最初に、本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る需要家装置は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信する受信部と、前記受信部によって前記第2の指示情報が受信されたことに応答して、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信する送信部とを備える。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家装置では、指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置に通知することができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(2)本発明の実施の形態に係る需要家装置は、電力需要施設において用いられる需要家装置であって、前記電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信する受信部と、前記第2の指示情報に対する応答内容の前記需要家装置への入力が所定時間以内に行われない場合に、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信する送信部とを備える。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置において再び需要家の判断結果を得ることにより、需要家の最終的な判断を反映した電力消費を実現することができる。そして、需要家の最終的な判断結果が得られない場合にも、端末装置を用いて需要家が既に行った判断に従うことで、指示情報に基づく処理を開始することができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(3)本発明の実施の形態に係る需要家装置は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信する受信部と、前記電力需要施設における人の存在に関する存在情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記存在情報に基づいて、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信する送信部とを備える。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置では、たとえば、電力需要施設に需要家が存在するときは当該需要家の判断を得ながら、需要家が不在のときは当該指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置に通知することができる。
(4)本発明の実施の形態に係る需要家装置は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する情報であって前記電力消費管理装置への応答が不要である旨を示す第2の指示情報を受信する受信部と、前記受信部によって前記第2の指示情報が受信されたことに応答して、前記第2の指示情報に従って前記電力需要施設における負荷を制御する制御部とを備える。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、たとえば、需要家が端末装置を用いて行った当該指示に従う旨の判断に基づく動作を需要家装置が自動的に行うことにより、電力需要施設において当該指示に従った電力消費を確実に行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(5)好ましくは、前記需要家装置は、さらに、前記需要家装置の異常を検知する検知部を備え、前記送信部は、前記検知部によって異常が検知されている場合、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報に代わり、前記第2の指示情報に従わない旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信する。
このような構成により、たとえば、需要家装置に異常があることにより、電力需要施設において上記指示に従った電力消費を行うことができない場合に、その旨を電力消費管理装置に通知することができる。
(6)本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置であって、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信する送信部と、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信する受信部とを備え、前記送信部は、前記受信部によって受信された前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を、前記電力需要施設において用いられる需要家装置へ送信する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家の判断結果に基づく指示を需要家装置に与えることにより、電力需要施設において当該判断結果に従った電力消費を行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(7)好ましくは、前記送信部は、前記第1の指示情報に従わない旨を前記第1の応答情報が示している場合、前記第2の指示情報を前記需要家装置へ送信しない。
このような構成により、端末装置を用いて需要家が上記指示に従わない旨の判断を行った場合に、需要家装置への不要な情報の送信および不要な処理の発生を防ぐことができる。
(8)好ましくは、前記電力消費管理装置は、さらに、前記端末装置から前記電力需要施設の需要家に関する需要家情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記需要家情報に基づいて、前記第1の指示情報を作成する指示情報作成部とを備える。
このような構成により、需要家の情報を反映して当該需要家に対する指示の内容を決めることができるため、たとえば、需要家に許容される可能性の高い指示情報を作成することができる。
(9)より好ましくは、前記取得部は、前記第1の指示情報が前記送信部によって前記端末装置へ送信された後、前記需要家情報を取得し、前記指示情報作成部は、前記取得部によって取得された前記需要家情報に基づいて前記第1の指示情報を修正し、前記送信部は、前記指示情報作成部によって修正された前記第1の指示情報を前記端末装置へ送信する。
このように、端末装置へ既に送信した指示情報の内容を需要家情報に基づいて修正し、修正後の指示情報を再び端末装置へ送信する構成により、たとえば、指示に従わないと一旦判断した需要家に許容される可能性の高い指示情報を改めて送信することができる。
(10)より好ましくは、前記送信部は、複数の前記電力需要施設にそれぞれ対応する複数の前記端末装置へ前記第1の指示情報を送信し、前記取得部は、複数の前記端末装置から前記需要家情報を取得し、前記指示情報作成部は、前記端末装置へ送信すべき前記第1の指示情報を、他の前記端末装置から取得された前記需要家情報に基づいて修正する。
このような構成により、たとえば、電力需要施設間で電力消費の抑制量を調整することができるため、複数の電力需要施設の電力消費に関する全体的な目標を柔軟に達成することができる。
(11)より好ましくは、前記取得部は、前記第1の指示情報が前記送信部によって前記端末装置へ送信される前に前記需要家情報を取得し、前記指示情報作成部は、前記取得部によって取得された前記需要家情報に基づいて前記第1の指示情報を作成する。
このような構成により、端末装置へ最初に送信する指示情報の内容を、予め取得した需要家情報に基づいて決めることができるため、需要家に許容される可能性の高い指示情報をより確実に作成することができる。
(12)好ましくは、前記需要家情報は、前記需要家のスケジュール、前記電力消費の抑制可能量および前記需要家の位置のうちの少なくともいずれか1つに関する情報である。
このような構成により、たとえば、電力需要施設における消費電力を推測することができるため、需要家に許容される可能性の高い指示情報をより確実に作成することができる。
(13)好ましくは、前記受信部は、前記第2の指示情報に対する前記第2の応答情報を前記需要家装置から受信し、前記送信部は、前記第2の指示情報に従わない旨を前記第2の応答情報が示している場合、前記第2の応答情報の内容を示す情報を前記端末装置へ送信する。
このような構成により、たとえば端末装置を用いて需要家が行った判断と異なる判断が需要家装置においてなされた場合に、その旨を当該需要家に通知することができる。
(14)本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムは、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置と、前記電力需要施設において用いられる需要家装置と、端末装置とを備え、前記電力消費管理装置は、前記電力消費に関する第1の指示情報を前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、前記電力消費管理装置から前記第1の指示情報を受信して、受信した前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信し、前記電力消費管理装置は、前記端末装置から前記第1の応答情報を受信して、受信した前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を前記需要家装置へ送信する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家の判断結果に基づく指示を需要家装置に与えることにより、電力需要施設において当該判断結果に従った電力消費を行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(15)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、需要家装置における電力消費管理方法であって、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信するステップと、前記第2の指示情報を受信したことに応答して、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップとを含む。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家装置では、指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置に通知することができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(16)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、電力需要施設において用いられる需要家装置における電力消費管理方法であって、前記電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信するステップと、前記第2の指示情報に対する応答内容の前記需要家装置への入力が所定時間以内に行われない場合に、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップとを含む。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置において再び需要家の判断結果を得ることにより、需要家の最終的な判断を反映した電力消費を実現することができる。そして、需要家の最終的な判断結果が得られない場合にも、端末装置を用いて需要家が既に行った判断に従うことで、指示情報に基づく処理を開始することができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(17)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、需要家装置における電力消費管理方法であって、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信するステップと、前記電力需要施設における人の存在に関する存在情報を取得するステップと、取得した前記存在情報に基づいて、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップとを含む。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置では、たとえば、電力需要施設に需要家が存在するときは当該需要家の判断を得ながら、需要家が不在のときは当該指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置に通知することができる。
(18)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、需要家装置における電力消費管理方法であって、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する情報であって前記電力消費管理装置への応答が不要である旨を示す第2の指示情報を受信するステップと、前記第2の指示情報を受信したことに応答して、前記第2の指示情報に従って前記電力需要施設における負荷を制御するステップとを含む。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、たとえば、需要家が端末装置を用いて行った当該指示に従う旨の判断に基づく動作を需要家装置が自動的に行うことにより、電力需要施設において当該指示に従った電力消費を確実に行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(19)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置における電力消費管理方法であって、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信するステップと、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信するステップと、受信した前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を、前記電力需要施設において用いられる需要家装置へ送信するステップとを含む。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家の判断結果に基づく指示を需要家装置に与えることにより、電力需要施設において当該判断結果に従った電力消費を行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(20)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置と、前記電力需要施設において用いられる需要家装置と、端末装置とを備える電力消費管理システムにおいて用いられる電力消費管理方法であって、前記電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を前記端末装置へ送信するステップと、前記端末装置が、前記電力消費管理装置から前記第1の指示情報を受信して、受信した前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップと、前記電力消費管理装置が、前記端末装置から前記第1の応答情報を受信して、受信した前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を前記需要家装置へ送信するステップとを含む。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家の判断結果に基づく指示を需要家装置に与えることにより、電力需要施設において当該判断結果に従った電力消費を行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(21)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、需要家装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信するステップと、前記第2の指示情報を受信したことに応答して、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家装置では、指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置に通知することができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(22)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、電力需要施設において用いられる需要家装置、において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、前記電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信するステップと、前記第2の指示情報に対する応答内容の前記需要家装置への入力が所定時間以内に行われない場合に、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置において再び需要家の判断結果を得ることにより、需要家の最終的な判断を反映した電力消費を実現することができる。そして、需要家の最終的な判断結果が得られない場合にも、端末装置を用いて需要家が既に行った判断に従うことで、指示情報に基づく処理を開始することができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(23)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、需要家装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信するステップと、前記電力需要施設における人の存在に関する存在情報を取得するステップと、取得した前記存在情報に基づいて、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置では、たとえば、電力需要施設に需要家が存在するときは当該需要家の判断を得ながら、需要家が不在のときは当該指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置に通知することができる。
(24)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、需要家装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する情報であって前記電力消費管理装置への応答が不要である旨を示す第2の指示情報を受信するステップと、前記第2の指示情報を受信したことに応答して、前記第2の指示情報に従って前記電力需要施設における負荷を制御するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、たとえば、需要家が端末装置を用いて行った当該指示に従う旨の判断に基づく動作を需要家装置が自動的に行うことにより、電力需要施設において当該指示に従った電力消費を確実に行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(25)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信するステップと、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信するステップと、受信した前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を、前記電力需要施設において用いられる需要家装置へ送信するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家の判断結果に基づく指示を需要家装置に与えることにより、電力需要施設において当該判断結果に従った電力消費を行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
(26)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、端末装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置から前記電力消費に関する第1の指示情報を受信するステップと、受信した前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信するステップとを実行させるためのプログラムであり、前記電力消費管理装置が、前記端末装置から前記第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を、前記電力需要施設において用いられる需要家装置へ送信する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家の利用頻度の高い端末装置へ送信する構成により、需要家の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家の判断結果に基づく指示を需要家装置に与えることにより、電力需要施設において当該判断結果に従った電力消費を行うことができる。したがって、電力需要施設における電力消費を適切に管理することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおけるデマンドレスポンスについて説明するための図である。
図1を参照して、住宅、ビルまたは工場等の電力需要施設3へ電力供給を行う電力小売事業者1は、たとえば電力需給の逼迫が予想される場合に、アグリゲータ2に節電要請を行う。
アグリゲータ2は、たとえば、HEMS(Home Energy Management System)アグリゲータまたはBEMS(Building Energy Management System)アグリゲータ等、複数の電力需要施設3における省エネを支援する事業者である。アグリゲータ2は、電力小売事業者1からの節電要請を受けると、各電力需要施設3における需要家4に節電要請を行う。
各需要家4は、アグリゲータ2からの節電要請を受けて、自己の電力需要施設3で節電を行うか否かつまり電力小売事業者1から供給される電力の消費を抑制するか否かを判断する。
需要家4がアグリゲータ2からの節電要請に応じて電力需要施設3において節電を行うと、電力需要施設3からアグリゲータ2へネガワットすなわち削減された消費電力が提供される。アグリゲータ2は、各電力需要施設3から提供されたネガワットを電力小売事業者1へ提供する。
これに対して、電力小売事業者1は、アグリゲータ2へインセンティブ、すなわち節電の対価を支払う。アグリゲータ2は、電力小売事業者1から受けた当該対価を各需要家4に分配する。
デマンドレスポンスは、このように、各需要家4に対価を支払うなどの方法により、電力需給の逼迫する時間帯において各電力需要施設3における電力消費の抑制を促し、電力の安定供給を図る仕組みである。
(本発明の実施の形態の比較例について)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの比較例の構成を示す図である。
図2を参照して、電力消費管理システム201は、小売事業者装置11と、電力消費管理装置12と、複数の需要家装置13と、複数の負荷15とを備える。
小売事業者装置11は、たとえば電力小売事業者1によって運用されるサーバであり、ネットワークを介して電力消費管理装置12と接続される。小売事業者装置11は、電力小売事業者1からアグリゲータ2への節電要請として、電力消費管理装置12へ電力管理情報を送信する。
電力管理情報は、たとえば、アグリゲータ2が各需要家4に節電を行わせるべき期間である節電期間と、アグリゲータ2が節電期間において達成すべき目標である全体節電目標とを示す。具体的には、電力管理情報は、全体節電目標として、アグリゲータ2が各需要家4に削減させるべき消費電力量の合計値、すなわち各電力需要施設3において削減されるべき消費電力量の合計値である総依頼抑制量を示す。
需要家装置13は、電力需要施設3における電気設備等の動作を制御することによって消費電力の削減を図るためのHEMSまたはBEMS等のシステムにおいて用いられる装置であり、たとえばアグリゲータ2によって導入される。需要家装置13は、電力需要施設3において用いられる。
負荷15は、たとえば電力需要施設3おいて設置された空調機器または照明機器等の電気的負荷である。
電力消費管理装置12は、たとえばアグリゲータ2によって運用されるサーバであり、ネットワークを介して各電力需要施設3の需要家装置13に接続され、各電力需要施設3における電力消費を管理する。
電力消費管理装置12および需要家装置13の通信は、たとえば、国際規格であるOpenADRで規定された通信プロトコルに従って行われる。電力消費管理装置12および需要家装置13が互いに送受信する情報は、当該通信プロトコルに従う情報である。
電力消費管理装置12は、アグリゲータ2から各需要家4への節電要請として、各需要家装置13へ指示情報を送信する。
指示情報は、たとえば、電力需要施設3において節電を行うべき期間である節電期間と、電力需要施設3において削減すべき消費電力量である節電目標とを示す。節電目標は、たとえば電力需要施設3ごとに設定される。
電力消費管理装置12は、電力管理情報の示す総依頼抑制量を各電力需要施設3に分配することにより、各電力需要施設3における節電目標を設定する。つまり、各電力需要施設3の節電目標が示す削減すべき消費電力量の合計値は、総依頼抑制量と等しくなる。
このとき、電力消費管理装置12は、予め記憶している各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、およびカレンダー情報等に基づいて、総依頼抑制量を各電力需要施設3へ分配する。
実績値情報は、たとえば、各電力需要施設3における消費電力量の長期にわたる時間変化を示す。各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報は、たとえば、小売事業者装置11が過去のデータに基づいて作成した情報である。気象情報は、長期にわたって取得された電力需要施設3の存在する地域における気温等の時間変化を示す。
需要家装置13は、電力消費管理装置12から指示情報を受信すると、たとえば需要家4が予め設定した内容に基づいて、指示情報に従うか否か、つまりアグリゲータ2からの節電要請を受諾して電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断する。
需要家装置13は、電力需要施設3を節電イベントに参加させると判断した場合、節電期間において節電目標が達成されるように、負荷15の消費電力を抑制して電力需要施設3における消費電力を削減する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの比較例におけるデマンドレスポンス処理のシーケンスの一例を示す図である。
図3を参照して、まず、電力小売事業者1によって運用される小売事業者装置11は、電力需給が逼迫すると予想した場合(ステップS11)、節電期間と全体節電目標すなわち総依頼抑制量とを示す電力管理情報をアグリゲータ2によって運用される電力消費管理装置12へ送信する(ステップS12)。
次に、電力消費管理装置12は、小売事業者装置11から電力管理情報を受信して、受信した電力管理情報の示す総依頼抑制量を各電力需要施設3に分配し(ステップS13)、節電期間および節電目標を示す指示情報を電力需要施設3ごとに作成する。電力消費管理装置12は、作成した各指示情報を対応の需要家装置13へ送信する(ステップS14)。
次に、需要家装置13は、電力消費管理装置12から指示情報を受信して、受信した指示情報に従うか否か、すなわち電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断する(ステップS15)。
具体的には、たとえば需要家4は、電力需要施設3が節電イベントに参加する条件等を予め需要家装置13に設定する。需要家装置13は、需要家4が予め設定した条件に基づいて、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断する。
なお、需要家装置13が電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断する構成に限らず、需要家4が直接判断する構成であってもよい。この場合、たとえば、需要家4は、需要家装置13が受信した指示情報の内容を確認して、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを自ら判断し、判断結果を需要家装置13に入力する。
次に、需要家装置13は、受信した指示情報に対する応答情報であって、電力需要施設3を節電イベントに参加させる否かを示す指示応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。ここでは、需要家装置13は、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す応答情報を電力消費管理装置12へ送信する(ステップS16)。
次に、電力消費管理装置12は、各需要家装置13から指示応答情報を受信して、受信した指示応答情報に基づいて、全体節電目標を達成可能か否かを判断することにより、小売事業者装置11から受信した電力管理情報に従うか否か、つまりアグリゲータ2の節電イベントへの参加または不参加を決定する(ステップS17)。
具体的には、たとえば、電力消費管理装置12は、各需要家装置13から受信した指示応答情報のうち、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨の1または複数の指示応答情報に基づいて、各電力需要施設3における削減予定の電力量の合計値(以下、総削減予定量とも称する。)を算出する。
次に、電力消費管理装置12は、小売事業者装置11から受信した電力管理情報の示す総依頼抑制量に算出した総削減予定量が達している場合、全体節電目標を達成することができると判断し、アグリゲータ2の節電イベントへの参加を決定する。
次に、電力消費管理装置12は、アグリゲータ2の節電イベントへの参加を決定すると、電力管理情報に対する応答情報であって、節電イベントに参加する旨を示す判断情報を小売事業者装置11へ送信する(ステップS18)。
次に、電力消費管理装置12は、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す指示応答情報を自己へ送信した需要家装置13へ参加確定通知を送信する(ステップS19)。参加確定通知は、アグリゲータ2が節電イベントに参加する旨を通知するための情報である。
次に、需要家装置13は、電力消費管理装置12から参加確定通知を受信した場合すなわちアグリゲータ2が節電イベントに参加する場合、節電期間において、自己の電力需要施設3における負荷15を制御して消費電力量の削減すなわち節電を行い(ステップS20)、節電目標を達成する。
次に、需要家装置13は、節電期間において節電を行った後、節電期間における節電量すなわち削減した消費電力量を示す結果情報を電力消費管理装置12へ送信する(ステップS21)。
次に、電力消費管理装置12は、各需要家装置13から結果情報を受信して、各電力需要施設3における節電量を集計し(ステップS22)、集計結果を示す全体結果情報を小売事業者装置11へ送信する(ステップS23)。
一方、電力消費管理装置12は、総削減予定量が総依頼抑制量に達してない場合、全体節電目標を達成することができないと判断し、アグリゲータ2の節電イベントへの不参加を決定する。
この場合、電力消費管理装置12は、アグリゲータ2が節電イベントに参加しない旨を示す判断情報を小売事業者装置11へ送信する。また、電力消費管理装置12は、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す指示応答情報を自己へ送信した需要家装置13へ不参加確定通知を送信する。不参加確定通知は、アグリゲータ2が節電イベントに参加しない旨を通知するための情報である。
需要家装置13は、電力消費管理装置12から不参加確定通知を受信した場合すなわちアグリゲータ2が節電イベントに参加しない場合、節電期間において節電を行わない。
ここで、たとえば、需要家4が電力需要施設3から外出する場合、照明機器および空調機器等を停止させても問題が無いことが多いため、電力需要施設3は節電イベントに参加することが可能である。アグリゲータ2は、電力需要施設3が節電イベントに参加することにより、当該電力需要施設3からネガワットの提供を受けることができる。また、需要家4は、自己の電力需要施設3が節電イベントに参加することにより、節電の対価を受け取ることができる。
しかしながら、需要家装置13は、たとえば、上述のように、電力消費管理装置12から指示情報を受信すると、需要家4が予め設定した条件に基づいて、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを自動で判断する。
このため、たとえば、需要家4に外出する予定があり、当該予定に基づく条件が設定されていない場合、需要家装置13は、電力需要施設3を節電イベントに参加させることが可能であるにも関わらず、電力需要施設3を節電イベントに参加させないと判断してしまうことがある。
また、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを需要家装置13が判断する構成ではなく、需要家4が直接判断する構成である場合であっても、たとえば、需要家4に需要家装置13を日常的に操作する習慣が無いような場合、判断結果の需要家装置13への入力が行われない可能性がある。そして、このような場合、需要家装置13は、電力需要施設3を節電イベントに参加させることが可能であるにも関わらず、たとえばタイムアウト処理として、電力需要施設3を節電イベントに参加させないと判断してしまうことがある。
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
(本発明の第1の実施の形態について)
[システム構成]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力システムの構成を示す図である。
図4を参照して、電力消費管理システム101は、小売事業者装置11と、電力消費管理装置12と、複数の需要家装置13と、複数の負荷15と、複数の端末装置16とを備える。
すなわち、電力消費管理システム101は、図2に示す電力消費管理システム201と比べて、さらに、複数の端末装置16を備える。
端末装置16は、携帯電話、スマートフォン、タブレットまたはノートパソコン等の端末装置であり、ネットワークを介して電力消費管理装置12と接続される。各端末装置16は、各電力需要施設3の需要家4により、たとえば電力需要施設3の中または外において使用される。端末装置16は、需要家4の所有物であってもよいし、他の者の所有物であってもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12は、各端末装置16および各需要家装置13へ指示情報を送信する。以下、電力消費管理装置12が端末装置16へ送信する指示情報を第1指示情報とも称し、電力消費管理装置12が需要家装置13へ送信する指示情報を第2指示情報とも称する。
端末装置16は、電力消費管理装置12から第1指示情報を受信した後、第1指示情報に対する応答情報であって、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否か、すなわち第1指示情報に従うか否かを示す第1応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。以下、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す第1応答情報を第1応答情報Yとも称し、電力需要施設3を節電イベントに参加させない旨を示す第1応答情報を第1応答情報Nとも称する。
需要家装置13は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信した後、第2指示情報に対する応答情報であって、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否か、すなわち第2指示情報に従うか否かを示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。以下、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す第2応答情報を第2応答情報Yとも称し、電力需要施設3を節電イベントに参加させない旨を示す第2応答情報を第2応答情報Nとも称する。
電力消費管理装置12は、端末装置16と、当該端末装置16の使用者である需要家4の電力需要施設3と、当該電力需要施設3において用いられる需要家装置13とを、予め互いに対応付けて記憶している。たとえば、電力消費管理装置12は、ある電力需要施設3の電力消費に関する第1指示情報を送信する場合、当該電力需要施設3に対応する端末装置16へ当該第1指示情報を送信する。また、電力消費管理装置12は、ある電力需要施設3の電力消費に関する第2指示情報を送信する場合、当該電力需要施設3に対応する需要家装置13へ当該第2指示情報を送信する。
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおいてデマンドレスポンスが行われる際の動作について説明する。
電力消費管理システム101における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンスおよびフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおけるデマンドレスポンス処理のシーケンスの一例を示す図である。
図5を参照して、まず、電力小売事業者1によって運用される小売事業者装置11は、電力需給が逼迫すると予想した場合(ステップS41)、節電期間と全体節電目標すなわち総依頼抑制量とを示す電力管理情報をアグリゲータ2によって運用される電力消費管理装置12へ送信する(ステップS42)。
次に、電力消費管理システム101は、総依頼抑制量を各電力需要施設3に適切に分配するための配分適正化処理を行う(ステップS43〜ステップS47)。
具体的には、電力消費管理装置12は、小売事業者装置11から電力管理情報を受信して、総依頼抑制量を各電力需要施設3に分配し(ステップS43)、節電期間および節電目標を示す第1指示情報を電力需要施設3ごとに作成する。そして、電力消費管理装置12は、作成した各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する(ステップS44)。
ここで、電力消費管理装置12による総依頼抑制量の分配先である電力需要施設3は、電力消費管理装置12が電力消費を管理する各電力需要施設3の全部であってもよいし、一部であってもよい。
次に、端末装置16は、電力消費管理装置12から受信した第1指示情報の内容を、自己のディスプレイに表示する等により、需要家4に提示する。
次に、需要家4は、端末装置16の表示内容を確認し、第1指示情報に従うか否か、すなわち自己の電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断し、判断結果を端末装置16に入力する操作を行う。
次に、端末装置16は、需要家4による操作を受けて(ステップS45)、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かの判断結果を取得すると、第1指示情報に対する応答情報であって、当該判断結果を示す第1応答情報を電力消費管理装置12へ送信する(ステップS46)。
次に、電力消費管理装置12は、各端末装置16から第1応答情報を受信して、全体節電目標を達成可能か否か、すなわち各電力需要施設3における削減予定の電力量の合計値である総削減予定量が総依頼抑制量に達しているか否かを判断する(ステップS47)。
電力消費管理装置12は、総削減予定量が総依頼抑制量に達していないと判断した場合(ステップS47でNO)、総依頼抑制量を各電力需要施設3に再び分配する(ステップS43)。そして、電力消費管理装置12は、電力需要施設3ごとの第1指示情報を作成し、新たに作成した各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する(ステップS44)。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101における配分適正化処理について詳細に説明する。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置による総依頼抑制量の配分適正化処理の手順を定めたフローチャートである。
図6を参照して、まず、電力消費管理装置12は、たとえば、各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、およびカレンダー情報等に基づいて、総依頼抑制量を各電力需要施設3へ分配する(ステップS61)。
そして、電力消費管理装置12は、各電力需要施設3に分配した総依頼抑制量を分配先の電力需要施設3における節電目標として、各電力需要施設3への第1指示情報を作成し、対応の端末装置16へ送信する(ステップS62)。
次に、電力消費管理装置12は、各端末装置16から第1応答情報を受信しながら、各第1指示情報の送信から所定時間が経過するまで待機する(ステップS63でNO)。第1応答情報は、上述のように、第1指示情報を受信した端末装置16から、需要家4の操作に応答して送信される。
次に、電力消費管理装置12は、第1指示情報の送信から所定時間が経過すると(ステップS63でYES)、各端末装置16から受信した第1応答情報に基づいて、全体節電目標を達成可能か否かを判断する。
具体的には、電力消費管理装置12は、各端末装置16から受信した第1応答情報のうち、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨の1または複数の第1応答情報すなわち第1応答情報Yに基づいて、各電力需要施設3における削減予定の電力量の合計値である総削減予定量を算出する。
電力消費管理装置12は、算出した総削減予定量が総依頼抑制量に達している場合、全体節電目標を達成可能であると判断する。
ここで、電力消費管理装置12は、上記所定時間が経過するまでの間に第1応答情報を自己へ送信しなかった端末装置16を、第1応答情報Nを自己へ送信した端末装置16であるとみなす。
電力消費管理装置12は、全体節電目標を達成できないと判断した場合(ステップS64でNO)、総依頼抑制量を各電力需要施設3に再び分配する(ステップS61)。具体的には、電力消費管理装置12は、総依頼抑制量と総削減予定量との差分(以下、全体差分電力量とも称する。)を各電力需要施設3に分配する。
全体差分電力量の分配先の電力需要施設3は、たとえば、第1応答情報Yを電力消費管理装置12へ既に送信した端末装置16に対応する電力需要施設3である。なお、全体差分電力量の分配先の電力需要施設3は、未だ第1指示情報の送信先となっていない端末装置16に対応する電力需要施設3を含んでもよい。
次に、電力消費管理装置12は、分配した全体差分電力量に基づいて、1または複数の第1指示情報を新たに作成し、対応の端末装置16へ送信する(ステップS62)。
このように、電力消費管理装置12は、たとえば、総削減予定量が総依頼抑制量に達するまでの間(ステップS64でNO)、ステップS61〜ステップS64に示す動作を繰り返す。
ただし、電力消費管理装置12は、節電期間の到来する所定時間前までに総削減予定量が総依頼抑制量に達しない場合、総依頼抑制量の配分適正化処理を終了し、アグリゲータ2の節電イベントへの不参加を決定する。
一方、電力消費管理装置12は、たとえば、総削減予定量が総依頼抑制量に達したことにより、全体節電目標を達成可能であると判断した場合(ステップS64でYES)、総依頼抑制量の配分適正化処理を終了する。
再び図5を参照して、電力消費管理装置12は、全体節電目標を達成可能であると判断し(ステップS47でYES)、総依頼抑制量の配分適正化処理を終了した後、節電イベントに参加する予定である1または複数の電力需要施設3に対応する需要家装置13へ、節電期間および節電目標を示す第2指示情報を送信する(ステップS48)。当該節電目標は、たとえば、総依頼抑制量の配分適正化処理において対応の電力需要施設3に最終的に分配された削減すべき消費電力量である。
需要家装置13は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信して、第2指示情報に対する応答情報であって、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する(ステップS49)。
次に、需要家装置13は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信すると、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断することなく、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す第2応答情報、すなわち第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する。つまり、需要家装置13は、第2指示情報を受信したことに応答して、第2指示情報に従う旨を示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
ここで、需要家装置13は、自己の動作に異常が有る場合、第2応答情報Yに代わり、第2応答情報Nすなわち第2指示情報に従わない旨を示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
次に、電力消費管理装置12は、各需要家装置13から第2応答情報を受信して、受信した第2応答情報に基づいて、アグリゲータ2が節電イベントに参加するか否かを判断する(ステップS50)。
具体的には、電力消費管理装置12は、たとえば、各需要家装置13から受信した第2応答情報の全部が第2応答情報Yである場合、アグリゲータ2の節電イベントへの参加を決定する。
電力消費管理装置12は、アグリゲータ2の節電イベントへの参加を決定すると、電力管理情報に対する応答情報であって、アグリゲータ2が節電イベントに参加する旨を示す判断情報を小売事業者装置11へ送信する(ステップS50)。
次に、電力消費管理装置12は、第2応答情報Yを自己へ送信した需要家装置13へアグリゲータ2が節電イベントに参加する旨を通知するための参加確定通知を送信する(ステップS51)。また、電力消費管理装置12は、各端末装置16へ対応の電力需要施設3における最終的な節電目標を通知するための確定内容通知を送信する(ステップS52)。
ステップS53〜ステップS56に示す動作は、図3におけるステップS20〜ステップS23に示す動作と同様である。
なお、電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12がステップS50に示す動作において、アグリゲータ2の節電イベントへの不参加を決定した場合、ステップS43〜ステップS49に示す動作を繰り返してもよい。
[装置構成]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける各装置の構成を説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の構成を示す図である。
図7を参照して、電力消費管理装置12は、受信部31と、記憶部32と、指示作成部33と、処理部34と、送信部35とを備える。
受信部31は、節電期間と全体節電目標すなわち総依頼抑制量とを示す電力管理情報を小売事業者装置11から受信して、指示作成部(指示情報作成部)33および処理部34へ出力する。
記憶部32は、各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、およびカレンダー情報等を予め記憶している。
指示作成部33は、受信部31から電力管理情報を受けると、記憶部32から各種情報を取得し、取得した情報に基づいて、総依頼抑制量を各電力需要施設3に分配し、節電期間および節電目標を示す第1指示情報を電力需要施設3ごとに作成する。指示作成部33は、作成した各第1指示情報を送信部35へ出力する。送信部35は、指示作成部33から第1指示情報を受けて、対応の端末装置16へ送信する。
受信部31は、1または複数の端末装置16から第1応答情報を受信して、処理部34へ出力する。
処理部34は、受信部31から第1応答情報を受けて、電力管理情報の示す全体節電目標を達成可能であるか否かを判断する。具体的には、処理部34は、受信部31から受けた1または複数の第1応答情報のうち、第1応答情報Yに基づいて、総削減予定量を算出する。処理部34は、算出した総削減予定量が総依頼抑制量に達している場合、全体節電目標を達成可能であると判断する。
処理部34は、電力管理情報の示す全体節電目標を達成できないと判断した場合、全体節電目標を達成できない旨の通知を指示作成部33へ出力する。
指示作成部33は、処理部34から全体節電目標を達成できない旨の通知を受けると、総依頼抑制量を各電力需要施設3に再び分配する。具体的には、指示作成部33は、総依頼抑制量と総削減予定量との差分である全体差分電力量を各電力需要施設3に分配する。
全体差分電力量の分配先の電力需要施設3は、たとえば、第1応答情報Yを既に自己へ送信した端末装置16に対応する電力需要施設3である。なお、全体差分電力量の分配先の電力需要施設3は、未だ第1指示情報の送信先となっていない端末装置16に対応する電力需要施設3を含んでもよい。
ここで、第1応答情報Yを自己へ既に送信した端末装置16に対応する電力需要施設3では、節電目標が既に設定されている。指示作成部33は、このような電力需要施設3に全体差分電力量を分配する際、当該電力需要施設3における既存の節電目標に、全体差分電力量から分配された量を加えることにより、当該電力需要施設3における新たな節電目標を設定する。
指示作成部33は、節電期間および新たな節電目標を示す第1指示情報を、対象の電力需要施設3ごとに作成する。指示作成部33は、新たに作成した第1指示情報を送信部35へ出力する。送信部35は、指示作成部33から受けた第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する。
処理部34は、全体節電目標を達成可能であると判断した場合、全体節電目標を達成可能である旨の通知を指示作成部33へ出力する。
指示作成部33は、処理部34から全体節電目標を達成可能である旨の通知を受けると、各需要家装置13へ送信すべき第2指示情報を作成する。第2指示情報の送信先となる需要家装置13は、第1応答情報Yを自己の電力消費管理装置12へ送信した端末装置16に対応する需要家装置13である。
第2指示情報は、送信先の電力需要施設3における節電目標および節電期間を示す。具体的には、第2指示情報の示す節電目標は、図6に示す総依頼抑制量の配分適正化処理において電力需要施設3に最終的に分配された削減すべき消費電力量である。指示作成部33は、作成した各第2指示情報を送信部35へ出力する。
送信部35は、受信部31によって受信された第1応答情報に基づいて、第2指示情報を需要家装置13へ送信する。具体的には、たとえば、送信部35は、受信部31によって受信された第1応答情報が第1応答情報Yである場合、当該第1応答情報Yの送信元の端末装置16に対応する需要家装置13へ第2指示情報を送信する。
より具体的には、送信部35は、指示作成部33から第2指示情報を受けて、対応の需要家装置13へ送信する。
一方、送信部35は、受信部31によって受信された第1応答情報が第1指示情報に従わない旨を示す第1応答情報すなわち第1応答情報Nである場合、当該第1応答情報Nの送信元の端末装置16に対応する需要家装置13へ第2指示情報を送信しない。
受信部31は、第2指示情報の送信先である各需要家装置13から第2応答情報を受信して、処理部34へ出力する。
処理部34は、受信部31から受けた各第2応答情報に基づいて、アグリゲータ2が節電イベントに参加するか否かを判断する。
処理部34は、アグリゲータ2の節電イベントへの参加を決定すると、アグリゲータ2が節電イベントに参加する旨の判断情報、アグリゲータ2が節電イベントに参加する旨を第2応答情報Yの送信元の需要家装置13に通知するための参加確定通知、および、最終的な節電目標を節電イベントに参加する電力需要施設3の需要家4に通知するための確定内容通知を作成し、送信部35へ出力する。
送信部35は、判断情報、参加確定通知および確定内容通知を処理部34から受けて、小売事業者装置11へ判断情報を送信し、参加確定通知を第2応答情報Yの送信元の需要家装置13へ送信し、確定内容通知を節電イベントに参加する電力需要施設3に対応する端末装置16へ送信する。
一方、送信部35は、受信部31の受信した第2応答情報が、第2指示情報に従わない旨を示している場合、当該第2応答情報の内容を示す情報を、当該第2応答情報の送信元の需要家装置13に対応する端末装置16へ送信する。
具体的には、処理部34は、たとえば、受信部31から受けた第2応答情報の中に第2指示情報に従わない旨を示す第2応答情報すなわち第2応答情報Nがある場合、第2応答情報Nの内容を示す不参加通知を作成し、送信部35へ出力する。
送信部35は、第2応答情報Nの内容を示す情報を処理部34から受けて、第2応答情報Nの送信元の需要家装置13に対応する端末装置16へ不参加通知を送信する。
当該端末装置16へ第2応答情報Nの内容を示す情報を送信することにより、当該端末装置16の使用者である需要家4に、当該需要家4の電力需要施設3が節電イベントに参加しない旨を通知する。
なお、処理部34は、第2指示情報を作成する際、電力消費管理装置12への応答が不要である旨を第2指示情報に含めてもよい。この場合、受信部31には、送信部35が当該第2指示情報を需要家装置13へ送信した後、需要家装置13からの第2応答情報が到着しない。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける需要家装置の構成を示す図である。
図8を参照して、需要家装置13は、受信部21と、送信部22と、検知部23と、処理部24と、操作部25と、制御部26と、表示部27と、測定部28とを備える。
受信部21は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信する。送信部22は、受信部21が第2指示情報を受信したことに応答して、第2応答情報Yすなわち第2指示情報に従う旨を示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
具体的には、受信部21は、電力消費管理装置12から受信した第2指示情報を処理部24へ出力する。処理部24は、受信部21から第2指示情報を受けて、第2応答情報Yを作成し、送信部22へ出力する。送信部22は、処理部24から受けた第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する。
受信部21は、アグリゲータ2が節電イベントに参加する旨を示す参加確定通知を電力消費管理装置12から受信し、受信した参加確定通知を処理部24へ出力する。
処理部24は、受信部21から参加確定通知を受けて、節電期間において節電目標を達成するための負荷15の制御計画を作成し、作成した制御計画を制御部26へ出力する。
制御部26は、処理部24から受けた制御計画に従って負荷15を制御する。
なお、送信部22は、受信部21が第2指示情報を受信したことに応答して、第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する構成に限らず、たとえば、受信部21が第2指示情報を受信した後、第2指示情報に対する需要家4の応答内容を示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する構成であってもよい。
具体的には、たとえば、処理部24は、受信部21から第2指示情報を受けると、第2指示情報の内容を、たとえばディスプレイである表示部27に表示することにより、需要家4に提示する。
需要家4は、表示部27に表示された第2指示情報の内容を確認し、第2指示情報に対する応答内容を需要家装置13へ入力する。具体的には、需要家4は、第2指示情報の内容を確認して電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断し、操作部25を操作することにより、判断結果を需要家装置13へ入力する。
ここで、需要家4は、端末装置16が電力消費管理装置12から第1指示情報を受信してから、端末装置16が電力消費管理装置12へ第1応答情報を送信するまでの間において、既に、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断している。ここでは、需要家4は、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを最終的に判断する。
操作部25は、需要家4の操作により取得した需要家4の判断結果を処理部24に通知する。処理部24は、需要家4の判断結果を示す第2応答情報を作成して、送信部22へ出力する。送信部22は、処理部24から受けた第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
送信部22は、第2指示情報に対する応答内容の需要家装置13への入力が所定時間以内に行われない場合に、第2応答情報Yすなわち第2指示情報に従う旨を示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
具体的には、たとえば、処理部24は、表示部27に第2指示情報の内容を表示してから所定時間以内に、需要家4が操作部25を操作して判断結果を入力しない場合、たとえばタイムアウト処理として、第2応答情報Yを作成して送信部22へ出力する。送信部22は、処理部24から受けた第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する。
また、受信部21によって受信された第2指示情報が、節電期間および節電目標に加えて、さらに電力消費管理装置12への応答が不要である旨を示す場合、制御部26は、受信部21によって当該第2指示情報が受信されたことに応答して、当該第2指示情報に従って電力需要施設3における負荷15を制御する。
具体的には、処理部24は、受信部21から第2指示情報を受けると、節電期間において節電目標を達成するための負荷15の制御計画を作成し、制御部26へ出力する。
制御部26は、処理部24から受けた制御計画に従って負荷15を制御する。
検知部23は、需要家装置13の異常を検知する。たとえば、検知部23は、需要家装置13における各ユニットの動作を監視し、当該動作の異常を検知した場合、検知結果を処理部24へ出力する。
送信部22は、検知部23によって異常が検知されている場合、第2指示情報に従う旨を示す第2応答情報に代わり、第2指示情報に従わない旨を示す第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
具体的には、たとえば、処理部24は、検知部23によって需要家装置13の異常が検知されていた場合、第2指示情報に従う旨を示す第2応答情報を正常時に作成すべきタイミングにおいて、第2指示情報に従わない旨を示す第2応答情報を作成し、送信部22へ出力する。送信部22は、処理部24から受けた当該第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
測定部28は、負荷15の消費電力を測定し、測定結果を処理部24へ出力する。処理部24は、測定部28から受けた測定結果に基づいて、電力需要施設3における節電期間の節電量を算出し、算出結果を示す結果情報を送信部22へ出力する。送信部22は、処理部24から受けた結果情報を電力消費管理装置12へ送信する。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける端末装置の構成を示す図である。
図9を参照して、端末装置16は、受信部51と、送信部52と、処理部53と、操作部54と、表示部55とを備える。
受信部51は、電力消費管理装置12から第1指示情報を受信し、受信した第1指示情報を処理部53へ出力する。
処理部53は、受信部51から受けた第1指示情報の内容をたとえばディスプレイである表示部55に表示する。
需要家4は、表示部55に表示された第1指示情報の内容つまり当該需要家4の電力需要施設3における節電目標および節電期間を確認し、第1指示情報に対する応答内容を需要家装置13へ入力する。
具体的には、需要家4は、第1指示情報の内容を確認し、第1指示情報に従うか否かつまり電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断し、操作部25を操作することにより、判断結果を端末装置16へ入力する。
操作部54は、需要家4の操作により取得した需要家4の判断結果を処理部53に通知する。処理部53は、操作部54から通知を受けて、需要家4の判断結果を示す第1応答情報を作成し、送信部52へ出力する。送信部52は、処理部53から受けた第1応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
ここで、電力消費管理装置12は、たとえば図6に示す総依頼抑制量の配分適正化処理において、端末装置16へ複数回、第1指示情報を送信する場合がある。
端末装置16における各ユニットは、受信部51が電力消費管理装置12から第1指示情報を受信するたびに、上記の動作を繰り返す。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101は、1つの電力需要施設3に対応する複数の端末装置16が用いられる構成であってもよい。これら複数の端末装置16は、電力需要施設3における複数のユーザすなわち複数の需要家4によってそれぞれ使用される。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12は、節電期間および節電目標を示す第1指示情報を端末装置16へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、電力消費管理装置12は、節電目標を示し、節電期間を示さない第1指示情報を端末装置16へ送信する構成であってもよい。この場合、端末装置16は、たとえば、第1指示情報を最初に受信した時刻から所定時間後の時刻を節電期間の開始時刻として認識する。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12は、節電期間および節電目標を示す第2指示情報を需要家装置13へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、電力消費管理装置12は、節電目標を示し、節電期間を示さない第2指示情報を需要家装置13へ送信する構成であってもよい。この場合、端末装置16は、たとえば、第2指示情報を受信した時刻から所定時間後の時刻を節電期間の開始時刻として認識する。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101において、第1指示情報および第2要請情報の示す節電目標は、電力需要施設3において削減すべき消費電力量であるとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、電力需要施設3における消費電力量の目標値であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12は、電力需要施設3ごとに節電目標を設定する構成であるとしたが、たとえば、電力消費管理装置12が最初に節電目標を設定する際に、各電力需要施設3で共通の節電目標を設定する構成であってもよい。つまり、電力消費管理装置12が各端末装置16へ最初に送信するすべての節電目標の内容が同じであってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12は、節電期間および節電目標を示す第1指示情報を端末装置16へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、電力消費管理装置12は、さらに、総依頼抑制量、節電目標を達成するための行動を示す情報、および、電力需要施設3が節電に参加した場合に需要家4に支払われる対価を示す情報を含めて端末装置16へ送信する構成であってもよい。「節電目標を達成するための行動を示す情報」の内容は、たとえば、「エアコンの設定温度を1℃下げる」等である。
ところで、複数の電力需要施設における省エネを支援する事業者からの指示が、たとえば電力需要施設における過去の電力使用量等に基づいて作成されたものであり、電力需要施設における需要家の予定が普段と異なる場合には、需要家の行動を反映していない指示が当該事業者からなされてしまう。
また、指示に従うか否かの判断を需要家により予め設定された条件に基づいて需要家装置が行う場合、普段と異なる需要家の予定を反映していない判断が需要家装置によりなされてしまう。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、受信部21は、電力需要施設3における電力消費を管理する電力消費管理装置12が、電力消費に関する第1指示情報を端末装置16へ送信し、端末装置16から第1指示情報に対する第1応答情報を受信し、受信した第1応答情報に基づいて電力消費管理装置12から送信される、電力消費に関する第2指示情報を受信する。送信部22は、受信部21によって第2指示情報が受信されたことに応答して、第2指示情報に従う旨の第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家4の利用頻度の高い端末装置16へ送信する構成により、需要家4の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家装置13では、指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置12に通知することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、電力需要施設3における電力消費を適切に管理することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、検知部23は、需要家装置13の異常を検知する。送信部22は、検知部によって異常が検知されている場合、第2指示情報に従う旨の第2応答情報に代わり、第2指示情報に従わない旨の第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
このような構成により、たとえば、需要家装置13に異常があることにより、電力需要施設3において上記指示に従った電力消費を行うことができない場合に、その旨を電力消費管理装置12に通知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置では、送信部35は、電力消費に関する第1指示情報を端末装置16へ送信する。受信部31は、端末装置16から第1指示情報に対する第1応答情報を受信する。送信部35は、受信部31によって受信された第1応答情報に基づいて、電力消費に関する第2指示情報を、電力需要施設3において用いられる需要家装置13へ送信する。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムでは、電力消費管理装置12は、電力消費に関する第1指示情報を端末装置16へ送信する。端末装置16は、電力消費管理装置12から第1指示情報を受信して、受信した第1指示情報に対する第1応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。電力消費管理装置12は、端末装置16から第1応答情報を受信して、受信した第1応答情報に基づいて、電力消費に関する第2指示情報を需要家装置13へ送信する。
また、本発明の第1の実施の形態に係る端末装置である端末装置16は、電力需要施設3における電力消費を管理する電力消費管理装置12から電力消費に関する第1指示情報を受信する。端末装置16は、受信した第1指示情報に対する第1応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。電力消費管理装置12が、端末装置16から第1応答情報を受信し、受信した第1応答情報に基づいて、電力消費に関する第2指示情報を、電力需要施設3において用いられる需要家装置13へ送信する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家4の利用頻度の高い端末装置16へ送信する構成により、需要家4の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。そして、需要家4の判断結果に基づく指示を需要家装置13に与えることにより、電力需要施設3において当該判断結果に従った電力消費を行うことができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置、電力消費管理システムおよび端末装置では、電力需要施設3における電力消費を適切に管理することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置では、送信部35は、第1指示情報に従わない旨を第1応答情報が示している場合に、第2指示情報を需要家装置13へ送信しない。
このような構成により、端末装置16を用いて需要家4が上記指示に従わない旨の判断を行った場合に、需要家装置13への不要な情報の送信および不要な処理の発生を防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置では、受信部31は、第2指示情報に対する第2応答情報を需要家装置13から受信する。送信部35は、第2指示情報に従わない旨を第2応答情報が示している場合、第2応答情報の内容を示す情報を端末装置16へ送信する。
このような構成により、たとえば端末装置16を用いて需要家4が行った判断と異なる判断が需要家装置13においてなされた場合に、その旨を当該需要家4に通知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、受信部21は、電力需要施設3における電力消費を管理する電力消費管理装置12が、電力消費に関する第1指示情報を端末装置16へ送信し、端末装置16から第1指示情報に対する第1応答情報を受信し、受信した第1応答情報に基づいて電力消費管理装置12から送信される、電力消費に関する第2指示情報を受信する。送信部22は、第2指示情報に対する応答内容の需要家装置13への入力が所定時間以内に行われない場合に、第2指示情報に従う旨の第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家4の利用頻度の高い端末装置16へ送信する構成により、需要家4の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置13において再び需要家4の判断結果を得ることにより、需要家4の最終的な判断を反映した電力消費を実現することができる。そして、需要家4の最終的な判断結果が得られない場合にも、端末装置16を用いて需要家4が既に行った判断に従うことで、指示情報に基づく処理を開始することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、電力需要施設3における電力消費を適切に管理することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、受信部21は、電力需要施設3における電力消費を管理する電力消費管理装置12が、電力消費に関する第1指示情報を端末装置16へ送信し、端末装置16から第1指示情報に対する第1応答情報を受信し、受信した第1応答情報に基づいて電力消費管理装置12から送信される、電力消費に関する情報であって電力消費管理装置12への応答が不要である旨を示す第2指示情報を受信する。制御部26は、受信部21によって第2指示情報が受信されたことに応答して、第2指示情報に従って電力需要施設3における負荷15を制御する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家4の利用頻度の高い端末装置16へ送信する構成により、需要家4の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、たとえば、需要家4が端末装置16を用いて行った当該指示に従う旨の判断に基づく動作を需要家装置13が自動的に行うことにより、電力需要施設3において当該指示に従った電力消費を確実に行うことができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、電力需要施設3における電力消費を適切に管理することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと比べて、電力需要施設間で電力消費の削減量を融通し合う電力消費管理システムに関する。以下で説明する内容以外は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様である。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムの比較例における節電目標と節電期間における節電量とを比較した図である。
本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムの比較例では、需要家装置13は、節電目標および節電期間を示す指示情報を電力消費管理装置12から受信して、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断する。
節電イベントに参加した電力需要施設3においては、節電期間において節電が行われ、節電目標の示す消費電力量の削減が行われる。一方、節電イベントに参加しなかった電力需要施設3においては、節電期間において節電が行われず、消費電力量の削減が行われない。
具体的には、図10を参照して、電力需要施設3Aにおける節電目標は500Whであり、電力需要施設3Bにおける節電目標は500Whである。
節電イベントに参加した電力需要施設3Aにおいては、節電期間において節電が行われ、500Whの消費電力が削減される。つまり電力需要施設3Aにおける節電量は500Whとなる。一方、節電イベントに参加しなかった電力需要施設3Bにおいては、節電期間において節電が行われないため、節電量はゼロWhである。
電力需要施設3が節電イベントに参加するか否かは、たとえば、当該電力需要施設3において節電目標を達成可能か否かによって判断される。具体的には、たとえば、需要家4は、自己の電力需要施設3において節電目標を達成することができないと判断した場合、電力需要施設3の節電イベントへの不参加を決定する。
このため、たとえば、設定された節電目標のレベルが達成可能な節電目標のレベルに比べて高い場合、電力需要施設3は節電イベントに参加しない可能性が高い。
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムでは、たとえば、需要家4は、自己の電力需要施設3において節電目標を達成することができないと判断した場合、自己の電力需要施設3において節電期間に削減可能な消費電力量を電力消費管理装置12へ通知する。
電力消費管理装置12は、電力需要施設3において削減可能な消費電力量を確認し、より多くの電力需要施設3が節電イベントに参加できるように、各電力需要施設3に設定した節電目標を修正する。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける節電目標と節電期間における節電量とを比較した図である。
図11を参照して、電力消費管理装置12は、たとえば節電期間の開始時刻の1時間程度前の時刻において、節電期間および節電目標を示す指示情報を電力需要施設3Aの需要家4および電力需要施設3Bの需要家4に通知する。この時点では、電力需要施設3Aにおける節電目標は500Whであり、電力需要施設3Bにおける節電目標は500Whである。
電力需要施設3Aの需要家4は、500Whの節電目標を達成することはできないが、400Whの節電目標なら達成することができると判断する。そして、当該需要家4は、電力需要施設3Aを節電イベントに参加さない旨とともに、削減可能な消費電力量が400Whである旨を電力消費管理装置12へ通知する。
一方、電力需要施設3Bの需要家4は、500Whの節電目標を達成することが可能であると判断し、自己の電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を電力消費管理装置12へ通知する。このとき、需要家4は、さらに、たとえばGPS情報等、自己の所在を示す情報を電力消費管理装置12へ通知する。ここでは、当該需要家4は、自己の電力需要施設3から外出しているとする。
電力消費管理装置12は、電力需要施設3Aにおいて削減可能な消費電力量が400Whであること、および、需要家4が電力需要施設3から外出していることを確認する。
そして、電力消費管理装置12は、電力需要施設3Aにおける節電目標を、500Whから、電力需要施設3Aにおいて削減可能な消費電力量である400Whに修正する。以下、節電目標の修正前後における消費電力量の差分を差分目標電力量とも称する。
ここで、一般に、需要家4が電力需要施設3から外出している場合における当該電力需要施設3の消費電力は、需要家4が外出していない場合に比べて低くなる。
このことから、電力消費管理装置12は、電力需要施設3Aにおける節電目標を修正したことにより生じた差分目標電力量を、節電イベントに参加可能でありかつ需要家4が外出している電力需要施設3Bに割り当てる。
具体的には、電力消費管理装置12は、電力需要施設3Aにおける節電目標を500Whから400Whへ修正したことにより生じた100Whの差分目標電力量を、電力需要施設3Bにおける現在の節電目標である500Whに上乗せし、電力需要施設3Bにおける節電目標を500Whから600Whへ修正する。
このような処理により、電力需要施設3Aおよび電力需要施設3Bの両方を節電イベントに参加させることができるようになり、電力需要施設3Aおよび電力需要施設3Bの当初の節電目標の合計値である1000Whの節電量を実現することができる。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおけるデマンドレスポンス処理のシーケンスの一例を示す図である。
図12を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムである電力消費管理システム102では、ステップS81およびステップS82に示す動作は、図5におけるステップS41およびステップS42に示す動作と同様である。
次に、電力消費管理システム102は、総依頼抑制量を各電力需要施設3に適切に分配するための配分適正化処理を行う(ステップS83〜ステップS88)。
具体的には、電力消費管理装置12は、小売事業者装置11から節電期間と全体節電目標すなわち総依頼抑制量とを示す電力管理情報を受信して、総依頼抑制量を各電力需要施設3に分配し(ステップS83)、節電期間および節電目標を示す第1指示情報を電力需要施設3ごとに作成する。そして、電力消費管理装置12は、作成した各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する(ステップS84)。
なお、電力消費管理装置12による総依頼抑制量の分配先である電力需要施設3は、電力消費管理装置12が電力消費を管理する各電力需要施設3の全部であってもよいし、一部であってもよい。
次に、端末装置16は、電力消費管理装置12から受信した第1指示情報の内容を、自己のディスプレイに表示する等により、需要家4に提示する。
次に、需要家4は、端末装置16の表示内容を確認し、第1指示情報に従うか否か、すなわち自己の電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断する。そして、需要家4は、端末装置16を操作することにより、判断結果を端末装置16に入力する。
ここで、需要家4は、電力需要施設3を節電イベントに参加させないと判断した場合、判断結果とともに、自己の電力需要施設3において節電期間に削減可能な消費電力量(以下、抑制可能量とも称する。)と、節電期間における需要家4のスケジュール(以下、節電期間予定とも称する。)とを端末装置16に入力する。
節電期間予定は、たとえば、電力需要施設3に来客がある、または普段動作させていない機器を動作させる必要がある等、電力需要施設3における現在の節電目標を達成することができない理由を示すものである。
なお、抑制可能量の大きさは、たとえば、現在の節電目標に対するパーセンテージで表されてもよいし、レベルで表されてもよい。
次に、端末装置16は、需要家4による操作を受けて(ステップS85)、電力需要施設3を節電イベントに参加させない旨の判断結果、抑制可能量および節電期間予定を取得すると、電力需要施設3を節電イベントに参加させない旨を示す第1応答情報すなわち第1応答情報Nと、需要家4に関する情報である需要家情報とを電力消費管理装置12へ送信する(ステップS86)。ここでは、需要家情報は、抑制可能量および節電期間予定を示す。
一方、需要家4が電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨の判断結果を端末装置16に入力した場合、端末装置16は、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す第1応答情報すなわち第1応答情報Yと需要家情報とを電力消費管理装置12へ送信する(ステップS86)。ここでは、需要家情報は、需要家4の位置すなわち端末装置16の位置を示す位置情報である。
具体的には、端末装置16は、需要家4による操作を受けて、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨の判断結果を取得すると、自己の備えるGPSモジュール等から自己の位置情報を取得する。端末装置16は、取得した位置情報を需要家情報として電力消費管理装置12へ送信する。
なお、端末装置16は、第1応答情報および需要家情報を電力消費管理装置12へ同じタイミングで送信してもよいし、それぞれ異なるタイミングで送信してもよい。
次に、電力消費管理装置12は、各端末装置16から第1応答情報を受信して、全体節電目標を達成可能か否かを判断する。そして、電力消費管理装置12は、全体節電目を達成することができないと判断した場合(ステップS87でNO)、既に設定した各電力需要施設3における節電目標を修正する(ステップS88)。そして、電力消費管理装置12は、修正後の節電目標を示す新たな第1指示情報を電力需要施設3ごとに作成し、作成した各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する(ステップS84)。
ここで、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システム102における配分適正化処理についてより詳細に説明する。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理装置による総依頼抑制量の配分適正化処理の手順を定めたフローチャートである。
図13を参照して、まず、電力消費管理装置12は、小売事業者装置11から電力管理情報を受信すると、各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、およびカレンダー情報等に基づいて、総依頼抑制量を各電力需要施設3へ分配する(ステップS120)。
そして、電力消費管理装置12は、各電力需要施設3に分配した総依頼抑制量を分配先の電力需要施設3における節電目標として、各電力需要施設3への第1指示情報を作成し、対応の端末装置16へ送信する(ステップS121)。
次に、電力消費管理装置12は、各端末装置16から第1応答情報および需要家情報を受信しながら、各第1指示情報の送信から所定時間が経過するまで待機する(ステップS122でNO)。
次に、電力消費管理装置12は、第1指示情報の送信から所定時間が経過すると(ステップS122でYES)、各端末装置16から受信した第1応答情報に基づいて、全体節電目標を達成可能か否かを判断する(ステップS123)。
ここで、電力消費管理装置12は、上記所定時間が経過するまでの間に第1応答情報を自己へ送信しなかった端末装置16を、第1応答情報Nを自己へ送信した端末装置16であるとみなす。
具体的には、電力消費管理装置12は、各端末装置16から受信した第1応答情報のうち、1または複数の第1応答情報Yに基づいて、各電力需要施設3における削減予定の電力量の合計値である総削減予定量を算出する。
電力消費管理装置12は、算出した総削減予定量が総依頼抑制量に達している場合、全体節電目標を達成可能であると判断する。
電力消費管理装置12は、全体節電目標を達成できないと判断した場合(ステップS123でNO)、各電力需要施設3における節電目標を修正する(ステップS124)。
具体的には、たとえば、電力消費管理装置12は、第1応答情報Nおよび需要家情報を自己へ送信した端末装置16に対応する電力需要施設3については、節電目標を現在の設定値から当該需要家情報の示す抑制可能量に修正する。
このとき、電力消費管理装置12は、需要家情報の示す節電期間予定および電力需要施設3の過去の消費電力の実績値に基づいて、修正の内容を調整してもよい。
また、電力消費管理装置12は、第1応答情報Nを自己へ送信したが、抑制可能量を示す需要家情報を自己へ送信しなかった電力消費管理装置12を、抑制可能量がゼロであることを示す需要家情報を自己へ送信した電力消費管理装置12であるとみなす。
また、電力消費管理装置12は、当該電力需要施設3における節電目標を抑制可能量に修正したことによって生じた差分目標電力量を、第1指示情報Yおよび需要家情報を自己へ送信した各端末装置16、に対応する電力需要施設3に分配する。
具体的には、電力消費管理装置12は、端末装置16が第1指示情報Yとともに送信した需要家情報すなわち位置情報に基づいて、端末装置16の使用者である需要家4が電力需要施設3から外出しているか否かを判断する。
電力消費管理装置12は、需要家4が電力需要施設3から外出していると判断した場合、当該電力需要施設3を差分目標電力量の分配先に決定する。また、電力消費管理装置12は、たとえば、分配先として決定した電力需要施設3に分配する差分目標電力量の大きさを、当該需要家4が過去に電力需要施設3から外出した際の電力需要施設3の消費電力等に基づいて決定する。
なお、電力消費管理装置12は、第1指示情報を未だ送信していない端末装置16に対応する電力需要施設3を、差分目標電力量の分配先としてもよい。
差分目標電力量の全部を分配することができれば、総依頼抑制量に総削減予定量が達することになる。
電力消費管理装置12は、差分目標電力量の分配先の電力需要施設3における現在の節電目標に、差分目標電力量から分配された量を加えることにより、当該分配先の電力需要施設3における節電目標を修正する。
電力消費管理装置12は、修正後の節電目標を示す新たな第1指示情報すなわち修正した第1指示情報を電力需要施設3ごとに作成し、作成した各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する(ステップS121)。
このように、電力消費管理装置12は、たとえば、総削減予定量が総依頼抑制量に達するまでの間(ステップS123でNO)、ステップS121〜ステップS124に示す動作を繰り返す。
ただし、電力消費管理装置12は、総削減予定量が節電期間の到来する所定時間前までに総依頼抑制量に達しない場合、総依頼抑制量の配分適正化処理を終了し、アグリゲータ2の節電イベントへの不参加を決定する。
一方、電力消費管理装置12は、たとえば、総削減予定量が総依頼抑制量に達したことにより、全体節電目標を達成可能であると判断した場合(ステップS123でYES)、総依頼抑制量の配分適正化処理を終了する。
再び図12を参照して、ステップS89〜ステップS98に示す動作は、図5におけるステップS48〜ステップS57に示す動作と同様である。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の構成も示している。
図7を参照して、電力消費管理装置12は、受信部31と、記憶部32と、指示作成部(指示情報作成部)33と、処理部(取得部)34と、送信部35とを備える。
送信部35は、複数の端末装置16へ第1指示情報を送信する。記憶部32は、各電力需要施設3の位置情報を予め記憶している。
受信部31は、各端末装置16から第1応答情報および需要家情報を受信し、受信した第1応答情報および需要家情報を処理部34へ出力する。
処理部34は、端末装置16から受信部31経由で需要家情報を取得して、取得した需要家情報を指示作成部33へ出力する。具体的には、処理部34は、送信部35によって各端末装置16へ第1指示情報が送信された後、各端末装置16から送信された需要家情報を取得する。
また、処理部34は、受信部31から各第1応答情報を受けて、電力管理情報の示す全体節電目標を達成可能か否かを判断する。具体的には、処理部34は、受信部31から受けた各第1応答情報のうち、1または複数の第1応答情報Yに基づいて、総削減予定量を算出する。処理部34は、算出した総削減予定量が総依頼抑制量に達している場合、全体節電目標を達成可能であると判断する。
処理部34は、電力管理情報の示す全体節電目標を達成できないと判断した場合、全体節電目標を達成できない旨の通知を指示作成部33へ出力する。
指示作成部33は、処理部34によって取得された需要家情報に基づいて、第1指示情報を作成する。
具体的には、指示作成部33は、処理部34から全体節電目標を達成できない旨の通知を受けると、処理部34によって取得された需要家情報に基づいて、各電力需要施設3における現在の節電目標を修正することにより、各端末装置16への第1指示情報を修正する。
より具体的には、指示作成部33は、第1応答情報Nおよび需要家情報を自己へ送信した端末装置16、に対応する電力需要施設3の節電目標を、現在の設定値からたとえば当該需要家情報の示す抑制可能量に修正する。
また、指示作成部33は、端末装置16へ送信すべき第1指示情報を、他の端末装置16から取得された需要家情報に基づいて修正する。具体的には、指示作成部33は、第1応答情報Yおよび需要家情報を自己へ送信した端末装置16、に対応する電力需要施設3における節電目標を、他の端末装置16の節電目標を修正したことによって生じた差分目標電力量に基づいて修正する。
より具体的には、指示作成部33は、第1応答情報Yとともに送信された各需要家情報すなわち各端末装置16の位置情報と、記憶部32において記憶されている各電力需要施設3の位置情報とに基づいて、需要家4が電力需要施設3から外出中であるか否かを判断する。具体的には、指示作成部33は、端末装置16の位置が電力需要施設3の外である場合、電力需要施設3から需要家4が外出中であると判断する。
指示作成部33は、需要家4が外出中であると判断した電力需要施設3に差分目標電力量を分配して電力需要施設3の節電目標を修正することにより、第1指示情報を修正する。
指示作成部33は、修正後の各第1指示情報を送信部35へ出力する。送信部35は、指示作成部33から受けた修正後の各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける端末装置の構成を示す図である。
図14を参照して、端末装置16は、受信部51と、送信部52と、処理部53と、操作部54と、表示部55と、位置取得部56とを備える。
位置取得部56は、たとえば、GPSモジュール等を含み、端末装置16の位置を示す位置情報を出力することができる。
受信部51は、電力消費管理装置12から第1指示情報を受信し、受信した第1指示情報を処理部53へ出力する。
処理部53は、受信部51から受けた第1指示情報の内容をたとえばディスプレイである表示部55に表示する。
需要家4は、表示部55に表示された第1指示情報の内容つまり自己の電力需要施設3における節電目標および節電期間を確認し、電力需要施設3を節電イベントに参加させるか否かを判断する。
需要家4は、電力需要施設3を節電イベントに参加させないと判断した場合、操作部54を操作することにより、判断結果とともに抑制可能量および節電期間予定を端末装置16に入力する。
操作部54は、需要家4の操作により取得した、電力需要施設3を節電イベントに参加させない旨の判断結果、抑制可能量および節電期間予定を処理部53へ通知する。
処理部53は、操作部54からの通知を受けて、電力需要施設3を節電イベントに参加させない旨を示す第1応答情報すなわち第1応答情報Nと、抑制可能量および節電期間予定を示す需要家情報とを作成して送信部52へ出力する。
送信部52は、処理部53から受けた第1応答情報Nおよび需要家情報を電力消費管理装置12へ送信する。
一方、需要家4は、電力需要施設3を節電イベントに参加させると判断した場合、操作部54を操作することにより、判断結果を端末装置16に入力する。
操作部54は、需要家4の操作により取得した、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨の判断結果を処理部53へ通知する。
処理部53は、操作部54からの通知を受けると、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す第1応答情報すなわち第1応答情報Yを作成する。そして、処理部53は、端末装置16の位置情報すなわち需要家4の位置情報を位置取得部56から需要家情報として取得し、作成した第1応答情報Yおよび取得した需要家情報を送信部52へ出力する。
送信部52は、処理部53から受けた第1応答情報Yおよび需要家情報を電力消費管理装置12へ送信する。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システム102では、電力消費管理装置12は、自己へ第1応答情報Nを送信した端末装置16に対応する電力需要施設3の節電目標の修正を行った後、修正内容に基づいて、すなわち差分目標電力量に基づいて、自己へ第1応答情報Yを送信した端末装置16に対応する電力需要施設3の節電目標を修正する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
たとえば、電力消費管理装置12は、自己へ第1応答情報Yを送信した端末装置16に対応する電力需要施設3の節電目標の修正を行った後、修正内容に基づいて、自己へ第1応答情報Nを送信した端末装置16に対応する電力需要施設3の節電目標を修正する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システム102では、電力消費管理装置12へ第1応答情報Yを送信する端末装置16は、第1応答情報Yとともに需要家情報として位置情報を送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、当該端末装置16は、第1応答情報Yとともに、抑制可能量を示す需要家情報を送信する構成であってもよい。
たとえば、需要家4は、端末装置16が第1指示情報を受信した後、当該第1指示情報の内容を確認して、電力需要施設3を節電イベントに参加させると判断し、判断結果を端末装置16に入力する。このとき、需要家4は、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨の判断結果とともに、抑制可能量を端末装置16に入力する。ここで、需要家4が入力する抑制可能量は、当該電力需要施設3における現在の節電目標よりも大きい電力量である。
端末装置16における処理部53は、需要家4による操作に基づいて、第1応答情報Yと、抑制可能量を示す需要家情報とを作成し、作成した送信部52へ出力する。送信部52は、処理部53から受けた第1応答情報Yおよび需要家情報を電力消費管理装置12へ送信する。
電力消費管理装置12は、第1応答情報Nを自己へ送信した端末装置16に対応する電力需要施設3については、当該第1応答情報Nとともに送信された需要家情報の示す抑制可能量に基づいて、節電目標である消費電力量を小さくする修正を行う。また、電力消費管理装置12は、第1応答情報Yを自己へ送信した端末装置16に対応する電力需要施設3については、当該第1応答情報Yとともに送信された需要家情報の示す抑制可能量に基づいて、節電目標である消費電力量を大きくする修正を行う。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システム102では、1つの電力需要施設3に対応する複数の端末装置16が用いられてもよい。これら複数の端末装置16は、電力需要施設3における複数のユーザすなわち複数の需要家4によってそれぞれ使用される。
この場合、電力消費管理装置12は、全部の需要家4が電力需要施設3から外出していると判断したときに、当該電力需要施設3を差分目標電力量の分配先に決定してもよいし、一部の需要家4が電力需要施設3から外出していると判断したときに当該電力需要施設3を差分目標電力量の分配先に決定してもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理装置では、処理部(取得部)34は、端末装置16から対応する電力需要施設3の需要家4に関する需要家情報を取得する。指示作成部(指示情報作成部)33は、処理部34によって取得された需要家情報に基づいて、第1指示情報を作成する。
このような構成により、需要家4の情報を反映して当該需要家4に対する指示の内容を決めることができるため、たとえば、需要家4に許容される可能性の高い指示情報を作成することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理装置では、処理部34は、第1指示情報が送信部35によって端末装置16へ送信された後、需要家情報を取得する。指示作成部33は、処理部34によって取得された需要家情報に基づいて第1指示情報を修正する。送信部35は、指示作成部33によって修正された第1指示情報を端末装置16へ送信する。
このように、端末装置16へ既に送信した指示情報の内容を需要家情報に基づいて修正し、修正後の指示情報を再び端末装置16へ送信する構成により、たとえば、指示に従わないと一旦判断した需要家4に許容される可能性の高い指示情報を改めて送信することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理装置では、送信部35は、複数の電力需要施設3にそれぞれ対応する複数の端末装置16へ第1指示情報を送信する。処理部34は、複数の端末装置16から需要家情報を取得する。指示作成部33は、端末装置16へ送信すべき第1指示情報を、他の端末装置16から取得された需要家情報に基づいて修正する。
このような構成により、たとえば、電力需要施設3間で電力消費の抑制量を調整することができるため、複数の電力需要施設3の電力消費に関する全体的な目標を柔軟に達成することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理装置では、需要家情報は、需要家4のスケジュール、電力消費の抑制可能量および需要家4の位置のうちの少なくともいずれか1つに関する情報である。
このような構成により、たとえば、電力需要施設3における消費電力を推測することができるため、需要家4に許容される可能性の高い指示情報をより確実に作成することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る電力消費管理システムと比べて、需要者の予定を予め電力消費管理装置へ通知する電力消費管理システムに関する。以下で説明する内容以外は、第2の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様である。
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システムにおけるデマンドレスポンス処理のシーケンスの一例を示す図である。
図15を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システム103では、まず、各需要家4は、自己の端末装置16を操作することにより、自己のスケジュール(以下、需要家予定とも称する)を定期的または不定期に端末装置16に入力する。
端末装置16は、需要家4による操作を受けて、需要家予定を取得すると(ステップS179)、需要家4に関する情報である需要家情報を電力消費管理装置12へ送信する(ステップS180)。ここでは、需要家情報は需要家予定を示す。
電力消費管理装置12は、各端末装置16から需要家情報を受信して、各需要家情報の示す需要家予定を記憶する。
ステップS181およびステップS182に示す動作は、図5におけるステップS41およびステップS42に示す動作と同様である。
次に、電力消費管理システム103は、総依頼抑制量を各電力需要施設3に適切に分配するための配分適正化処理を行う(ステップS183〜ステップS188)。
具体的には、電力消費管理装置12は、予め取得した需要家予定に基づいて、総依頼抑制量を各電力需要施設3に分配する。
より具体的には、電力消費管理装置12は、最初に総依頼抑制量を分配する際、各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、およびカレンダー情報に加え、さらに各需要家予定に基づいて、総依頼抑制量を各電力需要施設3へ分配する(ステップS183)。
たとえば、電力消費管理装置12は、需要家4の複数種類の行動と、需要家4が過去に各種類の行動をとった際の電力需要施設3における消費電力との対応関係を示す情報(以下、行動消費関係情報とも称する)を予め記憶している。電力消費管理装置12は、たとえば電力需要施設3ごとの行動消費関係情報を記憶している。ここで、需要家4の行動とは、たとえば、「電力需要施設3から外出する」または「電力需要施設3において来客がある」等である。
たとえば、行動消費関係情報は、需要家4の行動の種類と、電力需要施設3における消費電力との対応関係を示すテーブルである。
電力消費管理装置12は、最初に総依頼抑制量を分配する際、行動消費関係情報を参照して、需要家予定に対応する消費電力を、対応の電力需要施設3における節電期間の推定消費電力として取得する。
そして、たとえば、電力消費管理装置12は、各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、およびカレンダー情報等に基づいて、各電力需要施設3における節電期間の推定消費電力を補正する。
電力消費管理装置12は、各電力需要施設3における補正後の推定消費電力に応じて総依頼抑制量を分配し、節電期間および節電目標を示す第1指示情報を電力需要施設3ごとに作成する。そして、電力消費管理装置12は、作成した各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する(ステップS184)。
配分適正化処理における他の動作、すなわちステップS185〜ステップS188に示す動作は、図12におけるステップS185〜ステップS188に示す動作と同様である。
また、ステップS189〜ステップS198に示す動作は、図12におけるS89〜ステップS98に示す動作と同様である。
図16は、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の構成を示す図である。
図16を参照して、電力消費管理装置12は、受信部31と、記憶部32と、指示作成部(指示情報作成部)33と、処理部(取得部)34と、送信部35とを備える。
記憶部32は、各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、カレンダー情報および行動消費関係情報等を予め記憶している。
処理部34は、通常時すなわち送信部35によって第1指示情報が電力消費管理装置12へ送信される前の状態において、各端末装置16から送信された需要家予定を示す需要家情報を取得し、取得した需要家情報を記憶部32に保存する。
具体的には、受信部31は、通常時において各端末装置16から送信された需要家情報を受信して、受信した需要家情報を処理部34へ出力する。処理部34は、受信部31から受けた需要家情報を記憶部32に保存する。
処理部34は、端末装置16から送信された需要家予定を示す需要家情報を取得した後、当該端末装置16から送信された新たな需要家予定を示す需要家情報を取得した場合、記憶部32に保存している需要家情報を新たな需要家情報に更新する。
受信部31は、小売事業者装置11から送信された電力管理情報を受信して、指示作成部33へ出力する。
指示作成部33は、受信部31から電力管理情報を受けると、処理部34によって取得された需要家情報に基づいて、第1指示情報を作成する。
具体的には、指示作成部33は、受信部31から電力管理情報を受けると、記憶部32から各電力需要施設3における需要家予定を示す需要家情報と、行動消費関係情報とを取得する。
指示作成部33は、行動消費関係情報を参照して、需要家予定に対応する消費電力量を節電期間における電力需要施設3の推定消費電力として取得する。
そして、指示作成部33は、各電力需要施設3における消費電力量の実績値情報、各電力需要施設3における消費電力のベースライン情報、気象情報、およびカレンダー情報等を記憶部32から取得し、取得した情報に基づいて推定消費電力を補正する。
指示作成部33は、各電力需要施設3の、補正後の推定消費電力に応じて、各電力需要施設3に総依頼抑制量を分配し、節電期間および節電目標を示す第1指示情報を電力需要施設3ごとに作成する。そして、指示作成部33は、作成した各第1指示情報を送信部35へ出力する。
送信部35は、指示作成部33から受けた各第1指示情報を対応の端末装置16へ送信する。
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける端末装置の構成も示している。
図14を参照して、需要家4は、通常時すなわち第1指示情報が受信部51によって受信される前の状態において、操作部54を操作することにより、需要家予定を端末装置16に入力する。
操作部54は、需要家4による操作により取得した需要家予定を処理部53に通知する。処理部53は、操作部54からの通知を受けて、需要家予定を示す需要家情報を作成し、作成した需要家情報を送信部52へ出力する。送信部52は、処理部53から受けた需要家情報を電力消費管理装置12へ送信する。
なお、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システム103では、電力消費管理装置12は、通常時において、需要家予定を端末装置16に入力するように需要家4に依頼するための情報を、定期的または不定期に各端末装置16へ送信してもよい。
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システム103では、電力消費管理装置12は、行動消費関係情報を自ら作成しもよい。
具体的には、たとえば、電力消費管理装置12は、端末装置16から取得した複数の需要家情報の示す需要家予定と、自己の記憶している実績値情報とに基づいて、需要家4の行動と、電力需要施設3における消費電力との関係をテーブル化することにより、行動消費関係情報を作成する。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理装置では、処理部(取得部)34は、第1指示情報が送信部35によって端末装置16へ送信される前に需要家情報を取得する。指示作成部(指示情報作成部)33は、処理部34によって取得された需要家情報に基づいて第1指示情報を作成する。
このような構成により、端末装置16へ最初に送信する指示情報の内容を、予め取得した需要家情報に基づいて決めることができるため、需要家4に許容される可能性の高い指示情報をより確実に作成することができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システムでは、需要家情報は、需要家4のスケジュールに関する情報である。
このような構成により、たとえば、需要家4施設における消費電力を推測することができるため、需要家4に許容される可能性の高い指示情報をより確実に作成することができる。
その他の構成および動作は第2の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと比べて、需要家装置および端末装置が通信を行う電力消費管理システムに関する。以下で説明する内容以外は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様である。
図17は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムの構成を示す図である。
図17を参照して、電力消費管理システム104は、小売事業者装置11と、電力消費管理装置12と、複数の需要家装置13と、複数の負荷15と、複数の端末装置16とを備える。
電力消費管理システム104は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システム101と比べて、需要家装置13が端末装置16と通信を行う構成である。具体的には、需要家装置13は、たとえば無線LANまたは携帯電話網経由で端末装置16と通信を行う。
需要家装置13は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信すると、端末装置16から端末装置16の位置を示す位置情報(存在情報)を取得する。需要家装置13は、端末装置16の位置情報に基づいて、需要家4が電力需要施設3から外出しているか否か、すなわち需要家4が電力需要施設3に存在しているか否かを判断する。
需要家装置13は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信して、需要家4が電力需要施設3から外出していると判断した場合、節電イベントに参加する旨を示す第2応答情報すなわち第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する。
図18は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムにおけるデマンドレスポンス処理のシーケンスの一例を示す図である。
図18を参照して、ステップS241〜ステップS248に示す動作は、図5におけるステップS41〜ステップS48に示す動作と同様である。
次に、需要家装置13は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信すると、位置情報を要求するための位置情報要求を端末装置16へ送信する(ステップS249)。
次に、端末装置16は、需要家装置13から位置情報要求を受信して、自己の位置情報を需要家装置13へ送信する(ステップS250)。
次に、需要家装置13は、端末装置16から位置情報を受信して、受信した端末装置16の位置情報と、予め記憶している自己の電力需要施設3の位置情報とに基づいて、電力需要施設3に需要家4が存在しているか否かを判断する(ステップS251)。
具体的には、需要家装置13は、端末装置16の位置が電力需要施設3の外にある場合、需要家4が電力需要施設3から外出している、すなわち電力需要施設3に需要家4が存在していないと判断する。
次に、需要家装置13は、電力需要施設3に需要家4が存在していないと判断した場合、電力需要施設3を節電イベントに参加させる旨を示す第2応答情報すなわち第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する(ステップS252)。
ステップS253〜ステップS260に示す動作は、図5におけるステップS50〜ステップS57に示す動作と同様である。
図19は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける需要家装置の構成を示す図である。
図19を参照して、需要家装置13は、記憶部20と、受信部21と、送信部22と、検知部23と、処理部(取得部)24と、操作部25と、制御部26と、表示部27と、測定部28とを備える。
記憶部20は、自己の需要家装置13が用いられる電力需要施設3の位置情報を予め記憶している。
受信部21は、電力消費管理装置12から第2指示情報を受信して、受信した第2指示情報を処理部24へ出力する。
処理部24は、受信部21から第2指示情報から受けると、端末装置16に位置情報を要求するための位置情報要求を作成し、送信部22へ出力する。送信部22は、処理部24から受けた位置情報要求を端末装置16へ送信する。
また、受信部21は、端末装置16から送信された電力需要施設3における人の存在に関する位置情報を受信して、受信した位置情報を処理部24へ出力する。
処理部24は、受信部21から出力された端末装置16の位置情報を取得すると、記憶部20から自己の電力需要施設3の位置情報を取得する。そして、処理部24は、端末装置16の位置情報および電力需要施設3の位置情報に基づいて、需要家4が電力需要施設3から外出中か否か、すなわち電力需要施設3に人が存在しているか否かを判断する。
具体的には、処理部24は、端末装置16の位置が電力需要施設3の外にある場合、電力需要施設3に需要家4が存在していないと判断する。
処理部24は、電力需要施設3に需要家4が存在していないと判断した場合、第2応答情報Yを作成して送信部22へ出力する。
送信部22は、処理部24によって取得された端末装置16の位置情報に基づいて、第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する。
具体的には、送信部22は、処理部24が端末装置16の位置情報に基づいて作成した第2応答情報Yを電力消費管理装置12へ送信する。
一方、処理部24は、電力需要施設3に需要家4が存在していると判断した場合、第2応答情報Nを作成して送信部22へ出力する。送信部22は、処理部24から受けた第2応答情報Nを電力消費管理装置12へ送信する。
図20は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける端末装置の構成を示す図である。
図20を参照して、端末装置16は、受信部51と、送信部52と、処理部53と、操作部54と、表示部55と、位置取得部56とを備える。
受信部51は、需要家装置13から位置情報要求を受信して処理部53へ出力する。処理部53は、受信部51から位置情報要求を受けて、位置取得部56から端末装置16の位置情報を取得する。処理部53は、取得した端末装置16の位置情報を送信部52へ出力する。
送信部52は、処理部53から受けた端末装置16の位置情報を需要家装置13へ送信する。
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る需要家装置では、受信部21は、電力需要施設3における電力消費を管理する電力消費管理装置12が、電力消費に関する第1指示情報を端末装置16へ送信し、端末装置16から第1指示情報に対する第1応答情報を受信し、受信した第1応答情報に基づいて電力消費管理装置12から送信される、電力消費に関する第2指示情報を受信する。処理部(取得部)24は、電力需要施設3における人の存在に関する存在情報を取得する。送信部22は、処理部24によって取得された存在情報に基づいて、第2指示情報に従う旨の第2応答情報を電力消費管理装置12へ送信する。
このように、電力消費に関する指示情報を、携帯端末装置等、需要家4の利用頻度の高い端末装置16へ送信する構成により、需要家4の行動を的確に反映した節電の指示または当該指示に従うか否かの判断を得ることができる。また、需要家装置13では、たとえば、電力需要施設3に需要家4が存在するときは当該需要家4の判断を得ながら、需要家4が不在のときは当該指示に従う旨を自動的に電力消費管理装置12に通知することができる。
したがって、本発明の第4の実施の形態に係る需要家装置では、電力需要施設3における電力消費を適切に管理することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置が、前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信し、前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信し、受信した前記第1の応答情報に基づいて前記電力消費管理装置から送信される、前記電力消費に関する第2の指示情報を受信する受信部と、
前記受信部によって前記第2の指示情報が受信されたことに応答して、前記第2の指示情報に従う旨の第2の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信する送信部とを備え、
前記第1の指示情報および前記第2の指示情報は、前記電力需要施設において削減すべき消費電力に関する情報を含み、
前記端末装置は、前記電力消費管理装置から前記第1の指示情報を受信した後、受信した前記第1の指示情報に対する応答内容の入力を受けて、前記応答内容を示す前記第1の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信し、
BEMSまたはHEMSに用いられる、需要家装置。
[付記2]
電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置であって、
前記電力消費に関する第1の指示情報を端末装置へ送信する送信部と、
前記端末装置から前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を受信する受信部とを備え、
前記送信部は、前記受信部によって受信された前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を、前記電力需要施設において用いられる需要家装置へ送信し、
前記第1の指示情報および前記第2の指示情報は、前記電力需要施設において削減すべき消費電力に関する情報を含み、
前記端末装置は、前記送信部によって送信された前記第1の指示情報を受信した後、受信した前記第1の指示情報に対する応答内容の入力を受けて、前記応答内容を示す前記第1の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信し、
BEMSまたはHEMSに用いられる、電力消費管理装置。
[付記3]
電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置と、
前記電力需要施設において用いられる需要家装置と、
端末装置とを備え、
前記電力消費管理装置は、前記電力消費に関する第1の指示情報を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、前記電力消費管理装置から前記第1の指示情報を受信して、受信した前記第1の指示情報に対する第1の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信し、
前記電力消費管理装置は、前記端末装置から前記第1の応答情報を受信して、受信した前記第1の応答情報に基づいて、前記電力消費に関する第2の指示情報を前記需要家装置へ送信し、
前記第1の指示情報および前記第2の指示情報は、前記電力需要施設において削減すべき消費電力に関する情報を含み、
前記端末装置は、前記電力消費管理装置から前記第1の指示情報を受信した後、受信した前記第1の指示情報に対する応答内容の入力を受けて、前記応答内容を示す前記第1の応答情報を前記電力消費管理装置へ送信し、
BEMSまたはHEMSに用いられる、電力消費管理システム。