JPH11161136A - ホログラム表示素子 - Google Patents

ホログラム表示素子

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Publication number
JPH11161136A
JPH11161136A JP32503397A JP32503397A JPH11161136A JP H11161136 A JPH11161136 A JP H11161136A JP 32503397 A JP32503397 A JP 32503397A JP 32503397 A JP32503397 A JP 32503397A JP H11161136 A JPH11161136 A JP H11161136A
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JP
Japan
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hologram
display element
refractive index
hologram display
volume phase
Prior art date
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Pending
Application number
JP32503397A
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English (en)
Inventor
Yasushi Oe
靖 大江
Hiromitsu Ito
浩光 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP32503397A priority Critical patent/JPH11161136A/ja
Publication of JPH11161136A publication Critical patent/JPH11161136A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性、耐熱性、化学的安定性、保存安定性及
び高解像度、高回折効率、高透明性、再生波長再現性に
優れた体積位相型ホログラムを用途に応じた形状を有す
る基材に形成可能とするホログラム表示素子を提供す
る。 【解決手段】屈折率が1.4〜1.6、厚さが1〜3m
m、可視光透過率が80%以上、ヘイズ3.5%以下の
無色透明な基材上に、屈折率変調が0.015〜0.0
6、厚さが5〜40μmの体積位相型ホログラムを光硬
化型接着剤を用いて積層してなり、形成されるホログラ
ムは回折効率、透明性に優れ、投射される像の再生像が
ボケなく、その表示距離がホログラム層から遠方に表示
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光線、とくに
アルゴンレーザ光に対して高感度であり、さらに耐候
性、耐熱性及び保存安定性に優れ、かつ解像度、回折効
率、透明性などのホログラムの諸特性値が良好な体積位
相型ホログラムを基材上に形成してなるホログラム表示
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラムは三次元立体像の再生
が可能であることから、その優れた意匠性、装飾効果か
ら書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギ
フトなどに利用されている。またホログラムはサブミク
ロン単位での情報の記録と等価であるといえることから
有価証券、クレジットカードなどの偽造防止用のマーク
などにも利用されている。
【0003】とくに体積位相型ホログラムは、ホログラ
ム記録媒体中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる空間
的な干渉縞を形成することによって、像を通過する光ビ
ームを吸収することなく位相を変調することができるた
め、近年においては、ディスプレイ用途の他に自動車搭
載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)に代表され
るホログラム光学素子(以下、HOEとする)への応用
が期待されている。
【0004】ところで体積位相型ホログラムを構成する
体積位相型ホログラム記録材料は、可視発振波長を持つ
レーザ光に高感度で感光し、しかも高い解像性を示すこ
とが要求されている。また、実際にホログラムの形成に
使用するに当たり、ホログラムの回折効率、再生光の波
長再現性やバンド幅(再生光ピークの半値幅)等の特性
がその目的に合うことが要求される。とくにHOE用の
ホログラム記録材料には、回折効率が空間周波数500
0〜6000本/mmで90%以上、再生光のピークの
半値幅(バンド幅)が20〜30nm、再生波長のピー
ク波長は、撮影波長から5nm以内であることが望まし
く、さらに、長期にわたって保存安定性に優れているこ
とも必要とされている。
【0005】従来、このような体積位相型ホログラムの
記録材料としては、漂白処理銀塩および重クロム酸ゼラ
チン系の感光材料が一般に使用されていた。この重クロ
ム酸ゼラチン系の感光材料は、その高い回折効率と低ノ
イズ特性から、体積位相型ホログラムを記録するのに最
も広く用いられるが、この感光材料は貯蔵寿命が短く、
ホログラム作製の度に調製しなければならない問題点
や、湿式現像を行うことによりホログラム作製の際に必
要となるゼラチンの膨潤および収縮過程においてホログ
ラムの変形が生じることによるホログラムの再現性が悪
いという問題点も有している。また、銀塩感材は、記録
後に煩雑な処理を必要とし、安定性および作業性の観点
から満足できる感光材料ではない。さらに、これらの上
記の感光材料は、何れも耐環境特性、例えば耐湿性、耐
候性に劣るという問題点を有していた。
【0006】このような問題点に対して、耐環境特性に
優れ、かつ高解像度、高回折効率などのホログラム記録
材料の有すべき特性を備えた材料として、溶媒可溶性で
カチオン重合可能なエチレンオキシド環を構造単位中に
少なくとも一つ有する熱硬化性樹脂とラジカル重合可能
なエチレン性モノマーからなるホログラム記録材料があ
る(特開平8−1676号公報、特開平8−1677号
公報、特開平8−1678号公報、特開平8−1679
号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらのホ
ログラム記録材料を用いてホログラムを作製すると厚さ
10〜40μm程度のフィルム状となり、これを光学素
子(HOE)として用いる場合には、平滑な基材と貼り
合わせる必要があり、ヘッドアップディスプレイ(HU
D)のコンバイナ等に用いる場合には、その形状に合わ
せた基材が必要であり、ホログラムを形成した基材を加
工することになるが、ガラス基材等の加工は困難であ
り、とくに樹脂基材であっても曲線等の加工は難しいも
のである。そこで、本発明は耐候性、耐熱性、化学的安
定性、さらに保存安定性に優れ、しかも高解像度、高回
折効率、高透明性、再生波長再現性に優れた体積位相型
ホログラムを用途に応じた形状を有する基材に形成可能
とするホログラム表示素子を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべくなされたものであり、請求項1記載の発明は、屈
折率が1.4〜1.6、厚さが1〜3mm、可視光透過
率が80%以上、ヘイズ3.5%以下の無色透明な基材
上に、屈折率変調が0.015〜0.06、厚さが5〜
40μmの体積位相型ホログラムを光硬化型接着剤を用
いて積層してなることを特徴とするホログラム表示素子
である。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
ホログラム表示素子において、光硬化型接着剤の屈折率
が1.40〜1.60であることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1に記載の
ホログラム表示素子において、光硬化型接着剤が(A)
常温で融点が80℃以下の固体或いは液体であるラジカ
ル重合可能なエチレン性モノマー、及び(B)化学作用
放射線によってラジカルを発生し、前記(A)ラジカル
重合可能なエチレン性モノマーを重合させ得る開始剤か
らなることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1に記載の
ホログラム表示素子において、光硬化型接着剤が(A)
常温で融点が80℃以下の固体或いは液体であるカチオ
ン重合可能なモノマー、及び(B)化学作用放射線によ
ってカチオンを発生し、前記(A)カチオン重合可能な
モノマーを重合させ得る開始剤からなることを特徴とす
る。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1に記載の
ホログラム表示素子において、体積位相型ホログラムか
らの表示距離が10cm以上遠方にあることを特徴とす
る。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1に記載の
ホログラム表示素子において、体積位相型ホログラムは
反射型ホログラムであることを特徴とする。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1に記載の
ホログラム表示素子において、基材がメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、ガラス、三酢酸セルロース、
メチルメタクリレート−スチレン共重合体のいずれかで
あることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1の(a)は本発明のホログラム表示素子を作製する
ためのホログラム記録用媒体の構成を説明する概略断面
図、(b)は本発明のホログラム表示素子の構成を説明
する概略断面図であり、図2はホログラム撮影用の光学
系を説明する概略説明図であり、図3は本発明のホログ
ラム表示素子にVFD表示器の像の投射により得られる
再生像を説明する概略説明図である。
【0016】本発明のホログラム表示素子は、屈折率が
1.4〜1.6、厚さが1〜3mm、可視光透過率が8
0%以上、ヘイズ3.5%以下の無色透明な基材上に、
屈折率変調が0.015〜0.06、厚さが5〜40μ
mの体積位相型ホログラムを光硬化型接着剤を用いて積
層したものである。
【0017】この屈折率が1.4〜1.6、厚さが1〜
3mm、可視光透過率が80%以上、ヘイズ3.5%以
下の無色透明な基材としては、メチルメタクリレート、
ポリカーボネート、ガラス、三酢酸セルロース、メチル
メタクリレート−スチレン共重合体、透明ポリプロピレ
ン、透明ABS、透明ポリスチレン、透明ポリアリレー
ト、青板ガラス、石英ガラスなどがある。なお、二つ以
上を選択し積層して用いることもできる。
【0018】また光硬化型接着剤としては、その屈折率
が1.40〜1.60であり、化学作用放射線により硬
化可能なものであり、まず、(A)常温で融点が80℃
以下の固体或いは液体であるラジカル重合可能なエチレ
ン性モノマー、及び(B)化学作用放射線によってラジ
カルを発生し、前記ラジカル重合可能なエチレン性モノ
マー(A)を重合させ得る開始剤からなるものがあり、
このラジカル重合可能なエチレン性モノマー(A)とし
ては、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくと
も1個以上含むものであり、1官能であるビニルモノマ
ーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであり、また
これらの混合物であってもよい。具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸のアルキル、アーリル或いはヒドロキ
シアルキルエステル類等の高沸点ビニルモノマー、さら
には脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えばエチレングル
コール、ジエチレングルコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、テトラプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,10−デカンジオール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、マンニトールなどのジあるいはポリ
(メタ)アクリル酸エステル類、ビスフェノールA型ア
クリル酸エステル等を挙げることができる。なお、これ
らに限定されるものではない。
【0019】このラジカル重合可能なエチレン性モノマ
ーに化学作用放射線(特に限定されないが、例えば紫外
線200〜500nm)を露光するとラジカル重合を活
性化する光開始剤としては、フォトポリマー・テクノロ
ジー(日刊工業新聞社、1988,P.114)に記載
の化合物、例えばベンゾイン化合物、カルボニル化合
物、過酸化物、含窒素複素環化合物、ハロゲン化物、イ
オウ化合物、オニウム塩等を挙げることができる。な
お、これらに限定されるものではない。
【0020】また、(A)常温で融点が80℃以下の固
体或いは液体であるカチオン重合可能なモノマー、及び
(B)化学作用放射線によってカチオンを発生し、前記
カチオン重合可能なモノマー(A)を重合させ得る開始
剤からなるものがあり、このカチオン重合可能なエチレ
ン性モノマー(A)としては、構造単位中にエチレンオ
キシド環、エピチオ環を有する化合物、またはビニルエ
ーテル基を1個以上含むものであり、1官能であるビニ
ルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであ
り、またこれらの混合物であってもよい。具体的には、
エポキシ樹脂ハンドブック化合物(日刊工業新聞社、1
987)に記載の化合物、例えば同書P.20に記載の
ビスフェノールA型液状樹脂、同書P.32に記載のビ
スフェノールA型固形樹脂、同書P.48に記載のビス
フェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、同書
P.78に記載の脂環式エポキシ樹脂、アルキルビニル
エーテル、アリールビニルエーテル等が挙げられる。な
お、これらに限定されるものではない。
【0021】このカチオン重合可能なモノマーに化学作
用放射線(特に限定されないが、例えば紫外線200〜
500nm)を露光するとカチオン重合を活性化する光
開始剤としては、フォトポリマー・テクノロジー(日刊
工業新聞社、1988,P.39)に記載の化合物、例
えばアリールジアゾニウム塩、ジアリールアロニウム
塩、トリフェニルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒ
ドロキシスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシ
フェニルスルホニウム塩、シラール/アルミニウム錯
体、α−スルホニウムオキシケトン類、鉄アレーン錯体
等を挙げることができる。なお、これらに限定されるも
のではない。
【0022】これらの光硬化型接着剤に含有される光開
始剤の量は、モノマー100重量部に対し、0.1〜1
0重量部で、好ましくは1〜5重量部である。なお、必
要に応じて増感剤を加えることもできる。
【0023】次に屈折率変調が0.015〜0.06、
厚さが5〜40μmの体積位相型ホログラムを形成する
ものとしては、溶媒可溶性でカチオン重合可能なエチレ
ンオキシド環を構造単位中に少なくとも一つ有する熱硬
化性樹脂とラジカル重合可能なエチレン性モノマーから
なるホログラム記録材料(特開平8−1676号公報、
特開平8−1677号公報、特開平8−1678号公
報、特開平8−1679号公報)を挙げることができ
る。詳しくは、このホログラム記録材料は、溶媒可溶性
でカチオン重合可能なエチレンオキシド環を構造単位中
に少なくとも一つ有する熱硬化性樹脂と、ラジカル重合
可能なエチレン性モノマーと、化学作用放射線に露光す
るとラジカル重合とカチオン重合を活性化する光開始剤
系と、この光開始剤系を増感せしめる増感色素からな
る。以下に具体例を挙げる。
【0024】このホログラム記録材料を構成する成分で
ある、溶媒可溶性でカチオン重合可能なエチレンオキシ
ド環を構造単位中に少なくとも一つ有する熱硬化性樹脂
は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビ
スフェノールB、ビスフェノールAF、ビスフェノール
S、ブロム化ビスフェノールA、ノボラック、o−クレ
ゾールノボラック、p−アルキルフェノールノボラッ
ク、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAD、
水添ビスフェノールB、水添ビスフェノールAF、水添
ビスフェノールS、水添ブロム化ビスフェノールA等の
各種フェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反
応により生成されるエポキシ化合物が挙げられる。な
お、これらに限定されるものではない。
【0025】またラジカル重合可能な脂肪族モノマーと
しては、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なく
とも1個以上含むものであり、1官能であるビニルモノ
マーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであり、ま
たこれらの混合物であってもよい。具体的には、(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)ア
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート等の高沸点ビニルモノ
マー、さらには脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えばエ
チレングルコール、ジエチレングルコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、ソルビトール、マンニトールなどのジある
いはポリ(メタ)アクリル酸エステル類が挙げることが
できる。なお、これらに限定されるものではない。
【0026】また化学作用放射線に露光するとラジカル
重合とカチオン重合を活性化する光開始剤としては、
J.Photochem.Sci.Technol.,
2,283(1987).に記載される化合物があり、
例えば鉄アレーン錯体、トリハロゲノメチル置換s−ト
リアジン、スルフォニウム塩ジアゾニウム塩、セレノニ
ウム塩、アルソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられ
る。このヨードニウム塩として、Macromolec
ules、10、1307(1977).に記載される
化合物があり、例えばジフェニルヨードニウム、ジトリ
ルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウ
ム、フェニル(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビ
ス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビ
ス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨードニ
ウムのクロリド、ブロミド、或いはホウフッ化塩、ヘキ
サフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネ
ート塩、芳香族スルホン酸塩等を挙げることができる。
なお、上記の特性を満たすものであれば、これらに限定
されるものではない。
【0027】さらに、増感色素としては、例えばシアニ
ンまたはメロシアニン誘導体、クマリン誘導体、カルコ
ン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、
アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポリフィ
リン誘導体などの有機染料化合物が使用できる。また、
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社
1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編
シーエムシー 1986年)、「特殊機能材料」(池
森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載され
る色素及び増感剤を用いることができる。なお、これら
に限定されるものではなく、その他の可視領域の光に対
して吸収を示す色素及び増感剤であれば用いることがで
き、さらに必要に応じて、これらの色素及び増感剤は任
意の比率で二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0028】本発明のホログラム表示素子6のホログラ
ム層3は、図1(a)に示すようにホログラム撮影用基
材2に、上記の組成からなるホログラム記録材料の各成
分を適宜選択し、任意の割合で混合して得たホログラム
記録材料の感光液をスピンコーター、ロールコータ、バ
ーコーターなど公知の塗工手段を用いて、皮膜状に塗布
しホログラム層3を形成し、ホログラム記録用媒体1を
作製する。このホログラム撮影用基材2としてはガラス
板やポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート
板、ポリエステルフィルムなどを用いることができる。
【0029】なお、ホログラム層3を塗布する際にホロ
グラム記録材料を適当な溶剤で希釈することも可能であ
るが、ホログラム撮影用基材2に塗布した後に乾燥を要
する。この溶剤としてはジクロロメタン、クロロホル
ム、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、エチ
ルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエ
チルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−
メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテ
ル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−
(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エト
キシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシ
エトキシ)エチルアセテート、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等が挙げられる。また、ホログラム
記録材料に、必要に応じて公知のバインダー、可塑剤、
熱重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤などの各種添加
剤を加えてもよい。
【0030】次にこのホログラム記録用媒体1に光学的
な複製方法でホログラムを作製するホログラム撮影用の
光学系を説明すると、ホログラム記録媒体1に対してホ
ログラフィック露光を施して潜像を形成する。詳しくは
図2に示すように、レーザ7から発振されたレーザ光8
は、ミラー9、レンズ10、レンズ11、スペイシャル
フィルター12を介してホログラム記録用媒体1に入射
し、さらにホログラム記録用媒体1を透過した光がマス
ターホログラム13で反射して、再びホログラム記録用
媒体1に入射することにより干渉縞が形成されホログラ
ム画像が記録される。さらに本発明では露光によるホロ
グラム撮影後、60〜100℃で5分から30分加熱し
ホログラムを得る。なお、図2に示すようにマスターホ
ログラム13と本発明のホログラム記録用媒体1との密
着性を上げるための中間液11を両者の間に用いても良
く、例えばマスターホログラム13およびホログラム記
録材料を侵すことのない、屈折率1.4〜1.5程度の
比較的高沸点のものが好ましい。具体例としてはn−ヘ
プタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n
−デカンなどの飽和炭化水素やそれらの混合物であるア
イソパー、またはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、干渉縞の露光工程におけるホログラム記録材
料に適した光源としては、ヘリウム−カドミウムレー
ザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウムネオ
ンレーザ等が利用できるが、これに限定されるものでは
ない。
【0031】上記のように得られたホログラムを保持す
るホログラム記録用媒体1のホログラム層3に光硬化型
接着剤をスピンコーター、ロールコータ、バーコーター
など公知の塗工手段を用いて皮膜状に塗布し、上記した
可視光透過率が80%以上、ヘイズ3.5%以下の無色
透明な基材5を脱泡しながら貼り合わせる。これに一定
量のUV照射し、光硬化型接着剤を硬化させた後、ホロ
グラム撮影用基材2からホログラムを剥離させ、その端
面を処理して、図1(b)に示す本発明のホログラム表
示素子6を得ることができる。この剥離の際に剥離しや
すいようにホログラム撮影用基材2の表面を処理してお
いてもよい。
【0032】本発明のホログラム表示素子6は、例えば
図3に示すようにVFD表示器の像の投射により得られ
る再生像15の表示距離がホログラム層から10cm以
上遠方に表示することができ、従来のハーフミラーや干
渉フィルターでは成し得なかった像の遠方表示を可能と
する。またホログラム表示素子6は、基材の形状に対応
し、量産化も容易であることから、ヘッドアップディス
プレイ(HUD)への応用が可能である。
【0033】また本発明のホログラム表示素子6は、必
要に応じて光源の表面反射によるノイズを軽減させるた
めに、反射防止層(図示しない)を基材及びホログラム
層の両方又は何れか一方の面に設けてもよい。この反射
防止層としては、高屈折率層と低屈折率層を所定の光学
膜厚nd(屈折率nと形状膜厚dの積)で、かつ低屈折
率層が最上層となるように積層することで反射防止能の
発現が可能なものがあり、これらはそれぞれ金属酸化
物、金属酸化物の混合物、金属酸化物以外の無機や有機
の弗化物などから構成され、高屈折率層は、その屈折率
nHが1.9〜2.5の、例えば酸化チタン、酸化ジル
コニウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化タンタ
ル、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム−スズ酸化
物、酸化亜鉛などを使用することができ、また低屈折率
層は、屈折率nLが1.3〜1.5の、例えば酸化珪素
など金属酸化物を使用することができる。なお、高屈折
率層及び低屈折率層の屈折率範囲を満たし、透明であれ
ばとくに限定されるものではない。また、上記以外でも
透明性を有するものであれば反射防止層として利用する
こともできる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づき詳細
に説明する。 <ホログラムの作製>ビスフェノール系エポキシ樹脂
(商品名「エピコート1007」重合度n=10.8
エポキシ当量:1750〜2100 油化シェルエポキ
シ社製)100重量部、トリエチレングリコールジアク
リレート50重量部およびジフェニルヨードニウムヘキ
サフルオロフォスフェート5重量部、3,3’−カルボ
ニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン0.5重量部
を2−ブタノン100重量部に混合溶解したホログラム
記録材料を作製し、感光液とした。この感光液をホログ
ラム撮影用基材2である青板ガラス基板(1.1mm
厚、5インチ角)に、膜厚が約30μmになるようにド
クターブレードを用いて塗布、乾燥させ、ホログラム層
3を形成しホログラム記録用媒体1を作製した。
【0035】このホログラム記録用媒体1に、塗布面を
予め焦点距離を前方30cmに設定したレンズ型ホログ
ラムマスター(イルフォード社製SP695T乾板で作
製)に中間液としてイソオクタンを用いて液浸させなが
ら密着させたものに、図2に示すホログラム撮影用の光
学系により光源としてアルゴンレーザ(514.5n
m)を用いて露光しホログラムを作製した後、100℃
で30分加熱処理を行い、さらに高圧水銀灯で全面照射
しホログラムの定着を行った。このホログラムの屈折率
変調は0.025であった。
【0036】得られたホログラムの回折効率は、島津製
作所社製の分光光度計により測定した。この分光光度計
は、単色光を試料に入射角2°で入射し、試料からの回
折光を積分球を用いて透過率を測定し、その時の吸収極
大を回折効率とした。また透過率は、分光光度計で測定
した400nm〜700nmの範囲での再生光のピーク
を除く極大吸収の値とした。
【0037】<実施例1>光硬化型接着剤として、ビス
フェノールA型エポキシアクリレート(商品名「VR−
90」昭和高分子社製)/4−ヒドロキシブチルアクリ
レート(商品名「4HBA」三菱化学社製)/2−エチ
ルヘキシルカルビトールアクリレート(商品名「M−1
20」東亜合成化学社製)を1/1/2の割合で、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(商品名
「IRGACURE 651」チバガイギー社製)をモ
ノマー総量に対して5%添加した[A−1]を作製し
た。この光硬化型接着剤[A−1]を上記のホログラム
を形成したホログラム記録用媒体に滴下した後、2mm
厚の透明ポリメチルメタクリル(PMMA)板(商品名
「アクリライト」三菱レーヨン社製)を圧着させ、1J
/cm2 のUV光を照射し、光硬化型接着剤[A−1]
を硬化させた。硬化後、青板ガラス基板を剥離し本発明
のホログラム表示素子を得た。このホログラムの基板と
の貼り合わせ前後における回折効率、透過効率を上記の
分光光度計により測定し、その結果を表1に示す。
【0038】<実施例2−5>実施例1の基材5の透明
ポリメチルメタクリル(PMMA)板に代えて、メチル
メタクリレート−スチレン共重合体(MS)(商品名
「エスチレン」新日鉄化学社製)、ポリカーボネート
(PC)(商品名「ダイヤライトP」三菱レイヨン社
製)、ABS樹脂(ABS)(商品名「トヨラック」東
レ社製)、ポリアレート(PAR)(商品名「Uポリマ
ーP1001」ユニチカ社製)をそれぞれ用いる以外
は、実施例1と同様に操作を行いホログラム表示素子を
作製し、さらに同様にこのホログラムの基板との貼り合
わせ前後における回折効率、透過効率を測定し、その結
果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】<実施例6−10>実施例1の光硬化型接
着剤[A−1]に代えて、脂環式エポキシモノマー(商
品名「CY−179」チバガイギー社製)にジフェニル
ヨードニウムヘキサフルオロフォスデート(商品名「D
PI−102」みどり化学社製)5%添加した[A−
2]を作製し、これを用いる以外は、実施例1−5と同
様に操作を行いホログラム表示素子を作製し、さらに同
様にこのホログラムの基板との貼り合わせ前後における
回折効率、透過効率を測定し、その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】上記の実施例1−10のホログラム光学素
子に市販の粘着テープを貼付し、消しゴムで貼付面を擦
り、密着させた後、粘着テープを一気に剥がしたが、ホ
ログラム層は基材から剥離することはなかった。さらに
実施例1−10のホログラム光学素子を図3に示すよう
にVFD表示器(505nmに極大吸収)の像を投射し
たところ、何れのホログラム光学素子も表示距離が約3
0cm前方にボケを生じることなく再生像15を観察す
ることができた。
【0043】
【発明の効果】以上、述べたように本発明のホログラム
表示素子は、耐候性、耐熱性、化学的安定性、さらに保
存安定性に優れ、しかも高解像度、高回折効率、高透明
性、再生波長再現性に優れた体積位相型ホログラムを用
途に応じた形状を有するさまざまな基材に形成可能であ
り、形成されるホログラムは回折効率、透明性に優れ、
投射される像の再生像がボケなく、その表示距離がホロ
グラム層から遠方に表示することができる。このように
ホログラム表示素子は、基材の形状に対応し、量産化も
容易であることから、ヘッドアップディスプレイ(HU
D)への応用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のホログラム表示素子を作製す
るためのホログラム記録用媒体の構成を説明する概略断
面図、(b)は本発明のホログラム表示素子の構成を説
明する概略断面図である。
【図2】ホログラム撮影用の光学系を説明する概略説明
図である。
【図3】本発明のホログラム表示素子にVFD表示器の
像の投射により得られる再生像を説明する概略説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ホログラム記録用媒体 2 ホログラム撮影用基材 3 ホログラム層 4 接着層 5 基材 6 ホログラム表示素子 7 レーザ 8 レーザ光 9 ミラー 10 レンズ 11 中間液 12 スペイシャルフィルター 13 マスターホログラム 14 VFD表示器 15 再生像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈折率が1.4〜1.6、厚さが1〜3m
    m、可視光透過率が80%以上、ヘイズ3.5%以下の
    無色透明な基材上に、屈折率変調が0.015〜0.0
    6、厚さが5〜40μmの体積位相型ホログラムを光硬
    化型接着剤を用いて積層してなることを特徴とするホロ
    グラム表示素子。
  2. 【請求項2】前記光硬化型接着剤の屈折率が1.40〜
    1.60であることを特徴とする請求項1に記載のホロ
    グラム表示素子。
  3. 【請求項3】前記光硬化型接着剤が(A)常温で融点が
    80℃以下の固体或いは液体であるラジカル重合可能な
    エチレン性モノマー、及び(B)化学作用放射線によっ
    てラジカルを発生し、前記(A)ラジカル重合可能なエ
    チレン性モノマーを重合させ得る開始剤からなることを
    特徴とする請求項1に記載のホログラム表示素子。
  4. 【請求項4】前記光硬化型接着剤が(A)常温で融点が
    80℃以下の固体或いは液体であるカチオン重合可能な
    モノマー、及び(B)化学作用放射線によってカチオン
    を発生し、前記(A)カチオン重合可能なモノマーを重
    合させ得る開始剤からなることを特徴とする請求項1に
    記載のホログラム表示素子。
  5. 【請求項5】前記体積位相型ホログラムからの表示距離
    が10cm以上遠方にあることを特徴とする請求項1に
    記載のホログラム表示素子。
  6. 【請求項6】前記体積位相型ホログラムは反射型ホログ
    ラムであることを特徴とする請求項1に記載のホログラ
    ム表示素子。
  7. 【請求項7】前記基材がメチルメタクリレート、ポリカ
    ーボネート、ガラス、三酢酸セルロース、メチルメタク
    リレート−スチレン共重合体のいずれかであることを特
    徴とする請求項1に記載のホログラム表示素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001166148A (ja) * 1999-12-10 2001-06-22 Toppan Printing Co Ltd 画像表示装置

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