JP4272345B2 - バイオマスを化学品及び燃料に転化する方法 - Google Patents

バイオマスを化学品及び燃料に転化する方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、バイオマスの嫌気発酵及び発酵媒体からの有用製品の回収により、バイオマスを有用な化学品または燃料に転化する方法を提供する。本発明の方法のプロセス工程を別様に配列することにより多様な製品(例:有機酸、ケトン、アルデヒド、及びアルコール)がバイオマスから製造できる。これらの製品は、発酵の主要な発酵生成物である有機酸の塩(例:酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、乳酸塩)から製造される。
関連技術の検討
有機酸は、重要な商業化学品である。歴史的には、有機酸は動物脂肪または植物油源から、または実質的に非水性系で石油源から製造された。より最近になって、有機酸は発酵によりバイオマスから製造するための最も魅力ある製品として認められてきている。バイオマスは、炭水化物、タンパク質または脂肪組成の動物または植物に基づく物質として定義され得る。容易に入手し得るバイオマス源の中でも、都市固体廃物(MSW)及び下水スラッジ(SS)が特筆される。現在、公的資金の大きな経費がそのような廃物の処分のために使用されており、その中には、処理、輸送、焼却、はたは埋立地もしくは海洋への投棄に係わる経費が包含される。MSW及びSSのようなバイオマスからの有用製品の発見は、処分の経費を回収し,ならびに殆どの工業的有機酸製造のための原料として役立つ非更新性化石燃料への依存性を低減することができよう。従って,発酵は、今は経費の掛かる廃物と考えられている更新性有機物質を価値ある化学産品に転化することができる。
【0002】
しかし、酸は、発酵により希薄な水性溶液として作られ,純粋な形の酸の回収は大量の水からの分離を伴う。この回収はプロセスに著しい運転コストを導入し、他方大容積の溶液を取り扱うのに必要とされる物理的プラントは著しい資本経費を招く。資本経費及び運転経費の合計は,今まで、バイオマスからの有機酸の製造を不経済的としてきた。従って、発酵、濃厚化、有機酸の回収の単位操作を結びつけて、これらのプロセスの集積から得られる潜在的相乗効果の利点を得て、それによりバイオマスを有用な製品へ転化するための経済的なプロセスを生じさせる方法の必要性が残っている。
【0003】
ケトン、アルデヒド、アルコールは、圧倒的に石油及び天然ガスから製造されている。化石燃料は、有限な資源であるので、バイオマスのような更新性資源を使用する方法を確定することは望ましい。現在、バイオマスに基づくアルコール生産は、原料としてトウモロコシを用いて実用化されているが、トウモロコシは食料としての別の用途があり、その原料は、必然的に高価でありエタノール製品を高価格にする。セルラーゼ及びヘミセルラーゼのような細胞外酵素をリグノセルロース性バイオマスに加えて、次にエタノールにまで発酵される糖を作る実験的技術が、開発されつつある。この技術の主たる挑戦は、低廉な酵素源を開発し、また種々の糖を高収率でエタノールまで発酵できる微生物を開発することである。
【0004】
ここに記載される技術は、バイオマスの多くの成分(セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、糖、タンパク質、脂肪)を、次にはケトン、アルデヒド,及びアルコールへ種々の化学工程を用いて転化される有機酸へ転化する微生物の混合培養物を使用することによって、競合するバイオマスに基づく技術に係わる問題を克服する。さらには、それらの微生物は,それら自体の酵素を産生し,かくして高価な細胞外酵素を添加する必要を回避する。
発明の概要
本発明の一目的は、バイオマスの嫌気発酵により得られた揮発性脂肪酸の塩を液体燃料に転化する方法を提供することである。
【0005】
本発明の一目的は、バイオマスを有機酸、ケトン、アルデヒド、及びアルコールに転化する改善された方法を提供することである。
【0006】
これら及び他の目的は、本発明の下記の具体例によって達成される。
一具体例において、本発明は揮発性脂肪酸(VFA)塩をケトンに転化する方法であって;嫌気発酵の発酵液から揮発性脂肪酸(VFA)の金属塩を沈殿させ、次いでVFAの沈殿金属塩を回収、乾燥し、乾燥VFA金属塩を熱移動剤、好ましくは鋼球、ガラス球、またはセラミック球、さらに好ましくはVFAの熱分解の温度で溶融する物質を充填された中空球と真空容器中で混合し、その熱い熱移動剤はVFA金属塩の温度を、熱分解を生じさせるために上昇させるのに十分であり、その結果ケトン含有蒸気及び炭酸金属塩を形成させ、そして次いで金属炭酸塩及び熱移動剤からケトン含有蒸気を分離し、そしてケトン含有蒸気を凝縮させることにより液体ケトンを回収する、工程からなる上記方法を提供する。好ましくは、VFA金属塩はアルカリ金属またはアルカリ度類の塩であり、さらに好ましくはカルシウム塩である。
【0007】
別の態様において、本発明はバイオマスの嫌気発酵によって作られた発酵液から低分子量アルデヒド及びケトンを回収する方法であって、(a)バイオマスの嫌気発酵によって作られた発酵液から揮発性脂肪酸(VFA)の塩を濃厚化し;(b)VFAのカルシウム塩を沈殿させ,乾燥させ;(c)蟻酸の塩を添加し;(d)VFA及び蟻酸のカルシウム塩を熱移動剤と混合し、それによってVFAのカルシウム塩の熱分解を生じさせてケトン含有及びアルデヒド含有蒸気と炭酸カルシウムとを生成させ;(e)ケトン含有及びアルデヒド含有蒸気からケトン及びアルデヒドを凝縮させそして容器から非凝縮性蒸気を除去することによって容器内に真空を維持し;(f)炭酸カルシウム及び熱移動剤の混合物を取り出し;(g)熱移動剤を炭酸カルシウムから分離し、その熱移動剤を再加熱し、再循環させ、そして炭酸カルシウムを石灰キルン中で焼成する、ことからなる上記方法を提供する。
【0008】
さらに別の態様において、本発明は、バイオマスの嫌気発酵により作られた揮発性脂肪酸(VFA)類の沈殿カルシウム塩から得られたケトン類より作られた第2アルコールの混合物を提供し、VFA類の沈殿カルシウム塩を乾燥させ;真空容器中でVFA類の乾燥カルシウム塩を熱い熱移動剤と混合し、それによってVFA類のカルシウム塩の熱分解を生じさせてケトン含有蒸気及び炭酸カルシウムを生成させ;ケトン含有蒸気からケトン類の混合物を凝縮させることにより炭酸カルシウム及び熱移動剤からケトン含有蒸気を分離し;そして最終的に発酵液から回収されたケトン混合物を水素化することにより得られる。あるいは、第1及びだい2アルコールの混合物は、その真空容器中へ蟻酸のカルシウム塩を添加することにより製造できる。
【0009】
別の態様において、揮発性脂肪酸(VFA)は、(a)バイオマスを嫌気的に消化してVFA塩の希薄溶液を作り;(b)VFA塩を濃厚化し;(c)低分子量アミン及び二酸化炭素を添加して炭酸カルシウムを沈殿させ;(d)工程(c)からの溶液に高分子量アミンを添加し;(e)低分子量アミンを溜出させ;そして(f)高分子量アミン/VFA錯体を熱的に転化して高分子量アミンとVFAとにする;ことにより製造される。あるいは、乳酸は、低分子量アミン/乳酸錯体を熱的に分解して低分子量アミンと乳酸とにすることにより製造できる。
発明の詳細な説明
本発明の方法はバイオマスの嫌気発酵によって低分子量有機酸、特に揮発性脂肪酸、を製造する。多数の方法変形が本発明において意図されているが、全ての方法はプラントの3つの共通部;発酵、濃厚化及び回収を有する。
【0010】
混合第2アルコールを製造するための方法の概略図が図1に示されている。バイオマス205は、まず、予備処理段階210に通され、次いで発酵段階220へ供給され、ここで予備処理バイオマスはVFA塩215及び未消化残渣225に変えられる。VFA塩含有発酵液215は、アミン脱水段階230へ移送され、ここで水が抽出され、かくしてVFA塩を濃厚化して、濃厚化流235中で20%とされる。発酵段階からの未消化残渣225は、廃棄、またはおそらくはプロセス用熱のために燃焼される。
【0011】
回収段階240において、VFA塩の濃厚化流235は、乾固まで蒸発され、そして熱的に転化されて混合ケトン245及び炭酸カルシウム255となる。ケトン245は、水素化段階250でさらに処理されて、ここでそれらは適当な触媒(例:ラネーニッケル)を用いて水素ガス275で水素化されて燃料として有用な混合アルコール265を作ることができる。あるいは、濃厚化酸流が所望の製品であるならば、VFA塩の濃厚化流235は、下記の様に処理されて、塩溶液から酸を“発生“させることができる。得られる酸流は熱分解及び水素化の工程で処理せずに、直接に使用できる。炭酸カルシウム235は、発酵で作られる酸を中和するために発酵段階220へ再循環され、または予備処理段階210で使用できる石灰285を作るために石灰キルン260で焼成され得る。あるいは、発酵槽220へ炭酸カルシウム225を添加しないで、発酵槽220中に高pHを維持するために石灰285を添加してもよい。
【0012】
本発明で意図されている揮発性脂肪酸は酢酸、プロピオン酸、及び酪酸(炭素数2−4)のように比較的低炭素数の飽和脂肪族カルボン酸である。ここで意図される揮発性脂肪酸は嫌気性発酵条件下で“酸生成性”細菌によって産生される全ての脂肪族カルボン酸が包含する。これらのカルボン酸は比較的低温で沸騰するので、“揮発性”と指示される。大気圧におけるノルマルアルキルカルボン酸についての沸点を示す表1を下に挙げる。
【0013】
Figure 0004272345
化学品及び燃料の回収
本特許は、全てが嫌気発酵による共通のバイオマス転化方法に基づく一連のプロセスを開示する。プロセスは、3つの部(セクション);発酵、濃厚化、及び回収に分割される。プロセスの各部における変量は、いかにさらに詳しく説明する。プロセス全体のこれらの部の各々は、独立的に、いくつかのものは非常に大きな規模で、試験された。さらなるプロセス全体の最適化は、ここに説明される考慮に基づき個々のバイオマス原料及び環境状態(例:過剰プロセスエネルギーの近隣源、または過剰プロセスエネルギーの用途)について達成され得る。そのような最適化は、当業の技術の範囲内で容易になされる。
【0014】
ここに記載される発酵は、微生物の純粋培養物により、または混合培養物により実施され得る。混合培養物発酵は、偶然発見された酸生成細菌を用いて発酵方法F−Aにおいて以下に説明される。一つがセルロース分解性でなければならない細菌の純粋もしくは混合培養物を用いてエタノール及び有機酸塩の両方を生成する。発酵方法F−Cは乳酸生成細菌の純粋培養物を用いる。これらの選択肢発酵のための培養物は、異なるが、これらの種々の方法は、類似の原材料、類似の発酵槽を用いることができ、また特別に指示された場合を除き、生成物は類似の方法(回収方法A−E)で回収され得る。
【0015】
三つのタイプの発酵をここで検討する:
Figure 0004272345
発酵生成物は、希薄水性溶液の形で存在する。一般に、生成物1kg当たり約30kgの水があり、この大量の水が発酵生成物を回収し、精製するために除去されなければならない。発酵により生成された有機酸の濃厚化(または発酵媒体中の水からの有機酸の分離)は、蒸留、多段階蒸発、蒸気圧縮、熱ポンプ、逆浸透、及び水からのVFAの抽出含む、多様な操作によって達成され得る。個々の単位装置の選択は、個々の原料、所望の生成物、及び環境状態(例:過剰プロセスエネルギーの近隣源、または過剰プロセスエネルギーの用途)に鑑み、ここに与えられるガイドラインに従って行われよう。そのような最適化は当業の技術の範囲内で容易になし得る。
【0016】
VFAの無機塩からの回収は:(回収方法R−A)VFA塩のケトンへの熱的転化;(回収方法R−B)低分子量アミンによる無機カチオンの置換、それに続く酸放出及びアミン再生のためのカルボン酸アミンの熱分解;(回収方法R−C)低分子量次いで高分子量第3アミンでの無機カチオンの継続置換、それに続くカルボン酸アミンの熱分解;(回収方法R−D)高分子量第3アミンでの無機カチオンの置換、それに続く酸放出及びアミン再生のためのカルボン酸アミンの熱分解;及び(回収方法R−E)アンモニア次いで高分子量第3アミンによる無機カチオンの置換、それに続く酸放出及びアミン再生のためのカルボン酸アミンの熱分解;によって達成され得る。これら種々の回収方法は、かきの薬剤を採用する:
Figure 0004272345
下記のチャートは、どの発酵方法が回収方法と結合できるかを示す:
Figure 0004272345
本発明の方法は、バイオマスからケトンまたはアルコール燃料を製造するプロセスの部分として殊に有用である。これらの製品はバイオマスの嫌気培養の主要発酵生成物であるカルシウム塩(例:酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩)から製造される。多数のプロセス形態を使用でき、適当なプロセス要素は、発酵、濃厚化及び回収に関して以下検討される。
予備処理及び発酵
発酵は一般に、バイオマス原料を有機酸へ転化するのに効率的手段である。セルロース系バイオマスは、この目的のために殊に魅力的である。ラピアー(Rapier)は、80%の都市固体廃物(MSW)及び20%の下水スラッジ(SS)の混合物が酸生成性微生物の混合培養物のためにエネルギー及び栄養の最適の組合せを与えることを決定した(M.S.Thesis, Texas A&M Univ.,College Station,1995);従ってこの比をこの研究において使用した。しかし、セルロース系バイオマス源は、発酵による最適転化のためにある程度の予備処理を必要とする。
【0017】
バイオマスの酵素消化性を増加させるために多数の処理が開発されてきており:物理的(例:ボールミル処理、2−ロールミル処理)、化学的(例:希酸加水分解、アルカリ)、物理−化学的(例:スチーム爆発、アンモニアファイバー爆発)、及び生物学的(例:白色腐敗カビ)のものが包含される。アルカリ処理は、発酵槽でできる酸がアルカリを中和させ、かくして処理剤の回収を可能とするので、酸を生成する発酵のために殊に適当である。種々の効果的なアルカリ(例:水酸化ナトリウム、アンモニア)の中でも、石灰は、その低価格、及び他のプロセス工程との相容性の故に、魅力的である。
【0018】
他のアルカリと比較して、石灰処理に関する文献は比較的稀である。研究の殆どは、反芻胃消化性を増強するための簡単な、室温処理を考究する動物科学者により実施されてきた。処理温度が低かったので、彼等の結果は、劣っており、石灰がたのアルカリのようには効果的でないという一般的認識にたどり着いた。しかし、反応温度及びその他の条件が最適化されれば、石灰は、極めて効果的な処理剤であり得る。バイオマスを加水分解するために細胞外酵素を用いた最近の石灰処理研究は、未処理バイオマスと比較して、石灰処理バイオマスが大まかに10倍の大きな酵素作用消化性を有することを示している。草質バイオマスは、その低リグニン含量の故に、石灰処理のみを必要とする。しかし、木質バイオマスは、その高リグニン含量の故に、そのリグニンを部分的に酸化させ、その幾分かをバイオマスから除去するために酸素添加を必要とする。さらには、木質バイオマスは、過酷な時間及び温度をさらに必要とする。
【0019】
石灰処理は、バイオマスの反芻胃消化性を大まかに2倍とする。さらには、反芻胃内の消化性は、細胞外酵素により達成されるものよりも大きい。この結果は、微生物の混合培養物(反芻胃菌叢に類似)に基づく工業的プロセスが細胞外酵素に基づくものよりも利点を有しうることを示唆する。
【0020】
個々のプロセス例において、バイオマス(例:ゴミ、草、都市固体廃物)は、タンクに入れられ、そして再循環流から温水が添加される。次いで石灰がバイオマスに添加される(典型的には、乾燥バイオマス1g当たり0.1gのCa(OH)2)。石灰/水/バイオマススラリーは、攪拌下に1ないし24時間浸漬される。バイオマス粒子がかなり粗大(すなわち、約20メッシュより大きい)であれば、それらは同時にコロイダルミル(図示せず)を介してポンプ移送されて、それらを磨砕することができる。しかし、バイオマスは、石灰添加前にてきとうな粒子寸法にまで磨砕されるのが好ましい。浸漬が終了したときに、石灰水は固体スラリーから流去されよう。発酵槽における過剰なアルカリ性pHを防ぐための注意として、再循環水を用いてバイオマスからもっと石灰を浸出により除去できる。(2つの容器を、浸漬用及び浸出用に使用でき、あるいはこのプロセスは実際には同じ容器ないで行い得る。)別法として、石灰を除去する代わりに、発酵槽からの二酸化炭素と反応させて、それを中和して、炭酸カルシウムとすることができる。
【0021】
発酵は、単一の大きな発酵槽中で、あるいは並列もしくは直列に結合した多数の発酵槽中で、液体または半固体プロセスで実施できる。発酵は、バッチ式または連続もしくは半連続式で実施できる。
【0022】
別の発酵モード(F−A9において、石灰処理されたバイオマスは、発酵槽にゆっくりと加えられ、ここで嫌気性微生物がバイオマスを有機酸へ転化する。これらの微生物は、多くの源(例:ウシ反芻胃、土壌、コンポスト、または嫌気性下水消化器)から得られる混合培養物である。それらは、多様な生成物を作るが、主に酢酸であり、これにより少ない量のプロピオン酸及び酪酸が伴う。これらの生成物の比は微生物ポピュレーション、pH、及び温度に依存する。55℃以上では、酢酸が支配的となる。有機酸が生成されるにつれて、pHが低下する。典型的には、予備処理後に回収されなかった石灰または炭酸カルシウムが、カルシウム塩を形成することによって酸を中和するのに使用される。pHは、さらには、石灰または炭酸カルシウムをさらに添加することによっても調整され得る。一般に、6.2付近のpHが好ましいが、pHは約5.5から7.0の範囲でありうる。廃物バイオマスの混合培養物発酵のためには無菌処理が必要とされない(すなわち、原料も容器も滅菌される必要がない)ので、汚染の恐れがなく再循環を採用できる。発酵槽は、連続式で運転できる。細胞は、発酵槽における高い細胞濃度を維持するために再循環でき、これによって滞留時間が短縮されうる。発酵槽中の固体濃度は、発酵槽容積を最も効率的に使用するために、通常は高い(約10−25%)となろう。バイオマス中の全ての炭水化物が有機酸へ転化されたとすれば、有機酸塩の濃度は約8−20%となり、これは微生物によって許容されうるのもよりも遥かに高い。この問題を避けるために、発酵槽から液体を定常的に除去して、有機酸塩濃度を約3.4%いかに維持することができる。固体を液体から分離するにはたすうの方法を採用できる(例:フィルター、沈降槽)。例えば、スラリーをハイドロクロンを通してポンプ移送して、そこでの渦流流体の遠心力が固体を液体から分離させるようにできる。分離が完全ではないので、液体は多少の粒子を含むであろう、従って、それは砂フィルターまたはるいじのそうちでさらに清澄にされ得る。砂フィルターを逆洗浄するときに、固体は単に発酵槽へ返還されて、更なる有機酸への転化がなされる。
【0023】
一連の発酵槽が採用されるならば、バイオマスは実質的に栓流で発酵槽列を移行するであろう。バイオマスの炭水化物濃度は、それが有機酸へ転化されるにつれて低下するであろう。終局的には、固体は、主としてリグニン、炭酸カルシウム、及び細胞からなろう。細胞は、未消化固体及び炭酸カルシウムよりも遅く沈降するので、さいぼうは別個に分離することができる。残る固体(リグニン及び炭酸カルシウム)は、石灰キルンで燃焼してプロセス熱を供給し、そして炭酸カルシウムを石灰へ転化できる。
【0024】
この発酵モードのべつの形態において、一連の半固体発酵が、複数の横型ステンレス鋼円筒を用いて実施された。それぞれの円筒は円筒壁の近くまで伸びている指形突起を有する中心軸をもち、その軸が回転するときに発酵槽内容物を“捏ねた”。それぞれの円筒は、液体に対して向流関係で固体を流動させるように直列で操作された。そして固体/液体分離は、発酵槽内容物を遠心分離し、嫌気性フード内いで液体をデカンテーションすることにより達成された。この向流操作は、新しい、反応性の固体を受けている発酵槽中に高いVFA濃度を発生可能とさせた。それは、新しい固体を受ける発酵槽では抑制が低いので、高転化率も可能とした。
【0025】
典型的には、わずかに1ないし2日を必要とするに過ぎない反芻胃発酵と比較して、上の例における滞留時間は、高VFA濃度(20−35g/L対8−10g/L)からの抑制のために著しく長かったが、工業的規模の発酵槽は非常に廉価であるので、その長い滞留時間は重大な経済的ハンディキャップを掛けない。プロセス時間のスケールは、コンポスト処理のそれと類似している。発酵槽の容積は、液体滞留時間に比例し、一方転化率は固体滞留時間に比例する。VFA濃度及び転化率を増加するままにさせると、MSW/SS混合物の最大可能消化率の85%の転化率が達成された。
【0026】
この発酵モードのさらに別の選択肢においては、本発明による方法の発酵部は、バイオマスと発酵液体との向流流動のために配置された、1つよりおおくの発酵容器を含むであろう。この配置は、“Method and Apparatus for Producing Organic Acids”と題する1996年7月31日提出の米国特許出願シリアルNo.08/688,051により詳細に記載されている。この配置は、複数の発酵容器、向流洗浄システム及び固体移送システムを含んでいる。
【0027】
発酵容器の好ましい形は、ピラミッドの円錐台である。発酵槽は大地に穴を掘り、小段を付けることにより建設される。発酵槽壁の傾斜は砂利が積まれたときにできる“自然角”(約30度)であるのが好ましい。発酵槽壁は、地面カバー膜、砂利、耐磨耗性ライナーでライニングする。発酵槽の頂面は、大気中へのガスの脱出を防ぐために、カバーを掛ける。個々の発酵槽タンクの構成は、“Method and Apparatus for Producing Organic Acids”と題する1996年7月31日提出の米国特許出願シリアルNo.08/688,051により詳細に記載されている。これは参照のためここに。導入される
図2に示された本発明の好ましい具体例によれば、液体循環は、発酵槽のための掻き混ぜを与える。発酵槽内容物は、頂部に液体層335を持つバイオマス/水スラリーである。発酵槽の縁に沿っている一連のポンプ331は、その頂部液体層から液体を引き出し、そしてそれを底に位置する分配パイプ336を介して発酵槽中へポンプ返送する。その液体がバイオマス内を流動するにつれて、バイオマス消化を抑制することがある高酸濃度の塊状部を除く。若干の混合を作り出すために、液体は、発酵槽循環ポンプ331によって駆動されて、12時間に約1回発酵槽内を循環するのが好ましい。
【0028】
関連する,好ましい具体例において、本発明の発酵方法は、発酵槽集合体内を固体を移送するための液体ピストンポンプを提供する。このモードは、固体移送ポンプを必要としないので、大きな資本コスト及び保全問題を排除する。本発明は、さらに別の好ましい態様において、低廉向流洗浄システムを提供する。
【0029】
図3は、4つのCSTR発酵槽111を有する好ましいモードの俯瞰図である。外側縁に沿うタンクは向流洗浄タンク121である。向流洗浄タンクの端部に液体甥ストンポンプ131がある。新しいバイオマス141は、予備処理され、発酵槽111a最も高い生成物濃度に入る。バイオマスが発酵槽111aから除去されるときに、それは向流洗浄タンク121aで洗浄されて、生成物を除去され、つぎの発酵槽111bへ送られる。図3において、バイオマス流動は、時計方向である。終局的には、全ての発酵槽を通り抜ける道筋を取りつつ、バイオマスは消化されるに至る。使用済み固体を洗浄するために使用される新鮮水151は、それが最終的に濃厚化生成物161として捕集されるまで、向流洗浄タンク121内を反時計方向に流動する。さらに、液体171は、一つの発酵槽の上部からデカンテーションされ、酸濃度上昇のため隣接発酵槽へポンプ移送される。べつの具体例において、向流洗浄タンクを出る液体は、隣接向流洗浄タンクではなく、隣接発酵槽へ導かれ得る。この場合に、向流洗浄タンクへ供給される新しい水は、隣接洗浄タンクではなく、隣接する発酵槽から取り出されるであろう。
【0030】
図4は、発酵槽111、向流洗浄タンク121、及び液体ピストンポンプ131の側面図を示す。向流洗浄タンクは一連の掻き混ぜ帯域及び静帯域から構成されている。掻き混ぜは、液体の上向き流動125によって達成される。固体は一方向に流れ、液体は他方向に流れる。向流洗浄タンクの一端部に液体ピストンポンプ131がある。この液体ピストンポンプは、3つのタンクの組である(継続する時点での3つのタンクの組を示す図5参照)。任意の所与時点において、一つのタンクはスラリー134で(重力により)満たされ、一つは液体135により部分的に満たされ、他のタンクは液体ポンプ136を用いて上部へ液体135をポンプ移送することによりスラリー134を抜き出されている。このサイクルが完了したときに、各タンクの機能が循環する。このシステムの主要な利点は、発酵槽間の固体移送のために固体移送ポンプを必要とせず;かくして向流流動を達成する廉価な方法が提供された。
【0031】
各発酵槽111は、向流洗浄タンク121を必要とする。固体は、タンクの約3分の2を占め、のこりの3分に1が洗浄水で占められる。好ましいタンク形態は、長方形ピラミッドの錘台である。典型的には、単一の洗浄段階は、固体内の水が等容積の“新”水で置き換えられることを必要とする。好ましくは、発酵槽一基当たり3つの洗浄段階を必要とするが、ただし例外として最後の発酵槽は最後の痕跡の酸を取り出すために10段階を要し、従って、各段階は19(3x3+10)のポンプの合計量の固体洗浄ポンプ必要とする。しかし、これらはより高価なスラリーポンプではなく、すべて透明液ポンプである。
【0032】
図6は、高温度好性細菌によって酢酸及びエタノールの両方が同時に生産されるべつの発酵方法(F−B)を示す。セルロース分解性微生物クロストリジウム・サーモセルム(Clostridium thermocellum)は、高いセルラーゼ活性を有し、ヘキソースをほぼ等量の酢酸およびエタノールへ転化することができる。この微生物はペントース糖を利用することが出来ないので、クロストリジウム・サーモサッカロリチクム(Clostridium thermosaccharolyticum)、C.サーモヒドロスルフリクム(C.thermohydrosulfuricum)、またはサーモアナエロバクター・エタノリクス(Thermoanerobacter ethanolicus)をC.サーモセルムと共培養すべきである。バイオマス405は、酢酸及びエタノールをほぼ等量含む水性流415を作り出す発酵槽415へ供給される。エタノール435は、蒸留カラム430で回収することができ、一方酢酸445は本発明のほうほうで濃厚化され、回収されることになろう。もし微生物がエタノールよりも酢酸イオンに、より耐えられるのであれば、いくつかの蒸留カラムのボトム455を発酵槽へ再循環させて、酸をより高い濃度まで蓄積させることができる。石灰285’または炭酸カルシウム255’を発酵槽に加えて、pHを中性付近に保持する。
【0033】
このプロセスは、純粋培養物(共培養物)が維持されるので、滅菌性が必要とされる。いくつかのシステムについては、石灰処理はバイオマス及び水を滅菌するのに十分であり得る。しかし、汚染が問題であるならば、バイオマスを直接sチーム注入で滅菌することが可能である。水は慣用滅菌装置(すなわち、高温保持部を有する向流熱交換器)を用いて滅菌することができる。発酵槽は、バッチ式、または連続式で操作できるが、バッチしきは汚染問題を殆ど有さないようである。
【0034】
図7は,乳酸を含む水性流465が水性溶液415’の形の多様な糖(例:ホエイからのラクトース、サトウキビまたはサトウ大根からのスクロ−ス、デンプン加水分解物からのグルコース、サルファイト液からのペントース、セルロース加水分解物からの混合糖)を生成しうる別の発酵方法(F−C)を示す。その発酵をなし得る微生物は、一般に属ラクトバシルス(Lactobacillus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、及びリゾプス(Rhizopus)から採りだされる。発酵槽440で酸が、生成されるにつれて、石灰285”または炭酸カルシウム255”が、pH5−7を維持するために添加される。
濃厚化
一連の方法に共通な重要な特徴は、非揮発性生成物(例:酢酸カルシウム)が水から分離されるプラントの濃厚化部である。発酵生成物は、希薄な水性溶液の形で存在する。一般に、生成物1kg当たり約30kgの水が存在する。この大量の水は、発酵生成物を回収し、精製するために除去されなければならない。発酵槽を出るVFA塩の濃度はほぼ25ないし45g/L,あるいはVFA塩1部当たりほぼ25ないし40部の水、である。VFA類のpKaは、約4.8であるので、発酵pH(約5.8)ではVFAのわずか10%が遊離の非イオン化酸として存在し、残りはイオン性塩である。VFA濃厚化(または発酵媒体中の水からのそれらの分離)のために考えられるプロセス工程は、蒸留、他段階蒸発、蒸気圧縮、ヒートポンプ、逆浸透、及び水からのVFAの抽出である。
【0035】
蒸留は生成物が水よりも揮発性であるならば、有用であるだけである。水性発酵媒質ちゅうの非揮発性生成物については、水は蒸留カラムの頂部へ行き、水を蒸発させるための莫大な量の潜熱を必要とする。塩及び遊離非イオン化酸の両方が水より揮発性が低く、従って蒸留は好ましい分離技術ではない。
【0036】
他段階蒸発技術は、一般に蒸発器同志を一緒に結んでいる。熱(一般にプロセススチームから)は、水を蒸発させる第1段階に入れられる。第1段階から生じた水蒸気は、第2段階中で低圧の液体と熱的に接触させられる。蒸気が凝縮するときに、それは同量の水を第2段階から蒸発せしめる。これらの水蒸気は、次いで、第3段階と接触され更なる水を蒸発させる、以下同様。最終段階蒸気はその熱を冷却水に放出して凝縮される。第1段階のみがプロセススチームからの熱入力を必要とし、それでも同量の水が各段階で生じる。発酵生成物1kg当たり約30kgの水があることを考慮すると、4段階蒸発器は、第1段階で7.5kgの水が蒸発されることを必要とするであろう。それでも、4分の1の水を蒸発させるエネルギーコスト(すなわち,4段階蒸発器における)が多くの操作モードにおいて高すぎる。なんとなれば、それはこれらの発酵生成物の多くのものの販売価格の約10%に当たるからである。
【0037】
蒸気圧縮は、発酵液に真空を掛けてそれを沸騰させるために圧縮機を用いて実施される。これらの低圧蒸気は、次いでわずかに高い圧力まで圧縮される。これらの高圧蒸気は、液体と熱的に接触している。それらが凝縮するときに、それらは発酵液からさらにみずを蒸発させるのに必要な潜熱を供給する。単一の熱交換器のみが凝縮しつつある蒸気から沸騰する水に熱を移動させるのに、必要とされる。水蒸気の比容積が非常に大きいので、この方策は、非常に大型の圧縮機を必要とする。また、作動形態の高品位エネルギー(例:電気、軸作動)が供給されなければならず、従って、これは高経費である。
【0038】
水から発酵生成物を抽出するための一方策は、米国特許4,444,881に記載されている。発酵ブロス中のカルシウム塩(例:酢酸カルシウム)は、第3アミン(例:トリブチルアミン)及び二酸化炭素と接触される。不溶性炭酸カルシウムが、トリブチルアミンを溶液中に残して沈殿し、その溶液は次いで適当な溶媒(例:クロロホルム)を用いて抽出される。次いでクロロホルムは、酢酸トリブチルアミンから蒸発除去される。加熱中に、酢酸トリブチルアミンは分解してトリブチルアミン(再循環される)及び酢酸となる。第3アミンは、第1及び第2アミンが加熱時にアミドを形成し易く、これは製品ロスとなるので、第1及び第2アミンよりも好ましい。液体からの酢酸トリブチルアミンの抽出は、その水が発酵槽へ再循環されることになるので、極めて完全でなければならない。未回収トリブチルアミンは、発酵微生物によって消費され、従って損失となる。この損失は、残留酢酸トリブチルアミンを活性炭に吸着させることにより低減できようが、これはついかの経費の掛かる工程を必要とする。沈殿酢酸カルシウムは、全ての酢酸トリブチルアミンを回収するために十分に洗浄されなければならない。多量の溶媒(例:クロロホルム)が蒸発されなければならない。分配係数は明らかに1より小さいから、水中にあった酢酸トリブチルアミンが、今や、さらに大量の溶媒中に存在する。原料バイオマス中に存在する塩(例:ナトリウム、燐)は、発酵システムを去る道を持たない。それらは、阻害レベルまで蓄積するであろうから、パージ流が必要とされよう。
【0039】
水から塩を抽出するよりも、水は1分子当たり5から6個の炭素原子を有する第2または第3アミンを用いて塩から抽出できる。抽出の前に、発酵ブロスはまず石灰と接触されて、pHを約11.5まで上昇させる。このpHで、無機質ならびに炭水化物ポリマーが沈殿する。沈殿は、(例:沈降により)除去されるので、それは水抽出プロセスを妨害しない。
【0040】
本発明のアミン脱水システム(例えば図1参照)は、低分子量第2及び第3アミンの興味ある性質を利用する。これらのアミンは,水に実質上非混和性である。低温(例:40℃)において、水はアミンに高度に可溶性であるが、温度が約20℃上昇されると(例:60度へ)水は、アミンに実質的に不溶性となる。貧水アミンを発酵ブロスと接触させることによって、水が選択的に吸収されて、塩を残す。十分な量のアミン(発酵ブロスのほぼ5倍のアミン)で向流接触を用いて、十分な水を抽出して、発酵ブロス中の塩濃度を約25−45g/L(すなわち、2.5−4.5%)から約200g/L(すなわち、20%)まで増加させることができる。抽出された発酵水を含む富水アミンは、次いで向流熱交換器中で加熱され、分離器へ送られここでスチームが注入されて温度が約20℃ないし25℃だけ上昇される。これは水をアミンから相分離させ、次いでそれはデカンテーションされる。水とアミンとを相分離させるには、潜熱が必要とされる。分離器中の温度は、比較的低いので(例:60℃)、それはプラントの他の部分からの廃熱を有用に放出させるのに便宜な場を提供する。
【0041】
アミン使用の水抽出は、水脱塩の方法として1950年代および1960年代に検討された。逆浸透が現在の好ましい水脱塩方法であるが、発酵液からの水の抽出は、発酵ブロスの濃厚化のために好ましいようである。抽出は、容量の0.6乗で評価し、一方逆浸透は、殆ど線形で評価する。従って、抽出は、大きなプラントで規模の経済を達成するが、逆浸透はそうではない。逆浸透は、膜汚染に対して非常に敏感であるが、抽出はそうではない。逆浸透の清澄度要件に合うように全ての固体を分離することは困難であろう。低塩濃度の飲料水を製造するために、抽出法は水の還流を必要とし、従ってストリッピング部及び精製部の両方が抽出カラムに含まれていた。しかし、発酵ブロスからの塩の回収は、抽出された水の中の塩は単に発酵槽へ再循環されるので、精製部を必要としない。
【0042】
抽出用アミンは完全には非混和性でないので、生成水中に約5%の濃度で存在する。これらのアミンは、ストリッピングで除去されなければならない。ストリッピング効率は、中性または酸性pH(この場合、アミンはイオン化塩である。)で低く、アルカリ性pH(この場合、アミンはイオン化されない。)で高い。飲料水を製造する場合に、pHを十分にアルカリ性条件に調整することは不可能であったが、バイオマス発酵製品の回収においてはそれが全く可能である。このアミン脱水方法は、“Reccovery of Fermentation Salts from Dilute Aqueous Solutions”と題する19987年6月30日提出の出願シリアルNo.08/885,841にさらに詳細に記載されており、これはここにその全体が参照のため導入される。
回収/転化
VFAの塩は、発酵液から得られた濃厚化物から任意に沈殿され、乾燥される。濃厚化物または乾燥塩からの所望製品の回収は、かきのプロセスのいずれか一つであり得る。
【0043】
特定の具体例(回収方法R−A)において、製品は、揮発性脂肪酸(VFA)の塩を熱的に分解して高収率でケトンとする方法によって作られる低分子量ケトンである。VFAの金属塩において、塩のアニオン部分はVFAによって与えられ、一方カチオンは普通、アルカリまたはアルカリ土類金属カチオンである。好ましい塩は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、またはバリウムを含み、あるいはこれらの塩の2またはそれ以上の混合物である。
【0044】
図8は、回収方法R−Aの概略図を示す。脱水システム(例:図1におけるアミン脱水システム230)からのVFA塩235−8は、ほぼ20%の濃度を有すべきである。アミン脱水システムからの濃厚化溶液のpHはアルカリ性である。熱的転化器545における望ましくない反応を防ぐために、pHは二酸化炭素を添加することにより下方へ調整し得る。これらの酸塩は、脱離器500、熱交換器505、及び循環ポンプ510からなる多段階蒸発器へ入る。3つの段階が図8に示されているが、これよりも少ないまたは多い段階が、経済的考慮に基づき使用され得る。これらの蒸気脱離器は、連続的に低下する圧力で運転し、蒸気脱離器500aが最も高い圧力で運転され、蒸気脱離器500cが最も低い圧力で運転される。プロセススチームが蒸気脱離器500aで脱離される蒸気を作る熱交換器505aへ供給される。蒸気脱離器500aで脱離された蒸気は、蒸気脱離器500bで脱離される蒸気を作る熱交換器505bへ供給される。このプロセスは引き続く段階で繰り返される。最も低圧の段階(蒸気脱離器500c)で発生される蒸気は、プロセスの前の方の段階(例:図1のアミン脱水システム230)へ導かれ、アミンから水を分離するために必要な潜熱を供給する。
【0045】
蒸気脱離器500は、二つの帯域に分割されており、一方は、掻き混ぜられ(図8の上方に示されている)そして他方は静的である。掻き混ぜ帯域からの液体は、熱交換器を介して循環され、掻き混ぜ帯器へ返還される。蒸気が除去されるにつれて、塩が沈殿し、静帯域中へ沈降する。静帯域中の懸濁された沈殿は,固体分離機515(例:フィルター、サイクロン、または遠心分離機)を通してポンプ移送され、そして固体を除かれた液体は、蒸気脱離器の掻き混ぜ帯域へ返還される。
【0046】
固体分離機515から回収された塩は、モーター560で駆動された翼570によって掻き混ぜられている乾燥機550へ送られる。乾燥機550からの飽和蒸気は、ブロワ−530によって熱交換器540内を推進され、ここでその蒸気は過熱される。この過熱蒸気は、乾燥機550へ戻され、ここで顕熱が湿潤塩から水を蒸発させるのに必要な潜熱を供給する。水蒸気の殆どは、乾燥機550を介して循環され、他方、湿潤塩から蒸発されたものの少しの部分が乾燥機550から取り出され、アミン脱水システムへ送られて、アミンから水を分離するのに必要な潜熱を与える。
【0047】
乾燥塩535は、熱的転化器545へ入る。転化器は、“Thermal Conversion of Volatile Fatty Acids to Ketones”と題された1997年6月30日提出の出願シリアルNo.08/885,774に非常に詳しく記載されており、これはその全体が参照のためにここに導入される。ケトン245−8は、製品として回収され、またはだい2アルコールへの転化のために水素化器へ送られる。流れ255−8は主として炭酸カルシウムを含むが、また可溶性無機質をも含むことがあり、これは側流を引き出し、混合機575を用いてその一部を水に溶解させ、不溶性炭酸カルシウムヲ固体分離機580(例:フィルター、サイクロン、または遠心分離機)を用いて除去することにより、システムからパージし得る。可溶性無機質は、水の中に存在することとなり、システムからパージされ得る。流れ255−8の主要部は,石灰キルンまたは、直接に図1に示されたプロセス中の発酵槽へ、送られる。
【0048】
別の具体例において、本発明による方法は、反応室に導入されたVFA塩と共に蟻酸カルシウム(またはその他の蟻酸金属塩)を含めることによってアルデヒドを製造することができる。普通、これは蒸留によって分離することができるアルデヒド/ケトン混合物を生成する。あるいは、アルデヒド/ケトン混合物生成物は、水素化して混合第1及び第2アルコールを製造できる。
水素化
ケトンが自動車燃料として使用するのに十分に安価であることが可能である。ケトンは現在燃料に混入することが受け容れられていないので、それらはまず水素化されなければならない。これは、ラネーニッケル触媒を用いて、室温及び室圧で容易に達成される。反応は、より高い圧力で、より迅速に進行するが、平衡は段段と好ましくなくなる。
【0049】
液体ケトン生成物は,水素化によりアルコールへ転化され得る。発酵槽における典型的なVFA組成、4種のケトン(2−プロパン(アセトン)、2−ブタノン、2−ペンタノン、及び3−ペンタノン)は、期待される生成物の90%をなす。水素化は、ラネーニッケル触媒を用いて、1気圧の全圧及び室温近傍で実施され得る。4種のケトンの水素化速度を比較すると、それらは全て近似しており、せいぜい2倍だけ異なる。反応速度は、反応が物質移動制限されなければ、水素圧力及び触媒濃度と共に直線的に増加する。
【0050】
水素は、近接国内エネルギー源の改質天然ガスから誘導されるであろう。大規模生産において、水素コストは、エネルギー単位当たりガソリンとほぼ同じであるので、その使用に伴う経済的欠点はない。ケトンは、自動車に気体水素を貯蔵するための高圧タンクを不要とする水素キャリヤーと見ることができる。
酸回収
図9は、高沸点酸(例:乳酸)を酸のカルシウム塩から“跳ね上げ”させる回収方法R−Bの概略図を示す。図1のアミン脱水部230からのような、約20%の酸塩及び残りが水である酸塩溶液235−9は、酸塩溶液を冨二酸化炭素流602及び低分子量第3アミン、好ましくはアミン脱水システム(図1参照)で使用のものと同じもの、と接触させる接触器600へ流入する。もし酸塩溶液が多段階蒸発器を用いてさらに脱水されるならば、より低い水含量が可能である。低分子量第3アミン615、酸塩溶液235−9、及び冨二酸化炭素ガス602は、全ての物質の良好な接触が確保されるように、ミキサー605で掻き混ぜられる。流れ235−9中のカルシウムが流れ602中の二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムとして沈殿し、アミンがアミン/酸錯体を形成しうる反応が起こる。
【0051】
CaA2+CO2+2R3N+H2O→CaCO3+2R3NHA
3NHR→R3N+HA
揮発性低分子量第3アミンは、カラムの頂部から出る。コンデンサー639は、還流が蒸留カラムへ加えられて、酸が殆ど頂部から出ないようにする。エネルギー効率を上げるために、コンデンサー639からの潜熱はアミン脱水システム揮発性,低分子量第3アミンが接触器600を殆ど去らないように確保するために、接触トレーをミキサーの上に配置することができる。排ガスは、流れ610で退出する。
【0052】
炭酸カルシウム沈殿は、固体分離機620(例:フィルター、サイクロン、または遠心分離)で除去される。固体分離機625を用いて、洗浄水637が残留アミン/酸錯体を除去する。任意には、固体分離機620及び625は、装置の同じ部分であってよく;理解の容易のために、濾過モード及び洗浄操作モードが、異なる装置部分を用いて図9に示されている。洗浄された炭酸カルシウム626は発酵槽(例:図1の220)またはアミン含量が十分に低ければ石灰キルン(例:図1の260)へ送ることができる。必要ならば、揮発性アミンは、乾燥機680を用いて炭酸カルシウムから除去できる。モーター685が翼690を回転させ、過熱スチーム及び固体炭酸カルシウムの間の良好な接触を確保する。退出流は、水とアミンとの相分離のためのエネルギーを与えるためにアミン脱水システム(例:図1の230)へ送ることができる。
【0053】
もし上記の反応が大量の水を用いて実施されるならば、水は、多段階蒸発機器630を用いて流れ629から除去できる。図9に3段階が示されているが、経済的な考慮によりこれよりも少ないまたは多い段階を使用し得る。流れ633及び634中の何らかのアミンは、ストリッピングによって、水から分離され得る。あるいは、エネルギー効率をあげるために、流れ633及び634は、アミン脱水システム(例:図1の230)へ返還できる、ただし両システムにおいて同じアミンが使用されることを条件とする。多段階蒸発機器634から出る蒸気は、アミン脱水システム(例:図1の230)における水とアミンとの相分離のために必要な潜熱を供給するのに使用され得る。
【0054】
多段階蒸発機器630から出る液体流632は、少量の水を含むことがあり、これは蒸留カラム635で除去され得る。蒸留カラム635は、アミン/酸錯体が分解する温度以下で操作される。過熱スチーム(または不活性ガス)がカラムの底に添加されて、トレーでの良好な物質移動を促進する。カラム上のトレーから液体の側流を引き出して(図9に示されず)、熱交換器を用いて熱を供給することにより、水が蒸発し、液体相中に主としてアミン/酸錯体を残す。コンデンサー638は、還流を蒸留カラムに加えられるようにしてアミンが殆どカラムから出ないように確保する。エネルギー効率を上げるために、コンデンサー638からの潜熱はアミン脱水システム(例:図1の230)へ放出できる。蒸留カラム635は、下流の処理工程において水が許容され得るならば、排除され得る。
【0055】
蒸留カラム635のボトム流出物は、向流熱交換器640で予熱され、反応性蒸留カラム645へ導入される。このカラムは、アミン/酸錯体が分解する温度以上で操作され、ここでは下記の反応が起こる:
(例:図1の230)へ放出できる。凝縮アミンは接触器600へ再循環される。
【0056】
反応性蒸留カラム645の底から出る酸643は、向流熱交換器640で冷却され、多段階蒸発機器650へ送られ、製品酸670から残留塩を除去する。コンデンサー665は、最も低い圧力の段階からの蒸気を凝縮させる。エネルギー効率を上げるために、潜熱はアミン脱水システム(例:図1の230)へ放出できる。酸に応じて、多段階蒸発機器650を減圧下で運転して熱分解を防止することが必要なことがある。酸/塩スラリーをポンプ660で移送することにより、残留塩は固体分離機655を用いて分離される。必要ならば、少量の酸(例:硫酸)を添加して全ての塩カチオン(例:K+)が同伴アニオン(例:SO4 2-)を有するようにできる。
【0057】
相対的な単純性のために、回収方法R−Bは、酸の沸点がアミン/酸錯体の分解温度よりも高いことを条件として、好ましい方法である。反応性蒸留カラム645内の圧力を変えることによって、沸点及び分解温度を調節することができる。
【0058】
別の具体例は、図10に示されており(回収方法R−C)、これは低沸点酸(例:例、酢酸)を酸のカルシウム塩から“跳びだす”ことができるようにする。アミン脱水部(例:図1の230)からの酸塩溶液235−10は、好ましくは約20%の酸塩と残部の水である。酸塩溶液が多段階蒸発器を用いてさらに脱水されるならば、より低い水含量が可能である。酸塩溶液235−10は、酸塩溶液を冨二酸化炭素流602及び低分子量第3アミン、好ましくはアミン脱水システム(例:図1の230)で使用のものと同じもの、と接触させる接触器600へ流入する。低分子量第3アミン615−10、酸塩溶液235−10、及び冨二酸化炭素ガス602−10は、全ての物質の良好な接触が確保されるように、ミキサー605−10で掻き混ぜられる。流れ235−10中のカルシウムが流れ602−10中の二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムとして沈殿し、アミンがアミン/酸錯体を形成しうる反応が起こる。
【0059】
CaA2+CO2+2R3N+H2O→CaCO3+2R3NHA
揮発性、低分子量第3アミンが接触器600−10を殆ど去らないように確保するために、接触トレーをミキサーの上に配置することができる。排ガスは、流れ610−10で退出する。この方式の僅かな改変において、流れ235−10は、もしそれがアミン脱水システム(例:図1の230)でストリッピングされなければ、かなりの量(約5%ほど)のアミンを含むことになろう。この場合に、アミンを負荷された供給物は、下方のトレーに加えられることになろう。アミンが流れ610−10から去るのを防止するため、小さな側流を流れ235−10から取り出して、アミンをストリッピングし、結果のアミンを含まないボトム流出物を接触器600−10の最上のトレーに加えることになろう。
【0060】
炭酸カルシウム沈殿は、固体分離機620−10(例:フィルター、サイクロン、または遠心分離)で除去される。固体分離機625−10を用いて、洗浄水637−10は、残留アミン/酸錯体を除去する。固体分離機620−10及び625−10は、装置の同じ部分であってよく;理解の容易のために、濾過モード及び洗浄操作モードが、異なる装置部分を用いて図9に示されている。洗浄された炭酸カルシウム626−10は発酵槽220またはアミン含量が十分に低ければ石灰キルン260(図1参照)へ送ることができる。必要ならば、揮発性アミンは、乾燥機680−10を用いて炭酸カルシウムから除去できる。モーター685−10が翼690−10を回転させ、過熱スチーム及び固体炭酸カルシウムの間の良好な接触を確保する。退出流は、水とアミンとの相分離のためのエネルギーを与えるためにアミン脱水システム(例:図1の230)へ送ることができる。
【0061】
もし上記の反応が大量の水を用いて実施されるならば、水は、多段階蒸発機器630−10を用いて流れ629−10から除去できる。図10に3段階が示されているが、経済的な考慮によりこれよりも少ないまたは多い段階を使用し得る。流れ633−10及び634−10中の何らかのアミンは、ストリッピングによって、水から分離され得る。あるいは、エネルギー効率をあげるために、流れ633−10及び634−10は、アミン脱水システムへ返還できる、ただし両システムにおいて同じアミンが使用されることを条件とする。多段階蒸発機器634−10から出る蒸気は、アミン脱水システムにおける水とアミンとの相分離のために必要な潜熱を供給するのに使用され得る。
【0062】
多段階蒸発器630−10を出る液体流632−10は、低分子量アミン/酸錯体及び少量の水を含む。蒸留カラム635−10において、低分子量アミンR3Nは高分子量アミンR'3Nで置換される。
【0063】
3NHA+R'3N→R'3NHA+R3
適当な高分子量アミンは、高級アルカン(例:トリブチルアミン、トリオクチルアミン)及びトリエタノールアミンを包含する。トリエタノールアミン自身は、高分子量を有しないけれども、それは有機酸と反応して非常に大きな分子量を有するエステルを作る。トリエタノールアミンは、それが安価であり、また天然ガス処理に広く使用されているので、好ましい。蒸留カラム635−10は、アミン/酸錯体が分解する温度(酢酸トリエチルアミンは、140℃から160℃で分解する)以下で運転される。過熱スチーム(または不活性ガス)が、カラムの底で加えられて、トレーでの良好な物質移動を促進する。カラムのトレーから側流を引き出し(図10に示されず)、熱交換器を用いて熱を供給することにより、水及び低分子量アミンは蒸発し、液相中に主として高分子量アミン/酸錯体を残す。部分コンデンサー638−10は、還流を蒸留カラムに加えられるようにするので、頂部から高分子量アミンが殆ど脱出しない。エネルギー効率を上げるために、部分コンデンサーからの蒸気はアミン脱水システム(例:図1の230)へ導くことができる。
【0064】
蒸留カラム635−10からのボトム流出物641−10は、高分子量アミン/酸錯体を含む。それらは、向流熱交換器640−10で予熱され、反応性蒸留カラム645−10へ導入される。このカラムは、アミン/酸錯体の分解温度(ほぼ180℃)以上で運転され、ここでは次の反応が生じる:
R'3NHA→R'3N+HA
揮発性酸はカラムの頂部から出る。コンデンサー639−10は、還流を蒸留カラムに加えられるようにするので、頂部から高分子量アミンが殆ど脱出しない。エネルギー効率を上げるために、コンデンサー639−10からの潜熱はアミン脱水システム(例:図1の230)へ放出できる。
【0065】
反応性蒸留カラム645−10の底から出る高分子量第3アミンは、向流熱交換器640−10で冷却され、低分子量第3アミンとの交換のために蒸留カラム635−10へ送られる。
【0066】
小さな流れ710を反応性蒸留カラム645−10のボトム流出物から取り出し、蓄積する沈殿無機質を回収する。固体分離機715(例:フィルター、サイクロン、遠心分離)が、高分子量第3アミンから固体を除去する。これらの固体は、固体分離機720へ送られ、ここでそれらは低分子量第3アミンで洗浄される。固体分離機715及び720は、装置の同じ部分であってよく;理解の容易のために、図9に示されている濾過モード及び洗浄操作モードは、異なる装置部分を用いている。固体分離機720を出る液体流は、高分子量第3アミン及び低分子量第3アミンの混合物である。この流れは、向流熱交換器730を用いて予熱され、二つのアミンを分離する蒸留カラム735へ送られる。部分コンデンサー740は、低分子量第3アミンの幾分かを凝縮し、それを蒸留カラムへ還流で戻し、高分子量第3アミンが頂部から去るのを防止する。蒸留カラム735を去る蒸気は、アミン脱水システム(例:図1の230)へ送られて、水がアミンから相分離するためのエネルギーを与える。
【0067】
洗浄された固体770は、乾燥機745へ導かれ、ここでそれらは過熱スチームと接触され、それは残留低分子量第3アミンをストリッピングする。固体と過熱スチームとの良好な接触を確実にするため、内容物は、モーター750で駆動される翼755を用いて掻き混ぜられる。乾燥無機質は、乾燥機745を去る。必要ならば、少量の酸(例:硫酸)を添加して、全てのカチオン(例:K+)が同伴アニオン(例:SO4 2-)を有することを確保する。
【0068】
さらに別の具体例を図11に示す(回収方法R−D)。これは低沸点酸(例:酢酸)をも酸のカルシウム塩から“跳びだす”ようにできる。この方法において、酸のカルシウム塩は、低分子量第3アミンを使用する前の方法と違い、高分子量第3アミンと直接に接触される。
【0069】
アミン脱水システム(例:図1の230)からの酸塩溶液235−11は、約20%の酸塩と残部の水である。酸塩溶液が多段階蒸発器を用いてさらに脱水されるならば、より低い水含量が可能である。酸塩溶液235−11は、酸塩溶液を冨二酸化炭素流602−11及び高分子量第3アミン643−11と接触させる接触器600−11へ流入する。適当な高分子量アミンは、高級アルカン(例:トリブチルアミン、トリオクチルアミン)及びトリエタノールアミンを包含する。トリエタノールアミン自身は、高分子量を有しないけれども、それは有機酸と反応して非常に大きな分子量を有するエステルを作る。トリエタノールアミンは、それが安価であり、また天然ガス処理に広く使用されているので、好ましい。高分子量第3アミン643−11、酸塩溶液235−11及び冨二酸化炭素流602−11は、すべての物質の良好な接触を確保するためミキサー605−11中で掻き混ぜられる。流れ235−11中のカルシウムが流れ602−11ちゅうの二酸化炭素と反応する反応が起こり、炭酸カルシウムとして沈殿し、アミンがアミン/酸錯体を形成するようにさせる。
【0070】
CaA2+CO2+2R'3N+H2O→CaCO3+2R'3NHA
高分子量第3アミンが接触器600−11を去らないようにするため、接触トレーをミキサーの上に配置することができる。排ガスは、流れ610−11で去る。
【0071】
炭酸カルシウム沈殿は、固体分離機620−11(例:フィルター、サイクロン、遠心分離)で除去される。固体分離機625−11を用いて、アミン脱水システム(例:図1の230)からの低分子量第3アミン800は、残留アミン/酸錯体を除去する。固体分離機620−11及び625−11は、装置の同じ部分であってよく;理解の容易のために、図11に示されている濾過モード及び洗浄操作モードは、異なる装置部分を用いている。洗浄された炭酸カルシウム626−11は、乾燥機680−11を用いてその炭酸カルシウムから低分子量第3アミンを除去しなければならない。モーター685−11が翼690−11を回転させて、過熱スチームと固体の良好な接触を確保する。退出するスチームは、アミン脱水システム(例:図1の230)へ送られて、アミンからみずを相分離するためのエネルギーを与える。
【0072】
もし上記の反応が大量の水を用いて実施されるならば、水は、多段階蒸発機器630−11を用いて流れ629−11から除去できる。図11に3段階が示されているが、経済的な考慮によりこれよりも少ないまたは多い段階を使用し得る。流れ633−11及び634−11中の何らかのアミンは、ストリッピングによって、水から分離され得る。あるいは、エネルギー効率をあげるために、流れ633−11及び634−11は、アミン脱水システムへ返還できる。多段階蒸発機器634−11から出る蒸気は、アミン脱水システムにおける水とアミンとの相分離のために必要な潜熱を供給するのに使用され得る。
【0073】
多段階蒸発機器630−11から出る液体流632−11は、高分子量第3アミン/酸錯体及び少量の水を含む。蒸留カラム635−11は、アミン/酸錯体が分解する温度以下で操作される。過熱スチーム(または不活性ガス)がカラムの底に添加されて、トレーでの良好な物質移動を促進する。カラム上のトレーから液体の側流を引き出して(図11に示されず)、熱交換器を用いて熱を供給することにより、水が蒸発し、液体相中に主として高分子量第3アミン/酸錯体を残す。部分コンデンサー638−11は、水還流を蒸留カラムに加えられるようにしてアミンが殆ど頂部から出ないように確保する。エネルギー効率を上げるために、部分コンデンサー638−11からの蒸気700−11はアミン脱水システム(例:図1の230)へ導くことができる。蒸留カラム635−11は、下流の処理工程において水が許容され得るならば、排除され得る。
【0074】
蒸留カラム635−11からのボトム流出物641−11は、高分子量第3アミン/酸錯体を含む。それらは、向流熱交換器640−11で予熱され、反応性蒸留カラム645−11へ導入される。このカラムは、アミン/酸錯体が分解する温度(ほぼ170℃)以上で操作され、ここでは下記の反応が起こる:
R'3NHA→R'3N+HA
揮発性酸705−11は、カラムの頂部から出る。コンデンサー639−11は、還流が蒸留カラムへ加えられて、アミンが殆ど頂部から出ないようにする。エネルギー効率を上げるために、コンデンサー639−11からの潜熱はアミン脱水システム(例:図1の230)へ放出できる。
【0075】
反応性蒸留カラム645−11の底から出る高分子量第3アミン643−11は、向流熱交換器640−11で冷却され、酸塩との反応のために接触器600−11へ送られる。
【0076】
小さな流れ710−11を反応性蒸留カラム645−11のボトム流出物から取り出し、蓄積する沈殿無機質を回収する。固体分離機715−11(例:フィルター、サイクロン、遠心分離)が、高分子量第3アミンから固体を除去する。これらの固体は、固体分離機720−11へ送られ、ここでそれらは低分子量第3アミンで洗浄される。固体分離機715−11及び720−11は、装置の同じ部分であってよく;理解の容易のために、図11に示されている濾過モード及び洗浄操作モードは、異なる装置部分を用いている。固体分離機720−11を出る液体流765−11は、高分子量第3アミン及び低分子量第3アミンの混合物である。この流れは、向流熱交換器730−11を用いて予熱され、二つのアミンを分離する蒸留カラム735へ送られる。部分コンデンサー740−11は、低分子量第3アミンの幾分かを凝縮し、それを蒸留カラムへ還流で戻し、高分子量第3アミンを頂部から除去する。蒸留カラム735−11を去る蒸気は、アミン脱水システム(例:図1の230)へ送られて、水がアミンから相分離するためのエネルギーを与える。
【0077】
洗浄された固体770−11は、乾燥機745−11へ導かれ、ここでそれらは過熱スチームと接触され、それは残留低分子量第3アミンをストリッピングする。固体と過熱スチームとの良好な接触を確実にするため、内容物は、モーター750−11で駆動される翼755−11を用いて掻き混ぜられる。乾燥無機質は、乾燥機745−11を去る。必要ならば、少量の酸(例:硫酸)を添加して、全てのカチオン(例:K+)が同伴アニオン(例:SO4 2-)を有することを確保する。
【0078】
さらに別の具体例を図12に示す(回収方法R−E)。これは低沸点酸(例:酢酸)を酸のカルシウム塩から“跳び出す”ことができるようにする。この方法は、低分子量第3アミンの代わりにアンモニアを使用することを除き、回収方法R−Cに類似である。利点は、アンモニアが安価であり、従ってロスが許容し得ることである。また、アンモニアが窒素源として発酵槽(例:図1の230)に添加できるので、発酵槽に向けられたアンモニアロスは、アンモニアはいずれにしても発酵槽に添加されるであろうから、経費とならない。
【0079】
アミン脱水部(例:図1の230)からの酸塩溶液235−12は約20%の酸塩と実質的に残部の水である。酸塩溶液が多段階蒸発器を用いてさらに脱水されるならば、より低い水含量が可能である。酸塩溶液は、酸塩溶液を冨二酸化炭素流602−12及びアンモニア900と接触させる接触器600−12へ流入する。アンモニア900、酸塩溶液235−12、及び冨二酸化炭素ガス602−12は、全ての物質の良好な接触が確保されるように、ミキサー605−12で掻き混ぜられる。流れ235−12中のカルシウムが流れ602−12中の二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムとして沈殿し、アンモニアがアンモニア/酸錯体を形成しうる反応が起こる。
【0080】
CaA2+CO2+2NH3+H2O→CaCO3+2NH4
揮発性アンモニアが接触器600−12を殆ど去らないように確保するために、接触トレーをミキサーの上に配置することができる。排ガスは、流れ610−12で退出する。
【0081】
炭酸カルシウム沈殿は、固体分離機620−12(例:フィルター、サイクロン、または遠心分離)で除去される。固体分離機625−12を用いて、洗浄水637−12がアンモニア/酸錯体を除去する。任意には、固体分離機620−12及び625−12は、装置の同じ部分であってよく;理解の容易のために、図12に示されている濾過モード及び洗浄操作モードが、異なる装置部分を用いている。アンモニアを発酵槽へ返還することによって経済的欠損はないから、洗浄された炭酸カルシウム626−12は発酵槽(例:図1の220)へ直接に送ることができる。石灰キルン(例:図1の260)へ送られる炭酸カルシウム626−12については、乾燥機680−12を用いて残留アンモニアを除去する必要がある。モーター685−12が翼690−12を回転させ、過熱スチーム及び固体の間の良好な接触を確保する。退出スチームは、コンデンサー905で凝縮される。エネルギー効率を上げるために、その熱は、水とアミンとの相分離のためのエネルギーを与えるためにアミン脱水システム(例:図1の230)へ放出することができる。
【0082】
もし上記の反応が大量の水を用いて実施されるならば、水は、多段階蒸発機器630−12を用いて流れ629−12から除去できる。図12に3段階が示されているが、経済的な考慮によりこれよりも少ないまたは多い段階を使用し得る。流れ633−12及び634−12中の何らかのアンモニアは、ストリッピングによって、水から分離され得る。あるいは、エネルギー効率をあげるために、流れ633−12及び634−12は、アミン脱水システム(例:図1の230)へ返還できる。多段階蒸発機器634−12から出る蒸気は、アミン脱水システム(例:図1の230)における水とアミンとの相分離のために必要な潜熱を供給するのに使用され得る。
【0083】
多段階蒸発機器630から出る液体流632−12は、アンモニア/酸錯体及び少量の水を含む。蒸留カラム635−12において、アンモニアは、高分子量アミンと置換される:
NH4A+R'3N→R'3NHA+NH3
適当な高分子量アミンは、高級アルカン(例:トリブチルアミン、トリオクチルアミン)及びトリエタノールアミンを包含する。トリエタノールアミン自身は、高分子量を有しないけれども、それは有機酸と反応して非常に大きな分子量を有するエステルを作る。トリエタノールアミンは、それが安価であり、また天然ガス処理に広く使用されているので、好ましい。
【0084】
蒸留カラム635−12は、アンモニア/酸錯体が分解する温度よりかなり低いところで操作される。アンモニアは第3アミンではないので、アミドが場合により生成されることがあり、従ってもし必要ならば、蒸留カラム635−12は、減圧下で実施してアミド生成を防ぐためにできるだけ低い温度を維持することができる。過熱スチーム(または不活性ガス)がカラムの底に添加されて、トレーでの良好な物質移動を促進する。カラム上のトレーから液体の側流を引き出して(図12に示されず)、熱交換器を用いて熱を供給することにより、水及びアンモニアが蒸発し、液体相中に主として高分子量第3アミン/酸錯体を残す。コンデンサー638−12は、還流を蒸留カラムに加えられるようにして高分子量アミンが殆どカラムから出ないように確保する。エネルギー効率を上げるために、コンデンサー638−12からの熱はアミン脱水システム(例:図1の230)へ導くことができる。
【0085】
蒸留カラム635−12のボトム流出物641−12は、高分子量第3アミン/酸錯体を含む。それらは、向流熱交換器640−12で予熱され、反応性蒸留カラム645−12へ導入される。このカラムは、アミン/酸錯体が分解する温度(ほぼ170℃)以上で操作され、ここでは下記の反応が起こる:
R'3NHA→R'3N+HA
揮発性酸705−12はカラムの頂部から出る。コンデンサー639−12は、還流を蒸留カラムに加えられるようにするので、頂部からアミンが殆ど脱出しない。エネルギー効率を上げるために、コンデンサー639−12からの潜熱はアミン脱水システム(例:図1の230)へ放出できる。
【0086】
反応性蒸留カラム645−12の底から出る高分子量第3アミン643−12は、向流熱交換器640−12で冷却され、アンモニアとの交換のために蒸留カラム635−12へ送られる。
【0087】
小さな流れ710−12を反応性蒸留カラム645−12のボトム流出物から取り出し、蓄積する沈殿無機質を回収する。固体分離機715−12(例:フィルター、サイクロン、遠心分離)が、高分子量第3アミンから固体を除去する。これらの固体は、固体分離機720−12へ送られ、ここでそれらは低分子量第3アミンで洗浄される。固体分離機715−12及び720−12は、装置の同じ部分であってよく;理解の容易のために、図12に示されている濾過モード及び洗浄操作モードは、異なる装置部分を用いている。固体分離機720−12を出る液体流765−12は、高分子量第3アミン及び低分子量第3アミンの混合物である。この流れは、向流熱交換器730−12を用いて予熱され、二つのアミンを分離する蒸留カラム735−12へ送られる。部分コンデンサー740−12は、低分子量第3アミンの幾分かを凝縮し、それを蒸留カラムへ還流で戻し、高分子量第3アミンが頂部から去るのを防止する。蒸留カラム735−12を去る蒸気は、アミン脱水システム(例:図1の230)へ送られて、水がアミンから相分離するためのエネルギーを与える。典型的には、低分子量アミンは、アミン脱水システム(例:図1の230)で使用されるものと同じである。
【0088】
洗浄された固体770−12は、乾燥機745−12へ導かれ、ここでそれらは過熱スチームと接触され、それは残留低分子量第3アミンをストリッピングする。固体と過熱スチームとの良好な接触を確実にするため、内容物は、モーター750−12で駆動される翼755−12を用いて掻き混ぜられる。乾燥無機質760−12は、乾燥機745−12を去る。必要ならば、少量の酸(例:硫酸)を添加して、全てのカチオン(例:K+)が同伴アニオン(例:SO4 2-)を有することを確保する。
【0089】
全ての回収方法は、単一生成物(例:酢酸、アセトン)に関してここで検討された。発酵液は、単一溶存成分を含むことは稀であるので、もし純粋生成物が所望されるならば、回収生成物をさらに蒸留することが必要であろう。これは,必要であることも、必要でないこともある。例えば、回収方法R−Aからのケトン生成物が自動車燃料にブレンドされるべきアルコールへ水素化される時には、混合ケトン生成物で十分である。しかし、もし薬品級のアセトンが販売され様とする時には、高級ケトン類(例:メチルエチルケトン、ジエチルケトン)からアセトンは分離されなければならない。
【0090】
ここに提供された方法についての好ましいモードは低MWアミンを用いて、アミン脱水システム(例:図1の230)で発酵液から水を除去する。他の方法と比較してのこの方法の利点は、すでに検討した。回収方法R−AからR−Eは、廃熱及び低分子量アミン含有流がアミン脱水部へ返還されるので、そのようなプラントの濃厚化部と良好に組合わさる。
【0091】
説明された全ての方法は、酸を発酵槽中で石灰または炭酸カルシウムで中和させる。さんがアンモニアで中和されるならば、酢酸カルシウム(プロピオン酸カルシウム、酪酸カルシウム、乳酸カルシウム)ではなく、酢酸アンモニウム(プロピオン酸アンモニウム、酪酸アンモニウム、乳酸アンモニウム)がプラントの濃厚化部で生成されるであろう。しかし、アミン脱水システムは、一価イオン(例:ナトリウム、アンモニウム)よりも二価イオン(例:カルシウム)をより選択的に濃厚化させる。それにも拘わらず、アンモニウムがカチオンであったとすれば、回収方法R−Eが、(石灰キルン260(図1)、接触器600−12、及び炭酸カルシウムフィルター620無しで)採用されよう。
【0092】
本発明のより完全な理解を促進するために、いくつかの特定実施例を以下に提示する。しかし、本発明の範囲は、これらの実施例に開示された特定の具体例に限定されず、それらは例示の目的のみのものである。
実施例1:有機酸へのバイオマスの転化
発酵F−A
バイオマス(例えば、ごみ、草、都市固体廃物)をタンク内にいれる。温水を再循環流から添加する。所望であれば、再循環流から暖かい気体(CO2,N2及びO2)その水の中に泡立ててそれをさらに加熱することができる。次いで、石灰をバイオマスに添加する。石灰/水/バイオマススラリーを、攪拌しつつ、1ないし24時間浸漬する。浸漬が完了したときに、石灰水は固体スラリーから流去されるであろう。更なる石灰が、バイオマスを再循環水で浸出することにより除去され得る。
【0093】
石灰処理されたバイオマスは、発酵槽にゆっくりと添加され、そこで嫌気性微生物がバイオマスを有機酸へ転化する。これらの微生物は、多くの源(例えば、ウシ反芻胃、嫌気下水消化槽)から得られる。それらは、多様な生成物を作るが、主として酢酸と、より少ない量のプロピオン酸及び酪酸である。これらの生成物の比は、微生物ポピュレーション、pH、及び温度のような因子に左右される。酢酸は55℃いじょうで支配的である。
【0094】
有機酸が形成されるにつれて、pHが低まる。浸出プロセス中に回収されなかった石灰は、カルシウム塩を作ることによって酸を中和させる作用をなすであろう。さらにpHは、浸出からの石灰水を添加することによって調整される。あるいは、再循環炭酸カルシウムを使用することができる。一般に、6.2付近のpHが好ましいが、約5.5ないし7.0のpH範囲が適当である。
【0095】
無菌要件はないので(すなわち、供給物も容器も殺菌される必要がないので)、汚染の恐れなく再循環を採用できる。発酵槽は連続式に運転されるであろう。細胞は、発酵槽中に高細胞濃度を維持するために再循環でき、これは所要滞留時間を短縮するであろう。発酵槽中の固体濃度は、発酵槽容積の最も効率的な使用のために高い(約10−25%)。もしバイオマス中の全ての炭水化物が有機酸へ転化されるとすれば、有機酸塩の濃度は、約8−20%となり、これは微生物によって許容され得るよりもかなり高い。この問題を回避するために、液体を常に発酵槽から除去して有機酸塩の濃度を約3.5%以下に保持する。液体から固体を分離するために多くの方法を使用することができる(例:フィルター、沈降槽)。例えば、スラリーは、ハイドロクロンで圧送でき、その中では渦流の遠心力が液体から固体を分離する。その液体は、その分離が完全ではないので、まだ若干の粒子を含むであろう。従って、それはさらに砂フィルターまたは類似の装置での濾過によって清澄化され得る。砂フィルターが逆洗によって清浄化されるときに、固体は単に有機酸への更なる転化のために発酵槽へ返還される。
【0096】
バイオマスは、実質的に栓流で発酵槽列内を移動し続けるであろう。バイオマスの炭水化物含量は、それが有機酸へ転化されるにつれて、低下することになる。終局的には、固体は、主としてリグニン、炭酸カルシウム及び細胞からなるようになろう。細胞は未消化の固体及び炭酸カルシウムよりもゆっくりと沈降するので、細胞は別個に回収することができる。残りの固体(リグニン及び炭酸カルシウム)は、石灰キルン中で焼成されて、プロセス用熱を供給し、そして炭酸カルシウムを石灰へ転化する。
実施例2:有機酸へのバイオマスの転化
発酵F−B
この発酵は、高温好性細菌によって酢酸及びエタノールが同時に生成されること以外は、発酵Aに類似している。セルロース分解微生物クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)を採用した。それは高いセルラーゼ活性を有し、ヘキソースをほぼ等量のエタノール及び酢酸へ転化できる。この微生物は、ペントース糖を利用できないので、クロストリジウム・サーモサッカロリチクム(Clostridium thermosaccharoticum),C.サーモヒドロスルフイクム(C.thermohydrosulfuicum)またはサーモアナエロバクター・エタノリクス(Thermoanaerobacter ethanolicus)をC.サーモセラムと共培養し得る。エタノールは、蒸留によって回収でき、一方酢酸はいかに検討される方法によって濃厚化され、回収される。もし微生物がエタノールよりも酢酸イオンに一層耐えられるならば、蒸留カラムボトムの多くは発酵槽へ再循環して、酸をより高い濃度にまで蓄積させることができる。
【0097】
このプロセスは、純粋培養物(または共培養物)が維持されるので、無菌を必要とする。石灰階処理はバイオマス及び水の両方を滅菌するのに十分であり得る。しかし、もしも汚染が問題となるのであれば、直接スチーム注入によって滅菌する必要があろう。水は、慣用滅菌装置(例:高温保持部を有する向流熱交換器)を用いて滅菌できる。発酵槽は、バッチ式または連続式で運転できるが、バッチ式は、汚染問題が少ないようである。
【0098】
説明した全てのプロセスは、酸を発酵槽中で石灰によって中和する。もし酸が、アンモニアで中和されるのであれば、プラントの濃厚化部中では、酢酸カルシウム(プロピオン酸カルシウム、酪酸カルシウム、乳酸カルシウム)でなく、酢酸アンモニウム(プロピオン酸アンモニウム、酪酸アンモニウム、乳酸アンモニウム)が生成されるであろう。
実施例3:低分子量アミンでの抽出による濃厚化
発酵F−Aまたは発酵F−Bからの発酵液は、約3−4%の有機酸塩を含むので、有機酸1部当たり約25−33部の水がある。この水は製品回収のために除去されなければならないが、これは発酵液から水を抽出することにより達成される。一分子当たり約5ないし6個の炭素原子をもつ低分子量(低MW)第2または第3アミンは、好ましい。多くの候補アミンがあり(Davison等のよって記載されたように)、好ましいアミンは、ジイソプロピル、トリエチル、及びメチルジエチルアミンである。トリエチル及びメチルジエチルアミンの混合物は、トリエチル:メチルジエチルアミンの比を変更することにより抽出機の運転温度を調整できるので、非常に有用である。
【0099】
石灰を使用することにより、低MWアミンが発酵液中の酸と反応しないようにするために、発酵液を約pH11に調整する。このアルカリ性液は、低MWアミンと向流関係で接触される。混合熱があるので、所望の温度を維持するために冷却が必要とされる。抽出が低温(例:40℃)で実施されるとすれば、混合熱は冷却水へ捨てられなければならない。しかし、抽出が高温(例:60℃)で実施されるとすれば、この熱は多段階蒸発器の最終段階における低品位プロセス熱として有用である。抽出温度は、実質的には、抽出器に入る前に発酵液を加熱(または冷却)することを除くために、発酵槽温度と同じである。予備の工学的研究によって、5段抽出器は水の80%を除去し、20%塩濃度を持つ水性生成物流を作ることが示されている。
【0100】
抽出された水を伴う低MWアミン流は、次いで抽出器温度よりも約20℃高く加熱される。これによって、水はアミンから分離されるようになる。なんとなれば、それらは高い温度において減少した混和性を有するからである。その20℃の温度上昇の多くは、流入アミン/水溶液と流出アミンとの向流接触によって達成される。温度上昇の残りの分は、流入溶液中への(少しのアミンを含む)スチームの直接注入によって達成される。水相は約5%(w/w)のアミンを含み、アミン相は約5%(w/w)の水を含むので、水/アミンの分離は完全ではない。アミン相は、単に抽出器へ再循環され、一方水相はアミンをストリッピング除去しなければならない。ストリッピング器は、高圧で操作して、排出蒸気がプロセス熱として使用し得るようにできる。これらの蒸気の多くは、アミン分離器へ直接注入されて、必要な20℃の温度上昇を達成するようにできる。ストリッピング効率は、石灰を用いて約pH11へ調整することによって、大きく改善される。抽出器を出る水性相は、多段階蒸発器でさらに濃厚化され得る。蒸発器で必要とされる熱の幾分かは、ストリッピングカラム蒸気から供給され得る。
実施例4:液体燃料へのバイオマスの転化
この回収方法は、有機酸塩(例:酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩)からケトン(例:アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、等)を生産する。混合物中に多くの有機酸塩が存在するけれども、ここでは、酢酸カルシウムを用いる場合の該方法をこの例示実施例において説明する。酢酸カルシウムは、400−450℃で熱分解することにより、殆ど化学量論的にアセトン及び炭酸カルシウムへ変換され得る。アセトンはそれらの高温において分解するので、それが生成される時にできるだけ迅速に取り出すことが重要である。
【0101】
20%の有機酸カルシウム塩を含む水性流が実施例3について説明されたように製造される。多段階蒸発器は、酢酸カルシウムが沈殿するように多くの水を除去するために濃厚化部において使用できる。固体は濾過によって除去され、液体は多段階蒸発器へ返還される。固体は、石灰キルンからドライヤーを介して熱ガスを吹き付けることにより、すなわち、固体と熱ガスとの間の良好な接触を可能とする内部ミキサー付き横型タンク内で、乾燥される。あるいは、固体は過熱スチームを用いて乾燥できる。
【0102】
乾燥酢酸カルシウムは、スクリューコンベヤーを用いて熱分解器ロックホッパーへ移送される。ロックホッパーが開くと、酢酸カルシウムは熱的転化器に入り、ここでそれは熱移動媒体(例:ガラスビーズ)と混合される酢酸カルシウムは、反応して炭酸カルシウム及びアセトンを生成する。アセトンは、それを流入する酢酸カルシウムと接触させることにより冷却され、次いでそれは凝集され、回収される。アセトンの蒸気圧は、アセトンが低温で凝縮されるならば、かなり低く、従って熱的転化器を真空で操作できるようにする。これは、アセトンが熱的転化器で短い滞留時間であることを確保する。固体の所要滞留時間は、完全反応のためには(温度に応じて)約10分である。若干の非凝縮性物が熱的転化器に入るので、小型の真空ポンプがそれらを除くために必要とされよう。
【0103】
熱的転化器を出る炭酸カルシウムは、熱移動媒体から分離される。炭酸カルシウムは、石灰再生のため石灰キルンへ送ることができ、あるいは中和剤として発酵槽へ直接に添加されてもよい。熱移動媒体は、石灰キルンまたは燃焼機から出る熱ガスのような、熱ガスと直接接触により加熱される。
【0104】
バイオマスは、無機質(ある種の草及び草木穀物について約10%まで)を含むので、これらの無機質はパージされなければならない。可溶性無機質は、炭酸カルシウムから側流を引き出し、水で洗浄することにより除去できる。不溶性無機質は、石灰を水に溶解させ、不溶性無機質を回収することにより、石灰キルンから出る流れから回収できる。燐酸カルシウムは不溶性物農地で重要なせいぶんであろう。それは、石膏(硫酸カルシウム)を沈殿させる硫酸を添加して酸性化させ、燐を燐酸として回収できるようにする。これらの側流から回収される無機質は、肥料として販売することができ、従って、プラントのこの部分は、肥料販売で引き合うと期待される。
【0105】
石灰キルンを出るガスは、非常に熱い(約900℃)。これらのガスは、プロセスの熱エネルギーを供給する。高圧スチームを最も熱いガスから作ることができ、これを発電のために使用できる。低いほうの温度のガス(約550℃)は、熱移動媒体を加熱しよう。次いで若干の低圧スチームを作って多段階蒸発器のためのエネルギーを供給できる。最後に、最も低い温度のガスはVFA塩を乾燥し、バイオマス浸漬容器中の水を加熱するのに使用し、またはアミン脱水プロセスへ熱を与えることができる。
【0106】
回収方法は、単一の製品(例:酢酸、アセトン)によって説明されている、しかし、発酵液が単一の溶存成分を含んでいることは稀である。従って、もしも純粋な製品が所望されるならば、回収製品をさらに蒸留する必要があろう。これが必要なこともあり、必要でないこともある。例えば、ケトン製品が水素化されて、自動車燃料へ添加されるアルコールとされるのであれば、混合ケトン製品で十分である。しかし、薬品級のアセトンが販売され様としているのであれば、それは蒸留または他の適切な技法を用いて高級ケトン(例:メチルエチルケトン、ジエチルケトン)から分離されなければならないであろう。
【0107】
理解の明確の目的で、上記本発明を、特定の具体例と組み合わせて例示及び実施例で多少詳しく説明したが、他の態様、利点及び変形は、本発明が属する分野の熟練者には明らかであろう。上記の説明及び実施例は、例示することを意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。生化学、化学及び発酵工学及び/または関連分野の熟練者に明らかである本発明実施のための上記態様の改変は、付属の請求項によってのみ限定される本発明の範囲内であることが、意図されている。この明細書において述べられている全ての刊行物及び特許明細書は本発明が属する分野の熟練者の水準を示すものである。全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物または特許出願が特定的にかつ個々に参照のため示されているのと同程度に、参照のためここに導入される。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、バイオマスを液体第2アルコール燃料へ転化するための方法(発酵方法F−Aプラス回収方法R−A)の概略線図である。
【図2】は、バイオマス発酵槽の上面図(A)及び側面図(B)である。
【図3】は、バイオマス向流発酵のための4つの発酵槽の好ましい配置の概略平面図である。
【図4】は、関連した向流洗浄タンク及び液体ピストンポンプを持つ単一発酵槽の側面図である。
【図5】細分部分1−6が液体ピストンポンプの循環を示す。
【図6】は、発酵槽及び関連蒸留カラム(発酵方法F−B)の概略図を表す。
【図7】は、発酵方法F−Cのための発酵槽の概略図を表す。
【図8】は、回収方法R−Aの概略図を示す。
【図9】は、回収方法R−Bの概略図を示す。
【図10】は、回収方法R−Cの概略図を示す。
【図11】は、回収方法R−Dの概略図を示す。
【図12】は、回収方法R−Eの概略図を示す。

Claims (29)

  1. 低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液から低沸点酸を回収する方法であって:
    低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を低分子量第3アミン及び二酸化炭素と接触させ、
    炭酸カルシウム沈殿及び低分子量第3アミン/酸錯体含有液体溶液を作り、
    炭酸カルシウム沈殿を水で洗浄して残留低分子量第3アミンを除去し、
    アミン/酸錯体中の低分子量第3アミンを交換反応により、高分子量第3アミンで置き換え、そして
    その高分子量第3アミン/酸錯体を熱的に分解し、非揮発性高分子量第3アミンを揮発性低沸点酸から分離させる、
    ことを含み、
    低沸点酸が炭素数2〜10のノルマルアルキルカルボン酸の群から選択され、低分子量第3アミンが一分子当たり炭素数5ないし6の第3アミンの群から選択され、そして高分子量第3アミンがトリブチルアミン、トリオクチルアミン及びトリエタノールアミンを含む群から選択される
    上記方法。
  2. 低分子量第3アミンが低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を作るためのアミン脱水工程においても使用される請求項1の方法。
  3. 高分子量第3アミン/酸錯体を反応性蒸発カラム中で熱的に破壊する請求項1の方法。
  4. 多段階気化もしくは蒸留または両方を用いて水を除去してから、高分子量第3アミン/酸錯体を熱的に破壊する請求項1の方法。
  5. 塩沈殿を高分子量第3アミンから分離し、揮発性溶剤で洗浄し、そして塩沈殿を乾燥して揮発性溶剤を除去し、回収される洗浄流体を蒸留を用いて分離する請求項1の方法。
  6. 揮発性溶剤が低分子量第3アミンである請求項5の方法。
  7. 同じ低分子量第3アミンがアミン脱水システムで使用される請求項6の方法。
  8. 洗浄された炭酸カルシウム沈殿をさらに乾燥して残留低分子量第3アミンを除去する請求項1の方法。
  9. 低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液から低沸点酸を回収する方法であって:
    低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を高分子量第3アミン及び二酸化炭素と接触させ、
    炭酸カルシウム沈殿及び高分子量第3アミン/酸錯体含有液体溶液を作り、
    炭酸カルシウム沈殿を揮発性溶剤で洗浄して残留高分子量第3アミンを除去し、
    炭酸カルシウム沈殿を乾燥して残留揮発性溶剤を除去し、そして
    その高分子量第3アミン/酸錯体を熱的に分解し、非揮発性高分子量第3アミンを揮発性低沸点酸から分離させる、
    ことを含み、
    低沸点酸が炭素数2〜10のノルマルアルキルカルボン酸の群から選択され、そして高分子量第 3 アミンがトリブチルアミン、トリオクチルアミン及びトリエタノールアミンを含む群から選択される
    む上記方法。
  10. 揮発性溶剤が一分子当たり炭素数5ないし6の第3アミンの群から選択される低分子量第3アミンである請求項9の方法。
  11. 低分子量第3アミンが、低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を作るためのアミン脱水工程においても使用される請求項10の方法。
  12. 高分子量第3アミン/酸錯体を反応性蒸発カラム中で熱的に破壊する請求項9の方法。
  13. 多段階気化もしくは蒸留または両方を用いて水を除去してから、高分子量第3アミン/酸錯体を熱的に破壊する請求項9の方法。
  14. 塩沈殿を高分子量第3アミンから分離し、揮発性溶剤で洗浄し、そして乾燥して揮発性溶剤を除去し、回収される洗浄流体を蒸留を用いて分離する請求項9の方法。
  15. 揮発性溶剤が一分子当たり炭素数5ないし6の第3アミンの群から選択される低分子量第3アミンである請求項14の方法。
  16. 揮発性溶剤が低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を作るためのアミン脱水工程において使用される同じ低分子量第3アミンである請求項14の方法。
  17. 低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液から低沸点酸を回収する方法であって:
    低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液をアンモニア及び二酸化炭素と接触させ、
    炭酸カルシウム沈殿及びアンモニア/酸錯体含有液体溶液を作り、
    アンモニア/酸錯体中のアンモニアを交換反応により高分子量第3アミンで置き換え、
    アンモニアを高分子量第3アミンから分離し、そして
    その高分子量第3アミン/酸錯体を熱的に分解し、非揮発性高分子量第3アミンを揮発性低沸点酸から分離させる、
    ことを含み、
    低沸点酸が炭素数2〜10のノルマルアルキルカルボン酸の群から選択され、そして高分子量第3アミンがトリブチルアミン、トリオクチルアミン及びトリエタノールアミンを含む群から選択される
    上記方法。
  18. 高分子量第3アミン/酸錯体を反応性蒸発カラム中で熱的に破壊する請求項17の方法。
  19. 多段階気化もしくは蒸留または両方を用いて水を除去してから、高分子量第3アミン/酸錯体を熱的に破壊する請求項17の方法。
  20. 塩沈殿を高分子量第3アミンから分離し、揮発性溶剤で洗浄し、そして乾燥して揮発性溶剤を除去し、回収される洗浄流体を蒸留を用いて分離する請求項17の方法。
  21. 揮発性溶剤が一分子当たり炭素数5ないし6の第3アミンの群から選択される低分子量第3アミンである請求項20の方法。
  22. 同じ低分子量第3アミンが低沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を作るためのアミン脱水工程においても使用される請求項21の方法。
  23. 洗浄された炭酸カルシウム沈殿をさらに乾燥して残留揮発性アンモニアを除去する請求項17の方法。
  24. 高沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液から高沸点酸を回収する方法であって:
    高沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を低分子量第3アミン及び二酸化炭素と接触させ、
    炭酸カルシウム沈殿及び低分子量第3アミン/酸錯体含有液体溶液を作り、
    炭酸カルシウム沈殿を水で洗浄して残留低分子量第3アミンを除去し、そして
    その低分子量第3アミン/酸錯体を熱的に分解し、揮発性低分子量第3アミンを液体低沸点酸から分離させる、
    ことを含み、
    該高沸点酸が乳酸を含み、そして低分子量第3アミンが一分子当たり炭素数5ないし6の第3アミンの群から選択される
    上記方法。
  25. 低分子量第3アミンが高沸点酸のカルシウム塩の濃厚溶液を作るためのアミン脱水工程においても使用される請求項24の方法。
  26. 低分子量第3アミン/酸錯体を反応性蒸発カラム中で熱的に破壊する請求項24の方法。
  27. 多段階気化及び/または蒸留を用いて水を除去してから、低分子量第3アミン/酸錯体を熱的に破壊する請求項24の方法。
  28. 金属カチオンのためにアニオンを与えるのに十分に強い酸を用いて他段階気化によって高沸点酸から塩を除去する請求項24の方法。
  29. 洗浄された炭酸カルシウム沈殿を乾燥して残留揮発性低分子量第3アミンを除去する請求項24の方法。
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