JP2022061158A - 粘着フィルム - Google Patents

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直人 福永
Naoto Fukunaga
章 片倉
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Abstract

【課題】高温下でも粘着力が高く、高温に晒されても粘着力が過度に上昇することなく、また、高温に晒された後でものり残りを生じない(メタ)アクリル系粘着フィルムを提供する。【解決手段】粘着フィルムは、基材フィルムと前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有し、前記粘着剤層がリビングラジカル重合により得られた(メタ)アクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、前記(メタ)アクリル系共重合体が環状エーテル基を有する構造単位(a-1)と酸性基を有する構造単位(a-2)とを含み、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、前記粘着剤層のゲル分率が30質量%以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着フィルムに関し、特に粘着剤層の耐熱性に優れた粘着フィルムに関する。
近年、LSI(Large Scale Integration)の実装技術においてCSP(Chip Size/Scale Package)技術が注目されている。この技術のうちQFN(Quad Flat Non-leaded package)に代表されるリード端子がパッケージ内部に取り込まれた形態のパッケージが、小型化及び高集積化の面で特に注目されている。
このようなQFNの製造工程は、リードフレームの片面に粘着フィルムを貼り付ける工程、リードフレームのダイパッドに半導体素子を接着するダイボンディング工程、半導体素子とリードフレームを接続するワイヤボンディング工程、半導体素子とリードフレームのダイパッドをモールド樹脂で封入して保護するモールディング工程、粘着フィルムを封止されたリードフレームから剥離する工程、リードフレームを切断してパッケージを個片化するダイシング工程で構成されている。
ここで、リードフレーム等は、ダイボンディング工程およびワイヤボンディング工程では180℃~250℃程度、モールディング工程では160℃~240℃程度の高温に晒される。そのため、QFNの製造に使用される粘着フィルムは、高温に晒された後に粘着力の上昇が起こらず、軽い力で剥離できること、のり残りが起こらないことが求められている。さらに、高温に晒される工程において、粘着フィルムが剥離しないことも求められている。
前記粘着フィルムとしては、粘着剤層にシリコーン系樹脂が使用されているシリコーン系粘着フィルム、粘着剤層に(メタ)アクリル系樹脂が使用されている(メタ)アクリル系粘着フィルムが知られている。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリルモノマー等のラジカル重合性モノマーを重合して得られたポリマーが用いられている。ラジカル重合の種類としては、フリーラジカル重合が一般的である。しかし、フリーラジカル重合は、分子量および分子量分布、共重合体組成等を充分に制御できず、低分子量成分が生成したり、共重合の場合であってもホモポリマーが生成したりするため、これらの成分が粘着フィルムの耐熱性低下、凝集力低下等を招いたり、粘着フィルムを剥がれやすくしたりする等の欠点がある。これに対して、リビングラジカル重合法は、分子量及び分子量分布、共重合体組成等を制御しやすく、低分子量成分の生成及び共重合せずに生じるホモポリマーの生成を抑えることができる。
そこで、特許文献1には、有機テルル化合物を連鎖移動剤として用いるリビングラジカル重合法によりラジカル重合性モノマーを共重合して共重合体を作製すること、得られた共重合体を粘着剤として用いることが記載されている(特許文献1(請求項1)参照)。
特許第5256515号公報
シリコーン系粘着フィルムは、粘着剤層中の低分子量シリコーン樹脂、シリコーンオイル等のシリコーン化合物が被着体に移行し、導通不良を発生させることが問題となっている。また、(メタ)アクリル系粘着フィルムは、シリコーン汚染はないものの、高温に晒されたときに剥がれやすくなる等の問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温下でも粘着力が高く、高温に晒されても粘着力が過度に上昇することなく、また、高温に晒された後でものり残りを生じない(メタ)アクリル系粘着フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明の粘着フィルムは、基材フィルムと前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有し、前記粘着剤層がリビングラジカル重合により得られた(メタ)アクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、前記(メタ)アクリル系共重合体が環状エーテル基を有する構造単位(a-1)と酸性基を有する構造単位(a-2)とを含み、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、前記粘着剤層のゲル分率が30質量%以上であることを特徴とする。
(メタ)アクリル系共重合体の分子量分布を3.0以下とすることで、高温下での粘着力を高めることができる。また、粘着剤層のゲル分率を30質量%以上とすることで、高温下での粘着力を高めることができ、さらに高温に晒された後ののり残りを抑制できる。さらに、(メタ)アクリル系共重合体が環状エーテル基および酸性基を有することで、粘着剤層を形成後にも一部の環状エーテル基および酸性基が残存する。そのため、高温に晒された際に残存している環状エーテル基および酸性基が反応することで、高温に晒された際に粘着力が過度に上昇することが抑制され、高温に晒された後ののり残りをより抑制できる。
本発明によれば、高温下でも粘着力が高く、高温に晒されても粘着力が過度に上昇することなく、また、高温に晒された後でものり残りを生じない(メタ)アクリル系粘着フィルムが得られる。
<粘着フィルム>
本発明の粘着フィルムは、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に、粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する。前記粘着剤層は基材フィルムの少なくとも片面または少なくとも一部に形成されている。前記粘着剤層は、単層でも良いし、多層構造としてもよい。
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅の割には小さい平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JIS K6900)。例えば、厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称することがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かではなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとし、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むのとする。
本発明の粘着フィルムを構成する各構成成分等について以下説明する。
(1.粘着剤組成物)
前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」と称する場合がある。)を含有する。前記共重合体(A)は、環状エーテル基を有する構造単位(a-1)と酸性基を有する構造単位(a-2)とを含み、かつ、分子量分布(PDI)が3.0以下である。前記粘着剤組成物は、基材フィルム上に粘着剤組成物を塗布し、共重合体(A)が有する酸性基と、共重合体(A)が有する環状エーテル基(または後述する架橋剤が有する官能基)が反応することで、粘着剤層を形成できる。
(1-1.(メタ)アクリル系共重合体(A))
前記共重合体(A)は、分子量分布(PDI)が3.0以下であり、環状エーテル基を有する構造単位(a-1)と、酸性基を有する構造単位(a-2)とを含む(メタ)アクリル系共重合体である。
(メタ)アクリル系共重合体とは、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位を主成分(50質量%以上)とする共重合体であればよく、(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位を含有することができる。前記共重合体(A)中の(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位の含有率は、共重合体(A)全体において、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。なお、前記共重合体(A)は、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位のみから構成されていてもよい。
本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリルおよびメタクリルの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリルモノマー」は、分子中に「(メタ)アクリロイル基」を有するモノマーをいう。「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよびメタクリロイルの少なくとも一方」をいう。「ビニルモノマー」とは分子中にラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合を有するモノマーのことをいう。「(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位」とは、(メタ)アクリルモノマーのラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合が、重合して炭素-炭素単結合になった構造単位をいう。「ビニルモノマーに由来する構造単位」とは、ビニルモノマーのラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合が、重合して炭素-炭素単結合になった構造単位をいう。
前記共重合体(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよく、好ましくはランダム共重合体である。
前記共重合体(A)の分子量分布(PDI)は3.0以下であり、好ましくは2.5以下であり、さらに好ましくは2.0以下である。PDIが小さいほど分子量分布の幅が狭い、分子量の揃った共重合体となり、その値が1.0のとき最も分子量分布の幅が狭い。即ち、PDIの下限値は1.0である。PDIが3.0以下であれば、設計した共重合体の分子量に比べて、分子量の小さいものや、分子量の大きいものの含有量が低く、粘着剤組成物に用いたときに被着体汚染が少なく、凝集力が高い粘着フィルムを得ることができる。なお、本発明において、分子量分布(PDI)とは、(重量平均分子量(Mw))/(数平均分子量(Mn))によって算出される値であり、MwおよびMnの測定方法は後述する。
前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、20万以上が好ましく、より好ましくは30万以上、さらに好ましくは40万以上であり、特に好ましくは50万以上であり、200万以下が好ましく、より好ましくは150万以下、さらに好ましくは100万以下である。前記共重合体(A)のMwが20万以上であれば凝集力が高くなり耐熱性がより向上し、かつ、被着体表面を汚染することがより低減され、200万以下であれば粘着剤組成物の塗工作業性が良好となる。
前記共重合体(A)は、環状エーテル基の含有量が、0.03mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.07mmol/g以上、さらに好ましくは0.10mmol/g以上であり、1.1mmol/g以下が好ましく、より好ましくは0.80mmol/g以下、さらに好ましくは0.60mmol/g以下である。環状エーテル基の含有量が、0.03mmol/g以上であれば粘着剤の凝集破壊がより抑制され、1.1mmol/g以下であれば合成時に酸性基と反応しゲル化してしまうことが抑制され、また保存安定性も良好となる。前記環状エーテル基の含有量は、共重合体(A)が有する全ての環状エーテル基の総和であり、共重合体(A)の単位g当たりの環状エーテル基の総モル数である。
前記共重合体(A)は、後述する酸性基の含有量が、0.10mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.20mmol/g以上、さらに好ましくは0.25mmol/g以上であり、2.1mmol/g以下が好ましく、より好ましくは1.8mmol/g以下、さらに好ましくは1.4mmol/g以下である。酸性基の含有量が、0.10mmol/g以上であれば粘着剤の凝集破壊がより抑制され、2.1mmol/g以下であれば合成時に環状エーテル基と反応しゲル化してしまうことが抑制され、また保存安定性も良好となる。前記酸性基の含有量は、共重合体(A)が有する全ての酸性基の総和であり、共重合体(A)の単位g当たりの酸性基の総モル数である。
前記共重合体(A)が有する環状エーテル基と酸性基とのモル比(環状エーテル基/酸性基)は、0.01以上が好ましく、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.06以上であり、1.0以下が好ましく、より好ましくは0.95以下、さらに好ましくは0.90以下である。前記モル比が0.01以上であれば粘着剤の凝集破壊が抑制され、1.0以下であれば架橋不良を抑制できる。
(1-1-1.構造単位(a-1))
前記構造単位(a-1)は、環状エーテル基を有するものであれば特に限定されない。前記構造単位(a-1)は、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。構造単位(a-1)を有することで、酸性基を有する構造単位(a-2)と反応し自己架橋が可能となる。前記環状エーテル基を有する構造単位(a-1)は、後述する酸性基を有さないことが好ましい。
前記環状エーテル基は、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位のいずれに有していてもよい。環状エーテル基とは、環状であってエーテル結合を含む構造であれば特に限定されないが、反応性の観点から、好ましくはエポキシ基またはオキセタン基であり、より好ましくはエポキシ基である。なお、本明細書においてエポキシ基とは、エポキシ基のみからなる基に限定されず、3員環エーテルであるオキサシクロプロパン構造を有する脂環式基、即ち脂環式基とオキサシクロプロパン構造とを有する基も包含される。
前記構造単位(a-1)としては、式(1)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2022061158000001
[式(1)において、R11は、置換基を有していてもよいアルキレン基またはアリーレン基を表す。R12は水素原子またはメチル基を表す。]
前記R11で示される置換基を有していてもよいアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよいが、直鎖状が好ましい。前記R11で示される置換基を有していてもよいアルキレン基の炭素数は、1~10が好ましく、より好ましくは1~5、さらに好ましくは1~3である。前記置換基を有していてもよいアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、1-メチルエチレン基等が挙げられる。
前記R11で示される置換基を有していてもよいアリーレン基の炭素数は、6~14が好ましく、より好ましくは6~10である。前記置換基を有していてもよいアリーレン基の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
前記R11で示される置換基を有していてもよいアルキレン基およびアリーレン基が有する置換基としては、直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、芳香族基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
前記構造単位(a-1)を形成するモノマーは、環状エーテル基を有する(メタ)アクリルモノマー、および、(メタ)アクリルモノマー以外の環状エーテル基を有するビニルモノマーである。
環状エーテル基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、2-エポキシエチル(メタ)アクリレート、3-エポキシプロピル(メタ)アクリレート、4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、5-エポキシペンチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルモノマー以外の環状エーテル基を有するビニルモノマーとしては、ビニルグリシジルエーテル、4-ビニルフェネチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、4-ビニルベンジルグリシジルエーテル、1-ビニル-3,4-エポキシシクロヘキサン、3,4-エポキシ-1-ブテン等が挙げられる。
前記構造単位(a-1)の含有率は、(メタ)アクリル系共重合体(A)全体100質量%中において、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、特に好ましくは1.9質量%以上であり、15質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8.0質量%以下である。構造単位(a-1)の含有率を前記範囲とすることで、合成時に酸性基と反応しゲル化してしまうことが抑制され、また保存安定性も良好となる。
(1-1-2.構造単位(a-2))
酸性基を有する構造単位(a-2)は、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。酸性基とは、前記構造単位(a-1)が有する環状エーテル基と反応し得る官能基(反応性官能基)である。前記酸性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基よりなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができ、好ましくはカルボキシ基である。なお、酸性基を有する構造単位(a-2)は、前記環状エーテル基を有する構造単位(a-1)を含まない。
前記酸性基は、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位のいずれに有していてもよい。前記構造単位(a-2)を形成するモノマーは、酸性基を有する(メタ)アクリルモノマー、および酸性基を有する(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーである。
酸性基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、スルホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、リン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、ホスホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、ホスフィン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。酸性基を有する(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーとしては、カルボキシ基を有するビニルモノマー等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーが好ましい。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルマレエート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに無水マレイン酸、無水コハク酸等の酸無水物を反応させたモノマー、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。
スルホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、スルホン酸エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2-(ホスホノオキシ)エチル等が挙げられる。
ホスホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホン酸等が挙げられる。
ホスフィン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスフィン酸等が挙げられる。
カルボキシ基を有するビニルモノマーとしては、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸等が挙げられる。
構造単位(a-2)の含有率は、(メタ)アクリル系共重合体(A)全体全体100質量%中において1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは3.0質量%以上であり、15質量%以下が好ましく、より好ましくは12.5質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。構造単位(a-2)の含有率が1.0質量%以上であれば粘着剤の凝集破壊が抑制され、15質量%以下であれば合成時にエポキシ基と反応しゲル化してしまうことが抑制され、また保存安定性も良好となる。
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)中の前記構造単位(a-1)の前記構造単位(a-2)に対する質量比((a-1)/(a-2))は、0.03以上が好ましく、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.10以上であり、1.0以下が好ましく、より好ましくは0.95以下、さらに好ましくは0.90以下である。前記質量比((a-1)/(a-2))が0.03以上であれば粘着剤の凝集破壊が抑制され、1.0以下であれば架橋不良を抑制できる。
(1-1-3.構造単位(a-3))
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、式(2)で表される構造単位(a-3)を含有することが好ましい。
Figure 2022061158000002
[式(2)において、R21は、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を表す。R22は水素原子またはメチル基を表す。]
前記R21で表される鎖状の炭化水素基としては、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基等を挙げることができる。前記直鎖状アルキル基の炭素数としては、炭素数1~20が好ましく、炭素数1~10がより好ましく、炭素数1~5がさらに好ましい。前記直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ラウリル基等が挙げられる。前記分岐鎖状アルキル基の炭素数としては、炭素数3~20が好ましく、炭素数3~10がより好ましく、炭素数3~5がさらに好ましい。前記分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-エチルヘキシル基、ネオペンチル基、イソオクチル基等が挙げられる。
前記R21で表される鎖状の炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、ベンゾイル基(-COC65)、ヒドロキシ基等が挙げられる。
前記R21で表される環状の炭化水素基としては、環状アルキル基、芳香族基等が挙げられ、環状アルキル基および芳香族基は鎖状部分を有していてもよい。前記環状アルキル基の炭素数としては、炭素数4~18が好ましく、炭素数6~12がより好ましく、炭素数6~10がさらに好ましい。前記環状アルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。前記芳香族基の炭素数としては、炭素数6~18が好ましく、炭素数6~12がより好ましく、炭素数6~8がさらに好ましい。前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等が挙げられる。鎖状部分を有する環状アルキル基および鎖状部分を有する芳香族基の鎖状部分の例としては、炭素数1~12のアルキレン基、好ましくは炭素数1~6のアルキレン基、より好ましくは炭素数1~3のアルキレン基が挙げられる。
前記R21で表される環状の炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、鎖状のアルキル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
構造単位(a-3)を形成し得るビニルモノマーとしては、直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。
直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、フェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、環状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、多環式構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基に環状アルキル基が直接結合した化合物が挙げられる。単環構造の環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタニルオキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記多環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基に橋かけ環構造を有する環状アルキル基が直接結合した化合物などが挙げられる。多環式構造を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリルロイルオキシ-2-(1-アダマンチル)プロパン、2-(メタ)アクリルロイルオキシ-2-(1-アダマンチル)ブタン、3-(メタ)アクリルロイルオキシ-3-(1-アダマンチル)ペンタン、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
構造単位(a-3)の含有率は、(メタ)アクリル系共重合体(A)全体100質量%中において70質量%以上が好ましく、98.5質量%以下が好ましい。
また、構造単位(a-3)として、直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の(メタ)アクリレートに由来する構造を有することが好ましい。この場合、前記直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有率は、共重合体(A)全体100質量%中において70質量%以上が好ましく、98.5質量%以下が好ましい。
(1-1-4.構造単位(a-4))
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、構造単位(a-1)、構造単位(a-2)および構造単位(a-3)以外に他の構造単位を有していてもよい。他の構造単位は、構造単位(a-1)、構造単位(a-2)および構造単位(a-3)を形成するビニルモノマーの両方と共重合し得るビニルモノマーにより形成されるものであれば特に制限はなく、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記共重合体(A)全体100質量%中において、前記構造単位(a-1)、構造単位(a-2)および構造単位(a-3)の合計含有率は、71.5質量%以上が好ましく、より好ましくは73.0質量%以上、さらに好ましくは74.5質量%以上、特に好ましくは74.9質量%以上であり、上限は100質量%である。
他の構造単位を形成し得るビニルモノマーとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレート、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート、含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレート、三級アミノ基を有する(メタ)アクリルレート、(メタ)アクリルアミド類等の(メタ)アクリルモノマー;ヘテロ環を有するビニルモノマー、カルボン酸ビニル、三級アミノ基を有するビニルモノマー、四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマー、ビニルアミド類、α-オレフィン、ジエン類等の(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマー等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコール(重合度=2~10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度=2~10)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度=2~10)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(重合度=2~10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度=2~10)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度=2~10)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等のポリオキシプロピレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートとしては、4員環~6員環の含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2-〔(2-テトラヒドロピラニル)オキシ〕エチル(メタ)アクリレート、1,3-ジオキサン-(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三級アミノ基を有する(メタ)アクリルレートとしては、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド;N-(メタ)アクリロイルモルフォリン等の環状アミド;N-メトキシメチルアクリルアミド、N-エトキシメチルアクリルアミド等のアルコキシアルキルアクリルアミド等が挙げられる。
ヘテロ環を有するビニルモノマーとしては、ヘテロ環を有するビニルモノマーとしては、2-ビニルチオフェン、N-メチル-2-ビニルピロール、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
三級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、N,N-ジメチルアリルアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマーとしては、N-メタクリロイルアミノエチル-N,N,N-ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
ビニルアミド類としては、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、1-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム等が挙げられる。
α-オレフィンとしては、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等が挙げられる。
ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等が挙げられる。
(1-1-5.(メタ)アクリル酸系共重合体(A)の製造方法)
前記共重合体(A)は、2種以上のビニルモノマーを含有するモノマー組成物をラジカル重合することで製造することができ、好ましくはリビングラジカル重合することで得られたもの(リビングラジカル重合法を用いて重合することで得られたもの)である。
従来のラジカル重合法(フリーラジカル重合法)は、開始反応、成長反応だけでなく、停止反応、連鎖移動反応により成長末端の失活が起こり、様々な分子量、不均一な組成のポリマーの混合物となり易い傾向がある。前記リビングラジカル重合法は、従来のラジカル重合法の簡便性と汎用性を保ちながら、停止反応や、連鎖移動が起こりにくく、成長末端が失活する副反応で妨げることなく成長するため、高分子量でありながら、分子量分布の精密制御、均一な組成のポリマーの製造が容易である。
そのため、リビングラジカル重合法で製造された共重合体は、低分子量成分(オリゴマー)が少なく、粘着剤組成物に用いたときに転写汚染物(糊残りなど)が少ないという利点があるものと考えられる。また、共重合体(A)はリビングラジカル重合法で製造することで構成単位((a-1)~(a-3)等)が各ポリマー分子中に、より均一に重合されており、その共重合体(A)を使用した粘着剤組成物は、十分な初期粘着力、加熱時の剥がれを抑制でき、加熱後の粘着力上昇も抑えられる。
リビングラジカル重合法においては、構造単位(a-1)を形成するビニルモノマーと、構造単位(a-2)を形成するビニルモノマーと、必要に応じて構造単位(a-3)等を形成するビニルモノマーとの混合物(単に「ビニルモノマー」と称する場合もある。)を使用することにより、ランダム共重合体とすることができる。
リビングラジカル重合法には、重合成長末端を安定化させる手法の違いにより、遷移金属触媒を用いる方法(ATRP法);硫黄系の可逆的連鎖移動剤を用いる方法(RAFT法);有機テルル化合物を用いる方法(TERP法)等の方法がある。ATRP法は、アミン系錯体を使用するため、酸性基を有するビニルモノマーの酸性基を保護せず使用することができない場合がある。RAFT法は、多種のビニルモノマーを使用した場合、低分子量分布になりづらく、かつ硫黄臭や着色等の不具合がある場合がある。これらの方法のなかでも、使用できるビニルモノマーの多様性、高分子領域での分子量制御、均一な組成、あるいは着色の観点から、TERP法を用いることが好ましい。
TERP法とは、有機テルル化合物を連鎖移動剤として用い、ラジカル重合性化合物(ビニルモノマー)を重合させる方法であり、例えば、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および国際公開第2004/096870号に記載された方法である。
TERP法の具体的な重合法としては、下記(a)~(d)が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物を用いて重合する方法。
(b)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との混合物を用いて重合する方法。
(c)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物と一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物との混合物を用いて重合する方法。
(d)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物との混合物を用いて重合する方法。
Figure 2022061158000003
[式(3)において、R31は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を示す。R32およびR33は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~8のアルキル基を示す。R34は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基を示す。
式(4)において、R31は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を示す。]
31で表される基は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1~4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
32およびR33で表される基は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1~8のアルキル基であり、各基は、具体的には次の通りである。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1~4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
34で表される基は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1~4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましくはフェニル基である。
置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。前記置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、-COR41で示されるカルボニル含有基(R41は炭素数1~8のアルキル基、アリール基、炭素数1~8のアルコキシ基またはアリールオキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は、1個または2個置換しているのがよい。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1~8のアルキル基が酸素原子に結合した基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等を挙げることができる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、-CONR421422(R421、R422は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~8のアルキル基またはアリール基)を挙げることがきる。
オキシカルボニル基としては、-COOR43(R43は水素原子、炭素数1~8のアルキル基またはアリール基)で表される基が好ましく、例えばカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
アリル基としては、-CR441442-CR443=CR444445(R441、R442は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1~8のアルキル基、R443、R444、R445は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~8のアルキル基またはアリール基であり、それぞれの置換基が環状構造で繋がっていてもよい)等を挙げることができる。
プロパルギル基としては、-CR451452-C≡CR453(R451、R452は、水素原子または炭素数1~8のアルキル基、R453は、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、アリール基またはシリル基)等を挙げることができる。
式(3)で表される有機テルル化合物は、具体的には(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル-2-メチル-2-メチルテラニル-プロピオネート、エチル-2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオネート、(2-トリメチルシロキシエチル)-2-メチル-2-メチルテラニル-プロピオネート、(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-2-メチルテラニル-プロピオネートまたは(3-トリメチルシリルプロパルギル)-2-メチル-2-メチルテラニル-プロピオネート等、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および国際公開第2004/096870号に記載された有機テルル化合物の全てを例示することができる。
式(4)で表される有機ジテルリド化合物の具体例としては、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ-n-プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ-n-ブチルジテルリド、ジ-s-ブチルジテルリド、ジ-t-ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス-(p-メトキシフェニル)ジテルリド、ビス-(p-アミノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-ニトロフェニル)ジテルリド、ビス-(p-シアノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリドまたはジピリジルジテルリド等を例示することができる。
アゾ系重合開始剤は、通常のラジカル重合で使用するアゾ系重合開始剤であれば特に制限なく使用することができる。例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチルアミド)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-70)、2,2’-アゾビス(2-メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、または2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等を例示することができる。
重合工程は、不活性ガスで置換した容器で、ビニルモノマーと式(3)の有機テルル化合物とに、ビニルモノマーの種類に応じて反応促進、分子量および分子量分布の制御等の目的で、さらにアゾ系重合開始剤および/または式(4)の有機ジテルリド化合物を混合する。このとき、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。好ましくは、アルゴン、窒素が良い。
前記(a)、(b)、(c)および(d)におけるビニルモノマーの使用量は、目的とする共重合体(A)の物性により適宜調節すればよい。式(3)の有機テルル化合物1molに対しビニルモノマーを200mol~30000molとすることが好ましい。
前記(b)の式(3)の有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、式(3)の有機テルル化合物1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol~10molとすることが好ましい。
前記(c)の式(3)の有機テルル化合物と式(4)の有機ジテルリド化合物とを併用する場合、式(3)の有機テルル化合物1molに対して式(4)の有機ジテルリド化合物を0.01mol~100molとすることが好ましい。
前記(d)の式(3)の有機テルル化合物と式(4)の有機ジテルリド化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、式(3)の有機テルル化合物1molに対して式(4)の有機ジテルリド化合物を0.01mol~100molとすることが好ましく、式(4)の有機ジテルリド化合物1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol~10molとすることが好ましい。
重合反応は、無溶媒でも行うことができるが、ラジカル重合で一般に使用される非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒を使用し、前記混合物を撹拌して行なってもよい。使用できる非プロトン性溶媒は、例えば、アニソール、ベンゼン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2-ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはトリフルオロメチルベンゼン等を例示することができる。また、プロトン性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1-メトキシ-2-プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノールまたはジアセトンアルコール等を例示することができる。
溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ビニルモノマー1gに対して、0.01ml以上が好ましく、より好ましくは0.05ml以上、さらに好ましくは0.1ml以上であり、50ml以下が好ましく、より好ましくは10ml以下、さらに好ましくは1ml以下である。
反応温度、反応時間は、得られる共重合体(A)の分子量あるいは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、0℃~150℃で、1分~100時間撹拌する。TERP法は、低い重合温度および短い重合時間であっても高い収率と精密な分子量分布を得ることができる。このとき、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧または減圧しても構わない。
重合反応の終了後、得られた反応混合物から、通常の分離精製手段により、使用溶媒、残存ビニルモノマーの除去等を行い、目的とする共重合体(A)を分離することができる。また、粘着剤組成物の物性に支障がなければ、反応混合物をそのまま粘着剤組成物に用いてもよい。
重合反応により得られる共重合体の成長末端は、テルル化合物由来の-TeR31(式中、R31は式(3)中のR31と同じである。)の形態であり、重合反応終了後の空気中の操作により失活していくが、テルル原子が残存する場合がある。テルル原子が末端に残存した共重合体は着色したり、熱安定性が劣ったりするため、テルル原子を除去することが好ましい。
テルル原子を除去する方法としては、トリブチルスタンナンまたはチオール化合物等を用いるラジカル還元方法;活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、モレキュラーシーブスおよび高分子吸着剤等で吸着する方法;イオン交換樹脂等で金属を吸着する方法;過酸化水素水または過酸化ベンゾイル等の過酸化物を添加したり、空気または酸素を系中に吹き込むことで共重合体末端のテルル原子を酸化分解させ、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留テルル化合物を除去する液-液抽出法や固-液抽出法;特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限界ろ過等の溶液状態での精製方法等を用いることができ、また、これらの方法を組み合わせて用いることもできる。
なお、重合反応により得られる共重合体の他方端(成長末端と反対側の末端)は、テルル化合物由来の-CR323334(式中、R32、R33およびR34は、式(3)中のR32、R33およびR34と同じである。)の形態である。
(1-2.架橋剤(B))
前記粘着剤組成物は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を配合することで粘着剤の凝集力を調整することができ、粘着力や定荷重剥離、糊残りを調整できる。また、架橋不良を抑制することができる。
前記架橋剤(B)は、上述の共重合体(A)が有する酸性基と反応し得る反応性基を1分子中に2つ以上有する化合物である。前記架橋剤(B)は特に限定されず、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等が挙げられる。これらの中でも架橋反応の進行の程度を制御しやすいこと、および基材に対する密着性の観点からから、エポキシ系架橋剤がより好ましい。
前記架橋剤(B)中のエポキシ系架橋剤の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。前記粘着剤組成物は、架橋剤(B)として、エポキシ系架橋剤のみを含有することも好ましい。
エポキシ系架橋剤は、反応性基としてエポキシ基を1分子中に2つ以上有する化合物をいう。前記エポキシ系架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンよりなるエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤は、反応性基としてイソシアネート基(イソシアネート基をブロック剤または数量体化等により一時的に保護したイソシアネート再生型官能基を含む)を1分子中に2つ以上有する化合物である。前記イソシアネート系架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート等が挙げられる。より具体的には、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体等のイソシアネート付加物;キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物;ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物;ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ならびにこれらと各種のポリオールとの付加物、イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合等で多官能化したポリイソシアネート等から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
アジリジン系架橋剤は、反応性基としてアジリジン基を1分子中に2つ以上有する化合物をいう。前記アジリジン系架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アジリジン系架橋剤としては、トリス-2,4,6-(1-アジリジニル)-1,3,5-トリアジン、トリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が挙げられる。
前記架橋剤(B)の反応性基の含有量は、0.10mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.15mmol/g以上、さらに好ましくは0.20mmol/g以上であり、50mmol/g以下が好ましく、より好ましくは40mmol/g以下、さらに好ましくは30mmol/g以下である。架橋剤(B)の反応性基の含有量が0.10mmol/g以上であれば架橋剤を含有することで粘着剤層の凝集破壊が抑制され、50mmol/g以下であれば架橋剤を含有することで架橋密度が高くなり過ぎず、粘着力が良好となる。
前記粘着剤組成物における架橋剤(B)の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.10質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。架橋剤(B)の含有量が0.01質量部以上であれば粘着剤層の凝集力が良好となり、20質量部以下であれば架橋密度が高くなり過ぎず、粘着力が良好となる。
前記粘着剤組成物は、共重合体(A)が有する酸性基に対する架橋剤(B)が有する反応性基のモル比(反応性基のモル量/酸性基のモル量)は、0.002以上が好ましく、より好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.02以上であり、0.20以下が好ましく、より好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.10以下である。
前記粘着剤組成物は、共重合体(A)が有する酸性基に対する共重合体(A)が有する環状エーテル基と架橋剤(B)が有する反応性基の合計とのモル比(環状エーテル基と反応性基の合計モル量/酸性基のモル量)は、0.01以上が好ましく、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.06以上であり、1.0以下が好ましく、より好ましくは0.95以下、さらに好ましくは0.90以下である。
(1-4.その他添加剤)
前記粘着剤組成物には、前記共重合体(A)、架橋剤(B)以外に、その他添加剤を配合して使用することができる。その他の添加剤としては、架橋促進剤、架橋遅延剤、粘着性付与樹脂(タッキファイヤー)、保存安定剤、可塑剤、軟化剤、剥離助剤、シランカップリング剤、染料、顔料、色素、蛍光増白剤、帯電防止剤、湿潤剤、界面活性剤、増粘剤、防黴剤、防腐剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、近赤外線吸収剤、水溶性消光剤、香料、金属不活性剤、造核剤、アルキル化剤、難燃剤、滑剤、加工助剤等が挙げられる。これらは粘着フィルムの用途や使用目的に応じて、適宜選択して配合して使用される。
(架橋遅延剤)
前記粘着剤組成物には、必要に応じて、架橋遅延剤を配合して使用することができる。前記架橋遅延剤とは、架橋剤を含有する粘着剤組成物において、架橋剤が有する官能基をブロックすることによって、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇を抑制することができる化合物である。架橋遅延剤の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、アセチルアセトン、ヘキサン-2,4-ジオン、ヘプタン-2,4-ジオン、オクタン-2,4-ジオン等のβ-ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ-ケトエステル類;ベンゾイルアセトン;アルコール類等を使用することができる。前記架橋遅延剤としては、キレート剤として作用し得るものが好ましく、β-ジケトン類、β-ケトエステル類が好ましい。
粘着剤組成物に配合することができる架橋遅延剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、4.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは1.5質量部以下である。前記架橋遅延剤の含有量を前記範囲に調節することによって、前記架橋剤(B)を粘着剤組成物に配合した後に、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物の貯蔵安定性を向上させる(ポットライフを延長する)ことができる。
(粘着性付与剤)
前記粘着剤組成物には、必要に応じて、前記共重合体(A)を除く粘着性付与剤を配合して使用することができる。粘着性付与剤としては、特に制限されないが、例えば、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂等が挙げられる。
ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン(生ロジン)や、これらの未変性ロジンを重合、不均化、水素添加等により変性した変性ロジン(重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水素添加ロジン、部分水素添加ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等)の他、各種のロジン誘導体等が挙げられる。
前記ロジン誘導体としては、例えば、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジン)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール系樹脂;未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物(未変性ロジンエステル)や、変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物(重合ロジンエステル、安定化ロジンエステル、不均化ロジンエステル、完全水素添加ロジンエステル、部分水素添加ロジンエステル等)等のロジンエステル系樹脂;未変性ロジンや変性ロジンを不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン系樹脂;ロジンエステル系樹脂を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル系樹脂;未変性ロジン、変性ロジン、不飽和脂肪酸変性ロジン系樹脂や不飽和脂肪酸変性ロジンエステル系樹脂におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール系樹脂;未変性ロジン、変性ロジン等のロジン系樹脂(特に、ロジンエステル系樹脂)の金属塩等が挙げられる。
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、ジペンテン重合体等のテルペン系樹脂、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性等)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂)が挙げられる。
フェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、各種フェノール類(例えば、フェノール、m-クレゾール、3,5-キシレノール、p-アルキルフェノール、レゾルシン)とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、アルキルフェノール系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂)、前記フェノール類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒で付加反応させたレゾール、前記フェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒で縮合反応させて得られるノボラック等が挙げられる。
炭化水素系粘着付与樹脂(石油系粘着付与樹脂)としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂[炭素数4~5のオレフィンやジエン(ブテン-1、イソブチレン、ペンテン-1等のオレフィン;ブタジエン、1,3-ペンタジエン、イソプレン等のジエン)等の脂肪族炭化水素の重合体等]、脂肪族系環状炭化水素樹脂[いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後重合させた脂環式炭化水素系樹脂、環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテン等)の重合体又はその水素添加物、下記の芳香族系炭化水素樹脂や脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂等]、芳香族系炭化水素樹脂[炭素数が8~10であるビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデン、メチルインデン等)の重合体等]、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン-オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等が挙げられる。
粘着剤組成物に配合することができる粘着性付与剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、60質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。前記粘着性付与剤の含有量を前記範囲に調節することによって、十分な被着体との密着性を確保できる。
(1-5.粘着剤組成物の製造方法)
前記粘着剤組成物は、前記共重合体(A)、および、必要に応じて用いられる架橋剤(B)、その他添加剤を混合することにより製造することができる。前記粘着剤組成物は、前記共重合体(A)の製造に由来した溶媒を含有していたり、さらに適当な溶媒が加えられ、粘着剤層を形成するのに適した粘度となるように希釈された溶液であってもよい。
前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、粘着剤組成物が塗工に適した粘度となるように適宜調節すればよく、特に制限はないが、塗工性の観点から、粘着剤組成物の固形分濃度が10質量%~95質量%となるように用いることが好ましい。
なお、前記粘着剤組成物は、シリコーン化合物を実質的に含有しないことが好ましい。シリコーン化合物を実質的に含有しないことで、粘着剤組成物から形成される粘着剤層に存在するシリコーン化合物に起因する電気部品等への悪影響を防止できる。粘着剤組成物がシリコーン化合物を実質的に含有しないとは、溶媒を除いた成分(固形分)中のシリコーン化合物の量が、500μg/g以下であることをいい、好ましくは100μg/g以下である。前記シリコーン化合物とは、ケイ素と酸素からなるシロキサン結合(Si-O-Si)を主骨格とし、そのケイ素に有機基が結合したポリマーである。
(2.基材フィルム)
前記基材フィルムとしては、粘着フィルムの用途に応じて適宜選択して用いることができる。基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート、トリアセチルセロース(TAC)、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、フッ素ポリマー、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などのプラスチック材料から構成されたフィルムが挙げられる。前記プラスチック材料は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも機械的強度や寸法安定性に優れる点ではPETが好ましい。また、耐熱性に優れる点ではポリイミドが好ましい。すなわち、前記基材フィルムとしては、PETフィルム(特に、二軸延伸されたPETフィルム)、ポリイミドフィルムが好ましい。
前記基材フィルムの厚さは特に制限はなく、適宜選定されるが、通常5μm以上が好ましく、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上であり、200μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。厚さ5μmよりも薄いと基材フィルム強度が不足し、剥離時にフィルムが破れる等の問題が発生する。また、基材フィルムの厚さが200μmより厚いとフィルム自体が高価になる等の問題が発生する。
前記基材フィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、酸化法、凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。前記酸化法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。前記凹凸化法としては、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から、好ましく用いられる。また、前記基材フィルムとして片面または両面にプライマー処理を施したものも用いることができる。
(3.粘着剤層)
粘着剤層のゲル分率は、30質量%以上であり、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは60質量%~100質量%であり、さらに好ましくは70質量%~100質量%である。ゲル分率が低すぎると、粘着力が上昇しやくすく、剥離時の被着体汚染を生じやすい。ゲル分率は、粘着剤組成物における架橋剤の配合量、架橋処理温度、架橋処理時間により制御できる。
基材フィルム上に形成される粘着剤層の厚さは、例えば、粘着フィルムに求められる粘着力等に応じて適宜設定することができる。粘着剤層の厚さとしては、一般に1μm~100μmであり、好ましくは5μm~50μm、より好ましくは10μm~30μmである。
前記粘着剤層は、シリコーン化合物を実質的に含有しないことが好ましい。前記粘着剤層がシリコーン化合物を実質的に含有しないことで、電気部品等への悪影響をより防止できる。なお、シリコーン化合物を実質的に含有しないとは、粘着剤層中のシリコーン化合物の量が500μg/m2以下であることをいい、好ましくは100μg/m2以下のことをいう。
(3-1.粘着剤層の形成方法)
前記粘着剤層の形成方法としては特に限定されるものではなく、例えば、以下の(1)および(2)の方法のように粘着剤組成物を塗布して、乾燥する方法が挙げられる。
(1)種々の塗工装置を用いて、基材フィルムの片面または両面に粘着剤組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去し、必要に応じて養生を行う方法。
(2)表面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離面に、種々の塗工装置を用いて、粘着剤組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去し、基材フィルムの片面または両面に転写した後、必要に応じて養生を行う方法。
前記塗工装置としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、フォワードロールコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターブレードコーター、スロットダイコーター、カーテンコーター、ディップコーター等が挙げられる。
前記溶媒を乾燥除去する際の乾燥温度は、40℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上であり、150℃未満が好ましく、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。乾燥温度を150℃未満とすることで、形成される粘着剤層に環状エーテル基および酸性基を残存させやすくなる。乾燥時間は、好ましくは5秒~20分であり、より好ましくは10秒~10分である。乾燥の手段としては、熱風、近赤外線、赤外線、高周波等が挙げられる。また、前記養生の条件としては、例えば30℃~50℃で3日間~7日間程度が挙げられる。前記溶媒の乾燥除去および養生により架橋反応(共重合体(A)の酸性基と架橋剤(B)との反応)が終了し、粘着剤層が形成される。
(4.剥離フィルム)
前記粘着フィルムは、使用するまでは粘着剤層の表面に剥離フィルム(セパレータ)を有していてもよい。別途の剥離フィルムを使用せず、基材フィルムの粘着剤層積層面と反対面に剥離層が設けられ、当該剥離層の表面には前記粘着剤層の露出面側が接するようにロール状に巻き回され、または段積み状に積層されてなるものであってもよい。剥離フィルムは粘着剤層の保護材として用いられ、本発明の粘着フィルムを被着体に貼付する際に剥がされる。
前記剥離フィルムとしては、例えば、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙および各種プラスチックフィルムにシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。前記剥離フィルムに用いるプラスチックフィルムとしては、基材フィルムとして挙げたものを適宜使用することができる。剥離フィルムの厚さとしては特に制限はないが、通常、10μm~150μmである。
(5.粘着フィルムの用途)
前記粘着フィルムは、被着体表面に対する汚染が少ないことから、使用後に剥離される表面保護フィルム、マスキングフィルムや、半導体の製造工程で使用できる。また、前記粘着フィルムは、被着体に貼り付けた状態で高温に晒した場合でも、粘着力の増大が抑制される。そのため、前記粘着フィルムは、被着体に張り付けた状態で100℃以上(特に150℃以上)に晒される用途に好適に使用できる。例えば、被着体が150℃以上の高温雰囲気に晒される高温加工に使用することができる。
特に、前記粘着フィルムは、加熱処理後において、使用時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすく、剥離後の被着体表面に対する汚染が少ない。そのため、例えば、偏光板、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、透明基材の一方の面に透明電極として酸化インジウム錫(ITO)などの薄膜が形成された導電性フィルム、ガラス基板等の光学部材用の表面保護フィルムとして好適に用いることができる。また、QFNの製造工程において、リードフレームを支持するフィルムとして好適に用いることができる。
前記粘着フィルムは、23℃において、被着体に対する粘着力が0.1N/25mm~10N/25mmであることが好ましい。また、前記粘着フィルムは、熱処理(260℃、0.5時間)後の被着体に対する粘着力が0.1N/25mm~5.0N/25mmであることが好ましく、0.1N/25mm~4.0N/25mmであることがより好ましい。粘着力が10N/25mm以下であれば、被着体(例えば、光学部材、半導体素子)から粘着フィルムを剥離するときに、被着体の変形を抑制できる。また、粘着力が0.1N/25mm以上であれば、使用時に被着体から意図せずに剥離することが抑制される。
前記粘着フィルムは、前記粘着剤層の昂進倍率(熱処理後粘着力/熱処理前粘着力)が1以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.6以下である。昂進倍率が1以下であれば、熱処理後に粘着力が上昇せず、粘着フィルムを使用後に剥がしやすく作業性が良好となり、のり残りも生じにくくなる。昂進倍率を評価する際の熱処理条件は、260℃で0.5時間とする。
前記粘着フィルムは、粘着剤層の熱処理前のゲル分率(G1)と、粘着フィルムを150℃以上で3分間熱処理した後のゲル分率(G2)との比(G1/G2)が、1以下であることが好ましく、より好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下である。前記比(G1/G2)が1以下であれば、粘着フィルムが150℃以上の温度に晒された際に、粘着剤層中に残存している環状エーテル基、酸性基が反応していることとなる。つまり、粘着フィルムが150℃以上の温度に晒された際に、粘着力が過剰に増大することが抑制できる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、共重合体の重合率、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(PDI)、共重合体溶液の固形分および粘度、粘着剤層のゲル分率、並びに、粘着フィルムの熱処理前粘着力、熱処理後粘着力、熱処理後のり残り、150℃定荷重剥離は、下記の方法に従って評価した。なお、略語の意味は下記のとおりである。
BTEE:エチル-2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオネート
V-70:2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)
V-65:2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)
MA:メチルアクリレート
BA:n-ブチルアクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
AA:アクリル酸
AcOEt:酢酸エチル
<評価方法>
(重合率)
核磁気共鳴(NMR)測定装置(ブルカー・バイオスピン社製、型式:AVANCE500(周波数500MHz))を用いて、1H-NMRを測定(溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)した。得られたNMRスペクトルについて、モノマー由来のビニル基とポリマー由来のエステル側鎖のピークの積分比を求め、モノマーの重合率を算出した。
(重量平均分子量(Mw)および分子量分布(PDI))
高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、型式HLC-8320GPC)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)より求めた。カラムはTSKgel Super HZM-M(東ソー社製)を2本、移動相にテトラヒドロフラン溶液、検出器に示差屈折計を使用した。測定条件は、カラム温度を40℃、試料濃度を10mg/mL、試料注入量を10μm、流速を0.2mL/minとした。標準物質としてポリスチレン(分子量2,890,000、1,090,000、706,000、427,000、190,000、96,400、37,900、10,200、2,630、440)を使用して検量線(校正曲線)を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。この測定値から分子量分布(PDI=Mw/Mn)を算出した。
(固形分)
質量がW1(約1.0g)の共重合体溶液を、アルミカップ(質量W0)に量り取り、130℃、1時間減圧乾燥した。乾燥した共重合体を含むアルミカップの質量(W2)を測定して、以下の式より固形分を算出した。
固形分(質量%)=〔(W2-W0)/W1〕×100
(粘度)
B型粘度計(商品名:TVB-15、東機産業社製)を用い、M3のローターを使用して、25℃下、ローター回転数60rpmで粘度を測定した。
(ゲル分率(120℃))
粘着剤組成物を剥離フィルムに塗布し、60℃で2分間乾燥させ、さらに120℃で3分間乾燥した。その後、40℃にて3日間静置した後、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を剥離した。
粘着剤層を約0.1gを切り分け、試験片(質量W1)を得た。この試験片を、ステンレス鋼金網(400メッシュ)(質量W0)に入れた。試験片を入れたステンレス鋼金網を、酢酸エチル中に60℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、室温にて24時間乾燥、さらに130℃の条件下で1時間減圧乾燥させた。その後、乾燥した試験片を含むステンレス鋼金網の質量W2を測定して、以下の式よりゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=〔(W2-W0)/W1〕×100
(熱処理前粘着力)
粘着フィルムを被着体(日本タクト社製、SUSBA鋼板、厚さ1mm)に圧着装置(ローラの質量2kg)を用いて圧着させて、1分以内に、被着体に対して180°に引きはがした際の粘着力を測定した。測定は、引張試験器を使用し、試験温度は23℃、引きはがし速度は300mm/分とした。粘着フィルムの幅は25mm、長さは300mmとした。測定開始後、最初の25mmの長さの測定値は無視し、その後試験板から引きはがされた50mmの長さの粘着力測定値を平均した。
(熱処理後粘着力)
粘着フィルムを被着体(日本タクト社製、SUSBA鋼板、厚さ1mm)に圧着装置(ローラの質量2kg)を用いて圧着させた。この粘着フィルムを貼着した被着体を、260℃オーブンで0.5時間熱処理した。この被着体を室温まで放冷した後、粘着フィルムを被着体に対して180°に引きはがした際の粘着力を測定した。測定は、引張試験器を使用し、試験温度は23℃、引きはがし速度は300mm/分とした。粘着フィルムの幅は25mm、長さは300mmとした。測定開始後、最初の25mmの長さの測定値は無視し、その後試験板から引きはがされた50mmの長さの粘着力測定値を平均した。
また、熱処理後粘着力と熱処理前粘着力の値を用いて、式(昂進倍率=熱処理後粘着力/熱処理前粘着力)により昂進倍率を算出した。
(熱処理後のり残り)
前記熱処理後粘着力を測定した後の被着体上にのり残りがあるか目視によって判断した。のり残りがないものを「○」、のり残りがあるものを「×」と評価した。
(150℃定荷重剥離)
粘着フィルムを被着体(日本タクト社製、SUSBA鋼板、厚さ1mm)に圧着装置(ローラの質量2kg)を用いて圧着させた。粘着フィルムの幅は25mm、長さは50mmとした。23℃で20分養生した後、150℃の雰囲気下で被着体に対して90°の方向に50gの荷重を掛け、長さ方向50mmの距離が剥がれる剥離時間を測定した。定荷重剥離の剥離時間が100秒以上のものを「◎」、50秒以上のものを「〇」、50秒未満もしくは凝集破壊したものを「×」と評価した。
<共重合体の製造>
(製造例1:共重合体No.1)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(565.7g)、GMA(11.5g)、AA(22.8g)、V-70(74.0mg)、AcOEt(448.1g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(359.9mg)を加え、33℃で22時間反応させ、重合した。重合率は77.8%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.1を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.1のMwが504,000、PDIが1.5、溶液の固形分が28.4質量%、粘度が17,560mPa・sであった。
(製造例2:共重合体No.2)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(565.7g)、GMA(11.5g)、AA(22.8g)、V-70(74.0mg)、AcOEt(448.1g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(239.9mg)を加え、33℃で19時間反応させ、重合した。重合率は78.7%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.2を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.2のMwが640,800、PDIが1.6、溶液の固形分が21.2質量%、粘度が14,720mPa・sであった。
(製造例3:共重合体No.3)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(532.2g)、GMA(45.0g)、AA(22.8g)、V-70(111.0mg)、AcOEt(448.1g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(359.9mg)を加え、33℃で26時間反応させ、重合した。重合率は81.1%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.3を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.3のMwが527,000、PDIが1.9、溶液の固形分が23.6質量%、粘度が18,820mPa・sであった。
(製造例4:共重合体No.4)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(528.0g)、GMA(24.0g)、AA(48.0g)、V-70(111.0mg)、AcOEt(448.1g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(359.9mg)を加え、33℃で27時間反応させ、重合した。重合率は89.7%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.4を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.4のMwが481,000、PDIが2.0、溶液の固形分が19.2質量%、粘度が8,320mPa・sであった。
(製造例5:共重合体No.5)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、MA(162.0g)、BA(403.7g)、GMA(11.5g)、AA(22.8g)、V-70(92.5mg)、AcOEt(448.1g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(359.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は87.8%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.5を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.5のMwが506,000、PDIが1.6、溶液の固形分が19.9質量%、粘度が8,860mPa・sであった。
(製造例6:共重合体No.6)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(471.4g)、GMA(9.6g)、AA(19.0g)、V-65(1.3g)、AcOEt(500.0g)を仕込み、アルゴン置換後、55℃で5時間反応させ、その後、V-65(0.2g)、AcOEt(200.0g)を添加し、15時間反応させ、重合した。重合率は96.5%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.6を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.6のMwが696,000、PDIが6.1、溶液の固形分が22.2質量%、粘度が6,210mPa・sであった。
(製造例7:共重合体No.7)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(528.4g)、AA(22.1g)、V-70(84.8mg)、AcOEt(410.4g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(329.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は86.9%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.7を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.7のMwが370,300、PDIが1.4、溶液の固形分が27.3質量%、粘度が1,800mPa・sであった。
Figure 2022061158000004
<粘着剤組成物の製造>
(粘着剤組成物No.1)
製造例1で得た共重合体No.1の溶液100質量部(共重合体成分28.4質量部、AcOEt71.6質量部)に対して、架橋剤(TETRAD(登録商標)-C:三菱ガス化学社製、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノエチル)シクロヘキサン(エポキシ基量;10.14mmol/g))を0.031質量部、AcOEtを50.6質量部加え、撹拌して粘着剤組成物No.1を得た。
(粘着剤組成物No.2~8)
配合を表2に記載するように変更した以外は、粘着剤組成物No.1と同様にして、粘着剤組成物No.2~8を作製した。なお、表2において、溶剤の配合量は、共重合体の溶液に含まれていた溶剤と、粘着剤組成物を調製する際に追加した溶剤との合計量を記載している。
Figure 2022061158000005
<粘着フィルムの製造>
(粘着フィルムNo.1)
粘着剤組成物No.1を、ポリイミドフィルム(PI)フィルム(厚さ25μm、東レ・デュポン社製、「カプトン(登録商標)100V」)上に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布した。粘着剤組成物を塗布したPIフィルムを120℃で3分間乾燥させ、粘着剤層を有する粘着フィルムNo.1を作製した。得られた粘着剤層に剥離フィルム(厚み25μm、東山フイルム社製、「HY-PS11」)を貼付し、40℃にて3日間静置して養生した。
(粘着フィルムNo.2~8)
粘着剤組成物No.1を、粘着剤組成物No.2~8に変更したこと以外は、粘着フィルムNo.1と同様にして、粘着フィルムNo.2~8を作製した。
得られた粘着フィルムについてのゲル分率、粘着力、熱処理後のり残り、および、150℃定荷重剥離の評価結果を表3に示した。
Figure 2022061158000006
粘着フィルムNo.1~5は、粘着剤層が、環状エーテル基を有する構造単位(a-1)と酸性基を有する構造単位(a-2)とを含み、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(PDI)が3.0以下であるアクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物から形成されており、粘着剤層のゲル分率が30質量%以上である。これらの粘着フィルムNo.1~5は、十分な初期粘着力を有し、加熱時の剥がれも抑制できている(高温下の定荷重剥離性に優れる)。また、加熱後の粘着力上昇が抑えられ、むしろ粘着力が低下することで容易に剥離することが可能となり、のり残りもない。
粘着フィルムNo.3に使用されている粘着剤組成物No.3は、乾燥温度を150℃に変更した場合、ゲル分率が99.2質量%であった。具体的には、粘着剤組成物を剥離フィルムに塗布し、60℃で2分間乾燥させ、さらに150℃で3分間乾燥し、40℃にて3日間静置した後、剥離フィルムから剥離した粘着剤層のゲル分率を測定した。このことから、粘着フィルムNo.3は、粘着剤層中に未反応の環状エーテル基や酸性基が残存しており、150℃以上の高温に晒された場合、ゲル分率が増加することがわかる。
粘着フィルムNo.6は、粘着剤層のゲル分率が30質量%未満の場合である。この粘着フィルムNo.6では、熱処理後や高温下で被着体から粘着フィルムを剥がす際に、粘着剤層が凝集破壊を生じた。
粘着フィルムNo.7は、粘着剤組成物に含まれる共重合体をフリーラジカル法で重合した場合である。この粘着フィルムNo.7は、高温下の定荷重剥離性が劣る。
粘着フィルムNo.8は、粘着剤組成物に含まれる共重合体が、環状エーテル基を有する構造単位(a-1)を含有しない場合である。この粘着フィルムNo.8では、熱処理後や高温下で被着体から粘着フィルムを剥がす際に、粘着剤層が凝集破壊を生じた。
本発明の粘着フィルムは、例えば、偏光板、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、透明基材の一方の面に透明電極として酸化インジウム錫(ITO)などの薄膜が形成された導電性フィルム、ガラス基板等の光学部材の表面保護フィルム、QFNの製造工程において、リードフレームを支持するフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有し、
    前記粘着剤層が、リビングラジカル重合により得られた(メタ)アクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、
    前記(メタ)アクリル系共重合体が、環状エーテル基を有する構造単位(a-1)と、酸性基を有する構造単位(a-2)とを含み、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、
    前記粘着剤層のゲル分率が30質量%以上であることを特徴とする、粘着フィルム。
  2. 前記(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量が、20万~200万である請求項1に記載の粘着フィルム。
  3. 前記構造単位(a-1)が、下記一般式(1)で表される構造単位である請求項1または2に記載の粘着フィルム。
    Figure 2022061158000007
    [一般式(1)において、R11は、置換基を有していてもよいアルキレン基またはアリーレン基を表す。R12は水素原子またはメチル基を表す。]
  4. 前記構造単位(a-2)の酸性基が、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1~3のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  5. 前記構造単位(a-1)の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体全体100質量%中において、0.5質量%~15質量%である請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  6. 前記構造単位(a-2)の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体全体100質量%中において、1.0質量%~15質量%である請求項1~5のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  7. 前記構造単位(a-1)の前記構造単位(a-2)に対する質量比((a-1)/(a-2))が、0.03~1.0である請求項1~6のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  8. 前記(メタ)アクリル系共重合体が、下記一般式(2)で表される構造単位(a-3)を含有する請求項1~7のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
    Figure 2022061158000008
    [一般式(2)において、R21は、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を表す。R22は水素原子またはメチル基を表す。]
  9. 前記粘着剤組成物が、架橋剤を含有する請求項1~8のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  10. 前記粘着剤層が、シリコーン化合物を実質的に含有しない請求項1~9のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  11. 150℃以上の高温加工に使用されるものである請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  12. 前記粘着剤層が、粘着剤組成物を塗布し、150℃未満の温度で乾燥して形成された粘着剤層である請求項1~11のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  13. 前記粘着フィルムを、260℃で0.5時間熱処理した時、前記粘着剤層の昂進倍率(熱処理後粘着力/熱処理前粘着力)が1以下である請求項1~12のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
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