JPWO2019188432A1 - 樹脂組成物及び電子部品 - Google Patents

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Abstract

極性基を有する環状オレフィン重合体(A)及びエポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を含有する樹脂組成物である。

Description

本発明は、樹脂組成物及び電子部品に関し、特には、電子部品に用いられる絶縁膜などの形成に好適に使用し得る樹脂組成物及び当該樹脂組成物からなる樹脂膜を備える電子部品に関するものである。
有機EL素子及び液晶表示素子などの各種表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、並びにブラックマトリックス等の電子部品には、その劣化や損傷を防止するための表面保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、層状に配置される配線の間を絶縁するための層間絶縁膜等として種々の樹脂膜が設けられている。
近年、上記のような樹脂膜に所望の性状を付与するべく、樹脂膜を形成するための樹脂組成物について種々の観点から改良が試みられてきた。例えば特許文献1では、バインダー樹脂、感放射線化合物、エポキシ当量が450以下、軟化点が30℃以下であり、且つ、4官能以下であるエポキシ系架橋剤、及びアラルキルフェノール樹脂を含有する樹脂組成物が提案されている。特許文献1に係る樹脂組成物によれば、金属層に対する密着性が高く、現像性及び低吸湿性に優れた樹脂膜を与えることができる樹脂組成物を形成することができる。
国際公開第2015/141717号
上記のような樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜は、用途に応じた所望のパターン形状を形成するために用いられることがある。ここで、樹脂膜を備える電子部品の歩留まり向上及び高性能化等の観点から、樹脂膜には解像性の良好なパターン形状を形成可能であることが必要とされている。解像性の良好なパターンを形成可能とするためには、樹脂膜についてリソグラフィー等を行って現像パターンを得て、かかる現像パターンを硬化させてパターンを得る際に、硬化の前後でパターン形状が変化することを十分に抑制可能である必要がある。また、樹脂膜の引張伸び率が不十分である場合、即ち、樹脂膜が伸長性に乏しい場合には、電子部品を備える電子機器の連続運転の際、及び電子部品に応力が発生した際等に、樹脂膜にクラックが生じる、或いは、樹脂膜が基板から剥離し易くなる虞がある。樹脂膜にクラックが生じる、或いは、樹脂膜が基板から剥離してしまえば、電子部品が正常に機能することが難しくなる虞がある。このため、信頼性の高い高性能な電子部品を提供する観点から、樹脂膜には、伸長性に優れることも必要とされている。しかし、上記従来の樹脂組成物を用いて得た樹脂膜では、解像性が良好であることと、十分な伸長性を保持することとを、両立することができなかった。
そこで、本発明は、解像性及び伸長性に優れる樹脂膜を形成可能な、樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜を備える高性能な電子部品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、極性基を有する環状オレフィン重合体と、エポキシ当量が所定値以上であるエポキシ樹脂とを含有する樹脂組成物によれば、解像性及び伸長性に優れる樹脂膜を形成することができる点を新たに見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の樹脂組成物は、極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、及びエポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする。このように、樹脂組成物に極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、及びエポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を含有させれば、解像性及び伸長性に優れる樹脂膜を形成することができる。
なお、エポキシ当量は、1g当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq.)を表し、JIS K 7236:2009に従って求めることができる。
また、本発明の樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(B)が、分子内に柔軟性骨格及び芳香族基を含むことが好ましい。樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂(B)が、分子内に柔軟性骨格及び芳香族基を含んでいれば、得られる樹脂膜の解像性及び伸長性を一層高めることができる。
また、本発明の樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(B)の含有量が、環状オレフィン重合体(A)100質量部あたり、40質量部以上、100質量部以下であることが好ましい。エポキシ樹脂(B)の含有量が上記下限値以上であれば、樹脂膜の伸長性を一層高めることができる。また、エポキシ樹脂(B)の含有量が上記上限値以下であれば、樹脂膜の解像性を一層高めることができる。
ここで、本発明の樹脂組成物は、分子内にフェノール性水酸基及びアルコキシメチル基を含む架橋剤(C)を更に含有することが好ましい。分子内にフェノール性水酸基及びアルコキシメチル基を含む架橋剤(C)を更に含有する樹脂組成物によれば、耐薬品性に優れる樹脂膜を形成することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、前記架橋剤(C)の含有量が、環状オレフィン重合体(A)100質量部あたり、1質量部以上100質量部以下であることが好ましい。架橋剤(C)の含有量が上記下限値以上であれば、樹脂膜の耐薬品性を一層高めることができる。また、架橋剤(C)の含有量が上記上限値以下であれば、樹脂膜の伸長性を高めることができる。
また、本発明の樹脂組成物は、光酸発生剤(D)を更に含有することが好ましい。樹脂組成物が光酸発生剤(D)を含有していれば、かかる光酸発生剤(D)の作用により樹脂膜の現像液に対する可溶性を変化させることにより樹脂膜をパターニングすることが可能となる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の電子部品は、上述した何れかの樹脂組成物からなる樹脂膜を備えることを特徴とする。上述した樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜は、解像性及び伸長性に優れるため、当該樹脂膜を備える電子部品は、所期の機能を十分に発揮することができるため、高性能である。
本発明によれば、解像性及び伸長性に優れる樹脂膜を形成可能な、樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜を備える高性能な電子部品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の樹脂組成物は、樹脂膜の形成に用いることができる。そして、かかる樹脂膜は、例えば、ウェハレベルパッケージ技術に従って製造される電子部品において、表面保護膜、平坦化膜、及び層間絶縁膜等として用いることができる。そして、本発明の電子部品は、本発明の樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜を備えるものである。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、及びエポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を含有し、任意に、架橋剤(C)、及び光酸発生剤(D)等を更に含有し得る。
そして、本発明の樹脂組成物は、極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、及びエポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を含有しているので、解像性及び伸長性に優れる樹脂膜を形成することができる。従来、伸長性の良好な樹脂膜は、ガラス転移温度が低い樹脂成分の含有比率が高いことが多く、樹脂膜を用いてリソグラフィーを行いパターンを形成したとしても、樹脂膜の熱硬化工程等に供された際にパターン崩れ等を生じてしまい、結果的に、伸長性の付与により解像性が犠牲となっていた。しかし、本発明の樹脂組成物では、極性基を有する環状オレフィン重合体(A)に併せて、エポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を配合することで、解像性と伸長性とを両立することが可能となった。
<極性基を有する環状オレフィン重合体(A)>
樹脂組成物に配合する環状オレフィン重合体が、極性基を有することで、得られる樹脂膜の強度を高めることができる。極性基を有する環状オレフィン重合体(A)は、極性基を一種又は複数種有し得る。さらに、極性基を有する環状オレフィン重合体(A)は、少なくとも、プロトン性極性基を有することが好ましい。極性基を有する環状オレフィン重合体(A)が、プロトン性極性基を有していれば、現像液(特には、後述するアルカリ現像液)に対する溶解性を有することとなり、且つ、樹脂組成物が後述する架橋剤(C)を含む場合には、かかる架橋剤(C)により良好に架橋されて耐薬品性に優れた樹脂膜を形成することができる。
ここで、プロトン性極性基とは、水素原子が直接結合している周期表第15族又は第16族に属する原子を含む基をいう。周期表第15族又は第16族に属する原子としては、周期表第15族又は第16族の第1又は第2周期に属する原子が好ましく、より好ましくは酸素原子、窒素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
このようなプロトン性極性基の具体例としては、水酸基、カルボキシル基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等の硫黄原子を有する極性基;が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有する極性基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
なお、環状オレフィン重合体(A)は、プロトン性極性基を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
そして、環状オレフィン重合体(A)に上述したプロトン性極性基を導入する方法は特に限定されない。すなわち、環状オレフィン重合体(A)は、例えば、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)に由来する繰り返し単位を含み、任意に、その他の単量体(b)に由来する繰り返し単位を含む重合体であってもよいし、プロトン性極性基を有しない環状オレフィン重合体に変性剤を用いてプロトン性極性基が導入されてなる重合体であってもよいが、前者が好ましい。
[プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)]
プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)としては、上述したプロトン性極性基、及び環状オレフィン構造を有する単量体であれば特に限定されないが、例えば、カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体、水酸基を有する環状オレフィン単量体が好適に挙げられる。これらの単量体の好適な例としては、国際公開第2015/141717号に記載された各種単量体を挙げることができる。中でも、現像液に対する溶解性を高めると共に、樹脂膜の基板に対する密着性を向上させる観点から、カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体が好ましく、4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン(以下、「TCDC」とも称することがある。)がより好ましい。なお、環状オレフィン単量体(a)は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
―カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体―
カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−カルボキシメチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−エトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−プロポキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ペンチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−シクロヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−フェノキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ナフチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ビフェニルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ベンジルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ヒドロキシエトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2,3−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ペンチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ナフチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ビフェニルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ベンジルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ヒドロキシエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ヒドロキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−メチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4,5−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−カルボキシメチル−4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、N−(ヒドロキシカルボニルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシカルボニルプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルフェネチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(ヒドロキシカルボニル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドが挙げられる。なお、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
―含有割合―
そして、環状オレフィン重合体(A)中における環状オレフィン単量体(a)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位を100モル%として、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがより好ましく、70モル%以下であることが更に好ましい。環状オレフィン単量体(a)に由来する繰り返し単位の割合が10モル%以上であれば、樹脂膜を用いたパターニングの際の感度を高めるとともに、現像残渣の発生を効果的に抑制することができ、90モル%以下であれば、環状オレフィン重合体(A)の現像後の残膜量を十分に確保することができる。
[その他の単量体(b)]
その他の単量体(b)としては、上述した環状オレフィン単量体(a)と共重合可能な単量体であれば特に限定されない。環状オレフィン単量体(a)と共重合可能な単量体としては、プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)、極性基を有さない環状オレフィン単量体(b2)、及び環状オレフィン以外の単量体(b3)が挙げられる。上記各種単量体(b1)〜(b3)としては、それぞれ、国際公開第2015/141717号に記載された各種単量体を用いることができる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、樹脂膜の耐熱性を向上させる観点から、例えば、N−置換イミド基、エステル基、シアノ基、酸無水物基、又はハロゲン原子を有する環状オレフィン単量体等の、プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)が好ましく、N−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(以下、「NBPI」とも称することがある。)等のN−置換イミド基を有する環状オレフィン単量体がより好ましい。
―N−置換イミド基を有する環状オレフィン単量体―
N−置換イミド基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、下記一般式(1)及び一般式(2)で表される単量体が挙げられる。中でも、耐熱性を高め、且つパターンフローを抑制できるという観点から、下記一般式(1)で表されうる単量体が好ましい。
Figure 2019188432
(上記一般式(1)中、Rは水素原子もしくは炭素数1〜16の環状若しくは鎖状アルキル基又はアリール基を表す。nは1ないし2の整数を表す。)
Figure 2019188432
(上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜3の2価のアルキレン基、Rは、炭素数1〜10の1価のアルキル基、又は、炭素数1〜10の1価のハロゲン化アルキル基を表す。)
上記一般式(1)中において、Rは炭素数1〜16のアルキル基又はアリール基であり、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基等の直鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、イソボルニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基等の環状アルキル基;2−プロピル基、2−ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、4−メチルヘプチル基、1−メチルノニル基、1−メチルトリデシル基、1−メチルテトラデシル基などの分岐状アルキル基;などが挙げられる。また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性及びアルカリ現像液への溶解性により優れることから、炭素数6〜14のアルキル基及びアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアルキル基及びアリール基がより好ましい。炭素数が上記下限値未満であると架橋剤との相溶性に劣る。また、炭素数が上記上限値超であると耐熱性に劣り、樹脂膜をパターン化した場合に熱により溶融しパターンを消失してしまう虞がある。
上記一般式(1)で表される単量体の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アダマンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ブチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ブチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−プロピルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−プロピルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(5−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルドデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルウンデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルドデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルトリデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルテトラデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルペンタデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボキシイミド、N−(2,4−ジメトキシフェニル)−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボキシイミド等が挙げられる。なお、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、上記一般式(2)において、Rは炭素数1〜3の2価のアルキレン基であり、炭素数1〜3の2価のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びイソプロピレン基が挙げられる。これらの中でも、重合活性が良好であるため、メチレン基及びエチレン基が好ましい。
また、上記一般式(2)において、Rは、炭素数1〜10の1価のアルキル基、又は、炭素数1〜10の1価のハロゲン化アルキル基である。炭素数1〜10の1価のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基及びシクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数1〜10の1価のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基及びパーフルオロペンチル基などが挙げられる。これら中でも、アルカリ現像液への溶解性に優れるため、Rとしては、メチル基及びエチル基が好ましい。
なお、上記一般式(1)及び(2)で表される単量体は、例えば、対応するアミンと、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物とのイミド化反応により得ることができる。また、得られた単量体は、イミド化反応の反応液を公知の方法で分離・精製することにより効率よく単離できる。
―含有割合―
そして、環状オレフィン重合体(A)中におけるその他の単量体(b)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位を100モル%として、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがより好ましく、70モル%以下であることが更に好ましい。その他の単量体(b)に由来する繰り返し単位の割合が10モル%以上であれば、環状オレフィン重合体(A)の樹脂膜を用いたパターニングの際、露光部/未露光部の溶解コントラストが十分に確保でき、90モル%以下であれば、現像液、特にはアルカリ現像液への溶解性を十分に確保して、現像残渣の発生を効果的に抑制することができる。
なお、環状オレフィン重合体(A)は、上述した各種単量体を含む単量体組成物について、既知の方法に従う開環重合、及び付加重合等を行うことで調製することができる。中でも、開環重合を行って環状オレフィン重合体(A)を得ることが好ましい。開環重合法としては、国際公開第2010/110323号等に記載された方法に従う開環メタセシス重合法を好適に採用することができる。さらにまた、環状オレフィン重合体(A)の調製にあたり、開環重合法に従って開環重合体を得た際には、得られた開環重合体に対して、更に水素添加反応を行い、少なくとも主鎖に含まれる炭素−炭素二重結合の少なくとも一部が水素添加されてなる水素添加物とすることが好ましい。なお、環状オレフィン重合体(A)が水素添加物である場合、水素化された炭素−炭素二重結合の割合は、樹脂膜の耐熱性を向上させる観点から、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが特に好ましい。なお、「水素添加率」は、H−NMRスペクトル測定法に従って測定することができる。
<エポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)>
エポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)は、樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜の解像性及び伸長性を高めるように作用する成分である。エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は、500以上である必要があり、900以上であることが好ましく、950以上であることがより好ましく、1500以下であることが好ましく、1250以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が900以上であれば、樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜の伸長性を一層高めることができる。また、エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が上記上限値以下であれば、樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜のパターニング時の現像残渣の発生を抑制するとともに、解像性を一層高めることができる。
<<エポキシ樹脂(B)の構造>>
エポキシ樹脂(B)は、分子内に柔軟性骨格及び芳香族基を含むことが好ましい。エポキシ樹脂(B)が柔軟性骨格及び芳香族基の双方を含むことで、得られる樹脂膜に対して、伸長性を付与することと、解像性を付与することとを、一層効果的に両立することができる。その理由は明らかではないが、柔軟性骨格及び芳香族基の双方を含むエポキシ樹脂が、柔軟性骨格により樹脂膜に対して柔軟性を付与するとともに、芳香族基により樹脂膜に対して耐熱性を付与することに起因すると推察される。更に、エポキシ樹脂(B)が柔軟性骨格及び芳香族基の双方を含むことで、樹脂膜の伸長性及び解像性に加えて、耐薬品性も高めることができる。その理由は明らかではないが、エポキシ樹脂含まれる芳香族基同士、及び/又は、エポキシ樹脂に含まれる芳香族基と環状オレフィン重合体(A)との間の分子間相互作用により、樹脂膜中への溶剤分子の侵入が抑制されるためであると推察される。
ここで、「柔軟性骨格」としては、柔軟性を呈し得る限りにおいて特に限定されることなく、両末端にてそれぞれ被連結構造と結合する二価の連結基が挙げられる。具体的には、二価の連結基としては、炭素数2〜20のアルキレン構造及び炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造を挙げることができる。炭素数2〜20のアルキレン構造としては、炭素数2〜15のアルキレン構造が好ましく、炭素数2〜10のアルキレン構造がより好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。アルキレン構造としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、デカヒドロナフタニレン基、ノルボルナニレン基、アダマンタニレン基等が挙げられる。また、アルキレン構造は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等の置換基を有していてもよいが、置換基を有さないことが好ましい。なお、上記炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
炭素数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造としては、オキシアルキレン構造、アルキレンオキシ構造、オキシアルキレンオキシ構造、アルキレンオキシアルキレン構造、アルキレンオキシアルキレンオキシアルキレン構造等が挙げられる。炭素数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン構造は、炭素数2〜15のエーテル結合を有するアルキレン構造が好ましく、炭素数2〜10のエーテル結合を有するアルキレン構造がより好ましい。該アルキレン構造は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。このようなエーテル結合を有するアルキレン構造としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシへキシレン基、オキシヘプチレン基、オキシオクチレン基、オキシノニレン基、オキシデシレン基、オキシウンデシレン基、オキシドデシレン基、オキシトリデシレン基、オキシテトラデシレン基、オキシペンタデシレン基、オキシシクロプロピレン基、オキシシクロブチレン基、オキシシクロペンチレン基、オキシシクロへキシレン基、オキシデカヒドロナフタニレン基、オキシノルボルナニレン基、オキシアダマンタニレン基などが挙げられる。また、オキシアルキレン構造は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等の置換基を有していてもよいが、置換基を有さないことが好ましい。ここで、上記炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
エポキシ樹脂(B)に含まれる芳香族基としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環基が挙げられ、中でも、フェニレン基が好ましい。
さらに、エポキシ樹脂(B)は、下記の一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019188432
(上記一般式(3)中、Xは、2価の連結基を表し、Y及びYは、それぞれ独立して、上述した「柔軟性骨格」を表し、mは1〜20の整数を表す。)
上記一般式(3)におけるXであり得る2価の連結基としては、具体的には、単結合、酸素原子、炭素原子又は硫黄原子等が挙げられる。なお、XとYとは異なり、且つ、XとYとは異なる。そして、Xとしての2価の連結基に対して、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、カルボニル基、及びフェニル基等の官能基が更に結合していても良い。
また、上記一般式(3)におけるY及び複数存在し得るYは、同一であっても相異なっていても良いが同一であることが好ましい。
さらにまた、上記一般式(3)におけるmは、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。
上記一般式(3)を満たすエポキシ樹脂(B)は、特に限定されることなく、例えば、特開2010−285627号に開示された方法に従って合成することができる。また、市販されている好適なエポキシ樹脂(B)としては、特に限定されることなく、例えば、三菱ケミカル社製の「YX7110B80」を挙げることができる。
なお、エポキシ樹脂(B)として、一種の化合物を単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
<<エポキシ樹脂(B)の含有量>>
樹脂組成物中におけるエポキシ樹脂(B)の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100質量部あたり、40質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましく、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましい。エポキシ樹脂(B)の含有量が上記下限値以上であれば、樹脂膜の伸長性を一層高めることができる。また、エポキシ樹脂(B)の含有量が上記上限値以下であれば、樹脂膜の解像性を一層高めることができる。
<架橋剤(C)>
架橋剤(C)は、分子内にフェノール性水酸基及びアルコキシメチル基を含む。かかる架橋剤(C)は、加熱により架橋剤分子間に架橋構造を形成し、及び/又は、極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と反応して架橋構造を形成しうる。従って、樹脂組成物に架橋剤(C)を含有させることで、樹脂膜の耐薬品性を高めることができる。
架橋剤(C)としては、2つ以上のアルコキシメチル基が芳香環に直接結合してなるフェノール化合物が好ましい。なお、アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基が好ましい。2つ以上のアルコキシメチル基が芳香環に直接結合してなるフェノール化合物としては、例えば、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾールなどのジメトキシメチル置換フェノール化合物;3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル(例えば、商品名「TMOM−BP」、本州化学工業社製)、1,1−ビス[3,5−ジ(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−フェニルエタンなどのテトラメトキシメチル置換ビフェニル化合物;4,4’,4”−(エチリデン)トリス[2,6−(メトキシメチル)フェノール](例えば、商品名「HMOM−TPHAP」、本州化学工業社製)などのヘキサメトキシメチル置換トリフェニル化合物;が挙げられる。中でも、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’− ジヒドロキシビフェニル(TMOM−BP)及び4,4’,4”−(エチリデン)トリス[2,6−(メトキシメチル)フェノール](HMOM−TPHAP)が好ましい。これらは一種単独で、或いは二種以上を併用して用いることができる。
<<架橋剤(C)の含有量>>
樹脂組成物中における架橋剤(C)の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100質量部あたり、100質量部以下とすることが好ましく、80質量部以下とすることがより好ましく、30質量部以下とすることが更に好ましく、1質量部以上とすることが好ましく、2質量部以上とすることがより好ましく、5質量部以上とすることが更に好ましい。架橋剤(C)の含有量が上記下限値以上であれば、樹脂膜の耐薬品性を一層高めることができる。また、架橋剤(C)の含有量が上記上限値以下であれば、樹脂膜の伸長性を高めることができる。
<光酸発生剤(D)>
樹脂組成物は、光酸発生剤(D)を更に含むことが好ましい。樹脂組成物が、光酸発生剤(D)のような感放射線化合物を含有することで、樹脂膜を露光した際の光酸発生剤(D)の作用により、露光部分における樹脂膜の現像液に対する可溶性を変化させることができ、これにより樹脂膜をパターニングすることが可能となる。即ち、樹脂組成物が、光酸発生剤(D)のような感放射線化合物を含有する場合には、かかる樹脂組成物は、感放射線樹脂組成物として機能し得る。
光酸発生剤としては、例えば、アジド化合物(キノンジアジド化合物など)、オニウム塩化合物、ハロゲン化有機化合物、α,α’−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α−カルボニル−α’−スルホニルジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物、アセトフェノン化合物、トリアリールスルホニウム塩が挙げられるが、アジド化合物が好ましく、キノンジアジド化合物がより好ましい。
光酸発生剤として好適に用いられるキノンジアジド化合物としては、例えば、キノンジアジドスルホン酸ハライドとフェノール性水酸基を有する化合物とのエステル化合物を用いることができる。
上記エステル化合物の調製に用いるキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドが挙げられる。
上記エステル化合物の調製に用いるフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ノボラック樹脂のオリゴマー、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物とジシクロペンタジエンとを共重合して得られるオリゴマーが挙げられる。これらは一種を単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
[光酸発生剤(D)の含有量]
樹脂組成物中における光酸発生剤(D)の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100質量部あたり、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、25質量部以上が更に好ましく、100質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、50質量部以下が更に好ましい。光酸発生剤(D)の含有量がこの範囲にあれば、樹脂組成物からなる樹脂膜を用いてパターニングする際に、適度な露光強度にて、露光部と未露光部における環状オレフィン重合体(A)の現像液への溶解度差を十分に大きくすることができるため、良好な感度で明瞭なパターンが形成可能となる。
<溶剤>
本発明の樹脂組成物は、溶剤を含有していてもよい。即ち、本発明の樹脂組成物は、環状オレフィン重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、架橋剤(C)、並びに、任意に添加される光酸発生剤(D)が、溶剤中に溶解及び/又は分散してなる、樹脂液であってもよい。
溶剤としては、特に限定されず、樹脂組成物の溶剤として既知のもの、例えば、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルを含むジエチレングリコール類等の国際公開第2015/141717号に開示された溶剤を用いることができる。溶剤としては、一種を単独で、或いは複数種を混合して用いることができる。なお、本発明の樹脂組成物中における溶剤の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100質量部当たり、好ましくは10質量部以上10000質量部以下、より好ましくは50質量部以上5000質量部以下、更に好ましくは100質量部以上1000質量部以下の範囲である。
<その他の添加剤>
また、本発明の樹脂組成物は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、所望により、上記以外のその他の添加剤を含有していても良い。かかるその他の添加剤としては、例えば、上記架橋剤(C)以外の架橋剤、シランカップリング剤、界面活性剤、増感剤、光安定剤、消泡剤、顔料、染料、及びフィラー等が挙げられる(例えば、国際公開第2015/141717号参照)。なお、上記架橋剤(C)以外の架橋剤としては、例えば、メチロール基を有する架橋剤、オキセタン基を有する架橋剤、及びブロックイソシアネート基を有する架橋剤等が挙げられる。
<樹脂組成物の調製方法>
本発明の樹脂組成物の調製方法は、特に限定されず、樹脂組成物を構成する各成分を公知の方法により混合すればよい。混合の方法は特に限定されないが、樹脂組成物を構成する各成分を溶剤に溶解又は分散して得られる溶液又は分散液を混合するのが好ましい。これにより、樹脂組成物は、溶液又は分散液の形態(即ち、樹脂液の状態)で得られる。上記混合は、特に限定されず、既知の混合機を用いて行う。また、混合後に既知の方法でろ過を行ってもよい。
そして、本発明の樹脂組成物である樹脂液の固形分濃度は、通常、1質量%以上70質量%以下、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下である。固形分濃度が上述した範囲内であれば、樹脂液の溶解安定性及び塗布性、並びに形成される樹脂膜の膜厚均一性及び平坦性等が高度にバランスされ得る。
(電子部品)
本発明の電子部品は、上述した本発明の樹脂組成物からなる樹脂膜を備える。そして、本発明の電子部品は、本発明の樹脂組成物から形成された現像残渣が十分に少なく且つ伸長性に優れた樹脂膜を備えているため、高性能である。
<電子部品の種類>
本発明の電子部品としては、特に限定されないが、本発明の樹脂組成物からなる樹脂膜が、現像残渣が十分に少なく且つ伸長性に優れたものであることから、ウェハレベルパッケージ技術によって製造される電子部品が好適である。特に、本発明の樹脂組成物からなる樹脂膜が、ウェハレベルパッケージ技術によって製造される電子部品において、層状に配置される配線の間を絶縁するための層間絶縁膜(再配線用層間絶縁膜など)を形成するものとして用いられたものであることがより好適である。
<樹脂膜を備える電子部品の製造方法>
樹脂膜を備える電子部品は、特に限定されることなく、例えば、半導体素子が実装されたシリコンウエハ等の基板上に、樹脂膜を形成することにより、製造することができる。基板上に樹脂膜を形成する方法は、特に限定されない。樹脂膜は、例えば、溶剤を含む樹脂組成物(即ち、樹脂液)を用いて、基板上に膜を形成する工程(膜形成工程)と、得られた膜を架橋して樹脂膜を得る工程(架橋工程)とを経て製造することができる。なお、必要に応じて、上記膜形成工程と架橋工程との間に、基板上の膜に対して活性放射線を照射して露光膜を得る工程(露光工程)と、露光膜を現像して現像膜を得る工程(現像工程)とをこの順に実施することで、パターン化された樹脂膜を得ることができる。以下、各工程について説明する。
[膜形成工程]
膜形成工程では、塗布法やフィルム積層法等の既知の方法に従って、樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する。例えば塗布法では、樹脂組成物を、スピンコート法等の既知の方法に従って塗布した後、加熱乾燥して溶剤を除去して塗膜を得る。この際の加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて異なるが、加熱温度は、通常30〜150℃、好ましくは60〜120℃で、加熱時間は、通常0.5〜90分間、好ましくは1〜60分間、より好ましくは1〜30分間としうる。また、例えばフィルム積層法では、樹脂組成物を、樹脂フィルムや金属フィルム等のBステージフィルム形成用基材上に塗布した後に加熱乾燥により溶剤を除去してBステージフィルム(塗膜)を得、次いで、このBステージフィルムを、基板上に積層する。この際の加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて適宜選択することができるが、加熱温度は、通常30〜150℃であり、加熱時間は、通常0.5〜90分間としうる。フィルム積層は、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の圧着機を用いて行なうことができる。
[露光工程]
任意で行い得る露光工程では、基板上の塗膜に対して活性放射線を照射して露光膜を得る。より具体的には、露光工程では、塗膜に活性放射線を照射して潜像パターンを形成する。露光工程を行う場合において用いる樹脂組成物は、光酸発生剤(D)等の感放射線化合物を含むことが好ましい。樹脂組成物が光酸発生剤(D)を含む場合には、上述したように、光酸発生剤(D)の作用により、露光部と非露光部における環状オレフィン重合体(A)の現像液に対する溶解性を異ならせることができる。なお、樹脂組成物に光酸発生剤(D)を配合することなく、パターン化樹脂膜を得るための方途としては、例えば、COレーザーやUV−YAGレーザーなどを用いたレーザー加工を用いる方法、あるいは、樹脂膜上にマスクパターンを形成して、ドライエッチングする方法、さらには、インクジェット法などの直接描画法等が挙げられる。
活性放射線としては、樹脂組成物に含有させる光酸発生剤(D)を活性化させ、膜の現像液に対する溶解性を変化させることができるものであれば特に限定されない。具体的には、紫外線、g,h,i線等の単一波長の紫外線、g−h−i混合線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光等の光線;電子線のような粒子線;等を用いることができる。これらの活性放射線を選択的にパターン状に照射して潜像パターンを形成する方法としては、常法に従えばよい。照射条件は、使用する活性放射線に応じて適宜選択されるが、例えば、波長200〜450nmの光線を使用する場合、照射量は、通常10〜5,000mJ/cm、好ましくは50〜2,500mJ/cmの範囲であり、照射時間と照度に応じて決まる。このようにして活性放射線を照射した後、必要に応じ、樹脂膜を60〜130℃程度の温度で1〜2分間程度加熱処理しても良い。
[現像工程]
次に、露光工程で形成された潜像パターンを現像して顕在化させる。現像液としては、アルカリ現像液を用いることができる。アルカリ現像液は、アルカリ性化合物を水性溶媒に溶解させて調製することができる。アルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属塩、アミン、アンモニウム塩を使用することができる。アルカリ性化合物は、無機化合物であっても有機化合物であってもよい。これらの化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア水;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、N−メチルピロリドン等の環状アミン類;等が挙げられる。これらアルカリ性化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アルカリ水性溶液の水性溶媒としては、水;メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤を使用することができる。アルカリ水性溶液は、界面活性剤等を適当量添加したものであってもよい。
潜像パターンを有する露光膜に現像液を接触させる方法としては、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法等の方法が用いられる。現像温度は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜55℃、より好ましくは10〜30℃の範囲から、現像時間は、通常、30〜180秒間の範囲から適宜選択される。
このようにして目的とするパターンが形成された現像膜は、必要に応じて、現像残渣を除去するために、リンス液でリンスすることができる。リンス処理の後、残存しているリンス液を圧縮空気や圧縮窒素により除去することが好ましい。
さらに、必要に応じて、樹脂組成物に含有させた光酸発生剤(D)を失活させるために、現像膜に対して、上述したような活性放射線を照射することもできる。活性放射線の照射には、上記潜像パターンの形成に例示した方法を利用できる。照射と同時に、又は照射後に現像膜を加熱してもよい。加熱方法としては、例えば、電子部品をホットプレートやオーブン内で加熱する方法が挙げられる。加熱温度は、通常、80〜300℃、好ましくは100〜200℃の範囲である。
[架橋工程]
そして、上記膜形成工程で基材上に形成した膜、或いは、現像工程を経た現像膜について、架橋反応を行なう。このような架橋は、架橋剤(C)の種類に応じて適宜方法を選択すればよいが、通常、加熱により行なう。加熱方法は、例えば、ホットプレート、オーブン等を用いて行なうことができる。加熱温度は、通常、180〜250℃であり、加熱時間は、膜の面積や厚さ、使用機器等により適宜選択され、例えばホットプレートを用いる場合は、通常、5〜60分間、オーブンを用いる場合は、通常、30〜240分間の範囲である。加熱は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、酸素を含まず、かつ、膜を酸化させないものであればよく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等が挙げられる。これらの中でも窒素とアルゴンが好ましく、特に窒素が好ましい。特に、酸素含有量が0.1体積%以下、好ましくは0.01体積%以下の不活性ガス、特に窒素が好適である。これらの不活性ガスは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして形成することができる樹脂膜の厚さとしては、特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.5〜30μmである。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。なお、下記合成例に従って得た環状オレフィン重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、テトラヒドロフラン等の溶媒を溶離液としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として求めた。
また、実施例及び比較例で樹脂組成物を調製する際に用いたエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq.)は、JIS K 7236:2009に従って求めた。
さらにまた、実施例及び比較例に従う樹脂組成物を用いて形成した樹脂膜の、伸長性、耐薬品性、及び解像性は、それぞれ以下の方法を使用して評価した。
<伸長性>
スパッタリング装置(芝浦エレテック社製、「i-Miller CFS-4EP-LL」)を用いて50nm膜厚のアルミ膜を形成した4インチシリコンウエハ上に、各実施例及び各比較例において作製した樹脂組成物をスピンコートした後、ホットプレートを用いて120℃で2分間プリベークして、樹脂組成物よりなる膜を形成した。次いで、窒素中において230℃で1時間加熱することにより硬化させて樹脂膜を得て、10μm厚の樹脂膜付きシリコンウエハを得た。これを0.1mol%の塩酸水溶液に12時間浸漬してアルミのエッチングを行うことで、ウエハから樹脂膜を剥離させた後、150℃のオーブンで1時間乾燥させた。これを幅5mm、長さ40mmの短冊状に切り出して試験片とし、この試験片について引張試験を行うことで、引張伸び率を測定した。具体的には、引張試験機(島津製作所社製、「AGS-10kNX」)で23℃において、つかみ具間隔2cm、引張速度2mm/分で引張試験を行い、破断点における伸び率を測定した。8本の試験片について試験を行い、上位3点の平均値を各例で得られた樹脂組成物を用いて形成した樹脂膜の伸び率とした。伸び率の値が大きいほど、樹脂膜の伸長性が高いことを意味する。なお、樹脂組成物から形成される樹脂膜の伸長性が高いほど、当該樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜が、温度サイクル試験や落下衝撃試験の際にクラックや剥離を生じ難いため、好ましい。
A:引張伸び率が25%以上
B:引張伸び率が15%超25%未満
C:引張伸び率が15%以下
<耐薬品性>
シリコンウエハ上に、各実施例及び各比較例において作製した樹脂組成物をスピンコートした後、ホットプレートを用いて120℃で2分間プリベークして、樹脂組成物よりなる膜を形成した。次いで、窒素中において230℃で1時間加熱することにより、10μm厚の樹脂膜付きシリコンウエハを得た。これを23℃においてモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド=7/3(質量比)に15分浸漬し、式:(膜厚変化(%)=|浸漬後の膜厚−浸漬前の膜厚|/浸漬前の膜厚×100)に従って膜厚変化を算出した。算出した膜厚変化の値(%)に基づいて、下記の基準に従って耐薬品性を評価した。
A:膜にクラックや剥がれが無く、膜厚変化が10%未満
B:膜にクラックや剥がれが無く、膜厚変化が10%以上、20%未満
C:膜にクラックや剥がれが発生、又は膜厚変化が20%以上
<解像性>
シリコンウエハ上に、各実施例及び各比較例において作製した樹脂組成物をスピンコートした後、ホットプレートを用いて120℃で2分間プリベークして10μm厚の塗膜を得た。次いで20μmホールのマスクを介して、マスクアライナー(キャノン社製、「PLA501F」)でg−h−i混合線を用いて所定の照射量で露光を行った後、アルカリ現像液としての2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間、ディップ現像を行った。露光の際の照射量は、各塗膜について、上記マスクを用いて露光した場合に、20μmのホールが形成される照射量とした。次いで、超純水で10秒間リンスを行うことで、20μmのホールがパターニングされた現像膜付きのシリコンウエハを得た。イナートオーブンを用いて窒素中で、100℃で30分、次いで100℃から230℃まで2℃/分の速度で昇温させた後、230℃で1時間硬化を行った。式:(|硬化前のホール径−硬化後のホール径|/硬化前のホール径×100)に従い硬化前後でのホール径の変化率を算出し、得られた変化率の値(%)を以下の基準に従って評価した。
A:10%未満
B:10%以上、20%未満
C:20%以上
(合成例1)
<環状オレフィン重合体(A−1)の調製>
N−置換イミド基を有する環状オレフィン単量体としてのN−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(NBPI)40モル%、及びカルボキシル基を有する環状オレフィン単量体としての4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン(TCDC)60モル%からなる単量体混合物100部、1,5−ヘキサジエン2.0部、(1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド(Org.Lett.,第1巻,953頁,1999年に記載された方法で合成した)0.02部、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル200部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ80℃にて4時間反応させて重合反応液を得た。
そして、得られた重合反応液をオートクレーブに入れて、150℃、水素圧4MPaで、5時間攪拌して水素化反応を行い、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−1)の重合転化率は99.7%、ポリスチレン換算重量平均分子量は7,150、数平均分子量は4,690、分子量分布は1.52、水素添加率は、99.7%であった。また、得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−1)の重合体溶液の固形分濃度は34.4質量%であった。
(合成例2)
<環状オレフィン重合体(A−2)の調製>
N−置換イミド基を有する環状オレフィン単量体としてのN−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(NBPI)16モル%及びN−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(NEHI)16モル%、並びにカルボキシル基を有する環状オレフィン単量体としての4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン(TCDC)68モル%からなる単量体混合物100質量部、1−ヘキセン1.0質量部、(1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド(「Org.Lett.,第1巻,953頁,1999年」に記載された方法で合成した)0.06質量部、並びにジエチレングリコールエチルメチルエーテル300質量部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ80℃にて4時間反応させて重合反応液を得た。そして、得られた重合反応液をオートクレーブに入れて、150℃、水素圧4MPaで、5時間攪拌して水素化反応を行い、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た。得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−2)の重合転化率は99.3質量%、ポリスチレン換算重量平均分子量は20,600、数平均分子量は11,500、分子量分布は1.79、水素添加率は、99.8モル%であった。また、得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−2)の重合体溶液の固形分濃度は25.3質量%であった。
(実施例1)
<樹脂組成物の調製>
環状オレフィン重合体(A)として、合成例1で得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−1)の重合体溶液291部(環状オレフィン重合体(A−1)として100部)、光酸発生剤(D)として、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2.5モル)との縮合物30部、エポキシ当量が1124であるエポキシ樹脂(B)及びメチルエチルケトン(MEK)の混合物(三菱ケミカル社製、「YX7110B80」)を63部(エポキシ樹脂(B)として50部)、及び、溶剤として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル53部を混合し、溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。
そして、得られた樹脂組成物を用いて上記に従って各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、エポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)として用いた、三菱ケミカル社製、「YX7110B80」は、分子内に、芳香族基及び柔軟性骨格を有するものであり、且つ、芳香族基として少なくともフェニレン基を有していることを1H−NMR及び13C−NMRを用いて確認した。より詳細には、「YX7110B80」は、上述した一般式(3)を満たす構造を有するものであることを確認した。
(実施例2)
実施例1において、分子内にフェノール性水酸基及びアルコキシメチル基を含む架橋剤(C)(HMOM-TPHAP、4,4’,4”−(エチリデン)トリス[2,6−(メトキシメチル)フェノール]、下式(α))のγ―ブチロラクトン20%溶液(本州化学社製、「HMOM-TPHAP-GB」)50部(架橋剤(C)として10部)をさらに配合し、溶剤としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテルの量を53部から28部に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2019188432
(実施例3)
実施例1において、エポキシ樹脂(B)及びMEKの混合物(三菱ケミカル社製、「YX7110B80」)を63部から81部(エポキシ樹脂(B)として65部)に変更し、分子内にフェノール性水酸基及びアルコキシメチル基を含む架橋剤(C)(本州化学社製、「TMOM-BP」、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、下式(β))10部をさらに配合し、溶剤としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテルの量を53部から86部に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2019188432
(実施例4)
実施例1において、エポキシ樹脂(B)及びMEKの混合物(三菱ケミカル社製、YX7110B80)を63部から94部(エポキシ樹脂(B)として75部)に変更し、HMOM-TPHAPのγ―ブチロラクトン20%溶液(本州化学社製、「HMOM-TPHAP-GB」)100部(架橋剤(C)として20部)をさらに配合し、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルを53部から31部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例5)
環状オレフィン重合体(A)として、合成例1で得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−1)の重合体溶液232部(環状オレフィン重合体(A−1)として80部)、及び合成例2で得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A−2)の重合体溶液79部(環状オレフィン重合体(A−2)として20部)、光酸発生剤(D)として、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2.5モル)との縮合物35部、エポキシ樹脂(B)及びMEKの混合物(三菱ケミカル社製、YX7110B80)を88部(エポキシ樹脂(B)として70部)、HMOM-TPHAPのγ―ブチロラクトン20%溶液(本州化学社製、「HMOM-TPHAP-GB」)50部(架橋剤(C)として10部)、及び、溶剤としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル38部を混合し、溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に各種評価を実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
環状オレフィン重合体(A)として、合成例1で得られた環状オレフィン重合体(A−1)の重合体溶液291部(環状オレフィン重合体(A−1)として100部)、光酸発生剤(D)として、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2.5モル)との縮合物30部、その他のエポキシ樹脂としてエポキシ当量が487である樹脂(三菱ケミカル社製、「YX7105」)を70部、HMOM-TPHAPのγ―ブチロラクトン20%溶液(本州化学社製、「HMOM-TPHAP-GB」)50部(架橋剤(C)として10部)、及び、溶剤として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル39部を混合し、溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に各種評価を実施した。結果を表1に示す。なお、その他のエポキシ樹脂として用いたYX7105は、芳香族基及び柔軟性骨格を有するものであった。
(比較例2)
環状オレフィン重合体(A)として、合成例1で得られた環状オレフィン重合体(A−1)の重合体溶液291部(環状オレフィン重合体(A−1)として100部)、光酸発生剤(D)として、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2.5モル)との縮合物30部、その他のエポキシ樹脂としてエポキシ当量が440である樹脂(三菱ケミカル社製、「YX7400」)を70部、及び、溶剤として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル39部を混合し、溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。なお、エポキシ樹脂であるYX7400は、芳香族基を有さず、柔軟性骨格を有するものであった。
(比較例3)
環状オレフィン重合体(A)として、ヒドロキシスチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体(丸善石油化学社製、「CMM」)を100部、光酸発生剤(D)として、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2.5モル)との縮合物30部、エポキシ当量が1124であるエポキシ樹脂(B)及びMEKの混合物(三菱ケミカル社製、YX7110B80)を93.75部(エポキシ樹脂(B)として75部)、架橋剤(C)(本州化学社製、「TMOM-BP」)10部、及び、溶剤としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル288部を混合し、溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。実施例1と同様にして伸長性を評価すべく、試験片の調製を試みたが、樹脂膜が脆く、ウエハから剥離することができなかったため、試験片を調製することができず、評価することができなかった。その他の項目については、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2019188432
表1より、極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、及びエポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を含有する樹脂組成物によれば、解像性及び伸長性に優れる樹脂膜を形成可能であったことが分かる。また、表1より、柔軟性骨格及び芳香族基を共に有するものの、エポキシ当量が500未満であるエポキシ樹脂を用いた比較例1の樹脂組成物では、得られる樹脂膜に伸長性及び解像性の双方を付与することができなかったことが分かる。また、柔軟性骨格を有するが、芳香族基を有さないエポキシ当量が500未満であるエポキシ樹脂を用いた比較例2の樹脂組成物では、得られる樹脂膜に解像性を付与することができなかったことが分かる。さらにまた、極性基を有する環状オレフィン重合体以外の樹脂を用いた比較例3の樹脂組成物では、得られる樹脂膜に解像性及び伸長性を付与することができなかったことが分かる。
本発明の樹脂組成物によれば、解像性及び伸長性に優れる樹脂膜を形成することができる。
また、本発明によれば、高性能な電子部品を提供することができる。

Claims (7)

  1. 極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、及びエポキシ当量が500以上であるエポキシ樹脂(B)を含有する、樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(B)が、分子内に柔軟性骨格及び芳香族基を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 分子内にフェノール性水酸基及びアルコキシメチル基を含む架橋剤(C)を更に含有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 光酸発生剤(D)を更に含有する、請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂(B)の含有量が、前記環状オレフィン重合体(A)100質量部あたり、40質量部以上、100質量部以下である、請求項1〜4の何れかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記架橋剤(C)の含有量が、前記環状オレフィン重合体(A)100質量部あたり、1質量部以上、100質量部以下である、請求項1〜5の何れかに記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物からなる樹脂膜を備える、電子部品。
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