JP6654994B2 - 回路部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁シールド機能を有する回路部品の製造方法に関する。
携帯電話やスマートフォンなどの無線通信機器に用いられる電子部品においては、電子部品を構成する回路素子から発生する電磁波の漏洩を防止する、あるいは外部から侵入する電磁波を遮断するために、回路素子の周囲を電磁シールド(電磁遮蔽;以下適宜「シールド」という。)する技術が広く用いられている。例えば、複数の回路素子の上に塗布された絶縁性樹脂に基板に到達する溝を形成し、この溝に導電性樹脂を充填することによって電子部品をシールドする技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2010−238717号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電子部品には次のような課題がある。特許文献1の図5に示されるように、電子部品を製造するために、基板1Aに回路素子2A,2Bを実装し、絶縁性樹脂13Aを塗布する。次に、複数の電子部品を区画する位置に、ダイサを用いてハーフカット溝5を形成する。ハーフカット溝5は、絶縁性樹脂13Aの表面から基板1Aの内層電極に至る深さまで形成する。次に、導電性樹脂13Bを絶縁性樹脂13Aの天面に載置して加圧流動することにより、ハーフカット溝5に導電性樹脂13Bを充填する。このように、シールドされた電子部品を製造するために、樹脂を塗布し加圧流動させる加圧流動工程の他にハーフカット溝5を形成する溝形成工程及び装置が必要となる。したがって、設備費が増大し電子部品の製造コストが増加するという問題がある。
本発明は上記の課題を解決するもので、導電性硬化樹脂によって電磁シールド機能を有する回路部品を製造することができ、かつ製造コストを低減することができる回路部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る回路部品の製造方法は、電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品を製造する回路部品の製造方法であって、電子部品が装着されると共に前記電子部品の周囲を取り囲む枠状の配線パターンである接地電極が設けられた第1面を有する基板の前記第1面の側に、前記回路部品に対応する複数の第1キャビティを有する第1成形型を用いて絶縁性樹脂を成形する第1成形工程と、前記第1成形工程の後に、複数の前記第1キャビティのそれぞれを個別に立体的に見て内包する形状の第2キャビティを複数有する第2成形型を用いて前記基板の前記第1面の側に導電性樹脂を成形する第2成形工程とを含み、前記第1成形工程では、型締め状態で離型フィルムを前記接地電極の外周部分に接触させて成形を行い、前記絶縁性樹脂によって前記電子部品と前記接地電極の内周部分とを覆い、前記接地電極の前記外周部分を前記絶縁性樹脂から露出接地電極として露出させ、前記第2成形工程では、圧縮成形法を用い、前記絶縁性樹脂と前記露出接地電極とを前記導電性樹脂で直接接触させて覆うことによって前記露出接地電極と前記導電性樹脂とを電気的に接続する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る回路部品の製造方法は、電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品を製造する回路部品の製造方法であって、電子部品が装着されると共に前記電子部品の周囲を取り囲む枠状の配線パターンである接地電極が設けられ、開口を有する樹脂フィルムが貼付された第1面を有する基板の前記第1面の側に、前記回路部品に対応する複数の第1キャビティを有する第1成形型を用いて絶縁性樹脂を成形する第1成形工程と、前記第1成形工程の後に、前記樹脂フィルムを除去することによって、前記接地電極の外周部分を露出接地電極として前記絶縁性樹脂から露出させる露出工程と、前記露出工程の後に、前記回路部品に対応する複数の第2キャビティを有する第2成形型を用いて前記基板の前記第1面の側に導電性樹脂を成形する第2成形工程とを含み、前記第2成形工程では、圧縮成形法を用い、前記絶縁性樹脂と前記露出接地電極とを前記導電性樹脂で直接接触させて覆うことによって前記露出接地電極と前記導電性樹脂とを電気的に接続する
本発明によれば、絶縁性樹脂を覆うとともに接地電極に電気的に接続された導電性樹脂によって、電磁シールド機能を有する回路部品を製造することができる。
本実施形態に係る回路部品において使用される封止前基板を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態1において、絶縁性を有する樹脂材料(絶縁性樹脂材料)を用いて図1で示した封止前基板を樹脂成形して中間体を成形する工程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態1において、導電性を有する樹脂材料(導電性樹脂材料)を用いて図2で示した中間体を樹脂成形して封止済基板を成形する工程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態1において、図3に示した封止済基板を個片化して回路部品を製造する工程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態2において、導電性樹脂材料を用いて図2で示した中間体を樹脂成形する工程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態2において、樹脂成形された封止済基板を個片化して回路部品を製造する工程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態3において、図1に示した封止前基板を上型に供給し、導電性樹脂材料及び絶縁性樹脂材料を下型に供給する工程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態3において、図7で示した導電性樹脂材料及び絶縁性樹脂材料を硬化させて封止済基板を成形する工程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施形態3において、樹脂成形された封止済基板を個片化して回路部品を製造する工程を示す概略断面図である。 実施形態4において、樹脂成形装置の概要を示す平面図である。 実施形態5において、製造装置の概要を示す平面図である。 (a)〜(c)は、実施形態6において、複数の電子部品を樹脂成形することによって製造された様々な回路部品を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。本出願書類におけるいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。なお、本出願書類において、「電子部品」とは、樹脂等によって封止されていない所謂半導体チップ、および半導体チップの少なくとも一部が樹脂等によって封止された形態のものを含む。また、「回路部品」とは、少なくとも一つの電子部品が導電性硬化樹脂によってシールドされた構造のものを含む。
〔実施形態1〕
(封止前基板の構成)
本発明に係る実施形態1の回路部品において使用される封止前基板の構成について、図1を参照して説明する。
図1(a)に示されるように、封止前基板1は、基板を格子状の複数の領域に仮想的に区画し、それぞれの領域に電子部品を装着した基板である。本実施形態においては、電子部品として複数の半導体チップを装着した封止前基板を示す。封止前基板1は、基板2と基板2の上に装着された複数の半導体チップ3とを備える。基板2としては、例えば、ガラスエポキシ積層板、プリント基板、セラミックス基板などが使用される。半導体チップ3としては、例えば、マイクロプロセッサ、高周波デバイス、パワーデバイスなどが装着される。図1においては、半導体チップ3における回路が形成された主面が上を向くようにして、基板2の上に半導体チップ3が装着される。
基板2の表面には複数の基板電極4が設けられる。図示を省略するが、基板電極4は、基板2の表面に設けられた配線及び基板2の内部に設けられたビア配線を介して基板2の裏面に設けられた外部電極にそれぞれ接続される。基板電極4、配線、ビア配線及び外部電極は、例えば、電気抵抗率が小さい銅(Cu)やアルミニウム(Al)などを用いることが好ましい。図1(b)に示されるように、複数の基板電極4は、半導体チップ3に形成されたパッド電極5にそれぞれ電気的に接続される。基板電極4とパッド電極5とは、金線又は銅線からなるボンディングワイヤ6を介してそれぞれ接続される。
複数の基板電極4のうち、特定の電極は半導体チップ3の電位を接地電位にするための接地電極(グランド電極)7を構成する。図1(a)に示されるように、接地電極7は、半導体チップ3と複数の基板電極4の周囲とを取り囲む枠状の配線パターンを含む。本実施形態においては、半導体チップ3が装着された各領域において、接地電極7のボンディングワイヤ6が直接接続された部分と最外周に形成される枠状の配線パターンとを含めて接地電極7という。
基板2の表面には、基板電極4及び接地電極7の表面を除いて、絶縁性樹脂被膜であるソルダレジスト8が設けられる。
封止前基板1には、基板2を格子状の複数の領域に区画して、それぞれの領域を切断するための切断線9がX方向及びY方向(図1(a)において横方向及び縦方向に示す破線)に沿ってそれぞれ設けられる。複数の切断線9によって囲まれる各領域10が、それぞれ導電性硬化樹脂によってシールドされる回路部品となる領域に相当する。
(樹脂成形工程及び個片化工程)
図2〜4を参照して、例えば、圧縮成形法による樹脂成形装置を使用して、図1に示した封止前基板1を樹脂成形して封止済基板を作製し、封止済基板を個片化して回路部品を製造する工程を説明する。なお、後述するように、本実施形態で使用する樹脂成形装置(図10参照)は、絶縁性硬化樹脂を成形する第1成形型と導電性硬化樹脂を成形する第2成形型とを備えた製造装置である。
図2を参照して、樹脂成形装置において、絶縁性硬化樹脂を成形する第1成形型の構成を説明する。図2(a)に示されるように、第1成形型11は、上型12と上型12に対向して配置される下型13とを備える。下型13には、絶縁性樹脂材料が供給されるキャビティ14が設けられる。
図2を参照して、絶縁性樹脂材料を使用して封止前基板1を樹脂成形する工程を説明する。最初に、第1成形型11において、上型12と下型13とを型開きした状態にしておく。次に、基板搬送機構(図10参照)を使用して、図1に示した封止前基板1を上型12の下方の所定位置に搬送する。
次に、基板搬送機構を使用して封止前基板1を上昇させて、吸着又はクランプ(図示なし)によって上型12の型面に封止前基板1を固定する。封止前基板1は、半導体チップ3を装着した面が下側に向くようにして上型12の型面に固定される。
次に、下型13に離型フィルム15を供給する。下型13に設けられた吸着機構(図示なし)を使用してキャビティ14における下型13の型面に沿うように離型フィルム15を吸着する。離型フィルム15としては、短冊状にカットされた離型フィルム又は長尺状の離型フィルムのいずれかを使用することができる。また、樹脂材料によっては離型フィルム15を使用しない場合もある。図1においては、短冊状にカットされた離型フィルム15を供給する例を示す。
次に、材料搬送機構(図10参照)を使用して、下型13に設けられたキャビティ14に絶縁性樹脂材料を供給する。絶縁性樹脂材料として、例えば、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられる。樹脂材料としては、常温で粉末状、顆粒状、シート状などの固形状樹脂、又は、常温で液状(粘度の大小を問わない。以下同じ。)の樹脂(液状樹脂)などを使用することができる。本実施形態においては、絶縁性樹脂材料として顆粒状の樹脂(顆粒状樹脂)16を供給する例を示す。具体的には、顆粒状樹脂16はキャビティ14に吸着された離型フィルム15の上に供給される。
ここでは、離型フィルム15と顆粒状樹脂16とを別々の工程で、下型13に搬送する例について説明したが、これに限定されない。例えば、離型フィルム15の上に材料収容枠を配置して材料収容枠の中に顆粒状樹脂16を投入する。この状態で材料搬送機構を使用して、離型フィルム15と材料収容枠とを一括して(同時に)下型13に搬送する。このことにより、離型フィルム15と顆粒状樹脂16とを一括してキャビティ14に供給することができる。
次に、下型13に設けられたヒータ(図示なし)によって顆粒状樹脂16を加熱する。加熱することによって顆粒状樹脂16を溶融し、絶縁性を有する流動性樹脂(絶縁性流動樹脂)17を生成する。なお、絶縁性樹脂材料としてキャビティ14に液状樹脂を供給した場合には、その液状樹脂自体が絶縁性流動樹脂17に相当する。
次に、図2(b)に示されるように、型締機構(図10参照)を使用して下型13を上昇させ、上型12と下型13とを型締めする。型締めすることによって、封止前基板1に装着された半導体チップ3を、キャビティ14内に満たされた絶縁性流動樹脂17に浸漬させる。上型12と下型13とを型締めした後に、上型12と下型13とを使用してキャビティ14内の絶縁性流動樹脂17に圧力を加える。
次に、下型13に設けられたヒータ(図示なし)を使用して、絶縁性を有する絶縁性流動樹脂17を硬化させるために必要な時間だけ、絶縁性流動樹脂17を加熱する。絶縁性流動樹脂17を硬化させて絶縁性を有する硬化樹脂(絶縁性硬化樹脂)18を成形する。封止前基板1に装着された半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとが、キャビティ14の形状に対応して成形された絶縁性硬化樹脂18によって樹脂封止される。封止前基板1に対して、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとが絶縁性硬化樹脂18によって樹脂封止される。ここまでの工程によって、中間体19が成形される。硬化樹脂の硬度は、硬化樹脂によって覆われる半導体チップ3などが外力、外部の環境などから保護されるために充分な硬度であればよい。
上型12と下型13とを型締めした状態において、平面視してキャビティ14の外周部は封止前基板1の接地電極7に重なる。したがって、接地電極7の一部の部分7a(半導体チップ3に近い側)は絶縁性流動樹脂17に浸漬する。一方、接地電極7の残りの部分7b(半導体チップ3から遠い側)は絶縁性流動樹脂17に浸漬せず、下型13の型面によってクランプされる。このことにより、封止前基板1が絶縁性樹脂材料(顆粒状樹脂16)によって樹脂成形された場合に、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとは樹脂成形される。一方、接地電極7の残りの部分7bは、樹脂成形されずに、接地電極7の表面から露出した状態となる。
次に、図2(c)に示されるように、型締機構を使用して上型12と下型13とを型開きする。上型12の型面には、中間体19が固定されている。接地電極7の残りの部分7bは樹脂封止されずに接地電極7の表面から露出した状態である。次に、基板搬送機構を使用して第1成形型11から中間体19を取り出す。
中間体19において、絶縁性硬化樹脂18から露出させたい領域(接地電極7の残りの部分7bを少なくとも含む領域)には硬化樹脂が形成されないことが、要求される。このことを可能にするために、次の手段が採用される。第1の手段は、上述した離型フィルム15を使用することである。第2の手段は、封止前基板1において、絶縁性硬化樹脂18が形成される範囲に対応する開口を有する樹脂フィルムを貼付することである。絶縁性硬化樹脂18が形成された後に樹脂フィルムを除去することにより、樹脂フィルムが貼付された領域が絶縁性硬化樹脂18から露出する。第3の手段は、絶縁性硬化樹脂18から露出させたい領域に形成された薄い絶縁性硬化樹脂を、ブラスト加工、ウォータージェット加工、洗浄などによって除去することである。
図3を参照して、樹脂成形装置において、導電性硬化樹脂を成形する第2成形型の構成を説明する。図3(a)に示されるように、第2成形型20は、上型21と上型21に対向して配置される下型22とを備える。下型22には、導電性樹脂材料が供給されるキャビティ23が設けられる。キャビティ23の周囲には、例えば、シート状の樹脂が配置される配置領域24が設けられる。配置領域24は、平面視して下型22に設けられたすべてのキャビティ23を内包するように設けられる。
「平面視した場合に、AはBを内包する」という文言は、「AとBとが重なった状態を平面図として描く方向に沿って見る場合において、AがBを完全に含み、かつ、Bの全周におけるBの外側にAの一部分が存在すること」を意味する。
第2成形型20の下型22に設けられたキャビティ23は、立体的に見て第1成形型11の下型13に設けられたキャビティ14(図2参照)を内包する。言い換えれば、下型22の型面と下型13の型面とを一致させた状態において、キャビティ23の体積(容積)はキャビティ14の体積(容積)よりも大きくなるように設定される。かつ、キャビティ23の寸法は、X方向、Y方向及びZ方向において、キャビティ14の寸法よりも大きく設定される。
図3〜4を参照して、導電性樹脂材料によって中間体19を樹脂成形して封止済基板を作製し、封止済基板を個片化して回路部品を製造する工程を説明する。絶縁性樹脂材料として、例えば、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられる。樹脂材料としては、常温で粉末状、顆粒状、シート状などの固形状樹脂、又は、常温で液状の樹脂などを使用することができる。
まず、図3(a)に示されるように、第2成形型20において、上型21と下型22とを型開きした状態にする。次に、基板搬送機構(図10参照)を使用して、第1成形型11(図2参照)から取り出した中間体19を上型21の下方の所定位置に搬送する。次に、基板搬送機構を使用して中間体19を上昇させて、吸着又はクランプによって上型21の型面に中間体19を固定する。
次に、下型22に離型フィルム25と導電性樹脂材料とを供給する。本実施形態では、離型フィルム25と導電性樹脂材料とを一括してキャビティ23に供給する例を示す。例えば、導電性樹脂材料としてシート状の樹脂(シート状樹脂)26が離型フィルム25の上に貼着された状態で、キャビティ23にシート状樹脂26供給する例を示す。本実施形態で使用されるシート状樹脂26は柔軟性を有するシート状樹脂である。したがって、シート状樹脂26は、熱を受けることによって伸張する。
図3(a)に示されるように、材料搬送機構(図10参照)を使用して、シート状樹脂26が貼着された離型フィルム25を下型22に供給する。シート状樹脂26は、離型フィルム25を間に挟んで下型22に設けられた配置領域24の上に配置される。ここでは、シート状樹脂26が貼着された離型フィルム25として、短冊状にカットされた離型フィルムを使用する例を示す。これに限らず、長尺状の離型フィルムにシート状樹脂を貼着することもできる。
導電性を有するシート状樹脂26は、例えば、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂に、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などの金属粒子、炭素粒子などの導電性粒子を添加して構成される。シート状樹脂26は、添加される導電性粒子の種類及び添加量によって、導電性や反りを制御することができる。導電性粒子を含むシート状樹脂26が有する熱伝導率は、絶縁性を有する顆粒状樹脂16が有する熱伝導率よりも大きい。このことは以下の実施形態においても同じである。
次に、図3(b)に示されるように、下型22に設けられた吸着機構(図示なし)を使用してキャビティ23及び配置領域24における下型22の型面に沿うように離型フィルム25を吸着する。この場合には、柔軟性を有するシート状樹脂26を貼着しているので、離型フィルム25と共にシート状樹脂26もキャビティ23及び配置領域24における下型22の型面に沿うように配置される。離型フィルム25及びシート状樹脂26は下型22に設けられたヒータからの輻射熱によって伸張するので、キャビティ23及び配置領域24における下型22の型面に沿って配置されることが可能となる。このようにして、導電性を有するシート状樹脂26がキャビティ23に供給される。
次に、図3(c)に示されるように、型締機構(図10参照)を使用して下型22を上昇させ、上型21と下型22とを型締めする。第2成形型20の下型22に設けられたキャビティ23は、立体的に見て第1成形型11の下型13に設けられたキャビティ14(図2参照)を内包する。したがって、キャビティ23は、中間体19に成形された絶縁性硬化樹脂18を内包する。型締めすることによって、キャビティ23、厳密に言えば、シート状樹脂26によって囲まれた空間に、中間体19に成形された絶縁性硬化樹脂18が隙間なく(ほぼぴったりと)挿入される。この状態で、接地電極7の表面が露出していた残りの部分7bと導電性を有するシート状樹脂26とが接触する。
次に、下型22に設けられたヒータ(図示なし)を使用して、シート状樹脂26を加熱して溶融させる。更に、溶融した流動性樹脂(導電性流動樹脂)を硬化させるために必要な時間だけ、流動性樹脂を加熱する。流動性樹脂を硬化させて導電性を有する硬化樹脂(導電性硬化樹脂)27を成形する。導電性硬化樹脂脂27は硬化することによって絶縁性硬化樹脂18の上に固着される。接地電極7の残りの部分7bと導電性硬化樹脂27とが電気的に接続される。したがって、接地電極7と導電性硬化樹脂27とを電気的に導通させることができる。このことにより、半導体チップ3を、導電性硬化樹脂27によって電磁シールドすることができる。ここまでの工程によって封止済基板28が成形される。絶縁性硬化樹脂18と導電性硬化樹脂27との境界部には界面が形成される。
次に、図4(a)に示されるように、型締機構を使用して上型21と下型22とを型開きする。上型21の型面には、中間体19を樹脂成形した封止済基板28が固定されている。次に、基板搬送機構を使用して第2成形型20から封止済基板28を取り出す。
次に、図4(b)に示されるように、例えば、回転刃29を有する切削装置を使用して封止済基板28を切断する(完全に切削する)。回転刃29を使用して、封止済基板28に設けられた切断線9(図1(a)参照)に沿って封止済基板28を切断する。
図4(c)に示されるように、封止済基板28を切断して個片化することによって回路部品30がそれぞれ製造される。導電性硬化樹脂27と接地電極7とは電気的に接続されている。したがって、回路部品30は、半導体チップ3が導電性硬化樹脂27に取り囲まれることによって電磁シールドされる構造を有する。絶縁性硬化樹脂18と導電性硬化樹脂27との境界部には界面が形成される。
(作用効果)
本実施形態の回路部品の製造方法は、電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品30を製造する回路部品の製造方法であって、第1面を有する基板2と、基板2の第1面に装着された電子部品である半導体チップ3と、半導体チップ3の周囲に設けられた接地電極7とを少なくとも有する封止前基板1を準備する工程と、第1成形型11を用いて基板2の第1面の側に絶縁性硬化樹脂18を成形する第1成形工程と、第1成形工程に続いて、第2成形型20を用いて基板2の第1面の側に導電性硬化樹脂27を成形することによって封止済基板28を作製する第2成形工程とを備え、第1成形工程において、絶縁性硬化樹脂18によって半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを覆い、接地電極7の残りの部分7bを絶縁性硬化樹脂18から露出させることによって露出接地電極7bを形成し、第2成形工程において、絶縁性硬化樹脂18と露出接地電極7bとを導電性硬化樹脂27によって覆うことによって露出接地電極7bと導電性硬化樹脂27とを電気的に接続する。
この製造方法によれば、基板2の主面に装着された半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂18によって樹脂封止する。接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂27によって樹脂封止する。このことにより、導電性硬化樹脂27と接地電極7とを電気的に接続する。したがって、導電性硬化樹脂27により半導体チップ3を電磁シールドすることができる。かつ、回路部品30の製造コストを低減することができる。
本実施形態の回路部品は、基板に装着された電子部品である半導体チップ3と、基板2に設けられた接地電極7と、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを覆う絶縁性硬化樹脂18と、絶縁性硬化樹脂18と接地電極7の残りの部分7bとを覆い、接地電極7の残りの部分7bに電気的に接続され、電磁シールド機能を有する導電性硬化樹脂27と、絶縁性硬化樹脂18と導電性硬化樹脂27との境界に形成された境界部とを備える構成としている。
この構成によれば、基板2に装着された半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂18で覆い、接地電極7の残りの部分7bと導電性硬化樹脂27とを電気的に接続することができる。したがって、導電性硬化樹脂27により半導体チップ3を電磁シールドすることができる。
本実施形態によれば、まず、絶縁性樹脂材料(顆粒状樹脂16)を使用して、封止前基板1を樹脂成形する。このことにより、封止前基板1に装着された半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂18によって樹脂封止し、中間体19を成形する。接地電極7の残りの部分7bは樹脂封止されず、表面が露出した状態になる。次に、導電性樹脂材料(シート状樹脂26)を使用して、中間体19を樹脂成形する。このことにより、中間体19の接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂27によって樹脂封止して、封止済基板28を成形する。導電性硬化樹脂27と接地電極7とを電気的に接続する。したがって、導電性硬化樹脂27により半導体チップ3を電磁シールドすることができる。封止済基板28を個片化して製造された回路部品30は、半導体チップ3が導電性硬化樹脂27に取り囲まれることによって電磁シールドされる構造を有する。
加えて、導電性粒子を含む導電性硬化樹脂27が有する熱伝導率は、絶縁性硬化樹脂18が有する熱伝導率よりも大きい。したがって、導電性硬化樹脂27が放熱機能を有するので、優れた放熱性を有する回路部品30が製造される。このことは、以下の実施形態においても同じである。
本実施形態によれば、樹脂成形装置において、絶縁性硬化樹脂18を成形する第1成形型11と導電性硬化樹脂27を成形する第2成形型20とを設ける。第1成形型11を用いて、封止前基板1に装着された半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂18によって樹脂封止する。第2成形型20を用いて、接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂27によって樹脂封止する。これらのことにより、導電性硬化樹脂27と接地電極7とを電気的に接続させて、導電性硬化樹脂27により半導体チップ3を電磁シールドすることができる。樹脂成形装置を使用して、2回の樹脂成形によってシールド構造の回路部品30を製造できる。樹脂成形装置以外の装置を使用することなく、シールド構造の回路部品30を製造できる。したがって、設備費を抑制し回路部品30の製造コストを低減することができる。
本実施形態においては、絶縁性硬化樹脂18及び導電性硬化樹脂27の双方を圧縮成形法によって樹脂成形した。これに限らず、絶縁性硬化樹脂18をトランスファ成形法又は射出成形法によって樹脂成形し、導電性硬化樹脂27を圧縮成形法によって樹脂成形することができる。あるいは、絶縁性硬化樹脂18及び導電性硬化樹脂27の双方をトランスファ成形法又は射出成形法によって樹脂成形してもよい。また、絶縁性硬化樹脂18及び導電性硬化樹脂27をそれぞれ個別の装置を使用して樹脂成形してもよい。
本実施形態においては、複数の切断線9によって囲まれる各領域10(この領域が回路部品30に相当する)に対応するキャビティ14、23をそれぞれの成形型11、20(下型13、22)に設けた。これに限らず、各領域10を包含するキャビティをそれぞれの成形型11、20に設けてもよい。この場合には、封止済基板28を切断して個片化された回路部品30において、導電性硬化樹脂27の一部が接地電極7に電気的に接続されて、半導体チップ3を電磁シールドすることができる。上述した導電性硬化樹脂27の一部は、図4(b)における左端の部分及び右端の部分に相当する。
変形例として、絶縁性硬化樹脂18の表面(図2(c)に示された下面及び側面)を粗面にしてもよい。離型フィルム15の表面(絶縁性流動樹脂17に接する側の面)を粗面化することにより、絶縁性硬化樹脂18の表面を粗面化することができる。これにより、絶縁性硬化樹脂18と導電性硬化樹脂27とが密着する面積が大きくなる。したがって、絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42との密着性を向上させることができる。
絶縁性樹脂材料を構成する主材料及び導電性樹脂材料を構成する主材料として、熱硬化性樹脂を使用した。これらの主原料として、熱硬化性樹脂に代えて熱可塑性樹脂を使用してもよい。
封止済基板28が複数の回路部品30に相当する実施形態を説明した。これに限らず、封止済基板28が1個の回路部品30に相当する構成を採用してもよい。例えば、電力制御用などの大型の回路部品30が、上述した構成を有する回路基板に相当する。加えて、複数の回路部品30に相当する封止済基板28が取引の対象になる場合があり得る。したがって、封止済基板28が製品である回路部品に相当する場合がある。
導電性樹脂材料として、熱硬化性樹脂に導電性粒子を添加させたシート状樹脂26を使用した。導電性粒子に代えて、導電性繊維(金属繊維、炭素繊維など)、導電性箔(金属箔など)を使用してもよい。以上説明したいくつかの変形例は、他の実施形態においても適用される。
〔実施形態2〕
(樹脂成形工程及び個片化工程)
図5〜6を参照して、実施形態2において、実施形態1(図2)に示した中間体19を樹脂成形して封止済基板を作製し、封止済基板を個片化して回路部品を製造する工程を説明する。実施形態1との違いは、第2成形型20のキャビティ23に離型フィルムと樹脂材料とを一括して供給するのでなく、離型フィルムと樹脂材料とを別々の工程で供給することである。それ以外の工程、第1成形型11及び第2成形型20の構成は実施形態1と同じなので説明を省略する。
まず、図5(a)に示されるように、第2成形型20において、上型21の型面に中間体19を固定する。
次に、下型22に離型フィルム31を供給する。離型フィルム31としては、短冊状にカットされた離型フィルム又は長尺状の離型フィルムのいずれかを使用することができる。次に、下型22に設けられた吸着機構(図示なし)を使用してキャビティ23及び配置領域24における下型22の型面に沿うように離型フィルム31を吸着する。
次に、図5(b)に示されるように、例えば、材料搬送機構(図10参照)を使用して、キャビティ23に導電性樹脂材料として液状の樹脂(液状樹脂)32を供給する。液状樹脂32は、例えば、液状樹脂吐出機構(ディスペンサ)などを使用してキャビティ23に供給される。この場合には、低粘度の(流動しやすい)液状樹脂を使用することが好ましい。
次に、図5(c)に示されるように、型締機構(図10参照)を使用して上型21と下型22とを型締めする。実施形態1と同様に、第2成形型20の下型22に設けられたキャビティ23は、立体的に見て第1成形型11の下型13に設けられたキャビティ14を内包する。したがって、第2成形型20を型締めすることによって、キャビティ23における下型22の型面と絶縁性硬化樹脂18との間、及び、配置領域24における下型22の型面と中間体19との間に液状樹脂32が流動する。このことにより、絶縁性硬化樹脂18の表面及びが接地電極7の残りの部分7bが導電性を有する液状樹脂(導電性流動樹脂)32に浸漬する。
次に、図6(a)に示されるように、下型22に設けられたヒータ(図示なし)を使用して、導電性流動樹脂32を加熱して導電性を有する硬化樹脂(導電性硬化樹脂)33を成形する。導電性硬化樹脂33は、硬化することによって絶縁性硬化樹脂18の上に固着される。接地電極7の残りの部分7bと導電性硬化樹脂33とが電気的に接続される。したがって、接地電極7と導電性硬化樹脂33とを電気的に導通させることができる。このことによって、半導体チップ3を、導電性硬化樹脂33によって電磁シールドすることができる。ここまでの工程によって封止済基板34が成形される。
次に、図6(b)に示されるように、上型21と下型22とを型開きする。次に、基板搬送機構を使用して第2成形型20から封止済基板34を取り出す。
次に、図6(c)に示されるように、回転刃29を有する切削装置を使用して封止済基板34を切断する。封止済基板34に設けられた切断線9に沿って封止済基板34を切断して個片化することによって回路部品35がそれぞれ製造される。導電性硬化樹脂33と接地電極7とは電気的に接続されている。したがって、回路部品35は、半導体チップ3が導電性硬化樹脂33に取り囲まれることによって電磁シールドされる構造を有する。
実施形態2で製造された回路部品35は、実施形態1に示した回路部品30と同様の効果を奏するので、説明を省略する。
なお、本実施形態においては、第2成形型20の下型22に設けられたキャビティ23に導電性樹脂材料として液状樹脂32を供給した。これに限らず、キャビティ23の形状に対応して予め予備成形された導電性を有するシート状の樹脂を用いることができる。この場合には、キャビティ23に離型フィルム31を吸着させた後に、キャビティ23の形状に対応して予備成形されたシート状樹脂を供給すればよい。
〔実施形態3〕
(樹脂成形工程及び個片化工程)
図7〜9を参照して、実施形態3において、実施形態1(図1)に示した封止前基板1を樹脂成形して封止済基板を作製し、封止済基板を個片化して回路部品を製造する工程を説明する。実施形態1との違いは、1つの成形型(第2成形型)に導電性樹脂材料と絶縁性樹脂材料との双方を供給して樹脂成形することである。したがって、実施形態3においては、実施形態1、2に示した第2成形型20だけを使用して封止前基板1を樹脂成形する例を説明する。
まず、図7(a)に示されるように、第2成形型20において、上型21の型面に封止前基板1を固定する。
次に、下型22に離型フィルム36を供給する。下型22に設けられた吸着機構を使用してキャビティ23及び配置領域24における下型22の型面に沿うように離型フィルム36を吸着する。
次に、図7(b)に示されるように、材料搬送機構(図10参照)を使用して、キャビティ23に導電性樹脂材料としてシート状の樹脂(シート状樹脂)37を供給する。シート状樹脂37は、予めキャビティ23の形状に対応して予備成形されたシート状樹脂である。したがって、シート状樹脂37は、キャビティ23及び配置領域24における下型22の型面に沿うように配置される。
次に、図7(c)に示されるように、材料搬送機構(図10参照)を使用して、キャビティ23に絶縁性樹脂材料として顆粒状の樹脂(顆粒状樹脂)38を供給する。具体的には、顆粒状樹脂38はシート状樹脂37の上に供給される。
シート状樹脂37と顆粒状樹脂38とは、主材料として同種の樹脂材料同士(例えば、エポキシ樹脂同士、シリコーン樹脂同士、など)を含むことが好ましい。加えて、シート状樹脂37が含む主材料と顆粒状樹脂38が含む主材料とは、同じ特性(例えば、一定の温度における時間と粘度との関係など)を有することが好ましい。樹脂成形の過程において、導電性の樹脂と絶縁性の樹脂とが混合する流動性樹脂混合層(後述)が形成される。流動性樹脂混合層は、導電性の樹脂を構成する分子と絶縁性の樹脂を構成する分子とが相互に熱拡散して形成される。
次に、図8(a)に示されるように、下型22に設けられたヒータ(図示なし)によって、シート状樹脂37及び顆粒状樹脂38を加熱する。加熱することによってシート状樹脂37を溶融し導電性を有する流動性樹脂(導電性流動樹脂)39を生成する。同様に、顆粒状樹脂38を溶融し絶縁性を有する流動性樹脂(絶縁性流動樹脂)40を生成する。導電性流動樹脂39と絶縁性流動樹脂40との境界部には流動性樹脂混合層41(図において破線によって挟まれた部分)が形成される。流動性樹脂混合層41は、導電性の樹脂及び絶縁性の樹脂を構成する分子が相互に熱拡散して形成され、それぞれ隣接する樹脂材料が含まれる中間層に相当する。
次に、図8(b)に示されるように、型締機構(図10参照)を使用して上型21と下型22とを型締めする。このことによって、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとは絶縁性流動樹脂40に浸漬し、接地電極7の残りの部分7bは導電性流動樹脂に浸漬する。導電性流動樹脂39と絶縁性流動樹脂40との境界部においては、流動性樹脂混合層41が介在した状態が維持される。
次に、図8(c)に示されるように、それぞれの流動性樹脂を硬化させるために必要な時間だけ流動性樹脂を加熱して硬化樹脂を成形する。導電性流動樹脂39を加熱して導電性硬化樹脂42を成形する。絶縁性流動樹脂40を加熱して絶縁性硬化樹脂43を成形する。流動性樹脂混合層41を加熱して硬化樹脂混合部44を成形する。このことによって、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとは絶縁性硬化樹脂43によって樹脂封止される。接地電極7の残りの部分7bは導電性硬化樹脂42によって樹脂封止される。絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42との間には硬化樹脂混合部44が形成される。接地電極7の残りの部分7bと導電性硬化樹脂42とが電気的に接続される。したがって、接地電極7と導電性硬化樹脂42とを電気的に導通させることができる。このことによって、半導体チップ3を、導電性硬化樹脂42によって電磁シールドすることができる。ここまでの工程によって封止済基板45が成形される。
本実施形態では、絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42との間に硬化樹脂混合部44が形成される。硬化樹脂混合部44は、絶縁性硬化樹脂43及び導電性硬化樹脂42を構成する分子が相互に熱拡散し、それぞれ分子が結合した領域である。このことにより、絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42との間に強い接合力が得られる。したがって、絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42とをより強固に固着させることができる。
次に、図9(a)に示されるように、型締機構を使用して上型21と下型22とを型開きする。上型21の型面には、封止済基板45が固定されている。次に、基板搬送機構を使用して第2成形型20から封止済基板45を取り出す。
次に、図9(b)に示されるように、回転刃29を有する切削装置を使用して封止済基板45を切断する。回転刃29を使用して、封止済基板45に設けられた切断線9に沿って封止済基板45を切断する。
図9(c)に示されるように、封止済基板45を切断して個片化することによって回路部品46がそれぞれ製造される。絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42との間には硬化樹脂混合部44が形成され、導電性硬化樹脂42と接地電極7とは電気的に接続されている。したがって、回路部品46は、半導体チップ3が導電性硬化樹脂42に取り囲まれることによって電磁シールドされる構造を有する。
(作用効果)
本実施形態の回路部品の製造方法は、第1型である下型22と下型22に対向して配置される第2型である上型21とを有する成形型20を用いて、電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品46を製造する回路部品の製造方法であって、第1面を有する基板2と、基板2の第1面に装着された電子部品である半導体チップ3と、半導体チップ3の周囲に設けられた接地電極7とを少なくとも有する封止前基板1を準備する工程と、下型22に設けられたキャビティ23に、常温において固形状、ペースト状又は液状の導電性樹脂材料37を供給する工程と、基板2の第1面がキャビティ23に対向するようにして、成形型20に封止前基板1を配置する工程と、導電性樹脂材料37が供給されたキャビティ23に、常温において固形状、ペースト状又は液状の絶縁性樹脂材料38を供給する工程と、成形型20を型締めすることによって、キャビティ23において絶縁性樹脂材料38から生成された絶縁性流動樹脂40に半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを漬け、導電性樹脂材料37から生成された導電性流動樹脂39に接地電極7の残りの部分7bを漬ける工程と、キャビティ23において、絶縁性流動樹脂40を硬化させることによって基板2の第1面の側に絶縁性硬化樹脂43を成形し、導電性流動樹脂39を硬化させることによって基板2の第1面の側に導電性硬化樹脂42を成形することによって封止済基板45を作製する工程と、成形型20を型開きする工程とを備え、封止済基板45を作製する工程において、導電性硬化樹脂42と接地電極7の残りの部分7bとを電気的に接続する。
この製造方法によれば、成形型20(下型22)に設けられたキャビティ23に、導電性を有するシート状樹脂37と絶縁性を有する顆粒状樹脂38とを供給する。シート状樹脂37と顆粒状樹脂38とを同時に加熱することによって、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂43により樹脂封止し、接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂42により樹脂封止する。このことにより、導電性硬化樹脂42と接地電極7とを電気的に接続することができる。1回の樹脂成形によって、半導体チップ3を導電性硬化樹脂42により電磁シールドすることができる。したがって、回路部品46の製造コストをより低減することができる。
本実施形態によれば、まず、キャビティ23に導電性樹脂材料(シート状樹脂37)を供給する。次に、絶縁性樹脂材料(顆粒状樹脂38)を供給する。シート状樹脂37を溶融して導電性流動樹脂39を生成する。顆粒状樹脂38を溶融して絶縁性流動樹脂40を生成する。導電性流動樹脂39及び絶縁性流動樹脂40を硬化させて、導電性硬化樹脂42及び絶縁性硬化樹脂43を成形する。半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂43によって樹脂封止し、接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂42によって樹脂封止する。このことにより、接地電極7と導電性硬化樹脂42とを電気的に接続することができる。したがって、半導体チップ3を、導電性硬化樹脂42によって電磁シールドすることができる。封止済基板45を個片化して製造された回路部品46は、半導体チップ3が導電性硬化樹脂42に取り囲まれることによって電磁シールドされる構造を有する。
本実施形態によれば、1つの成形型(第2成形型20)に導電性樹脂材料(シート状樹脂37)と絶縁性樹脂材料(顆粒状樹脂38)との双方を供給して樹脂成形する。これにより、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂43によって樹脂封止し、接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂42によって樹脂封止する。1回の樹脂成形によって、接地電極7と導電性硬化樹脂42とを電気的に接続することができる。したがって、半導体チップ3を、導電性硬化樹脂42によって電磁シールドすることができる。かつ、1つの成形型を使用し1回の樹脂成形によって半導体チップ3を電磁シールドできるので、設備費を抑制し回路部品46の製造コストをより低減することができる。
本実施形態によれば、導電性硬化樹脂42と絶縁性硬化樹脂43との間に硬化樹脂混合部44を形成する。硬化樹脂混合部44を形成することによって、絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42との間に強い接合力が得られる。したがって、絶縁性硬化樹脂43と導電性硬化樹脂42との密着性をより向上させることができる。
〔実施形態4〕
(樹脂成形装置の構成)
図10を参照して、実施形態4に係る樹脂成形装置(製造装置)について説明する。図10に示される樹脂成形装置47は、実施形態1〜3において使用した圧縮成形法による樹脂成形装置である。
樹脂成形装置47は、基板供給・収納モジュール48と、第1成形モジュール49と、第2成形モジュール50と、樹脂材料供給モジュール51とを、それぞれ構成要素として備える。構成要素である基板供給・収納モジュール48と、第1成形モジュール49と、第2成形モジュール50と、樹脂材料供給モジュール51とは、それぞれ他の構成要素に対して、互いに着脱されることができ、交換されることができる。
基板供給・収納モジュール48には、封止前基板1(図1参照)を供給する封止前基板供給部52と、封止済基板28、34、45(図4(a)、図6(b)、図9(a)参照)を収納する封止済基板収納部53と、封止前基板1及び封止済基板28、34、45を受け渡しする基板載置部54と、封止前基板1及び封止済基板28、34、45を搬送する基板搬送機構55とが設けられる。基板載置部54は、基板供給・収納モジュール48内において、Y方向に移動する。基板搬送機構55は、基板供給・収納モジュール48及び第1成形モジュール49、第2成形モジュール50内において、X方向、Y方向及びZ方向に移動する。所定位置S1は、基板搬送機構55が動作しない状態において待機する位置である。
第1成形モジュール49には、主に絶縁性硬化樹脂を成形する第1成形型11(図2参照)が設けられる。第1成形型11は、上型12(図2参照)と、上型12に対向して配置され昇降可能な下型13とを備える。第1成形型11には、上型12と下型13とを型締め及び型開きする型締機構56(二点鎖線で示す円形の部分)が設けられる。絶縁性樹脂材料16(図2(a)参照)が供給されるキャビティ14が、下型13に設けられる。
第2成形モジュール50には、主に導電性硬化樹脂を成形する第2成形型20(図3参照)が設けられる。第2成形型20は、上型21(図3参照)と、上型21に対向して配置され昇降可能な下型22とを備える。第2成形型20には、上型21と下型22とを型締め及び型開きする型締機構57(二点鎖線で示す円形の部分)が設けられる。導電性樹脂材料26、32、37(図3(b)、図5(b)、図7(b)参照)及び絶縁性樹脂材料38(図7(c)参照)が供給されるキャビティ23が、下型22に設けられる。キャビティ23は、立体的に見てキャビティ14を内包する。
樹脂材料供給モジュール51には、キャビティに樹脂材料や短冊状にカットされた離型フィルムを供給する材料搬送機構58と材料搬送機構58に材料を受け渡しする材料受け渡し部59とが設けられる。さらに、樹脂材料供給モジュール51には、顆粒状樹脂を供給する顆粒樹脂供給機構60と、顆粒状樹脂を顆粒状樹脂供給機構60に投入する顆粒樹脂投入機構61と、シート状樹脂を供給するシート状樹脂供給機構62と、液状樹脂を供給する液状樹脂吐出機構63と、短冊状の離型フィルムを供給する離型フィルム供給機構64とが設けられる。
樹脂材料供給モジュール51において、材料受け渡し部59はX方向及びY方向に移動する。材料搬送機構58は、樹脂材料供給モジュール51、第1成形モジュール49及び第2成形モジュール50内において、X方向、Y方向及びZ方向に移動する。材料受け渡し部59は、顆粒状樹脂供給機構60、液状樹脂供給機構63、シート状樹脂及び短冊状の離型フィルムを材料搬送機構58に受け渡しする。材料搬送機構58は、顆粒状樹脂供給機構60、液状樹脂吐出機構63、シート状樹脂及び短冊状の離型フィルムを、第1成形モジュール49又は第2成形モジュール50に搬送する。所定位置R1は、材料搬送機構58が動作しない状態において待機する位置である。
基板供給・収納モジュール48には制御部CTLが設けられる。制御部CTLは、封止前基板1及び封止済基板28、34、45の搬送、樹脂材料の選択と搬送、成形型の加熱、成形型の型締め及び型開きなどを制御する。言い換えれば、制御部CTLは、基板供給・収納モジュール48、第1成形モジュール49、第2成形モジュール50及び樹脂材料供給モジュール51における各動作の制御を行う。制御部CTLは、第1成形モジュール49、第2成形モジュール50に設けられてもよく、樹脂材料供給モジュール51に設けられてもよく、各モジュールの外部に設けられてもよい。制御部CTLは、制御対象となる動作に応じて、少なくとも一部を分離させた複数の制御部として構成することもできる。
樹脂成形装置47の動作については、実施形態1〜3において封止前基板1を樹脂成形する工程を詳しく説明しているので、ここでは説明を省略する。
(作用効果)
本実施形態の回路部品の製造装置である樹脂成形装置47は、第1成形型11を有する第1成形モジュール49と、第2成形型20を有する第2成形モジュール50と、第1面を有する基板と、基板の第1面に装着された電子部品と、電子部品の周囲に設けられた接地電極とを少なくとも有する封止前基板1を供給する基板供給モジュール48と、絶縁性樹脂材料と導電性樹脂材料とを供給する樹脂材料供給モジュール51とを備え、第1成形型11において、絶縁性樹脂材料を硬化させることにより絶縁性硬化樹脂を成形して絶縁性硬化樹脂によって電子部品と接地電極の少なくとも一部の部分とを覆い、第2成形型20において、導電性樹脂材料を硬化させることにより少なくとも絶縁性硬化樹脂を覆う導電性硬化樹脂を成形することによって封止済基板28を作製し、封止済基板28において、絶縁性硬化樹脂によって電子部品と接地電極の少なくとも一部の部分とが覆われ、導電性硬化樹脂によって絶縁性硬化樹脂が覆われ、第1成形モジュール49と第2成形モジュール50とは互いに着脱でき、第1成形モジュール49と第2成形モジュール50とのうち少なくとも一方と基板供給モジュール48と樹脂材料供給モジュール51とのうち少なくとも一方とは互いに着脱でき、導電性硬化樹脂は接地電極に接続されて電磁シールド機能を有する構成としている。
この構成によれば、樹脂成形装置47において、第1成形型11を用いて封止前基板1を絶縁性硬化樹脂により樹脂成形し、第2成形型20を用いて封止前基板1を導電性硬化樹脂により樹脂成形する。樹脂成形装置47を使用し2回の樹脂成形によって、導電性硬化樹脂と接地電極とを電気的に接続する。このことにより、半導体チップを電磁シールドすることができる。したがって、設備費を抑制し回路部品の製造コストを低減することができる。
本実施形態によれば、樹脂材料供給モジュール51に、絶縁性を有する顆粒状樹脂を供給する顆粒状樹脂供給機構60、導電性を有するシート状樹脂を供給するシート状樹脂供給機62、導電性を有する液状樹脂を供給する液状樹脂吐出機構63をそれぞれ設けた。したがって、樹脂成形装置47を使用して、実施形態1〜3に示したように、様々な製造方法で絶縁性硬化樹脂及び導電性硬化樹脂を成形することができる。このことにより、半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂によって樹脂封止し、接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂によって樹脂封止することができる。
本実施形態によれば、樹脂成形装置47において、封止前基板1に装着された半導体チップ3と接地電極7の一部の部分7aとを絶縁性硬化樹脂によって樹脂封止し、接地電極7の残りの部分7bを導電性硬化樹脂によって樹脂封止することができる。これらのことにより、導電性硬化樹脂と接地電極7とを電気的に接続させて、導電性硬化樹脂により半導体チップ3を電磁シールドすることができる。したがって、樹脂成形装置47だけを使用して、半導体チップ3を電磁シールドすることができる。樹脂成形装置以外の装置を使用することなく、シールド構造の回路部品30、35、46を製造することができる。したがって、設備費を抑制し回路部品30、35、46の製造コストを低減することができる。
本実施形態においては、実施形態1〜3に示したように、様々な製造方法に対応するために、樹脂材料供給モジュール51に、絶縁性を有する顆粒状樹脂を供給する顆粒状樹脂供給機構60、導電性を有するシート状樹脂を供給するシート状樹脂供給機62、導電性を有する液状樹脂を供給する液状樹脂吐出機構63をそれぞれ設けた。樹脂材料として、顆粒状樹脂、シート状樹脂及び液状樹脂をキャビティに供給することが可能な装置構成を示したが、これに限定されない。少なくとも絶縁性樹脂材料と導電性樹脂材料とを供給することが可能な装置構成であればよい。したがって、樹脂材料供給モジュール51の構成を更に簡略化することが可能である。
例えば、実施形態1の製造方法においては、導電性を有する液状樹脂を供給する液状樹脂吐出機構63を省略することができる。実施形態2の製造方法においては、導電性を有するシート状樹脂を供給するシート状樹脂供給機62を省略することができる。実施形態3の製造方法においては、導電性を有する液状樹脂を供給する液状樹脂吐出機構63及び成形モジュール49を省略することができる。これらのことにより、更に設備費を抑制することができる。したがって、回路部品30、35、46の製造コストをより低減することができる。
また、シート状樹脂供給機62においては、製造方法によって、離型フィルムに貼着された柔軟性を有するシート状樹脂26又は予めキャビティの形状に対応して予備成形されたシート状樹脂37を準備すればよい。
なお、離型フィルムについても、短冊状の離型フィルムを供給する離型フィルム供給機構64を樹脂材料供給モジュール51に設けたが、これに限定されない。例えば、長尺状の離型フィルムを供給する離型フィルム供給機構を、第1成形モジュール49の成形型11及び第2成形モジュール50の成形型20に設けてもよい。
樹脂成形装置47において、製造方法を1つに限定するならば、それに対応した装置構成にすることができる。そのような装置構成にすることによって設備費を更に抑制することが可能となる。
基板供給・収納モジュール48と樹脂材料供給モジュール51とを一体化させて、材料供給・製品収納モジュールにしてもよい。材料供給・製品収納モジュールと、第1成形モジュール49と第2成形モジュール50とのうちの一方(例えば、第1成形モジュール49)とが、互いに着脱されることができ、交換されることができる。この場合は、第1成形モジュール49が基板供給・収納モジュールと樹脂材料供給モジュールとの双方に着脱される場合に相当する。
〔実施形態5〕
図11を参照して、実施形態5に係る製造装置について説明する。図11に示される製造装置65は、実施形態4に示した樹脂成形装置47に更に切削モジュール66を追加した製造装置である。切削モジュール66以外の構成及び動作は実施形態4に示した樹脂成形装置47と同じなので説明を省略する。
図11に示されるように、製造装置65において、例えば、第2成形モジュール50と樹脂材料供給モジュール51との間に切削モジュール66が設けられる。切削モジュール66は、他の構成要素に対して、互いに着脱されることができ、交換されることができる。
切削モジュール66には、例えば、封止済基板を切断する工程において使用される切削テーブル67が設けられる。切削テーブル67は、移動機構68によってY方向に移動可能であり、かつ回転機構69によってθ方向に回動可能である。封止済基板は、基板搬送機構55によって切削テーブル67の上に載置される。
切削モジュール66には、例えば、樹脂封止された封止済基板を切断するため2個のスピンドル70、71が設けられる。2個のスピンドル70、71には、回転刃72、73がそれぞれ設けられる。回転刃72、73は同じ厚さを有する回転刃である。2個のスピンドル70、71によって、封止済基板が切断線に沿って切断され個片化される。
本実施形態によれば、製造装置65に切削モジュール66を更に追加して設ける。このことによって、樹脂封止された封止済基板を同じ装置を用いて切断して個片化することができる。したがって、封止済基板を別の切削装置などに受け渡す工程を省略することができ、回路部品の製造コストをさらに削減することができる。
本実施形態においては、2個のスピンドル70、71が有する回転刃72、73の厚さが同じ場合について説明した。これに限らず、回転刃72、73の厚さを異なるように構成することができる。例えば、回転刃72の厚さを厚く、回転刃73の厚さを薄くしてもよい。回転刃72、73の厚さを使い分けることによって、スピンドル70、71を用途別に使用することができる。
この場合には、厚さが厚い回転刃72を有するスピンドル70を使用して封止済基板を切断する。厚さが厚い回転刃72は、封止済基板を切断線において切断するための回転刃である。一方、厚さの薄い回転刃73を有するスピンドル71を使用して、例えば、樹脂封止された絶縁性硬化樹脂に幅の狭い溝を形成することができる。厚さの薄い回転刃73は、溝形成用の回転刃である。切削されることによって形成された溝に導電性硬化樹脂を充填することによって、シールドされた回路部品を製造することができる。
加えて、切削モジュール66にレーザ加工装置を追加することができる。このレーザ加工装置によって、樹脂封止された絶縁性硬化樹脂に幅の狭い溝を形成することも可能である。この場合であれば、2個のスピンドル70、71が有する回転刃72、73の厚さを厚くして、2個のスピンドル70、71をどちらも封止済基板を切断して個片化するためのスピンドルとすることができる。
〔実施形態6〕
図12を参照して、本発明の実施形態によって製造される様々な回路部品について説明する。これらの回路部品は、複数の電子部品(樹脂封止前の半導体チップを含む)が導電性硬化樹脂によって電磁シールドされたモジュール構造の回路部品である。
図12(a)に示されるように、回路部品74は、2個の電子部品75及び1個の電子部品76(すべて半導体チップの状態)が導電性硬化樹脂によって電磁シールドされた回路部品である。
回路部品74は、基板77と基板77に装着された2個の電子部品75及び1個の電子部品76とを備える。2個の電子部品75は、それぞれボンディングワイヤ78によって基板電極79又は接地電極80に接続される。電子部品76は、バンプ81によって基板電極79又は接地電極80に接続される。
2個の電子部品75と1個の電子部品76と接地電極80の一部の部分とは絶縁性硬化樹脂82によって樹脂封止される。接地電極80の残りの部分は導電性硬化樹脂83によって樹脂封止される。このことにより、接地電極80と導電性硬化樹脂83とが電気的に接続される。したがって、2個の電子部品75と1個の電子部品76とをモジュール化した回路部品74が、導電性硬化樹脂83により電磁シールドされる。
図12(b)に示されるように、回路部品84は、電子部品85、電子部品86及び電子部品87(すべて樹脂封止された電子部品)が導電性硬化樹脂によって電磁シールドされた回路部品である。
回路部品84は、基板88と基板88に装着された電子部品85、86、87とを備える。電子部品85、86、87は、それぞれバンプ81によって基板電極89又は接地電極90に接続される。
電子部品85、86、87と接地電極90の一部の部分とは絶縁性硬化樹脂91によって樹脂封止される。接地電極90の残りの部分は導電性硬化樹脂92によって樹脂封止される。このことにより、接地電極90と導電性硬化樹脂92とが電気的に接続される。したがって、電子部品85、86、87をモジュール化した回路部品84が、導電性硬化樹脂92により電磁シールドされる。
図12(c)に示されるように、回路部品93は、電子部品75、76(半導体チップの状態)が導電性硬化樹脂によって電磁シールドされ、電子部品94(半導体チップの状態)が電磁シールドされない回路部品である。
回路部品93は、基板95と基板95に装着された電子部品75、76、94とを備える。電子部品75、94は、それぞれボンディングワイヤ78によって基板電極96又は接地電極97に接続される。電子部品76は、フリップチップボンディングを使用して、バンプ(凸状電極)81によって基板電極96又は接地電極97に接続される。
電子部品75、76、94と基板電極96と接地電極97の一部の部分とは絶縁性硬化樹脂98によって樹脂封止される。接地電極97の残りの部分は導電性硬化樹脂99によって樹脂封止される。絶縁性硬化樹脂98と導電性硬化樹脂99との間には、硬化樹脂混合部100が形成される。このことにより、接地電極97と導電性硬化樹脂99とが電気的に接続される。したがって、回路部品93は、電子部品75、76が導電性硬化樹脂99によって電磁シールドされ、電子部品94が電磁シールドされない回路部品となる。このように、特定の電子部品だけを電磁シールドする回路部品を製造することができる。
本実施形態によれば、樹脂成形装置を使用して、複数の電子部品を絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂とによって樹脂成形する。このことによって、複数の電子部品を取り囲む接地電極と導電性硬化樹脂とを電気的に接続することができる。したがって、複数の電子部品を導電性硬化樹脂により電磁シールドしたモジュール構造の回路部品を製造することができる。かつ、回路部品の製造コストを低減することができる。
各実施形態においては、圧縮成形法による樹脂成形装置を使用して、封止済基板を作製し、封止済基板を個片化して回路部品を製造した。これに限らず、トランスファ成形法又は射出成形法による樹脂成形装置を使用することができる。これらの装置を使用した場合においても、各実施形態と同様の効果を奏する。これらの装置を使用する場合には、樹脂成形装置において、製品としての回路部品に残る硬化樹脂と回路部品には残らない硬化樹脂(不要樹脂)とを分離すること(ゲートカット、ゲートブレーク)が好ましい。
各実施形態においては、下型に設けられたキャビティに離型フィルムを供給した場合を示した。これに限らず、離型フィルムをキャビティに供給しない場合においても、回路部品を製造することができる。
各実施形態においては、キャビティを下型に設けた場合を示した。これに限らず、キャビティを上型に設けた場合においても、同様の効果を奏する。なお、キャビティを上型に設けた場合には、封止前基板を下型に配置して、封止前基板の上に、常温で液状の樹脂材料を供給することができる。フリップチップボンディングを使用して電子部品が基板に装着された場合には、常温で液状の樹脂材料の他に、固形状樹脂、常温でペースト状の樹脂材料を使用することができる。
各実施形態においては、1個又は複数個の半導体チップ(若しくは電子部品又は樹脂封止された電子部品)を含む回路部品の製造方法を説明した。樹脂成形する対象は、ICチップ、トランジスタチップ、LEDチップなどの能動素子のチップでもよく、能動素子のチップと抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動素子のチップとが混在するチップ群でもよい。また、樹脂成形する対象には、センサ、発振子、アクチュエータなどが含まれてもよい。
各実施形態においては、半導体チップと接地電極の一部の部分とを絶縁性硬化樹脂で覆い、接地電極の残りの部分と導電性硬化樹脂とを電気的に接続した。このことによって、回路部品を導電性硬化樹脂により電磁シールドした。更に、回路部品の表面全体が導電性硬化樹脂によって覆われるので、電磁シールド効果に加えて放熱効果を向上させることができる。
接地電極と導電性硬化樹脂とが電気的に接続されない構成を採用してもよい。この場合においては、導電性硬化樹脂は放熱機能を有し電磁シールド機能を有さない。
以上のように、上記実施形態の回路部品の製造方法は、電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品を製造する回路部品の製造方法であって、第1面を有する基板と、基板の第1面に装着された電子部品と、電子部品の周囲に設けられた接地電極とを少なくとも有する封止前基板を準備する工程と、第1成形型を用いて基板の第1面の側に絶縁性硬化樹脂を成形する第1成形工程と、第1成形工程に続いて、第2成形型を用いて基板の第1面の側に導電性硬化樹脂を成形することによって封止済基板を作製する第2成形工程とを備え、第1成形工程において、絶縁性硬化樹脂によって電子部品と接地電極の一部の部分とを覆い、接地電極の残りの部分を絶縁性硬化樹脂から露出させることによって露出接地電極を形成し、第2成形工程において、絶縁性硬化樹脂と露出接地電極とを導電性硬化樹脂によって覆うことによって露出接地電極と導電性硬化樹脂とを電気的に接続する。
この製造方法によれば、電子部品と接地電極の一部の部分とを絶縁性硬化樹脂で覆い、接地電極の残りの部分と導電性硬化樹脂とを電気的に接続することができる。したがって、導電性硬化樹脂により電磁シールドされた回路部品を製造することができる。かつ、回路部品の製造コストを低減することができる。
さらに、上記実施形態の回路部品の製造方法では、第1成形型と第2成形型とは同一の製造装置に含まれる。
この製造方法によれば、同一の製造装置を用いて、絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂とを成形することができる。したがって、回路部品の製造コストを低減することができる。
上記実施形態の回路部品の製造方法は、電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品を製造する回路部品の製造方法であって、第1面を有する基板と、基板の第1面に装着された電子部品と、電子部品の周囲に設けられた接地電極とを少なくとも有する封止前基板を準備する工程と、第1成形型を用いて基板の第1面の側に絶縁性硬化樹脂を成形することによって、電子部品と接地電極の一部の部分と接地電極の残りの部分とを絶縁性硬化樹脂によって覆う第1成形工程と、第1成形工程に続いて、除去機構を用いて、接地電極の残りの部分を覆う絶縁性硬化樹脂を除去することによって接地電極の残りの部分を露出させて露出接地電極を形成する工程と、第2成形型を用いて基板の第1面の側に導電性硬化樹脂を成形することによって封止済基板を作製する第2成形工程とを備え、第2成形工程において、絶縁性硬化樹脂と露出接地電極とを導電性硬化樹脂によって覆うことによって露出接地電極と導電性硬化樹脂とを電気的に接続し、第1成形型と除去機構と第2成形型とは同一の製造装置に含まれる。
この製造方法によれば、除去機構によって接地電極の残りの部分を露出させて、接地電極の残りの部分と導電性硬化樹脂とを電気的に接続することができる。したがって、導電性硬化樹脂により電磁シールドされた回路部品を製造することができる。
さらに、上記実施形態の回路部品の製造方法では、第1成形工程は次の工程を含む。
(1)第1成形型を型締めする工程。
(2)型締めされた第1成形型が有するキャビティの外部から、第1成形型がそれぞれ有する流路と開口とを順次経由して、キャビティに絶縁性流動樹脂を供給する工程。
(3)キャビティに供給された絶縁性流動樹脂を硬化させることによって絶縁性硬化樹脂を成形する工程。
(4)第1成形型を型開きする工程。
この製造方法によれば、絶縁性硬化樹脂をトランスファ成形法又は射出成形法によって樹脂成形することができる。
さらに、上記実施形態の回路部品の製造方法では、第1成形工程は次の工程を含む。
(1)型開きされた第1成形型が有するキャビティに、常温において固形状、ペースト状又は液状の絶縁性樹脂材料を供給する工程。
(2)第1成形型を型締めすることによって、キャビティにおいて絶縁性樹脂材料から生成された絶縁性流動樹脂に電子部品と接地電極の少なくとも一部の部分とを漬ける工程。
(3)キャビティにおいて絶縁性流動樹脂を硬化させることによって絶縁性硬化樹脂を成形する工程。
(4)第1成形型を型開きする工程。
この製造方法によれば、絶縁性硬化樹脂を圧縮成形法によって樹脂成形することができる。
上記実施形態の回路部品の製造方法は、第1型と第1型に対向して配置される第2型とを有する成形型を用いて、電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品を製造する回路部品の製造方法であって、第1面を有する基板と、基板の第1面に装着された電子部品と、電子部品の周囲に設けられた接地電極とを少なくとも有する封止前基板を準備する工程と、第1型に設けられたキャビティに、常温において固形状、ペースト状又は液状の導電性樹脂材料を供給する工程と、基板の第1面がキャビティに対向するようにして、成形型に封止前基板を配置する工程と、導電性樹脂材料が供給されたキャビティに、常温において固形状、ペースト状又は液状の絶縁性樹脂材料を供給する工程と、成形型を型締めすることによって、キャビティにおいて絶縁性樹脂材料から生成された絶縁性流動樹脂に電子部品と接地電極の一部の部分とを漬け、導電性樹脂材料から生成された導電性流動樹脂に接地電極の残りの部分を漬ける工程と、キャビティにおいて、絶縁性流動樹脂を硬化させることによって基板の第1面の側に絶縁性硬化樹脂を成形し、導電性流動樹脂を硬化させることによって基板の第1面の側に導電性硬化樹脂を成形することによって封止済基板を作製する工程と、成形型を型開きする工程とを備え、封止済基板を作製する工程において、導電性硬化樹脂と接地電極の残りの部分とを電気的に接続する。
この製造方法によれば、1回の樹脂成形によって、電子部品と接地電極の一部の部分とを絶縁性硬化樹脂で覆い、接地電極の残りの部分と導電性硬化樹脂とを電気的に接続することができる。したがって、導電性硬化樹脂により電磁シールドされた回路部品を製造することができる。かつ、かつ回路部品の製造コストをより低減することができる。
さらに、上記実施形態の回路部品の製造方法では、基板は仮想線によって仕切られた複数の領域を有し、複数の領域は、それぞれ基板の第1面に装着された電子部品と電子部品の周囲に設けられた接地電極とを含み、封止済基板を仮想線に沿って切断することによって、複数の領域のそれぞれに対応する複数の回路部品を作製する工程を更に備える。
この製造方法によれば、樹脂封止された封止済基板を仮想線に沿って切断することによって回路部品を製造する。したがって、回路部品の製造コストをより低減することができる。
さらに、上記実施形態の回路部品の製造方法では、仮想線は次のいずれかの線からなる。
(1)基板全体において伸びる交差する線分。
(2)基板全体において伸びる交差する曲線。
(3)基板全体において伸びる線分又は曲線、及び、領域のそれぞれに含まれる折れ線。
(4)基板全体において伸びる線分又は曲線、及び、領域のそれぞれに含まれる曲線。
この製造方法によれば、様々な形状を有する回路部品を製造することができる。
上記実施形態の回路部品の製造装置は、第1成形型を有する第1成形モジュールと、第2成形型を有する第2成形モジュールと、第1面を有する基板と、基板の第1面に装着された電子部品と、電子部品の周囲に設けられた接地電極とを少なくとも有する封止前基板を供給する基板供給モジュールと、絶縁性樹脂材料と導電性樹脂材料とを供給する樹脂材料供給モジュールとを備え、第1成形型において、絶縁性樹脂材料を硬化させることにより絶縁性硬化樹脂を成形して絶縁性硬化樹脂によって電子部品と接地電極の少なくとも一部の部分とを覆い、第2成形型において、導電性樹脂材料を硬化させることにより少なくとも絶縁性硬化樹脂を覆う導電性硬化樹脂を成形することによって封止済基板を作製し、封止済基板において、絶縁性硬化樹脂によって電子部品と接地電極の少なくとも一部の部分とが覆われ、導電性硬化樹脂によって絶縁性硬化樹脂が覆われ、第1成形モジュールと第2成形モジュールとは互いに着脱でき、第1成形モジュールと第2成形モジュールとのうち少なくとも一方と基板供給モジュールと樹脂材料供給モジュールとのうち少なくとも一方とは互いに着脱でき、導電性硬化樹脂は接地電極に接続されて電磁シールド機能を有する構成としている。
この構成によれば、1台の製造装置によって、絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂とを成形することができる。導電性硬化樹脂と接地電極とを電気的に接続して、電子部品を電磁シールドすることができる。したがって、設備費を抑制し回路部品の製造コストを低減することができる。
さらに上記実施形態の回路部品の製造装置は、第1成形モジュールと第2成形モジュールとは、圧縮成形法、トランスファ成形法及び射出成形法のうち、いずれかの方法を採用する構成としている。
この構成によれば、様々な成形方法を使用して、導電性硬化樹脂により電磁シールドされた回路部品を製造することができる。かつ、回路部品の製造コストを低減することができる。
さらに上記実施形態の回路部品の製造装置は、第1成形型は第1キャビティを有し、第2成形型は第2キャビティを有し、立体的に見て第2キャビティの形状は第1キャビティの形状を内包する構成としている。
この構成によれば、第1キャビティにおいて絶縁性硬化樹脂を成形し、第2キャビティにおいて絶縁性硬化樹脂を覆う導電性硬化樹脂を成形する。したがって、導電性硬化樹脂により電磁シールドされた回路部品を製造することができる。
さらに上記実施形態の回路部品の製造装置は、切削機構を有する切削モジュールを更に備え、第1成形モジュールと第2成形モジュールと基板供給モジュールと樹脂材料供給モジュールとのうち少なくとも1つと、切削モジュールとは、互いに着脱でき、切削機構は次のうち少なくとも1つの動作を行う構成としている。
(1)絶縁性硬化樹脂を切削することによって、基板の第1面に設けられた接地電極のうち残りの部分を露出させる動作。
(2)封止済基板を一括して切断する動作。
この構成によれば、製造装置に更に切削機構を有する切削モジュールを追加する。切削機構を使用して、絶縁性硬化樹脂を切削して接地電極を露出させる、又は、封止済基板を切断することができる。
上記実施形態の回路部品の製造装置は、第1成形型を有する第1成形モジュールと、第1面を有する基板と、基板の第1面に装着された電子部品と、電子部品の周囲に設けられた接地電極とを少なくとも有する封止前基板を供給する基板供給モジュールと、絶縁性樹脂材料と導電性樹脂材料とを供給する樹脂材料供給モジュールとを備え、基板供給モジュールと樹脂材料供給モジュールとのうち少なくとも1つと、第1成形モジュールとは、互いに着脱でき、第1成形型は絶縁性硬化樹脂と絶縁性硬化樹脂を覆う導電性硬化樹脂とを一括して成形することによって封止済基板を作製し、封止済基板において、絶縁性硬化樹脂によって電子部品と接地電極の少なくとも一部の部分とが覆われ、導電性硬化樹脂によって絶縁性硬化樹脂が覆われ、導電性硬化樹脂は接地電極に接続されて電磁シールド機能を有する構成としている。
この構成によれば、1つの成形型だけを使用して、絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂とを一括して成形することができる。導電性硬化樹脂と接地電極とを電気的に接続して、電子部品を電磁シールドすることができる。したがって、設備費をさらに抑制し回路部品の製造コストをより低減することができる。
さらに上記実施形態の回路部品の製造装置は、切削機構を有する切削モジュールを更に備え、第1成形モジュールと基板供給モジュールと樹脂材料供給モジュールのうち少なくとも1つと、切削モジュールとは、互いに着脱でき、記切削機構は封止済基板を一括して切断する動作を行う構成としている。
この構成によれば、製造装置に更に切削機構を有する切削モジュールを追加する。切削機構を使用して、封止済基板を切断することができる。
上記実施形態の回路部品は、基板に装着された電子部品と、基板に設けられた接地電極と、電子部品と接地電極の一部の部分とを覆う絶縁性硬化樹脂と、絶縁性硬化樹脂と接地電極の残りの部分とを覆い、接地電極の残りの部分に電気的に接続され、電磁シールド機能を有する導電性硬化樹脂と、絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂との境界に形成された境界部とを備える構成としている。
この構成によれば、電子部品と接地電極の一部の部分とを絶縁性硬化樹脂で覆い、接地電極の残りの部分と導電性硬化樹脂とを電気的に接続することができる。したがって、導電性硬化樹脂により電磁シールドされた回路部品を製造することができる。
さらに上記実施形態の回路部品は、境界部は絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂との境界に形成された界面である。
この構成によれば、絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂との境界部に界面が存在する。
さらに上記実施形態の回路部品は、境界部は絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂との境界に形成された硬化樹脂混合部である。
この構成によれば、硬化樹脂混合部が介在することによって、絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂との間に強い接合力が得られる。したがって、絶縁性硬化樹脂と導電性硬化樹脂との密着性をより向上させることができる。
さらに上記実施形態の回路部品は、加工痕を有する側面を更に備える。
この構成によれば、樹脂封止された封止済基板を切断することによって、回路部品を製造することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
1 封止前基板
2、77、88、95 基板
3 半導体チップ(電子部品)
4、79、89、96 基板電極
5 パッド電極
6、78 ボンディングワイヤ
7、80、90、97 接地電極
7a 一部の部分
7b 残りの部分
8 ソルダレジスト
9 切断線
10 領域
11 第1成形型
12 上型
13 下型
14 キャビティ(第1キャビティ)
15、25、31、36 離型フィルム
16、38 顆粒状樹脂(絶縁性樹脂材料)
17 流動樹脂(絶縁性流動樹脂)
18、43、82、91、98 絶縁性硬化樹脂
19 中間体
20 第2成形型
21 上型(第1型、第2型)
22 下型(第2型、第1型)
23 キャビティ(第2キャビティ)
24 配置領域
26、37 シート状樹脂(導電性樹脂材料)
27、33、42、83、92、99 導電性硬化樹脂
28、34、45 封止済基板
29 回転刃
30、35、46、74、84、93 回路部品
32 液状樹脂(導電性流動樹脂)
39 導電性流動樹脂
40 絶縁性流動樹脂
41 流動性樹脂混合層
44、100 硬化樹脂混合部
47 樹脂成形装置(製造装置)
48 基板供給・収納モジュール(基板供給モジュール)
49 第1成形モジュール
50 第2成形モジュール
51 樹脂材料供給モジュール
52 封止前基板供給部
53 封止済基板収納部
54 基板載置部
55 基板搬送機構
56、57 型締機構
58 材料搬送機構
59 材料受け渡し部
60 顆粒樹脂供給機構
61 顆粒樹脂投入機構
62 シート状樹脂供給機構
63 液状樹脂吐出機構
64 離型フィルム供給機構
65 製造装置
66 切削モジュール
67 切削テーブル
68 移動機構
69 回転機構
70、71 スピンドル
72、73 回転刃
75、76、85、86、87、94 電子部品
81 バンプ

Claims (3)

  1. 電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品を製造する回路部品の製造方法であって、
    電子部品が装着されると共に前記電子部品の周囲を取り囲む枠状の配線パターンである接地電極が設けられた第1面を有する基板の前記第1面の側に、前記回路部品に対応する複数の第1キャビティを有する第1成形型を用いて絶縁性樹脂を成形する第1成形工程と、
    前記第1成形工程の後に、複数の前記第1キャビティのそれぞれを個別に立体的に見て内包する形状の第2キャビティを複数有する第2成形型を用いて前記基板の前記第1面の側に導電性樹脂を成形する第2成形工程とを含み、
    前記第1成形工程では、型締め状態で離型フィルムを前記接地電極の外周部分に接触させて成形を行い、前記絶縁性樹脂によって前記電子部品と前記接地電極の内周部分とを覆い、前記接地電極の前記外周部分を前記絶縁性樹脂から露出接地電極として露出させ、
    前記第2成形工程では、圧縮成形法を用い、前記絶縁性樹脂と前記露出接地電極とを前記導電性樹脂で直接接触させて覆うことによって前記露出接地電極と前記導電性樹脂とを電気的に接続する、回路部品の製造方法。
  2. 電子回路と電磁シールド機能とを有する回路部品を製造する回路部品の製造方法であって、
    電子部品が装着されると共に前記電子部品の周囲を取り囲む枠状の配線パターンである接地電極が設けられ、開口を有する樹脂フィルムが貼付された第1面を有する基板の前記第1面の側に、前記回路部品に対応する複数の第1キャビティを有する第1成形型を用いて絶縁性樹脂を成形する第1成形工程と、
    前記第1成形工程の後に、前記樹脂フィルムを除去することによって、前記接地電極の外周部分を露出接地電極として前記絶縁性樹脂から露出させる露出工程と、
    前記露出工程の後に、前記回路部品に対応する複数の第2キャビティを有する第2成形型を用いて前記基板の前記第1面の側に導電性樹脂を成形する第2成形工程とを含み、
    前記第2成形工程では、圧縮成形法を用い、前記絶縁性樹脂と前記露出接地電極とを前記導電性樹脂で直接接触させて覆うことによって前記露出接地電極と前記導電性樹脂とを電気的に接続する、回路部品の製造方法。
  3. 前記第2成形工程では、前記第2キャビティを構成する底面及び側面の全体に対して導電性シート状樹脂を配置した離型フィルムが吸着された状態とした後に成形を行う、請求項1又は2に記載の回路部品の製造方法。
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