JP2011219409A - 脂肪族ジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バイオマス資源から得られる脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1つを含有する水溶液から、バイオマス資源由来の様々な物質を高い効率で除去し、精製度の高い脂肪族ジカルボン酸を効率的に且つ安定的に製造する方法を提供する。
【解決手段】バイオマス資源から誘導された、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と、比表面積が1300m/g以上5000m/g以下の活性炭とを接触させる工程を有する、脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は脂肪族ジカルボン酸の製造方法に関する。特に、バイオマス資源であるグルコース、ブドウ糖、セルロースなどから微生物変換によって得られる脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含有する水溶液から脂肪族ジカルボン酸を製造する方法に関する。
コハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸は、ポリエステル、ポリアミド等のポリマー、特に生分解性ポリエステルの原料として、また、食品、医薬品、その他化学品の合成原料として広く用いられており、特に脂肪族ジカルボン酸をポリマー原料として用いる場合、ポリマーの重合度維持や着色防止などのために、高純度の脂肪族ジカルボン酸が要求される。
これらの脂肪族ジカルボン酸は、従来、石油由来の原料より、工業的に製造されてきた。しかし、近年では、微生物を用いた発酵操作により、広いバイオマス資源から高い炭素収率で、種々の脂肪族ジカルボン酸を製造することができる。例えば、コハク酸、アジピン酸などは発酵により製造することができる。
発酵による脂肪族ジカルボン酸の製造において、原料となるのは、一般に糖類であり、グルコースやブドウ糖又は、セルロースなどである。しかし、多糖類が不純物として含まれる場合や、原料の糖類が微生物に完全に資化されずに残り、脂肪族ジカルボン酸に糖類が混入することがある。また、微生物を用いた発酵で、アンモニアを中和剤として用いる場合、アミノ酸を副生し、脂肪族ジカルボン酸にアミノ酸が混入する。さらに微生物由来のタンパク質、発酵で用いられる無機塩類も脂肪族ジカルボン酸に混入することがある。これら不純物を効率的且つ安価な方法で除去することは困難であった。
発酵により製造される脂肪族ジカルボン酸の精製方法としては、脂肪族ジカルボン酸のカルシウム塩を硫酸で分解する方法(例えば、特許文献1参照)、イオン交換樹脂を用いる方法(例えば、特許文献2参照)が知られているが、これらの方法では充分な精製度が得られないばかりか大量の副生塩も発生し、その処理が課題であった。
さらに脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩に硫酸水素アンモニウムおよび/または硫酸を加え、ジカルボン酸と硫酸アンモニウム塩を生成するとともに生成した硫酸アンモニウム塩を硫酸水素アンモニウムとアンモニアに熱分解し、リサイクルする方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では副生塩を分解してそれぞれリサイクルするため塩の処理は問題ないが、副生塩の分解には高温を要し、設備対応上課題がある。また精製度も不十分であった。
電気透析を用いる方法(例えば、特許文献4参照)も一般に知られている。しかし電気透析は装置がその生産規模に比例して多くなるため、工業スケールの生産であってもスケールメリットが小さくコスト高となる。
これらの問題を解決する方法として、有機酸を含む水溶液に溶剤を加えて有機酸を抽出する方法(例えば、特許文献5参照)が知られている。ただ本抽出方法においては、その過程において水にも溶剤にも溶解しない固形分が生成し、抽出を阻害するばかりか、その後続工程へ悪影響を及ぼしたり、有機酸の純度悪化を招いたりするなどの問題があった。
特開平3−030685号公報 特表2002−505310号公報 特表2001−514900号公報 特開2005−333886号公報 特表平9−500649号公報
従来知られた技術により得られる、バイオマス資源から誘導された脂肪族ジカルボン酸は、精製工程を経た後もバイオマス資源由来の様々な物質を含有しており、当該脂肪族ジカルボン酸の様々な応用に際して、それらの物質が障害となることがあった。例えば、着色成分は脂肪族カルボン酸をポリマー原料として利用する際に、ポリマーの着色を引き起こしたり、重合の阻害となったりすることがあった。そして、このような着色成分を取り除くのに際して、従前知られた技術による精製法では、例えば活性炭以外の吸着材などを用いると経済的にも負荷がかかり、精製も十分ではないという課題があった。
本発明は、バイオマス資源から得られる脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1つを含有する水溶液から、バイオマス資源由来の様々な物質を高い効率で除去し、精製度の高い脂肪族ジカルボン酸を効率的に且つ安定的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に記載する本方法により上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下の特徴に存する。
[1]バイオマス資源から誘導された、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と、比表面積が1300m/g以上10000m/g以下の活性炭とを接触させる、脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
[2] 前記活性炭の外表面積が100m/g以上1000m/g以下である、請求項1に記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
[3] 前記活性炭の体積平均粒子径が、1μm以上2000μm以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
[4] 前記脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と、活性炭とを接触させる工程において、活性炭が流動相および固定
相から選ばれる少なくとも1つの相形態を含む、[1]から[3]のいずれか1つに記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
[5] 前記活性炭の脂肪族ジカルボン酸に対する重量比が、0.01重量%以上100重量%以下である、[1]から[4]のいずれか1つに記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
本発明の方法によれば、バイオマス資源から誘導された、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液から、脂肪族ジカルボン
酸を効率的に且つ安定的に製造することができる。
プラスミドpMJPC17.2の構築手順を示す図であって、下線の数字は当該配列番号の配列からなるプライマーを示す。 脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液と該水溶液と相分離する溶剤とを混合し、脂肪族ジカルボン酸を溶剤中に回収する抽出工程を有する、脂肪族ジカルボン酸の製造方法の一形態を示す図面である。 実施例1における抽出相の希釈・蒸留操作における組成変化を示す図面である。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
本発明の脂肪族ジカルボン酸の製造方法では、バイオマス資源から誘導された、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と
、比表面積が1300m/g以上10000m/g以下の活性炭とを接触させる。
以下本発明の各工程について詳細に説明する。
<脂肪族ジカルボン酸>
本発明の脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、リンゴ酸、フマル酸、オキザロ酢酸、2−オキソグルタル酸、シス−アコニット酸、ドデカン二酸、ならびにダイマー酸等の、炭素数が2以上40以下の鎖状ジカルボン酸が挙げられる。これらの中では、アジピン酸、コハク酸またはダイマー酸が好ましく、特にコハク酸、アジピン酸が好ましい。
本発明において、これらの脂肪族ジカルボン酸は、バイオマス資源から誘導されるものである。バイオマス資源としては、例えば、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣、水産物残渣、家畜排泄物、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。この中でも木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣等の植物資源が好ましく、より好ましくは、木材、稲わら、籾殻、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、芋、油脂、古紙、製紙残渣であり、最も好ましくはとうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシである。これらのバイオマス資源は、一般に、窒素元素やNa、K、Mg、Ca等の多くのアルカリ金属、アルカリ土類金属を含有する。
そしてこれらのバイオマス資源は、特に限定はされないが、例えば酸やアルカリ等の化学処理、微生物を用いた生物学的処理、物理的処理等の公知の前処理・糖化の工程を経て炭素源へ誘導される。その工程には、特に限定はされないが、例えば、バイオマス資源をチップ化する、削る、擦り潰す等の前処理による微細化工程が含まれる。必要に応じて、更にグラインダーやミルでの粉砕工程が含まれる。こうして微細化されたバイオマス資源は、更に前処理・糖化の工程を経て炭素源へ誘導されるが、その具体的な方法としては、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸等の強酸での酸処理、アルカリ処理、アンモニア凍結蒸煮爆砕法、溶媒抽出、超臨界流体処理、酸化剤処理等の化学的方法や、微粉砕、蒸煮爆砕法、マイクロ波処理、電子線照射等の物理的方法、微生物や酵素処理による加水分解等の生物学的処理が挙げられる。
上記のバイオマス資源から誘導される炭素源としては、通常、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のヘキソース、アラビノース、キシロース、リボース、キシルロース、リブロース等のペントース、マルトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、澱粉、セルロース等の2糖・多糖類、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モノクチン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、ドコサペンタエン酸、ドコ
サヘキサエン酸、リグノセリン酸、セラコレン酸等の脂肪酸、グリセリン、マンニトール、キシリトール、リビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、マルトース、フルクトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、セルロースが好ましい。
本発明においては、これらのバイオマス資源から誘導される炭素源から脂肪族ジカルボン酸が誘導される。具体的には、例えば、これらの炭素源を用いて、微生物変換による発酵法や加水分解・脱水反応・水和反応・酸化反応・還元反応等の反応工程を含む化学変換法ならびにこれらの発酵法と化学変換法の組み合わせによりジカルボン酸が合成されるが、これらの中でも脂肪族ジカルボン酸生産能を有する微生物を利用した微生物変換による発酵法が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸生産能を有する微生物は脂肪族ジカルボン酸生産能を有する微生物であるかぎり特に制限されないが、エシェリヒア・コリ等の腸内細菌、バチルス属細菌、コリネ型細菌などが挙げられ、好気性微生物、通性嫌気性微生物または微好気性微生物を使用することが好ましい。
好気性微生物としては、コリネ型細菌(Coryneform Bacterium)、バチルス(Bacillus)属細菌、リゾビウム(Rhizobium)属細菌、アースロバクター(Arthrobacter)属細菌、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌、ノカルディア(Nocardia)属細菌、又はストレプトマイセス(Streptomyces)属細菌などが挙げられ、コリネ型細菌がより好ましい。
コリネ型細菌は、これに分類されるものであれば特に制限されないが、コリネバクテリウム属に属する細菌、ブレビバクテリウム属に属する細菌又はアースロバクター属に属する細菌などが挙げられ、このうち好ましくは、コリネバクテリウム属又はブレビバクテリウム属に属するものが挙げられ、更に好ましくは、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)又はブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)に分類される細菌が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸生産菌としてコハク酸生産菌を用いる場合、後述の実施例に記載のように、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性が増強され、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が低下した株を用いることが好ましい。
微生物変換における反応温度、圧力等の反応条件は、選択される菌体、カビなど微生物の活性に依存することになるが、ジカルボン酸を得るための好適な条件を 各々の場合に応じて選択すればよい。
微生物変換においては、pHが低くなると微生物の代謝活性が低くなったり、或いは微生物が活動を停止するようになり、製造歩留まりが悪化したり、微生物が死滅するため、通常には中和剤を使用する。通常はpHセンサーによって反応系内のpHを計測し、所定のpH範囲となるように中和剤の添加によりpHを調節する。pH値は、用いる菌体、カビ等の微生物の種類に応じて、その活性が最も有効に発揮される範囲に調整される。中和剤の添加方法については特に制限はなく、連続添加であっても間欠添加であってもよい。
中和剤としてはアンモニア、炭酸アンモニウム、尿素、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩が挙げられる。好ましくはアンモニア、炭酸アンモニウム、尿素である。なお上記アルカリ(土類)
金属の水酸化物としてはNaOH、KOH、Ca(OH)、Mg(OH)等、或いはこれらの混合物などが挙げられ、アルカリ(土類)金属の炭酸塩としては、NaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaKCO等、或いはこれらの混合物などが挙げられる。本発明に係る脂肪族ジカルボン酸は、水溶液中でこれらの中和剤による塩として存在することもある。
本発明においては、微生物変換後の発酵液は、その後の精製工程での操作性や効率性を考慮して適宜濃縮しても良い。濃縮方法としては、特に限定されないが、不活性ガスを流通させる方法、加熱により水を留去させる方法、減圧で水を留去させる方法ならびにこれらを組み合わせる方法などが挙げられる。
尚、本発明の方法において発酵液を用いる場合、微生物を除去した後の発酵液を用いることが好ましい。微生物の除去方法は特に限定は無いが、沈降分離、遠心分離、ろ過分離ならびにそれらを組み合わせた方法などが用いられる。工業的には遠心分離、膜ろ過分離などの方法で行われる。遠心分離においては、遠心沈降、遠心ろ過などを用いることができる。遠心分離において、その操作条件は特に限定されるものではないが、通常100G〜100,000Gの遠心力で分離される。またその操作は連続式でも、バッチ式でも使用できる。
また膜ろ過分離においては、精密ろ過および/または限外ろ過等を使用することが出来る。膜の材質は特に限定は無く、例えばポリオレフィン、ポリスルフィン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等の有機膜でも、セラミック等の無機材質の膜でも使用できる。また操作方法として、デッドエンド型、クロスフロー型いずれでも用いることができる。膜ろ過分離では、微生物が膜に目詰まりすることが多いので、遠心分離などで微生物を粗取りを行ってから膜ろ過を行うなどの方法も用いられる。
上記のようにバイオマス資源から誘導される炭素源から微生物変換により得られた脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩は、水溶液中に通常溶解した状態で存在することになるが、後の接触工程の前にジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩の一部が例えば析出などして固体として存在していても構わない。また、通常、微生物変換により得られた脂肪族ジカルボン酸を含有する水溶液は、微生物変換の際に用いた糖類やアミノ酸などを含有しており、このような水溶液と活性炭とを接触させた場合には、本発明に係る課題がより顕著となり、本発明による解決の効果も大きくなる。
<活性炭>
本発明においては、バイオマス資源から誘導された、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と、比表面積が1300m
/g以上10000m/g以下の活性炭とを接触させる。
本発明における活性炭としては、分離、除去、精製するなどの目的で吸着効率を高めるために化学的または物理的な処理を施した多孔質の炭素を主な成分とする物質であって、且つ本発明に特定の比表面積を有する限り、特に限定されずに選択することができる。
活性炭は一般に1)木材片、ヤシガラなどの木質原料を、塩化亜鉛、リン酸、塩化カル
シウムなどの薬品に浸漬し、約600〜700℃で焼成した後、例えば、塩酸などの酸によって添加薬品類を脱離、洗浄することにより得られる植物系と、あるいは2)石炭、石
油ピッチなどの鉱物系原料を、アルカリで処理してから、水蒸気、炭酸ガスなどにより7501100℃で賦活することによって得られる石炭系に大別される。
また形状は特に限定されるものではなく、粉末状、破砕状、粒状、柱状などどのような形状でも良い。
(比表面積)
本発明に係る活性炭の比表面積は、通常1300m/g以上10000m/g以下であるが、吸着量の観点から、好ましくは1400m/g以上5000m/g以下であって、より好ましくは1500m/g以上3000m/g以下である。
本発明に係る活性炭の比表面積は、通常知られる如何なる方法で測定しても構わないが、通常、窒素を用いた吸着等温線による吸着法(以下、BET多点法と言うことがある)で測定される。より具体的には例えば、活性炭を350℃、1.3Pa以下で、2時間減圧加熱処理を施した後、カンタークローム社製・オートソーブ3Bにて、液体窒素温度下で平衡吸着量を測定し吸着等温線を得て、得られた吸着等温線を用いてBET多点法により比表面積を算出することができる。この比表面積は、炭素原料を適宜選択したり、賦活の際の温度条件を調整したり、賦活の際のガスを適宜選択したり、賦活の際に使用する薬品を適宜選択することにより調節することができる。例えば、炭素材料として、石炭、ヤシガラ、オガクズなどを用いて、賦活ガスとして水蒸気を用いて、900℃から1100℃で処理することにより、本発明の規定する批評面積を有する活性炭を得ることができる。
(外表面積)
本発明に係る活性炭の外表面積は、全体の表面積からミクロ孔由来の面積を差し引いた、メソ孔以上の細孔を含む表面積のことである。本発明の効果を妨げない範囲において、本発明に係る活性炭の外表面積に特に制限は無いが、吸着量の観点から、好ましくは100m/g以上1000m/g以下であって、より好ましくは150m/g以上700m/g以下であり、特に好ましくは200m/g以上400m/g以下である。
上記外表面積は、メソ孔以上の細孔頻度とミクロ孔領域の頻度差異として、t-プロット解析を、一般的なde-Bore の式を用いて実施し、その結果によりミクロ孔面積と外表面積に区別し差し引いた値により定義される。
外表面積は、体積平均粒子径の大きさを調整したり、粒子の形状を調整したり、活性炭の賦活方法を調整したりすることで、適宜調節することができる。
(体積平均粒子径)
本発明に係る活性炭の体積平均粒子径は、吸着量の観点から好ましくは1μm以上2000μm以下であって、より好ましくは5μm以上1500μm以下であり、特に好ましくは10μm以上1200μm以下である。
本発明に係る活性炭の好ましい体積平均粒子径は、活性炭と脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液との接触方法によって
も異なる場合がある。例えば充填塔に活性炭を固定相として固定し、前記水溶液を流動相として移動させる固定相式接触法では、流動相を効率よく移動させるため、充填塔の圧力損失や、水溶液と活性炭の接触時間や、水溶液と活性炭との相対移動時間などを適当なものとするため、好ましくは100μm以上2000μm以下であって、より好ましくは200μm以上1500μm以下、さらに好ましくは300μm以上1200μm以下である。また、水溶液に活性炭を分散させて全体を流動相とする流動相式接触法では、活性炭の水溶液に対する分散性や、接触後の活性炭の分離性や、活性炭と水溶液との接触効率などを適当なものとするため、好ましくは1μm以上300μm以下であって、より好ましくは5μm以上200μm以下であり、特に好ましくは10μm以上100μm以下である。
体積平均粒子径は、通常、レーザー回折・散乱法により求めることができる。より具体的には例えば、ヘキサメタリン酸Naを0.05wt%含有する水溶液を分散溶媒として用い、0.1〜10.0g/cmの濃度に分散した試料を、粒子径測定装置(日機装:MT3300EXII)を用いて20℃にて測定することができる。また、体積平均粒子径が140
0μmを超える粒子の場合には、JIS Z8815に規定される篩分法により、測定することが好ましい。
本発明に係る活性炭の体積平均粒子径を調整する方法としては、活性炭を従前公知の方法により目的の体積平均粒子径となるまで粉砕する方法や、予め目的の体積平均粒子径まで粉砕した原料を賦活して活性炭を得る方法などがある。また、目的の体積平均粒子径とするには、より体積平均粒子径の小さい粒子群と、体積平均粒子径が大きい粒子群とを適宜混合することにより調整することもできる。
本発明に好適に用いられる活性炭としては、例えばダイヤホープ 8ED(三菱化学カ
ルゴン株式会社製)、白鷺KL(日本エンバイロケミカルズ社製)などがあげられる。
<接触方法>
脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む
水溶液と、活性炭とを接触させる方法としては、例えば、充填塔に活性炭を固定相として固定し、前記水溶液を流動相として移動させる固定相式接触法や、水溶液に活性炭を分散させて全体を流動相とする流動相式接触法があげられる。より具体的には、固定相式接触法ではカラムに充填した活性炭に前記水溶液を上方から下方または下方から上方へ流す方法が一般的に採用されており、流動相式接触法では前記溶媒と活性炭を攪拌機を備えた容器で混合する方法が一般的に採用されている。
混合比率は溶液中の脂肪族ジカルボン酸に対して0.1重量%〜100重量%、接触温
度は50℃〜100℃の脂肪族ジカルボン酸が析出しない温度が良く、また接触時間はその時の不純物の混合割合にもがよるが0.2時間〜24時間あればほぼ目的は達成される。流動相式接触法では、活性炭が槽内で均一に懸濁した状態が保たれれた状態、例えば攪拌槽による懸濁処理においては、通常、攪拌動力が0.1kW〜1.0kWの攪拌下所定時間活性炭と脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1
つを含む水溶液を接触させる。一方固定相式接触法では、充填塔内の滞留時間が所定の接触時間となるような流速、すなわち空間速度(以下、SVと略記することがある)が0.04〜5/時間で水溶液を流すのが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む
水溶液と活性炭とを接触させた後、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液を得る。固定相式接触法の場合は活性炭が固定さ
れているので、活性炭と、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液とを、分離する操作は特には必要ないが、流動相式接触法
の場合には、通常知られる濾過や遠心分離などの固液分離方法により、活性炭を分離する。
本発明の脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1
つを含む水溶液と活性炭とを接触させる脂肪族ジカルボン酸の製方法では、上記の活性炭を、単独の接触処理装置で行う一段の処理方法であってもよいし、複数の装置にて行う多段の接触処理装置による方法であってもよい。また、接触操作を回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。特に、連続プロセスにおいては、流動相式接触処理の後、固定相式接触処理を行う方法が望ましい。
本発明の脂肪族ジカルボン酸の製造方法において、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と、活性炭とを接触させるのに
加えて、更にイオン交換樹脂やゼオライトなど活性炭以外の吸着剤により処理する工程を併用しても構わない。
<脂肪族ジカルボン酸の回収>
本発明の脂肪族ジカルボン酸の製造方法では、バイオマス資源から誘導された、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と
、比表面積が1300m/g以上10000m/g以下の活性炭とを接触させた後、必要に応じて下記のその他の工程による処理を行った後、当該水溶液から従前知られる方法により脂肪族ジカルボン酸の固体を回収して、脂肪族ジカルボン酸を製造する。
脂肪族ジカルボン酸を回収する工程としては、具体的には例えば、当該水溶液の水を蒸発させることにより固体を回収する方法や、脂肪族ジカルボン酸を抽出可能で且つ当該水溶液と相分離可能な溶剤と接触させることによる抽出により回収し、当該溶液から溶剤を蒸発させる方法や、各種溶媒中での脂肪族ジカルボン酸の溶解度の差を利用した晶析工程法などがあげられる。
<その他の工程>
本発明の脂肪族ジカルボン酸の製造方法は、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と、比表面積が1300m/g以上
10000m/g以下の活性炭とを接触させる工程を有するものであるが、ジカルボン酸の製造工程にその他の工程を有していても構わない。
その他の工程としては例えば、脂肪族ジカルボン酸の塩を酸を用いて塩交換することで脂肪族ジカルボン酸とするプロトン化工程、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液から、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族
ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを、当該水溶液と相分離可能な溶剤により
抽出する抽出工程、当該水溶液と当該溶媒を相分離させる相分離工程、当該水溶液中に含まれる当該溶剤を除去する溶剤除去工程、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液から、脂肪族ジカルボン酸を晶析させる晶
析工程、水添処理や無機吸着剤による吸着などの高度精製処理工程等があげられる。
(プロトン化工程)
水溶液中で脂肪族ジカルボン酸が何らかの塩となっている場合には、そのまま水を蒸発させても脂肪族ジカルボン酸の塩が固体として回収され、脂肪族ジカルボン酸の固体は回収されないので、酸によりプロトン化した後に脂肪族ジカルボン酸を回収する。また、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶
液と相分離可能な溶剤により抽出する抽出工程を適用する場合には、脂肪族ジカルボン酸が塩の状態では溶剤中にほとんど抽出されないため、プロトン化することが好ましい。上述のように発酵工程で中和剤を用いた場合には、通常脂肪族ジカルボン酸の塩が得られ、得られた脂肪族ジカルボン酸の塩を脂肪族ジカルボン酸へ変換する工程が必要となる。
プロトン化の際に用いる酸は、脂肪族ジカルボン酸の塩と塩交換して脂肪族ジカルボン酸を得ることができるものであれば如何なる酸でも構わないが、通常は脂肪族ジカルボン酸より強い酸、すなわち酸解離定数pKaが脂肪族ジカルボン酸より小さい酸が用いられ、
好ましくはpKa<4である酸を用いる。さらに用いる酸は有機酸であっても無機酸であっても構わないが、より精製度の高い脂肪族ジカルボン酸を製造できるという点で、有機酸よりも無機酸の方が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸塩に無機酸を加えることで無機塩が副生する。例えば発酵操作で中和剤としてアンモニアを用いた場合、脂肪族ジカルボン酸はアンモニウム塩として存在するが、本工程で硫酸を用いた場合は、硫酸アンモニウムが副生塩として発生する。本発明の方法で、無機塩が副生塩である場合は、後続の抽出工程で副生塩による塩析効果による液々分離性状の改善が期待できる。
酸添加量は用いる酸の強度にもよるが、通常は脂肪族ジカルボン酸塩を構成するカチオン量に対し0.1〜5倍等量程度の酸を添加する。通常、酸の添加はpHで調整する。pHは脂肪族ジカルボン酸の酸強度pKaにもよるが、少なくともpKa以下とする。通常はpH4以下で操作する。一方酸を過剰に加えてもpHの下がり方は徐々に鈍化し、過剰の酸は脂肪族ジカルボン酸塩とは塩交換せず酸として系内に存在することとなる。余剰の酸は最終的には後続の抽出工程で抽残相として回収させ、その処理には再び中和処理等が必要になり非効率である。従ってpHは通常1以上で制御する。
(抽出工程・相分離工程)
・溶剤
抽出工程で使用される溶剤は、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と相分離可能な溶剤であれば特に制限は無いが、無
機性値/有機性値の比(I/O値)が0.2以上2.3以下であり、常圧(1気圧)で沸点
が40℃以上の溶剤が好ましい。このような溶剤を用いることにより、脂肪族ジカルボン酸を選択的に抽出して、効率よく夾雑不純物と分離できる。また、常圧で沸点が40℃以上の溶剤を用いることにより、溶剤が気化して引火する危険性や、溶剤が気化して脂肪族ジカルボン酸の抽出効率が低下するという問題や溶剤のリサイクルがしにくいといった問題を回避することができる。
なお、I/O値が0.3以上2.0以下であり、常圧で沸点が40℃以上の溶剤がより好
ましく、I/O値が0.3以上2.0以下であり、常圧で沸点が60℃以上の溶剤がさらに
好ましい。
無機性値及び有機性値は、有機概念図論(「系統的有機定性分析」藤田穆、風間書房(1974))により提案されており、有機化合物を構成する官能基に対して予め設定された数値を基に有機性値及び無機性値を算出し、その比を求めて得られる。
I/O値が0.2以上2.3以下であり、常圧で沸点が40℃以上の溶剤としては、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の炭素鎖3以上のアルコールが例示される。
各種溶剤のI/O値および沸点を下記表1に示す。
Figure 2011219409
上記のような溶剤を「糖類および脂肪族ジカルボン酸を含有する溶液」に加えて脂肪族ジカルボン酸の抽出工程を行う。ここで、溶剤は、「糖類および脂肪族ジカルボン酸を含有する溶液」の容量1に対し0.5〜5の容量で加えることが好ましく、「糖類および脂肪族ジカルボン酸を含有する溶液」の容量1に対し1〜3の容量で加えることがより好ましい。
抽出操作により、脂肪族ジカルボン酸を選択的に溶剤中に抽出回収することができ、生成効率をより高めることができる。水溶性の高い糖類、アミノ酸類、無機塩類は主に水層に分配される。もちろん脂肪族ジカルボン酸塩のプロトン化工程で発生した副生塩は水層に分配され、脂肪族ジカルボン酸と容易に分離できる。例えば副生塩が硫安の場合はほぼ全ての硫安が水層に回収される。同時に硫安は、水層に回収されたアミノ酸、糖類とともに濃縮、晶析、乾燥等の処理によりアミノ酸、糖類を有機分含んだ硫安として回収することができる。この硫安は有機物を適度に含むことから肥料として有用である。
・固形分
脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む
水溶液から、脂肪族ジカルボンを、脂肪族ジカルボン酸を含む水溶液に相分離可能な溶剤を加えて抽出する方法においては、その過程において水溶液相にも溶剤相にも溶解しない固形分が生成し、抽出を阻害したり、その後続工程へ悪影響を及ぼしたり、脂肪族ジカルボン酸の純度悪化を招いたりするなどの問題が発生することがある。特に、バイオマス資源であるグルコース、ブドウ糖、セルロースなどから微生物変換によって得られた脂肪族ジカルボン酸(塩)及び糖類、アミノ酸、タンパク質、無機塩類等からなる水溶液と溶剤とを接触させて脂肪族ジカルボン酸を抽出する際には、抽出操作や相分離操作を特に困難とする場合があり注意を要する。
抽出温度は脂肪族ジカルボン酸が抽出される温度であればよいが、30〜60℃がより好ましい。抽出温度が低いと一般に脂肪族ジカルボン酸の抽出率は高くなるが、液粘性があがるためか発生した固形分の沈降が遅く、抽出液に固形分が混入する虞が高くなり好ましくない。一方、抽出温度が高いと固形分の沈降ははやく、分離は容易となるが、脂肪族ジカルボン酸の抽出率が低く、効率が悪い。
通常、発酵液にはタンパク質など高次構造を有した高分子類が不純物として存在する。タンパク質などは通常水溶性が高く、抽出操作においてはその殆どが水層へ分配される。ただし抽出過程で溶剤と接触することにより、その高次構造が破壊、変性し、水にも溶剤にも溶解せず前記のような固形分になるものが一部存在する。
抽出過程で生成した固形分は、主に液々界面近傍に集まる傾向にある。通常バッチ抽出では液々界面近傍に固形分が生成しても、固形分を除いて抽出相、抽残相を回収すれば操作上大きな問題とはならない。一方、連続抽出、特に向流多段抽出塔では固形分が連続的に発生するため液々分散、液々分離に支障が生じ、安定運転を妨げるばかりか、抽出ができなくなることさえある。また固形分を含んだ液が後続工程に流れると、後続工程で悪影響を及ぼすことがある。例えば、抽出工程で回収された脂肪族ジカルボン酸を含む抽出液は、脂肪族ジカルボン酸濃度が低いので濃縮する場合があるが、固形分が存在すると、リボイラーなど加熱面に固形分が付着、焦げ付き、伝熱効率を悪化させる。さらに後続工程にもよるが品質上問題になるケースもある。例えば、脂肪族ジカルボン酸をポリエステル原料として用いる場合においては、Nがポリマー色調に大きく関与していることが判明している。固形分はタンパク質変性物を多く含み、Nを多く含むため、固形分が最終製品にコンタミするとポリエステル色調に影響を及ぼす可能性がある。これらより抽出過程で生成した固形分は抽出工程で除去することが好ましい。
固形分の除去方法は特に拘らないが、固形分のみを選択的に除くことが好ましい。
例えばバッチ抽出においては、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液に溶剤を加え、充分混合した後、抽出相、固形物を多
く含む中間相、抽残相をそれぞれ分離回収することができる。また連続抽出においては、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水
溶液と溶剤を混合するミキサー部と混合液を液々分離するセトラー部からなるミキサーセトラー型抽出器において、セトラーで抽出相、固形分を多く含む中間相、抽残相をそれぞれ回収することができる。ミキサーは脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と溶剤が充分混合すればどんな方式でも良く、
攪拌槽、スタティックミキサーなどがあげられる。ただし攪拌槽を用いるケースにおいては、発生した固形分に攪拌により攪拌槽内に巻き込まれた気泡が固形分に付着し、後続のセトラーにおける固形分の沈降を著しく阻害するので攪拌条件の設定には注意を要する。操作許容範囲の広さ、設備費用の観点からはミキサーはスタティックミキサーとするのが望ましい。一方セトラーのタイプは特に限定しない。一槽式で抽出相、中間相、抽残相をそれぞれ回収するタイプ、多槽式で抽出相、中間相、抽残相をそれぞれ回収するタイプなどがあげられる。
固形物を多く含む中間相は、抽出相、抽残相も含むため、固液分離し、固形分と抽出相および/または抽残相を分離し、抽出相および/または抽残相を回収することができる。固液分離方法についても特に限定されるものではないが、沈降分離、ろ過分離、いずれの方法も用いることができる。沈降分離においては、重力場で固形分を沈降分離しても、また遠心力場において固形分を沈降分離してもよい。ただその沈降速度から遠心沈降分離が望ましい。またその方式はバッチ操作でも連続操作でもいい。例えば連続式の遠心沈降機としてはスクリューデカンター、分離板式遠心沈降機があげられる。ろ過分離において、その方法は、ろ材、ろ過圧力、連続操作・バッチ操作などで分類されるが、いずれも固形分を抽出相および/または抽残相と分離できれば特に限定するもののではない。ただしろ材の目開きは0.1μm以上10μm以下が望ましい。0.1μm以下では透過流束が小さすぎろ過に時間がかかりすぎる。一方10μm以上では固形分の分離が不十分となる。またろ材の材質は溶剤に不溶である必要があることからテフロン(登録商標)などを用いることが望ましい。ろ過は真空式でも、加圧式でも、遠心式いずれも用いることができる。さらにその方式は連続式でも、バッチ式でも構わない。
・抽出装置
抽出装置は脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と溶剤との接触、溶剤相と水溶液相の回収、および固形分の除去ができ
ればどのような装置であってもかまわないが、装置が簡単で操作も容易な、上記のミキサーセトラー型抽出装置が好ましい。
抽出は一段で行っても、多段で行ってもよい。また溶剤は脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液に対してクロスフローで
流しても、カウンターフローで流しても構わない。
最も望ましい形態は、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と溶剤をミキサーセトラーで混合、液々分離し、抽出液、中
間相、抽残相をそれぞれ分離回収し、中間相は固液分離し、固形分と抽出相および/または抽残相に分離し、分離回収した抽残相および/または抽残相は、セトラーで回収された抽出相と抽残相に合流させる。さらに一段の抽出では充分な収率が得られないため、抽残相と新たな溶剤を向流多段抽出で混合し、抽出相と抽残相を回収する方式である。
抽出相中に選択的に回収された脂肪族ジカルボン酸を最終的に脂肪族ジカルボン酸結晶として回収するには通常、濃縮工程、晶析工程等が必要となる。ここで抽出相から脂肪族ジカルボン酸結晶を回収する一般的な方法を説明する。
(溶剤除去工程)
一般に、抽出相における脂肪族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸の塩の濃度は希薄であるため、濃縮操作が必要となる。濃縮度は特に限定されるものではないが、最終濃縮液中の脂肪族ジカルボン酸の溶解度が飽和溶解度以下であり、かつ極力飽和溶解度に近いほうが好ましい。
また抽出に用いる溶剤は水と最低共沸組成を形成することが多く、また共沸組成は溶剤リッチな組成であることが多い。従って濃縮操作に伴い溶剤が多く留去することとなり濃縮液中の溶剤濃度は濃縮前に比べ低下する。脂肪族ジカルボン酸の溶解度は溶剤が存在するケースよりも水だけのケースのほうが小さいため、濃縮により溶剤濃度が低下するのは後続の晶析工程での脂肪族ジカルボン酸回収率という観点でも有利であり、濃縮後の溶剤濃度は1%以下とすることが望ましい。
最終濃縮液の溶剤濃度を1%以下、脂肪族ジカルボン酸濃度を飽和溶解度近傍とするためには濃縮前および/または濃縮操作の過程で水を加えてもよい。
(晶析工程)
晶析工程では、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを晶析することができれば、従前公知の如何なる方法を採用しても構わないが、
具体的には例えば冷却晶析、蒸発晶析、断熱減圧冷却晶析等の晶析方法があげられる。また晶析操作は回分式で行っても、連続式で行っても構わない。
晶析工程で得られた脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つの固形分は、固液分離操作により晶析母液から分離される。分離方法は特に
限定するものではなく、ろ過分離法、沈降分離法などがあげられる。また操作は回分式で行っても連続式で行ってもよい。例えば効率の良い固液分離機として連続式の遠心ろ過機、デカンター等の遠心沈降機などが上げられる。また求められる脂肪族ジカルボン酸の純度により固液分離操作で回収したウェットケーキは冷水等でリンスすることができる。
(高度精製処理工程)
さらに脂肪族ジカルボン酸はその用途に応じ、乾燥処理またはさらに高度精製処理を施すこともできる。高度精製処理工程としては、具体的には例えばその他の活性炭や、ゼオライト等の吸着剤による脱色工程、イオン交換樹脂により共存イオン類を除去するイオン交換工程、共存する不飽和ジカルボン酸を水添処理する工程などがあげられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。なお、実施例における各種物性は、以下の方法で測定した。<酸類、糖類の定量分析>
高速液体クロマトグラフィー(LC)を用い、以下の条件で測定を行った。
カラム;信和化工(株)製 ULTRON PS-80H 8.0mmI.D.× 30cm
溶離液:水(過塩素酸)(過塩素酸60%水溶液1.8mL/1L−HO)
温度:60℃
<アミノ酸の定量分析>
下記アミノ酸分析装置を用い、測定を行った。
装置:日立アミノ酸分析計 L−8900
分析条件:生体アミノ酸分離条件−ニンヒドリン発色法(570nm,440nm)
標準品:PF(和光アミノ酸混合液ANII型0.8mL+B型0.8mL→10mL)
注入量:10μL
<タンパク質の定量分析>
下記手順に従い、試料を塩酸により加水分解処理し、加水分解前後の総アミノ酸量の増分を上記アミノ酸定量方法に従い定量し、タンパク質量と見なした。
・タンパク質定量のための加水分解処理
試料10mg或いは100mgを精秤し、純水で1mL定容としたものを、200μL分注、乾固し、塩酸雰囲気下150℃、1時間加熱し、タンパク質を加水分解処理した。
これを乾固させた後純水200μLを加えて再溶解させ、0.45μmフィルターでろ過後、ろ液をアミノ酸の分析に供した。
<消泡剤の定量>
・試料の調整
3重量%に調整した脂肪族ジカルボン酸水溶液1mLを精秤し、減圧乾燥した後、1mLのアセトニトリルを加え80℃で30分加温し、さらに放冷後遠心分離(10,600G×2分)し、上澄み液を下記の高速液体クロマトグラフィ分析条件で定量分析した。
・高速液体クロマトグラフィ分析条件
カラム:L-column ODS (3 μm、4.6×100 mm、化学物質評価研究機構)
溶離液:(A) 水、(B)2-プロパノール/アセトニトリル = 50/50
送液:40 ℃、0.8 ml/分、(B) 10%-100%(3分)-100%(8分)
検出:コロナ
注入量:10 μL
<リン脂質の定量>
・試料の調整
3重量%に調整した脂肪族ジカルボン酸水溶液1mLを精秤し、メタノール1mL を
加え、80℃で3分加温し完全に溶解させた。これにクロロホルム0.5mLを加え振とうし、静置後クロロホルム層を分離回収することを3回繰り返して、得られた全クロロホルム層を合わせた液を窒素気流下で乾固し固形物を得た。さらに得られた固形物に3規定の塩酸メタノール溶液を1mL加え、80℃で4時間加温し、放冷後、ヘキサン1mLを加え振とうし、静置後ヘキサン層中のリン脂質量を下記ガスクロマトグラフィ分析条件で測定した。
・ガスクロマトグラフィ分析条件
カラム:DB-1(0.25×30 mm、膜厚 0.25 μm、アジレントテクノロジー株式会社)
Carrier:ヘリウム
カラム温度:100℃〜300℃、昇温速度10℃/分
検出器:水素炎イオン検出器(FID)
注入量:1μL
<黄色度(YI)の測定>
黄色度(Yellowness Index、以下 YI と略記することがある)を、JIS K7373 に規定される方法に準拠し求めた。脂肪族ジカルボン酸濃度が3重量%溶液となるように、脂肪族ジカルボン酸含有結晶を純水で希釈し、石英製角セル(光路長:10mm)に注入した。島津紫外可視分光光度計UV1800(島津製作所社製)によりスペクトルを測定し、380nm〜780nmの透過率より、三刺激値X,Y,Zを求め、そのX,Y,Zの値から以下の式より求めた。

YI(黄色度)=100×(1.28X−1.06Z)/Y
X,Y,Z:標準の光Cにおける三刺激値(2度視野)
この際、補助イルミナントCを用いて測定した。黄色度(YI)がマイナスの値で表示される時は、色相が青方向へ移向することを示し、無色または、白色から色相が黄色向に離れる度合いで、プラスの量として表示される。すなわち、プラスの値が大きくなるとより、黄色味が強くなることをあらわす。
<バイオマス資源からのコハク酸の誘導>
[コハク酸発酵菌株の作製]
(A)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株ゲノムDNAの抽出
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233は、1975年4月28日に通商産業省工業技術院微
生物工業技術研究所(現独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P-3068と
して寄託され、1981年5月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP-1497の受託番号で寄託されている。
A培地[尿素 2g、(NH42SO4 7g、KH2PO4 0.5g、K2HPO40.5g、MgSO4・7H2O 0.5g、FeSO4・7H2O 6mg、MnSO4・4−5H2O6mg、ビオチン 200μg、チアミン 200μg、イーストエキストラクト 1g
、カザミノ酸 1g、グルコース 20g、蒸留水1Lに溶解]10mLに、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株を対数増殖期後期まで培養し、遠心分離(10000g、5分)により菌体を集めた。得られた菌体を10mg/mLの濃度にリゾチームを含む10mM NaCl/20mMトリス緩衝液(pH8.0)/1mM EDTA・2Na溶液0.15mLに懸濁した。次に、上記懸濁液にプロテナーゼKを、最終濃度が100μg/mLになるように添加し、37℃で1時間保温した。さらにドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.5%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌した。この溶菌液に、等量のフェノール/クロロホルム溶液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、全量を遠心分離(5,000×g、20分間、10〜12℃)し、上清画分を分取し、酢酸ナトリウムを0.3Mとなるように添加した後、2倍量のエタノールを加え混合した。遠心分離(15,000×g、2分)により回収した沈殿物を70%エタノールで洗浄した後、風乾した。得られたDNAに10mMトリス緩衝液(pH7.5)−1mM
EDTA・2Na溶液5mLを加え、4℃で一晩静置し、以後のPCRの鋳型DNAに
使用した。
(B)PCプロモーター置換用プラスミドの構築
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子のN末端領域のDNA断片の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.BA000036のCgl0689)を基に設計した合成DNA(配列番号1および配列番号2)を用いたPCRによって行った。尚、配列番号1のDNAは5’末端がリン酸化されたものを用いた。反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO、 0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:
DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で1分らなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は4分とした。増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.9kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製
)を用いて行い、これをPC遺伝子N末端断片とした。
一方、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来で構成的に高発現するTZ4プロモーター断片はプラスミドpMJPC1(特開2005−95169)を鋳型とし、配列番号3および配列番号4に記載の合成DNAを用いたPCRにより調製した。尚、配列番号4のDNAは5’末端がリン酸化されたものを用いた。反応液組成:鋳型DNA1μ
L、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製) 0.2μL、1倍濃度添付バ
ッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO、 0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で30秒分らなるサイクルを25回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は3分とした。増幅産物の確認は、1.0%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.5kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Ge
l Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行い、これをTZ4プロモーター断片とした。
上記にて調製したPC遺伝子N末端断片とTZ4プロモーター断片を混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、制限酵素PstIで切断し、1.0%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離し、約1.0kbのDNA断片をQIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて回収し、これをTZ4プロモ
ーター::PC遺伝子N末端断片とした。さらにこのDNA断片と大腸菌プラスミドpHSG299(宝酒造製)をPstIで切断して調製したDNAと混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結した。得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mL カナマシンおよび50μg/mL X−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素PstIで切断することにより、約1.0kbの挿入断片が認められ、これをpMJPC17.1と命名した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子の5’上流領域のDNA断片の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.BA000036)を基に設計した合成DNA(配列番号5および配列番号6)を用いたPCRによって行った。反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM
MgSO、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で30秒からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。増幅産物の確認は、1.0%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.7kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN
製)を用いて行った。回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5’末端をリン酸化した
後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて大腸菌ベクターpUC119(宝酒造製)のSmaI部位に結合し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株
)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mL アンピシリンおよび50μg/mL X−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを、配列番号7および配列番号6で示した合成DNAをプライマーとしたPCR反応に供した。反応液組成:上記プラスミド1ng、Ex−TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社製) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.2μM
各々プライマー、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で50秒からなるサイクルを20回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。このようにして挿入DNA断片の有無を確認した結果、約0.7kbの増幅産物を認めるプラスミドを選抜し、これをpMJPC5.1と命名した。
次に、上記pMJPC17.1およびpMJPC5.1をそれぞれ制限酵素XbaIで切断後混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結した。これを制限酵素SacIおよび制限酵素SphIで切断したDNA断片を0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離し、約1.75kbのDNA断片をQIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて回収した。このPC遺伝子の5’上流領域
とN末端領域の間にTZ4プロモーターが挿入されたDNA断片を、sacB遺伝子を含むプラスミドpKMB1(特開2005−95169)をSacIおよびSphIで切断して調製したDNAと混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結した。得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマシンおよび50μg/mLX−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素SacIおよびSphIで切断することにより、約1.75kbの挿入断片が認められ、これをpMJPC17.2と命名した(図1)。
(C)PC増強株の作製
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH(LDH活性が低下した株:特開2
005−95169)の形質転換に用いるプラスミドDNAは、pMJPC17.2のプラスミドDNA用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,53,159,1970)により形質転換した大腸菌JM110株から再調製した。ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株の形質転換は電気パルス法(Res.Microbiol.、Vol.144, p.181-185, 1993)によって行い、得られた形質転換体をカナマイシン 25μg/mLを含むLBG寒天培地[トリプトン1
0g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5g、グルコース 20g、及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。この培地上に生育した株は、pMJPC17.2がブレビバクテリウム・フラバムMJ233株菌体内で複製不可能なプラスミドであるため、該プラスミドのPC遺伝子とブレビバクテリウム・フラバムMJ233株ゲノム上の同遺伝子との間で相同組み換えを起こした結果、ゲノム上に該プラスミドに由来するカナマイシン耐性遺伝子およびsacB遺伝子が挿入されているはずである。次に、上記相同組み換え株をカナマイシン25μg/mLを含むLBG培地にて液体培養した。この培養液の菌体数約100万相当分を10%ショ糖含有LBG培地に塗抹にした。結果、2回目の相同組み換えによりsacB遺伝子が脱落しショ糖非感受性となったと考えられる株を数十個得た。この様にして得られた株の中には、そのPC遺伝子の上流にpMJPC17.2に由来するTZ4プロモーターが挿入されたものと野生型に戻ったものが含まれる。PC遺伝子がプロモーター置換型であるか野生型であるかの確認は、LBG培地にて液体培養して得られた菌体を直接PCR反応に供し、PC遺伝子の検出を行うことによって容易
に確認できる。TZ4プロモーターおよびPC遺伝子をPCR増幅するためのプライマー(配列番号8および配列番号9)を用いて分析すると、プロモーター置換型では678bpのDNA断片を認めるはずである。上記方法にてショ糖非感受性となった菌株を分析した結果、TZ4プロモーターが挿入された株を選抜し、該株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−5/ΔLDHと命名した。
[ジャーファーメンターによるコハク酸発酵液の調整]
(A)種培養
尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1gを蒸留水に溶解、1000mLに調整した培地100mLを500mLの三角フラスコにいれ、121℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やし、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mLを添加し、上記で構築したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−5/ΔLDH株を接種して16時間30℃にて振とう(160回転/分)培養した。
(B)本培養
硫酸アンモニウム:3.0g、g、塩化カリウム:g、硫酸マグネシウム・7水和物:1.5g、硫酸第一鉄・7水和物:120mg、硫酸マンガン・水和物:120mg、コーンスティープリカー(王子コーンスターチ社製)30.0g、10N水酸化カリウム水
溶液:11.0g、消泡剤(CE457:日本油脂製):2.5gを蒸留水に溶解して調整した培地2.0Lを5Lの発酵糟に入れ、121℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やしてから28%アンモニア水を加えてpHを7.0に調整した後、予めフィルター滅菌したD−ビオチン、塩酸チアミン各0.2g/L水溶液:15mL、及びあらかじめ滅菌した720g/Lショ糖水溶液:110mLを添加し、これに前述の種培養液を100mL加えて、30℃に保温した。pHは28%アンモニア水を用いて7.2以下にならないように保ち、通気は毎分3.0L、背圧は0.05MPa、攪拌は毎分750回転で本培養を開始した。溶存酸素濃度がほぼ0まで低下した後、再び上昇を開始して1ppmに達したところであらかじめ滅菌した72%ショ糖水溶液を約5.3g添加したところ、再び0まで低下した。溶存酸素濃度が再び上昇するごとに上記の方法にてショ糖水溶液添加を繰り返して、培養開始後19時間まで継続した。
(C)コハク酸生成反応
85%リン酸:1.6g、硫酸マグネシウム・7水和物:1.1g、硫酸第一鉄・7水和物:43mg、硫酸マンガン・水和物:43mg、10N水酸化カリウム水溶液:2.86gを蒸留水に溶解、42mLに調整後、121℃、20分加熱滅菌処理し、反応濃縮培地を作製した。
室温まで冷やした上記反応濃縮培地:42mL、及び予め滅菌した720g/Lショ糖水溶液:530mL、滅菌水:1.2L、予めフィルター滅菌したD−ビオチン、塩酸チアミン各0.2g/L水溶液:20mL、上記本培養により得られた培養液675mLを5Lのジャーファーメンターに加え反応を開始した。反応温度は40℃、攪拌回転数は毎分150、pHは中和剤(炭酸水素アンモニウム:171g、28%アンモニア水:354g、蒸留水:529g)の逐次添加によって7.35に調整しながら反応を継続し、反応液中の残存ショ糖が0.1g/L以下になったところで終了した。
このようにして調整したコハク酸発酵液を遠心分離(15,000G、5分)処理して得られた上澄み液の組成分析を行った結果を、下記表2に示す。
Figure 2011219409
<プロトン化>
上述のコハク酸発酵液1500gに98%硫酸を加えpHを2.5に調整した。ここで98%硫酸添加量は150gであった。
<抽出>
硫酸添加後のコハク酸水溶液はボトム弁付の容量5Lのジャケット付攪拌槽に添加し、さらに予め水を添加した10%含水メチルエチルケトン(以下、MEKと略記することがある)溶液2475gを加えた後(MEK溶液(重量)/コハク酸水溶液(重量)=1.5(重量/重量))を、ジャケットに温水を通液することで内温を30℃に制御しながら30分間攪拌した。その後攪拌を止め、内温を30℃に制御しながら約1時間静置した。静置後液々界面近傍のMEK相には不溶成分が存在していた(以下、中間相と言うことがある)。
攪拌槽ボトム弁から抽残相、中間相、抽出相を順に回収したところ、それぞれの重量は抽出相2503g、抽残相1490g、中間相132gであった。抽出相を組成分析した結果を、下記表3に示す。
Figure 2011219409
<蒸留>
回収した抽出相は連続蒸留によりMEKを実質的に除去する。ここで蒸留留出液はMEKと水の共沸組成物、すなわち11重量%含水MEKとして回収されるが、釜残液の濃縮度合い次第ではコハク酸が析出する懸念がある。そこで蒸留留出液が11重量%含水MEK、釜残液が30重量%コハク酸溶液となるよう抽出相2503gに対し103gの水を添加した。ここで水の添加量は下記計算に従い算出した。
(抽出相の希釈)
抽出相のMEKおよびコハク酸濃度をそれぞれCMEK,0 、CSA,0 、希釈後のMEKおよびコハク酸濃度をそれぞれCMEK,1 、CSA,1とした際の相図を図3に示す。図3では、抽出相の水による希釈、その後の蒸留におけるMEKおよびコハク酸の組成変化が示されている。
図3において希釈操作線は、抽出相組成(CMEK,0,CSA,0)および原点(0,0
)を結ぶ線、
SA=(CSA,0/CMEK,0)CMEK
また蒸留操作線は釜残液(0,0.3)と留出液(0.89,0)結ぶ線、
SA=0.3−(0.3/0.89)CMEK
で表現され、希釈後の液はそれぞれの線の交点にあることから、
SA,1=(CSA,0/CMEK,0)CMEK,1 ・・・・eq.1)
SA,1=0.3−(0.3/0.89)CMEK,1・・・・eq.2)
これらを解くことで希釈液組成(CMEK,1 ,CSA,1)が得られる。さらに希釈水の
添加量は抽出相に対して、(CMEK,0 −CMEK,1)/CMEK,1 で計算する
ことができる。
ここでは、抽出液組成が(0.8220,0.0353)であったので、希釈後の組成は(0.7895,0.0339)、希釈水の添加量は抽出液に対して4.12重量%、すなわち2503g×4.12重量%=103gとした。
蒸留はΦ5mmコイルパックを高さ30cmまで充填した、内径Φ40mmの充填カラムと500mLの丸底フラスコ、さらには還留器を備えた常圧連続蒸留装置を用いた。
希釈液を丸底フラスコへ約300mL入れ、オイルバスで加熱し、全還留状態を維持しながら系内を安定させた後に、塔頂温度を74℃(共沸温度)に調整した。この際の丸底フラスコ内温度は101℃であった。塔内が安定したのを確認後、還留比を1に設定し、留出液を連続的に抜出すとともに希釈液を充填塔中段へ連続的に供給し、釜残液も連続的に抜出した。供給液は予熱器であらかじめ60℃まで加熱した後、充填塔へ供給した。供給液は塔頂温度の変化が±1℃以内となるように100mL/時間の速度で供給を始め、約1時間かけて最終的に400mL/時間まで供給速度を高めた。希釈液2606gを全量蒸留するのに7時間を要した。蒸留後のフラスコ内部は目視で確認したところきれいな状態であった。蒸留により得られたコハク酸を含有する水溶液は、290gであった。この水溶液の組成を分析した結果を、下記表4に示す。
Figure 2011219409
<コハク酸の回収>
得られたコハク酸水溶液を500mLの攪拌機及び恒温ジャケット付セパラブルフラスコに注入し、攪拌速度300回転/分、ジャケット温度80℃で安定させた。その後で一時間かけて20℃まで冷却した後、20℃にて一時間攪拌させコハク酸を析出させた。析出したコハク酸はブフナー型漏斗で濾別し、さらに結晶と同重量の純水で懸濁洗浄した後、再度ブフナー型漏斗で濾別した。得られた結晶は60〜110Torr,80℃で乾燥し、コハク酸を回収した。このコハク酸の黄色度は6.60であり、消泡剤およびリン脂質をそれぞれ161ppm、867ppm含有していた。結果を下記表5に纏めて示す。
このコハク酸にコハク酸が30重量%となるよう純水を加え、80℃で溶解して活性炭と接触させるコハク酸含有水溶液を作製した。
<実施例1>
前記コハク酸含有水溶液100g、およびコハク酸に対して0.25重量%の活性炭(三菱化学カルゴン株式会社製 ダイヤホープ8ED:比表面積 1620 m/g、外表面積 221 m/g)を、容積200ml(内径50mm)の攪拌機付のジャケット付
セパラブルフラスコに入れ、ジャケットに温水を流すことで80℃に加温した状態で、5時間コハク酸水溶液と活性炭を懸濁接触させた。5時間後ブフナー型漏斗で活性炭を濾別し、得られたろ液をエバポレーターを用い、5kPa減圧下80℃のウオーターバスで水を蒸発させ、コハク酸を回収した。
得られたコハク酸の黄色度は0.85、消泡剤およびリン脂質は何れも5ppm以下だった。結果を下記表5に纏めて示す。
<実施例2>
実施例1で用いた活性炭を、白鷺KL(日本エンバイロケミカルズ社製:比表面積 1
620 m/g、外表面積 333 m/g)とした以外は、実施例1と同様の方法で
コハク酸を回収した。回収したコハク酸の黄色度は2.11、消泡剤およびリン脂質は何れも5ppm以下だった。結果を下記表5に纏めて示す。
<比較例1>
実施例1で用いた活性炭を、フタムラGB(フタムラ化学株式会社製:比表面積 98
6 m/g、外表面積 45 m/g)とした以外は、実施例1と同様の方法で、コハ
ク酸を回収した。回収したコハク酸の黄色度は3.80、消泡剤およびリン脂質は何れも5ppm以下だった。結果を下記表5に纏めて示す。
<比較例2>
実施例1で使用した活性炭を、RX EXTRA 1.5(日本ノリット株式会社製:比表面積 1290 m/g、外表面積 30 m/g)とした以外は、実施例1と同様の方法で、コハク酸を回収した。回収したコハク酸の黄色度は5.94、消泡剤およびリン脂質は何れも5ppm以下だった。結果を下記表5に纏めて示す。
Figure 2011219409
以上の結果から、本発明の製造方法により得られる脂肪族ジカルボン酸は、リン脂質、消泡剤などの不純物の含有量が測定限界以下に少ないうえに、しかも黄色度が低く着色の少ないものであることがわかる。

Claims (5)

  1. バイオマス資源から誘導された、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含む水溶液と、比表面積が1300m/g以上10000m/g以下の活性炭とを接触させる工程を有する、脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
  2. 前記活性炭の外表面積が100m/g以上1000m/g以下である、請求項1に記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
  3. 活性炭の体積平均粒子径が、1μm以上2000μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
  4. 前記脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸の塩から選ばれる少なくとも1つを含
    む水溶液と、活性炭とを接触させる工程において、活性炭が流動相および固定相から選ばれる少なくとも1つの相形態を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
  5. 前記活性炭の脂肪族ジカルボン酸に対する重量比が、0.01重量%以上100重量%以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の脂肪族ジカルボン酸の製造方法。
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