JP6739926B2 - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサ素子及びガスセンサに関する。
従来、自動車の排気ガスなどの被測定ガスにおけるNOxなどの所定のガスの濃度を検出するセンサ素子を備えたガスセンサが知られている。また、こうしたガスセンサにおいて、センサ素子の表面に多孔質保護層を形成することが知られている。例えば、特許文献1,2では、プラズマ溶射によりアルミナ等の耐熱性粒子をセンサ素子の表面に付着させて、多孔質保護層を形成することが記載されている。この多孔質保護層を形成することで、例えば被測定ガス中の水分の付着によるセンサ素子の割れ等を抑制できるとしている。
特開2013−54025号公報 特許第3766572号
このようなガスセンサのセンサ素子は、通常駆動時の温度が高温(例えば800℃など)であり、水分の付着で急激に冷えることによるセンサ素子の割れをさらに抑制することが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、ガスセンサ素子の耐被水性を向上させることを主目的とする。
本発明は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1のガスセンサ素子は、
酸素イオン伝導性の固体電解質層を備えた素子本体と、
前記素子本体の少なくとも一部を被覆し、厚さ方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位厚さ方向界面数が値15以上250以下である保護層と、
を備えたものである。
この第1のガスセンサ素子では、素子本体の少なくとも一部が保護層で被覆されている。ここで、保護層の厚さ方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位厚さ方向界面数が多いほど、保護層の厚さ方向への熱伝導が生じにくい傾向にある。すなわち、保護層の表面に水分が付着した場合の素子本体の冷えが抑制される傾向にある。この理由は、構成粒子内の熱伝導と比べて構成粒子間の熱伝導が生じにくいためと考えられる。そして、単位厚さ方向界面数が値15以上であることで、素子本体の冷えを抑制する効果、すなわちガスセンサ素子の耐被水性を向上させる効果が得られる。なお、単位厚さ方向界面数が多いほど、単位厚さあたりの構成粒子数が多いことになり、被測定ガスが保護層を通過して素子本体に到達しにくくなる。単位厚さ方向界面数が値250以下であれば、ガスが保護層を通過できる。この第1のガスセンサ素子において、前記保護層の厚さが50μm以上であってもよいし、前記保護層の厚さが100μm以上であってもよい。また、前記保護層は、前記単位厚さ方向界面数が値17以上としてもよい。前記保護層は、前記単位厚さ方向界面数が値200以下,値150以下,値100以下,値50以下としてもよい。
本発明の第2のガスセンサ素子は、
酸素イオン伝導性の固体電解質層を備えた素子本体と、
前記素子本体の少なくとも一部を被覆し、厚さ方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位厚さ方向界面数と、該厚さ方向に垂直な表面方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位表面方向界面数と、の界面数比(=単位表面方向界面数/単位厚さ方向界面数)が値0超過0.7以下である保護層と、
を備えたものである。
この第2のガスセンサ素子では、素子本体の少なくとも一部が保護層で被覆されている。ここで、保護層の界面数比(=単位表面方向界面数/単位厚さ方向界面数)が小さいほど、保護層の厚さ方向への熱伝導よりも保護層の表面方向(厚さ方向に垂直な方向)への熱伝導が生じやすい傾向にある。この理由は、構成粒子内の熱伝導と比べて構成粒子間の熱伝導が生じにくいためと考えられる。これにより、界面数比が小さいほど、保護層の表面に水分が付着した場合に素子本体の一部のみが急激に冷えることが抑制される傾向にある。そして、界面数比が0.7以下であることで、素子本体の一部のみが急激に冷えることによるクラックの発生を抑制する効果、すなわちガスセンサ素子の耐被水性を向上させる効果が得られる。なお、界面数比は値0.6以下としてもよく、値0.4以下,0.3以下とすることが好ましい。界面数比は値0.15以上としてもよい。また、この第2のガスセンサ素子において、前記保護層の厚さが50μm以上であってもよいし、前記保護層の厚さが100μm以上であってもよい。また、前記単位厚さ方向界面数が値15以上であってもよいし、値250以下であってもよい。前記単位表面方向界面数が値5以上であってもよいし、値10.5以下,値10以下であってもよい。
本発明の第1,第2のガスセンサ素子において、前記保護層は、前記単位厚さ方向界面数が値30以上であってもよい。こうすれば、ガスセンサ素子の耐被水性がより向上する。
本発明の第1,第2のガスセンサ素子において、前記保護層は、厚さが500μm以下であってもよい。ここで、保護層の厚さが500μm以下と比較的薄い場合はガスセンサ素子の耐被水性が不十分になりやすい。本発明の第1のガスセンサ素子は、保護層の単位厚さ方向界面数が値15以上であることで耐被水性を向上できるため、このような比較的薄い保護層に本発明を適用する意義が高い。本発明の第2のガスセンサ素子についても、界面数比を0.7以下とすることで耐被水性を向上できるため、このような比較的薄い保護層に本発明を適用する意義が高い。
本発明の第1,第2のガスセンサ素子において、前記保護層は、前記構成粒子としてセラミックス粒子を含んでいてもよい。セラミックス粒子は強度・耐熱性・耐食性の少なくとも1以上の観点から、ガスセンサ素子の保護層に適している。
本発明の第1,第2のガスセンサ素子において、前記保護層は、前記構成粒子としてアルミナ,ジルコニア,スピネル,コージェライト,チタニア,及びマグネシアの少なくともいずれかの粒子を含んでもよい。これらの材質は耐熱性が高いため、ガスセンサ素子の保護層に適している。
本発明の第1,第2のガスセンサ素子において、前記素子本体は、長尺な直方体形状であり、前記保護層は、前記素子本体のうち長手方向の一端面と、該一端面に垂直な4つの面の前記一端面側から該素子本体の前記長手方向で距離Lまでの領域と、を被覆していてもよい(ただし、0<距離L<素子本体の長手方向の長さ)。このように保護層が5つの面を被覆することで、例えば保護層が4面以下の面しか被覆しない場合と比べて、保護層により素子本体を保護する効果が高まる。
本発明のガスセンサは、
上述したいずれかの態様のガスセンサ素子、
を備えたものである。
このガスセンサは、本発明の第1,第2のガスセンサ素子のうち上述したいずれかの態様のガスセンサ素子を備えている。そのため、上述した本発明の第1,第2ガスセンサ素子と同様の効果、例えばガスセンサ素子の耐被水性が向上する効果が得られる。この場合において、前記ガスセンサ素子は、前記素子本体が長尺な直方体形状であってもよい。また、本発明のガスセンサは、前記ガスセンサ素子を固定する固定部材と、前記ガスセンサ素子の長手方向の一端を覆う保護カバーと、を備えていてもよい。
ガスセンサ100の縦断面図。 センサ素子101の構成の一例を概略的に示した斜視図。 図2のA−A断面図。 単位厚さ方向界面数等を測定する様子を示す概念図。 プラズマガン170を用いたプラズマ溶射の説明図。
次に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるガスセンサ100の縦断面図である。図2は、センサ素子101の構成の一例を概略的に示した斜視図である。図3は、図2のA−A断面図である。なお、センサ素子101は長尺な直方体形状をしており、このセンサ素子101の長手方向(図2の左右方向)を前後方向とし、センサ素子101の厚み方向(図2の上下方向)を上下方向とする。また、センサ素子101の幅方向(前後方向及び上下方向に垂直な方向)を左右方向とする。また、図1に示したようなガスセンサ100の構造は公知であり、例えば特開2012−210637号公報に記載されている。
ガスセンサ100は、センサ素子101と、センサ素子101の長手方向の一端側である前端側(図1の下端側)を覆って保護する保護カバー110と、センサ素子101を封入固定する素子封止体120と、素子封止体120に取り付けられたナット130と、を備えている。このガスセンサ100は、図示するように例えば車両の排ガス管などの配管140に取り付けられて、被測定ガスとしての排気ガスに含まれるNOxやO2等の特定ガスの濃度を測定するために用いられる。本実施形態では、ガスセンサ100は特定ガス濃度としてNOx濃度を測定するものとした。センサ素子101は、センサ素子本体101aと、センサ素子本体101aを被覆する多孔質保護層91と、を備えている。なお、センサ素子本体101aは、センサ素子101のうち多孔質保護層91以外の部分を指す。
保護カバー110は、センサ素子101の一端を覆う有底筒状の内側保護カバー111と、この内側保護カバー111を覆う有底筒状の外側保護カバー112とを備えている。内側保護カバー111及び外側保護カバー112には、被測定ガスを保護カバー110内に流通させるための複数の孔が形成されている。センサ素子101の一端は、内側保護カバー111で囲まれた空間内に配置されている。
素子封止体120は、円筒状の主体金具122と、主体金具122の内側の貫通孔内に封入されたセラミックス製のサポーター124と、主体金具122の内側の貫通孔内に封入されタルクなどのセラミックス粉末を成形した圧粉体126と、を備えている。センサ素子101は素子封止体120の中心軸上に位置しており、素子封止体120を前後方向に貫通している。圧粉体126は主体金具122とセンサ素子101との間で圧縮されている。これにより、圧粉体126が主体金具122内の貫通孔を封止すると共にセンサ素子101を固定している。
ナット130は、主体金具122と同軸に固定されており、外周面に雄ネジ部が形成されている。ナット130の雄ネジ部は、配管140に溶接され内周面に雌ネジ部が設けられた取付用部材141内に挿入されている。これにより、ガスセンサ100は、センサ素子101の一端や保護カバー110の部分が配管140内に突出した状態で、配管140に固定できるようになっている。
図3に示すように、センサ素子101は、それぞれがジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する素子である。また、これら6つの層を形成する固体電解質は緻密な気密のものである。係るセンサ素子101は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工および回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。
センサ素子101の一先端部(前方向の端部)であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。
ガス導入口10と、緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画されたセンサ素子101内部の空間である。
第1拡散律速部11と、第2拡散律速部13と、第3拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。なお、ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
また、ガス流通部よりも先端側から遠い位置には、第3基板層3の上面と、スペーサ層5の下面との間であって、側部を第1固体電解質層4の側面で区画される位置に基準ガス導入空間43が設けられている。基準ガス導入空間43には、NOx濃度の測定を行う際の基準ガスとして、例えば大気が導入される。
大気導入層48は、多孔質セラミックスからなる層であって、大気導入層48には基準ガス導入空間43を通じて基準ガスが導入されるようになっている。また、大気導入層48は、基準電極42を被覆するように形成されている。
基準電極42は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる態様にて形成される電極であり、上述のように、その周囲には、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられている。また、後述するように、基準電極42を用いて第1内部空所20内や第2内部空所40内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。
ガス流通部において、ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。緩衝空間12は、第1拡散律速部11より導入された被測定ガスを第2拡散律速部13へと導くために設けられた空間である。第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第1内部空所20に導入される被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。被測定ガスが、センサ素子101外部から第1内部空所20内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口10からセンサ素子101内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所20へ導入されるのではなく、第1拡散律速部11、緩衝空間12、第2拡散律速部13を通じて被測定ガスの濃度変動が打ち消された後、第1内部空所20へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空所20へ導入される被測定ガスの濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられている。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた天井電極部22aを有する内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の天井電極部22aと対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
内側ポンプ電極22は、第1内部空所20を区画する上下の固体電解質層(第2固体電解質層6および第1固体電解質層4)、および、側壁を与えるスペーサ層5にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所20の天井面を与える第2固体電解質層6の下面には天井電極部22aが形成され、また、底面を与える第1固体電解質層4の上面には底部電極部22bが形成され、そして、それら天井電極部22aと底部電極部22bとを接続するように、側部電極部(図示省略)が第1内部空所20の両側壁部を構成するスペーサ層5の側壁面(内面)に形成されて、該側部電極部の配設部位においてトンネル形態とされた構造において配設されている。
内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
また、第1内部空所20における雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を検出するために、内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、基準電極42によって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80が構成されている。
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80における起電力V0を測定することで第1内部空所20内の酸素濃度(酸素分圧)がわかるようになっている。さらに、起電力V0が一定となるように可変電源25のポンプ電圧Vp0をフィードバック制御することでポンプ電流Ip0が制御されている。これによって、第1内部空所内20内の酸素濃度は所定の一定値に保つことができる。
第3拡散律速部30は、第1内部空所20で主ポンプセル21の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第2内部空所40に導く部位である。
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられている。NOx濃度の測定は、主として、補助ポンプセル50により酸素濃度が調整された第2内部空所40において、さらに、測定用ポンプセル41の動作によりNOx濃度が測定される。
第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、第2内部空所40内の酸素濃度を高精度に一定に保つことができるため、係るガスセンサ100においては精度の高いNOx濃度測定が可能となる。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全体に設けられた天井電極部51aを有する補助ポンプ電極51と、外側ポンプ電極23(外側ポンプ電極23に限られるものではなく、センサ素子101と外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層6とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
係る補助ポンプ電極51は、先の第1内部空所20内に設けられた内側ポンプ電極22と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所40内に配設されている。つまり、第2内部空所40の天井面を与える第2固体電解質層6に対して天井電極部51aが形成され、また、第2内部空所40の底面を与える第1固体電解質層4には、底部電極部51bが形成され、そして、それらの天井電極部51aと底部電極部51bとを連結する側部電極部(図示省略)が、第2内部空所40の側壁を与えるスペーサ層5の両壁面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。なお、補助ポンプ電極51についても、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と外側ポンプ電極23との間に所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所40内に汲み入れることが可能となっている。
また、第2内部空所40内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極51と、基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81が構成されている。
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源52にて、補助ポンプセル50がポンピングを行う。これにより第2内部空所40内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
また、これとともに、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80の起電力の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部30から第2内部空所40内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル21と補助ポンプセル50との働きによって、第2内部空所40内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
測定用ポンプセル41は、第2内部空所40内において、被測定ガス中のNOx濃度の測定を行う。測定用ポンプセル41は、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、外側ポンプ電極23と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。
測定電極44は、多孔質サーメット電極である。測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。
第4拡散律速部45は、セラミックス多孔体にて構成される膜である。第4拡散律速部45は、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担うとともに、測定電極44の保護膜としても機能する。測定用ポンプセル41においては、測定電極44の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2として検出することができる。
また、測定電極44の周囲の酸素分圧を検出するために、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、測定電極44と、基準電極42とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された起電力V2に基づいて可変電源46が制御される。
第2内部空所40内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部45を通じて測定電極44に到達することとなる。測定電極44の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N2+O2)酸素を発生する。そして、この発生した酸素は測定用ポンプセル41によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2が一定となるように可変電源46の電圧Vp2が制御される。測定電極44の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル41におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
また、測定電極44と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と基準電極42を組み合わせて、電気化学的センサセルとして酸素分圧検出手段を構成するようにすれば、測定電極44の周りの雰囲気中のNOx成分の還元によって発生した酸素の量と基準大気に含まれる酸素の量との差に応じた起電力を検出することができ、これによって被測定ガス中のNOx成分の濃度を求めることも可能である。
また、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、外側ポンプ電極23と、基準電極42とから電気化学的なセンサセル83が構成されており、このセンサセル83によって得られる起電力Vrefによりセンサ外部の被測定ガス中の酸素分圧を検出可能となっている。
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。したがって、被測定ガス中のNOxの濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル41より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータコネクタ電極71と、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74と、圧力放散孔75と、を備えている。
ヒータコネクタ電極71は、第1基板層1の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータコネクタ電極71を外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータコネクタ電極71と接続されており、該ヒータコネクタ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子101全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、および、第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔75は、第3基板層3を貫通し、基準ガス導入空間43に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
また、センサ素子本体101aは、図2,3に示すように、コーティング層24を備えている。コーティング層24は、センサ素子本体101aの上面側(第2固体電解質層6の上面)を被覆するコーティング層24aと、センサ素子本体101aの下面側(第1基板層1の下面)を被覆するコーティング層24bと、を備えている。なお、コーティング層24aは、外側ポンプ電極23の表面も被覆している。コーティング層24は、例えばアルミナ、ジルコニア、スピネル、コージェライト,マグネシアなどの多孔質セラミックスからなるものである。本実施形態では、コーティング層24はアルミナからなる多孔質セラミックスであるものとした。特に限定するものではないが、コーティング層24の膜厚は例えば5〜50μmであり、コーティング層24の気孔率は例えば10体積%〜60体積%である。また、コーティング層24の表面(コーティング層24aの上面及びコーティング層24bの下面)の算術平均粗さRaは2.0〜5.0μmとすることが好ましい。なお、特に限定するものではないが、コーティング層24が形成されるセンサ素子101の本体の表面(第2固体電解質層6の上面及び第1基板層1の下面)の算術平均粗さRaは、例えば0.3〜1.0μmである。
また、センサ素子本体101aは、図2,3に示すように、一部が多孔質保護層91により被覆されている。多孔質保護層91は、センサ素子本体101aの6個の表面のうち5面にそれぞれ形成された多孔質保護層91a〜91eを備えている。多孔質保護層91aは、センサ素子本体101aの上面(コーティング層24aの上面)の一部を被覆している。多孔質保護層91bは、センサ素子本体101aの下面(コーティング層24bの下面)の一部を被覆している。多孔質保護層91cは、センサ素子本体101aの左面の一部を被覆している。多孔質保護層91dは、センサ素子本体101aの右面の一部を被覆している。多孔質保護層91eは、センサ素子本体101aの前端面の全面を被覆している。なお、多孔質保護層91a〜91dの各々は、自身が形成されているセンサ素子本体101aの表面のうち、センサ素子本体101aの前端面から後方に向かって距離L(図3参照)までの領域を全て覆っている。また、多孔質保護層91aは、外側ポンプ電極23が形成された部分も被覆している。多孔質保護層91eは、ガス導入口10も覆っているが、多孔質保護層91eが多孔質体であるため、被測定ガスは多孔質保護層91eの内部を流通してガス導入口に到達可能である。多孔質保護層91は、センサ素子本体101aの一部(センサ素子本体101aの前端面を含む、前端面から距離Lまでの部分)を被覆して、その部分を保護するものである。多孔質保護層91は、例えば被測定ガス中の水分等が付着してセンサ素子本体101aにクラックが生じるのを抑制する役割を果たす。また、多孔質保護層91aは、被測定ガスに含まれるオイル成分等が外側ポンプ電極23に付着するのを抑制して、外側ポンプ電極23の劣化を抑制する役割を果たす。なお、距離Lは、ガスセンサ100においてセンサ素子本体101aが被測定ガスに晒される範囲や、外側ポンプ電極23の位置などに基づいて、(0<距離L<センサ素子本体101aの長手方向の長さ)の範囲で定められている。
多孔質保護層91は、多孔質体であり、構成粒子としてセラミックス粒子を含むことが好ましく、アルミナ,ジルコニア,スピネル,コージェライト,チタニア,及びマグネシアの少なくともいずれかの粒子を含むことがより好ましい。本実施形態では、多孔質保護層91はアルミナ多孔質体からなるものとした。多孔質保護層91の気孔率は例えば5体積%〜40体積%である。なお、密着力が高くなるため、コーティング層24a,24bと、その表面に形成される多孔質保護層91a,91bとは、同じ材質であることが好ましい。
多孔質保護層91は、厚さ方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位厚さ方向界面数が値15以上250以下となっている。以下、単位厚さ方向界面数について説明する。単位厚さ方向界面数は、多孔質保護層91を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察して得られた画像(SEM画像)を用いて測定する。図4は、多孔質保護層91aの単位厚さ方向界面数等を測定する様子を示す概念図である。図4の上段に、SEM画像の概念図を示した。このような画像は、次のようにして得ることができる。まず、センサ素子101の左右方向(幅方向)に沿った断面(図4下段参照)を観察面とするようにセンサ素子101を切断する。次に、切断面の樹脂埋め及び研磨を行って観察用試料とする。そして、SEMの倍率を3000倍に設定して観察用試料の観察面を撮影することで図4上段のようなSEM画像を得る。
次に、このSEM画像中に、厚さ方向の基準線を描画する。厚さ方向は、SEM画像中の多孔質保護層91が形成された固体電解質層の表面に垂直な方向として定める。この厚さ方向に沿った直線を、厚さ方向の基準線として描画する。図4では第2固体電解質層6の上面に垂直な方向(上下方向)が厚さ方向となる。なお、図4では第2固体電解質層6の上面と多孔質保護層91aとを共に含むSEM画像の例を示しているが、多孔質保護層91のSEM画像に厚さ方向の基準線を描画できれば(SEM画像中の厚さ方向が定まれば)よい。例えば、第2固体電解質層6と多孔質保護層91aとが別々のSEM画像として撮影されていてもよい。続いて、SEM画像中で、厚さ方向の基準線に沿って厚さ方向100μmの領域を定め、多孔質保護層91の構成粒子のうちこの領域内で厚さ方向の基準線と交差している粒子を特定する。なお、多孔質保護層91が複数種類の構成粒子を含んでいる場合でも、構成粒子の種類は特に区別することなく、厚さ方向の基準線と交差している粒子を全て特定する。そして、特定した粒子間の界面の数を単位厚さ方向界面数とする。図4では、厚さ方向100μmの領域内で、多孔質保護層91aの構成粒子のうち9つの粒子A〜Iが厚さ方向の基準線と交差している。そのため、図4の例では、粒子A〜I間の界面(粒子A,B間の界面,粒子B,C間の界面,・・・,粒子H,I間の界面)の数である値8が、多孔質保護層91aの単位厚さ方向界面数となる。なお、図4に示す粒子A,B間のようにSEM画像中で粒子同士が離れている場合も、粒子A,B間の1つの界面として計算する。そのため、単位厚さ方向界面数は、厚さ方向100μmの領域内で厚さ方向の基準線と交差している粒子の数(図4では9個)から値1を減じた数となる。なお、多孔質保護層91aの厚さが100μm未満の場合は、厚さ方向の基準線に沿って多孔質保護層91aの厚さ方向の全体についての構成粒子間の界面数を測定する。そして、測定した値を厚さ100μmあたりに換算した値を、単位厚さ方向界面数とする。
多孔質保護層91b〜91eについても、上記と同様にして単位厚さ方向界面数をそれぞれ導出することができる。なお、厚さ方向は多孔質保護層91b〜91eの各々のSEM画像から定める。例えば、多孔質保護層91cの厚さ方向は左右方向となる。また、多孔質保護層91eの単位厚さ方向界面数を測定する際は、センサ素子101の前後方向(長手方向)に沿った断面を観察面とする。
本実施形態では、多孔質保護層91a〜91eのいずれも(すなわち多孔質保護層91全体)が上述した「単位厚さ方向界面数が値15以上250以下」という条件(以下、第1条件とも称する)を満たしているものとした。多孔質保護層91a〜91eのいずれか1以上の単位厚さ方向界面数は値17以上としてもよく、値30以上であることがより好ましい。多孔質保護層91a〜91eのいずれか1以上の単位厚さ方向界面数は値200以下,値150以下,値100以下,値50以下としてもよい。なお、特にこれに限定するものではないが、多孔質保護層91の厚さは例えば1000μm以下であり、700μm以下,500μm以下,250μm以下,200μm以下,150μm以下としてもよい。また、多孔質保護層91の厚さは50μm以上、100μm以上としてもよい。ここで、多孔質保護層91aの厚さ方向の構成粒子の分布に偏りがない場合、多孔質保護層91aの厚さ方向全体に亘っての構成粒子の粒子界面数を厚さ方向総界面数とすると、厚さ方向総界面数=単位厚さ方向界面数×多孔質保護層91aの厚さ(μm)/100μmとして導出できる。また、厚さが50μm以上であり且つ第1条件を満たしている多孔質保護層91aは、厚さ方向総界面数が値7.5以上であることになる。多孔質保護層91b〜91eについても、同様である。
また、多孔質保護層91は、単位厚さ方向界面数と、厚さ方向に垂直な表面方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位表面方向界面数と、の界面数比(=単位表面方向界面数/単位厚さ方向界面数)が値0超過0.7以下となっている。単位表面方向界面数は、単位厚さ方向界面数と同様に測定する。まず、図4に示すように、SEM画像中の上述した厚さ方向の基準線に垂直な直線を、表面方向の基準線として描画する。続いて、SEM画像中で、表面方向の基準線に沿って表面方向100μmの領域を定める。なお、表面方向100μmの領域の表面方向(図の左右方向)の中央に厚さ方向の基準線が位置するように、表面方向100μmの領域を定める。そして、多孔質保護層91の構成粒子のうちこの領域内で表面方向の基準線と交差している粒子を特定し、特定した粒子間の界面の数を単位表面方向界面数とする。単位表面方向界面数は、表面方向100μmの領域内で表面方向の基準線と交差している粒子の数(図4では6個)から値1を減じた数となる。なお、図4の粒子J,K間のように、2つの粒子の間に表面方向の基準線と交差している界面が複数(図4では2つ)ある場合も、粒子J,K間の界面は1つとして計算する。この考え方は単位厚さ方向界面数の測定時も同様とする。
本実施形態では、多孔質保護層91a〜91eのいずれも(すなわち多孔質保護層91全体)が上述した「界面数比が値0超過0.7以下」という条件(以下、第2条件とも称する)を満たしているものとした。なお、多孔質保護層91a〜91eのいずれか1以上の界面数比は値0.6以下としてもよく、値0.4以下,0.3以下とすることが好ましい。多孔質保護層91a〜91eのいずれか1以上の界面数比は値0.15以上としてもよい。多孔質保護層91a〜91eのいずれか1以上の単位表面方向界面数は値5以上であってもよいし、値10.5以下,値10以下であってもよい。なお、多孔質保護層91aの界面数比が値1未満である場合、図4に示したように、多孔質保護層91aの構成粒子が厚さ方向につぶれた形状(構成粒子の厚さ方向の大きさが厚さ方向に垂直な方向の大きさよりも小さい形状)をしている傾向にあることになる。多孔質保護層91b〜91eについても、同様である。
次に、こうしたガスセンサ100の製造方法について説明する。ガスセンサ100の製造方法では、まずセンサ素子本体101aを製造し、次にセンサ素子本体101aに多孔質保護層91を形成してセンサ素子101を製造する。
最初に、センサ素子本体101aを製造する方法について説明する。まず、6枚の未焼成のセラミックスグリーンシートを用意する。そして、第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6のそれぞれに対応して、各セラミックスグリーンシートに電極や絶縁層、抵抗発熱体等のパターンを印刷する。また、第2固体電解質層6となるセラミックスグリーンシートの表面(センサ素子本体101aの上面となる面)には、焼成後にコーティング層24aとなるペーストをスクリーン印刷する。同様に、第1基板層1となるセラミックスグリーンシートの表面(センサ素子本体101aの下面となる面)には、焼成後にコーティング層24bとなるペーストをスクリーン印刷する。なお、コーティング層24a,24bとなるペーストは、上述したコーティング層24の材質からなる原料粉末(本実施形態ではアルミナの粉末)と、有機バインダー及び有機溶剤等を混合したものを用いる。また、このペーストは、焼成後のコーティング層24の表面の算術平均粗さRaが2.0〜5.0μmとなるように、予め調整しておくことが好ましい。特にこれに限定するものではないが、例えば、原料粉末の粒径をD50=2〜20μm,体積割合を5〜20vol%とし、バインダー溶液を20〜40vol%とし、助溶剤を30〜50vol%とし、分散剤を1〜5vol%としてこれらを調合し、回転数を50〜250rpmとして2〜6時間混合したペーストを用いることで、焼成後のコーティング層24の表面の算術平均粗さRaを2.0〜5.0μmとすることができる。このように各種のパターンを形成したあと、グリーンシートを乾燥する。その後、それらを積層して積層体とする。こうして得られた積層体は、複数個のセンサ素子本体101aを包含したものである。その積層体を切断してセンサ素子本体101aの大きさに切り分け、所定の焼成温度で焼成して、センサ素子本体101aを得る。なお、複数のグリーンシートを積層してセンサ素子本体101aを製造する方法は公知であり、例えば特開2008−164411号公報,特開2009−175099号公報などに記載されている。
次に、センサ素子本体101aに多孔質保護層91を形成する方法について説明する。本実施形態では、プラズマ溶射により多孔質保護層91a〜91eを1層ずつ形成していくものとした。図5は、プラズマガン170を用いたプラズマ溶射の説明図である。なお、図5では、例として多孔質保護層91aを形成する様子を示しており、プラズマガン170を断面で示している。プラズマガン170は、プラズマを発生させる電極となるアノード176及びカソード178と、それらを覆う略円筒状の外周部172と、を備えている。外周部172は、アノード176と絶縁するための絶縁部(インシュレータ)173を備えている。外周部172の下端には、多孔質保護層91の形成材料である粉末溶射材料184を供給するための粉末供給部182が形成されている。外周部172とアノード176との間には水冷ジャケット174が設けられており、これによりアノード176を冷却可能となっている。アノード176は筒状に形成されており、下方に向けて開口したノズル176aを有している。アノード176とカソード178との間には、上方からプラズマ発生用ガス180が供給される。なお、このようなプラズマガン170は公知であり、例えば上述した特許文献1に記載されている。
多孔質保護層91aを形成する際には、プラズマガン170のアノード176とカソード178との間に電圧を印加し、供給されたプラズマ発生用ガス180の存在下でアーク放電を行って、プラズマ発生用ガス180を高温のプラズマ状態にする。プラズマ状態となったガスは、高温且つ高速のプラズマジェットとしてノズル176aから図5の下方へ噴出する。一方、粉末供給部182からは、キャリアガスと共に粉末溶射材料184を供給する。これにより、粉末溶射材料184はプラズマにより加熱溶融及び加速されてセンサ素子本体101aの表面(上面)に衝突し、急速固化することで、多孔質保護層91aが形成される。なお、プラズマガン170の溶射の向き(ノズル176aの向き)は、特に限定されるものではなく、多孔質保護層91aを形成できればよい。多孔質保護層91b〜91eについても、センサ素子本体101aに形成する面が異なる点以外は同様にして1層ずつ形成する。なお、多孔質保護層91a,91bは、上述したようにコーティング層24a,24bの表面にそれぞれ形成する。多孔質保護層91c〜91eは、センサ素子本体101aの固体電解質層(各層1〜6)の表面に直接形成する。なお、プラズマ溶射は、例えば大気及び常温の雰囲気にて行う。多孔質保護層91c〜91eを1層ずつ作成する場合、コーティング層24上に形成する多孔質保護層91a,91bを先に形成し、多孔質保護層91c〜91eは形成済みの多孔質保護層と端部が接続されるように形成することが好ましい。また、多孔質保護層91a〜91eのうち2以上を同時に形成してもよい。以上により、センサ素子本体101aの上下左右の面及び前端面には多孔質保護層91a〜91eがそれぞれ形成されて多孔質保護層91となり、センサ素子101を得る。
ここで、プラズマ発生用ガス180としては、例えばアルゴンガスなどの不活性ガスを用いることができる。また、プラズマが発生しやすくなるため、アルゴンと水素とを混合したものをプラズマ発生用ガス180とすることが好ましい。アルゴンと窒素とを混合したものをプラズマ発生用ガス180としてもよい。特に限定するものではないが、アルゴンガスの流量は例えば40〜50L/min,供給圧力は例えば0.5〜0.6MPaであり、水素の流量は例えば9〜11L/min,供給圧力は例えば0.5〜0.6MPaである。アノード176とカソード178との間に印加する電圧は、例えば50〜70Vの直流電圧であり、電流は例えば500〜550Aである。なお、プラズマ発生時の条件(プラズマ発生用ガス180の流量,供給圧力や、印加電圧,電流)を調整することで、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数や界面数比を調整することができる。プラズマ発生時の条件は、多孔質保護層91の構成粒子が厚さ方向につぶれた形状(図4参照)となるように調整することが好ましい。構成粒子が厚さ方向につぶれた形状になれば単位厚さ方向界面数が大きくなりやすいため、単位厚さ方向界面数を比較的容易に値15以上とすることができる。また、構成粒子が厚さ方向につぶれた形状になれば界面数比が小さくなりやすいため、界面数比を比較的容易に値0超過0.7以下とすることができる。例えば、印加電圧や電流を上記のように比較的高い値に設定することで、粉末溶射材料184が溶融しやすくなり、構成粒子がセンサ素子本体101aの表面に衝突した際に厚さ方向につぶれた形状になりやすい。同様に、プラズマ発生用ガス180の流量や供給圧力も上記のように比較的高い値に設定することが好ましい。
粉末溶射材料184は、上述した多孔質保護層91の材料となる粉末であり、本実施形態ではアルミナ粉末とした。特に限定するものではないが、粉末溶射材料184の粒径は例えば1μm〜50μmであり、1μm〜20μmがより好ましい。粉末溶射材料184の供給に用いるキャリアガスとしては、例えばプラズマ発生用ガス180と同じアルゴンガスを用いることができる。特に限定するものではないが、キャリアガスの流量は例えば3〜4L/minであり、供給圧力は例えば0.5〜0.6MPaである。なお、粉末溶射材料184の粒径を調整することで、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数や単位表面方向界面数を調整することができる。粒径が小さいほど、単位厚さ方向界面数や単位表面方向界面数が大きくなりやすい。ただし、粒径が小さ過ぎると粉末供給部182が詰まりやすくなるため、粉末溶射材料184の粒子の真球度を高くしたり、キャリアガスの供給圧力を大きくしたりすることが好ましい。
プラズマ溶射を行う際は、プラズマガン170におけるプラズマガスの出口であるノズル176aとセンサ素子本体101aにおける多孔質保護層91を形成する面(図5ではコーティング層24aの上面)との距離Wを、50mm〜300mmとすることが好ましい。距離Wは120mm〜250mmとしてもよい。また、多孔質保護層91を形成する面積に応じて、適宜プラズマガン170を移動(図5では左右方向に移動)させながらプラズマ溶射を行ってもよいが、その場合も距離Wは上述した範囲に保つことが好ましい。プラズマ溶射を行う時間は、形成する多孔質保護層91の膜厚や面積に応じて、適宜定めればよい。なお、多孔質保護層91a〜多孔質保護層91dのように、センサ素子本体101aの表面の一部(前端から後方に向かって距離Lまでの領域)に多孔質保護層91を形成する場合には、多孔質保護層91を形成しない領域をマスクで覆っておいてもよい。
センサ素子101を得ると、用意したサポーター124,厚粉体126内にこのセンサ素子101を貫通させ、図1の上側から主体金具122の内側の貫通孔内にこれらを挿入して、センサ素子101を素子封止体120で固定する。そして、ナット130や保護カバー110などを取り付けることで、ガスセンサ100が得られる。なお、このようなガスセンサの製造方法は公知であり、例えば国際公開2013/005491号に記載されている。
こうして構成されたガスセンサ100の使用時には、配管140内の被測定ガスが保護カバー110内に流入してセンサ素子101に到達し、多孔質保護層91を通過してガス導入口10内に流入する。そして、センサ素子101は、ガス導入口10内に流入した被測定ガス中のNOx濃度を検出する。このとき、被測定ガスに含まれる水分も保護カバー110内に侵入して、多孔質保護層91の表面に付着する場合がある。センサ素子本体101aは、上述したようにヒータ72により固体電解質が活性化する温度(例えば800℃など)に調整されており、センサ素子101に水分が付着すると温度が急激に低下してセンサ素子本体101aにクラックが生じる場合がある。ここで、本実施形態の多孔質保護層91は、単位厚さ方向界面数が値15以上となっている。この単位厚さ方向界面数が多いほど、多孔質保護層91の厚さ方向への熱伝導が生じにくい傾向にある。すなわち、多孔質保護層91の表面に水分が付着した場合のセンサ素子本体101aの冷えが抑制される傾向にある。この理由は、構成粒子内の熱伝導と比べて構成粒子間の熱伝導が生じにくいためと考えられる。そして、単位厚さ方向界面数が値15以上であることで、センサ素子本体101aの冷えを抑制する効果すなわちセンサ素子101の耐被水性を向上させる効果が得られ、クラックの発生を抑制できる。なお、単位厚さ方向界面数が多いほど、多孔質保護層91中の単位厚さあたりの構成粒子数が多いことになり、被測定ガスが多孔質保護層91を通過してセンサ素子本体101aに到達しにくくなる。単位厚さ方向界面数が値250以下であれば、被測定ガスが多孔質保護層91を通過できる。また、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数を値100以下,50以下とすることで、被測定ガスが多孔質保護層91をより通過しやすくなり、センサ素子101の応答性の低下を抑制できる。
また、界面数比が小さいほど、多孔質保護層91の厚さ方向への熱伝導よりも多孔質保護層91の表面方向(厚さ方向に垂直な方向)への熱伝導が生じやすい傾向にある。この理由は、構成粒子内の熱伝導と比べて構成粒子間の熱伝導が生じにくいためと考えられる。これにより、界面数比が小さいほど、多孔質保護層91の表面に水分が付着した場合にセンサ素子本体101aの一部のみが急激に冷えることが抑制される傾向にある。そして、界面数比が0.7以下であることで、センサ素子本体101aの一部(水分が付着した部分)のみが急激に冷えることによるクラックの発生を抑制する効果、すなわちセンサ素子101の耐被水性を向上させる効果が得られる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のセンサ素子101が本発明のガスセンサ素子に相当し、センサ素子本体101aが素子本体に相当し、多孔質保護層91が保護層に相当する。また、素子封止体120が固定部に相当する。
以上説明した本実施形態のガスセンサ100によれば、センサ素子101は、酸素イオン伝導性の固体電解質層(各層1〜6)を備えたセンサ素子本体101aと、センサ素子本体101aの少なくとも一部を被覆する多孔質保護層91と、を備えている。そして、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数が値15以上であることで、センサ素子101の耐被水性を向上させることができる。また、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数が値250以下であることで、ガスが多孔質保護層91を通過できる。
また、多孔質保護層91の界面数比(=単位表面方向界面数/単位厚さ方向界面数)が値0超過0.7以下であることで、センサ素子101の耐被水性を向上させることができる。
また、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数を値30以上とすることで、センサ素子101の耐被水性をより向上させることができる。さらに、多孔質保護層91の厚さが500μm以下であっても、センサ素子101の耐被水性を向上させる効果が得られる。ここで、多孔質保護層91の厚さが500μm以下と比較的薄い場合はセンサ素子101の耐被水性が不十分になりやすい。多孔質保護層91が第1条件と第2条件との少なくとも一方を満たすことでセンサ素子101の耐被水性が向上するため、このような比較的薄い多孔質保護層91に本発明を適用する意義が高い。
さらに、多孔質保護層91は構成粒子としてセラミックス粒子を含んでいる。セラミックス粒子は強度・耐熱性・耐食性の少なくとも1以上の観点から、センサ素子101の保護層に適している。また、多孔質保護層91は、構成粒子としてアルミナ,ジルコニア,スピネル,コージェライト,チタニア,及びマグネシアの少なくともいずれかの粒子を含んでいる。これらの材質は耐熱性が高いため、センサ素子101の保護層に適している。
さらにまた、センサ素子本体101aは、長尺な直方体形状であり、多孔質保護層91は、センサ素子本体101aのうち長手方向の一端面(前端面)と、一端面に垂直な4つの面(上下左右の面)の一端面側からセンサ素子本体101aの長手方向で距離Lまでの領域と、を被覆している(ただし、0<距離L<センサ素子本体101aの長手方向の長さ)。このように多孔質保護層91が5つの面を被覆することで、例えば多孔質保護層91が4面以下の面しか被覆しない場合と比べて、多孔質保護層91によりセンサ素子本体101aを保護する効果が高まる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、多孔質保護層91は第1条件と第2条件とを共に満たしていたが、少なくともいずれか一方の条件を満たしていればよい。
上述した実施形態では、多孔質保護層91a〜91eのいずれもが第1条件を満たしているが、多孔質保護層91a〜91eのうち少なくとも1以上が第1条件を満たしていればよい。多孔質保護層91a〜91eのうち1つでも第1条件を満たしていれば、少なくとも第1条件を満たした多孔質保護層については上述した効果が得られる。そのため、例えば多孔質保護層91a〜91eのいずれかの単位厚さ方向界面数が値15未満又は250超過であってもよい。ただし、多孔質保護層91a〜91eのうち第1条件を満たす多孔質保護層は多い方が好ましく、多孔質保護層91a〜91eのいずれも(すなわち多孔質保護層91全体)が第1条件を満たしていることがより好ましい。同様に、多孔質保護層91a〜91eのうち少なくとも1以上が第2条件を満たしていれば、第2条件を満たした多孔質保護層については上述した効果が得られる。
上述した実施形態では、例えば多孔質保護層91aのいずれの箇所で単位厚さ方向界面数を測定するかについて言及しなかったが、これについて説明する。なお、以下の説明は多孔質保護層91b〜91eについても同様である。多孔質保護層91aのうちいずれか1箇所でも、第1条件を満たす箇所があれば、第1条件を満たす箇所が全くない場合と比べて、上述した効果が得られる。ただし、表面方向の異なる複数箇所で第1条件を満たしていることが好ましい。例えば、多孔質保護層91aにおける表面方向にある程度離れた任意の5箇所で単位厚さ方向界面数を測定し、その平均値が値15以上250以下であることが好ましい。界面数比についても同様に、多孔質保護層91aのうちいずれか1箇所でも、第2条件を満たす箇所があれば、第2条件を満たす箇所が全くない場合と比べて、上述した効果が得られる。ただし、表面方向の異なる複数箇所で第2条件を満たしていることが好ましい。例えば、多孔質保護層91aにおける表面方向にある程度離れた任意の5箇所で界面数比を測定し、その平均値が値0超過0.7以下であることが好ましい。また、多孔質保護層91aが構成粒子の態様(例えば構成粒子の材質,割合,平均粒径など)が異なる複数の部分を有している場合には、いずれか1以上の部分で第1条件,第2条件の少なくとも一方を満たせばよい。例えば多孔質保護層91aが厚さ方向に複数の層を備えている場合には、いずれか1以上の層で第1条件,第2条件の少なくとも一方を満たせばよい。多孔質保護層91aが表面方向(前後左右方向)で構成粒子の態様が異なる複数の部分を備えている場合についても同様である。
上述した実施形態では、多孔質保護層91は多孔質保護層91a〜91eを有するものとしたが、これに限られない。多孔質保護層91はセンサ素子本体101aの少なくとも一部を被覆していればよい。例えば、多孔質保護層91が多孔質保護層91a〜91eのうち1以上を備えなくてもよい。また、多孔質保護層91は多孔質体としたが、これに限られない。
上述した実施形態では、プラズマ溶射により多孔質保護層91を形成したが、これに限られない。例えば、高速フレーム溶射,アーク溶射,レーザー溶射などの他の溶射により多孔質保護層91を形成してもよい。あるいは、溶射に限らず他の製法(例えばスクリーン印刷,ディッピング,ゲルキャスト法など)によってセンサ素子本体101aの表面にスラリーを用いて塗膜を形成し、塗膜を焼成することで多孔質保護層91を形成してもよい。このようなスラリーは、例えば多孔質保護層91の原料粉末(セラミックス粒子など)を溶媒に分散させて作成することができる。また、スラリーには焼結助剤(バインダー)と造孔材との少なくとも一方を添加することが好ましい。ゲルキャスト法を用いる場合は、スラリーにさらに有機溶媒、分散剤及びゲル化剤(例えばイソシアネート類とポリオール類)を添加する。なお、塗膜を焼成して多孔質保護層91を形成する場合は、塗膜の焼成とセンサ素子本体101aの焼成とを同時に行ってもよい。
上述した実施形態では、多孔質保護層91の構成粒子は図4に示すようにつぶれた形状をしている傾向にあるが、これに限られない。構成粒子がつぶれていなくとも、単位厚さ方向界面数が値15以上であれば、これによる上述した効果が得られる。また、上述した実施形態ではプラズマ発生時の条件を調節して多孔質保護層91の構成粒子がつぶれるようにしたが、これに限られない。例えば、多孔質保護層91の構成粒子となる原料の粒子について、粒子の断面が楕円状になるように予めロール等を用いたせん断,押しつぶし,研磨等を行っておいてもよい。なお、例えばスクリーン印刷により多孔質保護層91を形成する場合、原料粒子を楕円状にしておけば、スキージ圧によるせん断応力で原料粒子の向きは楕円の長辺が表面方向に沿った向きになりやすいため、多孔質保護層91の構成粒子を厚さ方向につぶれた形状となる傾向にすることができる。ディッピングにより多孔質保護層91を形成する場合は、原料粒子を楕円状にしておけば、引きずり(スラリーからのセンサ素子本体101aの引き上げ)やスラリーの表面張力にるせん断応力で原料粒子の向きは楕円の長辺が表面方向に沿った向きになりやすい。なお、多孔質保護層91a〜91dをディッピングで形成するときには、前後方向(センサ素子本体101aの長手方向)に沿ってスラリーからセンサ素子本体101aを引き上げることが好ましい。多孔質保護層91eをディッピングで形成するときには、上下方向や左右方向(センサ素子本体101aの長手方向に垂直な方向)に沿ってスラリーからセンサ素子本体101aを引き上げることが好ましい。また、ゲルキャスト法により多孔質保護層91を形成する場合、例えばセンサ素子本体101aを被覆するスラリーが固化する前にスラリーを厚さ方向に押圧すれば、多孔質保護層91の構成粒子を厚さ方向につぶれた形状となる傾向にしやすい。
上述した実施形態では、センサ素子本体101aはコーティング層24a,24bを有するものとしたが、これに限られない。コーティング層24は、センサ素子本体101aの表面のうち多孔質保護層91に被覆される領域の少なくとも一部に形成されていればよい。例えば、コーティング層24a,24bの一方を備えなくてもよいし、センサ素子本体101aの上下面以外の面を覆うコーティング層をさらに備えてもよい。また、センサ素子本体101aはコーティング層を備えなくてもよい。
以下には、センサ素子を具体的に作製した例を実施例として説明する。実験例3〜11,16〜19,22〜25が本発明の第1のガスセンサ素子の実施例に相当し、実験例3〜9,12〜13,16〜19,22〜25が本発明の第2のガスセンサ素子の実施例に相当し、実験例1,2,14,15,20,21が比較例に相当する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
上述した実施形態のセンサ素子101の製造方法に従って、図2,3に示したセンサ素子101を作成して実験例1とした。具体的には、まず、前後方向の長さが67.5mm、左右方向の幅が4.25mm、上下方向の厚さが1.45mmのセンサ素子本体101aを作製した。なお、センサ素子本体101aを作製するにあたり、セラミックスグリーンシートは、安定化剤のイットリアを4mol%添加したジルコニア粒子と有機バインダーと有機溶剤とを混合し、テープ成形により成形した。また、コーティング層24を形成するためのペーストは、以下のように調整した。原料粉末(アルミナ粉末)の粒径をD50=5μm,体積割合を10vol%とし、バインダー溶液(ポリビニルアセタールとブチルカルビトール)を40vol%とし、助溶剤(アセトン)を45vol%とし、分散剤(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル)を5vol%としてこれらを調合し、ポットミル混合機の回転数を200rpmとして3時間混合して、ペーストの調整を行った。
続いて、センサ素子本体101aの表面に、多孔質保護層91a,91b,91c,91d,91eをこの順で形成して多孔質保護層91とし、実験例1のセンサ素子101とした。多孔質保護層91を形成するプラズマ溶射の条件は、以下のようにした。プラズマ発生用ガス180として、アルゴンガス(流量50L/min,供給圧力0.5MPa)と水素(流量10L/min,供給圧力0.5MPa)とを混合したものを用いた。アノード176とカソード178との間に印加する電圧は、70Vの直流電圧とした。電流は500Aであった。粉末溶射材料184としては、平均粒径が30μmであるアルミナ粉末を用いた。粉末溶射材料184の供給に用いるキャリアガスは、アルゴンガス(流量4L/min,供給圧力0.5MPa)とした。距離Wは、150mmとした。距離Lは、10mmとした。また、プラズマ溶射は、大気及び常温の雰囲気にて行った。プラズマガン170の溶射の向き(ノズル176aの向き)は、センサ素子101における多孔質保護層91の形成面に対して垂直とした。形成された多孔質保護層91a〜91eの厚さをマイクロメータにより測定したところ、いずれも100μmであった。また、多孔質保護層91a〜91eの単位厚さ方向界面数を上述した方法で測定したところ、いずれも値10であった。多孔質保護層91a〜91eの単位表面方向界面数を上述した方法で測定したところ、いずれも値13であった。多孔質保護層91a〜91eの界面数比は、いずれも値1.30であった。
[実験例2〜9]
プラズマ溶射の条件(粉末溶射材料184の平均粒径,距離W,印加電圧,電流)を表1に示すように種々変更した点以外は、実験例1と同様にしてセンサ素子101を作成し、実験例2〜9とした。実験例2〜9のいずれにおいても、多孔質保護層91a〜91eの厚さはいずれも100μmであった。
[耐被水性の評価]
実験例1〜9のセンサ素子について、多孔質保護層91の性能(センサ素子101の耐被水性)を評価した。具体的には、まず、ヒータ72に通電して温度を800℃とし、センサ素子101を加熱した。この状態で、大気雰囲気中で主ポンプセル21,補助ポンプセル50,主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80,補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81等を作動させて、第1内部空所内20内の酸素濃度を所定の一定値に保つように制御した。そして、ポンプ電流Ip0が安定するのを待った後、多孔質保護層91に水滴をたらし、ポンプ電流Ip0が所定の閾値を超えた値に変化したか否かに基づいて、センサ素子101のクラックの有無を判定した。なお、水滴による熱衝撃でセンサ素子101にクラックが生じると、クラック部分を通過して第1内部空所内20内に酸素が流入しやすくなるため、ポンプ電流Ip0の値が大きくなる。そのため、ポンプ電流Ip0が実験で定められる所定の閾値を超えている場合に、水滴でセンサ素子101にクラックが生じたと判定した。また、水滴の量を30μLまで徐々に増やして複数回の試験を行い、クラックが生じなかった最大の水滴の量を耐被水量とした。そして、実験例1〜9のセンサ素子101を5本ずつ用意し、5本の耐被水量の平均値を実験例1〜9の各々について導出した。この耐被水量の平均値が10μL未満は不良,10μL以上は良好,30μL(=1本もクラックが発生しなかった)は非常に良好として、実験例1〜9のセンサ素子101の耐被水性を評価した。
実験例1〜9のプラズマ溶射の条件(粉末溶射材料184の平均粒径,距離W,印加電圧,電流),測定結果(単位厚さ方向界面数,単位表面方向界面数,界面数比),及び評価結果(耐被水量の平均値,耐被水性の評価)を、表1にまとめて示す。なお、×は不良,○は良好,◎は非常に良好を意味する。また、実験例1と同様に、実験例2の多孔質保護層91a〜91eの単位厚さ方向界面数はいずれも同じ値であり、実験例2の多孔質保護層91a〜91eの単位表面方向界面数はいずれも同じ値であった。実験例3〜9についても同様であった。
Figure 0006739926
表1からわかるように、実験例1〜9の結果から、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数が値15以上、17以上であれば、クラックの発生が抑制でき耐被水性が向上していることが確認できた。また、多孔質保護層91の単位厚さ方向界面数が値30以上であれば、耐被水性がさらに向上していることが確認できた。
また、多孔質保護層91の界面数比が0.7以下,0.6以下であれば、クラックの発生が抑制でき耐被水性が向上していることが確認できた。また、多孔質保護層91の界面数比が0.4以下,0.3以下であれば、耐被水性がさらに向上していることが確認できた。
[実験例10〜13]
プラズマ溶射の条件を表2に示すように種々変更した点以外は、実験例1と同様にしてセンサ素子101を作成し、実験例10〜13とした。実験例10〜13のいずれにおいても、多孔質保護層91a〜91eの厚さはいずれも100μmであった。実験例10〜13についても実験例1〜9と同様に耐被水性を評価した。実験例10〜13のプラズマ溶射の条件,測定結果,及び評価結果を表2にまとめて示す。実験例10,11の結果から、多孔質保護層91が第1条件を満たしていれば、第2条件を満たしていなくても、第1,第2条件を共に満たさない実験例1,2と比べて耐被水性が向上することが確認できた。また、実験例12,13の結果から、多孔質保護層91が第2条件を満たしていれば、第1条件を満たしていなくても、第1,第2条件を共に満たさない実験例1,2と比べて耐被水性が向上することが確認できた。
Figure 0006739926
[実験例14〜19]
多孔質保護層91a〜91eの厚さをいずれも50μmとした点以外は、実験例1〜4,7,9と同様にしてセンサ素子101を作成し、実験例14〜19とした。実験例14〜19についても実験例1〜9と同様に耐被水性を評価した。実験例14〜19のプラズマ溶射の条件,測定結果,及び評価結果を表3にまとめて示す。なお、実験例14〜19における単位厚さ方向界面数の値は、厚さ方向の基準線に沿った厚さ方向50μmの領域内で構成粒子間の界面数を測定し、測定値から換算した値(測定値の2倍の値)である。多孔質保護層91の厚さが50μmであっても、実験例16〜19では耐被水性の評価が良好であり、本発明の効果が得られることが確認できた。また、実験例16〜19は、厚さが100μmである実験例1,2と比べても耐被水性が向上することが確認できた。
Figure 0006739926
[実験例20〜25]
多孔質保護層91a〜91eの厚さをいずれも500μmとした点以外は、実験例1〜4,7,9と同様にしてセンサ素子101を作成し、実験例20〜25とした。実験例20〜25についても実験例1〜9と同様に耐被水性を評価した。実験例20〜25のプラズマ溶射の条件,測定結果,及び評価結果を表4にまとめて示す。実験例20〜25は多孔質保護層91の厚さが500μmであるため、厚さが100μmである実験例1〜4,7,9と比較して全体に耐被水量の平均値が大きくなったが、第1,第2条件を共に満たさない実験例20,21の耐被水性は不良であった。一方、実験例22,23は耐被水性が良好であり、実験例24,25は耐被水性が非常に良好であった。
Figure 0006739926
1 第1基板層、2 第2基板層、3 第3基板層、4 第1固体電解質層、5 スペーサ層、6 第2固体電解質層、7a〜7e 接着層、10 ガス導入口、11 第1拡散律速部、12 緩衝空間、13 第2拡散律速部、20 第1内部空所、21 主ポンプセル、22 内側ポンプ電極、22a 天井電極部、22b 底部電極部、23 外側ポンプ電極、24,24a,24b コーティング層、25 可変電源、30 第3拡散律速部、40 第2内部空所、41 測定用ポンプセル、42 基準電極、43 基準ガス導入空間、44 測定電極、45 第4拡散律速部、46 可変電源、48 大気導入層、50 補助ポンプセル、51 補助ポンプ電極、51a 天井電極部、51b 底部電極部、52 可変電源、70 ヒータ部、71 ヒータコネクタ電極、72 ヒータ、73 スルーホール、74 ヒータ絶縁層、75 圧力放散孔、80 主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル、81 補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル、82 測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル、83 センサセル、91,91a〜91e 多孔質保護層、100 ガスセンサ、101 センサ素子、101a センサ素子本体、110 保護カバー、111 内側保護カバー、112 外側保護カバー、120 素子封止体、122 主体金具、124 サポーター、126 圧粉体、130 ナット、140 配管、141 取付用部材、170 プラズマガン、172 外周部、173 絶縁部、174 水冷ジャケット、176 アノード、176a ノズル、178 カソード、180 プラズマ発生用ガス、182 粉末供給部、184 粉末溶射材料。

Claims (7)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質層を備えた素子本体と、
    前記素子本体の少なくとも一部を被覆し、厚さ方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位厚さ方向界面数が値15以上250以下であり、該単位厚さ方向界面数と、該厚さ方向に垂直な表面方向100μmあたりの構成粒子の粒子界面数である単位表面方向界面数と、の界面数比(=単位表面方向界面数/単位厚さ方向界面数)が値0超過0.7以下である保護層と、
    を備えたガスセンサ素子。
  2. 前記保護層は、前記単位厚さ方向界面数が値30以上である、
    請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 前記保護層は、厚さが500μm以下である、
    請求項1又は2に記載のガスセンサ素子。
  4. 前記保護層は、前記構成粒子としてセラミックス粒子を含む、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  5. 前記保護層は、前記構成粒子としてアルミナ,ジルコニア,スピネル,コージェライト,チタニア,及びマグネシアの少なくともいずれかの粒子を含む、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  6. 前記素子本体は、長尺な直方体形状であり、
    前記保護層は、前記素子本体のうち長手方向の一端面と、該一端面に垂直な4つの面の前記一端面側から該素子本体の前記長手方向で距離Lまでの領域と、を被覆している(ただし、0<距離L<素子本体の長手方向の長さ)、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載されたガスセンサ素子、
    を備えたガスセンサ。
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