ましい方向に変化する。
この際の凹凸形状の鈍り具合は、下地金属の種類、第1エッチング工程より得られた凹凸のサイズと深さ、まためっきの種類や厚みなどによって変わりうるが、鈍り具合を制御するうえで最も大きな因子は、めっき厚みである。保護めっき層の厚みが薄いと、保護めっき層形成前に得られた凹凸形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方で、めっき厚みが厚すぎると、生産性が悪くなるうえに、ノジュールと呼ばれる突起状のめっき欠陥が発生してしまうため好ましくない。そこで、保護めっき層の厚みは1〜10μmの範囲内であるのが好ましく、3〜6μmの範囲内であるのがより好ましい。
本発明では、保護めっき層14の銅めっき層1とは反対側の表面15の凹凸形状は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaが0.04μm以上0.1μm以下であることが好ましい。また、JIS B 0601の規定に準拠した最大断面高さRtが0.3μm以上0.6μm以下であることが好ましい。また、JIS B 0601の規定に準拠した平均長さRSmが50μm以上130μm以下であることが好ましい。
算術平均粗さRaが0.04μmを下回る場合には、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの防眩性が不十分となる可能性がある。一方、算術平均粗さRaが0.1μmを上回る場合には、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムに白ちゃけが発生する虞がある。
最大断面高さ粗さRzが0.3μmを下回る場合には、その表面凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの防眩性が不十分となる可能性がある。一方、最大断面高さ粗さRzが0.6μmを上回る場合には、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムに白ちゃけが発生する虞があるし、凹凸形状の均一性が低下してギラツキが発生する可能性がある。
また、平均長さRSmが50μmを下回る場合には、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの防眩性が不十分となる可能性がある。一方、平均長さRsmが130μmを上回る場合には、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムにギラツキが発生する虞がある。
<防眩フィルムの製造方法>
防眩フィルムは、上述のようにして製造された防眩フィルム製造用金型の表面の凹凸形状を透明樹脂フィルムに転写した後、該凹凸形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む製造方法により、作製することができる。
例えば、上述のようにして製造された防眩フィルム製造用金型の表面の凹凸形状を、透明支持体上の光硬化性樹脂層等に転写し、次いで該凹凸形状が転写された防眩層と透明支持体とを金型から剥がすことによって、防眩フィルムを作製することを特徴とするエンボス法によって製造することができる。
ここで、エンボス法としては、光硬化性樹脂を用いるUVエンボス法、熱可塑性樹脂を用いるホットエンボス法が例示され、中でも、生産性の観点から、UVエンボス法が好ましい。
UVエンボス法は、透明支持体の表面に光硬化性樹脂層を形成し、その光硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面が光硬化性樹脂層に転写される方法である。具体的には、透明支持体上に紫外線硬化型樹脂を塗工し、塗工した紫外線硬化型樹脂を金型の凹凸面に密着させた状態で透明支持体側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、その後金型から、硬化後の紫外線硬化型樹脂層が形成された透明支持体を剥離することにより、金型の凹凸形状を紫外線硬化型樹脂に転写する。
UVエンボス法を用いる場合、透明支持体としては、実質的に光学的に透明なフィルムであればよく、たとえばトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。
また、UVエンボス法を用いる場合における紫外線硬化型樹脂の種類は特に限定されないが、市販の適宜のものを用いることができる。また、紫外線硬化型樹脂に適宜選択された光開始剤を組み合わせて、紫外線より波長の長い可視光でも硬化が可能な樹脂を用いることも可能である。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能アクリレートをそれぞれ単独で、あるいはそれら2種以上を混合して用い、それと、イルガキュアー907(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)などの光重合開始剤とを混合したものを好適に用いることができる。
一方、ホットエンボス法は、熱可塑性樹脂で形成された透明支持体を加熱状態で金型に押し付け、金型の表面形状を透明支持体に転写する方法である。ホットエンボス法に用いる透明支持体としては、実質的に透明なものであればいかなるものであってもよく、たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどを用いることができる。これらの透明樹脂フィルムはまた、上で説明したUVエンボス法における紫外線硬化型樹脂を塗工するための透明支持体としても好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(防眩フィルム製造用金型の製造)
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意する。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定する。その銅めっき表面を#6000砥石で鏡面研磨する。研磨された銅めっき表面に、フィルム基材上に形成された厚み8μmの感光性樹脂膜を熱圧着によって転写して、銅めっき表面に感光性樹脂膜を形成する。
ついで、図3に示すパターンを繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光し、現像する。レーザ光による露光、および現像はLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行う。感光性樹脂膜にはネガ型の感光性樹脂を使用する。
ここで、図3は、本実施例の防眩フィルム製造用金型を作製するために用いたパターンの一例である画像データの一部を表わした図である。図3に示したパターンである画像データは33mm×33mmの大きさで、12800dpiで作成した<貴No.S30431JP01>。また、図4は、実施例で使用した図3に示すパターンの1次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフであり、空間周波数0.011μm−1および0.088μm−1に極大値を有する。すなわち、空間周波数0.007μm−1以上0.015μm−1以下において1つの極大値(第一の極大値)を有し、かつ、空間周波数0.05μm−1以上0.1μm−1以下において1つの極大値(第二の極大値)を有する。
その後、塩化第二銅液で第1のエッチング処理を行う。その際のエッチング量は3μmとなるように設定する。第1のエッチング処理後のロールから感光性樹脂膜を除去し、再度、塩化第二銅液で第2のエッチング処理を行う。その際のエッチング量は12μmとなるように設定する。その後、クロムめっき加工を行い、金型を作製する。このとき、クロムめっきの厚みが4μmとなるように設定する。
(防眩フィルムの製造)
光硬化性樹脂組成物GRANDIC 806T(大日本インキ化学工業(株)製)を酢酸エチルにて溶解して、50重量%濃度の溶液とし、さらに、光重合開始剤であるルシリンTPO(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)を、硬化性樹脂成分100重量部あたり5重量部添加して塗布液を調製する。厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、この塗布液を乾燥後の塗布厚みが6μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させる。
乾燥後のフィルムを、先に得られた防眩フィルム製造用金型の凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層が金型側となるようにゴムロールで押し付けて密着させる。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cmの高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cmとなるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させる。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごと金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる、透明な防眩フィルムを作製する。
本発明の方法で作製した防眩フィルム製造用金型を用いて作製された防眩フィルムは、良好な防眩性能を示し、かつ、ムラが観察されない。なお、ムラの目視評価は以下のようにして行う。
(ムラの目視評価)
防眩フィルムの裏面からの反射を防止するために、凹凸面が表面となるように黒色アクリル樹脂板に防眩フィルムを貼合し、蛍光灯のついた明るい室内で凹凸面側から目視で観察し、ムラの程度を目視で評価する。
1 銅めっき層、11 表面、12 マスクの無い領域、13 凹凸形状、14 保護めっき層、15 表面、2 感光性樹脂膜、21 露光されていない領域、22 露光された領域、3 フィルム基材。

Claims (5)

  1. 金型用基材の表面に銅めっき層を形成する第1めっき工程と、
    前記銅めっき層の表面を研磨する研磨工程と、
    前記研磨工程で研磨された前記銅めっき層の表面に感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、
    前記感光性樹脂膜上にパターン露光する露光工程と、
    パターン露光された前記感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
    現像された前記感光性樹脂膜をマスクとしてエッチング処理を行い、研磨された前記銅めっき層の表面に微細な凹凸形状を形成する第1エッチング工程と、
    第1エッチング工程後に前記感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、
    第1エッチング工程によって形成された前記凹凸形状をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程と、
    第2エッチング工程によって鈍らされた前記凹凸形状を有する前記銅めっき層の表面に、保護めっき層を形成する第2めっき工程とを含み、
    前記感光性樹脂膜形成工程において、あらかじめフィルム基材上に形成された感光性樹脂膜を前記金型用基材の表面に転写することによって、前記感光性樹脂膜が形成されることを特徴とする、防眩フィルム製造用金型の製造方法。
  2. 前記保護めっき層はクロムめっきからなる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記金属用基材は円筒型である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記露光工程において、前記感光性樹脂膜上に露光されるパターンの一次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが、空間周波数0.007μm−1以上0.015μm−1以下において1つの極大値を有し、かつ、空間周波数0.05μm−1以上0.1μm−1以下において1つの極大値を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された金型の表面の凹凸形状を透明樹脂フィルムに転写した後、該凹凸形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む防眩フィルムの製造方法。
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