JP2000122515A - 体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物 - Google Patents

体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物

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JP2000122515A
JP2000122515A JP10291160A JP29116098A JP2000122515A JP 2000122515 A JP2000122515 A JP 2000122515A JP 10291160 A JP10291160 A JP 10291160A JP 29116098 A JP29116098 A JP 29116098A JP 2000122515 A JP2000122515 A JP 2000122515A
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type hologram
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JP10291160A
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English (en)
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Yasuyuki Demachi
泰之 出町
Yasushi Oe
靖 大江
Makoto Kume
誠 久米
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2250/00Laminate comprising a hologram layer
    • G03H2250/44Colour tuning layer

Abstract

(57)【要約】 【課題】乾式現像が可能で、体積位相型ホログラム記録
媒体上に塗布又はキャスト可能で、体積位相型ホログラ
ムの再生光波長を変換させ再生光波長再現性に優れた液
体状の体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物を提
供する。 【解決手段】体積位相型ホログラムを形成してなる体積
位相型ホログラム層を有するホログラム記録媒体に対し
て、常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上
であるラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合
物または常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃
以上であるカチオン重合性化合物を少なくとも1つ以上
有する光重合性化合物(A)と、光開始剤(B)からなり、体
積位相型ホログラム層を膨潤させ、かつ実質的に透明液
体である体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物で
あり、記録された反射波長を変換することが可能であ
る。各色を必要とするホログラムディスプレイ関連のホ
ログラム光学素子に利用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体積位相型ホログ
ラムの再生光波長を変換する場合に用いられる体積位相
型ホログラム再生光波長変換組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ホログラム作製における一般的な方法
は、多くの文献や専門書に記載されている。例えば、
「ホログラフィ入門 原理と実際」(久保田敏弘著、朝
倉書店)の第一章に書かれている。これによると、ホロ
グラム作製においては干渉性の良いレーザー光等を使用
し、レーザーから出た光をビームスプリッターによって
光を二つに分け、一方の光を対物レンズにより広げて被
写体に当て、被写体の各点から反射光を生じさせる。こ
の反射光はあらゆる方向に広がるため、被写体から適当
な距離にある記録材料(例えば写真フィルム)にその反
射光があたる。もう一方の光をミラーにより方向を変
え、対物レンズで光を広げ記録材料に照射する。記録材
料にこれら二つの光を重ねて露光する。被写体から反射
されてくる光を物体光、もう一方の光を参照光という。
露光した後、現像処理したものがホログラムとなる。記
録された記録材料には被写体らしき物体の像は何もな
く、その代わり参照光と物体光を重ねあわせることで干
渉という現象が生じ、記録材料上には干渉縞模様が記録
されることになる。この縞は干渉縞といわれるものであ
り、この干渉縞には物体の明るさに関する情報(振幅)
とともにどの方向から光が来たかという情報(位相)も
含まれている。これらの情報を干渉縞という形で記録し
たものがホログラムである。ホログラムには上記のよう
な振幅、位相といった情報が記録されているため、記録
を再生したとき三次元的に見えるのである。ホログラム
記録には代表的な二つの記録方式がある。すなわち、透
過型ホログラムと反射型ホログラムである。透過型ホロ
グラムは、参照光と物体光とが記録材料面に対して同じ
側から入射させ記録する方法である。これに対して、参
照光と物体光が互いに反対方向から入射させ記録する方
法を反射型ホログラムと呼ぶ。これらの記録方式は公知
の方法(米国特許第3506327号公報、米国特許3532406号
公報)である。
【0003】ホログラムは物体から伝播してくる光その
ものを干渉縞の形で記録したものであるから、三次元画
像再生ディスプレイ、干渉計測、光学素子などに利用さ
れる。また、ホログラムの再生像は他の技術のものとは
違っており、一見して区別ができるためホログラムはク
レジットカードや有価証券の偽造防止用のマークとして
用いられる。
【0004】反射型ホログラムは、ホログラム記録媒体
中に光学的吸収がなく、記録される干渉縞は記録材料面
にほぼ平行にできるため、干渉フィルターと同じ作用に
より白色光の中から波長幅の狭い特定の波長の光のみが
選択的に反射できるため、近年ではディスプレー用途だ
けではなく、自動車搭載用のヘッドアップディスプレー
(HUD)に代表されるホログラム光学素子(HOE)への応
用が期待される。
【0005】反射型ホログラム記録媒体は、特にアルゴ
ンイオンレーザー光及びクリプトンレーザー光、ヘリウ
ムネオンレーザー光に対して高感度で感光し、且つ高い
解像度を示すことが要求される。また、ホログラムの形
成に用いられる場合、回折効率、再生波長再現性、バン
ド幅(再生光ピークの半値幅)等の特性がその目的に合
うことが要求される。ヘッドアップディスプレー(HU
D)などの場合では、先に記載した特性の他に透明性、
耐候性、耐摩耗性等がさらに要求される。
【0006】ホログラム特性を比較する場合、用いられ
る値として屈折率変調がある。これは記録材料に、二束
の光の角度が同じようにして照射され、回折格子を形成
したとき、その回折格子によって回折される光と入射光
の割合すなわち回折効率と記録材料の厚さによる値であ
る。屈折率変調は体積型ホログラムの露光部および未露
光部、すなわち光の干渉により生じる光の明暗部での屈
折率変化の定量的尺度である。屈折率変調はコーゲルニ
ック(H. Kogelnik)の理論式(Bell. Syst. Tech. J.,
48, 2909,1996)により求めることができる。一般に、
反射型ホログラムは透過型ホログラムに比べ解像度が高
い、すなわち1 mmあたりに形成される干渉縞の数が多い
ため、記録が困難であり、高い回折効率及び屈折率変調
を得ることが難しい。
【0007】現在、反射型ホログラムに使用されている
主な記録材料は、ハロゲン化銀感光材料と重クロム酸ゼ
ラチン、フォトポリマーである。ハロゲン化銀感光材料
はホログラム特性の回折効率、感度ともに高い。しか
し、この材料は記録の保存安定性、銀の粒径により左右
される解像度、記録後の複雑な処理等を列挙すると作業
性の面で十分満足できる材料でないといえる。また、重
クロムゼラチンはハロゲン化銀系材料と異なり光の照射
された部分が黒化することがないため、ホログラム再生
時に光の吸収がない。このため、回折効率の高い二次元
ホログラムや、三次元ホログラムを作製できる。このよ
うにクロム酸ゼラチンは優れた材料で、反射型ホログラ
ム用材料として広く用いられている。しかしながら、こ
の材料の欠点は感度が低く、保存安定性が悪いことと湿
式現像を行うため再現性が悪いことである。
【0008】これに対して、高解像度、高回折効率など
のホログラム特性を備えた材料として、ポリN-ビニルカ
ルバゾールを用いたホログラム記録材料が挙げられる。
ポリN-ビニルカルバゾールに加え、架橋剤として環状シ
ス-α-ジカルボニル化合物と増感剤からなるホログラム
記録材料(特開昭60-45283号公報)、1,2,5,6,7,7-ヘキ
サクロロ-5-ノルボルネン-無水-2,3-ジカルボン酸と色
素からなるホログラム記録材料(特開昭60-227280号公
報)、2,3-ボルナンジオンとチオフラビンからなるホロ
グラム記録材料(特開昭60-260080号公報)、チオフラ
ビンTとヨードホルムからなるホログラム記録材料(特
開昭62-123489号公報)等が提案されている。ところが
これらのホログラム記録材料は、ホログラム露光後の処
理法としてやはり湿式現像方を必要とするため複雑な処
理工程が必須となり、再現性に欠けることになる。ま
た、これらの系ではポリN-ビニルカルバゾールを主剤と
した感光性材料であるため、化学的安定でかつ高解像
度、耐環境性に優れているものの、ポリN-ビニルカルバ
ゾールは結晶化しやすい化合物であり、そのため感光性
材料自体が白化してしまい透明性の再現性が悪くなる。
これらの系では更なる向上が望まれている。
【0009】高感度で硬化できる材料として、光開始剤
の構成成分である、3-ケトクマリン類とジアリールヨー
ドニウム塩との組み合わせで用いる光硬化樹脂組成物
(特開昭60-88005号公報)、更に該光開始剤と担持重合
体としてポリメチルメタクリレートとを組み合わせたホ
ログラム記録材料(特開平4-31590号公報)が提案され
ている。これは化学的に安定でかつ高解像度、高感度で
ある。しかしながら、湿式処理りより空隙を形成させる
ため、再生波長のピーク波長のばらつき、また現像の
際、膨潤溶媒に担持ポリマーが若干溶解するため、現像
むらが起き易いという問題がある。更に、ホログラム中
に空隙が多数存在することから、耐熱性及び耐湿性に劣
るという問題点も有している。
【0010】湿式現像を必要とせずに、一回の処理でホ
ログラムを作製することが可能な光重合性感光材料が、
米国特許第3993485号公報および米国特許第3658526号公
報により提案されている。前者は反応性及び屈折率の異
なる2つの重合可能な不飽和二重結合を有するモノマー
と光開始剤の組み合わせ、例えばシクロヘキシルメタク
リレート、N-ビニルカルバゾールおよびベンゾインメチ
ルエーテルからなり、これらを二枚のガラス基板に封入
し、二光束で露光することによってホログラム記録でき
るホログラム記録材料である。または、同じ程度の屈折
率を持つラジカル重合可能な不飽和二重結合を有するモ
ノマーとそれが重合する際に架橋剤として働く不飽和二
重結合を有するモノマー、および二つのモノマーと屈折
率が異なる非反応性化合物と光開始剤の4成分、例えば
ブチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1-フェニルナフタレンおよびベンゾインメチル
エーテルからなるホログラム記録材料である。これら
は、二光束によってできる干渉縞の光の強度が高い部分
で反応性の高いモノマーが重合し、重合が進むに連れて
モノマーの濃度勾配が生じ、反応性の高いモノマーは光
強度の高い部分に集まり、反応性の低いモノマーは光強
度の低い部分に拡散する。このようにして干渉縞が屈折
率差として記録され、ホログラムが得られる。これらは
湿式現像を必要としないため、再生光ピークの再現性に
優れるホログラム記録材料である。しかしながら、上記
に記載したように二枚のガラス基板に封入した後に露光
を行わなければならいという作業上の欠点がある。
【0011】後者は、樹脂中に液体モノマー及び不飽和
二重結合を有するモノマー及び光開始剤を配合したホロ
グラム記録材料からなる安定なホログラムの製造法が開
示され、化学放射線の一回露光によって、永久的なホロ
グラムが得られる。形成されたホログラムは、引き続き
化学放射線の全面露光により、記録を定着する。
【0012】また、米国特許第3658526号公報に開示さ
れたホログラム記録材料の製造法も含めた改良技術とし
て、米国特許第4942112号公報および米国特許第5098803
号公報、また特開平2-3082号公報に開示されている。こ
れらは熱可塑性樹脂、重合可能な不飽和二重結合を有す
るモノマーおよび光開始剤を基本組成とし、屈折率変調
を向上させるために熱可塑性樹脂または不飽和二重結合
を有するモノマーのどちらか一方に芳香環を有する化合
物を用いて屈折率差をつけている。また、これらと同様
に高分子量の担持重合体をバインダーとして用いた場
合、露光時におけるモノマーの拡散性の制限から、多く
の露光量が必要になると伴に高い回折効率が得られない
ため、非反応性可塑剤を添加している。これらのホログ
ラム記録材料において、比較的屈折率変調の大きくする
ことが可能となった。
【0013】ホログラム記録する場合に用いられるレー
ザー光は固定された波長の光を発し、その光の波長は限
られた数でしかない。例えばアルゴンイオンレーザーは
488nmと514.5nmの波長の光を発し、クリプトンレーザー
は647nm、ヘリウムネオンレーザーは633nmの光を発す
る。反射型ホログラムの場合、記録された反射光はこの
書き込んだレーザー光の波長に依存するため、レーザー
光の発する波長付近の光しか反射できない。結果とし
て、ホログラムにより反射される光の波長を異なる波長
に変換可能にすることが重要になってくる。湿式現像の
場合では、現像工程を制御することで反射光波長を変換
させる。しかし、湿式現像では先に記載したように再現
性、保存安定性に欠けることから、更なる検討を必要と
している。従って現在、再現性、保存性安定性の優れた
波長変換方法及び波長変換材料が要求されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記したホログラム記
録材料は、屈折率変調を得るためのモノマーの重合性或
いは分散性の問題、またモノマーを担持する樹脂及び非
反応性添加剤の添加による保存安定性の問題等や、さら
にはホログラム作製における作業性、回折効率、透明
性、再現性等のホログラム特性の問題を有しているが、
特にこれまでの体積位相型ホログラムの反射型ホログラ
ムを作成する場合において、全てに共通した問題点とし
てレーザー光により作製された反射型ホログラムの反射
光はこの書き込んだレーザー光の波長に依存するため、
レーザー光の発する波長付近の光しか反射できないこと
がある。結果として、ホログラムにより反射される光の
波長を異なる波長に変換可能にすることが必要な場合に
対応できないという問題がある。そこで本発明は、乾式
現像が可能であり、反射型の体積位相型ホログラム記録
媒体上にスピンコート、ロールコーターまたはバーコー
ター等により塗布又はキャストすることが可能で、再生
光波長を変換させ再生光波長再現性に優れた液体状の体
積位相型ホログラム再生光波長変換組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記記載の問題
点を解決すべくなされたものであり、請求項1記載の発
明は、オキシラン環を2個以上有する熱硬化性樹脂、光
重合性モノマー、光開始剤、増感剤とからなり、体積位
相型ホログラムを形成してなる体積位相型ホログラム層
を有するホログラム記録媒体に対して、前記体積位相型
ホログラム層を膨潤させ、かつ実質的に透明液体である
光重合性化合物(A)と光開始剤(B)からなることを特徴と
する体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物であ
る。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載
の体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物におい
て、(A)光重合性化合物が常温、常圧で液体で、かつ常
圧で沸点が100℃以上であるラジカル重合可能な不飽和
二重結合を有する化合物または常温、常圧で液体で、か
つ常圧で沸点が100℃以上であるカチオン重合性化合物
を少なくとも1つ以上有することを特徴とする。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物におい
て、光開始剤(B)は化学作用放射線に露光されるとラジ
カル重合を活性化させるラジカル種を発生する化合物で
あることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明に用いる反射型である体積位相型ホ
ログラム記録材料を構成する成分は、オキシラン環を2
個以上有する熱硬化性樹脂であり、例えばビスフェノー
ルA、ビスフェノールAD、ビスフェノールB、ビスフェノ
ールAF、ビスフェノールS、ブロム化ビスフェノールA、
ノボラック、o-クレゾールノボラック、p-アルキルフェ
ニルノボラック等の各種フェノール化合物とエピクロロ
ヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化合物
が挙げられる。なお、これに限定されることなく、使用
可能なものであれば用いることができる。
【0019】また、体積位相型ホログラム記録材料に
は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を少なくとも1
個以上有し、且つ重合後の屈折率差が成分(A)と0.005以
上のラジカル重合性モノマーが添加される。具体的に
は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メ
タ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2-ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート等の高沸点ビニルモ
ノマー、更には脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオ
ール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、
1,10-デカンジオール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビト
ール、マンニトールなどのジ或いはポリ(メタ)アクリル
酸エステル類が挙げることができる。なお、これらに限
定されることなく、用いることが可能である。
【0020】さらに、化学作用放射線に露光するとラジ
カル重合を活性化させるラジカル種及びブレンステッド
酸もしくはルイス酸を同時に発生する光開始剤を加え
る。具体的にはジアリールヨードニウム塩等が好まし
く、増感色素により有機染料化合物で増感することも可
能である。本発明で用いられるジアリールヨウドニウム
塩としては、Macromolecules,10,1307(1997).に記載さ
れる化合物があり、例えばジフェニルヨードニウム、ジ
トリヨードニウム、フェニル(p-クロロフェニル)ヨード
ニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロミド、或い
はホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘ
キサフルオロアルセネート塩等を挙げることができる
が、上記の特性を満たすものであれば、これらに限定さ
れることなく、用いることが可能である。
【0021】更に、上記記載のジアリールヨードニウム
塩とともに増感色素を用いてもいい。例えばシアニンま
たはメロシアニン誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘
導体などの有機染料化合物が使用できる。以下に具体的
な例を述べる。
【0022】シアニンまたはメロシアニン誘導体の例と
しては、フルオレセン、ローダミン、2',7'-ジクロロフ
ルオレセン、3,3'-ジカルボキシエチル-2,2'-チオシア
ニンブロミド、アンヒドロ-3,3'-ジカルボキシメチル-
2,2'-チオシアニン ベタイン、1-カルボキシメチル-1'
-カルボキシエチル-2,2'-キノシアニン ブロミド、ア
ンヒドロ-3,3'-ジカルボキシエチル-5,5',9-トリエチル
-2,2'-チアカルボキシアニン ベタイン、3,3'-ジヒド
ロキシエチル-5,5'-ジメチル-9-エチル-2,2'-チアカル
ボシアニン ブロミド、アンヒドロ-3,3'-ジカルボキシ
メチル-2,2'-チアカルボシアニン ベタイン、2-[3-エ
チル-4-オキソ-5-(1-エチル-4-キノリニデン)-エチリデ
ン-2-チアゾリニデン-メチル]-3-エチルベンゾキサゾリ
ウム ブロミド、3-エチル-5-[2-(3-エチル-2-ベンゾチ
アゾイリデン)-エチリデン]ローダニン、3-エチル-5-[2
-(3-メチル2(3H)-チアゾリニリデン)-エチリデン]-2-チ
オ-2,4-オキサザリジオン、3-エチル-5-(3-エチル-ベン
ゾチアゾリリデン)ローダミン、2-(p-ジメチルアミノス
チリル)-3-エチル、ベンゾチアゾリウム ヨージド、2-
(p-ジメチルアミノスチリル)-1-エチル ピリジニウム
ヨージド、1,3'-ジメチル-2,2'-キノチアシアニン
ヨージドなどの使用が好ましいが、これらに限定される
ものではない。
【0023】クマリン誘導体の例としては、3-(2'-ベン
ゾイミダゾール)7-N,N-ジエチルアミノクマリン、3,3'-
カルボニルビス(6-メトキシクマリン)、3,3'-カルボニ
ルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3,3'-カルボニル
ビスクマリン、3,3'-カルボニルビス(7-メトキシクマリ
ン)、3,3'-カルボニルビス(5,7-メトキシクマリン)、3,
3'-カルボニルビス(7-アセトキシクマリン)、3,3'-カル
ボニルビス(5,7-ジ-iso-プロポキシクマリン)、3,3'-カ
ルボニルビス(5,7-ジ-n-プロポキシクマリン)、3,3'-カ
ルボニルビス(7-ジメチルアミノクマリン)、7-ジエチル
アミノ-5',7'-ジメトキシ-3,3'-カルボニルビスクマリ
ン、3-ベンゾイルクマリン、3-ベンゾイル-5,7-ジメト
キシクマリン、3-ベンゾイル-6-メトキシクマリン、3-
ベンゾイル-7-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-8-メト
キシクマリン、3-ベンゾイル-8-エトキシクマリン、3-
ベンゾイル-6-ブロモクマリン、3-ベンゾイル-7-ジメチ
ルアミノクマリン、3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノク
マリン、3-ベンゾイル-7-ヒドロキシクマリン、3-アセ
チル-7-ジエチルアミノクマリン、3-アセチル-5,7-ジメ
トキシクマリン、7-ジメチルアミノ-3-(4-ヨードベンゾ
イル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ヨードベンゾ
イル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミ
ノベンゾイル)クマリンなどが挙げられるが、これらに
限定されるものでない。
【0024】カルコン誘導体の例としては、以下の化学
式に示す化合物が挙げられるが、これに限定されるもの
でない。
【0025】
【化1】
【0026】以上の構成からなる体積位相型ホログラム
記録材料の具体的な例を挙げると、オキシラン環を2個
以上を有する熱硬化性樹脂100重量部に対して、ラジカ
ル重合性モノマーを20から80重量部を混合したものであ
る。ラジカル重合性モノマーが20重量部未満では、レー
ザーによるホログラフィック露光で重合するモノマー量
が不足ために、加熱処理後においても高い屈折率変調が
得られず、明るいホログラムを得ることができない。ま
た、100重量部を越えるとモノマー量が過剰となり、最
初のホログラフィック露光で重合が起こらずに系内に残
留するモノマー量が多くなり、この結果、製造工程にお
ける加熱処理において拡散しながら残留するモノマー量
が重合を起こし、一旦形成されたホログラムの干渉縞が
乱れ、高い屈折率変調が得られなくなり、明るいホログ
ラムを得ることができない。また、上記光開始剤の量
は、上記記載の熱硬化性樹脂100重量部に対し0.1から20
重量部、好ましくは1から10重量部である。更に増感色
素の量は上記記載の熱硬化性樹脂100重量部に対して0.5
から10重量部である。使用量は、形成する感光層とその
膜厚の光学濃度により制限を受けるため、光学濃度が2
を越えない範囲で使用することが好ましい。この範囲を
越えると高い回折効率を得ることが困難になるとともに
感度特性が低下する。
【0027】これらの各成分を適宜選択し、任意の割合
で混合して得た感光液をスピンコーター、ロールコータ
ー、バーコーターなどの公知の塗工手段を用いて、ガラ
ス基板、やポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレ
ート板、ポリエステルフィルムなどの基板上に皮膜状に
塗布したホログラム層を有するホログラム記録媒体であ
る。なお、感光液を塗布する際は、必要に応じて適当な
溶剤で希釈しても良いが、その場合には基板上に塗布し
た後に、乾燥を有し、また上記記載のように撮影時の照
射光の透過率が1%以上になるように、調整することが望
ましい。
【0028】さらに体積位相型ホログラム記録材料に
は、必要に応じて公知のバインダー、可塑剤、熱重合禁
止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤などの各種添加剤を加え
てもよい。
【0029】上記の体積位相型ホログラム記録材料を用
いた反射型ホログラム記録媒体1に対してホログラフィ
ック露光を施して潜像を形成する工程を図2の反射型ホ
ログラム撮影用の二光束光学系を説明する概略図によれ
ば、レーザー5から発振されたレーザー光6は、ミラー
7、ビームスプリッター8、スペイシャルフィルター9、
レンズ10を介して反射型ホログラム記録媒体1のホログ
ラム層に照射され、優れたホログラム特性を有する反射
型ホログラムが得られる。
【0030】更に、ホログラフィック露光後、反射型ホ
ログラム記録媒体中の残留したモノマーを固定化させる
手段として、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンラン
プ、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、メタルハライド
ランプ等の全面露光や、オーブンまたはホットプレート
などによる加熱などがあるが、これに限定されるもので
ない。また、これらの方法を二種類以上組み合わせるま
たは逐次行なってもよい。
【0031】本発明は、上記反射型ホログラム記録媒体
の体積位相型ホログラム記録層を膨潤させうる光重合性
化合物(A)が体積位相型ホログラム記録層中に浸透し、
記録された干渉縞を膨潤させることを利用したものであ
る。更に、浸透した化合物を硬化させることで、反射型
ホログラム記録媒体の再生光波長を再現性よく変換させ
る体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物である。
また、光重合性化合物(B)としては、常温、常圧で液体
で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル重合可
能な不飽和二重結合を有する化合物または常温、常圧で
液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるカチオン重
合性化合物を少なくとも1つ以上含まれることが望まし
い。また、固体の光重合性化合物(A)を用いる場合、そ
れを溶解させる液体の光重合性化合物(A)と組み合わせ
て使用してもよい。光重合性化合物(A)は下記に示す化
合物を1つ又は2つ以上を混合して使用してもよい。更
に、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物を併
用してもよい。光重合性化合物(A)のうち、ラジカル重
合可能な不飽和二重結合を有する化合物の具体例とし
て、ポリエステルアクリレート、ポリオール、ポリアク
リレート、変性ポリオールアクリレート、イソシヌアル
酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒ
ダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンア
クリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレ
ート、或いはビスフェノールAジアクリレート、2,2-ビ
ス(4-アクリロキシエトキシ-3,5ジブロモフェニル)プロ
パンなどの多官能アクリレートやこれらのアクリレート
に対応するメタクリレート、またはテトラヒドロフルフ
リルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、
2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ジシクロ
ペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビ
トールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレ
ート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレー
ト、ω-ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルサクシネ
ート、アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニル
アクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、トリ
ブロモフェノキシエチルアクリレート、2-(p-クロロフ
ェノキシ)エチルアクリレート、p-フェニルアクリレー
ト、2-(1-ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o-ビフ
ェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、p-
ブロモベンジルアクリレート、ラウリルアクリレート、
2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート、エチレ
ングリコールモノアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチン
グリコールモノアクリレート、トリエチングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールモノアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロ
ピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコ
ールジアクリレート、ジプロピレングリコールモノアク
リレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ト
リプロピレングリコールモノアクリレート、トリプロピ
レングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリ
コールモノアクリレート、テトラプロピレングリコール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールモノアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、4-ヒド
ロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリ
レート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-アクリ
ロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレー
ト、2-ヒドオロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレー
ト、2-アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレー
ト、2-アクリロイルオキシハイドロゲンフタレート、2-
アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲン
フタレート、及びこれら単官能性アクリレートに対応す
るメタアクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる
がこれらに限定されるものでない。
【0032】更に、光重合性化合物(A)のうち、カチオ
ン重合性化合物の具体例は、カチオン重合性化合物の1
分子中に脂環式エポキシ基、グリシジル基、環状エーテ
ル、環状スルフィド、環状イミン、環状ジスルフィド、
ラクトン、ラクタム、環状ホルマール、環状イミノエー
テル、ビニルエーテル等が少なくとも1つまたは1つ以上
含まれることが望ましい。ジグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエー
テル、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシパーフルオロ
イソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリ
シギルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジ
ルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、p-ターシャリブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、アジピン酸ジグリシジルエステル、オルソフタル酸
ジグリシジルエステル、ジブロモフェニルグリシジルエ
ーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,6-ジメチロ
ールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、4,4'
-ビス(2,3-エポキシプロポキシパーフルオロイソプロ
ピル)ジフェニルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシ
ルメチル-3'、4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート、1,2,5,6-ジエポキシ-4,7-メタノペルヒドロイン
デン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-3'、4'-エポ
キシ-1,3-ジオキサン-5-スピロシクロヘキサン、1,2-エ
チレンジオキシ-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメ
タン)、4'、5'-エポキシ-2'-メチルシクロヘキシルメチ
ル-4,5-エポキシ-2-メチルシクロヘキサンカルボキシレ
ート、エチレングリコール-ビス(3,4-エポキシキクロ
ヘキサンカルキシレート)、ビス-(3,4-エポキシシク
ロヘキシルメチル)アジペート、ジ-2,3-エポキシシク
ロペンチルエーテル、ビニル-2-クロロエチルエーテ
ル、ビニル-nーブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンメタノールジ
ビニルエーテル、トリメチロールメタントリビニルエー
テルビニルグリシジルエーテル、アルダイトCY175(日
本チバガイギ)、アルダイトCY177(日本チバスペシャ
リティーケミカルズ)、アルダイトCY179(日本チバス
ペシャリティーケミカルズ)、アルダイトCY184(日本
チバガイギ)、アルダイトCY192(日本チバガイギ)、
セロキサイト3000(ダイセル化学株式会社)及びこれらの
混合物が挙げられる。これらは用途により二種類以上組
み合わせて用いてもよい。更に、熱可塑性樹脂等やビス
フェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールB、ビ
スフェノールAF、ビスフェノールS、ノボラック、o-ク
レゾールノボラック、p-アルキルフェノールノボラック
等の各種フェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮
合反応により製造されるエポキシ樹脂に代表されるよう
な熱硬化樹脂が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。また、熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂は必要に応
じて2種類以上混合して適用して使用してもよいが光重
合性化合物(A)は本質的に液体となる組成を選ぶ必要が
ある。
【0033】光重合性化合物(A)に溶解する樹脂成分を
加えても良い、具体的にはポリメタクリル酸エステル、
ポリアクリル酸エステル及びそれらの部分加水分解物、
ポリビニルアセテール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニルフォルマール、ポリクロロ
プレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート、メチル
セルロース、塩化ポリエチレン、塩化ポリプロピレン、
ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-N-ビニルピロリド
ン、ポリビニルスチレン、無水マレイン酸、らの単独ま
たは共重合体または混合物を使用してもよいが体積位相
型ホログラム再生光波長変換組成物が液体となる組成を
選ぶ必要がある。
【0034】また、成分(B)の光開始剤としては、紫外
線照射によりフリーラジカルを発生させる化合物1種類
又は複数の化合物からなることを特徴とする。具体的に
は、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラズケトン、2-ク
ロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエ
トキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2-
ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-1,2-
ジフェニルメタン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチ
オ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1、2-ベンジ
ル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブ
タノン-1、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン
-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-
ヒドロキジ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、ビス(シクロ
ペンタジエニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イ
ル)チタニウム、が挙げられるがこれに限定されるもの
に限らない。
【0035】(A)、(B)成分を適宜選択し、任意の割合で
混合して得た体積位相型ホログラム再生光波長変換組成
物を前記反射型ホログラム記録媒体上にスピンコータ
ー、ロールコーター、バーコーター、などの公知の塗工
手段を用いて塗布し、十分な時間放置した後、紫外線ま
たは可視光で全面露光し、固定化させる。この時、加熱
処理を同時または逐次行ってもよい。
【0036】体積位相型ホログラム再生光波長変換組成
物を反射型ホログラム記録媒体上に塗布し、固定化する
手段として、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンラン
プ、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、メタルハライド
ランプ等の全面露光や、オーブンまたはホットプレート
などによる加熱などがあるが、これに限定されるもので
はない。また、これらの方法を二種類以上組み合わせる
または同時または逐次行ってもよい。
【0037】上記反射型ホログラム記録媒体上に体積位
相型ホログラム再生光波長変換組成物を塗布し、全面露
光、加熱、全面露光の工程を経て、再生光波長を変換さ
せる場合に、実質的に液体である体積位相型ホログラム
再生光波長変換組成物が加熱時に反射型ホログラム記録
媒体中に浸透し、記録された干渉縞を膨潤させることを
利用し、反射型ホログラム記録媒体は記録されたレーザ
ー光波長より長波長の光を選択的に反射することができ
る。また、浸透した成分を硬化させることで波長変換し
たホログラム記録媒体の記録を安定化させてもよい。
【0038】
【実施例】次に本発明の実施例を用いて、具体的に説明
する。 《実施例1》ビスフェノールA型エポキシオリゴマー(エ
ピコート1007、油化シェルエポキシ株式会社) 100重量
部、トリエチレングリコールジアルリレート50重量部及
びジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェー
ト5重量部、3-(2'-ベンゾチアゾール)-7-ジエチルアミ
ノクマリン1重量部を2-ブタノン200重量部に混合溶解し
たものを感光液とした。
【0039】感光液をガラス基板に膜厚が約15μmにな
るように塗布し、100℃で5分乾燥した反射型ホログラム
記録媒体を作製し、光源としてアルゴンイオンレーザー
(514.5nm)を用いて二光束で露光後、100℃で30分加熱を
行いホログラムを得た。更に高圧水銀灯で該ホログラム
記録媒体を全面照射することで定着した。光重合性化合
物(A)として、2-ヒドロキシエチルアクリレート40重量
部と2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート80重量
部、ウレタンアクリレート(M-1600、東亜合成化学)120
重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート82
8、油化シェルエポキシ株式会社)80重量部、光開始剤
(B)として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1
0重量部を攪拌し波長変換液とした。
【0040】この波長変換液を前記反射型ホログラム記
録媒体上にロールコーターで塗布し(膜厚は25μm)、高
圧水銀灯で全面露光した。露光終了後、ホットプレート
150℃で10分放置し、再度高圧水銀灯で全面露光を行な
った。
【0041】得られたホログラムの反射光波長及び回折
効率を調べるために、日本分光工業(株)製の分光光度計
により測定した。この回折効率は、日本分光工業(株)
製の分光光度計により測定した。この分光光度計は、幅
3 mmのスリットを有したフォトマルチメーターを、試料
を中心にした半径20 cmの円周上に設置できるものであ
る。測定条件は幅0.3 mmの単色光を試料に45°の角度で
入射し、試料からの回折光を検出した。正反射光以外で
も最も大きな値と、試料をおかず直接入射光を受光した
ときとの比を回折効率とした。 η=It/I0 η ;回折効率 It ; 回折光 I0 ;入射光 その結果、波長変換前の反射光波長は514nmで回折効率
は78%であった。変換後の反射光波長は638nmで回折効率
は74%であった。
【0042】《実施例2〜8》実施例1の光重合性化合物
(A)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わり
に、アルダイドCY175(日本チバガイギ社)、アルダイドC
Y179(日本チバスペシャリティーケミカルズ)、アルダイ
ドCY177(日本チバスペシャリティーケミカルズ)、ジブ
ロモフェニルグリシジルエーテル(DBGE)、セロキサイト
3000(ダイセル化学社)、アルダイドCY184(日本チバガイ
ギ社)、アルダイドCY192(日本チバガイギ社)を用い、以
外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】《実施例9〜13》光重合性化合物(A)とし
て、高臭素化エポキシ樹脂(XAC8101、日本チバガイギ)1
20重量部と2-ヒドロキシエチルアクリレート40重量部と
トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)または2
-アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタ
レート(AOEHPF)または2-ヒドロキシプロピルアクリレー
ト(HPA)、2-アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフ
タレート(AOEHF)またはフェニルアクリレート(FA)を80
重量部、光開始剤(B)として、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフ
ェニルメタン-1-オン5重量部を用いた以外は実施例1と
同様に操作した。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】《比較例1》ポリ酢酸ビニル30重量部、ト
リメチロールプロパントリアクリレート2.5重量部、2-
フェノキシエチルアクリレート10重量部、1,1'-ビイミ
ダゾール2.0重量部、4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-
3-チオール10重量部、シクロペンタノン0.015重量部、
ブチル化ヒドロキシトルエン0.005重量部をメタノール
とジクロロメタン(1:2)混合溶媒200重量部に溶解させた
ものを体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物と
し、フィルム上に塗布、乾燥した固体の体積位相型ホロ
グラム再生光波長変換フィルムを反射型ホログラム上に
接触させた以外は実施例1と同様に操作した。その結果
を表3に示す。ホログラム再生光波長変換物が固体であ
るため、反射波長の長波長化は見られなかった。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】オキシラン環を2個以上有する熱硬化性
樹脂、光重合性モノマー、光開始剤、増感剤とからな
り、体積位相型ホログラムを形成してなる体積位相型ホ
ログラム層を有するホログラム記録媒体に対して、常
温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上である
ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物また
は常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上で
あるカチオン重合性化合物を少なくとも1つ以上有する
光重合性化合物(A)と、光開始剤(B)、からなり、体積位
相型ホログラム層を膨潤させ、かつ実質的に透明液体で
ある体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物を用い
ることにより、記録された反射波長を変換することが可
能となった。特に、各色を必要とするホログラムディス
プレイ関連に用いられるホログラム光学素子への利用が
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる反射型ホログラム記録媒体の断
面図である。
【図2】ホログラム撮影用の二光束光学系を説明する概
略図である。
【符号の説明】
1 ホログラム記録媒体 2 基板 3 感光層(体積位相型ホログラム層) 5 レーザ 6 レーザ光 7 ミラー 8 ビームスプリッター 9 スペイシャルフィルター 10 レンズ 11 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K008 BB04 BB08 DD13 EE04 FF17 HH01 4J011 QA02 QA03 QA06 QA07 QA12 QA13 QA17 QA22 QA23 QB05 QB14 QB16 QB24 QC05 SA21 SA31 SA41 SA64 SA78 SA87 SA90 UA01 UA02 VA01 WA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシラン環を2個以上有する熱硬化性樹
    脂、光重合性モノマー、光開始剤、増感剤とからなり、
    体積位相型ホログラムを形成してなる体積位相型ホログ
    ラム層を有するホログラム記録媒体に対して、前記体積
    位相型ホログラム層を膨潤させ、かつ実質的に透明液体
    である光重合性化合物(A)と光開始剤(B)からなることを
    特徴とする体積位相型ホログラム再生光波長変換組成
    物。
  2. 【請求項2】前記光重合性化合物(A)が常温、常圧で液体
    で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル重合可
    能な不飽和二重結合を有する化合物または常温、常圧で
    液体で、且つ常圧で沸点が100℃以上であるカチオン重
    合性化合物を少なくとも1つ以上有することを特徴とす
    る請求項1記載の体積位相型ホログラム再生光波長変換
    組成物。
  3. 【請求項3】前記光開始剤(B)は化学作用放射線に露光
    されるとラジカル重合を活性化させるラジカル種を発生
    する化合物であることを特徴とする請求項1記載の体積
    位相型ホログラム再生光波長変換組成物。
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