JP2015061524A - 糖液の精製方法、活性炭処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 - Google Patents

糖液の精製方法、活性炭処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 Download PDF

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保代 斉藤
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雄輔 井澤
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雄輔 井澤
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Abstract

【課題】糖類を原料として各種の有機化合物を製造する際に、化学品の発酵生産プロセスおよび化学変換プロセスにおいて、優れた生産効率と容易なプロセス設計に寄与し得る糖液の精製方法、ならびに該方法により得られる糖液を用いた有機化合物の製造方法、および微生物の培養方法を提供する。【解決手段】活性炭を用いた糖液の精製方法において、活性炭を含む糖液を加熱処理する工程と、該加熱処理工程後の活性炭を含む糖液を冷却処理する工程と、前記冷却処理工程後の前記活性炭を含む糖液から活性炭を除去する工程と、を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、活性炭を用いた糖液の精製方法、および該精製方法により得られる活性炭処理糖液に関する。また前記活性炭処理糖液を用いた有機化合物の製造方法および微生物の培養方法に関する。
糖類を原料とした有機化合物の発酵生産プロセスおよび化学変換プロセスは、有機化合物の製造方法として広く利用され、各プロセスを経て得られた生産物は、種々の工業原料として利用されている。
これら発酵生産プロセスおよび化学変換プロセスの原料として使用される糖類としては、現在はサトウキビ、デンプン、テンサイ、とうもろこし、いも、キャッサバ、サトウカエデなどの可食原料に由来するものが挙げられる。
しかし、これらの可食原料由来の糖類は、今後の世界人口増加による可食原料価格の高騰、および天候不順や気候変動による可食原料の供給不足といった原料調達において懸念がある。また食料不足の際に、可食原料を食用用途と競合して工業原料に利用することに対する倫理上の批判等の懸念もある。そこで、非可食原料や、不純物を含有する、より低純度の糖類などから、効率的に糖液を製造するプロセス、あるいは得られた糖液を発酵生産原料や化学変換原料として、効率的に工業原料に変換するプロセスの構築が求められている。
非可食原料から糖液を得る方法としては、非可食原料中のセルロースやヘミセルロースを、濃硫酸を用いてグルコースに代表されるヘキソースや、キシロースに代表されるペントースといった単糖まで加水分解する方法(特許文献1)や、非可食原料の反応性を向上させる前処理を施した後に、酵素反応により加水分解する方法(特許文献2)、または亜臨界や超臨界水による加水分解方法等が一般的に知られている。
しかし、これらの手法を用いた場合、非可食原料中のセルロース、ヘミセルロースが加水分解され、グルコースやキシロースといった糖が得られると共に、これらの糖の分解反応も進行するため、各種の副生成物も生成する。具体的には例えば、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、ギ酸等のカルボニル化合物や、バニリン、グアヤコール等のフェノール性化合物等が生成する。このように生成した副生成物を除去、精製する方法として、木質系炭化物や活性炭を用いた除去方法(特許文献3、非特許文献1〜3)が開示されている。
特表平11−506934号公報 特開2001−95594号公報 特開2005−270056号公報
Biotechnology Letters vol.5 No.3, P175, 1983 Appl.BioChem.Biotech, 168, 1568, 2012 バイオマス科学会議発表論文集2010年、5th、P8-9
セルロースやヘミセルロースから糖類を得る際に生じる副生成物のうち、フルフラールやヒドロキシメチルフルフラール等のカルボニル化合物の中には、微生物を利用した発酵生産プロセスでは、反応を阻害する性質を有し、具体的には微生物の増殖阻害や発酵生産阻害を引き起こし、発酵生産の収率を低下させることが知られている。このような作用を及ぼす物質は発酵阻害物質と呼ばれている。そのためこれらの発酵阻害物質を如何にして除去するのかが、非可食原料の糖液を発酵原料として利用する際の大きな課題となっている。
他方、化学変換プロセスを経て有機化合物を生産する場合、上記カルボニル化合物は糖液中に含有されていると、生成物が着色してしまうという課題もある。
しかし、従来の木質系炭化物や活性炭を用いた除去方法では、カルボニル化合物のような発酵阻害物質の除去効率が低く、また糖類の吸着による糖濃度の低下といった課題や、低温吸着を行うためプロセス設計上不利な点がある。また、低温で活性炭処理する場合は糖液の粘性が高くなり、濾過性が悪くなるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、糖類を原料として各種の有機化合物を製造する際に、化学品の発酵生産プロセスおよび化学変換プロセスにおいて、優れた生産効率と容易なプロセス設計に寄与し得る糖液の精製方法、ならびに該方法により得られる糖液を用いた有機化合物の製造方法、および微生物の培養方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、活性炭を含む糖液を加熱処理し、次いで該糖液を冷却処理した後、前記活性炭を除去することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の要旨は、
[1]活性炭を用いた糖類を含有する液(以下、「糖液」という。)の精製方法であって、活性炭を含む糖液を加熱処理する工程(加熱処理工程)と、該加熱処理工程後の活性炭を含む糖液を冷却処理する工程(冷却処理工程)と、前記冷却処理工程後の前記活性炭を含む糖液から活性炭を除去する工程(活性炭除去工程)と、を有することを特徴とする、糖液の精製方法、
[2]前記加熱処理工程と前記冷却処理工程との温度差が、10℃以上である、上記[1]に記載の糖液の精製方法、
[3]前記糖液が、炭素数3〜7の単糖を構成成分として含む糖液である、上記[1]または[2]に記載の糖液の精製方法、
[4]前記糖液が、非可食原料由来の糖を構成成分として含む糖液である、上記[1]〜[3]のいずれか1に記載の糖液の精製方法、
[5]前記糖液中の糖濃度が、5質量%以上である、上記[1]〜[4]のいずれか1に記載の糖液の精製方法、
[6]前記加熱処理工程の温度が60℃以上である、上記[1]〜[5]のいずれか1に記載の糖液の精製方法、
[7]前記冷却処理工程の温度が50℃以下である、上記[1]〜[6]のいずれか1に記載の糖液の精製方法、
[8]前記糖液中の糖類の質量に対する活性炭の質量の比率が、25質量%以下である、上記[1]〜[7]のいずれか1に記載の糖液の精製方法、
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の精製方法により得られる糖液(以下、「活性炭処理糖液」という。)、
[10]水性媒体中で、上記[9]に記載の活性炭処理糖液を含有する有機原料に有用物質生産能力を有する微生物を作用させて有機化合物を得る工程(以下「有機物生産工程」という。)を有することを特徴とする有機化合物の製造方法、
[11]前記有機化合物がアルコール類、アミン類、カルボン酸類、およびフェノール類から選ばれる少なくとも1つである、上記[10]に記載の有機化合物の製造方法、
[12]前記アルコール類が、炭素数2〜10の脂肪族アルコールである、上記[11]に記載の有機化合物の製造方法、
[13]前記カルボン酸類が、炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸である、上記[11]または[12]に記載の有機化合物の製造方法、
[14]有用物質生産能力を有する微生物の培養方法であって、上記[9]に記載の活性炭処理糖液を炭素源として用いることを特徴とする微生物の培養方法、に存する。
本発明の糖液の精製方法によれば、糖液中の発酵阻害物質の含有量を効率的に減少させることができるため、得られる糖液を、微生物を利用した発酵生産プロセスで用いれば、効率よく目的とする有機化合物が得られ、その収率を向上させることができる。また、所定の糖濃度の糖液を用いた場合には、糖類のロスを抑制できるうえ、加温状態で濾過するために糖液の粘性が低く濾過性が良好になり、プロセス設計上有利である。
また本発明の活性炭処理糖液は、発酵生産による有機化合物の製造における微生物の生産効率を向上させ、また化学変換プロセスに利用した際に有機化合物の着色を抑制することができる。
また、本発明の有機化合物の製造方法であれば、比較的簡単な処理により、高い生産効率で所望の有機化合物を製造することができる。
また、本発明の培養方法であれば、糖液中の発酵阻害物質を低減することができるため、発酵生産プロセスにおいて、微生物の増殖量と増殖速度を向上させ、もって発酵生産性を向上させることができる。
以下、本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
<第1の発明:糖液の精製方法>
本発明の第1の発明は、活性炭を含む糖液を加熱処理する工程(加熱処理工程)と、該加熱処理工程後の活性炭を含む糖液を冷却処理する工程(冷却処理工程)と、前記活性炭を含む糖液から活性炭を除去する工程(活性炭除去工程)とを有することを特徴とする。
第1の発明における糖液、並びに後述する第2の発明(活性炭処理糖液)、第3の発明(有機化合物の製造方法)、および第4の発明(微生物の培養方法)(第1ないし第4の発明をまとめて「本発明」ということがある。)で用いられる「糖液」とは、糖類を含有する液、具体的には糖類を含有する水溶液をいう。以下、糖液中に含まれる糖類から順に説明する。
(糖類)
本発明で用いる糖液に含まれる糖類は、特に限定されず、いわゆる糖類一般を用いることができるが、微生物が炭素源として活用することができる糖が好ましい。具体的にはグリセルアルデヒド等の炭素数3の単糖(トリオース);エリトロース、トレオース、エリトルロース等の炭素数4の単糖(テトロース);、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、デオキシリボース、キシルロース、リブロース等の炭素数5の単糖(ペントース);アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、フコース、フクロース、ラムノース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等の炭素数6の単糖(ヘキソース);、セドヘプツロース等の炭素数7の単糖(ヘプトース);スクロース、ラクトース、マルトース、トレハノース、ツラノース、セロビオース等の二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース等の三糖類;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナオリゴ糖などのオリゴ糖類;デンプン、デキストリン、セルロース、ヘミセルロース、グルカン、ペントサン等の多糖類;等が挙げられる。
本発明で用いる糖液は、上記の糖類1種類を単独で含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい。
本発明で用いる糖類のうち、炭素数3〜7の単糖を構成成分として含む糖類が好ましい。これらの糖類の中でも、単糖であるヘキソース、ペントース、およびこれらを構成成分とする二糖類がより好ましい。これらは自然界、植物の構成成分となっていることから豊富に存在し、原料の入手が容易であるためである。
上記ヘキソースとしては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトースが好ましく、グルコースがより好ましい。ペントースとしてはキシロース、アラビノースが好ましく、キシロースがより好ましい。二糖類としてはスクロースが好ましい。グルコース、キシロース、スクロースは、自然界、植物の主な構成成分となっているため、原料の入手が特に容易であるためである。
(糖液の由来、製法)
本発明で用いる糖液の製法は、特に限定されないが、例えば上記の糖類の1種類以上を水に溶解して製造する方法や、上記の糖類を構成成分として含む原料(以下、「糖原料」ということがある。)を、その構成成分である糖類まで分解して製造する方法が挙げられる。
糖原料は、特に限定されないが、具体的には、セルロース、ヘミセルロース、デンプン等の多糖類や、多糖類を構成成分とする植物等が挙げられる。
前記糖原料は、食用にできるか否かの観点より「可食原料」と「非可食原料」とに分類することができる。
可食原料としては、サトウキビ、デンプン、テンサイ、とうもろこし、いも、キャッサバ、サトウカエデ等が挙げられる。
非可食原料としては、具体的には、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、稲わら、麦わら、米ぬか、樹木、木材、植物油カス、ササ、タケ、パルプ類、古紙、食品廃棄物、水産物残渣、家畜廃棄物等が挙げられる。
このうち、非可食原料は、可食原料と異なり、食用用途と競合せず、また通常であれば廃棄、焼却処理をされるものが多いため、安定的な供給、資源の有効利用が図れる点で好ましい。
また、砂糖の製造工程で発生する糖蜜から砂糖を回収した後に残る廃糖蜜も糖原料として使用可能である。
前記糖原料から糖類を得る方法は、特に限定されないが、例えばデンプン水溶液に希硫酸を加えて加水分解する方法、デンプン水溶液に種々の酵素を用いて、酵素分解して製造する方法、セルロースやヘミセルロースを、濃硫酸を用いてグルコースに代表されるヘキソースや、キシロースに代表されるペントースといった単糖まで加水分解する方法、糖原料の反応性を向上させる前処理を施した後に、酵素反応、亜臨界水、超臨界水等により加水分解する方法等が挙げられる。
本発明で用いる糖液中に含まれる糖類の合計濃度(以下、「糖濃度」という)は、糖液の由来や、含有する糖の種類等によって大きく変動し、特に限定されないが、通常3質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、通常60質量%以下、好ましくは50質量%以下である。前記範囲内の糖液を用いることで、発酵生産プロセスおよび化学変換プロセスの生産性が向上することや、糖濃度が希薄すぎることによる活性炭による糖類吸着ロスが防げる点で好ましい。
本発明で用いる糖液は、上記糖類を含有する水溶液であり、水と糖類以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分は、特に限定されないが、例えば糖原料から糖類を得た際に生じる、糖類以外の副生成物や不純物を含んでいてもよい。具体的には、後述する糖類以外のカルボニル化合物、不飽和アルコール等のアルコール化合物;リグニン由来のフェノール化合物;や、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、窒素化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、硫酸イオン等の無機化合物等が挙げられる。
なお、本発明で用いる糖液は、上述した糖類を含有する水溶液であれば特に制限はないが、リグニン由来等の固形分に関しては、濾過や吸着等を用いて除去することが好ましい。また、本発明で用いられる糖液は、使用する目的に応じて水で希釈して糖濃度を下げて用いたり、糖類の追添加や濃縮により糖濃度を高めて用いることができる。
(糖類以外の有機化合物)
本発明で用いる糖液には、糖液を製造する工程および保管した際に生成する、糖類以外の有機化合物が通常含まれている。このような有機化合物として、例えばカルボニル化合物やフェノール化合物、不飽和炭化水素化合物が挙げられる。このようなカルボニル化合物の具体例としては、例えばフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、グリコールアルデヒド、ギ酸、ヒドロキシベンズアルデヒド、シリンガアルデヒド、バニリン、イソバニリン、オルトバニリン、コニフェニルアルデヒド等のアルデヒド化合物;1,4−ベンゾキノン等のケトン化合物、アクリル酸メチル、γ―ブチルラクトン等のエステル化合物;等が挙げられる。フェノール化合物の具体例としては、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、クマル酸、フェルラ酸、イソオイゲノール、オイゲノール、グアイアコール、バニリン酸、ホモバニリン酸、アセトバニロン、没食子酸、シリング酸等が挙げられる。また、不飽和炭化水素化合物としてはリモネン等が挙げられる。
本発明者らは、前記カルボニル化合物やフェノール化合物が、糖液を原料とした有機化合物を発酵生産する工程において、特に有機化合物の生産量、蓄積量、および生産速度の低下減少を引き起こす発酵阻害物質となること、特にカルボニル化合物のうちフルフラールやギ酸といったアルデヒド類が強い発酵阻害を示すことを見出した。また前記発酵阻害物質を含有した糖液は、微生物の培養工程において、増殖量や増殖速度の低下が起こり、また化学変換プロセスを経て有機化合物を生産する工程において、カルボニル化合物の反応性の高さから生成物の着色を起こすことを見出した。
(活性炭処理)
第1の発明では、糖液と活性炭を接触させた上で加熱処理し、次いで該糖液を冷却処理した後、前記活性炭を除去することで、上記の糖液中に含まれる発酵阻害物質の含有量を低減させることができる。
従来、活性炭を用いて糖液を処理する場合、効率的に不純物を除去できることが知られているが、本発明者らは、活性炭を含む糖液を一旦加熱し、次いで冷却処理したところ、予想外に活性炭における糖類の物理的吸着や糖類の分解が少なく、しかも不純物を効率的に除去することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明で用いる活性炭は、特に限定されるものではないが、例えば、泥炭、亜炭、褐炭、無煙炭、ピッチコークス等の石炭系、木材、おがくず、木炭、ヤシガラ炭、パーム炭等の植物質系、石油残渣、オイルカーボン等の石油系、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂系、パルプ廃液、有機廃棄物等の廃棄物系などを原料とする活性炭を用いることができる。また、これら各種原料活性炭を、ガス賦活法、水蒸気賦活法、塩化亜鉛及びリン酸などの薬品賦活法などの手法により賦活した活性炭を用いることができる。
市販されている活性炭の具体例としては、カルゴンカーボンジャパン株式会社製カルボンCPG、カルゴンCAL、カルゴンSGL、ダイアソープW、ダイアホープMS10、ダイアホープM010、ダイアホープMS16、ダイアホープ6MD、ダイアホープ6MW、ダイアホープ8ED、ダイアホープZGN4およびCENTUR、日本ノリット株式会社製GAC、GAC PLUS、GCN PLUS、C GRAN、RO、ROX、DARCO、CN、SX、SX PLUS、SA、PKおよびW、クラレケミカル株式会社製GW、GWH、GLC、4GC、KW、PWおよびPK、株式会社ツルミコール社製HC−30S、GL−30S、4G−3S、PAおよびPC、フタムラ化学株式会社製P、W、CW、SG、SGP、S、GB、CAおよびK、日本エンバイロケミカルズ株式会社製 白鷺KL、白鷺W2C、白鷺WH2C、白鷺W5C、白鷺WH5C、白鷺WH5X、白鷺XS7100H−3、カルボラフィン、白鷺A、白鷺Cおよび白鷺M、並びに味の素ファインテクノ株式会社製ホクエツCL−K、ホクエツHSおよびホクエツKSなどが挙げられる。
一方、醗酵阻害物質であるフルフラール等のカルボニル化合物を効果的に除去できる観点からは、ガス賦活法、水蒸気賦活法、塩化亜鉛およびリン酸などの薬品賦活した活性炭が好ましい。
使用する活性炭の形状は、粉末炭、破砕炭、形成炭および繊維状活性炭のいずれでもよい。カラムに充填して使用する場合には塔圧抑制の理由から、粒状または顆粒状の活性炭が好ましい。活性炭処理の方式としては、バッチ式で活性炭と混合した後に濾過分離する方法、活性炭の充填層に通液する方法のどちらも可能である。処理時間はバッチ式の場合は通常5分〜5時間であることが好ましく、より好ましくは10分〜2時間であり、充填層方式の場合は通常空間速度(SV)として0.1〜20hr-1であることが好ましい。
第1の発明における活性炭の使用量は、本発明の効果を妨げない限り限定はされないが、糖液が含有する糖類の合計量(以下、糖重量)に対する活性炭の量の比率が、通常0.01質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、25質量%以下であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下である。前記範囲内で精製を行うことで、製造コスト面で有利な量であること、かつ十分なカルボニル化合物の除去効果が得られるためである。
本発明では活性炭を2種類以上使用してもよく、その種類や比率、また使用順番等に特に制約はない。
第1の発明における加熱処理工程の温度(以下、「加熱処理温度」という。)は、本発明の効果を妨げない限り限定はされないが、フルフラール、ギ酸等のアルデヒド化合物の除去率を高めるために、通常60℃以上であり、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは80℃以上である。上限は、加熱処理を常圧で行った場合は通常100℃以下であるが、糖が分解してフルフラールやヒドロキシメチルフルフラール等が増加しない限り、加圧条件下で100℃以上に加熱処理をしてもよい。
加熱処理工程における加熱処理方法は特に限定されず、例えば電気ヒーターや蒸気ヒーター等のヒーター類を用いることができる。
第1の発明における冷却処理工程の温度(以下、「冷却処理温度」という。)は、前記加熱処理温度よりも低温であれば限定されないが、フルフラール類の活性炭への吸着率を高めるために、通常50℃以下であり、好ましくは40℃以下である。
冷却処理方法は、加熱処理温度よりも低温である冷却処理温度に調整することができれば特に限定されず、目的の冷却処理温度まで急冷しても放冷により徐々に冷却してもよい。
第1の発明における加熱処理温度と冷却処理温度との温度差は、特に限定はされないが、通常10℃以上であり、プロセスに容易に適用でき、かつ効率よく精製を行なえる点で20℃以上であることが好ましく、通常80℃以下、好ましくは70℃以下である。当該範囲であれば糖液の粘性が低く濾過性が良好であり、かつ糖類の濾過時のロスを抑えることができる。
第1の発明の活性炭除去工程における活性炭除去方法は、特に限定されないが、バッチ式反応の場合は濾過、遠心分離、沈降等で分離除去ができるが、濾過が好ましい。また、活性炭の充填層に通液する方法の場合は、固定式の反応器等に糖液を展開し、活性炭と糖液を分離除去することができる。
第1の発明における活性炭処理において、糖液中に含まれるN成分、S成分、固形物酸等が含まれる場合、活性炭吸着能を低下させる可能性がある。このような活性炭被毒成分を活性炭処理前に除去してもよい。除去方法は特に限定されるものではないが、濾過による除去、イオン交換樹脂、合成樹脂による吸着除去処理等を行うことができる。また、この活性炭処理した糖液を更に、水素化処理やイオン交換樹脂処理等実施して更に精製を行ってもよい。
<第2の発明:活性炭処理糖液>
前記第1の発明は、糖液中に含まれる発酵阻害物質の含有量を低減させることができるため、得られる糖液中の発酵阻害物質の濃度は、最初の糖液中の濃度より低い。なお、上記の活性炭処理後の糖液を、以下「活性炭処理糖液」ということがある。
上記の発酵阻害物質を除去し、発酵阻害物濃度を低減することにより、後述する発酵プロセスにおいて、微生物の増殖や有用化合物の発酵生産の効率を向上させることができる。また化学変換プロセスに利用した際に生成物である有機化合物の着色を抑制することができる。
また前記第1の発明の活性炭処理工程後に得られた糖液は、通常、活性炭処理前の糖液に比べ、通常糖濃度に変化はない。
<第3の発明:有機化合物の製造方法>
前記第2の発明の活性炭処理糖液は、有機物質生産能力を有する微生物に作用させることにより、各種の有機化合物を製造することができる。
(有用物質生産能力を有する微生物)
第3の発明で用いる微生物は、有用物質生産能力を有する微生物であれば、特に限定はされない。
なお第3の発明における「有用物質生産能力を有する微生物」とは、該微生物を培地中で培養したときに、該培地中に有用物質を生成蓄積することができる微生物をいう。
(有用物質)
微生物が生産する有用物質としては、微生物が培地中に生成蓄積することができる有機化合物であれば限定されないが、具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等のアルコール類;1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等のアミン類;酢酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、ピルビン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、シス−アコニット酸、クエン酸、イソクエン酸、2−オキソグルタル酸、2−オキソイソ吉草酸、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、レブリン酸、キナ酸、シキミ酸、アクリル酸、メタクリル等のカルボン酸類;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、アルギニン、メチオニン、ヒスチジン、システイン、セリン、トレオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、トリプトファン等のアミノ酸類;フェノール、カテコール、ハイドロキノン等のフェノール類;安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、プロトカテク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸類;イノシン、グアノシン等のヌクレオシド類、イノシン酸、グアニル酸等のヌクレオチド;イソブチレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素化合物等が挙げられる。
これらの中でも、発酵生産として公知の方法を採用でき、かつ、樹脂原料として使用可能であることから、アルコール類、アミン類、カルボン酸類、フェノール類が好ましく、炭素数2〜10の脂肪族アルコール類や、炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸類がより好ましい。中でも、発酵生産性の観点から、エタノール、ブタンジオール、コハク酸がさらに好ましい。
(微生物)
第3の発明で用いる微生物は、有用物質生産能力を有する微生物であれば特に限定されないが、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌、マンヘミア(Mannheimia)属細菌、バスフィア(Basfia)属細菌、ザイモモナス(Zymomonas)属細菌、ザイモバクター(Zymobacter)属細菌、糸状菌、および酵母菌からなる群より選択される微生物であることが好ましい。
その中でも、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌、マンヘミア(Mannheimia)属細菌、バスフィア(Basfia)属細菌、ザイモバクター(Zymobacter)属細菌、糸状菌、および酵母菌からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましく、より好ましくはコリネ型細菌、大腸菌、酵母菌であり、特に好ましくはコリネ型細菌である。
上記コリネ型細菌は、これに分類されるものであれば特に制限されないが、コリネバクテリウム属に属する細菌、ブレビバクテリウム属に属する細菌、アースロバクター属に属する細菌などが挙げられ、このうち好ましくは、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属に属するものが挙げられ、更に好ましくは、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)またはブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)に分類される細菌である。
第3の発明で使用可能なコリネ型細菌の特に好ましい具体例としては、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233(FERM BP−1497)、同MJ−233 AB−41(FERM BP−1498)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネスATCC6872、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC31831、およびブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869等が挙げられる。なお、ブレビバクテリウム・フラバムは、現在、コリネバクテリウム・グルタミカムに分類される場合もあることから(Lielbl W, Ehrmann M, Ludwig W, Schleifer KH, Int J Syst Bacteriol., 1991, Vol.41, p255-260)、本発明においては、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株、およびその変異株MJ−233 AB−41株はそれぞれ、コリネバクテリウム・グルタミカムMJ−233株およびMJ−233 AB−41株と同一の株とする。
上記ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233は、1975年4月28日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(現独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P−3068として寄託され、1981年5月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−1497の受託番号で寄託されている。
第3の発明で使用可能な大腸菌としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等が挙げられる。また、第3の発明で使用可能なアナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌としては、アナエロビオスピリラム・サクシニシプロデュセン(Anaerobiospirillum succiniciproducens)等が挙げられる。
また、第3の発明に使用可能なアクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌としては、アクチノバチルス・サクシノジェネス(Actinobacillus succinogenes)等が挙げられる。また第3の発明に使用可能なマンヘミア(Mannheimia)属細菌としては、バスフィア・サクシニシプロデュセン(Mannheimia succiniciproducens)等が挙げられる。
また第3の発明で使用可能なバスフィア(Basfia)属細菌としては、バスフィア・サクシニシプロデュセン(Basfia succiniciproducens)等が挙げられる。また、第3の発明で使用可能なザイモモナス(Zymomonas)属細菌としては、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)等が挙げられる。また、第3の発明で使用可能なザイモバクター(Zymobacter)属細菌としては、ザイモバクター・パルメ(Zymobacter palmae)等が挙げられる。
また第3の発明で使用可能な糸状菌としては、Aspergillus属、Penicillium属、Rhizopus属等が挙げられる。このうち、Aspergillus属では、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)等が挙げられ、Penicillium属では、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム・シンプリシシマム(Penicillium simplicissimum)等が挙げられる。また、Rhizopus属では、リゾパス・オリゼー(Rhizopus oryzae)等が挙げられる。
また、第3の発明で使用可能な酵母菌としては、サッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Shizosaccharomyces)、カンジダ属(Candida)、ピキア属(Pichia)、クルイウェロマイセス属(Kluyveromyces)、ヤロウィア属(Yarrowia)、チゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)が挙げられる。
上記サッカロミセス属(Saccharomyces)としては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ウバラム(Saccharomyces uvarum)、サッカロミセス・バイアヌス(Saccharomyces bayanus)等が挙げられる。また、上記シゾサッカロミセス属(Shizosaccharomyces)としては、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等が挙げられる。また、上記カンジダ属(Candida)としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・ソノレンシス(Candida sonorensis)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)等が挙げられる。また、上記ピキア属(Pichia)としては、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)等が挙げられる。
また上記クルイウェロマイセス属(Kluyveromyces)としては、クルイウェロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイウェロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイウェロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)等が挙げられる。また上記ヤロウィア属(Yarrowia)としては、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)等が挙げられる。また上記チゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)としては、チゴサッカロミセス・バイリイ(Zygosaccharomyces bailii)、チゴサッカロミセス・ロウキシ(Zygosaccharomyces rouxii)等が挙げられる。
上記微生物は、野生株だけでなく、UV照射やNTG処理等の通常の変異処理により得られる変異株、細胞融合若しくは遺伝子組換え法などの遺伝学的手法により誘導される組換え株などのいずれの株であってもよい。
また上記微生物は、本来的に有用物質生産能力を有する微生物であるが、育種により有用物質生産能を付与したものであってもよい。
育種により有用物質生産能力を付与する手段としては、変異処理や遺伝子組換え処理などが挙げられ、有用物質生合成経路における酵素遺伝子の発現強化や副生物生合成経路における酵素遺伝子の発現低減など、公知の方法を採用することができる。例えば、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸等のカルボン酸生産能を付与する場合は、後述するようなラクテートデヒドロゲナーゼ活性を低減するような改変やピルビン酸カルボキシラーゼ活性を増強するような手段などが挙げられる。エタノール、ブタノール、ブタンジオール等のアルコール生産能を付与する場合は、後述するようなラクテートデヒドロゲナーゼ活性を低減するような改変やアルコールデヒドロゲナーゼ活性を増強するような手段などが挙げられる。
上記ラクテートデヒドロゲナーゼ(以下、LDHという)活性を低減させるような改変方法としては、特に限定はされないが、上述した微生物を親株として用い、N−メチル−N’−ニトローN−ニトロソグアニジン(NTG)や亜硝酸等の通常変異処理に用いられている変異剤によって処理し、LDH活性が低減した株を選択することによってそれぞれ得ることができる。また、LDHをコードする遺伝子を用いて改変してもよい。具体的には、染色体上のldh遺伝子を破壊したり、プロモーターやシャインダルガルノ(SD)配列等の発現調節配列を改変したりすることなどによって達成される。
LDH活性が低減した株の具体的な作製方法としては、染色体への相同組換えによる方法(特開平11−206385号公報等参照)や、sacB遺伝子を用いる方法(Schafer A, Tauch A, Jager W, Kalinowski J, Thierbach G, Puhler A, Gene 1994 Vol.145(1), p69-73)等が挙げられる。
上記ピルビン酸カルボキシラーゼ(以下、PCとも呼ぶ)活性が増強するような改変方法としては、特に限定されないが、上述した微生物を親株として用い、N−メチル−N’−ニトローN−ニトロソグアニジン(NTG)や亜硝酸等の通常変異処理に用いられている変異剤によって処理し、PC活性が増強した株を選択することによってそれぞれ得ることができる。また、PCをコードする遺伝子を用いて改変してもよい。具体的には、pc遺伝子のコピー数を高めることによって達成でき、コピー数を高めることは、プラスミドを用いたり、公知の相同組換え法によって染色体上で多コピー化させたりすることなどによって達成できる。なお、PC活性の増強は、染色体上またはプラスミド上でpc遺伝子のプロモーターへの変異導入、より強力なプロモーターへの置換などによって高発現化させることによっても達成できる。
PC活性の増強に用いるpc遺伝子としては、PC活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)由来の遺伝子を挙げることができる。さらに、コリネ型細菌以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のpc遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のpc遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてPC活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
上記のようにして単離されたPCをコードする遺伝子を公知の発現ベクターに発現可能に挿入することにより、PC発現ベクターが提供される。この発現ベクターで形質転換することにより、PC活性増強株を得ることができる。あるいは、相同組換えなどによって、宿主微生物の染色体DNAにPCをコードするDNAを発現可能に組み込むことによってもPC活性増強株を得ることができる。なお、形質転換、相同組換えは当業者に知られた通常の方法に従って行うことができる。
染色体上またはプラスミド上にPC遺伝子を導入する場合には、適当なプロモーターを該遺伝子の5’−側上流に、より好ましくはターミネーターを3’−側下流にそれぞれ組み込む。このプロモーターおよびターミネーターとしては、宿主として利用する微生物中において機能することが知られているプロモーターおよびターミネーターであれば特に限定されず、pc遺伝子自身のプロモーターおよびターミネーターであってもよいし、他のプロモーターおよびターミネーターに置換してもよい。これら各種微生物において利用可能なベクター、プロモーターおよびターミネーターなどに関しては、例えば「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立出版」などに詳細に記述されている。
本発明において用いられる微生物に、育種によりアルコール生産能を付与する場合としては、カルボン酸生産能を付与する場合と同様の方法で、LDH活性を低減するよう改変された微生物を利用することができる。
上記アルコールデヒドロゲナーゼ(以下、ADHとも呼ぶ)活性が増強するように改変された微生物は、上述のPC活性を増強する方法と同様にして作製することができる。
ADH活性の増強に用いるadh遺伝子としては、ADH活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)由来のadhB遺伝子、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)由来のadhE2遺伝子を挙げることができる。さらに、上記以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のadh遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のadh遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてADH活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
なお、本発明に用いる微生物は、有用物質生産能を付与するための改変のうちの2種類以上の改変を組み合わせて得られる微生物であってもよい。複数の改変を行う場合、その順番は問わない。
第3の発明で用いる微生物は、有用物質生産能を有し、且つペントース利用能を有する微生物であってもよく、ペントース利用能を有する微生物が好ましい。
本発明において、「ペントース利用能」とは、該微生物がペントースを炭素源として利用し、増殖または有用物質生産することができることをいう。
微生物が炭素源として利用するペントースとしては、炭素源として利用可能であれば特に限定されない。具体例としては、キシロース、アラビノース、リボース、リキソース等のアルドペントース類、リブロース、キシルロース等のケトペントース等が挙げられる。これらの中でも、アルドペントース類が好ましく、非可食原料として利用されるヘミセルロース系バイオマスに含まれるキシロース、アラビノースがより好ましい。中でも、ヘミセルロース系バイオマス中の含有量が多いキシロースが特に好ましい。
ここで、ペントース利用能を有する微生物は、本来的にペントース利用能を有する微生物であってもよいし、育種によりペントース利用能を付与したものでもよい。
育種によりペントース利用能を付与する手段としては、遺伝子組換え処理などが挙げられ、ペントース代謝経路の酵素遺伝子を導入など公知の方法を採用することができる。例えば、キシロース利用能を付与する場合は、後述するようなキシロースイソメラーゼ遺伝子を導入する方法、またはキシロースリダクターゼ遺伝子およびキシリトールデヒドロゲナーゼ遺伝子を導入する方法などが挙げられる。アラビノース利用能を付与する場合は、後述するようなアラビノースイソメラーゼ遺伝子およびリブロキナーゼ遺伝子およびリブロース5リン酸エピメラーゼ遺伝子を導入する方法などが挙げられる。
以下、育種によりペントース利用能を付与する具体例として、キシロース利用能の付与に関する改変例とアラビノース利用能の付与に関する改変例について説明する。
キシロース利用能を付与された微生物は、上述した微生物を親株として用い、該親株にキシロースイソメラーゼ(以下、XylAとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を導入することによって得ることができる。
ここで、「XylA活性」とは、キシロースを異性化してキシルロースを生成する反応を触媒する活性(EC:5.3.1.5)をいう。XylA活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばGaoらの方法(Gao Q, Zhang M, McMillan JD, Kompala DS, Appl. Biochem. Biotechnol., 2002, Vol.98(100), p341-55)により、XylA活性を測定することによって確認することができる。
XylA活性が付与または増強された株の具体的な作製方法としては、xylA遺伝子をプラスミドによって導入したり、公知の相同組換え法によって染色体上に導入したりすることなどによって達成できる。
XylA活性の付与または増強に用いるxylA遺伝子としては、XylA活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来の遺伝子を挙げることができる。
さらに、大腸菌以外の細菌または他の微生物、動植物由来のxylA遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のxylA遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてXylA活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
上記のようにして単離されたXylAをコードする遺伝子を公知の発現ベクターに発現可能に挿入することにより、XylA発現ベクターが提供される。この発現ベクターで形質転換することにより、XylA活性が付与または増強された株を得ることができる。あるいは、相同組換えなどによって、宿主微生物の染色体DNAにXylAをコードするDNAを発現可能に組み込むことによってもXylA活性が付与または増強された株を得ることができる。なお、形質転換、相同組換えは当業者に知られた通常の方法に従って行うことができる。
染色体上またはプラスミド上にXylA遺伝子を導入する場合には、適当なプロモーターを該遺伝子の5’−側上流に、より好ましくはターミネーターを3’−側下流にそれぞれ組み込む。このプロモーターおよびターミネーターとしては、宿主として利用する微生物中において機能することが知られているプロモーターおよびターミネーターであれば特に限定されず、xylA遺伝子自身のプロモーターおよびターミネーターであってもよいし、他のプロモーターおよびターミネーターに置換してもよい。これら各種微生物において利用可能なベクター、プロモーターおよびターミネーターなどに関しては、例えば「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立出版」などに詳細に記述されている。
また、キシロース利用能の付与においては、XylA活性の付与または増強に加えて、キシルロキナーゼ(以下、XylBとも呼ぶ)活性を付与または増強するように改変された微生物であってもよい。
ここで、「XylB活性」とは、キシルロースをリン酸化してキシルロース5リン酸を生成する反応を触媒する活性(EC:2.7.1.17)をいう。XylB活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばEliassonらの方法(Eliasson A, Boles E, Johansson B, Otensterberg M, Thevelein JM, Spencer-Martins I, Juhnke H, Hahn-Hatengerdal B, Appl. Microbiol. Biotechnol., 2000, Vol.53, p376-82)により、XylB活性を測定することによって確認することができる。
XylB活性が付与または増強された株は、上述のXylA活性を付与または増強する方法と同様にして作製することができる。
XylB活性の付与または増強に用いるxylB遺伝子としては、XylB活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えばエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)由来の遺伝子を挙げることができる。
さらに、上記以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のxylB遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のxylB遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてXylB活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
XylA活性およびXylB活性を付与または増強する場合、導入するxylA遺伝子とxylB遺伝子は同じ遺伝子座上に存在していてもよく、それぞれ別の遺伝子座上に存在していてもよい。2つの遺伝子が同じ遺伝子座上に存在している例としては、例えば、それぞれの遺伝子が連結して形成されたオペロンなどが挙げられる。
キシロース利用能を付与された微生物は、上述した微生物を親株として用い、該親株にキシロースリダクターゼ(以下、XRとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子およびキシリトールデヒドロゲナーゼ(以下、XDHとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を導入することによって得ることもできる。
ここで、「XR活性」とは、キシロースを還元してキシリトールを生成する反応を触媒する活性(EC:1.1.1.21)をいう。XR活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばSasakiらの方法(Sasaki M, Jojima T, Inui M, Yukawa H, Appl Microbiol Biotechnol., 2010, Vol.86(4), p1057-66)により、XR活性を測定することによって確認することができる。
XR活性が付与または増強された株は、上述のXylA活性を付与または増強する方法と同様にして作製することができる。XR活性の付与または増強に用いるxr遺伝子としては、XR活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)由来のXYL1遺伝子を挙げることができる。
さらに、上記以外の微生物または動植物由来のxr遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のxr遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてXR活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
次に、「XDH活性」とは、キシリトールを脱水素化してキシルロースを生成する反応を触媒する活性(EC:1.1.1.9)をいう。XDH活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばRizziらの方法(Rizzi M, Harwart K, Erlemann P, Bui-Thahn NA, Dellweg H, J Ferment Bioeng., 1989, Vol.67, p20-24)により、XDH活性を測定することによって確認することができる。
XDH活性が付与または増強された株は、上述のXylA活性を付与または増強する方法と同様にして作製することができる。XDH活性の付与または増強に用いるxdh遺伝子としては、XDH活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)由来のXYL2遺伝子を挙げることができる。
さらに、上記以外の微生物または動植物由来のxdh遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のxdh遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてXDH活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
また、キシロース利用能の付与においては、XDH活性およびXR活性の付与または増強に加えて、XylB活性を付与または増強するように改変された微生物であってもよい。XylB活性の付与または増強に関しては上述の通りである。
アラビノース利用能を付与された微生物は、上述した微生物を親株として用い、該親株にアラビノースイソメラーゼ(以下、AraAとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子およびリブロキナーゼ(以下、AraBとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子およびリブロース5リン酸エピメラーゼ(以下、AraDとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を導入することによって得ることができる。
ここで、「AraA活性」とは、アラビノースを異性化してリブロースを生成する反応を触媒する活性(EC:5.3.1.4)をいう。AraA活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばPatrickらの方法(Patrick JW, Lee N, J. Biol. Chem., 1968, Vol.243, p4312-19)により、AraA活性を測定することによって確認することができる。
AraA活性が付与または増強された株は、上述のXylA活性を付与または増強する方法と同様にして作製することができる。AraA活性の付与または増強に用いるaraA遺伝子としては、AraA活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)由来の遺伝子を挙げることができる。
さらに、上記以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のaraA遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のaraA遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてAraA活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
次に、「AraB活性」とは、リブロースをリン酸化してリブロース5リン酸を生成する反応を触媒する活性(EC:2.7.1.16)をいう。AraB活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばLeeらの方法(Lee N, Englesberg E, Proc. Natl. Acad. Sci., 1962, Vol.48, p335-48)により、AraB活性を測定することによって確認することができる。
AraB活性が付与または増強された株は、上述のXylA活性を付与または増強する方法と同様にして作製することができる。AraB活性の付与または増強に用いるaraB遺伝子としては、AraB活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)由来の遺伝子を挙げることができる。
さらに、上記以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のaraB遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のaraB遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてAraB活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
さらに、「AraD活性」とは、リブロース5リン酸を異性化してキシルロース5リン酸を生成する反応を触媒する活性(EC:5.1.3.4)をいう。AraD活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばDeandaらの方法(Deanda K, Zhang M, Eddy C, Picataggio S, Appl Environ Microbiol., 1996, Vol.62(12), p4465-70)により、AraD活性を測定することによって確認することができる。
AraD活性が付与または増強された株は、上述のXylA活性を付与または増強する方法と同様にして作製することができる。AraD活性の付与または増強に用いるaraD遺伝子としては、AraD活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)由来の遺伝子を挙げることができる。
さらに、上記以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のAraD遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のaraD遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてAraD活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
AraA活性およびAraB活性およびAraD活性を付与または増強する場合、導入するaraA遺伝子、araB遺伝子、およびaraD遺伝子は同じ遺伝子座上に存在していてもよく、それぞれ別の遺伝子座上に存在していてもよい。2つまたは3つの遺伝子が同じ遺伝子座上に存在している例としては、例えば、それぞれの遺伝子が連結して形成されたオペロンなどが挙げられる。
なお、第3の発明に用いる微生物は、ペントース利用能を付与するための改変のうちの2種類以上の改変を組み合わせて得られる細菌であってもよい。複数の改変を行う場合、その順番は問わない。
また、第3の発明に用いる微生物は、有用物質生産能を付与するための改変とペントース利用能を付与するための改変を組み合わせて得られる微生物であってもよい。複数の改変を行う場合、その順番は問わない。
第3の発明は、後述する水性媒体中で、本発明の活性炭処理糖液を含有する有機原料に、有用物質生産能力を有する微生物を作用させて有機化合物を得る工程(以下、「有機物生産工程」ということがある。)を含むものである。中でも、活性炭処理糖液を含有する有機原料に前記微生物を作用させることにより有機化合物を生成させ、これを回収することが好ましい。製造し得る有機化合物の種類および好ましい有機化合物の例は上述した通りである。
第3の発明で前記微生物を用いるに当たっては、寒天培地等の固体培地で斜面培養したものを直接用いてもよいが、必要に応じて上記微生物を予め液体培地で培養したものを用いてもよい。すなわち、前記微生物を予め増殖させておいた上で、前記微生物に有機化合物を生産させてもよい。上述のように種培養や本培養を行なうことで、前記微生物を予め増殖させることができるが、このときに使用する有機原料としては、活性炭処理糖液を用いてもよいし、その他の有機原料を用いてもよい。
なお、種培養または本培養した微生物を水性媒体中で増殖させながら、活性炭処理糖液を含有する有機原料と反応させることによって有機化合物を製造してもよいし、予め種培養または本培養を行なうことで増殖させた菌体を、活性炭処理糖液を含有する有機原料を含む水性媒体中で有機原料と反応させることによって有機化合物を製造してもよい。
また、第3の発明において用いられる微生物としては、上記微生物のほか、微生物の処理物を使用することもできる。微生物の処理物としては、例えば、微生物の菌体をアクリルアミド、カラギーナン等で固定化した固定化菌体、菌体を破砕した破砕物、その遠心分離上清、またはその上清を硫安処理等で部分精製した画分等が挙げられる。
第3の発明では活性炭処理糖液を含有する有機原料を使用するが、必要に応じて、その他の有機原料を添加してもよい。有機化合物製造方法において使用する活性炭処理糖液以外の有機原料としては、前記微生物が資化して有機化合物を生成させうる炭素源であれば特に限定されないが、通常、ガラクトース、ラクトース、グルコース、フルクトース、スクロース、デンプンまたはセルロース等の炭水化物;グリセロール、マンニトール、キシリトールまたはリビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、スクロースまたはフルクトースが好ましく、特にグルコースまたはスクロースが好ましい。
また、前記発酵性糖質を含有する澱粉糖化液または糖蜜なども使用され、具体的にはサトウキビ、甜菜またはサトウカエデ等の植物から搾取した糖液であるものが好ましい。
これらの有機原料は、単独で添加してもよいし、組み合わせて添加してもよい。
前記有機原料の使用濃度は特に限定されないが、有機化合物の生成を阻害しない範囲で可能な限り高くするのが有利であり、水性媒体に対して、通常50g/L以上、好ましくは100g/L以上であり、一方、通常300g/L以下、好ましくは200g/L以下である。また、反応の進行に伴う前記有機原料の減少にあわせ、有機原料の追加添加を行ってもよい。
(水性媒体)
第3の発明で使用する水性媒体とは、水、水を主成分とする水溶液、およびゲル(寒天)等と、糖液を含有する有機原料と、有用物質生産能を有する微生物、並びに有機原料中に含まれる有機化合物のほか、微生物の培養に必要な成分を含む液体を意味し、溶解していない液体・固体が分散したものも含まれる。
第3の発明で用いる水性媒体としては、リン酸緩衝液等の緩衝液であってもよいが、窒素源や無機塩などを含む水溶液であることが好ましい。ここで、窒素源としては、第3の発明で用いる微生物が資化して有機化合物を生成させうる窒素源であれば特に限定されないが、具体的には、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、大豆加水分解物、カゼイン分解物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカーなどの各種の有機、無機の窒素化合物が挙げられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビオチン、チアミン、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等のビタミン類、ヌクレオチド、アミノ酸などの生育を促進する因子を必要に応じて添加する。また、反応時の発泡を抑えるために、水性媒体には市販の消泡剤を適量添加しておくことが好ましい。
また、前記水性媒体は、例えば上述した有機原料、窒素源、無機塩などのほかに、炭酸イオン、重炭酸イオンおよび二酸化炭素ガス(炭酸ガス)から選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。炭酸イオンまたは重炭酸イオンは、中和剤としても用いることのできる炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウムなどから供給されるが、必要に応じて、炭酸若しくは重炭酸またはこれらの塩或いは二酸化炭素ガスから供給することもできる。炭酸または重炭酸の塩の具体例としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等が挙げられる。
前記水性媒体中における炭酸イオンまたは重炭酸イオンの濃度は、通常1mM以上、好ましくは2mM以上、さらに好ましくは3mM以上であり、また、通常500mM以下、好ましくは300mM以下、さらに好ましくは200mM以下である。二酸化炭素ガスを含有させる場合は、水性媒体1L当たり通常50mg以上、好ましくは100mg以上、さらに好ましくは150mg以上の二酸化炭素ガスを含有させることが好ましく、一方、水性媒体1L当たり通常25g以下、好ましくは15g以下、さらに好ましくは10g以下の二酸化炭素ガスを含有させることが好ましい。
前記水性媒体のpHは、用いる微生物の種類に応じて、その活性が最も有効に発揮される範囲に調整されることが好ましい。具体的には、コリネ型細菌を用いる場合には、水性媒体のpHを、通常5.5以上、好ましくは6以上、より好ましくは6.6以上、さらに好ましくは7.1以上であり、一方、通常10以下、好ましくは9.5以下、より好ましくは9.0以下とすることが好ましい。
前記水性媒体のpHは、生産される有機化合物が酸性物質である場合には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア(水酸化アンモニウム)、またはそれらの混合物等を添加することによって調整することができる。生産される有機化合物が塩基性物質である場合には、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、それらの混合物等を添加すること、または二酸化炭素ガスを供給することによって調整することができる。
第3の発明で用いる微生物の菌体量は、特に限定されないが、湿菌体質量として、通常1g/L以上、好ましくは10g/L以上、より好ましくは20g/L以上であり、一方、通常700g/L以下、好ましくは500g/L以下、さらに好ましくは400g/L以下である。
第3の発明における有機物生産工程の反応時間は、特に限定はされないが、通常1時間以上、好ましくは3時間以上であり、一方、通常168時間以下、好ましくは72時間以下である。
第3の発明における有機物生産工程の反応温度は、用いる前記微生物の生育至適温度と同じ温度で行ってもよいが、生育至適温度より高い温度で行うことが有利であり、通常生育至適温度より2℃以上、好ましくは7℃以上、より好ましくは15℃以上、さらに好ましくは20℃以上高い温度で行う。具体的には、コリネ型細菌の場合には、通常35℃以上、好ましくは37℃以上、さらに好ましくは39℃以上であり、一方、通常45℃以下、好ましくは43℃以下、さらに好ましくは41℃以下である。有機化合物生産反応の間、常に35℃〜45℃の範囲とする必要はないが、全反応時間の50%以上、好ましくは80%以上の時間において、上記温度範囲にすることが望ましい。
第3の発明における有機物生産工程は、通気、攪拌して行ってもよいが、通気せず、酸素を供給しない嫌気的雰囲気下で行なうことが好ましい。ここでいう嫌気的雰囲気下は、例えば容器を密閉して無通気で反応させる、窒素ガス等の不活性ガスを供給して反応させる、二酸化炭素ガス含有の不活性ガスを通気する等の方法によって得ることができる。
第3の発明における有機物生産工程は、特段の制限はないが、回分反応、半回分反応もしくは連続反応のいずれにも適用することができる。
第3の発明は、上記の有機物生産工程により有機化合物が生成し、水性媒体中に蓄積させることができる。前記有機物生産工程で蓄積させた有機化合物は、常法に従って、水性媒体より回収する工程をさらに含んでいてもよい。具体的には、例えば、蓄積させた有機化合物がコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等のカルボン酸である場合には、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去した後、イオン交換樹脂等で脱塩し、回収することができる。
また第3の発明においては、前記の精製する工程で得られたものを精製する工程をさらに含んでいてもよい。具体的には水性媒体から回収した溶液を結晶化(晶析)またはカラムクロマトグラフィーにより精製して、カルボン酸を得ることができる。蓄積させた有機化合物がエタノール、ブタノール、ブタンジオール等のアルコールである場合には、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去した後、蒸留等で濃縮し、その溶液を膜脱水するなどして、アルコールを精製することができる。
<第4の発明:微生物の培養方法>
第4の発明の培養方法は、本発明の活性炭処理糖液を含有する有機原料を炭素源として用いて、有用物質生産能力を有する微生物を培養させる。本発明の培養方法によって得られた微生物は、その後、有機原料に作用させることによって有機化合物を生成させ、これを回収することができる。このときの有機原料としては、前記活性炭処理糖液を用いてもよいし、活性炭処理糖液中にその他の有機原料を含んでいてもよい。製造し得る有機化合物の種類および好ましい有機化合物の例は上述した通りである。
第4の発明の培養方法では、活性炭処理糖液を含む寒天培地等の固体培地で培養してもよいし、活性炭処理糖液を含む液体培地で培養してもよい。後述する種培養や本培養を行なうことで、有機化合物生産反応に供する前記微生物を増殖させることができる。
種培養は、本培養に供する前記微生物の菌体を調製するために行なうものである。種培養に用いる培地は、微生物の培養に用いられる通常の培地を用いることができるが、窒素源や無機塩などを含む培地であることが好ましい。ここで、窒素源としては、本微生物が資化して増殖できる窒素源であれば特に限定されないが、具体的には、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、大豆加水分解物、カゼイン分解物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカーなどの各種の有機、無機の窒素化合物が挙げられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビオチン、チアミン、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等のビタミン類、ヌクレオチド、アミノ酸などの生育を促進する因子を必要に応じて添加する。さらに、必要に応じて、前記培地に炭素源として活性炭処理糖液を添加してもよいし、グルコース等の有機原料を添加してもよい。
種培養は、一般的な生育至適温度で行なうことが好ましい。一般的な生育至適温度とは、有機化合物の生産に用いられる条件において最も生育速度が速い温度のことを言う。具体的な培養温度としては、通常25℃〜40℃であり、30℃〜37℃が好ましい。コリネ型細菌の場合は、通常25℃〜35℃であり、28℃〜33℃がより好ましく、約30℃が特に好ましい。
種培養は、一般的な生育至適pHで行なうことが好ましい。一般的な生育至適pHとは、有機化合物の生産に用いられる条件において最も生育速度が速いpHのことを言う。具体的な培養pHとしては、通常pH4〜10であり、pH6〜8が好ましい。コリネ型細菌の場合は、通常pH6〜9であり、pH6.5〜8.5が好ましい。
また、種培養の培養時間は、一定量の菌体が得られる時間であれば特段の制限はないが、通常6時間以上96時間以下である。また、種培養においては、通気したり攪拌したりして、酸素を供給することが好ましい。
種培養後の菌体は、後述する本培養に用いることができるが、種培養については省略してもよく、寒天培地等の固体培地で斜面培養したものを直接本培養に用いてもよい。また、必要に応じて、種培養を何度か繰り返し行ってもよい。
本培養は、後述する有機化合物生産反応に供する前記微生物菌体を調製するために行なうものであり、主として菌体量を増やすことを目的とする。上述の種培養を行う場合は、種培養により得られた菌体を用いて本培養を行う。
本培養に用いる培地は、微生物の培養に用いられる通常の培地を用いることができるが、窒素源や無機塩などを含む培地であることが好ましい。ここで、窒素源としては、本微生物が資化して増殖できる窒素源であれば特に限定されないが、具体的には、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、大豆加水分解物、カゼイン分解物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカーなどの各種の有機、無機の窒素化合物が挙げられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビオチン、チアミン、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等のビタミン類、ヌクレオチド、アミノ酸などの生育を促進する因子を必要に応じて添加する。また、培養時の発泡を抑えるために、培地には市販の消泡剤を適量添加しておくことが好ましい。
また、本培養においては、炭素源として活性炭処理糖液を含有する有機原料を使用する。必要に応じて、その他の有機原料を添加してもよい。本培養において使用する活性炭処理糖液以外の有機原料としては、前記微生物が資化して増殖し得るものであれば特に限定されないが、通常、ガラクトース、ラクトース、グルコース、フルクトース、スクロース、サッカロース、デンプン、セルロース等の炭水化物;グリセロール、マンニトール、キシリトール、リビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、スクロース、またはフルクトースが好ましく、特にグルコースまたはスクロースが好ましい。
これらの有機原料は、単独で添加してもよいし、2種類以上を任意の組み合わせで添加してもよい。
前記有機原料の使用濃度は特に限定されないが、増殖を阻害しない範囲で添加するのが有利であり、培養液に対して、通常1〜100g/L、好ましくは5〜50g/Lの範囲内で用いることができる。また、増殖に伴う前記有機原料の減少にあわせ、有機原料の追加添加を行ってもよい。
また、本培養は、一般的な生育至適温度で行なうことが好ましい。具体的な培養温度としては、通常25℃〜40℃であり、30℃〜37℃が好ましい。コリネ型細菌の場合は、通常25℃〜35℃であり、28℃〜33℃がより好ましく、約30℃が特に好ましい。
また、本培養は、一般的な生育至適pHで行なうことが好ましい。具体的な培養pHとしては、通常pH4〜10であり、pH6〜8が好ましい。コリネ型細菌の場合は、通常pH6〜9であり、pH6.5〜8.5が好ましい。
また、本培養の培養時間は、一定量の菌体が得られる時間であれば特段の制限はないが、通常6時間以上96時間以下である。また、本培養においては、通気したり攪拌したりして、酸素を供給することが好ましい。
また、本培養においては、より有機化合物の製造に適した菌体の調製方法として、特開2008−259451号公報に記載の炭素源の枯渇と充足を短時間で交互に繰り返すように培養を行う方法も用いることができる。
本培養後の菌体は、後述する有機化合物生産反応に用いることができるが、培養液を直接用いてもよいし、遠心分離、膜分離等によって菌体を回収した後に用いてもよい。
また、本培養は、一般的な生育至適温度で行なうことが好ましい。具体的な培養温度としては、通常25℃〜40℃であり、30℃〜37℃が好ましい。コリネ型細菌の場合は、通常25℃〜35℃であり、28℃〜33℃がより好ましく、約30℃が特に好ましい。
また、本培養は、一般的な生育至適pHで行なうことが好ましい。具体的な培養pHとしては、通常pH4〜10であり、pH6〜8が好ましい。コリネ型細菌の場合は、通常pH6〜9であり、pH6.5〜8.5が好ましい。
また、本培養の培養時間は、一定量の菌体が得られる時間であれば特段の制限はないが、通常6時間以上96時間以下である。また、本培養においては、通気したり攪拌したりして、酸素を供給することが好ましい。
また、本培養においては、より有機化合物の製造に適した菌体の調製方法として、特開2008−259451号公報に記載の炭素源の枯渇と充足を短時間で交互に繰り返すように培養を行う方法も用いることができる。
本培養後の菌体は、後述する有機化合物生産反応に用いることができるが、培養液を直接用いてもよいし、遠心分離、膜分離等によって菌体を回収した後に用いてもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
LCの分析方法を以下に示す。なお特に断りがない限り、各実施例で「LC分析を行なった」場合は、下記測定条件(1)及び測定条件(2)の両方の条件で測定したことを表わす。
[高速液体クロマトグラフ(LC分析)]
<測定条件(1):酸類、糖類の分析条件>
カラム :ULTRON PS−80H 長さ300mm×φ8.0mm
(信和化工社製)
溶離液 :0.11質量% 過塩素酸水溶液
カラム温度 :60℃
流速 :1.0mL/分
サンプル注入量 :10μL
検出器 : RI(示差屈折率)
<測定条件(2) :フルフラールの分析条件>
カラム :Develosil C30 長さ100mm×φ4.6mm、
粒子径3μm(野村化学社製)
溶離液 :A液 0.052質量%過塩素酸水溶液
B液 アセトニトリル
A液/B液=95/5(vol/vol)からB液100vol%
20分間でグラジエント分析
カラム温度 :40℃
流速 :1.0mL/分
サンプル注入量 :10μL
検出波長 :UV (210nm)
(除去率の算出方法)
活性炭の除去率は、以下のように算出した。
糖液ならびに活性炭処理糖液を上記HPLC条件にて測定し、絶対検量線法を用いて各成分の濃度を算出し、活性炭処理前後の濃度変化を下記式により算出した。
例えばフルフラールの除去率は、以下のように算出した。
(フルフラール除去率)(%)=[1−(活性炭処理糖化液中に含有するフルフラール濃度)/(活性炭処理前の糖化液に含有するフルフラール濃度)]×100
(合成例1)
(糖液の作製)
超純水にグルコース、キシロース、フルフラール、ギ酸、グリコールアルデヒドを溶解させ糖液を作製し、この糖液を上記分析条件(1)及び(2)でLC分析を行ったところ、グルコース8.01質量%、キシロース0.99質量%、フルフラール0.12質量%、ギ酸0.04質量%、グリコールアルデヒド0.31質量%であり、糖濃度合計は9.00質量%であった。以下、これを「糖液−1」とする。
(合成例2)
(糖液の作製)
超純水にグルコース、キシロース、アラビノース、フルフラール、ギ酸、グリコールアルデヒドを溶解させ糖液を作製し、この糖液を上記分析条件(1)及び(2)でLC分析を行ったところ、グルコース0.75質量%、キシロース3.43質量%、アラビノース0.26質量%、フルフラール0.10質量%、ギ酸0.04質量%、グリコールアルデヒド0.30質量%であり、糖濃度合計は4.44質量%であった。以下、これを「糖液−2」とする。
(実施例1)
フラスコ内に前記糖液−1を2.16g、活性炭カルボラフィン(日本エンバイロケミカルズ(株)社製)0.0217g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)を導入し、80℃で2時間攪拌後、25℃まで温度を下げて更に2時間攪拌した。その後、0.45μmのシリンジフィルターで活性炭を除去し、活性炭処理糖液を上記分析条件(1)および(2)でLC分析を行なった。活性炭処理前後で含有されている化合物の除去率、並びに糖濃度の変化を確認したところ、フルフラールの除去率は85%、ギ酸の除去率は37%であった。また糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表1に示した。
(実施例2)
糖液−1の量を2.06g、活性炭の使用量を0.0207g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭除去温度を40℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で活性炭処理を行ない、得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なった。フルフラールの除去率は75%、ギ酸の除去率は39%、また糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表1に示した。
(実施例3)
糖液−1の量を2.26g、活性炭の使用量を0.0227g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度を70℃に変更した以外は実施例2と同様の方法で活性炭処理を行い、得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なった。フルフラールの除去率は75%、ギ酸の除去率は39%であった。また糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表1に示した。
(実施例4)
糖液−1の量を2.07g、活性炭の使用量を0.0202g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度を70℃に変更した以外は実施例2と同様の方法で活性炭処理を行ない、得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なった。フルフラールの除去率は75%、ギ酸の除去率は39%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表1に示した。
(比較例1)
糖液−1の量を2.55g、活性炭の使用量を0.0254g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を25℃のままで温度差がない条件で処理した以外は実施例1と同様の方法で活性炭処理を行ない、得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なった。フルフラールの除去率は66%、ギ酸の除去率は12%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表1に示した。
(比較例2)
糖液−2の量を2.04g、活性炭の使用量を0.0206g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を40℃のままで温度差がない条件で処理した以外は比較例1と同様の方法で活性炭処理を行ない、得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なった。フルフラールの除去率は63%、ギ酸の除去率は14%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表1に示した。
(比較例3)
糖液−1の量を2.03g、活性炭の使用量を0.0203g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を80℃のままで温度差がない条件で処理した以外は比較例1と同様の方法で活性炭処理を行ない、得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なった。フルフラールの除去率は57%、ギ酸の除去率は31%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表1に示した。
Figure 2015061524
表1より実施例1〜4と比較例1〜3とを比較すると、加熱処理温度と冷却処理温度との温度差を設けることにより、温度差がない場合と比較してフルフラール除去率、ギ酸除去率ともに大きく改善していることがわかる。また、糖濃度の変化もないことがわかる。
(実施例5)
糖液−1の量を2.30g、活性炭の種類をカルボラフィン6(日本エンバイロケミカルズ(株)社製)、使用量を0.0231g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更した以外は実施例1と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は70%、ギ酸の除去率は39%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表2に示した。
(実施例6)
糖液−1の量を2.04g、活性炭の使用量を0.0206g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭除去温度を40℃に変更した以外は実施例5と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は70%、ギ酸の除去率は35%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。分析結果を表2に示した。
(比較例4)
糖液−1の量を2.21g、活性炭の使用量を0.0223g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を25℃のままで温度差がない条件で処理した以外は実施例5と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は66%、ギ酸の除去率は11%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。結果を表2に示した。
(比較例5)
糖液−1の量を2.57g、活性炭の使用量を0.0250g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を40℃のままで温度差がない条件で処理した以外は比較例4と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は62%、ギ酸の除去率は12%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。結果を表2に示した。
(比較例6)
糖液−1の量を2.02g、活性炭の使用量を0.0205g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を80℃のままで温度差がない条件で処理した以外は比較例4と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は63%、ギ酸の除去率は30%、糖濃度は活性炭処理前に対し、変化はなかった。結果を表2に示した。
(実施例7)
糖液の量を2.03g、活性炭の種類をダイヤホープ6MD(カルゴンカーボンジャパン(株)社製)、使用量を0.0203g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更した以外は実施例1と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は87%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(実施例8)
糖液の量を2.06g、活性炭の使用量を0.0206g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭除去温度を40℃に変更した以外は実施例7と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は82%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(比較例7)
糖液の量を4.41g、活性炭の使用量を0.0440g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を25℃のままで温度差がない条件で処理した以外は実施例7と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は81%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(比較例8)
糖液の量を2.04g、活性炭の使用量を0.0205g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を40℃のままで温度差がない条件で処理した以外は比較例7と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は80%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(比較例9)
糖液の量を5.12g、活性炭の使用量を0.0512g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を80℃のままで温度差がない条件で処理した以外は比較例7と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は76%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(実施例9)
糖液の量を2.18g、活性炭の種類をNoritDARCO(ノーリット(株)社製)、使用量を0.0218g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更した以外は実施例1と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は74%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(比較例10)
糖液の量を2.18g、活性炭の使用量を0.0218g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を25℃のままで温度差がない条件で処理した以外は実施例9と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は64%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(実施例10)
糖液の量を2.20g、活性炭の種類をNoritGAC(ノーリット(株)社製)、使用量を0.0220g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更した以外は実施例2と同様の方法で活性炭処理を行った得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は72%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(比較例11)
糖液の量を2.17g、活性炭の使用量を0.0215g(糖液に対して1質量%、糖量に対して11質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を40℃のままで温度差がない条件で処理した以外は実施例10と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は69%、ギ酸と糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(実施例11)
フラスコ内に糖液−2を2.07g、活性炭カルボラフィン(日本エンバイロケミカルズ(株)社製)0.0209g(糖液に対して1質量%、糖量に対して23質量%)を導入し、80℃で2時間攪拌後、30℃まで温度を下げて更に2時間攪拌した。その後、0.45μmのシリンジフィルターで活性炭を除去し、得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は76%、ギ酸の除去率は40%、糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(比較例12)
糖液の量を2.03g、活性炭の使用量を0.0202g(糖液に対して1質量%、糖量に対して23質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を30℃のままで温度差がない条件で処理した以外は実施例11と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は72%、ギ酸の除去率は15%、糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
(比較例13)
糖液の量を2.07g、活性炭の使用量を0.0208g(糖液に対して1質量%、糖量に対して23質量%)に変更し、活性炭の処理温度並びに除去温度を80℃のままで温度差がない条件で処理した以外は比較例12と同様の方法で活性炭処理を行った。得られた活性炭処理糖液のLC分析を行なったところ、フルフラールの除去率は68%、ギ酸の除去率は36%、糖濃度は変化がなかった。結果を表2に示した。
Figure 2015061524
表2に記載の通り、糖液−1を活性炭処理する際の活性炭の種類を変えて実験した結果、活性炭の種類が変わっても同様に、加熱処理と冷却処理を行ない、処理温度の差をつけたものは、いずれも糖濃度の変化はなく、フルフラール除去率が向上した。また、活性炭によってはさらにギ酸の除去率も向上することがわかる。
また糖液の組成を変更した糖液−2で同様の検討を行なった場合も、加熱処理と冷却処理を行ない、処理温度の差をつけたものは、いずれも糖濃度の変化はなく、フルフラールの除去率とギ酸の除去率のいずれも向上した。
これより糖液を活性炭処理する際、加熱処理を行ない、次いで冷却処理をおこなって、双方の処理温度に温度差をつけることにより、カルボニル化合物、特にフルフラールの除去率が向上することがわかる。
本発明の糖類の精製方法によれば、糖液中の発酵阻害物質の含有量を効率的に減少させることができるため、得られる糖液を、微生物を利用した発酵生産プロセスで用いれば、効率よく目的とする有機化合物が得られ、その収率を向上させることができる。また、所定の糖濃度の糖液を用いることにより、糖類のロスを抑制できるうえ、加温状態で濾過するために糖液の粘性が低く濾過性が良好になり、プロセス設計上有利である。
また本発明の活性炭処理糖液は、発酵生産による有機化合物の製造における微生物の生産効率を向上させ、また化学変換プロセスに利用した際に生成物である有機化合物の着色を抑制することができる。

Claims (14)

  1. 活性炭を用いた糖類を含有する液(以下、「糖液」という。)の精製方法であって、活性炭を含む糖液を加熱処理する工程(加熱処理工程)と、該加熱処理工程後の活性炭を含む糖液を冷却処理する工程(冷却処理工程)と、前記冷却処理工程後の前記活性炭を含む糖液から活性炭を除去する工程(活性炭除去工程)と、を有することを特徴とする、糖液の精製方法。
  2. 前記加熱処理工程と前記冷却処理工程との温度差が、10℃以上である、請求項1に記載の糖液の精製方法。
  3. 前記糖液が、炭素数3〜7の単糖を構成成分として含む糖液である、請求項1または2に記載の糖液の精製方法。
  4. 前記糖液が、非可食原料由来の糖類を構成成分として含む糖液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖液の精製方法。
  5. 前記糖液中の糖濃度が、5質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の糖液の精製方法。
  6. 前記加熱処理工程の温度が60℃以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の糖液の精製方法。
  7. 前記冷却処理工程の温度が50℃以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の糖液の精製方法。
  8. 前記糖液中の糖類の質量に対する活性炭の質量の比率が、25質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の糖液の精製方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の精製方法により得られる糖液(以下、「活性炭処理糖液」という。)。
  10. 水性媒体中で、請求項9に記載の活性炭処理糖液を含有する有機原料に有用物質生産能力を有する微生物を作用させて有機化合物を得る工程(以下「有機物生産工程」という。)を有することを特徴とする有機化合物の製造方法。
  11. 前記有機化合物がアルコール類、アミン類、カルボン酸類、およびフェノール類から選ばれる少なくとも1つである、請求項10に記載の有機化合物の製造方法。
  12. 前記アルコール類が、炭素数2〜10の脂肪族アルコールである、請求項11に記載の有機化合物の製造方法。
  13. 前記カルボン酸類が、炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸である、請求項11または12に記載の有機化合物の製造方法。
  14. 有用物質生産能力を有する微生物の培養方法であって、請求項9に記載の活性炭処理糖液を炭素源として用いることを特徴とする微生物の培養方法。
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