JP2000075774A - ホログラム記録材料 - Google Patents

ホログラム記録材料

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JP2000075774A
JP2000075774A JP24697998A JP24697998A JP2000075774A JP 2000075774 A JP2000075774 A JP 2000075774A JP 24697998 A JP24697998 A JP 24697998A JP 24697998 A JP24697998 A JP 24697998A JP 2000075774 A JP2000075774 A JP 2000075774A
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thermosetting epoxy
hologram
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JP24697998A
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Hiromitsu Ito
浩光 伊藤
Yasushi Oe
靖 大江
Makoto Kume
誠 久米
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐環境性、高解像度、高回折効率、高透明性等
に優れ、しかも屈折率変調の大きな経済的にも改善され
たホログラム記録材料の提供にある。 【解決手段】溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且つ常
温常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴマーAと、
常温、常圧で液体であり且つ常圧で沸点が100℃以上
であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を1個
以上有する脂肪族モノマーBと、化学作用放射線に露光
するとラジカル重合及びカチオン重合を活性化するラジ
カル種及びブレンスッテド酸又はルイス酸を同時に発生
する光開始剤C及び該光開始剤を増感するような増感色
素Dよりなるホログラム記録材料であって、該熱硬化性
エポキシオリゴマーの水酸基を屈折率の高い化合物で修
飾し、その修飾する屈折率の高い化合物が、ベンゼン環
2つ以上の縮合環を含む芳香族化合物誘導体であるホロ
グラム記録材料としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光線、特にア
ルゴンレーザ光及び電子線に対して高感度で、しかもホ
ログラム諸特性値が良好で、保存安定性に優れた体積位
相型ホログラムを得るためのホログラム記録材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、体積位相型ホログラムは、記
録媒体中に光学的吸収ではなく屈折率のことなる空間的
な干渉縞を形成することによって、像を通過する光ビー
ムを吸収することなく位相を変調することができ、その
優れた意匠性が好まれ、書籍、雑誌等の表紙、POPデ
ィスプレイ、ギフト等に利用されている。また、ホログ
ラムはサブミクロンオーダーの情報を記録していること
と等価である為、有価証券、クレジットカード等の偽造
防止にも利用されている。さらに、近年においては、デ
ィスプレイ用途の他に、自動車搭載用のヘッドアップデ
ィスプレイや反射型液晶ディスプレイ用の反射板などに
代表されるホログラム光学素子(HOE)への応用が期
待されている。
【0003】このようなホログラムのためのホログラム
記録材料は、可視発振波長を持つレーザ光に高感度で感
光し、しかも高い解像性を示すことが要求される。ま
た、実際に使用するに当たっては、ホログラムの回折効
率、再生光の波長再現性やバンド幅(再生光ピークの半
値幅)等の特性が目的に合うことが要求される。
【0004】ホログラム作製に関する一般的原理は、い
くつかの文献や専門書、例えば「ホログラフイツクディ
スプレイ」(辻内順平編;産業図書)2章に記載されて
いる。これらによれば、二光束のコヒーレントな一般に
は、レーザ光の一方を記録対象物に照射し、それからの
全反射光を受け取れる位置に感光性の記録媒体、例えば
写真用乾板が置かれる。この記録媒体には、対象物から
の反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象
物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を
対象光、また直接媒体に照射される光を参照光といい、
参照光と対象光との干渉縞が画像情報として記録され
る。次に、処理された記録媒体が光に曝され、適切な目
の位置で観測されると、照明光源からの光は、記録の際
に対象物から記録媒体に最初に到達した反射光の波面を
再現するようにホログラムによって回折され、その結
果、対象物の実像と似た物体像が三次元的に観察され
る。参照光と対象光を同じ方向から記録媒体に入射させ
て形成されるホログラムは透過型ホログラムとして知ら
れている。一方、互いに記録媒体の反対側から入射させ
て形成したホログラムは、一般に反射型ホログラムとし
て知られている。透過型ホログラムは、例えば米国特許
第3,506,327号、米国特許第3,894,78
7号などで開示されているような公知の方法によって得
ることができる。また、反射型ホログラムは、例えば米
国特許第3,532,406号に開示された公知の方法
で作製できる。
【0005】形成されたホログラムを比較する値として
は屈折率変調がある。これは、記録媒体に直接的に二光
束が媒体となす角度が同じにようにして照射し、回折格
子を作製した時、その回折格子によって回折される入射
光の割合すなわち回折効率並びに記録媒体の厚さより特
定される値である。屈折率変調は、体積型ホログラムの
露光部および未露光部、すなわち光が干渉して強め合う
部分と弱め合う部分で生じる屈折率の変化の定量的尺度
であり、コーゲルニツク(H.Kogelnik)の理
論(Bell.Svt.Tech.J.,48,290
9,(1969).)によって求めることができる。一
般に、反射位相型ホログラムは透過型ホログラムに比べ
て解像度が高い、すなわち1mm当たりに形成される干
渉縞の数が多いために記録が困難であり、高い屈折率変
調を得ることが難しい。また、屈折率変調は各々の記録
材料に固有の値で、この値が大きい方が同様の回折効率
を得る為に必要な膜厚を薄くすることができ経済的なメ
リットが大きいと共に、様々な用途への応用面でも有利
である。
【0006】このような体積位相型ホログラムの記録材
料としては、従来、漂白処理銀塩および重クロム酸ゼラ
チン系の感光材料が一般に使用されてきた。重クロム酸
ゼラチン系の感光材料は、その高い回折効率と低ノイズ
特性によって、体積位相型ホログラムを記録するのに最
も広く用いられる材料である。しかし、この感光材料は
貯蔵寿命が短く、作製の度に調製しなければならない。
また、湿式現像を行うため、ホログラム作製の際に必要
となるゼラチンの膨潤および収縮過程においてホログラ
ムの変形を伴う。このため、再現性が悪いという問題点
も有している。また、銀塩感材は、記録後に煩雑な処理
を必要とし、これもまた安定性および作業性の観点から
満足できる感光材料ではない。さらに、これらの感光材
料は、何れも耐環境特性、例えば耐湿性、耐候性に劣る
という問題点を有していた。
【0007】これに対して、耐環境特性に優れ、かつ、
高解像度、高回折効率などのホログラム記録材料の有す
べき特性を備えた材料として、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾールを用いたホログラム記録材料があげられる。例え
ば、架橋剤として環状シス−α−ジカルボニル化合物と
増感剤からなるホログラム記録材料(特開昭60−45
28号)、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5
−ノボルネン−無水−2,3−ジカルボン酸と色素から
なるホログラム記録材料(特開昭60−227280
号)、2,3−ボルナンジオンとチオフラビンからなる
ホログラム記録材料(特開昭60−260080号)、
チオフラビンTとヨードホルムからなるホログラム(特
開昭62−123489号)等が提案されている。これ
らのホログラム記録材料は、やはり湿式現像を必要とす
るため、煩雑な処理工程を必要とし、再現性に劣るとい
う問題点を有している。また、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾールを主剤とした感光材料であるため、化学的安定で
かつ高解像度、耐環境特性に優れているものの、ポリ−
N−ビニルカルバゾールは結晶化して非常に白化しやす
く、透明性の再現性がわるく、また溶剤も限られてしま
うという問題を有している。さらに、感度特性におい
て、なお一層の向上が望まれている。
【0008】そこで高感度で光硬化出来る材料として、
光重合開始剤の構成成分である、3−ケトクマリン類と
ジアリールヨードニウム塩との組み合わせで用いる光硬
化樹脂組成物(特開昭60−88005号)、さらに、
該光重合開始剤と担持重合体としてポリメチルメタクリ
レートとを組み合わせたホログラム記録材料(特開平4
−31590号)が提案された。このものは、化学的に
安定でかつ高解像度、高感度を有しているものの、湿式
処理により空隙を形成させるため、再生波長のピーク波
長のばらつきやピーク波長の半値幅の拡大、また、現像
の際、膨潤溶媒に胆持ポリマーが若干溶解するため、現
像むらが起き易いという問題を有していた。さらに、ホ
ログラム中に空隙が多数存在することから、耐熱性及び
耐熱圧性に劣るという間題点を有していた。
【0009】かかる問題に対して、湿式処理を伴わない
1回の処理工程でホログラムの作製が可能な光重合型感
光材料が、米国特許第3,993,485号および米国
特許第3,658,526号で開示されている。前者は
2つのタイプの感光材料があり、第1の例としては、反
応性および屈折率のことなる2つの重合可能な不飽和エ
チレン性モノマーと光重合開始剤の組み合わせ、例えば
シクロヘキシルメタクリレート、N−ビニルカルバゾー
ルおよびベンゾインメチルエーテルからなり、これを2
枚のガラス板に狭持し、二光束光学系で露光することに
よってホログラム記録できる感光性樹脂組成物である。
また、第2の例としては、同程度の屈折率を持つ重合可
能な不飽和エチレン性モノマーとそれが重合する際に架
橋剤として働く不飽和エチレン性モノマー、および2つ
のモノマーと屈折率を異にする非反応性化合物と重合開
始剤の4成分、例えばブチルメタクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、1−フェニルナフタレン
およびベンゾインメチルエーテルからなり、第1例と同
様にしてホログラムを作製することができる感光性樹脂
組成物である。何れの感光性樹脂組成物を用いても、二
光束によってできる干渉縞の光強度が強くなる部分でよ
り反応性の高いモノマーの重合が進むと共に、モノマー
の濃度勾配が生じ、反応性の高いモノマーは光強度の強
い部分に、また反応性の低いモノマーあるいは非反応性
化合物は光強度の弱い部分に拡散する。このようにして
干渉縞が屈折率の差で記録され、体積位相型ホログラム
が形成される。
【0010】しかしながら、従来のこのようなホログラ
ム記録用感光性樹脂組成物にあっては、次のような問題
点がある。すなわち、上記第1の例で示されたものは、
反応性の低いモノマーもある程度の重合が起こり、高い
屈折率変調が得られない。また第2の例では、非反応性
化合物である1−フェニルナフタレンがホログラム完成
後も、低分子量の化合物として系内に存在し、保存安定
性がない。また、何れの例においても低分子量の混合物
であり、粘度が低いため基板に挟持しにくいことや厚膜
を形成しにくいことなど、作業性および再現性に多いに
問題が残っている。
【0011】また、米国特許第3,658,526号
は、ポリマーマトリックス中に液体モノマーおよび光重
合可能なエチレン性モノマーおよび光重合開始剤を配合
したホログラム記録材料からなる安定なホログラムの製
造方法を開示しており、化学作用放射線の1回露光によ
って、永久的な体積位相型ホログラムが得られる。形成
されるホログラムは、引き続く化学作用放射線の全面照
射によって、定着される。ここで開示されたホログラム
記録材料は作業性や再現性などの点で多くの利点を与え
ようとすものであるが、その回折効率は低い。このホロ
グラム記録材料においては、完成したホログラムの屈折
率変調は、0.001から0.003の範囲である。そ
の結果、形成されたホログラムの再生像は限られた輝度
しか持たない。ホログラム記録層を厚くすることによっ
てある程度の輝度を持たせることも可能ではあるが、こ
の解決方法は、製造者に対して多量のホログラム記録材
料を使用させる結果になると共に、ある媒体、例えば車
載用のヘッドアップディスプレイなどのような合わせガ
ラス中に固定させて用いる場合などに支障をきたす。ま
た、これによって形成されたホログラムは、一般に長時
間保存によって回折効率の低下が起こることも留意され
るべきである。
【0012】この米国特許第3,658,526号で開
示されたホログラム記録材料の製造法も含めた改良技術
として、米国特許4,942,112号および米国特許
5,098,803号、また特開平2−3081号およ
び特開平2−3082号が開示されている。これらは、
熱可塑性樹脂、重合可能な不飽和エチレン性モノマーお
よび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上さ
せるために熱可塑性樹脂または重合可能な不飽和エチレ
ン性モノマーのどちらか一方に芳香環を有する化合物を
用いて屈折率差を持たせる工夫をしている。しかしなが
ら、米国特許第3,658,526号で開示されている
もの同様に、高分子量の樹脂をバインダーマトリクッス
として使用しているため、露光時のモノマーの拡散性が
制限され、多くの露光量が必要となると共に高い回折効
率を得ることができない。また、この点を改善するため
に、非反応性の可塑剤を添加しているが、この使用によ
って、形成されたホログラムの被膜強度に問題点を有す
ると共に、非反応性である可塑剤がホログラム完成後
も、低分子量の化合物として系内に存在し、保存安定性
がない。これに加えて、これを保持する担体が熱可塑性
樹脂であるため、耐熱性に劣る欠点を有している。
【0013】この改良技術として、特開平5−1079
99号が開示されている。この特許における可塑剤の代
わりに、カチオン重合性モノマーおよびカチオン重合開
始剤を配合したものであり、ホログラム形成後に非反応
性の可塑剤が残留する事による問題点は解決されてい
る。しかしながら、ホログラム形成後に定着のためにか
なりの光照射を必要とすると共に、定着の際に低分子量
のカチオン重合性モノマーが拡散するために、形成され
たホログラムに歪が生じ、高い回折効率を得ることがで
きない。また、従来技術同様に、これを保持する担体が
熱可塑性樹脂であるため、耐熱性に劣る欠点を有してい
る。さらに、保持するための担体として、熱可塑性樹脂
を用いない系では、粘度が低いため基板に挟持しにくい
ことや厚膜を形成しにくいことなど、作業性および再現
性に多いに問題が残っている。
【0014】さらに、エポキシ樹脂とラジカル重合性不
飽和エチレン性モノマーおよび光ラジカル重合剤からな
るホログラム記録用感光性樹脂組成物が特開平5−94
014号に開示されている。実施例を見る限り2種類の
エポキシ樹脂が使用されているが、紫外線硬化性エポキ
シ樹脂を用いた場合には、ラジカル重合およびカチオン
重合を別々の波長域の光で行うなどの煩雑な作業を要す
ると共に、モノマーの拡散性を調整するために、前露光
によって粘度を上げるなどの微調整を必要とし、作業性
および再現性が困難である。また、熱硬化性エポキシ樹
脂および硬化剤を用いた場合には、定着のためのエポキ
シ樹脂の硬化にかなりの紫外線硬化と加熱時間を要する
ため、作業性が非常に悪い。加えて、ここで開示された
改良技術においては高い回折効率を得ることができな
い。
【0015】上記の問題を解決すべく、特開平7−26
1640号に溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且つ常
温常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴマーと、常
温、常圧で液体であるラジカル重合可能なエチレン性不
飽和結合を少なくとも1個以上有する脂肪族モノマーと
を基本成分とするホログラム記録材料が開示されてい
る。
【0016】しかしながら、経済面及びより広い用途へ
の応用面を考慮すれば、さらなる改善即ち高い屈折率変
調が要求される。
【0017】かくして、ホログラム記録用のための改良
された記録材料及びそれを用いた光学素子に対する必要
性が存在し続けている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決するものであり、その課題とすると
ころは、化学的安定性例えば耐環境性、高解像度、高回
折効率、高透明性、再生波長再現性に優れ、しかも屈折
率変調の大きな経済的にも、また用途的にも改善された
ホログラム記録材料を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、本質的
に、溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で
固体である熱硬化性エポキシオリゴマー(A)と、常
温、常圧で液体であり且つ常圧で沸点が100℃以上で
あるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なく
とも1個以上有する脂肪族モノマー(B)と、化学作用
放射線に露光するとラジカル重合およびカチオン重合を
活性化するようなラジカル種およびブレンスッテド酸ま
たはルイス酸を同時に発生する光開始剤(C)および該
光開始剤を増感するような増感色素(D)よりなるホロ
グラム記録材料であって、該熱硬化性エポキシオリゴマ
ーの構成ユニットにある水酸基を屈折率の高い化合物で
修飾することを特徴とするホログラム記録材料としたも
のである。
【0020】また、請求項2の発明では、前記熱硬化性
エポキシオリゴマーの構成ユニットにある水酸基を修飾
する屈折率の高い化合物が、ベンゼン環2つ以上の縮合
環を含む芳香族化合物誘導体であることを特徴とする請
求項1記載のホログラム記録材料としたものである。
【0021】また、請求項3の発明では、前記溶媒可溶
性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で固体である熱
硬化性エポキシオリゴマー(A)が一般式、
【化3】 で示されるような熱硬化性エポキシオリゴマーであるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のホログラム記録
材料としたものである。
【0022】また、請求項4の発明では、前記溶媒可溶
性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で固体である熱
硬化性エポキシオリゴマー(A)が一般式、
【化4】 で示されるような水添ビスフェノールA型エポキシオリ
ゴマーであることを特徴とする請求項1または2記載の
ホログラム記録材料としたものである。
【0023】また、請求項5の発明では、前記溶媒可溶
性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で国体である熱
硬化性エポキシオリゴマー(A)のエポキシ当量が、8
00以上で且つデュランス水銀法によって測定される融
点が50℃以上であることを特徴とする請求項1、2、
3または4記載のホログラム記録材料としたものであ
る。
【0024】また、請求項6の発明では、前記溶媒可溶
性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で固体である熱
硬化性エポキシオリゴマー(A)100重量部に対し
て、前記脂肪族モノマー(B)を20から80重量部混
合して成ることを特徴とする請求項1、2、3、4また
は5記載のホログラム記録材料としたものである。
【0025】また、請求項7の発明では、前記光開始剤
(C)が、ジアリールヨードニウム塩であることを特徴
とする請求項1、2、3、4、5または6記載のホログ
ラム記録材料としたものである。
【0026】さらにまた、請求項8の発明では、前記増
感色素(D)が、シアニンまたはメロシアニン系染料、
クマリン系染料、カルコン系染料、ポルフイリン系染料
から選ばれた有機染料化合物であることを特徴とする請
求項1、2、3、4、5、6または7記載のホログラム
記録材料としたものである。
【0027】以上本発明においては、該熱硬化性エポキ
シオリゴマーの構成ユニットにある水酸基を屈折率の高
い化合物で修飾しない場合でも満足なホログラムを作製
することが可能であるが、請求項1に記載したように、
屈折率の高い化合物で修飾することによって、さらに高
い屈折率変調を与えるホログラム記録材料を得ることが
できる。
【0028】本発明で高い屈折率変調によって明るいホ
ログラムを得る唯一の製造方法は、適当なホログラフイ
ツク露光を施して潜像を形成した後、60℃から120
℃で加熱処理することで達成される。加熱処理前に紫外
線やその他の化学作用放射線によって露光するとエポキ
シの加熱硬化による回折効率の向上は見られなくなる。
また、加熱処理によって唯一高い屈折率変調を得るた
め、ホログラフイツク露光時には、前記の米国特許3,
658,526号で開示されている程度の屈折率変調で
も十分であり、必ずしも米国特許4,942,112お
よび米国特許5,098,803号、また特開平2−3
081および特開平2−3082号で記載されているよ
うな高い屈折率変調を必要としない。また、これらの先
行技術の製造方法は、唯一の処理工程として化学作用放
射線に露光すること、さらにホログラムの屈折率調節を
全面露光に続く加熱による工程で行うことが明記されて
いることから、本発明の材料の場合の屈折率変調および
高い回折効率が得られる作用は、これらの先行技術と区
別される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を詳細に
説明する。本発明で用いる成分、溶媒可溶性でカチオン
重合可能で、且つ常温常圧で固体である熱硬化性エポキ
シオリゴマー(A)としては、油化シェルエポキシ社製
のエピコート1055、1044、1007、100
9、1010、1100Lおよび1255HX30、日
本チバ・ガイキー社製のアラルダイト7097、608
4、6097、6099およびXAC5010、東都化
成社製のYDB340、YDB400、YDB500、
YDB406、YDB408、YDB412、阪本薬品
工業社製のSR−T1000、SR−T2000、SR
−T5000、さらにダウケミカル日本社製のD.E.
R.664、667、668および669などに代表さ
れるような一般に市販されているようなビスフェノール
A型エポキシオリゴマーの他に、各種ビスフェノール化
合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応により製造され
るエポキシ化合物、
【化5】
【0030】または、各種水添ビスフェノール化合物と
エピクロロヒドリンとの縮合反応により製造されるエポ
キシ化合物、
【化6】 で示されるような水添ビスフェノールAエポキシオリゴ
マーでなどを挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
【0031】また、上に挙げたエポキシオリゴマーの水
酸基を高屈折率化合物で修飾するには、イソシアネー
ト、酸塩化物、酸無水物、ハロゲン化物等と水酸基との
一般的な反応によって行うことができる。
【0032】尚、安定したホログラム特性や、またガラ
スや各種フィルムなどの支持体上に膜形成した際の安定
性等を考慮すると、水酸基を高屈折率化合物で修飾した
該熱硬化性エポキシオリゴマーのエポキシ当量は400
以上で、且つデュランス水銀法によって測定される融点
が50℃以上であることが好ましい.
【0033】本発明に用いられる成分、常温・常圧で液
体であり且つ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル
重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上
有する脂肪族モノマー(B)としては、構造単位中にエ
チレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含むもので
あり、1官能であるビニルモノマーの他に多官能ビニル
モノマーを含むものである。また、これらの混合物であ
ってもよい。具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族
ポリヒドロキシ化合物、例えば、エチレングルコール、
ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラ
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソル
ビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールなどのジあるいはポリ(メタ)
アクリル酸エステル類等やジメチロールトリシクロデカ
ンモノアクリレートやジメチロールトリシクロデカンジ
アクリレート等の脂環式モノマーが挙げられる。
【0034】本発明で用いられる成分、化学作用放射線
に露光するとラジカル重合およびカチオン重合を活性化
するようなラジカル種およびブレンスッテド酸またはル
イス酸を同時に発生する光開始剤(C)としては、Ma
cromolcules,10,1307(197
7).に記載の化合物、例えば、ジフェニルヨードニウ
ム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)
ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウ
ム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウ
ム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨ
ードニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化
塩、へキサフルオロフオスフェート塩、ヘキサフルオロ
アルセネート塩等のヨードニウム塩の他に、トリアリー
ルスルホニウム塩、トリアリールホスホニウム塩、さら
に鉄アレーン錯体等を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0035】さらに、本発明の増感色素(D)として
は、シアニンまたはメロシアニン系染料、クマリン系染
料、カルコン系染料、ポルフイリン系染料などの有機染
料化合物が使用できる。
【0036】上記シアニンまたはメロシアニン系染料の
例としては、フルオレセン、ローダミン、2’7’−ジ
クロロフルオレセン、3,3’−ジカルボキシエチル−
2,2’−チオシアニン ブロミド、アンヒドロ−3,
3’−ジカルボキシメチル−2,2’−チオシアニン
ベタイン、1−カルボキシメチル−1−カルボキシエチ
ル−2,2’キノシアニン ブロミド、アンヒドロ−
3,3’−ジカルボキシエチル−5,5’,9−トリメ
チル−2,2’−チアカルボシアニン ベタイン、3,
3’−ジヒドロキシエチル−5,5’ジメチル−9−エ
チル−2,2’−チアカルボシアニン ブロミド、アン
ヒドロ−3,3’−ジカルボキシメチル−2,2’−チ
アカルボシアニン ベタイン、2−[3−エチル−4 −
オキソ−5−(1−エチル−4−キノリニデン)−エチ
リデン−2−チアゾリニデン−メチル]−3−エチルゼ
ンゾキサゾリウム ブロミド、3−エチル−5−2−
(3−エチル−2−ベンゾチアゾイリデン)−エチリデ
ン]ローダニン、3−エチルー5−[2−(3−メチル
−2(3H)−チアゾリニリデン)−エチリデン]−2
−チオ−2,4−オキサザリジオン、3−エチル−5−
(3−エチル−ゼンゾチアゾリリデン)ローダニン、2
−(p−ジメチルアミノスチリル)−3−エチル、ベン
ゾチアゾリウムヨージド、2−(p−ジエチルアミノス
チリル)−1−エチルピリジニウムヨージド、1,3’
−ジエチル−2,2’−キノチアシアニンヨージドなど
の使用が好ましいがこの限りではない。
【0037】また、上記クマリン系染料の例としては、
3−(2’−ベンズイミダゾール)7−N,N−ジエチ
ルアミノクマリン、3,3−カルボニルビス(7−ジエ
チルアミノクマリン)、3,3’−カルボニルビスクマ
リン、3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリ
ン)、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシ
クマリン)、3,3’カルボニルビス(6−メトキシク
マリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシ
クマリン)、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−
iso−プロポキシクマリン)、3,3’カルボニルビ
ス(5、7−ジーn−プロポキシクマリン)、3、3’
−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プトキシクマリ
ン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジメチルアミノ
クマリン)、7−ジエチルアミノ−5’,7’ジメトキ
シ−3,3’カルボニルビスクマリン、3−ベンゾイル
クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリ
ン、3−ベンゾイル−6−メトキシクマリン、3−ベン
ゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−
メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−エトキシクマ
リン、3−ベンゾイル−6−ブロモクマリン、3−ベン
ゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル
−7−ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−
ヒドロキシクマリン、3−アセチル−7−ジエチルアミ
ノクマリン、3−アセチル−7−メトキシクマリン、3
−アセチル−5,7−ジメトキシクマリン、7−ジメチ
ルアミノ−3−(4−ヨードベンゾイル)クマリン、7
−ジエチルアミノ−3−(4−ヨードベンゾイル)クマ
リン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノ
ベンゾイル)クマリンなどが挙げられるがこの限りでな
い。
【0038】また、上記カルコン系染料の例としては、
以下の化合物を例示するがこの限りではない。
【化7】
【0039】さらにまた、ポルフイリン系染料として
は、9,10−ジヒドロポルフイリン、5,9,15,
19−テトラメチルポルフイリン、4,5,14,15
−テトラヒドロ−4,9,14,19−テトラメチル−
2,7,12,17−テトラサポルフイリン、メソ−テ
トラフェニルポルフイリン、4,5,9,10,14,
15,19,20−オクタメチルポルフイリン、5,9
−ジアセチル−4,10,14,15,19,20−ヘ
キサメチルポルフイリン、5,9−ジアセチル−14−
エチル−4,10,15,19,20−ペンタメチルポ
ルフイリン、4,9,14,19−テトラメチル−5,
10,15,20−テトラプロピルポルフイリン、2−
アミノ−4,5,9,10,14,15,19,20−
オクタエチルポルフイリン、2−ニトロ−4,5,9,
10,14,15,19,20−オクタエチルポルフイ
リン、メソ−ジフェニルテトラベンゾポルフイリン、
4,5−ジブロモ−9,10,14,15,19,20
−トリベンゾ−2,7,12,17−テロラザポルフイ
リン、4,5,9,10,14,15,19,20−オ
クタフェニルポルフイリン、テトラキス(3,4−ジメ
トキシフェニル)ポルフイリン、4,5,9,10,1
4,15,19,20−オクタ(p−メトキシフェニ
ル)ポルフイリンやそれらの銅、コバルト、ニッケル、
亜鉛、白金、マグネシウムなどの金属錯体などの使用が
好ましいがこの限りではない。
【0040】この他に、(チオ)キサンテン系染料、ア
ズレニウム系染料、スクアリリウム系染料、(チオ)キ
サントン系染料、テトラピラジノポルフイラジン系染料
などの光開始剤(C)を増感する増感色素であれば用い
ることができる。また、これらの増感剤は使用目的によ
って光源となる輻射線の波長に合うように選択すること
ができ、用途によっては2種類以上を組み合わせて使用
しても構わない。
【0041】本発明のホログラム記録材料は、溶媒可溶
性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で固体であり、
構成ユニットにある水酸基を屈折率の高い化合物で修飾
した熱硬化性エポキシオリゴマー(A)と、常温、常圧
で液体であり且つ常圧で沸点が100℃以上であるラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個
以上有する脂肪族モノマー(B)と、化学作用放射線に
露光するとラジカル重合およびカチオン重合を活性化す
るようなラジカル種およびブレンスッテド酸またはルイ
ス酸を同時に発生する光開始剤(C)および光開始剤を
増感するような増感色素(D)よりなり、これらの各成
分を適宜選択し、任意の割合で混合して得た感光液をス
ピンコーター、ロールコータ、バーコーターなどを用い
てガラス板やポリカーポネート板、ポリメチルメタクリ
レート板、ポリエステルフィルムなどの基板上に皮膜状
に塗布したものに、通常のホログラム撮影を行うことに
よってホログラム記録が可能である。尚、感光液を塗布
する際は、必要に応じて適当な溶剤で希釈してもよい
が、その場合には基板上に塗布した後に、乾燥を要す
る。また、撮影時の照射光の透過率が1%以上となるよ
うに、調製することが望ましい。
【0042】本発明のホログラム記録材料には、所望に
応じて熱重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤などの添
加物を加えてもよい。
【0043】本発明のホログラム記録材料である感光性
樹脂組成物に含有される脂肪族モノマー(B)の量は、
溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で固体
である熱硬化性エポキシオリゴマー(A)100重量部
に対して20から80重量部の範囲をとることが可能で
あり、好ましくは40から70重量部の割合で用いる。
20重量部未満では、レーザによるホログラフイツク露
光で重合するモノマー量が不足するために、加熱処理後
においても高い屈折率変調が得られず、明るいホログラ
ムが得られないため好ましくない。また、80重量部を
越えるとモノマー量が過剰となり、最初のホログラフイ
ツク露光で重合が起こらずに系内に残留するモノマー量
が多くなる。この結果、製造工程における加熱に拡散し
ながら重合を起こし、一旦形成されたホログラムの干渉
縞が乱れ、高い屈折率変調が得られず、明るいホログラ
ムが得られないため好ましくない。
【0044】また、光開始剤(C)の量は、上記溶媒可
溶性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で固体である
熱硬化性エポキシオリゴマー(A)100重量部に対
し、0.1から20重量部、好ましくは1から10重量
部である。さらに、該増感剤(D)の添加量は、上記溶
媒可溶性でカチオン重合可能で、且つ常温常圧で固体で
ある熱硬化性エポキシオリゴマー(A)100重量部に
対して0.1から10重量部、好ましくは0.5から2
までの範囲をとることが可能である。使用量は、感光層
膜厚と該膜厚の光学濃度によって制限を受ける。すなわ
ち、光学濃度が2を越えない範囲で使用することが好ま
しい。
【0045】本発明のホログラム記録材料に適した光源
としては、ヘリウム−カドミウムレーザ、アルゴレー
ザ、ヘリウム−ネオンレーザ、クリプトンレーザなどに
よって得られるコヒーレントな可視光が利用できる。
【0046】以上のようなホログラム記録材料を用いた
ホログラム記録において、ラジカル重合可能な脂肪族モ
ノマー(B)は、溶媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬
化性エポキシオリゴマー(A)の固相中に均一に分布し
ているが、該重合性の記録材料にレーザ干渉光を照射す
ることにより、該レーザ照射部位中光干渉作用の強い部
位においては、光開始剤(C)が増感剤(D)の作用に
より、ラジカル重合およびカチオン重合を活性化するよ
うなラジカル種およびブレンスッテド酸またはルイス酸
を同時に発生する。ここで発生したラジカル種によっ
て、前記モノマー(C)が重合しポリマー化するに伴っ
て濃度差が生じ、周囲から該モノマー(C)が拡散移動
する。従って、レーザ照射部位中光干渉作用の強い部位
においては該モノマー濃度が高くなり、レーザ照射部位
中光干渉作用の弱い部位においては低くなる。これに乗
じて、該エポキシオリゴマー(A)はレーザ照射部位中
光干渉作用の弱い部位に押し出され、その部分での濃度
が高くなると共に、レーザ照射部位中光干渉作用の強い
部位での濃度は低下する。これにより、両部位において
屈折率差を生じ、ホログラムの潜像が記録されるものと
推定される。さらに、ホログラム露光後の加熱により、
残留したモノマーが重合により固定されると共に、ラジ
カル種と同時に発生した強酸によつて脂肪族モノマー
(B)の重合によって形成された干渉縞の周りにある支
持体である該エポキシオリゴマーがカチオン重合により
架橋構造になり屈折率が高くなり、屈折率変調が増強さ
れる。また、この架橋によって耐候性も向上するものと
推測する。この際、モノマーとの相互作用を変えずに支
持体となるエポキシオリゴマーの屈折率を上げること
で、ホログラム特性を向上することが可能である。
【0047】本発明のホログラム記録材料は、従来のホ
ログラム記録材料よりも、屈折率変調が大きく回折効率
の高いホログラム得られると共に、再生光のピーク波長
ならびにそのバンド幅の再現性が優れており、さらに耐
環境特性も優れていることから、ホログラム光学素子へ
の応用が可能となる。
【0048】
【実施例】次に実施例により、本発明を具体的に説明す
る。 〈実施例1〉ビスフェノールA系エポキシオリゴマーエ
ピコート1007(油化シェルエポキシ(株)製)の水
酸基を以下のような手順によって、高屈折率化合物で修
飾した。まず20gのエピコート1007を2−ブタノ
ン100mlに溶かし、そこに1−ナフチルイソシアネ
ート3.6g及び少量のピリジンを加え、70℃で2時
間攪拌した。室温まで冷やした後、メタノール中に注い
で目的のエポキシオリゴマーを得た。
【0049】このエポキシオリゴマー100重量部、ト
リエチレングリコールジアクリレート50重量部および
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフオスフェート
5重量部、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルア
ミノ)クマリン1重量部を2−ブタノン200重量部に
混合溶解したものを感光液とした。該感光液をガラス板
に、膜厚が約12μmになるように塗布後、ポリビニル
アルコール(PVA)膜で覆い、ホログラム記録用媒体
を作製した。
【0050】上記ホログラム記録用媒体を、二光束光学
系で光源としてアルゴンレーザ(514.5nm)を用
いて露光することでホログラムを作製した後、100℃
で30分加熱処理を行った。
【0051】〈実施例2〜5〉トリエチレングリコール
ジアクリレート(TEGDA)の代わりにトリプロピレ
ングリコールジアクリレート(TPGDA)、ネオペン
チルグリコールジアクリレート(NPGDA)、エチル
カルビトールアクリレート(EKA)または1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート(HDDA)を用いる以
外は実施例1と同様に操作してホログラムを作製し、実
施例2、3、4、5とした。
【0052】上記実施例1〜5で得られたホログラムの
評価結果を表1に示す。このときの回折効率は、日本分
光工業(株)製の分光光度計で測定した。この装置は、
幅3mmのスリットを有したフォトマルチメーターを、
試料を中心にした半径20cmの円周上に設置できる。
幅0.3mmの単色光を試料に45度の角度で入射し、
試料からの回折光を検出した。正反射光以外で最も大き
な値と、試料を置かずに直接入射光を受光したときとの
比を回折効率とした。また表中のD.E.および△nは
それぞれ回折効率および屈折率変調を示す。
【0053】
【表1】
【0054】〈実施例6〜10〉実施例1で用いたエポ
キシオリゴマーエピコート1007の代わりに、エピコ
ート1009(EP−1009;油化シェルエポキシ
(株)製)、アラルダイト6084(AR−6084;
日本チバ・ガイギー(株)製)、アラルダイト6099
(AR−6099;日本チバ・ガイギー(株)製)、水
添ビスフェノールA型エポキシオリゴマーST−508
0(東都化成(株)製)または臭素化ビスフェノールA
型エポキシオリゴマーアラルダイトXAC5010(日
本チバ・ガイギー(株)製)を用いる以外は実施例1と
同様にして、それらの水酸基と1−ナフチルイソシアネ
ートとを反応し、高屈折率化合物を導入した。これらの
合成したエポキシオリゴマーを用いる以外は実施例1と
同様にしてホログラムを作製し、実施例6、7、8、
9、10とした。これらの評価結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】〈実施例11〉以下の手順で合成したエポ
キシオリゴマーを用いる以外は実施例1と同様にしてホ
ログラムを作製した。
【0057】エピコート1007、13gをジクロロメ
タン100mlに溶かし、その中に少量のピリジン、ジ
メチルアミノピリジン及び5gの2,3,5−トリヨー
ド安息香酸クロライドを加え、一昼夜室温で攪拌した。
その後メタノ−ルに注ぎ、沈澱させた後、真空乾燥して
目的のエポキシオリゴマーを得た。
【0058】〈実施例12〜15〉トリエチレングリコ
ールジアクリレート(TEGDE)の代わりにトリプロ
ピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、エ
チルカルビトールアクリレート(EKA)または1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を用い
る以外は実施例1と同様に操作してホログラムを作製
し、実施例12、13、14、15とした。これらの評
価結果を実施例11とともに表3に示した。
【0059】
【表3】
【0060】〈実施例16〜20〉実施例11で用いた
エポキシオリゴマーエピコート1007の代わりに、エ
ピコート1009(EP1009;油化シェルエポキシ
(株)製)、アラルダイト6084(AR−6084;
日本チバ・ガイギー(株)製)、アラルダイト6099
(AR−6099;日本チバ・ガイキー(株)製)、水
添ビスフェノールA型エポキシオリゴマーST5080
(東都化成(株)製)または臭素化ビスフェノールA型
エポキシオリゴマーアラルダイトXAC5010(日本
チバ・ガイギー(株)製)を用いる以外は実施例1と同
様にして、それらの水酸基と2,3,5−トリヨード安
息香酸クロライドとを反応し、高屈折率化合物を導入し
た。これらの合成したェポキシオリゴマーを用いる以外
は実施例1と同様にしてホログラムを作製し、実施実施
例16、17、18、19、20とした。これらの評価
結果を表4に示した。
【0061】
【表4】
【0062】〈実施例21〉以下の手順で合成したエポ
キシオリゴマーを用いる以外は実施例1と同様にしてホ
ログラムを作製した。
【0063】20gのエピコート1007をジクロロメ
タン100mlに溶かし、その中に少量のピリジン、ジ
メチルアミノピリジン及び4gのナフチル酢酸クロライ
ドを加え、一昼夜室温で攪拌した。その後メタノールに
注ぎ、沈澱させた後、真空乾燥して目的のエポキシオリ
ゴマーを得た。
【0064】〈実施例22〜25〉トリエチレングリコ
ールジアクリレート(TEGDE)の代わりにトリプロ
ピレングリコールジアクリレート(TPGDE)、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、エ
チルカルビトールアクリレート(EKA)または1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を用い
る以外は実施例1と同様に操作してホログラムを作製
し、実施例22、23、24、25とした。この評価結
果を実施例21とともに表5に示した。
【0065】
【表5】
【0066】〈実施例26〜30〉実施例11で用いたエ
ポキシオリゴマーエピコート1007の代わりに、エピ
コート1009(EP−1009;油化シェルエポキシ
(株)製)、アラルダイト6084(AR−6084;
日本チバ・ガイギー(株)製)、アラルダイト6099
(AR−6099;日本チバ・ガイギー(株)製)、水
添ビスフェノールA型エポキシオリゴマーST−508
0(東都化成(株)製)または臭素化ビスフェノールA
型エポキシオリゴマーアラルダイトXAC5010(日
本チバ・ガイギー(株)製)を用いる以外は実施例1と
同様にして、それらの水酸基と2,3,5−トリヨード
安息香酸クロライドとを反応し、高屈折率化合物を導入
した。これらの合成したエポキシオリゴマーを用いる以
外は実施例1と同様にしてホログラムを作製し、実施例
26、27、28、29、30とした。これらの結果を
表6に示した。
【0067】
【表6】
【0068】〈実施例31〜34〉増感剤である3,
3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン
の代わりに、3−エチル−5−[2−(3−エチル−2
−ペンゾチアゾリリデン)エチリデン]ローダニン(D
ye−1とする)、メソ−ジフェニルテトラベンゾポル
フイリン(Dye−2とする)、3−(2’−ベンズイ
ミダゾール)7−N,N−ジエチルアミノクマリン(D
ye−3とする)または2−ベンゾイル−3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−2−プロペネニトリル(Dy
e−4とする)を用いる以外は実施例1と同様に操作
し、実施例31、32、33、34とした。これらの評
価結果を表7に示した。但し、露光に際しては、Dye
−1、Dye−3およびDye−4の場合は、アルゴン
レーザの514.5nmの代わりに488nmの光を使
用した。また、Dye−2の場合には、クリプトンレー
ザの647nmの光を用いた。
【0069】
【表7】
【0070】以上本発明のホログラム記録材料は、可視
光域に優れた感度を有すると共に、解像性、回折効率、
透明性などのホログラム特性に優れたホログラムを乾式
処理で作製可能とすることができる。特に、屈折率変調
が大きいため、幅広い用途での利用が可能である。
【0071】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、溶媒可溶性でカチオン重合
可能で、且つ常温常圧で固体である熱硬化性エポキシオ
リゴマー(A)と、常温、常圧で液体であり且つ常圧で
沸点が100℃以上であるラジカル重合可能なエチレン
性不飽和結合を1個以上有する脂肪族モノマー(B)
と、化学作用放射線に露光するとラジカル重合およびカ
チオン重合を活性化するようなラジカル種およびブレン
スッテド酸またはルイス酸を同時に発生する光開始剤
(C)および該光開始剤を増感するような増感色素
(D)よりなるホログラム記録材料であって、該熱硬化
性エポキシオリゴマーの構成ユニットにある水酸基を屈
折率の高い化合物で修飾するもので、その修飾する屈折
率の高い化合物が、ベンゼン環2つ以上の縮合環を含む
芳香族化合物誘導体であり、また、前記熱硬化性エポキ
シオリゴマー(A)が、前記請求項3または4に記載の
一般式で示されるような熱硬化性エポキシオリゴマーで
あることを特徴とするホログラム記録材料としたので、
可視光域に優れた感度を有すると共に、解像性、回折効
率、透明性などのホログラム特性に優れたホログラムを
乾式処理で作製可能とすることができる。
【0072】従って本発明は、体積位相型ホログラムの
ための記録材料として、特に高い屈折率変調が要求され
る幅広い体積位相型ホログラムの用途に、優れた実用上
の効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA11 AB20 AC08 AD01 AD03 BC32 BC42 BD03 BE00 BE07 CA41 CA42 CA48 CB45 2H096 AA28 AA30 BA05 BA20 EA04 2K008 AA00 AA13 AA14 DD13 FF17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的に、溶媒可溶性でカチオン重合可能
    で、且つ常温常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴ
    マー(A)と、常温、常圧で液体であり且つ常圧で沸点
    が100℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不
    飽和結合を少なくとも1個以上有する脂肪族モノマー
    (B)と、化学作用放射線に露光するとラジカル重合お
    よびカチオン重合を活性化するようなラジカル種および
    ブレンスッテド酸またはルイス酸を同時に発生する光開
    始剤(C)および該光開始剤を増感するような増感色素
    (D)よりなるホログラム記録材料であって、該熱硬化
    性エポキシオリゴマーの構成ユニットにある水酸基を屈
    折率の高い化合物で修飾することを特徴とするホログラ
    ム記録材料。
  2. 【請求項2】前記熱硬化性エポキシオリゴマーの構成ユ
    ニットにある水酸基を修飾する屈折率の高い化合物が、
    ベンゼン環2つ以上の縮合環を含む芳香族化合物誘導体
    であることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録
    材料。
  3. 【請求項3】前記溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且
    つ常温常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴマー
    (A)が一般式、 【化1】 で示されるような熱硬化性エポキシオリゴマーであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のホログラム記録
    材料。
  4. 【請求項4】前記溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且
    つ常温常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴマー
    (A)が一般式、 【化2】 で示されるような水添ビスフェノールA型エポキシオリ
    ゴマーであることを特徴とする請求項1または2記載の
    ホログラム記録材料。
  5. 【請求項5】前記溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且
    つ常温常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴマー
    (A)のエポキシ当量が、800以上で且つデュランス
    水銀法によって測定される融点が50℃以上であること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載のホログラ
    ム記録材料。
  6. 【請求項6】前記溶媒可溶性でカチオン重合可能で、且
    つ常温常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴマー
    (A)100重量部に対して、前記脂肪族モノマー
    (B)を20から80重量部混合して成ることを特徴と
    する請求項1、2、3、4または5記載のホログラム記
    録材料。
  7. 【請求項7】前記光開始剤(C)が、ジアリールヨード
    ニウム塩であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5または6記載のホログラム記録材料。
  8. 【請求項8】前記増感色素(D)が、シアニンまたはメ
    ロシアニン系染料、クマリン系染料、カルコン系染料、
    ポルフイリン系染料から選ばれた有機染料化合物である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または
    7記載のホログラム記録材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013542298A (ja) * 2010-11-15 2013-11-21 上海維凱化学品有限公司 可架橋固形化超分岐ポリエステルおよびその固形化産物とその調製方法
EP1397725B1 (en) * 2001-06-21 2017-12-20 DSM IP Assets B.V. Radiation-curable resin composition and rapid prototyping process using the same

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