JP2010134403A - 体積型ホログラム記録用感光性組成物 - Google Patents

体積型ホログラム記録用感光性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた屈折率変調能を有し、重合反応性が高く、且つ体積収縮の極めて小さい体積型ホログラム記録用感光性組成物を提供する。
【解決手段】体積型ホログラム記録用感光性組成物は、バインダーポリマー(A)と、光カチオン重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、増感色素(D)とを含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物であって、前記バインダーポリマー(A)がナフタレン環を有する重量平均分子量1万〜100万のポリマーである。前記光カチオン重合性化合物(B)としては、分子内にエポキシ基、ビニルエーテル基及びオキセタニル基からなる群より選択された少なくとも1種のカチオン重合性基を1又は2以上有する化合物が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、体積型ホログラムの形成に用いられる体積型ホログラム記録用感光性組成物と、該体積型ホログラム記録用感光性組成物を用いた体積型ホログラム記録媒体の製造方法、及び該体積型ホログラム記録用感光性組成物を光カチオン硬化させた硬化物に関する。
体積型ホログラムは、物体を3次元で表現でき、高い回折効率及び波長選択性を持つことや、高度な製造技術が必要であることなどから、意匠、セキュリティー、光学素子などの用途に幅広く利用されている。体積型ホログラムは、コヒーレンス性(可干渉性)が高く、波長が等しい物体光と参照光とを干渉させて、体積型ホログラム記録用材料に入射し、物体に関する3次元情報を材料内部に干渉縞として記録することにより作製されるものである。この干渉縞は干渉光の明暗部分に対応した屈折率変調として記録される。近年、体積型ホログラムの製造において湿式現像処理が不要で、量産可能な乾式タイプの体積型ホログラム記録用感光性組成物が注目されている。
特許第2849021号公報には、屈折率変調が高く、かつ透明性に優れる体積型ホログラム用組成物が開示されている。この材料系は、高屈折率のラジカル重合性化合物としてジアリールフルオレン骨格を有するモノマー、カチオン重合性化合物、およびバインダー樹脂を主成分としたものである。しかし、このホログラム用感光性組成物では、光重合性官能基としてアクリレート、メタクリレートに代表される光ラジカル重合性基を有しているため、重合に伴う収縮が、特に寸法安定性が要求される光学素子やメモリーに応用する際の障害となっていた。
特許第3075082号公報には、高屈折率カチオン重合性化合物として、グリシジル基を有するフルオレン誘導体オリゴマーと、当該オリゴマーと屈折率の異なる重合性モノマーと光開始剤、増感剤とからなる組成物が開示されている。この材料系では、エポキシオリゴマーがカチオン重合により架橋構造となるため屈折率が高くなり、屈折率変調が増強されるとともに、透明性、耐熱性に優れるホログラム用感光性記録媒体が得られる。しかし、このホログラム用感光性組成物では、カチオン重合性基であるエポキシ基を使用しており、光ラジカル重合における収縮は少ないものの、グリシジル基を有するフルオレン誘導体オリゴマーの反応性が低く感度に問題があった。
特許第4142396号公報には、高屈折率カチオン重合性化合物として、オキセタニル基を有するジアリールフルオレン誘導体オリゴマーと、バインダー樹脂と、光重合開始剤と、増感色素とからなる組成物が開示されている。この材料系では、オキセタニル基の高い反応性を利用したカチオン重合により、架橋構造をとり、硬化収縮の少ない、透明性、耐熱性に優れるホログラム用感光性記録媒体が得られる。しかし、このホログラム用感光性組成物においても、光硬化前後での体積変化及び重合反応性等の点で必ずしも満足できるものではなかった。
特許第2849021号公報 特許第3075082号公報 特許第4142396号公報
本発明の目的は、優れた屈折率変調能を有し、重合反応性が高く、且つ体積収縮の極めて小さい体積型ホログラム記録用感光性組成物と、該体積型ホログラム記録用感光性組成物を用いた簡易で効率的な体積型ホログラム記録媒体の製造方法、並びに該体積型ホログラム記録用感光性樹脂組成物から得られる硬化物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、バインダーポリマー、光カチオン重合性化合物、光重合開始剤及び増感色素を含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物において、バインダーポリマーとしてナフタレン環を有するポリマーを用いると、光カチオン重合反応性が高く、しかも光硬化前後での体積変化が極めて小さく、優れた屈折率変調能を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、バインダーポリマー(A)と、光カチオン重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、増感色素(D)とを含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物であって、前記バインダーポリマー(A)がナフタレン環を有する重量平均分子量1万〜100万のポリマーであることを特徴とする体積型ホログラム記録用感光性組成物を提供する。
前記光カチオン重合性化合物(B)としては、分子内にエポキシ基、ビニルエーテル基及びオキセタニル基からなる群より選択された少なくとも1種のカチオン重合性基を1又は2以上有する化合物が好ましい。
この体積型ホログラム記録用感光性組成物において、バインダーポリマー(A)の屈折率は光カチオン重合性化合物(B)の屈折率よりも大きく、且つバインダーポリマー(A)と光カチオン重合性化合物(B)の屈折率差が0.001〜0.4の範囲であるのが好ましい。
また、ホログラム記録後における体積収縮率がホログラム記録前を基準として1%以下であるのが好ましい。
本発明は、また、前記の体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材又は基板上に塗布し、体積型ホログラム材料層を形成することを特徴とする体積型ホログラム記録媒体の製造方法を提供する。
この体積型ホログラム記録媒体の製造方法においては、さらに、形成された又は形成途中の体積型ホログラム材料層を、体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板と同一素材の基材又は基板で被覆する工程を含んでいてもよい。また、体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材又は基板上に、体積型ホログラム材料層の厚みが10〜2000μmになるように塗布し、塗布層を、前記体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板と同一素材の基材又は基板で被覆し、周辺部を封止した後に所定時間熟成させる工程を含んでいてもよい。
本発明は、さらに、前記の体積型ホログラム記録用感光性組成物を光カチオン硬化させた硬化物を提供する。
本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、優れた屈折率変調能を有し、重合反応性が高く、且つ体積収縮が極めて小さい。そのため、回折効率、再現性等に優れたホログラムを作製できる。また、本発明の体積型ホログラム記録媒体の製造方法によれば、回折効率等のホログラム特性に優れた体積型ホログラム記録媒体を、簡易に効率よく製造できる。
図1は実施例及び比較例において回折効率及び収縮率を求めるために用いた光学系を示す概略図である。 図2は実施例及び比較例において収縮率を求める方法を示す説明図である。
本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、バインダーポリマー(A)、光カチオン重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び増感色素(D)を含有している。
[バインダーポリマー(A)]
本発明では、バインダーポリマー(A)として、ナフタレン環を有する重量平均分子量1万〜100万のポリマーを用いる。ナフタレン環を有するバインダーポリマーを用いることで、モノマーである光カチオン重合性化合物(B)との間に大きな屈折率差を得ることができる。バインダーポリマー(A)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ナフタレン環を有するポリマーとして、例えば、ナフタレン環を有するモノマーの単独または共重合体、ナフタレン環を有するモノマーとナフタレン環を有しないモノマーとの共重合体が挙げられる。
ナフタレン環を有するモノマーとしては、例えば、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ナフタレン環を有する(メタ)アクリル酸エステル[例えば、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート等]などが挙げられる。これらの中でも、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンが好ましい。
ナフタレン環を有しないモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸ナフチルを除く]、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基又は酸無水物基含有モノマー;塩化ビニル;酢酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、イソブテンなどのオレフィン;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンなどが挙げられる。
ナフタレン環を有するポリマーにおいて、ナフタレン環を有する繰り返し構造単位の割合は、ポリマーを構成する繰り返し単位の全量に対して、例えば30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
ナフタレン環を有するポリマー[バインダーポリマー(A)]の代表的な例として、ポリ−1−ビニルナフタレン、ポリ−2−ビニルナフタレン、これらビニルナフタレンと(メタ)アクリル酸エステル[例えば、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど]との共重合体などが挙げられる。
バインダーポリマー(A)の重量平均分子量は1万〜100万であり、好ましくは4万〜30万程度である。
バインダーポリマー(A)の屈折率は光カチオン重合性化合物(B)の屈折率よりも大きいのが好ましい。また、バインダーポリマー(A)としては、その屈折率と光カチオン重合性化合物(B)の屈折率との差が、例えば0.001〜0.4、特に0.1〜0.3の範囲であるものが好ましい。
体積型ホログラム記録用感光性組成物中のバインダーポリマー(A)の配合量は、光カチオン重合性化合物(B)(総量)100重量部に対して、例えば10〜200重量部、好ましくは30〜100重量部の割合で使用される。
[光カチオン重合性化合物(B)]
光カチオン重合性化合物(B)としては、光カチオン重合性基を有する化合物であれば特に限定されないが、分子内にエポキシ基、ビニルエーテル基及びオキセタニル基からなる群より選択された少なくとも1種以上のカチオン重合性基を有する化合物が好ましい。分子内のカチオン重合性基の数は1つであってもよく、2以上であってもよい。光カチオン重合性化合物(B)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)としては、分子内に環状脂肪族基とエポキシ基とを有する脂環式エポキシ樹脂、グリシジル基を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも脂環式エポキシ樹脂が好ましく、特に、環状脂肪族基を構成する隣接する2つの炭素原子を含んでエポキシ基(オキシラン環)が形成されている化合物が好ましい。エポキシ基を有する化合物は単官能エポキシ化合物及び多官能エポキシ化合物の何れでもよいが、多官能エポキシ化合物が好ましい。エポキシ基を有する化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3′,4′−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、4−ビニルシクロヘキセンオキサイドなどが挙げられる。脂環式エポキシ樹脂の市販品として、例えば、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2000、セロキサイド2021、セロキサイド3000、EHPE3150;三井化学社製のエポミックVG−3101;油化シェルエポキシ社製のE−1031S;三菱ガス化学社製のTETRAD―X、TETRAD−C;日本曹達社製のEPB−13、EPB−27などを使用できる。
ビニルエーテル基を有する化合物(ビニルエーテル化合物)としては、ビニルエーテル基を有する化合物であれば特に限定するものではなく、単官能ビニルエーテル化合物及び多官能ビニルエーテル化合物の何れであってもよいが、多官能ビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル基を有する化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
ビニルエーテル基を有する化合物の代表的な例として、イソソルバイトジビニルエーテル、オキシノルボルネンジビニルエーテル等の環状エーテル型ビニルエーテル(オキシラン環、オキセタン環、オキソラン環等の環状エーテル基を有するビニルエーテル);フェニルビニルエーテル等のアリールビニルエーテル;n−ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル;ハイドロキノンジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等の多官能ビニルエーテルなどが挙げられる。また、丸善石油化学社製の2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV)、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル等を使用することもできる。また、α及び/又はβ位にアルキル基、アリル基等の置換基を有するビニルエーテル化合物も使用できる。
オキセタニル基を有する化合物(オキセタン化合物)としては、オキセタニル基を有する化合物であれば特に限定するものではなく、単官能オキセタン化合物及び多官能オキセタン化合物の何れであってもよいが、多官能オキセタン化合物が好ましい。オキセタニル基を有する化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
オキセタニル基を有する化合物の代表的な例として、オキセタニル基とビニルエーテル基を持つ3,3−ジメタノールジビニルエーテルオキセタン、東亞合成社製の3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(POX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(EHOX)、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン(TESOX)、オキセタニルシルセスキオキサン(OX−SQ)、フェノールノボラックオキセタン(PNOX−1009)等が挙げられる。
光カチオン重合性化合物(B)としては、高い重合反応性を得るという観点から、1種以上のエポキシ化合物と、ビニルエーテル化合物及びオキセタン化合物から選択された少なくとも1種の化合物とを組み合わせて用いるのが好ましい。この場合、1種以上のエポキシ化合物と、ビニルエーテル化合物及びオキセタン化合物から選択された少なくとも1種の化合物との割合は、モル比で、例えば、前者/後者=5/95〜98/2、好ましくは、前者/後者=20/80〜95/5、さらに好ましくは、前者/後者=50/50〜95/5、特に好ましくは、前者/後者=70/30〜95/5である。
[光重合開始剤(C)]
光重合開始剤(C)としては、光カチオン重合を活性化する化合物であれば特に限定されず、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、混合配位子金属塩、例えば、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)、シラノール−アルミニウム錯体等が例示される。光重合開始剤(C)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
光重合開始剤(C)は、光カチオン重合性化合物(B)(総量)100重量部に対して、例えば0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部の割合で使用される。また、光重合開始剤(C)は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に反応活性を持たない物質に分解されるものが好ましい。
[増感色素(D)]
増感色素(D)としては、光重合開始剤(C)を増感するものであれば特に限定されず、公知のものを使用できる。増感色素(D)として、例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等が例示される。可視光増感色素は、光学素子のような高透明性が要求される場合には、ホログラム記録後の後工程、加熱や紫外線照射により分解し無色透明になるものが好ましい。増感色素(D)は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
増感色素は、光カチオン重合性化合物(B)(総量)100重量部に対して、例えば0.01〜20重量部、好ましくは0.01〜10重量部の割合で使用される。
[溶剤]
本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、塗工性向上のため、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル(環状エーテル、鎖状エーテル);メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;これらの混合溶剤などが挙げられる。
本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、通常使用されるものを用いることができる。
本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物としては、ホログラム記録後における体積収縮率がホログラム記録前を基準として1%以下であるのが好ましい。すなわち、硬化前後における体積収縮率が1%以下であるのが望ましい。
[体積型ホログラム記録媒体の製造]
本発明の体積型ホログラム記録媒体の製造方法では、前記本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材又は基板上に塗布し、体積型ホログラム材料層を形成することを特徴とする。体積型ホログラム記録用感光性組成物が溶剤を含む場合には、基材又は基板上に塗布した後、乾燥することにより体積型ホログラム材料層が形成される。
体積型ホログラム記録用感光性組成物(塗工液)を塗布する基材又は基板としては、透明性を有するものであればよく、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルム(シートを含む)、ポリカーボネートフィルム、COPフィルム(シクロオレフィンポリマー、例えば、ダイセル化学工業社製の「TOPAS」、日本ゼオン社製の「ゼオネックス」、JSR社製の「アートン」等);ガラス板などが挙げられる。
前記基材又は基板の厚みは、例えば2〜2000μm、好ましくは10〜1000μmである。
体積型ホログラム記録用感光性組成物(塗工液)の粘度が低い場合は、塗工液が基材又は基板の表面から流れ出ないように、ガラス板等の基材又は基板間に塗工液を挟み込んでガラス板の周囲を適当な封止用材料(例えば、エポキシ系やアクリル系の熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂等)で封止するようにして体積型ホログラム記録用感光性媒体を作製することができる。また、必要に応じてスペーサーを用いることができる。
塗工液を基材又は基板上に塗布する方法としては、公知の方法を採用でき、例えば、スピンコーター、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、one-drop filling等の方法を用いることができる。
塗工液の塗布量は、体積型ホログラム材料層の厚みが、例えば1〜2000μm、好ましくは10〜1000μmとなるような量が好ましい。
また、乾燥後の体積型ホログラム材料層に粘着性がある場合、保護フィルムとして、上記例示の基材又は基板を被覆することができる。この場合、該被覆材料の体積型ホログラム材料層との接触面は、後から剥がしやすいように離型処理が施されていてもよい。
本発明の製造方法では、形成された又は形成途中の体積型ホログラム材料層を、体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板と同一素材の基材又は基板で被覆してもよい。この基材又は基板としては、透明性を有するものが好ましく、前記体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布する基材又は基板として例示したものと同様のものを使用できる。例えば、体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板がガラス板の場合は、形成された又は形成途中の体積型ホログラム材料層をガラス板で被覆することができ、体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板がポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの場合は、形成された又は形成途中の体積型ホログラム材料層をPETフィルムで被覆することができる。
本発明の製造方法の好ましい態様では、体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材又は基板上に、体積型ホログラム材料層の厚みが10〜2000μmになるように塗布し、必要に応じて乾燥した後、塗布層(形成途中の体積型ホログラム層)を、前記体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板と同一素材の基材又は基板で被覆し、周辺部を封止した後に所定時間熟成させて体積型ホログラム材料層を形成し、体積型ホログラム記録媒体を作製する。
なお、必要に応じて、厚み10〜2000μmのスペーサーを前記体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布する基材又は基板の表面周縁部に額縁状に設置してもよい。
塗布層を被覆する基材又は基板としては、透明性を有するものが好ましく、前記体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布する基材又は基板として例示したものと同様のものを使用できる。
熟成する際の温度は、例えば0〜50℃、好ましくは10〜40℃程度である。熟成は室温で行うことができる。熟成時間は、特に制限はないが、通常0.1〜48時間、好ましくは0.2〜10時間、さらに好ましくは0.5〜5時間程度である。熟成は遮光条件下で行うのが好ましい。この熟成により、平滑性のある体積型ホログラム記録層を構築でき、安定したホログラム特性を得ることができる。
本発明の体積型ホログラム記録媒体にホログラムを記録する方法については、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、体積型ホログラム記録媒体のホログラム記録材料層に原版を密着させ、透明な基材フィルムの側から可視光、あるいは紫外光や電子線のような電離放射線を用いて干渉露光を行うことにより体積型ホログラムを記録する方法(密着露光方式)や、媒体がガラスやフィルムに挟まれている場合に、媒体側からレーザー光を入射し、原版からの反射レーザー光と入射レーザー光との干渉により記録する方法(1光束干渉)や、レーザー光を2方向に分割し、一方を感材に直接入射し、他方は記録したい情報を持つ物体を通した光(情報光)を入射することにより記録する方法(2光束干渉)、情報光と参照光を同軸から照射する方法(コリニア方式)などが挙げられる。
なお、このようなホログラム記録には、可視レーザー光、例えば、アルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンイオンレーザー(633nm)、半導体レーザー(405nm、532nm)等からのレーザー光を使用することができる。
また、屈折率変調の促進、重合反応完結のために、干渉露光後、紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
このようにしてホログラムが記録されたものは、本発明の体積型ホログラム記録用感光性組成物を光硬化させた硬化物に該当する。
本発明における体積型ホログラム記録用感光性組成物を用いたホログラムの記録メカニズムについて説明する。フィルム状に形成され体積型ホログラム記録用感光性組成物(体積型ホログラム材料層)をレーザーにより干渉露光すると、光が強い部分にてカチオン重合が開始され、それに伴い、光カチオン重合性化合物(B)の濃度勾配ができ、光が弱い部分から光が強い部分に光カチオン重合性化合物(B)の拡散移動が起こる。その結果、干渉縞の強弱に応じて、光カチオン重合性化合物(B)の疎密ができ、屈折率差として現れる。また、光カチオン重合性化合物(B)とバインダーポリマー(A)との屈折率差により、ホログラムが記録される。記録後に露光及び/又は加熱処理による定着を実施してもよい。
また、記録時に加熱温度をバインダーポリマー(B)のガラス転移温度付近にすることにより、より光カチオン重合性化合物(A)の移動が促進され、屈折率変調量を増加させることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(光学系)
図1に実験で用いた光学系の概略図を示す。光源は532nm半導体レーザーを用い、ミラー(M)、スペーシャルフィルター(OL及びPh)、平凸レンズ(PCL)、波長板(PP)を介し、ビームスプリッター(BS)で2つの光に分けた。BSで分けられた2つの光をミラーを介し、サンプルに対してそれぞれ30°、30°で入射、干渉させた。回折光及び透過光の強度はパワーメーター(PM:株式会社エーディーシー社製)にてそれぞれ検出した。
なお、回折効率及び収縮率は以下の方法により求めた。
(回折効率)
二光束干渉法で記録したホログラムの回折効率をパワーメーターを用いて測定した。口径5φの532nm半導体レーザーを30°の角度で入射し、透過光と回折光を検出した。ホログラム記録媒体を−5°〜5°の範囲で軸回転させ、回折光強度が最も高くなる位置で回折効率を算出した[式(1)]。
η=L1/(L0+L1) … (式1)
(透過光強度:L0、回折光強度:L1
(収縮率)
ホログラム記録媒体を10°傾けて設置し、記録光と参照光の角度をそれぞれ20°と40°でホログラム記録を行った。その後、参照光を40°の角度で入射させ、最大回折効率を示す角度を検出した(θ1)。収縮がない場合には、その際に得られる最大回折効率の示す角度は40°であるが、収縮が起こることで40°からのずれが生じる(図2)。また、同様にして、記録光のみを20°の角度で入射させ、最大回折効率を示す角度(θ2)を検出した。これらの角度を用いて、以下の(式2)、(式3)より記録媒体の厚み方向のグレーティングベクトル(K1およびK2)を求め、(式4)より収縮率を算出した。
1=(2π/λ){(n2−sin2θ11/2)−(n2−sin2θ21/2)}
… (式2)
(λ:記録波長、n:記録層の屈折率、θ1,θ2:記録前の入射角:40°,20°)
2=(2π/λ){(n2−sin2θ1 '1/2)−(n2−sin2θ2 '1/2)}
… (式3)
(λ:記録波長、n:記録層の屈折率、θ1 ',θ2 ':回折効率が最大となる入射角)
収縮率(%)=(K1−K2)/K1 … (式4)
(記録前:K1、記録後:K2
実施例1
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を60重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能ビニルエーテル化合物(オキシノルボルネンジビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン30重量部に溶解させたものを感光液1とした。この感光液1をガラス基板上に滴下し、膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、同ガラス板の表面周縁部に、感光液に触れないように、厚み50μmのPETフィルムを額縁状に設置した。その後、塗布層をもう一枚のガラス板で挟み込み、室温で1時間遮光条件下で熟成させることでホログラム記録媒体1(ホログラム材料層の厚み25μm)を得た。このホログラム記録媒体1に対して、二光束光学系により、半導体レーザー(532nm、露光量300mJ/cm2)を用いて露光しホログラム記録を行った。その結果、回折効率は22%、収縮率は0.4%であった。
実施例2
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能ビニルエーテル化合物(オキシノルボルネンジビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液2とした。この感光液2をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体2(ホログラム材料層の厚み25μm)を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は35%、収縮率は−0.3%であり膨張を示した。
実施例3
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能ビニルエーテル化合物(イソソルバイトジビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液3とした。この感光液3をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体3を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は33%、収縮率は0.2%であった。
実施例4
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、単官能ビニルエーテル化合物(フェニルビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液4とした。この感光液4をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体4を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は28%、収縮率は0.2%であった。
実施例5
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能オキセタン化合物(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亞合成社製)とを、モル比が2:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液5とした。この感光液5をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体5を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は33%、収縮率は0.8%であった。
実施例6
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、単官能オキセタン化合物(3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、東亞合成社製)とを、モル比が2:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液6とした。この感光液6をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体6を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は25%、収縮率は0.8%であった。
実施例7
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能ビニルエーテル−単官能オキセタン化合物(3,3−ジメタノールジビニルエーテルオキセタン)とを、モル比が2:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液7とした。この感光液7をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体7を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は21%、収縮率は0.9%であった。
実施例8
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、商品名「CEL2021P」、ダイセル化学工業社製)と、2官能ビニルエーテル化合物(オキシノルボルネンジビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液8とした。この感光液8をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体8を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は16%、収縮率は2.3%であった。
比較例1
バインダーポリマー(A)としてポリスチレンを70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能ビニルエーテル化合物(オキシノルボルネンジビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液9とした。この感光液9をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体9を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は18%、収縮率は0.3%であった。
比較例2
バインダーポリマー(A)としてポリメタクリル酸メチルを70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能ビニルエーテル化合物(オキシノルボルネンジビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液10とした。この感光液10をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体10を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は5%、収縮率は0.2%であった。
比較例3
バインダーポリマー(A)としてポリ酢酸ビニルを70重量部、2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と、2官能ビニルエーテル化合物(オキシノルボルネンジビニルエーテル)とを、モル比が7:1になるように混合したカチオン重合性化合物(B)を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.5重量部準備し、これらをシクロヘキサノン280重量部に溶解させたものを感光液11とした。この感光液11をガラス基板上に滴下し、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、100℃のオーブンで十分に溶剤を除去し、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体11を作製した。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は15%、収縮率は0.4%であった。
比較例4(ラジカル重合系)
ラジカル重合性モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレートとネオペンチルグリコールジメタクリレートの混合物(重量比7:3)を100重量部と、ジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を5重量部、増感色素としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.15重量部、可塑剤としてジエチルセバケートを20重量部混合したものを感光液12とした。この感光液12を用い、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った。その結果、回折効率は30%、収縮率は10.2%であった。
実施例9
バインダーポリマー(A)としてポリ−2−ビニルナフタレン(Mw=93,000)を60重量部、光カチオン重合性化合物(B)としての2官能の脂環式エポキシ化合物(3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)と単官能の脂環式エポキシ化合物(4−ビニルシクロヘキセンオキサイド、商品名:CEL2000、ダイセル化学工業社製)と2官能ビニルエーテル化合物(オキシノルボルネンジビニルエーテル)をモル比が7:2:1になるように混合した液を100重量部、光重合開始剤(C)としてジフェニルヨードニウム化合物(商品名「PI2074」、Rhodia社製)を10重量部、増感色素(D)としてクマリン系色素(商品名「NKX1658」、林原生物化学研究所製)を0.2重量部準備し、これらを混合して均一の溶液としたものを感光液13とした。この感光液13をガラス基板上に滴下し、膜厚が100μmとなるようにアプリケーターにて塗布し、同ガラス板の表面周縁部に、感光液に触れないように、厚み100μmのPETフィルムを額縁状に設置し、もう一枚のガラス板で挟みこむことで、ホログラム記録媒体13を得た。その後、実施例1と同様にしてホログラム記録を行った結果、回折効率は21%、収縮率は0.4%であった。

Claims (8)

  1. バインダーポリマー(A)と、光カチオン重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、増感色素(D)とを含有する体積型ホログラム記録用感光性組成物であって、前記バインダーポリマー(A)がナフタレン環を有する重量平均分子量1万〜100万のポリマーであることを特徴とする体積型ホログラム記録用感光性組成物。
  2. 光カチオン重合性化合物(B)が、分子内にエポキシ基、ビニルエーテル基及びオキセタニル基からなる群より選択された少なくとも1種のカチオン重合性基を1又は2以上有する化合物である請求項1記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
  3. バインダーポリマー(A)の屈折率が光カチオン重合性化合物(B)の屈折率よりも大きく、且つバインダーポリマー(A)と光カチオン重合性化合物(B)の屈折率差が0.001〜0.4の範囲である請求項1又は2記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
  4. ホログラム記録後における体積収縮率がホログラム記録前を基準として1%以下である請求項1〜3の何れかの項に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかの項に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材又は基板上に塗布し、体積型ホログラム材料層を形成することを特徴とする体積型ホログラム記録媒体の製造方法。
  6. さらに、形成された又は形成途中の体積型ホログラム材料層を、体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板と同一素材の基材又は基板で被覆する工程を含む請求項5記載の体積型ホログラム記録媒体の製造方法。
  7. 体積型ホログラム記録用感光性組成物を基材又は基板上に、体積型ホログラム材料層の厚みが10〜2000μmになるように塗布し、塗布層を、前記体積型ホログラム記録用感光性組成物を塗布した基材又は基板と同一素材の基材又は基板で被覆し、周辺部を封止した後に所定時間熟成させる工程を含む請求項5又は6記載の体積型ホログラム記録媒体の製造方法。
  8. 請求項1〜4の何れかの項に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物を光カチオン硬化させた硬化物。
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