JP6989269B2 - 半導体パッケージの製造方法 - Google Patents
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Description
この問題に対し、スパッタリングによって半導体デバイスを金属の膜で覆うことで、高周波を遮断する方法が提案されている。しかしながら、ダイシング工程後の半導体パッケージにそのままスパッタリングを行うと従来のダイシングテープではスパッタ時の熱に耐えられないという問題があった。また、ダイシング後の半導体パッケージは各パッケージ間の距離が狭く、スパッタ時の干渉によりそのままスパッタリングを行っても半導体パッケージの側方には金属膜が充分に形成されないという問題もあった。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、粘着剤層とダイシング層を有する粘着シートを半導体パッケージに貼り付けてダイシングした後に、上記ダイシング層を剥離し、半導体パッケージを仮固定材に移し替えることで半導体パッケージ間の距離を広げることができ、スパッタリングによって半導体パッケージの側方まで充分に金属膜を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
半導体パッケージに粘着シートを貼り付けることによって、ダイシングによる半導体パッケージの位置ずれや損傷を防止できる。
ここで、上記基材層を有する粘着シートと個片化される前の半導体パッケージが貼り合わされた状態を模式的に表した断面図を図1(a)、図2(a)に示す。図1(a)の粘着シートはサポートタイプの粘着シートであり、粘着剤層21、基材層22、ダイシング層23からなる粘着シート2が半導体パッケージ1に貼付される構成となっている。図2(a)の粘着シートはノンサポートタイプの粘着シートであり、粘着剤層21とダイシング層23からなる粘着シート2が半導体パッケージ1に貼付されている。なお、上記粘着シートは、図1(a)、図2(a)に示すような構成に限定されず、各層の間に他の層を有していてもよい。
上記他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸を用いた場合には、被着体に対する粘着力を向上させることができる。
上記粘着剤層が気体発生剤を含有すると、スパッタリング工程終了後に刺激を与えて気体を発生させることで、容易に粘着シートを剥離することができる。気体発生剤としては、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、カルボン酸化合物又はその塩、テトラゾール化合物又はその塩等の従来公知の気体発生剤を用いることができる。なかでも、スパッタリング工程時は高温になることから、耐熱性の気体発生剤が好ましい。このような気体発生剤としては、例えば、下記一般式(1)で表されるカルボン酸化合物又はその塩が好適である。このような気体発生剤は、紫外線等の光を照射することにより気体(二酸化炭素ガス)を発生する一方、200℃程度の高温化でも分解しない高い耐熱性を有する。また、酸、アルカリ、有機溶剤等の薬液に対する耐性にも優れる。このような気体発生剤は、スパッタリング時の熱で反応して気体を発生してしまうことがない。
なかでも、上記一般式(1)中のR3〜R7のうちの1つが、下記一般式(2)で表される有機基であるか、又は、上記一般式(1)中のR3〜R7のうちの隣り合う2つが互いに結合して下記一般式(3)で表される環状構造を形成していることが好ましい。
一般式(3)中、R13〜R16は、それぞれ水素又は有機基を示す。R13〜R16は、同一であってもよく、異なっていてもよい。R13〜R16のうちの2つが互いに結合し、環状構造を形成していてもよい。
また、上記一般式(1)中のR1は、メチル基であることが好ましい。
上記塩基性化合物は特に限定されないが、例えば、アミン、ヒドラジン化合物、水酸化四級アンモニウム塩、ホスフィン化合物等が挙げられる。
上記アミンは特に限定されず、一級アミン、二級アミン及び三級アミンのいずれをも用いることができる。
なかでも上記塩基性化合物は、モノアルキルアミン又はジアルキルアミンが好適である。モノアルキルアミン又はジアルキルアミンを用いた場合には、得られる上記一般式(1)で表されるカルボン酸化合物の塩の極性を低極性化でき、接着剤成分との溶解性を高めることできる。より好ましくは、炭素数6〜12のモノアルキルアミン又はジアルキルアミンである。
上記一般式(4)〜(6)で表されるテトラゾール化合物の塩は特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
上記塩基性化合物は特に限定されないが、例えば、アミン、ヒドラジン化合物、水酸化四級アンモニウム塩、ホスフィン化合物等が挙げられる。
上記アミンは特に限定されず、一級アミン、二級アミン及び三級アミンのいずれをも用いることができる。
なかでも上記塩基性化合物は、モノアルキルアミン又はジアルキルアミンが好適である。モノアルキルアミン又はジアルキルアミンを用いた場合には、得られる上記一般式(4)〜(6)で表されるテトラゾール化合物の塩の極性を低極性化でき、接着剤成分との溶解性を高めることができる。より好ましくは、炭素数6〜12のモノアルキルアミン又はジアルキルアミンである。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
耐熱性に優れた光増感剤は、例えば、アルコキシ基を少なくとも1つ以上有する多環芳香族化合物が挙げられる。なかでも、一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物が好適である。これらの光増感剤は、耐昇華性が高く、高温下で使用することができる。また、アルコキシ基の一部がグリシジル基や水酸基で置換されることにより、上記接着剤成分への溶解性が高まり、ブリードアウトを防止することができる。
上記接着剤組成物は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記ダイシングの方法は特に限定されず、例えば、ダイシング装置(例えば、ディスコ社製のDFD6361)を用いて上記粘着シートごと上記半導体ウエハを個々の半導体チップに分割する方法等が挙げられる。
このとき、ダイシングを1段階で行っても2段階(ステップカット)で行ってもよいが、プロセスとして簡便な1段階が望ましい。
図1(b)、図2(b)に示すように、粘着シート2が貼り付けられたダイシング後の半導体パッケージ1からダイシング層23を剥離して、仮固定材4に移し替えることで半導体パッケージ間の間隔を空けることができるため、スパッタリングによって半導体パッケージの側方まで充分に金属膜を形成することができる。また、半導体パッケージだけを移し替えるのではなく、粘着剤層又は粘着剤層と基材層を積層した状態で移し替えることによって、移し替え時の半導体パッケージの損傷を抑えることができる。
ここで、スパッタリング工程後の上記積層体の断面を表した模式図を図1(c)、図2(c)に示した。本発明の半導体パッケージの製造方法では、移し替え工程によって半導体パッケージの間隔が充分に空いているため、半導体パッケージ1の側方まで確実に金属膜3が形成される。
この際、上記粘着剤層が気体発生剤を含有している場合は、上記粘着剤層に刺激を与えて気体発生剤から気体を発生させることによって、容易に半導体パッケージから粘着剤層を剥離することができる。
本発明者らは、粘着シートのダイシング層を延伸性とし、ダイシング工程後にダイシング層を延伸することを検討した。その結果、半導体パッケージを移し替えることなく半導体パッケージ間の距離を広げることができ、粘着シートを剥がすことなくそのままスパッタリングを行えることを見出し、本発明を完成させるに至った。
半導体パッケージに粘着テープを貼り付けることによって、ダイシングによる半導体パッケージの位置ずれや損傷を防止できる。また、ダイシング層が延伸性であることによって、ダイシング層を延伸させることでダイシング後の半導体パッケージ間の距離を広げることができるため、半導体パッケージを移し替えることなくそのままスパッタリングを行うことができる。なお、上記粘着シートは基材層を有するサポートタイプの粘着シートであってもよく、基材層を有さないノンサポートタイプの粘着シートであってもよい。
なお、上記粘着シートは、図3(a)、図4(a)に示すような構成に限定されず、各層の間に他の層を有していてもよい。
上記ダイシングの方法は特に限定されず、例えば、ダイシング装置(例えば、ディスコ社製のDFD6361)を用いて上記粘着シートごと上記半導体ウエハを個々の半導体チップに分割する方法等が挙げられる。
このとき、ダイシングを1段階で行っても2段階(ステップカット)で行ってもよいが、プロセスとして簡便な1段階が望ましい。
図3(b)、図4(b)に示すように、延伸性ダイシング層24を半導体パッケージの縦方向及び横方向に延伸することで、半導体パッケージ間の距離が広がるため、スパッタリングによって半導体パッケージの側方まで充分に金属膜を形成することができる。また、本発明の製造方法では、半導体パッケージを粘着シートから剥がして移し替える必要がなく、粘着テープを貼り付けたままスパッタリング工程を行えるため、生産効率を大きく向上させることができる。
ここで、スパッタリング工程後の半導体パッケージの模式図を図3(c)、図4(c)に示した。本発明の半導体パッケージの製造方法では延伸性ダイシング層を延伸させることによって半導体パッケージ間の間隔が充分に広がっているため、半導体パッケージ1の側方まで充分に金属膜3が形成される。
この際、上記粘着剤層が気体発生剤を含有している場合は、上記粘着剤層に刺激を与えて上記気体発生剤から気体を発生させることによって、容易に粘着シートを剥離することができる。
(粘着シートの製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、アクリル酸1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、ラウリルメルカプカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)0.1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)2.5重量部を混合し粘着剤成分の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた粘着剤成分の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、気体発生剤としてビステトラゾールNa塩(増田化学社製)20重量部、光増感剤として9,10−ジグリシジルオキシアントラセン1重量部を混合して、粘着剤を得た。
EVA(エチレンと酢酸ビニルの共重合体)に通常のアクリル系の粘着剤を塗布して作製したダイシング層と片面にコロナ処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンナフタレートフィルムをラミネーターによって貼り合わせた。その後、得られた粘着剤を、ポリエチレンナフタレートフィルムのコロナ処理面上に、乾燥皮膜の厚さが30μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、サポートタイプの粘着シートを得た。
50×200mmのすでにモールド樹脂で封止されている半導体パッケージに、得られた粘着シートを貼り合わせた。次に、10mm□に半導体パッケージと粘着剤層、基材層を貫通してダイシング層の一部に切り込むまで半導体パッケージをダイシングカットした。次いで、ダイシング層を半導体パッケージから剥離して半導体パッケージ、粘着剤層、及び、基材層からなる積層体とし、それをポリイミドテープ上に各半導体パッケージの間隔を空けて移し替えた。その後、通常のスパッタリング条件で半導体パッケージをスパッタリングし、Cuの膜を形成した。スパッタリング後の粘着シートに254nmの紫外線を照射強度300mW/cm2で照射し、粘着剤層から気体を発生させ、その後半導体パッケージを粘着剤層から剥離して金属膜が形成された半導体パッケージを得た。得られた金属膜が形成された半導体パッケージを目視にて観察したところ、半導体パッケージの側面まで金属膜が形成されていた。
(粘着シートの製造)
実施例1と同様にして粘着剤を得た。実施例で使用した粘着剤の溶液を、離形処理が施されたPETフィルム上に乾燥皮膜の厚さが100μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、ノンサポートタイプの粘着シートを得た。そののち、EVA(エチレンと酢酸ビニルの共重合体)をダイシング層とし、ダイシング層上に、上記で得られたノンサポートテープをラミネートし、離型ポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)で保護した。
50×200mmのすでにモールド樹脂で封止されている半導体パッケージに、得られた粘着シートを貼り合わせた。次に、10mm□に半導体パッケージと粘着剤層を貫通してダイシング層の一部に切り込むまで半導体パッケージをダイシングカットした。ダイシング後の半導体パッケージを目視にて観察したところ半導体パッケージにバリは見られなかった。次いで、ダイシング層を半導体パッケージから剥離して半導体パッケージと粘着剤層からなる積層体とし、それをポリイミドテープ上に各半導体パッケージの間隔を空けて移し替えた。その後、通常のスパッタリング条件で半導体パッケージをスパッタリングし、Cuの膜を形成した。スパッタリング後の粘着シートに254nmの紫外線を照射強度300mW/cm2で照射し、粘着剤層から気体を発生させ、その後半導体パッケージを粘着剤層から剥離して金属膜が形成された半導体パッケージを得た。得られた金属膜が形成された半導体パッケージを目視にて観察したところ、半導体パッケージの側面まで金属膜が形成されていた。
(粘着シートの製造)
上記粘着シートの製造において、ダイシング層をフッ素樹脂にシリコーン系の樹脂を粘着剤として塗布した延伸性ダイシング層に変更した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
50×200mmのすでにモールド樹脂で封止されている半導体パッケージに上記で得られた粘着シートを貼り合わせた。次に、10mm□に半導体パッケージと粘着剤層、基材層を貫通してダイシング層の一部に切り込むまで半導体パッケージをダイシングカットした。次いで、延伸性ダイシング層を片側5mmずつ縦方向及び横方向に延伸した。その後、通常のスパッタリング条件で半導体パッケージをスパッタリングし、Cuの膜を形成した。スパッタリング後の粘着シートに254nmの紫外線を照射強度300mW/cm2で照射し、粘着剤層から気体を発生させ、その後半導体パッケージを粘着剤層から剥離して金属膜が形成された半導体パッケージを得た。得られた金属膜が形成された半導体パッケージを目視にて観察したところ、半導体パッケージの側面まで金属膜が形成されていた。
上記粘着シートの製造において、ダイシング層をフッ素樹脂にシリコーンアクリレートを配合した粘着剤を塗布した延伸性ダイシング層に変更した以外は実施例2と同様にして粘着シートを得た。その後、実施例3と同様の方法で半導体パッケージの製造を行った。得られた半導体パッケージを目視にて観察したところ、半導体パッケージの側面まで金属膜が形成されていた。
ダイシング後に半導体パッケージの移し替えを行わなかった以外は実施例1と同様にして粘着シートの製造と半導体パッケージの製造を行った。得られた半導体パッケージを目視にて観察したところ、半導体パッケージの側面は金属膜がほとんど形成されていなかった。
2 粘着シート
21 粘着剤層
22 基材層
23 ダイシング層
24 延伸性ダイシング層
3 金属膜
4 仮固定材
Claims (2)
- 少なくとも粘着剤層とダイシング層を有する粘着シートを個片化される前の半導体パッケージに貼り付ける貼付工程と、
前記粘着シートが貼付された半導体パッケージに対して、半導体パッケージと、前記粘着剤層を貫通し、前記ダイシング層の一部を切り込むまでダイシングを行い、半導体パッケージを個片化するダイシング工程と、
ダイシング後の半導体パッケージから前記ダイシング層を剥離し、個片化された半導体パッケージと、粘着剤層を有する積層体を、各積層体間の距離を空けて仮固定材に移し替える移し替え工程と、
前記積層体にスパッタリングして、半導体パッケージの表面に金属膜を形成するスパッタリング工程と、
表面に金属膜が形成された半導体パッケージを粘着剤層から剥離する剥離工程を有する
ことを特徴とする半導体パッケージの製造方法。 - 粘着剤層に気体発生剤を含有することを特徴とする請求項1記載の半導体パッケージの製造方法。
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