JP2014040865A - チェーン - Google Patents

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Abstract

【課題】1対の連結ピン部分が、該1対の連結ピン部分を連結している1対のプレート部分に対してチェーン張力を作用させる部位を工夫することにより、プレート部分の疲労強度を向上させることで耐久性が向上し、かつ組立の簡単化および部品点数の削減に基づいてコストが削減するチェーンを提供する。
【解決手段】チェーン100は、1つのリンクユニット101と1対のリンクプレート140とを、チェーン長手方向に交互に屈曲可能に連結することにより、形成される。リンクユニット101は、1対の連結ピン部分110と1対のプレート部分120とを、接合部130で一体不離に接合することにより形成される。1対の連結ピン部分110は、チェーン長手方向で対向する1対の対向部111を有する。連結ピン部分110は、チェーン張力を、対向部111に位置している接合部130を通じてプレート部分120に作用させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、チェーン長手方向に交互に屈曲可能に連結されて形成され、スプロケットに巻き掛けられるチェーンに関する。
該チェーンは、例えば伝動用チェーンとして使用される。
スプロケットに巻き掛けられる従来のチェーンは、例えば、1対の内リンクプレートに1対のブシュが圧入される複数の内リンクと、1対の外リンクプレートに1対の連結ピンが圧入される複数の外リンクとが、1つの内リンクおよび1つの外リンク毎に、ブシュに遊嵌される連結ピンにより、チェーン長手方向に交互に、かつ屈曲可能に連結されて形成されている。
また、内リンクを構成する1対の内リンクプレートおよび1対のブシュが一体成形により一体化されたチェーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実公平2−10848号公報(第2〜4欄、全図)
図7,図8を参照すると、内リンク510および外リンク520を備える従来のチェーン500において、内リンク510は、1対の内リンクプレート511と、ローラ514を回転可能に支持すると共に各内リンクプレート511の1対のブシュ孔513に圧入される1対のブシュ512とから構成され、外リンク520は、1対の外リンクプレート511と、ブシュ512に遊嵌されると共に各外リンクプレート511の1対のピン孔523に圧入される1対の連結ピン522とから構成される。
そして、走行中のチェーン500に発生するチェーン張力は、内リンク510では、1対のブシュ512が、非対向領域で内リンクプレート511の弧状部511aをチェーン張力の向きに押圧することにより、内リンクプレート511にチェーン張力を作用させ、同様に、外リンク520では、1対の連結ピン522が、対向領域で外リンクプレート521の弧状部521aをチェーン張力の向きに押圧することにより、外リンクプレート521にチェーン張力を作用させる。
このように、チェーン張力を、ブシュ512が非対向領域で内リンクプレート511に作用させ、連結ピン522が対向領域で外リンクプレート521に作用させる場合には、チェーン張力が各リンクプレート511,521に作用したとき、内リンクプレート511の、ブシュ孔513を囲む孔周縁部515および外リンクプレート521の、ピン孔523を囲む孔周縁部525において、対向領域と非対向領域との境界Bを含む境界部A1,A2には、応力集中による引張り応力(以下、「集中引張り応力」という。)が発生する。
ここで、対向領域は、内リンク510において、チェーン長手方向で対向している1対のブシュ512の対向部によりチェーン長手方向で形成される領域であり、非対向領域は、チェーン長手方向で隣り合う内リンク510での前記対向領域同士の間に位置する領域である。また、境界部A1,A2は、各孔周縁部515,525において、対向領域および非対向領域の境界Bを中心とした前記集中引張り応力が発生している部位である。
また、境界部A1,A2での集中引張り応力には、ブシュ512および連結ピン522が内リンクプレート511および外リンクプレート521をそれぞれ押圧することに基づいて弧状部511a,521aに生じる曲げ変形による引張り応力が含まれている。
さらに、前記集中引張り応力は、境界での各リンクプレート511,521の断面積が小さくなるほど大きくなり、図示されたチェーン500において、境界Bでの断面積は、対向領域での内リンクプレート511の最小断面積であり、非対向領域での外リンクプレート521の最小断面積である。
そして、チェーン500が長期に亘って使用される際に、チェーン張力の変動により、各境界部A1,A2で前記集中引張り応力が繰り返し発生することに起因して境界部A1,A2に亀裂が生じると、内リンクプレート511または外リンクプレート521の破断に至る疲労破壊が発生する虞がある。そこで、この疲労破壊を防止するために、各リンクプレート511,521の剛性を高めることにより、その疲労強度を向上させようとすると、各リンクプレート511,521の大型化および重量増を招来するという問題があった。
さらに、特許文献1に示されるように、内リンクが、1対の内リンクプレートおよび1対のブシュの一体成形により形成されるチェーンにおいても、内リンクプレートとブシュとの接合部の、チェーン500の境界部A1に対応する部位に、集中引張り応力が発生する。
本発明は、前述の課題を解決するものであり、その目的は、1対の連結ピン部分が、該1対の連結ピン部分を連結している1対のプレート部分に対してチェーン張力を作用させる部位を工夫することにより、プレート部分の疲労強度を向上させることで耐久性が向上し、かつ組立の簡単化および部品点数の削減に基づいてコストが削減するチェーンを提供することである。
また、本発明の他の目的は、さらに、動力伝達性能が向上し、かつ軽量化されるチェーンを提供することである。
請求項1に係る発明は、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、チェーン長手方向に交互に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられるチェーンであって、前記リンクユニットが、チェーン長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、1対の連結ピン部分を連結していると共にチェーン幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、前記プレート部分が、前記1対の連結ピン部分と前記プレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、前記1対の連結ピン部分を連結しており、前記1対の連結ピン部分が、チェーン長手方向で対向する側の1対の対向部と、チェーン長手方向で前記1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、前記連結ピン部分が、チェーン張力を、前記1対の対向部にそれぞれ位置している前記1対の接合部を通じて前記プレート部分に作用させ、前記1対のリンクプレートが、チェーン幅方向で前記1対のプレート部分を挟んで、チェーン幅方向で離間して前記連結ピン部分に屈曲可能に連結され、前記リンクユニットの前記1対の連結ピン部分および前記1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、チェーン長手方向で隣り合う前記リンクユニット同士の連結ピン部分および前記1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、チェーン長手方向に交互に形成され、前記スプロケットの複数のスプロケット歯が、前記第1噛合い空間および前記第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記プレート部分が、チェーン長手方向で前記1対の対向部の間のみに設けられていることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の構成に加えて、チェーン高さ方向での前記接合部の接合高さが、前記連結ピン部分のピン高さ以下であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記連結ピン部分または前記プレート部分が、チェーンガイドに摺接する摺接部を有することにより、前述の課題を解決したものである。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記スプロケット歯と噛み合うローラが、前記連結ピン部分に回転可能に支持されていることにより、前述の課題を解決したものである。
そこで、本発明のチェーンは、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、チェーン長手方向に交互に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられることにより、1つのリンクユニットと1対のリンクプレートとがチェーン長手方向に交互に、かつ屈曲可能に連結されたチェーンを、スプロケットに巻き掛けることで、チェーンはスプロケットとの間で動力を伝達することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る本発明のチェーンによれば、リンクユニットが、チェーン長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、1対の連結ピン部分を連結していると共にチェーン幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、プレート部分が、1対の連結ピン部分とプレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、1対の連結ピン部分を連結しており、1対の連結ピン部分が、チェーン長手方向で対向する側の1対の対向部と、チェーン長手方向で1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、連結ピン部分が、チェーン張力を、1対の対向部にそれぞれ位置している1対の接合部を通じてプレート部分に作用させ、1対のリンクプレートが、チェーン幅方向で1対のプレート部分を挟んで、チェーン幅方向で離間して連結ピン部分に屈曲可能に連結されていることにより、連結ピン部分は、チェーン張力を、チェーン長手方向で1対の対向部の間の領域である対向領域で、接合部を通じてプレート部分に加えるので、プレート部分において連結ピン部分を囲む部位で発生する引張り応力は、接合部に分散して発生し、対向領域と1対の非対向部の間の領域である非対向領域との境界を中心とする境界部での応力集中の発生が防止される。このため、リンクユニットのプレート部分の疲労強度が向上して、リンクユニットの耐久性、ひいてはチェーンの耐久性を向上させることができる。
また、チェーンの組立の際には、1対の連結ピン部分と1対のプレート部分とが一体化された単一の部品であるリンクユニットに対して、1対のリンクプレートを屈曲可能に連結すればよいので、1対の外リンクプレートに1対の連結ピンが圧入される従来のチェーンに比べて、チェーンの組立が簡単化されて組立性が向上するため、コストを削減することができる。
また、プレート部分と一体の連結ピン部分にリンクプレートが連結されるので、リンクユニットと1対のリンクプレートとの連結にあたり、連結ピンおよびブシュが必要な従来のチェーンに比べて部品点数が削減されるため、この点でも、コストを削減することができる。
また、リンクユニットの1対の連結ピン部分および1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、チェーン長手方向で隣り合うリンクユニット同士の連結ピン部分および1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、チェーン長手方向に交互に形成され、スプロケットの複数のスプロケット歯が、第1噛合い空間および第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であることにより、チェーンとスプロケットとの噛合い時に、スプロケットが回転することで、第1,第2噛合い空間にスプロケット歯が進入して、チェーンとスプロケットとの間での動力の伝達が行われる際に、スプロケット歯との間での動力の伝達は、チェーンにおいては、連結ピン部分およびプレート部分が一体不離に接合されていて、それら連結ピン部分とプレート部分との間での隙間の存在に起因する相対移動が生じないリンクユニットを通じて行われるので、前記相対移動に起因する騒音の発生が防止されて、チェーンの騒音性能を向上させることができる。
請求項2に係る本発明のチェーンによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、プレート部分が、チェーン長手方向で1対の対向部の間のみに設けられていることにより、プレート部分は、チェーン長手方向で1対の対向部の外側の領域である非対向領域には存在しないので、チェーン張力に起因する連結ピン部分の湾曲が発生したとしても、プレート部分が非対向領域に存在する場合に発生し得る、プレート部分とスプロケット歯と接触が回避されるため、該接触に起因する騒音、摩耗および摩擦抵抗が減少して、チェーンの騒音性能、耐久性および動力伝達性能を向上させることができる。
また、プレート部分が非対向領域に存在しない分、プレート部分がチェーン長手方向で小型化されるので、プレート部分を軽量化、ひいてはチェーンを軽量化することができ、しかも該軽量化により騒音を低減することができる。
請求項3に係る本発明のチェーンによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、チェーン高さ方向での接合部の接合高さが、連結ピン部分のピン高さ以下であることにより、接合部に発生する引張り応力を許容値以下に抑えながら、接合高さを小さくすることで、チェーン高さ方向でのプレート部分の幅を小さくして、プレート部分を軽量化し、ひいてはチェーンを軽量化することができる。また、連結ピン部分を接合高さ以上まで大きくすることが可能になるので、チェーン張力による連結ピン部分の湾曲の発生を抑制して、チェーンの動力伝達性能を向上させることができる。
請求項4に係る本発明のチェーンによれば、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、連結ピン部分またはプレート部分が、チェーンガイドに摺接する摺接部を有することにより、連結ピン部分のピン高さおよびプレート部分のプレート高さに応じて、連結ピン部分またはプレート部分のいずれかがチェーンガイドに摺接するようにすればよいので、リンクユニットを摺接させてチェーンを案内する場合の、リンクユニットにおける連結ピン部分およびプレート部分の設計の自由度を大きくすることができる。
請求項5に係る本発明のチェーンによれば、請求項1から請求項4のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、スプロケット歯と噛み合うローラが、連結ピン部分に回転可能に支持されていることにより、ローラが設けられたリンクユニットを1つの部品として扱うことができるので、ローラを備えるチェーンの組立性を向上させることができる。
本発明の実施例を示し、チェーンの一部の分解斜視図。 図1のチェーンの要部の正面図。 図2のIII−III線での部分断面図。 図3のIV−IV線での要部断面図。 図4のV−V線断面図。 図1のチェーンがスプロケットに巻き掛けられたときの図4と同様の図。 従来技術を示し、図3での断面図に相当する図。 図7のVIII−VIII線での部分断面図。
本発明のチェーンは、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、チェーン長手方向に交互に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられ、リンクユニットが、チェーン長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、1対の連結ピン部分を連結していると共にチェーン幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、前記プレート部分が、前記1対の連結ピン部分と前記プレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、前記1対の連結ピン部分を連結しており、1対の連結ピン部分が、チェーン長手方向で対向する側の1対の対向部と、チェーン長手方向で前記1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、前記連結ピン部分が、チェーン張力を、1対の対向部にそれぞれ位置している前記1対の接合部を通じて前記プレート部分に作用させ、1対のリンクプレートが、チェーン幅方向で1対のプレート部分を挟んで、チェーン幅方向で離間して連結ピン部分に屈曲可能に連結され、リンクユニットの1対の連結ピン部分および1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、チェーン長手方向で隣り合うリンクユニット同士の連結ピン部分および1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、チェーン長手方向に交互に形成され、スプロケットの複数のスプロケット歯が、第1噛合い空間および第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であることにより、プレート部分の疲労強度を向上させることで耐久性が向上し、かつ組立の簡単化および部品点数の削減に基づいてコストが削減するものであれば、その具体的な態様はいかなるものであっても構わない。
例えば、本発明のチェーンのリンクユニットにおいて、連結ピン部分とプレート部分とを結合させる結合手段は、一体成形、融着(または、溶接)および接着のいずれであってもよい。
本発明のチェーンのリンクユニットの形成材料は、合成樹脂(以下、「樹脂」という。)、金属、または、樹脂および金属(例えば、樹脂と、該樹脂にインサートされた金属とで形成される場合。)であってもよい。形成材料が樹脂の場合に、連結ピン部分とプレート部分とが、異なる樹脂による二色成形で形成されてもよい。樹脂は、樹脂と繊維により強化された繊維強化樹脂であってもよい。形成材料が金属の場合に、一体成形は、鋳造、塑性加工(鍛造など)、機械加工のいずれであってもよい。
本発明のチェーンのリンクユニットは、幅方向で離間している1対のプレート部分を少なくとも有していればよく、3以上のプレート部分を有していてもよい。例えば、各接合部での引張り応力を減少させるために、前記1対のプレート部分のほかに、1以上のプレート部分を有していてもよく、また、チェーン幅方向に2列のスプロケット歯が形成されたスプロケットに巻き掛けられるように、チェーン幅方向で離間している1対のプレート部分を2組有していてもよい。
本発明のチェーンは、例えば伝動用または搬送用のチェーンとして使用され、機械としての、搬送機械、産業機械および車両のいずれに使用されてもよい。
以下、本発明の実施例を図1〜図6を参照して説明する。
図1〜図3を参照すると、本発明の実施例において、チェーン100は、複数のリンクユニット101と、複数組の1対のリンクプレート140とを備え、すべてのリンクユニット101およびすべての組の1対のリンクプレート140が、1つのリンクユニット101および1対のリンクプレート140毎に、リンクユニット101の連結ピン部分110により、チェーン長手方向(以下、「長手方向」という。)に交互に、かつ連結ピン部分110を中心に屈曲可能に連結されることで形成されている無端チェーンである。
チェーン100は、伝動用チェーンとして、該チェーン100が巻き掛けられる複数のスプロケット10(そのうちの1つのスプロケットが、図6に示されている。)を有するスプロケット機構、および、長手方向に走行しているチェーン100を案内するチェーンガイド20(図4,図5参照)と共に、チェーン伝動装置を構成する。
チェーン100は、前記複数のスプロケット10に含まれる駆動スプロケットにより駆動されて走行する。前記チェーンガイド20は、走行しているチェーン100が摺接するガイド面21(図4,図5参照)を有し、該ガイド面21により、チェーン高さ方向(以下、「高さ方向」という。)およびチェーン幅方向(以下、「幅方向」という。)でチェーン100の振れを抑制する。
なお、高さ方向は、直線状態にあるチェーン100を基準としたときに、長手方向および幅方向に直交する方向であり、本実施例では、リンクユニット101において、長手方向で隣り合う1対の後述の屈曲中心線Cを含む平面に直交する方向である。
リンクユニット101は、長手方向で離間している1対の連結ピン部分110(以下、「ピン部分110」という。)と、それぞれが1対のピン部分110を連結していると共に幅方向で離間している1対のプレート部分120とから構成される単一の部品である。
1対のピン部分110および各プレート部分120は、接合手段としての一体成形により、1対の接合部130において一体不離に接合してリンクユニット101が形成されている。そして、各プレート部分120は、1対の接合部130のみで、1対のピン部分110を連結している。
なお、「一体不離に接合」とは、走行時のチェーン100にチェーン張力が作用している状態で、1対のピン部分110と各プレート部分120とが接合部130において離れることがなく、さらにピン部分110およびプレート部分120に作用する引張り力が、接合部130を通じて、両部分110,120間で伝達される結合を意味する。
そして、リンクユニット101は、換言すれば、1対のピン部分110および1対のプレート部分120は、形成材料としての単一の樹脂により形成されている。また、1対のピン部分110は同一形状であり、1対のプレート部分120は同一形状である。
なお、本発明において、「プレート」とは、幅方向での部材の厚さの最小値が、長手方向での該部材の長さの最大値よりも小さい値である部材を意味する。
接合部130は、リンクユニット101の外観上で、互いに一体不離に接合しているピン部分110とプレート部分120とで形成される枠状の接合境界部131により囲まれている領域である。そして、リンクユニット101が一体成形により形成されている本実施例では、接合部130は、接合境界部131を含む前記領域の全体である。なお、別の例として、接合部130は、前記領域の一部であってもよい。
ピン部分110は、1対のプレート部分120に対して幅方向内側の部分であってスプロケット10との間で動力の伝達を行う伝達部としての噛合部113(図4,図6も参照)と、幅方向で1対のプレート部分120に対して噛合部113とは反対側に突出する1対の突出部114とを有する。
ここで、幅方向内側とは、ピン部分110において、幅方向で1対のプレート部分120の間を意味し、幅方向外側とは、ピン部分110において、幅方向で各プレート部分120に対して、幅方向内側とは反対側を意味する。
噛合部113は、スプロケット10が有する複数のスプロケット歯11(図6参照)と噛合可能であり、該スプロケット歯11との間で動力の直接的な伝達を行う。
突出部114は、幅方向でプレート部分120寄りの支持部115と、ピン端面117を有するピン端部116とを有する。支持部115には、リンクプレート140が該支持部115または屈曲中心線Cを中心に屈曲可能に支持される。
屈曲中心線Cは、チェーン100の、スプロケット10に対する噛合い時および噛外れ時に、リンクユニット101と1対のリンクプレート140とが相対的に回動して屈曲するときの中心線である。この屈曲中心線Cは、各ピン部分110により規定され、本実施例では、ピン部分110の中心軸線であり、幅方向に平行である。
なお、径方向および周方向は、それぞれ、ピン部分110または屈曲中心線Cを中心とする径方向および周方向である。
図4を併せて参照すると、ピン部分110の横断面形状は、噛合部113および突出部114において、幅方向での任意の位置でほぼ円形であり、ほぼ同一である。なお、横断面とは、幅方向または屈曲中心線Cに直交する平面での断面を意味する。
ピン部分110の外周面118は、噛合部113および各突出部114において、ほぼ回転面であり、ここでは、ほぼ円柱面である。このため、ピン部分110は、円柱面からなる外周面118を有する柱状部材としての中実の円柱状部材である。
なお、「ほぼ」との表現は、「ほぼ」との修飾語がない場合を含むと共に、「ほぼ」との修飾語がない場合とは厳密には一致しないものの、「ほぼ」との修飾語がない場合と比べて作用効果に関して有意の差異がない範囲を意味する。
図1,図3,図4を参照すると、リンクユニット101において、1対のピン部分110は、長手方向で対向する側の1対の対向部111と、長手方向で該対向部111とは反対側の1対の非対向部112とを有する。
対向部111および非対向部112は、幅方向での任意の位置におけるピン部分110の横断面で、ピン部分110のピン高さH1(すなわち、高さ方向での外周面118の最大間隔)を規定する外周面118上の2つの部位としての最低部110aおよび最高部110bを通る直線Lにより、ピン部分110が二分されたときの2つの部分である。最低部111aおよび最高部110bは、本実施例では、屈曲中心線Cを通り高さ方向に平行な直線である直線Lと外周面118との交点である。
1対のピン部分110において、1対の対向部111は、長手方向で1対の対向部111の間の領域、すなわち1対の対向部111を長手方向での境界とする領域である対向領域を規定する。この対向領域は、リンクユニット101における第1ピッチ領域でもある。
ここで、第1ピッチ領域とは、リンクユニット101におけるピッチである第1ピッチを規定する1対のピン部分110の中心軸線(すなわち、屈曲中心線C)により規定される長手方向での領域である。
また、長手方向で隣り合うリンクユニット101同士のピン部分110において、1対の非対向部112は、長手方向で該1対の非対向部112の間の領域、すなわち1対の非対向部112を長手方向での境界とする領域である非対向領域を規定する。そして、非対向領域は、長手方向で対向領域に隣接していて、対向領域に対しては外側の領域であると共に、1対のリンクプレートにおける第2ピッチ領域でもある。
ここで、第2ピッチ領域は、1対のリンクプレート140におけるピッチである第2ピッチを規定する長手方向で隣接するリンクユニット101同士の最寄りの1対のピン部分110の中心軸線により規定される長手方向での領域である。
1対のピン部分110および板状のプレート部分120は、各ピン部分110において、対向部111および非対向部112のうちの対向部111のみで、一体不離に接合している。
したがって、各ピン部分110において、接合部130は、対向部111のみに、幅方向でのプレート部分120の厚さの範囲で、周方向で対向部111の少なくとも一部に、本実施例では、周方向で対向部111の全体に亘って、存在(または、位置)している一方で、非対向部112には存在(または、位置)していない。このため、リンクユニット101において、1対のプレート部分120は、長手方向で1対の対向部111の間(すなわち、対向領域内)のみに設けられている。そして、非対向部112には、プレート部分120に連続している部分であって、かつ外周面118から長手方向および径方向外方に突出している部分が存在しない。
このように、プレート部分120の全体は、長手方向で、対向領域の範囲内に位置していて、該範囲に等しい長さで、長手方向に延びている。
図4を主に参照し、図1を適宜参照すると、ピン高さH1は、本実施例では、各ピン部分110のピン外径dに等しく、プレート部分120のプレート高さH2に等しい。プレート高さH2は、長手方向での1対の対向部111間(すなわち、対向領域)における長手方向での任意の位置でのプレート部分120の第1,第2プレート端面121,122の、高さ方向での間隔であり、プレート部分120がチェーン張力に対する所要の引張り剛性を有するように設定されている。
本実施例において、プレート高さH2は、長手方向での任意の位置で同一であり、プレート高さH2の最大値および最小値が同じ値であると見做すことができる。
ピン外径dおよびプレート高さH2は、いずれもリンクプレート140のプレート高さH4の1/2よりも大きい。
そして、チェーン高さ方向での接合部130の接合高さH3およびピン部分110のピン高さH1(または、ピン外径d)は、いずれも、プレート部分120のプレート高さH2の最小値以上で、かつ最大値以下に設定され、本実施例ではプレート高さH2に等しい。
高さ方向での接合部130の形成範囲である接合高さH3は、ピン高さH1の最大値以下に設定される。本実施例では、ピン高さH1は、幅方向での任意の位置で同一であり、ピン高さH1の最大値および最小値が同じ値であると見做すことができ、接合高さH3は、ピン高さH1に等しく、該ピン高さH1(すなわち、ピン外径d)の最大値である。
高さ方向でのプレート部分120の端面である両プレート端面121,122は、長手方向でその全長に亘って、しかもそのほぼ全体で、両ピン部分110の外周面118に共通の1対の第1,第2接平面P1,P2上にそれぞれ位置する平面である。このため、プレート部分120は、高さ方向での両方向でピン部分110よりも突出していないので、プレート部120を、高さ方向で小型化することができ、軽量化することができる。
図4,図5を参照すると、リンクユニット101において、各ピン部分110および各プレート部分120は、チェーンガイド20に摺接するピン摺接部119およびプレート摺接部129をそれぞれ有する。ガイド面21の形状およびチェーン100の走行状態に応じて、両ピン摺接部119の少なくとも一方と両プレート摺接部129とが、ガイド面21に同時に接触するか、または、両プレート摺接部129のみがガイド面21に同時に接触する。
図1〜図5を参照すると、同一形状の1対の板状のリンクプレート140は、幅方向で離間して各ピン部分110に屈曲可能に連結されている。本実施例では、1対のリンクプレート140は、幅方向で1対のプレート部分120を挟んで配置され、したがって、1対のプレート部分120は、幅方向で1対のリンクプレート140の間に配置されている。
形成材料としての金属により形成されているリンクプレート140には、長手方向で離間している1対のピン孔145が設けられている。リンクプレート140は、突出部114がピン孔145において支持部115まで挿入されることで、該支持部115に遊嵌された(つまり、隙間嵌めされた)状態で、ピン部分110に屈曲可能に連結されている。
リンクプレート140は、そのプレート高さH4がプレート部分120のプレート高さH2よりも大きく、高さ方向での両方向で、プレート部分120よりも突出している。
プレート高さH4は、長手方向で隣接する1対の非対向部112間(または、後述の非対向領域)における長手方向での任意の位置でのリンクプレート140の第1,第2プレート端面141,142の、高さ方向での間隔である。プレート高さH4は、長手方向での任意の位置で同一である。
図3,図4,図6を参照すると、各リンクユニット101には、1対のピン部分110の対向部111および1対のプレート部分120のみにより囲繞されて、スプロケット歯11が進退可能(すなわち、進入および退出可能)な第1噛合い空間S1が形成される。また、長手方向で隣り合うリンクユニット101同士の1対のピン部分110の非対向部112および1対のリンクプレート140のみにより囲繞されて、スプロケット歯11が進退可能な第2噛合い空間S2が形成される。
チェーン100において、長手方向で交互に配置されている第1,第2噛合い空間S1,S2のそれぞれに対して、スプロケット10の回転により、チェーン100がスプロケット10と噛み合うときに、スプロケット歯11が、1つずつ順次、進入し、チェーン100がスプロケット10から噛み外れるときに、スプロケット歯11が、1つずつ順次、退出する。
図1〜図3,図5を参照すると、チェーン100は、リンクプレート140との当接により、ピン部分110からのリンクプレート140の抜止めをするための抜止め部としての複数のキャップ103を備える。
各ピン部分110に、1対のキャップ103が、両支持部115にそれぞれ支持されている1対のリンクプレート140に対して、1対のピン端部116にそれぞれ設けられる。キャップ103は、ピン端面117を覆って、固定手段としての圧入によりピン端部116に固定されている。
チェーン100の組立の際には、先ず、リンクユニット101のピン部分110の両突出部114がピン孔145に挿入されるようにして、1対のリンクプレート140が支持部115に遊嵌される。次いで、各ピン端部116にキャップ103が取り付けられて、リンクプレート140の抜止めが行われる。
以下、同様の組付工程を経て、リンクユニット101および1対のリンクプレート140が長手方向に交互に連結されたチェーン100が組み立てられる。
図3を参照すると、チェーン100にチェーン張力が発生すると、ピン部分110は、チェーン張力を、各接合部130のみを通じて、対向領域においてプレート部分120に作用させる。このとき、接合部130には引張り応力が発生する。そして、この引張り応力は、ピン高さH1またはピン外径dを大きくすることにより、低減する。
ピン部分110は、チェーン張力を、対向領域において、リンクプレート140をチェーン張力の向きに押圧して、該リンクプレート140にチェーン張力を作用させる。
次に、前述のように構成された実施例の効果について説明する。
チェーン100は、1つのリンクユニット101と1対のリンクプレート140とをチェーン長手方向に交互に屈曲可能に連結することにより形成されて、スプロケット機構を構成する複数のスプロケット10に巻き掛けられる。これにより、1つのリンクユニット101と1対のリンクプレート140とがチェーン長手方向に交互に、かつ屈曲可能に連結されたチェーン100を、前記複数のスプロケット10に巻き掛けることで、チェーン100はスプロケット10との間で動力を伝達することができる。
リンクユニット101は、1対のピン部分110と1対のプレート部分120とから構成され、プレート部分120が、1対のピン部分110とプレート部分120とが一体不離に接合している1対の接合部130で、1対のピン部分110を連結しており、ピン部分110が、チェーン張力を、対向部111に位置している接合部130を通じてプレート部分120に作用させ、1対のリンクプレート140は、幅方向で前記1対のプレート部分120を挟んでピン部分110に屈曲可能に連結されている。
これにより、ピン部分110は、チェーン張力を、対向領域で、接合部130を通じてプレート部分120に加えるので、プレート部分120においてピン部分110を囲む部位で発生する引張り応力は、接合部130に分散して発生し、対向領域と非対向領域との境界B(図4参照)を中心とする境界部A(図4参照)での応力集中の発生が防止される。このため、リンクユニット101のプレート部分120の疲労強度が向上して、リンクユニット101の耐久性、ひいてはチェーン100の耐久性を向上させることができる。
また、チェーン100の組立の際には、1対の連結ピン部分110と1対のプレート部分120とが一体化された単一の部品であるリンクユニット101に対して、1対のリンクプレート140を屈曲可能に連結すればよいので、1対の外リンクプレートに1対の連結ピンが圧入される従来のチェーンに比べて、チェーン100の組立が簡単化されて組立性が向上するため、コストを削減することができる。
また、プレート部分120と一体のピン部分110にリンクプレート140が連結されるので、リンクユニット101と1対のリンクプレート140との連結にあたり、連結ピンおよびブシュが必要な従来のチェーンに比べて部品点数が削減されて、この点でも、コストを削減することができる。
リンクユニット101の1対のピン部分110および1対のプレート部分120により囲繞された第1噛合い空間S1と、長手方向で隣り合うリンクユニット101同士のピン部分110および1対のリンクプレート140により囲繞された第2噛合い空間S2とが、長手方向に交互に形成され、スプロケット10の複数のスプロケット歯11が、第1,第2噛合い空間S1,S2のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能である。
これにより、チェーン100とスプロケット10との噛合い時に、スプロケット10が回転することで、第1,第2噛合い空間S1,S2にスプロケット歯11が進入して、チェーン100とスプロケット10との間での動力の伝達が行われる際に、スプロケット歯11との間での動力の伝達は、チェーン100においては、ピン部分110およびプレート部分120が一体不離に接合されていて、ピン部分110およびプレート部分120に関して、それらピン部分110とプレート部分120との間での隙間の存在に起因する相対移動が生じないリンクユニット101を通じて行われるので、前記相対移動に起因する騒音の発生が防止されて、チェーン100の騒音性能を向上させることができる。
プレート部分120が、長手方向で1対の対向部111の間のみに位置し、接合部130が、ピン部分110において、1対の対向部111のみに位置している。これにより、プレート部分120は、長手方向で1対の対向部111の外側の領域である非対向領域または第2噛合い空間S2には存在しないので、チェーン張力に起因するピン部分110の湾曲が発生したとしても、プレート部分120が非対向領域に存在する場合に発生し得る、プレート部分120とスプロケット歯11と接触が回避されるため、該接触に起因する騒音、摩耗および摩擦抵抗が減少して、チェーン100の騒音性能、耐久性および動力伝達性能を向上させることができる。
そして、プレート部分120が非対向領域に存在しない分、プレート部分120がチェーン長手方向で小型化されるので、プレート部分120を軽量化、ひいてはチェーン100を軽量化することができ、しかも該軽量化により騒音を低減することができる。
接合部130の接合高さH3がピン部分110のピン高さH1以下であることにより、接合部130に発生する引張り応力を許容値以下に抑えながら、接合高さH3を小さくすることで、高さ方向でのプレート部分120の幅を小さくして、プレート部分120を軽量化し、ひいてはチェーン100を軽量化することができる。また、ピン部分110を接合高さH3以上まで大きくすることが可能になるので、チェーン張力によるピン部分110の湾曲の発生を抑制して、チェーン100の動力伝達性能を向上させることができる。
接合高さH3がプレート高さH2に等しいことにより、接合部130が、チェーン張力に対するプレート部分120の引張り剛性が確保されように設定されているプレート高さH2と等しい高さまで、高さ方向で大きくなり、したがって接合部130の面積が大きくなるので、チェーン張力により接合部130に発生する引張り応力が小さくなって、リンクユニット101の耐久性を向上させることができる。
また、ピン高さH1がプレート高さH2に等しいことにより、連結ピン部分110が、プレート部分120のプレート高さH2まで大きくされているので、チェーン張力による連結ピン部分110の曲げの発生が抑制されて、チェーン100の動力伝達性能を向上させることができる。また、連結ピン部分110とプレート部分120とが一体不離に接合されている部分である接合部130での接合領域が大きくなるので、プレート部分120に発生する引張り応力を小さくできるため、リンクユニット101の耐久性を向上させることができる。
1対のピン部分110および1対のプレート部分120が、チェーンガイド20のガイド面21に摺接するピン摺接部119およびプレート摺接部129をそれぞれ有する。これにより、リンクユニット101において、ガイド面21には、1対のプレート部分120のほかに、1対のピン部分110も摺接するので、1対のプレート部分120のみがガイド面21に摺接する場合に比べて、各ピン部分110がガイド面21に摺接する分、プレート部分120とガイド面21との摺接頻度の低下、または、プレート部分120とピン部分110との同時摺接によるガイド面21に対する接触圧の低下により、プレート部分120の摩耗が低減して、プレート部分120の耐久性、ひいてはチェーン100の耐久性を向上させることができる。
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
リンクユニットが、互いに別個の部材である連結ピン部分およびプレート部分を接合手段としての融着または接着により接合することで形成される場合に、スプロケット歯と噛合するローラが、連結ピン部分に回転可能に支持されてもよい。このとき、チェーンとスプロケット間での動力の伝達は、伝達部としての連結ピン部分とスプロケット歯との間で、噛合部としての前記ローラを介して行われる。このように、スプロケット歯と噛み合うローラが、連結ピン部分に回転可能に支持されていることにより、ローラが設けられたリンクユニットを1つの部品として扱うことができるので、ローラを備えるチェーンの組立性を向上させることができる。
円柱状のピン部分110は、幅方向での位置でピン外径が異なる部分を有していてもよく、例えば突出部114と噛合部113とで、ピン外径または横断面形状が異なっていてもよい。
プレート高さH2は、長手方向での位置で2つ以上の異なる値を有し、その最小値および最大値が異なる値であってもよい。
リンクユニット101のピン部分110およびプレート部分120において、ピン部分110のみがピン摺接部119を有するか、または、プレート部分120のみがプレート摺接部129を有していてもよい。この場合に、ピン部分110のピン高さH1およびプレート部分120のプレート高さH2に応じて、ピン部分110またはプレート部分120のいずれかがチェーンガイド20のガイド面21に摺接するようにすればよいので、リンクユニット101を摺接させてチェーン100を案内する場合の、リンクユニット101におけるピン部分110およびプレート部分120の設計の自由度を大きくすることができる。
プレート部分120の一部が、接合部130以外の部分で、対向領域を超えて長手方向に延びていてもよい。
抜止め部は、キャップ103を使用する代わりに、ピン部分110のピン端部116を塑性変形させることにより形成されてもよい。
100・・・チェーン
101・・・リンクユニット
103・・・キャップ
110・・・連結ピン部分
111・・・対向部
112・・・非対向部
119・・・ピン摺接部
120・・・プレート部分
121,122・・・プレート端面
129・・・プレート摺接部
130・・・接合部
140・・・リンクプレート
H1 ・・・ピン高さ
H2,H4・・・プレート高さ
H3 ・・・接合高さ
d ・・・ピン外径
S1,S2・・・噛合い空間

Claims (5)

  1. 複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、チェーン長手方向に交互に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられるチェーンであって、
    前記リンクユニットが、チェーン長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、1対の連結ピン部分を連結していると共にチェーン幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、
    前記プレート部分が、前記1対の連結ピン部分と前記プレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、前記1対の連結ピン部分を連結しており、
    前記1対の連結ピン部分が、チェーン長手方向で対向する側の1対の対向部と、チェーン長手方向で前記1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、
    前記連結ピン部分が、チェーン張力を、前記1対の対向部にそれぞれ位置している前記1対の接合部を通じて前記プレート部分に作用させ、
    前記1対のリンクプレートが、チェーン幅方向で前記1対のプレート部分を挟んで、チェーン幅方向で離間して前記連結ピン部分に屈曲可能に連結され、
    前記リンクユニットの前記1対の連結ピン部分および前記1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、チェーン長手方向で隣り合う前記リンクユニット同士の連結ピン部分および前記1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、チェーン長手方向に交互に形成され、
    前記スプロケットの複数のスプロケット歯が、前記第1噛合い空間および前記第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であることを特徴とするチェーン。
  2. 前記プレート部分が、チェーン長手方向で前記1対の対向部の間のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
  3. チェーン高さ方向での前記接合部の接合高さが、前記連結ピン部分のピン高さ以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェーン。
  4. 前記連結ピン部分または前記プレート部分が、チェーンガイドに摺接する摺接部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のチェーン。
  5. 前記スプロケット歯と噛み合うローラが、前記連結ピン部分に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のチェーン。
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