JP6112719B2 - ローラチェーン - Google Patents

ローラチェーン Download PDF

Info

Publication number
JP6112719B2
JP6112719B2 JP2013117402A JP2013117402A JP6112719B2 JP 6112719 B2 JP6112719 B2 JP 6112719B2 JP 2013117402 A JP2013117402 A JP 2013117402A JP 2013117402 A JP2013117402 A JP 2013117402A JP 6112719 B2 JP6112719 B2 JP 6112719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pair
sprocket
chain
roller
guide surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013117402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014234891A (ja
Inventor
將 岩井
將 岩井
正則 横山
正則 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubakimoto Chain Co filed Critical Tsubakimoto Chain Co
Priority to JP2013117402A priority Critical patent/JP6112719B2/ja
Publication of JP2014234891A publication Critical patent/JP2014234891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6112719B2 publication Critical patent/JP6112719B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gears, Cams (AREA)

Description

本発明は、内リンクのブシュに回転可能に支持されるローラを備え、スプロケットと噛み合うローラチェーンに関する。
このローラチェーンは、例えば伝動チェーンとして使用され、例えば自動車のエンジンのタイミング用伝動装置に備えられる。
従来のローラチェーンは、1対の外プレートが1対のピンにより連結される複数の外リンクと、1対の内プレートが1対のブシュにより連結される複数の内リンクとが、スプロケットと噛合い可能なローラを回転可能に支持している前記ブシュを回動可能に支持する前記ピンにより、長手方向に交互に屈曲可能に連結されている。(例えば、特許文献1参照)
特開2008−208887号公報(段落0020,0024、図1,3,4)
図5を参照すると、従来のローラチェーン(以下、「チェーン」という。)500では、1対のピン512により連結される1対の外プレート510と、1対のブシュ522により連結される1対の内プレート520が、スプロケットのスプロケット歯511と噛合い可能なローラ530を回転可能に支持しているブシュ522を回動可能に支持するピン512により、屈曲可能に連結されている。
このチェーン500において、幅方向でのチェーン500の振れなどに起因して、チェーン500のチェーン幅中心位置Pcとスプロケット歯511のスプロケット幅中心位置Psとがずれる状態(以下、「幅方向位置ズレ」という。)が発生することがある。そして、この幅方向位置ズレにより、スプロケット歯511が1対の内プレート520の間に進入を開始する噛合い状態の開始時に、スプロケット歯511と一方の内プレート520の内側面525とが干渉することがある。
このような干渉が発生すると、スプロケット歯511と内プレート520との衝突に起因する内プレート520の摩耗や衝突音が発生して、内プレート520の耐久性の低下や騒音の増大を招来する問題があった。
また、スプロケット歯511と内プレート520との衝突時に、1対の内プレート520には偏荷重が衝撃的に作用して、チェーン500が長手方向回りに捩れることがある。この捩れは、内プレート520や外プレート510などに捩れ応力を発生させて、それらプレート510,520の疲労強度を低下させる原因になる。
さらに、スプロケット歯511と内プレート520の内側面525との間の摩擦により、スプロケットとチェーン500との間での動力損失が増大して、チェーン500の動力伝達性能が低下する問題があった。
本発明は、前述の課題を解決するものであって、その目的は、スプロケット歯とローラチェーンとの間に、スプロケット幅中心位置とチェーン幅中心位置とがずれる幅方向位置ズレが発生した場合にもチェーン幅中心位置をスプロケット幅中心位置に接近させることにより摩耗の低減および疲労強度の向上によりチェーンの耐久性が向上し、衝突音の低減により静粛性能が向上し、スプロケット歯との間の摩擦の低減により動力伝達性能が向上するローラチェーンを提供することである。
請求項1に係る発明は、複数の外リンクと、複数の内リンクと、スプロケットのスプロケット歯と噛合い可能な複数のローラとを備え、1対の外プレートが1対のピンにより連結されている前記外リンクと、幅方向で1対の前記外プレートの間に配置されている1対の内プレートが1対のブシュにより連結されている前記内リンクとが、幅方向で前記1対の内プレートの間に配置されている前記ローラを回転可能に支持している前記ブシュを回動可能に支持している前記ピンにより、屈曲可能に連結されているローラチェーンにおいて、前記ローラが、前記スプロケット歯と噛合い可能な噛合い部と、幅方向で前記噛合い部を挟んで離隔している1対のフランジとを有し、前記1対のフランジが、チェーン幅中心位置を挟んで幅方向で対向する1対の案内面をそれぞれ有し、前記案内面の外径が、前記内プレートのプレート高さよりも大きく、前記案内面が、前記スプロケットの回転につれて前記チェーン幅中心位置が前記スプロケット幅中心位置に接近して前記スプロケット歯が前記案内面と接触することにより前記ローラを介して前記1対の内プレートを幅方向に移動させる面形状であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、長手方向で隣り合う前記フランジ同士の最小間隔が、前記フランジと前記噛合い部との外径差以下であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の構成に加えて、前記案内面の径方向断面形状が円弧状であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の構成に加えて、前記案内面の径方向断面形状が凹状の円弧状であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に係る発明の構成に加えて、前記ローラの案内面と接触し得る前記スプロケット歯の歯側面における径方向断面形状が、円弧状であり、前記ローラの案内面における径方向断面の曲率半径が、前記スプロケット歯の歯側面における径方向断面の曲率半径よりも大きいことにより、前述の課題を解決したものである。
本発明に関連して、幅方向はチェーン幅方向であり、長手方向はチェーン長手方向である。
本発明のローラチェーンは、複数の外リンクと、複数の内リンクと、スプロケットのスプロケット歯と噛合い可能な複数のローラとを備え、1対の外プレートが1対のピンにより連結されている外リンクと、幅方向で1対の外プレートの間に配置されている1対の内プレートが1対のブシュにより連結されている内リンクとが、幅方向で1対の内プレートの間に配置されているローラを回転可能に支持しているブシュを回動可能に支持しているピンにより、屈曲可能に連結されていることにより、スプロケットに巻き掛けられたローラチェーンは、スプロケットの回転に伴って、幅方向で1対の外プレートの間および1対の内プレートの間に交互に進入するプロケット歯がローラと噛み合うことで、長手方向に走行することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る本発明のローラチェーンによれば、ローラが、スプロケット歯と噛合い可能な噛合い部と、幅方向で噛合い部を挟んで離隔している1対のフランジとを有し、1対のフランジが、チェーン幅中心位置を挟んで幅方向で対向する1対の案内面をそれぞれ有し、この案内面の外径が、内プレートのプレート高さよりも大きく、案内面がスプロケットの回転につれて前記チェーン幅中心位置が前記スプロケット幅中心位置に接近してスプロケット歯が前記案内面と接触することにより前記ローラを介して前記1対の内プレートを幅方向に移動させる面形状であることにより、スプロケット歯とローラチェーンとの間に、スプロケット幅中心位置とチェーン幅中心位置とがずれる幅方向位置ズレが発生した場合に、スプロケット歯がフランジに衝突すると、該衝突時の衝撃によりフランジが回転するので、該衝撃が緩和されて、該衝突に起因するフランジの摩耗、衝突音、および、スプロケット歯とローラチェーンとの間の摩擦が低減し、さらに、内プレートおよび外プレートの捩れが減少して、発生する捩れ応力が低減する。このため、フランジにおける摩耗の低減と、フランジによりスプロケット歯との干渉から保護される1対の内プレートの内側面の摩耗防止と、疲労強度の向上とにより、フランジ、内プレートおよび外プレートの耐久性、ひいてはローラチェーンの耐久性を向上させることができ、また、衝突音の低減によりローラチェーンの静粛性能を向上させることができ、さらに、スプロケット歯とローラチェーンとの間の摩擦の低減による動力損失の減少によりローラチェーンの動力伝達性能を向上させることができる。
また、フランジが回転することから、フランジにおけるスプロケット歯との接触部位がフランジの全体に周方向に亘って分散されるので、フランジにおける摩耗が集中的進行する部位の発生が防止されるため、この点でもフランジの耐久性、ひいては該フランジを備えるローラチェーンの耐久性を向上させることができる。
さらに、噛合い状態の開始時にスプロケット歯が案内面に接触するとき、フランジは、スプロケットが案内面に衝突するときの衝撃により回転するため、スプロケット歯が内プレートに衝突する場合に比べて、ローラチェーンに与える衝撃を緩和することができる。
請求項2に係る本発明のローラチェーンによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、長手方向で隣り合うフランジ同士の最小間隔が、フランジと噛合い部との外径差以下であることにより、最小間隔が外径差よりも大きい場合に比べて、チェーンピッチが小さくなるので、スプロケット歯と案内面との衝突時の衝撃による内プレートおよび外プレートの捩れが減少するため、該捩れにより発生する捩れ応力が低減して、内プレートおよび外プレートの疲労強度を向上させることができる。また、チェーンピッチが小さいときほど、案内面に接触するスプロケット歯によりフランジおよび1対の内プレートが幅方向移動すると、後続するフランジおよび1対の内プレートがより速やかに幅方向位置ズレが減少するように幅方向に移動するので、幅方向位置ズレの矯正が迅速化されてため、外径差が小さい場合にも、したがって高さ方向で小型化されたローラチェーンにおいても、スプロケット歯と案内面との衝突を回避することが可能になる。
そして、これらの効果は、最小隙間が外径差以下であることで、一層高められる。
請求項3に係る本発明のローラチェーンによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、案内面の径方向断面形状が円弧状であることにより、案内面が、その径方向断面形状が直線状であるテーパ面である場合に比べて、スプロケット歯との衝突時の衝撃を緩和するための案内面の設計の自由度が大きくなるので、フランジの案内面の曲率半径を変更することで、所要の耐久性、静粛性能および動力伝達性能を有するローラチェーンの適用範囲の拡大を容易化することができる。
請求項4に係る本発明のローラチェーンによれば、請求項3に係る発明が奏する効果に加えて、案内面の径方向断面形状が凹状の円弧状であることにより、幅方向位置ズレが大きい場合に、案内面の径方向断面形状が凸状である場合に比べて、スプロケット歯との衝突時の衝撃の、案内面の衝突部位における法線方向成分を小さくすることが可能になるので、衝撃を低減すること、および、スプロケット歯と案内面との間の摩擦を低減することができる。
請求項5に係る本発明のローラチェーンによれば、請求項3または請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、ローラの案内面と接触し得る前記スプロケット歯の歯側面における径方向断面形状が、円弧状であり、前記ローラの案内面における径方向断面の曲率半径が、前記スプロケット歯の歯側面における径方向断面の曲率半径よりも大きいことにより、歯側面と案内面との接触領域が大きくなるので、スプロケット歯と案内面との衝突時の衝撃を緩和することができる。
本発明の実施例を示し、ローラチェーンの要部の平面図であり、一部が屈曲中心線を含む平面での断面図。 図1の2−2線断面図。 図1の3−3線断面図。 図3の要部拡大図。 従来技術を示し、図3に相当する図。
本発明のローラチェーンは、複数の外リンクと、複数の内リンクと、スプロケットのスプロケット歯と噛合い可能な複数のローラとを備え、1対の外プレートが1対のピンにより連結されている外リンクと、幅方向で1対の外プレートの間に配置されている1対の内プレートが1対のブシュにより連結されている内リンクとが、幅方向で1対の内プレートの間に配置されているローラを回転可能に支持しているブシュを回動可能に支持しているピンにより、屈曲可能に連結されているローラチェーンにおいて、ローラが、スプロケット歯と噛合い可能な噛合い部と、幅方向で噛合い部を挟んで離隔している1対のフランジとを有し、1対のフランジが、チェーン幅中心位置を挟んで幅方向で対向する1対の案内面をそれぞれ有し、案内面の外径が、内プレートのプレート高さよりも大きく、案内面がスプロケットの回転につれてチェーン幅中心位置が前記スプロケット幅中心位置に接近してスプロケット歯が案内面と接触することによりローラを介して1対の内プレートを幅方向に移動させる面形状であり、スプロケット歯とローラチェーンとの間に、スプロケット幅中心位置とチェーン幅中心位置とがずれる幅方向位置ズレが発生した場合にもチェーン幅中心位置をスプロケット幅中心位置に接近させることにより摩耗の低減および疲労強度の向上によりチェーンの耐久性が向上し、衝突音の低減により静粛性能が向上し、スプロケット歯との間の摩擦の低減により動力伝達性能が向上するものであれば、その具体的な態様は、いかなるものであっても構わない。
例えば、本発明のローラチェーンの案内面の面形状は、案内面と接触するスプロケット歯が、スプロケットの回転につれてチェーン幅中心位置がスプロケット幅中心位置に接近するように、ローラを介して1対の内プレートを幅方向に移動させるものであれば、いかなる形状であってもよい。
本発明のローラチェーンは、例えば、伝動チェーンでもよいし、搬送チェーンでもよい。そして、本発明のローラチェーンは、機械、例えば搬送機械、産業機械、または、車両の動力装置(例えば、エンジン)に使用され得る。
以下、本発明の実施例を図1〜図4を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施例において、伝動用チェーンとしてのローラチェーン(以下、「チェーン」という。)100は、複数の外リンク101と、複数の内リンク102と、複数のローラ130とを備え、すべての外リンク101および内リンク102が長手方向に交互に屈曲中心線Cを中心に屈曲可能に連結されている無端のチェーンである。
図2を併せて参照すると、チェーン100は、該チェーン100が巻き掛けられる複数のスプロケット10(そのうちの1つのスプロケット10の一部が、図2に示されている。)を有するスプロケット機構、および、長手方向に走行しているチェーン100を案内するチェーンガイド(図示されず)と共に、チェーン伝動装置を構成する。
なお、チェーン100において、幅方向は屈曲中心線Cに平行な方向であり、長手方向は、幅方向に直交すると共に1対の屈曲中心線Cを通る方向である。また、高さ方向は、幅方向および長手方向に直交する方向である。
外リンク101は、幅方向で離隔する1対の外プレート110と、1対の外プレート110を連結する1対のピン112とを有する。外プレート110には、長手方向で離隔している1対のピン孔111が設けられる。ピン112は、1対の外プレート110の、幅方向で対向する1対のピン孔111に挿入された状態で、抜止め手段としてのカシメにより外プレート110に結合されている。ピン112は屈曲中心線Cを規定する。
内リンク102は、幅方向で離隔する1対の内プレート120と、幅方向で1対の外プレート110の間に配置される1対の内プレート120を連結する1対のブシュ122とを有する。内プレート120には、長手方向で離隔している1対のブシュ孔121が設けられる。ブシュ122は、1対の内プレート120の、幅方向で対向する1対のブシュ孔121に挿入された状態で、結合手段としての圧入により結合されている。
ローラ130は、ブシュ122の外周に遊嵌されて、ブシュ122により回転可能に支持される。ブシュ122は、ピン112の外周に遊嵌されて、該ピン112により回動可能に支持される。ローラ130は、複数のスプロケット歯11を有するスプロケット10の回転に伴って、幅方向で1対の外プレート110の間および1対の内プレート120の間に交互に進入するそれらスプロケット歯11と噛合い可能である。
内リンク102および該内リンク102に保持されるローラ130は、チェーン100の内ユニット103を構成する。
図1〜図3を参照すると、ローラ130は、スプロケット歯11と噛合すると共にスプロケット10の歯底13が着座する噛合い部131と、幅方向で噛合い部131を挟んで離隔している1対のフランジ132とを有する。各フランジ132は、円形状の外周縁133と、チェーン幅中心位置Pcに幅方向で面すると共に周方向に連続して延びている環状の案内面134とを有する。
そして、直線状態にあるチェーン100において、外リンク101、内リンク102およびローラ130は、基本的に、幅方向中心面Pwを対称面として面対称に構成される部材である。
なお、チェーン幅中心置Pcは、1対の内プレート120の内側面125の幅方向間隔を幅方向で二等分する位置、または、噛合い部131の幅方向長さを幅方向で二等分する位置である。また、スプロケット幅中心位置Psは、スプロケット歯11の歯幅を幅方向で二等分する位置である。
また、径方向および周方向は、それぞれ、ピン112または屈曲中心線Cを中心とする径方向および周方向である。
案内面134は、該案内面134に衝突(または、接触)するスプロケット歯11により、チェーン100との噛合いが進行するときのスプロケット10の回転につれてチェーン幅中心位置Pcをスプロケット幅中心位置Psに向けて、ローラ130を介して1対の内プレート120を、さらにはブシュ122、外プレート110およびピン112を幅方向に移動させる面形状である。
1対の案内面134の、幅方向間隔Aは、噛合い部131から径方向外方に向かって連続的に大きくなる。このため、案内面134の外径が大きくなるにつれて、幅方向間隔Aは大きくなる。
図4を併せて参照すると、案内面134は、幅方向に凹状で、屈曲中心線Cまたはローラ130の中心軸線を軸線とする回転面からなる曲面である。そして、案内面134の径方向断面形状は、幅方向で凹状の円弧状である。
一方、スプロケット歯11において、案内面134と接触し得る歯側面12の径方向断面形状は、幅方向に凸状の円弧状である。
ここで、円弧状とは、1つの曲率半径の単一円弧、または、異なる曲率半径の複数の円弧から構成される複合円弧を意味する。
また、径方向断面は、案内面134に関しては、屈曲中心線Cまたはローラ130の中心軸線を含む平面での断面であり、スプロケット歯11の歯側面12に関しては、スプロケット10の回転中心線を含む平面での断面である。
そして、径方向断面での案内面134の曲率半径Rfは、径方向断面でのスプロケット歯11の歯側面12の曲率半径Rsよりも大きい。
フランジ132の外径(すなわち、案内面134の外径)Dfは、ローラ130の噛合い部131の外径Drよりも大きい一方で、チェーン100のチェーンピッチP(図2)よりも小さく、内プレート120のプレート高さH以上であり、ここではプレート高さHよりも大きい。プレート高さHは、内プレート120において、幅方向から見て(すなわち、側面視で)屈曲中心線Cを通るときの高さ方向での幅である。
長手方向で隣り合うフランジ132同士の最小間隔S(図2)は、フランジ132の外径Deと噛合い部131の外径Drとの外径差E以下であり、ここでは、該外径差Eよりも小さい。
このチェーン伝動装置において、スプロケット歯11とチェーン100との間に幅方向位置ズレの最大値は、幅方向で歯側面12が、1対の案内面134の間に収まるように設計されている。そして、この幅方向位置ズレが発生すると、スプロケット歯11とチェーン100とが噛合い状態にあるとき、噛合い状態の開始時にスプロケット歯11は、案内面134に接触する。
この噛合い状態の開始時にスプロケット歯11が案内面134に接触するとき、フランジ132は、スプロケット10が案内面134に衝突するときの衝撃により回転するので、スプロケット歯が内プレート120に衝突する場合に比べて、チェーン100に与える衝撃が緩和される。
ここで、噛合い状態とは、スプロケット歯11が、1対の外プレート110の間または1対の内プレート120の間に位置する、換言すれば、側面視で、スプロケット歯11が、1対の外プレート110と重なる位置にある状態、または、1対の内プレート120と重なる位置にある状態を意味する。
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
チェーン100において、1対の外プレート110が1対のピン112により連結されている外リンク101と、1対の内プレート120が1対のブシュ122により連結されている内リンク102とは、ローラ130を回転可能に支持しているブシュ122を回動可能に支持しているピン112により、屈曲可能に連結されている。
これにより、スプロケット10に巻き掛けられたチェーン100は、スプロケット10の回転に伴って、幅方向で1対の外プレート110の間および1対の内プレート120の間に交互に進入するプロケット歯がローラ130と噛み合うことで、長手方向に走行することができる。
ローラ130の1対のフランジ132の案内面134は、該案内面134と接触するスプロケット歯11が、スプロケット10の回転につれてチェーン幅中心位置Pcがスプロケット幅中心位置Psに接近するように、ローラ130を介して1対の内プレート120を幅方向に移動させる面形状である。
これにより、スプロケット歯11とチェーン100との間に、スプロケット幅中心位置Psとチェーン幅中心位置Pcとがずれる幅方向位置ズレが発生した場合に、スプロケット歯11がフランジ132に衝突すると、該衝突時の衝撃によりフランジ132が回転するので、該衝撃が緩和される。このため、該衝突に起因するフランジ132の摩耗、衝突音、および、スプロケット歯11とチェーン100との間の摩擦が低減し、さらに、内プレート120や外プレート110の捩れが減少して、それらプレート110,120に発生する捩れ応力が低減する。この結果、フランジ132における摩耗の低減と、フランジ132によりスプロケット歯11との干渉から保護される1対の内プレート120の内側面125の摩耗防止と、内プレート120や外プレート110の疲労強度の向上とにより、フランジ132および内プレート120(すなわち、内リンク102ユニット)や外プレート510の耐久性、ひいてはチェーン100の耐久性を向上させることができ、また、衝突音の低減によりチェーン100の静粛性能を向上させることができ、さらに、スプロケット歯11とチェーン100との間の摩擦の低減による動力損失の減少によりチェーン100の動力伝達性能を向上させることができる。
また、フランジ132が回転することから、フランジ132におけるスプロケット歯11との接触部位がフランジ132の全体に周方向に亘って分散されるので、フランジ132における摩耗が集中的進行する部位の発生が防止されるため、この点でもフランジ132の耐久性、ひいては該フランジ132を備えるチェーン100の耐久性を向上させることができる。
長手方向で隣り合うフランジ132同士の最小間隔Sが、フランジ132とローラ130との外径差E以下である。これにより、最小間隔Sが外径差Eよりも大きい場合に比べて、チェーンピッチPが小さくなるので、スプロケット歯11と案内面134との衝突時の衝撃による内プレート120や外プレート110の捩れが減少するため、該捩れにより発生する捩れ応力が低減して、内プレート120や外プレート110の疲労強度を向上させることができる。また、チェーンピッチPが小さいときほど、案内面134に接触するスプロケット歯11によりフランジ132および1対の内プレート120が幅方向移動すると、後続するフランジ132および1対の内プレート120が、外プレートなどチェーン構成要素を含めてより速やかに幅方向位置ズレが減少するように幅方向に移動するので、幅方向位置ズレの矯正が迅速化されてため、外径差Eが小さい場合にも、したがって高さ方向で小型化されたチェーン100においても、スプロケット歯11と案内面134との衝突を回避することが可能になる。
そして、これらの効果は、最小隙間が外径差E以下であることで、一層高められる。
案内面134の径方向断面形状が円弧状であることにより、案内面134が、その径方向断面形状が直線状であるテーパ面である場合に比べて、スプロケット歯11との衝突時の衝撃を緩和するための案内面134の設計の自由度が大きくなるので、フランジ132の案内面134の曲率半径Rfを変更することで、所要の耐久性、静粛性能および動力伝達性能を有するチェーン100の適用範囲の拡大を容易化することができる。
径方向断面形状が凹状の円弧状であることにより、幅方向位置ズレが大きい場合に、案内面134の径方向断面形状が凸状である場合に比べて、スプロケット歯11との衝突時の衝撃の、案内面134の衝突部位における法線方向成分を小さくすることが可能になるので、衝撃を低減すること、および、スプロケット歯11と案内面134との間の摩擦を低減することができる。
径方向断面形状が凹状の円弧状であることにより、幅方向位置ズレが大きい場合に、案内面134の径方向断面形状が凸状である場合に比べて、スプロケット歯11との衝突時の衝撃の、案内面134の衝突部位における法線方向成分を小さくすることが可能になるので、衝撃を低減すること、および、スプロケット歯11と案内面134との間の摩擦を低減することができる。
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
案内面134は、単一の傾斜角または複数の傾斜角を有するテーパ面であってもよし、その径方向断面形状が幅方向に凸状の円弧状である回転面であってもよい。
案内面134の外径Dfは、チェーン100のプレート高さHよりも小さくてもよい。
100・・・ローラチェーン
101・・・外リンク
102・・・内リンク
110・・・外プレート
112・・・ピン
120・・・内プレート
122・・・ブシュ
125・・・内側面
130・・・ローラ
131・・・噛合い部
132・・・フランジ
134・・・案内面
Df,Ds・・・外径
E ・・・外径差
P ・・・チェーンピッチ
Pc ・・・チェーン幅方向位置
Ps ・・・スプロケット幅中心位置
Rf,Rs・・・曲率半径
S ・・・最小間隔

Claims (5)

  1. 複数の外リンクと、複数の内リンクと、スプロケットのスプロケット歯と噛合い可能な複数のローラとを備え、1対の外プレートが1対のピンにより連結されている前記外リンクと、幅方向で1対の前記外プレートの間に配置されている1対の内プレートが1対のブシュにより連結されている前記内リンクとが、幅方向で前記1対の内プレートの間に配置されている前記ローラを回転可能に支持している前記ブシュを回動可能に支持している前記ピンにより、屈曲可能に連結されているローラチェーンにおいて、
    前記ローラが、前記スプロケット歯と噛合い可能な噛合い部と、幅方向で前記噛合い部を挟んで離隔している1対のフランジとを有し、
    前記1対のフランジが、チェーン幅中心位置を挟んで幅方向で対向する1対の案内面をそれぞれ有し、
    前記案内面の外径が、前記内プレートのプレート高さよりも大きく、
    前記案内面が、前記スプロケットの回転につれて前記チェーン幅中心位置が前記スプロケット幅中心位置に接近して前記スプロケット歯が前記案内面と接触することにより前記ローラを介して前記1対の内プレートを幅方向に移動させる面形状であることを特徴とするローラチェーン。
  2. 長手方向で隣り合う前記フランジ同士の最小間隔が、前記フランジと前記噛合い部との外径差以下であることを特徴とする請求項1記載のローラチェーン。
  3. 前記案内面の径方向断面形状が円弧状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のローラチェーン。
  4. 前記案内面の径方向断面形状が凹状の円弧状であることを特徴とする請求項3に記載のローラチェーン。
  5. 前記ローラの案内面と接触し得る前記スプロケット歯の歯側面における径方向断面形状が、円弧状であり、
    前記ローラの案内面における径方向断面の曲率半径が、前記スプロケット歯の歯側面における径方向断面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のローラチェーン。
JP2013117402A 2013-06-03 2013-06-03 ローラチェーン Active JP6112719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013117402A JP6112719B2 (ja) 2013-06-03 2013-06-03 ローラチェーン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013117402A JP6112719B2 (ja) 2013-06-03 2013-06-03 ローラチェーン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014234891A JP2014234891A (ja) 2014-12-15
JP6112719B2 true JP6112719B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=52137745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013117402A Active JP6112719B2 (ja) 2013-06-03 2013-06-03 ローラチェーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6112719B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220001842U (ko) * 2021-01-19 2022-07-26 코요 프레시젼 컴퍼니 리미티드 공작 기계의 공구 매거진의 가이드 링크 구조체 및 가이드 링크 구조체를 위한 공구 체인
KR20220001844U (ko) * 2021-01-19 2022-07-26 코요 프레시젼 컴퍼니 리미티드 공작 기계의 공구 매거진의 가이드 구동 구조체

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5560713A (en) * 1978-10-31 1980-05-08 Yamakiyuu Chain Kk Manufacturing method of chain roller
JPS6021056U (ja) * 1983-07-22 1985-02-13 株式会社 江沼チエン製作所 伝動用ロ−ラチエ−ン
JP5271777B2 (ja) * 2009-04-08 2013-08-21 株式会社江沼チヱン製作所 チェーン駆動装置
JP6273527B2 (ja) * 2012-08-22 2018-02-07 前澤工業株式会社 汚泥掻き寄せ機のチェーン送り装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220001842U (ko) * 2021-01-19 2022-07-26 코요 프레시젼 컴퍼니 리미티드 공작 기계의 공구 매거진의 가이드 링크 구조체 및 가이드 링크 구조체를 위한 공구 체인
KR20220001844U (ko) * 2021-01-19 2022-07-26 코요 프레시젼 컴퍼니 리미티드 공작 기계의 공구 매거진의 가이드 구동 구조체
KR200496746Y1 (ko) 2021-01-19 2023-04-13 코요 프레시젼 컴퍼니 리미티드 공작 기계의 공구 매거진의 가이드 구동 구조체
KR200496745Y1 (ko) 2021-01-19 2023-04-13 코요 프레시젼 컴퍼니 리미티드 공작 기계의 공구 매거진의 가이드 링크 구조체 및 가이드 링크 구조체를 위한 공구 체인

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014234891A (ja) 2014-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9046151B2 (en) Chain
JP5259775B2 (ja) 動力伝達チェーン
US8974335B2 (en) Silent chain
JP5925110B2 (ja) チェーン
JP4468466B2 (ja) チェーン用スプロケット
KR20110133429A (ko) 스프로킷
JP3226039B1 (ja) 両面噛み合い型サイレントチェーン
JP6112719B2 (ja) ローラチェーン
JP6103699B2 (ja) チェーン
US9347523B2 (en) Chain
US20080207368A1 (en) Plate-link chain
KR101772450B1 (ko) 체인 및 체인용 가이드 플레이트
JP2007309489A (ja) 伝動用多列チェーン
JP5839400B2 (ja) サイレントチェーン
JP6756254B2 (ja) 可変ピッチチェーン
JP2010112503A (ja) ブシュ付きサイレントチェーン
JP6108611B2 (ja) チェーン
JP5975139B1 (ja) 異形プレートチェーン
WO2005068874A1 (ja) 伝動用無端ベルト
JP6108608B2 (ja) チェーン
JP6108608B6 (ja) チェーン
JP2014240673A (ja) チェーンおよびローラ
WO2015115392A1 (ja) ローラチェーン
US20150292598A1 (en) Drive chain
TW202407232A (zh)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161012

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20161020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6112719

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150