JP6273527B2 - 汚泥掻き寄せ機のチェーン送り装置 - Google Patents
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Description
図8に示す特許文献1に記載された汚泥掻き寄せ機1は、無端状で周回させて形成されたチェーン2の送り装置として、チェーン2の送り方向両端に駆動スプロケットホイール3及び従動スプロケットホイール4とテールスプロケットホイール5とを備えている。駆動スプロケットホイール3は駆動チェーン7を介してモータ等の駆動装置8に連結されている。そして、これら駆動スプロケットホイール3及び従動スプロケットホイール4とテールスプロケットホイール5とに無端状の一対のチェーン2が巻回され、これら一対のチェーン2間には汚泥の掻き寄せ板であるフライト6が所定間隔で取り付けられて周回運動させられる。
また、各スプロケットホイール3,4,5の軸部とチェーン2は共にプラスチック製であるため、チェーン2の幅や長さが熱や荷重等によって変化したり、蛇行によって軸部のフランジ部に乗り上げることを考慮して、軸部は両端に形成するフランジ部間の距離をチェーン2の幅より大きく設定している。
また、チェーンの蛇行を検知するリミットスイッチ等の蛇行検知装置を沈殿池の上部に設置すると共にフライトに検知板を設けて蛇行を検知するシステムも提案されているが、チェーンの蛇行を防止することはできないので蛇行検知後のチェーン位置の調整が煩雑であり、しかも蛇行検知装置を設置することはコスト高になるという欠点があった。
本発明による汚泥掻き寄せ機のチェーン送り装置は、汚泥を掻き寄せるための汚泥掻き寄せ片を所定間隔で取り付けたチェーンの各セグメントに形成されたノッチに、回転駆動するスプロケットホイールの外周側に所定間隔で配列された軸部を係合させてチェーンを搬送するが、その際、軸部と各セグメントとの当接面は凸曲面状のクラウン形状と凹曲面状の逆クラウン形状とで面接触しているため、軸部に対するチェーンの蛇行を抑制できる。
セグメントのノッチと軸部との少なくとも一方の当接面であるクラウン形状または/及び逆クラウン形状の幅方向中央部が切除されて非接触空間が形成されることで、スプロケットホイールを回転させる際、チェーンの各セグメントのノッチが中央部を除く両端部で軸部に当接するため一層ずれにくく、両端部の摩耗によるノッチの当接面の変形を抑制できるので、チェーンの蛇行を一層抑制できる。
本発明の実施形態による汚泥掻き寄せ機は図8に示すものと概略で同一構成を有しており、図8に示す汚泥掻き寄せ機と同一部分には概ね同一の符号を用いて説明する。図1には図8に示すものと同様な基本構成を備えた汚泥掻き寄せ機1における駆動スプロケットホイール部分の構成が開示されており、これを用いて本実施形態によるチェーン送り装置20を以下に詳細に説明する。
駆動スプロケットホイール21の外周面側の軸部25にはチェーン26が巻き回され、駆動スプロケットホイール21の回転によってチェーン26を搬送するようになっている。なお、駆動スプロケットホイール21、従動スプロケットホイール4、テールスプロケットホイール5とチェーン26は超高分子量ポリエチレン等の高強度プラスチックで形成されている。
ここで、軸部25のクラウン形状とは軸部25の中央と両端部との間で直径が違う凸形状をいい、凸曲面形状や中央に凸部を形成した断面台形状のテーパ面形状等を含む。また、チェーン26のノッチ28の逆クラウン形状とはクラウン形状とは逆の形状で中央と両端部との間で直径が違う凹形状であり、凹曲面形状や中央が凹部の断面台形形状とされた逆テーパ面形状等を含むものである。
そのため、駆動スプロケットホイール21の軸部25の当接面25bにチェーン26のノッチ28に形成された当接面28aが当接して面接触した際、軸部25の当接面25bの切除部25cとノッチ28の当接面28aとの間に互いに非接触な空間が幅方向中央に形成されることになる。
なお、上述した説明では、駆動スプロケットホイール21について説明したが、本実施形態では、汚泥掻き寄せ装置における他のスプロケットホイール、すなわち従動スプロケットホイール4及びテールスプロケットホイール5においても同様な構成を備えているものとする。
汚泥掻き寄せ機のチェーン送り装置20において、駆動装置8を駆動することでその駆動力を駆動チェーン7を介して伝動スプロケットホイール9に伝達する。伝動スプロケットホイール9の回転は駆動軸10を介してその両側の駆動スプロケットホイール21に伝達される。図1に示す一対の駆動スプロケットホイール21の回転力はその外周側の軸部25が一対のチェーン26のノッチ28にそれぞれ噛み合うことで確実に伝達されて各チェーン26を搬送することができる。
このとき、駆動スプロケットホイール21の外周側に歯飛び防止板31を設置したので、チェーン26の各セグメント27のノッチ28を確実に駆動スプロケットホイール21に押し付けて軸部25と噛み合わせ、フライト6を配列させたチェーン26を周回させて搬送させることができる。
しかも、チェーン26を搬送させる際、図1及び図3に示すように、駆動スプロケットホイール21では、チェーン26のセグメント27に形成したノッチ28に軸部25が噛み合うと共に、図5及び図6において、軸部25の当接面25bがクラウン形状に形成され、これに接触するノッチ28の当接面28aが逆クラウン形状に形成されていて互いに面接触するため、チェーン26の蛇行を防止して確実に直線状に搬送できる。
なお、テールスプロケットホイール5及び従動スプロケットホイール4にも、駆動スプロケットホイール21と同様な構成を備えているため、チェーン26の走行時により確実に蛇行を防止して安定した搬送を行える。
しかも、軸部25のクラウン形状をなす当接面25bの幅方向の中央頂部に切除部25cを形成したことで、チェーン26のノッチ28の当接面28aは両端部で軸部25の当接面25bに面接触するため、走行時のチェーン26のずれや蛇行を一層抑制することができる。
また、チェーン26の蛇行検知装置が不要になるため、チェーン送り装置20の製造コストとランニングコストを低廉にできる。
例えば、チェーン送り装置20において、上述の実施形態では、軸部25の当接面25bの中央頂部に切除部25cを形成したが、この構成に代えて、図7に示すように、チェーン26の各セグメント27におけるノッチ28の当接面28aの幅方向中央に切除部28bを形成してもよい。或いは、軸部25の当接面25bとノッチ28の当接面28aの両方に切除部25c、28bを形成してもよい。
また、本発明による軸部25とチェーン26との各当接面25b、28aにおける上述した構成は、汚泥掻き寄せ装置のチェーン送り装置20における少なくとも1つのスプロケットホイールとチェーンとの間に設けられていればよい。
なお、上述の実施形態によるチェーン送り装置20では、駆動スプロケットホイール21に歯飛び防止板31を設置したが、歯飛び防止板31は省略してもよい。
5 テールスプロケットホイール
6 フライト
20 チェーン送り装置
21 駆動スプロケットホイール
22 側板
25 軸部
25b、28a 当接面
25c、28b 切除部
26 チェーン
27 セグメント
28 ノッチ
Claims (1)
- ノッチ式のチェーンを回転可能なスプロケットホイールの外周側に所定間隔で配列された軸部に係合させて搬送させるようにした汚泥掻き寄せ機のチェーン送り装置において、
前記チェーンの各セグメントは側面視略平板状に形成され一部の前記セグメントには汚泥掻き寄せ片が取り付けられ、
前記チェーンの各セグメントに形成されたノッチに係合するスプロケットホイールの軸部の当接面が凸曲面状のクラウン形状とされ、前記ノッチの当接面が凹曲面状の逆クラウン形状とされ、
前記軸部の当接面と前記ノッチの当接面が面接触すると共に、前記ノッチ及び軸部の一方または両方の当接面の幅方向中央部が切除されて非接触の空間が形成されていることを特徴とする汚泥掻き寄せ機のチェーン送り装置。
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