JP2000122516A - 体積位相型ホログラム再生光波長変換方法 - Google Patents

体積位相型ホログラム再生光波長変換方法

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JP2000122516A
JP2000122516A JP10291161A JP29116198A JP2000122516A JP 2000122516 A JP2000122516 A JP 2000122516A JP 10291161 A JP10291161 A JP 10291161A JP 29116198 A JP29116198 A JP 29116198A JP 2000122516 A JP2000122516 A JP 2000122516A
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Yasuyuki Demachi
泰之 出町
Yasushi Oe
靖 大江
Makoto Kume
誠 久米
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乾式現像が可能であり、かつ反射型ホログラム
記録層上に体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物
を塗布またはキャストし、再生光波長を変換させ再生光
波長再現性に優れた体積位相型ホログラム再生光波長変
換方法を提供する。 【解決手段】体積位相型ホログラム用感光性組成物にレ
ーザー光またはコーヒレント性の高い光である参照光
と、同じレーザー光またはコーヒレント性の高い光であ
る対象光とを照射し、干渉パターンを形成しホログラム
を作成させ、記録されたホログラムの反射波長を変換さ
せる場合に使用され、光重合性化合物(A)と光開始剤(B)
を基本成分とする混合物であり、実質的に透明液体状で
ある体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物をホロ
グラム記録層上に塗布接触させた後、紫外線または可視
光を全面露光し固定化することにより、記録されたホロ
グラムの反射波長を自由自在に変換することが可能であ
る。各色を必要とするホログラムディスプレイ関連のホ
ログラム光学素子に利用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体積位相型ホログ
ラムの干渉縞の間隔の変化量を制御し、再生光波長を変
換し、異なる再生波長とする体積位相型ホログラム再生
光波長変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明における体積位相型ホログラムの
作製および記録方式、構成、材料に関して述べると、ま
ず、ホログラム作製における一般的な方法は、多くの文
献や専門書に記載されている。例えば、「ホログラフィ
入門 原理と実際」(久保田敏弘著、朝倉書店)の第一
章に書かれている。これによると、ホログラム作製にお
いては干渉性の良いレーザー光等を使用し、レーザーか
ら出た光をビームスプリッターによって光を二つに分
け、一方の光を対物レンズにより広げて被写体に当て、
被写体の各点から反射光を生じさせる。この反射光はあ
らゆる方向に広がるため、被写体から適当な距離にある
記録材料(例えば写真フィルム)にその反射光があた
る。もう一方の光をミラーにより方向を変え、対物レン
ズで光を広げ記録材料に照射する。記録材料にこれら二
つの光を重ねて露光する。被写体から反射されてくる光
を物体光、もう一方の光を参照光という。露光した後、
現像処理したものがホログラムとなる。記録された記録
材料には被写体らしき物体の像は何もなく、その代わり
参照光と物体光を重ねあわせることで干渉という現象が
生じ、記録材料上には干渉縞模様が記録されることにな
る。この縞は干渉縞といわれるものであり、この干渉縞
には物体の明るさに関する情報(振幅)とともにどの方
向から光が来たかという情報(位相)も含まれている。
これらの情報を干渉縞という形で記録したものがホログ
ラムである。ホログラムには上記のような振幅、位相と
いった情報が記録されているため、記録を再生したとき
三次元的に見えるのである。次にホログラム記録には代
表的な二つの記録方式がある。すなわち、透過型ホログ
ラムと反射型ホログラムである。透過型ホログラムは、
参照光と物体光とが記録材料面に対して同じ側から入射
させ記録する方法である。これに対して、参照光と物体
光が互いに反対方向から入射させ記録する方法を反射型
ホログラムと呼ぶ。これらの記録方式は公知の方法(米
国特許第3506327号公報、米国特許3532406号公報)であ
る。
【0003】ホログラムは物体から伝播してくる光その
ものを干渉縞の形で記録したものであるから、三次元画
像再生ディスプレイ、干渉計測、光学素子などに利用さ
れる。また、ホログラムの再生像は他の画像技術のもの
とは異なり、一見して区別ができるためホログラムはク
レジットカードや有価証券の偽造防止用のマークとして
も用いられている。
【0004】反射型ホログラムは、ホログラム記録媒体
中に光学的吸収がなく、記録される干渉縞は記録材料面
にほぼ平行にできるため、干渉フィルターと同じ作用に
より白色光の中から波長幅の狭い特定の波長の光のみが
選択的に反射できるため、近年ではディスプレー用途だ
けではなく、自動車搭載用のヘッドアップディスプレー
(HUD)に代表されるホログラム光学素子(HOE)への応
用が期待される。
【0005】反射型ホログラム記録媒体は、特にアルゴ
ンイオンレーザー光及びクリプトンレーザー光、ヘリウ
ムネオンレーザー光に対して高感度で感光し、且つ高い
解像度を示すことが要求される。また、ホログラムの形
成に用いられる場合、回折効率、再生波長再現性、バン
ド幅(再生光ピークの半値幅)等の特性がその目的に合
うことが要求される。ヘッドアップディスプレー(HU
D)などの場合では、先に記載した特性の他に透明性、
耐候性、耐摩耗性等がさらに要求される。
【0006】ホログラム特性を比較する場合、用いられ
る値として屈折率変調がある。これは記録材料に、二束
の光の角度が同じようにして照射され、回折格子を形成
したとき、その回折格子によって回折される光と入射光
の割合すなわち回折効率と記録材料の厚さによる値であ
る。屈折率変調は体積型ホログラムの露光部および未露
光部、すなわち光の干渉により生じる光の明暗部での屈
折率変化の定量的尺度である。屈折率変調はコーゲルニ
ック(H. Kogelnik)の理論式(Bell. Syst. Tech. J.,
48, 2909, 1996)により求めることができる。一般
に、反射型ホログラムは透過型ホログラムに比べ解像度
が高い、すなわち1 mmあたりに形成される干渉縞の数が
多いため、記録が困難であり、高い回折効率及び屈折率
変調を得ることが難しい。
【0007】現在、反射型ホログラムに使用されている
主な記録材料は、ハロゲン化銀感光材料と重クロム酸ゼ
ラチン、フォトポリマーである。ハロゲン化銀感光材料
はホログラム特性の回折効率、感度ともに高い。しか
し、この材料は記録の保存安定性、銀の粒径により左右
される解像度、記録後の複雑な処理等を列挙すると作業
性の面で十分満足できる材料でないといえる。また、重
クロムゼラチンはハロゲン化銀系材料と異なり光の照射
された部分が黒化することがないため、ホログラム再生
時に光の吸収がない。このため、回折効率の高い二次元
ホログラムや、三次元ホログラムを作製できる。このよ
うにクロム酸ゼラチンは優れた材料で、反射型ホログラ
ム用材料として広く用いられている。しかしながら、こ
の材料の欠点は感度が低く、保存安定性が悪いことと湿
式現像を行うため再現性が悪いことである。
【0008】これに対して、高解像度、高回折効率など
のホログラム特性を備えた材料として、ポリN-ビニルカ
ルバゾールを用いたホログラム記録材料が挙げられる。
ポリN-ビニルカルバゾールに加え、架橋剤として環状シ
ス-α-ジカルボニル化合物と増感剤からなるホログラム
記録材料(特開昭60-45283号公報)、1,2,5,6,7,7-ヘキ
サクロロ-5-ノルボルネン-無水-2,3-ジカルボン酸と色
素からなるホログラム記録材料(特開昭60-227280号公
報)、2,3-ボルナンジオンとチオフラビンからなるホロ
グラム記録材料(特開昭60-260080号公報)、チオフラ
ビンTとヨードホルムからなるホログラム記録材料(特
開昭62-123489号公報)等が提案されている。ところが
これらのホログラム記録材料は、ホログラム露光後の処
理法としてやはり湿式現像方を必要とするため複雑な処
理工程が必須となり、再現性に欠けることになる。ま
た、これらの系ではポリN-ビニルカルバゾールを主剤と
した感光性材料であるため、化学的安定でかつ高解像
度、耐環境性に優れているものの、ポリN-ビニルカルバ
ゾールは結晶化しやすい化合物であり、そのため感光性
材料自体が白化してしまい透明性の再現性が悪くなる。
これらの系では更なる向上が望まれている。
【0009】高感度で硬化できる材料として、光開始剤
の構成成分である、3-ケトクマリン類とジアリールヨー
ドニウム塩との組み合わせで用いる光硬化樹脂組成物
(特開昭60-88005号公報)、更に、該光開始剤と担持重
合体としてポリメチルメタクリレートとを組み合わせた
ホログラム記録材料(特開平4-31590号公報)が提案さ
れている。これは化学的に安定でかつ高解像度、高感度
である。しかしながら、湿式処理りより空隙を形成させ
るため、再生波長のピーク波長のばらつき、また、現像
の際、膨潤溶媒に担持ポリマーが若干溶解するため、現
像むらが起き易いという問題がある。更に、ホログラム
中に空隙が多数存在することから、耐熱性及び耐湿性に
劣るという問題点も有している。
【0010】湿式現像を必要とせずに、一回の処理でホ
ログラムを作製することが可能な光重合性感光材料が、
米国特許第3993485号公報および米国特許第3658526号公
報により提案されている。前者は反応性及び屈折率の異
なる2つの重合可能な不飽和二重結合を有するモノマー
と光開始剤の組み合わせ、例えばシクロヘキシルメタク
リレート、N-ビニルカルバゾールおよびベンゾインメチ
ルエーテルからなり、これらを二枚のガラス基板に封入
し、二光束で露光することによってホログラム記録でき
るホログラム記録材料である。または、同じ程度の屈折
率を持つラジカル重合可能な不飽和二重結合を有するモ
ノマーとそれが重合する際に架橋剤として働く不飽和二
重結合を有するモノマー、および二つのモノマーと屈折
率が異なる非反応性化合物と光開始剤の4成分、例えば
ブチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1-フェニルナフタレンおよびベンゾインメチル
エーテルからなるホログラム記録材料である。これら
は、二光束によってできる干渉縞の光の強度が高い部分
で反応性の高いモノマーが重合し、重合が進むに連れて
モノマーの濃度勾配が生じ、反応性の高いモノマーは光
強度の高い部分に集まり、反応性の低いモノマーは光強
度の低い部分に拡散する。このようにして干渉縞が屈折
率差として記録され、ホログラムが作製される。これら
は湿式現像を必要としないため、再生光ピークの再現性
に優れるホログラム記録材料である。しかしながら、上
記に記載したように二枚のガラス基板に封入した後に露
光を行わなければならいという作業上の欠点がある。
【0011】後者を開示する特許では、樹脂中に液体モ
ノマー及び不飽和二重結合を有するモノマー及び光開始
剤を配合したホログラム記録材料からなる安定なホログ
ラムの製造法が開示され、化学放射線の一回露光によっ
て、永久的なホログラムが得られる。形成されるホログ
ラムは、引き続く化学放射線の全面露光により、記録を
定着する。
【0012】また、米国特許第3658526号公報に開示さ
れたホログラム記録材料の製造法も含めた改良技術とし
て、米国特許第4942112号公報および米国特許第5098803
号公報、また特開平2-3082号公報に開示されている。こ
れらは熱可塑性樹脂、重合可能な不飽和二重結合を有す
るモノマーおよび光開始剤を基本組成とし、屈折率変調
を向上させるために熱可塑性樹脂または不飽和二重結合
を有するモノマーのどちらか一方に芳香環を有する化合
物を用いて屈折率差をつけている。また、これらと同様
に高分子量の担持重合体をバインダーとして用いた場
合、露光時におけるモノマーの拡散性の制限から、多く
の露光量が必要になると伴に高い回折効率が得られない
ため、非反応性可塑剤を添加している。これらのホログ
ラム記録材料において、比較的屈折率変調の大きくする
ことが可能となった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ホログラム
記録する場合に用いられるレーザー光は固定された波長
の光を発し、その光の波長は限られた数でしかない。例
えばアルゴンイオンレーザーは488nmと514.5nmの波長の
光を発し、クリプトンレーザーは647nm、ヘリウムネオ
ンレーザーは633nmの光を発する。反射型ホログラムの
場合、記録された反射光はこの書き込んだレーザー光の
波長に依存するため、レーザー光の発する波長付近の光
しか反射(再生)できない。結果として、フルカラーの
体積移相型ホログラムとする場合、各色のホログラムを
作製するために、ホログラムにより反射される光の波長
を異なる波長に変換可能にすることが重要になってく
る。湿式現像の場合では、現像工程を制御することで反
射光波長を変換させていた。しかし、湿式現像では先に
記載したように再現性、保存安定性に欠ける欠点を有す
ることから、現在では、乾式現像において、ホログラム
により反射される光の波長を異なる波長に変換可能であ
り、加えて再現性かつ保存性安定性の優れた波長変換方
法及び波長変換材料が要求されている。
【0014】そこで本発明は、乾式現像が可能であり、
かつ反射型ホログラム記録層上に体積位相型ホログラム
再生光波長変換組成物を塗布またはキャストし、再生光
波長を変換させ再生光波長再現性に優れた体積位相型ホ
ログラム再生光波長変換方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記記載の問題
点を解決すべくなされたものであり、請求項1記載の発
明は、光重合性を有するホログラム記録層にレーザー光
またはコーヒレント性の高い光である参照光と、同じレ
ーザー光またはコーヒレント性の高い光である対象光と
を照射露光し、干渉パターンを形成させ、体積位相型ホ
ログラムを作製してなるホログラム記録媒体に対して、
体積位相型ホログラム作製後のホログラム記録層を膨潤
させる光重合性化合物(A)と光開始剤(B)とからなり、か
つホログラム再生光波長変換組成物をホログラム記録層
上に塗布接触させた後、紫外線または可視光を全面露光
し固定化することを特徴とする体積位相型ホログラム再
生光波長変換方法である。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1に
記載の体積位相型ホログラム再生光波長変換方法におい
て、ホログラム記録層がオキシラン環を2個以上有する
熱硬化性樹脂からなることを特徴とする。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項1に
記載の体積位相型ホログラム再生光波長変換方法におい
て、ホログラム再生光波長変換組成物をホログラム記録
層上に塗布接触させた後、紫外線または可視光の露光と
同時或いは逐次、加熱処理を行うことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
し説明する。図1は、本発明に用いる反射型ホログラム
媒体1の断面図であり、基板2上に形成されるホログラ
ム記録層3を構成する体積位相型ホログラム記録材料
は、少なくとも、オキシラン環を2個以上有する熱硬化
性樹脂、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を少なくと
も1個以上有し、且つ重合後の屈折率差が上記熱硬化性
樹脂と0.005以上のラジカル重合性モノマー、化学作用
放射線に露光するとラジカル重合を活性化させるラジカ
ル種及びブレンステッド酸もしくはルイス酸を同時に発
生する光開始剤、さらには増感色素からなる。これらを
混合した感光液を調整し、基板2上に塗布しホログラム
記録層3を設けたものがホログラム記録媒体1である。
【0019】まず、体積位相型ホログラム記録材料を説
明する。オキシラン環を2個以上有する熱硬化性樹脂
は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビス
フェノールB、ビスフェノールAF、ビスフェノールS、ブ
ロム化ビスフェノールA、ノボラック、o-クレゾールノ
ボラック、p-アルキルフェニルノボラック等の各種フェ
ノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応により
生成されるエポキシ化合物が挙げられる。なお、これに
限定されることなく、使用可能なものであれば用いるこ
とができる。
【0020】次に、ラジカル重合可能な不飽和二重結合
を少なくとも1個以上有し、且つ重合後の屈折率差が上
記熱硬化性樹脂と0.005以上のラジカル重合性モノマー
が添加される。具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト等の高沸点ビニルモノマー、更には脂肪族ポリヒドロ
キシ化合物、例えばエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオ
ール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,
6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、ソルビトール、マンニトールなどのジ或い
はポリ(メタ)アクリル酸エステル類が挙げることができ
る。なお、これらに限定されることなく、用いることが
可能である。
【0021】さらに、化学作用放射線に露光するとラジ
カル重合を活性化させるラジカル種及びブレンステッド
酸もしくはルイス酸を同時に発生する光開始剤を加え
る。具体的にはジアリールヨードニウム塩等が好まし
く、増感色素により有機染料化合物で増感することも可
能である。本発明で用いられるジアリールヨウドニウム
塩としては、Macromolecules,10,1307(1997).に記載さ
れる化合物があり、例えばジフェニルヨードニウム、ジ
トリヨードニウム、フェニル(p-クロロフェニル)ヨード
ニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロミド、或い
はホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘ
キサフルオロアルセネート塩等を挙げることができる
が、上記の特性を満たすものであれば、これらに限定さ
れることなく、用いることが可能である。
【0022】更に、上記記載のジアリールヨードニウム
塩とともに増感色素を用いてもいい。例えばシアニンま
たはメロシアニン誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘
導体などの有機染料化合物が使用できる。以下に具体的
な例を述べる。
【0023】シアニンまたはメロシアニン誘導体の例と
しては、フルオレセン、ローダミン、2',7'-ジクロロフ
ルオレセン、3,3'-ジカルボキシエチル-2,2'-チオシア
ニンブロミド、アンヒドロ-3,3'-ジカルボキシメチル-
2,2'-チオシアニン ベタイン、1-カルボキシメチル-1'
-カルボキシエチル-2,2'-キノシアニン ブロミド、ア
ンヒドロ-3,3'-ジカルボキシエチル-5,5',9-トリエチル
-2,2'-チアカルボキシアニン ベタイン、3,3'-ジヒド
ロキシエチル-5,5'-ジメチル-9-エチル-2,2'-チアカル
ボシアニン ブロミド、アンヒドロ-3,3'-ジカルボキシ
メチル-2,2'-チアカルボシアニン ベタイン、2-[3-エ
チル-4-オキソ-5-(1-エチル-4-キノリニデン)-エチリデ
ン-2-チアゾリニデン-メチル]-3-エチルベンゾキサゾリ
ウム ブロミド、3-エチル-5-[2-(3-エチル-2-ベンゾチ
アゾイリデン)-エチリデン]ローダニン、3-エチル-5-[2
-(3-メチル2(3H)-チアゾリニリデン)-エチリデン]-2-チ
オ-2,4-オキサザリジオン、3-エチル-5-(3-エチル-ベン
ゾチアゾリリデン)ローダミン、2-(p-ジメチルアミノス
チリル)-3-エチル、ベンゾチアゾリウム ヨージド、2-
(p-ジメチルアミノスチリル)-1-エチル ピリジニウム
ヨージド、1,3'-ジメチル-2,2'-キノチアシアニン
ヨージドなどの使用が好ましいが、これらに限定される
ものではない。
【0024】クマリン誘導体の例としては、3-(2'-ベン
ゾイミダゾール)7-N,N-ジエチルアミノクマリン、3,3'-
カルボニルビス(6-メトキシクマリン)、3,3'-カルボニ
ルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3,3'-カルボニル
ビスクマリン、3,3'-カルボニルビス(7-メトキシクマリ
ン)、3,3'-カルボニルビス(5,7-メトキシクマリン)、3,
3'-カルボニルビス(7-アセトキシクマリン)、3,3'-カル
ボニルビス(5,7-ジ-iso-プロポキシクマリン)、3,3'-カ
ルボニルビス(5,7-ジ-n-プロポキシクマリン)、3,3'-カ
ルボニルビス(7-ジメチルアミノクマリン)、7-ジエチル
アミノ-5',7'-ジメトキシ-3,3'-カルボニルビスクマリ
ン、3-ベンゾイルクマリン、3-ベンゾイル-5,7-ジメト
キシクマリン、3-ベンゾイル-6-メトキシクマリン、3-
ベンゾイル-7-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-8-メト
キシクマリン、3-ベンゾイル-8-エトキシクマリン、3-
ベンゾイル-6-ブロモクマリン、3-ベンゾイル-7-ジメチ
ルアミノクマリン、3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノク
マリン、3-ベンゾイル-7-ヒドロキシクマリン、3-アセ
チル-7-ジエチルアミノクマリン、3-アセチル-5,7-ジメ
トキシクマリン、7-ジメチルアミノ-3-(4-ヨードベンゾ
イル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ヨードベンゾ
イル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミ
ノベンゾイル)クマリンなどが挙げられるが、これらに
限定されるものでない。
【0025】カルコン誘導体の例としては、以下の化学
式に示す化合物が挙げられるが、これに限定されるもの
でない。
【0026】
【化1】
【0027】以上の構成からなる体積位相型ホログラム
記録材料の具体的な例を挙げると、オキシラン環を2個
以上を有する熱硬化性樹脂100重量部に対して、ラジカ
ル重合性モノマーを20から80重量部を混合したものであ
る。ラジカル重合性モノマーが20重量部未満では、レー
ザーによるホログラフィック露光で重合するモノマー量
が不足ために、加熱処理後においても高い屈折率変調が
得られず、明るいホログラムを得ることができない。ま
た、100重量部を越えるとモノマー量が過剰となり、最
初のホログラフィック露光で重合が起こらずに系内に残
留するモノマー量が多くなり、この結果、製造工程にお
ける加熱処理において拡散しながら残留するモノマー量
が重合を起こし、一旦形成されたホログラムの干渉縞が
乱れ、高い屈折率変調が得られなくなり、明るいホログ
ラムを得ることができない。また、上記光開始剤の量
は、上記記載の熱硬化性樹脂100重量部に対し0.1から20
重量部、好ましくは1から10重量部である。更に増感色
素の量は上記記載の熱硬化性樹脂100重量部に対して0.5
から10重量部である。使用量は、形成する感光層とその
膜厚の光学濃度により制限を受けるため、光学濃度が2
を越えない範囲で使用することが好ましい。この範囲を
越えると高い回折効率を得ることが困難になるとともに
感度特性が低下する。
【0028】これらの各成分を適宜選択し、任意の割合
で混合して得た感光液をスピンコーター、ロールコータ
ー、バーコーターなどの公知の塗工手段を用いて、ガラ
ス基板、やポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレ
ート板、ポリエステルフィルムなどの基板2上に皮膜状
に塗布したホログラム記録層3を有するホログラム記録
媒体1が得られる。なお、感光液を塗布する際は、必要
に応じて適当な溶剤で希釈しても良いが、その場合には
基板上に塗布した後に、乾燥を有し、また上記記載のよ
うに撮影時の照射光の透過率が1%以上になるように、調
整することが望ましい。
【0029】さらに体積位相型ホログラム記録材料に
は、必要に応じて公知のバインダー、可塑剤、熱重合禁
止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤などの各種添加剤を加え
てもよい。
【0030】上記の体積位相型ホログラム記録材料を用
いたホログラム記録媒体1に対してホログラフィック露
光を施して潜像を形成する工程を図2の反射型ホログラ
ム撮影用の二光束光学系を説明する概略図により説明す
る。図2の二光束光学系によれば、レーザー5から発振
されたレーザー光6は、ミラー7、ビームスプリッター
8、スペイシャルフィルター9、レンズ10を介してホログ
ラム記録媒体1のホログラム記録層に照射され、優れた
ホログラム特性を有する反射型ホログラムが得られる。
【0031】更に、ホログラフィック露光後、反射型ホ
ログラム記録媒体中の残留したモノマーを固定化させる
手段として、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンラン
プ、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、メタルハライド
ランプ等の全面露光や、オーブンまたはホットプレート
などによる加熱などがあるが、これに限定されるもので
ない。また、これらの方法を二種類以上組み合わせるま
たは逐次行なってもよい。
【0032】上記のようにホログラム記録層にレーザー
光またはコーヒレント性の高い光である参照光と、同じ
レーザー光またはコーヒレント性の高い光である対象光
とを最適露光量で照射し、干渉パターンを形成させ、体
積移相型ホログラムを作製してなる反射型ホログラムに
対して、ホログラム記録層を膨潤させうる光重合性化合
物(A) と光開始剤(B)からる、実質的に透明液体である
ホログラム再生光波長変換組成物をホログラム記録層上
に塗布し、ホログラム記録層にホログラム再生光波長変
換組成物を接触させた後、紫外線または可視項を全面露
光し固定化することでホログラム再生光波長変換をホロ
グラム記録媒体に施すことができる。
【0033】この反射型ホログラムが記録されたホログ
ラム記録層を膨潤させうる光重合性化合物(A)は、ホロ
グラム記録層中に浸透し、記録された干渉縞を膨潤させ
ることを利用したものである。更に、浸透した化合物
(A)を硬化させることで、ホログラム記録媒体の再生光
波長を再現性よく変換させることができる。
【0034】光重合性化合物(A)の例を挙げると、常
温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上である
ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物、ま
たは常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上
であるカチオン重合性化合物であり、これらを少なくと
も1つ以上含め使用することが望ましい。固体の光重合
性化合物(A)を用いる場合は、それを溶解させる液体の
光重合性化合物(A)と組み合わせて使用してもよい。さ
らに光重合性化合物(A)の具体例を以下に示す。これら
の化合物を1つ又は2つ以上を混合して使用してもよい。
またラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物を併
用してもよい。
【0035】光重合性化合物(A)のうち、ラジカル重合
可能な不飽和二重結合を有する化合物の具体例として、
ポリエステルアクリレート、ポリオール、ポリアクリレ
ート、変性ポリオールアクリレート、イソシヌアル酸骨
格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダン
トイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリ
レート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、或いはビスフェノールAジアクリレート、2,2-ビス
(4-アクリロキシエトキシ-3,5ジブロモフェニル)プロパ
ンなどの多官能アクリレートやこれらのアクリレートに
対応するメタクリレート、またはテトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2-
エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ジシクロペ
ンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビト
ールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレー
ト、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレー
ト、ω-ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルサクシネ
ート、アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニル
アクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、トリ
ブロモフェノキシエチルアクリレート、2-(p-クロロフ
ェノキシ)エチルアクリレート、p-フェニルアクリレー
ト、2-(1-ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o-ビフ
ェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、p-
ブロモベンジルアクリレート、ラウリルアクリレート、
2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート、エチレ
ングリコールモノアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチン
グリコールモノアクリレート、トリエチングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールモノアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロ
ピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコ
ールジアクリレート、ジプロピレングリコールモノアク
リレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ト
リプロピレングリコールモノアクリレート、トリプロピ
レングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリ
コールモノアクリレート、テトラプロピレングリコール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールモノアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、4-ヒド
ロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリ
レート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-アクリ
ロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレー
ト、2-ヒドオロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレー
ト、2-アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレー
ト、2-アクリロイルオキシハイドロゲンフタレート、2-
アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲン
フタレート、及びこれら単官能性アクリレートに対応す
るメタアクリレートが挙げられるがこれらに限定される
ものではない。
【0036】次に、光重合性化合物(A)のうちカチオン
重合性化合物の具体例は、カチオン重合性化合物の1分
子中に脂環式エポキシ基、グリシジル基、環状エーテ
ル、環状スルフィド、環状イミン、環状ジスルフィド、
ラクトン、ラクタム、環状ホルマール、環状イミノエー
テル、ビニルエーテル等が少なくとも1つまたは1つ以上
含まれることが望ましい。ジグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエー
テル、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシパーフルオロ
イソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリ
シギルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジ
ルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、p-ターシャリブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、アジピン酸ジグリシジルエステル、オルソフタル酸
ジグリシジルエステル、ジブロモフェニルグリシジルエ
ーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,6-ジメチロ
ールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、4,4'
-ビス(2,3-エポキシプロポキシパーフルオロイソプロ
ピル)ジフェニルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシ
ルメチル-3'、4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート、1,2,5,6-ジエポキシ-4,7-メタノペルヒドロイン
デン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-3'、4'-エポ
キシ-1,3-ジオキサン-5-スピロシクロヘキサン、1,2-エ
チレンジオキシ-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメ
タン)、4'、5'-エポキシ-2'-メチルシクロヘキシルメチ
ル-4,5-エポキシ-2-メチルシクロヘキサンカルボキシレ
ート、エチレングリコール-ビス(3,4-エポキシキクロ
ヘキサンカルキシレート)、ビス-(3,4-エポキシシク
ロヘキシルメチル)アジペート、ジ-2,3-エポキシシク
ロペンチルエーテル、ビニル-2-クロロエチルエーテ
ル、ビニル-nーブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンメタノールジ
ビニルエーテル、トリメチロールメタントリビニルエー
テルビニルグリシジルエーテル、アルダイトCY175(日
本チバガイギ)、アルダイトCY177(日本チバスペシャ
リティーケミカルズ)、アルダイトCY179(日本チバス
ペシャリティーケミカルズ)、アルダイトCY184(日本
チバガイギ)、アルダイトCY192(日本チバガイギ)、
セロキサイト3000(ダイセル化学株式会社)及びこれらの
混合物が挙げられる。これらは用途により二種類以上組
み合わせて用いてもよい。更に、熱可塑性樹脂等やビス
フェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールB、ビ
スフェノールAF、ビスフェノールS、ノボラック、o-ク
レゾールノボラック、p-アルキルフェノールノボラック
等の各種フェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮
合反応により製造されるエポキシ樹脂に代表されるよう
な熱硬化樹脂が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。また、熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂は必要に応
じて2種類以上混合して適用して使用してもよいが光重
合性化合物(A)は本質的に液体となる組成を選ぶ必要が
ある。
【0037】また、光重合性化合物(A)に溶解する樹脂
成分を加えてもよい、具体的にはポリメタクリル酸エス
テル、ポリアクリル酸エステル及びそれらの部分加水分
解物、ポリビニルアセテール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルアセタール、ポリビニルフォルマール、ポリ
クロロプレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、セル
ロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、
メチルセルロース、塩化ポリエチレン、塩化ポリプロピ
レン、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-N-ビニルピロ
リドン、ポリビニルスチレン、無水マレイン酸などがあ
る。これらから単独またはそれらの共重合体または混合
物としてを使用することができるが、ホログラム再生光
波長変換組成物が液体となる組成を選ぶ必要がある。
【0038】さらに、光開始剤(B)としては、紫外線照
射によりフリーラジカルを発生させる化合物1種類又は
複数の化合物である。具体的には、ベンゾフェノン、ベ
ンジル、ミヒラズケトン、2-クロロチオキサントン、ベ
ンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、
ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチルプ
ロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルメタン-1-オ
ン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォ
リノプロパノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4
-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ヒドロキシ-2-
メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキ
シエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキジ-2-メチル-1-プロ
パン-1-オン、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,6-
ジフルオロ-3-(ピル-1-イル)チタニウム、が挙げられる
がこれに限定されるものに限らない。
【0039】ホログラム記録媒体1のホログラム記録層
上に(A)、(B)成分を上記の具体例から適宜選択し、任意
の割合(具体例は実施例に記載)で混合して得たホログ
ラム再生光波長変換組成物をスピンコーター、ロールコ
ーター、バーコーターなどの公知の塗工手段を用いて塗
布し、十分な時間放置した後、紫外線または可視光で全
面露光し、固定化させる。この時、加熱処理を同時また
は逐次行ってもよい。
【0040】ホログラム再生光波長変換組成物をホログ
ラム記録媒体のホログラム記録層上に塗布した後の固定
化する手段としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノ
ンランプ、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ等の全面露光や、オーブンまたはホットプ
レートなどによる加熱などがあるが、これらに限定され
るものではない。また、これらの手段を二種類以上組み
合わせるまたは同時または逐次行ってもよい。
【0041】このように再生光波長を変換させる場合
に、ホログラム記録媒体上にホログラム再生光波長変換
組成物を塗布し、全面露光、加熱、さらに必要に応じて
全面露光の工程を経て、実質的に液体であるホログラム
再生光波長変換組成物が加熱時にホログラム記録媒体中
に浸透し、記録された干渉縞が膨潤することを利用し、
ホログラム記録媒体は記録されたレーザー光波長より長
波長の光を選択的に反射することができる。また、浸透
した成分を硬化させることで波長変換したホログラム記
録媒体の記録を安定化する。
【0042】
【実施例】次に本発明の実施例を用いて、より具体的に
説明する。 《実施例1》ビスフェノールA型エポキシオリゴマー(エ
ピコート1007、油化シェルエポキシ株式会社) 100重量
部、トリエチレングリコールジアルリレート50重量部及
びジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェー
ト5重量部、3-(2'-ベンゾチアゾール)-7-ジエチルアミ
ノクマリン1重量部を2-ブタノン200重量部に混合溶解し
たものを感光液とした。
【0043】そして、この感光液をガラス基板に膜厚が
約15μmになるように塗布し、100℃で5分乾燥したホロ
グラム記録媒体を作製した。次に、このホログラム記録
媒体を、光源としてアルゴンイオンレーザー(514.5nm)
を用いて二光束でホログラフィック露光後、100℃で30
分加熱を行い反射型ホログラムを作製した。更に高圧水
銀灯でホログラム記録媒体のホログラム記録層を全面照
射することで定着した。
【0044】光重合性化合物(A)として、2-ヒドロキシ
エチルアクリレート40重量部と2-エチルヘキシルカルビ
トールアクリレート80重量部、ウレタンアクリレート(M-
1600、東亜合成化学)120重量部とビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ株式会
社)80重量部、光開始剤(B)として、1-ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン10重量部、を攪拌しホログラム
波長変換組成物とした。
【0045】上記のホログラム波長変換組成物をホログ
ラム記録媒体のホログラム記録層上にロールコーターで
塗布した後(膜厚25μm)、高圧水銀灯で全面露光した。
露光終了後、ホットプレート150℃で10分放置した。そ
の後、再度高圧水銀灯で全面露光を行なった。
【0046】得られたホログラムの反射光波長及び回折
効率を調べるために、日本分光工業(株)製の分光光度計
により測定した。この回折効率は、日本分光工業(株)
製の分光光度計により測定した。この分光光度計は、幅
3 mmのスリットを有したフォトマルチメーターを、試料
を中心にした半径20 cmの円周上に設置できるものであ
る。測定条件は幅0.3 mmの単色光を試料に45°の角度で
入射し、試料からの回折光を検出した。正反射光以外で
も最も大きな値と、試料をおかず直接入射光を受光した
ときとの比を回折効率とした。 η=It/I0 η ;回折効率 It ; 回折光 I0 ;入射光 その結果、波長変換前の反射光波長は514nmで回折効率
は78%であった。変換後の反射光波長は638nmで回折効率
は74%であった。
【0047】《実施例2〜6》ホットプレート上での加熱
時間を変える以外は実施例1と同様に操作した結果を表1
に示す。
【0048】
【表1】
【0049】《実施例7〜10》次にホログラム再生光波
長変換組成物の膜厚を変えた以外は実施例1と同様に操
作した結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】《実施例11〜15》さらに塗布後の高圧水銀
灯露光量を変えた以外は実施例1と同様に操作した結果
を表3に示す。。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】体積位相型ホログラム用感光性組成物に
レーザー光またはコーヒレント性の高い光である参照光
と、同じレーザー光またはコーヒレント性の高い光であ
る対象光とを照射し、干渉パターンを形成しホログラム
を作成させ、記録されたホログラムの反射波長を変換さ
せる場合に使用される、光重合性化合物(A)と光開始剤
(B)を基本成分とする混合物であり、実質的に透明液体
状である体積位相型ホログラム再生光波長変換組成物を
塗布し固定化することにより、記録されたホログラムの
反射波長を自由自在に変換することが可能となる。特
に、各色を必要とするホログラムディスプレイ関連に用
いられるホログラム光学素子への利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるホログラム記録媒体の断面図で
ある。
【図2】ホログラム撮影用の二光束光学系を説明する概
略図である。
【符号の説明】
1 ホログラム記録媒体 2 基板 3 ホログラム記録層(感光層) 5 レーザ 6 レーザ光 7 ミラー 8 ビームスプリッター 9 スペイシャルフィルター 10 レンズ 11 レンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光重合性を有するホログラム記録層にレー
    ザー光またはコーヒレント性の高い光である参照光と、
    同じレーザー光またはコーヒレント性の高い光である対
    象光とを照射露光し、干渉パターンを形成させ、体積位
    相型ホログラムを作製してなるホログラム記録媒体に対
    して、体積位相型ホログラム作製後のホログラム記録層
    を膨潤させる光重合性化合物(A)と光開始剤(B)とからな
    り、かつホログラム再生光波長変換組成物をホログラム
    記録層上に塗布接触させた後、紫外線または可視光を全
    面露光し固定化することを特徴とする体積位相型ホログ
    ラム再生光波長変換方法。
  2. 【請求項2】前記ホログラム記録層がオキシラン環を2個
    以上有する熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求
    項1記載の体積位相型ホログラム再生光波長変換方法。
  3. 【請求項3】ホログラム再生光波長変換組成物をホログ
    ラム記録層上に塗布接触させた後、紫外線または可視光
    の露光と同時或いは逐次、加熱処理を行うことを特徴と
    する請求項1記載の体積位相型ホログラム再生光波長変
    換方法。
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