JP2012211047A - 硫酸アンモニウム塩の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生物由来原料であるグルコース、ブドウ糖、セルロースなどから微生物変換によって得られる脂肪族カルボン酸アンモニウムを含む水溶液に、硫酸を加えて脂肪族カルボン酸を回収する際に副生する硫酸のアンモニウム塩を効率的に分離回収する。
【解決手段】生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させるとともにアンモニアを混合して得られる水溶液に、硫酸を混合して得られる硫酸アンモニウム塩含有水溶液から硫酸アンモニウム塩を分離するにあたり、該硫酸アンモニウム塩含有水溶液から、伝導加熱型乾燥機を用いて水を除去することにより、固体の硫酸アンモニウム塩を分離する硫酸アンモニウム塩の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は生物由来原料であるグルコース、ブドウ糖、セルロースなどから微生物変換によって得られる脂肪族カルボン酸アンモニウムを含む水溶液に、硫酸を加えて脂肪族カルボン酸を回収する際に、副生する硫酸のアンモニウム塩を効率的に分離回収する硫酸アンモニウム塩の製造方法に関する。
コハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸は、ポリエステル、ポリアミド等のポリマー、特に生分解性ポリエステルの原料として、また、食品、医薬品、その他化学品の合成原料として広く用いられており、特に脂肪族ジカルボン酸をポリマー原料として用いる場合、ポリマーの重合度維持や着色防止などのために、高純度の脂肪族ジカルボン酸が要求される。
これらの脂肪族ジカルボン酸は、従来、石油由来の原料より、工業的に製造されてきた。
しかし、近年では、微生物を用いた発酵操作により、広い生物由来原料から高い炭素収率で、種々の脂肪族ジカルボン酸を製造することができるようになった。例えば、コハク酸、アジピン酸などは発酵により製造することができる。
発酵による脂肪族ジカルボン酸の製造において、原料となるのは、一般に糖類、具体的にはグルコースやブドウ糖、又はセルロースなどである。
微生物の発酵による脂肪族ジカルボン酸の製造においては、多糖類が脂肪族ジカルボン酸に不純物として含まれる場合や、原料の糖類が微生物に完全に資化されずに残り、脂肪族ジカルボン酸に糖類が混入することがある。また、微生物を用いた発酵で、脂肪族ジカルボン酸が生成することで低下するpHを維持するための中和剤としてアンモニアを用いる場合、アミノ酸が副生し、脂肪族ジカルボン酸にアミノ酸が混入する。さらに微生物由来のタンパク質、発酵で用いられる無機塩類も脂肪族ジカルボン酸に混入することがある。
このような発酵液から、脂肪族ジカルボン酸を効率的に分離回収する方法として、本出願人は先に以下の工程(1)〜(10)を有し、(8)抽残相濃縮工程で回収した水を(1)発酵工程へ循環して使用することを特徴とする脂肪族ジカルボン酸の製造方法を提案した(特許文献1)。
(1) 生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させることによって、脂肪族ジカルボン酸を生成させるとともに、生成した脂肪族ジカルボン酸をアンモニアで中和し、脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液を得る発酵工程
(2) 発酵工程で得られた脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液に硫酸を加え、脂肪族ジカルボン酸と硫酸アンモニウム塩を含む水溶液を得るプロトン化工程
(3) プロトン化工程で得られた脂肪族ジカルボン酸と硫酸アンモニウム塩を含む水溶液に該水溶液と相分離する溶剤を混合し、脂肪族ジカルボン酸を含有する溶剤溶液と、硫酸アンモニウム塩を含む水溶液とに分離する抽出工程
(4) 抽出工程で回収された脂肪族ジカルボン酸を含有する溶剤溶液を濃縮する抽出相濃縮工程
(5) 抽出相濃縮工程で濃縮された液から脂肪族ジカルボン酸を析出させる脂肪族ジカルボン酸晶析工程
(6) 脂肪族ジカルボン酸晶析工程で析出した脂肪族ジカルボン酸と、溶液とを分離する脂肪族ジカルボン酸固液分離工程
(7) 抽出工程で得られた硫酸アンモニウム塩を含む水溶液を蒸留し、該水溶液から溶剤を除去する抽残相溶剤除去工程
(8) 抽残相溶剤除去工程で溶剤が除去された硫酸アンモニウム塩を含む水溶液中の水を留出させて硫酸アンモニウム塩を濃縮するとともに、留出した水を回収する抽残相濃縮工程
(9) 抽残相濃縮工程で濃縮された硫酸アンモニウム塩を含む水溶液から硫酸アンモニウム塩を析出させる硫酸アンモニウム塩晶析工程
(10) 硫酸アンモニウム塩晶析工程で析出した硫酸アンモニウム塩と水溶液とを固液分離する硫酸アンモニウム塩固液分離工程
特願2010−270585
上記特許文献1の方法であれば、発酵液から脂肪族ジカルボン酸を効率的に分離、回収することができるが、プロトン化工程で副生する硫酸アンモニウム塩(詳細には硫酸アンモニウム塩と共に硫酸水素アンモニウムも副生する。)の回収については、より一層の改良が望まれている。
即ち、上記(3)の抽出工程で脂肪族ジカルボン酸を回収した後の硫酸アンモニウム塩を含む水溶液には、硫酸アンモニウム塩と共に副生する硫酸水素アンモニウムが共存している上、微生物由来の蛋白質や、発酵原料由来の糖などが共存しており、これらを固体として分離回収したものは、含窒素肥料として有効利用されるものであるが、硫酸アンモニウム塩は水に対する溶解度が高いため、上記(9)の硫酸アンモニウム塩晶析工程における溶解度差による晶析が容易ではなく、硫酸アンモニウム塩の回収率が必ずしも高いとは言えない。従って、硫酸アンモニウム塩を含有する水溶液から固体の硫酸アンモニウム塩を高い回収率で回収するためには、水を蒸発させる乾燥操作が必要となる。しかしながら、上述したように、発酵操作で得られる硫酸アンモニウム塩含有水溶液には、微生物由来の蛋白質や発酵原料由来の糖などが含まれており、通常の熱風乾燥などの乾燥方法では、乾燥による水の蒸発で高粘度となった粘稠液が装置内壁にスケール状にこびりつき、著しい場合には装置の閉塞に到り、安定運転を継続し得ない。また、装置に固着した分、回収効率が悪くなる。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、生物由来原料であるグルコース、ブドウ糖、セルロースなどから微生物変換によって得られる脂肪族カルボン酸アンモニウムを含む水溶液に、硫酸を加えて脂肪族カルボン酸を回収する際に副生する硫酸のアンモニウム塩を効率的に分離回収する硫酸アンモニウム塩の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、発酵操作で得られる硫酸アンモニウム塩含有水溶液を伝導加熱型乾燥機を用いて乾燥することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させるとともにアンモニアを混合して得られる水溶液に、硫酸を混合して得られる硫酸アンモニウム塩含有水溶液から硫酸アンモニウム塩を分離する工程を有する硫酸アンモニウム塩の製造方法であって、該硫酸アンモニウム塩含有水溶液から、伝導加熱型乾燥機を用いて水を除去することにより、固体の硫酸アンモニウム塩を分離することを特徴とする硫酸アンモニウム塩の製造方法。
[2] 前記伝導加熱型乾燥機の接液部が、円筒形である、[1]に記載の硫酸アンモニウム塩の製造方法。
[3] 前記伝導加熱型乾燥機の接液部が、円盤形である、[1]に記載の硫酸アンモニウム塩の製造方法。
[4] [1]から[3]のいずれか1項に記載の製造方法により製造された硫酸アンモニウムを含有する含窒素肥料。
本発明によれば、生物由来原料であるグルコース、ブドウ糖、セルロースなどから微生物変換によって得られる脂肪族カルボン酸アンモニウムを含む水溶液に、硫酸を加えて脂肪族カルボン酸を回収する際に副生する硫酸のアンモニウム塩を効率的に分離回収することができる。
即ち、前述の如く、発酵操作で得られる硫酸アンモニウム塩含有水溶液には、微生物由来の蛋白質や発酵原料由来の糖などが含まれており、通常の熱風乾燥などの乾燥方法では、乾燥による水の蒸発で高粘度となった粘稠液が装置内壁にスケール状にこびりつき、著しい場合には装置の閉塞に到り、安定運転を継続し得なくなるが、熱風を吹き込むのではなく、高温(通常60〜120℃程度)に加熱された伝熱壁面に乾燥対象液を流す、所謂伝導加熱型乾燥機を用いることにより、このような問題を生じることなく、容易かつ効率的に安定運転にて、硫酸アンモニウム塩含有水溶液から水を蒸発除去して固体の硫酸アンモニウム塩を分離回収することができる。
本発明における伝導加熱型乾燥機による乾燥であれば、次のような効果が奏され、工業的に極めて有利である。
(1) 熱風乾燥機を用いる場合のように、硫酸アンモニウム塩等が壁面に固着して装置中に残されることにより回収不能となるような量が少なく、回収効率が高められる。
(2) 微生物由来の蛋白質や発酵原料由来の糖などの発酵副生物を、そのまま共存させた状態で乾燥することができる。固体の硫酸アンモニウム塩と共に回収される蛋白質や糖は、そのまま硫酸アンモニウム塩と共に含窒素肥料として有効に利用することができる。
(3) 上記(2)のように、蛋白質や糖などを含むため、通常、含窒素肥料として市販されている固体硫安よりも含窒素肥料としての栄養価が高い。
(4) 前述の抽出工程で脂肪族ジカルボン酸を回収した後の硫酸アンモニウム塩含有水溶液の全量を伝導加熱型乾燥機で乾燥する他、この硫酸アンモニウム塩含有水溶液から硫酸アンモニウム塩の一部を晶析により分離回収した後の水相を乾燥して硫酸アンモニウム塩の残部を回収するなど、様々な工程で固体硫酸アンモニウム塩の回収を行うことができる。
(5) 上記(4)より、廃菌体を含む硫酸アンモニウム塩含有水溶液に対して乾燥を行って、廃菌体を含む硫酸アンモニウム塩を分離回収することもでき、この場合には、廃菌体もそのまま硫酸アンモニウム塩と共に、含窒素肥料として有効に利用することが可能であり好ましい。
(6) 脂肪族ジカルボン酸の晶析工程における晶析母液から不揮発性の不純物の蓄積を抑制する目的で系外にパージするパージ水についても処理することができ、この場合には、このパージ水中の硫酸アンモニウム塩をも回収することができる。
(7) 伝導加熱型乾燥機での乾燥の後に、更に乾燥することが好ましい。この場合、伝導加熱型乾燥機を多段に設けて多段階で乾燥を行ってもよいし、他の直接加熱型乾燥機を使用することにより乾燥してもかまわない。但し、水分量が少なくなってくると硫酸アンモニウム塩が伝熱面に付着しにくくなり、乾燥が困難になる場合があるので、効率よく乾燥するために直接加熱型乾燥機を用いるのが好ましい。直接加熱型乾燥機を用いることにより、効率的かつ低コストで固体硫酸アンモニウム塩の回収を行うことができる。
本発明で用いる伝導加熱型乾燥機としては、接液部が円筒形の伝導加熱型乾燥機(ドラムドライヤー)や、接液部が円盤形の伝導加熱型乾燥機(CDドライヤー又はディスクドライヤー)などを用いることができ、これらの伝導加熱型乾燥機であれば、安定的な乾燥を行って、固体の硫酸アンモニウム塩を効率的に得ることができるが、特に、乾燥能力、乾燥コストの点において、CDドライヤー(又はディスクドライヤー)を用いることが好ましい。
本発明の硫酸アンモニウム塩の製造方法により分離回収された硫酸アンモニウム塩は、含窒素肥料として有効に利用することができる。
脂肪族ジカルボン酸の製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
本発明の硫酸アンモニウム塩の製造方法は、生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させるとともにアンモニアを混合して得られる水溶液に、硫酸を混合して得られる硫酸アンモニウム塩含有液から硫酸アンモニウム塩を分離する工程を有する硫酸アンモニウム塩の製造方法であって、該硫酸アンモニウム塩含有液から、伝導加熱型乾燥機を用いて水を除去することにより、固体の硫酸アンモニウム塩を分離することを特徴とする。
〔硫酸アンモニウム塩含有水溶液の乾燥〕
まず、伝導加熱型乾燥機を用いて硫酸アンモニウム塩含有水溶液から水を除去することにより固体の硫酸アンモニウム塩を分離回収する工程(以下適宜「乾燥工程」と称し、伝導加熱型乾燥機による水分の除去を「乾燥」と称す。)について説明する。
本発明において、伝導加熱型乾燥機に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液は、後述の発酵操作による脂肪族ジカルボン酸の製造に当たり、各工程で発生する硫酸アンモニウム塩を含有する水溶液であり、この水溶液は、硫酸アンモニウム塩の他、硫酸によるプロトン化工程で硫酸アンモニウム塩と共に生成する硫酸水素アンモニウムや、微生物由来の蛋白質、発酵原料由来の糖、更には廃菌体を含むものであってもよく、また、少量の抽出溶剤を含むものであってもよい。
乾燥に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液の含水率(水分含有量)については、硫酸アンモニウム塩含有水溶液の発生工程により異なるが、乾燥に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液の含水率は40〜80重量%、特に50〜70重量%程度であることが好ましい。この含水率が多過ぎると乾燥効率が下がるので遠心分離機等を用いて含水率を下げることが好ましく、少な過ぎると伝熱面に硫酸アンモニウムが付着しにくくなり、乾燥効率が悪化する場合がある。
また、硫酸アンモニウム塩含有水溶液の硫酸アンモニウム塩含有量についても特に制限はないが、30〜50重量%であることが乾燥効率面で好ましい。
本発明で硫酸アンモニウム塩含有水溶液の乾燥に用いる伝導加熱型乾燥機とは、板やドラムなどを加熱し、それらの固体熱源からの伝導により、含水物を加熱して水を蒸発させるものであり、熱風で対象物を吹き上げる流動乾燥機や、円筒形容器の中に対象物を入れて回転させながら熱風を吹き込むロータリーキルンやロータリードライヤー、棚段乾燥機などの、対象物の加熱に熱風を利用するものではない点において、これらの熱風乾燥機とは明確に区別される。
伝導加熱型乾燥機としては、特に制限はなく、一般的に市場に流通している伝導加熱型乾燥機をいずれも用いることができ、以下に示す、接液部が円筒形の伝導加熱型乾燥機(ドラムドライヤー)や、接液部が円盤形の伝導加熱型乾燥機(CDドライヤー又はディスクドライヤー)など各種のものを用いることができる。
<ドラムドライヤー>
ドラムドライヤーは、定量供給した被乾燥物をドラムフィード部へ供給し、ドラム表面に付着した被乾燥物を、ドラムが一回転するまでに蒸発・乾固させるものである。乾燥物は、スクレーパナイフによりドラムの表面より剥離され、シュートにて系外に排出される。一方、蒸発した蒸気は、スクラバーにて、ダスト及びミストを除去後、排気ファンにて大気放出され、自己凝縮液及びドラム間隙より落下した液は、ボトムパンにてスクラバー循環水と混合し、ボトムパン内の表面が高くなった際、フィード部へ返送し、循環乾燥される。
<CDドライヤー>
CDドライヤーは、上記のドラムドライヤーのようにドラムの外表面だけを利用するのではなく、中空円板のディスクの両側面を伝熱面として利用するものであり、被乾燥物は供給パイプを通りながら乾燥がすすみ、スクレーパーで掻き落とされ乾物容器に入る。ディスク面に付着した原料は回転しながら乾燥が進み、スクレーパーで掻き落とされ乾燥容器に入る。
これらの伝導加熱型乾燥機であれば、安定的な乾燥を行って、固体の硫酸アンモニウム塩を得ることができるが、特に、乾燥能力、乾燥コストの点において、CDドライヤーを用いることが好ましい。
乾燥時の加熱温度は、硫酸アンモニウム塩含有水溶液から効率的に水を蒸発除去できるような温度であればよく、特に制限はないが、ドラムドライヤーの場合は、伝熱面であるドラム表面の温度として100〜200℃、特に120〜180℃であることが好ましい。
また、CDドライヤーの場合には、伝熱面であるディスク面の温度として100〜200℃、特に110〜180℃であることが好ましい。
乾燥温度が低過ぎると効率的な乾燥を行えず、高過ぎると乾燥物の熱劣化が起ったり、乾燥物の飛散が起ったり、熱量が必要になり、熱源コストが増大したりする。
また、乾燥時のドラムやディスクの回転数については特に制限はないが、通常1〜10回転毎分程度である。
乾燥時の処理量(伝導加熱型乾燥機に供給する硫酸アンモニウム塩含有水溶液量)や乾燥時間は、用いる伝導加熱型乾燥機の仕様により、適宜決定される。
このような伝導加熱型乾燥機による乾燥で得られる固体の硫酸アンモニウム塩は、前述の如く、硫酸アンモニウム塩と共にプロトン化工程で硫酸アンモニウム塩と共に生成する硫酸水素アンモニウムや、微生物由来の蛋白質、発酵原料由来の糖、場合によっては更に廃菌体を含むものであり、これはそのまま含窒素肥料として製品化することができる。
本発明において、伝導加熱型乾燥機による乾燥で得られる固体の硫酸アンモニウム塩の含水率については、伝熱面温度や伝熱面積や被乾燥物の供給速度等により異なるが、5重量%以下、特に3重量%以下であることが好ましい。
〔脂肪族ジカルボン酸の製造〕
以下に、本発明に係る硫酸アンモニウム塩含有水溶液が得られる発酵操作による脂肪族ジカルボン酸の製造手順について説明する。
ただし、本発明に係る硫酸アンモニウム塩含有水溶液は、生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させるとともにアンモニアを混合して得られる水溶液に、硫酸を混合して得られるものであればよく、何ら以下の発酵操作による脂肪族ジカルボン酸の製造工程で発生する硫酸アンモニウム塩含有水溶液に限定されるものではない。
また、以下においては、脂肪族ジカルボン酸を、前述の特許文献1に記載の方法に従って製造する場合を例示して説明するが、脂肪族ジカルボン酸の製造方法は何らこの方法に限定されるものではない。
本実施の形態の脂肪族ジカルボン酸の製造方法は、前述の如く、以下の工程(1)〜(10)を有し、(8)抽残相濃縮工程で回収した水を(1)発酵工程へ循環して使用する(この工程を、回収水リサイクル工程と記載することがある)。
(1) 生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させることによって、脂肪族ジカルボン酸を生成させるとともに、生成した脂肪族ジカルボン酸をアンモニアで中和し、脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液を得る発酵工程
(2) 発酵工程で得られた脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液に硫酸を加え、脂肪族ジカルボン酸と硫酸アンモニウム塩を含む水溶液を得るプロトン化工程
(3) プロトン化工程で得られた脂肪族ジカルボン酸と硫酸アンモニウム塩を含む水溶液に該水溶液と相分離する溶剤を混合し、脂肪族ジカルボン酸を含有する溶剤溶液と、硫酸アンモニウム塩を含む水溶液とに分離する抽出工程
(4) 抽出工程で回収された脂肪族ジカルボン酸を含有する溶剤溶液を濃縮する抽出相濃縮工程
(5) 抽出相濃縮工程で濃縮された液から脂肪族ジカルボン酸を析出させる脂肪族ジカルボン酸晶析工程
(6) 脂肪族ジカルボン酸晶析工程で析出した脂肪族ジカルボン酸と、溶液とを分離する脂肪族ジカルボン酸固液分離工程
(7) 抽出工程で得られた硫酸アンモニウム塩を含む水溶液を蒸留し、該水溶液から溶剤を除去する抽残相溶剤除去工程
(8) 抽残相溶剤除去工程で溶剤が除去された硫酸アンモニウム塩を含む水溶液中の水を留出させて硫酸アンモニウム塩を濃縮するとともに、留出した水を回収する抽残相濃縮工程
(9) 抽残相濃縮工程で濃縮された硫酸アンモニウム塩を含む水溶液から硫酸アンモニウム塩を析出させる硫酸アンモニウム塩晶析工程
(10) 硫酸アンモニウム塩晶析工程で析出した硫酸アンモニウム塩と水溶液とを固液分離する硫酸アンモニウム塩固液分離工程
本実施の形態の脂肪族ジカルボン酸の製造方法においては、更に、(1)発酵工程の後から(3)抽出工程の前までのいずれかの工程において、工程内の液から微生物を除去する微生物分離工程を有していてもよく、この微生物分離工程は(2)プロトン化工程の後に行われることが好ましい。
また、本実施の形態においては、(1)抽出工程で得られた硫酸アンモニウム塩を含む水溶液にアンモニアを加えてpHを4以上8以下の範囲にする抽残相中和工程を有していてもよく、この場合、抽残相中和工程は(7)抽残相溶剤除去工程の後に、特に、(7)抽残相溶剤除去工程の後から(8)抽残相濃縮工程の前のいずれかの工程で行われることが好ましい。
さらに、本実施の形態では、(6)脂肪族ジカルボン酸固液分離工程で脂肪族ジカルボン酸を回収した後の母液の少なくとも一部を微生物分離工程の後から(5)脂肪族ジカルボン酸晶析工程までのいずれかの工程で使用し(以下、この工程を第1の母液リサイクル工程と記載することがある)、(10)硫酸アンモニウム塩固液分離工程で硫酸アンモニウム塩を固液分離した後の母液の少なくとも一部を、(7)抽残相溶剤除去工程の後から(9)硫酸アンモニウム塩晶析工程までのいずれかの工程で使用する(以下、この工程を第2の母液リサイクル工程と記載することがある)ことが好ましい。
図1は、このような本実施の形態の脂肪族ジカルボン酸の製造方法の実施の形態の一例を示す工程図である。
[発酵工程]
発酵工程は、生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させることによって、脂肪族ジカルボン酸を生成させるとともに、生成した脂肪族ジカルボン酸をアンモニアで中和し、脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液を得る工程である。
本実施の形態により製造される脂肪族ジカルボン酸としては、生物由来原料から得られた脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液から製造されるものであれば特に限定されず、具体的には、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、リンゴ酸、フマル酸、オキザロ酢酸、2−オキソグルタル酸、シス−アコニット酸、ドデカン二酸等の、炭素数が2以上40以下の鎖状ジカルボン酸が挙げられる。これらの中では、特にコハク酸、アジピン酸が好ましい。
生物由来原料としては、例えば、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣、水産物残渣、家畜排泄物、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。この中でも好ましくは、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣等の植物資源が好ましく、より好ましくは、木材、稲わら、籾殻、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、芋、油脂、古紙、製紙残渣であり、最も好ましくはとうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシである。これらの生物由来原料は、一般に、窒素元素やNa、K、Mg、Ca等の多くのアルカリ金属、アルカリ土類金属を含有する。これらの生物由来原料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの生物由来原料は、特に限定はされないが、例えば酸やアルカリ等の化学処理、微生物を用いた生物学的処理、物理的処理等の公知の前処理・糖化の工程を経て炭素源へ誘導される。即ち、本発明においては、これらの生物由来原料から誘導される炭素源から脂肪族ジカルボン酸生産能を有する微生物を利用した微生物変換による発酵法により脂肪族ジカルボン酸を生産する。
これらの生物由来原料から炭素源を誘導する工程には、特に限定はされないが、例えば、生物由来原料をチップ化する、削る、擦り潰す等の前処理による微細化工程が含まれる。必要に応じて、更にグラインダーやミルでの粉砕工程が含まれる。こうして微細化された生物由来原料は、更に前処理・糖化の工程を経て炭素源へ誘導されるが、その具体的な方法としては、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸等の強酸での酸処理、アルカリ処理、アンモニア凍結蒸煮爆砕法、溶剤抽出、超臨界流体処理、酸化剤処理等の化学的処理や、微粉砕、蒸煮爆砕法、マイクロ波処理、電子線照射等の物理的処理、微生物や酵素処理による加水分解等の生物学的処理が挙げられる。
上記の生物由来原料から誘導される炭素源としては、通常、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のヘキソース、アラビノース、キシロース、リボース、キシルロース、リブロース等のペントース、マルトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、澱粉、セルロース等の2糖・多糖類、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モノクチン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、セラコレン酸等の脂肪酸、グリセリン、マンニトール、キシリトール、リビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、マルトース、フルクトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、セルロースが好ましい。
これらの生物由来原料から誘導される炭素源から脂肪族ジカルボン酸生産能を有する微生物を利用した微生物変換による発酵法により脂肪族ジカルボン酸を生産する。
使用される微生物は、脂肪族ジカルボン酸生産能を有する微生物であるかぎり特に制限されないが、バチルス属細菌、コリネ型細菌などの好気性微生物、エシェリヒア・コリ等の腸内細菌などの通性嫌気性微生物、または微好気性微生物を使用することが好ましい。
好気性微生物としては、コリネ型細菌(Coryneform Bacterium)、バチルス(Bacillus)属細菌、リゾビウム(Rhizobium)属細菌、アースロバクター(Arthrobacter)属細菌、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌、ノカルディア(Nocardia)属細菌、又はストレプトマイセス(Streptomyces)属細菌などが挙げられ、コリネ型細菌がより好ましい。
コリネ型細菌は、これに分類されるものであれば特に制限されないが、コリネバクテリウム属に属する細菌、ブレビバクテリウム属に属する細菌又はアースロバクター属に属する細菌などが挙げられ、このうち好ましくは、コリネバクテリウム属又はブレビバクテリウム属に属するものが挙げられ、更に好ましくは、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)又はブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)に分類される細菌が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジカルボン酸生産菌としてコハク酸生産菌を用いる場合、後述の実施例に記載のように、ピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)活性が増強され、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が低下した株を用いることが好ましい。
発酵における反応温度、圧力等の反応条件は、選択される菌体、カビなど微生物の活性に依存することになるが、脂肪族ジカルボン酸を得るための好適な条件を各々の場合に応じて選択すればよい。
発酵により脂肪族ジカルボン酸が生産されると系内のpHが低下するが、pHが低くなると微生物の代謝活性が低くなったり、或いは微生物が活動を停止するようになり、製造歩留まりが悪化したり、微生物が死滅するため、中和剤を用いてpHを調整する。通常はpHセンサーによって反応系内のpHを計測し、所定のpH範囲となるように中和剤の添加によりpHを調節する。pH値は、用いる菌体、カビ等の微生物の種類に応じて、その活性が最も有効に発揮される範囲に調整される。中和剤の添加方法については特に制限はなく、連続添加であっても間欠添加であってもよい。本発明では、中和剤としてはアンモニアを用いる。このため、発酵工程で製造された脂肪族ジカルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩として発酵液中に含まれる。
発酵工程では、操作の過程で大量の水を用いるが、雑菌の繁殖を防止するため通常加熱処理するなどの滅菌処理を施した滅菌水を用いる必要がある。
本実施の形態では、この発酵工程で必要とされる滅菌水として、後段の抽残相濃縮工程で留去させた水を回収して循環使用する。
発酵液は、その後の精製工程での操作性や効率性を考慮して適宜濃縮しても良い。濃縮方法としては、特に限定されないが、不活性ガスを流通させる方法、加熱により水を留去させる方法、減圧で水を留去させる方法ならびにこれらを組み合わせる方法などが挙げられる。また濃縮操作は、バッチ操作で行っても、連続操作で行っても良い。ここで回収された水も発酵工程に再利用することができる。
[プロトン化工程]
プロトン化工程は、発酵工程で得られた脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液に硫酸を加え、脂肪族ジカルボン酸と硫酸アンモニウム塩を含む水溶液を得る工程である。
即ち、発酵工程で得られた脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液から脂肪族ジカルボン酸を溶剤中に回収する抽出工程において、脂肪族ジカルボン酸がアンモニウム塩として水溶液中に存在する場合、脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩が溶剤中に抽出される量が少ない場合があるため、抽出工程より前の工程で当該水溶液に酸として硫酸を加えてプロトン化する必要がある。
発酵工程で得られた脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含有する水溶液に硫酸を加えるプロトン化工程は、発酵工程後、抽出工程より前の工程であれば、如何なる段階において実施される工程であっても構わないが、抽出工程に微生物を除去した発酵液を供する場合においては、後述する微生物分離工程より前の工程で当該水溶液に硫酸を加えてプロトン化することが好ましい。これは、プロトン化した後に微生物を分離すると、微生物分離効率が著しく向上すると共に、後続の抽出工程での液々分離性の改善、固形分発生量の著しい減少が期待できることによる。これは発酵液中に存在するタンパク質などの高分子類がプロトン化で強酸性下にさらされることで変性、凝集し、微生物分離工程におけるその分離度、分離効率を改善し、特に分離度の向上により後続工程である抽出工程に供給される発酵液中にリークするタンパク質類が減少することで抽出工程における液々分離性が改善されると共に、固形分発生量が減少することによるものと考えられる。
脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液への硫酸の添加量は、通常は脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩に対し0.1〜5倍当量程度とされる。通常、硫酸の添加量はpH値に基いて制御される。ここで、pHは脂肪族ジカルボン酸の酸強度pKaにもよるが、硫酸を添加した水溶液のpHが少なくともpKa以下、好ましくはpH4未満となるように硫酸の添加量を制御する。一方、硫酸を過剰に加えてもpHの下がり方は徐々に鈍化し、過剰の硫酸は硫酸として系内に存在することとなる。余剰の硫酸は最終的には後続の抽出工程で抽残相側に回収され、その処理には再び中和処理等が必要になり非効率である。従って硫酸を添加した水溶液のpHが好ましくは1以上となるように硫酸の添加量を制御する。
<微生物分離工程>
後述の抽出工程で脂肪族シカルボン酸を後述の抽出溶剤中に抽出するに先立ち、微生物を除去することが好ましい。この微生物分離工程は、前述の如く、プロトン化工程よりも後で行うことが好ましく、従って、微生物分離工程は、通常、プロトン化工程と抽出工程との間で行われる。
発酵工程からの脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩を含む水溶液又はプロトン化工程からの脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液からの微生物の除去方法は特に限定は無いが、沈降分離、遠心分離、濾過分離ならびにそれらを組み合わせた方法などが用いられる。
工業的には遠心分離、膜濾過分離などの方法で行われる。遠心分離においては、遠心沈降、遠心濾過などを用いることができる。遠心分離において、その操作条件は特に限定されるものではないが、通常100G〜100,000Gの遠心力で分離される。またその操作は連続式操作でも、バッチ式操作でも使用できる。
[抽出工程]
抽出工程は、発酵工程で得られ、プロトン化工程でプロトン化された脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液、好ましくは更に微生物を除去した水溶液から、該水溶液と相分離する溶剤(以下、抽出溶剤と記載することがある)を混合し、脂肪族ジカルボン酸を含有する溶剤溶液と、硫酸アンモニウム塩を含む水溶液とに分離することにより、脂肪族ジカルボン酸を溶剤中に回収する工程である。
抽出工程は、通常、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と、抽出溶剤とを混合し接触させる接触工程と、接触工程後に液を、溶剤層(以下、抽出相と記載することがある)と、水溶液相(以下、抽残相と記載することがある)とに相分離させる相分離工程を有している。
相分離工程では水溶液と溶剤溶液とを相分離させるが、場合により、以下に説明する固形分を含む相(以下、中間相と記載することがある)が抽出相と抽残相との相界面に形成されることがあり、この中間相が抽出相と抽残相とを分離することを困難にしたり、抽出相への不純物の混入量を増加させたりする虞がある。そこで、この中間相を除去することが好ましい。
接触工程をバッチ操作により行う場合には、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液に抽出溶剤を加え、充分混合した後に、相分離工程において、抽出相、中間相、抽残相を、接触を行った容器のそれぞれの相付近に設けられた排出口より取り出す方法や、接触を行った容器の底部から順次取り出す方法等により、それぞれ分離回収することができる。固形分を多く含む中間相は抽出相とともに取り出すことも可能であるし、抽残相とともに取り出すことも可能である。
また例えば、接触工程を連続操作により行う場合には、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と、抽出溶剤とを接触混合するミキサーを有するミキサー部と、接触混合することにより得られた混合液を静置することで相分離させるセトラーを有するセトラー部が設けられた接触装置(以下、ミキサーセトラー型抽出装置と記載することがある)を用い、セトラー部で抽出相、中間相、抽残相をそれぞれ回収することもできる。
<固形分>
生物由来原料から脂肪族ジカルボン酸を得る際に微生物による発酵法を用いた場合、通常、発酵液にはタンパク質など高次構造を有した高分子類が不純物として存在する。
タンパク質などは通常水溶性が高く、抽出操作においてはその殆どが抽残相へ分配される。ただし接触工程で抽出溶剤と接触することにより、その高次構造が破壊、変性し、水にも抽出溶剤にも溶解せず固形分になるものが一部存在する。
接触工程で生成した固形分は主に抽出相と抽残相との液々界面近傍に集まる傾向にある。通常バッチ抽出では液々界面近傍に固形分が生成しても、固形分を除いて抽出相、抽残相を回収すれば操作上大きな問題とはならない。一方、連続抽出、特に向流多段抽出塔では固形分が連続的に発生するため液々分散、液々分離に支障が生じ、安定運転を妨げるばかりか、抽出ができなくなることさえある。また、固形分を含んだ液が後続工程に流れると、後続工程で悪影響を及ぼすことがある。例えば、抽出工程で回収された脂肪族ジカルボン酸を含む抽出相は、脂肪族ジカルボン酸濃度が低いので次の抽出相濃縮工程で濃縮するが、固形分が存在すると、リボイラーなど加熱面に固形分が付着、焦げ付き、伝熱効率を悪化させる。さらに製品の脂肪族ジカルボン酸の用途によっては、品質上問題になるケースもある。例えば、脂肪族ジカルボン酸をポリエステル原料として用いる場合においては、窒素原子がポリマー色調に大きく関与していることが判明している。固形分はタンパク質変性物を多く含み、窒素原子を多く含むことから、固形分が最終製品に混入するとポリエステル色調に影響を及ぼす可能性があるため、接触工程で生成した固形分は相分離工程で除去することが望まれる。
固形分の除去方法は特に拘らないが、固形分のみを選択的に除く操作であることが好ましい。
例えばバッチ抽出においては、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液に抽出溶剤を加え、充分混合した後、抽出相、固形物を多く含む中間相、抽残相をそれぞれ分離回収することができる。また、連続抽出においては、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と抽出溶剤を混合するミキサー部と混合液を液々分離するセトラー部からなるミキサーセトラー型抽出装置において、セトラーで抽出相、固形分を多く含む中間相、抽残相をそれぞれ分離回収することができる。
<接触工程>
(溶剤)
接触工程において使用される抽出溶剤は、脂肪族ジカルボン酸を含有する水溶液と相分離するものであれば特に制限は無いが、無機性値/有機性値の比(以下、I/O値と略記することがある)が0.2以上2.3以下であることが好ましい。また、より好ましくはI/O値が0.3以上2.0以下である溶剤が用いられる。このような溶剤を用いることにより、脂肪族ジカルボン酸を選択的に抽出して、効率よく夾雑不純物と分離できる。
また、抽出溶剤は、常圧(1気圧)で沸点が40℃以上の溶剤が好ましく、より好ましくは常圧で沸点が60℃以上の溶剤が用いられる。また、常圧での沸点が120℃以下であることが好ましく、より好ましくは常圧での沸点が100℃以下であって、特に好ましくは常圧での沸点が90℃以下の溶剤が用いられる。このような溶剤を用いることにより、溶剤が気化して引火する危険性や、溶剤が気化して脂肪族ジカルボン酸の抽出効率が低下するという問題や溶剤のリサイクルがしにくいといった問題を回避することができる。また、使用後の溶剤を蒸留などの方法により分離したり、精製して再利用したりする際の必要熱量が少なくてすむという利点がある。
溶剤の無機性値及び有機性値は、有機概念図論(「系統的有機定性分析」藤田穆、風間書房(1974))により提案されており、有機化合物を構成する官能基に対して予め設定された数値を基に有機性値及び無機性値を算出し、その比を求めて得られる。
抽出溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併合して用いてもよいが、通常は1種のみ用いられる。2種以上の溶剤を混合して用いる場合、混合溶剤のI/O値と沸点が上記好適範囲となるようにする。
I/O値が0.2以上2.3以下であり、常圧で沸点が40℃以上の溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の炭素数3以上のアルコールが例示される。
各溶剤のI/O値および常圧での沸点を以下の表に示す。
Figure 2012211047
(接触装置)
接触工程で用いる接触装置は、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と抽出溶剤との接触および溶剤相(抽出相)、および水溶液相(抽残相)の回収ができればどのような装置であってもかまわないが、後述の如く、更に固形分の除去ができる装置が好ましい。なかでも装置が簡単で操作も容易な、上記のミキサーセトラー型抽出装置が好ましい。
ミキサーは脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と、抽出溶剤とが充分混合すれば如何なる方式でもよく、攪拌装置を有する容器や、スタティックミキサーなどが挙げられる。ただし攪拌装置を有する容器を用いるケースにおいては、攪拌により容器内に巻き込まれた空気などの気泡が発生した固形分に付着し、後続のセトラー部における固形分の相分離を著しく阻害するので、空気などを巻き込まない条件で攪拌することが好ましい。操作許容範囲の広さ、設備費用の観点から、ミキサーはスタティックミキサーとするのが好ましい。
(接触操作)
接触工程における、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と、抽出溶剤とを接触させる操作は、一段で行っても、多段で行ってもよいが多段で行うことが好ましい。また抽出溶剤は脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液に対して並流で流しても、向流で流しても構わない。接触工程は連続的に行われてもよいし、回分的に行われても構わない。特に好ましい形態は、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と抽出溶剤とをミキサーセトラー型抽出装置で混合した後に液々分離し、抽出相、中間相、抽残相をそれぞれ分離回収し、中間相は固液分離し、分離回収した液を必要に応じて相分離した後に相分離工程以降の工程に戻すことである。
上記のような抽出溶剤と、脂肪族ジカルボン酸を含有する水溶液とを接触させる接触工程により、脂肪族ジカルボン酸を抽出溶剤中に抽出する。ここで、抽出溶剤は、脂肪族ジカルボン酸を含有する水溶液の接触時の温度における容積1に対し0.5〜5の容積で加えることが好ましく、脂肪族ジカルボン酸を含有する水溶液の容積1に対し抽出溶剤を1〜3の容積で用いることがより好ましい。
接触する際の温度は、脂肪族ジカルボン酸が抽出される温度であれば特に限定されないが、30〜60℃が好ましい。接触温度が低いと、一般に脂肪族ジカルボン酸の溶剤相への移行率は高くなるが、溶剤の粘度が上昇する等の理由のため、生成した固形分の沈降に要する時間が長くなり、溶剤相に浮遊する虞があり、溶剤相に固形分が混入する可能性が高まる。一方、接触温度が高いと固形分の沈降に要する時間が短くなるため、分離は容易となるが、脂肪族ジカルボン酸の抽出率が低く、効率が悪い。
接触する際の時間は、脂肪族ジカルボン酸が充分に抽出される時間であれば特に限定されず、接触装置、接触条件にもよるが通常1秒〜5時間程度が好ましい。接触時間が短いと、接触装置は小さくなるものの、脂肪族ジカルボン酸の溶剤相への抽出が不十分となる虞がある。一方、接触時間が長いと、接触装置が無用に大きくなり非効率的であるばかりか、脂肪族ジカルボン酸に共存するタンパク質類の溶剤による変性が進み固形分の増加につながる可能性もある。
接触する際の圧力は、脂肪族ジカルボン酸が充分に抽出される圧力であれば特に限定されないが、連続的に行う場合には、通常大気圧で操作される。
本接触工程により、脂肪族ジカルボン酸を選択的に抽出溶剤中に抽出することができ、水溶性の高い糖類、アミノ酸類、無機塩類は主に抽残相に分配される。脂肪族ジカルボン酸塩のプロトン化工程で発生した硫酸アンモニウム塩も抽残相に分配され、脂肪族ジカルボン酸と容易に分離される。硫酸アンモニウム塩は、抽残相に回収されたアミノ酸、糖類とともに濃縮、晶析、乾燥等の処理によりアミノ酸、糖類といった有機分を含んだ硫酸アンモニウム塩として回収することができる。回収した硫酸アンモニウム塩は有機物を適度に含むことから肥料として有用である。
<相分離工程>
(相分離装置)
相分離工程で用いる相分離工程は、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と、抽出溶剤とを接触させた後の液を相分離することが可能なものであれば如何なる方式であってもよく、一槽で抽出相、中間相、抽残相をそれぞれ回収するもの、多槽式で抽出相、中間相、抽残相をそれぞれ回収するもの、回転装置による遠心分離により各相を回収するもの、などが挙げられる。
(相分離操作)
相分離工程における相分離操作は、分離槽内で一定時間静置することでも可能であるし、遠心分離装置により行うこともできる。上記のようなミキサーセトラー型抽出装置では、接触混合することにより得られた混合液を静置することで相分離させるセトラー部を有しており、セトラー部において液を一定時間静置することにより相分離することができる。相分離工程は連続的に行われてもよいし、回分的に行われても構わない。
相分離する際の温度は、各相が分離可能な温度であれば特に限定されないが、30〜60℃が好ましく、かつ接触操作と同程度の温度で処理することが望ましい。相分離温度が低いと、液粘性が高くなるため固形分の分離が難しくなる傾向にあり、抽出相に固形分が混入したり、固形分に混入する溶剤量が増える傾向にある。一方、相分離温度が高いと各相を形成する液の粘度が低下するため、相分離に要する時間が短くなるため、分離は容易となるが、相分離の過程で脂肪族ジカルボン酸が水溶液中に逆抽出される可能性がある。
相分離する際の時間は、各相が相分離される時間であれば特に限定されず、接触装置、接触条件、相分離方法にもよるが、通常1分〜5時間程度が好ましい。相分離時間が短いと、相分離装置は小さくなるものの、相分離が不十分となり、溶剤相に水溶液や固形分が混入したり、逆に水溶液相に溶剤や固形分が混入する虞がある。一方、相分離時間が長いと、相分離装置が無用に大きくなり非効率的である。
また相分離する際の圧力は、抽出相と抽残相とが効率的に分離される圧力であれば特に限定されないが、連続的に行う場合には、通常大気圧で操作される。
なお、固形物を多く含む中間相は、通常、抽出相の液および抽残相の液から選ばれる少なくとも1種の液を含むため、中間相を固液分離し、抽出相の液および抽残相の液から選ばれる少なくとも1種の液を分離し、回収することができる。回収された液は、相分離工程以降の工程に戻すこともできるし、接触工程以前の工程に再利用することもできる。再利用することで脂肪族ジカルボン酸の製造効率を高めることができるので好ましい。
中間相の固液分離方法は特に限定されるものではなく、沈降分離、濾過分離などの方法を用いることができる。沈降分離においては、重力場で固形分を沈降分離しても、また遠心力場において固形分を沈降分離してもよい。沈降速度を高めるため、遠心沈降分離が望ましい。固液分離の操作の方式は、バッチ操作でも連続操作でも構わない。例えば連続式の遠心沈降機としてはスクリューデカンター、分離板式遠心沈降機が挙げられる。濾過分離において、その方法は、濾材、濾過圧力、連続操作・バッチ操作などで分類されるが、いずれも固形分を抽出相および/または抽残相と分離できれば特に限定するものではない。ただし濾材の目開きは0.1μm以上10μm以下が望ましい。0.1μm未満では透過流束が小さくなりすぎるため、濾過に時間がかかりすぎる虞がある、一方、目開きが10μmを超えると固形分の分離が不十分となる虞がある。また、濾材の材質は抽出溶剤に不溶である必要があり、テトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂からなるものを用いることが好ましい。濾過は、真空式、加圧式、遠心式のいずれも用いることができる。さらにその方式は連続式でも、バッチ式でも構わない。
[抽出相からの脂肪族ジカルボン酸の回収]
一般に抽出相における脂肪族ジカルボン酸濃度は希薄であるため濃縮操作が必要となる。従って、本実施の形態では、抽出工程で回収された脂肪族ジカルボン酸を含有する抽出相を濃縮し(抽出相濃縮工程)、濃縮後の液から固体の脂肪族ジカルボン酸を析出させる(脂肪族ジカルボン酸晶析工程)。
<抽出相濃縮工程>
抽出相濃縮工程では、抽出工程で回収された脂肪族ジカルボン酸を含有する溶剤溶液(抽出相)を濃縮する。その濃縮度は特に限定されるものではないが、最終濃縮液中の脂肪族ジカルボン酸の溶解度が飽和溶解度以下であり、かつ極力飽和溶解度に近いほうが好ましい。
抽出溶剤は、水と最低共沸組成を形成することが多く、また共沸組成においては水よりも抽出溶剤の比率の方が大きい組成であることが多い。従って、濃縮操作に伴い抽出溶剤が多く留去することとなり、濃縮液中の溶剤濃度は濃縮前に比べ低下することが多い。
生物由来原料から得られた脂肪族ジカルボン酸は、一般に水溶性の高い不純物を多く含むため、後続の晶析工程において、抽出溶剤が共存する系よりも水が存在する系の方が高い精製効果が期待できる。また、溶剤が後続工程まで残留するとその回収がより困難となるため、濃縮により得られた濃縮液中の抽出溶剤濃度は1重量%以下とすることが望ましい。
最終濃縮液の抽出溶剤濃度を1重量%以下、且つ脂肪族ジカルボン酸濃度を飽和溶解度近傍とするためには、濃縮前および/または濃縮操作の過程で水を加えることが好ましい。
<脂肪族ジカルボン酸晶析工程>
脂肪族ジカルボン酸晶析工程では、抽出相濃縮工程で濃縮された濃縮液から固体の脂肪族ジカルボン酸を析出させる。
晶析工程は、通常、抽出相濃縮工程からの濃縮液(以下、単に濃縮液と記載することがある)中の脂肪族ジカルボン酸を、ジカルボン酸の溶解度差などを利用して固体の脂肪族ジカルボン酸を析出させる工程であるが、濃縮液から脂肪族ジカルボン酸を固体として析出させる工程であれば、どのような方法によるものであっても構わない。
晶析工程は、具体的には例えば、濃縮温度を変化させて溶解度の温度依存性を利用して晶析する冷却晶析法、加熱や減圧などの操作により濃縮液から溶剤を揮発させて濃縮液中の脂肪族ジカルボン酸濃度を高めて晶析する方法、さらにはそれらの組み合わせによる方法などが挙げられる。また、冷却晶析ではその冷却方法として、濃縮液を外部の熱交換器などに循環させて冷却する方法や、冷媒の流通する管を濃縮液中に投入する方法などがある。なかでも装置内を減圧することにより濃縮液中の溶剤を揮発させて、溶剤の気化熱により冷却する方法では、熱交換界面に脂肪族ジカルボン酸が析出することによる熱移動の阻害を防止することができるとともに、濃縮液中の脂肪族ジカルボン酸の濃縮も伴い、晶析収率の点からも好ましい。また、晶析操作はバッチ操作であっても連続操作であっても構わないが、得られる固体の脂肪族ジカルボン酸の粒子径のばらつきを小さくでき、大量生産時に効率的な晶析を行うことができ、且つ晶析のために要するエネルギーを小さくできるなどの理由により連続操作が好ましい。
晶析装置は特殊な晶析槽である必要は無く、公知の攪拌槽を用いることができる。
<脂肪族ジカルボン酸固液分離工程>
脂肪族ジカルボン酸晶析工程で析出させた固体の脂肪族ジカルボン酸を含有する液(以下、脂肪族ジカルボン酸スラリーと記載することがある)は、脂肪族ジカルボン酸固液分離工程にて脂肪族ジカルボン酸結晶と母液とに分離する。
この固液分離方法は特に限定するものではなく、濾過分離、沈降分離などが挙げられる。また、固液分離操作はバッチ操作でも連続操作でもよい。例えば効率の良い固液分離機として連続式の遠心濾過機、デカンター等の遠心沈降機などが挙げられる。
また、求められる脂肪族ジカルボン酸の純度により固液分離操作で回収したウェットケーキは冷水等でリンスすることができる。
<第1の母液リサイクル工程>
脂肪族ジカルボン酸固液分離工程で得られた母液および/またはリンス排液の少なくとも一部は、晶析工程までの工程にリサイクルすることができる。リサイクルする工程は特に限定はないが、例えば、抽出工程、抽出相濃縮工程へリサイクルすることができる。抽出工程へリサイクルすると抽出塔は大きくなるが、水相へ分配されやすい(分配係数が小さい)不純物をリサイクル系内から選択的に除去することができる。一方、抽出相濃縮工程にリサイクルすると抽出塔は小さくてすむが、不揮発性の不純物は全てリサイクル系内に蓄積することとなる。
母液やリンス排液の全てをリサイクルすることも可能であるが、長期間の運転を続けることで不純物がリサイクル系内に蓄積することから、少なくとも一部は系外にパージすることが望ましい。パージ水は通常活性汚泥処理等により含有される有機物を処理した後廃水とされるが、パージ水は脂肪族ジカルボン酸を含みpHが低いことから発酵操作で回収された使用済菌体の失活処理剤として有効である。
この第1の母液リサイクル工程においては、製造される脂肪族ジカルボン酸の種類等により、リサイクル量、リサイクル場所を決めることができる。
<回収脂肪族ジカルボン酸の後処理工程>
脂肪族ジカルボン酸固液分離工程で得られた脂肪族ジカルボン酸には、その用途に応じて、乾燥処理や精製処理に代表されるような他の工程を適用することもできる。精製処理としては、例えば、活性炭等の吸着剤による脱色工程、イオン交換樹脂により共存イオン類を除去するイオン交換工程、共存する不飽和ジカルボン酸を水添処理する工程、さらに高度精製するための晶析工程などの処理を適用することができる。これらの処理工程は2以上を組み合わせて行うこともできる。
[抽残相からの硫酸アンモニウム塩の回収]
抽出工程で得られた硫酸アンモニウム塩を含む水溶液(抽残相)には抽出溶剤が数%程度含まれているため、これを除去した後(抽残相溶剤除去工程)、必要に応じて中和処理(抽残相中和工程)後、濃縮し(抽残相濃縮工程)、硫酸アンモニウム塩を析出させる(硫酸アンモニウム塩晶析工程)。
ただし、本発明においては、この抽出工程で得られた硫酸アンモニウム塩を含む水溶液(抽残相)を、そのまま、前述の乾燥工程に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液としてもよい。
この場合には、乾燥により得られた固体の硫酸アンモニウム塩を固体の炭酸カルシウム等で中和した後含窒素肥料とすることが好ましい。
<抽残相溶剤除去工程>
抽残相溶剤除去工程では、抽出工程で回収された硫酸アンモニウム塩を含有する水溶液(抽残相)を蒸留操作により濃縮する。
その蒸留方法、操作条件は特に限定されるものではなく、抽出工程で用いる抽出溶剤により単蒸留で溶剤を留去してもいいし、蒸留塔で還留をかけながら留去してもよい。また、その操作は常圧で行っても、減圧で行ってもいい。さらにその操作は連続操作でも、バッチ操作でも構わない。
蒸留方法、操作条件は特に限定されるものではないが、最終的に蒸留後の釜残液中に残留する抽出溶剤の含有量が1重量%以下、望ましくは0.1重量%以下、さらに望ましくは0.01重量%以下であることが望ましいことから、このような溶剤残留量となるように、適宜条件を制御する。この抽残相溶剤除去工程で抽残相から留出、回収された抽出溶剤は、抽出工程にリサイクルして抽出溶剤として再利用することができる。
本発明においては、この抽残相溶剤除去工程で濃縮された抽残相も、前述の乾燥工程に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液としてもよい。
<抽残相中和工程>
通常、抽残相は酸性であるので、回収した硫酸アンモニウム塩を肥料または肥料原料として用いるには、アルカリを添加することで中性付近まで中和する必要がある。中和にはアルカリとしてアンモニアを用い、pHを4〜8程度に調整するのが望ましい。
抽残相の中和はいずれの工程で行っても良いが、酸性の抽残相を高温でハンドリングする工程においては装置の腐食の懸念があるため、極力前段の工程で中和するのが好ましい。ただし、中和処理を溶剤除去工程前に行うと回収した溶剤が着色するため、抽残相中和工程は抽残相溶剤除去工程後に行うのがより好ましい。なお、中和後に溶剤除去を行ったときに回収された溶剤が着色する原因は不明である。
本発明においては、この抽残相中和工程で中和された抽残相を、前述の乾燥工程に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液としてもよい。
<抽残相濃縮工程>
抽出工程で得られた硫酸アンモニウム塩を含む水溶液の硫酸アンモニウム塩濃度は、一般にその濃度が低いので、硫酸アンモニウム塩の晶析に先立ち、飽和溶解度近くまで濃縮することが望ましい。濃縮は抽出溶剤除去と共に行っても良いし、抽出溶剤除去後に行っても良い。ただし、濃縮を抽出溶剤の除去と共に行なうと蒸留装置が大きくなるため、抽出溶剤を蒸留塔で留去した後に濃縮する方法が好ましい。
抽残相の濃縮方法、装置は特に限定されるものではない。例えば操作条件は常圧でも、減圧でも構わない。さらに、その操作は連続操作でも、バッチ操作でも構わない。また、装置として加熱缶タイプ、薄膜蒸発タイプなどが挙げられる。さらに省エネルギーの観点から多重効用缶、ヒートポンプなども利用できる。
濃縮の程度としては特に制限はないが、濃縮後、硫酸アンモニウム塩晶析工程に送給される濃縮水溶液中の硫酸アンモニウム塩濃度が30重量%から50重量%、好ましくは35重量%から45重量%であるような濃縮度であることが濃縮液のハンドリング、晶析工程における硫酸アンモニウム塩の回収率の点で好ましい。硫酸アンモニウム塩濃度が高過ぎると硫酸アンモニウム塩結晶が濃縮過程で析出し、濃縮液のハンドリングにおいて支障をきたす可能性があり、また硫酸アンモニウム塩濃度が低過ぎると後続の晶析工程における硫酸アンモニウム塩の回収率が低くなり効率が悪い。
このような抽残相濃縮工程における濃縮操作で得られた蒸留水は凝縮させて回収する。
本発明においては、この抽残相中和工程で中和された抽残相を、前述の乾燥工程に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液としてもよい。
<回収水リサイクル工程>
上記抽残相濃縮工程で回収した凝縮水(以下、回収水と記載することがある)は、発酵工程で用いられた水に由来するものであり、加熱を経ているだけでなく、微量の抽出溶剤、さらに凝縮水には微量の揮発性の発酵副産物を含み、通常滅菌状態となっているので、この回収水を発酵工程にリサイクルして再使用する。回収水は、発酵工程に悪影響を及ぼす成分を殆ど含まないことから、通常その全量を発酵工程にリサイクルすることができる。
本実施の形態においては、発酵工程で用いる水の殆どは抽残相濃縮工程で凝縮水として回収され、この回収水を発酵工程に再利用することで水を最大限に有効利用しつつ、脂肪族ジカルボン酸を効率的に生産することができる。
<硫酸アンモニウム塩晶析工程>
硫酸アンモニウム塩晶析工程では、抽残相濃縮工程で濃縮された濃縮水溶液を更に濃縮して硫酸アンモニウム塩を析出させる。
この濃縮晶析では、硫酸アンモニウム塩を含む濃縮水溶液から水を蒸発させ、硫酸アンモニウム塩を飽和溶解度以上に濃縮することで、硫酸アンモニウム塩を析出させる。
濃縮晶析は常圧で行っても、減圧で行っても良いが、減圧で行えば、水の気化熱による硫酸のアンモニウム塩を含む水溶液の冷却を伴い、硫酸アンモニウム塩の飽和溶解度の温度依存性による析出も期待でき、収率の観点から好ましい。特に晶析圧力は1〜50kPa、好ましくは2〜20kPaで行うのが望ましい。晶析温度は操作圧力で決まり5〜80℃、好ましくは10〜60℃が好ましい。圧力が1kPaより低いと晶析温度が低いため硫酸アンモニウム塩の高い収率が得られるが、減圧のための設備が大きくなるばかりか、蒸発した水を凝縮回収することが困難となり好ましくない。逆に圧力が50kPaよりも高いと、減圧のための設備は小さくなり、また蒸発した水の凝縮回収も容易となるが、晶析温度が高くなるため硫酸アンモニウム塩の収率が小さくなり望ましくない。減圧の発生装置は特に限定するものではないが、保守・管理の面から水またはスチームエゼクターが使用され、蒸発水の凝縮にはバロメトリックコンデンサーが広く用いられる。
晶析操作はバッチ操作であっても連続操作であっても構わないが、硫酸アンモニウム塩を効率的に晶析させることができ、且つ晶析のために要するエネルギーを小さく生産でき、且つ結晶サイズのばらつきを小さくできなどの理由によりより連続操作が好ましい。
晶析装置は特殊な晶析槽である必要は無く、公知の攪拌槽を用いることができる。
この硫酸アンモニウム塩晶析工程で得られる濃縮水も、抽残相濃縮工程で得られる濃縮水と同様の滅菌水であるため、これを回収して発酵工程にリサイクルして再使用することにより、より一層の水の有効利用が図れ、好ましい。
<硫酸アンモニウム塩固液分離工程>
硫酸アンモニウム塩晶析工程で析出させた固体の硫酸アンモニウム塩を含有する水溶液(以下、硫酸アンモニウム塩スラリーと記載することがある)は、硫酸アンモニウム塩固液分離工程にて硫酸アンモニウム塩結晶と母液とに分離する。
この固液分離方法は特に限定するものではなく、濾過分離、沈降分離などが挙げられる。また、固液分離操作はバッチ操作でも連続操作でもよい。例えば効率の良い固液分離機として連続式の遠心濾過機、デカンター等の遠心沈降機などが挙げられる。
また、求められる硫酸アンモニウム塩の純度により固液分離操作で回収したウェットケーキは冷水等でリンスすることができる。
回収した硫酸アンモニウム塩結晶は通常後述のように乾燥処理される。
本発明においては、通常、この硫酸アンモニウム塩固液分離工程で硫酸アンモニウム塩結晶と分離された母液を前述の乾燥工程に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液とする。
硫酸アンモニウム固液分離工程で分離した硫酸アンモニウム塩晶析母液は、前述の如く、硫酸アンモニウム塩の他、発酵由来の種々不純物、例えば有機酸、アミノ酸、タンパク質、糖類などを含んでおり、含窒素肥料として有効であるため、本発明に従って、伝導加熱型乾燥機で直接乾燥して回収する。
また、回収した固体の硫酸アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム塩晶析工程で得られた硫酸アンモニウム塩と混合することもできる。
<回収硫酸アンモニウム塩の乾燥工程>
硫酸アンモニウム塩固液分離工程で得られた硫酸アンモニウム塩の乾燥方法は特に限定するものではないが、バンド式乾燥機、回転式乾燥機、流動層式乾燥機などが挙げられる。また上記の晶析母液の乾燥で得られる固体の硫酸アンモニウム塩を乾燥機内で混合することを考えると回転式乾燥機、流動層式乾燥機などが望ましい。
<第2の母液リサイクル工程>
硫酸アンモニウム塩固液分離工程で得られた晶析母液(以下、硫酸アンモニウム塩晶析母液と記載することがある)の少なくとも一部は、抽残相溶剤除去工程の後から、硫酸アンモニウム塩晶析工程までのいずれかの工程にリサイクルすることができる。硫酸アンモニウム塩晶析母液のリサイクル量は、当該晶析母液の組成、性状によるので一概に決められるものではないが、通常、晶析母液の10〜99重量%、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜80重量%をリサイクルする。
硫酸アンモニウム塩晶析母液中には硫酸アンモニウム塩だけでなく発酵由来の種々不純物、例えば有機酸、アミノ酸、タンパク質、糖類などを含んでおり、この晶析母液全量をリサイクルするとこれら不純物がリサイクル系内に蓄積し、リサイクル系内の液粘性が増加してゆき、硫酸アンモニウム塩晶析工程、硫酸アンモニウム塩固液分離工程に支障をきたす。
硫酸アンモニウム塩晶析母液の粘度は、リサイクル量を制御することにより、晶析する際の温度において、0.5〜100cP、好ましくは1〜50cP、さらに好ましくは1〜20cPとなるよう制御することが望ましい。硫酸アンモニウム塩晶析母液の粘度が高くなりすぎると、特に硫酸アンモニウム塩固液分離工程に悪影響をおよぼす。例えば、デカンターのような連続式遠心沈降機で固液分離を行う際、晶析母液の粘度が高くなりすぎると結晶沈降速度が遅くなり固液分離ができなくなる。晶析母液の粘度の上昇を抑えるには、晶析母液中の硫酸アンモニウム塩以外の非揮発性成分濃度を30重量%以下に制御することが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
なお、以下において、乾燥処理に供する硫酸アンモニウム塩含有水溶液としては、ショ糖を原料として、コリネ菌を用いてコハク酸を生成させ、前述の一連の工程を経て、硫酸アンモニウム塩固液分離工程で硫酸アンモニウム塩結晶を固液分離して得られた以下の組成の母液を用いた。
<硫酸アンモニウム塩含有水溶液組成(重量%)>
硫酸アンモニウム :40.0
リンゴ酸 :2.0
アミノ酸 :1.5
アンモニア :0.7
α−ケトグルタル酸:0.5
糖 :0.4
酢酸 :0.3
コハク酸 :0.1
水 :54.5
[実施例1:CDドライヤーによる乾燥]
硫酸アンモニウム塩含有水溶液を、加熱したディスク上に含水物を付着させて乾燥させる形式の乾燥機(西村鉄工所製「CDドライヤーSCD−901」)を用いて、以下の乾燥条件で乾燥処理することにより水分を蒸発させて除去した(なお、ここで乾燥温度とはディスク面温度をさす。)。得られた乾燥物の水分量(含水率)は表2に示す通りであった。
Figure 2012211047
上記乾燥処理により、含水率10重量%以下の固体の硫酸アンモニウム塩を安定運転にて長期間継続して生産することができた。
[実施例2:ドラムドライヤーによる乾燥]
硫酸アンモニウム塩含有水溶液を、加熱した円筒(ドラム)上に含水物を付着させて乾燥させる形式の乾燥機(カツラギ工業製「ツインドラム型ドライヤー」、φ400×L500、ドラム材質:SS400+硬質クロームメッキ製)を用いて、以下の乾燥条件で乾燥処理することにより水分を蒸発させて除去した(なお、ここで乾燥温度とはドラム面温度をさす。)。得られた乾燥物の水分量(含水率)は表3に示す通りであった。
Figure 2012211047
上記乾燥処理により、含水率15重量%以下の固体の硫酸アンモニウム塩を安定運転にて長期間継続して生産することができた。
[比較例1:ロータリードライヤーによる乾燥]
<比較例1−1>
傾斜した円筒内に被乾燥物と熱風を一端から供給し、円筒を回転させることによって、被乾燥物のかきあげ、落下を繰返し、熱風との接触を図るタイプの乾燥機(大和三光製作所製「ロータリードライヤーTRD−0255」、φ570×L1000)を用いて、硫酸アンモニウム塩含有水溶液の乾燥実験を行った。
熱風の吹き込み温度250℃、円筒の回転速度を9rpmで硫酸アンモニウム塩含有水溶液の乾燥を試みたが、円筒内への固化物の付着が激しく、乾燥物が安定的に得られなかった。
<比較例1−2>
比較例1−1において、円筒内への固化物の付着を防止するために、JFE社製硫安を敷き粉としてあらかじめ円筒内に供給した状態で硫酸アンモニウム塩含有水溶液を送給して乾燥実験を行ったところ、円筒内への固化物の付着は軽減されたが、固化物の成長が激しく、拳大の固体が生成し、乾燥物の含水率が安定せず、また、排出口から乾燥物が円滑に排出されず、安定運転ができなかった。

Claims (4)

  1. 生物由来原料を含有する水溶液中で微生物を生物由来原料に作用させるとともにアンモニアを混合して得られる水溶液に、硫酸を混合して得られる硫酸アンモニウム塩含有水溶液から硫酸アンモニウム塩を分離する工程を有する硫酸アンモニウム塩の製造方法であって、
    該硫酸アンモニウム塩含有水溶液から、伝導加熱型乾燥機を用いて水を除去することにより、固体の硫酸アンモニウム塩を分離することを特徴とする硫酸アンモニウム塩の製造方法。
  2. 前記伝導加熱型乾燥機の接液部が、円筒形である、請求項1に記載の硫酸アンモニウム塩の製造方法。
  3. 前記伝導加熱型乾燥機の接液部が、円盤形である、請求項1に記載の硫酸アンモニウム塩の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製造方法により製造された硫酸アンモニウムを含有する含窒素肥料。
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