JP6977466B2 - 粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法、粒状肥料の製造方法および混合肥料の製造方法 - Google Patents

粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法、粒状肥料の製造方法および混合肥料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、保管しても流動性を維持し、かつ固結することがなく、造粒肥料原料として使用する際にも損失量の少ない粗粒畜ふん燃焼灰製造方法に関する。
鶏ふん燃焼灰などの畜ふん燃焼灰は、リン、カリウム等の肥効成分を含むため、肥料原料として有用である。しかし、畜ふん燃焼灰は、粒径が小さい粉状のため軽くて空中に舞いやすく、肥料として土壌に均一に散布することが困難である。特に広大な農地での施肥においては機械散布が主流であるため、軽くて空中に舞いやすい形状は、肥料として必須用件である到達飛距離が長くてかつ均一に施肥することには適さない。均一な施肥は、植物がばらつきなく生育するためには重要である。そこで、これら課題を克服すべく粉状肥料を、粒径を2〜4mm程度に造粒加工することで肥料として散布性を向上することが検討されている。しかし、畜ふん燃焼灰の造粒においては、造粒原料となる畜ふん燃焼灰が前記のとおり軽くて舞いやすいため、圧縮造粒の際には造粒機に対する流動性が低く、造粒して粒状肥料にすることが困難である。そこで、予め畜ふん燃焼灰に添加材を加えて粉体の流動性および造粒性を向上させることが検討されている。例えば、鶏ふん燃焼灰に水を加えて混練し、水分率を15〜35%に調整した後、造粒した粒状肥料(特許文献1)が提案されている。また、鶏ふん焼成灰に動植物性有機物質、賦型剤および油性物質を加え、次いで必要に応じ水あるいは水蒸気の吹込みにより水分率を5〜60%に調整した後、造粒した粒状肥料(特許文献2)が提案されている。さらには、鶏ふん燃焼灰を水により湿潤させて水分率を5〜20%に調整した後、副産りん酸肥料、副産複合肥料ならびにベントナイト、木質泥炭などの粒状化促進材を配合混練して造粒した粒状肥料(特許文献3)が提案されている。
特開2011-235248号公報 特開昭58-99191号公報 特開平3-183680号公報
前記の通り、様々な流動性および造粒性を向上させた畜ふん燃焼灰を原料とする粒状肥料が提案されているが、畜ふん燃焼灰原料に添加材を加えて水分率を調整しただけでは、混合物の粘性が上昇し、造粒加工の際にベルトコンベアなどの搬送機器や粒状肥料を製造する造粒機に付着したり、原料保管時に固結して流動性が低下したりするため、損失量が大きくなり、粒状肥料を製造する際の収量低下に繋がる。
本発明は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、原料として2次粒径が0.038mmを超え2mm以下の粗粒畜ふん燃焼灰を90重量部以上含み、水分率が3%以下であり、かつ安息角が40度未満である粗粒畜ふん燃焼灰を使用することで、造粒加工の際にベルトコンベアなどの搬送機器や粒状肥料を製造する造粒機に付着することがなく、原料保管時に固結して流動性が低下することがなく、粒状肥料を製造する際に収率の高い粒状肥料を得ることができることを見出した。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。
1.2次粒径が0.038mmを超え2mm以下の粗粒畜ふん燃焼灰を90重量部以上含み、水分率が3%以下であり、かつ安息角が40度未満であることを特徴とする粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法であって、畜ふん燃焼灰100重量部に対して、水、酸性水溶液、およびバインダーから選ばれる少なくとも一種以上を10〜900重量部加えて混練し、次いで水分率3%以下になるまで転動熱風乾燥方式で乾燥することを特徴とする粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法。
2.前記粗粒畜ふん燃焼灰は、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部中に、2次粒径0.5mmを超え2mm以下の粗粒畜ふん燃焼灰を10重量部以上含むことを特徴とする1に記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
3.前記粗粒畜ふん燃焼灰は、かさ密度が0.95g/ml以上1.3g/ml以下であることを特徴とする1または2に記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
4.前記粗粒畜ふん燃焼灰は、鶏、アヒル、鴨、豚、牛、馬、山羊、羊、犬、および猫から選ばれる少なくとも一種の動物の糞の燃焼灰を含むことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
.前記酸性水溶液は、リン酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、および塩酸水溶液から選ばれる少なくとも一種の酸性水溶液であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法。
.前記バインダーは、糖蜜、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、およびリグニンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも一種を水に溶解した水溶液であることを特徴とする1〜5のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
1〜6のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法で、粗粒畜ふん燃焼灰を得、次いで得られた粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して、水を1〜6重量部、および粒状化促進材を1〜10重量部混合し、次いで該混合物を圧縮造粒することを特徴とする粒状肥料の製造方法。
1〜6のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法で、粗粒畜ふん燃焼灰を得、次いで粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して、さらに窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種の肥料成分を0.01〜900重量部混合し、次いで該混合物を圧縮造粒することを特徴とするに記載の粒状肥料の製造方法。
.前記窒素肥料成分は、硫安、塩安、硝安、および尿素から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とするに記載の粒状肥料の製造方法。
10.前記リン肥料成分は、リン酸一安、リン酸二安、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、および熔成リン肥から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とするに記載の粒状肥料の製造方法。
11.前記カリウム肥料成分は、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、およびケイ酸カリウムから選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とするに記載の粒状肥料の製造方法。
12.前記粒状化促進材は、タルク、クレー、カオリン、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする7〜11のいずれかに記載の粒状肥料の製造方法。
13.前記圧縮造粒は、原料を一対のローラーを用いたブリケット方式により圧縮造粒することを特徴とする7〜12のいずれかに記載の粒状肥料の製造方法。
147〜13のいずれかに記載の製造方法で粒状肥料を得、次いで水分率2.0%以下に乾燥することを特徴とする粒状肥料の製造方法。
157〜14のいずれかに記載の製造方法で粒状肥料を得、次いで整粒することを特徴とする粒状肥料の製造方法。
167〜15のいずれかに記載の製造方法で粒状肥料を得、次いで他の粒状肥料を混合する混合肥料の製造方法。
本発明によれば、造粒原料として用いる際の搬送機器に付着することがなく、原料保管時に固結して流動性が低下することがなく、粒状肥料を製造する際に収率の高い粒状肥料を得ることができる。
<畜ふん燃焼灰>
畜ふん燃焼灰とは、鶏、アヒル、鴨などの家禽および豚、牛、馬、山羊、羊、犬、猫などの家畜から得られる糞を焼却して得られる灰のことである。これらのうち、肥料取締法上で化成肥料原料として認可されており、肥料としての有効成分であるリン、カリウム、カルシウムなどを含有している鶏ふん燃焼灰であることが好ましい。
畜ふん燃焼灰は、通常アルカリ性であるので、酸性水溶液であるリン酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、および塩酸水溶液のいずれかを加えて中和して使用してもよい。このうち、畜ふん燃焼灰中にはリン酸が含まれるがほとんどがク溶性で肥効を示さない場合があるため、リン酸水溶液で中和した場合、可溶性リン酸が含まれることにより肥効が改善するので、リン酸水溶液を使用することが好ましい。
<粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法>
上記の畜ふん燃焼灰は、軽くて空中に舞いやすい粉状であるため、肥料として土壌に均一に散布することが困難である。そこで、予め畜ふん燃焼灰に添加材を加えて水分率を調整し、流動性および造粒性を向上させた粒状畜ふん燃焼灰が提案されているが、畜ふん燃焼灰に添加材を加えて水分率を調整しただけでは、混合物の粘性が上昇し、造粒原料として用いる際の搬送機器に付着したり、原料保管時に固結して流動性が低下したりするため、損失量が大きくなり、粒状肥料を製造する際の収量低下に繋がる。これらの課題を解決するために本発明では、粒状肥料への造粒原料として粗粒畜ふん燃焼灰を製造する。
粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法としては、畜ふん燃焼灰に対して、水、酸性水溶液、バインダーから選ばれる少なくとも一種以上を加えて混練し、次いで該混合物を乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を得る。
本発明では、酸性水溶液は、リン酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、および塩酸水溶液から選ばれる少なくとも一種である。また、バインダーは、糖蜜、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、およびリグニンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも一種を水に溶解した水溶液である。
畜ふん燃焼灰に対する水、酸性水溶液、バインダーから選ばれる少なくとも一種以上の混合方法は、均一に混合されていれば、ミキサーを使用して混合してもよいし、造粒機内で混合してもよい。水、酸性水溶液、バインダーから選ばれる少なくとも一種以上の添加量は、畜ふん燃焼灰100重量部あたり、10〜900重量部が好ましい。混合装置内での水分の粘性による付着や、製品の乾燥のための負荷を低減するため、10〜100重量部とすることがより好ましい。さらに好ましくは10〜50重量部である。酸性水溶液としては、可溶性リン酸が含まれることにより肥効が向上するためリン酸水溶液を使用することが好ましい。リン酸水溶液の濃度は、10〜90%であり、処理量削減の観点から30〜90%であることがより好ましく、50〜90%であることがさらに好ましい。バインダーとしては、比較的安価に入手可能な糖蜜水溶液が好ましい。糖蜜水溶液中の糖蜜の濃度は、10〜90%であり、処理量削減の観点から30〜90%であることがより好ましく、50〜90%であることがさらに好ましい。
畜ふん燃焼灰に対して、水、酸性水溶液、バインダーから選ばれる少なくとも一種以上を混練した混合物は、乾燥を行うことで、造粒原料として用いる際の搬送機器に付着することがなく、原料保管時に固結して流動性が低下しない粗粒畜ふん燃焼灰とすることができる。該混合物は、乾燥機を用いて乾燥することが好ましい。乾燥機の種類について特に制限はなく、転動式乾燥機、流動層乾燥機など熱風受熱式乾燥機や、攪拌乾燥機、赤外線加熱乾燥機など伝導伝熱型乾燥機が用いられるが、乾燥機の導入コストが低いことや、連続処理が可能であること、および粗粒畜ふん燃焼灰の粒径の制御のしやすさから、転動熱風式乾燥機が好ましく用いられる。乾燥温度は、60℃以上150℃以下が好ましく、さらに好ましくは、100℃以上130℃以下である。乾燥温度が60℃より低くなると、乾燥による水分低減が不十分となり乾燥時間を長時間要して装置内部での粉化や生産性の悪化を招き、乾燥温度が150℃を超えて長くなると、肥料の変色を引き起こす。乾燥時間は、5分以上60分以下が好ましく、さらに好ましくは、10分以上30分以下である。乾燥時間が5分より短くなると、乾燥効果が低く、水分低減が不十分となり、乾燥時間が60分を超えて高くなると、長時間加熱により装置内部で粉化が発生し、生産性が低下する。乾燥は、粗粒畜ふん燃焼灰の水分率が3%以下になるまで行う。より好ましくは粗粒畜ふん燃焼灰の水分率が1%以下までの乾燥であり、さらに好ましくは0.5%以下までの乾燥である。
<粗粒畜ふん燃焼灰>
粗粒畜ふん燃焼灰とは、粒状肥料の造粒原料として用いる際の搬送機器に付着することがなく、原料保管時に固結して流動性が低下することがなく、粒状肥料を製造する際に収率の高い粒状肥料を得ることができる畜ふん燃焼灰である。
粗粒畜ふん燃焼灰の水分率は、粗粒畜ふん燃焼灰を粒状肥料の造粒原料として用いる際の搬送機器への付着を防止したり、原料保管時に固結することを防止するために3%以下である必要がある。より好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下である。下限は通常0.1%である。なお、粗粒畜ふん燃焼灰の水分率は、公定肥料分析法に従い加熱減量法で測定した値である。
粗粒畜ふん燃焼灰の2次粒径は、粗粒畜ふん燃焼灰を粒状肥料の造粒原料として用いるために、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部中に、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下のものを90重量部以上含む必要がある。搬送時の飛散を防止したり、造粒して粒状肥料を製造する時の造粒収率を大きくするために、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して、2次粒径0.5mmを超え2mm以下の粗粒畜ふん燃焼灰を10重量部以上含むことがより好ましく、2次粒径0.5mmを超え2mm以下の粗粒畜ふん燃焼灰を15重量部以上含むことがさらに好ましい。さらに、造粒して粒状肥料を製造した際に密度の高い粒状肥料を得るために、2次粒径の上限は1.7mm以下であることがより好ましく、1.4mm以下であることがさらに好ましい。なお、粗粒畜ふん燃焼灰の2次粒径は、篩(目開き9メッシュ=2.0mm、10メッシュ=1.7mm、12メッシュ=1.4mm、32メッシュ=0.5mm、400メッシュ=0.038mm)で分級して求めることができる。
粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は、好ましくは40度未満である。40度以上であると、例えばフレコンから流れにくいため、ホッパーに投入することが容易ではない、あるいはホッパーから造粒機へ供給する際に流れにくいため人手や追加機器を要する。より好ましくは安息角が38度以下であり、さらに好ましくは36度以下である。下限は通常30度である。なお、粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は、「JIS R 9301−2−2:1999 アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角」に準じて測定する。
粗粒畜ふん燃焼灰のかさ密度は、0.95g/ml以上1.3g/ml以下である。搬送時の飛散を防止したり、造粒時の造粒収率を大きくするために、かさ密度は1.0g/ml以上1.3g/ml以下であることがより好ましく、1.05g/ml以上1.3g/ml以下であることがさらに好ましい。なお、粗粒畜ふん燃焼灰のかさ密度は、「JIS R 1628:1997 ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準じて測定する。
粗粒畜ふん燃焼灰は、そのまま肥料として使用することができ、また粒状肥料の原料として使用することもできる。
<粒状肥料>
本発明では、粒状肥料は、上記粗粒畜ふん燃焼灰を造粒化して得られた粒状物、あるいは、上記粗粒畜ふん燃焼灰に対して窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種の成分を原料段階で混合した肥料組成物から製造した化成粒状物である。また、該粒状物2種以上をドライブレンドして得られるバルクブレンド肥料のいずれでも良い。このバルクブレンド肥料は任意の割合でブレンドできるため、作物毎に対応したブレンドを行うことができる。
本発明では、粒状肥料は、粒状化促進材としてタルク、クレー、カオリン、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする。これらの物質は、含有量を調整することで粒状肥料の粒硬度を制御し、製造収率を向上させることができる。さらには、滑材の効果を持つため、造粒装置内での粉体のつまりや、水分を含むことによって高まった粘性による付着を防止する効果も期待できる。
上記粒状化促進材の含有量は、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して1〜10重量部が好ましく、装置への付着によるロスがなく、肥料として土壌への溶解性がよい硬度の肥料を得るためには粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して1〜5重量部含有することが好ましい。装置への付着ロスをより少なくするためには、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して1〜3重量部がさらに好ましい。また上記粒状化促進材は、原料である粗粒畜ふん燃焼灰に含まれてもよいし、粒状肥料の表面に被覆されていてもよい。
また、本発明の粒状肥料は、粗粒畜ふん燃焼灰、水、および粒状化促進材に加えて窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。ここで、窒素肥料成分は硫安、塩安、硝安、尿素から選ばれる少なくとも一種であり、リン肥料成分はリン酸一安、リン酸二安、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥から選ばれる少なくとも一種である。また、カリウム肥料成分は、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、ケイ酸カリウムから選ばれる少なくとも一種である。粒状肥料中の窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種の含有量は、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対し、0.01〜900重量部が好ましい。より好ましくは10〜800重量部であり、さらに好ましくは30〜700重量部である。
粒状肥料の水分率は、粗粒畜ふん燃焼灰からなる粒状肥料(単肥)の場合は、長期保管中の粒状肥料どうしの固結を防止する観点で2%以下であることが好ましい。より好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下であり、完全に水分を乾燥させた0%であれば固結の可能性が最も低いため最も好ましい。一方、粒状肥料が、粒状肥料原料として粗粒畜ふん燃焼灰に対して窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種を原料段階で混合した肥料組成物から製造した化成粒状肥料である場合は、造粒後の硬度が低下しない観点で、水分率は0.5〜2.0%であることが好ましい。水分率が0.5%を下回ると粒状肥料の硬度が低下して保管時の粉化や機械散布時の崩壊を招き、水分率が2.0%を超えて高くなると長期保管時の固結性が高まるため好ましくない。より好ましくは0.7〜1.8%であり、さらに好ましくは1.0〜1.5%である。なお、粒状肥料の水分率は、公定肥料分析法に従い加熱減量法で測定した値である。
粒状肥料の粒径は、機械施肥において、肥料の到達距離を確保して均一に施肥するため、2mm以上4mm以下が好ましい。より好ましくは2.5mm以上3.5mm以下である。
粒状肥料の形状は、機械施肥をした場合、作物の葉などに付着せず土壌に落下するよう丸形状であることが好ましい。丸形状ではない、例えば平らな形状の圧片肥料であると、葉に付着して落下せず栄養分供給が乏しくなるため好ましくない。粒状肥料の粒径は篩(目開き5メッシュ=4.0mm、6メッシュ=3.5mm、8メッシュ=2.5mm、9メッシュ=2.0mm)で分級して求めることができる。
粒状肥料の収率は、造粒時および整粒時の肥料組成物の廃棄量をできるだけ削減するため、あるいは廃棄せずに造粒工程へリサイクルするためには60%以上であることが好ましい。より好ましくは65%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、完全に回収できた場合100%が最も好ましい。なお、収率とは、造粒機に投入する保管状態の原料の重量に対する造粒および整粒して得られた粒状肥料の重量であって、下記式(1)で示される。
収率=(粒状肥料の重量)/(投入原料重量)×100(%)・・・(1)
粒状肥料の粒硬度は、2kgf以上5kgf以下であることが好ましい。粒硬度が2kgf未満であると、粒状肥料の保管中にも粉化が発生しやすく、粉体を介した粒状物どうしの固結原因となる。一方、粒硬度が5kgfを越える場合は、土壌中での粒状肥料の溶解性が悪く、肥効が低下する。より好ましくは3kgf以上5kgf以下であり、さらに好ましくは3.5kgf以上4.5kgf以下である。なお、粒状肥料の粒硬度は木屋式硬度計で粒状肥料20粒の粒硬度を測定し、これら粒硬度の平均値を粒硬度とする。
固結とは、粒どうしが接触部分で架橋して塊になる現象であり、肥料使用時のハンドリングが低下したり、機械散布する際に塊により散布が困難になるため施肥効率が低下するだけでなく、均一に散布できなかった場合には作物の生育にも悪影響を与える。
粒状肥料の固結率は、取り扱いを容易にするため固結率は20%以下であることが好ましい。固結率が20%を越えるとホッパーからの流動性が低下し、機械施肥が困難になることがある。より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、全く固結がない0%が最も好ましい。なお、固結率はポリ製小袋に充填した粒状肥料750gに対して木製板を置き、木製板上に60kgの錘で一ヶ月荷重後の粒状肥料のうち固結部分重量の割合であり、下記式(2)で示される。
固結率= (一ヶ月間荷重後の固結部分重量) /750×100 ・・・(2)
粒状肥料の固結強度は、1kg/cm以下であることが好ましい。1kg/cm以上であると、例えば固結部分がフレコンから流れ出ないため、ホッパーに投入することが容易ではない、あるいは機械施肥において生育させる植物まで粒状肥料を均一に散布できないなど、取り扱い性に劣る。より好ましくは固結強度が0.5kg/cm以下であり、さらに好ましくは0.2kg/cm以下である。なお、固結強度は、山中式土壌硬度計を使用して針部を肥料上面に対して垂直に圧入して測定した値である。
粒状肥料の粉化率は、製品保管時の固結を防ぐため1.0%以下であることが好ましい。粉化率が1.0%を越えると粉化した粉体を介して製品保管時に固結しやすく、さらには機械施肥において生育させる植物まで粒状肥料をまきにくくなる。より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下であり、全く粉化がない0%が最も好ましい。なお、粉化率は粒状肥料750gに対して60kgの錘で一ヶ月荷重後の粒状肥料のうち、目開き2mmの篩を使用して得た粒径が2mm以下のものの割合であり、下記式(3)で示される。
粉化率= (粒径2mm以下の重量)/750×100 ・・・(3)
<窒素肥料成分>
本発明で原料として用いる窒素肥料成分は特に制限が無く、公知の植物の栄養素である窒素肥料成分を用いることができる。窒素肥料成分の具体例としては、硫安、塩安、硝安、尿素等が挙げられる。このうち硫安は、例えば、コークス炉廃ガスを硫酸と接触させて得られる硫酸アンモニウム水溶液や、カプロラクタムの製造において、カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加して得られるカプロラクタムと硫酸アンモニウム混液を得た後に、カプロラクタム水溶液と硫酸アンモニウム水溶液を分離して得られる硫酸アンモニウム水溶液から、晶析により硫酸アンモニウムを結晶化した細粒結晶硫安として使用できる。結晶と母液の分離については、公知の方式で行うことができる。例えば、遠心分離によって液体から分離した後、乾燥することで得られる。細粒結晶硫安は、晶析時に過飽和度が高すぎると結晶が急激に凝集して母液を取り込み、粒径が大きく、水分が高く、不純物が多くなるため、圧力10.1kPaABS以上の圧力として晶析することで、結晶配向した、結晶性の高い細粒結晶硫安を得ることができる。結晶性の高さは、二次元X線回折を行うことで測定することができ、測定結果から求められる配向度が0.995以上であることが好ましい。さらに好ましくは配向度が0.997以上であり、配向度が1.0であれば、結晶性が最も高い場合であり、最も好ましい。また細粒結晶硫安が硫酸アンモニウムを含む割合は、好ましくは95重量%以上であり、98重量%以上であれば、結晶性の高い細粒結晶硫酸アンモニウムとなり、最も好ましい。なお、配向度とは、結晶の揃い具合を示す指標であり、二次元X線回折において、あおり角χ(°)に応じて得られた配向性ピークの半値幅(°)より下記式(4)で示される。
配向度=(180−配向性ピーク半値幅)/180・・・(4)
また細粒結晶硫安の粒径は、結晶同士が凝集して母液を取り込んでいない小さい粒径ほど固結性の改善につながるため、1.7mm以下が好ましい。より好ましくは、1.4mm以下であり、さらに好ましくは1.18mm以下である。細粒結晶硫安の粒径は、篩(目開き10メッシュ=1.7mm、12メッシュ=1.4mm、14メッシュ=1.18mm)で分級して求めることができる。
細粒結晶硫安中のアンモニア性窒素の含有率は、単位重量あたりの窒素源としての肥料効果の面から、20.5%以上が好ましく、21.0%以上がさらに好ましい。なお、細粒結晶硫安中のアンモニア性窒素の含有率は、公定肥料分析法に従いホルムアルデヒド法で測定した値である。
窒素肥料成分の水分率は、5%以下であることが好ましい。より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下である。窒素肥料成分が細粒結晶硫安の場合の水分率は、0.3%以下であることが好ましい。より好ましくは0.2%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下であり、完全に水分を乾燥させた0%であれば最も好ましい。なお、窒素肥料成分の水分率は、公定肥料分析法に従い加熱減量法で測定した値である。
<リン肥料成分>
本発明で原料として用いるリン肥料成分は特に制限が無く、公知の植物の栄養素であるリン肥料成分を用いることができる。リン肥料成分の具体例としては、リン酸一安、リン酸二安、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥等が挙げられる。このうちリン酸二安は、リン酸とアンモニアの中和反応により生成し、リン酸二安のP換算でのリン含有量は、単位重量あたりのリン源としての肥料効果の面から、46%以上含むことが好ましく、47%以上含むことがさらに好ましい。また、過リン酸石灰は、粉末状に粉砕したリン鉱石に硫酸を作用させて生成し、過リン酸石灰のP換算でのリン含有量は、単位重量あたりのリン源としての肥料効果の面から、17%以上含むことが好ましく、18%以上含むことがさらに好ましい。なお、リン酸二安および過リン酸石灰のP換算でのリン含有量は、公定肥料分析法に従い、キノリン重量法で測定した値である。リン肥料成分の粒径は、2mm以下が好ましい。より好ましくは1.4mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下である。リン肥料成分の粒径および量は、篩(例えば、目開き9メッシュ=2.0mm、12メッシュ=1.4mm、目開き16メッシュ=1.0mm)で分級して求めることができる。リン肥料成分の水分率は、5%以下であることが好ましい。より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。なお、リン肥料成分の水分率は、公定肥料分析法に従い加熱減量法で測定した値である。
<カリウム肥料成分>
本発明で原料として用いるカリウム肥料成分は特に制限が無く、公知の植物の栄養素であるカリウム肥料成分を用いることができる。カリウム肥料成分の具体例としては、硫酸カリウム、塩化カリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。このうち塩化カリウムは、例えばシルビンやカーナリット等の塩化カリウム鉱物に含まれ、加里鉱脈を掘削して塩化カリウム鉱物を取得し、精製工場にて純度の高い塩化カリウム含有物を製造した後、解砕機にて任意の粒径分布をもつ粉粒体状にすることで得られ、塩化カリウムのKO換算でのカリウム含有率は、単位重量あたりのカリウム源としての肥料効果の面から、60%以上含むことが好ましく、62%以上含むことがさらに好ましい。また硫酸カリウムは、塩化カリウムと硫酸とを反応させることで生成し、硫酸カリウムのKO換算でのカリウム含有率は、単位重量あたりのカリウム源としての肥料効果の面から、50%以上含むことが好ましく、52%以上含むことがさらに好ましい。なお、塩化カリウムおよび硫酸カリウムのKO換算でのカリウム含有率は、公定肥料分析法に従い原子吸光測定法で測定した値である。カリウム肥料成分の粒径は、2mm以下が好ましい。より好ましくは1.4mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下である。カリウム肥料成分の粒径および量は、篩(例えば、目開き9メッシュ=2.0mm、12メッシュ=1.4mm、目開き16メッシュ=1.0mm)で分級して求めることができる。カリウム肥料成分の水分率は、2%以下であることが好ましい。より好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。なお、カリウム肥料成分の水分率は、公定肥料分析法に従い加熱減量法で測定した値である。
<粒状肥料の製造方法>
粒状肥料の製造方法としては、粗粒畜ふん燃焼灰に、水、および粒状化促進材を混合後、該混合物を造粒、乾燥、および整粒して粒状物を得る方法がある。
粗粒畜ふん燃焼灰、水、および粒状化促進材の混合方法は、均一に混合できれば混合機の種類に特に制限はなく、水平円筒型、V型、ダブルコーン型等の容器回転型混合機や、リボン型、スクリュー型、パドル型等の容器固定型の混合機を使用することができるが、連続処理が可能であることからパドル型混合機が好ましく用いられる。混合時間は、5分以上15分以下が好ましく、さらに好ましくは5分以上10分以下である。混合時間が5分より短くなると、混合物中で異種の原料が均一に分散せず、粒状化した際に原料の偏りが生じる。混合時間が15分を超えて長くなると、肥料の連続製造においては混合機容量を大きくすることとなるため経済的に不利である。水の添加量は、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部あたり、1〜10重量部が好ましい。造粒装置内での水分の粘性による付着や、製品の乾燥のための負荷を低減するため、1〜7重量部とすることがより好ましい。さらに好ましくは1〜5重量部である。
粗粒畜ふん燃焼灰に添加する粒状化促進材は、タルク、クレー、カオリン、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種である。粒状化促進材の混合方法は、均一に混合されていれば、ミキサーを使用して予め混合してもよいし、造粒機内で混合してもよい。粒状化促進材の添加量は、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部あたり、1〜10重量部が好ましい。装置への付着によるロスがなく、肥料として土壌への溶解性がよい硬度の肥料を得るためには1〜5重量部とすることがより好ましい。さらに好ましくは1〜3重量部である。
粗粒畜ふん燃焼灰に、水、および粒状化促進材に加えて窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種を混合して粒状肥料を製造してもよい。ここで、窒素肥料成分は硫安、塩安、硝安、尿素から選ばれる少なくとも一種であり、リン肥料成分はリン酸一安、リン酸二安、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥から選ばれる少なくとも一種であり、カリウム肥料成分は硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、ケイ酸カリウムから選ばれる少なくとも一種である。窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種の混合方法は、均一に混合されていれば、ミキサーを使用して予め混合してもよいし、造粒機内で混合してもよい。窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種の添加量は、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部あたり、0.01〜900重量部が好ましい。より好ましくは10〜800重量部であり、さらに好ましくは30〜700重量部である。
粒状肥料の造粒方法は、圧縮造粒が好ましく、圧縮造粒装置は、タブレット方式、板状方式、ブリケット方式の何れを用いても問題ないが、タブレット方式では生産効率が低く粒状肥料の大量生産が困難であり、また板状方式では球形でバリの少ない粒状肥料を生産することが困難であるため、ブリケット方式を用いることが好ましい。ブリケット方式の圧縮造粒装置としては、例えばブリケッタ(登録商標)BSS型(新東工業製)などを好ましく用いることができる。
造粒原料を圧縮造粒装置に供給する方法は、特に制限はされないが、例えば上記で得られた粗粒畜ふん燃焼灰と水の混合物、あるいは粗粒畜ふん燃焼灰、水および粒状化促進材の三種混合物をホッパーに貯蔵し、ホッパーに付帯した搬送コンベアより造粒装置に直接供給、またはホッパー搬送コンベアからベルトコンベアやバケットコンベア等を経由して造粒装置へ供給することができる。
造粒圧力とは、造粒原料に加わる総荷重を有効幅で割った値(線圧)を示し、有効幅とは、造粒原料に荷重が加わる部分における、圧縮機側の長径を示す。例えば、タブレット方式であれば有効幅はタブレット部分の長径であり、ローラーを用いたブリケット方式であれば、有効幅はローラーにて造粒原料が圧縮されている部分の長さである。造粒圧力は、6.0〜30.0kN/cmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは7.0kN/cm以上30.0kN/cm以下であり、さらに好ましくは8.0kN/cm以上30.0kN/cm以下である。造粒圧力が6.0kN/cm未満の場合、圧力不足のため、造粒原料の造粒自体が起こらない。造粒圧力が30.0kN/cmを超えて高くなると、過剰な圧力により得られた造粒物に亀裂が生じたり、圧縮造粒機に必要以上の荷重がかかるため、装置寿命が著しく低下する。
圧縮造粒機のバリ厚みとは、造粒原料に荷重が加わる部分における造粒原料の短径を示す。例えばタブレット方式であれば、バリ厚みはタブレット部分の短径であり、ローラーを用いたブリケット方式であれば、バリ厚みは造粒して得た造粒物の板状部分の厚みの長さである。バリ厚みは、1.0mm以上2.5mm以下の範囲内にあることが好ましく、1.2mm以上2.0mm以下の範囲内にあることがより好ましい。バリ厚みが1.2mm未満であると、粒状肥料の圧壊強度・収量ともに低下する傾向にある。バリ厚みが2.0mmを超えて厚くなると、粒状肥料の形状が肥料散布に不適となることや、造粒した粒状肥料を、例えば解砕ボールを用いた振動篩で解砕し粒径を揃える場合、篩の目詰まりの原因となるため好ましくない。
バリが少なく、圧壊強度が強く、粉塵の発生も少なく、製品保管時に固結が起こりにくい粒状肥料を得るために、圧縮造粒機を用いて原料を造粒し、解砕機を用いて圧縮造粒後の造粒物を解砕し、乾燥機を用いて乾燥し、球形整粒機を用いて造粒物を整粒し、分級機を用いて整粒の粒状肥料を分級することが好ましい。各工程における粒状肥料の輸送方法に制限はないが、自然落下・コンベア輸送・風送などを用いることが可能であり、コンベア輸送で造粒原料を造粒機に輸送した後、自然落下で解砕機・乾燥機・球形整粒機・分級機へ輸送する方法が好ましい。これら輸送機器を含めた機器の接粉部分については、粒状肥料に耐食性を持つ材質を用いることが好ましく、SUS316Lまたは樹脂を用いることが好ましい。
圧縮造粒機で造粒した粒状肥料は、解砕、乾燥、整粒、分級を行うことで、肥料として好ましい球形の粒状品を得ることができる。
粒径の揃った粒状肥料を得るために、解砕機を用いて圧縮造粒後の粒状肥料を解砕することが好ましい。解砕機の種類に特に制限は無く、例えば、ジョークラッシャー・ロールクラッシャーなどの各種クラッシャーや、ローラーミル・カッティングミルなどの各種ミル、解砕メディアを添加した振動篩などが好ましく用いられる。また、これらの解砕機を組み合わせ用いることも可能である。
整粒時の収率が高く、製品保管時の固結量が少なく、かつ粉化することが少ない粒状肥料を得るために、乾燥機を用いて低水分化することが好ましい。乾燥機の種類について特に制限はなく、転動式乾燥機、流動層乾燥機など熱風受熱式乾燥機や、攪拌乾燥機、赤外線加熱乾燥機など伝導伝熱型乾燥機が用いられるが、乾燥機の導入コストが低いことや、連続処理が可能であることから、転動式乾燥機が好ましく用いられる。乾燥温度は、60℃以上150℃以下が好ましく、さらに好ましくは、90℃以上130℃以下である。乾燥温度が60℃より低くなると、乾燥による水分低減が不十分となり乾燥時間を長時間要して装置内部での粉化や生産性の悪化を招き、乾燥温度が150℃を超えて高くなると、粒状肥料内の肥料成分の分解により、肥料成分濃度の低下を引き起こす。乾燥時間は、5分以上60分以下が好ましく、さらに好ましくは、10分以上30分以下である。乾燥時間が5分より短くなると、乾燥効果が低く、水分低減が不十分となり、乾燥時間が60分を超えて高くなると、長時間加熱により装置内部で粉化が発生し、生産性が低下する。粒状肥料の乾燥は、粒状肥料が粗粒畜ふん燃焼灰からなる粒状肥料(単肥)の場合は、長期保管中の粒状肥料どうしの固結を防止する観点で水分率が2%以下になるまで乾燥することが好ましい。より好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下であり、完全に水分を乾燥させた0%であれば固結の可能性が最も低いため最も好ましい。一方、粒状肥料が、粒状肥料原料として粗粒畜ふん燃焼灰に対して窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種を原料段階で混合した肥料組成物から製造した化成粒状肥料である場合は、造粒後の硬度が低下しない観点で、水分率が0.5〜2.0%となるよう乾燥することが好ましい。水分率が0.5%を下回ると粒状肥料の硬度が低下して保管時の粉化や機械散布時の崩壊を招き、水分率が2.0%を超えて高くなると長期保管時の固結性が高まるため好ましくない。より好ましくは0.7〜1.8%であり、さらに好ましくは1.0〜1.5%となるよう乾燥することである。
球形でバリの少ない粒状肥料を得るために、整粒機を用いて整粒することが好ましい。整粒機の種類に特に制限はなく、例えば高速転動方法、オシレータ式、架砕方式、遠心回転方式などが好ましく用いられ、高速転動方式の球形整粒機であるマルメライザー(登録商標:ダルトン製)を用いて粒状肥料を整粒することがより好ましい。
整粒機の処理時間は、0.3〜5.0分の範囲内にあることが好ましく、0.5〜3.0分の範囲内であることがより好ましい。整粒機の処理時間が上記を超えて低くなると、粒状肥料のバリ除去が不十分となる。整粒機の処理時間が上記を超えて高くなると、バリ以外の部分が切削される量が増加し、粒状肥料の収量が低下する。さらに整粒処理に必要な時間が多くなるため、単位時間あたりの粒状肥料収量も低下する。
整粒機の回転速度は、50〜2000回転/分の範囲内にあることが好ましく、100〜1500回転/分の範囲内にあることがより好ましい。整粒機の回転速度が上記の範囲より低くなると、粒状肥料のバリ除去が不十分となり、さらに整粒処理に必要な時間が多くなるため、単位時間あたりの粒状肥料収量も低下する。整粒機の回転速度が上記の範囲を超えて高くなると、騒音増加および機器寿命の低下といった問題が生ずる。
所定の粒径以上の粒状肥料を得るために、分級機を用いて粒状肥料を分級することが望ましい。乾式分級が可能なものであれば、分級機の種類に特に制限はないが、振動篩を用いることが好ましい。篩の目開きは、所定の粒径を得られる大きさであれば特に制限はないが、1.8〜2.2mm、および3.8〜4.2mmの目開きであることが好ましく、これら目開きを有する篩を組み合わせて粒径2.0〜4.0mmの粒状肥料を得る分級方法が好ましい。
バリが少なく、圧壊強度が強く、粉塵の発生も少なく、固結が起こりづらい粒状肥料を得るために、圧縮造粒機を用いて原料を造粒し、解砕機を用いて圧縮造粒後の造粒物を解砕し、転動式乾燥機を用いて乾燥させた後、球形整粒機を用いて造粒物を整粒し、分級機を用いて整粒の粒状肥料を分級することが好ましい。各工程における粒状肥料の輸送方法に制限はないが、自然落下・コンベア輸送・風送などを用いることが可能であり、コンベア輸送で造粒原料を造粒機に輸送した後、自然落下で解砕機・乾燥機・球形整粒機・分級機へ輸送する方法が好ましい。これら輸送機器を含めた機器の接粉部分については、粒状肥料に耐食性を持つ材質を用いることが好ましく、SUS316Lまたは樹脂を用いることが好ましい。
圧縮造粒機を用いて原料を造粒し、解砕機を用いて圧縮造粒後の造粒物を解砕し、転動式乾燥機を用いて乾燥し、また球形整粒機を用いて粒硬度上昇後の造粒物を整粒し、分級機を用いて整粒後の粒状肥料を分級した際に得られる篩下の微粉は、原料中にリサイクルして混合し、原料として使用することができる。
造粒、解砕、乾燥および整粒して粒状肥料を製造した後、粒状肥料に、固結防止材としてタルク、クレー、カオリン、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種を粒状肥料表面に被覆して粒状肥料とすることができる。被覆する方法としては、粗粒畜ふん燃焼灰を含む原料を造粒および整粒し、分級機で分級した後に均一に被覆されていれば、分級機出口で添加してもよいし、ミキサーを用いて混合し被覆してもよいし、ベルトコンベア上で吹き付けを行って被覆してもよい。
粒状肥料に対する固結防止材の添加量は、粒状肥料100重量部に対して0.05〜3.0重量部が好ましく、装置への付着によるロスや、単位重量当たりの肥料成分含有量への影響がなく、肥料として溶解性がよい粒硬度の肥料を得るためには粒状肥料100重量部に対して0.1〜0.3重量部がより好ましい。装置への付着ロスをより少なくするためには、粒状肥料100重量部に対して0.15〜0.25重量部がさらに好ましい。
ここで得た粒状肥料と他の粒状肥料とを任意の割合でドライブレンドして得られるバルクブレンド肥料として使用することも可能である。このバルクブレンド肥料は任意の割合でブレンドできるため、作物毎に対応したブレンドを行うことができる。
本発明の実施例を以下に示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。ここで、実施例中の部数は、重量部を示す。物性等の測定方法は以下のとおりである。
(1)粗粒畜ふん燃焼灰の水分率
粗粒畜ふん燃焼灰の水分率は、加熱前の粗粒畜ふん燃焼灰を130℃で3時間加熱後に重量測定を行った際の加熱減量により求めた値であり、下記式で算出した。
粗粒畜ふん燃焼灰の水分率(%)=((加熱前の粗粒畜ふん燃焼灰重量)−(加熱後の粗粒畜ふん燃焼灰重量))/(加熱前の粗粒畜ふん燃焼灰重量)×100
(2)粗粒畜ふん燃焼灰の2次粒径
粗粒畜ふん燃焼灰の2次粒径は、目開き2.0mm、0.5mm、および0.038mmの篩を使用して、下記式により0.5mmを超え2mm以下の粒径の割合および0.038mmを超え2mm以下の粒径の割合を算出した。
粗粒畜ふん燃焼灰の0.5mmを超え2mm以下の2次粒径割合(%)=(粒径0.5mmを超え2mm以下の重量)/(篩分け前の粗粒畜ふん燃焼灰の重量)×100
粗粒畜ふん燃焼灰の0.038mmを超え2mm以下の2次粒径割合(%)=(粒径0.038mmを超え2mm以下の重量)/(篩分け前の粗粒畜ふん燃焼灰の重量)×100
(3)粗粒畜ふん燃焼灰の安息角
粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は、「JIS R 9301−2−2:1999 アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角」に準じて測定した。
(4)粗粒畜ふん燃焼灰のかさ密度
粗粒畜ふん燃焼灰のかさ密度は、「JIS R 1628:1997 ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準じて測定した。
(5)粗粒畜ふん燃焼灰の固結率
粗粒畜ふん燃焼灰の固結率は、粗粒畜ふん燃焼灰500kgをフレコンに充填して2つのフレコンを上下に堆積して保管し、一ヶ月間後に下段のフレコンから取り出した粗粒畜ふん燃焼灰のうち、750gを目開き2mmの篩を使用して得た粒径が2mmを超える粗粒畜ふん燃焼灰の割合であり、下記式で算出した。
粗粒畜ふん燃焼灰の固結率(%)= (粒径2mm超の重量)/750×100
(6)粒状肥料の粒硬度
粒状肥料の粒硬度は、木屋式硬度計で造粒物20粒の粒硬度を測定し、これら粒硬度の平均を求めたものである。
(7)粒状肥料の収率
粒状肥料の収率は、造粒機に投入する原料の重量に対する造粒および整粒して得られた粒状肥料の重量であって、下記式により算出した。
粒状肥料の収率(%)=(粒状肥料の重量)/(造粒機に投入する原料の重量)
×100
(8)粒状肥料の粒径
粒状肥料の粒径は、目開き2mmおよび4mmの篩を使用して、下記式により2mm以上4mm以下の粒径の割合を算出した。
粒状肥料の2mm以上4mm以下の粒径割合(%)=(粒径2mm以上4mm以下の重量)/(篩分け前の粒状肥料の重量)×100
(9)粒状肥料の水分率
粒状肥料の水分率は、加熱前の粒状肥料を130℃で3時間加熱後に重量測定を行った際の加熱減量により求めた値であり、下記式で算出した。
粒状肥料の水分率(%)=((加熱前の粒状肥料重量)−(加熱後の粒状肥料重量))
/(加熱前の粒状肥料重量)×100
(10)粒状肥料の固結率
粒状肥料の固結率は、ポリ製小袋に充填した粒状肥料750gに対して木製板を置き、木製板上に60kgの錘で一ヶ月間荷重後の粒状肥料のうち固結部分重量の割合であり、下記式で算出した。
粒状肥料の固結率(%)= (一ヶ月間荷重後の固結部分重量)/750×100
(11)粒状肥料の固結強度
粒状肥料の固結強度は、山中式土壌硬度計を使用して針部を肥料上面に対して垂直に圧入して測定した値である。
(12)粒状肥料の粉化率
粒状肥料の粉化率は、粒状肥料750gに対して60kgの錘で一ヶ月間荷重後の粒状肥料のうち、目開き2mmの篩を使用して得た粒径が2mm以下のものの割合であり、下記式で算出した。
粒状肥料の粉化率(%)= (粒径2mm以下の重量)/750×100
(実施例1〜7)(比較例1〜6)粗粒畜ふん燃焼灰の製造
表1に示す水分率3.0%以下まで乾燥した粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。なお、表1に示す乾燥方法について、乾燥方法Aとは被乾燥物をロータリーキルン(栗本鉄工所製)に供給して、加熱温度130℃で乾燥する方法であり、乾燥方法Bとは倉庫での保管により自然乾燥する方法である。また、同様に表2に示す条件で粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。
(実施例1)
鶏ふん燃焼灰100重量部と水20重量部を、混合機としてダウ・ミキサー(株式会社新日南製)に供給して15分間混合した。次いで、該混合物をロータリーキルン(栗本鉄工所製)に供給し、加熱温度130℃、回転数40rpmで10分間回転して乾燥し、粗粒畜ふん燃焼灰を製造した(表1)。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が3.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.8重量部であり、かつ0.5mmを超え2mm以下が45.1重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は39度、かさ密度は1.18g/mLであった。一方で、粗粒畜ふん燃焼灰をフレコンに500kg充填して、2つのフレコンを上下に堆積して1ヵ月保管し、下段にて保管したフレコン中の燃焼灰の固結率は0.9%であった。
(実施例2)
鶏ふん燃焼灰混合物の乾燥時間を15分に変更する以外は、実施例1と同様の組成で混合、および乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造し、次いで1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が1.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.7重量部であり、0.5mmを超え2mm以下が32.9重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は38度であり、かさ密度は1.12g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は0.7%であった。
(実施例3)
鶏ふん燃焼灰混合物の乾燥時間を20分に変更する以外は、実施例1と同様の組成で混合、および乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造し、次いで1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が0.5%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.5重量部であり、0.5mmを超え2mm以下が28.4重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は37度であり、かさ密度は1.09g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は0.6%であった。
(実施例4)
鶏ふん燃焼灰混合物の乾燥時間を25分に変更する以外は、実施例1と同様の組成で混合、および乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造し、次いで1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が0.2%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.3重量部であり、0.5mmを超え2mm以下が16.9重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は36度であり、かさ密度は1.02g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は0.3%であった。
(実施例5)
水の添加量を40重量部、鶏ふん燃焼灰混合物の乾燥時間を30分に変更する以外は、実施例1と同様の方法で混合、および乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造し、次いで1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が3.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.7重量部、0.5mmを超え2mm以下が30.4重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は37度であり、かさ密度は1.13g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は0.6%であった。
(実施例6)
実施例1と同様の方法で鶏ふん燃焼灰100重量部と80%リン酸水溶液20重量部を混合して混合物を得た。次いで、該混合物の乾燥時間を25分に変更する以外は実施例1と同様の方法で乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。さらに、1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が0.2%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.4重量部、0.5mmを超え2mm以下が35.4重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は35度であり、かさ密度は1.21g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は0.5%であった。
(実施例7)
実施例1と同様の方法で鶏ふん燃焼灰100重量部と80%糖蜜水溶液20重量部を混合して混合物を得た。次いで、該混合物の乾燥時間を30分に変更する以外は実施例1と同様の方法で乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が0.2%、乾燥した2次粒径が0.038mmを超え2mm以下のものを99.5重量部かつ0.5mmを超え2mm以下のものを15.8重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は37度であり、かさ密度は1.29g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は1.2%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で鶏ふん燃焼灰100重量部と水20重量部を混合して混合物を得た。次いで、該混合物を造粒機としてダウ・ペレタイザー(株式会社新日南製)に供給して10分間造粒した後に7日間保管し、粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。さらに、1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が5.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.9重量部、0.5mmを超え2mm以下が32.6重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は42度であり、かさ密度は1.28g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は26.0%であった。
(比較例2)
鶏ふん燃焼灰混合物の乾燥時間を7分に変更する以外は、実施例1と同様の組成で混合、および乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造し、次いで1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が5.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.8重量部、0.5mmを超え2mm以下が50.2重量部であった。また、得られた粗粒燃焼灰の安息角は40度であり、かさ密度は1.32g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は8.0%であった。
(比較例3)
実施例1と同様の方法で鶏ふん燃焼灰100重量部と80%リン酸水溶液20重量部を混合して混合物を得た。次いで、該混合物を比較例1と同様の方法で造粒、保管し、粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。さらに、1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が5.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.8重量部、0.5mmを超え2mm以下が33.1重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は41度であり、かさ密度は1.25g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は24.0%であった。
(比較例4)
実施例1と同様の方法で鶏ふん燃焼灰100重量部と80%糖蜜水溶液20重量部を混合して混合物を得た。次いで、該混合物を比較例1と同様の方法で造粒、保管し、粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。さらに、1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が5.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.9重量部、0.5mmを超え2mm以下が17.5重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は41度であり、かさ密度は1.34g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は37.0%であった。
(比較例5)
水の添加量を5重量部、鶏ふん燃焼灰混合物の乾燥時間を7分に変更する以外は、実施例1と同様の方法で混合、および乾燥して粗粒畜ふん燃焼灰を製造し、次いで1ヶ月間の粗粒畜ふん燃焼灰保管試験を実施した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が1.0%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.8重量部、0.5mmを超え2mm以下が8.9重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は41度であり、かさ密度は1.09g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は0%であった。
(比較例6)
水の添加量を0重量部とする以外は実施例1と同様の方法で乾燥し、粗粒畜ふん燃焼灰を製造した。その結果、得られた粗粒畜ふん燃焼灰は、水分率が0.2%、2次粒径が0.038mmを超え2mm以下が99.7重量部、0.5mmを超え2mm以下が5.2重量部であった。また、得られた粗粒畜ふん燃焼灰の安息角は42度であり、かさ密度は0.94g/mLであった。さらに、粗粒畜ふん燃焼灰の1ヵ月後の固結率は0%であった。
(実施例8〜19)(比較例7〜14)粒状肥料の製造
実施例1〜7および比較例1〜5で得た粗粒畜ふん燃焼灰を用いて、表3、表4に示す粒状肥料を製造した。
(実施例8)
実施例1で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水2重量部、タルク(浅田製粉SW−A)3重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。該混合原料を造粒機としてブリケッタ(登録商標)BSS−IV型(新東工業製)に供給し、ロール有効幅を185mm、ロール圧力を8.4kN/cm、バリ厚みを1.70mm、ポケットサイズを3.9mm、ローラー回転数50rpmで造粒を行い、板状の造粒物を得た。該板状造粒物を粗砕機にて破砕した後、目開き6.7mm、5.2mm、2.2mmの篩を有する3段解砕篩機(興和工業所製)に投入し、解砕メディア(ナイロン硬球ボール上段200個、下段200個)で振動解砕し、篩上品を回収した。その後、該篩上品をロータリーキルン(栗本鉄工所製)に供給し、加熱温度130℃、回転数40rpmで20分間回転して加熱した。続いて、マルメライザー(ダルトン製)に投入し、回転速度225rpmで0.5分間整粒処理を行った後に、目開き2mmの篩を有する円形振動篩機(ダルトン製)に送り、分級を行った後、目開き2mmの篩上品を粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は63.2%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は93.9%で、粒硬度は3.7kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例9)
実施例2で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水3重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は63.8%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は94.6%で、粒硬度は3.5kgfであった。また、粒状肥料の水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例10)
実施例3で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水5重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は64.7%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は94.1%で、粒硬度は3.6kgfであった。また、粒状肥料の水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例11)
実施例4で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水5重量部、タルク(浅田製粉SW−A)1重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は65.3%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は95.8%で、粒硬度は3.6kgfであった。また、粒状肥料の水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例12)
実施例5で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水2重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は64.1%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は94.1%で、粒硬度は3.8kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例13)
実施例6で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水5重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は63.3%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は95.5%で、粒硬度は4.1kgfであった。また、粒状肥料の水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例14)
実施例7で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水5重量部、タルク(浅田製粉SW−A)3重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は63.8%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は94.7%で、粒硬度は3.4kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例15)
実施例4で得た粗粒畜ふん燃焼灰50重量部と、水2重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部、および細粒結晶硫安(東レ)50重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は62.4%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は93.2%で、粒硬度は3.1kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例16)
実施例4で得た粗粒畜ふん燃焼灰50重量部と、水3重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。さらに得られた粒状肥料と、粒状硫安50重量部を容器に入れて混合し、混合肥料とした。該混合肥料の固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.1%であった。
(実施例17)
実施例6で得た粗粒畜ふん燃焼灰35重量部と、水2重量部、タルク(浅田製粉SW−A)1重量部、細粒結晶硫安(東レ)50重量部、尿素(三井化学)5重量部、および硫酸カリウム(試薬)10重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は63.4%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は95.1%で、粒硬度は2.3kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.5%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例18)
実施例6で得た粗粒畜ふん燃焼灰55重量部と、水3重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部、細粒結晶硫安(東レ)25重量部、尿素(三井化学)10重量部、および硫酸カリウム(試薬)10重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は63.7%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は94.8%で、粒硬度は2.6kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.4%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(実施例19)
実施例6で得た粗粒畜ふん燃焼灰70重量部と、水3重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部、細粒結晶硫安(東レ)10重量部、尿素(三井化学)5重量部、および硫酸カリウム(試薬)15重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。次いで、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料として回収した。その結果、粒状肥料の収率は62.9%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は95.3%で、粒硬度は3.5kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.1%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(比較例7)
比較例1で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、タルク(浅田製粉SW−A)5重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は30.5%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は93.1%で、粒硬度は3.1kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(比較例8)
比較例1で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、タルク(浅田製粉SW−A)0.5重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は12.4%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は51.8%で、粒硬度は2.5kgfであった。また、粒状肥料の水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は52.4%、固結強度は1.2kg/cm、粉化率は1.4%であった。
(比較例9)
比較例2で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、タルク(浅田製粉SW−A)3重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は48.2%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は93.8%で、粒硬度は3.4kgfであった。また、粒状肥料の水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(比較例10)
比較例3で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、タルク(浅田製粉SW−A)3重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は36.3%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は93.1%で、粒硬度は3.2kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は0.0%、固結強度は0.0kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(比較例11)
比較例4で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、タルク(浅田製粉SW−A)3重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は28.7%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は93.4%で、粒硬度は3.6kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は5.8%、固結強度は0.3kg/cm、粉化率は0.0%であった。
(比較例12)
比較例5で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水4重量部、タルク(浅田製粉SW−A)3重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は19.8%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は90.4%で、粒硬度は2.5kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.0%、固結テスト1ヶ月後の固結率は10.2%、固結強度は0.4kg/cm、粉化率は1.7%であった。
(比較例13)
比較例6で得た粗粒畜ふん燃焼灰100重量部と、水5重量部、タルク(浅田製粉SW−A)3重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は17.5%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は88.6%で、粒硬度は2.4kgfであった。また、粒状肥料の水分率は0.9%、固結テスト1ヶ月後の固結率は11.8%、固結強度は0.7kg/cm、粉化率は2.1%であった。
(比較例14)
比較例3で得た粗粒畜ふん燃焼灰70重量部と、水3重量部、タルク(浅田製粉SW−A)2重量部、細粒結晶硫安(東レ)10重量部、尿素(三井化学)5重量部、および硫酸カリウム(試薬)15重量部をリボンミキサー(シグマ工業製)に投入して混合し、混合原料とした。続いて、実施例8と同様の方法で該混合原料を造粒、解砕、乾燥、整粒、分級して粒状肥料を回収した。その結果、粒状肥料の収率は43.2%で、2mm以上4mm以下粒径の割合は89.3%で、粒硬度は1.5kgfであった。また、粒状肥料の水分率は1.2%、固結テスト1ヶ月後の固結率は4.7%、固結強度は0.6kg/cm、粉化率は1.5%であった。
以上の結果を表1〜5にまとめて示す。
Figure 0006977466
Figure 0006977466
Figure 0006977466
Figure 0006977466
Figure 0006977466
以上のように、粗粒畜ふん燃焼灰を使用することで、造粒原料として用いる際の搬送機器に付着することがなく、原料保管時に固結して流動性が低下することがなく、収率の高い粒状肥料を得ることができた。
本発明による粗粒畜ふん燃焼灰は、造粒原料として用いる際の搬送機器に付着することがなく、原料保管時に固結して流動性が低下することがなく、そのため粒状肥料を製造する際に収率の高い粒状肥料を得ることができる。本発明で得られる粒状肥料は、小規模農場での人の手による施肥のみならず、大規模農場での機械散布を行うことができる。また、用途・目的に応じて粗粒畜ふん燃焼灰と窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種とを混合した原料により製造でき、さらには該粒状肥料を他の粒状肥料と任意の割合でドライブレンドしたバルクブレンド肥料にできるため、米、野菜、果物等の生育に使用することができる。

Claims (16)

  1. 2次粒径が0.038mmを超え2mm以下の粗粒畜ふん燃焼灰を90重量部以上含み、水分率が3%以下であり、かつ安息角が40度未満であることを特徴とする粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法であって、畜ふん燃焼灰100重量部に対して、水、酸性水溶液、およびバインダーから選ばれる少なくとも一種以上を10〜900重量部加えて混練し、次いで水分率3%以下になるまで転動熱風乾燥方式で乾燥することを特徴とする粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法。
  2. 前記粗粒畜ふん燃焼灰は、粗粒畜ふん燃焼灰100重量部中に、2次粒径0.5mmを超え2mm以下の粗粒畜ふん燃焼灰を10重量部以上含むことを特徴とする請求項1に記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
  3. 前記粗粒畜ふん燃焼灰は、かさ密度が0.95g/ml以上1.3g/ml以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
  4. 前記粗粒畜ふん燃焼灰は、鶏、アヒル、鴨、豚、牛、馬、山羊、羊、犬、および猫から選ばれる少なくとも一種の動物の糞の燃焼灰を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
  5. 前記酸性水溶液は、リン酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、および塩酸水溶液から選ばれる少なくとも一種の酸性水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法。
  6. 前記バインダーは、糖蜜、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、およびリグニンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも一種を水に溶解した水溶液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法で、粗粒畜ふん燃焼灰を得、次いで得られた粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して、水を1〜6重量部、および粒状化促進材を1〜10重量部混合し、次いで該混合物を圧縮造粒することを特徴とする粒状肥料の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の粗粒畜ふん燃焼灰の製造方法で、粗粒畜ふん燃焼灰を得、次いで粗粒畜ふん燃焼灰100重量部に対して、さらに窒素肥料成分、リン肥料成分、およびカリウム肥料成分から選ばれる少なくとも一種の肥料成分を0.01〜900重量部混合し、次いで該混合物を圧縮造粒することを特徴とする請求項に記載の粒状肥料の製造方法。
  9. 前記窒素肥料成分は、硫安、塩安、硝安、および尿素から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項に記載の粒状肥料の製造方法。
  10. 前記リン肥料成分は、リン酸一安、リン酸二安、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、および熔成リン肥から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項に記載の粒状肥料の製造方法。
  11. 前記カリウム肥料成分は、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、およびケイ酸カリウムから選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項に記載の粒状肥料の製造方法。
  12. 前記粒状化促進材は、タルク、クレー、カオリン、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の粒状肥料の製造方法。
  13. 前記圧縮造粒は、原料を一対のローラーを用いたブリケット方式により圧縮造粒することを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の粒状肥料の製造方法。
  14. 請求項7〜13のいずれかに記載の製造方法で粒状肥料を得、次いで水分率2.0%以下に乾燥することを特徴とする粒状肥料の製造方法。
  15. 請求項7〜14のいずれかに記載の製造方法で粒状肥料を得、次いで整粒することを特徴とする粒状肥料の製造方法。
  16. 請求項7〜15のいずれかに記載の製造方法で粒状肥料を得、次いで他の粒状肥料を混合する混合肥料の製造方法。
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