JP6642046B2 - 粒状窒素肥料および粒状窒素肥料の製造方法 - Google Patents

粒状窒素肥料および粒状窒素肥料の製造方法 Download PDF

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本発明は、粒硬度が高いため粉体発生量が少なく、保管中の固結性の低い粒状窒素肥料およびその製造方法に関するものである。
窒素肥料の一つである硫安は、工業的にはコークス炉廃ガスを硫酸と接触させることや、カプロラクタムの生成過程において、カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加して得られる硫安水溶液を晶析することで得られる。肥料として求められる硫安の物理的性質は、「機械施肥に支障がないこと」「粒径2〜4mmに大部分が収まること」「粒径2.0〜2.8mmのものについての圧壊強度の平均が2kgf以上」「水分1.0%以下」「安息角40°以下」「製品の固結等理化学的品質に悪影響をおよぼさないこと」とされている(非特許文献1)。
窒素肥料の硫安粉状品および細粒品は、粒が小さく舞いやすいため、機械散布時の発塵や、流路つまりが生じやすく、肥料として必須用件である「機械施肥に支障がないこと」には適さない。散布時の発塵が少なく、流路のつまりが生じづらいことは、機械散布が主流である広大な農地での施肥において重要である。そこで、これら課題を克服すべく硫安の粉状品および細粒品を粉状窒素肥料として造粒し、粒径を2〜4mm程度に粒径を大きくすることで粒径が大きいため、圧壊強度が高く、流動性が良好な肥料とすることが検討されている(特許文献1〜5)。
例えば、バリが少なく、圧壊強度が高く、窒素濃度が高く、固結しづらいといった肥料に適した物理的特性を持つ造粒窒素の肥料の造粒方法を提供するために、窒素肥料を圧縮造粒する際の、ポケットサイズ、造粒圧力、バリ厚みを制御することで窒素肥料を造粒する方法(特許文献1)や、硫安結晶を中間サイズ、小さいサイズ、大きいサイズに分離し、中間サイズを肥料に適したサイズとして単離後、小さいサイズ、大きいサイズからなる残留結晶を原料として粒状肥料に造粒する方法(特許文献2)が提案されている。
また粒状窒素肥料の製造においては、肥料として取り扱う際に、造粒した硫安が粉状になる「粉化」や、長期間保管した際に製造した造粒硫安同士が固まる「固結」が発生すると、機械散布時の作業性を悪化させてしまう。そのため、粉化や固結を抑制する方法が検討されている。例えば、粉化については、造粒後に分級して得られた微粒硫安を原料硫安と混合してコンパクタに投入することで、角張った形状の微粒硫安と丸い形状の硫安が混合することで、圧縮されて強く固まり、保管 ・取り扱い中に崩壊しにくい造粒方法(特許文献3)が提案されている。固結については、粒状硫安を造粒するにあたり、硫安の一部にワックスや界面活性剤などの固結防止剤を添加してから、残りの硫安を混合して圧縮造粒する方法(特許文献4)や、粒状窒素肥料にトレハロースなど糖類を溶質とする溶液を混合することで被覆し、水分の吸収及び放出を抑制して固結防止する方法(特許文献5)がある。
特開2013−177287号公報 特表2011−529431号公報 特開2008−127238号公報 特開2013−245147号公報 特開2013−163625号公報
くみあい肥料の品質の考え方(JA全農 営農・技術センター 肥料研究室 2009.7.2)
前記の通り、様々な粒状窒素肥料やその製造方法が提案されており、粒状窒素肥料の長期保管中に問題となる固結についてはその防止対策として固結防止材の添加を行うなど実施しているが、十分な効果が得られていない。また、固結防止材の添加は追加工程が必要なためコストが高くなる。特許文献1では、粒状品であれば、粒径が大きいため圧壊強度が高く、比表面積が低いため、水分が低く固結が発生しづらいと記載されているが、圧壊強度が高く、比表面積が低ければ、必ずしも水分が低いわけではなく、水分が多ければ粒径が大きくても固結が発生する。特許文献2では、結晶の粒径を選択して造粒しているが、中間サイズを造粒せずに単離することが目的であり、固結防止に対する効果はない。また物理的特性に影響を及ぼす添加剤の使用について特許文献2に記載があるが、固結防止材を加えるとしても追加工程や追加コストが必要である。特許文献3では、造粒後に分級して得られた微粒硫安を原料硫安と混合して造粒することで崩壊しにくい硫安とすることが記載されているが、微粒硫安のリサイクルは一般的に実施されている内容であるのに加えて、固結防止に対する効果は記載がなく、また特許文献1と同様に水分が高ければ固結が発生する。特許文献4では、原料硫安の一部にワックスや界面活性剤などの固結防止剤を添加してから、残りの硫安を混合して圧縮造粒することで固結防止材の表面分布を不均一として固結を防止しているが、この方法では、固結防止材が必要であるうえに、固結防止材と硫安の混合工程に加えて混合物と硫安との混合工程がさらに必要となる。特許文献5では、粒状窒素肥料にトレハロースなど糖類を溶質とする溶液を混合することで粒状窒素肥料を被覆し、水分の吸収及び放出を抑制して固結防止しているが、固結防止材の添加のための工程や固結防止材のコストが必要となる。
本発明は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、原料として、二次元X線回折したとき、入射X線の方向と検出器の方向のなす角2θ=72.3°における配向度が0.995以上となる細粒結晶硫安を60wt%以上含む原料を使用することで、水分含有量が低くてアンモニア性窒素含有量が高く、保管時の固結性が低い粒状窒素肥料を得ることができることを見出した。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
1.二次元X線回折測定において入射X線の方向と検出器の方向のなす角2θ=72.3°における配向度が0.995以上である細粒結晶硫安を60wt%以上含むことを特徴とする粒状窒素肥料。
2.細粒結晶硫安の粒径が1.7mm以下であり、水分含有率が0.3wt%以下であり、かつアンモニア性窒素含有率が20.5%以上である、1に記載の粒状窒素肥料。
3.圧壊強度が3.0kgf以上である、1または2に記載の粒状窒素肥料。
4.粒状窒素肥料750gを60kgの錘で1ヶ月荷重をかけた後の固結率が20%以下である1〜3のいずれかに記載の粒状窒素肥料。
5.固結強度が0.5kg/cm以下である、1〜4のいずれかに記載の粒状窒素肥料。
6.表面にタルク、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、カオリン、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種の固結防止材を含む、1〜5のいずれかに記載の粒状窒素肥料。
7.1〜6のいずれかに記載の粒状窒素肥料と、リン成分を含有する粒状肥料および/またはカリウム成分を含有する粒状肥料とを含む混合肥料。
8.下記の工程1)〜3)を含む、6に記載の粒状窒素肥料の製造方法、
1)二次元X線回折測定において入射X線の方向と検出器の方向のなす角2θ=72.3°における配向度が0.995以上である細粒結晶硫安を60wt%以上含む原料を造粒して粒状物を得る造粒工程、
2)1)で得られた粒状物を整粒して形状を調節する整粒工程、
3)2)で整粒された粒状物にタルク、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、カオリン、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種の固結防止材を添加し被覆する被覆工程。
9.圧縮成型方式で原料を造粒する、8に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
10.一対のローラーを用いたブリケット方式により原料を圧縮して造粒する、8に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
11.カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加してカプロラクタムと硫安水溶液を得た後、硫安水溶液を圧力10.1kPa abs以上で晶析して原料を造粒する、8に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
12.下記の工程1)〜3)を含む、1〜5のいずれかに記載の粒状窒素肥料の製造方法、
1)二次元X線回折測定において入射X線の方向と検出器の方向のなす角2θ=72.3°における配向度が0.995以上である細粒結晶硫安を60wt%以上含む原料を造粒して粒状物を得る造粒工程、
2)1)で得られた粒状物を整粒し形状を調節する整粒工程、
3)2)で整粒された粒状物を乾燥する乾燥工程。
13.圧縮成型方式で原料を造粒する、12に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
14.一対のローラーを用いたブリケット方式により原料を圧縮して造粒する、12に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
15.カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加してカプロラクタムと硫安水溶液を得た後、硫安水溶液を圧力10.1kPa abs以上で晶析して原料を造粒する、12に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
本発明によれば、低水分、高アンモニア性窒素の細粒結晶硫安を含む粒状窒素肥料とすることで、粒状窒素肥料の粒硬度が高く、かつ保管時に固結しにくい粒状窒素肥料を得ることができる。
<細粒結晶硫安>
細粒結晶硫安は、カプロラクタムの製造において、カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加してカプロラクタムと硫酸アンモニウムを得た後に、カプロラクタム水溶液と硫安水溶液を分離して得られる硫安水溶液や、コークス炉ガスを硫酸と接触させて得られる硫安水溶液から、晶析により結晶化されたものであり、結晶と母液の分離については、公知の方式で行われる。例えば、遠心によって液体から分離した後、場合によっては、結晶を乾燥することで得られる。細粒結晶硫安は、晶析時に過飽和度が高すぎると結晶が急激に凝集して母液を取り込み、粒径が大きく、水分が高く、不純物が多くなるため、圧力10.1kPa abs以上の圧力として晶析することで、結晶配向した、結晶性の高い細粒結晶硫安を得ることができる。結晶性の高さは、二次元X線回折を行うことで測定することができ、測定結果から求められる配向度が0.995以上であることが好ましい。さらに好ましくは配向度が0.997以上であり、配向度が1.0であれば、結晶性が最も高い場合であり、最も好ましい。また細粒結晶硫安を含む割合は、60wt%以上が好ましく、さらに好ましくは80%以上であり、100%であれば、結晶性の高い細粒結晶硫安のみとなり、最も好ましい。なお、配向度とは、結晶の揃い具合を示す指標であり、二次元X線回折において、あおり角χ(°)に応じて得られた配向性ピークの半値幅(°)より下記式(1)で示される。
配向度=(180−配向性ピーク半値幅)/180・・・(1)
また細粒結晶硫安の粒径は、結晶同士が凝集して母液を取り込んでいない小さい粒径ほど固結性の改善につながるため、1.7mm以下が好ましい。より好ましくは、1.4mm以下であり、さらに好ましくは1.18mm以下である。細粒結晶硫安の粒径は、篩い(目開き10メッシュ=1.7mm、12メッシュ=1.4mm、14メッシュ=1.18mm)で分級して求めることができる。
<粒状窒素肥料>
本発明では、粒状窒素肥料は、配向度の高い細粒結晶硫安を原料として使用することにより、低水分で、高アンモニア性窒素含有量とし、固結性を改善することができる。
粒状窒素肥料の水分率は、長期保管中の粒状肥料組成物同士の固結を防止する観点で0.3%以下であることが好ましい。より好ましくは0.2%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下であり、完全に水分を乾燥させた0%であれば全く固結しないため最も好ましい。なお、粒状肥料組成物の水分率は、公定肥料分析法に従い加熱減量法で測定した値である。
粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は、単位重量当たりの窒素源としての肥料効果の面から、20.5%以上が好ましく、21.0%以上がさらに好ましい。
粒状窒素肥料の粒径は、機械施肥において、肥料の到達距離を確保するため、2〜4mmが好ましい。より好ましくは2.5〜3.5mmである。
粒状窒素肥料の形状は、機械施肥をした場合、作物の葉などに付着せず土壌に落下するよう丸形状であることが好ましい。丸形状ではない、例えば平らな形状の圧片肥料であると、葉に付着して落下せず栄養分供給が乏しくなる恐れがある。粒状肥料組成物の粒径は、篩い分けを行って測定する。
粒状窒素肥料の粒硬度(圧壊強度)は、3〜5kgfの範囲であることが好ましい。粒硬度(圧壊強度)が3kgf未満であると、製造時に粒状窒素肥料が粉化しやすく、製造時の収率が低下する。また、粒状窒素肥料の保管中にも粉化が発生しやすく、粒状物同士の固結の原因となる。一方、粒硬度(圧壊強度)が5kgfを越える場合は、土壌中での粒状窒素肥料の崩壊性が悪く、肥効が低下する。より好ましくは3〜4.5kgfの範囲であり、さらに好ましくは3.5〜4.5kgfの範囲である。なお、粒状窒素肥料の粒硬度(圧壊強度)の測定にあたっては、木屋式硬度計で20粒を測定し、その測定結果の平均値を粒硬度(圧壊強度)とする。
粒状窒素肥料の収率は、造粒時および整粒時の肥料組成物の廃棄量をできるだけ削減するため、あるいは廃棄せずに造粒工程へリサイクルするためには55%以上であることが好ましい。より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、完全に回収できた場合100%が最も好ましい。なお、収率とは、投入原料の重量に対する造粒および整粒して得られた粒状窒素肥料の重量であって、下記式(2)で示される。
収率=(粒状窒素肥料の重量)/(投入原料重量)×100(%)・・・(2)
粒状窒素肥料の固結強度は、0.5kg/cm以下であることが好ましい。0.5kg/cm以上であると、例えば固結部分がフレキシブルコンテナバッグから流れ出ないため、ホッパーに投入することが容易ではない、あるいは機械施肥において生育させる植物まで粒状窒素肥料をまくことができないなど、取り扱い性に劣る恐れがある。より好ましくは固結強度が0.3kg/cm以下であり、さらに好ましくは0.1kg/cm以下である。なお、固結強度は、山中式土壌硬度計を使用して針部を肥料上面に対して垂直に圧入して測定した値である。
粒状窒素肥料の取り扱いを容易にするため固結率は20%以下であることが好ましい。固結率が20%を越えると上記と同様に流動性が悪くなったり、機械施肥ができない恐れがある。より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、全く固結がない0%が最も好ましい。なお、固結率は粒状窒素肥料750gに対して60kgの錘で一ヶ月荷重後の粒状肥料組成物のうち固結部分重量の割合であり、下記式(3)で示される。
固結率=(一ヶ月間荷重後の固結部分重量(g))/750×100 ・・・(3)
本発明で得られた粒状窒素肥料は、固結防止材としてタルク、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、カオリン、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種を表面に含むことができる。また、リン成分を含有する粒状肥料組成物および/またはカリウム成分を含有する粒状肥料組成物をドライブレンドして得られる混合肥料として使用ができる。この混合肥料は任意の割合でブレンドできるため、作物毎に対応したブレンドを行うことができる。
<粒状窒素肥料の製造方法>
粒状窒素肥料の造粒方法は、圧縮造粒が好ましく、圧縮造粒装置は、タブレット方式、板状方式、ブリケット方式の何れを用いても問題ないが、タブレット方式では生産効率が低く粒状窒素肥料の大量生産が困難であり、また板状方式では球形でバリの少ない造粒窒素肥料を生産することが困難であるため、ブリケット方式を用いることが好ましい。ブリケット方式の圧縮造粒装置としては、例えばブリケッタ(登録商標)BSS型(新東工業製)などを好ましく用いることができる。
原料の細粒結晶硫安を圧縮造粒装置に供給する方法は、特に制限はされないが、例えば細粒結晶硫安をホッパーに貯蔵し、ホッパーに付帯した搬送コンベアより造粒装置に直接供給、またはホッパー搬送コンベアからベルトコンベアやバケットコンベア等を経由して造粒装置へ供給することができる。
造粒圧力とは、原料の細粒結晶硫安に加わる総荷重を有効幅で除算した値(線圧)を示し、有効幅とは、原料の細粒結晶硫安に荷重が加わる部分における、圧縮機側の長径を示す。例えば、タブレット方式であれば有効幅はタブレット部分の長径であり、ローラーを用いたブリケット方式であれば、有効幅はローラーにて原料の細粒結晶硫安が圧縮されている部分の長さである。造粒圧力は、0.6〜30.0kN/cmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは3.0〜20.0kN/cmであり、さらに好ましくは、5.0〜15.0kN/cmである。造粒圧力が上記を超えて低くなると、圧力不足のため、細粒結晶硫安の造粒自体が起こらない恐れがある。造粒圧力が上記を超えて高くなると、圧縮造粒機に必要以上の荷重がかかるため、装置寿命が著しく低下する恐れがある。
圧縮造粒機のバリ厚みとは、原料の細粒結晶硫安に荷重が加わる部分における原料の細粒結晶硫安の短径を示す。例えばタブレット方式であれば、バリ厚みはタブレット部分の短径であり、ローラーを用いたブリケット方式であれば、バリ厚みはロール間距離(クリアランス)の最も短い長さのことである。バリ厚みは、1.00〜2.50mmの範囲内にあることが好ましく、1.20〜2.00mmの範囲内にあることがより好ましい。バリ厚みが上記を超えて低くなると、粒状窒素肥料の圧壊強度・収量ともに低下する傾向にある。バリ厚みが上記を超えて高くなると、粒状窒素肥料の形状が肥料散布に不適となることや、造粒した粒状窒素肥料を、例えば解砕ボールを用いた振動篩で解砕し粒径を揃える場合、篩いの目詰まりの原因となる恐れがある。
単位時間・単位長さあたりの造粒機が処理可能な原料の細粒結晶硫安(以下造粒効率と称する)とは、造粒機に供給した原料の細粒結晶硫安を1時間あたりの供給量に換算し、さらに有効幅にて除算した、単位時間・単位長さあたりの造粒能力を示す。
圧縮造粒機で造粒した粒状窒素肥料は、解砕、整粒、分級を行うことで、肥料として好ましい形状の粒状窒素肥料を得ることができる。
粒径の揃った粒状窒素肥料を得るために、解砕機を用いて圧縮造粒後の粒状窒素肥料を解砕することが好ましい。解砕機の種類に特に制限は無く、例えば、ジョークラッシャー・ロールクラッシャーなどの各種クラッシャーや、ローラーミル・カッティングミルなどの各種ミル、解砕メディアを添加した振動篩などが好ましく用いられる。また、これらの解砕機を組み合わせて用いることも可能である。
球形でバリの少ない粒状窒素肥料を得るために、整粒機を用いて整粒することが好ましい。整粒機の種類に特に制限はなく、例えば高速転動方法、オシレータ式、架砕方式、遠心回転方式などが好ましく用いられ、高速転動方式の球形整粒機であるマルメライザー(登録商標:ダルトン製)を用いて粒状窒素肥料を整粒することがより好ましい。
整粒機の処理時間は、0.2〜5.0分の範囲内にあることが好ましく、0.3〜3.0分の範囲内であることがより好ましい。整粒機の処理時間が上記を超えて低くなると、粒状窒素肥料のバリ除去が不十分となる恐れがある。整粒機の処理時間が上記を超えて高くなると、バリ以外の部分が切削される量が増加し、粒状窒素肥料の収量が低下する恐れがある。さらに整粒処理に必要な時間が多くなるため、単位時間あたりの造粒状窒素肥料収量も低下する恐れがある。
整粒機の回転速度は、50〜2000回転/分の範囲内にあることが好ましく、100〜1500回転/分の範囲内にあることがより好ましい。整粒機の回転速度が上記の範囲より低くなると、粒状窒素肥料のバリ除去が不十分となり、さらに整粒処理に必要な時間が多くなるため、単位時間あたりの粒状窒素肥料収量も低下する恐れがある。整粒機の回転速度が上記の範囲を超えて高くなると、騒音増加および機器寿命の低下といった問題が生ずる恐れがある。
所定の粒径以上の粒状窒素肥料を得るために、分級機を用いて粒状窒素肥料を分級することが望ましい。乾式分級が可能なものであれば、分級機の種類に特に制限はないが、振動篩を用いることが好ましい。篩の目開きは、所定の粒径を得られる大きさであれば特に制限はないが、1.8〜2.2mm、および3.8〜4.2mmの目開きであることが好ましく、これら目開きを有する篩を組み合わせて粒径2.0〜4.0mmの粒状窒素肥料を得る分級方法が好ましい。
バリが少なく、圧壊強度が高く、窒素濃度が高く、粉塵の発生も少なく、固結が起こりづらい粒状窒素肥料を得るために、圧縮造粒機を用いて細粒結晶硫安を原料として造粒し、解砕機を用いて圧縮造粒後の粒状窒素肥料を解砕した後、球形整粒機を用いて解砕後の粒状窒素肥料を整粒し、分級機を用いて整粒の粒状窒素肥料を分級することが好ましい。各工程における粒状窒素肥料の輸送方法に制限はないが、自然落下・コンベア輸送・風送などを用いることが可能であり、コンベア輸送で原料である細粒結晶硫安を造粒機に輸送した後、自然落下で解砕機・球形整粒機・分級機へ輸送する方法が好ましい。これら輸送機器を含めた機器の接粉部分については、粒状窒素肥料に耐食性を持つ材質を用いることが好ましく、SUS316Lまたは樹脂を用いることが好ましい。
圧縮造粒機を用いて原料である細粒結晶硫安を造粒し、解砕機を用いて圧縮造粒後の粒状窒素肥料を解砕した際、また球形整粒機を用いて解砕後の粒状窒素肥料を整粒し、分級機を用いて整粒の粒状窒素肥料を分級した際に得られる篩下の微粉は、再度、原料である細粒結晶硫安中にリサイクルして混合し、造粒の原料として使用することができる。
造粒および整粒して粒状物を製造した後、粒状窒素肥料に、固結防止材としてタルク、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、カオリン、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、フッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種を粒状窒素肥料表面に被覆して粒状窒素肥料とすることができる。被覆する方法としては、粒状窒素肥料を造粒および整粒し、分級機で分級した後に均一に被覆されていれば、分級機出口で添加してもよいし、ミキサーを用いて混合し被覆してもよいし、ベルトコンベア上で吹き付けを行って被覆してもよい。
粒状窒素肥料に対する固結防止材の添加量は、粒状窒素肥料100重量部に対して0.05〜0.5重量部が好ましく、装置への付着によるロスや、単位重量当たりの窒素含有量への影響がなく、肥料として崩壊性がよい硬度の肥料を得るためには粒状窒素肥料100重量部に対して0.1〜0.3重量部がより好ましい。装置への付着ロスをより少なくするためには、粒状窒素肥料100重量部に対して0.15〜0.25重量部がさらに好ましい。
造粒および整粒して粒状物を製造した後、粒状窒素肥料を乾燥して低水分化することも可能である。乾燥機の種類について特に制限はなく、回転式乾燥機、流動層乾燥機など熱風受熱式乾燥機や、攪拌乾燥機、赤外線加熱乾燥機など伝道伝熱型乾燥機が用いられるが、乾燥機の導入コストが低いことや、乾燥時の回転による整粒効果が見られることから、回転式乾燥機が好ましく用いられる。乾燥温度は、60〜150℃が好ましく、さらに好ましくは、100〜130℃である。乾燥温度が上記を超えて低くなると、乾燥による水分低減が不十分となり乾燥時間を長時間要して装置内部での粉化や生産性の悪化を招き、乾燥温度が上記を超えて高くなると、粒状窒素肥料の分解により、アンモニア性窒素濃度の低下を引き起こす恐れがある。乾燥時間は、5〜60分が好ましく、さらに好ましくは、10〜30分である。乾燥時間が上記を超えて低くなると、乾燥効果が低く、水分低減が不十分となり、乾燥時間が上記を超えて高くなると、長時間加熱により装置内部での粉化や生産性の悪化を招く恐れがある。
本発明の実施例を以下に示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。ここで、実施例中の部数は重量部を示す。物性等の測定方法は以下のとおりである。
(1)粒径
粒径は、目開き2mmおよび4mmの篩いを使用して、下記式により2〜4mmの粒径の割合を算出した。
2〜4mm粒径(%)=粒径2〜4mmの重量/篩い分けサンプル重量×100
(2)収率
投入原料(細粒結晶硫安+篩い下微粉)の重量に対する造粒および整粒して得られた粒状窒素肥料の重量であって、下記式により算出した。
収率(%)=(粒状窒素肥料の重量)/(投入原料重量)×100
(2)粒硬度(圧壊強度)
木屋式硬度計で粒状窒素肥料20粒それぞれの粒硬度(圧壊強度)を測定し、その平均を求めた値である。
(3)アンモニア性窒素
公定肥料分析方法に定められたアンモニア性窒素測定方法のうち、アンモニウムイオンをヘキサチナレンテトラミンとし、遊離する酸を滴定するホルムアルデヒド法で測定した値である。
(4)水分率
粒状窒素肥料の水分率は、乾燥前の粒状窒素肥料を130℃で3時間乾燥後重量測定を行った際の加熱減量により求めた値であり、下記式で算出した。
水分率(%)=(乾燥前の粒状窒素肥料重量−乾燥後の粒状窒素肥料重量)/(加熱前の粒状窒素肥料重量)×100
(5)固結強度
山中式土壌硬度計を使用して針部を肥料上面に対して垂直に圧入して測定した値である。
(6)固結率
粒状窒素肥料750gに対して60kgの錘で一ヶ月間荷重後の粒状窒素肥料のうち固結部分重量の割合であり、下記式で算出した。
固結率(%)=(一ヶ月間荷重後の固結部分重量(g))/750×100
(実施例1)
配向度0.997の細粒結晶硫安100重量部を原料とした。該原料を造粒機としてブリケッタ(登録商標)BSS−IH型(新東工業製)に供給し、ロール有効幅を150mm、ロール圧力を8.3kN/cm、バリ厚みを1.70mm、ポケットサイズを3.3mm、ローラー回転数85rpmで造粒を行い、粗砕機にて破砕した後、目開き6.7mm、5.2mm、2.2mmの篩いを有する3段解砕篩機(興和工業所製)に投入し、解砕メディア(ナイロン硬球ボール上段200個、下段200個)で解砕し、篩上品を回収した。続いて、マルメライザー(ダルトン製)に篩上解砕品を投入し、回転速度225rpmで15秒間整粒処理を行った後に、目開き2mmの篩を有する円形振動篩機(ダルトン製)に送り、分級を行った後、目開き2mmの篩上品を粒状肥料組成物として回収した。粒状肥料組成物の2〜4mm粒径が98.5%で、収率は59.2%で、粒硬度(圧壊強度)は3.3kgfであった。また、粒状肥料組成物のアンモニア性窒素は21.1%、水分率は0.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は9.0%、固結強度は0.2kg/cmであった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で粒状肥料組成物を作製した後、円形振動篩い工程において粒状窒素肥料100重量部に対して0.2重量部のタルク(浅田製粉SW−A)を添加して、粒状窒素肥料表面をタルクで被覆処理した。粒状窒素肥料組成物の2〜4mm粒径が98.2%で、収率は58.5%で、粒強度は3.2kgfであった。また、粒状窒素肥料組成物のアンモニア性窒素は21.1%、水分率は0.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は4.0%、固結強度は0.1kg/cmであった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で粒状窒素肥料を作製した後、粒状窒素肥料を熱風乾燥機に入れて、130℃で20分間乾燥した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が97.9%で、収率は57.8%で粒硬度(圧壊強度)は3.9kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.1%、水分率は0.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cmであった。
(実施例4)
配向度0.997の細粒結晶硫安60重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉40重量部を混合して原料とする以外は、実施例1と同様の方法で粒状窒素肥料を作製した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が98.1%で、収率は60.5%で粒硬度(圧壊強度)は3.7kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.1%。水分率は0.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は13.5%、固結強度は0.3kg/cmであった。
(実施例5)
配向度0.997の細粒結晶硫安70重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉30重量部を混合して原料とする以外は、実施例1と同様の方法で粒状窒素肥料を作製した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が98.2%で、収率は60.1%で粒硬度(圧壊強度)は3.6kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.1%。水分率は0.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は12.8%、固結強度は0.3kg/cmであった。
(実施例6)
配向度0.997の細粒結晶硫安80重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉20重量部を混合して原料とする以外は、実施例1と同様の方法で粒状窒素肥料を作製した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が98.2%で、収率は59.5%で粒硬度(圧壊強度)は3.4kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.1%。水分率は0.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は12.1%、固結強度は0.2kg/cmであった。
(実施例7)
配向度0.997の細粒結晶硫安90重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉10重量部を混合して原料とする以外は、実施例1と同様の方法で粒状窒素肥料を作製した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が98.3%で、収率は59.1%で粒硬度(圧壊強度)は3.3kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.1%。水分率は0.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は11.5%、固結強度は0.2kg/cmであった。
(実施例8)
配向度0.997の細粒結晶硫安60重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉40重量部を混合して原料とする以外は、実施例2と同様の方法で粒状窒素肥料組成物を作製した。その結果、粒状窒素肥料組成物の2〜4mm粒径が97.5%で、収率は59.2%で粒硬度(圧壊強度)は3.5kgfであった。また、粒状窒素肥料組成物のアンモニア性窒素は21.1%で、水分率は0.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は9.5%、固結強度は0.2kg/cmであった。
(実施例9)
配向度0.997の細粒結晶硫安60重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉40重量部を混合して原料とする以外は、実施例1と同様の方法で粒状肥料組成物を作製した後、粒状窒素肥料を熱風乾燥機に入れて、130℃で20分間乾燥した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が97.1%で、収率は58.9%で粒硬度(圧壊強度)は4.0kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.1%、水分率は0.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cmであった。
(実施例10)
実施例8と同様の方法で粒状窒素肥料組成物を作製した。得られた粒状窒素肥料組成物100重量部に対して、リン安粒状物60重量部および塩化カリ粒状物40重量部を容器に入れて混合し、混合肥料とした。混合肥料の固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cmであった。
(実施例11)
固結防止材のタルクをベントナイトに変更して実施例5と同様の方法で粒状窒素肥料組成物を作製した。その結果、粒状窒素肥料組成物の2〜4mm粒径が92.8%で、収率は29.0%で粒硬度(圧壊強度)は3.0kgfであった。また、粒状窒素肥料組成物のアンモニア性窒素は21.0%、水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は43.5%、固結強度は2.5kg/cmであった。
(比較例1)
配向度0.997の細粒結晶硫安50重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉50重量部を混合して原料とする以外は、実施例1と同様の方法で粒状窒素肥料を作製した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が97.8%で、収率は60.4%で粒硬度(圧壊強度)は3.4kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.1%。水分率は0.3%、固結テスト1ヶ月後の固結率は19.5%、固結強度は0.9kg/cmであった。
(比較例2)
配向度0.989の細粒結晶硫安60重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉40重量部を混合して原料とする以外は、実施例1と同様の方法で粒状窒素肥料を作製した。その結果、粒状窒素肥料の2〜4mm粒径が98.1%で、収率は61.0%で粒硬度(圧壊強度)は2.7kgfであった。また、粒状窒素肥料のアンモニア性窒素は21.0%、水分率は0.5%、固結テスト1ヶ月後の固結率は73.0%、固結強度は3.0kg/cmであった。
(比較例3)
配向度0.989の細粒結晶硫安60重量部と造粒、整粒後にそれぞれ分級を行って得られた篩下微粉40重量部を混合して原料とする以外は、実施例2と同様の方法で粒状窒素肥料組成物を作製した。その結果、粒状窒素肥料組成物の2〜4mm粒径が97.5%で、収率は60.2%で粒硬度(圧壊強度)は2.5kgfであった。また、粒状窒素肥料組成物の水分率は0.5%、固結テスト1ヶ月後の固結率は56.4%、固結強度は2.1kg/cmであった。
Figure 0006642046
以上のように、配向度0.995以上の細粒結晶硫安を60wt%以上含む細粒結晶硫安を原料とした粒状窒素肥料とすることで、配向度0.995未満の細粒結晶硫安を60wt%以上の細粒結晶硫安を原料とした粒状窒素肥料と比較して、粒状窒素肥料の粒硬度が高くて粉化率しにくく、水分が低く保管中に固結しにくくすることができた。
本発明により、細粒結晶硫安を原料として、粒硬度が高く水分が低いため粉体発生量が少なく、保管中の固結性の低い粒状窒素肥料を得ることができ、肥料としての取り扱いや、機械散布が容易になるとともに、本発明で得られる粒状窒素肥料は、水に溶解するまでの時間も長いため、単肥・混合肥料いずれにおいても、窒素分を効果的に利用することが可能となる。

Claims (13)

  1. 二次元X線回折測定において入射X線の方向と検出器の方向のなす角2θ=72.3°における配向度が0.995以上であり、粒径が1.7mm以下であり、水分含有率が0.3wt%以下であり、かつアンモニア性窒素含有率が20.5%以上である細粒結晶硫安を60wt%以上含むことを特徴とする粒状窒素肥料。
  2. 圧壊強度が3.0kgf以上である、請求項に記載の粒状窒素肥料。
  3. 粒状窒素肥料750gを60kgの錘で1ヶ月荷重をかけた後の固結率が20%以下である、請求項1または2に記載の粒状窒素肥料。
  4. 固結強度が0.5kg/cm以下である、請求項1〜のいずれかに記載の粒状窒素肥料。
  5. 表面にタルク、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、カオリン、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種の固結防止材を含む、請求項1〜のいずれかに記載の粒状窒素肥料。
  6. 下記の工程1)〜3)を含む、請求項に記載の粒状窒素肥料の製造方法、
    1)二次元X線回折測定において入射X線の方向と検出器の方向のなす角2θ=72.3°における配向度が0.995以上であり、粒径が1.7mm以下であり、水分含有率が0.3wt%以下であり、かつアンモニア性窒素含有率が20.5%以上である細粒結晶硫安を60wt%以上含む原料を造粒して粒状物を得る造粒工程、
    2)1)で得られた粒状物を整粒して形状を調節する整粒工程、
    3)2)で整粒された粒状物にタルク、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、カオリン、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種の固結防止材を添加し被覆する被覆工程。
  7. 圧縮成型方式で原料を造粒する、請求項に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
  8. 一対のローラーを用いたブリケット方式により原料を圧縮して造粒する、請求項に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
  9. カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加してカプロラクタムと硫安水溶液を得た後、硫安水溶液を圧力10.1kPa abs以上で晶析して原料を造粒する、請求項に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
  10. 下記の工程1)〜3)を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の粒状窒素肥料の製造方法、
    1)二次元X線回折測定において入射X線の方向と検出器の方向のなす角2θ=72.3°における配向度が0.995以上であり、粒径が1.7mm以下であり、水分含有率が0.3wt%以下であり、かつアンモニア性窒素含有率が20.5%以上である細粒結晶硫安を60wt%以上含む原料を造粒して粒状物を得る造粒工程、
    2)1)で得られた粒状物を整粒し形状を調節する整粒工程、
    3)2)で整粒された粒状物を乾燥する乾燥工程。
  11. 圧縮成型方式で原料を造粒する、請求項10に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
  12. 一対のローラーを用いたブリケット方式により原料を圧縮して造粒する、請求項10に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
  13. カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加してカプロラクタムと硫安水溶液を得た後、硫安水溶液を圧力10.1kPa abs以上で晶析して原料を造粒する、請求項10に記載の粒状窒素肥料の製造方法。
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