JP7232996B2 - 電子部品搭載基板および電子機器 - Google Patents
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Description
[1]: 基板と、
前記基板の少なくとも一方の面に搭載された電子部品と、
前記電子部品上面から前記基板に亘って被覆され、前記電子部品の搭載によって形成された段差部の側面および前記基板の少なくとも一部を被覆する電磁波シールド部材と 、を備え、
前記電磁波シールド部材は、バインダー樹脂と導電性フィラーを含む電磁波シールド層を有し、且つ押込み弾性率が1~10GPaである電子部品搭載基板。
[2]: 前記電磁波シールド部材の表層の水接触角が70~110°である[1]に記載の電子部品搭載基板。
[3]: 前記電磁波シールド部材のJIS K5600に基づくプレッシャークッカー試験後のテープ密着試験において、前記電子部品上の前記電磁波シールド部材が23/25以上のクロスカット残存率を示す[1]又は[2]に記載の電子部品搭載基板。
[4]: 前記電磁波シールド部材の表層のJISB0601;2001に準拠して測定したクルトシスが1~8となる[1]~[4]のいずれかに記載の電子部品搭載基板。
[5]: [1]~[4]のいずれかに記載の電子部品搭載基板が搭載された、電子機器。
<電子部品搭載基板>
図1に第1実施形態に係る電子部品搭載基板の一例を示す模式的斜視図を、図2に図1のII-II切断部断面図を示す。電子部品搭載基板51は、基板20、電子部品30および電磁波シールド部材1等を有する。
電磁波シールド部材1は、基板20上に搭載された電子部品30の天面に電磁波シールド用積層体を載置して熱圧着により電子部品30および基板20を被覆することにより得られる。電磁波シールド部材1は、電子部品30上面から基板20に亘って被覆され、電子部品30の搭載によって形成された段差部の側面および基板20の少なくとも一部を被覆する。電子部品30が搭載された面全体を被覆していることは必須ではない。電磁波シールド部材1は、シールド効果を充分に発揮させるために、基板20の側面または上面に露出するグランドパターン22または/および電子部品30の接続用配線等のグランドパターン(不図示)に接続する構成が好ましい。
以下、第1実施形態の電子部品搭載基板の製造方法の一例について図5~図8を用いて説明する。但し、本発明の電子部品搭載基板の製造方法は、以下の製造方法に限定されるものではない。
まず、基板20に電子部品30を搭載する。例えば、基板20上に半導体チップ(不図示)を搭載し、半導体チップが形成されている基板20上を封止樹脂によりモールド成形し、電子部品30間の上方から基板20内部まで到達するように、モールド樹脂および基板20をダイシング等によりハーフカットする。予めハーフカットされた基板20上に電子部品30をアレイ状に配置する方法でもよい。これらの工程を経て、例えば、図5に示すような電子部品30が搭載された基板20が得られる。なお、電子部品30とは、図5の例においては半導体チップをモールド成形した一体物をいい、絶縁体により保護された電子素子全般をいう。ハーフカットは、基板20内部まで到達させる態様の他、基板20の表面までカットする態様がある。また、基板20全体をこの段階でカットしてもよい。この場合には、粘着テープ付き基体上に基板20を載置して位置ずれが生じないようにしておくことが好ましい。モールド成形する場合の封止樹脂の材料は特に限定されないが、熱硬化性樹脂が通常用いられる。封止樹脂の形成方法は特に限定されず、印刷、ラミネート、トランスファー成形、コンプレッション、注型等が挙げられる。モールド成形は任意であり、電子部品30の搭載方法も任意に変更できる。
次いで、電子部品30が搭載された基板20を熱圧着により溶融させて被覆させる、電磁波シールド用積層体4を用意する(図4参照)。電磁波シールド用積層体4の導電性接着剤層6が電子部品30側になるように電子部品30の天面上に電磁波シールド用積層体4を載置する。このとき、電磁波シールド用積層体4を電子部品30の一部または全面に仮貼付してもよい。仮貼付とは、電子部品30の少なくとも一部の上面と接触するように仮接合するものであり、導電性接着剤層6がBステージで被着体に固定されている状態をいう。剥離力としては、90°ピール試験で、カプトン200に対する剥離力が1~5N/cm程度が好ましい。仮貼りする手法として、電子部品30を搭載した基板20上に電磁波シールド用積層体4を載せ、アイロン等の熱源で軽く全面または端部を熱圧着して仮貼りする方法が例示できる。製造設備あるいは基板20のサイズ等に応じて、基板20の領域毎に複数の電磁波シールド用積層体4を用いてもよい。また、電子部品30毎に電磁波シールド用積層体4を用いてもよい。製造工程の簡略化の観点からは、基板20上に搭載された複数の電子部品30全体に1枚の電磁波シールド用積層体4を用いることが好ましい。
続いて、電子部品30が搭載された基板20上に電磁波シールド用積層体4を一対のプレス基板40間に挟持し、熱圧着する(図6参照)。電磁波シールド用積層体4は、導電性接着剤層6および離形性クッション部材3が熱により溶融され、押圧によって製造基板に設けられたハーフカット溝に沿うように延伸され、電子部品30および基板20に追従して被覆される。導電性接着剤層6が電子部品30や基板20と接合されると共に熱圧着により電磁波シールド層5として機能する。第1実施形態においては、電磁波シールド部材1は電磁波シールド層5の単層からなるので、導電性接着剤層6を熱圧着したものが電磁波シールド部材1たる電磁波シールド層5となる。熱圧着後に、熱硬化を促すこと等を目的として別途加熱処理を行うこともできる。
電磁波シールド部材1の上層に被覆されている離形性クッション部材3を剥離する。これにより、電子部品30を被覆する電磁波シールド部材1を有する電子部品搭載基板51を得る(図1、図2参照)。例えば、離形性クッション部材3の剥離は端部から人力で剥がしてもよく、離形性クッション部材3の外面を吸引して電磁波シールド部材1から引き剥がしてもよい。自動化による歩留まり向上の観点から吸引による剥離が好ましい。
ダイシングブレード等の切削工具を用いて、電子部品搭載基板51の個品の製品エリアに対応する位置でX方向、Y方向にダイシングする(図2参照)。これらの工程を経て、電子部品30が電磁波シールド部材1で被覆され、且つ基板20に形成されたグランドパターン22と電磁波シールド部材1が電気的に接続された、個片化された電子部品搭載基板51が得られる。ダイシングの方法は、個片化できればよく特に限定されない。ダイシングは基板20側若しくは電磁波シールド用積層体4側から行われる。ダイシングの際、摩擦熱を冷却し、且つダイシングによって発生するダイシング屑を洗い流すために高圧水洗することがあるが、本実施形態に係る電子部品搭載基板51においては、押込み弾性率を1~10GPaにすることにより高圧水洗の衝撃による電磁波シールド部材1の剥離を著しく改善することができる。
第1実施形態の電磁波シールド用積層体4は、図4において説明したように、電磁波シールド用部材2と離形性クッション部材3の2層からなる。第1実施形態においては、電磁波シールド用部材2は単層の導電性接着剤層6からなる。導電性接着剤層6は熱圧着工程を経て電子部品30や基板20と接合され、電磁波シールド層5として機能する。
導電性接着剤層6は、バインダー樹脂前駆体と導電性フィラーとを含有する樹脂組成物から形成された層である。バインダー樹脂前駆体は、少なくとも熱軟化性樹脂を含む。熱軟化性樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および活性光線硬化性樹脂が例示できる。熱硬化性樹脂および活性光線硬化性樹脂は、通常、反応性官能基を有する。熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化性化合物や熱硬化助剤を併用できる。また、活性光線硬化性樹脂を用いる場合は光重合開始剤、増感剤等を併用できる。製造工程の簡便性からは、熱圧着時に硬化する熱硬化タイプが好ましい。
また、自己架橋性樹脂や互いに架橋する複数の樹脂を用いてもよい。また、これらの樹脂に加えて熱可塑性樹脂を混合させてもよい。樹脂および硬化性化合物等の配合成分は、それぞれ独立に単独または複数の併用とすることができる。
なお、導電性接着剤層6の段階で架橋が一部形成されてBステージ(半硬化した状態)となっていてもよい。例えば、熱硬化性樹脂と硬化性化合物の一部が反応して半硬化した状態が含まれていてもよい。
-R-O-CO-O- ・・・一般式(1)
式中、Rは2価の有機基である。
ポリカーボネート骨格を有する樹脂を用いることにより、製造工程により生じる電磁波シールド層のバリを効果的に抑制することができる。熱軟化性樹脂は、1種単独または任意の比率で2種以上を混合して用いることができる。
着色剤としては、例えば、有機顔料、カーボンブラック、群青、弁柄、亜鉛華、酸化チタン、黒鉛等が挙げられる。この中でも黒色系の着色剤を含むことでシールド層の印字視認性が向上する。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有難燃剤、りん含有難燃剤、窒素含有難燃剤、無機難燃剤等が挙げられる。
無機添加剤としては、例えば、ガラス繊維、シリカ、タルク、セラミック等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール、金属石鹸、変性シリコーン等が挙げられる。
ブロッキング防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ポリメチルシルセスキオサン、ケイ酸アルミニウム塩等が挙げられる。
このように、塗液の粘度および25℃での乾燥時間を調整することにより、クルトシスを調整することができる。
離形性クッション部材3は、導電性接着剤層6の電子部品30への追従性を促すクッション材として機能し、且つ離形性があるシートである。つまり、熱圧着工程後に電磁波シールド部材1から剥離可能な層である。また、150℃における引張破断歪が50%以上で、熱圧着時に溶融する層であることが好ましい。
次に、第1実施形態とは異なる電子部品搭載基板の例について説明する。第2実施形態に係る電子部品搭載基板は、電磁波シールド部材が2層の電磁波シールド層からなっている点において、単層の電磁波シールド層からなる電磁波シールド部材を用いた第1実施形態と相違するが、その他の基本的な構成および製造方法は同様である。なお、第1実施形態と重複する記載は適宜省略する。
第3実施形態に係る電子部品搭載基板は、電磁波シールド部材が電磁波シールド層とハードコート層の積層体からなる点において、単層の電磁波シールド層からなる電磁波シールド部材を用いた第1実施形態と相違するが、その他の基本的な構成および製造方法は同様である。
第4実施形態に係る電子部品搭載基板は、電磁波シールド部材が電磁波シールド層と絶縁被覆層の積層体からなる点において、単層の電磁波シールド層からなる電磁波シールド部材を用いた第1実施形態と相違するが、その他の基本的な構成および製造方法は第1実施形態と同様である。
第5実施形態に係る電子部品搭載基板は、電磁波シールド層とグランドパターンが直接接触して導通しており、電磁波シールド用積層体の内部層に位置する導電性接着剤層が、当該積層体の段階で露出している領域を有する電磁波シールド用積層体を用いる。この露出領域は、基板等に形成されたグランドパターン等の導電パターンと電磁波シールド層が接触して導通するために設けられている。第5実施形態は、これらの点において第4実施形態と相違するが、その他の基本的な構成および製造方法は同様である。
次に、本実施形態に係る電子部品搭載基板等の変形例について説明する。但し、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得る。また、各実施形態および変形例は、互いに好適に組み合わせられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」とあるのは「質量部」を、「%」とあるのは「質量%」をそれぞれ表すものとする。また、本発明に記載の値は、以下の方法により求めた。なお、請求項1に係る発明と整合させるために、後述する実施例1~15,18、19をそれぞれ参考例1~15,18、19と読み替えるものとする。
ガラスエポキシからなる基板上に、モールド封止された電子部品(1cm×1cm)を5×5個アレイ状に搭載した基板を用意した。基板の厚みは0.3mmであり、モールド封止厚、即ち基板上面からモールド封止材の頂面までの高さ(部品高さ)Hは0.7mmである。その後、部品同士の間隙である溝に添ってハーフダイシングを行い、試験基板を得た(図17参照)。ハーフカット溝深さは0.8mm(基板20のカット溝深さは0.1mm)、ハーフカット溝幅は200μmとした。
・バインダー樹脂前駆体
樹脂1:ウレタン樹脂、
樹脂2:ポリカーボネート樹脂、
樹脂3:スチレンエラストマー樹脂、
樹脂4:フェノキシ樹脂、
硬化性化合物1:デコナールEX830
硬化性化合物2:jERYX8000、
硬化性化合物3:jER157S70、
・硬化促進剤:PZ-33
・導電性フィラー
導電性フィラー1:フレーク状Ag(平均粒子径D50:11μm)
導電性フィラー2:針状銀コート銅(平均粒子径D50:7.5μm)
・添加剤
添加剤1:BYK322、
添加剤2:BYK337
(導電性接着剤層の樹脂組成物の調製)
表1に示すように、バインダー樹脂前駆体として樹脂1(ウレタン樹脂)を70部(固形分)と、樹脂2(ポリカーボネート樹脂)を30部(固形分)と、硬化性化合物1(エポキシ樹脂)を30部と、硬化性化合物2(エポキシ樹脂)を15部と、導電性フィラー1(フレーク状Ag)を280部と、導電性フィラー2(針状AgコートCu)を50部と、硬化促進剤を1部と、添加剤1を0.4部とを容器に仕込み、不揮発分濃度が35質量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(質量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで導電性接着剤層を形成するための樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を乾燥厚みが50μmになるようにドクターブレードを使用して離形性基材に塗工した。そして、25℃で12分間常温乾燥した後、100℃で2分間乾燥することで電磁波シールド用部材(導電性接着剤層)を得た。その後、離形性クッション部材CR1020、軟質樹脂層の両面をポリメチルペンテンで挟み込んだ層構成(厚み150μm)、三井化学東セロ社製)を用意し、電磁波シールド用部材とラミネートすることにより離形性基材上に実施例1に係る電磁波シールド用積層体を得た。
次に、この離形性基材上の電磁波シールド用積層体を10×10cmにカットし、離形性基材を剥離した後、前記試験基板(図17参照)に対して、電磁波シールド用積層体の導電性接着剤層面側が接するように載置し仮貼付した。そして、この電磁波シールド用積層体の上方から基板面に対し2MPa、180℃の条件で2時間熱圧着した。熱圧着後、離形性クッション部材を剥離することで、電磁波シールド部材が被覆された実施例1に係る電子部品搭載基板(試験片)を得た。
表1,表2の記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、各実施例および比較例の導電性接着剤層の樹脂組成物、電磁波シールド用積層体および電子部品搭載基板の試験片を得た。
実施例1~19、比較例1,2の電磁波シールド用積層体を用意し、厚み300μmのFR4基板に載置し、離形性クッション部材側から面方向に2MPaの条件で180℃2時間の加熱を行った。その後、離形性クッション部材を剥離して電磁波シールド部材を形成したFR4基板の試験片を得た。そして、離形性クッション部材が積層されていた側から以下の方法により押込み弾性率を測定した。
即ち、フィッシャースコープH100C(フィッシャー・インストルメンツ社製)型硬度計を使用し、ビッカース圧子(100φの先端が球形のダイアモンド圧子)を用い、25℃の恒温室にて試験力0.3N、試験力の保持時間20秒、試験力の付加所要時間5秒で行った。電磁波シールド部材の同一膜面をランダムに5箇所繰り返し測定して得た値を平均して押込み弾性率を求めた。
各実施例および比較例の電磁波シールド用積層体を用意し、厚み300μmのFR4基板に載置し、離形性クッション部材側から面方向に8MPaの条件で170℃5分加熱圧着を行った。その後離形性クッション部材を剥がし180℃2時間の加熱を行った。その後、離形性クッション部材を剥離して電磁波シールド部材を形成したFR4基板の試験片を得た。この試験片において、離形性クッション部材を剥離した電磁波シールド部材の表面に金属スパッタ処理を施した。金属スパッタ処理条件は、日本電子株式会社製スパッタ装置「Smart Coater」を使用し、ターゲットとして金を用い、ターゲットとサンプル表面との離間距離を2cmとし、0.5分間スパッタした。得られた試料の金属スパッタ処理面に対し、JIS B 0601:2001に準拠し、レーザー顕微鏡((株)キーエンス社製(VK-X100))を用いてクルトシスを求めた。測定条件は、形状測定モードで測定倍率を1000倍とし表面形状を取得した。得られた表面形状画像を解析アプリケーションの表面粗さ測定にて、全領域を選択しλs輪郭曲線フィルタを2.5μm、λc輪郭曲線フィルタを0.8mmとし、クルトシスを測定した。上記測定を異なる5箇所で行い測定値の平均値をクルトシスの値とした。
なお、電磁波シールド部材のクルトシスの測定において、電子部品搭載基板上に実際に被覆されている電磁波シールド部材を測定する場合には、電子部品基板上に被覆された電磁波シールド部材を直接測定すればよい。
押込み弾性率の測定試料と同様にして作製したFR4基板の試験片に対し、電磁波シールド層の表面に対して、協和界面科学(株)製「自動接触角計DM‐501/解析ソフトウェアFAMAS」を用いて電磁波シールド部材の水接触角を測定した。測定は液適法により行った。
各実施例および比較例の電子部品搭載基板の試験片を用意し、ISO14577-1に準拠して、フィッシャースコープH100C(フィッシャー・インストルメンツ社製)型硬度計にてマルテンス硬さを測定した。測定は、電子部品30上の上面に対して、ビッカース圧子(100φの先端が球形のダイアモンド圧子)を用い、25℃の恒温室にて試験力0.3N、試験力の保持時間20秒、試験力の付加所要時間5秒の条件で行った。同一硬化膜面をランダムに10箇所繰り返し測定して得た値の平均値をマルテンス硬さとした。なお、試験力は電磁波シールド層の厚みに応じて調整する。具体的には最大押し込み深さが電磁波シールド部材の厚みの10分の1程度になるように試験力を調整した。
得られた導電性樹脂組成物を25℃のウォーターバスに30分静置した後に「B型粘度計」(東機産業株式会社製)にて、回転数6rpmの粘度(v1)および回転数60rpmの粘度(v2)を測定した。(v1)を(v2)で除した値をチキソトロピーインデックスとした。
上記試験基板(5×5個アレイ状に電子部品が搭載された基板)に、各実施例および比較例の電磁波シールド用積層体を8MPa、170℃の条件で5分間熱圧着し、離形性クッション部材を手で剥離した。その後、180℃2時間キュアすることにより電磁波シールド部材を被覆した試験サンプルを得た。得られた試験サンプルに対し、個片化工程(フルダイシング)を行ったときのバリの発生状況を、レーザー顕微鏡を用いて以下の基準で評価した。
+++:バリが確認されない。
++:バリの発生が個片化した電子部品25個中2個未満。
+:バリの発生が個片化した電子部品25個中2個以上、5個未満。
NG:バリの発生が個片化した電子部品25個中5個以上。
厚み300μmのFR4基板に、5×5cmにカットした各実施例および比較例の電磁波シールド用積層体をそれぞれ載置し、170℃で8MPaの条件で5分熱プレスを行い、180℃で2時間キュアすることで試験基板を得た。次いで、離形性クッション部材を剥離した。その後、得られた試験基板を130℃、湿度85%、0.23MPaのプレッシャークッカー試験を実施した。試験時間は96時間とし、粘着テープは、幅18mmのニチバン製粘着テープを用いた。そして、JISK5600に準じてクロスカットガイドを使用し、間隔が1mmの碁盤目を電磁波シールド部材に25個作製した。その後、電磁波シールド部材の碁盤目部に粘着テープを圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がしてテープ密着試験を行った。電磁波シールド部材の碁盤目の状態(クロスカット残存率)を下記の基準で判断した。
+++:25/25の残存率を示す。
++:24/25の残存率を示す。
+:23/25の残存率を示す。
NG:23/25の残存率未満である。
上記試験基板(ハーフダイシング溝深さ800μm、溝幅200μm)に対して、各実施例および比較例の電磁波シールド用積層体それぞれを8MPa、170℃の条件で5分間熱圧着し、離形性クッション部材を手で剥離した。そして、電子部品同士の間隙の溝に千切れて残った離形性クッション部材の個数を目視で確認した。評価基準は以下の通りとした。
+++:残渣が認められない。
++:残渣が1個以上、3個未満。
+:残渣が3個以上、5個未満。
NG:残渣が5個以上、或いは溝全体に残渣が残った状態。
厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン500H」)に、5×15cmにカットした各実施例および比較例の電磁波シールド用積層体をそれぞれ載置し、180℃で2MPaの条件で10分熱プレスを行った後、180℃で2時間キュアすることで試験基板を得た。その後、離形性クッション部材を剥離した。次いで、電磁波シールド部材に対して学振式磨耗試験機(テスター産業社製)にセットして荷重200gf、ストローク120mm、往復速度30回/minの条件で、電磁波シールド部材が摩耗してポリイミドフィルムが露出するまでの学振回数を求めた。評価基準は以下の通りである。
+++:20,000回以上。
++:10,000回以上、20,000回未満。
+:5,000回以上、10,000回未満(実用レベル)。
NG:5,000回未満。
本明細書は、上記実施形態から把握される以下に示す技術思想の発明も開示する。
(付記1)
バインダー樹脂前駆体と導電性フィラーを含む導電性接着剤層を有する電磁波シールド用部材と、
前記電磁波シールド用部材上に積層された離形性クッション部材とを有し、
前記離形性クッション部材側から面方向に2MPaの条件で180℃2時間の加熱を行った後に前記離形性クッション部材を剥離して電磁波シールド部材を得た場合に、前記離形性クッション部材が積層されていた側から測定したときの当該電磁波シールド部材の押込み弾性率が1~10GPaの範囲となる、電磁波シールド用積層体。
(付記2)
前記離形性クッション部材側から面方向に2MPaの条件で180℃2時間の加熱を行った後、前記離形性クッション部材を剥離して前記電磁波シールド部材を得た場合に、前記離形性クッション部材が積層されていた側の表層の水接触角が70~100°となる付記1に記載の電磁波シールド用積層体。
(付記3)
前記離形性クッション部材側から面方向に2MPaの条件で180℃2時間の加熱を行った後に前記離形性クッション部材を剥離して前記電磁波シールド部材を得た場合に、前記離形性クッション部材が積層されていた側からJISB0601;2001に準拠して測定したときのクルトシスが1~8となる付記1又は付記2に記載の電磁波シールド用積層体。
2 電磁波シールド用部材
3 離形性クッション部材
4 電磁波シールド用積層体
5 電磁波シールド層
6 導電性接着剤層
6P 乾燥途上の導電性接着剤層
7b 絶縁性樹脂層
8c 絶縁性接着剤層
9c 絶縁被覆層
10 バインダー樹脂前駆体
11 導電性フィラー
12 デンドライト状粒子
15 離形性基材
20 基板
21 電極
22 グランドパターン
23 インナービア
24 はんだボール
25 ハーフダイシング溝
30 電子部品
31 半導体チップ
32 モールド樹脂
33 ボンディングワイヤ
40 プレス基板
51、52 電子部品搭載基板
Claims (6)
- 基板と、
前記基板の少なくとも一方の面に搭載された電子部品と、
前記電子部品上面から前記基板に亘って被覆され、前記電子部品の搭載によって形成された段差部の側面および前記基板の少なくとも一部を被覆する電磁波シールド部材と、を備え、
前記電磁波シールド部材は、バインダー樹脂と導電性フィラーを含む電磁波シールド層を有し、且つ押込み弾性率が1~10GPaであり、マルテンス硬さが114~312N/mm2であり、
前記電磁波シールド部材の表層の水接触角が80~100°であり、
前記導電性フィラー100質量%中、針状粒子または/およびデンドライト状粒子が0.5~24質量%である電子部品搭載基板。 - 前記電磁波シールド部材のJIS K5600に基づくプレッシャークッカー試験後のテープ密着試験において、前記電子部品上の前記電磁波シールド部材が23/25以上のクロスカット残存率を示す請求項1に記載の電子部品搭載基板。
- 前記電磁波シールド部材の表層のJISB0601;2001に準拠して測定したクルトシスが1~8となる請求項1または2に記載の電子部品搭載基板。
- 前記バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂と、前記熱硬化性樹脂の反応性官能基と架橋可能な官能基を有している硬化性化合物と、を含有するバインダー樹脂前駆体を熱圧着して得られることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電子部品搭載基板。
- 前記電磁波シールド部材の膜厚が10~200μmである請求項1~4のいずれかに記載の電子部品搭載基板。
- 請求項1~5のいずれかに記載の電子部品搭載基板が搭載された、電子機器。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018236541 | 2018-12-18 | ||
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