JP2010100617A - コハク酸およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイオマス資源から脂肪族ジカルボン酸を誘導し、触媒存在下で水素処理を行い臭気成分を除去すること、及び/又は、該脂肪族ジカルボン酸の250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度が0.05以下になるように、該脂肪族ジカルボン酸から不純物を除去することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
(1)バイオマス資源から誘導されるコハク酸の製造方法であって、少なくとも該コハク酸を含む溶液を触媒存在下で水素処理を行う工程を含むことを特徴とするコハク酸の製造方法。
(2)水素処理の温度が30℃以上、150℃以下、水素圧が0.1MPa以上、5MPa以下であることを特徴とする(1)に記載のコハク酸の製造方法。
(4)コハク酸を含む溶液が水溶液であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
(6)水素処理を行うコハク酸を含む溶液中のフマル酸の含有量がコハク酸重量に対して0.01〜10重量%であることを特徴とする(5)に記載のコハク酸の製造方法。
(7)コハク酸の250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度が0.05以下になるように、該コハク酸を含む溶液から不純物を除去することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
(9)該不純物の除去が溶媒を用いた晶析によることを特徴とする(7)又は(8)に記載のコハク酸の製造方法。
(10)水素処理工程より前の工程でコハク酸を含む溶液中の不溶成分を膜透過処理により除去することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
(12)バイオマス資源から誘導されるコハク酸に、溶液中での活性炭を用いた吸着処理又は晶析処理の少なくともいずれかの処理を経た後に、触媒存在下で水素処理を行うこ
とを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
(14)該コハク酸の黄色度(YI)が10以下であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
(15)該不純物が窒素を含有する化合物であることを特徴とする(7)〜(9)のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
(17)(1)〜(16)のいずれかに記載の方法により製造されたコハク酸。
(18)250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度が0.05以下であることを特徴とするバイオマス資源から誘導されたコハク酸。
(20)(17)〜(19)のいずれかに記載のコハク酸を原料として用いて得られたポリエステル。
(21)カルボキシル基末端濃度が100当量/トン以下であることを特徴とする(20)に記載のポリエステル。
(23)(20)〜(22)のいずれかに記載のポリエステルを成形してなる成形体。
本発明は、バイオマス資源から誘導されるコハク酸の製造方法であって、その製造工程には、少なくとも該コハク酸を含む溶液を触媒存在下で水素処理を行う工程が含まれることを特徴とするコハク酸の製造方法に関するものである。また、250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度が0.05以下であることを特徴とするバイオマス資源から誘導されたコハク酸、ならびにコハク酸の製造方法であって、バイオマス資源からコハク酸を誘導し、該コハク酸の250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度が0.05以下になるように、該コハク酸から不純物を除去することを特徴とするコハク酸の製造方法に関するものである。
本発明のコハク酸としては、特にバイオマス資源から非常に高い炭素収率で誘導できるコハク酸に関するものである。
されないが、エシェリヒア・コリ等の腸内細菌、バチルス属細菌、コリネ型細菌などが挙げられ、好気性微生物、通性嫌気性微生物または微好気性微生物を使用することが好ましい。
好気性微生物としては、コリネ型細菌(Coryneform Bacterium)、バチルス(Bacillus)属細菌、リゾビウム(Rhizobium)属細菌、アースロバクター(Arthrobacter)属細菌、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌、ノカルディア(Nocardia)属細菌、又はストレプトマイセス(Streptomyces)属細菌などが挙げられ、コリネ型細菌がより好ましい。
微生物変換における反応温度、圧力等の反応条件は、選択される菌体、カビなど微生物の活性に依存することになるが、コハク酸を得るための好適な条件を各々の場合に応じて選択すればよい。
ならびにそれらを組み合わせた方法などが用いられる。工業的には遠心分離、膜ろ過分離などの方法で行われる。遠心分離においては、遠心沈降、遠心ろ過などを用いることができる。遠心分離において、その操作条件は特に限定されるものではないが、通常100G〜100,000Gの遠心力で分離される。またその操作は連続式でも、バッチ式でも使用できる。
この方法で使用される有機溶媒は、通常、無機性値/有機性値の比(I/O値)が0.2以上2.3以下であり、常圧(1気圧)で沸点が40℃以上の有機溶媒であるが、より好ましくは、I/O値が、0.3以上2.0以下であり、常圧で沸点が40℃以上の有機溶媒であり、更に好ましくは、I/O値が0.3以上2.0以下であり、常圧で沸点が60℃以上の有機溶媒である。このような有機溶媒を用いることにより、コハク酸を選択的に抽出して、効率よく糖類やアミノ酸と分離できる。また、常圧で沸点が40℃以上の有機溶媒を用いることにより、溶媒が気化して引火する危険性や、溶媒が気化してコハク酸の抽出効率が低下するという問題や溶媒のリサイクルがしにくいといった問題を回避することができる。
I/O値が0.2以上2.3以下であり、常圧で沸点が40℃以上の有機溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の炭素鎖3以上のアルコールが例示される。
I O I/O 沸点
テトラヒドロフラン 30 80 0.375 66.0
メチルエチルケトン 65 60 1.083 79.6
メチルイソブチルケトン 65 120 0.542 94.2
アセトン 65 40 1.625 56.1
アセトニトリル 70 40 1.750 81.1
酢酸エチル 85 80 1.063 77.2
プロパノール 100 60 1.667 97.2
イソブタノール 100 70 1.429 108.0
オクタノール 100 160 0.625 179.8
ジオキサン 40 80 0.500 101.3
抽出工程においては、有機溶媒は、コハク酸を含有する水溶液の容量1に対し0.5〜5の容量で加えることが好ましく、コハク酸を含有する水溶液の容量1に対し1〜3の容量で加えることがより好ましい。
抽出工程により、コハク酸が有機溶媒中に回収され、糖類や発酵由来の窒素元素の他、発酵菌由来のアンモニア、硫黄含有不純物ならびに金属カチオン等の不純物はある程度分離される。なお、コハク酸をさらに効率よく抽出するために、有機溶媒による抽出処理を複数回繰り返してもよいし、向流抽出を行ってもよい。
本発明における水素処理は、バッチ式、連続式いずれの反応形式でもよく、従来の公知の方法に従って行うことができる。水素処理の具体的な方法としては、加圧反応器にコハ
ク酸を含有する溶液と水素化触媒とを共存させ、この混合物を撹拌しながら水素ガスを導入して水素処理を行い、処理後のコハク酸含有反応液を水素化触媒と分離して反応器から取り出す方法、固定床多管式または単管式の反応器を用いてコハク酸含有溶液および水素ガスを反応器の下部から流通させながら水素処理を行い、処理後のコハク酸含有反応液を取り出す方法あるいは水素ガスを反応器の下部から、コハク酸含有溶液は上部から流通させて水素処理を行い、処理後のコハク酸含有反応液を取り出す方法などが挙げられる。
これら水素化触媒は上記の貴金属を含む化合物をそのまま使用したり、有機ホスフィンなどの配位子を共存させて使用することができるが、触媒分離の容易性の理由から不均一系の貴金属含有触媒が好ましい。
水素処理時の水素圧は、その下限は、通常、0.1MPa以上であり、上限は、通常、5MPa以下、好ましくは3MPa以下、より好ましくは1MPa以下である。水素圧力が低すぎると反応速度が遅く、反応完結までに時間がかかり、一方あまり高すぎると、触媒や反応条件によってはブタンジオールやテトラヒドロフラン等のコハク酸の水素化物が副生してしまう為に好ましくない。
本発明で晶析処理における晶析溶媒としては、水、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、酢酸エチルなどのエステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、イソブタノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、およびこれらの混合溶媒などが使用できるが、これらの中では水が最も好ましい。水は、通常、脱イオン水、蒸留水、河川水、井戸水、水道水などが使用される。
本発明で使用される活性炭としては、石炭系、木質系、ヤシ穀系、樹脂系など任意の公知のものを用いることができる。また、これら石炭系、木質系、ヤシ穀系、樹脂系などの各種原料活性炭を、ガス賦活法、水蒸気賦活法、塩化亜鉛やリン酸などの薬品賦活法などの方法により賦活した活性炭を用いることができる。
吸収を示す不純物を効率的に除くことができる理由から、ヤシ穀炭、木質炭が好ましい。一方、コハク酸の着色成分を効率よく除去する観点からは、ガス賦活法、水蒸気賦活法、塩化亜鉛やリン酸などの薬品賦活法などの方法により賦活した活性炭が好ましく、その中でも水蒸気賦活法、塩化亜鉛やリン酸などの薬品賦活した活性炭が好ましく、特に塩化亜鉛やリン酸などの薬品賦活した活性炭が好ましい。使用する活性炭の形状は、粉末炭、破砕炭、成形炭、繊維状活性炭のいずれでもよい。カラムに充填して使用する場合には塔圧抑制の理由から粒状、顆粒状の活性炭が好ましい
活性炭処理の方式としては、バッチ式で活性炭と混合した後に濾過分離する方法、活性炭の充填層に通液する方法のどちらも可能である。処理時間はバッチ式の場合は通常5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間であり、充填層方式の場合は通常SV(空間速度)として0.1〜20hr−1である。処理温度は通常、20〜90℃である。
ここで、イオン交換カラム処理とは、イオン交換樹脂を充填したカラムに、処理すべき液を通液することで、イオン類を除去することである。イオン交換樹脂は、処理すべき液に含まれるイオン、必要とされるコハク酸の純度に応じ選定されるべきものであり、例えば硫酸イオン、塩素イオンなどのアニオンを除去するためにはアニオン交換樹脂(OH型)を、金属イオン、アンモニウムイオンなどのカチオンを除去するためにはカチオン交換樹脂(H型)を用いることができるが、必要に応じてその両方を用いてもよい。
通常カラム処理は、カラム出口においてイオン濃度を常時または定期的に測定し、カラム出口にイオンのリークが認められれば、イオン交換樹脂を再生処理する。イオン交換樹脂の再生は通常の方法に従い、カチオン交換樹脂では硫酸、塩酸などの酸を、アニオン交換樹脂では苛性ソーダなどのアルカリにより行うことができる。
ここで、吸光度(A)とは光路長1cmで測定した際の吸光度であって、次の定義に従
って算出される値である。
また、250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度とは、250〜300nm間の1nm毎に測定された吸光度の総和を51で除した値である。
平均吸光度=(250〜300nm間の1nm毎の吸光度の総和)/51
本発明において、上記の250〜300nmの紫外線領域に吸収を示す不純物としては、特に制限されないが、窒素元素を有する化合物や芳香族性を示す化合物が挙げられる。そのような化合物としては、フラン等の酸素含有複素芳香族化合物、ピロール、ピリジン、ピラジン等の窒素含有複素芳香族化合物、フェノール、ベンズアルデヒドや安息香酸等のベンゼン系芳香族化合物、が挙げられる。具体的には、フルフラール、フルフリルアルコール、メチルフルフリルアルコール、ヒドロキシメチルフルフラール、フロシン、2−ピロールカルボキシアルデヒド、ピロールカルボン酸、メチルピロールカルボン酸、ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、メチルピリジンカルボン酸、メチルピリジンジカルボン酸、ピラジン、2−メチルピラジン、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、フェノール、安息香酸、サリチル酸やクレオソート酸等のモノヒドロキシ安息香酸、ピロカテク酸やプロトカテク酸等のジヒドロキシ安息香酸、没食子酸等のトリヒドロキシ安息香酸、ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒドならびにこれらの混合物等が挙げられる。尚、上記化合物に異性体が含まれる場合があるが、上記化合物の例示は全ての異性体が含まれるものとする。
また、発酵由来のコハク酸溶液には、溶媒として水を使用する際には水に不溶な成分が混入している場合がある。このような不溶成分の混入は、活性炭による上記の不純物除去やその後の精製工程の効率を低下させる要因となる為に、予め不溶成分を除去することが好ましい。不溶成分の除去は、発酵法により生成するコハク酸塩からコハク酸に誘導した後から活性炭処理工程に至る迄の間の工程で発酵由来のコハク酸溶液を公知の膜透過処理を使用して実施する方法が好ましい。また、別法として、粉末状の活性炭を共存させて不溶成分を吸着させて膜透過処理の透過性を向上させたり、適切な粉末活性炭を用いて不溶成分とともに上記の不純物を同時に吸着除去する方法も好適に使用される。
晶析で回収されたコハク酸は、その用途によるが、常法により乾燥することができる。通常、コハク酸含水率は0.1〜2重量%、好ましくは0.2〜1重量%まで乾燥する。乾燥方法は特に限定されるものではなく、加熱タイプにより温風で直接加熱する直接加熱式、蒸気などによる間接加熱式などを用いることができる。例えば、温風による乾燥機として箱型乾燥機、バンド乾燥機、回転乾燥機などが、間接加熱による乾燥機としてドラム
ドライヤー、ディスクドライヤーなどがあげられる。またその操作圧力は常圧であっても、減圧であってもよい。さらにその操作方式はバッチ操作でも、連続操作であってもよい。温風温度は、加熱面温度は通常20〜200℃、好ましく50〜150℃で行う。温度が低すぎると乾燥に高減圧を要し、逆に高すぎるとコハク酸が脱水し、無水コハク酸を生成するので好ましくない。
本発明の脂肪族ジカルボン酸中に含まれる窒素原子含有量は、ジカルボン酸中に、原子換算として、上限は通常2000ppm以下、好ましくは、1000ppm以下、より好ましくは100ppm以下、最も好ましくは20ppm以下である。下限は通常、0.01ppm以上、好ましくは0.05ppm以上、精製工程の経済性の理由からより好ましくは0.1ppm以上、更に好ましくは1ppm以上である。
窒素原子含有量が上記の範囲にあるコハク酸は、ポリエステル原料として用いた場合、得られるポリエステルの着色の減少に有利になる。また、ポリエステルの重合反応の遅延化を抑制する効果も併せ持つ。
本発明のコハク酸中に含まれる硫黄原子含有量は、ジカルボン酸中に、原子換算として、上限は通常100ppm以下、好ましくは、20ppm以下、より好ましくは、上
限が10ppm以下、特に好ましくは、上限が5ppm以下、最も好ましくは、上限は0.5ppm以下である。一方、下限は通常、0.001ppm以上、好ましくは、0.01ppm以上、より好ましくは、0.05ppm以上、特に好ましくは、0.1ppm以上である。多すぎると、ポリエステル原料として用いた場合、重合反応の遅延化や生成ポリマーの一部ゲル化、そして生成ポリマーの安定性の低下などが引き起こされる傾向がある。一方、少なすぎる系は、好ましい形態であるが、精製工程が煩雑となり経済的に不利になる。硫黄原子含有量は、公知の元素分析法により測定される値である。
せるばかりでなく、重合中に重度の重合阻害を引き起こし、実用上十分な力学特性を有する高重合度のポリマーが得られない場合がある。
<ポリエステルの製造>
本発明のポリエステルは、コハク酸単位およびジオール単位を必須成分とする。本発明においてコハク酸単位を構成するコハク酸は上記のバイオマス資源から誘導された高純度のコハク酸を含有するジカルボン酸である。従って、本発明においては、化石資源から誘導された脂肪族及び/又は芳香族ジカルボン酸と上記のバイオマス資源から誘導されたコハク酸との混合物も好適に使用される。
本発明においてジオール単位とは、脂肪族ジオールから誘導されるものであり、公知の化合物を用いることができる。
脂肪族ジオールとは、2個のOH基を有する脂肪族及び脂環式化合物であれば特に制限はされないが、炭素数の下限値が2以上であり、上限値が通常10以下、好ましくは6以下の脂肪族ジオールが挙げられる。
この内、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロピレングリコ−ル及び1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルが好ましく、その中でも、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオ−ル、及びこれらの混合物が好ましく、更には、1,4−ブタンジオ−ルを主成分とするもの、または、1,4−ブタンジオ−ルが特に好ましい。ここでいう主成分とは、該成分が全ジオール単位に対して、通常50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上であることを示す。
両末端ヒドロキシポリエーテルの具体例としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール及びポリ1,6−ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合ポリエーテル等を使用することもできる。これらの両末端ヒドロキシポリエーテルの使用量は、ポリエステル中の含量として、通常90重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下に計算される量である。
本発明においては、ポリエステルの製造において上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、共重合成分を加えてもよい。
共重合成分の具体的な例としては、2官能のオキシカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール及び3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物および3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物が挙げられる。これらの共重合成分を添加するとポリエステル製造時の重合速度を著しく向上する効果が発現する。これらの共重合成分の中では、高重合度のポリエステルが容易に製造できる傾向があるためオキシカルボン酸が好適に使用される。
3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、具体的には、プロパントリカルボン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
上記の3官能以上の化合物の使用量は、ゲルの発生原因となるため、ポリエステルを構成する全単量体単位に対して、通常、5モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.2モル%以下である。
本発明におけるポリエステルの製造方法としては、従来の公知の方法が使用でき、例えば、上記のコハク酸を含む脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができるが、経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合でポリエステルを製造する方法が好ましい。
コハク酸を含む脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
その後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×103Pa以上、好ましくは0.01×103Pa以上、上限が通常1.4×103Pa以下、好ましくは0.4×103Pa以下の真空度下として行う。重合製造時の圧力が高すぎると、ポリエステルの重合製造時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルを製造が難しくなる傾向がある。一方、超高真空重合設備を用いて製造する手法は重合速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要なばかりでなく、それでも未だポリエステルの重合製造時間が長くなる傾向があるため、それに伴うポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が懸念される。
重合触媒としては、一般には、周期表で、水素、炭素を除く第1族〜第14族金属元素を含む化合物が挙げられる。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩又はβ−ジケトナート塩等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が挙げられる。これらの触媒成分は、上記の理由からバイオマス資源から誘導されるポリエステル原料中に含まれる場合がある。その場合は、特に原料の精製を行わず、そのまま金属を含む原料として使用してもよい。しかしながら、製造するポリエステルによってはポリエステル原料中に含まれるナトリウムやカリウム等の1族金属元素の含有量が少ない程、高重合度のポリエステルが製造しやすい場合がある。その様な場合には1族金属元素が実質含まれない程度まで精製された原料が好適に使用される。
ニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特に、酸化ゲルマニウムが好ましい。
本発明の方法で製造されたポリエステルは、通常、ポリマーの熱安定性に著しく悪影響を与えるカルボン酸末端量が少ない特徴があるため、熱安定性に優れ、成形時の品質の低下が少ない、即ち、溶融成形時に末端基の切断や、主鎖の切断等の副反応が少ないという特徴を有する。従って、本発明において製造される好ましいポリエステルの末端COOH基数は、ポリエステルの重合度にもよるが、通常、100当量/トン(以下、eq/トンと記載することがある)以下、好ましくは60eq/トン以下、より好ましくは40eq/トン以下、特に好ましくは30eq/トン以下である。一方、カルボキシル基末端量が極端に少なくなると、重合速度が極めて遅くなり、高重合度のポリマーが製造できない。そのような理由から、ポリエステルの末端COOH基数の下限は、通常、0.1eq/トン以上、より好ましくは1eq/トンである。
本発明で製造されるポリエステルの還元粘度(ηsp/C)値は、実用上十分な力学特性が得られる理由から、0.5以上であり、中でも1.6以上が好ましく、更には、2.0以上がより好ましく、特に2.3以上が好ましい。還元粘度(ηsp/C)値の上限は、ポリエステルの重合反応後の抜き出し易さならびに成形のし易さ等の操作性の観点から、通常、6.0以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下である。
〔還元粘度(ηsp/C)測定条件〕
粘度管:ウベローデ粘度管
測定温度:30℃
溶媒:フェノール/テトラクロロエタン(1:1重量比)溶液
ポリエステル濃度:0.5g/dl
ポリエステルの特性が損なわれない範囲において、本発明のポリエステルの製造方法の途中で反応系に、又は得られたポリエステルに、各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤及び紫外線吸収剤等を重合時に添加してもよい。
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、耐熱性、色調に優れ、更に耐加水分解性や生分解性にも優れ、しかも安価に製造できるので、各種のフィルム用途や射出成形品の用途に適している。
具体的な用途としては、射出成型品(例えば、生鮮食品のトレーやファーストフードの容器、野外レジャー製品など)、押出成型品(フィルム、シート等、例えば釣り糸、漁網、植生ネット、保水シートなど)、中空成型品(ボトル等)等が挙げられ、更にその他農業用のフィルム、コーティング資材、肥料用コーティング材、ラミネートフィルム、板、延伸シート、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポスト袋、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材フィルム及び合成紙などに利用可能である。
本実施例における酸類、糖類ならびに陽イオンの定量分析は、LCを用い、アミノ酸の定量分析は、アミノ酸分析計を用い以下の条件で測定を行った。
<酸類、糖類の分析>
カラム;信和加工(株)製 ULTRON PS−80H 8.0mmI.D.× 30cm
溶離液:水(過塩素酸)(過塩素酸60%水溶液1.8ml/1L−H2O)
温度:60℃
<アミノ酸の分析>
装置:日立アミノ酸分析計 L−8900
分析条件:生体アミノ酸分離条件−ニンヒドリン発色法(570nm,440nm)
標準品:PF(和光アミノ酸混合液ANII型0.8ml+B型0.8ml→10ml)
注入量:10μl
定量計算:Proは、440nm、他のアミノ酸は570nmのピークの面積から、一点外部標準法にてアミノ酸含有を算出
<陽イオン>
カラム;GL−IC−C75(4.6mmI.D × 150mm)
溶離液;3.5mmol/L硫酸
カラム温度:40℃
一方、その他の特性値は、次の方法により測定した。
試料数10mgを石英ボートへ採取して、全窒素分析計(三菱化学社製TN−10型)を用いて試料を燃焼し、化学発光法により決定した。
<硫黄原子含有量>
試料約0.1gを白金製ボートに採取して石英管管状炉(三菱化学社製AQF−100(濃縮システム))で燃焼し、燃焼ガス中の硫黄分を0.1%−過酸化水素水で吸収させた。その後、吸収液中の硫酸イオンをイオンクロマトグラフ(Dionex社製 ICS
−1000型)を用いて測定した。
JIS K7105の方法に基づいて測定した。
<ポリエステル還元粘度>
ポリエステルを濃度0.5g/dLとなるようにフェノール/テトラクロロエタン(1/1(質量比)混合液)に溶解し、溶液が30℃の恒温槽中で粘度管を落下する時間t(sec)を測定した。また溶媒のみの落下する時間t0(sec)を測定し30℃での還元粘度ηsp/C(=(t−t0)/t0・C)を算出した(Cは溶液の濃度)。
得られたポリエステルをベンジルアルコールに溶解し0.1N NaOHにて滴定した値であり、1×106g当たりのカルボキシル基当量である。
参考例
<ピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)増強株の作製>
(A)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株ゲノムDNAの抽出
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233は、1975年4月28日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(現独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P−3068として寄託され、1981年5月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−1497の受託番号で寄託されている。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子のN末端領域のDNA断片の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.BA000036のCgl0689)を基に設計した合成DNA(配列番号1および配列番号2)を用いたPCRによって行った。尚、配列番号1のDNAは5’末端がリン酸化されたものを用いた。反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO4、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:
DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で1分らなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は4分とした。増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.9kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行い、これをPC遺伝子N末端断片とした。
温は5分とした。増幅産物の確認は、1.0%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.7kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5’末端をリン酸化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて大腸菌ベクターpUC119(宝酒造製)のSmaI部位に結合し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mL アンピシリンおよび50μg/mL X−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを、配列番号7および配列番号6で示した合成DNAをプライマーとしたPCR反応に供した。反応液組成:上記プラスミド1ng、Ex−TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社製) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.2μM各々プライマー、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で50秒からなるサイクルを20回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。このようにして挿入DNA断片の有無を確認した結果、約0.7kbの増幅産物を認めるプラスミドを選抜し、これをpMJPC5.1と命名した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH(ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子破壊株:特開2005−95169)の形質転換に用いるプラスミドDNAは、pMJPC17.2のプラスミドDNAを用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,53,159,1970)により形質転換した大腸菌JM110株から再調製した。ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株の形質転換は電気パルス法(Res.Microbiol.、Vol.144, p.181−185, 1993)によって行い、得られた形質転換体をカナマイシン 25μg/mLを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5g、グルコース 20g、及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。この培地上に生育した株は、pMJPC17.2がブレビバクテリウム・フラバムMJ233株菌体内で複製不可能なプラスミドであるため、該プラスミドのPC遺伝子とブレビバクテリウム・フラバムMJ233株ゲノム上の同遺伝子との間で相同組み換えを起こした結果、ゲノム上に該プラスミドに由来するカナマイシン耐性遺伝子およびsacB遺伝子が挿入されているはずである。次に、上記相同組み換え株をカナマイシン25μg/mLを含むLBG培地にて液体培養した。この培養液の菌体数約100万相当分を10%ショ糖含有LBG培地に塗抹にした。結果、2回目の相同組み換えによりsacB遺伝子が脱落しショ糖非感受性となったと考えられる株を数十個得た。この様にして得られた株の中には、そのPC遺伝子の上流にpMJPC17.2に由来するTZ4プロモーターが挿入されたものと野生型に戻ったものが含まれる。PC遺伝子がプロモーター置換型であるか野生型であるかの確認は、LBG培地にて液体培養して得られた菌体を直接PCR反応に供し、PC遺伝子の検出を行うことによって容易に確認できる。TZ4プロモーターおよびPC遺伝子をPCR増幅するためのプライマー(配列番号8および配列番号9)を用いて分析すると、プロモーター置換型では678bpのDNA断片を認めるはずである。上記方法にてショ糖非感受性となった菌株を分析した結果、TZ4プロモーターが挿入された株を選抜し、該株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDHと命名した。
上記(C)で得られた形質転換株ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDH株をグルコース2%、カナマイシン25mg/Lを含むA培地100mLで終夜培養を行った。得られた菌体を集菌後、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)50mLで洗浄し、同組成の緩衝液20mLに再度懸濁させた。懸濁液をSONIFIER 350(BRANSON製)で破砕し、遠心分離した上清を無細胞抽出液とした。得られた無細胞抽出液を用いピルベートカルボキシラーゼ活性を測定した。酵素活性の測定は100mM Tris/HCl緩衝液(pH7.5)、 0.1mg/10mlビオチン、5mM 塩化マグネシウム、50mM 炭酸水素ナトリウム、5mM ピルビン酸ナトリウム 、5mM アデノシン3リン酸ナトリウム、0.32 mM NADH、20units/1.5mlリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(WAKO製、酵母由来)及び酵素を含む反応液中で25℃で反応させることにより行った。1Uは1分間に1μmolのNADHの減少を触媒する酵素量とした。ピルベートカルボキシラーゼの発現を強化した無細胞抽出液における比活性は 0.1U/mg蛋白質であった。尚、親株であるMJ233/△LDH株を同様に培養した菌体では、本活性測定方法検出限界以下であった。
[コハク酸塩含有培養液の調製]
<種培養>
尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:5g、カザミノ酸:5g、及び蒸留水:1000mLの培地100mLを500mLの三角フラスコにいれ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やし、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mLを添加し、上記で構築したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDHを接種して24時間30℃にて種培養した。
硫酸アンモニウム:1.0g、リン酸1カリウム:1.5g、リン酸2カリウム1.5g、塩化カリウム:1.67g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:40mg、硫酸マンガン・水和物:40mg、D−ビオチン:1.0mg、塩酸チアミン:1.0mg、酵母エキス10g、消泡剤(CE457:日本油脂製):1.0g及び蒸留水:1000mLの培地400mLを1Lの発酵糟に入れ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やした後、あらかじめ滅菌した72%グルコース水溶液:20mLを添加し、これに前述の種培養液を20mL加えて、30℃に保温した。pHは9.3%アンモニア水を用いて7.0以下にならないように保ち、通気は毎分300mL、攪拌は毎分600回転で24時間本培養を行った。溶存酸素濃度は培養開始直後から徐々に低下し、培養開始後4時間でほぼ0となった。その後、培養開始後15時間で溶存酸素濃度が上昇したため、あらかじめ滅菌した72%グルコース水溶液を380μL添加したところ、再び急速に低下し、ほぼ0となった。約13分後同様に溶存酸素濃度の上昇が観察されため、あらかじめ滅菌した72%グルコース水溶液を380μL添加し再び低下させた。以後、約13分毎に同様の上昇が見られたが、その都度同様の方法で低下させた。培養24時間後のOD660は87.3であった。
リン酸1アンモニウム:84.4mg、リン酸2アンモニウム:75.8mg、塩化カリウム149.1mg、硫酸マグネシウム・7水和物:0.2g、硫酸第一鉄・7水和物:8mg、硫酸マンガン・水和物:8mg、D−ビオチン:80μg、塩酸チアミン:80μg及び蒸留水:200mLの培地を500mLの三角フラスコに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、1Lのジャーファーメンターに入れた。この懸濁液200mLに上記の本培養により得られた培養液90mL、あらかじめ滅菌した72%グルコース溶液:40mL、滅菌水:125mLを添加して混合し、35℃に保温した。pHは炭酸アンモニウム:154g、28%アンモニア水:239ml、蒸留水:650mLの水溶液を用いて7.6に保ち、毎分200回転で攪拌しながら有機酸生産反応を行った。反応開始後21時間における生産コハク酸濃度は34.8g/Lであり、少量のフマル酸が含有されていた。
実施例1
参考例に準じて調製した培養液を減圧加温下で濃縮を行った。濃縮された培養液を攪拌しながら、47%硫酸を培養液に滴下して溶液のpHを2とした。硫酸を添加した培養液に有機溶媒として培養液と等容量のメチルエチルケトン(MEK)を添加し、25℃で、約30分攪拌した。得られた液を静置後、有機層と水層とに分け、分液された水層に水層の体積の半分の容量のMEKを加え、25℃で、30分攪拌した。同様に液を静置後、有機層と水層とに分けた。同様の操作を更に3回繰り返し、全有機層をあわせた。有機層を液体クロマトグラフィー(LC)で分析した結果、有機層には、使用ブロス中に含有していた97.9%量のコハク酸が抽出された(図2)。
して0.3重量%含有)はすべてコハク酸へ誘導された。反応終了後のコハク酸溶液に蒸留水を加えて19wt%のコハク酸水溶液とした後に、触媒を濾別した。水素処理液には臭気は殆ど無かった。
イオン交換処理されたコハク酸水溶液を濃縮してコハク酸濃度を24wt%とし、水晶析を実施した。水晶析の条件は、スリーワンモーターを用いて300rpmでの攪拌下、90分間で70℃から10℃まで冷却し、10℃で、1時間保持する条件で実施した。析出したコハク酸を濾過により回収し、冷水で結晶を洗浄後、70℃、7時間真空乾燥を行い、白色の無臭のコハク酸を得た(YI=2)。得られたコハク酸中には、Na、K、Mg、Ca、NH4イオンの濃度はいずれも1ppm未満、硫黄原子含有量は1ppm未満、窒素原子含有量は8ppmであった。また、得られたコハク酸の3.0wt%濃度のコハク酸水溶液を調製し、日立分光光度計日立UV−3500を用いて測定したスペクトルの250−300nmの平均吸光度は、0.008であった(図3)。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、実施例1で製造したコハク酸100重量部、三菱化学社製工業グレードの1,4―ブタンジオール88.5重量部、リンゴ酸0.37重量部ならびに触媒として二酸化ゲルマニウムを予め0.98重量%溶解させた88%乳酸水溶液5.4重量部を仕込み、窒素―減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/c)は2.3であった。ポリエステルの末端カルボキシル基量は24当量/トンあった。得られたポリエステルはクロロホルムに室温で均一に溶解した。そのクロロホルム溶液からクロロホルムを留去すると均一なフィルムが作成された。
実施例1と同様に、参考例に準じて調製した培養液を減圧加温下で濃縮を行った。濃縮された培養液を攪拌しながら、47%硫酸を培養液に滴下して培養液のpHを2とした。硫酸を添加した培養液に有機溶媒として培養液と等容量のメチルエチルケトン(MEK)を添加し、25℃で、約30分攪拌した。得られた液を静置後、有機層と水層とに分け、分液された水層に水層の体積の等容量のMEKを加え、25℃で、30分攪拌した。同様に液を静置後、有機層と水層とに分けた。同様の操作を更に1回繰り返し、全有機層をあわせた。有機層を液体クロマトグラフィー(LC)で分析した結果、有機層には、使用ブロス中に含有していた97.9%量のコハク酸が抽出された。
次に、SUS316製500ml誘導攪拌オートクレーブを用いて、上記のようにして得られた150gの粗コハク酸中に含まれる微量のフマル酸の水添反応を282gの蒸留水中で、5%Pd/C(和光カタログ326−81672、触媒量:コハク酸に対して1wt%)存在下、水素圧が0.2MPa、反応温度が100℃、反応時間が2時間の条件下で実施した。その結果、粗コハク酸中に含有されていた微量のフマル酸(コハク酸に対して0.3重量%含有)はすべてコハク酸へ誘導された。反応終了後のコハク酸溶液に蒸留水を加えて19wt%のコハク酸水溶液とした後に触媒を濾別した。水素処理液には臭気は殆ど無かった。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、実施例2で製造したコハク酸100重量部、三菱化学社製工業グレードの1,4―ブタンジオール88.5重量部、リンゴ酸0.37重量部ならびに触媒として二酸化ゲルマニウムを予め0.98重量%溶解させた88%乳酸水溶液5.4重量部を仕込み、窒素―減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/c)は2.4であった。ポリエステルの末端カルボキシル基量は25当量/トンあった。尚、得られたポリエステルはクロロホルムに室温で均一に溶解した。そのクロロホルム溶液からクロロホルムを留去すると均一なフィルムが作成された。
参考例に準じて調製した培養液を実施例1と同様に濃硫酸にてプロトン化し、さらに抽出、晶析を行い、粗コハク酸を回収した。この段階でのコハク酸は、薄褐色を呈し且つ、強い臭気を有していた。
次に、SUS316製500ml誘導攪拌オートクレーブを用いて、上記のようにして得られた強い臭気を示す100gの粗コハク酸の水素処理を222gの脱塩水中で、5%Pd/C(和光カタログ326−81672、触媒量:コハク酸に対して1wt%)存在下、水素圧が0.2MPa、反応温度が100℃、反応時間が2時間の条件下で実施した。水素処理液には臭気は殆ど無かった。処理液は70℃の熱濾過で触媒を分離した。該熱濾液は攪拌下約90分で20℃まで冷却し、さらに20℃で1時間保持することで結晶を析出させ、ヌッチェで固液分離して含水コハク酸の結晶を得た。得られたコハク酸結晶は白色を呈しており、コハク酸結晶からは特有の臭気は感じられなかった。
参考例に準じて調製した培養液を実施例1と同様に濃硫酸にてプロトン化し、さらに抽出、晶析を行い、粗コハク酸を回収した。この段階でのコハク酸は、薄褐色を呈し且つ、強い臭気を有していた。
次に、30wt%の粗コハク酸水溶液80℃で調製した後、コハク酸に対して5wt%量のクラ
レケミカル株式会社製の活性炭クラレコールGWを加えた。活性炭処理は、80℃に保温した恒温式振盪器を用いて3時間実施した。その後、80℃で活性炭を濾別した。この段階においてもコハク酸水溶液には特有の臭気が残存した。
更に、イオン交換処理されたコハク酸水溶液を攪拌下約90分で20℃まで冷却し、さらに20℃で1時間保持することで結晶を析出させた。析出したコハク酸を濾過により回収し、冷水で結晶を洗浄後、70℃、12時間真空乾燥を行い、白色の無臭のコハク酸を得た(YI=−1)。得られたコハク酸中には、Na、K、Mg、Ca、NH4イオンの濃度はいずれも1ppm以下、硫黄原子含有量は1ppm未満、窒素原子含有量は2ppmであった。また、得られたコハク酸の3.0wt%濃度のコハク酸水溶液を調製し、日立分光光度計日立UV−3500を用いて測定したスペクトルの250−300nmの平均吸光度は、実施例1のコハク酸と同様(0.01以下)であった。
[重縮合用触媒の調製]
撹拌装置付き500cm3のガラス製ナス型フラスコに酢酸マグネシウム・4水和物を62.0g入れ、更に250gの無水エタノール(純度99重量%以上)を加えた。更にエチルアシッドホスフェート(モノエステル体とジエステル体の混合重量比は45:55)を35.8g加え、23℃で撹拌を行った。15分後に酢酸マグネシウムが完全に溶解したことを確認後、テトラ−n−ブチルチタネートを75.0g添加した。更に10分間撹拌を継続し、均一混合溶液を得た。この混合溶液を、1000cm3のナス型フラスコに移し、60℃のオイルバス中でエバポレーターによって減圧下で濃縮を行った。1時間後に殆どのエタノールが留去され、半透明の粘稠な液体が残った。オイルバスの温度を更に80℃まで上昇させ、5Torrの減圧下で更に濃縮を行った。粘稠な液体は表面から粉体状へと徐々に変化し、2時間後には完全に粉体化した。その後、窒素を用いて常圧に戻し、室温まで冷却し、淡黄色粉体108gを得た。得られた触媒の金属元素分析値は、チタン原子含有量が10.3重量%、マグネシウム原子含有量が6.8重量%、リン原子含有量が7.8重量%であり、モル比としては、T/P=0.77,M/P=1.0であった。更に、粉体状の触媒を1,4−ブタンジオールに溶解させ、チタン原子として34、000ppmとなるように調製した。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料として実施例4で製造したコハク酸100重量部、三菱化学社製工業グレードの1,4−ブタンジオール99.2重量部、リンゴ酸0.38重量部(コハク酸に対して総リンゴ酸量0.33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
応を行い、重合を終了し、白色のポリエステル(黄色度YIは2)を得た。
実施例5
参考例に準じて調製した培養液を実施例1と同様に濃硫酸にてプロトン化し、さらに抽出、晶析を行い、粗コハク酸を回収した。この段階でのコハク酸は、薄褐色を呈し且つ、強い臭気を有していた。
量の粉末状の薬液賦活した活性炭ダイヤホープ8ED(三菱化学カルゴン株式会社製)を加
えた。活性炭処理は、スリーワンモーターを用いて200rpmで攪拌しながら80℃で2時間実施した。
80℃で活性炭を濾別後、得られたコハク酸水溶液をSUS316製500ml誘導攪拌オートクレーブに仕込み、5%Pd/C(和光カタログ326−81672、触媒量:コハク酸に対して0.06wt%)存在下、水素圧が0.8MPa、反応温度が80℃、反応時間が3時間の条件下で水素処理を実施した。その結果、粗コハク酸中にコハク酸に対して1.3重量%含有されていたフマル酸はすべてコハク酸へ誘導された。反応終了後、触媒を濾別した。水素処理液には臭気は殆ど無かった。
イオン交換処理されたコハク酸水溶液を攪拌下約90分で20℃まで冷却し、さらに20℃で1時間保持することで結晶を析出させた。析出したコハク酸を濾過により回収し、冷水
で結晶を洗浄後、70℃、12時間真空乾燥を行い、白色の無臭のコハク酸を得た(YI=−1)。得られたコハク酸中には、Na、K、Mg、Ca、NH4イオンの濃度はいずれも1ppm以下、硫黄原子含有量は1ppm未満、窒素原子含有量は2ppmであった。また、得られたコハク酸の3.0wt%濃度のコハク酸水溶液を調製し、日立分光光度計日立UV−3500を用いて測定したスペクトルの250−300nmの平均吸光度は、実施例1のコハク酸と同様(0.01以下)であった。
原料として実施例5で製造したコハク酸を使用した以外はポリエステル製造例3と同様の方法を用いてポリエステルの製造を行った。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料として実施例5で製造したコハク酸100重量部、1,4−ブタンジオール99.2重量部、リンゴ酸0.38重量部(コハク酸に対して総リンゴ酸量0.33mol%)を仕込
み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
同減圧度で2.4時間反応を行い、重合を終了し、白色のポリエステル(黄色度YIは3)を得た。
比較例1
水素圧として0.2MPa加圧下で水素処理を行う代わりに窒素圧として0.2MPa加圧下で熱処理を行った以外は実施例3と同一の操作を行った。
持することで結晶を析出させ、ヌッチェで固液分離して含水コハク酸の結晶を得た。得られたコハク酸結晶は白色を呈していたが、コハク酸結晶には特有の強い臭気が残留した。
参考例に準じて調製した培養液を実施例2と同様に濃硫酸にてプロトン化し、さらに抽出、晶析を行い、粗コハク酸を回収した。この段階でのコハク酸は、薄褐色を呈し且つ、強い臭気を有していた。
次に、20wt%の粗コハク酸水溶液を80℃で調製した後、イオン交換処理(陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSKT20L(三菱化学株式会社製):H型)により含有されるカチオンを除去した。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、比較例2で製造したコハク酸100重量部、三菱化学社製工業グレードの1,4―ブタンジオール88.5重量部、リンゴ酸0.37重量部ならびに触媒として二酸化ゲルマニウムを予め0.98重量%溶解させた88%乳酸水溶液5.4重量部を仕込み、窒素―減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/c)は2.2であった。ポリエステルの末端カルボキシル基量は35当量/トンあった。尚、得られたポリエステルはクロロホルムに室温で均一に溶解した。そのクロロホルム溶液からクロロホルムを留去すると均一なフィルムが作成された。
Claims (23)
- バイオマス資源から誘導されるコハク酸の製造方法であって、少なくとも該コハク酸を含む溶液を触媒存在下で水素処理を行うことを特徴とするコハク酸の製造方法。
- 水素処理の温度が30℃以上、150℃以下、水素圧が0.1MPa以上、5MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のコハク酸の製造方法。
- 金属酸化物、シリカ及び活性炭の群から選ばれるいずれかの吸着剤存在下、水素化触媒により水素処理を行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- コハク酸を含む溶液が水溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 水素処理を行うコハク酸を含む溶液にフマル酸が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 水素処理を行うコハク酸を含む溶液中のフマル酸の含有量がコハク酸重量に対して0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項5に記載のコハク酸の製造方法。
- コハク酸の250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度が0.05以下になるように、該コハク酸の含有液から不純物を除去することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 該不純物の除去が活性炭を用いた吸着除去によることを特徴とする請求項7に記載のコハク酸の製造方法。
- 該不純物の除去が溶媒を用いた晶析によることを特徴とする請求項7又は8に記載のコハク酸の製造方法。
- 水素処理工程より前の工程でコハク酸を含む溶液中の不溶成分を膜透過処理により除去することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 水素処理工程より前の工程でコハク酸を含む溶液中の不溶成分を吸着剤により除去することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- バイオマス資源から誘導されるコハク酸を、溶液中での活性炭を用いた吸着工程又は晶析工程の少なくともいずれかの工程を経た後に触媒存在下で水素処理を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- バイオマス資源が植物資源であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 該脂肪族ジカルボン酸の黄色度(YI)が10以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 該不純物が窒素を含有する化合物であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 該不純物が芳香族化合物であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の方法により製造されたコハク酸。
- 250〜300nmの紫外線領域の平均吸光度が0.05以下であることを特徴とするバイオマス資源から誘導されたコハク酸。
- 黄色度(YI)が10以下であることを特徴とする請求項18に記載のコハク酸。
- 請求項17〜19のいずれかに記載のコハク酸を原料として用いたポリエステル。
- カルボキシル基末端濃度が100当量/トン以下であることを特徴とする請求項20に記載のポリエステル。
- ポリエステルの還元粘度(ηsp/c)が0.5以上であることを特徴とする請求項20又は21に記載のポリエステル。
- 請求項20〜22のいずれかに記載のポリエステルを成形してなる成形体。
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