最初に、本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る充電制御装置は、発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置であって、節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断する判断部と、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと前記判断部が判断した場合に、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行う制御部とを備える。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイスの発電開始が間に合わない場合に蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(2)好ましくは、前記制御部は、前記開始タイミングより前に前記発電デバイスを起動し、前記発電デバイスが発電を開始した場合、前記蓄電デバイスの放電を停止する。
このような構成により、発電デバイスを節電期間に対して前もって起動しながら、節電期間において発電デバイスが発電を開始した後は、蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を停止して、発電デバイスにより発電された電力を使用することができる。これにより、発電デバイスの発電した電力を効果的に使用することができ、また、蓄電デバイスに蓄えられている電力を効率的に使用することができる。
(3)本発明の実施の形態に係る充電制御装置は、発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置であって、前記発電デバイスは、自然エネルギーを利用して発電を行い、節電期間の一部または全部における前記発電デバイスの発電量に関する予測を行う予測部と、前記予測部による予測内容に基づいて、前記節電期間前における前記蓄電デバイスの放電を制限する制御を行う制御部とを備える。
このような構成により、たとえば、気象予報等の情報に基づいて、必要な量の電力を発電デバイスが節電期間において発電できないと予測される場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力を節電期間において使用することができるように、節電期間が始まるまでの間、蓄電デバイスに蓄えられている電力が消費されることを防ぐことができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(4)好ましくは、前記制御部は、前記蓄電デバイスの蓄電残量に基づいて、前記節電期間前において前記蓄電デバイスを充電する制御を行う。
このような構成により、たとえば、節電期間において蓄電デバイスに要求される放電電力の量に対して、蓄電デバイスが既に蓄えている電力の量が少ない場合に、節電期間が始まるまでの間、蓄電デバイスを充電することができる。
(5)好ましくは、前記蓄電デバイスは車両に搭載されており、前記充電制御装置は、さらに、前記車両の使用予定に基づいて、前記節電期間における前記車両の使用に関する情報を出力する使用情報出力部を備える。
このような構成により、たとえば、需要家が車両を使用する予定の期間に節電期間の一部または全部が含まれる場合、車両を使用する期間を節電期間と重ならない期間に変更することを推奨するためのメッセージを需要家に提示することができる。そして、たとえば、需要家が当該メッセージの内容を受け入れて車両の使用期間を変更した場合、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間において抑制する目的で、車両に搭載された蓄電デバイスの電力を使用することができる。
(6)好ましくは、前記蓄電デバイスは車両に搭載されており、前記制御部は、前記車両の走行予定距離に基づいて、前記蓄電デバイスの充電および放電制限の少なくともいずれか一方を行う。
このような構成により、たとえば、需要家が車両を使用する予定の期間が節電期間の後に設定されている場合であって、蓄電デバイスに蓄えられている電力を節電期間において使用すると、車両の使用時において蓄電デバイスの蓄電残量が不足するおそれがある場合に、節電期間の開始前に蓄電デバイスを充電したり、節電期間において蓄電デバイスが放電する電力の量を制限したりすることができる。
(7)好ましくは、前記判断部は、前記節電期間の終了タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、前記制御部は、前記終了タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと前記判断部が判断した場合、前記発電デバイスを起動しない。
このように、発電デバイスによる発電開始が節電期間の終了タイミングに間に合わない場合に発電デバイスを起動させない構成により、不必要な発電デバイスの起動を回避することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る電力システムは、充電制御装置と、蓄電デバイスと、発電デバイスとを備え、前記充電制御装置は、節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスに放電を開始させるための放電開始指示を前記蓄電デバイスへ送信し、前記蓄電デバイスは、前記充電制御装置から前記放電開始指示を受信して放電を開始する。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイスの発電開始が間に合わない場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る電力システムは、蓄電デバイスと、自然エネルギーを利用して発電を行う発電デバイスと、前記蓄電デバイスを制御可能な充電制御装置とを備え、前記充電制御装置は、節電期間の一部または全部における前記発電デバイスの発電量に関する予測を行い、自己の予測内容に基づいて、前記節電期間前における前記蓄電デバイスの放電を制限する。
このような構成により、たとえば、気象予報等の情報に基づいて、必要な量の電力を発電デバイスが節電期間において発電できないと予測される場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力を節電期間において使用することができるように、節電期間が始まるまでの間、蓄電デバイスに蓄えられている電力が消費されることを防ぐことができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(10)本発明の実施の形態に係る端末装置は、発電デバイスと、車両に搭載された蓄電デバイスと、充電制御装置とを備える電力システムにおいて用いられる端末装置であって、前記充電制御装置は、前記節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行い、前記車両の使用予定に関する車両使用予定情報を前記充電制御装置へ送信する送信部と、前記車両の使用予定に基づいて作成された、前記節電期間における前記車両の使用に関する情報を前記充電制御装置から受信する受信部とを備える。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイスの発電開始が間に合わない場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。また、たとえば、需要家が車両を使用する予定の期間に節電期間の一部または全部が含まれる場合、車両を使用する期間を節電期間と重ならない期間に変更することを推奨するためのメッセージを需要家に提示することができる。そして、たとえば、需要家が当該メッセージの内容を受け入れて車両の使用期間を変更した場合、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間において抑制する目的で、車両に搭載された蓄電デバイスの電力を使用することができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(11)本発明の実施の形態に係る充電制御方法は、発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置における充電制御方法であって、節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断するステップと、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合に、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行うステップとを含む。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイスの発電開始が間に合わない場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(12)本発明の実施の形態に係る充電制御方法は、発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置における充電制御方法であって、前記発電デバイスは、自然エネルギーを利用して発電を行い、節電期間の一部または全部における前記発電デバイスの発電量に関する予測を行うステップと、前記予測の内容に基づいて、前記節電期間前における前記蓄電デバイスの放電を制限する制御を行うステップとを含む。
このような構成により、たとえば、気象予報等の情報に基づいて、必要な量の電力を発電デバイスが節電期間において発電できないと予測される場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力を節電期間において使用することができるように、節電期間が始まるまでの間、蓄電デバイスに蓄えられている電力が消費されることを防ぐことができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(13)本発明の実施の形態に係る充電制御方法は、発電デバイスと、車両に搭載された蓄電デバイスと、充電制御装置とを備える電力システムにおいて用いられる端末装置における充電制御方法であって、前記充電制御装置は、前記節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行い、前記車両の使用予定に関する車両使用予定情報を前記充電制御装置へ送信するステップと、前記車両の使用予定に基づいて作成された、前記節電期間における前記車両の使用に関する情報を前記充電制御装置から受信するステップとを含む。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイスの発電開始が間に合わない場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。また、たとえば、需要家が車両を使用する予定の期間に節電期間の一部または全部が含まれる場合、車両を使用する期間を節電期間と重ならない期間に変更することを推奨するためのメッセージを需要家に提示することができる。そして、たとえば、需要家が当該メッセージの内容を受け入れて車両の使用期間を変更した場合、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間において抑制する目的で、車両に搭載された蓄電デバイスの電力を使用することができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(14)本発明の実施の形態に係る充電制御プログラムは、発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置、において用いられる充電制御プログラムであって、コンピュータに、節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断するステップと、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合に、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行うステップとを実行させるためのプログラムである。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイスの発電開始が間に合わない場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(15)本発明の実施の形態に係る充電制御プログラムは、発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置、において用いられる充電制御プログラムであって、前記発電デバイスは、自然エネルギーを利用して発電を行い、コンピュータに、節電期間の一部または全部における前記発電デバイスの発電量に関する予測を行うステップと、前記予測の内容に基づいて、前記節電期間前における前記蓄電デバイスの放電を制限する制御を行うステップとを実行させるためのプログラムである。
このような構成により、たとえば、気象予報等の情報に基づいて、必要な量の電力を発電デバイスが節電期間において発電できないと予測される場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力を節電期間において使用することができるように、節電期間が始まるまでの間、蓄電デバイスに蓄えられている電力が消費されることを防ぐことができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
(16)本発明の実施の形態に係る充電制御プログラムは、発電デバイスと、車両に搭載された蓄電デバイスと、充電制御装置とを備える電力システムにおいて用いられる端末装置、において用いられる充電制御プログラムであって、前記充電制御装置は、前記節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行い、前記車両の使用予定に関する車両使用予定情報を前記充電制御装置へ送信するステップと、前記車両の使用予定に基づいて作成された、前記節電期間における前記車両の使用に関する情報を前記充電制御装置から受信するステップとを実行させるためのプログラムである。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイスの発電開始が間に合わない場合に、蓄電デバイスに蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。また、たとえば、需要家が車両を使用する予定の期間に節電期間の一部または全部が含まれる場合、車両を使用する期間を節電期間と重ならない期間に変更することを推奨するためのメッセージを需要家に提示することができる。そして、たとえば、需要家が当該メッセージの内容を受け入れて車両の使用期間を変更した場合、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間において抑制する目的で、車両に搭載された蓄電デバイスの電力を使用することができる。したがって、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムの概要を説明するための図である。
図1を参照して、たとえば、複数の電力需要施設3に電力を供給する電気事業者1は、電力需給の逼迫が予想される場合に、アグリゲータ2に節電の要請を行う。具体的には、電気事業者1は、需給の逼迫する期間および抑制すべき電力消費量を示す需給逼迫情報を節電の要請としてアグリゲータ2に送信する。
アグリゲータ2は、たとえば、BEMSアグリゲータ等、複数の電力需要施設3における省エネを支援する事業者である。アグリゲータ2は、電気事業者1から需給逼迫情報を受信すると、電力需要施設3に節電の要請を行う。
具体的には、アグリゲータ2は、受信した需給逼迫情報に基づいて、各電力需要施設3における節電目標および節電期間を示す節電要請情報を作成し、節電の要請として各電力需要施設3へ送信する。
たとえば、節電期間は、電力需要施設3において節電すべき期間を示し、節電目標は、電力需要施設3において節電期間に節電すべき電力の量を示す。節電目標は、電力需要施設3ごとに異なってもよい。
電力需要施設3は、住宅、ビルまたは工場等、電力を消費する施設である。各電力需要施設3における需要家39は、アグリゲータ2からの節電の要請を受けて、当該要請を受諾するか否か、すなわち節電に参加するか否かを判断する。具体的には、たとえば、需要家39は、節電要請情報の内容を確認し、節電期間において節電目標を達成可能であると判断した場合、節電に参加する。
節電に参加することを決定した需要家39の電力需要施設3では、節電期間において電気事業者1から供給される電力の消費を抑制する。
ここでは、各電力需要施設3には、たとえばコージェネレーション装置である発電デバイスが設置されている。需要家39は、節電期間において発電デバイスの発電電力を増加させることにより、電気事業者1から供給される電力の消費を抑制する。
アグリゲータ2からの節電要請を受けた各電力需要施設3において、電気事業者1から供給される電力の消費が抑制されると、各電力需要施設3において削減された消費電力すなわちネガワットがアグリゲータ2に提供される。
アグリゲータ2は、各電力需要施設3におけるネガワットを取りまとめて電気事業者1へ提供する。
電気事業者1は、アグリゲータ2からネガワットの提供を受けることにより、電力の需要逼迫によるコストの増加を回避することができる。具体的には、電気事業者1は、各電力需要施設3において電力消費が抑制されたことにより、たとえば追加的な電源の調達コストの発生を回避することができる。
電気事業者1は、アグリゲータ2によるネガワットの提供によって回避することができたコストを元に、アグリゲータ2にネガワットの対価を支払う。
アグリゲータ2は、電気事業者1から支払われたネガワットの対価を、節電に参加した需要家39に分配する。
次に、電気事業者1が取得するネガワットについて説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムにおける電力の時間変化の一例示す図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムにおける電力の時間変化の他の例を示す図である。
図2および図3は、互いに同じ期間を示している。図2において、横軸は時刻を示し、縦軸は電力を示している。グラフG11は、電気事業者1が節電の要請を行わなかった場合における各電力需要施設3の合計発電電力の時間変化つまり各電力需要施設3における発電電力の合計値の時間変化を示している。グラフG1は、この場合における電気事業者1の発電電力の時間変化を示している。
グラフG11を参照して、各電力需要施設3における合計発電電力は、時刻t1まではゼロであり、時刻t1において増加し、時刻t1から時刻t2までの間レベルP1となっている。当該合計発電電力は、時刻t2において再び増加し、時刻t2からt4までの間レベルP2となっている。当該合計発電電力は、その後、時刻t4において減少し、時刻t4から時刻t5までの間レベルP1となり、時刻t5において再び減少して時刻t5以降ゼロとなっている。
グラフG1を参照して、電気事業者1の発電電力は、たとえば、各電力需要施設3における電力の需要に応じて変化している。
図3において、横軸は時刻を示し、縦軸は電力を示している。グラフG22は、電気事業者1が節電の要請を行った場合における各電力需要施設3の合計発電電力の時間変化を示している。グラフG2は、この場合における電気事業者1の発電電力の時間変化を示している。
グラフG22を参照して、時刻t3から時刻t4までの間は、節電期間である。各電力需要施設3における合計発電電力は、図2に示すグラフG11と比べて、節電期間において増加している。
具体的には、各電力需要施設3における合計発電電力は、時刻t1まではゼロであり、時刻t1において増加し、時刻t1から時刻t2までの間レベルP1となっている。当該合計発電電力は、時刻t2において再び増加し、時刻t2からt3までの間レベルP2となっている。当該合計発電電力は、その後、節電期間の開始時刻である時刻t3において増加し、時刻t3から時刻t4までの間レベルP3となっている。そして、当該合計発電電力は、節電期間の終了時刻である時刻t4において減少し、時刻t4から時刻t5までの間レベルP1となり、時刻t5において再び減少して時刻t5以降ゼロとなっている。
グラフG2を参照して、電気事業者1の発電電力は、たとえば、各電力需要施設3における電力の需要に応じて変化している。
ここでは、節電期間において各電力需要施設3の合計発電電力が増加したことにより、各電力需要施設3における電力の需要が減少した。このため、電気事業者1は、図2に示す場合に比べて、節電期間における発電電力を減少させた。
節電期間における電気事業者1による発電電力の減少分は、節電期間において増加した各電力需要施設3の合計発電電力に相当する。電気事業者1が取得したネガワットは、節電期間において増加した各電力需要施設3の合計発電電力すなわち節電期間における自己の発電電力の減少分である。
(本発明の第1の実施の形態の比較例について)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムの比較例の構成を示す図である。
図4を参照して、電力システム201は、電気事業者サーバ10と、DRサーバ20と、コントローラ130と、発電デバイス31と、電気設備33とを備える。
電気事業者サーバ10は、電気事業者1によって運用される。DRサーバ20は、アグリゲータ2によって運用される。コントローラ130、発電デバイス31および電気設備33は、たとえば、電力需要施設3において設置される。なお、複数の電力需要施設3にコントローラ130、発電デバイス31および電気設備33の組がそれぞれ設置されてもよい。
電気事業者サーバ10およびDRサーバ20は、ネットワークを介して接続されている。DRサーバ20およびコントローラ130は、ネットワークを介して接続されている。
コントローラ130および発電デバイス31は、電力需要施設3において、無線または有線により通信接続されている。コントローラ130は、発電デバイス31の動作を制御することができる。発電デバイス31は、たとえば燃料電池等の発電装置である。
電気設備33は、たとえば照明機器および空調機器等の電気的な負荷である。電気設備33へは、通常、電気事業者1により発電された電力が供給される。一方、発電デバイス31が発電を行った場合、電気設備33へは、発電デバイス31による発電電力が優先的に供給される。
電気事業者サーバ10は、電力需給の逼迫が予測される場合、需給逼迫情報をDRサーバ20へ送信する。
DRサーバ20は、電気事業者サーバ10から需給逼迫情報を受信して、節電目標および節電期間を示す節電要請情報を作成し、電力需要施設3におけるコントローラ130へ送信する。
コントローラ130は、DRサーバ20から節電要請情報を受信すると、受信した節電要請情報の示す節電目標および節電期間を確認する。そして、コントローラ130は、節電期間の開始にあわせて発電デバイス31が発電を開始できるように、起動発電指示を発電デバイス31へ適切なタイミングで送信する。
発電デバイス31は、通常、通信等の機能以外の動作を停止した状態すなわちスリープ状態で待機している。起動発電指示は、スリープ状態にある発電デバイス31に、起動して、つまりスリープ状態から復帰して発電を開始するように命令するための情報である。
発電デバイス31は、コントローラ30から起動発電指示を受信すると、起動した後、発電の準備を行う。そして、発電デバイス31は、発電の準備が完了すると発電を開始する。
以下、発電デバイス31が起動発電指示を受信してから発電を開始するまでの動作を起動動作とも称する。ここでは、起動動作には1時間を要するものとして説明する。
コントローラ130は、たとえば、節電期間の開始時刻が5時間後であることを示す節電要請情報をDRサーバ20から受信した場合、発電デバイス31の起動動作に1時間必要であることを考慮して、節電期間の開始時刻の1時間前、すなわち現時刻から4時間後に起動発電指示を発電デバイス31へ送信する。
これにより、コントローラ130は、節電期間の開始時刻に合わせて発電デバイス31に発電を開始させることができるため、節電期間の開始時刻に合わせて電気事業者1から供給される電力の消費を抑制することができる。
しかしながら、節電期間の開始時刻までの残り時間が発電デバイス31の起動動作に必要な時間より短い場合、コントローラ130は、節電期間の開始時刻に合わせて発電デバイス31に発電を開始させることができない。
このような場合、電力消費の抑制を開始するタイミングが節電期間の開始時刻より遅れることにより、電力需要施設3において節電目標を達成できないことがある。
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
(本発明の第1の実施の形態について)
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムの構成を示す図である。
図5を参照して、電力システム101は、電気事業者サーバ10と、DRサーバ20と、コントローラ(充電制御装置)30と、発電デバイス31と、蓄電デバイス32と、電気設備33とを備える。
電力システム101は、図4に示す電力システム201と比べて、コントローラ130の代わりにコントローラ30を備えており、さらに、蓄電デバイス32を備えている。蓄電デバイス32は、電力需要施設3において設置されている。コントローラ30および蓄電デバイス32は、無線または有線により通信接続されている。
なお、複数の電力需要施設3にコントローラ30、発電デバイス31および電気設備33の組がそれぞれ設置されてもよい。
コントローラ30は、DRサーバ20から節電要請情報を受信すると、受信した節電要請情報の示す節電目標および節電期間を確認する。
たとえば、コントローラ30は、節電期間の開始時刻までの残り時間が発電デバイス31の起動動作に必要な時間より短い場合、速やかに発電デバイス31へ起動発電指示を送信する。
発電デバイス31は、コントローラ30からの起動発電指示を受信して、起動動作を開始する。具体的には、発電デバイス31は、起動発電指示を受信すると、起動した後、発電の準備を行う。
次に、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングに基づくタイミングにおいて、蓄電デバイス32に放電を開始させるための制御を行う。具体的には、たとえば、コントローラ30は、節電期間の開始時刻になると、蓄電デバイス32に放電を開始させるための制御を行う。
そして、コントローラ30は、発電デバイス31が起動動作を完了して発電を行っている状態になると、蓄電デバイス32に放電を停止させる制御を行う。
このような構成により、節電期間の開始タイミングまでの残り時間より発電デバイス31の起動動作に必要な時間の方が長い場合であっても、節電期間の開始タイミングに合わせて電気事業者1から供給される電力の消費を抑制することができる。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るコントローラの構成を示す図である。
図6を参照して、コントローラ30は、取得部41と、判断部42と、制御部43と、記憶部44とを備える。
取得部41は、発電デバイス31から仕様情報を予め取得して、記憶部44に保存する。仕様情報は、発電デバイス31の起動動作に必要な時間等、発電デバイス31の仕様に関する情報である。また、取得部41は、DRサーバ20から節電要請情報を受信して、判断部42へ出力する。
判断部42は、取得部41から節電要請情報を受けて、節電要請情報の示す節電期間および節電目標を確認する。そして、判断部42は、記憶部44から仕様情報を取得し、仕様情報の示す発電デバイス31の起動動作に必要な時間と、節電期間の開始タイミングまでの残り時間とを比較して、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断する。
具体的には、たとえば、判断部42は、発電デバイス31の起動動作に必要な時間が節電期間の開始タイミングまでの残り時間より長い場合、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断する。判断部42は、判断結果を制御部43に通知する。
制御部43は、節電期間の開始タイミングより前に発電デバイス31を起動させる。具体的には、たとえば、制御部43は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42によって判断された場合、当該判断がなされた後、速やかに発電デバイス31へ起動発電指示を送信する。
一方、制御部43は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できると判断部42によって判断された場合、節電期間の開始タイミングから起動動作に必要な時間前のタイミングで発電デバイス31へ起動発電指示を送信する。
発電デバイス31は、制御部43から起動発電指示を受信すると、起動動作を開始する。
制御部43は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42が判断した場合、節電期間の開始タイミングに基づくタイミングにおいて、蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う。
具体的には、制御部43は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42が判断した場合、たとえば、節電期間の開始タイミングにおいて、蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う。
より具体的には、制御部43は、節電期間の開始タイミングにおいて、蓄電デバイス32の放電を開始する制御として、蓄電デバイス32へ放電開始指示を送信する。
蓄電デバイス32は、制御部43から放電開始指示を受信すると、放電すなわち電気設備33への電力供給を開始する。
制御部43は、発電デバイス31が起動動作を完了して発電を開始したことを確認すると、蓄電デバイス32に放電を停止させるための放電停止指示を送信する。
蓄電デバイス32は、制御部43から放電停止指示を受信すると、放電を停止する。
また、制御部43は、蓄電デバイス32の蓄電残量に基づいて、節電期間前において蓄電デバイス32を充電する制御を行う。
たとえば、判断部42は、取得部41から節電要請情報を受けて、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断した場合、蓄電デバイス32の蓄電残量が十分であるか否かを判断する。
具体的には、たとえば、蓄電デバイス32は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42によって判断された場合、上述のように、節電期間の開始タイミングから発電デバイス31が発電を開始するまでの期間において放電を行う。
判断部42は、蓄電デバイス32が当該期間において放電を継続することが可能な蓄電残量を有しているか否かを確認し、蓄電デバイス32が当該蓄電残量を有していることを確認できた場合、蓄電デバイス32の蓄電残量が十分であると判断する。判断部42は、判断結果を制御部43に通知する。
制御部43は、蓄電デバイス32の蓄電残量が十分でないと判断部42によって判断された場合、節電期間の開始タイミングまでの間において蓄電デバイス32を充電する制御を行う。
具体的には、制御部43は、蓄電デバイス32の蓄電残量が十分でないと判断された場合、蓄電デバイス32に充電を開始させるための充電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する。
蓄電デバイス32は、コントローラ30における制御部43から充電開始指示を受信すると、たとえば、電気事業者1から電力需要施設3に供給される電力を用いて充電を開始する。
制御部43は、節電期間の開始タイミングより前に、蓄電デバイス32に充電を停止させるための充電停止指示を蓄電デバイス32へ送信する。
蓄電デバイス32は、コントローラ30における制御部43から充電停止指示を受信すると、充電を停止する。
また、判断部42は、たとえば、取得部41から節電要請情報を受けて、節電期間の終了タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断する。
具体的には、判断部42は、発電デバイス31の起動動作に必要な時間が節電期間の終了タイミングまでの残り時間より短い場合、節電期間の終了タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できると判断する。判断部42は、判断結果を制御部43に通知する。
制御部43は、節電期間の終了タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42によって判断された場合、発電デバイス31を起動しない。
具体的には、制御部43は、節電期間の終了タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42によって判断された場合、発電デバイス31へ起動発電指示を送信しない。
この場合であっても、制御部43は、たとえば、節電期間の開始タイミングにおいて蓄電デバイス32へ放電開始指示を送信することにより、蓄電デバイス32に放電を開始させる。
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101がネガワット生成処理を実行する際の動作について説明する。
電力システム101における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムにおけるシーケンスの一例を示す図である。
図7を参照して、まず、電力需要施設3において、コントローラ30は、発電デバイス31の起動動作に必要な時間を予め確認しておく。具体的には、コントローラ30は、仕様情報を要求するための仕様要求を発電デバイス31へ送信する(ステップS11)。
次に、発電デバイス31は、コントローラ30から仕様要求を受信して、自己の仕様を示す仕様情報をコントローラ30へ送信する(ステップS12)。コントローラ30は、発電デバイス31から仕様情報を受信して、発電デバイス31の起動動作に必要な時間を認識する。
次に、電気事業者1によって運用される電気事業者サーバ10は、電力需給の逼迫が予想される場合、アグリゲータ2によって運用されるDRサーバ20へ需給逼迫情報を送信する(ステップS13)。
次に、DRサーバ20は、電気事業者サーバ10から需給逼迫情報を受信して、節電目標および節電期間を示す節電要請情報を作成し、電力需要施設3におけるコントローラ30へ送信する(ステップS14)。
次に、コントローラ30は、たとえば、DRサーバ20から節電要請情報を受信すると、発電デバイス31が発電可能となるタイミングを判断する(ステップS15)。具体的には、コントローラ30は、発電デバイス31の起動動作に必要な時間と、節電期間の開始までの残り時間とを比較して、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断する。
また、コントローラ30は、節電期間の終了タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断する。
ここでは、コントローラ30は、発電デバイス31は節電期間の開始タイミングまでに発電を開始することできないが、節電期間の終了タイミングまでに発電を開始することができると判断する。
コントローラ30は、判断結果に基づいて、発電デバイス31へ起動発電指示を送信する(ステップS16)。
一方、コントローラ30は、節電期間の終了タイミングまでに発電を開始することができないと判断した場合、発電デバイス31へ起動発電指示を送信しない(ステップS15)。
次に、発電デバイス31は、コントローラ30から起動発電指示を受信して、起動動作を開始する(ステップS17)。具体的には、発電デバイス31は、起動発電指示を受信して起動した後、発電の準備を行う。
次に、コントローラ30は、蓄電残量の報告を要求するための残量報告要求を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS18)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から残量報告要求を受信して、自己の蓄電残量を示す残量情報をコントローラ30へ送信する(ステップS19)。
次に、コントローラ30は、蓄電デバイス32の蓄電残量が十分であるか否かを判断する(ステップS20)。
ここでは、コントローラ30は、蓄電デバイス32の蓄電残量が十分でないと判断し、蓄電デバイス32に充電を開始させるための充電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS21)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から充電開始指示を受信して、充電を開始し(ステップS22)、充電を開始したことを示す充電開始情報をコントローラ30へ送信する(ステップS23)。ここで、蓄電デバイス32が自己の充電に用いる電力は、たとえば、電気事業者1から電力需要施設3へ供給された電力である。
次に、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングよりも前に、蓄電デバイス32に充電を停止させるための充電停止指示を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS24)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から充電停止指示を受信して、充電を停止し(ステップS25)、充電を停止したことを示す充電停止情報をコントローラ30へ送信する(ステップS26)。
次に、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングに基づくタイミングにおいて、蓄電デバイス32に放電を開始させるための放電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する。具体的には、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングにおいて、蓄電デバイス32に放電を開始させるための放電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS27)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から放電開始指示を受信して、放電を開始する(ステップS28)。具体的には、蓄電デバイス32は、自己の蓄えている電力を電気設備33へ供給する。そして、蓄電デバイス32は、放電を開始したことを示す放電開始情報をコントローラ30へ送信する(ステップS29)。
次に、コントローラ30は、現在の動作状態の報告を要求するための状態報告要求を発電デバイス31へ送信する(ステップS30)。
次に、発電デバイス31は、コントローラ30から状態報告要求を受信して、自己の動作状態を示す状態情報をコントローラ30へ送信する。ここでは、発電デバイス31は、起動動作を行っている旨の状態情報をコントローラ30へ送信する(ステップS31)。
次に、コントローラ30は、起動動作を行っている旨の状態情報を発電デバイス31から受信して、発電デバイス31がまだ発電を行っていないことを認識する。
コントローラ30は、状態報告要求を発電デバイス31へ定期的または不定期に繰り返し送信する。発電デバイス31は、コントローラ30から状態報告要求を受信するたびに、受信した時点における自己の動作状態を示す状態情報をコントローラ30へ送信する。
次に、発電デバイス31は、起動動作を完了して発電を開始し(ステップS32)、発電した電力を電気設備33へ供給する。発電デバイス31は、発電を開始した後にコントローラ30からの状態報告要求を受信すると(ステップS33)、発電を行っている旨の状態情報をコントローラ30へ送信する(ステップS34)。
次に、コントローラ30は、発電デバイス31から発電を行っている旨の状態情報を受信して、蓄電デバイス32に放電を停止させるための放電停止指示を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS36)。
蓄電デバイス32は、コントローラ30から放電停止指示を受信して、放電を停止し、放電を停止したことを示す放電停止情報をコントローラ30へ送信する(ステップS37)。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101では、コントローラ30は、仕様情報を発電デバイス31から取得する構成であるとしたが、このような構成に限定するものではなく、仕様情報を他の装置からネットワーク経由で取得する構成であってもよい。たとえば、コントローラ30は、発電デバイス31の型番を示す情報を当該他の装置へ送信する。当該他の装置は、コントローラ30から発電デバイス31の型番を示す情報を受信して、コントローラ30へ発電デバイス31の仕様情報を送信する。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101において、DRサーバ20の送信する節電要請情報は、節電期間および節電目標を示す構成であるとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、節電要請情報は、節電目標を示し、節電期間を示さない構成であってもよい。この場合、コントローラ30は、たとえば、節電要請情報を受信した時刻から所定時間後の時刻を節電期間の開始時刻として設定する。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101において、DRサーバ20の送信する節電要請情報は、節電目標として、電力需要施設3において節電すべき電力量を示す構成であるとしたが、これに限定するものではなく、節電目標として、電力需要施設3における消費電力量の目標値を示してもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101において、コントローラ30は、発電デバイス31および蓄電デバイス32を制御することにより、電気事業者1から供給される電力の消費を抑制する構成であるとしたが、たとえば、発電デバイス31および蓄電デバイス32しても節電目標を達成することができないと判断した場合、さらに電気設備33を制御して、電気設備33の消費電力を削減する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101において、コントローラ30は、電力需要施設3において設置される構成であるとしたが、これに限定するものではなく、他の施設に設置される構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101では、コントローラ30における制御部43は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42が判断した場合、節電期間の開始タイミングにおいて、蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部43は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42が判断した場合、節電期間の開始タイミングに基づくタイミングにおいて、蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う構成であればよい。
具体的には、たとえば、制御部43は、節電期間の開始タイミングの所定時間前に蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う構成であってもよいし、節電期間の開始タイミングの所定時間後に蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う構成であってもよい。
ところで、発電デバイスは、発電をすべき期間において必要量の発電を行うことができない場合がある。そして、このような場合、需要家は、電力系統等から自己の電力需要施設に供給される電力の消費を抑制する意思があったにも関わらず、抑制した電力の量が小さい等の理由により、電気事業者から節電の対価を受け取ることができないことがある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係るコントローラ(充電制御装置)では、判断部42は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断する。制御部43は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42が判断した場合に、節電期間の開始タイミングにおいて蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムでは、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断する。コントローラ30は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断した場合、蓄電デバイス32に放電を節電期間の開始タイミングにおいて開始させるための放電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する。蓄電デバイス32は、コントローラ30から放電開始指示を受信して、放電を開始する。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイス31の発電開始が間に合わない場合に蓄電デバイス32に蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係るコントローラおよび電力システムでは、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係るコントローラでは、制御部43は、節電期間の開始タイミングより前に発電デバイス31を起動し、発電デバイス31が発電を開始した場合、蓄電デバイス32の放電を停止する。
このような構成により、発電デバイス31を節電期間に対して前もって起動しながら、節電期間において発電デバイス31が発電を開始した後は、蓄電デバイス32に蓄えられている電力の使用を停止して、発電デバイス31により発電された電力を使用することができる。これにより、発電デバイス31の発電した電力を効果的に使用することができ、また、蓄電デバイス32に蓄えられている電力を効率的に使用することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係るコントローラでは、制御部43は、蓄電デバイス32の蓄電残量に基づいて、節電期間前において蓄電デバイス32を充電する制御を行う。
このような構成により、たとえば、節電期間において蓄電デバイス32に要求される放電電力の量に対して、蓄電デバイス32が既に蓄えている電力の量が少ない場合に、節電期間が始まるまでの間、蓄電デバイス32を充電することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係るコントローラでは、判断部42は、節電期間の終了タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断する。制御部43は、終了タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断部42が判断した場合、発電デバイス31を起動しない。
このように、発電デバイス31による発電開始が節電期間の終了タイミングに間に合わない場合に発電デバイス31を起動させない構成により、不必要な発電デバイス31の起動を回避することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力システムと比べて、発電デバイスの種類が異なる電力システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力システムと同様である。
[課題の説明]
たとえば、電力需要施設3に設置された発電デバイスが太陽光発電装置である場合、発電デバイスによる発電電力の量は太陽光の強度に応じて変化する。このため、たとえば天候が悪い場合、発電デバイスは、節電期間において必要な量の電力を発電できない場合がある。
このような場合、電力需要施設3では、節電期間において、電気事業者1から供給される電力の消費を効果的に抑制することができない。
そこで、本発明の第2の実施の形態に係る電力システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
[構成および基本動作]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る発電システムの構成を示す図である。
図8を参照して、電力システム102は、電気事業者サーバ10と、DRサーバ20と、コントローラ(充電制御装置)30と、発電デバイス31と、蓄電デバイス32と、電気設備33と、端末装置34とを備える。
発電デバイス31は、太陽光発電装置または風力発電装置等、自然エネルギーを用いて発電する発電装置である。なお、発電デバイス31は、水力発電装置または潮力発電装置であってもよい。
端末装置34は、たとえばパソコン、スマートフォンまたはタブレット等の端末装置であり、コントローラ30と無線または有線により通信接続されている。
コントローラ30は、たとえば、ユーザである需要家39が端末装置34を用いて送信した電力需要施設3の所在地情報を記憶している。所在地情報は、電力需要施設3の所在地を示す情報であり、たとえば電力需要施設3の座標または電力需要施設3の郵便番号を示す。
また、コントローラ30は、需要家39が端末装置34を用いて送信した発電デバイス31の仕様情報を記憶している。仕様情報は、太陽光の強度と発電電力との関係、または風力と発電電力との関係等、発電デバイス31の仕様に関する情報である。
コントローラ30は、DRサーバ20から節電要請情報を受信すると、節電期間における発電デバイス31の発電電力を予測する。
具体的には、コントローラ30は、DRサーバ20から節電要請情報を受信すると、所在地情報を用いて、電力需要施設3のある地域の気象予報情報を他の装置からネットワーク経由で取得する。気象予報情報は、たとえば、太陽光の強度または風力を判断可能な情報である。当該他の装置は、たとえば、気象予報に関するサービスを提供する会社によって運営されるサーバである。
コントローラ30は、仕様情報の内容および天候予想情報の内容に基づいて、節電期間において発電デバイス31が発電可能な電力を予測する。
コントローラ30は、たとえば、節電目標を達成するために必要な量の電力を発電デバイス31が節電期間において発電できないと判断した場合、節電期間の開始までの間、発電デバイス31によって発電される電力を蓄電デバイス32に充電する制御を行う。なお、この場合、コントローラ30は、電気事業者1から電力需要施設3へ供給された電力を蓄電デバイス32に充電する制御を行ってもよい。
また、コントローラ30は、この場合、蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行う。具体的には、コントローラ30は、蓄電デバイス32に蓄えられた電力が電力需要施設3において消費されたり、他の施設に提供されたりしないように、蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行う。
そして、コントローラ30は、節電期間において、蓄電デバイス32を放電する制御を行うことにより、つまり、蓄電デバイス32に蓄えられた電力を電気設備33に供給することにより、電気事業者1から供給される電力の消費を抑制する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るコントローラの構成を示す図である。
図9を参照して、コントローラ30は、取得部41と、判断部42と、制御部43と、記憶部44と、予測部45とを備える。
取得部41は、端末装置34から送信された電力需要施設3の所在地情報を受信して、記憶部44に保存する。また、取得部41は、端末装置34から送信された仕様情報を受信して、記憶部44に保存する。
また、取得部41は、DRサーバ20から送信された節電要請情報を受信して、制御部43および予測部45へ出力する。
また、取得部41は、節電要請情報を受信すると、記憶部44から所在地情報を取得して、取得した所在情報を用いて、電力需要施設3のある地域の気象予報情報を他の装置からネットワーク経由で取得する。取得部41は、取得した気象予報情報を予測部45へ出力する。
予測部45は、節電期間における発電デバイス31の発電量に関する予測を行う。具体的には、たとえば、予測部45は、取得部41から節電要請情報および気象予報情報を受けると、記憶部44から仕様情報を取得する。予測部45は、気象予報情報および仕様情報に基づいて、節電要請情報の示す節電期間における発電デバイス31の発電量を予測する。予測部45は、予測結果を判断部42に通知する。
ここで、予測部45による発電量の予測結果は、予測された発電量を数値で表していてもよいし、予測された発電量を大、中または小等のレベルで表していてもよい。
また、予測部45は、節電期間の全部における発電デバイス31の発電量に関する予測を行う構成であってもよいし、節電期間の一部における発電デバイス31の発電量に関する予測を行う構成であってもよい。
判断部42は、予測部45による予測結果に基づいて、たとえば、節電目標を達成するために必要な量の電力を発電デバイス31が節電期間において発電できるか否かを判断し、判断結果を制御部43に通知する。
また、判断部42は、蓄電デバイス32に蓄えられている電力を節電期間において放電した場合に、節電目標を達成できるか否かを判断し、判断結果を制御部43に通知する。
制御部43は、たとえば、蓄電デバイス32の蓄電残量に基づいて、節電期間前において蓄電デバイス32を充電する制御を行う。具体的には、制御部43は、判断部42によって、節電目標を達成するために必要な量の電力を発電デバイス31が節電期間において発電できないと判断され、かつ蓄電デバイス32に蓄えられている電力を節電期間において放電したとしても節電目標を達成できないと判断された場合、節電期間前において、発電デバイス31の発電した電力を蓄電デバイス32に充電する制御を行う。
なお、この場合、制御部43は、電気事業者1から電力需要施設3へ供給された電力を蓄電デバイス32に充電する制御を行ってもよい。
制御部43は、予測部45による予測内容に基づいて、節電期間前において蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行う。具体的には、たとえば、制御部43は、上述のように、節電目標を達成するために必要な量の電力を発電デバイス31が節電期間において発電できないと判断され、かつ蓄電デバイス32に蓄えられている電力を節電期間において放電したとしても節電目標を達成できないと判断された場合、蓄電デバイス32に蓄えられた電力が電力需要施設3において消費されたり、他の施設に提供されたりしないように、蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行う。
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電力システム102がネガワット生成処理を実行する際の動作について説明する。
電力システム102における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る電力システムにおけるシーケンスの一例を示す図である。
図10を参照して、まず、電力需要施設3において、コントローラ30は、端末装置34から電力需要施設3の所在地情報および発電デバイス31の仕様情報を予め取得し(ステップS111)、自己の記憶部44に保存する。
次に、電気事業者1の運用する電気事業者サーバ10は、電力需給の逼迫が予想される場合、アグリゲータ2によって運用されるDRサーバ20へ需給逼迫情報を送信する(ステップS112)。
次に、DRサーバ20は、電気事業者サーバ10から需給逼迫情報を受信して、節電目標および節電期間を示す節電要請情報を作成し、電力需要施設3におけるコントローラ30へ送信する(ステップS113)。
次に、コントローラ30は、たとえば、DRサーバ20から節電要請情報を受信すると、記憶部44に保存された所在地情報を用いて、電力需要施設3のある地域の気象予報情報を他の装置からネットワーク経由で取得する(ステップS114)。
次に、コントローラ30は、取得した気象予報情報および記憶部44に保存された仕様情報に基づいて、節電要請情報の示す節電期間における発電デバイス31の発電量を予測する(ステップS115)。
次に、コントローラ30は、蓄電残量の報告を要求するための残量報告要求を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS116)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から残量報告要求を受信して、自己の蓄電残量を示す残量情報をコントローラ30へ送信する(ステップS117)。
次に、コントローラ30は、節電期間において蓄電デバイス32を充電するか否かを判断する。たとえば、コントローラ30は、発電量の予測結果に基づいて、節電期間において節電目標を達成するために必要な量の電力を発電デバイス31が発電できないと判断した場合であって、かつ、残量情報に基づいて、蓄電デバイス32に蓄えられている電力を節電期間において放電したとしても節電目標を達成できないと判断した場合、節電期間において蓄電デバイス32を充電すると判断する。
ここでは、コントローラ30は、蓄電デバイス32を充電すると判断し、蓄電デバイス32に充電を開始させるための充電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS119)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から充電開始指示を受信して、発電デバイス31によって発電された電力の自己への充電を開始し(ステップS120)、充電を開始したことを示す充電開始情報をコントローラ30へ送信する(ステップS121)。
次に、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングよりも前に、蓄電デバイス32に充電を停止させるための充電停止指示を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS122)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から充電停止指示を受信して、充電を停止し(ステップS123)、充電を停止したことを示す充電停止情報をコントローラ30へ送信する(ステップS124)。
次に、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングに基づくタイミングにおいて、蓄電デバイス32に放電を開始させるための放電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する。具体的には、コントローラ30は、節電期間の開始タイミングにおいて、蓄電デバイス32に放電を開始させるための放電開始指示を蓄電デバイス32へ送信する(ステップS125)。
次に、蓄電デバイス32は、コントローラ30から放電開始指示を受信して、放電を開始する(ステップS126)。具体的には、蓄電デバイス32は、自己の蓄えている電力を電気設備33へ供給する。そして、蓄電デバイス32は、放電を開始したことを示す放電開始情報をコントローラ30へ送信する(ステップS127)。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係るコントローラ(充電制御装置)では、予測部45は、節電期間の一部または全部における発電デバイス31の発電量に関する予測を行う。制御部43は、予測部45による予測内容に基づいて、節電期間前における蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行う。発電デバイス31は、自然エネルギーを利用して発電を行う。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力システムでは、コントローラ30は、蓄電デバイス32を制御可能である。コントローラ30は、節電期間の一部または全部における発電デバイス31の発電量に関する予測を行い、自己の予測内容に基づいて、節電期間前における蓄電デバイス32の放電を制限する。
このような構成により、たとえば、気象予報等の情報に基づいて、必要な量の電力を発電デバイス31が節電期間において発電できないと予測される場合に、蓄電デバイス32に蓄えられている電力を節電期間において使用することができるように、節電期間が始まるまでの間、蓄電デバイス32に蓄えられている電力が消費されることを防ぐことができる。
したがって、本発明の第2の実施の形態に係るコントローラおよび電力システムでは、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力システムと比べて、車両の備える蓄電デバイスを用いる電力システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力システムと同様である。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る電力システムの構成を示す図である。
図11を参照して、電力システム103は、電気事業者サーバ10と、DRサーバ20と、コントローラ(充電制御装置)30と、発電デバイス31と、蓄電デバイス32と、電気設備33と、端末装置34と、電気自動車38とを備える。
端末装置34は、たとえばパソコン、スマートフォンまたはタブレット等の端末装置であり、コントローラ30と無線または有線により通信接続されている。
蓄電デバイス32は、電気自動車38に搭載される。具体的には、蓄電デバイス32は、電気自動車38を駆動させるためのバッテリとして用いられる。また、蓄電デバイス32は、電気自動車38が電力需要施設3において駐車され、電力需要施設3における電力供給源に接続されている場合、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101の蓄電デバイス32と同様に使用される。
ユーザである需要家39は、電気自動車38を使用する予定がある場合、端末装置34を用いて、車両使用予定情報をコントローラ30へ送信する。車両使用予定情報は、たとえば、電気自動車38を使用する予定の期間である予定使用期間および電気自動車38に予定されている走行距離である予定走行距離を示す。
コントローラ30は、端末装置34から受信した車両使用予定情報をたとえば記憶しておく。コントローラ30は、DRサーバ20から節電要請情報を受信した場合、節電要請情報の示す節電期間と車両使用予定情報の示す予定使用期間とを照らし合わせ、たとえば、節電期間の一部または全部が電気自動車38の予定使用期間に含まれるか否かを判断する。
コントローラ30は、たとえば、節電期間の一部または全部が電気自動車38の予定使用期間に含まれると判断した場合、電気自動車38の予定使用期間の変更を推奨するための情報を端末装置34へ送信する。
また、たとえば、コントローラ30は、車両使用予定情報に基づいて、蓄電デバイス32を充電する制御を行う。具体的には、たとえば、コントローラ30は、節電期間の後に予定使用期間が設定されている場合において、節電期間に蓄電デバイス32を放電する制御を行うと、その後、電気自動車38が使用されている間に蓄電デバイス32の蓄電残量が不足する場合があると判断した場合、節電期間の開始までの間、蓄電デバイス32を充電する制御を行う。
また、コントローラ30は、車両使用予定情報の示す予定走行距離に基づいて、蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行ってもよい。具体的には、コントローラ30は、節電期間に蓄電デバイス32を放電する制御を行うと、その後、電気自動車38が使用されている間に蓄電デバイス32の蓄電残量が不足する場合があると判断した場合、節電期間における蓄電デバイス32の放電量を制限する制御を行う。
図12は、本発明の第3の実施の形態に係るコントローラの構成を示す図である。
図12を参照して、コントローラ30は、取得部41と、判断部42と、制御部43と、記憶部44と、使用情報出力部47とを備える。
取得部41は、端末装置34から送信された車両使用予定情報を受信して、記憶部44に保存する。また、取得部41は、DRサーバ20から節電要請情報を受信して、判断部42へ出力する。
判断部42は、取得部41から節電要請情報を受信すると、記憶部44から車両使用予定情報を取得する。そして、判断部42は、節電要請情報の示す節電期間と車両使用予定情報の示す予定使用期間とを照らし合わせ、節電期間の一部または全部が電気自動車38の予定使用期間に含まれるか否かを判断する。
判断部42は、節電期間の一部または全部が電気自動車38の予定使用期間に含まれると判断した場合、推奨の予定使用期間を設定し、設定した推奨の予定使用期間を使用情報出力部47に通知する。推奨の予定使用期間は、たとえば、節電期間の一部または全部を含まない期間である。
使用情報出力部47は、たとえば、電気自動車38の使用予定に基づいて、節電期間における電気自動車38の使用に関する情報を出力する。具体的には、たとえば、使用情報出力部47は、予定使用期間の変更を推奨するための情報として、判断部42から通知された推奨の予定使用期間を示す推奨時間情報を作成し、端末装置34へ送信する。
なお、使用情報出力部47は、電気自動車38の使用予定を変更すると電力需要施設3における電気料金が安くなる旨のメッセージを推奨時間情報に含めてもよい。
制御部43は、たとえば、車両使用予定情報の示す予定走行距離に基づいて、蓄電デバイス32を充電する制御を行う。
具体的には、判断部42は、たとえば、節電期間の後に予定使用期間が設定されている場合、制御部43が節電期間において蓄電デバイス32を放電する制御を行うと、その後の電気自動車38の使用時に蓄電デバイス32の蓄電残量が不足するか否かを判断する。判断部42は、判断結果を制御部43に通知する。
制御部43は、たとえば、電気自動車38の使用時に蓄電デバイス32の蓄電残量が不足すると判断部42が判断した場合、節電期間の開始までの間、蓄電デバイス32を充電する制御を行う。
また、制御部43は、車両使用予定情報の示す予定走行距離に基づいて、蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行ってもよい。
具体的には、節電期間の後に予定使用期間が設定されている場合、判断部42は、制御部43が節電期間において蓄電デバイス32を放電する制御を行うと、その後の電気自動車38の使用時に蓄電デバイス32の蓄電残量が不足するか否かを判断する。判断部42は、判断結果を制御部43に通知する。
また、判断部42は、電気自動車38の使用時に蓄電デバイス32の蓄電残量が不足すると判断した場合、蓄電デバイス32の蓄電残量を不足させないために節電期間において許容される蓄電デバイス32の放電量を制御部43に通知する。
制御部43は、たとえば、電気自動車38の使用時に蓄電デバイス32の蓄電残量が不足すると判断部42が判断した場合、蓄電デバイス32の放電量を制限する制御を行う。たとえば、制御部43は、節電期間において、判断部42から通知された許容される蓄電デバイス32の放電量を上回る量の電力を、蓄電デバイス32に放電させないようにする。
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る端末装置の構成を示す図である。
図13を参照して、端末装置34は、操作部51と、受信部52と、処理部53と、送信部54とを備える。
操作部51は、需要家39の操作を受けて、当該操作の内容を処理部53に通知する。具体的には、たとえば、操作部51は、需要家39が車両使用予定情報をコントローラ30へ送信するために行った操作を受ける。
処理部53は、操作部51から通知された需要家39の操作内容に基づいて、電気自動車38の使用予定に関する情報である車両使用予定情報を作成し、送信部54へ出力する。送信部54は、処理部53から受けた車両使用予定情報をコントローラ30へ送信する。
また、受信部52は、電気自動車38の使用予定に基づいて作成された、節電期間における電気自動車38の使用に関する情報をコントローラ30から受信する。具体的には、受信部52は、たとえば、コントローラ30から送信された推奨時間情報を受信する。受信部52は、コントローラ30から受信した推奨時間情報を処理部53へ出力する。
処理部53は、送信部54から受けた推奨時間情報の内容を、たとえばディスプレイである表示部55に表示する。
たとえば、需要家39が、表示部55の表示内容を確認し、電気自動車38を使用する期間を推奨時間情報の示す期間に変更した場合、本発明の第1の実施の形態と同様に、節電期間の開始タイミングに合わせて、蓄電デバイス32から電気設備33へ電力の供給を開始させることができる。
つまり、需要家39が、電気自動車38を使用する時間を推奨時間情報の示す時間に変更した場合、たとえば、節電期間の開始タイミングまでの残り時間より発電デバイス31の起動動作に必要な時間の方が長い場合であっても、節電期間の開始タイミングに合わせて電力需要施設3における電力消費の抑制を開始することができる。
なお、本発明の第3の実施の形態では、蓄電デバイス32は、たとえば、電気自動車38が電力需要施設3において駐車され、電力需要施設3における電力供給源に接続されている場合、本発明の第1の実施の形態に係る電力システム101の蓄電デバイス32と同様に使用される構成であるとしたが、これに限定するものではなく、本発明の第2の実施の形態に係る電力システム102における蓄電デバイス32と同様に使用される構成であってもよい。
具体的には、たとえば、コントローラ30は、節電期間における発電デバイス31の発電量に関する予測を行い、予測内容に基づいて、節電期間前における蓄電デバイス32の放電を制限する制御を行う。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係るコントローラ(充電制御装置)では、使用情報出力部47は、電気自動車38の使用予定に基づいて、節電期間における電気自動車38の使用に関する情報である推奨時間情報を出力する。蓄電デバイス32は、電気自動車38に搭載されている。
このような構成により、たとえば、需要家39が電気自動車38を使用する予定の期間に節電期間の一部または全部が含まれる場合、電気自動車38を使用する期間を節電期間と重ならない期間に変更することを推奨するためのメッセージを需要家39に提示することができる。そして、たとえば、需要家39が当該メッセージの内容を受け入れて電気自動車38の使用期間を変更した場合、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間において抑制する目的で、電気自動車38に搭載された蓄電デバイス32の電力を使用することができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係るコントローラでは、制御部43は、電気自動車38の走行予定距離に基づいて、蓄電デバイス32の充電および放電制限の少なくともいずれか一方を行う。
このような構成により、たとえば、需要家39が電気自動車38を使用する予定の期間が節電期間の後に設定されている場合であって、蓄電デバイス32に蓄えられている電力を節電期間において使用すると、電気自動車38の使用時において蓄電デバイス32の蓄電残量が不足するおそれがある場合に、節電期間の開始前に蓄電デバイス32を充電したり、節電期間において蓄電デバイス32が放電する電力の量を制限したりすることができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る端末装置では、送信部54は、電気自動車38の使用予定に関する車両使用予定情報をコントローラ30へ送信する。受信部52は、当該電気自動車38の使用予定に基づいて作成された、節電期間における電気自動車38の使用に関する情報である推奨時間情報をコントローラ30から受信する。
コントローラ30は、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できるか否かを判断し、節電期間の開始タイミングまでに発電デバイス31が発電を開始できないと判断した場合、節電期間の開始タイミングにおいて蓄電デバイス32の放電を開始する制御を行う。
このような構成により、たとえば、節電期間の開始タイミングまでに、発電デバイス31の発電開始が間に合わない場合に、蓄電デバイス32に蓄えられている電力の使用を節電期間の開始タイミングにおいて開始することで、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間の開始タイミングから抑制し始めることができる。また、たとえば、需要家39が電気自動車38を使用する予定の期間に節電期間の一部または全部が含まれる場合、電気自動車38を使用する期間を節電期間と重ならない期間に変更することを推奨するためのメッセージを需要家39に提示することができる。そして、たとえば、需要家39が当該メッセージの内容を受け入れて電気自動車38の使用期間を変更した場合、電力系統等から供給される電力の消費を節電期間において抑制する目的で、電気自動車38に搭載された蓄電デバイス32の電力を使用することができる。
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る端末装置では、供給される電力の消費を節電期間に合わせて適切に抑制することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置であって、
節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断する判断部と、
前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと前記判断部が判断した場合に、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行う制御部とを備え、
前記充電制御装置、前記発電デバイスおよび前記蓄電デバイスは、外部から電力の供給を受ける電力需要施設において設置され、
前記判断部は、前記電力需要施設における前記節電期間を示す節電要請情報を前記充電制御装置が受信した場合に、前記節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、
前記発電デバイスは燃料電池である、充電制御装置。
[付記2]
発電デバイスおよび蓄電デバイスを備える電力システムにおいて用いられる充電制御装置であって、
前記発電デバイスは、自然エネルギーを利用して発電を行い、
節電期間の一部または全部における前記発電デバイスの発電量に関する予測を行う予測部と、
前記予測部による予測内容に基づいて、前記節電期間前における前記蓄電デバイスの放電を制限する制御を行う制御部とを備え、
前記充電制御装置、前記発電デバイスおよび前記蓄電デバイスは、外部から電力の供給を受ける電力需要施設において設置され、
前記予測部は、前記電力需要施設における前記節電期間を示す節電要請情報を前記充電制御装置が受信した場合に、気象に関する情報に基づいて前記予測を行い、
前記発電デバイスは太陽光発電装置または風力発電装置である、充電制御装置。
[付記3]
充電制御装置と、
蓄電デバイスと、
発電デバイスとを備え、
前記充電制御装置は、節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスに放電を開始させるための放電開始指示を前記蓄電デバイスへ送信し、
前記蓄電デバイスは、前記充電制御装置から前記放電開始指示を受信して放電を開始し、
前記充電制御装置、前記発電デバイスおよび前記蓄電デバイスは、外部から電力の供給を受ける電力需要施設において設置され、
前記充電制御装置は、前記電力需要施設における前記節電期間を示す節電要請情報を受信した場合に、前記節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、
前記発電デバイスは燃料電池である、電力システム。
[付記4]
蓄電デバイスと、
自然エネルギーを利用して発電を行う発電デバイスと、
前記蓄電デバイスを制御可能な充電制御装置とを備え、
前記充電制御装置は、節電期間の一部または全部における前記発電デバイスの発電量に関する予測を行い、自己の予測内容に基づいて、前記節電期間前における前記蓄電デバイスの放電を制限し、
前記充電制御装置、前記発電デバイスおよび前記蓄電デバイスは、外部から電力の供給を受ける電力需要施設において設置され、
前記充電制御装置は、前記電力需要施設における前記節電期間を示す節電要請情報を受信した場合に、気象に関する情報に基づいて前記予測を行い、
前記発電デバイスは太陽光発電装置または風力発電装置である、電力システム。
[付記5]
発電デバイスと、車両に搭載された蓄電デバイスと、充電制御装置とを備える電力システムにおいて用いられる端末装置であって、
前記充電制御装置は、前記節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、前記開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できないと判断した場合、前記開始タイミングに基づくタイミングにおいて、前記蓄電デバイスの放電を開始する制御を行い、
前記車両の使用予定に関する車両使用予定情報を前記充電制御装置へ送信する送信部と、
前記車両の使用予定に基づいて作成された、前記節電期間における前記車両の使用に関する情報を前記充電制御装置から受信する受信部とを備え、
前記充電制御装置、前記発電デバイスおよび前記蓄電デバイスは、外部から電力の供給を受ける電力需要施設において設置され、
前記充電制御装置は、前記電力需要施設における前記節電期間を示す節電要請情報を受信した場合に、前記節電期間の開始タイミングまでに前記発電デバイスが発電を開始できるか否かを判断し、
前記発電デバイスは燃料電池である、端末装置。