JP6670323B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物の硬化方法、該熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物及び該熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物を用いた波長カットフィルタに関する。
デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話用カメラ等に使用される固体撮像素子(CCDやC−MOS等)の感度は、光の波長の紫外領域から赤外領域に亘っている。一方、人間の視感度は光の波長の可視領域のみである。そのため、撮像レンズと固体撮像素子との間に波長カットフィルタの一種である赤外線カットフィルタを設けることで、人間の視感度に近づくように固体撮像素子の感度を補正している。
このような赤外線カットフィルタとしては、従来から各種の方法で製造されたものが使用されている。例えば、特許文献1のような、金属等の、吸収特性を持たない物質を含有する層を組み合わせて多層に積層し、それらの屈折率の差を利用するもの等の反射型フィルタや、特許文献2のような、スクアリリウム構造を有する化合物を有する有機化合物を含有した樹脂製基板を有するもの等の吸収型フィルタが使用されている。これらの波長カットフィルタには、人間の視感度に近づくように光吸収が特別に急峻であること、即ちλmaxの半値幅が小さいこと、また光や熱等により機能が失われない等の耐久性が高いことが求められている。
特許文献1のような反射型フィルタは、光の入射角により特性が変化するため、画面の中心と周辺で色合いが変化するなどの弊害がある。また、反射された光が光路中において迷光となって解像度の低下や画像のシミ・ムラ、ゴーストと呼ばれる多重像等を引き起こす原因となる弊害がある。
一方、特許文献2のような吸収型フィルタは、光の入射角による特性の変化は無いものの、目的の特性を得るためにはかなりの厚さが必要になることがある。また、有機化合物を使用した光吸収剤を含有した樹脂基板の材料としてはアクリル樹脂等の硬化性樹脂や、環状オレフィン樹脂やポリカーボネート樹脂等の可塑性樹脂を用いるが、このような樹脂は耐熱性が劣ることが多い。
また、アクリル樹脂等の硬化性樹脂の硬化方法には、光酸発生剤、光ラジカル開始剤等の光重合開始剤を用いる光重合と熱酸発生剤等の熱重合開始剤を用いる熱重合がある。特許文献3には、非エステル系の脂環エポキシ化合物と熱酸発生剤とを含有する三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤と、さらに、増感色素を含有する体積ホログラム記録用感光性組成物が開示されている。この文献には、ラジカル重合開始剤の増感剤として色素が使用されているが、該増感色素は加熱や紫外線若しくは可視光を照射することにより分解し無色透明になるものが好ましいとの記載がある。このように、色素を含む硬化性樹脂は、硬化時に色素が分解しやすく、これを光学フィルタとして使用した場合、十分な波長吸収能が得られない原因となることがある。
US2005253048(A1) 特開2012−008532号公報 特開2011−118363号公報
本発明の目的は、耐熱性に優れる樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記樹脂組成物の硬化方法、及び上記樹脂組成物を硬化した硬化物を提供することにある。さらに、上記硬化物を用いた耐熱性に優れる波長カットフィルタを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、カチオン染料、カチオン重合性有機物質及び熱酸発生剤を含有する熱硬化性樹脂組成物が耐熱性に優れることを知見し、また、この熱硬化性樹脂組成物が、波長カットフィルタの製造に好適であることを知見し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、カチオン染料(A)、カチオン重合性有機物質(B)及び熱酸発生剤(C)を含有する熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化方法、該熱硬化性樹脂を硬化した硬化物及び該硬化物を用いてなる波長カットフィルタを提供するものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物は耐熱性に優れるものである。また、該熱硬化性樹脂を硬化した硬化物は、波長カットフィルタに好適なものである。
波長カットフィルタの層構造の概略を示す断面図である。 波長カットフィルタの層構造の概略を示す断面図である。
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物について、好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、カチオン染料(A)、カチオン重合性有機物質(B)及び熱酸発生剤(C)を含有する。以下、各成分について順に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられるカチオン染料(A)としては、特に限定されず公知の染料を用いることができるが、例えば、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット等のトリフェニルメタン系染料、オーラミン等のジフェニルメタン系染料、キノリンブルー等のポリメチン系染料、メチレンブルー等のチアジン系染料、ローダミンB等のキサンテン系染料、サフラニン等のアゾ系染料、ベーシックブルー3等のオキサジン系染料、アクリジンオレンジ等のアクリジン系染料、アントシアニジン類等のピリリウム系染料等の染料が使用できる。なかでも耐熱性の良さや、溶解性や、樹脂との相溶性の良さから、ポリメチン系染料が好ましい。
上記ポリメチン系染料としては、例えば、下記一般式(1)で表される塩を形成する化合物が挙げられる。
Figure 0006670323
(式中、Aは下記の群Iの(a)〜(m)から選ばれる基を表し、A’は下記の群IIの(a’)〜(m’)から選ばれる基を表し、Qは、下記一般式(1−A)で表される連結基を表し、Anq−はq価のアニオンを表し、qは1又は2を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表す。)
Figure 0006670323
Figure 0006670323
(式中、環C及び環C’は、各々独立にベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環又はピリジン環を表す。
式中、R及びR’は、各々独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R及びR’中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該該R及びR’中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。
式中、R〜R及びR’〜R’は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R〜R及びR’〜R’中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該R〜R及びR’〜R’中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。
式中、X及びX’は、各々独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR5152−、炭素原子数3〜6のシクロアルカン−1,1−ジイル基、−NH−又は−NY−を表し、R51及びR52は、各々独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R51及びR52中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該R51及びR52中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。
式中Y、Y’及びYは、各々独立に水素原子、又は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、ニトロ基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該Y、Y’及びY中のアリール基、アリールアルキル基、及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。
式中、r及びr’は、0又は(a)〜(e)、(g)〜(j)、(l)、(m)、(a’)〜(e’)、(g’)〜(j’)、(l’)及び(m’)において置換可能な1以上の数を表す。)
Figure 0006670323
(式中、kは、0〜4の整数を表す。
式中、連結基を構成する各々のメチン基の水素原子は各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、−NRR’、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換される場合があり、該アルキル基は、該メチン基の任意の2つの炭素原子を結合する炭素原子数3〜10の環構造を構成する場合があり、該環構造の水素原子は各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、−NRR’、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換される場合があり、該メチン基及び該環構造中のR及びR’は、各々独立に炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該メチン基及び該環構造中の−NRR’、アリール基、アリールアルキル基及びアルキル基中の水素原子は、更に各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基又は−NRR’で置換される場合があり、該メチン基及び該環構造中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。)
上記一般式(1)におけるR〜R及びR’〜R’並びにX及びX’中のR51及びR52で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。上記一般式(1)におけるR〜R及びR’〜R’並びにX及びX’中のR51及びR52で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−iso−プロピルフェニル、4−iso−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−iso−ブチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、2,4−ジ−tert−ペンチルフェニル、2,5−ジ−tert−アミルフェニル、2,5−ジ−tert−オクチルフェニル、2,4−ジクミルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、(1,1’−ビフェニル)−4−イル、2,4,5−トリメチルフェニル、フェロセニル等が挙げられる。上記一般式(1)におけるR〜R及びR’〜R’並びにX及びX’中のR51及びR52で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル、フェロセニルメチル、フェロセニルプロピル、4−イソプロピルフェネチル等が挙げられる。上記一般式(1)におけるR〜R及びR’〜R’並びにX及びX’中のR51及びR52で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル等が挙げられる。
上記炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基及び炭素原子数1〜8のアルキル基中の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該アリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、これらの置換の数及び位置は任意である。
例えば、上記炭素原子数1〜8のアルキル基中の水素原子がハロゲン原子で置換された基としては、例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ノナフルオロブチル等が挙げられ、上記炭素原子数1〜8のアルキル基中のメチレン基が−O−で置換された基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、iso−プロピルオキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、iso−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ等のアルコキシ基や、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシ)エトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、4−メトキシブチル、3−メトキシブチル等のアルコキシアルキル基等が挙げられ、上記炭素原子数1〜8のアルキル基中の水素原子がハロゲン原子で置換され、且つ該アルキル基中のメチレン基が−O−で置換された基としては、例えば、クロロメチルオキシ、ジクロロメチルオキシ、トリクロロメチルオキシ、フルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、トリフルオロメチルオキシ、ノナフルオロブチルオキシ等が挙げられる。
上記一般式(1)において、X及びX’で表される炭素原子数3〜6のシクロアルカン−1,1−ジイル基としては、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、2,4−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、3,3−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1,1−ジイル等が挙げられる。
上記一般式(1)において、Y、Y’及びYで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。Y、Y’及びYで表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−iso−プロピルフェニル、4−iso−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−iso−ブチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、2,4−ジ−tert−ペンチルフェニル、2,5−ジ−tert−アミルフェニル、2,5−ジ−tert−オクチルフェニル、2,4−ジクミルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、(1,1’−ビフェニル)−4−イル、2,4,5−トリメチルフェニル、フェロセニル等が挙げられる。Y、Y’及びYで表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル、フェロセニルメチル、フェロセニルプロピル、4−イソプロピルフェネチル等が挙げられる。Y、Y’及びYで表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル等が挙げられる。これらのアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基中の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基又はニトロ基で置換される場合があり、これらの置換の数及び位置は任意である。
また、上記一般式(1)において、Y、Y’、Y中のアリール基及びアリールアルキル基、アルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。上記のメチレン基が上記の−O−等で置換されたものとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、iso−ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル等のアルキル基;フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−iso−プロピルフェニル、4−iso−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−iso−ブチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、シクロヘキシルフェニル等のアリール基;ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基等の中のメチレン基が、エーテル結合、チオエーテル結合等で置換されたもの、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−フェノキシエチル、3−フェノキシプロピル、2−メチルチオエチル、2−フェニルチオエチル等が挙げられる。
上記一般式(1−A)で表わされる連結基中のメチン鎖及び炭素原子数3〜10の環構造に置換される場合もあるハロゲン原子、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基、並びに上記一般式(1−A)中のR及びR’で表される炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基としては、上記一般式(1)におけるR〜R及びR’〜R’並びにX及びX’中のR51及びR52で表されるものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(1−A)で表わされる連結基としては、下記(Q−1)〜(Q−11)の何れかで表される基が、製造が容易であるため好ましい。また、メチン鎖が短いために耐熱性が高いことから下記(Q−1)〜(Q−3)及び(Q−11)で表される基がより好ましく、下記(Q−1)、(Q−2)及び(Q−11)はさらに好ましい。また、(Q−4)〜(Q−9)も、メチン鎖中に環構造を有することから耐熱性が高いためより好ましい。
Figure 0006670323
(式中、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びZ’は、各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、−NRR’、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、R及びR’は、各々独立に、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R14、R15、R16、R17、R18、R19及びZ’中の−NRR’、アリール基、アリールアルキル基及びアルキル基中の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基又は−NRR’で置換される場合があり、該アリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。)
上記R14、R15、R16、R17、R18、R19及びZ’で表わされるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。上記R14、R15、R16、R17、R18、R19、Z’、R及びR’で表わされる炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−iso−プロピルフェニル、4−iso−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−iso−ブチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、2,4−ジ−tert−ペンチルフェニル、2,5−ジ−tert−アミルフェニル、2,5−ジ−tert−オクチルフェニル、2,4−ジクミルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、(1,1’−ビフェニル)−4−イル、2,4,5−トリメチルフェニル、フェロセニル等が挙げられる。上記R14、R15、R16、R17、R18、R19、Z’、R及びR’で表わされる炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル、フェロセニルメチル、フェロセニルプロピル、4−イソプロピルフェネチル等が挙げられる。上記R14、R15、R16、R17、R18、R19、Z’、R及びR’で表わされる炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル等が挙げられる。これらのアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基中の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、又はニトロ基で置換される場合があり、これらの置換の数及び位置は任意である。
上記一般式(1)中のpAnq−で表されるq価のアニオンとしては、メタンスルホン酸アニオン、ドデシルスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸アニオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸アニオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸アニオン、特開平10−235999号公報、特開平10−337959号公報、特開平11−102088号公報、特開2000−108510号公報、特開2000−168233号公報、特開2001−209969号公報、特開2001−322354号公報、特開2006−248180号公報、特開2006−297907号公報、特開平8−253705号公報、特表2004−503379号公報、特開2005−336150号公報、国際公開2006/28006号公報等に記載されたスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオンの他、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、オクチルリン酸イオン、ドデシルリン酸イオン、オクタデシルリン酸イオン、フェニルリン酸イオン、ノニルフェニルリン酸イオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸イオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスホン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、励起状態にある活性分子を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するクエンチャー陰イオンやシクロペンタジエニル環にカルボキシル基やホスホン酸基、スルホン酸基等の陰イオン性基を有するフェロセン、ルテオセン等のメタロセン化合物陰イオン等が挙げられる。なかでも耐熱性が高い点から、有機スルホン酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ポリフルオロホウ酸イオンが好ましく、またN,N’−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸アニオン、N,N’−ビス(フルオスルホニル)イミド酸アニオン、N,N’−ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオンがさらに好ましい。
本発明で用いられるポリメチン化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜107が挙げられる。なお、以下の例示では、アニオンを省いた化合物で示している。
Figure 0006670323
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Figure 0006670323
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Figure 0006670323
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上記ポリメチン化合物は、その製造方法は特に限定されず、周知一般の反応を利用した方法で得ることができ、例えば、特開2010−209191に記載されているルートの如く、該当する構造を有する化合物と、イミン誘導体との反応により合成する方法が挙げられる。
本発明で用いられるカチオン染料(A)は、赤外線カット性能が高いことから、塗膜の極大吸収波長(λmax)が650〜1200nmであるものが好ましく、650〜900nmがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられるカチオン重合性有機物質(B)としては、熱により活性化した熱酸発生剤(C)により高分子化又は、架橋反応を起こす化合物であればどのような化合物でもよく、特に限定されるものではないが、エポキシ化合物、オキセタン化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物、ビニル化合物等が使用でき、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも硬化物の耐熱性及び透明性が良好であることからエポキシ化合物、オキセタン化合物、環状アセタール化合物から選ばれる1種又は2種以上を使用することが好ましく、硬化物の耐熱性が高いことからエポキシ化合物がより好ましく、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等がさらに好ましい。
前記脂環族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又はシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。たとえば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、等が挙げられる。
前記脂環族エポキシ化合物として好適に使用できる市販品としては、UVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド2000、セロキサイド3000、サイクロマーA200、サイクロマーM100、サイクロマーM101、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリード401、エポリード403、ETHB、エポリードHD300、EHPE−3150(以上、(株)ダイセル製)、アデカアークルズKRM−2110、アデカアークルズKRM−2199(以上、(株)ADEKA製)等を挙げることができる。
前記脂環族エポキシ化合物の中でも、シクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ樹脂は硬化が早く好ましい。
前記芳香族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノール又は、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂等が挙げられる。
また前記脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。更に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
前記芳香族及び脂肪族エポキシ化合物として好適に使用できる市販品としては、jER801、jER828、jER−1001、jER−1004、jER−1010、jERYX−4000、jERYDE−305、jER871、jER872(以上、三菱化学(株)製)、PY−306、0163、DY−022(以上、チバガイギー社製)、アデカアークルズKRM−2720、アデカレジンEP−4100、アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4080、アデカレジンEP−4088、アデカレジンEP−4900、アデカグリシロールED−505、アデカグリシロールED−506(以上、(株)ADEKA製)、エポライトM−1230、エポライトEHDG−L、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000、エポライト3002、エポライトFR−1500(以上、共栄社化学(株)製)、サントートST3000、エポトートYD−716、YH−300、PG−202、PG−207、エポトートYD−172、YDPN638(以上、新日鉄住金化学(株)製)デナコールEX321、デナコールEX313、デナコール314、デナコールEX−411、EM−150(ナガセケムテックス(株)製)、EPPN−201、EOCN−1020、EPPN−501H(日本化薬(株))、OGSOL PG−100、OGSOL EG−200(大阪ガスケミカル(株)製)等を挙げることができる。
前記オキセタン化合物の具体例としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等を例示することができる。
前記オキセタン化合物として好適に使用できる市販品としては、アロンオキセタンOXT−101,アロンオキセタンOXT−121,アロンオキセタンOXT−221,アロンオキセタンOXT−212,アロンオキセタンOXT−211(以上、東亞合成(株)製)、エタナコールEHO,エタナコールOXBP,エタナコールOXTP,エタナコールOXMA(以上、宇部興産(株)製)等が挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら、オキセタン化合物は特に可撓性を必要とする場合に使用すると効果的であり好ましい。
その他のカチオン重合性有機物質(B)としては、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のオキソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状アセタール化合物、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物、エチレンスルフィド、チオエピクロルヒドリン等のチイラン化合物、1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等のチエタン化合物、テトラヒドロチオフェン誘導体等の環状チオエーテル化合物、エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、プロピレングリコールのプロペニルエーテル等のビニルエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンの反応によって得られるスピロオルトエステル化合物、スチレン、ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物及び上記誘導体等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられる熱酸発生剤(C)とは、熱により酸を発生させることが可能な化合物であればどのようなものでもよく、特に限定されるものではないが、好ましくは、熱によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩、又はその誘導体が、樹脂組成物を硬化した硬化物の耐熱性が良く、好適である。かかる化合物の代表的なものとしては、下記一般式
[A]m+[B]m−
で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
ここで陽イオン[A]m+は特に限定されるものではないが、熱によってルイス酸を放出するオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式
[(RQ]m+
で表すことができる。
更にここで、Rは炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子を含む場合がある有機の基である。aは1〜5のいずれかの整数である。a個のRは各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが樹脂の硬化性が良く、好ましい。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオン[A]m+中のQの原子価をqとしたとき、m=a−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
また、陰イオン[B]m−は、特に限定されるものではないが、ハロゲン化物錯体であることが樹脂の硬化性が良い点で好ましく、その構造は、例えば、下記一般式
[LXm−
で表すことができる。
更にここで、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属又は半金属(Metalloid)であり、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn,Co等である。Xはハロゲン原子である。bは3〜7のいずれかの整数である。また、陰イオン[B]m−中のLの原子価をpとしたとき、m=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
上記一般式の陰イオン[LXm−の具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[(CB]、テトラフルオロボレート(BF、ヘキサフルオロフォスフェート(PF、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF、ヘキサフルオロアルセネート(AsF、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl等を挙げることができる。
また、陰イオン[B]m−は、下記一般式
[LXb−1(OH)]m−
で表される構造のものも好ましく用いることができる。L,X,bは上記と同様である。また、その他用いることのできる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CFSO、フルオロスルホン酸イオン(FSO、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、カンファースルフォネート、ノナフロロブタンスルフォネート、ヘキサデカフロロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
これらの中でも、樹脂の硬化性が良く、硬化物の耐熱性が高いことから、スルホニウム塩が好ましく、下記一般式(2)で表されるスルホニウム塩又は下記一般式(3)で表されるスルホニウム塩が更に好ましい。
Figure 0006670323
(式中、R21及びR22は、各々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合がある。またR21とR22とは炭素原子数2〜7のアルキル鎖で環構造を構成してもよい。R23及びR24は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、シアノ基、スルホン基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合がある。Anq’−はq’価のアニオンを表し、q’は1又は2を表し、p’は電荷を中性に保つ係数を表す。)
Figure 0006670323
(式中、R25は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、水酸基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合がある。R26は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合がある。R27は、構成するメチレン基が、ハロゲン基、−O−又はS−で表される基で置換される場合がある炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。Anq’’−はq’’価のアニオンを表し、q’’は1又は2を表し、 p’’は電荷を中性に保つ係数を表す。)
上記一般式(2)及び(3)で表される化合物において、R23、R24及びR25で表されるハロゲン原子並びにR21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27で表される基に置換される場合があるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27で表される炭素原子数1〜10のアルキル基並びにR21、R22、R23、R24、R25及びR26で表される基に置換される場合がある炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、エチルオクチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−メチルチオエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ジフルオロエチル、トリクロロエチル、ジクロロジフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、デカフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル、ペンタデカフルオロヘプチル、ヘプタデカフルオロオクチル、メトキシメチル、1,2−エポキシエチル、メトキシエチル、メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、エトキシエチル、ブトキシメチル、t−ブチルチオメチル、4−ペンテニルオキシメチル、トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、メトキシシクロヘキシル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、エチルジチオエチル、トリメチルシリルエチル、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、t−ブトキシカルボニルメチル、エチルオキシカルボニルメチル、エチルカルボニルメチル、t−ブトキシカルボニルメチル、アクリロイルオキシエチル、メタクリロイルオキシエチル、2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチル、アセチルエチル、2−メトキシ−1−プロペニル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,2−ジヒドロキシエチル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基は、−O−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で置換される場合がある。また、R21、R22、R23、R24、R25及びR26で表される炭素原子数6〜20の芳香族基並びにR21、R22、R23、R24、R25及びR26で表される基に置換される場合がある炭素原子数6〜20の芳香族基としては、フェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられ、R21、R22、R23、R24、R25及びR26で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基並びにR21、R22、R23、R24、R25及びR26で表される基に置換される場合がある炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、上記で説明した炭素原子数1〜10のアルキル基と炭素原子数6〜20の芳香族基を組み合わせたものが使用できる。
上記一般式(2)及び(3)中のp’Anq’−及びp’’Anq’’−で表されるq’またはq’’価のアニオンとしては、メタンスルホン酸アニオン、ドデシルスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸アニオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸アニオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸アニオン、特開平10−235999号公報、特開平10−337959号公報、特開平11−102088号公報、特開2000−108510号公報、特開2000−168233号公報、特開2001−209969号公報、特開2001−322354号公報、特開2006−248180号公報、特開2006−297907号公報、特開平8−253705号公報、特表2004−503379号公報、特開2005−336150号公報、国際公開2006/28006号公報等に記載されたスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオンの他、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、オクチルリン酸イオン、ドデシルリン酸イオン、オクタデシルリン酸イオン、フェニルリン酸イオン、ノニルフェニルリン酸イオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスホン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、励起状態にある活性分子を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するクエンチャー陰イオンやシクロペンタジエニル環にカルボキシル基やホスホン酸基、スルホン酸基等の陰イオン性基を有するフェロセン、ルテオセン等のメタロセン化合物陰イオン等が挙げられる。なかでも耐熱性が高い点から、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオンが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられる熱酸発生剤(C)が熱により酸を発生し、樹脂組成物を硬化させることができる温度の範囲は、特に限定されないが、好適な耐熱性を有する硬化物が得られる点や、プロセス中の熱安定性が良好である点で、50℃〜250℃が好ましく、100℃から220℃がより好ましく、130℃から200℃がなお好ましく、150℃から180℃がさらに好ましい。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられる熱酸発生剤(C)として好適に使用できる市販品としては、下記に表す化合物、具体名としてはサンエイドSI−B2A、サンエイドSI−B3A、サンエイドSI−B3、サンエイドSI−B4、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80、サンエイドSI−100、サンエイドSI−110、サンエイドSI−150(以上三新化学工業(株)製)、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(以上(株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0006670323
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、上記カチオン染料(A)の含有量は特に限定されないが、単独又は複数種の合計で、本発明の熱硬化性樹脂組成物中、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.05〜30質量%の範囲で、硬化物の耐熱性が特に良好である。上記カチオン重合性有機物質(B)の含有量は特に限定されないが、単独又は複数種の合計で、本発明の熱硬化性樹脂組成物中、好ましくは5〜99.5質量%、より好ましくは20〜99質量%が、耐熱性が良好であることから好適である。上記熱酸発生剤(C)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物の硬化物の耐熱性が高いことから、単独又は複数種の合計で、本発明の熱硬化性樹脂組成物中、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%である。
上記カチオン重合性有機物質(B)に対する熱酸発生剤(C)の使用割合は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない範囲内で概ね通常の使用割合で使用すればよいが、例えば、カチオン重合性有機物質(B)100質量部に対して、熱酸発生剤(C)0.05〜10質量部、好ましくは0.5〜10質量部が、硬化物の耐熱性が良好な点で好適である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて前記各成分を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等を加えることができる。
また、上記カチオン染料(A)、上記カチオン重合性有機物質(B)、上記熱酸発生剤(C)以外の任意成分として、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系の紫外線吸収剤;フェノール系、リン系、硫黄系の酸化防止剤又は潜在性酸化防止剤;カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤;ハロゲン系化合物、リン酸エステル系化合物、リン酸アミド系化合物、メラミン系化合物、フッ素樹脂又は金属酸化物、(ポリ)リン酸メラミン、(ポリ)リン酸ピペラジン等の難燃剤;炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エステル系、脂肪族アマイド系又は金属石けん系の滑剤;顔料、カーボンブラック等の着色剤;フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト、シリカ等の珪酸系無機添加剤;ガラス繊維、炭酸カルシウム等の充填剤;造核剤、結晶促進剤等の結晶化剤、シランカップリング剤、可撓性ポリマー等のゴム弾性付与剤、増感剤、他のモノマー、消泡剤、増粘剤、レべリング剤、可塑剤、重合禁止剤、静電防止剤、流動調整剤、カップリング剤、接着促進剤等の各種添加剤を1種又は2種以上組み合わせて添加することができる。これらの各種添加剤の使用量は、本発明の熱硬化性樹脂組成物中、合計で、50質量%以下とする。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中に必要に応じて添加することができる酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、下記に表す具体的な製品として、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330(以上、(株)ADEKA製)等が好適に使用できる。
Figure 0006670323
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物中に必要に応じて添加することができる紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、具体的な製品としてはアデカスタブLA−29、アデカスタブLA−31G、アデカスタブLA−32、アデカスタブLA−46、アデカスタブLA−52、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−63P、アデカスタブLA−68、アデカスタブLA−72、アデカスタブLA−77Y、アデカスタブLA−81、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87(以上、(株)ADEKA製)等が好適に使用できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化方法としては、特に限定されないが、ホットプレート等の熱板による硬化、大気オーブン、イナートガスオーブン、真空オーブン、熱風循環式オーブン等による硬化方法が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化の加熱条件としては、特に限定されないが、好適な耐熱性を有する硬化物が得られる点で、130℃〜200℃が好ましく、150℃〜180℃がより好ましい。加熱温度が200℃を超えると、色素の分解、樹脂の変色等の熱劣化、又は組成成分の揮発等による性能の低下が懸念され、加熱温度が130℃未満だと、硬化温度が低く、反応不良の恐れがある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化の硬化時間としては、特に限定されないが、好適な耐熱性を有する硬化物が得られる点で、10分〜1時間が好ましく、10分〜30分がより好ましい。硬化時間が1時間を超えると、製造時間が長く、量産に適さない。また硬化時間が10分未満だと、硬化時間が短く、反応不良の恐れがある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物の具体的な用途としては、波長カットフィルタ、塗料、コーティング剤、ライニング剤、接着剤、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基板、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、層間絶縁膜、保護膜、プリント基板、或いはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、プラズマ表示パネル用の電極材料、印刷インク、歯科用組成物、光造形用樹脂、液状及び乾燥膜の双方、微小機械部品、ガラス繊維ケーブルコーティング、ホログラフィ記録用材料の各種の用途を挙げることができ、その用途に特に制限はないが、波長カットフィルタとして用いられることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物を波長カットフィルタとして使用した場合の主な用途としては、自動車や建物の窓ガラス等に装着される熱線カットフィルタ;デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、監視カメラ、車載用カメラ、ウェブカメラ、携帯電話用カメラ等の固体撮像装置におけるCCDやCMOS等の固体撮像素子用視感度補正用;自動露出計;プラズマディスプレイ等の表示装置等を挙げることができる。
以下、本発明の波長カットフィルタについて、実施形態に基づき説明する。
なお、本発明の波長カットフィルタは、下記に説明する実施形態に限定されることなく使用できる。
本発明の波長カットフィルタは、ガラス基板(H)の一方の面に本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物よりなるコーティング層(I)を有し、且つガラス基板(H)の他方の面に赤外線反射膜(J)を積層してなるものであり、図1に示すように、コーティング層(I)を有する側を光の入射側としてもよく、図2に示すように、赤外線反射膜(J)を有する側を光の入射側としてもよい。以下、各層について順に説明する。
<ガラス基板(H)>
本発明の波長カットフィルタに用いられるガラス基板(H)としては、可視域で無色又は有色の透明なガラス材料から適宜選択して使用することができるが、ソーダ石灰ガラス、白板ガラス、硼珪酸ガラス、強化ガラス、石英ガラス、リン酸塩系ガラス等を用いることができ、また、微量の金属成分を含有する赤外線吸収ガラス、ブルーガラス等を用いることができる。中でもソーダ石灰ガラスは、安価で入手容易なため好ましく、白板ガラス、硼珪酸ガラス及び強化ガラスは、入手容易で硬度が高く加工性に優れるため好ましい。
また、赤外線吸収ガラスやブルーガラスは、波長カットフィルタの波長カット性能が更に向上するため好ましい。
さらに、ガラス基板(H)にシランカップリング剤等の前処理を施した後に、塗工液を塗布して後述の染料を含有するコーティング層(I)を形成すると、塗工液乾燥後の染料を含有するコーティング層(I)のガラス基板に対する密着性が高まる。
上記シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシラン等が挙げられる。
また、本発明の波長カットフィルタは、ガラス基板(H)とコーティング層(I)との間に、下地層を有していてもよい。下地層は、平均一次粒子径が5〜100nmの一次粒子が凝集した平均二次粒子径が20〜250nmである金属酸化物微粒子の凝集体を、下記に示す溶媒に分散させた塗工液を塗工することにより得られ、厚さが30〜1000nmである。上記金属酸化物微粒子の凝集体は、塗工液全量に対して0.1〜50質量%が好ましい。
ガラス基板(H)の厚さは、特に限定されないが、0.05〜8mmが好ましく、軽量化及び強度の点から0.05〜1mmがさらに好ましい。
<コーティング層(I)>
本発明の波長カットフィルタに用いられる、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物よりなるコーティング層(I)は、実施例に記載の方法により塗工液を調製し、得られた塗工液をガラス基板(H)上に塗布、乾燥し、熱硬化することにより形成することができる。
塗工液の塗布方法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ビードコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ホッパーを使用するエクストルージョンコート法等が挙げられる。
該コーティング層(I)の厚さは1〜200μmであるのが、均一な膜が得られ薄膜化に有利であるため好ましい。
<赤外線反射膜(J)>
本発明のカットフィルタに用いられる赤外線反射膜(J)は、700〜1200nmの波長域の光を遮断する機能を有するものであり、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された誘電体多層膜により形成される。
上記低屈折率層を構成する材料としては、屈折率1.2〜1.6の材料を用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム等が挙げられる。
上記高屈折率層を構成する材料としては、屈折率が1.7〜2.5の材料を用いることができ、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウム等が挙げられる他、これらを主成分とし、酸化チタン、酸化錫、酸化セリウム等を少量含有させたもの等が挙げられる。
上記低屈折率層と高屈折率層を積層する方法については、これらの層を積層した誘電体多層膜が形成される限り特に制限はないが、例えば、ガラス基板上に、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法等により低屈折率層と高屈折率層を交互に積層した誘電体多層膜を形成する方法が挙げられる。また、あらかじめ誘電体多層膜を形成し、これをガラス基板に接着剤で貼り合わせることもできる。
積層数は、10〜80層であり、25〜50層であるのが、プロセス及び強度の点から好ましい。
上記低屈折率層と高屈折率層の厚みは、それぞれ、通常、遮断しようとする光線の波長λ(nm)の1/10〜1/2の厚みである。厚みが0.1λ未満あるいは0.5λより大きくなると、屈折率(n)と物理膜厚(d)との積(nd)がλ/4の倍数で表される光学膜厚と大きく異なって特定波長の遮断・透過ができない恐れがある。
上記赤外線反射膜(J)としては、前記の誘電体多層膜の他、極大吸収波長が700〜1100nmの染料を含有する膜、高分子を積層させたもの、コレステリック液晶を塗布して形成した膜等の有機材料を用いたものを使用することもできる。
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[熱硬化性樹脂組成物1〜25の調製]
[表1]〜[表3A]に示す質量比にて、樹脂(B)、溶剤(D)を混合し、不溶物がなくなるまで撹拌し、溶液αを得た。また、[表1]〜[表3A]に示す質量比にて、カチオン染料(A)、熱酸発生剤(C)溶剤(D)、及び添加剤(E)を混合し、不溶物が無くなるまで撹拌し、溶液βを得た。使用する直前に溶液αと溶液βとを混合し、均一になるまで撹拌し、実施例1〜25に対応する、熱硬化性樹脂組成物1〜25を得た。なお、[表1]〜[表3A]中の各符号は、それぞれ下記を表す。また、[表1]〜[表3A]中の実施例1〜25は、熱硬化性樹脂組成物1〜25を意味する。
[比較樹脂組成物1〜4の調製]
[表3]に示す質量比にて、熱酸発生剤(C)を光酸発生剤(C’)に変更する以外は上記の熱硬化性樹脂組成物1〜25の調製方法と同様にして、比較実施例1〜4に対応する、比較樹脂組成物1〜4を得た。なお、[表3]中の各符号は、それぞれ下記を表す。また、[表3]中の比較例1〜4は、比較樹脂組成物1〜4を意味する。
A−1:化合物No.100のN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩
A−2:化合物No.101のN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩
A−3:化合物No.102のN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩
A−4:化合物No.103のN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩
A−5:化合物No.104のN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩
A−6:化合物No.76のN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩
A−7:化合物No.100のN,N−ビス(フルオロスルホニル)イミド酸塩
A−8:化合物No.100のN,N−ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド酸塩
A−9:化合物No.100のトリフルオロメタンスルホン酸塩
A−10:化合物No.100のノナフルオロブタンスルホン酸塩
A−11:化合物No.100のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
A−12:化合物No.100のトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド酸塩
A−13:化合物No.100のヘキサフルオロリン酸塩
A−14:化合物No.76のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
A−15:化合物No.99のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
A−16:化合物No.102のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
A−17:化合物No.37のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩
A−18:化合物No.103のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩
A−19:化合物No.105のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩
A−20:化合物No.106のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩
A−21:化合物No.107のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
B−1:セロキサイド2021P((株)ダイセル製エポキシ化合物)
B−2:jER−1004(三菱化学(株)製エポキシ化合物)
B−3:jER−1010(三菱化学(株)製エポキシ化合物)
B−4:EHPE−3150((株)ダイセル製エポキシ化合物)
B−5:EPPN−201(日本化薬(株)製エポキシ化合物)
B−6:アデカレジンEP−4000((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−7:アデカレジンEP−4080((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−8:アデカレジンEP−4088S((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−9:アデカレジンEP―4100E((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−10:OGSOL EG−200(大阪ガスケミカル(株)製エポキシ化合物)
B−11:アデカレジンEP−4400((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−12:アデカグリシロールED−503((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−13:アロンオキセタンOXT−101(東亜合成(株)製オキセタン化合物)
B−14:アロンオキセタンOXT−211(東亜合成(株)製オキセタン化合物)
B−15:アデカグリシロールED−523T((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−16:アデカグリシロールED−503((株)ADEKA製エポキシ化合物)
B−17:アデカグリシロールED−505((株)ADEKA製エポキシ化合物)
C−1:サンエイドSI−100(三新化学工業(株)製熱酸発生剤)
C−2:サンエイドSI−60(三新化学工業(株)製熱酸発生剤)
C−3:サンエイドSI−80(三新化学工業(株)製熱酸発生剤)
C−4:サンエイドSI−150(三新化学工業(株)製熱酸発生剤)
C−5:サンエイドSI−B3(三新化学工業(株)製熱酸発生剤)
C−6:サンエイドSI−B3A(三新化学工業(株)製熱酸発生剤)
C−7:サンエイドSI−110(三新化学工業(株)製熱酸発生剤)
C’−1:アデカオプトマーSP−150((株)ADEKA製光酸発生剤)
C’−2:アデカオプトマーSP−172((株)ADEKA製光酸発生剤)
C’−3:CPI−100P(サンアプロ(株)製光酸発生剤)
D−1:メチルエチルケトン
D−2:ジアセトンアルコール
D−3:ジメチルアセトアミド
D−4:シクロヘキサノン
E−1:アデカスタブAO−60((株)ADEKA製酸化防止剤)
E−2:アデカスタブAO−20((株)ADEKA製酸化防止剤)
E−3:アデカスタブAO−40((株)ADEKA製酸化防止剤)
E−4:アデカスタブAO−30((株)ADEKA製酸化防止剤)
E−5:アデカスタブAO−80((株)ADEKA製酸化防止剤)
Figure 0006670323
Figure 0006670323
Figure 0006670323
Figure 0006670323
[実施例1〜25]
熱硬化性樹脂組成物1〜25をそれぞれ、ガラス基板に300rpm×7秒の条件でスピンコートし、ホットプレートで乾燥(90℃、10分)した。乾燥後、塗工したガラス基板ごとホットプレートで硬化(150℃、10分)させ、熱硬化性樹脂組成物1〜25にそれぞれ対応する実施例1〜25を得た。
[比較実施例1〜4]
比較樹脂組成物1〜4を実施例と同様の条件でそれぞれ、ガラス基板にスピンコートし、ホットプレートで乾燥した。乾燥後、塗工したガラス基板ごと超高圧水銀ランプで露光(300mJ/cm)して硬化させ、比較樹脂組成物1〜4にそれぞれ対応する比較実施例1〜4を得た。
[耐熱性試験]
実施例1〜25及び比較実施例1〜4によって得られたそれぞれの硬化物について、以下の条件で耐熱性を調べた。
硬化物を大気オーブンにて200℃×30分熱処理し、熱処理前後で、硬化物の色素の最大吸収波長における透過率を紫外線可視近赤外分光光度計V−570(日本分光社製)を用いて測定し、色素残存率(%)を以下の計算式で求めた。

色素残存率=(耐熱試験後の透過率)/(耐熱試験前の透過率)×100

算出した色素残存率の値を耐熱性の評価値として下記[表4]に示した。
Figure 0006670323
上記[表4]の結果より、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物は耐熱性が高いことは明らかである。
以上の結果より、上記カチオン染料(A)、カチオン重合性有機物質(B)及び熱酸発生剤(C)を含有する本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物は、耐熱性に優れるものである。よって、本発明の熱硬化性樹脂組成物は波長カットフィルタに有用である。

Claims (8)

  1. カチオン染料(A)、カチオン重合性有機物質(B)及び熱酸発生剤(C)を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    上記カチオン染料(A)が、下記一般式(1)で表されるポリメチン化合物であり、
    上記カチオン重合性有機物質(B)が、エポキシ化合物及びオキセタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種以上であり、
    上記熱酸発生剤(C)が、スルホニウム塩である、波長カットフィルタ製造用熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006670323
    (式中、Aは下記の群Iの(a)〜(e)及び(m)から選ばれる基を表し、A’は下記の群IIの(a’)〜(e’)及び(m’)から選ばれる基を表し、Qは、下記一般式(1−A)で表されるメチン鎖を含む連結基を表し、Anq−はq価のアニオンを表し、qは1又は2を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表し、
    Aが(a)〜(d)から選ばれる基である場合、A’は(a’)〜(d’)から選ばれる基であり、Aが(e)及び(m)から選ばれる基である場合、A’は(e’)及び(m’)から選ばれる基である。)
    Figure 0006670323
    Figure 0006670323
    (式中、環C及び環C’は、各々独立にベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環又はピリジン環を表し、
    式中、R及びR’は、各々独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R及びR’中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該該R及びR’中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中、R びR ’は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R びR ’中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該R びR ’中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中、X及びX’は、各々独立に、硫黄原子、セレン原子、−CR5152−、炭素原子数3〜6のシクロアルカン−1,1−ジイル基、−NH−又は−NY−を表し、R51及びR52は、各々独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R51及びR52中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該R51及びR52中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中Y、Y’及びYは、各々独立に水素原子、又は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、ニトロ基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該Y、Y’及びY中のアリール基、アリールアルキル基、及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中r及びr’は、0又は(a)〜(e)、(m)、(a’)〜(e’)及び(m’)において置換可能な1以上の数を表す。)
    Figure 0006670323
    (式中、kは、0〜4の整数を表し、
    式中、該メチン鎖の水素原子は各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、−NRR’、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換される場合があり、該アルキル基は、該メチン鎖の任意の2つの炭素原子を結合する炭素原子数3〜10の環構造を構成する場合があり、該環構造の水素原子は各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、−NRR’、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換される場合があり、該メチン鎖及び該環構造中のR及びR’は、各々独立に炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該メチン鎖及び該環構造中の−NRR’、アリール基、アリールアルキル基及びアルキル基中の水素原子は、更に各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基又は−NRR’で置換される場合があり、該メチン鎖及び該環構造中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。)
  2. カチオン染料(A)、カチオン重合性有機物質(B)及び熱酸発生剤(C)を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    上記カチオン染料(A)が、下記一般式(1)で表されるポリメチン化合物であり、
    上記カチオン重合性有機物質(B)が、エポキシ化合物及びオキセタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種以上であり、
    上記熱酸発生剤(C)が、スルホニウム塩である、熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006670323
    (式中、Aは下記の群Iの(a)〜(e)及び(m)から選ばれる基を表し、A’は下記の群IIの(a’)〜(e’)及び(m’)から選ばれる基を表し、Qは、下記一般式(1−A)で表されるメチン鎖を含む連結基を表し、An q− はq価のアニオンを表し、qは1又は2を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表し、
    Aが(a)〜(d)から選ばれる基である場合、A’は(a’)〜(d’)から選ばれる基であり、Aが(e)及び(m)から選ばれる基である場合、A’は(e’)及び(m’)から選ばれる基である。)
    Figure 0006670323
    Figure 0006670323
    (式中、環C及び環C’は、各々独立にベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環又はピリジン環を表し、
    式中、R 及びR ’は、各々独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R 及びR ’中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該該R 及びR ’中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO −、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中、R 及びR ’は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R 及びR ’中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該R 及びR ’中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO −、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中、X及びX’は、各々独立に、−CR 51 52 −、炭素原子数3〜6のシクロアルカン−1,1−ジイル基、−NH−又は−NY −を表し、R 51 及びR 52 は、各々独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該R 51 及びR 52 中のアリール基、アリールアルキル基及びアルキル基の水素原子は、各々独立に水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はフェロセニル基で置換される場合があり、該R 51 及びR 52 中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO −、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中Y、Y’及びY は、各々独立に水素原子、又は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェロセニル基、ニトロ基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該Y、Y’及びY 中のアリール基、アリールアルキル基、及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO −、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合があり、
    式中r及びr’は、0又は(a)〜(e)、(m)、(a’)〜(e’)及び(m’)において置換可能な1以上の数を表す。)
    Figure 0006670323
    (式中、kは、0〜4の整数を表し、
    式中、該メチン鎖の水素原子は各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、−NRR’、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換される場合があり、該アルキル基は、該メチン鎖の任意の2つの炭素原子を結合する炭素原子数3〜10の環構造を構成する場合があり、該環構造の水素原子は各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、−NRR’、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換される場合があり、該メチン鎖及び該環構造中のR及びR’は、各々独立に炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該メチン鎖及び該環構造中の−NRR’、アリール基、アリールアルキル基及びアルキル基中の水素原子は、更に各々独立に水酸基、ハロゲン原子、シアノ基又は−NRR’で置換される場合があり、該メチン鎖及び該環構造中のアリールアルキル基及びアルキル基中のメチレン基は、各々独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO −、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換される場合がある。)
  3. 一般式(1)中のX及びX’は、各々独立に、−CR 51 52 −を表す、請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 上記カチオン重合性有機物質(B)がエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 上記熱酸発生剤(C)が、下記一般式(2)又は(3)で表されるスルホニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006670323
    (式中、R21及びR22は、各々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合があり、R21とR22とは炭素原子数2〜7のアルキル鎖で環構造を構成してもよく、
    23及びR24は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、シアノ基、スルホン基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合があり、
    Anq’−はq’価のアニオンを表し、q’は1又は2を表し、p’は電荷を中性に保つ係数を表す。)
    Figure 0006670323
    (式中、R25は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、水酸基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合があり、
    26は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基、芳香族基、アリールアルキル基の水素原子は、各々独立に、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、ニトロ基、スルホン基、シアノ基で置換される場合があり、
    27は、構成するメチレン基が、ハロゲン基、−O−又はS−で表される基で置換される場合がある炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、
    Anq’’−はq’’価のアニオンを表し、q’’は1又は2を表し、p’’は電荷を中性に保つ係数を表す。)
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を、有機溶剤に溶解又は分散してなる組成物を基材に塗布した後、加熱して硬化させることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物の硬化方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物。
  8. 請求項に記載の硬化物を少なくとも一部に具備してなる波長カットフィルタ。
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