JP2018006536A - 部品搭載基板およびその製造方法、積層体、電磁波遮蔽シート並びに電子機器 - Google Patents

部品搭載基板およびその製造方法、積層体、電磁波遮蔽シート並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性が高く、高品質で被覆性が高い電磁波遮蔽層を提供できる電磁波遮蔽シートおよび積層体、並びに前記電磁波遮蔽層を有する部品搭載基板およびその製造方法、並びに電子機器を提供する。【解決手段】本発明の部品搭載基板101は、基板20と、基板20の少なくとも一方の面に搭載された部品30と、部品30の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、前記基板の露出面を被覆する電磁波遮蔽層1とを備える。電磁波遮蔽層1は、バインダー樹脂および導電性フィラーを含み、部品30の上面を被覆する電磁波遮蔽層1の厚みをT1,部品30の側面を被覆する電磁波遮蔽層1の厚みをT2としたときに、T1/T2を1.1〜10とし、且つ、マルテンス硬さを3〜100N/mm2以上とする。【選択図】図2

Description

本発明は、電磁波遮蔽層を有する部品搭載基板およびその製造方法に関する。また、前記部品搭載基板に形成される電磁波遮蔽層の形成用に好適な電磁波遮蔽シートおよびそれを具備する積層体、並びに前記部品搭載基板が搭載された電子機器に関する。
ICチップ等の電子部品を搭載した電子基板は、外部からの磁場や電波による誤動作を防止するため、また、電子基板内部から発生する電気信号の不要輻射を低減するために、通常、電磁波シールド構造が設けられている。従来、ICチップのシールドにはスパッタ工法が用いられてきたが、設備投資の問題等から代替技術が求められている。
そこで、電子部品の外骨格を構成するモールド樹脂上に導電性ペーストを塗工して導電性シールド層を設ける方法(特許文献1)や、電磁波シールドシートを被覆する方法(特許文献2〜4)が開示されている。
特許文献2は、基板上に設けられた凸部を覆うように、基材層と電磁波遮蔽層の積層体からなる電磁波シールド用フィルムを真空圧空成形法により貼付け、その後に基材層を剥離する電磁波シールド層の形成方法を開示する。
特許文献3は、電子部品および露出する基板の表面に追随するように多層体を加熱圧着し、電子部品間に充填しつつ電子部品を被覆する電磁波シールド層の形成方法を開示する。
特許文献4は、電子回路の露出面を覆う部位に剥離フィルム付きのシールドフィルムを設置し、電子回路の露出面を覆う以外の領域は、剥離フィルムを剥離したシールドフィルムを設置する構成を開示する。
特開2013−207213号公報 国際公開第2014/027673号(図3参照) 特開2015−162636号公報 国際公開第2015/046063号
電磁波を遮蔽するために電子部品の表面に金属箔をスパッタする方法、金属缶を嵌合する方法、めっき処理する方法、導電性ペーストを塗布する方法等があるが、これらは汎用性または処理工程の煩雑さにおいて課題がある。また、電磁波遮蔽層と剥離フィルム等の積層体を用いて加熱圧着する方法は、電子部品の段差部分や凹凸箇所において電磁波遮蔽層の割れが発生しやすく、電磁波シールド性の品質において課題がある。また、凹部の埋め込み性が不足しやすいため、側面のグランド部への接続性に課題がある。さらに、個片化したICチップを搬送する過程で、搬送機等に接触し電磁波遮蔽層に傷がつく問題がある。
本発明は、上記背景に鑑みて成されたものであり、生産性が高く、高品質で被覆性および耐スクラッチ性が高い電磁波遮蔽層を提供できる電磁波遮蔽シートおよび積層体、並びに前記電磁波遮蔽層を有する部品搭載基板およびその製造方法、並びに電子機器を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]: 基板と、
前記基板の少なくとも一方の面に搭載された部品と、
前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、前記基板の露出面を被覆する電磁波遮蔽層とを備え、
前記電磁波遮蔽層は、
バインダー樹脂および導電性フィラーを含み、
前記部品の上面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT1,前記部品の側面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT2としたときに、T1/T2が1.1〜10であり、且つ
マルテンス硬さが3〜100N/mmである部品搭載基板。
[2]: 前記電磁波遮蔽層の20°表面光沢度が、0.1〜20%である[1]に記載の部品搭載基板。
[3]: 前記電磁波遮蔽層のJIS K5600−5−4に準拠した鉛筆硬度試験が、B以上である[1]又は[2]に記載の部品搭載基板。
[4]: 前記電磁波遮蔽層は、前記導電性フィラーを50〜95質量%含む[1]〜[3]のいずれかに記載の部品搭載基板。
[5]: 前記導電性フィラーが、電磁波吸収フィラーである[1]〜[4]のいずれかに記載の部品搭載基板。
[6]: 前記導電性フィラーが、鱗片状粒子、デンドライト状粒子および球状粒子からなる群から選択される、[1]〜[5]のいずれかに記載の部品搭載基板。
[7]: 基板に部品を搭載する工程と、
接着性を有し、且つバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する電磁波遮蔽シートを前記部品が搭載された前記基板上に設置する載置工程と、
前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む前記基板の露出面に前記電磁波遮蔽シートが追随するように、加熱圧着によって接合して電磁波遮蔽層を得る工程とを備え、
前記電磁波遮蔽シートは、引張破断歪が50〜1500%である部品搭載基板の製造方法。
[8]: 前記載置工程は、以下の(i)〜(iii)のいずれかから選択される、[7]に記載の部品搭載基板の製造方法。
(i)前記電磁波遮蔽シートと、当該電磁波遮蔽シートの一方の面上に積層された離型性基材とを備える離型性基材付多層体を、前記基板の前記電磁波遮蔽シートとの接合領域に当該電磁波遮蔽シートが対向配置するように仮貼付けし、続いて前記離型性基材を剥離し、前記電磁波遮蔽シート上に柔軟性離型シートを載置し、さらに、前記柔軟性離型シート上に熱により軟化する熱溶融性部材を少なくとも載置する。
(ii)前記電磁波遮蔽シートと、当該電磁波遮蔽シートの一方の面に積層された離型性発泡基材との離型性発泡基材付多層体を、前記基板の前記電磁波遮蔽シートとの接合領域に当該電磁波遮蔽シートが対向配置するように前記離型性発泡基材付多層体を仮貼付けし、続いて前記離型性発泡基材上に熱により軟化する熱溶融性部材を少なくとも載置する。
(iii)前記電磁波遮蔽シートと、当該電磁波遮蔽シートの一方の面上に積層された離型性基材とを備える離型性基材付多層体を用意し、続いて、前記電磁波遮蔽シートの前記離型性基材が貼り合されていない面上に粘着性樹脂層を介して柔軟性離型シートを積層し、その後、前記離型性基材を剥離することにより積層体を得、前記基板の前記電磁波遮蔽シートとの接合領域に当該電磁波遮蔽シートが対向配置するように前記積層体を仮貼付けし、続いて前記柔軟性離型シート上に熱により軟化する熱溶融性部材を少なくとも載置する。
[9]: 前記部品の高さをH、前記柔軟性離型シートまたは離型性発泡基材と、前記熱溶融性部材との合計の厚みをT3としたときに、T3/Hが0.2以上である[8]に記載の部品搭載基板の製造方法。
[10]: 前記部品が前記基板上に配列され、当該部品間の幅をW、前記柔軟性離型シートまたは前記離型性発泡基材と、前記熱溶融性部材との合計の厚みをT3としたときに、T3/Wが0.1〜6である[8]又は[9]に記載の部品搭載基板の製造方法。
[11]: 前記基板上には、前記部品が複数形成され、複数の前記部品上および前記部品間に亘って前記電磁波遮蔽層を形成する[7]〜[10]のいずれかに記載の部品搭載基板の製造方法。
[12]: 前記電磁波遮蔽シートの25〜125℃での線膨張係数が、100〜700ppm/℃である[7]〜[11]のいずれかに記載の部品搭載基板の製造方法。
[13]: 前記導電性フィラーが、鱗片状粒子、デンドライト状粒子および球状粒子からなる群から選択される、[7]〜[12]のいずれかに記載の部品搭載基板の製造方法。
[14]: [1]〜[6]のいずれか1項に記載の部品搭載基板を具備する電子機器。
[15]: 基板と、前記基板の少なくとも一方の面に搭載された部品と、前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、前記基板の露出面を被覆する電磁波遮蔽層と、を備える部品搭載基板に用いられる前記電磁波遮蔽層の加熱圧着前のシートであって、
バインダー樹脂と導電性フィラーを含み、引張破断歪が50〜1500%であって、
加熱圧着して得られる前記電磁波遮蔽層は、
前記部品の上面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT1,前記部品の側面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT2としたときに、T1/T2が1.1〜10の範囲にあり、且つマルテンス硬さが3〜100N/mmである電磁波遮蔽シート。
[16]: 基板と、前記基板の少なくとも一方の面に搭載された部品と、前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、前記基板の露出面を被覆する電磁波遮蔽層と、を備える部品搭載基板に用いられる前記電磁波遮蔽層の加熱圧着前の電磁波遮蔽シートと、
前記電磁波遮蔽シート上に形成された粘着性樹脂層と、
前記粘着性樹脂層上に形成された柔軟性離型シートとを備え、
前記電磁波遮蔽シートは、バインダー樹脂と導電性フィラーを含み、引張破断歪が50〜1500%であって、
前記電磁波遮蔽シートを加熱圧着して得られる前記電磁波遮蔽層は、
前記部品の上面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT1,前記部品の側面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT2としたときに、T1/T2が1.1〜10の範囲にあり、且つマルテンス硬さが3〜100N/mmである積層体。
本発明によれば、生産性が高く、高品質で被覆性および耐スクラッチ性が高い電磁波遮蔽層を提供できる電磁波遮蔽シートおよび積層体、並びに前記電磁波遮蔽層を有する部品搭載基板およびその製造方法、並びに電子機器を提供できるという優れた効果を奏する。
本実施形態に係る部品搭載基板の一例を示す模式的斜視図。 図1のII−II切断部断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の別の一例を示す模式的断面図。 電磁波遮蔽層の導電性フィラーの含有量の測定領域を説明するための模式的上面図。 図4のV−V切断部断面図。 本実施形態に係る離型性基材付多層体の模式的断面図。 本実施形態に係る積層体の模式的断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程(載置工程(i))断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程(載置工程(ii))断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程に用いられる積層体の製造工程断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程(載置工程(iii))断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程断面図。 本実施形態に係る部品搭載基板の別の一例を示す模式的断面図。 本実施例に係る部品搭載基板の別の一例を示す模式的断面図。 本実施例に係る部品搭載基板の別の一例を示す模式的断面図。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。また、本明細書で特定する数値「A〜B」とは、数値Aと数値Aより大きい値であって、且つ数値Bと数値Bより小さい値を満たす範囲を示す。また、本明細書における「シート」とは、JISにおいて定義される「シート」のみならず、「フィルム」も含むものとする。説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。また、同一の要素部材は、異なる実施形態においても同一符号で示す。本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
[部品搭載基板]
図1に本実施形態に係る部品搭載基板の模式的斜視図を、図2に図1のII−II切断部断面図を示す。部品搭載基板101は、基板20、部品の一例である電子部品30および電磁波遮蔽層1等を有する。
基板20は、電子部品30を搭載可能であり、且つ後述する加熱圧着工程に耐え得る基板であればよく、任意に選択できる。例えば銅箔等からなる導電パターンが表面又は内部に形成されたワークボード、実装モジュール基板、プリント配線板またはビルドアップ法等により形成されたビルドアップ基板が例示できる。前記導電パターンは、電子部品30と電気的に接続するための電極・配線パターン、電磁波遮蔽層1と電気的に接続するためのグランドパターン22等である。基板20内部には、適宜、電極・配線パターンやビア等を形成できる。基板20には、任意に、基板上面からハーフダイシング溝25等を設けることができる。基板20は、リジッド基板のみならず、フレキシブル基板であってもよい。
電子部品30は、図1の例においては基板20上に5×4個アレイ状に配置されている。そして、基板20および電子部品30の露出面を被覆するように電磁波遮蔽層1が設けられている。即ち、電子部品30の配置により形成される凹凸に追随するように電磁波遮蔽層1が被覆されている。電磁波遮蔽層1により、電子部品30若しくは基板20に内蔵された信号配線等から発生する不要輻射を低減し、また、外部からの磁場や電波による誤動作を防止できる。
電子部品30の個数および配置する位置は任意である。アレイ状に電子部品30を配置する態様に代えて、電子部品30を任意の位置に配置してもよい。通常、後述するダイシング工程等を経て単位モジュールに個片化される。
本実施形態に係る部品搭載基板101は、単位モジュールに個片化する前および単位モジュールに個片化した後の基板の両者を含む。即ち、図1、2の部品搭載基板101の他、図3のような個片化後の部品搭載基板102も含む。無論、個片化工程を経ずに、基板20上に1つの電子部品30を搭載し、電磁波遮蔽層で被覆した部品搭載基板も含まれる。
電子部品30は、半導体集積回路等の電子素子が絶縁体により一体的に被覆された部品全般を含み、例えば、図3に示すような集積回路が形成された半導体チップ31等がモールド樹脂32等の封止材により封止せしめられている態様が例示できる。基板20と半導体チップ31は、これらの当接領域を介して、又はボンディングワイヤ33、はんだボール(不図示)等を介して基板20に形成された配線21等と電気的に接続される。電子部品としては、半導体チップの他、インダクタ、サーミスタ、キャパシタ、抵抗等が例示できる。
電子部品30内には、単数又は複数の電子素子等を搭載できる。本実施形態に係る電子部品30および基板20は、公知の態様に対して広く適用できる。図3の例においては、半導体チップ31は、インナービア23を介して基板20の裏面のはんだボール24に接続されている。また、基板20内には、電磁波遮蔽層1と電気的に接続するためのグランドパターン22が形成されている。
<電磁波遮蔽層>
電磁波遮蔽層1は、電子部品30が搭載された基板20に、後述する電磁波遮蔽シートを載置して加熱圧着することにより得られる。電磁波遮蔽シートを加熱圧着することによりシートの面方向に延伸して凹凸部を含む露出面が被覆される。電磁波遮蔽層1は、バインダー樹脂および導電性フィラーを含む。電磁波遮蔽層1の組成および好ましい種類等は、これを形成するための電磁波遮蔽シートの説明において詳述する。
なお、電磁波遮蔽層1の被覆領域は、電子部品30の搭載により形成された段差部(凹凸部)の少なくとも一部を含んでいればよく、電子部品30が搭載された面全体を被覆していることは必須ではない。電磁波遮蔽層1は、電磁波シールド性を高める観点から、導電特性に優れることが好ましい。また、基板20の側面または上面に露出するグランドパターン22または/および電子部品の接続用配線等のグランドパターン(不図示)に接続する構成を採用することが好ましい。電磁波遮蔽層1と導通を取りたくない電子部品30の領域は、封止材等の絶縁体により構成する。
電磁波遮蔽層1の厚みは、用途により適宜設計し得る。薄型化が求められている用途の場合には、上面を被覆する電磁波遮蔽層1の厚みT1は、1〜75μm程度が好ましく、1〜65μm程度がより好ましく、特に好ましくは5〜55μmである。また、高周波ノイズを精度高くシールドする場合には、例えば、厚みT1を75μm越えの厚膜とすることも可能である。厚膜の場合においても、通常200μm以下で用いられる。電磁波遮蔽層1は、単層構成の他、複層構成としてもよい。電磁波遮蔽層1の厚みT2は、0.1〜68μmが好ましく、0.5〜59μmが好ましく、特に好ましくは0.9〜59μmである。複層とする場合、同一組成物からなる層を複数積層する態様、異なる組成物からなる層を複数積層する態様がある。
電子部品30の上面を被覆する電磁波遮蔽層1の厚みT1に対し,電子部品30の側面を被覆する電磁波遮蔽層1の厚みをT2としたときに、T1/T2を1.1〜10とする。T1/T2をこの範囲とし、且つ後述するマルテンス硬さを3〜100N/mm以上とすることにより、高品質で被覆性が高い電磁波遮蔽層を提供できる。T1/T2は1.3〜7であることが好ましく、1.5〜4であることがより好ましく、1.8〜3.8であることがさらに好ましい。なお、電子部品30の外面が曲面形状で上面と側面が明確に定義できない場合には、基板20から高さ方向に最も離間した位置の電磁波遮蔽層1の厚みをT1とし、そのT1の位置から最も離間した水平方向の位置の電磁波遮蔽層1の膜厚をT2とする。
電磁波遮蔽層1のマルテンス硬さは、3〜100N/mmとする。マルテンス硬さを3〜100N/mmとすることにより、耐スクラッチ性およびテープ密着特性に優れたものとなる。より好ましくは5N/mm以上であり、7N/mm以上がさらに好ましく、10N/mm以上が特に好ましい。上限は98N/mm以下が好ましい。耐スクラッチ性およびテープ密着の観点からは、90N/mm以下がより好ましく、80N/mm以下がさらに好ましく、70N/mm以下が特に好ましい。導電性フィラーの形状、充填量、硬化後の樹脂の硬さ、添加剤等を設計することにより、マルテンス硬さを調整できる。例えば、フレーク状粒子はマルテンス硬さが大きくなる傾向にあり、球状、デンドライト状粒子はマルテンス硬さが低くなる傾向にある。また、導電性フィラー量が多くなるとマルテンス硬さは大きくなる傾向にある。また、硬化後の樹脂の硬さもマルテンス硬さに影響を与える。
電磁波遮蔽層1の20°表面光沢度は、0.1〜20%であることが好ましい。部品搭載基板においては、積層された電磁波遮蔽層の最表面に製品番号やロット番号を印字することが行われているが、表面光沢度を0.1〜20%の範囲にすることにより、光沢感を適度に抑制し、様々な角度から見やすくなるため、印字視認性の高い電磁波遮蔽層を提供できる。20°表面光沢度をこの範囲とし、且つマルテンス硬さを3〜100N/mm以上とすることにより、印字視認特性とグランド接続性を兼ね備える優れた電磁波遮蔽層を提供できる。20°表面光沢度は、0.3〜15%がより好ましく、0.5〜10%がさらに好ましい。
電磁波遮蔽層1のJIS K5600−5−4に準拠した鉛筆硬度試験は、B以上であることが好ましい。B以上とすることにより、擦れやひっかきに対して電磁波遮蔽層が破れにくい部品搭載基板を提供できる。より好ましくは、HB以上である。また、B以上とし、且つマルテンス硬さを3〜100N/mm、T1/T2を1.1〜10とすることにより、耐スクラッチ性に優れ、且つエッジ部破れ耐性により優れた部品搭載基板を提供できる。
電磁波遮蔽層1における導電性フィラーの好ましい種類、形状等は、後述する電磁波遮蔽シートにおいて説明する。電磁波遮蔽層1における導電性フィラーの含有量は、電磁波遮蔽層全体に対し、50質量%以上、95質量%以下含むことが好ましい。この範囲とすることにより、優れた電磁波遮蔽特性が得られる。より好ましい範囲は55〜90質量%であり、さらに好ましくは60〜85質量%であり、特に好ましくは65〜80質量%である。電磁波遮蔽層1は、等方導電性であることが好ましい。
電磁波遮蔽層1において、割れが生じやすいのは電子部品30のエッジ部である。エッジ部において電磁波遮蔽層1の割れが生じると電磁波遮蔽効果の低下は免れない。このため、電磁波遮蔽層1の凹凸部の被覆性が特に重要となる。電磁波遮蔽層1の凹凸部において、導電性フィラーの含有率が40%以上、95%以下であることが好ましい。測定は、図4の電磁波遮蔽層の部分拡大上面図、図4のV−V切断部断面図である図5に示すように、電子部品30のエッジを構成する上面の辺の長手方向のラインから電子部品30の表面内側に向かって0.5mmまでの領域の上方に存在する電磁波遮蔽層であって、且つ電子部品30の当該辺の中央から70%の範囲を測定した値とする。
また、図4および図5において示す領域において、電子部品30のエッジ部の長手方向1mm単位あたりの導電性フィラー量は、1個以上、20個以下であることが好ましい。
部品搭載基板101には、耐擦傷性、水蒸気バリア性、酸素バリア性フィルム等の他の層や、磁界カットを強化するフィルム等がさらに積層されていてもよい。
電磁波遮蔽層1の電磁波シールド性を良好に保つためには、特に電子部品30のコーナー部、即ち、電子部品30の上面と側面の境界であるエッジ部の導電特性が特に重要となる。コーナー部において電磁波遮蔽層1の割れが生じて導電性フィラーの導通が確保されないと、電磁波シールド性の劣化に繋がる。本実施形態においては、マルテンス硬さおよび電磁波遮蔽層の厚みの比T1/T2を特定範囲とすることにより、電磁波遮蔽層1の割れを効果的に抑制できる。その結果、高品質で被覆性が高く、シールド特性に優れた部品搭載基板を提供できる。
[電子機器]
本実施形態に係る部品搭載基板は、例えば、基板20の裏面に形成されたはんだボール等を介して実装基板に実装することができ、電子機器に搭載できる。例えば、本実施形態に係る部品搭載基板は、パソコン、ダブレット端末、スマートホン等をはじめとする種々の電子機器に用いることができる。
[電磁波遮蔽シート]
本実施形態に係る電磁波遮蔽シートは、本実施形態に係る電磁波遮蔽層の加熱圧着前のシートである。即ち、電磁波遮蔽シートを加熱圧着することにより電磁波遮蔽層が得られる。電磁波遮蔽シートは、バインダー樹脂と、導電性フィラーを少なくとも含有する組成物を用いて形成された層である。組成物には、適宜、硬化剤が用いられる。図6に示すように、電磁波遮蔽シート2は、使用前まで、離型性基材3の一主面上に形成された多層体としておくことが好ましい。電磁波遮蔽シート2は、マルテンス硬さおよびT1/T2が上述した範囲の電磁波遮蔽層1が得られればよく、単層でも複層でもよい。複層とする場合には、電磁波遮蔽層を2層以上積層する態様、電磁波遮蔽層と金属箔、電磁波遮蔽層と絶縁層等の積層構成が例示できる。
電磁波遮蔽シートは、常温・常圧における引張破断歪が50〜1500%の範囲にあるものを用いる。また、電磁波遮蔽シートを加熱圧着して得られる電磁波遮蔽層のマルテンス硬さが3〜100N/mmであり、T1/T2が1.1〜10の範囲になるものを用いる。電磁波遮蔽シート2の引張破断歪を50〜1500%とすることにより、加熱圧着時の凹凸形状追従性を高め、段差による電磁波遮蔽シート2の破断を効果的に防止し、且つ段差部分での導電層の伸びを良好にすることができる。また、導電性フィラーの接触を良好とし、段差における抵抗値を良好にすることができる。その結果、被覆性を良好にし、シールド性を高めることができる。引張破断歪のより好ましい範囲は100〜1400%であり、さらに好ましい範囲は150〜1300%であり、特に好ましい範囲は200〜1000%である。
電磁波遮蔽シート2の25〜150℃での線膨張係数は、100〜700ppm/℃とすることが好ましい。この範囲とすることにより、段差でのクラックを効果的に防止し、且つ、収縮差による搭載後の基板における反りの問題を解消できる。より好ましい範囲は125〜650ppm/℃であり、さらに好ましい範囲は150〜600ppm/℃であり、特に好ましい範囲は175〜550ppm/℃である。
バインダー樹脂は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されないが、後述する製造工程後に、リフロー工程等の高温加熱工程が無い用途においては熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が好適に用いられる。一方、リフロー工程等の高温加熱工程がある場合には、熱硬化性樹脂が好適である。熱硬化性樹脂は、自己架橋性タイプおよび硬化性化合物反応タイプが使用できる。硬化性化合物反応タイプのバインダー樹脂としては、硬化性化合物と反応可能な反応性官能基が結合された熱硬化性樹脂が好適である。この場合には、硬化性化合物をバインダー樹脂と併用する。
前記熱硬化性樹脂の好適な例は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルアミド、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル、ウレタンウレア系樹脂およびポリイミドがある。熱硬化性樹脂は、通常、自己架橋可能な官能基、または硬化性化合物と反応可能な官能基を有している。例えば、リフロー時における過酷な条件で使用する場合の熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、エポキシエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンウレア系樹脂、およびポリアミドのうちの少なくとも1つを含んでいることが好ましい。また、加熱工程に耐え得る範囲であれば、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を併用できる。
前記硬化性化合物反応タイプの硬化性樹脂に併用する硬化性化合物は、前記硬化性官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化性化合物は、エポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等のアミン化合物、フェノールノボラック樹脂等のフェノール化合物等が好ましい。
前記硬化性化合物は、熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜50質量部含むことが好ましく、3〜30質量部がより好ましく、3〜20質量部がさらに好ましい。
前記熱可塑性樹脂の好適な例は、ポリエステル、アクリル系樹脂、ポリエーテル、ウレタン系樹脂、スチレンエラストマー、ポリカーボネート、ブタジエンゴム、ポリアミド、エステルアミド系樹脂、ポリイソプレン、およびセルロースが例示できる。
バインダー樹脂として、粘着付与樹脂を用いてもよい。粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂環式系石油樹脂、および芳香族系石油樹脂等が例示できる。また、バインダー樹脂として、導電性ポリマーを用いることができる。導電性ポリマーとしては、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンが例示できる。バインダー樹脂は、複数の樹脂を混合して用いることができる。
電磁波遮蔽シート2を構成するバインダー樹脂のTgは、−30〜100℃が好ましく、−10〜80℃がより好ましい。バインダー樹脂は、1種類を用いても複数種類を併用してもよい。複数種類を用いる場合は、混合前のTgが上記範囲に含まれているものを主成分とすることが好ましい。電磁波遮蔽シート2の材料は、加熱圧着時に電子部品30および露出する基板20の表面に追随する柔軟性があり、電磁波シールド性を発揮できる導電特性を有していればよく、特に限定されない。
導電性フィラーは、導電特性を有し、電磁波シールド性を発揮できれば特に限定されないが、金属フィラー、導電性セラミックス粒子、カーボンフィラーおよびそれらの混合物が挙げられる。金属フィラーとしては、金、銀、銅、ニッケル等の金属粉、ハンダ等の合金粉、銀コート銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、金コートニッケル粉等がある。カーボンフィラーとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノナノチューブからなる粒子、グラフェン粒子、グラファイト粒子、カーボンナノウォール等が例示できる。銀を含有することにより、より優れた導電性が得られる。これらのうちでは、コストの観点から、銀コート銅粉が特に好ましい。金属粉に対するコート層の被覆率は、被覆層による平均被覆率を60%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがより好ましく、80%以上とすることがさらに好ましい。
また、導電性フィラーとして電磁波吸収フィラーを好適に用いることができる。電磁波吸収フィラーとしては、例えば偏平軟磁性フィラーを用いることができる。例えば、鉄、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−Cr−Si合金、Fe−Cr−Al合金、Fe−Si−Al合金等の鉄合金、Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Cu−Znフェライト、Mg−Mn−Srフェライト、Ni−Znフェライト等のフェライト系物質などの電磁波吸収特性を有する材料を用いることができる。
導電性フィラーにおいて、核体を被覆する場合の被覆層は、核体の少なくとも一部を被覆していればよいが、より優れた導電特性を得るためには、被覆率が高い方が好ましい。導電特性を良好に保つ観点からは、被覆層による平均被覆率を60%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがより好ましく、80%以上とすることがさらに好ましい。
導電性フィラーの形状は、特に限定されないが、好ましくは鱗片状粒子、デンドライト(樹枝)状粒子、繊維状粒子、針状粒子および球状粒子からなる群から選択される粒子である。これらは、単独でも混合して用いてもよい。より好ましくは、デンドライト状粒子、鱗片状粒子、球状粒子からなる群から選択される粒子である。このうち、鱗片状粒子とデンドライト状粒子を混合して用いることがより好ましい。鱗片状粒子とデンドライト状粒子の混合質量比率は、9:1〜1:9が好ましく、8:2〜2:8がより好ましい。上記の混合質量比率とすることで、グランド接続性と段差追従性がより向上する。導電性フィラーの50%平均粒子径は、2〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましい。鱗片状粒子とデンドライト状粒子を併用することにより、表面光沢度を最適化し、電磁波遮蔽層に文字を直接印刷した場合に、印字視認性を高めることができる。マイクロサイズの鱗片状粒子とナノサイズの球状粒子の混合系を用いる態様も好適である。
また、下記数式(1)から求められる円径度係数が0.15以上、0.4以下であり、且つ外縁形状に切れ込みおよび分岐葉の少なくとも一方が複数形成されている導電性微粒子、つまり、鱗片葉および分岐葉の少なくとも一方を複数有する葉状導電性微粒子も好適である。
Figure 2018006536
ここでいう円径度係数は、Mac-View Ver.4(マウンテック社)の解析ソフトを用いて、導電性微粒子の電子顕微鏡画像(千倍〜1万倍程度)を読み込み、手動認識モードで導電性粒子を約20個選択する。葉状や鱗片状の粒子を選択する際は、粒子同士が重なっていない粒子形状全体が確認できるものであって、観察視点から平面板が垂直になる角度のものを抽出して選択する。粒子基準データは、投影面積円相当径、分布は体積分布の設定として、円径度係数と円形係数を算出し、20個の平均値を求める。上記数式(1)において面積は、二次元に投影した時の外周を形成する線の内部の面積を平板面とし、この平板面を二次元に投影したときの導電性微粒子の外周を周囲長の長さとする。
上記数式(1)から求められる円径度係数の平均値は、0.15以上、0.3未満がより好ましい。このような粒子を用いる事により、導電特性に優れ、かつ、薄膜化が可能となる。また、コアシェル型の導電性微粒子を用いることによりコストダウンを図ることができる。
導電性フィラーの平均粒子径は、2〜100μmが好ましい。ナノサイズの粒子を混合してもよい。ナノサイズの粒子を混合することにより、ナノ粒子の融点降下現象を利用して、加熱圧着時に金属間結合を形成させ、シールド性を向上させる効果がある。
なお、上記数式(1)を満たす粒子を用いる場合の平均粒子径は、以下の方法により得られる値をいい、その他の粒子の平均粒子径は後述する実施例の方法により求めた値を言う。即ち、上記数(1)を満たす粒子の場合は、走査型電子顕微鏡の拡大画像(例えば千倍〜一万倍)から約10〜20個程度を平均した数値である。また、導電性フィラーが長さ方向と横方向で長さが大きく異なる場合(アスペクト比が1.5以上の場合)は、長さ方向で平均粒子径を算出する。ここで、粒子の体積平均粒子径とは、レーザー回折法で測定された粒子径分布において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径を表す。
さらに、電磁波遮蔽シートを構成する組成物には、着色剤、難燃剤、無機添加剤、滑剤、ブロッキング防止剤等を含んでいてもよい。
着色剤としては、例えば、有機顔料、カーボンブラック、群青、弁柄、亜鉛華、酸化チタン、黒鉛等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有難燃剤、りん含有難燃剤、窒素含有難燃剤、無機難燃剤等が挙げられる。
無機添加剤としては、例えば、ガラス繊維、シリカ、タルク、セラミック等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール、金属石鹸、変性シリコーン等が挙げられる。
ブロッキング防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ポリメチルシルセスキオサン、ケイ酸アルミニウム塩等が挙げられる。
離型性基材3は、片面あるいは両面に離型処理した基材であり、150℃における引張破断歪が50%未満のシートである。なお、離型性基材の引張破断歪は、後述する実施例で説明する電磁波遮蔽シートの引張破断歪と同様の方法(但し、温度は150℃とする)により求められる値である。離型性基材3は、離型性基材付多層体4における支持体としても機能する。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチックシート等、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、コート紙等の紙類、各種の不織布、合成紙、金属箔や、これらを組み合わせた複合フィルムなどが挙げられる。
離型性基材3と電磁波遮蔽シート2の離型性基材付多層体4の形成方法は特に限定されないが、これらのシートをラミネートする方法、離型性基材3上に電磁波遮蔽シート2形成用組成物を塗工、印刷する方法が挙げられる。離型性基材3は、最終的には剥離するので、離型性の優れた材料が好ましい。好適な例としては、アルキッド、シリコーンまたはフッ素の離型層等を備えたポリエステルフィルム等が例示できる。離型性基材3の厚みは、例えば、5〜300μm程度であり、25〜200μm程度がより好ましい。
離型性基材付多層体4から離型性基材3を剥離する方法は、特に限定されず、機械でも人手でもよい。
[積層体]
本実施形態に係る積層体は、本実施形態に係る電磁波遮蔽層を形成するために好適な積層体である。即ち、本実施形態に係る積層体は、その名称の如く多層体であり、電磁波遮蔽シートを具備する。この積層体を加熱圧着処理し、電磁波遮蔽シート以外の層、若しくは電磁波遮蔽シートと保護シート等を残存させて他の層を剥離させることにより、本実施形態の部品搭載基板を簡便に提供できる。
図7に示すように、係る積層体10は、上述した電磁波遮蔽シート2と、電磁波遮蔽シート2上に形成された粘着性樹脂層9と、粘着性樹脂層9上に形成された柔軟性離型シート5を備える。
粘着性樹脂層9は、タック性を有し、柔軟性離型シート5と電磁波遮蔽シート2を接合する役割を担う。熱プレス後に、柔軟性離型シート5から剥離することを特徴とする。即ち、部品搭載基板において電磁波遮蔽層1の上層に粘着性樹脂層9が保護層として機能する。粘着性樹脂層9は電磁波遮蔽シート2で説明したバインダー樹脂および硬化性化合物を使用することができる。この中でもバインダー樹脂は熱硬化性樹脂が好ましい。硬化性化合物はタック性を付与する観点から液状のエポキシ化合物が好ましい。液状エポキシ化合物はバインダー樹脂100質量部に対して、50〜300質量部添加することが好ましい。上記の配合とすることで、熱プレス前においては、タック性を有し柔軟性離型シート5と電磁波遮蔽シート2を接合しているが、熱プレスによって硬化しタック性が失活するため、柔軟性離型シート5を容易に剥離することができる。粘着性樹脂層9の厚みは1〜30μmが好ましく3〜20μmがより好ましい。
柔軟性離型シート5は、150℃における引張破断歪が50%以上で、柔軟性があって、且つ離型性があるシートである。つまり、電磁波遮蔽シート2と接合することなく、加熱圧着工程後に電磁波遮蔽シート2から剥離可能な層とする。柔軟性離型シート5は電磁波遮蔽シート2の加熱圧着時の軟化および変形に伴ってフレキシブルに形状を変形できるシートである。なお、柔軟性離型シートの引張破断歪は、後述する実施例で説明する電磁波遮蔽シートの引張破断歪と同様の方法(但し、温度は150℃とする)により求められる値である。
柔軟性離型シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテレフタレート、環状オレフィンポリマー、シリコーンが好ましい。この中でもポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテレフタレート、シリコーンがさらに好ましい。柔軟性離型シートは、単層で用いても複層で用いてもよい。複層とする場合、同一または異なる種類のシートを積層できる。
本実施形態に係る積層体は、凹凸構造体に電磁波遮蔽層を形成するために好適に用いられる。特に、上記実施形態に係る部品搭載基板の電磁波遮蔽層を形成するために好適に用いられる。
[部品搭載基板の製造方法]
次に、本実施形態に係る部品搭載基板の製造方法の一例について図6〜図14を用いつつ説明する。但し、本発明の部品搭載基板の製造方法は、以下の製造方法に限定されるものではない。
<工程(a)>
まず、基板20に電子部品30を搭載する。図8は、工程(a)により得られる、本実施形態に係る部品搭載基板の製造工程段階の基板の一例である。同図においては、基板20上に半導体チップ(不図示)を搭載し、その後、半導体チップが形成されている基板20上を封止樹脂によりモールド成形し、電子部品間の領域上から基板20の内部まで到達するようモールド樹脂および基板20をダイシング等によりハーフカットしている。予めハーフカットされた基板上に電子部品をアレイ状に配置する方法を採用してもよい。なお、電子部品とは、図8の例においては半導体チップをモールド成形した一体物をいい、絶縁体により保護された電子回路等の一体物をいうものとする。また、基板に対してハーフカットする工程は必須ではない。
モールド成形する場合の封止樹脂の材料は特に限定されないが、熱硬化性樹脂が通常用いられる。封止樹脂の形成方法は特に限定されず、印刷、ラミネート、トランスファー成形、コンプレッション、注型等が挙げられる。基板20に対するハーフカット、モールド成形は任意であり、また、電子部品の搭載方法も任意に変更できる。
[工程(b)]
工程(a)の後、接着性を有し、且つバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する電磁波遮蔽シート2を電子部品30が搭載された基板20上に設置する。この工程は、後述する載置工程(i)〜(iii)のいずれかから選択されることが好ましい。
(載置工程(i))
電磁波遮蔽シート2と、電磁波遮蔽シート2の一方の面に積層された離型性基材3との離型性基材付多層体4を用意する。そして、この離型性基材付多層体4を基板20の電磁波遮蔽シート2との接合領域に電磁波遮蔽シート2が対向配置するように仮貼付けする(図9参照)。仮貼付けとは、電子部品30の少なくとも一部の上面と接触するように仮接合するものであり、電磁波遮蔽シート2が加熱圧着時に位置ずれ防止の目的が達成できる程度でよい。従って、接触面全体が接合されている必要は無く、一部が接合されているのみでもよい。製造設備あるいは基板20のサイズ等に応じて、基板20の領域毎に複数の離型性基材付多層体4を用いたり、電子部品30毎に離型性基材付多層体4を用いてもよいが、製造工程の簡略化の観点からは、基板20上に搭載された複数の電子部品30全体に1枚の電磁波遮蔽シート2を用いることが好ましい。
続いて離型性基材3を剥離する(図9参照)。その後、電磁波遮蔽シート2上に柔軟性離型シート5を載置し、さらに、柔軟性離型シート5上に熱により軟化する熱溶融性部材6を少なくとも載置する(図9参照)。熱溶融性部材6は1層でも複数層を積層してもよい。図9等の例においては3層積層した例を示している。本実施形態においては、さらに、クッション紙11を2枚積層した例を示している。熱溶融性部材6が、電磁波遮蔽シートの加熱圧着工程においてクッションとしての役割を担い、ハーフカット溝に追従する電磁波遮蔽層1を得ることができる。
熱溶融性部材6は、加熱圧着時に溶融する層であり、電磁波遮蔽シート2の電子部品30への追随性を促すクッション材として機能する。熱溶融性部材6は、熱可塑性を有する素材であれば特に限定されないが、加熱温度よりも低いガラス転移点(Tg)であることが好ましい。好適な例として、ポリオレフィン系フィルム、塩化ビニルフィルム、PVAフィルムが例示できる。溝の深さによるが通常、100μm〜1mm程度である。熱溶融性部材6を複数積層する場合には、合計の厚みがこの範囲にあることが好ましい。
加熱圧着時にプレス器具に熱溶融性部材6が付着しないように、熱溶融性部材6の上にさらに保護層を設けることが好ましい。
電磁波遮蔽シート2、柔軟性離型シート5および熱溶融性部材6は、互いに接合されていない別のシートを重ねたものである。本実施形態の方法とは異なり、電磁波遮蔽シート2、柔軟性離型シート5および/または熱溶融性部材6を接合した多層体とした場合、後述する熱圧着工程において、電磁波遮蔽シート2、柔軟性離型シート5および熱溶融性部材6の線膨張係数差に起因して加熱圧着時に多層体に反りが発生する。その結果、被覆する工程において歪が生じたり、接合が不充分になったりする。そして、電子部品の凹凸部を構成するコーナー部(エッジ部)において、電磁波遮蔽層に割れが発生したり、破れが発生したりすることがあった。一方、本実施形態に係る電磁波遮蔽層によれば、電磁波遮蔽シート2、柔軟性離型シート5および熱溶融性部材6を互いに重ね合せるのみとし、これらを互いに接合していないので、後述する工程(c)の加熱圧着工程において、各シート間の線膨張係数差による反り等の発生を効果的に防止できる。その結果、電磁波遮蔽層1の割れや破れを効果的に防止し、優れた被覆性を実現できる。特に、電子部品のコーナー部における電磁波遮蔽層1の割れ等を効果的に防止し、シールド特性に優れた電磁波遮蔽層を形成できる。
(載置工程(ii))
電磁波遮蔽シート2と、前記電磁波遮蔽シート2の一方の面に積層された離型性発泡基材7との離型性発泡基材付多層体8を用意する。そして、この離型性発泡基材付多層体8を基板20の電磁波遮蔽シート2との接合領域に電磁波遮蔽シート2が対向配置するように仮貼付けする(図10参照)。続いて、離型性発泡基材7上に熱により軟化する熱溶融性部材6を少なくとも載置する(図10参照)。以下、上述の載置工程(i)と重複する説明は、適宜省略する。
離型性発泡基材7は、基材内部に空孔を有し、比重1.0〜1.4、25%圧縮硬さ(JISK6767)が10〜140kPaである基材をいう。離型性発泡基材7の厚みは、溝Wにより適宜設計すればよい。例えば、溝Wが100〜750mmのときは、厚みが50〜1000μm程度である。好適な材料としては、発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム、発泡ポリエチレンフィルム、発泡シリコンフィルム、発泡ポリスチレンフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム、発泡ゴムシート等が例示できる。
電磁波遮蔽シート2と離型性発泡基材7は、互いに接合された離型性発泡基材付多層体8である。一方、離型性発泡基材7とこの上に載置する熱溶融性部材6は、互いに接合されていない別のシートを重ねたものである。これにより、後述する工程(c)の加熱圧着工程において、離型性発泡基材7と熱溶融性部材6間の線膨張係数差による反りの発生を効果的に防止できる。また、電磁波遮蔽シート2は、離型性発泡基材7と接合されているが、発泡基材を用いることにより、後述する工程(c)の加熱圧着工程において、電磁波遮蔽シート2と離型性発泡基材7の間に発生する線膨張係数を吸収し、反りの発生を効果的に抑制できる。その結果、電磁波遮蔽層1の被覆性が優れたものとなる。特に、電子部品のコーナー部における電磁波遮蔽層1の割れ等を効果的に防止し、シールド特性に優れた電磁波遮蔽層を形成できる。
(載置工程(iii))
電磁波遮蔽シート2と、電磁波遮蔽シート2の一方の面に積層された離型性基材3との離型性基材付多層体4を用意する。そして、離型性基材付多層体4における電磁波遮蔽シート2の離型性基材3が貼り合されていない面上に粘着性樹脂層9を介して柔軟性離型シート5を積層し(図11参照)、その後、離型性基材3を剥離し、積層体10を得る(図7参照)。そして、基板20の電磁波遮蔽シート2との接合領域に電磁波遮蔽シート2が対向配置するように積層体10を仮貼付けする(図12参照)。続いて柔軟性離型シート5上に熱により軟化する熱溶融性部材6を少なくとも載置する(図12参照)。
電磁波遮蔽シート2と柔軟性離型シート5は、粘着性樹脂層9を介して接合された積層体10である。そして、柔軟性離型シート5とこの上に載置する熱溶融性部材6は、互いに接合されていない別のシートを重ねたものである。これにより、後述する工程(c)の加熱圧着工程において、柔軟性離型シート5と熱溶融性部材6間の線膨張係数差を粘着性樹脂層9が吸収し、これらの積層体の反りの発生を効果的に防止できる。また、電磁波遮蔽シート2は、柔軟性離型シート5と粘着性樹脂層9を介して接合されているが、これらの間に粘着性樹脂層9を用いることにより、後述する工程(c)の加熱圧着工程において、電磁波遮蔽シート2と柔軟性離型シート5の間に発生する線膨張係数を吸収し、反りの発生を効果的に抑制できる。その結果、電磁波遮蔽層1の被覆性が優れたものとなる。特に、電子部品のコーナー部における電磁波遮蔽層1の割れ等を効果的に防止し、シールド特性に優れた電磁波遮蔽層を形成できる。
(工程(b)の好適例)
電子部品30の高さをH、柔軟性離型シート5または離型性発泡基材7と、熱溶融性部材6の合計の厚みをT3(図10参照)としたときに、T3/Hを0.2以上とすることが好ましい。この範囲にすることにより、後述する工程(c)の加熱圧着工程において基板凹凸形状追従特性をより効果的に発揮できる。T3/Hのより好ましい範囲は0.5以上であり、さらに好ましい範囲は0.7以上である。熱プレスできればよく、T3/Hの上限値は特にないが、熱プレス時に側面から溶融して装置を汚さない観点から、7以下とすることが好ましく6以下がより好ましく、さらに好ましくは5、特に好ましくは4である。
電子部品30が基板20上に配列され、電子部品30間の幅をW、柔軟性離型シート5または離型性発泡基材7と、熱溶融性部材6との合計の厚みをT3(図10参照)としたときに、T3/Wは0.1〜6とすることが好ましい。この範囲にすることにより、後述する工程(c)の加熱圧着工程において基板凹凸形状追従特性をより効果的に発揮できる。T3/Wのより好ましい範囲は0.2〜5であり、さらに好ましい範囲は0.5〜4である。なお、Wの値は一定である必要は無く、場所により変更可能である。その場合もT3/Wが0.1〜6の範囲にあることが好ましい。
<工程(c)>
工程(b)後、工程(b)により得られた製造基板を、図13に示すように一対のプレス基板40間に挟持し、加熱圧着する。電磁波遮蔽シート2は、熱溶融性部材6等の押圧により、製造基板に設けられたハーフカット溝に沿うように延伸され、電子部品30および基板20に電磁波遮蔽シート2が追従して被覆され、電磁波遮蔽層が形成される。プレス基板40をリリースすることにより図14に示すような製造基板が得られる。次いで、電磁波遮蔽層1より上層に被覆されている層を剥離する。これにより、電子部品30を被覆する電磁波遮蔽層1を有する部品搭載基板101を得る(図1、2参照)。加熱圧着工程の温度および圧力は、電子部品30の耐熱性、耐久性、製造設備あるいはニーズに応じて、電磁波遮蔽シート2の被覆性が確保できる範囲においてそれぞれ独立に任意に設定できる。圧力範囲としては限定されないが、0.1〜5.0MPa程度が好ましく、0.5〜2.0MPaの範囲がより好ましい。なお、必要に応じて電磁波遮蔽層上に保護層等を設けてもよい。
加熱圧着工程の加熱温度は、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。また、上限値としては、電子部品30の耐熱性に依存するが、220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましい。
加熱圧着時間は、電子部品の耐熱性、電磁波遮蔽シートに用いるバインダー樹脂、および生産工程等に応じて設定できる。バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、1分〜2時間程度の範囲が好適である。なお加熱圧着時間は、1分〜1時間程度がより好ましい。この加熱圧着により熱硬化性樹脂は、硬化する。ただし、熱硬化性樹脂は、流動が可能であれば加熱圧着前に部分的に硬化あるいは実質的に硬化が完了していてもよい。
電磁波遮蔽シート2の加熱圧着前の厚みは、電子部品30の天面および側面および基板20の露出面に被覆することが可能な厚みとする。用いるバインダー樹脂の流動性や、電子部品間の距離Wのサイズにより変動し得るが、通常、1〜200μm程度が好ましく、5〜100μm程度がより好ましく、10〜70μm程度がさらに好ましい。これにより、封止樹脂への被覆性を良好にしつつ、電磁波シールド性を効果的に発揮することができる。
載置工程(i)〜(iii)のいずれかとし、且つクッション材として機能する熱溶融性部材を用いて上方側から加熱圧着することにより、熱溶融性部材6が軟化して電磁波遮蔽シート2を被覆させ、電子部品30の天面および側面並びに基板20の露出面を被覆することができる。そして、基板20内に形成されたグランドパターン22が、電磁波遮蔽層1と電気的に接続される。
工程(c)の後、ダイシングブレード等を用いて、基板20における部品搭載基板101の個品の製品エリアに対応する位置でXY方向にダイシングする。これにより、電子部品30が電磁波遮蔽層1で被覆され、且つ基板20に形成されたグランドパターン22と電磁波遮蔽層1が電気的に接続された個変化された部品搭載基板が得られる。
本実施形態によれば、スパッタ等の設備投資も不要であるというメリットを有する。スパッタ装置の場合、側面をスパッタする場合、台座の角度を変更したりする必要があった。また、スパッタにより電磁波遮蔽層を形成する場合、欠陥を抑制するためには電子部品の形状やサイズにより最適な条件を見つけ、条件変更する必要があった。これに対し、本実施形態に係る電磁波遮蔽シートによれば、追随性に優れているので、電子部品の側面の被覆性に優れる。また、電磁波遮蔽シートを用いて一括して凹凸のある部品搭載基板を被覆できるので、製造工程の簡便化を図ることができる。また、部品の配置位置や形状等によらずに電磁波遮蔽層を形成できるので、汎用性が高い。製造基板のサイズに応じて、最適なサイズに裁断することも容易である。また、部品搭載基板の設計自由度を高めることができる。従って、生産性に優れる。また、本実施形態に係る電磁波遮蔽シートを用いることにより、形状追従性の優れた電磁波遮蔽層を有する部品搭載基板を提供できる。
また、電磁波遮蔽シートを基板の面方向に押圧して圧着させているので、電子部品の天面の電磁波遮蔽層の平滑性に優れる。このため、製品名あるいはロット番号をインクジェット方式やレーザーマーキング方式で印字した際、文字の視認性が向上した高品質な部品搭載基板を提供できる。また、加熱圧着時の条件を制御することにより厚みを制御しやすく、薄型化も容易であるというメリットを有する。
<変形例>
次に、本発明に係る部品搭載基板等の変形例について説明する。但し、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、各実施形態および変形例は、互いに好適に組み合わせられる。
上記実施形態においては、部品の一例として電子部品を例として説明したが、電磁波から遮蔽したい部品全般に対して本発明を適用できる。即ち、部品搭載基板に搭載する部品は電子部品に限定されない。また、部品の形状は矩形状に限定されず、角部がR形状である部品、部品の上面と側面の成す角度が鋭角の部品、鈍角の部品も含む。また、上面に凹凸形状がある部品、電子部品の外面が球状等の曲面になっている場合も含む。また、上記実施形態においては、基板20にハーフダイシング溝25(図2参照)が形成されていたが、ハーフダイシング溝25は必須ではなくフラットな基板に電磁波遮蔽シートを載置して被覆させてもよい。加えて、本発明の部品搭載基板には、例えば基板20をオールダイシングして個片化した電子部品が搭載された部品搭載基板が別の保持基材等に載置されている場合も含む。
電磁波遮蔽層1は、基板20の上面視において露出する面を全て被覆する例を説明したが、部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、基板の露出面の必要箇所を被覆していればよく、部分的に被覆する態様、被覆層の一部に開口部等を設けた態様も含む。また、図15に示すように、基板20の両主面に部品を形成する態様も好適に用いられる。
本実施形態に係る部品搭載基板によれば、凹凸構造に対する被覆性に優れることから、パーソナルコンピュータ、モバイル機器或いはデジタルカメラ等に内蔵されるハードディスク、ケーブルおよびプリント配線板等にも好適である。また、本発明の電磁波遮蔽シートおよび積層体は、部品を搭載していない凹凸形状面に対しても適用可能である。
≪実施例≫
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」とあるのは「質量部」を、「%」とあるのは「質量%」をそれぞれ表すものとする。
(1)試験基板の作製
ガラスエポキシからなる基板上に、モールド封止された電子部品をアレイ状に搭載した基板を用意した。基板の厚みは0.3mmであり、モールド封止厚、即ち基板上面からモールド封止材の頂面までの高さ(部品高さ)Hは0.4mmである。その後、部品同士の間隙である溝に添ってハーフダイシングを行い、試験基板を得た(図16参照)。ハーフカット溝深さは0.5mm(基板20のカット溝深さは0.1mm)、ハーフカット溝幅は実施例の表に示した通り100〜750μmに変更したものを作成した。
以下、実施例で使用した材料を示す。
導電性フィラー1:「核体に銅、被覆層に銀を使用した鱗片状粒子D50平均粒子径= 11.0μm、円形度係数=0.23」( 福田金属箔粉工業社製)
導電性フィラー2:「核体に銅、被覆層に銀を使用したデンドライト状粒子D50平均粒子径= 9.0μm、円形度係数=0.12」(福田金属箔粉工業社製)
熱硬化性樹脂:ウレタンウレア樹脂 酸価5[mgKOH/g](トーヨーケム社製)
エポキシ樹脂1:「JER828」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量=189g/eq)三菱化学社製
エポキシ樹脂2:「デナコールEX212」(2官能エポキシ樹脂 エポキシ当量=151g/eq)ナガセケムテックス社製
離型性基材:表面にシリコン離型剤をコーティングした厚みが50μmのPETフィルム
離形性発泡基材:表面にアルキッド樹脂をコーティングした厚みが50μmの発泡PETフィルム
柔軟性離形シート:「X−44B」(厚み50μmの単層TPXフィルム)三井化学東セロ社製
熱溶融性部材:厚みが80μmの軟質塩化ビニルシート
[実施例1](製法(i))
熱硬化性樹脂(固形分)100部と、エポキシ樹脂1を25部と、エポキシ樹脂2を25部と、導電性フィラー1を185部と、導電性フィラー2を185部と、を容器に仕込み、不揮発分濃度が45質量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(質量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を乾燥厚みが60μmになるようにドクターブレードを使用して離型性基材に塗工した。そして、100℃で2分間乾燥することで離型性基材と電磁波遮蔽シートとが積層された離型性基材付多層体を得た。
係る離型性基材付多層体を10×10cmにカットし、図16に示す試験基板に載置し仮貼付けした。その後、離形性基材を剥離し、除去した面に柔軟性離形シートを載置し、さらにその上に熱溶融性部材を8枚重ねて載置することで、熱プレス用のクッション積層体を得た。前記クッション積層体の上方から基板面に対し2MPa、150℃の条件で30分熱プレスした。熱プレス後、柔軟性離形シートと熱溶融性部材を取り除くことで、電磁波遮蔽層が被覆された部品搭載基板を得た。
[実施例2〜16、19〜21および比較例1〜3]
各成分およびその配合量(質量部)、電子部品の搭載間隔、T3の厚み、または載置工程プロセス等を表1,2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、部品搭載基板を作製した。表1、2に示す樹脂の配合量は固形分質量である。
[実施例17](製法(ii))
熱硬化性樹脂(固形分)100部と、エポキシ樹脂1を25部と、エポキシ樹脂2を25部と、導電性フィラー1を185部と、導電性フィラー2を185部と、を容器に仕込み、不揮発分濃度が45質量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(質量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を乾燥厚みが60μmになるようにドクターブレードを使用して離形性発泡基材に塗工し、100℃で2分間乾燥することで電磁波遮蔽シートと離形性発泡基材との離型性発泡基材付多層体を得た。
係る離型性泡基材付多層体を10×10cmにカットし、電磁波遮蔽シートの面が図16に示す試験基板(電子部品30上面)に接するように載置し仮貼付けした。その後、離形性発泡基材の上に熱溶融性部材を8枚重ねて載置した。前記クッション積層体の上方から基板面に対し2MPa、150℃の条件で30分熱プレスした。熱プレス後、離形性発泡基材と熱溶融性部材を取り除くことで、電磁波遮蔽層が被覆された部品搭載基板を得た。
[実施例18](製法(iii))
熱硬化性樹脂(固形分)100部と、エポキシ樹脂1を25部と、エポキシ樹脂2を25部と、導電性フィラー1を185部と、導電性フィラー2を185部と、を容器に仕込み、不揮発分濃度が45質量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(質量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を乾燥厚みが60μmになるようにドクターブレードを使用して離形性基材に塗工した。そして、100℃で2分間乾燥することで、離型性基材の一方の面上に電磁波遮蔽シートが積層された離型性基材付多層体を得た。
別途、柔軟性離形シートの一方の面に、乾燥後の厚みが10μmになるようドクターブレードで粘着剤組成物を塗工し、100℃で2分乾燥することで粘着性樹脂層が一方に形成された粘着性樹脂層付き柔軟性離形シートを得た。
前記離型性基材付多層体の電磁波遮蔽シート面と前記粘着性樹脂層付き柔軟性離形シートの粘着性樹脂層をラミネーターで貼り合わせ、電磁波遮蔽シート側の離形性基材を剥離することにより積層体を得た。
係る積層体を10×10cmにカットし、電磁波遮蔽シートの面が試験基板に接するように載置し、仮貼付けした。その後、柔軟性離型シート上に熱溶融性部材を8枚重ねて載置することで、熱プレス用のクッション積層体を得た。前記クッション積層体を上方から面全体に対し2MPa、150℃の条件で30分熱プレスした。熱プレス後、柔軟性離形シートと熱溶融性部材を取り除くことで、電磁波遮蔽層が被覆された部品搭載基板を得た。
上記実施例および比較例について、以下の測定方法および評価基準にて評価した。
<厚み測定>
電磁波遮蔽層の厚みT1,T2を測定するために、研磨法によって断面出しを行い、レーザー顕微鏡で電磁波遮蔽層の断面を画像処理した。そして、厚みT1,T2それぞれの領域における最も厚みのある箇所を測定した。異なる断面出しのサンプル5つにおいて同様に測定し、その平均値を厚みT1,T2とした。
<マルテンス硬さの測定>
マルテンス硬さは、ISO14577−1に準拠して以下のようにして測定した。フィッシャースコープH100C(フィッシャー・インストルメンツ社製)型硬度計にて測定した。測定は、電子部品30上のサンプルのe面(図17参照)に対して、ビッカース圧子(100φの先端が球形のダイアモンド圧子)を用い、25℃の恒温室にて試験力0.3N、試験力の保持時間20秒、試験力の付加所要時間5秒で行った。同一硬化膜面をランダムに10箇所繰り返し測定して得た値を平均して、マルテンス硬さ値を求めた。なお、試験力は電磁波遮蔽層の厚みに応じて調整する。具体的には最大押し込み深さが電磁波遮蔽層の厚みの10分の1程度になるように試験力を調整した。
<20°表面光沢度>
電磁波遮蔽層の表面の20°表面光沢度を、JIS Z8741やISO2813に準じてBYK.GARDNER社のmicro−TRI−gloss表面光沢度計を用いて20°の測定角度で測定した。
<ひっかき試験(鉛筆硬度試験)>
電磁波遮蔽層の表面の鉛筆硬度をJIS K5600−5−4に準拠して荷重750gにて鉛筆硬度試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
+ + : HB以上 良好な結果である。
+ : B 実用上問題ない。
NG : B未満 実用不可。
[電磁波遮蔽層の被覆前後の反り量評価]
厚み125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製のカプトン500H)を11cm×11cmにカットし、厚みが50μmの電磁波遮蔽シートを10cm×10cmにカットし、上記ポリイミドフィルムの中央部に150℃2MPaで熱プレスした後、端辺を固定し、その反対の端辺の反り量を測定した。
+ + : 反り量が2mm未満 良好な結果である。
+ : 反り量が2mm以上、5mm未満 実用上問題ない。
NG : 反り量が5mm以上 実用不可。
<引張破断歪の測定>
以下の方法によって求めた引張破断歪(%)を引張破断歪とした。電磁波遮蔽シートを幅200mm×長さ600mmの大きさに切断した後、電磁波遮蔽シートから剥離性シートを剥がして測定試料とした。測定試料について小型卓上試験機EZ−TEST(島津製作所社製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の条件下で引っ張り試験(試験速度50mm/min)を実施した。得られたS−S曲線(Stress−Strain曲線)から電磁波遮蔽シートの引張破断歪(%)を算出した。
<線膨張係数>
本発明の線膨張係数は、JIS−K7197に記載のプラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法により測定された値を用いる。
<電磁波遮蔽層における導電性フィラーの含有量の測定>
図4,5に示すように、上面のエッジ部から電子部品30の表面を内側に向かって0.5mmの領域の上方に区画される領域にあって、且つ電子部品30の当該辺の中央から70%の範囲を測定した値とする電磁波遮蔽層を削り取った。削り取った電磁波遮蔽層の全質量に対する当該電磁波遮蔽層中の導電性フィラーの質量をTG-DTAにより求めた。
<平均粒子径>
平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性複合微粒子を測定して得たD50平均粒子径の数値であり、粒子径累積分布における累積値が50%の粒子径である。分布は体積分布、屈折率の設定は1.6とした。当該粒子径であればよく、一次粒子でも二次粒子でもよい。
<段差追従性評価>
実施例1〜16、19〜21、比較例1〜3で得た、部品搭載基板を、図17の断面図に示す底部のグランド端子a‐b間の接続抵抗値をHIOKI社製RM3544とピン型リードプローブを用いて測定することにより、段差追従性を評価した。
評価基準は以下の通りである。
+ +:接続抵抗値が200mΩ未満。良好な結果である。
+ :接続抵抗値が200mΩ以上、1000mΩ未満。実用上問題ない。
NG:接続抵抗値が1000mΩ以上。実用不可。
<エッジ部破れ耐性>
図17に示す部品搭載基板のエッジ部の破れを顕微鏡によって観察し評価した。観察は異なる4カ所のエッジ部を評価した。
評価基準は以下の通りである。
+ +:破れ無し。良好な結果である。
+:一部破れ電子部品が露出しているが、実用上問題ない。
NG:上記+の評価未満、若しくはエッジ全体で破れ発生し電子部品が全域露出。実用不可。
<グランド接続評価>
実施例1〜21、比較例1〜3で得た、部品搭載基板を、図17の断面図に示す底部のグランド端子b‐c間の接続抵抗値をHIOKI社製RM3544とピン型リードプローブを用いて測定することにより、グランド接続性を評価した。
評価基準は以下の通りである。
+ +:接続抵抗値が200mΩ未満。良好な結果である。
+ :接続抵抗値が200mΩ以上、1000mΩ未満。実用上問題ない。
NG :接続抵抗値が1000mΩ以上。実用不可。
<テープ密着性>
得られた部品搭載基板のe面(図17参照)に、JISK5400に準じてクロスカットガイドを使用し、間隔が1mmの碁盤目を25個作成した。その後、碁盤目部に粘着テープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、碁盤目の状態を下記の基準で判断した。
+ +:どの格子の目も剥がれない。
+:塗膜がカットの線に沿って部分的に剥がれている。剥がれ率15%以上35%未満。
NG:塗膜がカットの線に沿って部分的に若しくは全面的に剥がれている。剥がれ率35%以上。
<印字視認性>
得られた部品搭載基板のe面(図17参照)に、白色インキ(東洋インキ社製)を用いてスクリーン印刷で印字した。印字のサイズは5ポイントとした。暗室内にて印字部に60WのLEDライトを照射し、水平面を基準として20°、45°、90°の角度から印字から50cmの距離
を開けて目視で印字が視認可能かを確認した。なお評価基準は以下の通りである。
+ + +:20°、45°、90°すべて視認可能 非常に良好な結果である。
+ + :45°、90°で視認可能 良好な結果である。
+ :90°で視認可能 実用上問題ない。
NG:すべての角度で視認不可能 実用不可。
実施例および比較例に係る部品搭載基板の評価結果を表1、2に示す。
Figure 2018006536
Figure 2018006536
表1、表2より、本実施形態に係る実施例1〜21は、電磁波遮蔽層のマルテンス硬さが3〜100N/mmであり、且つ電磁波遮蔽層のT1/T2が1.1〜10の範囲にすることにより、段差追従性、エッジ部破れ耐性、グランド接続性、テープ密着および印字視認性に優れ、さらに、ひっかき試験の結果が良好であり、さらに応力評価においても優れた評価結果となることがわかった。
1 電磁波遮蔽層
2 電磁波遮蔽シート
3 離型性基材
4 離型性基材付多層体
5 柔軟性離型シート
6 熱溶融性部材
7 離型性発泡基材
8 離型性発泡基材付多層体
9 粘着性樹脂層
10 積層体
11 クッション紙
20 基板
21 配線
22 グランドパターン
23 インナービア
24 はんだボール
25 ハーフダイシング溝
30 電子部品
31 半導体チップ
32 モールド樹脂
33 ボンディングワイヤ
40 プレス基板
101〜103 部品搭載基板

Claims (16)

  1. 基板と、
    前記基板の少なくとも一方の面に搭載された部品と、
    前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、前記基板の露出面を被覆する電磁波遮蔽層とを備え、
    前記電磁波遮蔽層は、
    バインダー樹脂および導電性フィラーを含み、
    前記部品の上面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT1,前記部品の側面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT2としたときに、T1/T2が1.1〜10であり、且つ
    マルテンス硬さが3〜100N/mmである部品搭載基板。
  2. 前記電磁波遮蔽層の20°表面光沢度が、0.1〜20%である請求項1に記載の部品搭載基板。
  3. 前記電磁波遮蔽層のJIS K5600−5−4に準拠した鉛筆硬度試験が、B以上である請求項1又は2に記載の部品搭載基板。
  4. 前記電磁波遮蔽層は、前記導電性フィラーを50〜95質量%含む請求項1〜3のいずれかに記載の部品搭載基板。
  5. 前記導電性フィラーが、電磁波吸収フィラーである請求項1〜4のいずれかに記載の部品搭載基板。
  6. 前記導電性フィラーが、鱗片状粒子、デンドライト状粒子および球状粒子からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の部品搭載基板。
  7. 基板に部品を搭載する工程と、
    接着性を有し、且つバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する電磁波遮蔽シートを前記部品が搭載された前記基板上に設置する載置工程と、
    前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む前記基板の露出面に前記電磁波遮蔽シートが追随するように、加熱圧着によって接合して電磁波遮蔽層を得る工程とを備え、
    前記電磁波遮蔽シートは、引張破断歪が50〜1500%である部品搭載基板の製造方法。
  8. 前記載置工程は、以下の(i)〜(iii)のいずれかから選択される、請求項7に記載の部品搭載基板の製造方法。
    (i)前記電磁波遮蔽シートと、当該電磁波遮蔽シートの一方の面上に積層された離型性基材とを備える離型性基材付多層体を、前記基板の前記電磁波遮蔽シートとの接合領域に当該電磁波遮蔽シートが対向配置するように仮貼付けし、続いて前記離型性基材を剥離し、前記電磁波遮蔽シート上に柔軟性離型シートを載置し、さらに、前記柔軟性離型シート上に熱により軟化する熱溶融性部材を少なくとも載置する。
    (ii)前記電磁波遮蔽シートと、当該電磁波遮蔽シートの一方の面に積層された離型性発泡基材との離型性発泡基材付多層体を、前記基板の前記電磁波遮蔽シートとの接合領域に当該電磁波遮蔽シートが対向配置するように前記離型性発泡基材付多層体を仮貼付けし、続いて前記離型性発泡基材上に熱により軟化する熱溶融性部材を少なくとも載置する。
    (iii)前記電磁波遮蔽シートと、当該電磁波遮蔽シートの一方の面上に積層された離型性基材とを備える離型性基材付多層体を用意し、続いて、前記電磁波遮蔽シートの前記離型性基材が貼り合されていない面上に粘着性樹脂層を介して柔軟性離型シートを積層し、その後、前記離型性基材を剥離することにより積層体を得、前記基板の前記電磁波遮蔽シートとの接合領域に当該電磁波遮蔽シートが対向配置するように前記積層体を仮貼付けし、続いて前記柔軟性離型シート上に熱により軟化する熱溶融性部材を少なくとも載置する。
  9. 前記部品の高さをH、前記柔軟性離型シートまたは離型性発泡基材と、前記熱溶融性部材との合計の厚みをT3としたときに、T3/Hが0.2以上である請求項8に記載の部品搭載基板の製造方法。
  10. 前記部品が前記基板上に配列され、当該部品間の幅をW、前記柔軟性離型シートまたは前記離型性発泡基材と、前記熱溶融性部材との合計の厚みをT3としたときに、T3/Wが0.1〜6である請求項8又は9に記載の部品搭載基板の製造方法。
  11. 前記基板上には、前記部品が複数形成され、複数の前記部品上および前記部品間に亘って前記電磁波遮蔽層を形成する請求項7〜10のいずれかに記載の部品搭載基板の製造方法。
  12. 前記電磁波遮蔽シートの25〜125℃での線膨張係数が、100〜700ppm/℃である請求項7〜11のいずれかに記載の部品搭載基板の製造方法。
  13. 前記導電性フィラーが、鱗片状粒子、デンドライト状粒子および球状粒子からなる群から選択される、請求項7〜12のいずれかに記載の部品搭載基板の製造方法。
  14. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品搭載基板を具備する電子機器。
  15. 基板と、前記基板の少なくとも一方の面に搭載された部品と、前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、前記基板の露出面を被覆する電磁波遮蔽層と、を備える部品搭載基板に用いられる前記電磁波遮蔽層の加熱圧着前のシートであって、
    バインダー樹脂と導電性フィラーを含み、引張破断歪が50〜1500%であって、
    加熱圧着して得られる前記電磁波遮蔽層は、
    前記部品の上面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT1,前記部品の側面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT2としたときに、T1/T2が1.1〜10の範囲にあり、且つマルテンス硬さが3〜100N/mmである電磁波遮蔽シート。
  16. 基板と、前記基板の少なくとも一方の面に搭載された部品と、前記部品の搭載により形成された段差部の少なくとも一部を含む、前記基板の露出面を被覆する電磁波遮蔽層と、を備える部品搭載基板に用いられる前記電磁波遮蔽層の加熱圧着前の電磁波遮蔽シートと、
    前記電磁波遮蔽シート上に形成された粘着性樹脂層と、
    前記粘着性樹脂層上に形成された柔軟性離型シートを備え、
    前記電磁波遮蔽シートは、バインダー樹脂と導電性フィラーを含み、引張破断歪が50〜1500%であって、
    前記電磁波遮蔽シートを加熱圧着して得られる前記電磁波遮蔽層は、
    前記部品の上面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT1,前記部品の側面を被覆する前記電磁波遮蔽層の厚みをT2としたときに、T1/T2が1.1〜10の範囲にあり、且つマルテンス硬さが3〜100N/mmである積層体。
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