JP6691153B2 - チェーンユニット - Google Patents

Description

本発明は、チェーンの両側に配置されたサイドローラを有するチェーンユニットに関する。

下記特許文献１には、複数の一対の内プレートと複数の一対の外プレートとが連結ピンを介して回動可能な状態で直列に連結されたチェーンの両側に、そのチェーンの直列方向に沿ってサイドローラが千鳥状に配置されたコンベアチェーンが開示されている。

特開平８−２７７８８６号公報

ところで、上記の特許文献１のコンベアチェーンでは、チェーンの直列方向に沿ってチェーンの両側に千鳥状にサイドローラが配置されている。このため、チェーンを挟んで対向するようチェーンの両側にサイドローラが配置される場合に比べて、直列方向において隣り合うサイドローラの間に大きな隙間が生じる傾向にある。このため、チェーンの直列方向において隣り合うサイドローラの間の隙間に異物が入り、チェーンの走行が意図せず停止することが懸念される。

そこで、本発明は、意図せずチェーンの走行が停止することを抑制し得るチェーンユニットを提供することを目的とする。

本発明の態様は、チェーンユニットであって、直列方向に沿って環状に延在するチェーンと、前記チェーンの直列方向に沿って互いに間隔をあけて、前記チェーンの両側に配置される複数のサイドローラと、前記チェーンの両側に設けられ、前記チェーンの走行に連動して回転する一対の回転体と、を備え、前記回転体は、前記チェーンの内側に位置する回転本体と、前記回転本体から突出するように設けられ前記チェーンの直列方向に沿って隣り合う前記サイドローラの間の隙間に配置される複数の凸部とを有する。

上記の態様のチェーンユニットでは、回転体によって、サイドローラの間の隙間に異物が入ることを抑制することができる。したがって、上記の態様のチェーンユニットによれば、意図せずチェーンの走行が停止することを抑制することができる。

実施の形態におけるチェーンユニットの一部の構成を示す模式図である。 図１のチェーンユニットの回転体を省略した模式図である。 回転体の回転の様子を示す図である。 変形例の回転体を示す模式図である。 変形例の回転体の取り付け状態（１）を示す概略図である。 変形例の回転体の取り付け状態（２）を示す概略図である。

本発明に係るチェーンユニットについて、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。

〔実施の形態〕
図１は実施の形態におけるチェーンユニット１０の一部の構成を示す模式図であり、図２はチェーンユニット１０の回転体２０を省略した模式図である。本実施の形態におけるチェーンユニット１０は、複数のスプロケット１２、テンショナー１４、チェーン１６、複数のサイドローラ１８および一対の回転体２０を主に備える。なお、図１および図２では、便宜上、１つのスプロケット１２だけが示され、またテンショナー１４およびチェーン１６の一部だけが示されている。

スプロケット１２は、回転軸の動力をチェーン１６に伝達する歯車であり、円盤状の本体１２ａと、その本体１２ａの周縁に沿って間隔をあけて本体１２ａから外側に突出する複数の歯１２ｂとを有する。テンショナー１４は、チェーン１６の張力を調整する部材である。このテンショナー１４によって、チェーン１６が緩むことなく複数のスプロケット１２に巻き掛けられる。

チェーン１６は、複数の一対の内プレート１６ａと、複数の一対の外プレート１６ｂとが複数の連結ピン１６ｃを介して回動可能な状態で直列に連結された構造を有し、直列方向に沿って環状に延在する。

具体的に内プレート１６ａと外プレート１６ｂとは、互いの端部が重なるように直列方向にシフトされており、互いに重なる端部に連結ピン１６ｃが挿通されることで、内プレート１６ａと外プレート１６ｂとが直列に連結される。連結ピン１６ｃは、チェーン１６の直列方向に沿って略一定間隔で配置され、当該チェーン１６の直列方向とは略直交する方向に沿って延在する。

なお、一対の内プレート１６ａの間には、連結ピン１６ｃが挿通される管状部材１６ｄが設けられており、この管状部材１６ｄによって一対の内プレート１６ａにおける幅方向の相対的な位置が固定される。また、この管状部材１６ｄは、チェーン１６の直列方向に沿って略一定間隔で配置されており、当該管状部材１６ｄの間にスプロケット１２の歯１２ｂが噛み込む。これにより、スプロケット１２の回転に連動してチェーン１６が直列方向に沿って走行する。

複数のサイドローラ１８は、チェーン１６とそのチェーン１６上に置かれる搬送体（図示せず）との衝突などを和らげる緩衝用のローラであり、チェーン１６の直列方向に沿って、そのチェーン１６の両側に千鳥状に配置される。

これらのサイドローラ１８は、外プレート１６ｂよりも外側に延在する連結ピン１６ｃに対して回転可能に設けられる。具体的には、例えば、外プレート１６ｂの外側の面に円管状のブシュ１８ａが固定され、そのブシュ１８ａの外周面をサイドローラ１８が回転可能に取り付けられる。

なお、円管状のブシュ１８ａの管内には外プレート１６ｂよりも外側に延在する連結ピン１６ｃが挿通され、その挿通された連結ピン１６ｃの端部が割ピンもしくはカシメなどによってブシュ１８ａに固定される。また、サイドローラ１８が設けられる連結ピン１６ｃの端部とは逆側の端部も、例えば、割ピンもしくはカシメなどによって外プレート１６ｂに固定される。

一対の回転体２０は、チェーン１６の両側に設けられている。各々の回転体２０は、円盤状に形成された回転本体２０ａと、その回転本体２０ａに設けられる複数の凸部２０ｂとを有する。

回転本体２０ａは、チェーン１６の内側に位置している。この回転本体２０ａは、スプロケット１２の回転軸に取り付けられており、その回転軸からの動力によってスプロケット１２と一緒に回転する。したがって、回転体２０は、チェーン１６の走行に連動して回転する。なお、回転本体２０ａの略中央には不図示の孔が穿設されており、この孔を介してテンショナー１４とスプロケット１２とが接続される。

複数の凸部２０ｂは、回転本体２０ａの周縁に沿って間隔をあけて回転本体２０ａから外側に向かって突出するように設けられる。凸部２０ｂが設けられる間隔は、チェーン１６の直列方向において隣り合うサイドローラ１８の隙間ＳＰの間隔と同位相である。

図３は、回転体２０の回転の様子を示す図である。このチェーン１６の走行方向が転換する部位（走行転換部位）では、スプロケット１２の歯１２ｂがチェーン１６に噛み込むことでチェーン１６がスプロケット１２に巻き込まれる。このとき、スプロケット１２と一緒に回転する回転体２０の凸部２０ｂは、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入り込み、その隙間ＳＰに入り込んだ状態でスプロケット１２の回転方向と同じ方向に移動する。

したがって、走行転換部位とは異なる箇所でサイドローラ１８の間の隙間ＳＰに異物ＦＭが入っても、その異物ＦＭは走行転換部位においてサイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入り込む回転体２０の凸部２０ｂによってチェーン１６の外側に押し出される。この異物ＦＭは、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入ってサイドローラ１８と干渉するものであり、具体的には、例えば、作業者の指、あるいは、作業者が装着している装着物などが挙げられる。

このように本実施の形態のチェーンユニット１０では、回転体２０によって、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰに異物ＦＭが入ることを抑制することができる。したがって、本実施の形態のチェーンユニット１０によれば、意図せずチェーン１６の走行が停止することを抑制することができる。

なお、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入り込んだ凸部２０ｂと、その凸部２０ｂを挟むサイドローラ１８とは接触してもよいし非接触であってもよい。サイドローラ１８の隙間ＳＰに入り込んだ凸部２０ｂとサイドローラ１８とが非接触である場合、当該凸部２０ｂとサイドローラ１８との間には空間が形成される。この空間は、サイドローラ１８と干渉する異物ＦＭがチェーン１６の直列方向において隣り合うサイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入ることができない程度とされる。

〔変形例〕
以上、本発明の一例として上記実施の形態が説明されたが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることはもちろんである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

なお、変更または改良を加えた形態の一部は変形例として以下に説明する。ただし、上記実施の形態において説明した構成と同等の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

［変形例１］
上記実施の形態では、チェーン１６の走行方向が転換する部位（走行転換部位）に一対の回転体２０が設けられたが、走行転換部位以外の部位に設けられていてもよい。なお、チェーン１６の走行方向はスプロケット１２によって転換される。つまり、走行転換部位は、スプロケット１２が配置される箇所であり、走行転換部位以外の部位は、スプロケット１２が配置されていない箇所である。

なお、環状のチェーン１６が巻き掛けられている場合には複数の走行転換部位がある。一対の回転体２０は、この複数の走行転換部位のそれぞれに設けられていてもよく、複数の走行転換部位の一部に設けられていてもよい。

［変形例２］
上記実施の形態では、円盤状の回転体２０が適用されたが、図４に示すように、ベルト状の回転体３０が適用されてもよい。この回転体３０は、回転本体３０ａと、回転本体３０ａに設けられサイドローラ１８の間の隙間ＳＰに配置される複数の凸部３０ｂとを有する。

複数の凸部３０ｂは、上記実施の形態における複数の凸部２０ｂと同様に、回転本体３０ａの周縁に沿って間隔をあけて回転本体３０ａから外側に向かって突出するように設けられる。凸部３０ｂが設けられる間隔は、チェーン１６の直列方向において隣り合うサイドローラ１８の隙間ＳＰの間隔と同位相である。

回転本体３０ａは、弾性を有し、ベルト状に形成される。これにより、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入り込む凸部３０ｂの数を増加させ易くなる。なお、回転本体３０ａから突出する複数の凸部３０ｂは、回転本体３０ａと同様に弾性を有していてもよく、弾性を有していなくてもよい。

このような回転体３０は、走行転換部位に設けられていてもよく、走行転換部位以外の部位に設けられていてもよく、走行転換部位と、走行転換部位以外の部位とを含むように設けられていてもよい。

例えば、図５に示すように、回転体３０は、走行転換部位以外の部位に設けることができる。すなわち、各々の回転体３０における回転本体３０ａは、スプロケット１２が配置されていない箇所におけるチェーン１６の内側に配置される。また、各々の回転体３０における複数の凸部３０ｂのうちチェーン１６に対向する少なくとも２以上の凸部３０ｂの各々は、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入り込んだ状態で配置される。

このような回転体３０が設けられる箇所とは異なる箇所でサイドローラ１８の間の隙間ＳＰに異物ＦＭが入っても、その回転体３０が設けられる箇所において隙間ＳＰに入り込む凸部３０ｂによって異物ＦＭがチェーン１６の外側に押し出される。したがって、上記実施の形態と同様に、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰに異物ＦＭが入ることを抑制することができる。

また、図６に示すように、走行転換部位と、走行転換部位以外の部位とを含むように設けることができる。すなわち、各々の回転体３０における回転本体３０ａは、環状のチェーン１６の内側に、そのチェーン１６の全周にわたって沿うように配置される。

また、各々の回転体３０における複数の凸部３０ｂの各々が、チェーン１６の片側において間隔をあけて配置される複数のサイドローラ１８の間の隙間ＳＰのすべてに入り込んだ状態で配置される。つまり、凸部３０ｂとサイドローラ１８の間の隙間ＳＰとが一対一の関係である。このような回転体３０では、サイドローラ１８の間の隙間ＳＰのすべてに異物ＦＭが入ることを抑制することができる。

なお、回転本体３０ａは、複数の凸部３０ｂとともに他の支持部材により支持されていてもよい。また、回転体３０のうち、チェーン１６の両側に配置される各々の回転本体３０ａが架橋部材により連結されていてもよい。

［変形例３］
上記実施の形態では、チェーン１６の直列方向において隣り合うサイドローラ１８の間の隙間ＳＰに入り込んだ凸部２０ｂが、その隙間ＳＰ内に納まっていたが、当該サイドローラ１８よりも外側に突出していてもよい。

［変形例４］
上記実施の形態では、チェーン１６の両側における各々のサイドローラ１８の設置間隔は１ピンおきであったが、３以上の奇数ピンおきであってもよい。

また、複数のサイドローラ１８は、チェーン１６の直列方向に沿って、チェーン１６の両側に千鳥状に配置された。しかし、複数のサイドローラ１８は、チェーン１６を挟んで、対となるように、チェーン１６の両側に配置されていてもよい。この場合、対となる一方のサイドローラ１８は連結ピン１６ｃの一端部側に回転可能に設けられ、対となる他方のサイドローラ１８は連結ピン１６ｃの他端部側に回転可能に設けられる。なお、連結ピン１６ｃの一端部側は、一対の外プレート１６ｂの一方から外側に延在する部分であり、他端部側は、一対の外プレート１６ｂの他方から外側に延在する部分である。

［変形例５］
上記実施の形態では、一対の内プレート１６ａの間に設けられる管状部材１６ｄの外周面にローラが設けられていなかったが、当該ローラが設けられていてもよい。

［変形例６］
上記実施の形態および上記変形例１〜５は、矛盾の生じない範囲で任意に組み合わされてもよい。

〔技術的思想〕
上記実施の形態および変形例から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。

チェーンユニット（１０）は、直列方向に沿って環状に延在するチェーン（１６）と、チェーン（１６）の直列方向に沿って互いに間隔をあけて、チェーン（１６）の両側に配置される複数のサイドローラ（１８）と、チェーン（１６）の両側に設けられ、チェーン（１６）の走行に連動して回転する一対の回転体（２０、３０）と、を備える。各々の回転体（２０、３０）は、回転本体（２０ａ、３０ａ）と、複数の凸部（２０ｂ、３０ｂ）とを有する。回転本体（２０ａ、３０ａ）は、チェーン（１６）の内側に位置する。凸部（２０ｂ、３０ｂ）は、回転本体（２０ａ、３０ａ）から突出するように設けられチェーン（１６）の直列方向に沿って隣り合うサイドローラ（１８）の間の隙間（ＳＰ）に配置される。

このようなチェーンユニット（１０）では、回転体（２０、３０）によって、サイドローラ（１８）の間の隙間（ＳＰ）に異物（ＦＭ）が入ることを抑制することができる。したがって、意図せずチェーン（１６）の走行が停止することを抑制することができる。

回転体（２０、３０）は、チェーン（１６）の走行方向が転換する部位に設けられるようにしてもよい。このようにすれば、チェーン（１６）の走行方向が転換する部位以外に設ける場合に比べて、回転体（２０、３０）をコンパクトにし易く、回転体（２０、３０）が脱落し難くなる。

回転本体（３０ａ）は、弾性を有するベルト状に形成されるようにしてもよい。このようにすれば、サイドローラ（１８）の間の隙間（ＳＰ）に入り込む凸部（３０ｂ）の数を増加させ易くなる。

回転本体（３０ａ）は、弾性を有するベルト状に形成され、複数の凸部（３０ｂ）は、チェーン（１６）の直列方向に沿って隣り合うサイドローラ（１８）の間の隙間（ＳＰ）のすべてに配置されるようにしてもよい。このようにすればサイドローラ（１８）の間の隙間（ＳＰ）のすべてに異物（ＦＭ）が入ることを抑制することができる。

複数のサイドローラ（１８）は、チェーン（１６）の直列方向に沿って、チェーン（１６）の両側に千鳥状に配置されるようにしてもよく、チェーン（１６）を挟んで対となるようにチェーン（１６）の両側に配置されるようにしてもよい。

１０…チェーンユニット １２…スプロケット
１４…テンショナー １６…チェーン
１８…サイドローラ ２０、３０…回転体
２０ａ、３０ａ…回転本体 ２０ｂ、３０ｂ…凸部

Claims (6)

1. 直列方向に沿って環状に延在するチェーンと、
   前記チェーンの直列方向に沿って互いに間隔をあけて、前記チェーンの外側かつ両側に配置される複数のサイドローラと、
   動力を前記チェーンに伝達するスプロケットの両側に設けられ、前記チェーンの走行に連動して回転する一対の回転体と、
   を備え、
   前記回転体は、前記チェーンの内側に位置する回転本体と、前記回転本体から突出するように設けられ前記チェーンの直列方向に沿って隣り合う前記サイドローラの間の隙間に配置される複数の凸部とを有する、チェーンユニット。
2. 請求項１に記載のチェーンユニットであって、
   前記回転体は、前記チェーンの走行方向が転換する部位に設けられる、チェーンユニット。
3. 請求項１または２に記載のチェーンユニットであって、
   前記回転本体は、弾性を有するベルト状に形成される、チェーンユニット。
4. 請求項１に記載のチェーンユニットであって、
   前記回転本体は、弾性を有するベルト状に形成され、
   前記複数の凸部は、前記チェーンの直列方向に沿って隣り合う前記サイドローラの間の隙間のすべてに配置される、チェーンユニット。
5. 請求項１〜４のいずれか１項に記載のチェーンユニットであって、
   前記複数のサイドローラは、前記チェーンの直列方向に沿って、前記チェーンの両側に千鳥状に配置される、チェーンユニット。
6. 請求項１〜４のいずれか１項に記載のチェーンユニットであって、
   前記複数のサイドローラは、前記チェーンを挟んで対となるように前記チェーンの両側に配置される、チェーンユニット。

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