JPH08305262A - 透明ホログラム用感光性記録材料と透明ホログラム用感光性記録媒体及びこの感光性記録媒体を用いた透明ホログラムの製造方法 - Google Patents

透明ホログラム用感光性記録材料と透明ホログラム用感光性記録媒体及びこの感光性記録媒体を用いた透明ホログラムの製造方法

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JPH08305262A
JPH08305262A JP12711795A JP12711795A JPH08305262A JP H08305262 A JPH08305262 A JP H08305262A JP 12711795 A JP12711795 A JP 12711795A JP 12711795 A JP12711795 A JP 12711795A JP H08305262 A JPH08305262 A JP H08305262A
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photoinitiator
acid
hologram
sensitizing dye
exposed
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JP12711795A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Ito
浩光 伊藤
Yasushi Oe
靖 大江
Kunihiro Ichimura
國宏 市村
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感度、耐候性、保存性等に優れかつ解像度、
回折効率、透明性等のホログラム特性値が良好な透明ホ
ログラム用感光性記録材料と感光性記録媒体及びこれを
用いた透明ホログラムの製造方法を提供すること。 【構成】 カチオン重合可能な熱硬化性エポキシオリゴ
マーと、常温、常圧で液体でラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を有する脂肪族モノマーと、化学作用放
射線に露光されるとラジカル重合を活性化させるラジカ
ル種及びカチオン重合を活性化させるブレンスッテド酸
若しくはルイス酸を同時に発生する光開始剤と、この光
開始剤を増感しかつアミノ基を有する増感色素と、ブレ
ンステッド酸若しくはルイス酸の作用によりスルホン酸
誘導体を発生して増感色素を退色若しくは消色させる化
合物を主成分とする感光性記録材料。そして上記増感色
素がそのまま系内に残留しても上記化合物の作用で退色
若しくは消色されているためその透明性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体積位相型の透明ホロ
グラムの製造に用いられる透明ホログラム用感光性記録
材料と透明ホログラム用感光性記録媒体及びこの感光性
記録媒体を用いた透明ホログラムの製造方法に係り、特
に、アルゴンレーザ光などの可視光線に対して高感度
で、更に耐候性及び保存安定性に優れ、かつ解像度、回
折効率、透明性等のホログラム特性値が良好な透明ホロ
グラム用感光性記録材料と透明ホログラム用感光性記録
媒体及びこの感光性記録媒体を用いた透明ホログラムの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体積位相型ホログラムは、ホログラム記
録媒体中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる空間的な
干渉縞を形成することによって、像を通過する光ビーム
を吸収することなく位相を変調することができる。そし
て、体積位相型ホログラムは、その優れた意匠性が好ま
れ、書籍、雑誌等の表紙、POPディスプレイ、ギフト
等に利用されている。また、ホログラムはサブミクロン
オーダーの情報を記録していることと等価であるため、
有価証券、クレジットカード等の偽造防止にも利用され
ている。さらに、近年においては、ディスプレイ用途の
他に、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HU
D)に代表されるホログラム光学素子(HOE)への応
用が期待されている。
【0003】ところで、体積位相型ホログラムの製造に
用いられるホログラム用感光性記録材料は、可視発振波
長を持つレーザ光に高感度で感光し、しかも高い解像性
を示すことが要求される。また、実際に使用するに当た
っては、ホログラムの回折効率、再生光の波長再現性や
バンド幅(再生光ピークの半値幅)等の特性が目的に合
うことが要求される。一方、具体的にHUDなどに使用
する場合には、これらのホログラム特性と同様に、また
それ以上に透明性(高い透過性)が重要視される。
【0004】ホログラム作製に関する一般的原理は、い
くつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックデ
ィスプレイ」(辻内順平編;産業図書)2章に記載され
ている。これらによれば、二光束のコヒーレントな光学
系、すなわち、一般にはレーザ光の一方を記録対象物に
照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性
の記録媒体、例えば写真用乾板が置かれる。感光性記録
媒体には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒ
ーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。
対象物からの反射光を対象光、また直接媒体に照射され
る光を参照光といい、参照光と対象光との干渉縞が画像
情報として記録される。次に、処理された記録媒体が光
に曝され、適切な目の位置で観測されると、照明光源か
らの光は、記録の際に対象物から記録媒体に最初に到達
した反射光の波面を再現するようにホログラムによって
回折され、その結果、対象物の実像と似た物体像が三次
元的に観測される。参照光と対象光を同じ方向から記録
媒体に入射させて形成されるホログラムは透過型ホログ
ラムとして知られている。一方、互いに記録媒体の反対
側から入射させて形成したホログラムは、一般に反射型
ホログラムとして知られている。透過型ホログラムは、
例えば米国特許第3506327号公報、米国特許第3
894787号公報などで開示されているような公知の
方法によって得ることができる。また、反射型ホログラ
ムは、例えば米国特許第3532406号公報に開示さ
れた公知の方法で作製できる。
【0005】像として形成されたホログラムのホログラ
ム特性を比較する値としては屈折率変調がある。これ
は、記録媒体に直接的に二光束が媒体となす角度が同じ
にようにして照射し、回折格子を作製した時、その回折
格子によって回折される入射光の割合すなわち回折効率
並びに記録媒体の厚さより特定される値である。屈折率
変調は、体積型ホログラムの露光部および未露光部、す
なわち光が干渉して強め合う部分と弱め合う部分で生じ
る屈折率の変化の定量的尺度であり、コーゲルニック
(H. Kogelnik)の理論式〔Bell.Syst.Tec
h.J.,48,2909,(1969).〕によって
求めることができる。一般に、反射型ホログラムは透過
型ホログラムに比べて1mm当たりに形成される干渉縞
の数が多いために記録が困難であり、高い屈折率変調を
得ることが難しい。
【0006】このような体積位相型ホログラムの記録材
料としては、従来、漂白処理銀塩および重クロム酸ゼラ
チン系の感光材料が一般に使用されてきた。この重クロ
ム酸ゼラチン系の感光材料は、その高い回折効率と低ノ
イズ特性によって、体積位相型ホログラムを記録するの
に最も広く用いられる材料である。しかし、この感光材
料は貯蔵寿命が短く、作製の度に調製しなければならな
い。また、湿式現像を行うため、ホログラム作製の際に
必要となるゼラチンの膨潤および収縮過程においてホロ
グラムの変形を生じる。このため、ホログラムの再現性
が悪いという問題点も有している。また、銀塩感材は、
記録後に煩雑な処理を必要とし、安定性および作業性の
観点から満足できる感光材料ではない。さらに、これら
の上記の感光材料は、何れも耐環境特性、例えば耐湿
性、耐候性に劣るという問題点を有していた。
【0007】これに対して、耐環境特性に優れ、かつ、
高解像度、高回折効率などのホログラム記録材料の有す
べき特性を備えた材料として、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾールを用いたホログラム記録材料があげられる。例え
ば、架橋剤として環状シス−α−ジカルボニル化合物と
増感剤からなるホログラム記録材料(特開昭60−45
283号公報)、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロ
ロ−5−ノルボルネン−無水−2,3−ジカルボン酸と
色素からなるホログラム記録材料(特開昭60−227
280号公報)、2,3−ボルナンジオンとチオフラビ
ンからなるホログラム記録材料(特開昭60−2600
80号公報)、チオフラビンTとヨードホルムからなる
ホログラム(特開昭62−123489号公報)等が提
案されている。ところがこれらのホログラム記録材料
は、やはり湿式現像を必要とするため、煩雑な処理工程
を必要とし、再現性に劣るという問題点を有し、またポ
リ−N−ビニルカルバゾールを主剤とした感光材料であ
るため、化学的安定でかつ高解像度、耐環境特性に優れ
ているものの、ポリ−N−ビニルカルバゾールは結晶化
して非常に白化しやすく、透明性の再現性が悪く、また
溶剤も限られてしまうという問題を有している。加え
て、感度特性において、なお一層の向上が望まれてい
る。
【0008】また、高い感度で光硬化できる記録材料と
して、光重合開始剤の構成成分である、3−ケトクマリ
ン類とジアリールヨードニウム塩との組み合わせで用い
る光硬化樹脂組成物(特開昭60−88005号公
報)、さらに、該光重合開始剤と担持重合体としてポリ
メチルメタクリレートとを組み合わせたホログラム記録
材料(特開平4−31590号公報)が提案されてい
る。しかし、これ等記録材料は化学的に安定でかつ高解
像度、高感度を有しているものの、湿式処理により空隙
を形成させるため、再生波長のピーク波長のばらつきや
ピーク波長の半値幅の拡大、また、現像の際、膨潤溶媒
に担持ポリマーが若干溶解するため、現像むらが起き易
いという問題を有し、さらにホログラム中に空隙が多数
存在することから、耐熱性及び耐熱圧性に劣るという問
題点を有している。
【0009】この様な問題点に対して、湿式処理を伴わ
ない1回の処理工程でホログラムの作製が可能な光重合
型感光性記録材料が米国特許第3993485号公報お
よび米国特許第3658526号公報に開示されてい
る。また、これらの改良技術として米国特許第4942
112号公報、米国特許第5098803号公報、特開
平2−3081号公報、特開平2−3082号公報及び
特開平5−107999号公報などの光重合型感光性記
録材料が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのホロ
グラム用感光性記録材料は、屈折率変調を得るためのモ
ノマーの重合性若しくは分散性の問題、またホログラム
作製における作業性、得られるホログラムの回折効率、
透明性、再現性などホログラム特性が未だ充分でない問
題を有している。
【0011】そして、特に全てに共通して乾式現像法を
採っている関係上、ホログラム製造時に使用した増感色
素がそのまま系内に残留するため、この増感色素に起因
して着色したホログラムしか得られないという問題点を
有していた。これは、高い透過率が要求されるようなヘ
ッドアップディスプレイなどに使用する場合には、非常
に深刻な問題である。
【0012】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、アルゴンレーザ光
などの可視光線に対して高感度で、耐候性及び保存安定
性に優れ、かつ解像度、回折効率、透明性等のホログラ
ム特性値が従来より良好な透明ホログラム用感光性記録
材料と透明ホログラム用感光性記録媒体及びこの感光性
記録媒体を用いた透明ホログラムの製造方法を提供する
ことにある。
【0013】
【発明を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、ホログラフィックな露光を施して体積位相型
の透明ホログラムを得る透明ホログラム用感光性記録材
料を前提とし、溶媒可溶性でかつ常温、常圧で固体であ
る樹脂と、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100
℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合
を少なくとも1個以上有すると共に上記樹脂とその屈折
率が異なる重合性モノマーと、化学作用放射線に露光さ
れるとラジカル重合を活性化させるラジカル種及びブレ
ンステッド酸若しくはルイス酸を同時に発生する第一光
開始剤、または、化学作用放射線に露光されるとラジカ
ル重合を活性化させるラジカル種を発生するラジカル重
合用光開始剤と化学作用放射線に露光されるとブレンス
テッド酸若しくはルイス酸を発生するカチオン重合用光
開始剤から成る第二光開始剤と、上記第一光開始剤また
は第二光開始剤を増感しかつアミノ基を有する増感色素
と、上記ブレンステッド酸若しくはルイス酸の作用によ
りスルホン酸誘導体を発生して上記増感色素を退色若し
くは消色させる化合物、を主成分とすることを特徴とす
る。
【0014】そして、この透明ホログラム用感光性記録
材料においてラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合
を少なくとも1個以上有する重合性モノマーが溶媒可溶
性でかつ常温、常圧で固体である樹脂に均一に分布して
いるが、ホログラム記録においてこの感光性記録材料に
レーザ干渉光(すなわち二光束光学系)が照射される
と、レーザ照射部位中の光干渉作用の強い部位におい
て、感光性記録材料中の第一光開始剤または第二光開始
剤が増感色素の作用によりラジカル重合を活性化させる
ラジカル種及びブレンスッテド酸若しくはルイス酸を同
時に発生する。ここで発生したラジカル種によって上記
重合性モノマーがラジカル重合し、ポリマー化するに従
って感光性記録材料内にその濃度差が生じるため、周囲
から重合性モノマーが移動する。すなわち、レーザ照射
部位中の光干渉作用の強い部位においては重合性モノマ
ー濃度が高くなり、レーザ照射部位中の光干渉作用の弱
い部位においては低くなる。これにより、両部位におい
て屈折率差を生じホログラム記録が行われる。
【0015】次に、上記ホログラムが形成された感光性
記録材料に対し全面露光若しくは加熱処理を施すと、こ
の感光性記録材料内に存在する上記化合物がレーザ干渉
光及び/又は全面露光により生じた上記ブレンスッテド
酸若しくはルイス酸の作用によりスルホン酸誘導体を発
生し、かつ、このスルホン酸誘導体が同じく感光性記録
材料内に残留する増感色素と反応してこの増感色素を退
色若しくは消色させる。すなわち、ホログラムの形成後
に不要になった増感色素のアミノ基が上記化合物から生
じたスルホン酸誘導体によって4級化され、これにより
増感色素の吸収波長域が短波長シフトして紫外域に移る
ため、可視光域(400〜700nm)での退色若しく
は消色が起こっているものと推測される。
【0016】従って、ホログラム製造時に利用された増
感色素がそのまま系内に残留してもこの増感色素は退色
若しくは消色されているため、従来より透明性が良好な
体積位相型ホログラムを得ることが可能となる。
【0017】この様な技術的手段において溶媒可溶性で
かつ常温、常圧で固体である樹脂としては、ポリメタク
リル酸エステル、ポリアクリル酸エステル及びそれらの
部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ポリビニル
フォルマール、ポリビニルアセタール、ポリクロロプレ
ン、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セルロー
スアセテートブチレート、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−N−ビニル
ピロリドン、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/
メタクリル酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体及
びスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アク
リルアミド、メタクリルアミド等の共重合可能なモノマ
ーから成る共重合体などに代表されるような熱可塑性樹
脂や、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフ
ェノールB、ビスフェノールAF、ビスフェノールS、
ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキル
フェノールノボラック等の各種フェノール化合物とエピ
クロロヒドリンとの縮合反応により製造されるエポキシ
樹脂に代表されるような熱硬化性樹脂が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。また、これらの溶媒
可溶性でかつ常温、常圧で固体である熱可塑性樹脂や熱
硬化性樹脂は必要に応じて2種類以上混合して適用する
ことも可能である。
【0018】次に、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点
が100℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不
飽和結合を少なくとも1個以上有すると共に上記樹脂と
その屈折率が異なる重合性モノマーとしては、1官能で
あるビニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含む
ものであり、またこれらの混合物であってもよい。実際
には、Kogelnikの理論により上記樹脂と重合性
モノマーとの屈折率差が0.03以上であることが望ま
しい。具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒ
ドロキシ化合物、例えば、エチレングルコール、ジエチ
レングルコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10
−デカンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、マンニトールなどのジあるいはポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル類等やジメチロールトリシクロデカンモノ
アクリレートやジメチロールトリシクロデカンジアクリ
レート等の脂環式モノマーや芳香族ポリヒドロキシ化合
物、例えばヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピ
ロガロール、ビスフェノールA等のジあるいはポリ(メ
タ)アクリル酸エステル、イソシアヌル酸のエチレンオ
キシド変性(メタ)アクリル酸エステル等の他に2−フ
ェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメ
タクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレ
ート、p−クロロフェニルアクリレート、KAYARAD-R551
(日本化薬製商品名)などが挙げられる。また、これら
は必要に応じて2種類以上を混合して適用することも可
能である。
【0019】尚、上記樹脂成分として熱硬化性エポキシ
オリゴマーを適用しかつ重合性モノマーとして脂肪族モ
ノマーを適用した場合、透明性に加えて回折効率が改善
された体積位相型ホログラムを得ることが可能となる。
請求項2に係る発明はこの様な理由によりなされたもの
である。
【0020】すなわち、請求項2に係る発明は、ホログ
ラフィックな露光を施して体積位相型の透明ホログラム
を得る透明ホログラム用感光性記録材料を前提とし、溶
媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキシオリゴ
マーと、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃
以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を
少なくとも1個以上有すると共に硬化後のエポキシ樹脂
とその屈折率が異なる脂肪族モノマーと、化学作用放射
線に露光されるとラジカル重合を活性化させるラジカル
種及びカチオン重合を活性化させるブレンスッテド酸若
しくはルイス酸を同時に発生する第一光開始剤、また
は、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性
化させるラジカル種を発生するラジカル重合用光開始剤
と化学作用放射線に露光されるとカチオン重合を活性化
させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸を発生するカ
チオン重合用光開始剤から成る第二光開始剤と、上記第
一光開始剤または第二光開始剤を増感しかつアミノ基を
有する増感色素と、上記ブレンステッド酸若しくはルイ
ス酸の作用によりスルホン酸誘導体を発生して上記増感
色素を退色若しくは消色させる化合物、を主成分とし、
かつ、上記熱硬化性エポキシオリゴマー100重量部に
対して脂肪族モノマーが20から80重量部混合されて
いることを特徴とする。
【0021】そして、請求項2に係る透明ホログラム用
感光性記録材料においてラジカル重合可能なエチレン性
不飽和結合を少なくとも1個以上有する脂肪族モノマー
が溶媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキシオ
リゴマーに均一に分布しているが、ホログラム記録にお
いてこの感光性記録材料にレーザ干渉光(すなわち二光
束光学系)が照射されると、レーザ照射部位中の光干渉
作用の強い部位において、感光性記録材料中の第一光開
始剤または第二光開始剤が増感色素の作用によりラジカ
ル重合を活性化させるラジカル種およびカチオン重合を
活性化させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸を同時
に発生する。ここで発生したラジカル種によって脂肪族
モノマーがラジカル重合し、ポリマー化するに従って感
光性記録材料内にその濃度差が生じるため、周囲から脂
肪族モノマーが移動する。すなわち、レーザ照射部位中
の光干渉作用の強い部位においては脂肪族モノマー濃度
が高くなり、レーザ照射部位中の光干渉作用の弱い部位
においては低くなる。これにより、両部位において屈折
率差を生じ請求項1に係る発明と同様にホログラム記録
が行われる。
【0022】更に、レーザ干渉光の露光後において加熱
処理を行うことにより、上記レーザ干渉光照射の際に光
干渉作用の強い部位に上記ラジカル種と同時に発生した
ブレンスッテド酸若しくはルイス酸が作用し、溶媒可溶
性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキシオリゴマーが
光強度分布に従ってカチオン重合し、架橋密度が異なる
構造になることから、レーザ照射部位中、光干渉作用の
強い部位と弱い部位との屈折率差の増大が更に図れる。
このため、請求項1に係る発明に較べより高回折効率の
体積位相型ホログラムが得られる。
【0023】そして、請求項1に係る発明と同様に上記
ホログラムが完成された感光性記録材料に対し全面露光
若しくはホログラム形成時の上記加熱処理より高温の加
熱処理を施すと、この感光性記録材料内に存在する化合
物が上記レーザ干渉光及び/又は全面露光により生じた
ブレンスッテド酸若しくはルイス酸の作用によりスルホ
ン酸誘導体を発生し、かつ、このスルホン酸誘導体が同
じく感光性記録材料内に残留する増感色素と反応してこ
の増感色素を退色若しくは消色させる。すなわち、ホロ
グラムの完成後に不要になった増感色素におけるアミノ
基が上記化合物から生じたスルホン酸誘導体によって4
級化され、これにより増感色素の吸収波長域が短波長シ
フトして紫外域に移るため、可視光域(400〜700
nm)での退色若しくは消色が起こっているものと推測
される。
【0024】従って、ホログラム製造時に利用された増
感色素がそのまま系内に残留してもこの増感色素は退色
若しくは消色されているため、従来より透明性が良好で
かつ高回折効率の体積位相型ホログラムを得ることが可
能となる。
【0025】尚、レーザ干渉光の露光後かつ熱硬化性エ
ポキシオリゴマーの加熱硬化のための加熱処理前に紫外
線やその他の化学作用放射線(電子線、X線、可視光
線、赤外線など)により全面露光を行った場合、回折効
率の向上が見られなくなる。この理由は、上記全面露光
によりブレンスッテド酸若しくはルイス酸が照射部位に
一様に発生してしまい、これに起因してホログラム完成
後の上記熱硬化性エポキシ樹脂の架橋密度が一様になる
ためであると推論している。
【0026】次に、請求項3及び4に係る発明は上記熱
硬化性エポキシオリゴマーを特定した発明に関する。
【0027】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
2記載の発明に係る透明ホログラム用感光性記録材料を
前提とし、上記熱硬化性エポキシオリゴマーが、一般式
(I)で示される熱硬化性エポキシオリゴマー、
【0028】
【化6】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、あるいは、メ
チル基、エチル基、トリフルオロメチル基から選ばれた
官能基を示し、n=1〜20である)或いは、一般式
(II)で示される熱硬化性エポキシオリゴマー、
【0029】
【化7】 (式中、n=1〜20である)或いは、一般式(III)で
示される熱硬化性エポキシオリゴマー、
【0030】
【化8】 (式中、R3 は水素原子またはメチル基を、Xは水素原
子またはハロゲン原子を示し、n=1〜20である)或
いは、一般式(IV)で示される熱硬化性エポキシオリゴ
マー、
【0031】
【化9】 (式中、R4 はアルキル基を示し、n=1〜20であ
る)のいずれかであることを特徴とし、また、請求項4
に係る発明は、上記熱硬化性エポキシオリゴマーが、一
般式(V)
【0032】
【化10】 (式中、n=1〜20である)で示され、かつ、エポキ
シ当量が400から6000、融点が60℃以上である
熱硬化性ビスフェノールA型エポキシオリゴマーである
ことを特徴とする。
【0033】これ等請求項2〜4に係る発明において上
記熱硬化性エポキシオリゴマーとしては、上述した一般
式(I)〜(V)で示される溶媒可溶性でカチオン重合
可能な熱硬化性エポキシオリゴマーが挙げられ、その具
体例として、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、
ビスフェノールB、ビスフェノールAF、ビスフェノー
ルS、ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−ア
ルキルフェノールノボラック等の各種フェノール化合物
とエピクロロヒドリンとの縮合反応により生成される以
下のエポキシ化合物が挙げられる。なおこれらに限定さ
れるものではない。
【0034】すなわち、
【0035】
【化11】 (式中、重合度n=1〜20である)
【0036】
【化12】 (式中、Rは、アルキル基を示し、重合度n=1〜20
である)更に、一般式(V)
【0037】
【化13】 (式中、重合度n=1〜20である)で示され、かつ、
エポキシ当量が400から6000、融点が60℃以上
である熱硬化性ビスフェノールA型エポキシオリゴマー
の適用も可能であり、その具体例として、油化シェルエ
ポキシ社製の商品名エピコート1001,1002,1
004,1007,1009,1010および1100
L、また日本チバ・ガイギー社製の商品名アラルダイト
6071,6084,6097,6099,およびXA
C5010、さらにダウケミカル日本社製の商品名D.
E.R.660,661,662,664,667,6
68,および669などに代表されるような一般に市販
されているようなものが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0038】特に、上記一般式(V)で示される熱硬化
性エポキシオリゴマーのエポキシ当量は400から60
00であることが必要である。すなわち、エポキシ当量
が400未満であると以下に述べる感光液を調製する際
に、一定の粘度を得るために要する熱硬化性エポキシオ
リゴマーの量が増大するために不経済であり、かつ、低
分子であることに起因して定着時に熱硬化性エポキシオ
リゴマーがある程度移動するため明るいホログラムが得
られない傾向がある。一方、6000を越えるエポキシ
当量を有する熱硬化性エポキシオリゴマーでは、一般的
に安定した分子量で再現性良く合成することが困難であ
り、モノマーの拡散性が悪くなるため感度が低下し、か
つ明るいホログラムが得られない。またこの範囲以外で
は良好なカチオン重合が進行しない弊害もある。
【0039】尚、上記一般式(I)又は(II)で示され
た熱硬化性エポキシオリゴマー中のフェニル基に結合し
た水素原子が臭素、塩素等のハロゲン原子で置換された
熱硬化性エポキシオリゴマー、あるいは、上記一般式
(V)で示された熱硬化性エポキシオリゴマー中のフェ
ニル基に結合した水素原子が臭素、塩素等のハロゲン原
子で置換された熱硬化性エポキシオリゴマーの適用も可
能である。
【0040】また、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点
が100℃以上であるラジカル重合可能な脂肪族モノマ
ーとしては、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少
なくとも1個以上含むものであり、1官能であるビニル
モノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであ
り、またこれらの混合物であってもよい。具体的には上
述した重合性モノマーと一部重複するが、(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルア
ミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート等の高沸点ビニルモノマー、さ
らには、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えば、エチレ
ングルコール、ジエチレングルコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、テトラプロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、ソルビトール、マンニトールなどのジあるいは
ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ジシクロペンタニ
ルアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアク
リレートなどの脂環式モノマー等が挙げられるが、好ま
しくは、下記の一般式(VI)で示されるポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレートまたはポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレートを挙げることができ
る。
【0041】
【化14】 (式中、R5 〜R7 は水素またはメチル基であり、m、
nは0以上で、m+n=1〜20である) 次に、請求項1〜4に係る発明において化学作用放射線
に露光されるとラジカル重合を活性化させるラジカル種
及びカチオン重合を活性化させるブレンステッド酸若し
くはルイス酸を同時に発生する第一光開始剤としては、
Macromolecules,10,1307(19
77).に記載の化合物、例えば、ジフェニルヨードニ
ウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシ
ル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨード
ニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウ
ム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨ
ードニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化
塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロ
アルセネート塩等のヨ−ドニウム塩、トリアリールスル
ホニウム塩、トリアリールホスホニウム塩、さらに鉄ア
レーン錯体などが挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。また、2種類以上を混合して適用することも
可能である。
【0042】また、化学作用放射線に露光されるとラジ
カル重合を活性化させるラジカル種を発生するラジカル
重合用光開始剤と化学作用放射線に露光されるとカチオ
ン重合を活性化させるブレンステッド酸若しくはルイス
酸を発生するカチオン重合用光開始剤から成る第二光開
始剤のラジカル重合用光開始剤としては、2,2’−ビ
ス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テト
ラフェニル−1,1’−ビイミダゾールやビス(2,
4,5−トリフェニル)イミダゾリルのようなビスイミ
ダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、4,
4’−ジアジドカルコンのような有機アジド化合物、特
開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、特
開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、
1−メトキシ−4−フェニルピリジウムテトラフェニル
ボレートなどのN−アルコキシピリジウム塩、tert−ブ
チルペルオキシ−iso−ブタレート、2,5−ジメチル
−2,5−ビス(ベンゾイルジオキシ)ヘキサン、1,
4−ビス[α−(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロ
ポキシ]ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキ
シ)ヘキセンヒドロペルオキシド、α−(iso−プロピ
ルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシド、
2,5−ビス(ヒドロペルオキシ)−2,5−ジメチル
ヘキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−
ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、ブチル−4,4−ビス(t−ブチル
ジオキシ)バレレ−ト、シクロヘキサノンペルオキシ
ド、2,2’,5,5’−テトラ(tert−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’
−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−アミル
ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,
4,4’−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシカルボニル)−4,4’−ジカルボキシベンゾ
フェノン、tert−ブチルペルオキシベンゾエ−ト、ジ−
tert−ブチルジペルオキシイソフタレ−トなどの有機過
酸化物や、9,10−アンスラキノン、1−クロロアン
スラキノン、2−クロロアンスラキノン、オクタメチル
アンスラキノン、1,2−ベンズアンスラキノンなどの
キノン類や、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエー
テル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン
などのベンゾイン誘導体などを挙げることがこれらに限
定されるものではない。また、2種類以上を混合して適
用することも可能である。
【0043】他方、カチオン重合用光開始剤としては、
スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル
−4−ヒドロキシスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒ
ドリキシフェニルスルホニウム塩、アリールスルホン酸
p−ニトロベンジルエステル、シラノールアルミニウム
錯体等を挙げることができる。具体的には、ベンゾイン
トシレート、ピロガロールトリメシレート、o−ニトロ
ベンジルトシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレ
ート、N−トシルフタル酸イミド、α−シアノベンジリ
デントシルアミン、p−ニトロベンジル−9,10−ジ
エトキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられ
るがこの限りではない。また、2種類以上を混合して適
用することも可能である。
【0044】次に、上記第一光開始剤または第二光開始
剤を増感し、かつアミノ基を有する増感色素の具体例と
しては、ローダミンB、クリスタルバイオレット、マラ
カイトグリーン、オーラミンO、ホスフィンR、アクリ
ジンオレンジ、アクリジンイエロー、セトフラビンT、
ブリリアントクレイスルブルー、ニュートラルレッド、
チオニン、メチレンブルー、インジゴ、ピナシアノー
ル、テトラフェニルポルフィリン、3,3’−カルボニ
ルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−(2’−
ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリン、3
−(2’−ベンズイミダゾール)−7−ジエチルアミノ
クマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジメチルア
ミノクマリン)、7−ジエチルアミノ−5’,7’−ジ
メトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリン、3−ベ
ンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイ
ル−7−ジエチルアミノクマリン、3−アセチル−7−
ジエチルアミノクマリン、7−ジメチルアミノ−3−
(4−ヨードベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミ
ノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、
2−ベンゾイル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−プロペンニトリル、2,5−ビス[[4−(ジエ
チルアミノ)−フェニル]メチレン]−シクロペンタノ
ン、2,5−ビス[[4−(ジメチルアミノ)−フェニ
ル]メチレン]−シクロペンタノン、2,6−ビス
[[4−(ジエチルアミノ)−フェニル]メチレン]−
シクロヘキサノン、2,6−ビス[[4−(ジメチルア
ミノ)−フェニル]メチレン]−シクロヘキサノン、3
−エチル−2−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニ
リデン)メチル]−3H−ベンゾチアゾリニウムヨージ
ド、3−エチル−2−[(1−エチル−2(1H)−キ
ノリリデン)メチル]ベンゾチアゾリウムヨージド、3
−エチル−2−[3−(3−エチル−2−ベンズオキサ
ゾリニリデン)−1−プロペニル]ベンズオキサゾリニ
ウムヨージド、3−エチル−5−[2−(3−エチル−
2−ベンゾリアゾリニリデン)エチリデン]ローダニ
ン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エチル
ピリジニウムヨージド、2−(p−ジメチルアミノスチ
リル)−3−エチルベンゾチアゾリニウムヨージドなど
を挙げることができる。また、「色素ハンドブック(大
河原 信、北尾悌次郎、平嶋 恒亮、松岡 賢 編、講
談社)」に掲載されている多くのアミノ基を有する色素
化合物を適用することも可能である。
【0045】また、これらの増感色素は使用目的によっ
て光源となる輻射線の波長に合うように選択することが
でき、用途によっては2種類以上を組み合わせて適用し
てもよい。
【0046】また、ブレンステッド酸若しくはルイス酸
の作用によりスルホン酸誘導体を発生して上記増感色素
を退色若しくは消色させる化合物としては、各種のアル
コール化合物とp−トルエンスルホニルクロライドある
いはメタンスルホニルクロライドとの反応によって得ら
れるp−トルエンスルホン酸エステルやメタンスルホン
酸エステルを挙げることができる。その具体例として
は、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニルオキ
シ)−3−ケトブタン酸tertブチルエステル、2−メチ
ル−2−メタンスルホニルオキシ−3−ケトブタン酸te
rtブチルエステル、2−メチル−2−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)−3−ケトブタン酸2−フェニル−2
−プロピルエステル、2−メチル−2−メタンスルホニ
ルオキシ−3−ケトブタン酸2−フェニル−2−プロピ
ルエステル、シス−1−メチル−1−ヒドロキシ−2−
(p−トルエンスルホニルオキシ)ヘキサン、1,2−
エポキシ−2−メチル−3−(p−トルエンスルホニル
オキシ)プロパン、1−(p−トルエンスルホニルオキ
シ)−3−フェニル−3,3−エチレンジオキシプロパ
ンなどがあるがこれらに限られるものではない。また、
これらは2種類以の混合物として適用することも可能で
ある。
【0047】更に、本発明に係る感光性記録材料には、
必要に応じて公知の熱重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防
止剤などの添加物を加えることも可能である。
【0048】このように、これらの各成分を適宜選択
し、任意の割合で混合して得た感光液をスピンコータ
ー、ロールコータ、バーコーターなど公知の塗工手段を
用いて、ガラス板やポリカーボネート板、ポリメチルメ
タクリレート板、ポリエステルフィルムなどの基板上に
皮膜状に塗布したものが本発明に係る透明ホログラム用
感光性記録媒体である。さらに感光層上には空気遮断膜
として保護層を設けてもよい。保護層には例えば上記基
板と同等なもの、或いはポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールまたは
ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック、ガラ
スなど光学的に透明なものを用いて、感光層を挟持する
貼り合わせ、押出機などによる積層、溶液の塗工などに
より形成される。なお、感光液を塗布する際は、必要に
応じて適当な溶剤で希釈してもよいが、その場合には基
板上に塗布した後に、乾燥を要する。また、撮影時の照
射光の透過率が1%以上となるように調製することが望
ましい。上記溶剤としては、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、エ
チルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシ
エチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2
−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテ
ル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−
(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エト
キシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシ
エトキシ)エチルアセテート、1,4−ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等が挙げられる。
【0049】尚、明るいホログラムを得るための上記樹
脂若しくは熱硬化性エポキシオリゴマーと重合性モノマ
ー若しくは脂肪族モノマーとの具体的組合わせについて
は、上述した従来例に係る米国特許第4942112号
公報、米国特許第5098803号公報、特開平2−3
081号公報、特開平2−3082号公報、特開平5−
107999号公報、特開平5−94014号公報の記
載が参照される。
【0050】次に、請求項5〜8に係る発明は、請求項
1若しくは2に係る感光性記録材料を適用して構成され
る透明ホログラム用感光性記録媒体とこれを用いた透明
ホログラムの製造方法を特定した発明に関する。
【0051】すなわち、請求項5に係る発明は、透明ホ
ログラム用感光性記録媒体を前提とし、基板と、溶媒可
溶性でかつ常温、常圧で固体である樹脂と、常温、常圧
で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル
重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上
有すると共に上記樹脂とその屈折率が異なる重合性モノ
マーと、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を
活性化させるラジカル種及びブレンステッド酸若しくは
ルイス酸を同時に発生する第一光開始剤、または、化学
作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性化させる
ラジカル種を発生するラジカル重合用光開始剤と化学作
用放射線に露光されるとブレンステッド酸若しくはルイ
ス酸を発生するカチオン重合用光開始剤から成る第二光
開始剤と、上記第一光開始剤または第二光開始剤を増感
しかつアミノ基を有する増感色素と、上記ブレンステッ
ド酸若しくはルイス酸の作用によりスルホン酸誘導体を
発生して上記増感色素を退色若しくは消色させる化合物
を主成分とする感光性記録材料が含まれる感光液を上記
基板上に塗布、乾燥して形成された感光層と、この感光
層上に設けられた保護層、とで構成されることを特徴と
し、請求項6に係る発明は、基板と、溶媒可溶性でカチ
オン重合可能な熱硬化性エポキシオリゴマーと、常温、
常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上であるラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個
以上有すると共に硬化後のエポキシ樹脂とその屈折率が
異なる脂肪族モノマーと、化学作用放射線に露光される
とラジカル重合を活性化させるラジカル種及びカチオン
重合を活性化させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸
を同時に発生する第一光開始剤、または、化学作用放射
線に露光されるとラジカル重合を活性化させるラジカル
種を発生するラジカル重合用光開始剤と化学作用放射線
に露光されるとカチオン重合を活性化させるブレンスッ
テド酸若しくはルイス酸を発生するカチオン重合用光開
始剤から成る第二光開始剤と、上記第一光開始剤または
第二光開始剤を増感しかつアミノ基を有する増感色素
と、上記ブレンステッド酸若しくはルイス酸の作用によ
りスルホン酸誘導体を発生して上記増感色素を退色若し
くは消色させる化合物を主成分としかつ上記熱硬化性エ
ポキシオリゴマー100重量部に対して脂肪族モノマー
が20から80重量部混合された感光性記録材料が含ま
れる感光液を上記基板上に塗布、乾燥して形成された感
光層と、この感光層上に設けられた保護層、とで構成さ
れることを特徴とする。
【0052】また、請求項7に係る発明は、感光性記録
媒体を用いた透明ホログラムの製造方法を前提とし、基
板と、溶媒可溶性でかつ常温、常圧で固体である樹脂
と、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上
であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少な
くとも1個以上有すると共に上記樹脂とその屈折率が異
なる重合性モノマーと、化学作用放射線に露光されると
ラジカル重合を活性化させるラジカル種及びブレンステ
ッド酸若しくはルイス酸を同時に発生する第一光開始
剤、または、化学作用放射線に露光されるとラジカル重
合を活性化させるラジカル種を発生するラジカル重合用
光開始剤と化学作用放射線に露光されるとブレンステッ
ド酸若しくはルイス酸を発生するカチオン重合用光開始
剤から成る第二光開始剤と、上記第一光開始剤または第
二光開始剤を増感しかつアミノ基を有する増感色素と、
上記ブレンステッド酸若しくはルイス酸の作用によりス
ルホン酸誘導体を発生して上記増感色素を退色若しくは
消色させる化合物を主成分とする感光性記録材料が含ま
れる感光液を上記基板上に塗布、乾燥して形成された感
光層と、この感光層上に設けられた保護層、とで構成さ
れる透明ホログラム用感光性記録媒体の上記感光層に対
しホログラフィックな露光を施して体積位相型ホログラ
ムを形成し、次いで全面露光若しくは加熱処理を施して
ブレンスッテド酸若しくはルイス酸を作用させ上記化合
物からスルホン酸誘導体を発生させると共に、このスル
ホン酸誘導体と増感色素とを反応させて増感色素を退色
若しくは消色させることを特徴とし、請求項8に係る発
明は、基板と、溶媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬化
性エポキシオリゴマーと、常温、常圧で液体でかつ常圧
で沸点が100℃以上であるラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を少なくとも1個以上有すると共に硬化
後のエポキシ樹脂と屈折率の異なる脂肪族モノマーと、
化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性化さ
せるラジカル種およびカチオン重合を活性化させるブレ
ンスッテド酸若しくはルイス酸を同時に発生する第一光
開始剤、または、化学作用放射線に露光されるとラジカ
ル重合を活性化させるラジカル種を発生するラジカル重
合用光開始剤と化学作用放射線に露光されるとカチオン
重合を活性化させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸
を発生するカチオン重合用光開始剤から成る第二光開始
剤と、上記第一光開始剤または第二光開始剤を増感しか
つアミノ基を有する増感色素と、上記ブレンステッド酸
若しくはルイス酸の作用によりスルホン酸誘導体を発生
して上記増感色素を退色若しくは消色させる化合物を主
成分としかつ上記熱硬化性エポキシオリゴマー100重
量部に対して脂肪族モノマーが20から80重量部混合
された感光性記録材料が含まれる感光液を上記基板上に
塗布、乾燥して形成された感光層と、この感光層上に設
けられた保護層、とで構成される透明ホログラム用感光
性記録媒体の上記感光層に対しホログラフィックな露光
を施して潜像を形成し、次いで60〜120℃の範囲で
1〜30分間の加熱処理を施して体積位相型ホログラム
を形成した後、全面露光若しくはホログラム形成時の上
記加熱処理より高温の加熱処理を施してブレンスッテド
酸若しくはルイス酸を作用させ上記化合物からスルホン
酸誘導体を発生させると共に、このスルホン酸誘導体と
増感色素とを反応させて増感色素を退色若しくは消色さ
せることを特徴とするものである。
【0053】
【作用】請求項1、5、7に係る発明によれば、その感
光性記録材料が、溶媒可溶性でかつ常温、常圧で固体で
ある樹脂と、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が10
0℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結
合を少なくとも1個以上有すると共に上記樹脂とその屈
折率が異なる重合性モノマーと、化学作用放射線に露光
されるとラジカル重合を活性化させるラジカル種及びブ
レンステッド酸若しくはルイス酸を同時に発生する第一
光開始剤、または、化学作用放射線に露光されるとラジ
カル重合を活性化させるラジカル種を発生するラジカル
重合用光開始剤と化学作用放射線に露光されるとブレン
ステッド酸若しくはルイス酸を発生するカチオン重合用
光開始剤から成る第二光開始剤と、上記第一光開始剤ま
たは第二光開始剤を増感しかつアミノ基を有する増感色
素と、上記ブレンステッド酸若しくはルイス酸の作用に
よりスルホン酸誘導体を発生して上記増感色素を退色若
しくは消色させる化合物を主成分としホログラムの製造
に適用される前の状態においては上記重合性モノマーが
溶媒可溶性でかつ常温、常圧で固体である樹脂に均一に
分布している。
【0054】そして、ホログラム記録においてこの感光
性記録材料にレーザ干渉光が照射されると、レーザ照射
部位中の光干渉作用の強い部位において、感光性記録材
料中の第一光開始剤または第二光開始剤が増感色素の作
用によりラジカル重合を活性化させるラジカル種及びブ
レンスッテド酸若しくはルイス酸を同時に発生する。こ
こで発生したラジカル種によって上記重合性モノマーが
ラジカル重合し、ポリマー化するに従って感光性記録材
料内にその濃度差が生じるため、周囲から重合性モノマ
ーが移動する。すなわち、レーザ照射部位中の光干渉作
用の強い部位においては重合性モノマー濃度が高くな
り、レーザ照射部位中の光干渉作用の弱い部位において
は低くなる。これにより、両部位において屈折率差を生
じホログラム記録が行われる。
【0055】次に、上記ホログラムが形成された感光性
記録材料に対し全面露光若しくは加熱処理を施すと、こ
の感光性記録材料内に存在する上記化合物がレーザ干渉
光及び/又は全面露光により生じた上記ブレンスッテド
酸若しくはルイス酸の作用によりスルホン酸誘導体を発
生し、かつ、このスルホン酸誘導体が同じく感光性記録
材料内に残留する増感色素と反応してこの増感色素を退
色若しくは消色させる。すなわち、ホログラムの完成後
に不要になった増感色素のアミノ基が上記化合物から生
じたスルホン酸誘導体によって4級化され、これにより
増感色素の吸収波長域が短波長シフトして紫外域に移る
ため、可視光域での退色若しくは消色が起こっているも
のと推測される。
【0056】従って、ホログラム製造時に利用された増
感色素がそのまま系内に残留してもこの増感色素は退色
若しくは消色されているため、従来より透明性が良好な
体積位相型ホログラムを得ることが可能となる。
【0057】また、請求項2、3、4、6、8に係る発
明によれば、その感光性記録材料が、溶媒可溶性でカチ
オン重合可能な熱硬化性エポキシオリゴマーと、常温、
常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上であるラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個
以上有すると共に硬化後のエポキシ樹脂とその屈折率が
異なる脂肪族モノマーと、化学作用放射線に露光される
とラジカル重合を活性化させるラジカル種及びカチオン
重合を活性化させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸
を同時に発生する第一光開始剤、または、化学作用放射
線に露光されるとラジカル重合を活性化させるラジカル
種を発生するラジカル重合用光開始剤と化学作用放射線
に露光されるとカチオン重合を活性化させるブレンスッ
テド酸若しくはルイス酸を発生するカチオン重合用光開
始剤から成る第二光開始剤と、上記第一光開始剤または
第二光開始剤を増感しかつアミノ基を有する増感色素
と、上記ブレンステッド酸若しくはルイス酸の作用によ
りスルホン酸誘導体を発生して上記増感色素を退色若し
くは消色させる化合物を主成分とし、かつ、上記熱硬化
性エポキシオリゴマー100重量部に対して脂肪族モノ
マーが20から80重量部混合されて成り、ホログラム
の製造に適用される前の状態においては上記脂肪族モノ
マーが溶媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキ
シオリゴマーに均一に分布している。
【0058】そして、ホログラム記録においてこの感光
性記録材料にレーザ干渉光が照射されると、レーザ照射
部位中の光干渉作用の強い部位において、感光性記録材
料中の第一光開始剤または第二光開始剤が増感色素の作
用によりラジカル重合を活性化させるラジカル種および
カチオン重合を活性化させるブレンスッテド酸若しくは
ルイス酸を同時に発生する。ここで発生したラジカル種
によって脂肪族モノマーがラジカル重合し、ポリマー化
するに従って感光性記録材料内にその濃度差が生じるた
め、周囲から脂肪族モノマーが移動する。すなわち、レ
ーザ照射部位中の光干渉作用の強い部位においては脂肪
族モノマー濃度が高くなり、レーザ照射部位中の光干渉
作用の弱い部位においては低くなる。これにより、両部
位において屈折率差を生じ請求項1に係る発明と同様に
ホログラム記録が行われる。
【0059】更に、レーザ干渉光の露光後において加熱
処理を行うことにより、上記レーザ干渉光照射の際に光
干渉作用の強い部位に上記ラジカル種と同時に発生した
ブレンスッテド酸若しくはルイス酸が作用し、溶媒可溶
性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキシオリゴマーが
光強度分布に従ってカチオン重合し、架橋密度が異なる
構造になることから、レーザ照射部位中、光干渉作用の
強い部位と弱い部位との屈折率差の増大が更に図れる。
このため、請求項1に係る発明に較べより高回折効率の
体積位相型ホログラムが得られる。
【0060】そして、請求項1に係る発明と同様に上記
ホログラムが完成された感光性記録材料に対し全面露光
若しくはホログラム形成時の上記加熱処理より高温の加
熱処理を施すと、この感光性記録材料内に存在する化合
物が上記レーザ干渉光及び/又は全面露光により生じた
ブレンスッテド酸若しくはルイス酸の作用によりスルホ
ン酸誘導体を発生し、かつ、このスルホン酸誘導体が同
じく感光性記録材料内に残留する増感色素と反応してこ
の増感色素を退色若しくは消色させる。すなわち、ホロ
グラムの完成後に不要になった増感色素におけるアミノ
基が上記化合物から生じたスルホン酸誘導体によって4
級化され、これにより増感色素の吸収波長域が短波長シ
フトして紫外域に移るため、可視光域での退色若しくは
消色が起こっているものと推測される。
【0061】従って、ホログラム製造時に利用された増
感色素がそのまま系内に残留してもこの増感色素は退色
若しくは消色されているため、従来より透明性が良好で
かつ高回折効率の体積位相型ホログラムを得ることが可
能となる。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0063】[実施例1]まず、アセト酢酸tert−ブチ
ルエステルをテロラヒドロフラン中水素化ナトリウムの
存在下でヨウ化メチルと反応させて得た2−メチル−3
−ケトブタン酸tert−ブチルエステルを、エタノール中
水素化カリウム存在下でホルマリンと反応させた。生成
した2−ヒドロキシメチル−2−メチル−3−ケトブタ
ン酸tert−ブチルエステルをジクロロメタン中トリエチ
ルアミン存在下でp−トルエンスルホニルクロライドと
反応させて、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニ
ルオキシ)−3−ケトブタン酸tertブチルエステルを得
た。
【0064】次に、ビスフェノールA系エポキシオリゴ
マー『エピコート1007』[重合度n=10.8、エ
ポキシ当量:1750−2100、油化シェルエポキシ
(株)製商品名]100重量部、トリエチレングリコー
ルジアクリレート50重量部およびジフェニルヨードニ
ウムヘキサフルオロフォスフェート5重量部、3−
(2’−ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマ
リン1重量部、上記2−メチル−2−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)−3−ケトブタン酸tertブチルエステ
ル5重量部を、2−ブタノン200重量部に混合溶解し
たものを感光液とした。
【0065】そして、この感光液をガラス板に膜厚が約
15ミクロンになるように塗布し、100℃で5分間乾
燥した後、PETフィルムで保護層を設け透明ホログラ
ム用感光性記録媒体を作製した。
【0066】次に、この透明ホログラム用感光性記録媒
体を、二光束光学系で光源としてアルゴンレーザ(51
4.5nm)を用いて露光後、100℃で30分加熱処
理を行いホログラムを作製した。
【0067】更に、感光層全体で2−メチル−2−(p
−トルエンスルホニルオキシ)−3−ケトブタン酸tert
ブチルエステルの分解によるp−トルエンスルホン酸の
発生を促進させるため高圧水銀灯で100mJ/cm2
の光照射を行った。
【0068】この時のホログラムの可視光域(400〜
700nm)での平均透過率は90%であった。また、
このホログラムをさらに150℃で1時間加熱しても酸
化等による着色は起こらず、可視光域(400〜700
nm)での平均透過率は相変わらず90%であった。
【0069】また、得られたホログラムの回折効率につ
いて、日本分光工業(株)製の分光光度計により測定し
た。この分光光度計は、幅3mmのスリットを有したフ
ォトマルチメーターを、試料を中心にした半径20cm
の円周上に設置できるものである。測定条件は幅0.3
mmの単色光を試料に45度の角度で入射し、試料から
の回折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、
試料を置かずに直接入射光を受光したときとの比を回折
効率とした。そのときの回折効率は82%であり、屈折
率変調は0.0172であった。
【0070】[実施例2−5]実施例1において適用し
た3−(2’−ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミ
ノクマリン(Dye-1)に代えて、3,3’−カルボニル
ビス(7−ジエチルアミノクマリン)(Dye-2)、2,
5−ビス[[4−(ジエチルアミノ)−フェニル]メチ
レン]−シクロペンタノン(Dye-3)、2,6−ビス
[[4−(ジメチルアミノ)−フェニル]メチレン]−
シクロヘキサノン(Dye-4)あるいは3−エチル−5−
[2−(3−エチル−2−ベンゾリアゾリニリデン)エ
チリデン]ローダニン(Dye-5)を用いた以外は実施例
1と同様に操作してホログラムを作製した。その時の評
価結果を実施例1の結果も併せて表1に示す。
【0071】但し、表中のT−1は光照射時の可視光域
(400〜700nm)における平均透過率を示し、T
−2はさらに150℃で1時間加熱したときのそれを示
す。また、D.E.及びR.I.Cはそれぞれ回折効率
及び屈折率変調を示す。
【0072】
【表1】 Dye-1; 3−(2’−ベンゾチアゾール)−7−ジエ
チルアミノクマリン Dye-2; 3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルア
ミノクマリン) Dye-3; 2,5−ビス[[4−(ジエチルアミノ)−
フェニル]メチレン]−シクロペンタノン Dye-4; 2,6−ビス[[4−(ジメチルアミノ)−
フェニル]メチレン]−シクロヘキサノン Dye-5; 3−エチル−5−[2−(3−エチル−2−
ベンゾリアゾリニリデン)エチリデン]ローダニン [実施例6−10]実施例1〜5において適用したビス
フェノールA系エポキシオリゴマー『エピコート100
7』[油化シェルエポキシ(株)製商品名]に代えて酢
酸ビニルを用い、またトリエチレングリコールジアクリ
レートに代えてKAYARAD−R551(日本化薬社製商品名)
を用いた以外は実施例1〜5と同様に操作してホログラ
ムを作製した。評価結果を表2に示す。
【0073】
【表2】 [実施例11−15]実施例1において適用したp−ト
ルエンスルホニルクロライドに代えてメタンスルホニル
クロライドを用い、2−メチル−2−メタンスルホニル
オキシ−3−ケトブタン酸tertブチルエステルを得た。
【0074】そして、実施例1〜5において適用した2
−メチル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−3
−ケトブタン酸tertブチルエステルに代えて、上記2−
メチル−2−メタンスルホニルオキシ−3−ケトブタン
酸tertブチルエステルを適用した点を除き実施例1〜5
と同様に操作してホログラムを作製した。
【0075】評価結果を表3に示す。
【0076】
【表3】 [実施例16−20]1−メチルシクロヘキセンを酸化
オスミウムの存在下で酸化して1−メチル−1,2−ジ
ヒドロキシヘキサンを得た。これをトリエチルアミンの
存在下でp−トルエンスルホニルクロライドと反応させ
シス−1−メチル−1−ヒドロキシ−2−(p−トルエ
ンスルホニルオキシ)ヘキサンを得た。
【0077】そして、実施例11〜15において適用し
た2−メチル−2−メタンスルホニルオキシ−3−ケト
ブタン酸tertブチルエステルに代えて、上記シス−1−
メチル−1−ヒドロキシ−2−(p−トルエンスルホニ
ルオキシ)ヘキサンを適用した点を除き実施例11〜1
5と同様に操作してホログラムを作製した。
【0078】評価結果を表4に示す。
【0079】
【表4】 [実施例21−25]実施例1〜5において適用したジ
フェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート5
重量部に代えて、3,3’,4,4’−テトラ(tert−
ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン5重量
部、p−ニトロベンジル−9,10−ジアントラセン−
2−スルホネート3重量部を適用した点を除き実施例1
〜5と同様に操作してホログラムを作製した。
【0080】評価結果を表5に示す。
【0081】
【表5】 [実施例26−30]実施例21〜25において適用し
た3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキ
シカルボニル)ベンゾフェノンに代えて2,2’−ビス
(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
フェニル−1,1’−ビイミダゾールを、またp−ニト
ロベンジル−9,10−ジアントラセン−2−スルホネ
ートに代えてDNB−105[スルホン酸エステル類;
みどり化学(株)社製]を適用した点を除き実施例21
〜25と同様に操作してホログラムを作製した。
【0082】評価結果を表6に示す。
【0083】
【表6】 [比較例1−5]実施例1〜5において適用した2−メ
チル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−3−ケ
トブタン酸tertブチルエステルを添加しない点を除き実
施例1〜5と同様に操作してホログラムを作製した。評
価結果を表7に示す。
【0084】
【表7】 『確認』回折効率及び屈折率変調については実施例1〜
5と比較例1〜5とではほとんど変化しないが、透明性
に大きな違いが生じた。
【0085】すなわち、2−メチル−2−(p−トルエ
ンスルホニルオキシ)−3−ケトブタン酸tertブチルエ
ステルを添加しない各比較例では透過性が20〜30%
低下する。そして、これは150℃に加熱したときにさ
らに低下することが確認された。
【0086】[比較例6−10]実施例16〜20にお
いて適用されたシス−1−メチル−1−ヒドロキシ−2
−(p−トルエンスルホニルオキシ)ヘキサンを添加し
ない点を除き実施例16〜20と同様に操作してホログ
ラムを作製した。評価結果を表8に示す。
【0087】
【表8】 『確認』そして、この場合においても比較例1〜5と同
様に透過性が大きく低下することが確認された。
【0088】[比較例11]実施例22において適用し
た2−メチル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)
−3−ケトブタン酸tertブチルエステルを添加しない点
を除き実施例22と同様に操作してホログラムを作製し
た。そして、このホログラムに対して実施例22と同程
度の退色が起こるように高圧水銀灯で光照射を試みた。
しかし、10J/cm2 の光エネルギーを与えても可視
光域での平均透過率は80%程度であった。
【0089】
【発明の効果】請求項1、5、7に係る発明によれば、
ホログラム製造時に利用された増感色素がそのまま系内
に残留してもこの増感色素は退色若しくは消色されてい
るため、従来より透明性が良好な体積位相型ホログラム
を得られる効果を有する。
【0090】また、請求項2、3、4、6、8に係る発
明によれば、ホログラム製造時に利用された増感色素が
そのまま系内に残留してもこの増感色素は退色若しくは
消色されているため、従来より透明性が良好でかつ高回
折効率の体積位相型ホログラムを得られる効果を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 503 G03F 7/038 503

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホログラフィックな露光を施して体積位相
    型の透明ホログラムを得る透明ホログラム用感光性記録
    材料において、 溶媒可溶性でかつ常温、常圧で固体である樹脂と、 常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上であ
    るラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくと
    も1個以上有すると共に上記樹脂とその屈折率が異なる
    重合性モノマーと、 化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性化さ
    せるラジカル種及びブレンステッド酸若しくはルイス酸
    を同時に発生する第一光開始剤、 または、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を
    活性化させるラジカル種を発生するラジカル重合用光開
    始剤と化学作用放射線に露光されるとブレンステッド酸
    若しくはルイス酸を発生するカチオン重合用光開始剤か
    ら成る第二光開始剤と、 上記第一光開始剤または第二光開始剤を増感しかつアミ
    ノ基を有する増感色素と、 上記ブレンステッド酸若しくはルイス酸の作用によりス
    ルホン酸誘導体を発生して上記増感色素を退色若しくは
    消色させる化合物、を主成分とすることを特徴とする透
    明ホログラム用感光性記録材料。
  2. 【請求項2】ホログラフィックな露光を施して体積位相
    型の透明ホログラムを得る透明ホログラム用感光性記録
    材料において、 溶媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキシオリ
    ゴマーと、 常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上であ
    るラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくと
    も1個以上有すると共に硬化後のエポキシ樹脂とその屈
    折率が異なる脂肪族モノマーと、 化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性化さ
    せるラジカル種及びカチオン重合を活性化させるブレン
    スッテド酸若しくはルイス酸を同時に発生する第一光開
    始剤、 または、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を
    活性化させるラジカル種を発生するラジカル重合用光開
    始剤と化学作用放射線に露光されるとカチオン重合を活
    性化させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸を発生す
    るカチオン重合用光開始剤から成る第二光開始剤と、 上記第一光開始剤または第二光開始剤を増感しかつアミ
    ノ基を有する増感色素と、 上記ブレンステッド酸若しくはルイス酸の作用によりス
    ルホン酸誘導体を発生して上記増感色素を退色若しくは
    消色させる化合物、を主成分とし、かつ、上記熱硬化性
    エポキシオリゴマー100重量部に対して脂肪族モノマ
    ーが20から80重量部混合されていることを特徴とす
    る透明ホログラム用感光性記録材料。
  3. 【請求項3】上記熱硬化性エポキシオリゴマーが、 一般式(I)で示される熱硬化性エポキシオリゴマー、 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、あるいは、メ
    チル基、エチル基、トリフルオロメチル基から選ばれた
    官能基を示し、n=1〜20である) 或いは、一般式(II)で示される熱硬化性エポキシオリ
    ゴマー、 【化2】 (式中、n=1〜20である) 或いは、一般式(III)で示される熱硬化性エポキシオリ
    ゴマー、 【化3】 (式中、R3 は水素原子またはメチル基を、Xは水素原
    子またはハロゲン原子を示し、n=1〜20である) 或いは、一般式(IV)で示される熱硬化性エポキシオリ
    ゴマー、 【化4】 (式中、R4 はアルキル基を示し、n=1〜20であ
    る)のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の
    透明ホログラム用感光性記録材料。
  4. 【請求項4】上記熱硬化性エポキシオリゴマーが、 一般式(V) 【化5】 (式中、n=1〜20である)で示され、かつ、エポキ
    シ当量が400から6000、融点が60℃以上である
    熱硬化性ビスフェノールA型エポキシオリゴマーである
    ことを特徴とする請求項2記載の透明ホログラム用感光
    性記録材料。
  5. 【請求項5】基板と、 溶媒可溶性でかつ常温、常圧で固体である樹脂と、常
    温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上である
    ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
    1個以上有すると共に上記樹脂とその屈折率が異なる重
    合性モノマーと、化学作用放射線に露光されるとラジカ
    ル重合を活性化させるラジカル種及びブレンステッド酸
    若しくはルイス酸を同時に発生する第一光開始剤、また
    は、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性
    化させるラジカル種を発生するラジカル重合用光開始剤
    と化学作用放射線に露光されるとブレンステッド酸若し
    くはルイス酸を発生するカチオン重合用光開始剤から成
    る第二光開始剤と、上記第一光開始剤または第二光開始
    剤を増感しかつアミノ基を有する増感色素と、上記ブレ
    ンステッド酸若しくはルイス酸の作用によりスルホン酸
    誘導体を発生して上記増感色素を退色若しくは消色させ
    る化合物を主成分とする感光性記録材料が含まれる感光
    液を上記基板上に塗布、乾燥して形成された感光層と、 この感光層上に設けられた保護層、とで構成されること
    を特徴とする透明ホログラム用感光性記録媒体。
  6. 【請求項6】基板と、 溶媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキシオリ
    ゴマーと、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100
    ℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合
    を少なくとも1個以上有すると共に硬化後のエポキシ樹
    脂とその屈折率が異なる脂肪族モノマーと、化学作用放
    射線に露光されるとラジカル重合を活性化させるラジカ
    ル種及びカチオン重合を活性化させるブレンスッテド酸
    若しくはルイス酸を同時に発生する第一光開始剤、また
    は、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性
    化させるラジカル種を発生するラジカル重合用光開始剤
    と化学作用放射線に露光されるとカチオン重合を活性化
    させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸を発生するカ
    チオン重合用光開始剤から成る第二光開始剤と、上記第
    一光開始剤または第二光開始剤を増感しかつアミノ基を
    有する増感色素と、上記ブレンステッド酸若しくはルイ
    ス酸の作用によりスルホン酸誘導体を発生して上記増感
    色素を退色若しくは消色させる化合物を主成分としかつ
    上記熱硬化性エポキシオリゴマー100重量部に対して
    脂肪族モノマーが20から80重量部混合された感光性
    記録材料が含まれる感光液を上記基板上に塗布、乾燥し
    て形成された感光層と、 この感光層上に設けられた保護層、とで構成されること
    を特徴とする透明ホログラム用感光性記録媒体。
  7. 【請求項7】基板と、 溶媒可溶性でかつ常温、常圧で固体である樹脂と、常
    温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100℃以上である
    ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
    1個以上有すると共に上記樹脂とその屈折率が異なる重
    合性モノマーと、化学作用放射線に露光されるとラジカ
    ル重合を活性化させるラジカル種及びブレンステッド酸
    若しくはルイス酸を同時に発生する第一光開始剤、また
    は、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性
    化させるラジカル種を発生するラジカル重合用光開始剤
    と化学作用放射線に露光されるとブレンステッド酸若し
    くはルイス酸を発生するカチオン重合用光開始剤から成
    る第二光開始剤と、上記第一光開始剤または第二光開始
    剤を増感しかつアミノ基を有する増感色素と、上記ブレ
    ンステッド酸若しくはルイス酸の作用によりスルホン酸
    誘導体を発生して上記増感色素を退色若しくは消色させ
    る化合物を主成分とする感光性記録材料が含まれる感光
    液を上記基板上に塗布、乾燥して形成された感光層と、 この感光層上に設けられた保護層、とで構成される透明
    ホログラム用感光性記録媒体の上記感光層に対しホログ
    ラフィックな露光を施して体積位相型ホログラムを形成
    し、次いで全面露光若しくは加熱処理を施してブレンス
    ッテド酸若しくはルイス酸を作用させ上記化合物からス
    ルホン酸誘導体を発生させると共に、このスルホン酸誘
    導体と増感色素とを反応させて増感色素を退色若しくは
    消色させることを特徴とする透明ホログラムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】基板と、 溶媒可溶性でカチオン重合可能な熱硬化性エポキシオリ
    ゴマーと、常温、常圧で液体でかつ常圧で沸点が100
    ℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合
    を少なくとも1個以上有すると共に硬化後のエポキシ樹
    脂と屈折率の異なる脂肪族モノマーと、化学作用放射線
    に露光されるとラジカル重合を活性化させるラジカル種
    およびカチオン重合を活性化させるブレンスッテド酸若
    しくはルイス酸を同時に発生する第一光開始剤、また
    は、化学作用放射線に露光されるとラジカル重合を活性
    化させるラジカル種を発生するラジカル重合用光開始剤
    と化学作用放射線に露光されるとカチオン重合を活性化
    させるブレンスッテド酸若しくはルイス酸を発生するカ
    チオン重合用光開始剤から成る第二光開始剤と、上記第
    一光開始剤または第二光開始剤を増感しかつアミノ基を
    有する増感色素と、上記ブレンステッド酸若しくはルイ
    ス酸の作用によりスルホン酸誘導体を発生して上記増感
    色素を退色若しくは消色させる化合物を主成分としかつ
    上記熱硬化性エポキシオリゴマー100重量部に対して
    脂肪族モノマーが20から80重量部混合された感光性
    記録材料が含まれる感光液を上記基板上に塗布、乾燥し
    て形成された感光層と、 この感光層上に設けられた保護層、とで構成される透明
    ホログラム用感光性記録媒体の上記感光層に対しホログ
    ラフィックな露光を施して潜像を形成し、次いで60〜
    120℃の範囲で1〜30分間の加熱処理を施して体積
    位相型ホログラムを形成した後、全面露光若しくはホロ
    グラム形成時の上記加熱処理より高温の加熱処理を施し
    てブレンスッテド酸若しくはルイス酸を作用させ上記化
    合物からスルホン酸誘導体を発生させると共に、このス
    ルホン酸誘導体と増感色素とを反応させて増感色素を退
    色若しくは消色させることを特徴とする透明ホログラム
    の製造方法。
JP12711795A 1995-04-27 1995-04-27 透明ホログラム用感光性記録材料と透明ホログラム用感光性記録媒体及びこの感光性記録媒体を用いた透明ホログラムの製造方法 Pending JPH08305262A (ja)

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