JP6667392B2 - 止血器具 - Google Patents

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Description

本発明は、穿刺した部位を圧迫して止血するための止血器具に関する。
近年、腕や脚等の血管を穿刺し、穿刺部位にイントロデューサーシースを導入し、イントロデューサーシースの内腔を介してカテーテル等の医療器具を病変部に送達する、経皮的な治療・検査等が行われている。このような治療・検査等を行った場合、術者は、イントロデューサーシースを抜去した後の穿刺部位を止血する必要がある。この止血を行うために、腕や脚等の肢体に巻き付けるための帯体と、帯体を肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、帯体に連結されており、流体を注入することにより拡張して、穿刺部位を圧迫する拡張部と、を備えた止血器具が知られている。
このような止血器具では、拡張した拡張部が、長時間にわたって穿刺部位およびその周辺の血管や神経を強く圧迫し続けると、しびれや痛みを引き起こしたり、血管が閉塞したりする可能性がある。血管閉塞等を防ぐため、一般的に、医師や看護師は、拡張部を拡張させた後、定期的にシリンジ等の専用の器具を止血器具に接続し、拡張部内の流体を排出し、拡張部の内圧を減圧する減圧操作を行うことで、穿刺部位に作用する圧迫力を経時的に低減させている。
これに対し、下記特許文献1に係る止血器具では、拡張部を経時的に伸長する材料によって構成している。このため、拡張部に流体を注入して拡張させた後、拡張部は、拡張部内の流体からの圧力によって徐々に拡張変形していく。拡張部内の流体の量は大きく減少しないのに対し、拡張部の内部空間の容積は徐々に大きくなるため、拡張部の内圧を経時的に低減することができる。これによって、穿刺部位に作用する圧迫力を経時的に低減させることができる。
特開2004−201829号公報
上記特許文献1に係る止血器具によれば、医師や看護師が減圧操作を行う手間を省くことができる。しかしながら、拡張部を経時的に伸長する材料によって構成すると、拡張部は経時的に拡張変形していくため、それに伴い拡張部の厚みは薄くなる。拡張部の強度を良好に保つ観点からすれば、拡張部の厚みはある程度維持されることが好ましいと考えられる。
上記のような拡張部の構成材料の性質を利用した減圧方法に代替する方法として、例えば、拡張部自体に孔を形成し、当該孔を介して気体を排出させる方法が考えられる。しかしながら、拡張部自体に孔を形成すると、拡張部の拡張前後において孔の内径や流路長(拡張部の肉厚方向の長さ)が変化してしまうため、気体の排出速度(排出量)を調整するのが困難になる。このため、止血器具は、血管閉塞を防止しつつ止血の進行に応じて圧迫力を経時的に低減する所望の減圧プロトコルを実現し難いものとなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、拡張部の強度を良好に保つことができ、かつ、気体の排出速度を容易に調整することが可能な止血器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成する止血器具は、肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、前記帯体に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張する拡張部と、を有し、前記拡張部は、当該拡張部に気体を注入する際に伸長する第1領域と、当該第1領域よりも伸長し難く、かつ、硬質な材料で形成された第2領域と、を備え、前記第2領域は、前記拡張部が拡張した状態で、前記拡張部内の気体を経時的に排出する微小孔を有する。
上記のように拡張部の微小孔は、第1領域よりも硬質である第2領域に設けられる。これにより、微小孔は、拡張部の拡張前後において、微小孔の内径および流路長(拡張部の肉厚方向の長さ)が変化し難くなる。このため、拡張部の拡張に用いられる気体の粘度を考慮して微小孔の内径を所定の大きさで形成しておくことにより、拡張部の気体排出速度を容易に調整することができる。さらに、第2領域からの気体の排出は、微小孔を介して行われるため、経時的に厚みが薄くなるように拡張部を作製する必要がない。ゆえに、本発明の止血器具は、拡張部の強度を良好に保つことができ、かつ、血管閉塞を防止しつつ止血の進行に応じて圧迫力を経時的に低減する減圧調整が容易なものとなる。
実施形態に係る止血器具を内面側から見た平面図である。 図1の2−2線に沿う断面図である。 実施形態に係る止血器具の拡張部の構成を説明するための平面図であり、図3(A)は、拡張部を構成する第1シートを示す図、図3(B)は拡張部を構成する第2シートを示す図、図3(C)は、拡張部と帯体の連結位置を示す平面図である。 実施形態に係る止血器具を手首に装着した状態を示す斜視図である。 図4の5−5線に沿う断面図である。 変形例1に係る止血器具を示す断面図である。 変形例2に係る止血器具を示す断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態およびその変形例を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
実施形態に係る止血器具10は、図4および図5に示すように、治療・検査等を行うカテーテル等を血管内に挿入する目的で、手首W(「肢体」に相当)の橈骨動脈Rに形成された穿刺部位P(「止血すべき部位」に相当)に留置していたイントロデューサーシースを抜去した後、その穿刺部位Pを止血するために使用するものである。
止血器具10は、図1および図2に示すように、手首Wに巻き付けるための帯体20と、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する面ファスナー30(「固定手段」に相当)と、気体を注入することにより拡張し、穿刺部位Pを圧迫する拡張部40と、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせするためのマーカー40cと、気体を拡張部40に注入可能な注入部60と、を有している。
なお、図2には、図1に示す矢印2−2線に示す断面図とともに、図2中の破線部2Aで囲った部分の拡大図を図示している。
本明細書中では、帯体20を手首Wに巻き付けた状態のとき、帯体20において手首Wの体表面に向かい合う側(装着面側)を「内面側」と称し、その反対側を「外面側」と称する。
帯体20は、可撓性を備える帯状の部材によって構成されたベルト21と、ベルト21よりも硬度の高い支持板22と、を備えている。
ベルト21は、図4および図5に示すように、手首Wの外周を略一周するように巻き付けられる。図2に示すように、ベルト21の中央部には、支持板22を保持する支持板保持部21aが形成されている。支持板保持部21aは、外面側(または内面側)に別個の帯状の部材が融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着(接着剤や溶媒による接着)等の方法によって接合されることにより、二重になっており、これらの隙間に挿入された支持板22を保持する。
ベルト21の図1中の左端付近の部分の外面側には、一般にマジックテープ(登録商標)などと呼ばれる面ファスナー30の雄側(または雌側)31が配置されており、ベルト21の図1中の右端付近の部分の内面側には、面ファスナー30の雌側(または雄側)32が配置されている。図4に示すようにベルト21を手首Wに巻き付け、雄側31および雌側32が接合することにより、帯体20が手首Wに装着される。なお、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する手段は、面ファスナー30に限らず、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、またはベルト21の端部を通す枠部材であってもよい。
ベルト21は、後述する拡張部40の第1領域A1を融着により連結することが可能な樹脂材料によって構成することが好ましい。なお、ベルト21は、少なくとも拡張部40が連結される連結領域21b(本実施形態では、図2に示すように、後述する支持板22の第1湾曲部22bが配置されている領域と面ファスナー30の雄側31が取り付けられている領域との間の領域)が拡張部40と融着可能な樹脂材料によって構成されていればよく、連結領域21b以外の部分は、拡張部40と融着可能な樹脂材料以外の材料によって形成されていてもよい。
また、ベルト21の構成材料は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂又はオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーの熱可塑性材料を用いることができる。このような材料でベルト21を形成することで、ベルト21は比較的伸びにくくなり、装着者の手首Wの大きさ等に影響されずに、拡張部40を手首Wに押付けた状態を好適に維持することができる。また、後述する拡張部40の第1領域A1が熱可塑性材料で形成される場合には、融着により拡張部40と連結させることが可能になる。
ベルト21において少なくとも拡張部40と重なっている部分は、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、穿刺部位Pを外面側から視認することができ、後述するマーカー40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。
支持板22は、図2に示すように、ベルト21の二重に形成された支持板保持部21aの間に挿入されることによりベルト21に保持されている。支持板22は、その少なくとも一部が内面側(装着面側)に向かって湾曲した板形状をなしている。支持板22は、ベルト21よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。
支持板22は、ベルト21の長手方向に長い形状をなしている。この支持板22の長手方向における中央部22aは、ほとんど湾曲せずに平板状になっており、この中央部22aの両側には、それぞれ、内面側に向かって、かつ、ベルト21の長手方向(手首Wの周方向)に沿って湾曲した第1湾曲部22b(図2の左側)および第2湾曲部22c(図2の右側)が形成されている。
支持板22の構成材料は、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
支持板22は、ベルト21と同様に、拡張部40と重なる部分が実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、穿刺部位Pを外面側から確実に視認することができ、後述するマーカー40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。なお、支持板22は、中央部22aのような平板状の部分を有さず、全長にわたって湾曲しているものであってもよい。
拡張部40は、気体を注入することにより拡張し、穿刺部位Pに圧迫力を付与する機能、および注入された気体を経時的に外部に排出することにより穿刺部位Pに作用する圧迫力を経時的に低減させる機能を備えている。なお、拡張部40に注入する気体は、拡張部40を拡張可能である限り、特に限定されないが、例えば、空気等を用いることができる。
図2に示すように、拡張部40は、拡張部40に気体を注入する際に伸長する第1領域A1と、第1領域A1よりも伸長し難く、かつ、硬質な材料で形成された第2領域A2と、を有している。本実施形態においては、第1領域A1は、樹脂材料で形成されており、第2領域A2は、金属材料で形成されている。本明細書において、「第1領域A1よりも伸張し難い第2領域A2」とは、第2領域A2の材料は、第1領域A1の材料よりもヤング率(引張り弾性率)が小さいことをいう。
拡張部40は、図2に示すように、第1シート41および第2シート42を重ね合わせて袋状にすることによって形成している。拡張部40の内部には、図5に示すように、気体を注入可能な拡張空間40aが形成されている。
図3(A)には、拡張部40を形成する前の状態の第1シート41を示し、図3(B)には、拡張部40を形成する前の状態の第2シート42を示し、図3(C)には、各シート41、42により構成した拡張部40を帯体20のベルト21に連結した状態を示している。
なお、帯体20と拡張部40の連結形態は特に限定されず、例えば、帯体20と拡張部40が直接固定(連結)されていること、帯体20に固定された注入部60のチューブ61を介して拡張部40が帯体20と連結されていることを含む。
第1シート41は、図3(A)に示す平面視において、略矩形状の外形形状を備えている。第1シート41には、矩形状の部分から外方に突出した突出部41cが設けられている。
第2シート42は、図3(B)に示す平面視において、略矩形状の外形形状を備えている。第2シート42には、矩形状の部分から外方に突出した突出部42cが設けられている。また、第2シート42の平面視の略中央部には、マーカー40cが設けられている。
図3(C)に示すように、第1シート41の突出部41cと第2シート42の突出部42cとの間には、後述する注入部60のチューブ61が配置されている。そして、各突出部41c、42cはチューブ61に接着剤により接着されている。これにより、チューブ61は、拡張部40に保持される。なお、第1シート41および第2シート42の外形形状は、上記の形状に特に限定されず、例えば、丸、楕円、多角形であってもよい。また、突出部41c、42cは設けなくてもよい。
第1シート41は、図3(A)に示すように、樹脂材料からなる柔軟部41aと、柔軟部41aに接合された硬質部50と、を有している。一方、第2シート42は、図3(B)に示すように、全体が樹脂材料で形成されたシート状の部材で構成している。
図3(C)に示すように、第1シート41の周縁部(柔軟部41a)と第2シート42の周縁部は、第1シート41と第2シート42とが重ね合わされた状態で第1接合部F1により接合している。接合は、例えば、融着、接着剤による接着等の方法で行うことができる。
拡張部40の第1領域A1は、拡張部40の樹脂材料からなる領域で構成される。つまり、拡張部40において、第1シート41の柔軟部41aおよび第2シート42が設けられた領域は第1領域A1となる。
図3(C)に示すように、第1領域A1の少なくとも一部とベルト21の連結領域21bは、第2接合部F2により接合している。拡張部40は、図2に示すように、第1シート41が帯体20の内面側に面した状態で配置されているため、第1シート41の周縁部分のうちの一辺と、帯体20の連結領域21bの内面側とが接合されている。
第1領域A1を形成する樹脂材料は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂、またはオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーを用いることができる。
なお、第1シート41の柔軟部41aに用いられる樹脂材料と、帯体20の連結領域21bに用いられる樹脂材料とを同一の熱可塑性材料とし、第2接合部F2において融着することにより、第1シート41と帯体20との結合力を強めることができる。ただし、第1シート41の柔軟部41aに用いられる樹脂材料と、帯体20の連結領域21bに用いられる樹脂材料は異なっていてもよい。また、第1シート41の柔軟部41aに用いられる樹脂材料と、第2シート42に用いられる樹脂材料とを同一の熱可塑性材料にすることによって、第1接合部F1における第1シート41と第2シート42との結合力を強めることができる。ただし、第1シート41の柔軟部41aに用いられる樹脂材料と、第2シート42に用いられる樹脂材料は、異なっていてもよい。
第1領域A1を樹脂材料で構成する場合、第1領域A1は熱硬化性エラストマー以外の樹脂材料で構成することが好ましい。熱硬化性エラストマーは、一般的に、熱可塑性材料よりも気体の溶解・拡散現象に基づく気体透過量が多いため、熱硬化性エラストマーで第1領域A1を構成すると、第1領域A1からの気体の排出量が多くなってしまう。これにより、後述する微小孔51による気体の排出量の調整を行い難くなる。したがって、第1領域A1を樹脂材料で形成する場合、第1領域A1は熱硬化性エラストマー以外の樹脂材料で形成することが好ましい。
第2領域A2を形成する金属材料は、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、所定の2種以上の金属を混ぜ合わせた合金等の公知の金属材料を用いることが可能である。ただし、第2領域A2を形成する材料は、少なくとも第1領域A1よりも硬質な材料であればよい。したがって、第2領域A2を形成する材料は、第1領域A1を形成する材料との関係で適宜変更することが可能である。金属材料以外の材料として、例えば、アルミナ、シリカ等のセラミック、熱硬化性エラストマー等の樹脂材料、ガラス等を用いることが可能である。
図2中の拡大図で示すように、第1シート41には、当該第1シート41の厚み方向に貫通した貫通孔41dが形成されている。第1シート41の硬質部50は、貫通孔41dを覆うように配置されており、その周縁部53が第1シート41に接合されている。
拡張部40の第2領域A2は、第1シート41において硬質部50が設けられた領域で構成されている。
第2領域A2は、拡張部40が拡張した状態で、拡張部40内の気体を経時的に排出する微小孔51を有している。微小孔51は、拡張部40の拡張空間40aと連通している。微小孔51から空気が排出される様子は、図5中の破線矢印で例示している。
第2領域A2は、複数の微小孔51を有している。各図に示す符号51aは、単一の微小孔51の集まり(微小孔群)、つまり複数の微小孔を表わしている(図1を参照)。本実施形態においては、各微小孔51は同一の構造を有しているため、一つの微小孔について説明をし、他の微小孔についての説明は省略する。
第2領域A2が有する微小孔51(複数の微小孔51a)は、以下の条件1、2を満たす減圧プロトコルを実現可能に形成されていることが好ましい。
(条件1)帯体20を手首Wに巻き付けた状態で、拡張後4時間にわたって第2領域A2を介して気体を拡張部40の外部に排出することで、1時間経過するごとの拡張部40の内圧が、その1時間前の拡張部40の内圧の70〜97%(好ましくは、75〜94%)となる;
(条件2)帯体20を手首Wに巻き付けた状態で、拡張後4時間経過した後の拡張部40内の内圧が初期内圧の30〜80%(好ましくは、40〜71%)となる。
微小孔51の内径は、第2領域A2に設けられる微小孔51の個数、第2領域A2の厚み、第2領域A2を形成する材料の材質、止血器具10を使用する際の使用条件(止血時の拡張部40内外における圧力差)等に応じて、例示した上記の減圧プロトコルを実現し得るように形成することが可能である。なお、本実施形態のように第2領域A2に複数の微小孔51aを設けている場合、微小孔51ごとに内径を異ならせて第2領域A2の気体の排出量を調整したり、微小孔51の配列(分布)を調整して第2領域A2の気体の排出量を調整したりすることも可能である。
上記のように、微小孔51の内径は、所望の減圧プロトコルを実現し得る限りにおいて特に限定されないが、以下のような理由より、例えば、1nm以上、かつ、10μm以下に形成することが好ましい。
第2領域A2が樹脂材料で構成されている場合、樹脂材料の特性により、微小孔51からの気体の排出以外に、第2領域A2を通じた気体の溶解・拡散現象に基づく気体透過が発生する。微小孔51による気体の排出を主導的なものとして、気体の排出量の調整を容易なものとするためには、溶解・拡散現象に基づく気体透過以上の排出量で気体が排出されるように微小孔51の内径を設定することが好ましい。また、微小孔51を第2領域A2に形成する際の加工精度も考慮すると、微小孔51の内径は、1nm以上であることが好ましい。一方で、微小孔51の内径が過度に大きくなると、第2領域A2の耐久性の低下が招かれるとともに、所望の減圧プロトロコルを実現し難くなるため、微小孔51の内径は、10μm以下であることが好ましい。
なお、本実施形態のように第2領域A2を金属材料で形成している場合や、例えば第2領域A2をセラミック、ガラス等で形成する場合、第2領域A2では、厚み方向への気体透過がほとんど発生しないため、微小孔51の内径は1nmよりも小さく形成することができる。ただし、この場合においても、微小孔51の加工精度を確保する観点より、微小孔51の内径は1nm以上であることが好ましい。
第2領域A2に微小孔51を形成する方法は、第2領域A2を形成する材料に応じて適宜選択することができる。例えば、プレス加工、レーザー加工、イオンビーム加工等を用いることができる。例えば、第2領域A2が金属材料、セラミック、ガラス等で形成されている場合、レーザー照射により微小孔51を形成することができる。レーザー照射により微小孔51を形成する場合、微小孔51の内径を容易かつ正確に調整することができるため、製造作業が簡便なものとなる。また、例えば、第2領域A2が樹脂材料で形成されている場合、細径な針部を備える穿刺具を使用して第2領域A2を厚み方向に貫通する貫通孔を形成することにより、微小孔51を形成することができる。
拡張部40は、図2に示すように、微小孔51を囲むように配置された凸部70を有している。凸部70は、図1に示す平面視において、第2領域A2の周囲を全周に亘って囲むように配置している。
なお、例えば、凸部70は、帯体20には固定されておらず、また気体排出路71が常時形成されていなくてもよい。このように凸部70を構成する場合、凸部70には、拡張部40が拡張した際に帯体20の内面に押し当てられて、気体排出路71を形成するスリットなどを設けることができる。
凸部70は、図2に示すように、第2領域A2の複数の微小孔51aの周囲に、凸部70と帯体20のベルト21で囲まれた空間S1を形成している。
凸部70は、図2に示すように、気体排出路71を有している。気体排出路71は、微小孔51を通じて拡張部40から排出された気体を空間S1から排出させる。気体排出路71は、凸部70の延在方向(突出方向)と交差する方向に凸部70を貫通する貫通孔で形成している。ただし、気体排出路71は、空間S1から気体を排出可能であれば、その構造は特に限定されず、例えば、凸部70と第2領域A2との間や、凸部70とベルト21との間に気体が流通可能な隙間を形成する凹状の溝等であってもよい。
また、凸部70は、第2領域A2に形成された微小孔51(複数の微小孔51a)を周方向の全周に亘って囲むように配置しなくてもよく、例えば、微小孔51の周方向の一部の範囲を囲むように配置してもよい。このように凸部70を配置する場合、気体排出路71は、凸部70の微小孔51を囲まない部分(切欠き部分)により形成することができる。
気体排出路71は、図5に示すように、空間S1から支持板22の中央部22a側に臨んで開口するように形成している。このため、気体排出路71から排出した空気は、止血器具10を装着者に装着した際にベルト21と手首Wの外表面との間に形成される隙間g1側へ向けて排出される。これにより、拡張部40から排出された空気は、拡張部40とベルト21との間に入り込むのを防止できる。
なお、凸部70に気体排出路71を形成する位置、凸部70に形成する気体排出路71の個数、気体排出路71の内径等は、拡張部40から気体を排出可能な限りにおいて特に制限されない。
凸部70は、図5に示すように、拡張部40の拡張時の外形形状に合わせて、図5に示す拡張部40の断面の中心部から離間する側(図5中の左側)の端部の高さ(厚み)寸法が、拡張部40の断面の中心部に近接する側(図5中の右側)の端部の高さ寸法よりも大きく形成されている。拡張部40は、拡張変形した際、図中の中心部から左右両側にかけて厚み寸法が減少する断面形状をなす。このため、凸部70の拡張部40の中心部から離間する側、つまり、拡張部40の拡張時の厚みがより小さくなる端部側の高さ寸法を大きくすることにより、拡張部40とベルト21との間の距離を適切な大きさに保つことができ、拡張部40の拡張変形が凸部70により阻害されるのを防止することが可能になる。
図2中の拡大図に示すように、凸部70は、第2領域A2に配置されている。凸部70は、第2領域A2を構成する硬質部50と帯体20(ベルト21)とに重なる位置で接合されている。凸部70と硬質部50および凸部70と帯体20とを接合する方法には、接合対象となる各部材の材質を考慮した上で、例えば、接着剤による接着、溶着、融着等の方法を採用することができる。
なお、凸部70は、第1領域A1に配置してもよいし、第1領域A1と第2領域A2に跨って配置してもよい。
凸部70は、例えば、弾性材料で形成することが可能である。弾性材料としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料が挙げられる。なお、凸部70は、拡張部40の拡張変形および収縮変形を妨げることのないように、比較的柔軟な弾性材料で形成されていることが好ましい。
第1シート41において第2領域A2および凸部70を設ける位置は、第2領域A2から気体を排出することが可能であれば特に限定されない。ただし、止血器具10による止血を行う際に、穿刺部位Pと重なる位置に第2領域A2や凸部70が配置されていると、マーカー40cの位置を目視により把握し難くなったり、凸部70から穿刺部位Pに対して意図しない圧迫力が付与されたりする可能性がある。このため、第2領域A2および凸部70は、拡張部40の中心部から拡張部40の端部側(図5中の左右方向)へずれた位置に設けることが好ましい。さらに、第2領域A2および凸部70は、拡張部40から排出した気体が拡張部40と帯体20(ベルト21)との間に滞留しないように、図5に示すように、拡張部40と帯体20とが連結された連結領域21b側とは反対の端部側(図5中の右方向)に近付けた位置に設けることがより好ましい。
図5に示すように、拡張部40は、帯体20の内面側に配置されている。このため、拡張部40を拡張させると、帯体20により、拡張部40の手首Wの体表面から離れる方向への拡張は抑制される。これによって、拡張部40の圧迫力が手首W側に集中し、穿刺部位Pに好適に圧迫力を付与することができる。また、拡張部40は、帯体20により手首Wに押付けられて内圧が高まるため、拡張部40内の気体を好適に外部に排出することができる。さらに、止血器具10を装着した装着者が不用意に第2領域A2の微小孔51に触れる等して、拡張部40内の気体の排出が阻害されるのを好適に防止することができる。
また、拡張部40は、図5に示すように、支持板22の第1湾曲部22bと重なる位置に配置している。このため、拡張部40を拡張させた際、支持板22により拡張部40の手首Wの体表面から離れる方向への拡張が抑制され、拡張部40の圧迫力が手首W側に集中する。止血器具10は、前述したように凸部70により拡張部40の圧迫方向が穿刺部位Pに向くように調整されるとともに、支持板22により穿刺部位Pへ圧迫力を集中させることができるため、穿刺部位Pを好適に止血することができる。なお、図5においては、凸部70の構成を図示する都合上、拡張変形した拡張部40が帯体20と接触していない状態を示しているが、拡張部40は、少なくとも支持板22から支持力を受ける程度に拡張変形するように構成することができる。
拡張部40は、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、穿刺部位Pを外面側から視認することができ、後述するマーカー40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。
マーカー40cは、図2に示すように、拡張部40の内表面において、手首W側に配置される外面側の略中央(第2シート42の略中央)に設けられている。拡張部40にこのようなマーカー40cを設けることによって、拡張部40を穿刺部位Pに対して容易に位置合わせすることができるため、拡張部40の位置ズレが抑制される。また、マーカー40cは、拡張部40の内表面側に設けられているため、マーカー40cが穿刺部位Pと直接接触しない。なお、マーカー40cを設ける位置は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせ可能である限りにおいて特に限定されない。例えば、マーカー40cは、拡張部40において、帯体20側に配置される外面側の略中央(第1シート41の略中央)に設けられていてもよい。
マーカー40cの形状は、特に限定されず、例えば、円、三角形、四角形等が挙げられ、本実施形態では、四角形をなしている。
マーカー40cの大きさは、特に限定されないが、例えば、マーカー40cの形状が四角形をなしている場合、その一辺の長さが1〜4mmの範囲であることが好ましい。一辺の長さが5mm以上であると、穿刺部位Pの大きさに対してマーカー40cの大きさが大きくなるため、拡張部40の中心部を穿刺部位Pに位置合わせし難くなる。
マーカー40cの材質は、特に限定されず、例えば、インキ等の油性着色料、色素を混練した樹脂等が挙げられる。
マーカー40cの色は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせすることができる色であれば特に限定されないが、緑色系が好ましい。緑色系にすることにより、マーカー40cを血液や皮膚上で容易に視認することができるため、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせすることがより容易となる。
また、マーカー40cは半透明または有色透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位Pをマーカー40cの外面側から視認することができる。
拡張部40にマーカー40cを設ける方法は特に限定されないが、例えば、マーカー40cを拡張部40に印刷する方法、マーカー40cの片面に接着剤を塗布して拡張部40に貼り付ける方法等が挙げられる。
注入部60は、拡張部40に気体を注入するための部位であり、図1に示すように、拡張部40に接続されている。
注入部60は、その基端部が拡張部40に接続され、その内腔が拡張部40の内部に連通する可撓性を有するチューブ61と、チューブ61の内腔と連通するようにチューブ61の先端部に配置され、逆止弁(図示せず)を内蔵する袋体62と、袋体62に接続された管状のコネクタ63と、を備えている。
チューブ61は、図3(C)に示すように、第1シート41の突出部41cと第2シート42の突出部42cとの間に挟まれるようにして拡張部40に接続されている。ただし、拡張部40においてチューブ61を接続する位置は、チューブ61の内腔が拡張部40の内部空間と連通している限り、特に限定されない。
拡張部40を拡張(膨張)させる際には、コネクタ63にシリンジ(図示せず)の先筒部を挿入して逆止弁を開き、このシリンジの押し子を押して、シリンジ内の気体を注入部60を介して拡張部40内に注入する。拡張部40が拡張すると、チューブ61を介して拡張部40と連通している袋体62も膨張し、気体が漏れずに、拡張部40を加圧できていることを目視で確認できる。拡張部40内に気体を注入した後、コネクタ63からシリンジの先筒部を抜去すると、コネクタ63に内蔵された逆止弁が閉じて気体の漏出が防止される。
次に、本実施形態に係る止血器具10の使用方法について説明する。
止血器具10を手首Wに装着する前は、図2に示すように、拡張部40は、拡張していない状態となっている。図4および図5に示すように、右手の手首Wの橈骨動脈Rに穿刺を行う場合、穿刺部位Pは、親指側へ片寄った位置にある。通常、穿刺部位Pにはイントロデューサーシースが留置されている。このイントロデューサーシースが留置されたままの状態の手首Wに帯体20を巻き付け、拡張部40に設けられたマーカー40cが穿刺部位P上に重なるように拡張部40および帯体20を位置合わせして、面ファスナー30の雄側31および雌側32を接触させて接合し、帯体20を手首Wに装着する。
この際、止血器具10は、注入部60が、橈骨動脈Rの血流の下流側(掌側)に向くように、手首Wに対して装着される。これにより、手首よりも上流側での手技や、上流側に位置する器具(例えば、血圧計等)に干渉することなしに、注入部60の操作が可能となる。また、止血器具10を、注入部60が下流側に向くように右手の手首Wに装着することで、拡張部40は、手首Wの親指側へ片寄って位置する橈骨動脈Rに位置する。なお、動脈の場合、血管の上流側とは、血管の心臓に近づく方向をいう。また、血管の下流側とは、血管の心臓から遠ざかる方向をいう。
なお、止血器具10は、左手の手首の橈骨動脈に穿刺を行う場合に使用してもよい。この場合、注入部60は、橈骨動脈の血流の上流側に向くように、左手の手首に対して装着される。
止血器具10を手首Wに装着した後、注入部60のコネクタ63にシリンジ(図示せず)を接続し、前述したようにして気体を拡張部40内に注入し、拡張部40を拡張させる。
この際、気体の注入量により、症例に応じて、拡張部40の拡張度合、すなわち、穿刺部位Pに作用する圧迫力を容易に調整することができる。例えば、仮に、拡張部40に気体を注入しすぎて拡張部40が過拡張した場合は、シリンジを用いて拡張部40内から余剰な気体を排出すればよい。
拡張部40を拡張させた後、コネクタ63からシリンジを離脱させる。そして穿刺部位Pからイントロデューサーシースを抜去する。
拡張部40を拡張させた後は、図5に破線矢印で示すように、第2領域A2の微小孔51を介して、穿刺部位Pに圧迫力を付与しつつ、血管閉塞を防止できる程度に、拡張部40内の気体が経時的に拡張部40の外部に排出される。拡張部40から排出された空気は、空間S1、凸部70の気体排出路71を介して、隙間g1へ送られる。
なお、仮に、拡張部40の拡張後、止血が十分に行われていない場合は、拡張部40に気体を注入して、拡張部40の内圧を上昇させてもよい。例えば、拡張部40の内圧を、拡張部40に気体を注入した時の内圧に戻したい場合は、拡張部40から排出された分の気体を注入すればよい。
所定の時間が経過して、穿刺部位Pの止血が完了したら、止血器具10を手首Wから取り外す。止血器具10は、面ファスナー30の雄側31および雌側32を剥がすことによって手首Wから取り外される。
以上のように、本実施形態に係る止血器具10は、手首Wの穿刺部位Pに巻き付けるための帯体20と、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する固定手段30と、帯体20に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張する拡張部40と、を有している。また、拡張部40は、当該拡張部40に気体を注入する際に伸長する第1領域A1と、第1領域A1よりも伸長し難く、かつ、硬質な材料で形成された第2領域A2と、を備えており、第2領域A2は、拡張部40が拡張した状態で、拡張部40内の気体を経時的に排出する微小孔51を有している。
上記のように、拡張部40の微小孔51は、第1領域A1よりも硬質である第2領域A2に設けられる。これにより、微小孔51は、拡張部40の拡張前後において、微小孔51の内径および流路長(拡張部の肉厚方向の長さ)が変化し難くなる。このため、拡張部40の拡張に用いられる気体の粘度を考慮して微小孔51の内径を所定の大きさで形成しておくことにより、拡張部40の気体排出速度を容易に調整することができる。さらに、第2領域A2からの気体の排出は、微小孔51を介して行われるため、経時的に厚みが薄くなるように拡張部を作製する必要がない。ゆえに、本発明の止血器具10は、拡張部40の強度を良好に保つことができ、かつ、血管閉塞を防止しつつ止血の進行に応じて圧迫力を経時的に低減する減圧調整が容易なものとなる。
また、止血器具10において、第1領域A1は、樹脂材料で形成されており、第2領域A2は、金属材料で形成されている。拡張部40は、第1領域A1が樹脂材料で形成されているため、拡張部40へ気体を注入することにより拡張変形して穿刺部位Pに圧迫力を付与することができ、かつ、拡張部40から気体を排出することにより収縮変形して穿刺部位Pへの圧迫力を低減することが可能になる。さらに、拡張部40は、第2領域A2が金属材料で形成されているため、止血を行っている最中に第2領域A2が変形するのを防止することができるとともに、レーザー照射等の方法で第2領域A2に所望の内径の微小孔51を容易に形成することができる。またさらに、第2領域A2で気体の溶解・拡散現象に基づく気体透過が発生するのを防止することができるため、微小孔51による減圧調整がより一層容易なものとなる。
また、拡張部40は、微小孔51を囲むように配置された凸部70を有している。この凸部70は、拡張部40が拡張した状態において、微小孔51を通じて拡張部40から排出された気体を排出可能な気体排出路71を有している。凸部70は、微小孔51の周囲に空間S1を形成する。空間S1は、微小孔51付近に塵や埃といった微細な異物が付着するのを防止し、微小孔51に異物が詰まることにより微小孔51からの気体の排出が妨げられるのを防止する。さらに、拡張部40から排出された気体は、凸部70の気体排出路71を介して空間S1の外部へ排出することができる。このように、凸部70は、微小孔51が異物で閉塞されるのを防止しつつ、拡張部40の減圧調整を可能にする。
また、凸部70は、第2領域A2に配置されている。このため、凸部70は、比較的硬質な第2領域A2において安定的に支持されるため、拡張部40の拡張変形前後において位置ずれが生じ難くなる。
また、第2領域A2は、複数の微小孔51aを有している。このため、複数の微小孔51aに含まれる各微小孔51の内径とともに微小孔51の個数を調整することにより、第2領域A2の気体排出速度を精度良く調整することが可能になる。
次に、上述した実施形態の変形例を説明する。なお、各変形例の説明において前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(変形例1)
図6は、変形例1に係る止血器具100の説明に供する図である。
変形例1に係る止血器具100は、拡張部40の第2領域A2の構成が前述した実施形態と相違している。具体的には、図6に示すように、第2領域A2は、拡張部40の拡張方向に沿う断面(図6に示す断面)において、第2領域A2の周囲に配置された第1領域の部分A11(第1領域A1の一部の範囲)よりも帯体20の内表面側に配置されている。
第2領域A2は、第1シート41の硬質部150により構成している。硬質部150は、拡張部40から気体を排出させる微小孔151を有している。なお、図示省略するが、本変形例においても第2領域A2は、複数の微小孔を有している。
前述した実施形態では凸部70は第2領域A2(硬質部150)に接合していたが、本変形例では凸部70は第1領域A1に配置(接合)している。ただし、本変形例の止血器具100においても、凸部70は、第2領域A2に配置することが可能である。
第2領域A2を構成する硬質部150の材質、第1シート41に硬質部150を形成する方法(接合方法)は、前述した実施形態と同様である。第1領域A1と凸部70とを接合する方法は、各部材の材質を考慮した上で、例えば、接着剤による接着、融着等の方法を採用することができる。
図6に示す断面図において、第2領域A2の微小孔151が形成された部分は、第1領域A1の第2領域A2の周囲に配置された部分A11よりも帯体20の内表面側に配置されている。このため、第2領域A2の微小孔51が形成された部分と、第1領域A1の第2領域A2の周囲に配置された部分A11との間には、拡張部40の拡張方向に沿って段差が形成される。第2領域A2の微小孔51が形成された部分の周辺に水滴や埃等が付着することがあっても、水滴や塵等は、上記段差側へ誘導されるため、微小孔51の周囲に滞留し難くなる。これにより、微小孔51は、水滴や塵等で閉塞されるのをより確実に防止することができる。
なお、第2領域A2を構成する硬質部150の断面形状、厚み、第2領域A2がその周囲の第1領域A1から離間する距離等は、拡張部40への水滴や埃等の侵入を抑制し得る限りにおいて特に制限はない。
(変形例2)
図7は、変形例2に係る止血器具200の説明に供する図である。
変形例2に係る止血器具200は、拡張部40と帯体20との間に補助圧迫部280を備える点、およびマーカー40cが補助圧迫部280に設けられている点において、前述した実施形態と相違する。
補助圧迫部280は、拡張部40と同様に袋状に形成されている。補助圧迫部280は、その内部空間が拡張部40の拡張空間40aと連通するように、拡張部40に取り付けられている。このため、拡張部40に気体を注入すると補助圧迫部280も拡張する。
補助圧迫部280は、熱硬化性エラストマー以外の樹脂材料で構成することが好ましい。前述したように熱硬化性エラストマーは、一般的に、熱可塑性材料よりも気体の溶解・拡散現象に基づく気体透過量が多いため、熱硬化性エラストマーで補助圧迫部280を構成すると、補助圧迫部280からの気体の排出量が多くなってしまう。これにより、微小孔51による気体の排出量の調整を行い難くなる。したがって、補助圧迫部280は、熱硬化性エラストマー以外の樹脂材料で形成することが好ましい。
なお、補助圧迫部280は、スポンジ状の物質、弾性材料、綿のような繊維の集合体、またはこれらの組合せなどによって構成してもよい。
マーカー40cは、補助圧迫部280の外表面において、拡張部40の中央に近い側の端部に設けられている。補助圧迫部280にこのようなマーカー40cを設けることにより、拡張部40を穿刺部位Pに対して容易に位置合わせすることができるため、拡張部40の位置ズレが抑制される。また、マーカー40cは、補助圧迫部280に設けられているため、拡張部40の第2領域A2における気体の透過が妨げられることがない。なお、マーカー40cを設ける位置は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせ可能である限り特に限定されない。例えば、マーカー40cは、拡張部40に設けられていてもよい。
上記変形例2に係る止血器具200によれば、図7に実線の矢印で示すように、補助圧迫部280によって、拡張部40が付与する圧迫力の方向を、穿刺部位Pに向かう方向に調整することができる。
なお、変形例1として説明した止血器具100に、変形例2に示した補助圧迫部280を設けることも可能である。
なお、凸部70は、例えば、図7の補助圧迫部280の位置に配置することで、補助圧迫部280の機能を持たせることが可能である。このような位置に凸部70を配置することにより、凸部70により圧迫力の方向を穿刺部位Pに向かう方向に調整することができるため、拡張部40による止血効果を高めることが可能になる。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、止血器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、手首に装着して使用する止血器具に限らず、脚等に装着して使用する止血器具にも適用することができる。
また、前述した実施形態では、止血器具には凸部が備えられていたが、例えば、止血器具に凸部を備えさせなくてもよい。
また、前述した実施形態では、拡張部を2枚のシートによって構成していたが、拡張部は、気体の注入により拡張する第1領域と、第1領域よりも伸縮し難く形成された第2領域と、を備え、かつ、気体によって拡張可能である限り特に限定されない。例えば、拡張部は、1枚のシートによって構成されており、当該シートを折り重ね、縁部を接着または融着して袋状に形成してもよい。また、拡張部は、縁部を備えない風船状の部材によって構成されていてもよい。
また、第1領域は、拡張部において少なくとも帯体に連結される部分に設けられていればよい。また、第2領域を設ける位置も、当該第2領域の微小孔を介して拡張部から気体を排出可能な限りにおいて特に限定されない。例えば、第2領域は、肢体側に配置される内面と、帯体側に配置される外面の両方にまたがって設けられていてもよいし、内面にのみ設けられていてもよい。
10 止血器具、
20 帯体、
21 ベルト、
21b 連結領域、
22 支持板、
30 面ファスナー(固定手段)、
40 拡張部、
40a 拡張空間、
40c マーカー、
41 第1シート、
41a 柔軟部、
41c 突出部、
41d 貫通孔、
42 第2シート、
42c 突出部、
50 硬質部、
51 微小孔、
51a 複数の微小孔、
60 注入部、
70 凸部、
71 気体排出路、
100 止血器具、
150 硬質部、
151 微小孔、
200 止血器具、
280 補助圧迫部。
A1 第1領域、
A2 第2領域、
W 手首(肢体)、
P 穿刺部位(止血部位)。

Claims (6)

  1. 肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、
    前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、
    前記帯体に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張する拡張部と、を有し、
    前記拡張部は、当該拡張部に気体を注入する際に伸長する第1領域と、当該第1領域よりも伸長し難く、かつ、硬質な材料で形成された第2領域と、を備え、
    前記第2領域は、前記拡張部が拡張した状態で、前記拡張部内の気体を経時的に排出する微小孔を有する、止血器具。
  2. 前記第1領域は、樹脂材料で形成されており、
    前記第2領域は、金属材料で形成されている、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記拡張部は、前記微小孔を囲むように配置された凸部を有し、
    前記凸部は、前記拡張部が拡張した状態において、前記微小孔を通じて前記拡張部から排出された前記気体を排出可能な気体排出路を有する、請求項1または請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記凸部は、前記第2領域に配置されている、請求項3に記載の止血器具。
  5. 前記第2領域は、前記拡張部の拡張方向に沿う断面において、前記第1領域の前記第2領域の周囲に配置された部分よりも前記帯体の内表面側に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の止血器具。
  6. 前記第2領域は、複数の前記微小孔を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の止血器具。
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