JP6954067B2 - 電子部品の製造方法、仮保護用樹脂ロール、及び仮保護用樹脂フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の製造方法、仮保護用樹脂ロール、及び仮保護用樹脂フィルムに関する。
スマートフォン、タブレットPC等の電子機器の多機能化、グローバル化等に伴い、搭載される無線システムの数が増加してきている。一方で、内蔵回線のクロック周波数及びデータ伝送速度が速くなってきており、それらの無線システムで使われる周波数帯のノイズが発生し易くなっている。このようなノイズ対策として、ノイズの発生源を含む回路を金属板で囲う電磁シールドが行われており、そのようなシールドとして板金シールドが従来から用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許第3824742号明細書 特開平9−223761号公報
しかしながら、上記特許文献に記載されているような技術では、実装に必要な面積が大きい。そのため、電磁シールドされる回路によっては高背化してしまい、電子機器の小型化及び薄型化に対する阻害要因となっている。
このような背景から、ノイズの発生源を含む回路に対し、電磁シールド材となる金属をスパッタリングすることにより、電磁シールドを成膜する新たな方法が提案されている。電磁シールドが設けられる電子部品としては、BGA(Ball Grid Array)パッケージ等が挙げられる。近年、BGAパッケージ等の小型化及び薄型化に加えて、構造自体が複雑化してきており、このような電子部品に対しても、所望の部分に電磁シールドを形成することが求められている。
所望の部分に電磁シールドを形成するべく、BGAパッケージ等にスパッタリングで電磁シールドを成膜する際、回路接続に使用する面についてはスパッタリングがなされないよう、仮保護用のフィルムを用いて一時的に保護(仮保護)する必要がある。近年のBGAパッケージは構造が複雑なため、仮保護に使用する仮保護用フィルムには、複雑な構造を空隙無く貼り合せることができるような流動性が求められる。しかしながら、そのような仮保護用のフィルムを巻回したロールを工程内に組み入れると、ロール端部よりフィルム構成成分の染み出しが発生し、設備に汚染が生じる虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、設備の汚染を抑制できるとともに、所望の部分に金属膜の電磁シールドが形成された電子部品を提供することが可能な、電子部品の製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、当該製造方法において用いられる、仮保護用樹脂ロール、及び仮保護用樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題の解決のため、電子部品の製造プロセスを見直すと共に、当該プロセスにおいて使用する仮保護用樹脂フィルムに用いられる物性の調整に鋭意研究を重ねた。そして、仮保護用樹脂フィルムにおいて、フィルム中央部と両端部のずり粘度を適切に制御することが、上記課題の解決に極めて重要であることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、電磁シールドを有する電子部品の製造方法であって、表面に凹凸を有する被加工体に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルムを貼り付ける貼付工程と、光照射により仮保護用樹脂フィルムを硬化させる硬化工程と、被加工体及び仮保護用樹脂フィルムを個片化するダイシング工程と、個片化した被加工体の、仮保護用樹脂フィルムが貼り付けられていない部分に金属膜を形成するシールド工程と、金属膜が形成された被加工体と仮保護用樹脂フィルムとを剥離する剥離工程と、を備え、仮保護用樹脂ロールが円筒コア及び円筒コアにロール状に巻回された仮保護用樹脂フィルムを備え、仮保護用樹脂フィルムが樹脂組成物から形成され、幅方向において、中央部及び中央部の両端に端部を備え、中央部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s以下であり、端部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s超である、製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、設備の汚染を抑制できるとともに、所望の部分に金属膜の電磁シールドが形成された電子部品を提供することが可能である。これは、本発明の製造方法において、ロール状に巻回したときに仮保護用樹脂フィルムの構成成分がロールの両端から染み出してしまうことを抑制することのできる端部と、被加工体が有する凹凸を空隙なく十分に埋込むことのできる中央部と、を必須としているためである。
また、被加工体と、仮保護用樹脂フィルムのような粘着性材料とを貼り合せる際には、粘着性材料が貼り合わせ界面からはみ出て被加工体側面に回り込む、ブリードと言う現象が起こる場合がある。ブリードが生じた状態の被加工体に対し金属膜を形成すると、ブリード自体にも金属膜が形成されるため、仮保護用樹脂フィルムと共にブリードが剥離されたときに被加工体側面において金属膜が形成されていない部分が露出してしまう。そのため、例えば予めダイシング等により小型化した被加工体を準備し、その被加工体と仮保護用樹脂フィルムとを単に貼り付けて金属膜を形成しようとしても、上記ブリードの影響により、所望の電磁シールドを有する電子部品を得ることは難しい。
そこで、ブリードが生じないような樹脂設計を検討することが考えられる。しかしながら、ブリードの抑制を求めすぎると、仮保護用樹脂フィルムが、被加工体が有する凹凸を十分に埋込むことができなくなる。埋込性が不十分であると、貼付界面にボイドが残存することになるため、金属膜を形成する際の加熱時のボイドの膨れにより、貼付界面に空隙が生じる。これにより、仮保護用樹脂フィルムにより保護されるべき部分にも金属膜が形成されてしまう。
この問題に対処をするべく、本発明では、仮保護用樹脂フィルムによる凹凸の埋込性は担保したまま、仮保護用樹脂フィルムを貼り付けた際に被加工体側面に生じ得るブリードの問題に必ずしも対処をしなくてもよい(無視することができる)よう、工程面及び樹脂物性面において工夫がなされている。まず、本発明においては、少なくとも、被加工体と仮保護用樹脂フィルムとを貼り付ける貼付工程を実施した後、両者の一体物を個片化するダイシング工程を実施する。各工程をこの順に実施することで、ブリードが生じ得る被加工体の端部を避けて、金属膜形成用のサンプルを得ることができる。また、用いられる仮保護材用樹脂フィルム、35℃でのずり粘度が20000Pa・s以下である中央部を有しているため、硬化前の十分な埋込性を発現することができる。
このように、特定の製造プロセスと、特定の仮保護用樹脂フィルムとを組み合わせて用いる本発明により、側面を含めた所望の箇所に対し電磁シールドが形成された、小型の電子部品を得ることができる。
本発明の製造方法において、樹脂組成物が反応性官能基を有する(A)(メタ)アクリル共重合体を含み、当該(メタ)アクリル共重合体が10000〜1000000の重量平均分子量及び−50℃〜50℃のガラス転移温度を有することが好ましい。これにより、仮保護用樹脂フィルムの耐熱性及び剥離性を向上させることができる。
本発明の製造方法において、樹脂組成物が(B)(メタ)アクリルモノマーを更に含むことが好ましい。これにより、光照射されて硬化した後の、仮保護用樹脂フィルムのずり粘度及び破断伸びを向上させることができる。
本発明の製造方法において、樹脂組成物が(C)光ラジカル重合開始剤を更に含むことが好ましい。これにより、光照射されて硬化した後の、仮保護用樹脂フィルムのずり粘度及び破断伸びを向上させることができる。
本発明の製造方法において、樹脂組成物が(D)シリコーン化合物を更に含むことが好ましい。これにより、被加工体と仮保護用樹脂フィルムとの剥離性をより向上させることができる。特に、溶剤を用いることなく、被加工体と仮保護用樹脂フィルムとを容易に剥離することが可能となる。
本発明は、また、表面に凹凸を有する被加工体に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルムを貼り付ける貼付工程と、光照射により仮保護用樹脂フィルムを硬化させる硬化工程と、被加工体及び仮保護用樹脂フィルムを個片化するダイシング工程と、個片化した被加工体の、仮保護用樹脂フィルムが貼り付けられていない部分に金属膜を形成するシールド工程と、金属膜が形成された被加工体と仮保護用樹脂フィルムとを剥離する剥離工程と、を備える、電磁シールドを有する電子部品の製造方法において用いられる、仮保護用樹脂ロールであって、円筒コア及び円筒コアにロール状に巻回された仮保護用樹脂フィルムを備え、仮保護用樹脂フィルムが樹脂組成物から形成され、幅方向において、中央部及び中央部の両端に端部を備え、中央部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s以下であり、端部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s超である、仮保護用樹脂ロールを提供する。
本発明の仮保護用樹脂ロールによれば、設備の汚染を抑制できるとともに、所望の部分に金属膜の電磁シールドが形成された電子部品を提供することが可能である。
本発明の仮保護用樹脂ロールにおいて、樹脂組成物が反応性官能基を有する(A)(メタ)アクリル共重合体を含み、前記(A)(メタ)アクリル共重合体が10000〜1000000の重量平均分子量及び−50℃〜50℃のガラス転移温度を有することが好ましい。
本発明の仮保護用樹脂ロールにおいて、前記樹脂組成物が(B)(メタ)アクリルモノマーを更に含むことが好ましい。
本発明の仮保護用樹脂ロールにおいて、前記樹脂組成物が(C)光ラジカル重合開始剤を更に含むことが好ましい。
本発明の仮保護用樹脂ロールにおいて、前記樹脂組成物が(D)シリコーン化合物を更に含むことが好ましい。
本発明は、また、表面に凹凸を有する被加工体に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルムを貼り付ける貼付工程と、光照射により仮保護用樹脂フィルムを硬化させる硬化工程と、被加工体及び仮保護用樹脂フィルムを個片化するダイシング工程と、個片化した被加工体の、仮保護用樹脂フィルムが貼り付けられていない部分に金属膜を形成するシールド工程と、金属膜が形成された被加工体と仮保護用樹脂フィルムとを剥離する剥離工程と、を備える、電磁シールドを有する電子部品の製造方法において用いられる、仮保護用樹脂フィルムであって、樹脂組成物から形成され、幅方向において、中央部及び中央部の両端に端部を備え、中央部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s以下であり、端部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s超である、仮保護用樹脂フィルムを提供する。
本発明の仮保護用樹脂フィルムによれば、設備の汚染を抑制できるとともに、所望の部分に金属膜の電磁シールドが形成された電子部品を提供することが可能である。
本発明の仮保護用樹脂フィルムにおいて、樹脂組成物が反応性官能基を有する(A)(メタ)アクリル共重合体を含み、前記(A)(メタ)アクリル共重合体が10000〜1000000の重量平均分子量及び−50℃〜50℃のガラス転移温度を有することが好ましい。
本発明の仮保護用樹脂フィルムにおいて、前記樹脂組成物が(B)(メタ)アクリルモノマーを更に含むことが好ましい。
本発明の仮保護用樹脂フィルムにおいて、前記樹脂組成物が(C)光ラジカル重合開始剤を更に含むことが好ましい。
本発明の仮保護用樹脂フィルムにおいて、前記樹脂組成物が(D)シリコーン化合物を更に含むことが好ましい。
本発明によれば、設備の汚染を抑制できるとともに、所望の部分に金属膜の電磁シールドが形成された電子部品を提供することが可能な、電子部品の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、当該製造方法において用いられる、仮保護用樹脂ロール、及び仮保護用樹脂フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る製造方法を示す工程模式図である。 本発明の一実施形態に係る仮保護用樹脂ロールを示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<電子部品の製造方法>
本実施形態に係る電子部品の製造方法は、電磁シールドを有する電子部品の製造方法であって、表面に凹凸を有する被加工体に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルムを貼り付ける貼付工程と、光照射により仮保護用樹脂フィルムを硬化させる硬化工程と、被加工体及び仮保護用樹脂フィルムを個片化するダイシング工程と、個片化した被加工体の、仮保護用樹脂フィルムが貼り付けられていない部分に金属膜を形成するシールド工程と、金属膜が形成された被加工体と仮保護用樹脂フィルムとを剥離する剥離工程と、を少なくとも備えている。以下、各工程について、本発明の一実施形態に係る製造方法を示す工程模式図である図1を適宜参照しながら説明をする。
(貼付工程:図1(A)〜図1(B))
本工程では、表面に凹凸を有する被加工体10に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルム20を貼り付ける。図1(A)に示されるように、被加工体10は、基板1上に凸部2を備えている。なお、後述のとおり仮保護用樹脂ロールは、円筒コア及び円筒コアにロール状に巻回された仮保護用樹脂フィルムを備えている。
被加工体10としては特に制限されないが、例えば、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージ等が挙げられる。BGAパッケージであれば、具体的には一方の面に複数のバンプ(凸部)有し且つ他方の面が封止材により封止されている半導体基板が挙げられる。バンプ高さは5〜300μm程度である。
仮保護用樹脂フィルム20としては、後述の所定の仮保護用樹脂組成物から形成されるフィルムを用いることができる。仮保護用樹脂フィルムは、すなわちフィルム状の仮保護材である。当該フィルムは、被加工体に貼り付けられる面とは反対の面に、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材フィルム30を備えることができる。
被加工体10と仮保護用樹脂フィルム20との貼り付けには、ロールラミネーター、真空ラミネーター等を用いることができる。例えば真空ラミネーターを用いる場合であれば、真空ラミネーターLM−50×50−S(製品名、株式会社エヌ・ピー・シー製)、真空ラミネーターV130(製品名、ニチゴーモートン株式会社製)等を用いて、気圧1.5hPa以下(好ましくは1hPa以下)、ラミネート温度25〜180℃(好ましくは40〜120℃)、ラミネート圧力0.01〜0.5MPa(好ましくは0.1〜0.5MPa)、及び保持時間1〜600秒(好ましくは30〜300秒)の条件にて貼り付けを行うことができる。
(硬化工程:図1(C))
本工程では、被加工体10に貼り付けられた仮保護用樹脂フィルム20に対し光照射を行い、仮保護用樹脂フィルムを硬化させる。光照射は、仮保護用樹脂フィルム20の貼り付け面とは反対の面の、基材フィルム30側から行うことができる。なお、図中、硬化した仮保護用樹脂フィルム20を仮保護用樹脂フィルム20cとする。
照射する光としては紫外線が挙げられ、仮保護用樹脂フィルム20への露光量(積算照射量)が500mJ/cm以上となるように照射する。露光量を少なくとも500mJ/cmとしたのは、仮保護用樹脂フィルムの硬化不足を十分に抑制するという観点からである。露光量の上限は特に限定されないが、作業効率の観点から3000mJ/cm程度とすることができる。光照射には、例えばUVを照射することのできるUV−330 HQP−2型露光機(製品名、株式会社オーク製作所製)等を用いることができる。
(ダイシング工程:図1(D))
本工程では、被加工体10と、硬化した仮保護用樹脂フィルム20cとの一体物に対しダイシングを行い、当該一体物を個片化する。具体的には、仮保護用樹脂フィルム20cから基材フィルム30を剥がしてダイシングテープ40上に載置し、例えばフルオートマチックダイシングソーDFD−6361(製品名、株式会社ディスコ製)等を用いて個片化する。
なお、個片化された一体物は、後述のシールド工程を実施するため、図1(E)に示されるように、ポリイミドテープ等の耐熱粘着材テープ50上に搬送される。
(シールド工程及び剥離工程:図1(F))
本工程では、個片化された一体物において、被加工体10の、少なくとも仮保護用樹脂フィルム20cが貼り付けられていない部分に、電磁シールドとなる金属膜Mを形成し、その後、金属膜Mが形成された被加工体10と仮保護用樹脂フィルム20cとを剥離する。
金属膜Mの形成は、例えばスパッタリング装置SDHシリーズ(製品名、株式会社アルバック製)を用い、例えば温度60〜150℃、及び圧力1×10−1Pa〜10×10−1Paの条件にて、ターゲット金属を銅等として行うことができる。形成される金属膜Mの厚さは、0.1〜10μm程度である。なお、本工程にて仮保護用樹脂フィルム20cは剥離されるため、仮保護用樹脂フィルム20c表面にも金属膜Mが形成されて構わない。
金属膜Mが形成された被加工体10を、例えば所定のコレットCでピックアップすることで、仮保護用樹脂フィルム20cから剥離する。両者の剥離には、例えばダイボンダBESTEM−02(製品名、キャノンマシナリー株式会社製)等を用いることができる。
<仮保護用樹脂組成物>
仮保護用樹脂組成物は仮保護用樹脂フィルムを形成するための材料である。以下では一例として、(メタ)アクリル共重合体及び(メタ)アクリルモノマで構成される主成分に、光反応制御成分として光ラジカル重合開始剤と、離型成分としてシリコーン化合物とを添加した態様(光硬化性樹脂組成物)について説明をするが、当業者であればその他の変形態様についても適宜実施することができる。
<(A)(メタ)アクリル共重合体>
(メタ)アクリル共重合体及びシリコーン化合物を適切に選択・配合することで、離型成分の事前塗布なしでの剥離性が良好となり、剥離後の残渣発生を抑制することができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかの意味で用いられる。
(A)成分は、共重合体成分として、例えば、メチルメタクリレート(105℃)、エチルメタクリレート(65℃)、t−ブチルメタクリレート(107℃)、シクロヘキシルメタクリレート(66℃)、アダマンチルアクリレート(153℃)、アダマンチルメタクリレート(183℃)、イソボルニルアクリレート(94℃)、イソボルニルメタクリレート(180℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(120℃)、ジシクロペンタニルメタクリレート(175℃)、ベンジルメタクリレート(54℃)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(60℃)、エチルアクリレート(−22℃)、プロピルアクリレート(−37℃)、イソプロピルアクリレート(−3℃)、ブチルアクリレート(−49℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、s−ブチルアクリレート(−22℃)、ヘキシルアクリレート(−57℃)、ヘキシルメタクリレート(−5℃)、ヘプチルアクリレート(−60℃)、オクチルアクリレート(−65℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−50℃)、2−エチルヘキシルメタクリレート(−10℃)、イソオクチルアクリレート(−58℃)、ノニルアクリレート(−58℃)、イソノニルアクリレート(−58℃)、デシルメタクリレート(−70℃)、イソデシルメタクリレート(−41℃)、ラウリルアクリレート(−3℃)、ラウリルメタクリレート(−65℃)、イソステアリルアクリレート(−18℃)、2−メトキシエチルアクリレート(−50℃)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(−12℃)、グリシジルメタクリレート(41℃)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、括弧内の温度はホモポリマーのガラス転移温度を示す。
ホモポリマーのガラス転移温度は、各種文献、カタログ等から公知であり、例えば、J. Brandup, E. H. Immergut,E. A. Grulke: Polymer Handbook. 4th Ed., John Wiley & Sons, 2003に記載されている。各種文献に記載されていないモノマーについては、例えば熱示差走査熱量計Thermo Plus 2(製品名、株式会社リガク製)を用いて、DSCによりガラス転移温度を測定することができる。
(A)成分の合成には、ラジカル重合を利用することができる。ラジカル重合の方法として、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が挙げられるが、懸濁重合法が好ましい。溶液重合法では分子量を高くすることが困難な傾向が、また塊状重合法は工業的に熱制御が容易でない傾向がある。
(A)成分である(メタ)アクリル共重合体は反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基としては、例えばエポキシ基、カルボン酸基、水酸基、アクリロイル基等が挙げられる。
(A)成分としては、反応性官能基が偏在していない(メタ)アクリル共重合体が好ましい。反応性官能基を偏在させずに(メタ)アクリル共重合体を得るためには、ラジカル重合の中でも、リビングラジカル重合を利用することが好ましい。これによって、通常のラジカル重合と比較して、反応速度の速い反応性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーが偏在していない共重合体が得られる。この場合、反応速度の速い反応性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを後から添加することがより好ましい。これによって、反応速度の速い反応性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーが偏在していない共重合体が更に容易に得られる。
リビングラジカル重合としては、原子移動ラジカル重合(ATRP重合、Atom Transfer Radical Polymerization)、可逆的付加開裂型連鎖移動重合(RAFT重合、Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer)等が知られており、いずれの方法も使用可能であるがRAFT重合によって重合を行うことがより好ましい。
RAFT重合は、重合開始剤及び可逆的付加開裂型連鎖移動剤(以下、RAFT剤と呼ぶ。)を用いることを特徴とする。この重合は、多様な単量体に対して適用可能、広範囲の反応条件に適用可能という点で、他のリビングラジカル重合と比較して、生産性に優れている。
RAFT剤としては、O−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート、O−エチル−S−(2−プロポキシエチル)ジチオカーボネート、O−エチル−S−(1−シアノ−1−メチルエチル)ジチオカーボネート等のジチオカーボネート類、ジチオプロピオン酸シアノエチル、ジチオプロピオン酸ベンジル、ジチオ安息香酸ベンジル、ジチオ安息香酸アセトキシエチル等のジチオエステル類、S−ベンジル−N,N−ジメチルジチオカルバメート、ベンジル−1−ピロールカルボジチオエート等のジチオカルバメート類、ジベンジルトリチオカーボネート、S−シアノメチル−S−ドデシルトリチオカーボネート等のトリチオカーボネート類が挙げられる。
使用するRAFT剤は、単量体の反応性に応じて最適なものを選択することが好ましく、特に、アクリル酸エステルの重合にはジチオカルバメート類及びジチオカーボネート類が好適であり、メタクリル酸エステルの重合にはジチオエステル類が好適である。
RAFT剤の使用量は、単量体の総量100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜3質量部がより好ましい。0.01質量部以上であると反応を制御することが容易となり、10質量部以下であると分子量が低くなりすぎることがない。
(メタ)アクリル共重合体を得るために懸濁重合法を用いた場合、反応速度の速い反応性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーの偏在を抑制するためには、(メタ)アクリルモノマー、重合開始剤、及び水を加えて得られた分散液を加熱撹拌しながら、反応速度の速い反応性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを添加し重合してもよい。添加の仕方は、加熱撹拌しながらの連続添加であってもよく、間隔を空けて何回かに分けての添加であってもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル(ラウロイルパーオキシド)、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の配合量としては、(メタ)アクリルモノマーの総量100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で使用されることが好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。重合開始剤の配合量が0.01質量部以上であると、重合が充分に進み、10質量部以下であると、分子量が低くなり過ぎることがない。
懸濁重合法を用いる場合には水性媒体中で、懸濁剤を添加して行う。懸濁剤としてはポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機物質などが挙げられ、中でもポリビニルアルコール等の非イオン性の水溶性高分子が好ましい。イオン性の水溶性高分子、難溶性無機物質等を用いた場合には、得られた樹脂組成物内にイオン性不純物が多く残留する傾向がある。この水溶性高分子は、単量体混合物の総量100質量部に対して0.01〜1質量部使用することが好ましい。
懸濁重合に使用する分子量調整剤としては、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられ、これらを必要に応じて添加することができる。
(メタ)アクリル共重合体を得るために溶液重合法を用いた場合も、反応速度の速い反応性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーの偏在を抑制するためには、上記の懸濁重合法と同様に、反応速度の速い反応性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを別途添加して重合しても良い。添加の仕方は、加熱撹拌しながらの連続添加であってもよく、間隔を空けて何回かに分けての添加であってもよい。
溶液重合に使用する溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系有機溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系有機溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、一種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
溶液重合開始時の(メタ)アクリルモノマー混合物の濃度は40〜70質量%とするのが好ましく、50〜60質量%とするのがより好ましい。(メタ)アクリルモノマー混合物の濃度が40質量%以上であると分子量を高めることが容易になる。
(A)成分のガラス転移温度は、−50〜50℃であることが好ましい。ガラス転移温度が−50℃以上であれば、仮保護用樹脂組成物の流動性及び粘着性が高くなりすぎることを抑制し易くなるため、形成される仮保護用樹脂フィルムの取扱性及び剥離性がより良好となる。一方、当該ガラス転移温度が50℃以下であると、仮保護用樹脂組成物の流動性及び粘着性を確保し易くなるため、形成される仮保護用樹脂フィルムの低温貼付性及び被加工体表面の凹凸(バンプ等の突起物)の埋込性を良好にすることができる。この観点から、(A)成分のガラス転移温度は、−40〜40℃であることがより好ましく、−30〜30℃であることが更に好ましい。(A)成分のガラス転移温度は、DSCを用いて測定した中間点ガラス転移温度である。具体的には、昇温速度10℃/分、測定温度:−80〜80℃の条件で熱量変化を測定し、JIS K 7121に準拠した方法によって算出した中間点ガラス転移温度である。
(A)成分の重量平均分子量は、10000〜1000000であることが好ましい。当該重量平均分子量が10000以上であれば、仮保護用樹脂組成物から形成される仮保護用樹脂フィルムの耐熱性及び剥離性をより良好にすることができ、1000000以下であれば、仮保護用樹脂組成物の成膜性と流動性をより良好にすることができ、被加工体表面の凹凸埋込性をより良好にすることができる。この観点から、当該重量平均分子量は、50000以上がより好ましく、100000以上が更に好ましく、また、800000以下がより好ましく、500000以下が更に好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
<(B)(メタ)アクリルモノマー>
(メタ)アクリルモノマーを用いることで、仮保護用樹脂フィルムを形成した後ロール状に巻回した際に、ロール端部からの樹脂組成物の染み出しを抑制し易くなる。また、凹凸埋込み時の空隙の発生を抑制し、また、ダイシング工程時の切削性を良好にすることができる。
本実施形態に係る(B)成分は、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートのいずれも用いることができ、特に制限は無く、公知のものを使用することができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのカプロラクトン変性体、などが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;ネオペンチルグリコール型エポキシ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート; レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらの中でも、ウレタン(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとして、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらの中でもジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができ、更にその他の重合性化合物と組み合わせて用いることもできる。
(B)成分の配合量としては、上記(A)成分100質量部に対して、0.1〜300質量部であることが好ましく、1〜100質量部がより好ましい。(B)成分の配合量が上記範囲内であると、光照射後の破断伸びを向上し易い。そのため、光硬化後の破断伸びが低い(B)成分を選択することがより好ましい。
<(C)光ラジカル重合開始剤>
(C)成分としては、紫外線、可視光線等の活性光線の照射によって重合を開始させるものであれば特に制限は無い。
(C)成分としては、特に制限はなく、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン;フェニルグリオキシル酸メチル、フェニルグリオキシル酸エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチル等のグリオキシエステル;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−(4−モルフォリン)−2−イルプロパン−1−オン等のα−アミノケトン;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ),2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニルヘプタン)等のアクリジン化合物:N−フェニルグリシン、クマリンなどが挙げられる。
以上の光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。更に、適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
(C)成分の配合量としては、上記(A)成分100質量部に対して、0.05〜10質量部であることが好ましい。(C)成分の配合量が上記範囲内であると、十分な光照射で十分な(メタ)アクリルモノマーの反応性を得易くなる。
<(D)シリコーン化合物>
(メタ)アクリル共重合体及びシリコーン化合物を適切に選択・配合することで、離型成分の事前塗布なしでの剥離性が良好となり、剥離後の残渣発生を抑制することができる。
(D)成分としては、シロキサン部位を有する化合物であればよく、例えば、反応性官能基を有しないオルガノポリシロキサン、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン、シリコーン変性ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、シリコーン変性アルキド樹脂、ストレートシリコーンオイル、非反応性の変性シリコーンオイル、反応性の変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの中でも、仮保護用樹脂組成物から形成される仮保護用樹脂フィルムの弾性率、剥離性及び(A)成分との相溶性の観点から、反応性官能基を有するシリコーン樹脂が好ましい。反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミド基、アミノ基、アクリロイル基等が挙げられ、これらの中でもアクリロイル基がより好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分の配合量としては、(A)成分100質量部に対して、0.05〜30質量部であることが好ましい。(D)成分の配合量が0.05質量部以上であれば、仮保護用樹脂組成物から形成される仮保護用樹脂フィルムの剥離性を良好にすることができ、30質量部以下であれば、被加工体と強固に貼り付けることができる。この観点から、(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることがより好ましく、0.5〜15質量部であることが更に好ましい。
本実施形態に係る仮保護用樹脂組成物は、耐熱性、切削性を向上させる観点から、無機フィラーを更に含むことができる。
無機フィラーとしては、例えば、絶縁性微粒子、ウィスカー等が挙げられる。絶縁性微粒子としては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの中では、取扱性の観点から、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素が更に好ましい。ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記無機フィラーは、表面に有機基を有するものが好ましい。無機フィラーの表面が有機基によって修飾されていることにより、仮保護用樹脂組成物を調製するときの有機溶剤への分散性、並びに仮保護用樹脂組成物から形成される仮保護用樹脂フィルムの密着性及び耐熱性を向上させることが容易となる。
無機フィラーの平均粒径としては、0.01〜10μmが好ましい。平均粒径が0.01μm以上であると、仮保護用樹脂組成物から形成される仮保護用樹脂フィルムの流動性を確保できるため、被加工体表面のバンプ等の突起物の埋込性を良好にすることができ、10μm以下であると、仮保護用樹脂組成物中で無機フィラーが沈降することを抑制することができる。同様の観点から、無機フィラーの平均粒径は、0.05〜5μmであることが更に好ましく、0.1〜3μmであることが特に好ましい。
無機フィラーの配合量は、(A)(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましい。配合量が1質量部以上であれば、仮保護用樹脂組成物から形成される仮保護用樹脂フィルムの耐熱性、切削性を良好にすることができ、100質量部以下であれば、仮保護用樹脂組成物から形成される仮保護用樹脂フィルムの流動性を確保できるため、被加工体表面のバンプ等の突起物の埋込性を良好にすることができる。同様の観点から、無機フィラーの配合量は、(A)(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、3〜70質量部であることが更に好ましく、5〜50質量部であることが特に好ましい。
本実施形態に係る仮保護用樹脂組成物には、更に有機フィラーを配合することができる。有機フィラーとしては、例えば、カーボン、ゴム系フィラー、シリコーン系微粒子、ポリアミド微粒子、ポリイミド微粒子等が挙げられる。有機フィラーの配合量は、(A)(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましい。
本実施形態に係る仮保護用樹脂組成物には、必要に応じて更に酸化防止剤、黄変防止剤、着色剤、可塑剤、安定剤等のいわゆる添加剤を、所期の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
本実施形態に係る仮保護用樹脂組成物は、必要に応じて更に有機溶剤を用いて希釈してもよい。有機溶剤としては、当該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に制限はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系有機溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、一種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係る仮保護用樹脂組成物の固形分濃度は、10〜80質量%であることが好ましい。
本実施形態に係る仮保護用樹脂組成物の好適な一態様としては、(A)(メタ)アクリル共重合体、(B)(メタ)アクリルモノマー、(C)光ラジカル重合開始及び(D)シリコーン化合物とを含有する組成物であって、光照射後の適切な破断伸び及び離型性を得る観点から、当該組成物において、(A)(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量が10000〜1000000、且つ、ガラス転移温度が−50℃〜50℃であり、(A)(メタ)アクリル共重合体成分100質量部に対して、(B)(メタ)アクリルモノマーの配合量が1〜300質量部であり、(C)光ラジカル重合開始の配合量が0.05〜10質量部であり、(D)シリコーン化合物の配合量が0.05〜30質量部である組成物が挙げられる。
仮保護用樹脂組成物は、60℃でのずり粘度が10000Pa・s以下であり、且つ露光量を500mJ/cm以上とした光照射後の破断伸びが100%以下であることが好ましい。このような樹脂組成物であれば、硬化前の十分な埋込性と、硬化後の優れたダイシング性とを両立し易い。このように設計された樹脂組成物から形成された仮保護用樹脂フィルムを、上記特定の製造工程において用いることにより、所望の部分に金属膜の電磁シールドが形成された、小型の電子部品を製造し易い。
なお、例えばBGAパッケージのような、回路面にハンダボールを実装した、高さ数100μmを超える表面凹凸のある被加工体に対し、従来周知の支持テープ(バックグラインドテープ、ダイシングテープ等)を貼り合せて凹凸を埋め込むこと、そして所望の加工後に被加工体表面から支持テープを剥離することは困難である。特に、所望の加工がダイシングを含む場合はなおさらであり、従来周知のテープでは、被加工体への貼付け時の柔らかさと、ダイシングに耐えうる硬さとの相反する特性を両立することは、そもそもそのような特性に着目した設計がなされていないため、容易ではない。仮に、従来周知の支持テープを用いた場合、被加工体表面の凹凸を十分に埋め込むことができずに間隙が発生し易かったり、あるいは硬度不足により良好にダイシングができなかったりする虞がある。
埋込性及びダイシング性が不十分であると、既に説明をしたように、被加工体の所望の部分に電磁シールドを形成することができない。
仮保護用樹脂組成物の、60℃でのずり粘度(硬化前のずり粘度)が10000Pa・s以下であることにより、半導体素子に代表される被加工体にダメージを与えることなく、また凹凸埋込時に空隙を生じさせることなく、被加工体に仮保護用樹脂フィルムを貼り付けることがより容易となる。このような観点から、当該ずり粘度は7000Pa・s以下であることが好ましく、5000Pa・s以下であることがより好ましい。なお、当該ずり粘度の下限としては、良好な貼付性の観点から1000Pa・sとすることができる。
ずり粘度は、例えば、動的粘弾性装置ARES(製品名、レオメトリック・サイエンティフィック社製)を用いて測定することができる。
また、仮保護用樹脂組成物の、露光量を500mJ/cm以上とした光照射後の破断伸びが100%以下であることにより、被加工体と仮保護用樹脂フィルムの一体物をダイサーにて個片化する際、仮保護用樹脂フィルム由来のバリ発生を抑制し易い。ここでいうバリとは、仮保護用樹脂フィルムをダイシングした際に加工面に生じる不要な突起物をいう。このような観点から、当該破断伸びは100%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。なお、当該弾性率の上限としては、良好なダイシング性の観点から150%以下とすることができる。
破断伸びは、例えば、オートグラフ装置AGS−1000G(製品名、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。
仮保護用樹脂組成物は上記のようなずり粘度、破断伸びを有することが好ましく、組成物の具体的な組成については特段限定されない。仮保護用樹脂組成物の硬化前後のずり粘度及び破断伸びを適切に制御することで、ボイドを発生させることなく被加工体との貼り合せを実現し易くなる。また、剥離後の被加工体表面に残渣を実質的に発生させることなくダイシング及び剥離を実現し易くなる。
<仮保護用樹脂フィルム>
仮保護用樹脂フィルムは、上述した各成分を含む仮保護用樹脂組成物をフィルム状に形成することで得られる。具体的には、当該組成物を有機溶媒中で混合・混練してワニスを調製し、調製したワニスを基材フィルム上に塗布して加熱乾燥する方法により、仮保護用樹脂フィルムを得ることができる。
上記の混合・混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を用い、これらを適宜組み合わせて行うことができる。上記の加熱乾燥は、使用した有機溶媒が充分に揮散する条件であれば特に制限はないが、通常60〜200℃での0.1〜90分間の加熱により行うことができる。
上記ワニスを調製するための有機溶媒は、上記各成分を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば制限はなく、従来公知のものを使用することができる。乾燥速度が速く、価格が安い点でメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等を使用することが好ましい。
上記基材フィルムとしては、光照射の際に光を透過すれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム等)、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が挙げられる。
仮保護用樹脂フィルムの厚さは、被加工体表面の凹凸を充分に埋め込むという観点から、被加工体の凹凸と同等以下の厚さが好ましく、5〜300μmが好ましい。なお、凸部分の体積が大きい場合は、仮保護用樹脂フィルムの厚さが凸部の高さより薄くても、凹凸を十分に埋め込むことができる。
なお、仮保護用樹脂フィルムが、ポリエステルフィルム等の基材フィルム上に設けられた状態のものを仮保護用樹脂フィルムシートと言うことができる。すなわち、当該仮保護用樹脂フィルムシートは、基材フィルムと、当該基材フィルム上に仮保護用樹脂フィルムと、を備えることができる。
仮保護用樹脂フィルムは、幅方向において、中央部及び中央部の両端に端部を備えている。ここで幅方向とは、仮保護用樹脂フィルムの流れ方向と直行する方向であり、流れ方向とは、仮保護用樹脂フィルムがロール状に巻回される方向である。また、中央部とは、幅方向において、仮保護用樹脂フィルムの両端に存在する端部を除いた領域であり、端部とは、幅方向において、仮保護用樹脂フィルムの端から一定長さ内側の領域である。端部は仮保護用樹脂フィルムの流れ方向に延在する。
幅方向において、端部の幅は、少なくとも0.1cm以上であることが好ましく、0.5cm以上であることがより好ましく、1cm以上であることがさらに好ましい。端部の幅が上記のとおりであることにより、ロール状に巻回された仮保護用樹脂フィルムの両端から、その構成成分が染み出してしまうことを抑制することができる。なお、端部の幅の上限は、一般的なフィルム幅を想定した場合、仮保護に供される中央部を十分に確保する観点から、10cmとすることができる。
中央部の35℃でのずり粘度は20000Pa・s以下であるが、10000Pa・s以下であることが好ましく、7500Pa・s以下であることがより好ましく、5000Pa・s以下であることがさらに好ましい。なお、当該ずり粘度の下限は、フィルム形状を維持する観点から、100Pa・sとすることができる。中央部は端部よりもずり粘度が低く、仮保護用樹脂フィルムにおける軟質部ということもできる。
端部の35℃でのずり粘度は20000Pa・s超であるが、50000Pa・s以上であることが好ましく、100000Pa・s以上であることがより好ましく、150000Pa・s以上であることがさらに好ましい。なお、当該ずり粘度の上限は、取扱作業性の観点から、1000000Pa・sとすることができる。端部は中央部よりもずり粘度が高く、仮保護用樹脂フィルムにおける硬質部ということもできる。
仮保護用樹脂フィルムにおけるずり粘度を調整する方法としては、仮保護用樹脂組成物の各成分の配合割合を調整する方法が挙げられる。また、端部のずり粘度を中央部よりも高くする方法としては、UV照射機等の光照射機を用いて端部にのみ光照射する方法が挙げられる。この際の露光量は、仮保護用樹脂組成物の各成分の配合割合にも依存するが、染み出しを充分に抑制するという観点から、少なくとも100mJ/cm以上であることが好ましい。端部への光照射は、仮保護用樹脂フィルムを作製した後、円筒コアに巻回する前までに行うことができる。
<仮保護用樹脂ロール>
図2は本発明の一実施形態に係る仮保護用樹脂ロールを示す図である。同図に示すように、仮保護用樹脂ロール100は、円筒コア110及び円筒コア110にロール状に巻回された上記の仮保護用樹脂フィルム20を備える。仮保護用樹脂フィルム20は、中央部21及び端部22を備える。なお、仮保護用樹脂フィルムは、上述の仮保護用樹脂フィルムシートの態様であってもよく、また仮保護用樹脂フィルム上には保護フィルムが設けられていてもよい。図2における矢印の方向が、仮保護用樹脂フィルムの流れ方向である。
例えば、上記のとおり得られた仮保護用樹脂フィルムシートの仮保護用樹脂フィルム側に保護フィルムをラミネートすることで保護フィルム付きの仮保護用樹脂フィルムシートを作製し、これを円筒コアにロール状に巻回することにより、仮保護用樹脂ロールを得ることができる。
上記保護フィルムとしては、光照射の際に光を透過できるものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム等)、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルムなどが挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更がなされてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例及び比較例)
表1及び表2に示す組成比(単位:質量部)にて各成分を配合して、実施例及び比較例の仮保護用樹脂組成物を調製した。なお、表1及び表2中に示す各成分は以下のとおりである。
[(メタ)アクリル共重合体A−1]
撹拌機、冷却器、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、ポリビニルアルコールを0.04質量部、及びイオン交換水を200質量部加え、攪拌しながらモノマーとしてメチルメタクリレート20質量部、ブチルアクリレート65質量部、グリシジルメタクリレート15質量部、ラウロイルパーオキシド0.4質量部、及びRAFT剤としてO−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート0.1質量部の混合物を加えた。窒素ガスを導入しながら、液温を上昇させ、60℃で10時間、次いで90℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で8時間乾燥することによって、エポキシ基非偏在性(メタ)アクリル共重合体A−1を得た。
(重量平均分子量の測定)
A−1の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)を、HLC−8320GPC(製品名、東ソー株式会社製)を用いて、溶離液流量1mL/分、カラム温度40℃の条件で測定した結果、31×10であった。なお、溶離液にはテトラヒドロフランを、カラムには日立化成株式会社製Gelpack GL−A150−S/GL−A160−Sを使用した。
(ガラス転移温度の測定)
A−1のガラス転移温度を、DSC8230(製品名、株式会社リガク社製)を用いて、昇温速度10℃/分、測定温度:−80〜80℃の条件で測定した結果、−14℃であった。なお、この場合のガラス転移温度とは、熱量変化からJIS K 7121に準拠した方法によって算出した中間点ガラス転移温度のことである。
[(メタ)アクリル共重合体A−2]
撹拌機、冷却器、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、ポリビニルアルコールを0.04質量部、及びイオン交換水を200質量部加え、攪拌しながら、モノマーとしてメチルメタクリレート20質量部、ブチルアクリレート65質量部、ラウロイルパーオキシド0.4質量部、及びn−オクチルメルカプタン0.075質量部の混合物を加えた。窒素ガスを導入しながら、液温を60℃に上昇させ、グリシジルメタクリレート15質量部を4時間かけて連続的に滴下した。その後、60℃で2時間、次いで90℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で8時間乾燥することによって、エポキシ基非偏在性(メタ)アクリル共重合体A−2を得た。上記A−1と同様の方法で、A−2の重量平均分子量及びガラス転移温度を測定した結果、それぞれ30×10、−13℃であった。
[(メタ)アクリルモノマー]
A−DPH(製品名、新中村化学工業株式会社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
U−6LPA(製品名、新中村化学工業株式会社製、ウレタンアクリレート)
[光ラジカル重合開始剤]
Irgacure369(製品名、BASF株式会社製、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
[シリコーン化合物]
BYK−UV3500(製品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アクリロイル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
Figure 0006954067
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次に、得られた仮保護用樹脂組成物に、更にシクロヘキサノンを加えて撹拌混合した。
各成分が均一になるまで撹拌を行い、仮保護用樹脂組成物のワニスを調製した。調製したワニスを100メッシュのフィルターでろ過し、真空脱泡した。真空脱泡後のワニスを、基材フィルムである、離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に幅10cmで塗布した。塗布したワニスを、90℃で5分間、続いて140℃で5分間の2段階で加熱乾燥した。こうして、基材PETフィルム上に形成された、厚さ200μmの仮保護用樹脂フィルムを10m長得た。その後、幅方向において、仮保護用樹脂フィルムの両端からそれぞれ1cmの領域に対し500mJ/cmの光照射(UV照射)を行った後、保護フィルムとして離型処理を施したPETフィルム(厚さ38μm)をラミネートした。
<各種物性の評価>
得られた仮保護用樹脂フィルムについて、各種物性の評価を行った。評価結果を表3及び表4に示す。
[仮保護用樹脂フィルム中央部及び端部の35℃でのずり粘度]
仮保護用樹脂フィルムから基材フィルム及び保護フィルムを剥離した。そして、フィルムの中央部を、厚さ方向に10mm角に打ち抜くことで、10mm角、厚さ200μmの、四角形の主面を有する試験片を得た。動的粘弾性装置ARES(レオメトリック・サイエンティフィック社製)に直径8mmの円形アルミプレート治具を装着し、そこに試験片をセットした。その後、5%の歪みを与え、30℃から20℃/分の昇温速度で100℃まで昇温させながらずり粘度を測定し、35℃でのずり粘度(Pa・s)を記録した。同様に、光照射したフィルムの端部のずり粘度も記録した。
[端部染み出し確認]
保護フィルムであるPETフィルムを上述のとおりラミネートした後、10cmの塗工幅の両端0.5cmをスリットにて切り落として9cm幅とした保護フィルム付きの仮保護用樹脂フィルムシートを、円筒コア(ポリエチレン樹脂)にロール状に巻き仮保護用樹脂ロールを得た。なお、仮保護用樹脂フィルムにおける中央部の幅は8cmであり、端部の幅はそれぞれ0.5cmであった。そして、得られた仮保護用樹脂ロールを常温・常圧環境にて24時間放置した後、ロールの両端部を目視にて確認し、以下の基準に従って評価した。なお、染み出しが1mmであるとは、ロール最端部(基材フィルム最端部)からロール幅方向へ樹脂成分が1mm染み出すことを意味する。
○:樹脂成分の染み出しが1mm未満であった。
×:樹脂成分の染み出しが1mm以上であった。
[段差埋込性]
仮保護用樹脂フィルム(中央部)を被加工体に貼り付けた際の段差埋込性を、下記の方法により評価した。
厚さ625μmのシリコンミラーウェハ(6インチ)表面に、ブレードダイシングにより幅40μm、深さ40μmの溝を100μm間隔で形成した。このようにして形成した段差付きシリコンミラーウェハの段差が上面となるように真空ラミネーターLM−50X50−S(製品名、株式会社エヌ・ピー・シー製)のステージ上に置き、一方仮保護用樹脂フィルム(厚さ200μm)を段差付きシリコンミラーウェハ側に対面するように設置し、これらを、気圧1.5hPa、ラミネート温度60℃、ラミネート圧力0.1MPa、及び保持時間2分の条件で真空ラミネートした。その後、超音波顕微鏡Insight−300(製品名、インサイト株式会社製)を用いて、仮保護用樹脂フィルムによる段差埋込の状態を確認した。具体的には、超音波顕微鏡で撮影した画像に対し、画像処理ソフトAdobe Photoshop(登録商標)を用いて、色調補正及び二階調化を施すことによりボイド部分を識別した。そして、ヒストグラムによりボイド部分の占める割合(%)を算出した。この作業を異なる5か所に対して行ってその平均値を取り、以下の基準に従って段差埋込性を評価した。
○:ボイドの割合が5%未満であった。
×:ボイドの割合が5%以上であった。
[ダイシング性]
仮保護用樹脂フィルム(中央部)のダイシング性を、下記の方法により評価した。
被加工体として、厚さ625μmシリコンミラーウェハ(6インチ)を使用し、ここに上記で得られた仮保護用樹脂フィルム(厚さ200μm)を60℃でロールラミネートにより貼り付けることで、仮保護用樹脂フィルム付きのシリコンミラーウェハを得た。UV−330 HQP−2型露光機(製品名、株式会社オーク製作所製)を用いて、露光量を500mJ/cmとして仮保護用樹脂フィルムにUV照射を、仮保護用樹脂フィルム側から行った。そして、仮保護用樹脂フィルムから基材PETフィルムを剥離除去してダイシングテープUC−353EP−110(製品名、古川電気工業株式会社製)に貼り付け、フルオートマチックダイシングソーDFD−6361(製品名、株式会社ディスコ製)を用いてダイシングをし、チップを得た。チップサイズは10mm×10mmとした。なお、ブレードにはZH05−SD4000−N1−70−BB(製品名、株式会社ディスコ製)を用い、条件をブレードハイト90μm、ブレード回転数40000rpm、ダイシング速度55mm/secとした。また、カット方法はシングルカットとした。ダイシング後のチップにおける仮保護用樹脂フィルムの断面を、デジタルマイクロスコープVHX−S50(製品名、株式会社キーエンス製)を用いて観察した。異なる5か所について観察を行い、以下の基準に従ってダイシング性を評価した。
○:断面から5μm以上のバリが出ていなかった。
×:断面から5μm以上のバリが出ていた。
[剥離性]
被加工体からの仮保護用樹脂フィルム(中央部)の剥離性を、下記の方法により評価した。
ダイシング性評価で作製した10mm×10mmのチップを、耐熱粘着材テープであるポリイミドテープ上に搬送し、貼り付けた。そして、被加工体を、硬化した仮保護用樹脂フィルムから剥離するべく、ダイボンダBESTEM−02(製品名、キャノンマシナリー株式会社製)を用い、コレットサイズ9mm、ピン数13pin、突き上げ速度20mm/secの条件にてピックアップを実施した。ピックアップは50チップについて行った。このときのピックアップ成功率を剥離性として、以下の基準に従って評価した。
○:ピンハイト300nmでのピックアップ成功率が98%以上であった。
×:ピンハイト300nmでのピックアップ成功率が98%未満であった。
[電磁シールド形成性]
被加工体における電磁シールド形成性(電磁遮蔽形成性)を、下記の方法により評価した。
まず、ダイシング性評価で作製した10mm×10mmのチップを、耐熱粘着材テープであるポリイミドテープ上に搬送し、貼り付けた。そして、被加工体に対しスパッタリング装置SDHシリーズ(製品名、株式会社アルバック製)を用いて、温度60〜150℃及び圧力7×10−1Paの条件で約1.8μmの銅を成膜して、電磁シールドを形成した。その後、剥離性評価の場合と同様にして、ダイボンダBESTEM−02(製品名、キャノンマシナリー株式会社製)を用いて、被加工体を、硬化した仮保護用樹脂フィルムから剥離することで、電磁シールドが形成された被加工体を得た。得られた被加工体をマイクロスコープにて観察し、電磁シールド形成性を以下の基準に従って評価した。
○:仮保護用樹脂フィルムで保護されていた面以外の全面に銅が成膜された。
×:仮保護用樹脂フィルムで保護されていた面以外の全面には銅が成膜されなかった、あるいは、仮保護用樹脂フィルムで保護されていた面にも銅が成膜された。
Figure 0006954067
Figure 0006954067
表3及び表4に示した結果から明らかなように、実施例では、設備の汚染が抑制できるとともに、所望の部分に電磁シールドを有する電子部品が得られることが確認された。
1…基板、2…凸部、10…被加工体、20,20c…仮保護用樹脂フィルム、21…中央部、22…端部、30…基材フィルム、40…ダイシングテープ、50…耐熱粘着材テープ、100…仮保護用樹脂ロール、110…円筒コア、M…金属膜、C…コレット。

Claims (15)

  1. 電磁シールドを有する電子部品の製造方法であって、
    表面に凹凸を有する被加工体に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルムを貼り付ける貼付工程と、
    光照射により前記仮保護用樹脂フィルムを硬化させる硬化工程と、
    前記被加工体及び前記仮保護用樹脂フィルムを個片化するダイシング工程と、
    個片化した前記被加工体の、前記仮保護用樹脂フィルムが貼り付けられていない部分に金属膜を形成するシールド工程と、
    金属膜が形成された前記被加工体と前記仮保護用樹脂フィルムとを剥離する剥離工程と、を備え、
    前記仮保護用樹脂ロールが円筒コア及び前記円筒コアにロール状に巻回された前記仮保護用樹脂フィルムを備え、
    前記仮保護用樹脂フィルムが樹脂組成物から形成され、幅方向において、中央部及び前記中央部の両端に端部を備え、前記中央部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s以下であり、前記端部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s超である、製造方法。
  2. 前記樹脂組成物が反応性官能基を有する(A)(メタ)アクリル共重合体を含み、前記(A)(メタ)アクリル共重合体が10000〜1000000の重量平均分子量及び−50℃〜50℃のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記樹脂組成物が(B)(メタ)アクリルモノマーを更に含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記樹脂組成物が(C)光ラジカル重合開始剤を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記樹脂組成物が(D)シリコーン化合物を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 表面に凹凸を有する被加工体に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルムを貼り付ける貼付工程と、
    光照射により前記仮保護用樹脂フィルムを硬化させる硬化工程と、
    前記被加工体及び前記仮保護用樹脂フィルムを個片化するダイシング工程と、
    個片化した前記被加工体の、前記仮保護用樹脂フィルムが貼り付けられていない部分に金属膜を形成するシールド工程と、
    金属膜が形成された前記被加工体と前記仮保護用樹脂フィルムとを剥離する剥離工程と、を備える、電磁シールドを有する電子部品の製造方法において用いられる、仮保護用樹脂ロールであって、
    円筒コア及び前記円筒コアにロール状に巻回された前記仮保護用樹脂フィルムを備え、
    前記仮保護用樹脂フィルムが樹脂組成物から形成され、幅方向において、中央部及び前記中央部の両端に端部を備え、前記中央部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s以下であり、前記端部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s超である、仮保護用樹脂ロール。
  7. 前記樹脂組成物が反応性官能基を有する(A)(メタ)アクリル共重合体を含み、前記(A)(メタ)アクリル共重合体が10000〜1000000の重量平均分子量及び−50℃〜50℃のガラス転移温度を有する、請求項6に記載の仮保護用樹脂ロール。
  8. 前記樹脂組成物が(B)(メタ)アクリルモノマーを更に含む、請求項6又は7に記載の仮保護用樹脂ロール。
  9. 前記樹脂組成物が(C)光ラジカル重合開始剤を更に含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の仮保護用樹脂ロール。
  10. 前記樹脂組成物が(D)シリコーン化合物を更に含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の仮保護用樹脂ロール。
  11. 表面に凹凸を有する被加工体に、仮保護用樹脂ロールから繰り出された仮保護用樹脂フィルムを貼り付ける貼付工程と、
    光照射により前記仮保護用樹脂フィルムを硬化させる硬化工程と、
    前記被加工体及び前記仮保護用樹脂フィルムを個片化するダイシング工程と、
    個片化した前記被加工体の、前記仮保護用樹脂フィルムが貼り付けられていない部分に金属膜を形成するシールド工程と、
    金属膜が形成された前記被加工体と前記仮保護用樹脂フィルムとを剥離する剥離工程と、を備える、電磁シールドを有する電子部品の製造方法において用いられる、仮保護用樹脂フィルムであって、
    樹脂組成物から形成され、幅方向において、中央部及び前記中央部の両端に端部を備え、前記中央部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s以下であり、前記端部の35℃でのずり粘度が20000Pa・s超である、仮保護用樹脂フィルム。
  12. 前記樹脂組成物が反応性官能基を有する(A)(メタ)アクリル共重合体を含み、前記(A)(メタ)アクリル共重合体が10000〜1000000の重量平均分子量及び−50℃〜50℃のガラス転移温度を有する、請求項11に記載の仮保護用樹脂フィルム。
  13. 前記樹脂組成物が(B)(メタ)アクリルモノマーを更に含む、請求項11又は12に記載の仮保護用樹脂フィルム。
  14. 前記樹脂組成物が(C)光ラジカル重合開始剤を更に含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の仮保護用樹脂フィルム。
  15. 前記樹脂組成物が(D)シリコーン化合物を更に含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の仮保護用樹脂フィルム。
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