JP5745808B2 - 体積ホログラム記録用感光性組成物、それから得られる記録媒体、その製造法ならびにそれを用いた記録方法 - Google Patents
体積ホログラム記録用感光性組成物、それから得られる記録媒体、その製造法ならびにそれを用いた記録方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5745808B2 JP5745808B2 JP2010229493A JP2010229493A JP5745808B2 JP 5745808 B2 JP5745808 B2 JP 5745808B2 JP 2010229493 A JP2010229493 A JP 2010229493A JP 2010229493 A JP2010229493 A JP 2010229493A JP 5745808 B2 JP5745808 B2 JP 5745808B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hologram recording
- volume hologram
- composition
- polymerizable compound
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Holo Graphy (AREA)
Description
また、本発明の他の目的は、上記組成物を用いて、優れた耐湿性、熱安定性を有し、さらに、硬化収縮が抑制された体積ホログラム記録媒体を得ることにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記記録媒体の製造法ならびに上記記録媒体を用いた記録方法を得ることにある。
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、熱酸発生剤を、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録用感光性組成物を提供する。
また、本発明は、前記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物を少なくとも含むカチオン重合性化合物と、熱により熱カチオン重合を活性化する化合物である熱酸発生剤とを含有する、加熱処理により三次元架橋させるための三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物(A)を加熱処理及び一定時間熟成することにより得られる三次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物、およびラジカル重合開始剤を含有する体積ホログラム記録用感光性組成物であって、
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、熱酸発生剤を、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録用感光性組成物を提供する。
前記組成物(A)は、好ましくは、さらに、増感色素を含有する。
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、熱酸発生剤を、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録媒体の製造方法を提供する。
また、本発明では、前記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物を少なくとも含むカチオン重合性化合物と、熱により熱カチオン重合を活性化する化合物である熱酸発生剤とを含有する、加熱処理により三次元架橋させるための三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物(A)を基板で挟み込み、遮光下において、加熱処理及び一定時間熟成する体積ホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、熱酸発生剤を、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録媒体の製造方法を提供する。
さらにまた、本発明は、上記体積ホログラム記録媒体にレーザー光を照射させて上記体積ホログラム記録用感光性組成物中のラジカル重合性化合物を重合させることを特徴とするホログラム記録方法を提供する。
なお、本明細書では、上記発明のほか、前記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物と熱酸発生剤とを含有する三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する体積ホログラム記録用感光性組成物についても説明する。
本発明の体積ホログラム記録用感光性組成物は、下記式(I)
で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物と熱酸発生剤とを含有する三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する。なお、式(I)において、n=0の時は、Xは単結合を表す。式(I)において、炭化水素基およびアルコキシ基の炭素数は1〜5であることが好ましい。また、上記R1〜R18としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子などが挙げられる。また、上記R1〜R18としての酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基としては、メトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、トリフッ化メチル基等のハロアルキル基などが挙げられる。
さらに、本発明の体積ホログラム記録用感光性組成物は、必要に応じて、増感剤(増感色素)、可塑剤を含んでいてもよい。
三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料は、上記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物を必須成分とし、単独で又は1種以上のカチオン重合性化合物と組み合わせたものを含んでいてもよい。上記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物と組み合わせるカチオン重合性化合物としては、カチオン重合性基を有する化合物であれば特に限定されないが、分子内にエポキシ基、ビニルエーテル基及びオキセタニル基からなる群より選択された少なくとも1種以上のカチオン重合性基を有する化合物が好ましい。
熱酸発生剤としては、熱カチオン重合を活性化する化合物であれば特に限定されず、例えば、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−150L(三新化学社製)などの芳香族スルホニウム塩を用いることができる。熱酸発生剤は、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、例えば0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部の割合で使用される。
ラジカル重合性化合物は、例えば、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物等のラジカル重合性基を有するラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ化合物を、1種又は2種以上組み合わせたものである。ラジカル重合性化合物としては、例えば、光ラジカル重合性化合物が用いられ、光ラジカル重合性基を有する化合物であれば特に限定されないが、少なくとも1つ(好ましくは2以上の)付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステル化合物、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド化合物などが好ましく用いられる。光ラジカル重合性化合物は単独で又は2種以上を組み合わせても良く、光カチオン重合性化合物と組み合わせて使用することもできる。光ラジカル重合性化合物の代表的な例を以下に示す。
ラジカル重合開始剤としては特に限定されないが、ラジカル重合性化合物として光ラジカル重合性化合物を使用する場合には、光ラジカル重合開始剤が用いられる。光ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合を活性化する化合物であれば特に限定されず、例えば、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(製品名「BTTB」、日本油脂社製)、3,3’−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)−4,4’−ジ(メトキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)−3’,4−ジ(メトキシカルボニル)ベンゾフェノンの位置異性体混合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート(商品名:「パーブチルZ」、日本油脂社製)などの過酸化エステル類;t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシドなどの過酸化物類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン・ベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;キサントン類;1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン;Irgacure784(CIBA社製)などのチタノセン化合物;芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩;などの公知の光重合開始剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン類;t−ブチルカテコール等のカテコール類;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール等のフェノール類;フェノチアジン等が挙げられる。本発明においては、なかでも、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、特にメチルハイドロキノンが好適に使用される。ラジカル重合禁止剤の使用量としては、光ラジカル重合性化合物(総量)100重量部に対して、例えば、0〜1重量部程度、好ましくは0.05〜0.5重量部程度である。ラジカル重合禁止剤は使用しなくてもよい。
増感色素としては、ホログラム記録に用いる光源の光を吸収し、上記ラジカル重合開始剤を増感するものであれば特に限定されず、公知のものを使用できる。増感色素として、例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等が例示される。可視光増感色素は、光学素子のような高透明性が要求される場合には、ホログラム記録後の後工程、加熱や紫外線若しくは可視光を照射することにより分解し無色透明になるものが好ましい。増感色素は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。なかでも、シアニン系色素が好ましく用いられる。
本発明の体積ホログラム記録媒体は、上記体積ホログラム記録用感光性組成物を、加熱処理することにより、又は加熱処理及び一定時間熟成することにより、体積ホログラム記録層内に三次元架橋ポリマーマトリックスを形成させたものである。本発明の体積ホログラム記録媒体は、例えば、透過型体積ホログラム記録媒体である。本発明の体積ホログラム記録媒体は、基板と、体積ホログラム記録用感光性組成物を該基板で挟み込み、加熱処理することにより、又は加熱処理又は一定時間の熟成させることによって得られる三次元架橋ポリマーマトリックスを含む体積ホログラム記録層とを有する。
本発明の体積ホログラム記録媒体に含まれる体積ホログラム記録層は、上記体積ホログラム記録用感光性組成物により構成され、例えば、体積ホログラム記録用感光性組成物を基板で挟み込み、加熱処理することにより、又は加熱処理及び一定時間熟成させて形成する。加熱処理の時間、又は加熱処理及び一定時間熟成の時間は、系内の三次元ポリマーマトリックス前駆体材料の構成成分の硬化反応が終了する時間とすることができ、加熱処理後に熟成することにより、優れた耐湿性、熱安定性を有し、さらに硬化収縮が抑制された体積ホログラム記録層を得ることができる。熟成はしなくてもよい。
基材(基板)としては、可視光に対して透明性を有するものであればよく、例えば、ガラス板;シクロオレフィン系ポリマーフィルム(例えば、ダイセル化学工業社製の「TOPAS」等)、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルム(シートを含む)などが挙げられ、これらの基材は、同一、又は異種の組合せで用いることができる。
本発明の体積ホログラム記録媒体にホログラムを記録する方法については、公知の方法を用いることができる。例えば、体積ホログラム記録媒体の体積ホログラム記録材料層に原版を密着させ、透明な基材フィルムの側から可視光、あるいは紫外光や電子線のような電離放射線を用いて干渉露光を行うことにより体積ホログラムを記録する方法(密着露光方式)や、媒体がガラスやフィルムに挟まれている場合に、媒体側からレーザー光を入射し、原版からの反射レーザー光と入射レーザー光との干渉により記録する方法(1光束干渉)や、レーザー光を2方向に分割し、一方を感材に直接入射し、他方は記録したい情報を持つ物体を通した光(情報光)を入射することにより記録する方法(2光束干渉)、情報光と参照光を同軸から照射する方法(コリニア方式)などが挙げられる。
図1に実験で用いた光学系の概略図を示す。光源は532nm半導体レーザーを用い、ミラー(M)、スペーシャルフィルター(OL及びPh)、平凸レンズ(PCL)、波長板(PP)を介し、ビームスプリッター(BS)で2つの光に分けた。BSで分けられた2つの光をミラーを介し、サンプルに対してそれぞれ30°、30°で入射、干渉させた。回折光及び透過光の強度はパワーメーター(PM:株式会社エーディーシー社製)にてそれぞれ検出した。
(回折効率)
二光束干渉法で記録したホログラムの回折効率をパワーメーターを用いて測定した。口径5φの532nm半導体レーザーを30°の角度で入射し、透過光と回折光を検出した。体積ホログラム記録媒体を−5°〜5°の範囲で軸回転させ、回折光強度が最も高くなる位置で回折効率ηを下記(式1)を用いて算出した。
η=L1/(L0+L1) (式1)
(透過光強度:L0、回折光強度:L1)
体積ホログラム記録媒体を10°傾けて設置し、記録光と参照光の角度をそれぞれ20°と40°でホログラム記録を行った。その後、参照光を40°の角度で入射させ、最大回折効率を示す角度を検出した(θ1)。収縮がない場合には、その際に得られる最大回折効率の示す角度は40°であるが、収縮が起こることで40°からのずれが生じる。また、同様にして、記録光のみを20°の角度で入射させ、最大回折効率を示す角度(θ2)を検出した。これらの角度を用いて、以下の(式2)、(式3)より記録媒体の厚み方向のグレーティングベクトル(K1およびK2)を求め、(式4)より収縮率を算出した。
K1=(2π/λ){(n2−sin2θ1)1/2)−(n2−sin2θ2)1/2)}
… (式2)
(λ:記録波長、n:記録層の屈折率、θ1,θ2:記録前の入射角:40°,20°)
K2=(2π/λ){(n2−sin2θ1 ')1/2)−(n2−sin2θ2 ')1/2)}
… (式3)
(λ:記録波長、n:記録層の屈折率、θ1 ',θ2 ':回折効率が最大となる入射角)
収縮率(%)=(K1−K2)/K1 × 100 … (式4)
(記録前:K1、記録後:K2)
ラジカル重合性化合物として3官能のアクリレート化合物であるペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製)を50重量部、カチオン重合性化合物として2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル)を50重量部、光ラジカル重合開始剤として3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンをラジカル重合性化合物100重量部に対して10重量部、熱酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム塩(商品名「サンエイドSI−60L」、三新化学社製)をカチオン重合性化合物100重量部に対して1重量部、増感色素として下記のシアニン色素1を0.1重量部を室温下で攪拌、溶解させたものを感光液1(体積ホログラム記録用感光性組成物1)とした。
シアニン色素1
3-Ethyl-2-[3-(3-ethyl-5-phenyl-2-benzoxazolinylidene)propenyl]-5-phenylbenzoxazolium bromide
表1に示す配合量の種々のラジカル重合性化合物、およびカチオン重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、増感色素を用い、実施例1と同様にして体積ホログラム記録媒体を作成し、ホログラム特性の評価を実施した。加熱条件および熟成条件、並びに評価結果を表1に示した。なお、表1において、各化合物の配合量は、重量部で示した。
ラジカル重合性化合物として3官能のアクリレート化合物であるペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製)を50重量部、カチオン重合性化合物として2官能の脂環式エポキシ化合物である3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルを25重量部、光ラジカル重合開始剤として3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンをラジカル重合性化合物100重量部に対して10重量部、熱酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム塩(商品名「サンエイドSI−60L」、三新化学社製)をカチオン重合性化合物100重量部に対して1重量部、増感色素としてシアニン色素1を0.1重量部、可塑剤としてセバシン酸ジエチルを25重量部を室温下で攪拌、溶解させたものを感光液2(体積ホログラム記録用感光性組成物2)とした。
表2に示す配合量の種々のラジカル重合性化合物、およびカチオン重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤、可塑剤、熱酸発生剤、増感色素を用い、実施例11と同様にして体積ホログラム記録媒体を作成し、ホログラム特性の評価を実施した。加熱条件および熟成条件、並びに評価結果を表2に示した。なお、表2において、各化合物の配合量は、重量部で示した。
ラジカル重合性化合物として3官能のアクリレート化合物であるペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製)を23重量部、カチオン重合性化合物として2官能の脂環式エポキシ化合物である3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルを21重量部、単官能のn−ブチルビニルエーテル(和光純薬社製)を56重量部、光ラジカル重合開始剤として3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンを6重量部、熱酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム塩(商品名「サンエイドSI−60L」、三新化学社製)を0.5重量部、増感色素としてシアニン色素1を0.03重量部、及びラジカル重合禁止剤としてp−メトキシフェノール(和光純薬社製)0.06重量部を室温下で攪拌、溶解させたものを感光液3(体積ホログラム記録用感光性組成物3)とした。
表3に示す配合量の種々のラジカル重合性化合物、およびカチオン重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤、可塑剤、熱酸発生剤、増感色素、ラジカル重合禁止剤を用い、実施例23と同様にして体積ホログラム記録媒体を作成し、ホログラム特性の評価を実施した。加熱条件並びに評価結果を表3に示した。なお、表3において、各化合物の配合量は、重量部で示した。なお、これらの実施例においても熟成時間は0時間である。
A−1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製)
A−2:2−フェノキシエチルアクリレート(和光純薬社製)
A−3:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名「SR399」、SARTMER社製)
A−4:トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学社製)
A−5:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名「SR349」、SARTOMER社製)
A−6:スチレン(和光純薬社製)
A−7:2−ビニルナフタレン(Aldrich社製)
A−8:ジビニルベンゼン(和光純薬社製)
A−9:o-フェニルフェノールアクリレート(A-LEN-10:新中村化学社製)
B−1:3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル
B−2:2,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン
B−3:2,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1,3−ヘキサフルオロプロパン
B−4:ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)メタン
B−5:1−[1,1−ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)]エチルベンゼン
B−6:3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3’、4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名「セロキサイド2021P」、ダイセル化学工業社製)
B−7:シクロヘキセンオキサイド(和光純薬社製)
B−8:オキサノルボルネンジビニルエーテル
B−9:ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(商品名「DOX」、東亞合成社製)
B−10:n−ブチルビニルエーテル(和光純薬社製)
B−11:シクロヘキシルビニルエーテル(和光純薬社製)
C−1:セバシン酸ジエチル(和光純薬社製)
D−1:3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン
(商品名「BTTB」、日本油脂社製)
E−1:サンエイドSI−60L(三新化学社製)
F−1:シアニン色素1
G−1:p−メトキシフェノール(和光純薬社製)
実施例1、実施例6、及び、実施例11において、恒温恒湿機を用いて、温度60℃、湿度80%下で60日間保存した結果、回折効率の変化は起こらなかった。
Claims (10)
- 下記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物を少なくとも含むカチオン重合性化合物と、熱により熱カチオン重合を活性化する化合物である熱酸発生剤とを含有する、加熱処理により三次元架橋させるための三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物(A)を加熱処理することにより得られる三次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物、およびラジカル重合開始剤を含有する体積ホログラム記録用感光性組成物であって、
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、熱酸発生剤を、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録用感光性組成物。
- 下記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物を少なくとも含むカチオン重合性化合物と、熱により熱カチオン重合を活性化する化合物である熱酸発生剤とを含有する、加熱処理により三次元架橋させるための三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物(A)を加熱処理及び一定時間熟成することにより得られる三次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物、およびラジカル重合開始剤を含有する体積ホログラム記録用感光性組成物であって、
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、熱酸発生剤を、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記組成物(A)が、さらに、増感色素を含有する請求項1又は2に記載の体積ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料が、さらに式(I)で表される以外のエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上の化合物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の体積ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記増感色素が、加熱又は紫外線若しくは可視光の照射により分解し無色透明になる増感色素である請求項3に記載の体積ホログラム記録用感光性組成物。
- 基板と、該基板間に挟持された請求項1〜5のいずれか1項に記載の体積ホログラム記録用感光性組成物からなる体積ホログラム記録層とを有する体積ホログラム記録媒体。
- レーザー光を照射させて前記体積ホログラム記録用感光性組成物中のラジカル重合性化合物を重合させてホログラムを記録した後の透過率が80%以上である請求項6に記載の体積ホログラム記録媒体。
- 下記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物を少なくとも含むカチオン重合性化合物と、熱により熱カチオン重合を活性化する化合物である熱酸発生剤とを含有する、加熱処理により三次元架橋させるための三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物(A)を基板で挟み込み、加熱処理する体積ホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、熱酸発生剤を、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録媒体の製造方法。
- 下記式(I)で表される構造を有する非エステル系の脂環エポキシ化合物を少なくとも含むカチオン重合性化合物と、熱により熱カチオン重合を活性化する化合物である熱酸発生剤とを含有する、加熱処理により三次元架橋させるための三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物(A)を基板で挟み込み、加熱処理及び一定時間熟成する体積ホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記組成物(A)の熱酸発生剤が芳香族スルホニウム塩であり、
前記組成物(A)は、カチオン重合性化合物(総量)100重量部に対して、0.1〜30重量部含有し、
前記加熱処理が遮光下において、加熱温度が40℃以上300℃以下、加熱時間が10分〜5時間で行われることを特徴とする体積ホログラム記録媒体の製造方法。
- 請求項6に記載の体積ホログラム記録媒体にレーザー光を照射させて前記体積ホログラム記録用感光性組成物中のラジカル重合性化合物を重合させることを特徴とするホログラム記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010229493A JP5745808B2 (ja) | 2009-10-29 | 2010-10-12 | 体積ホログラム記録用感光性組成物、それから得られる記録媒体、その製造法ならびにそれを用いた記録方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009248519 | 2009-10-29 | ||
JP2009248519 | 2009-10-29 | ||
JP2010229493A JP5745808B2 (ja) | 2009-10-29 | 2010-10-12 | 体積ホログラム記録用感光性組成物、それから得られる記録媒体、その製造法ならびにそれを用いた記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011118363A JP2011118363A (ja) | 2011-06-16 |
JP5745808B2 true JP5745808B2 (ja) | 2015-07-08 |
Family
ID=44283713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010229493A Expired - Fee Related JP5745808B2 (ja) | 2009-10-29 | 2010-10-12 | 体積ホログラム記録用感光性組成物、それから得られる記録媒体、その製造法ならびにそれを用いた記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5745808B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6001320B2 (ja) * | 2012-04-23 | 2016-10-05 | 株式会社ダイセル | 体積ホログラム記録用感光性組成物、これを用いた体積ホログラム記録媒体及びその製造方法、並びにホログラム記録方法 |
JP5942736B2 (ja) * | 2012-09-24 | 2016-06-29 | Tdk株式会社 | ホログラム記録材料およびホログラム記録媒体 |
JP6130122B2 (ja) * | 2012-10-15 | 2017-05-17 | 株式会社ダイセル | 体積ホログラム記録層形成用感光性組成物 |
JP6064607B2 (ja) * | 2013-01-16 | 2017-01-25 | 大日本印刷株式会社 | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、体積型ホログラム記録体、及び体積型ホログラム記録体の製造方法 |
JP6131062B2 (ja) * | 2013-02-05 | 2017-05-17 | 株式会社日本触媒 | 硬化性樹脂組成物、その硬化物及び光学材料 |
JP6471390B2 (ja) * | 2013-03-08 | 2019-02-20 | 国立大学法人電気通信大学 | トリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む体積ホログラム記録材料用組成物 |
JP6670323B2 (ja) * | 2015-12-09 | 2020-03-18 | 株式会社Adeka | 熱硬化性樹脂組成物 |
EP3508924B1 (en) * | 2016-08-30 | 2022-05-04 | Sony Group Corporation | Photosensitive composition for hologram recording, hologram recording medium, and hologram |
CN109642084B (zh) * | 2016-11-29 | 2021-06-18 | 株式会社艾迪科 | 固化性组合物 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4950567A (en) * | 1988-01-15 | 1990-08-21 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Holographic optical combiners for head-up displays |
JP2000310936A (ja) * | 1999-04-26 | 2000-11-07 | Toppan Printing Co Ltd | ホログラム表示素子 |
JP2004138686A (ja) * | 2002-10-16 | 2004-05-13 | Daiso Co Ltd | 体積位相型ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体、その製造方法およびホログラム記録方法 |
JP4636469B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2011-02-23 | ダイセル化学工業株式会社 | 体積型ホログラム記録用感光性組成物 |
JP5354868B2 (ja) * | 2006-07-06 | 2013-11-27 | 株式会社ダイセル | 脂環式ジエポキシ化合物の製造方法、エポキシ樹脂組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法 |
JP5269449B2 (ja) * | 2007-03-24 | 2013-08-21 | 株式会社ダイセル | ナノインプリント用硬化性樹脂組成物 |
-
2010
- 2010-10-12 JP JP2010229493A patent/JP5745808B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011118363A (ja) | 2011-06-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5745808B2 (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物、それから得られる記録媒体、その製造法ならびにそれを用いた記録方法 | |
WO2012026298A1 (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物および媒体製造法 | |
JP6001320B2 (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物、これを用いた体積ホログラム記録媒体及びその製造方法、並びにホログラム記録方法 | |
JP5603023B2 (ja) | 透過型体積ホログラム記録媒体、及びその製造法 | |
US20050185232A1 (en) | Volume hologram recording photosensitive composition and its use | |
US7494747B2 (en) | Holographic recording medium | |
JP4577581B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP6130122B2 (ja) | 体積ホログラム記録層形成用感光性組成物 | |
WO2009096081A1 (en) | Holographic recording medium | |
WO2010052851A1 (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、及びその製造方法 | |
TWI429674B (zh) | And a composition for holographic recording medium | |
JP4550616B2 (ja) | 体積ホログラム記録用感光性組成物およびそれを用いる体積ホログラム記録媒体の製造方法 | |
EP2538410B1 (en) | Method of recording data in an optical data storage medium and an optical data storage medium | |
KR20090057904A (ko) | 광 정보 기록 매체 | |
JP4952552B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2010237612A (ja) | 含フッ素体積型ホログラム光情報記録材料用組成物、および該組成物を用いた含フッ素体積型ホログラム光情報記録媒体 | |
JP2010134402A (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物の製造方法 | |
JP2013054280A (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物、及びこれを用いた体積型ホログラム記録媒体の製造方法 | |
JP2014010278A (ja) | ホログラム記録用感光性基板、及びホログラム記録体 | |
JPWO2008123303A1 (ja) | 含フッ素体積型ホログラム光情報記録材料用組成物およびそれを用いた含フッ素体積型ホログラム光情報記録媒体 | |
JP2010134403A (ja) | 体積型ホログラム記録用感光性組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130906 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140313 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140318 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140519 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150218 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150428 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150507 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5745808 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |