JP6690356B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。さらには、熱硬化性樹脂組成物層を有する接着フィルム、接着フィルムを使用した配線板の製造方法、配線板及び半導体装置に関する。
配線板(プリント配線板)の製造方法としては、回路形成された導体層と絶縁層を交互に積み上げていくビルドアップ方式が広く用いられており、絶縁層は樹脂組成物を硬化して形成されることが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2015−82535号公報
近年、電子機器の軽薄短小化が進められている。それに伴い、折り曲げて電子機器に収納可能であるフレキシブル配線板が求められている。また、配線板の更なる薄型化を可能とするために、埋め込み型の配線層を備える配線板が求められている。
埋め込み型の配線層を備える配線板に使用する絶縁層としては、配線層や部品との間の平均線熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion:CTE、熱膨張率ともいう)の不整合を低減するために、無機充填材を高充填させた硬い材料が使用されてきた。しかし、硬い材料であるため、折り曲げることができなかった。一方、折り曲げるために柔らかい材料を使用すると、寸法精度やリフロー耐性に課題があった。
本発明の課題は、上記問題を解決するためになされたものであり、埋め込み型の配線層を備える配線板を製造する際に、寸法精度やリフロー耐性がよく、折り曲げ可能な絶縁層を可能とする、熱硬化性熱硬化性樹脂、接着フィルム、それを用いた配線板の製造方法、配線板、及び半導体装置を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1](a)エポキシ樹脂、(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物、(c)フェノキシ樹脂、及び(d)無機充填材を含む、熱硬化性樹脂組成物であって、
(a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物であり、
(d)無機充填剤が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合30質量%以上であり、
熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物の23℃における、弾性率、破断強度、破壊伸びが、それぞれ1Gpa以上6Gpa以下、10Mpa以上、6%以上である、熱硬化性樹脂組成物。
[2]柔軟構造を有する化合物が、炭素原子数3〜15のエーテル結合を有するアルキレン構造を有する化合物である、[1]記載の熱硬化性樹脂組成物。
[3]柔軟構造を有する化合物の含有量が、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、2質量%〜50質量%である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4](b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物の含有量が、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、8質量%〜50質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]支持体と、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の層を含む接着フィルム。
[6](1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程、
(2)熱硬化性樹脂組成物層を含む接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程、
(3)配線層を層間接続する工程、及び
(4)基材を除去する工程、
を含む、配線板の製造方法に使用される[5]に記載の接着フィルム。
[7]工程(3)は、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程、及び絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程の少なくともいずれかの工程である、[6]に記載の接着フィルム。
[8]絶縁層と、絶縁層に埋め込まれた埋め込み型配線層と、を備える配線板の製造に使用される[5]記載の接着フィルム
[9](1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程、
(2)[5]〜[8]のいずれかに記載の接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程、
(3)配線層を層間接続する工程、及び、
(4)基材を除去する工程、
を含む、配線板の製造方法。
[10]工程(3)は、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程、及び絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程の少なくともいずれかの工程である、[9]に記載の方法。
[11]工程(3)は、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程であり、レーザー照射によって行われる、[9]又は[10]に記載の方法。
[12]導体層を形成する前に、粗化処理を行う工程を含む、[11]に記載の方法。
[13]配線板がフレキシブル配線板である、[9]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14]配線パターンの最小ピッチが40μm以下である、[9]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15][5]〜8]のいずれかに記載の接着フィルムの熱硬化性樹脂組成物層の硬化物である絶縁層と、絶縁層に埋め込まれた埋め込み型配線層と、を備える配線板。
[16]フレキシブル配線板である、[15]に記載の配線板。
[17]絶縁層の厚みが、2μm以上である、[15]又は[16]に記載の配線板。
[18][15]〜17]のいずれかに記載の配線板を備える、半導体装置。
本発明によれば、埋め込み型の配線層を備える配線板を製造する際、寸法精度やリフロー耐性がよく、折り曲げ可能な絶縁層を可能とする、熱硬化性熱硬化性樹脂、接着フィルム、それを用いた配線板の製造方法、配線板、及び半導体装置を提供することができる。
図1は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図2は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図3は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図4は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図5は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図6は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図7は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図8は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図9は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図10は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図11は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図12は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図13は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図14は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図15は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図16は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図17は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図18は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図19は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図20は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図21は、配線板の製造工程を説明するための模式的な断面図である。 図22は、配線板を説明するための模式的な断面図である。 図23は、配線板を説明するための模式的な断面図である。
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物、接着フィルム、配線板の製造方法、配線板、及び半導体装置について詳細に説明する。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明の熱硬化性樹脂組成物は(a)エポキシ樹脂、(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物、(c)フェノキシ樹脂、及び(d)無機充填材を含む。熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、さらに(e)硬化剤、(f)硬化促進剤、(g)難燃剤及び(h)有機充填材等の添加剤を含んでいてもよい。詳細は後述するが、配線板を製造するに際して、配線層は熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれ、これによって埋め込み型の配線層が形成される。このため、(a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物であり、(d)無機充填剤が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合30%質量以上であり、熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物の23℃における、弾性率、破断強度、破壊伸びが、それぞれ1Gpa以上6Gpa以下、10Mpa以上、6%以上であるであることを特徴とする。
−(a)エポキシ樹脂−
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用することができるエポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を有する化合物であればとくに限定されない。例えば、後述する炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物(以下、柔軟構造含有化合物と称することもある)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、芳香族構造を有する線状脂肪族エポキシ樹脂、芳香族構造を有するブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、芳香族構造を有する脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、芳香族構造を有するスピロ環含有エポキシ樹脂、芳香族構造を有するシクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するトリメチロール型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物の硬化物の破断強度も向上する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するエステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、芳香族構造を有するシクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂及び芳香族構造を有するブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がさらに好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、(株)ダイセル製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4−グリシジルシクロヘキサン)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「HP−7200HH」、「HP−7200H」、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA7311−G4」、「EXA7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状の芳香族系エポキシ樹脂が好ましく、固体状エポキシ樹脂としては1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状の芳香族系エポキシ樹脂が好ましい。なお、本発明でいう芳香族系エポキシ樹脂とは、その分子内に芳香環構造を有するエポキシ樹脂を意味する。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:20の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)接着フィルムの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)接着フィルムの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる等の効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.3〜1:10の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:9の範囲がさらに好ましい。
熱硬化性樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す絶縁層を得る観点から、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
なお、本発明において、熱硬化性樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、さらにより好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100〜5000、より好ましくは250〜3000、さらに好ましくは400〜1500である。ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
−炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物−
本発明の熱硬化性樹脂は、(a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物である。
炭素原子数2〜20のアルキレン構造としては、炭素原子数4〜15のアルキレン構造が好ましく、炭素原子数4〜10のアルキレン構造がより好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖又は分枝のアルキレン構造が好ましい。このようなアルキレン構造としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、デカヒドロナフタニレン基、ノルボルナニレン基、アダマンタニレン基等が挙げられ、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等の置換基を有していてもよい。ここで、上記炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造としては、オキシアルキレン構造、アルキレンオキシ構造、オキシアルキレンオキシ構造、アルキレンオキシアルキレン構造、アルキレンオキシアルキレンオキシアルキレン構造等が挙げられる。炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造は、炭素原子数2〜15のエーテル結合を有するアルキレン構造が好ましく、炭素原子数3〜15のエーテル結合を有するアルキレン構造がより好ましい。該アルキレン構造は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖又は分枝のアルキレン構造が好ましい。このようなエーテル結合を有するアルキレン構造としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシへキシレン基、オキシヘプチレン基、オキシオクチレン基、オキシノニレン基、オキシデシレン基、オキシウンデシレン基、オキシドデシレン基、オキシトリデシレン基、オキシテトラデシレン基、オキシペンタデシレン基、オキシシクロプロピレン基、オキシシクロブチレン基、オキシシクロペンチレン基、オキシシクロへキシレン基、オキシデカヒドロナフタニレン基、オキシノルボルナニレン基、オキシアダマンタニレン基などが挙げられ、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシへキシレン基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等の置換基を有していてもよい。ここで、上記炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
本発明で使用し得る具体的な柔軟構造含有化合物としては、例えば、以下の構造のエポキシ樹脂(kは1〜20の整数、好ましくは1〜5の整数)またはその重合物であるフェノキシ樹脂を挙げることができる。
Figure 0006690356

さらに例えば、以下の構造の樹脂(hはそれぞれ0〜20の整数、好ましくは0〜5の整数であり、i、jはそれぞれ1〜20の整数、好ましくは1〜5の整数であり、好ましくは、i+j=2〜10の整数)を挙げることができる。

Figure 0006690356
及び
Figure 0006690356
さらに例えば、DIC Corporation社製EXA−4850−150、EXA−4816、及びEXA−4822(エーテル結合を有するアルキレン構造を含有するエポキシ樹脂);ADEKA社製EP−4000S、EP−4000SS、EP−4003S、EP−4010S、及びEP−4011S(エーテル結合を有するアルキレン構造を含有するエポキシ樹脂);新日本理化社製BEO−60E及びBPO−20E(エーテル結合を有するアルキレン構造を含有するエポキシ樹脂);三菱化学社製YX7105、YX7110、及びYX7400(エーテル結合を有するアルキレン構造を含有するエポキシ樹脂)、並びに、YX7180(エーテル結合を有するアルキレン構造を含有するフェノキシ樹脂)等が挙げられる。
柔軟構造含有化合物の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、2質量%〜50質量%であることが好ましい。5質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、40質量%以下がより好ましい。
−(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物−
本発明の熱硬化性樹脂組成物は(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物を含む。ブタジエン構造のような柔軟な構造を含むことで、熱硬化性樹脂組成物層の硬化物の弾性率を低下させ、且つ本発明の接着フィルムを用いて製造され得る配線板を折り曲げ可能にすることができる。ブタジエン構造は一部または全てが水素添加されていてもよい。
(b)成分は(a)成分と反応するために、フェノール性水酸基を有する。なおフェノール性水酸基とは、芳香環構造の水素原子が水酸基(ヒドロキシ基)で置換された形で存在する水酸基をいう。(b)成分の水酸基当量は、好ましくは100〜30000、より好ましくは250〜20000である。なお、官能基当量とは、1グラム当量の官能基を含む樹脂のグラム数である。
(b)成分はガラス転移温度が25℃以下の樹脂、および25℃で液状である樹脂から選択される1種以上である樹脂であることが好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が25℃以下である樹脂のガラス転移温度は、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下である。ガラス転移温度の下限は特に限定されないが、通常−15℃以上とし得る。また、25℃で液状である樹脂としては、好ましくは20℃以下で液状である樹脂、より好ましくは15℃以下で液状である樹脂である。
(b)成分の数平均分子量(Mn)は、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1000〜50,000である。ここで、樹脂の数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用して測定されるポリスチレン換算の数平均分子量である。
本発明の(b)成分としてヒドロキシ基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物、四塩基酸無水物及び多官能フェノール化合物を原料とする化合物を使用することもできる。
ヒドロキシ基末端ポリブタジエンとしては、数平均分子量が300〜5,000であるものが好ましい。具体例としては、例えば、G−1000、G−2000、G−3000、GI−1000、GI−2000(以上、日本曹達(株)社製)、R−45EPI(出光石油化学(株)社製)などが挙げられる。ブタジエン構造は一部または全てが水素添加されていてもよい。
ジイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個有する化合物であり、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートなどが挙げられる。
四塩基酸二無水物は、分子内に酸無水物基を2個有する化合物であり、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げられる。
多官能フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビフェノール、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン構造含有フェノールノボラック樹脂、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フェニル基含有フェノールノボラック樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類等が挙げられる。特にアルキルフェノールノボラック樹脂が好ましい。
該化合物の詳細は、国際公開2008/153208号の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
熱硬化性樹脂組成物中の(b)成分の含有量は特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは11質量%以下である。また、下限は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上である。
−(c)フェノキシ樹脂−
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(c)フェノキシ樹脂を含む。
フェノキシ樹脂としては、例えば、例えば、前述した柔軟骨格含有化合物、並びに、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールAF骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」、「YX7180」等が挙げられる。
フェノキシ樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜200,000の範囲が好ましく、10,000〜100,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。フェノキシ樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、フェノキシ樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは6000〜30000、より好ましくは7000〜20000、さらに好ましくは9000〜15000である。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
フェノキシ樹脂の含有量は、好ましくは0.5質量%〜60質量%、より好ましくは3質量%〜50質量%、さらに好ましくは5質量%〜40質量%である。
−(d)無機充填材−
無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。またシリカとしては球形シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材の平均粒径は、良好な埋め込み性の観点から、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.6μm以下である。該平均粒径の下限は、特に限定されないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上である。このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、(株)アドマテックス製「YC100C」、「YA050C」、「YA050C−MJE」、「YA010C」、電気化学工業(株)製「UFP−30」、(株)トクヤマ製「シルフィルNSS−3N」、「シルフィルNSS−4N」、「シルフィルNSS−5N」、(株)アドマテックス製「SOC4」、「SOC2」、「SOC1」等が挙げられる。
無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業(株)製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM−4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
熱硬化性樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、熱膨張率の低い絶縁層を得る観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。熱硬化性樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、絶縁層の機械強度、特に伸びの観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。
−(e)硬化剤−
硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。(e)成分は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤から選択される1種以上であることが好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、配線層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び配線層との密着性を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック硬化剤が好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金(株)製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495V」、「SN375」、「SN395」、DIC(株)製の「TD−2090」、「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−1356」、「LA−3018−50P」、「EXB−9500」、「HPC−9500」等が挙げられる。
配線層との密着性に優れる絶縁層を得る観点から、活性エステル系硬化剤も好ましい。活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンチレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」、「HPC−8000H−65TM」、「EXB−8000L−65TM」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱化学(株)製)、「YLH1030」(三菱化学(株)製)、「YLH1048」(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01〜1:2の範囲が好ましく、1:0.015〜1:1.5がより好ましく、1:0.02〜1:1がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、樹脂組成物の硬化物の耐熱性がより向上する。
一実施形態において、熱硬化性樹脂組成物は、先述の(a)エポキシ樹脂及び(c)硬化剤を含む。熱硬化性樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は好ましくは1:0.1〜1:20、より好ましくは1:0.3〜1:10、さらに好ましくは1:0.6〜1:9)を、(c)硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上を、それぞれ含むことが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物中の硬化剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。また、下限は特に制限はないが2質量%以上が好ましい。
−(f)硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン等が挙げられ、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱化学(株)製の「P200−H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分合計量を100質量%としたとき、0.01質量%〜3質量%が好ましい。
−(g)難燃剤−
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三光(株)製の「HCA−HQ−HST」等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.5質量%〜20質量%、より好ましくは0.5質量%〜15質量%、さらに好ましくは0.5質量%〜10質量%がさらに好ましい。
−(h)有機充填材−
熱硬化性樹脂組成物としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。
ゴム粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、ダウ・ケミカル日本(株)製の「EXL−2655」、ガンツ化成(株)製の「AC3816N」等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物が有機充填材を含有する場合、有機充填材の含有量は、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは0.2質量%〜10質量%、さらに好ましくは0.3質量%〜5質量%、又は0.5質量%〜3質量%である。
−その他の成分−
熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに、バインダー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させて得られる硬化物(例えば190℃で90分間硬化させて得られる硬化物(熱硬化後の熱硬化性樹脂組成物))は、良好な弾性率(23℃)を示す。即ち良好な弾性率を示す絶縁層をもたらす。硬化後の熱硬化性樹脂組成物の23℃における弾性率は、1Gpa以上6Gpa以下であり、好ましくは5GPa以下である。弾性率の測定方法は、後述する<<弾性率、破断強度及び破断伸びの測定>に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物(例えば190℃で90分間硬化させて得られる硬化物(熱硬化後の熱硬化性樹脂組成物))は、良好な破断強度(23℃)を示す。即ち良好な破断強度を示す絶縁層をもたらす。硬化後の熱硬化性樹脂組成物の23℃における破断強度は、10MPa以上であり、好ましくは20MPa以上である。上限については特に限定されないが、500MPa以下である。破断強度の測定方法は、後述する<<弾性率、破断強度及び破断伸びの測定>に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物(例えば190℃で90分間硬化させて得られる硬化物(熱硬化後の熱硬化性樹脂組成物))は、良好な破壊伸び(23℃)を示す。即ち良好な破壊伸びを示す絶縁層をもたらす。硬化後の熱硬化性樹脂組成物の23℃における破壊伸びは、6%以上であり、好ましくは6.5%以上である。上限については特に限定されないが、30%質量以下である。破壊伸びの測定方法は、後述する<<弾性率、破断強度及び破断伸びの測定>に記載の方法に従って測定することができる。
[接着フィルム]
本発明の接着フィルムは、支持体及び熱硬化性樹脂組成物層を含み、一実施形態において、接着フィルムは、支持体と、該支持体と接合している熱硬化性樹脂組成物層とを含んでなり、熱硬化性樹脂組成物層は熱硬化性樹脂組成物から構成される。以下、接着フィルムを構成する各層について詳細に説明する。
<支持体>
本発明の接着フィルムは支持体を含む。支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。また、金属箔は複数の金属箔が積層したものを用いてもよい。
支持体は、熱硬化性樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、熱硬化性樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」、東レ(株)製「ルミラーT6AM」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物層の厚みは、配線板の薄型化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは40μm以下又は20μm以下である。熱硬化性樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上である。
接着フィルムは、支持体及び熱硬化性樹脂組成物層に加えて、他の層を含んでもよい。例えば、接着フィルムは、後述する保護フィルム層を最表面に有していてもよい。
本発明の接着フィルムは、(1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程、(2)熱硬化性樹脂組成物層を含む接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程、(3)配線層を層間接続する工程、及び、(4)基材を除去する工程、を含む、配線板の製造方法に使用される。
また、他の態様として本発明の接着フィルムは、絶縁層と、絶縁層に埋め込まれた埋め込み型配線層と、を備える配線板の製造に使用される。
<接着フィルムの製造方法>
接着フィルムの製造方法は、支持体と、該支持体と接合している熱硬化性樹脂組成物層とを含んでいる限りにおいて特に限定されない。接着フィルムは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜15分間乾燥させることにより、熱硬化性樹脂組成物層を形成することができる。
接着フィルムにおいて、熱硬化性樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、熱硬化性樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。接着フィルムは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。接着フィルムが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
保護フィルムとしては、プラスチック材料からなるフィルムが好ましい。
プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、保護フィルムとしては、熱硬化性樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」、東レ(株)製「ルミラーT6AM」等が挙げられる。
保護フィルムの厚みとしては、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
[配線板の製造方法]
本発明の配線板の製造方法は、
(1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程、
(2)本発明の接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程、
(3)配線層を層間接続する工程、及び
(4)基材を除去する工程、を含むことを特徴とする。
工程(3)は、配線層を層間接続することができれば特に限定されないが、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程、及び絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程の少なくともいずれかの工程であることが好ましい。
以下、工程(3)が絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程である場合を第1実施形態、工程(3)が絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程である場合を第2実施形態として説明する。
1.第1実施形態
<工程(1)>
工程(1)は、基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程である。図1に一例を示すように、配線層付き基材10は、基材11の両面に基材11の一部である第1金属層12、第2金属層13をそれぞれ有し、一方の第2金属層13の基材11側の面とは反対側の面に配線層14を有する。
工程(1)の詳細は、基材上にドライフィルム(感光性レジストフィルム)を積層し、フォトマスクを用いて所定の条件で露光、現像しパターンドライフィルムを形成する。現像したパターンドライフィルムをめっきマスクとして電界めっき法により配線層を形成した後、パターンドライフィルムを剥離する。
第1及び第2金属層に使用する材料は特に限定されない。好適な実施形態では、第1及び第2金属層は、コスト、エッチング、剥離の容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅が好ましく、銅がより好ましい。
基材としては、工程(1)〜(4)を実施し得る限り特に限定されない。基材としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板が挙げられ、基板表面に銅箔等の金属層が形成されていてもよい。
ドライフィルムとしては、フォトレジスト組成物からなる感光性のドライフィルムである限り特に限定されず、例えば、ノボラック樹脂、アクリル樹脂等のドライフィルムを用いることができる。ドライフィルムは市販品を用いてもよく、例えば、PETフィルム付きドライフィルムであるニッコー・マテリアルズ(株)製「ALPHO 20A263」を用いることができる。ドライフィルムは、基材の一方の面に積層させてもよく、後述する第2実施形態のように基材の両面に積層させてもよい。
基材とドライフィルムとの積層条件は、後述する工程(2)の接着フィルムを配線層に埋め込まれるように積層させる際の条件と同様であり、好ましい範囲も同様である。
ドライフィルムを基材上に積層後、ドライフィルムに対して所望のパターンを形成するためにフォトマスクを用いて所定の条件で露光、現像を行う。
配線層のライン(回路幅)/スペース(回路間の幅)比は特に制限されないが、好ましくは20/20μm以下(即ちピッチが40μm以下)、より好ましくは18/18μm以下(ピッチ36μm以下)、さらに好ましくは15/15μm以下(ピッチ30μm以下)である。配線層のライン/スペース比の下限は特に制限されないが、好ましくは0.5/0.5μm以上、より好ましくは1/1μm以上である。ピッチは、配線層の全体にわたって同一である必要はない。
配線層の最小ピッチは、40μm以下、36μm以下、又は30μm以下であってもよい。
ドライフィルムのパターンを形成後、配線層を形成し、ドライフィルムを剥離する。ここで、配線層の形成は、所望のパターンを形成したドライフィルムをめっきマスクとして使用し、めっき法により実施することができる。
配線層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、配線層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。配線層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成されたものが挙げられる。中でも、配線層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
配線層の厚みは、所望の配線板のデザインによるが、好ましくは3μm〜35μm、より好ましくは5μm〜30μm、さらに好ましくは10〜20μm、又は15μmである。
配線層を形成後、ドライフィルムを剥離する。ドライフィルムの剥離は、例えば、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ性の剥離液を使用して実施することができる。必要に応じて、不要な配線パターンをエッチング等により除去して、所望の配線パターンを形成することもできる。形成する配線層のピッチについては、先述のとおりである。
<工程(2)>
工程(2)は、本発明の接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程である。本発明における熱硬化性樹脂組成物層は良好な埋め込み性を示すので、配線層付き基材上に積層する際、ボイドがない状態で積層することができる。図2に一例を示すように、前述の工程(1)で得られた配線層付き基材の配線層14が、接着フィルム20の熱硬化性樹脂組成物層21に埋め込まれるように積層させ、接着フィルム20の熱硬化性樹脂組成物層21を熱硬化させる。接着フィルム20は、熱硬化性樹脂組成物層21と、支持体22との順で積層されてなる。
まず、図2に一例を示すように、接着フィルム20の熱硬化性樹脂組成物層21を、配線層14が埋め込まれるように配線層付き基材上に積層させる。
配線層と接着フィルムの積層は、接着フィルムの保護フィルムを除去後、例えば、支持体側から接着フィルムを配線層に加熱圧着することにより行うことができる。接着フィルムを配線層に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を接着フィルムに直接プレスするのではなく、配線層の表面凹凸に接着フィルムが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
配線層と接着フィルムの積層は、接着フィルムの保護フィルムを除去後、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力13hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニッコー・マテリアルズ(株)製の真空加圧式ラミネーター、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された接着フィルムの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
熱硬化性樹脂組成物層を、配線層が埋め込まれるように配線層付き基材上に積層した後、熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。熱硬化性樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、熱硬化性樹脂組成物層の熱硬化条件は、熱硬化性樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜220℃の範囲、より好ましくは170℃〜200℃の範囲)、硬化時間は5分間〜120分間の範囲(好ましくは10分間〜100分間、より好ましくは15分間〜90分間)とすることができる。
熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させる前に、熱硬化性樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、熱硬化性樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間〜150分間、より好ましくは15分間〜120分間)予備加熱してもよい。
接着フィルムの支持体は、配線層付き基材上に接着フィルムを積層し熱硬化した後に剥離してもよく、配線層付き基材上に接着フィルムを積層する前に支持体を剥離してもよい。また、後述する租化処理工程の前に、支持体を剥離してもよい。
絶縁層の厚みは、熱硬化性樹脂組成物層の厚みと同様であり、好ましい範囲も同様である。
<工程(3)>
第1実施形態における工程(3)は、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程である。以下、絶縁層にビアホールを形成する段階(以下、「工程(3−1)」ともいう)、及び導体層を形成する段階(以下、「工程(3−2)」ともいう)に分けて説明する。
−工程(3−1)−
ビアホールの形成は特に限定されないが、レーザー照射、エッチング、メカニカルドリリング等が挙げられるが、レーザー照射によって行われることが好ましい。詳細は、図3に一例を示すように、工程(3)は、支持体22を剥離した後で、接着フィルム20の面側からレーザー照射を行って、支持体22、絶縁層21’を貫通して配線層14を露出させるビアホール31を形成する。
このレーザー照射は、光源として炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等を用いる任意好適なレーザー加工機を用いて行うことができる。用いられ得るレーザー加工機としては、例えば、ビアメカニクス(株)製COレーザー加工機「LC−2k212/2C」、三菱電機(株)製の605GTWIII(−P)、パナソニック溶接システム(株)製のレーザー加工機が挙げられる。
レーザー照射の条件は特に限定されず、レーザー照射は選択された手段に応じた常法に従う任意好適な工程により実施することができる。
ビアホールの形状、すなわち延在方向でみたときの開口の輪郭の形状は特に限定されないが、一般的には円形(略円形)とされる。以下、ビアホールの「径」という場合には、延在方向でみたときの開口の輪郭の径(直径)をいう。本明細書において、トップ径r1とはビアホールの絶縁層21’側の輪郭の径をいい、底部径r2とはビアホールの配線層14側の輪郭の径をいう(図3、図4を参照)。
ビアホールのトップ径r1が120μm以下、好ましくは90μm以下となるようにビアホールを形成することが好ましい。
図3に一例を示すように、r1がr2よりも大きくなるようにビアホール31を形成してもよく、図4に一例を示すように、ビアホールのトップ径r1がビアホール31の底部径r2と同一となるようにビアホール31を形成してもよい。
このようにすれば、ビアホールの埋め込み性が良好となりボイドの発生を抑制することができ、結果として後述するフィルドビアによる電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
ビアホール形成後、ビアホール内のスミア除去工程である、いわゆるデスミア工程を行なってもよい。後述する工程(3−2)がめっき工程により行われる場合には、ビアホールに対して、例えば湿式のデスミア処理を行ってもよく、工程(3−2)がスパッタ工程により行われる場合には、例えばプラズマ処理工程などのドライデスミア工程を行ってもよい。また、デスミア工程は粗化処理工程を兼ねていてもよい。
工程(3−2)の前に、粗化処理を行う工程を含んでもよい。粗化処理は、ビアホール、絶縁層に対して行い、粗化処理の手順、条件は特に限定されず、例えば、多層プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。乾式の粗化処理の例としてはプラズマ処理等が挙げられ、湿式の粗化処理の例としては膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理及び中和液による中和処理をこの順に行う方法が挙げられる。
湿式の粗化処理では、例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層21’を粗化処理することができる。膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP、スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU等が挙げられる。
膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃〜90℃の膨潤液に絶縁層21’を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層21’の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃〜80℃の膨潤液に絶縁層21’を5秒間〜15分間浸漬させることが好ましい。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層21’を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のコンセントレート・コンパクトP、ドージングソリューション・セキュリガンスP等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のリダクションソリューション・セキュリガンスPが挙げられる。
中和液による処理は、酸化剤溶液による粗化処理がなされた処理面を30℃〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤溶液による粗化処理がなされた対象物を、40℃〜70℃の中和液に5分間〜20分間浸漬する方法が好ましい。
−工程(3−2)−
導体層を構成する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、配線パターンに使用する導体材料と同じ材料により形成することができ、銅を材料とすることが好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚みは、所望の配線板のデザインによるが、一般に3μm〜35μm、好ましくは5μm〜30μmである。
導体層は、めっき、スパッタ、蒸着等従来公知の任意好適な方法により形成することができ、めっきにより形成することが好ましい。好適な一実施形態は、例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にめっきして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。また、接着フィルムにおける支持体が金属箔である場合、サブトラクティブ法等の従来公知の技術により、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
詳細は、絶縁層21’の表面に、無電解めっきによりめっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、所望の配線パターンに対応してめっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出しためっきシード層上に、電解めっきにより電界めっき層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
図5に一例を示すように、露出した絶縁層21’の表面に接合するめっきシード層41を形成する。まず、絶縁層21’の表面の洗浄と電荷調整のためのアルカリクリーニングを行う。次にビアホール31内の洗浄のためにソフトエッチング工程を行う。具体的には、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液などのエッチャントを用いて、任意好適な条件で処理すればよい。次いでPd(パラジウム)を絶縁層21’の表面に付与するための、絶縁層21’の表面の電荷を調整するプレディップ工程を行う。次に該表面にアクティヴェーターであるPdを付与し、絶縁層21’に付与されたPdを還元する。次に、銅(Cu)を絶縁層21’の表面に析出させてめっきシード層41を形成する。このとき、めっきシード層41は、ビアホール31内、すなわち側壁及びビアホール31から露出した配線層14を覆うように形成される。
図6に一例を示すように、めっきシード層41を形成後、めっきシード層41の一部を露出させるマスクパターン50を形成する。マスクパターン50の形成は、例えば、ドライフィルムをめっきシード層41に接合させて所定の条件で露光、現像及び洗浄を行うことにより形成することができる。
工程(3−2)で使用し得るドライフィルムとしては、上記ドライフィルムと同様であり、好ましい範囲も同様である。
図7に一例を示すように、露出しためっきシード層41上に、ビアホール31が充填される条件で電解めっき処理により電界めっき層42を形成し、併せてビアホールを電界めっき処理により埋め込んでフィルドビア61を形成する。
図8に一例を示すように、次いで、マスクパターンを剥離して除去し、露出しためっきシード層41のみを除去する任意好適な条件でのフラッシュエッチングを行ってパターン導体層40を形成する。
導体層は、線状の配線のみならず、例えば外部端子が搭載され得る電極パッド(ランド)なども含み得る。また導体層は、電極パッドのみから構成されていてもよい。
また、導体層は、めっきシード層形成後、マスクパターンを用いずに電界めっき層及びフィルドビアを形成し、その後、エッチングによるパターニングを行うことにより形成してもよい。
<工程(4)>
工程(4)は、図9に一例を示すように基材を除去し、本発明の配線板を形成する工程である。基材の除去方法は特に限定されない。好適な一実施形態は、第1及び第2金属層の界面で配線板から基材を剥離し、第2金属層を例えば塩化銅水溶液などでエッチング除去する。
必要に応じて、導体層40を保護フィルムで保護した状態で基材を剥離してもよい。該保護フィルムとしては、接着フィルムで用いる保護フィルムと同様であり、好ましい範囲も同様である。
このような本発明の製造方法により、配線層14が絶縁層21’に埋め込まれた態様の配線板を製造することができる。また、絶縁層21’を少なくとも1層含むことにより、フレキシブルな配線板とすることができる。また、必要に応じて、工程(2)〜(3)の絶縁層及び導体層の形成を繰り返して実施し、多層配線板を形成してもよい。多層配線板を製造する際、本発明の接着フィルムは少なくとも1つ使用すればよい。また、工程(3)を複数行う場合、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程以外に、絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程を行ってもよい。フレキシブルとは、クラックや抵抗値変化を生じることなく配線板を少なくとも1回折り曲げることができることをいう。
2.第2実施形態
第1実施形態は、工程(3)が絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程である場合であるが、第2実施形態は、工程(3)が絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程である以外は第1実施形態と同様である。以下の説明に用いる各図において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する場合がある。
工程(1)は、基材と、該基材の両面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程である。配線層14の形成方法は第1実施形態と同様である。第2実施形態における工程(1)は、図10に一例を示したように、第2実施形態における各配線層14の厚みは異なっていることが好ましい。
各配線層のうち、最も厚みがある配線層(導電性ピラー)の厚みは、所望の配線板のデザインによるが、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは40μm以下又は20μm以下である。下限は、特に限定されないが、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上である。最も厚みがある配線層以外の配線層の厚みは第1実施形態における配線層の厚みと同様であり、好ましい範囲も同様である。
工程(2)は、図11に一例を示したように、本発明の接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程であり、第1実施形態と同様であり、好ましい範囲も同様である。
工程(3)は、絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程である。第1実施形態における工程(3)とは異なり、ビアホールを形成しないので、ビアホールを形成するコストを大幅に削減できる。
上述したように、第2実施形態における配線層としては、図1に一例を示したように、各配線層が均一の厚みである場合でもよく、図10に一例を示したように、各配線層14が異なる厚みであってもよい。工程(3)では、全ての配線層を露出させる必要はなく、例えば、図12に一例を示すように、配線層14の一部を露出させてもよい。
絶縁層の研磨方法又は研削方法としては、配線層を露出させることができ、研磨又は研削面が水平であれば特に限定されず、従来公知の研磨方法又は研削方法を適用することができ、例えば、化学機械研磨装置による化学機械研磨方法等が挙げられる。
工程(3)の後、必要に応じて、第1実施形態と同様に、スミア除去工程、粗化処理を行う工程を行ってもよい。また、必要に応じて、上述した工程(3−2)のように、導体層を形成してもよい。
工程(4)は、図13に一例を示すように基材を除去し、本発明の配線板を形成する工程である。基材の除去方法は特に限定されない。好適な一実施形態は、第1及び第2金属層の界面で配線板から基材を剥離し、第2金属層を例えば塩化銅水溶液などでエッチング除去する。
3.第3実施形態
第1実施形態は、一方の面に配線層を有する配線層付き基材から配線板を製造したが、第3実施形態は、基材の両面に配線層を有する配線層付き基材から配線板を製造する以外は第1実施形態と同様である。以下の説明に用いる各図において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する場合がある。
工程(1)は、図14に一例を示すように、基材と、該基材の両面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程である。配線層14の形成方法は第1実施形態と同様であり、基材の両面に設けられた配線層は同時に形成し配線層付き基材を準備してもよく、一方の配線層を形成後に他方の配線層を形成し配線層付き基材を準備してもよい。また、各配線層は同一のパターンであってもよく、異なるパターンであってもよい。また、各配線層の厚みは図10のように異なっていてもよい。
工程(2)は、図15に一例を示すように、配線層付き基材の両面に対して、接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上にそれぞれ積層し、熱硬化させる工程である。使用する2つの接着フィルムは同一の接着フィルムであってもよく、異なる接着フィルムであってもよい。
工程(3)は、図16に一例を示すように、配線層付き基材の両面に対して、熱硬化させた接着フィルム側からレーザー照射を行い、熱硬化させた接着フィルムにビアホールを形成することが好ましい。ビアホールの形成は、同時に形成してもよく、一方のビアホールを形成後に他方のビアホールを形成してもよい。
導体層を形成する前に、配線層付き基材の両面に対して、粗化処理を行う工程を含んでもよく、2つの絶縁層21’の表面を粗化処理する。粗化処理は同時に行ってもよく、一方の粗化処理後に他方の粗化処理を行ってもよい。
ビアホール形成後、配線層付き基材の両面に対して、導体層を形成する。図17に一例を示すように、粗化処理後の絶縁層21’上にめっきシード層41を形成する。めっきシード層41を形成後、図18に一例を示すように、めっきシード層41の一部を露出させるマスクパターン50を形成し、図19に一例を示すように、露出しためっきシード層41上に、電界めっき層42を形成し、併せてビアホールを電界めっき処理により埋め込んでフィルドビア61を形成する。図20に一例を示すように、マスクパターンを除去し、導体層40を形成する。導体層40の形成の詳細は、第1実施形態と同様に行うことができる。また、基材の両面に設けられた2つの導体層は同時に形成してもよく、一方の導体層を形成後に他方の導体層を形成してもよい。
第3実施形態における工程(3)が、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程である場合について説明したが、絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程を行ってもよい。また、配線層付き基材の一方の面に対して、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程を行い、他方の面に対して、絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程を行ってもよい。
工程(4)は、図21に一例を示すように、基材を除去し、本発明の配線板を形成する工程である。第3実施形態では同時に2種類の配線板を製造することが可能となる。
[配線板]
本発明の配線板は、本発明の接着フィルムの熱硬化性樹脂組成物層の硬化物である絶縁層と、絶縁層に埋め込まれた埋め込み型配線層と、を備えることを特徴とする。なお、上述した内容と重複する説明は省略する場合がある。
本発明の配線板は、例えば、上記(1)〜(4)の工程を含む、本発明の配線板の製造方法により製造することができる。本発明の配線板1は、図9に一例を示すように、埋め込み型配線層14、及び絶縁層21’の順で積層している。絶縁層21’の埋め込み型配線層14と接合していない面上(即ち埋め込み型配線層14とは反対側の面上)に、導体層40を備える。埋め込み型配線層14は、フィルドビア61を介して導体層40と接合している。
埋め込み型配線層とは、半導体チップ等の部品との導体接続が可能である限りにおいて絶縁層21’に埋め込まれている配線層(配線層14)をいう。埋め込み型配線層は、通常、接着フィルムが積層された側と反対側の面において、その突出高さが実質的に0(ゼロ)、通常、−1μm〜+1μmとなるように、絶縁層に埋め込まれている。
本発明の配線板は、図22及び図23に一例を示すような多層配線板であってもよい。図22、及び図23に一例を示した配線板における絶縁層を形成する熱硬化性樹脂組成物層を構成する熱硬化性樹脂組成物は、同一の組成であってもよく異なる組成であってもよい。また、図22に一例を示すように、フィルドビア61のトップ径と底部径とが略同一であってもよく、図23に一例を示すように、フィルドビア61のトップ径が底部径よりも大きくてもよい。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明の配線板を含むことを特徴とする。本発明の半導体装置は、本発明の配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
<評価基板の調製>
(1)基材と、該基材の一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程
(1−1)基材(コア基板)へのドライフィルムの積層
コア基板として、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(層構成:三井金属鉱業(株)製マイクロシンMT−Ex銅箔(厚さ3μmの銅箔/厚さ18μmのキャリア箔)/パナソニック(株)製「R1515A」基板(厚さ0.2mm)/三井金属鉱業(株)製マイクロシンMT−Ex銅箔(厚さ18μmのキャリア箔/厚さ3μmの銅箔))170×125mmを準備した。該積層板の3μm銅箔のマット面側両面に、PETフィルム付きドライフィルム(ニッコー・マテリアルズ(株)製「ALPHO 20A263」、ドライフィルムの厚さ20μm)を、ドライフィルムが銅箔と接合するように、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて積層した。ドライフィルムの積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、温度70℃、圧力0.1MPaにて20秒間圧着することにより行った。
(1−2)パターンの形成
以下に示した配線パターンを形成したガラスマスク(フォトマスク)を、ドライフィルムの保護層であるPETフィルム上に配置し、UVランプにより照射強度150mJ/cm2にてUV照射した。UV照射後、ドライフィルムのPETフィルムを剥離し、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を噴射圧0.15MPaにて30秒間スプレー処理した。その後、水洗して、ドライフィルムの現像(パターン形成)を行った。
ガラスマスクの配線パターン:
L/S=15μm/15μm、すなわち配線ピッチ30μmの櫛歯パターン(配線長15mm、16ライン、10mm角の導体引出し)を10mm間隔で形成。
(1−3)配線層の形成
ドライフィルムの現像後、電解銅めっきを15μmの厚さで行い、配線層を形成した。次いで、50℃の3%水酸化ナトリウム溶液を噴射圧0.2MPaにてスプレー処理し、ドライフィルムを剥離した後、水洗を行い150℃で30分間乾燥した。
(2)配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、接着フィルムを配線層付き基材上に積層し、熱硬化させ絶縁層を形成する工程
(2−1)接着フィルムの積層
実施例及び比較例で作製した樹脂ワニスを用いて<接着フィルムの作製>に記載の通り作成した各接着フィルム(167mm×122mm)の保護フィルムの保護フィルムを剥離し、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、熱硬化性樹脂組成物層が配線層と接合するように、配線層両面に埋め込み積層した。積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。次いで、積層された接着フィルムを、大気圧下、100℃、圧力0.5MPaにて60秒間熱プレスして平滑化した。
(2−2)熱硬化性樹脂組成物層の熱硬化
接着フィルムの積層後、支持体(PETフィルム)を剥離し190℃で90分間の条件で熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させて、配線層の両面に絶縁層を形成した。室温にまで冷却後、熱硬化による応力を緩和すべく130℃で30分間の条件で熱処理した。
(3)基板に測長用のパンチング穴を形成する工程
得られた基板(170×125mm)の、4角から15mmの部分に、貫通穴(直径約6mm)を、パンチングによって4つ形成し(穴を時計回りにA、B、C、Dと仮に称する。)、接着フィルムの支持体を剥離後、形成した各穴の中央間の対角線長さL(LAC、LBD)を非接触型画像測定器((株)ミツトヨ製、Quick Vision 型式:QVH1X606−PRO III_BHU2G)で測定した。
(4)基材を除去する工程
その後、コア基板のマイクロシンMT−Ex銅箔の厚さ3μmの銅箔と厚さ18μmキャリア箔の界面にカッターの刃を差し込み、コア基板を剥離、分離した。次いで、3μm銅箔を塩化銅水溶液でエッチング除去し、水洗した後、110℃で30分間乾燥した。こうして得られたL/S=15/15μm櫛歯パターンが片面に埋め込まれた配線板を「評価基板A」と称する。
<寸法精度の評価>
得られた2枚の評価基板Aに関して、(3)で形成した各穴の中央間の硬化後の長さL’(L’AC、L’BD)を、Lと同じように非接触型画像測定器で測定した。その寸法変化(L’AC−LAC)、及び(L’BD−LBD)のいずれか一つでもでも2mmを超えるものを×、1〜2mmを△、全て1mm以下を○とした。
<リフロー耐性の評価>
寸法精度評価後の2枚の評価基板Aに関して、ピーク温度260℃の半田リフロー温度を再現するリフロー装置(日本アントム(株)製「HAS−6116」)に3回通した(リフロー温度プロファイルはIPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠)。その後、目視観察により導体パターンの一部にでも剥離等異常があるものを×、全く異常のないもの○と評価した。
<弾性率、破断強度及び破断伸びの測定>
離型PETフィルム(リンテック(株)製「501010」、厚さ38μm、240mm角)の未処理面がガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(松下電工(株)製「R5715ES」、厚さ0.7mm、250mm角)に接するように、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板上に設置し、該離型フィルムの四辺をポリイミド接着テープ(幅10mm)で固定した。
実施例及び比較例で作製した樹脂ワニスを用いて<接着フィルムの作製>に記載の通り作成した各接着フィルム(230mm角)を、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製 2ステージビルドアップラミネーター CVP700)を用いて、熱硬化性樹脂組成物層が離型PETフィルムの離型面と接するように、中央にラミネート処理した。ラミネート処理は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。
次いで、支持体を剥離し、190℃で90分間の硬化条件で熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させた。
熱硬化後、ポリイミド接着テープを剥がし、熱硬化性樹脂組成物層をガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板から取り外した。更に熱硬化性樹脂組成物層から離型PETフィルムを剥離して、シート状の硬化物を得た。シート状の硬化物を評価用硬化物と称する。得られた評価用硬化物をダンベル状1号形に切り出し、試験片を得た。該試験片を、オリエンテック社製引張試験機「RTC−1250A」を用いて引張強度測定を行い、23℃における弾性率、破断強度及び破断伸びを求めた。測定は、JIS K7127に準拠して実施した。この操作を5回行い、上位3点の平均値を表に示した。
<はぜ折り耐性の評価>
上記と同じダンベル状1号形の中央部ではぜ折りし1kgの重りを5秒載せた。その後、はぜ折り部をもとに戻し、1kgの重りを5秒載せた。上記操作を5回繰り返し、はぜ折り部分の切断の有無を目視観察した。3つの評価用硬化物に関して、全てのはぜ折り部分で切断の無いものを耐性あり(○)、硬化物の1つにでもはぜ折り部分の一部または全てが切断されたものを耐性なし(×)と評価した。
<樹脂層溶融粘度の測定>
実施例及び比較例で作製した樹脂ワニスを用いて<接着フィルムの作製>に記載の通り作成した各接着フィルムの離型PET(支持体)から樹脂組成物層のみを剥離し、金型で圧縮することにより測定用ペレット(直径18mm、1.2〜1.3g)を作製した。その後、動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム製「Rheosol−G3000」)を用い、試料樹脂組成物層1gについて、直径18mmのパラレルプレートを使用して、開始温度60℃から200℃まで昇温速度5℃/分にて昇温し、測定温度間隔2.5℃、振動数1Hz、ひずみ1degの測定条件にて動的粘弾性率を測定し、最低溶融粘度(poise)を算出し、表1に示した。
〔ブタジエン構造とフェノール性水酸基を有する硬化剤Aの製造〕
反応容器にG−1000(2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、数平均分子量=1400、ヒドロキシ基当量=770g/eq.、日本曹達(株)製)45gと、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)40g、ジブチル錫ラウレート0.005gを混合し均一に溶解させた。均一になったところで50℃に昇温し、更に撹拌しながら、イソホロンジイソシアネート(イソシアネート基当量=113g/eq.、エボニックデグサジャパン(株)製IPDI)15gを添加し約3時間反応を行った。次いで、この反応物を室温まで冷却してから、これにクレゾールノボラック樹脂KA−1160(水酸基当量=117g/eq.、DIC(株)製)40gと、エチルジグリコールアセテート((株)ダイセル製)60gを添加し、攪拌しながら80℃まで昇温し、約4時間反応を行った。FT−IRより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから100メッシュの濾布で濾過して、ブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する硬化剤A(不揮発分50質量%)を得た。
数平均分子量:2900
〔水添ブタジエン構造とフェノール性水酸基を有する硬化剤Bの製造〕
反応容器にGI−1000(2官能性ヒドロキシ基末端水添ポリブタジエン、数平均分子量=1500、ヒドロキシ基当量=830g/eq.、日本曹達(株)製)46gと、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)40g、ジブチル錫ラウレート0.005gを混合し均一に溶解させた。均一になったところで50℃に昇温し、更に撹拌しながら、イソホロンジイソシアネート(イソシアネート基当量=113g/eq.、エボニックデグサジャパン(株)製IPDI)14gを添加し約3時間反応を行った。次いで、この反応物を室温まで冷却してから、これにクレゾールノボラック樹脂KA−1160(水酸基当量=117g/eq.、DIC(株)製)40gと、エチルジグリコールアセテート((株)ダイセル製)60gを添加し、攪拌しながら80℃まで昇温し、約4時間反応を行った。FT−IRより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから100メッシュの濾布で濾過して、水添ブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する硬化剤B(不揮発分50質量%)を得た。
数平均分子量:3000
〔ブタジエン構造とフェノール性水酸基を有する硬化剤Cの製造〕
反応容器にG−3000(2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、数平均分子量=3000、ヒドロキシ基当量=1800g/eq.、日本曹達(株)製)69gと、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)40g、ジブチル錫ラウレート0.005gを混合し均一に溶解させた。均一になったところで50℃に昇温し、更に撹拌しながら、イソホロンジイソシアネート(イソシアネート基当量=113g/eq.、エボニックデグサジャパン(株)製IPDI)8gを添加し約3時間反応を行った。次いで、この反応物を室温まで冷却してから、これにクレゾールノボラック樹脂KA−1160(水酸基当量=117g/eq.、DIC(株)製)23gと、エチルジグリコールアセテート((株)ダイセル製)60gを添加し、攪拌しながら80℃まで昇温し、約4時間反応を行った。FT−IRより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから100メッシュの濾布で濾過して、ブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する硬化剤C(不揮発分50質量%)を得た。
数平均分子量:5500
<実施例1>
柔軟性構造含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−4816」、エポキシ当量406)5.1部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3100」、エポキシ当量258)1.5部、柔軟性構造含有フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7180BH40」、固形分40質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液)10部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX6954BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)6部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)1部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤A溶液10部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)1部、及びフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.1μm、電気化学工業(株)製「UFP−30」、単位表面積当たりのカーボン量0.19mg/m)8部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP020」)で濾過して、樹脂ワニス1を作製した。
<実施例2>
柔軟性構造含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−4816」、エポキシ当量406)8.5部、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7760」、エポキシ当量238)3部、柔軟性構造含有フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7180BH40」、固形分40質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)8部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)10部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)1.5部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤B溶液10部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)0.8部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ−HST」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径1.5μm)2.5部、及びアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.38mg/m)20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP050」)で濾過して、樹脂ワニス2を作製した。
<実施例3>
柔軟性構造含有エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7400」、エポキシ当量440)1部、柔軟性構造含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−4816」、エポキシ当量406)6.8部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)12部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)1.5部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤B溶液10部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)1部、及びアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.38mg/m)24部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP050」)で濾過して、樹脂ワニス3を作製した。
<実施例4>
ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7760」、エポキシ当量238)6部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂DIC(株)製「HP−7200」、エポキシ当量258)2部、柔軟性構造含有フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7180BH40」、固形分40質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)8部、MEK4部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤C溶液20部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)1部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ−HST」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径1.5μm)2.5部、及びフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.1μm、電気化学工業(株)製「UFP−30」、単位表面積当たりのカーボン量0.19mg/m)8部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.38mg/m)8部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP050」)で濾過して、樹脂ワニス4を作製した。
<実施例5>
柔軟性構造含有エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7400」、エポキシ当量440)2部、柔軟性構造含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−4816」、エポキシ当量406)10.2部、柔軟性構造含有フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7180BH40」、固形分40質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)8部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX6954BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)8部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)1.8部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤A溶液12部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)2部、及びアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.38mg/m)15部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP050」)で濾過して、樹脂ワニス5を作製した。
<比較例1>
ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7760」、エポキシ当量238)8部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)10部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)1.5部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤B溶液10部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)0.8部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ−HST」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径1.5μm)2.5部、及びアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.38mg/m)20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP050」)で濾過して、樹脂ワニス6を作製した。
<比較例2>
柔軟性構造含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−4816」、エポキシ当量406)5.1部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3100」、エポキシ当量258)1.5部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)1.5部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤A溶液10部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)2部、及びフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.1μm、電気化学工業(株)製「UFP−30」、単位表面積当たりのカーボン量0.19mg/m)8部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP020」)で濾過して、樹脂ワニス7を作製した。
<比較例3>
柔軟性構造含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−4816」、エポキシ当量406)5.1部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3100」、エポキシ当量258)1.5部、柔軟性構造含有フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7180BH40」、固形分40質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液)15部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)1部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤A溶液10部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)1.5部、及びフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.1μm、電気化学工業(株)製「UFP−30」、単位表面積当たりのカーボン量0.19mg/m)4部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP020」)で濾過して、樹脂ワニス8を作製した。
<比較例4>
柔軟性構造含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−4816」、エポキシ当量406)6.8部、柔軟性構造含有フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7180BH40」、固形分40質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)6部、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)10部を撹拌しながら加熱溶解させた。加熱溶解させたものを室温まで冷却し、そこへ、硬化剤B溶液10部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「1B2PZ−10M」、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)0.8部、及びアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.38mg/m)50部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、カートリッジフィルター(ROKITECHNO製「SHP050」)で濾過して、樹脂ワニス9を作製した。
<接着フィルムの作製>
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック(株)製「AL−5」)で離型処理したPETフィルム(東レ(株)製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、「離型PET」)を用意した。その離型面上に、各樹脂ワニスを乾燥後の熱硬化性樹脂組成物層の厚みが40μmとなるように樹脂ワニス1〜9を均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥させた後、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子エフテックス(株)製「アルファンMA−411」、厚み15μm)の粗面を熱硬化性樹脂組成物層と接合するように貼り合わせ、接着フィルムを作製した。
Figure 0006690356
1 配線板
10 配線層付き基材
11 基材(コア基板)
12 第1金属層
13 第2金属層
14 配線層(埋め込み型配線層)
20 接着フィルム
21 熱硬化性樹脂組成物層
21’ 絶縁層
22 支持体
23 保護フィルム
31 ビアホール
40 導体層
41 めっきシード層
42 電界めっき層
50 マスクパターン
61 フィルドビア

Claims (21)

  1. (a)エポキシ樹脂、(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物、(c)フェノキシ樹脂、及び(d)無機充填材を含む、熱硬化性樹脂組成物であって、
    (a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物であり、
    (d)無機充填が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合30質量%以上であり、
    熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物の23℃における、弾性率、破断強度、破壊伸びが、それぞれ1Gpa以上6Gpa以下、10Mpa以上、6%以上である、熱硬化性樹脂組成物(但し、エポキシ樹脂100質量部に対しフェノキシ樹脂300〜4000質量部を含有する樹脂組成物を除く)
  2. (a)エポキシ樹脂、(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物、(c)フェノキシ樹脂、及び(d)無機充填材を含む、熱硬化性樹脂組成物であって、
    (a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物であり、
    (d)無機充填が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合30質量%以上であり、
    (a)エポキシ樹脂の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき、19.25質量%以上であり、
    熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物の23℃における、弾性率、破断強度、破壊伸びが、それぞれ1Gpa以上6Gpa以下、10Mpa以上、6%以上である、熱硬化性樹脂組成物。
  3. (a)エポキシ樹脂、(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物、(c)フェノキシ樹脂、及び(d)無機充填材を含む、熱硬化性樹脂組成物であって、
    (a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物であり、
    (d)無機充填が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合30質量%以上であり、
    熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物の23℃における、弾性率、破断強度、破壊伸びが、それぞれ1Gpa以上6Gpa以下、10Mpa以上、6%以上である、熱硬化性樹脂組成物(但し、オキシム系化合物及び/又はアルコール系化合物でブロックされたブロックイソシアネートを含有する樹脂組成物を除く)
  4. 柔軟構造を有する化合物が、炭素原子数3〜15のエーテル結合を有するアルキレン構造を有する化合物である、請求項1〜3の何れか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 柔軟構造を有する化合物の含有量が、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、2質量%〜50質量%である、請求項1〜4の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  6. (b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物の含有量が、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、8質量%〜50質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. (d)無機充填材の平均粒径が2μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 支持体と、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の層を含む接着フィルム。
  9. (1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程、
    (2)熱硬化性樹脂組成物層を含む接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程、
    (3)配線層を層間接続する工程、及び
    (4)基材を除去する工程、
    を含む、配線板の製造方法に使用される接着フィルムであって、
    支持体と、熱硬化性樹脂組成物の層を含み、該熱硬化性樹脂組成物が、(a)エポキシ樹脂、(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物、(c)フェノキシ樹脂、及び(d)無機充填材を含み、
    (a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物であり、
    (d)無機充填材が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合30質量%以上であり、
    熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物の23℃における、弾性率、破断強度、破壊伸びが、それぞれ1Gpa以上6Gpa以下、10Mpa以上、6%以上である、接着フィルム。
  10. 工程(3)は、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程、及び絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程の少なくともいずれかの工程である、請求項に記載の接着フィルム。
  11. 絶縁層と、絶縁層に埋め込まれた埋め込み型配線層と、を備える配線板の製造に使用される接着フィルムであって、
    支持体と、熱硬化性樹脂組成物の層を含み、該熱硬化性樹脂組成物が、(a)エポキシ樹脂、(b)水素添加されていてもよいブタジエン構造及びフェノール性水酸基を有する化合物、(c)フェノキシ樹脂、及び(d)無機充填材を含み、
    (a)エポキシ樹脂及び/または(c)フェノキシ樹脂の一部または全部が、炭素原子数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造から選ばれる柔軟構造を有する化合物であり、
    (d)無機充填材が樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合30質量%以上であり、
    熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物の23℃における、弾性率、破断強度、破壊伸びが、それぞれ1Gpa以上6Gpa以下、10Mpa以上、6%以上である、接着フィルム。
  12. (1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた配線層とを有する配線層付き基材を準備する工程、
    (2)請求項8〜11のいずれか1項に記載の接着フィルムを、配線層が熱硬化性樹脂組成物層に埋め込まれるように、配線層付き基材上に積層し、熱硬化させて絶縁層を形成する工程、
    (3)配線層を層間接続する工程、及び、
    (4)基材を除去する工程、
    を含む、配線板の製造方法。
  13. 工程(3)は、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程、及び絶縁層を研磨又は研削し、配線層を露出させる工程の少なくともいずれかの工程である、請求項12に記載の方法。
  14. 工程(3)は、絶縁層にビアホールを形成し、導体層を形成する工程であり、レーザー照射によって行われる、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 導体層を形成する前に、粗化処理を行う工程を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 配線板がフレキシブル配線板である、請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 配線パターンの最小ピッチが40μm以下である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の接着フィルムの熱硬化性樹脂組成物層の硬化物である絶縁層と、絶縁層に埋め込まれた埋め込み型配線層と、を備える配線板。
  19. フレキシブル配線板である、請求項18に記載の配線板。
  20. 絶縁層の厚みが、2μm以上である、請求項18又は19に記載の配線板。
  21. 請求項18〜20のいずれか1項に記載の配線板を備える、半導体装置。
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