JP2024000949A - 導電性シート、電子部品及びその製造方法 - Google Patents

導電性シート、電子部品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な電子部品及びその製造方法、及び、これらに用いる導電性シートを提供する。【解決手段】第1固定部材に対して、導電層被覆前の電子部品である被覆前電子部品を固定する第1固定段階と、凹部を有する第2固定部材に対して、導電性シートを固定する第2固定段階と、第2固定部材の凹部と被覆前電子部品が組み合うように、第1固定部材と第2固定部材とを閉じ合わせて被覆前電子部品に導電性シートを転写し、これにより被覆前電子部品の表面に導電層を形成する導電層形成段階と、を含む、導電層を備える電子部品の製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性シート、電子部品及びその製造方法に関する。
電磁波シールドが施された電子部品やその製造方法が知られている(例えば、特許文献1~3等)。
[特許文献1]特開2018-010964号公報
[特許文献2]特開2009-16715号公報
[特許文献3]WO2016/051700
本発明の第1の態様においては、第1固定部材に対して、導電層被覆前の電子部品である被覆前電子部品を固定する第1固定段階と、凹部を有する第2固定部材に対して、導電性シートを固定する第2固定段階と、第2固定部材の凹部と被覆前電子部品が組み合うように、第1固定部材と第2固定部材とを閉じ合わせて被覆前電子部品に導電性シートを転写し、これにより被覆前電子部品の表面に導電層を形成する導電層形成段階と、を含む、導電層を備える電子部品の製造方法を提供する。
ここで、上記製造方法において、第2固定段階は、導電性シートと離型シートとを含む複合シートの離型シート側を第2固定部材に固定する段階であってよい。導電層形成段階は、離型シートから導電層シートを剥離させることにより、導電性シートを被覆前電子部品に転写させる段階であってよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、離型シートは、伸縮性基材を含んでよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、第1固定段階が、複数個の被覆前電子部品が仮固定されたキャリアを第1固定部材に固定する段階を含んでよい。また、上記製造方法のいずれかは、導電層形成段階の後に、複数個の被覆前電子部品をキャリアから分離して個片化する個片化段階を含んでよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、導電層被覆前の電子部品は、チップ部と、チップ部を搭載する中継基板とを含んでよい。また、中継基板は2層又は3層以上のグランド層を含んでよい。また、導電層形成段階において、導電性シートはグランド層のうち2層以上又は全層と接触するように、第1固定部材と第2固定部材が閉じ合わされてよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、第2固定部材は開口を有してよい。第2固定段階において、開口を介して吸引動作を行うことにより、導電性シートの固定を行ってよい。
ここで、上記製造方法のいずれかは、第1固定段階及び第2固定段階の後であって、導電層形成段階の前に、被覆前電子部品及び導電性シートが固定された空間を減圧する減圧段階を含んでよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、減圧される空間の真空度は、吸引動作による真空度よりも高い圧力値であってよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、減圧段階において、空間の真空度が4000Pa以下となるように減圧してよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、導電性シートは、バインダー樹脂及び導電性フィラーを含んでよい。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、導電層形成段階において、第1固定部材と第2固定部材とを閉じ合わせた後、第1固定部材と第2固定部材とを加熱しながら押圧を行うことにより、導電層を形成してよい。上記の導電層形成工程は加熱せず押圧のみでも良い。
ここで、上記製造方法のいずれかにおいて、押圧は1~3MPaの圧力で行われてよい。
第2の態様においては、チップ部、及び、チップ部を搭載し、2層又は3層以上のグランド層を含む中継基板を有する被覆前電子部品と、被覆前電子部品の天面及び側面を覆う導電層と、を含む電子部品であって、導電層はグランド層のうち2層以上又は全層と接触している、電子部品を提供する。
上記の電子部品は、側面における導電層の側面厚さ(ST)と、天面における導電層の天面厚さ(TT)により計算されるST/TTが0.5~1.0の範囲であってよい。
ここで、上記電子部品のいずれかにおいて、天面厚さ(TT)及び側面厚さ(ST)は、10~50μmの範囲であってよい。
ここで、上記電子部品のいずれかにおいて、側面における導電層の側面厚さ(ST)と、天面と側面とが接続する角部における導電層の角部厚さ(CT)により計算されるCT/TTが0.5~1.5の範囲であってよい。
ここで、上記被覆前電子部品の側面および、前記側面に形成される導電層は、段差が形成されない平坦形状であってよい。
第3の態様においては、電子部品用の導電性シートであって、80℃における破断伸度が20~1000%であり、80℃における弾性率が5~500MPaである、導電性シートを提供する。
上記導電性シートにおいて、180℃、2時間加熱後における、25℃における破断伸度が1~20%であり、25℃における弾性率が800MPa~10GPaであってよい。
ここで、上記導電性シートのいずれかにおいて、バインダー樹脂及び導電性フィラーを含んでよい。
第4の態様においては、上記第3の態様のいずれかの導電性シートと、離型シートと、を含む複合シートを提供する。
上記複合シートにおいて、離型シートの110℃における貯蔵弾性率が107~108Paであり、離型シートの110℃における破断伸度が500~3000%であってよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴のすべてを列挙したものではない。これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態における、電子部品10の一例を示す。 本実施形態における、導電層40の厚さの一例を示す。 本実施形態における電子部品10の製造方法のフローの一例を示す。 キャリア60を用いたS100の一例を示す。 第1固定部材62を用いたS100の一例を示す。 本実施形態における複合シート50の一例を示す。 本実施形態における複合シート50の別の一例を示す。 第2固定部材72を用いたS200の一例を示す。 S400の一例を示す。 S400の離型シート52の剥離後の一例を示す。 S500の一例を示す。 S500の一例を示す。 実施例及び参考例における試験用の被覆前電子部品11を示す。 導電層40の突出長(S1)の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態における、電子部品10の一例を示す。電子部品10は、ICチップ等のチップが基板に搭載された部品であり、良好な電磁波シールド性を有する。電子部品10は、チップ部20と、中継基板30と、導電層40とを備える。
チップ部20は、ICチップ等の集積回路によるチップを含んで良い。チップ部20は、更にコンデンサ、インダクタンス、弾性波素子等の受動素子をさらに含んでもよい。チップ部20は、チップ又は受動素子そのもの又は、チップ及び/又は受動素子を封止樹脂で封止、成形したものであってもよい。チップ部20は、直方体形状、多角柱形状またはこれらに類似した形状を有してよい。
中継基板30は、電子部品10を搭載するマザーボードとチップ部20とを電気的に中継する基板であってよい。中継基板30は、いわゆるインターポーザとも呼ばれるものであってよい。中継基板30は、導電パターン層31、グランド層32、及び、絶縁部34を含んでよい。
導電パターン層31は、銅、銀又はニッケル等の導電材料を含み、中継基板30においてチップ/受動素子間の接続及び/又は中継回路等として機能する導電層であってよい。導電パターン層31は、予め定められた平面形状にパターンニングされていてよい。中継基板30には、2層又は3層以上の導電パターン層31が設けられてよい。例えば、図1では導電パターン層31Aと導電パターン層31Bの2層が設けられている。導電パターン層31Bは、チップ部20のチップや受動素子と電気的に接続されていてよい。
グランド層32は、銅、銀又はニッケル等の導電材料を含み、中継基板30においてグランド(接地)として機能する層であってよい。グランド層32は、予め定められた平面形状にパターンニングされていてよい。中継基板30には、2層以上のグランド層32が設けられてよい。例えば、図1では絶縁部34を挟みグランド層32Aとグランド層32Bの2層が設けられている。
絶縁部34は、中継基板30において絶縁性を発揮する層/領域である。絶縁部34は、支持基板、プリプレグ、及び/又は、絶縁樹脂層等であってよい。例えば、中継基板30の中心部に位置する絶縁部34Aは、支持基板であってよい。支持基板は、ガラスクロス、セラミック基板またはガラスエポキシ基板等の絶縁基板を、単層又は多層に積層したものであってよい。例えば、絶縁部34A及びグランド層32A及びグランド層32Bの外側に位置する絶縁部34B及び絶縁部34Cはプリプレグであってよい。例えば、絶縁部34D及び絶縁部Eは、樹脂レジスト等の絶縁樹脂であってよい。
導電層40は、銅、銀又はニッケル等の導電材料を含み、電子部品10の電磁波シールド層として機能するものであってよく、他の機能を目的としたものでもよい。導電層40は、(導電層40を除く)電子部品10の天面(図1における上側)及び側面(図1における左右側)を覆ってよい。導電層40は、電子部品10の天面の全面又は一部を覆ってよい。導電層40は、電子部品10の側面の全面又は一部を覆ってよい。
図2は、導電層40の厚さを示す断面図の一例を示す。図2においてTTは電子部品10の天面における導電層40の厚さを示し、STは電子部品10の側面における導電層40の厚さを示し、CTは電子部品10の天面と側面とが接続する角部における導電層40の角部厚さを示す。角部厚さCTは、チップ部20の角部の頂点から測定して最も近く膜厚が薄い部分の導電層40の厚さ、又は、チップ部20の角部から45%斜め上方へ向かう方向における導電層40の厚さであってよい。これら導電層40の厚さは、電子部品10の切断断面を電子顕微鏡等により観察することにより特定してよい。
切断断面を得る方法として、カミソリのような鋭利な刃物で対象サンプルを切断する方法(ミクロトーム法)、カッター等で切り出した対象サンプルの断面を研磨紙によって整える方法、クロスセクションポリッシャー装置によりイオンビームを試料に照射して加工を行う方法(イオンミリング法)があり、種々の方法で断面を得ることが出来るが、これらの中でもイオンミリング法が最も好ましい。
導電層40の天面における厚さ(TT)、側面における厚さ(ST)及び/又は角部厚さ(CT)は10~50μmであってよく、特に20~40μmが好ましい。天面の厚さ(TT)と側面部の厚さ(ST)が大きく乖離していないことが望ましい。例えば、側面厚さ(ST)と、天面厚さ(TT)により計算されるST/TTが0.5~1.0、より好ましくは0.7~1.0、更に好ましくは0.9~1.0の範囲であることが望ましい。導電層40の厚さが上記を満たすことで、加湿試験(例えば130℃85%96時間)等の負荷試験の後であっても接続抵抗値を低く抑え、高いシールド性を維持することができる。
側面厚さ(ST)と電子部品10の天面と側面とが接続する角部における導電層40の角部厚さ(CT)により計算されるCT/TTが0.5~1.5、より好ましくは0.7~1.3、更に好ましくは0.9~1.1の範囲であることが望ましい。導電層40の厚さが上記を満たすことで、加湿試験(例えば130℃85%96時間)等の負荷試験の後であっても接続抵抗値の上昇率を低く抑え、高いシールド性を維持することができる。
導電層40は、グランド層32と電気的に接触する。これにより、導電層40をグランド層32を介して接地することができ、チップ部20に含まれるチップや素子が外部機器から電磁波干渉を受けることを防ぐことができる。特に導電層40はグランド層32のうち2層以上又は全層と接触していてよい。この場合、導電層40は、電子部品10の側面の全面を覆ってよい。導電層40が複数(望ましくは全て)のグランド層32と接触していることで、加湿試験(例えば130℃85%96時間)等の負荷試験の後であっても接続抵抗値を低く抑え、高いシールド性を維持することができる。
電子部品10の側面に形成される導電層40は、段差が形成されない平坦形状であってよい。これにより、導電層40がより確実かつ強固にグランド層32と接続することができ、電子部品10の実装をより容易に行うことができるようになる。
本実施形態の導電層40によれば、電磁波(特に10M~1000MHzの周波数)に対して優れたシールド性を発揮し、例えば40dB以上のシールド性能を発揮することができる。
電子部品10は、必要に応じて他の構成を有してもよい。例えば、電子部品10は、最下面側(図1の下側)に半田バンプ等の外部端子を有してもよい。
電子部品10の全体の厚みは、任意の厚さであってよいが、1.0mm以上が好ましく、例えば1.2mm以上、2.0mm以上であってよい。特に後述する製造方法によれば、厚さ1.0mmから2.0mm以上の高背の電子部品10を製造することができる。
図3は、本実施形態における電子部品10の製造方法のフローの一例を示す。電子部品10は、S100~S500の少なくとも一部を実行することにより製造されてよい。
説明の便宜上S100~S500をこの順に説明するが、これらの処理は別の順番で実行されてよく、及び/又は、少なくとも一部が並列に実行されてもよい。
S100において、第1固定段階が実行される。第1固定段階においては、第1固定部材62に対して、導電層40の被覆前の電子部品10である被覆前電子部品11を固定してよい。以下、図4~5を用いてS100の一例を説明する。
図4は、キャリア60を用いたS100の一例を示す。第1固定段階は、被覆前電子部品11が仮固定されたキャリア60を第1固定部材62に固定することにより行われてよい。すなわち、被覆前電子部品11は、第1固定部材62に固定する前に、まずキャリア60に搭載されてよい。被覆前電子部品11は、図1等で説明した電子部品10であって、導電層40が形成される前の状態のものを指す。被覆前電子部品11の中継基板30側がキャリア60に搭載されてよい。
キャリア60は、被覆前電子部品11を搭載可能なフィルム、シート又は基板等であって、後述する減圧段階や加熱に耐えうるものであればよい。キャリア60の表面には被覆前電子部品11を接着するための接着層又は粘着層が形成されてよい。キャリア60の表面には被覆前電子部品11を後で剥離するための剥離層が形成されてもよい。例えば、キャリア60は、ダイシングテープ等の微粘着フィルムであってよい。
また、キャリア60の別の具体例として、接着層又は粘着層を兼ねる熱剥離層が形成された金属製板部材、接着層又は粘着層を兼ねる紫外線剥離層が形成されたガラス製板部材を挙げることができる。接着層又は粘着層を兼ねる熱剥離層が形成された金属製板部材は、加熱により金属製板部材から熱剥離層を剥離することができる。接着層又は粘着層を兼ねる紫外線剥離層が形成されたガラス製板部材は、レーザー等を用いた紫外線照射により金属製板部材から熱剥離層を剥離することができる。
被覆前電子部品11は、キャリア60上に単数又は複数配置されてよい。被覆前電子部品11を複数配置する場合、後述する第2固定部材72の凹部76に対応する位置に配置する。例えば、被覆前電子部品11は、キャリア60上にN個×M個のアレイ状に配置されてよい。これにより後の個片化が容易になる。N、Mはそれぞれ2~20程度であってよいし、これ以上の配置数であってもよい。
図5は、第1固定部材62を用いたS100の一例を示す。被覆前電子部品11を搭載したキャリア60を、第1固定部材62に固定する。これにより、被覆前電子部品11を第1固定部材62に固定してよい。第1固定部材62は、板状の部材であってよい。第1固定部材62は、後述する減圧段階や加熱に耐えうるものが好ましく、例えば、金型等の金属板、セラミック板又は樹脂板等であってよい。
第1固定部材62は、吸引により被覆前電子部品11を固定してよい。例えば、第1固定部材62の主面には、開口64が設けられてよい。第1固定部材62は、開口64を介して吸引動作を行うことにより、キャリア60を介して被覆前電子部品11の固定を行ってよい。
第1固定部材62は、他の方法により被覆前電子部品11を固定してもよい。例えば、第1固定部材62は、接/粘着剤、ネジ等の固定具、磁石、機械的保持機構(メカニカルチャック、メカニカルクランプ含む)等により被覆前電子部品11を固定してもよい。ただし、高い位置精度を実現するには、吸引による固定が好ましい。
図5では、被覆前電子部品11がキャリア60を介して第1固定部材62に間接的に固定される例を示した。これに代えて、被覆前電子部品11はキャリア60を介さずに、上記したものと同様の方法で第1固定部材62に直接に固定されてもよい。
S200において、第2固定段階が実行される。第2固定段階において、凹部76を有する第2固定部材72に対して、導電性シート54を固定する。第2固定段階は、導電性シート54を含む複合シート50を第2固定部材72に固定することにより行われてよい。
図6は、本実施形態における複合シート50の一例を示す。図示するように複合シート50は、離型シート52と導電性シート54とが張り合わされたものであってよい。
離型シート52は、導電性シート54を後に剥離できるように、離型性を有するものであればよく、樹脂フィルム等であってよい。離型シート52は、特に伸縮性基材を含むことが好ましい。伸縮性を有することで、後に第2固定部材72が第1固定部材62に閉じ合わされる際に、離型シート52が伸縮性を発揮して被覆前電子部品11の形状に適合するように伸縮することができる。離型シート52は、クッション性を有するものであってよい。例えば、離型シート52は、熱可塑性樹脂で形成されていてよい。離型シート52の表面には、離型性を向上させるための表面処理がされていてもよい。
離型シート52の厚みは任意であってよいが、例えば50~550μm、好ましくは50~400μm、より好ましくは100~350μmでよい。
離型シート52の110℃における貯蔵弾性率が10~10Pa、好ましくは1.1×10~0.9×10Pa、より好ましくは1.2×10~0.8×10Paであってよい。離型シート52の110℃における破断伸度が500~3000%、好ましくは600~2500%、より好ましくは700~2000%であってよい。離型シート52の貯蔵弾性率及び破断伸度が上記を満たすことにより、離型シート52が伸縮性を発揮し、複合シート50が破断せずに被覆前電子部品11の形状に適合することができる。
貯蔵弾性率及び破断伸度が上記を満たす離型シート52として、軟化点が低く(例え150℃以下)、かつ、耐熱温度が高いものであって(200℃以上)、厚みが上記した範囲であることが望ましい。具体的には、離型シート52として、熱可塑性のポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、環状オレフィンポリマーを用いることが好ましく、更に環状オレフィンポリマーが好ましく、特にポリメチルペンテンが好ましい。
導電性シート54は、後に電子部品10の導電層40となるシート部材であり、電子部品10を電磁波シールドする。導電性シート54は、バインダー樹脂、架橋剤及び導電性フィラーを含んでよい。導電性シート54は、更に他の添加剤を別途含んでもよい。
導電性シート54は、80℃における破断伸度が10~1000%、好ましくは15~800%、より好ましくは20~600%であってよい。導電性シート54は、80℃における弾性率が5~500MPa、好ましくは7~400MPa、より好ましくは10~300%MPaであってよい。導電性シート54の破断伸度及び弾性率が上記を満たすことで、第2固定部材72に複合シート50(又は導電性シート54)を加熱状態で固定する際に、第2固定部材72の凹部76の角部等において、導電性シート54が離型シート52から浮き上がることを防ぐことができる。
導電性シート54は、180℃、2時間加熱後(以下、単に「加熱後」とも言う)における、25℃における破断伸度が1~20%、好ましくは5~15%、より好ましくは1~10%であってよい。導電性シート54は、180℃、2時間加熱後における、25℃における弾性率が800MPa~10GPa、好ましくは1GPa~8GPa、より好ましくは1.5GPa~6GPaであってよい。導電性シート54の加熱後の破断伸度及び弾性率が上記を満たすことで、後の個片化段階(S500)で、導電性シート54を電子部品10の端部できれいに切断される。一方で、導電性シート54の加熱後の破断伸度及び弾性率が上記を満たさない場合、個片化段階で、導電性シート54がきれいに切断されず、伸びや剥がれが生じて、外観不良が生じ、グランド層32との接続が悪化したり、ショートの原因になり得る。
バインダー樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂、メラミン系樹脂、アクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、又は、これらの混合物等から選択される熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。導電性シート54は、熱硬化性樹脂を未硬化状態又は半硬化状態(いわゆるBステージ)で含んでいてよい。
バインダー樹脂は、更にポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレンエラストマー系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブタジエンゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、エステルアミド系樹脂、ポリイソプレン系樹脂及び/又はセルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂を含んでもよい。バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂に加えて/代えて紫外線硬化樹脂を含んでもよい。バインダー樹脂は必要に応じて架橋剤及び/又はモノマー成分等をさらに含んでもよい。
バインダー樹脂の重量平均分子量は5,000~300,000であってよい。分子量が5,000を下回ると破断伸度10%及び/又は弾性率5MPaを下回る可能性が高くなる。一方で分子量が300,000を超えると破断伸度1000%及び/又は弾性率500MPaを上回る可能性が高くなる。
バインダー樹脂は架橋基を有してよい。例えば、バインダー樹脂は、ウレタン、ウレア、エステル、カーボネート、アミド、イミド及びエステルの1つ以上を骨格中に含んでよい。架橋基の量に応じて破断伸度が低下して弾性率が上昇する。バインダー樹脂の架橋基の活性水素価は、1~200mgKOH/gが好ましい。200mgKOH/gを上回ると、製品寿命が悪化する恐れが生じる。
架橋剤は、バインダー樹脂を架橋するために用いられる。加熱後の架橋が密になるほど加熱後の破断伸度が低くなり、加熱後の弾性率が高くなる傾向がある。加熱後の導電性シート54の破断伸度及び弾性率を上記の範囲にするための架橋剤として、水酸基、フェノール、カルボン酸、アミン、エポキシ、イソシアネート及びアジリジンの1つ以上の構造を含むものが挙げられ、製品寿命と反応性の点からはエポキシ、フェノール、水酸基、カルボン酸を含むものが好ましい。
架橋剤は、2官能以上のものが好ましい。2官能以上のものを用いることで加熱後の架橋密度を高め、加熱後の低破断伸度および高弾性率を実現することができる。
架橋剤は、25℃で液状であることが望ましい。また、架橋剤は、粘度が10~200,000mPa・sを満たすことが望ましい。これらを満たすことにより、加熱前の導電性シート54の破断伸度10~1000%及び弾性率5~500MPaをより実現しやすくなる。粘度が上記範囲外となると破断伸度が低下しすぎになりやすい。
架橋剤は、バインダー樹脂中の熱硬化性樹脂100質量部に対して5~200質量部の範囲で用いてよい。5質量部を下回ると、加熱後の破断伸度が20%を下回り、弾性率が800MPaを下回る恐れがある。200質量部を超えると、導電性シート54の加熱前の破断伸度10%及び弾性率5MPaを下回る恐れが生じる。
導電性フィラーとしては、(1)金、銅、銀、ニッケル等の導電性金属の金属粉、(2)導電性金属の合金による合金粉、(3)銀コート銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、金コートニッケル粉のコアシェル型粒子が挙げられる。導電性フィラーの形状として、球状、楕円球状、鱗片状、デンドライド状、ブドウ状、及び/又は、針状の形状であってよい。導電性シート54の破断伸度を10~1000%、弾性率を5~500MPaの範囲にする観点からは、鱗片状単独、鱗片状とデンドライド状の組み合わせ、又は、鱗片状と球状の組み合わせが望ましい。一例として、鱗片状:デンドライド状(又は球状)の導電性フィラーの比率が25:75~100:0の範囲であることが望ましい。鱗片状のフィラーが一定量以上含まれると、伸長時の導電パスが安定して形成でき、良好な導電性・シールド性が発現できるメリットがある。
導電性フィラーの平均粒子径D50は、1~50μm、好ましくは2~16μmであってよい。導電性フィラーの平均粒子径D50は、レーザー回折・散乱法により測定できる。
例えば、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS 13 320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、各導電性微粒子を測定して得た数値であり、粒子の積算値が50%である粒度の直径の平均粒径である。なお、屈折率の設定は1.6として測定する。
導電性フィラーの含有率は、導電性シート54(固形分)中において25~90質量%、好ましくは30~80質量%であってよい。このような範囲とすることで、導電性シート54の加熱前の破断伸度を10~1000%、弾性率を5~500MPaの範囲にし、更に良好な体積抵抗値が得られる。また、導電性フィラーの含有量が多くなるほど加熱後の低破断伸度および高弾性率を実現しやすくなる。
導電性シート54の厚みは、所望の導電層40の厚みに応じて適宜設定されてよい。例えば、導電性シート54の厚みは10~50μmであってよく、好ましくは20~40μmであってよい。
導電性シート54は、例えば導電性フィラーとバインダー樹脂を含有した導電性樹脂組成物を剥離性シート上に塗工・乾燥をすることで形成できる。または、導電性フィラーとバインダー樹脂を含有した導電性樹脂組成物を、例えばTダイのような押出成形機により、シート状に押し出すことで形成できる。
塗工は、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等の公知の塗工方法を使用できる。塗工の際、必要に応じて乾燥工程を設けてもよい。前記乾燥は、熱風乾燥機および赤外線ヒーター等公知の乾燥装置が使用できる。
複合シート50は、上述した剥離性シート上の導電性シート54を離型シート52と張り合わせて製造してよい。又は、離型シート52上に直接、導電性樹脂組成物を塗工、乾燥して導電性シート54を形成してもよい。
図7は、本実施形態における複合シート50の別の一例を示す。複合シート50は、離型シート52及び導電性シート54に加えて機能性シート56を更に有してもよい。
機能性シート56は、複合シート50に様々な機能を与える。機能性シート56は、離型シート52及び導電性シート54の間に設けられていてよい。これにより、電子部品10に転写された際に、機能性シート56は、導電性シート54の更に外側に配置されて様々な機能を発揮することができる。
例えば、機能性シート56は、電磁波を吸収する電磁波吸収シートであってよい。電磁波吸収シートは、バインダー樹脂及び磁性フィラーを含んでよい。バインダー樹脂は、導電性シート54に用いたものと同様のものを採用してよい。
磁性フィラーは、それぞれの磁性層に所望の比透磁率μ´を付与する。磁性フィラーは、金属系軟磁性材料及び/又はフェライト系物質等を含んでよい。金属系軟磁性材料は、結晶質金属磁性材料または非晶質金属磁性材料であってよい。結晶質金属磁性材料の一例としては、例えばFe、Co、Ni、FeSi合金、FeNi合金、FeSiAl合金、FeSiCr合金が挙げられる。フェライト系物質の一例としては、MnZnフェライト、MgZnフェライト、MnMgフェライト、CuZnフェライト、MgMnSrフェライト、NiZnフェライトが挙げられる。磁性フィラーは単独、または2種類以上を併用してよい。
磁性フィラーの含有率は、電磁波吸収シート100質量%中、20~90質量%であることが好ましく、40~90質量%がより好ましく、65~85質量%が特に好ましい。上記範囲とすることで所望の比透磁率μ´とすることができ、低周波でのシールド性により優れる。
磁性フィラーの形状は、フレーク状が好ましい。フレーク状とすることで高い比透磁率μ´が得られるためである。磁性フィラーの平均粒径D50は、20~70μmが好ましく、25~65μmがより好ましい。D50が20μm以上とすることでμ´を向上させることができ、70μm以下とすることで、シート化が容易になる。磁性フィラーの平均粒子径D50は、導電性フィラーと同様の方法で測定してよい。
例えば、機能性シート56は、放熱を促進する放熱シートであってよい。放熱シートは、バインダー樹脂及び熱伝導性フィラーを含んでよい。バインダー樹脂は、導電性シート54に用いたものと同様のもの又は他のものを採用してよいが、伸縮性の観点から特にポリウレタン系樹脂およびポリアミド系樹脂が好ましい。
熱伝導性フィラーは、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、炭酸金属塩、ケイ酸金属塩、水和金属化合物、結晶性シリカ、非結晶性シリカ、炭化ケイ素又はこれらの複合物等であってよい。金属酸化物として、例えば、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、および酸化マグネシウム等が挙げられる。金属窒化物として、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素等が挙げられる。金属水酸化物として、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム等が挙げられる。炭酸金属塩として、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム等が挙げられる。ケイ酸金属塩として、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。熱導電性フィラーとして、特にアルミナ、窒化アルミニウム、および窒化ホウ素等が好ましい。
熱伝導性フィラーは、放熱シート内において、一次粒子、一次粒子を造粒した造粒体、これらの凝集体、およびこれらの組合せの形態で存在してよい。熱伝導性フィラーの含有率は、放熱シート100質量%中、20~90質量%であることが好ましい。
例えば、機能性シート56は、電磁波シールド性を強化することができる金属バルク層であってよい。金属バルク層は、アルミニウム、銅、銀及び/又は金等の導電性金属自体の薄膜であってよい。金属バルク層は、ラミネートされた金属箔、金属蒸着膜、金属メッキ膜であってよい。
金属バルク層は、0.001μm~10μmm、好ましくは0.3μm~5.0μmの厚みであってよい。厚みが0.3μm以上あることで、配線回路基板から発生する電磁波ノイズの波長に対し、透過を抑制することができ、十分な高周波シールド性を発揮することができる。5.0μm以下であることにより、積層硬化物の損失正接を高めることができ、冷熱サイクル信頼性を向上させることができる。
機能性シート56は、同一の機能の層及び/又は異なる機能の層が複数層積層されてもよい。例えば、機能性シート56は、電磁波吸収シートと放熱シートを積層したものであってもよい。
図6及び図7では、導電性シート54は離型シート52等と同じ平面大きさである例を説明したがこれに限られない。例えば、離型シート52は、導電性シート54よりも大きく、離型シート52の平面の一部のみの上に導電性シート54が形成される形態であってもよい。これにより、導電性シート54の材料を節約できる。
図8は、第2固定部材72を用いたS200の一例を示す。第2固定段階において、第2固定部材72の主面に複合シート50が固定される。
第2固定部材72は、凹凸(すなわち凹部76と凸部78)を有してよい。第2固定部材72の凹部76は、後に第1固定部材62と閉じ合わされる際に、被覆前電子部品11と組み合う形状に形成されてよい。例えば、凹部76はN個×M個のアレイ状に配置されてよい。
第2固定部材72は、後述する減圧段階や加熱に耐えうるものが好ましく、例えば、金型、セラミック型又は樹脂型であってよい。第2固定部材72は、板状の部材に凹部が彫り込まれたものであってよく、又は、板状の部材に凸部が別途搭載されたものであってよい。
ここで、凹部76と凸部78の間隔は適宜設定されてよいが、好ましくは凹部76を離間する凸部78は1mm以上の幅を有していることが望ましい。凸部78の幅が1mm未満となると複合シート50や導電性シート54に局所的に力がかかり、これらに亀裂が入ったり破れたりするリスクが高まる。一方で、生産性の観点からは凸部78の幅は50mm以下、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下、更に好ましくは5mm以下であってよい。
複数の凸部78の幅は、不均等でも均等であってよい。均等である場合には、複合シート50、導電性シート54及び/又は被覆前電子部品11により均等に圧力が与えられるので、より好ましい。
凹部76は、被覆前電子部品11とほぼ同じ平面形状および平面寸法で形成されてよい。又は、凹部76は、複合シート50(又は導電性シート54)の厚み分か又はそれ未満の大きさ分で、僅かに被覆前電子部品11よりも大きい平面寸法で形成されてよい。これにより、導電性シート54が被覆前電子部品11の天面及び側面に密着することができる。例えば、凹部76の平面形状は、1辺が0.5~100mmの長さを有する矩形又は多角形であってよい。
凹部76は、被覆前電子部品11とほぼ同じ断面形状および被覆前電子部品11と同じ厚さの深さで形成されてよい。又は、凹部76は、複合シート50(又は導電性シート54)の厚み分か又はそれ未満の大きさ分で、僅かに被覆前電子部品11よりも大きい厚さの深さで形成されてよい。これにより、後に、被覆前電子部品11のグランド層32の全てが導電層40に接することができる。例えば、凹部76の深さは0.1~10mmであってよい。
凹部76が、被覆前電子部品11と対応する形状および寸法を有することにより、後に形成される導電層40の天面厚さ(TT)、側面厚さ(ST)及び角部厚さ(CT)の比を、上記した所定の数値範囲にすることができる。
複合シート50は、平坦なシート状であってよい。これに代えて、複合シート50は、第2固定部材72の凹凸に対応する凹凸が予め形成されていてもよい。
第2固定段階において、第2固定部材72は、吸引により複合シート50(及びこれに含まれる導電性シート54)を固定してよい。例えば、第2固定部材72は開口74を有してよい。第2固定部材72は、開口74を介して吸引動作を行うことにより、複合シート50(及びこれに含まれる導電性シート54)を固定してよい。例えば、第2固定段階において、複合シート50の離型シート52側を第2固定部材72の凹凸面に固定してよい。
開口74は、第2固定部材72の凹凸の位置に関係なくまんべんなく配置されてよいが、凹部76のみに設けられるか、凸部78よりも凹部76に多く配置されてよい。例えば、開口74は、少なくとも各凹部76に1つずつ配置されてよい。開口74は、凹部76の底部、側面及び/又は底角部(特に底面が好ましい)、並びに/若しくは、凸部78の天面、側面及び/又は凸角部に設けられてよい(特に天面が好ましい)。また、開口74は、第2固定部材72の主面平面において、最外周部に位置する凹部76よりも外側の領域のみに複数配置されてもよい。
複合シート50は、少なくとも凹部76の底面に固定されてもよい。好ましくは、複合シート50は、吸引動作により、第2固定部材72の凸部78及び凹部76に隙間なく密着するように固定されてよい。これにより天面及び側面等で膜厚が均一な導電層40を形成することができる。特に前述したように導電性シート54の破断伸度及び/又は弾性率が所定の範囲を満たすことで、複合シート50は凹部76の凹角部から浮き上がるのを防ぐことができる。
第2固定部材72は、他の方法により複合シート50(又は導電性シート54)を固定してもよい。例えば、第2固定部材72は、接/粘着剤、ネジ等の固定具、磁石等により複合シート50(又は導電性シート54)を固定してもよい。
なお、S100とS200はこの順ではなく反対の順番で行われてもよい。または、S100とS200は並行して行われてもよい。
次にS300において、減圧段階が実行される。減圧段階において、被覆前電子部品11及び導電性シート54が固定された空間を減圧する。例えば、第1固定部材62、及び、第2固定部材72を、真空チャンバ等において向き合うように配置して減圧を行ってよい。この際に第1固定部材62に固定された被覆前電子部品11と、第2固定部材72に固定された導電性シート54とが向き合う。
減圧段階における減圧は、第1固定部材62及び第2固定部材72が配置される空間の真空度が4000Pa以下、好ましくは2000Pa、より好ましくは1000Pa、更に好ましくは100Pa以下となるように実行されてよい。このように減圧することにより、第1固定部材62と第2固定部材72を閉じ合わせた際に、被覆前電子部品11と導電性シート54とを強固に密着させることができる。真空度は50Pa以上、好ましくは60Pa以上、より好ましくは70Pa以上、更に好ましくは90Pa以上であってよい。真空度をこれ以上高めても必要なポンプ性能やポンプ稼働時間が高まる一方で、被覆前電子部品11と導電性シート54との密着性にはあまり寄与しないからである。
第1固定部材62及び第2固定部材72で吸引動作を行いながら、減圧を行うことで、被覆前電子部品11及び複合シート50等をしっかり固定しながら、被覆前電子部品11及び複合シート50の露出した表面に付着した不要な水分、ガス等の付着物を除去しつつ両者を張り合わせることができる。なお、減圧段階で減圧される空間の真空度は、第1固定段階及び/又は第2固定段階で実行される吸引動作による真空度よりも高い圧力値であってよい。吸引動作の真空度よりも減圧段階の真空度が低くなると、第1固定段階及び/又は第2固定段階における固定が不十分になる恐れがあるためである。ここで、減圧段階による減圧によれば、被覆前電子部品11と複合シート50との間における不要物の混入を低減でき、導電層40の剥離、電子部品10の性能劣化を低減して、電子部品10の高信頼性を実現することができる。
次にS400において、導電層形成段階が実行される。導電層形成段階において、被覆前電子部品11に導電性シート54を転写し、これにより被覆前電子部品11の表面に導電層40を形成する。
図9は、S400の一例を示す。図示するように、第2固定部材72の凹部76と被覆前電子部品11が組み合うように、第1固定部材62と第2固定部材72とを閉じ合わせる。閉じ合わせは、第1固定部材62及び第2固定部材72を対向させた後、少なくとも一方を他方に向けて移動させることにより行ってよい。閉じ合わせは、第2固定部材72に固定される導電性シート54が、被覆前電子部品11のグランド層32のうち2層以上又は全層と接触するように、行われてよい。閉じ合わせの際のクランプ速度は、0.1~5mm/sであってよい。ここで、クランプ速度とは、閉じ合わせの際に第1固定部材62又は第2固定部材72の少なくとも一方を他方に向けて移動させる速度であって、第1固定部材62と第2固定部材72とを相対的に互いに近づく方向に移動させる際の速度と表現することもできる。
なお、図9では第1固定部材62が上側、第2固定部材72が下側になっているが、これに限られない。例えば、第1固定部材62が下側、第2固定部材72が上側でもよいし、第1固定部材62及び第2固定部材72の主面が縦方向や斜め方向を向いて配置されてもよい。第1固定部材62が下側になる場合、被覆前電子部品11の固定はしなくてもよい(すなわち第1固定段階は省略される)。
導電層形成段階において、次に、第1固定部材62と第2固定部材72とを閉じ合わせた後、第1固定部材62と第2固定部材72とを加熱する。これにより、被覆前電子部品11に密着した導電性シート54が硬化して、被覆前電子部品11の天面及び側面に導電層40が形成される。なお、第1固定部材62と第2固定部材72とを予め加熱してから閉じ合わせてもよく、この場合、図3の第1固定段階S100より前に第1固定部材62と第2固定部材72とが加熱された状態とされていてもよい。
加熱の際に押圧を行ってよい。例えば第1固定部材62と第2固定部材72とが閉じ合わさる向きに押圧を行ってよい。押圧は1~10MPaの圧力で行われてよい。これにより、被覆前電子部品11により強固、確実に導電層40を形成することができる。
加熱温度や硬化時間(キュアタイム)は、選択したバインダー樹脂等の条件により適宜設定できるが、例えば、100~180℃において、90~180秒であってよい。ここで、硬化時間(キュアタイム)は、閉じ合わせ(型締め)完了から、下記の剥離までの時間であってよい。上記に代えて、加熱を行わず常温や室温環境下で、押圧のみにより、閉じ合わせを行ってもよい。
図10にS400の離型シート52の剥離後の一例を示す。加熱により導電層40が形成された後、第2固定部材72の吸引動作を中止し、第2固定部材72から複合シート50を分離してよい。その後、複合シート50の離型シート52から導電層40(加熱前の導電層シート54)を剥離させてよい。これにより、導電層40(加熱前の導電層シート54)が被覆前電子部品11に転写されて、キャリア60に搭載された電子部品10が得られる。
S300の減圧段階とS400の導電層形成は、完全に別個の段階として行う必要はなく、少なくとも一部が並行して行われてよい。例えば、まず減圧段階で真空度が一定以上に達した後に、S400の閉じ合わせ、加熱及び/又は押圧等を行い、その後、減圧を停止した(すなわち常圧に戻した)後、離型シート52の剥離を行ってよい。この場合、減圧段階における真空時間は1~60秒、好ましくは5~10秒であってよい。
次にS500において、個片化段階が実行される。個片化段階により個片化された電子部品10が得られる。
図11及び図12に、S500の一例を示す。まず、第1固定部材62の吸引動作を中止し、第1固定部材62から電子部品10を搭載したキャリア60を分離する。
個片化はキャリア60から電子部品を個別にピッキングすることにより実行してよい。例えば、電子部品10を搭載したキャリア60から、電子部品10を物理的に引き離すことにより個片化してもよい。一例として、図11に示すように、電子部品10をピック装置84で掴み取るか、又は、吸引することで電子部品10をピックすることにより個片化してもよい。この場合、電子部品10を物理的にキャリア60から引き離す際に、導電層40が電子部品10の端部で千切れることにより個片化が実行される。ピッキングする方法は、後述するダイシングする方法よりも工程を省略できる観点から望ましい。
より具体的には、電子部品10を物理的に引き離す際には、キャリア60に含まれるフィルム状の熱剥離層又は紫外線剥離層に電子部品10が付着されたままの状態で、キャリア60から電子部品10と共に熱剥離層又は紫外線剥離層を剥離してよい。その後、熱剥離層又は紫外線剥離層側から電子部品10を細い棒状の部材で電子部品10を突き上げるか又は電子部品10を掴むことにより、熱剥離層又は紫外線剥離層側から電子部品10を剥離してよい。この際に、熱剥離層に対しては熱処理、紫外線剥離層に対しては紫外線照射が行われてよい。また、電子部品10を物理的に引き離す際には、キャリア60に電子部品10が接着された状態で、電子部品10の周囲の導電層40を切断しておいてもよい。また、キャリア60として粘着フィルムを用いることができる。この場合、例えば、第2固定部材72のように凹凸を有する部材の凹部に電子部品10を配置して、電子部品10を吸引等により保持する。その後、電子部品10から粘着フィルムを引き剥がすように剥離して、電子部品10を個片化してもよい。
ピッキングする方法に変えて、ダイシングにより個片化を実行してもよい。例えば、図12に示すように、キャリア60ごと電子部品10の平面輪郭に沿ったライン(図中の破線)で、ダイシングプレートによる切断を行い、個片化を行う。ダイシングによる切断は、電子部品10が完全に分離するように行われてよい。その際にキャリア60も完全に切断されてもよく、又はキャリア60は部分的に切断されるのみであってもよい。
特に前述したように導電性シート54の加熱後の破断伸度及び/又は弾性率が所定の範囲を満たすことで、導電層40の切断面で伸びが剥がれの不良が生じることを防ぐことができる。
その後にキャリア60を電子部品10から剥離して、図1に示すような個片化された電子部品10が得られる。キャリア60に複数個の被覆前電子部品11が搭載されていた場合、複数個の電子部品10をキャリア60から分離して個片化することができる。上記に代えて、キャリア60を剥離してからダイシングによる切断を行ってもよい。
上記の本実施形態では、第1固定部材62が、キャリア60を介して被覆前電子部品11を固定した。これに代えて、第1固定部材62に、キャリア60を介さず被覆前電子部品11を直接固定してもよい。
上記の本実施形態では、第2固定部材72が、複合シート50を介して導電性シート54を固定した。これに代えて、第2固定部材72に、複合シート50ではなく導電性シート54のみを固定してもよい。
上記の本実施形態では、第1固定部材62に被覆前電子部品11を予め固定した上で、導電性シート54との貼り合わせを行っているが別方法を採用してもよい。例えば、複合シート50を固定した第2固定部材72の凹部76上に、(複合シート50を介して)被覆前電子部品11を配置し、その後に、第1固定部材62と同様の板状部材で、第1固定部材62と第2固定部材72とを閉じ合わせ、上述したS300~S500(例えば、減圧、加熱押圧、個片化等)の全部又は一部と同様の処理を行ってもよい。
上記の例は一例であり、S100~S500のステップの一部は省略されてもよく、必要に応じて別のステップが追加されてもよい。例えば、S300の減圧段階及び/又はS500の個片化段階が省略されてもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例及び参考例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例及び参考例に限定されるものではない。
<試験用の被覆前電子部品の作製>
図13に、実施例において試験用に用いる被覆前電子部品11を示す。試験用の被覆前電子部品11は中継基板30を含み、中継基板30は4層のグランド層(32A~32D)及び絶縁部34A~Eを含む。各グランド層32として12μmの銅箔を用いた。図13には記載されていないが中継基板30は別途導電パターン層31を含む。
絶縁部34Aは、ガラスエポキシ樹脂からなる厚さ100μmのコアである。絶縁部34B及び34Cは、厚さ50μmの層間接着層である。絶縁部34D及び34Eは、厚さ26μmの層間接着層である。接続抵抗値測定部82a、bの部分において後述する接続抵抗の測定を行った。
本実施例及び参考例において、アレイ状に配置した複数のICチップ(チップ部20)をモールド封止したものを用意した。封止された複数のICチップを、後に複数の中継基板となる基板上に搭載したもの(「集合部品」とする)を用意した。集合部品を、ICチップ同士の間隙である溝に添ってフルダイシングを行い、個片化した。これにより、縦10mm、横10mm、高さ1mmの試験用の被覆前電子部品11を複数得た。試験用の被覆前電子部品11における中継基板30の厚みは0.3mm(図13におけるH2)であり、チップ部20のモールド封止厚、即ち中継基板上面からモールド封止材の頂面までの高さ(部品高さ)は0.7mmであった(図13におけるH1)。
以下、実施例及び参考例で使用した材料を示す。
バインダー樹脂1:ポリウレタン系樹脂 酸価10[mgKOH/g](トーヨーケム社製)Mw=110,000
バインダー樹脂2:ポリカーボネート系樹脂 酸価5[mgKOH/g](トーヨーケム社製)Mw=95,000
バインダー樹脂3:スチレン系樹脂 酸価11[mgKOH/g](トーヨーケム社製)Mw=123,000
バインダー樹脂4:フェノキシ系樹脂 酸価15[mgKOH/g](トーヨーケム社製)Mw=140,000
硬化性化合物1:エポキシ樹脂、「デナコールEX810」(2官能エポキシ樹脂 エポキシ当量=113g/eq)ナガセケムテックス社製
硬化性化合物2:エポキシ樹脂、「jERYX8034」(水添ビスフェノールエポキシ樹脂 エポキシ当量=270g/eq)三菱化学社製
硬化性化合物3:エポキシ樹脂、「jER1032H60」(ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂 エポキシ当量=208g/eq)三菱化学社製
硬化促進剤:アジリジン化合物、「ケミタイト PZ-33」(日本触媒社製)
導電性フィラー1:「銀からなる鱗片状粒子平均粒子径D50=6.0μm、厚み0.8μm」
導電性フィラー2:「10%銀コートされた銅からなるデンドライド状粒子、D50=7.5μm」
離型性基材:表面にシリコーン離型剤をコーティングした厚みが50μmのPETフィルム
離型シート1:耐熱離型フィルム オピュランCR1040 150μm:三井東セロ社製)
離型シート2:耐熱離型フィルム オピュランCR1020MT 150μm:三井東セロ社製)
<導電性シートの80℃における破断伸度、弾性率の測定>
23℃、相対湿度50%で24時間静置した導電性シートを80℃、相対湿度50%の恒温湿室内において、前記導電性シートを引張り速度50mm/分および標線間25mmの条件で引張試験機「EZテスター」(島津製作所社製)により応力-ひずみ曲線を測定し、導電性シートが破断した際の伸び率を80℃における破断伸度とし、ひずみ(伸び)が0.1~0.3%の領域の線形回帰(傾き)を80℃における弾性率とした。
<180℃、2時間加熱後における導電層の25℃における破断伸度、弾性率の測定>
導電性シートを180℃で2時間で加熱して導電層を得て、これを25℃、相対湿度50%で24時間静置した。その後、導電層を25℃、相対湿度50%の恒温湿室内において、前記導電層を引張り速度50mm/分および標線間25mmの条件で引張試験機「EZテスター」(島津製作所社製)により応力-ひずみ曲線を測定し、シートが破断した際の伸び率を25℃における破断伸度とし、ひずみ(伸び)が0.1~0.3%の領域の線形回帰(傾き)を25℃における弾性率とした。
<離型シートの110℃における破断伸度の測定>
23℃、相対湿度50%で24時間静置した離型シートを110℃、相対湿度50%の恒温湿室内においた。その後、恒温湿室内で、離型シートを引張り速度50mm/分および標線間25mmの条件で引張試験機「EZテスター」(島津製作所社製)により応力-ひずみ曲線を測定し、シートが破断した際の伸び率を110℃における破断伸度とした。
<離型シートの110℃における貯蔵弾性率の測定>
23℃、相対湿度50%で24時間静置した離型シートを110℃、相対湿度50%の恒温湿室内においた。その後、恒温湿室内で、離型シートを動的粘弾性測装置DVA-200(アイティー計測制御社製)を用いて、変形様式「引張り」、周波数10Hz、昇温速度10℃/分、測定温度範囲-80℃~300℃の条件での測定を行った。この結果を110℃における貯蔵弾性率とした。
<厚み測定>
導電層の厚みは、研磨法によって電子部品の断面出しを行い、レーザー顕微鏡で電子部品の天面、角部、側面の各領域における最も厚みのある箇所の膜厚を測定した。異なる電子部品の断面出しサンプル5つについて同様に測定し、その平均値を厚みとした。
導電性シートを含む複合シートを構成する各種シートの厚みは、接触式膜厚計を用いて異なる5ヶ所について膜厚を測定し、その平均値を厚みとした。
<導電性フィラーの厚み>
導電層の厚みを測定した切断面画像を、電子顕微鏡で千倍~5万倍程度に拡大した画像を元に異なる粒子の厚み(最も短辺となる方向における長さ)を約10~20個を測定し、その平均値を使用した。
<平均粒子径D50>
平均粒子径D50は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性フィラー、磁性フィラー、または熱伝導性フィラーを測定して得た平均粒子径D50の数値であり、粒子径累積分布における累積値が50%の粒子径である。分布は体積分布、屈折率の設定は1.6とした。当該粒子径であればよく、一次粒子でも二次粒子でもよい。
<酸価の測定>
共栓付き三角フラスコ中に熱硬化性樹脂を約1g精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液50mLを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした。
酸価(mgKOH/g)=(a×F×56.1×0.1)/S
S:試料の採取量×(試料の固形分/100)(g)
a:0.1mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量(mL)
F:0.1mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<重量平均分子量(Mw)の測定>
Mwの測定は東ソ-社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)「HPC-8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィ-である。測定は、カラムに「LF-604」(昭和電工社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6mL/min、カラム温度40℃の条件で行い、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
[実施例1]
バインダー樹脂1(固形分)70質量部と、バインダー樹脂2(固形分)30質量部と、硬化性化合物1を30質量部と、硬化性化合物2を15質量部と、硬化促進剤を1質量部と、導電性フィラー1を320質量部と、を容器に仕込んだ。その後、不揮発分濃度が45質量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(質量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで導電性樹脂組成物を得た。
この導電性樹脂組成物を乾燥厚みが50μmになるようにドクターブレードを使用して離型性基材に塗工した。そして、100℃で2分間乾燥することで離型性基材と導電性シートとが積層されたシートAを得た。
離型シート1として、熱溶融樹脂層の両面をポリメチルペンテンで積層した三井東セロ社製「オピュランCR1040(層厚150μm)」を用意した。次いでシートAの導電性シートの面と離型シート1を90℃、0.1MPa、1M/minの条件でロールラミネーターを使用して張り合わせることで、積層体を得た。
95mm×240mmのSUS板を第1固定部材として用い、ポリイミド両面テープをキャリアとして用いた。第1固定部材の片面にキャリアを介して、試験用の被覆前電子部品20個を配置した。次いで上記で得られた積層体を300mm×140mmにカットし、離型性基材を剥離して、導電性シートと離型シートからなる複合シートを得た。複合シートを、第2固定部材である凹状の下金型に吸着し、載置した。その後、第1固定部材の試験チップ側と、第2固定部材の導電性シート側とを閉じ合わせた。
120℃、真空度2000Paの条件で第1固定部材及び第2固定部材を閉じ合わせたまま真空引きした。ここで第2固定部材側から第1固定部材に対し2MPa、クランプ速度0.5mm/sで180秒間熱プレスした。熱プレス後、離型シートを剥離し、導電性シートが形成された試験用の電子部品をキャリアごと180℃2時間加熱した。室温にまで冷却し、試験用の電子部品をピンセットでピックしてキャリアから剥離することで個片化し、導電層が形成された個片チップを電子部品として得た。
[実施例2~14及び参考例1~2]
導電性シートの組成及び各物性、並びに、プレス条件等の電子部品の製造条件を表1のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2~14及び参考例1~2を行い、個片化した電子部品を製造した。表1の組成は全て質量部単位であり、バインダー樹脂および硬化性化合物の組成は固形分中における質量部である。
上記実施例および参考例について、以下の測定方法および評価基準にて評価した。
<PCT試験後の接続抵抗値の上昇率>
図13に示す導電層40が形成された個片化された電子部品10を用いて、複数の接続抵抗値測定部82a‐b間の接続抵抗値をHIOKI社製RM3544とピン型リードプローブを用いて測定した。測定はプレッシャークッカーテスト(PCT)を条件:130℃、85%RH、0.12MPa、96時間で行い、PCT試験前に対する試験後の接続抵抗値の上昇割合を評価した。
接続抵抗値の上昇割合の良否の判断基準は以下の通りである。
◎:上昇割合が1.1未満。非常に良好な結果である。
〇:上昇割合が1.1以上1.5未満。良好な結果である。
△:上昇割合が1.5以上~.2.0未満。実用上問題ない。
×:上昇割合が2.0以上。実用不可。
<小片化後の導電層外観(ピック性)>
同時に加工し得られた、導電層40が形成された個片化された電子部品20個の外観を顕微鏡で観察し、グランド層31が露出しているものと、図14のように導電層40の端部が突出・残存し、突出長(S1)が200μm以上残ってしまっているものを不良と判断した。
導電層外観の良否の判断基準は以下の通りである。
◎:不良個数が0個。非常に良好な結果である。
〇:不良個数が1又は2個。良好な結果である。
△:不良個数が3~5個。実用上問題ない。
×:不良個数が6個以上。実用不可。
このように本実施形態は、電子部品10の新しい製造方法を提供する。特に上記製造方法によれば、被覆前電子部品11の側面の深い部分(又は側面全体)にまで導電性シート54を密着させるので、導電層40を複数の電子部品10のグランド層32と接続させることができ、導電層40の電磁波シール性を改善することができる。特に電子部品10の厚みが大きい(高背)場合、従来の方法では側面の範囲に導電性シート54を密着させることが困難であったが、本実施形態によればそのような困難を克服することができた。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先だって」等と明示しておらず、また、前の処理の結果生じたものを後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
以下に本実施形態に係る発明の例を項目として示す。
[項目1]
チップ部、及び、上記チップ部を搭載し、2層以上のグランド層を含む中継基板を有する被覆前電子部品と、
上記被覆前電子部品の天面及び側面、を覆う導電層と、
を含む電子部品であって、
上記導電層は上記グランド層のうち2層以上又は全層と接触しており、
上記電子部品の天面における上記導電層の天面厚さ(TT)、及び、上記電子部品の側面における上記導電層の側面厚さ(ST)は、10~50μmの範囲である、
電子部品。
[項目2]
上記電子部品の側面における上記導電層の側面厚さ(ST)と、
上記電子部品の天面における上記導電層の天面厚さ(TT)により計算されるST/TTが0.5~1.0の範囲である、
項目1に記載の電子部品。
[項目3]
上記電子部品の側面における上記導電層の側面厚さ(ST)と、
上記電子部品の天面と上記側面とが接続する角部における上記導電層の角部厚さ(CT)により計算されるCT/TTが0.5~1.5の範囲である、
項目1に記載の電子部品。
[項目4]
上記被覆前電子部品の側面は、段差が形成されない平坦形状である、
項目1から3のいずれか1項に記載の電子部品。
[項目5]
第1固定部材に対して、導電層被覆前の電子部品である被覆前電子部品を固定する第1固定段階と、
凹部を有する第2固定部材に対して、導電性シートを固定する第2固定段階と、
上記第2固定部材の凹部と上記被覆前電子部品が組み合うように、上記第1固定部材と上記第2固定部材とを閉じ合わせて上記被覆前電子部品に上記導電性シートを転写し、これにより上記被覆前電子部品の表面に導電層を形成する導電層形成段階と、
を含む、導電層を備える電子部品の製造方法。
[項目6]
上記第2固定段階が、上記導電性シートと離型シートとを含む複合シートの上記離型シート側を上記第2固定部材に固定する段階であり、
上記導電層形成段階が、上記離型シートから上記導電性シートを剥離させることにより、上記導電性シートを上記被覆前電子部品に転写させる段階である、
項目5に記載の製造方法。
[項目7]
上記離型シートは、伸縮性基材を含む、
項目6に記載の製造方法。
[項目8]
上記第1固定段階が、複数個の上記被覆前電子部品が仮固定されたキャリアを上記第1固定部材に固定する段階を含み、
上記導電層形成段階の後に、複数個の上記電子部品を上記キャリアから分離して個片化する個片化段階を含む、
項目5に記載の製造方法。
[項目9]
上記導電層被覆前の電子部品は、チップ部と、上記チップ部を搭載する中継基板とを含み、
上記中継基板は2層以上のグランド層を含み、
上記導電層形成段階において、導電性シートは上記グランド層のうち2層以上又は全層と接触するように、上記第1固定部材と上記第2固定部材が閉じ合わされる、
項目5に記載の製造方法。
[項目10]
上記第2固定部材は開口を有し、
上記第2固定段階において、上記開口を介して吸引動作を行うことにより、上記導電性シートの固定を行う、
項目5に記載の製造方法。
[項目11]
上記第1固定段階及び上記第2固定段階の後であって、上記導電層形成段階の前に、上記被覆前電子部品及び上記導電性シートが固定された空間を減圧する減圧段階を含む、
項目10に記載の製造方法。
[項目12]
減圧される上記空間の真空度は、上記吸引動作による真空度よりも高い圧力値である、
項目11に記載の製造方法。
[項目13]
上記減圧段階において、上記空間の真空度が4000Pa以下となるように減圧する、
項目11に記載の製造方法。
[項目14]
上記導電性シートは、
バインダー樹脂及び導電性フィラーを含み、
80℃における破断伸度が10~1000%であり、
80℃における弾性率が5~500MPaである、
項目5から13のいずれか1項に記載の製造方法。
[項目15]
上記導電層形成段階において、上記第1固定部材と上記第2固定部材とを閉じ合わせた後、上記第1固定部材と上記第2固定部材とを加熱しながら押圧を行うことにより、上記導電層を形成する、
項目14に記載の製造方法。
[項目16]
チップ部と、上記チップ部を搭載し、2層以上のグランド層を含む中継基板とを有する
電子部品用の導電性シートであって、
80℃における破断伸度が10~1000%であり、
80℃における弾性率が5~500MPaである、
導電性シート。
[項目17]
180℃、2時間加熱後における、
25℃における破断伸度が1~20%であり、
25℃における弾性率が800MPa~10GPaである、
項目16に記載の導電性シート。
[項目18]
項目16又は17に記載の導電性シートと、
離型シートと、
を含む複合シート。
[項目19]
上記離型シートの110℃における貯蔵弾性率が10~10Paであり、
上記離型シートの110℃における破断伸度が500~3000%である、
項目18に記載の複合シート。
10 電子部品
11 被覆前電子部品
20 チップ部
30 中継基板
31 導電パターン層
32 グランド層
34 絶縁部
40 導電層
50 複合シート
52 離型シート
54 導電性シート
56 機能性シート
60 キャリア
62 第1固定部材
64 開口
72 第2固定部材
74 開口
76 凹部
78 凸部
82 接続抵抗値測定部
84 ピック装置

Claims (15)

  1. 第1固定部材に対して、導電層被覆前の電子部品である被覆前電子部品を固定する第1固定段階と、
    凹部を有する第2固定部材に対して、導電性シートを固定する第2固定段階と、
    前記第2固定部材の凹部と前記被覆前電子部品が組み合うように、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを閉じ合わせて前記被覆前電子部品に前記導電性シートを転写し、これにより前記被覆前電子部品の表面に導電層を形成する導電層形成段階と、
    を含む、導電層を備える電子部品の製造方法。
  2. 前記第2固定段階が、前記導電性シートと離型シートとを含む複合シートの前記離型シート側を前記第2固定部材に固定する段階であり、
    前記導電層形成段階が、前記離型シートから前記導電性シートを剥離させることにより、前記導電性シートを前記被覆前電子部品に転写させる段階である、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記離型シートは、伸縮性基材を含む、
    請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記第1固定段階が、複数個の前記被覆前電子部品が仮固定されたキャリアを前記第1固定部材に固定する段階を含み、
    前記導電層形成段階の後に、複数個の前記電子部品を前記キャリアから分離して個片化する個片化段階を含む、
    請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記導電層被覆前の電子部品は、チップ部と、前記チップ部を搭載する中継基板とを含み、
    前記中継基板は2層以上のグランド層を含み、
    前記導電層形成段階において、導電性シートは前記グランド層のうち2層以上又は全層と接触するように、前記第1固定部材と前記第2固定部材が閉じ合わされる、
    請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記第2固定部材は開口を有し、
    前記第2固定段階において、前記開口を介して吸引動作を行うことにより、前記導電性シートの固定を行う、
    請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記第1固定段階及び前記第2固定段階の後であって、前記導電層形成段階の前に、前記被覆前電子部品及び前記導電性シートが固定された空間を減圧する減圧段階を含む、
    請求項6に記載の製造方法。
  8. 減圧される前記空間の真空度は、前記吸引動作による真空度よりも高い圧力値である、
    請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記減圧段階において、前記空間の真空度が4000Pa以下となるように減圧する、
    請求項7に記載の製造方法。
  10. 前記導電性シートは、
    バインダー樹脂及び導電性フィラーを含み、
    80℃における破断伸度が10~1000%であり、
    80℃における弾性率が5~500MPaである、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記導電層形成段階において、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを閉じ合わせた後、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを加熱しながら押圧を行うことにより、前記導電層を形成する、
    請求項10に記載の製造方法。
  12. 請求項1に記載の電子部品の製造方法に用いるための導電性シートであって、
    80℃における破断伸度が10~1000%であり、
    80℃における弾性率が5~500MPaである、
    導電性シート。
  13. 180℃、2時間加熱後における、
    25℃における破断伸度が1~20%であり、
    25℃における弾性率が800MPa~10GPaである、
    請求項12に記載の導電性シート。
  14. 請求項2に記載の電子部品の製造方法に用いるための複合シートであって、
    80℃における破断伸度が10~1000%であり、80℃における弾性率が5~500MPaである、導電性シートと、
    離型シートと、
    を含む複合シート。
  15. 前記離型シートの110℃における貯蔵弾性率が10~10Paであり、
    前記離型シートの110℃における破断伸度が500~3000%である、
    請求項14に記載の複合シート。
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