以下に、本願が開示する実施形態にかかる綴じ部材除去装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
[綴じ部材除去装置]
図1は、実施例1の綴じ部材除去装置1を示すブロック図である。実施例1の綴じ部材除去装置1は、図1に示されているように、搬送部2とステープル検出部3とステープル除去部5と除去駆動部6と撮像部7とオフセット部8と制御部10とを備えている。搬送部2は、図示されていないシュータとスタッカと搬送ガイドと複数の搬送ローラとを備えている。シュータは、複数の媒体が載置される載置面が形成されている。スタッカは、複数の媒体が載置される載置面が形成されている。搬送ガイドは、シュータの載置面とスタッカの載置面とを接続する搬送路を形成している。搬送路は、綴じ部材除去装置1が設置面に設置されるときに、設置面に対して固定されている。複数の搬送ローラは、制御部10に制御されることにより、搬送ガイドにより形成される搬送路に沿って媒体を搬送する。
ステープル検出部3は、搬送部2により形成される搬送路の途中に配置されている。ステープル検出部3は、制御部10に制御されることにより、搬送部2の搬送路を搬送される媒体の表側の面の凹凸を検出し、その凹凸に基づいて媒体がステープルにより綴じられている綴じ媒体であるかどうかを検出する。ステープル検出部3は、さらに、制御部10に制御されることにより、綴じ媒体のうちのステープルにより綴じられている綴じ領域を検出する。綴じ領域は、綴じ媒体のうちのステープルにより綴じられている一部を示し、綴じ媒体の全体を示さないように検出される。
ステープル除去部5は、搬送部2により形成される搬送路のうちのステープル検出部3の下流側に配置され、搬送路のうちのステープル検出部3と搬送部2のスタッカとの間に配置されている。ステープル除去部5は、制御部10に制御されることにより、搬送部2により形成される搬送路を搬送される綴じ媒体からステープルを除去する。除去駆動部6は、制御部10に制御されることにより、搬送部2により形成される搬送路を搬送される綴じ媒体からステープルをステープル除去部5が適切に除去することができるように、ステープル除去部5を移動させる。撮像部7は、制御部10に制御されることにより、搬送部2により形成される搬送路の一部の領域が写る画像を撮像する。
オフセット部8は、搬送部2により形成される搬送路のうちのステープル除去部5の下流側に配置され、搬送路のうちのステープル除去部5と搬送部2のスタッカとの間に配置されている。オフセット部8は、制御部10に制御されることにより、搬送部2により搬送される媒体を横方向にずらして搬送部2のスタッカの載置面に載置したり、横方向にずらさないで搬送部2のスタッカの載置面に載置したりする。
制御部10は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)11と記憶装置12と入出力装置14とリムーバブルメディアドライブ15とを備えている。CPU11は、制御部10にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶装置12と入出力装置14とリムーバブルメディアドライブ15とを制御する。CPU11は、そのコンピュータプログラムを実行することにより、さらに、搬送部2とステープル検出部3とステープル除去部5と除去駆動部6と撮像部7とオフセット部8とを制御する。記憶装置12は、そのコンピュータプログラムを記録し、CPU11により利用される情報を記録する。記憶装置12は、例えばRAM・ROM等のメモリ、ハードディスクのような固定ディスク装置、SSD(Solid State Drive)、および/または、光ディスク等を用いることができる。入出力装置14は、たとえば、タッチパネルであり、ユーザに操作されることにより生成される情報をCPU11に出力し、CPU11により生成された情報をユーザに認識されることができるように出力する。リムーバブルメディアドライブ15は、一時的でない有形の記録媒体16が装填可能に形成されている。記録媒体16としては、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray(登録商標)Disc等が例示される。リムーバブルメディアドライブ15は、記録媒体16が装填されているときに、CPU11に制御されることにより、記録媒体16に記録されている情報を読み取る。なお、制御部10にインストールされるコンピュータプログラムは、リムーバブルメディアドライブ15を介して、記録媒体16から読み取られたものでもよい。
制御部10は、搬送部2により形成される搬送路に媒体が搬送されるように、搬送部2を制御する。制御部10は、搬送部2の搬送路を搬送される媒体が綴じ媒体であるかどうかが検出されるように、ステープル検出部3を制御する。制御部10は、さらに、綴じ媒体のうちのステープルにより綴じられている綴じ領域が検出されるように、ステープル検出部3を制御する。制御部10は、搬送路のうちの一部の領域が写る画像が撮像されるように、撮像部7を制御する。制御部10は、所定の位置にステープル除去部5が配置されるように、除去駆動部6を制御する。制御部10は、搬送路を搬送される綴じ媒体からステープルが除去されるように、ステープル除去部5を制御する。制御部10は、搬送部2により搬送される媒体が横方向にずらされて搬送部2のスタッカの載置面に載置したり、横方向にずらされないで搬送部2のスタッカの載置面に載置されたりするようにオフセット部8を制御する。
なお、CPU11は、制御部10を統括的に制御する他の制御回路から構成されてもよい。その制御回路としては、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含む有形のコントローラが例示される。
図2は、ステープル除去部5と除去駆動部6と撮像部7とを示す正面図である。図3は、ステープル除去部5と除去駆動部6と撮像部7とを示す側面図である。ステープル除去部5は、図2に示されているように、第1支持部21と第2支持部22と除去爪23と除去爪アクチュエータ24とを備えている。第1支持部21は、左右方向26に平行に移動可能に軸25に支持されている。軸25は、綴じ部材除去装置1が設置面に設置されるときに、設置面に対して固定される。左右方向26は、搬送部2により搬送される綴じ媒体27の表面に平行であり、かつ、搬送部2により綴じ媒体27が搬送される搬送方向28(図3参照)に垂直である。
第2支持部22は、回転軸29を中心に回転可能に第1支持部21に支持されている。回転軸29は、第1支持部21に対して固定され、搬送部2により搬送される綴じ媒体27の表面に垂直である。除去爪23は、薄い板状に形成され、回転軸29の近傍を移動可能に第2支持部22に支持されている。除去爪アクチュエータ24は、制御部10に制御されることにより、第2支持部22に対して除去爪23を移動させる。
除去駆動部6は、併進駆動装置31と回転駆動装置32とを備えている。併進駆動装置31は、制御部10に制御されることにより、軸25に対して第1支持部21を左右方向26に平行に移動させる。回転駆動装置32は、制御部10に制御されることにより、第1支持部21に対して回転軸29を中心に第2支持部22を回転させる。
撮像部7は、回転軸29に交差するように配置されている。撮像部7は、搬送部2により搬送される綴じ媒体27の表面の一部と、除去爪23の先端とが写る画像が撮像されるように配置されている。撮像部7は、第2支持部22に支持され、第2支持部22に固定されている。
図4は、綴じ媒体41と除去爪23を示す平面図である。綴じ媒体41は、図4に示されているように、複数の用紙42とステープル43とを備えている。複数の用紙42は、それぞれ、紙から形成されている。ステープル43は、金属製の針から形成されている。ステープル43は、表側部分44を備え、図示されていない2つの先端部分と2つの貫通部分とを備えている。表側部分44は、所定のステープル長さ45の直線状に形成され、複数の用紙42の表側の面に沿うように配置されている。2つの先端部分は、ステープル43の両端からそれぞれ形成され、複数の用紙42の裏側の面に沿うように配置されている。2つの貫通部分は、表側部分44と2つの先端部分との間を接続するようにそれぞれ形成され、複数の用紙42を表側の面から裏側の面に貫通している。ステープル43は、塑性変形されることにより、このように形成される。ステープル43は、このように形成されることにより、複数の用紙42から抜け出ることが防止され、複数の用紙42がバラバラにならないように複数の用紙42を綴じている。
除去爪23は、板状に形成され、先端46に近付くにつれて幅が狭くなるように、先細に形成されている。除去爪23は、綴じ媒体41からステープル43を除去することに利用される。すなわち、除去爪23は、まず、複数の用紙42の表側の面に沿うように、かつ、ステープル43の表側部分44が沿う直線に除去爪23の長手方向47が垂直になるように、配置される。除去爪23は、さらに、先端46がステープル43の表側部分44の中央に向くように、かつ、先端46がステープル43の表側部分44と複数の用紙42の間の隙間に向けられるように、配置される。除去爪23は、さらに、長手方向47に平行に移動されることにより、複数の用紙42の表側の面とステープル43との間に先端46から挿入される。除去爪23は、ステープル長さ45に対応する挿入量48だけ複数の用紙42とステープル43との間に挿入された状態で、複数の用紙42から遠ざかるように移動することにより、綴じ媒体41からステープル43を適切に除去することができる。
図5は、他のステープル53で綴じられた綴じ媒体51と除去爪23とを示す平面図である。綴じ媒体51は、図5に示されているように、複数の用紙52がステープル53で綴じられている。ステープル53のうちの複数の用紙52の表側の面に沿う表側部分54の長さを示すステープル長さ55は、既述のステープル43のステープル長さ45より長い。除去爪23は、このようなステープル53を綴じ媒体51から除去するときも、既述のステープル43を綴じ媒体41から除去するときと同様にして、複数の用紙52の表側の面とステープル53との間に先端46から挿入される。除去爪23は、ステープル長さ45に対応する挿入量58だけ複数の用紙52とステープル53との間に挿入された状態で、複数の用紙52から遠ざかるように移動することにより、綴じ媒体51からステープル53を適切に除去することができる。このとき、挿入量58は、既述の挿入量48より大きい。
図6は、撮像部7の視野61を示す平面図である。撮像部7の視野61は、撮像部7により撮像される画像により写し出される領域を示している。撮像部7は、図6に示されているように、視野61の中央に回転軸29が配置されるように配置されている。撮像部7は、さらに、搬送部2により形成される搬送路を搬送される綴じ媒体の表側の面のうちの一部の画像を撮像するように、形成されている。詳細には、撮像部7は、ステープル検出部3により検出される綴じ領域より視野61が広くなるように、すなわち、綴じ媒体の表側の面のうちの綴じ領域の全部が視野61に含まれるように、形成されている。撮像部7は、さらに、綴じ媒体の表側の面の全体より視野61が小さくなるように、すなわち、綴じ媒体の表側の面の一部が視野61に含まれなくなるように、形成されている。
図7は、第1支持部21に対して第2支持部22が回転したときの撮像部7の視野62を示す平面図である。第2支持部22に対する視野62の相対位置は、撮像部7が第2支持部22に固定されていることにより、図7に示されているように、第2支持部22が回転した場合でも変化しないで、第2支持部22に対する視野61の相対位置に同じである。
図8は、撮像部7により撮影された画像63を示す平面図である。撮像部7により撮影された画像63は、図8に示されているように、搬送部2の搬送路を搬送された綴じ媒体の一部の像64が写し出されている。その綴じ媒体を綴じるステープルは、回転軸29に交差するように、配置されている。このため、画像63は、ステープルの像65が中央に写し出されている。
図9は、撮像部7により撮影された他の画像66を示す平面図である。画像66は、図9に示されているように、画像63と同様に、綴じ媒体の一部を撮像したものであり、綴じ媒体の一部の像64とステープルの像65が写し出されている。画像66は、画像63が撮像された後で第1支持部21に対して第2支持部22が回転した後に撮像されたものである。すなわち、画像66が撮像されたときの第1支持部21に対する第2支持部22の位置は、画像63が撮像されたときの第1支持部21に対する第2支持部22の位置と異なっている。画像63は、ステープルが回転軸29に交差するように配置されていることにより、ステープルの像65が中央に写し出されている。
ステープル除去部5は、ステープルが除去位置に配置されているときに、軸25に対して第1支持部21が移動することなく、そのステープルを綴じ媒体から除去するように形成されている。除去位置は、第2支持部22に対して固定されている位置であり、搬送部2により形成される搬送路のうちの回転軸29に交差する位置である。すなわち、ステープル除去部5は、ステープルが除去位置に配置されているときに、第1支持部21に対して第2支持部22が回転し、第2支持部22に対して除去爪23が移動することにより、そのステープルを綴じ媒体から除去することができる。
図10は、実施例1の綴じ部材除去装置1の動作を示すフローチャートである。綴じ部材除去装置1の制御部10は、ユーザの操作により起動されたときに、図10に示されているように、搬送部2を制御することにより、搬送部2のシュータに載置された複数の媒体から1つの媒体を搬送部2の搬送路に供給する。制御部10は、さらに、搬送部2を制御することにより、搬送路に供給された媒体をステープル検出部3に搬送する(ステップS101)。制御部10は、媒体がステープル検出部3に搬送されると、ステープル検出部3を制御することにより、媒体がステープルにより綴じられている綴じ媒体であるかどうかを検出する(ステップS102)。
制御部10は、媒体が綴じ媒体であると検出されたときに(ステップS102、Yes)、さらに、ステープル検出部3を制御することにより、綴じ媒体のうちのステープルが配置される綴じ領域を検出する。綴じ領域は、綴じ媒体の全体を示さないで、綴じ媒体のうちのステープルにより綴じられている一部を示している。すなわち、綴じ媒体は、綴じ領域に含まれない他の領域を有している。制御部10は、綴じ媒体が複数のステープルにより綴じられているときに、ステープル検出部3を制御することにより、複数の綴じ領域を検出する。制御部10は、綴じ領域が検出された後に、搬送部2を制御することにより、その検出された綴じ領域が除去領域に配置されるように、搬送部2の搬送路に沿って綴じ媒体を搬送する(ステップS103)。除去領域は、搬送部2により形成される搬送路の一部であり、ステープル除去部5の近傍に配置されている。ステープル除去部5は、除去領域に配置されるステープルを除去することができるように、形成されている。制御部10は、綴じ領域が除去領域に配置された後に、さらに、除去駆動部6の併進駆動装置31を制御することにより、綴じ領域が撮像部7の視野に入るように、第2支持部22を左右方向26に移動させる。
制御部10は、綴じ領域が撮像部7の視野に入った後に、撮像部7を制御することにより、綴じ媒体のうちの綴じ領域が写る画像を撮像し、その画像を記憶装置12に記録する(ステップS104)。制御部10は、綴じ媒体の綴じ領域の画像が撮像された後に、ステップS104で撮像された画像を画像処理することにより、綴じ位置と綴じ角度とステープル長さとを算出する(ステップS105)。制御部10は、さらに、ステップS104で撮像された画像を画像処理することにより、ステープル除去部5により綴じ媒体からステープルが除去されることができるかどうかを判定する(ステップS106)。
制御部10は、ステープルが綴じ媒体から除去可能であると判定されたときに(ステップS106、可能)、搬送部2を制御することにより、除去位置にステープルが配置され得るように、綴じ媒体を搬送方向28に平行に移動させる(ステップS107)。制御部10は、さらに、除去駆動部6の併進駆動装置31を制御することにより、除去位置にステープルが配置されるように、第1支持部21を左右方向26に平行に移動させる(ステップS108)。制御部10は、さらに、除去駆動部6の回転駆動装置32を制御することにより、除去爪23の長手方向47がステープルと直角になるように、回転軸29を中心に第2支持部22を回転させる(ステップS109)。制御部10は、第2支持部22を移動させた後に、撮像部7を制御することにより、綴じ媒体のうちの綴じ領域に配置されている部分が写る画像を再度撮像する(ステップS110)。
制御部10は、綴じ媒体の一部の画像が撮像された後に、ステープル除去部5を制御することにより、綴じ媒体からステープルを除去する(ステップS111)。制御部10は、綴じ媒体からステープルが除去された後に、撮像部7を制御することにより、綴じ媒体のうちの綴じ領域が写る画像を撮像し、ステープルが適切に除去されたかどうかをその画像に基づいて判定する(ステップS112)。
制御部10は、ステープルの除去の成否が判定された後に、または、ステープルが綴じ媒体から除去されることができないと判定されたときに(ステップS106、不可能)、搬送部2を制御することにより、綴じ媒体をオフセット部8に搬送する。制御部10は、綴じ媒体がオフセット部8に搬送されると、オフセット部8を制御することにより、ステープルの除去に成功した綴じ媒体を横方向にずらさないで搬送部2のスタッカの載置面に載置する。制御部10は、オフセット部8を制御することにより、ステープルの除去に失敗した綴じ媒体を横方向にずらして搬送部2のスタッカの載置面に載置する。制御部10は、オフセット部8を制御することにより、ステープルが除去されなかった綴じ媒体を横方向にずらして搬送部2のスタッカの載置面に載置する(ステップS113)。
制御部10は、搬送部2のシュータに載置されている媒体がなくなるまで、ステップS101〜ステップS113の処理を繰り返し実行する。
図11は、綴じ位置と綴じ角度とステープル長さとを検出する動作を示すフローチャートである。図11は、図10のフローチャートのステップS105の処理を示している。制御部10は、ステップS105の処理が実行されると、図11に示されているように、まず、撮像部7により撮像された画像をグレー処理することにより、その画像から変換されたグレースケールの画像を生成する(ステップS11)。制御部10は、ステップS11で生成されたグレースケールの画像をエッジ検出することにより、そのグレースケールの画像で不連続に変化している箇所が特定された画像を生成する(ステップS12)。制御部10は、ステップS12で生成された画像をノイズ除去することにより、ステープルの綴じ位置と綴じ角度とステープル長さとを検出することに不要である箇所が除去された画像を生成する(ステップS13)。
制御部10は、ステップS13で生成された画像をラベリング処理することにより、その画像に写し出される複数の図形を特定する(ステップS14)。制御部10は、ステップS14で特定された複数の図形から面積が所定の値以上である図形を選択する(ステップS15)。制御部10は、ステップS15で選択された図形を線分検出処理することにより、所定の長さ以上の線分を含む図形を抽出する(ステップS16)。
制御部10は、所定の長さ以上の線分を含む図形が抽出されたときに(ステップS17、Yes)、その図形がステープルを写し出していると判定し、原稿にステープルがあると判定する(ステップS18)。制御部10は、所定の長さ以上の線分を含む図形が抽出されないときに(ステップS17、No)、その図形がステープルを写し出していないと判定し、原稿にステープルがないと判定する。制御部10は、原稿にステープルがあると判定されたときに、その図形に基づいて綴じ角度を算出し(ステップS19)、その図形に基づいて綴じ位置を算出し(ステップS20)、ステープル長さを算出する(ステップS21)。綴じ位置は、綴じ媒体に対してステープルが配置されている位置を示している。綴じ角度は、綴じ媒体に対してステープルが向いている方向を示している。ステープル長さは、ステープルのうちの綴じ媒体の表側の面に沿っている表側部分の長さを示している。
このような画像処理によれば、制御部10は、ステープルの有無を適切に検出することができ、たとえば、ステープル検出部3によりパンチ孔がステープルとして誤検出された場合でも、そのパンチ孔をステープルではないと判定することができる。このような画像処理によれば、制御部10は、さらに、綴じ位置と綴じ角度とステープル長さとを適切に算出することができる。
図12は、綴じ媒体を搬送方向28に移動させる動作を示すフローチャートである。図12は、図10のフローチャートのステップS107の処理を示している。制御部10は、ステップS107が実行されると、図12に示されているように、撮像部7を制御することにより、綴じ媒体のうちの綴じ領域の画像を撮像する(ステップS31)。制御部10は、ステップS31で撮像された画像を画像処理することにより、綴じ媒体を搬送方向28に平行に移動しなくても綴じ位置が除去位置に配置され得るかどうかを判定する(ステップS32)。制御部10は、綴じ位置が除去位置に配置されないと判定されたときに(ステップS32、No)、搬送部2を制御することにより、綴じ位置が除去位置に配置され得るように綴じ媒体を搬送方向28に移動させる(ステップS33)。制御部10は、綴じ媒体が搬送方向28に移動した後に(ステップS33)、再度、撮像部7を制御することにより、綴じ媒体のうちの除去領域に配置されている部分の画像を撮像する(ステップS31)。制御部10は、綴じ位置が除去位置に配置され得ると判定されるまでステップS31〜ステップS33の処理を繰り返し実行する。制御部10は、綴じ位置が除去位置に配置され得ると判定されたときに(ステップS32、Yes)、次段の処理である既述の図10のフローのステップS108を実行する。
このような動作によれば、綴じ部材除去装置1は、綴じ媒体を適切に搬送させることができる。綴じ部材除去装置1は、動画像に基づいて搬送量の適否を逐次判定することにより、搬送部2に駆動誤差がある場合でも、綴じ媒体を適切な位置まで移動させることができる。
図13は、第2支持部22を回転させる動作を示すフローチャートである。図13は、図10のフローチャートのステップS109の処理を示している。制御部10は、ステップS109が実行されると、図13に示されているように、既述のステップS19で算出された綴じ角度に基づいて第2支持部22を回転する方向を決定する(ステップS41)。制御部10は、撮像部7を制御することにより、綴じ領域の動画像を撮像し、すなわち、所定のサンプリング時間ごとに綴じ領域の静止画像を撮像する(ステップS42)。制御部10は、綴じ領域の画像が撮像された後に、除去駆動部6の回転駆動装置32を制御することにより、ステップS41で決定された方向に第1支持部21に対して第2支持部22を回転させる(ステップS43)。
制御部10は、第2支持部22の回転が開始された後に撮像部7により撮像された画像に基づいて、ステープルの向きが除去爪23の長手方向47と直角であるかどうかを判定する(ステップS44)。制御部10は、ステープルの向きが除去爪23の長手方向47と直角ではないと判定されたときに(ステップS44、No)、除去駆動部6の回転駆動装置32を制御することにより、第2支持部22の回転を継続させる(ステップS45)。制御部10は、第2支持部22の回転が継続された後に、ステープルの向きが除去爪23の長手方向47と直角であると判定されるまでステップS44〜ステップS45の処理を繰り返し実行する。
制御部10は、ステープルの向きが除去爪23の長手方向47と直角であると判定されたときに(ステップS44、Yes)、除去駆動部6の回転駆動装置32を制御することにより、第2支持部22の回転を停止させる(ステップS46)。
制御部10は、第2支持部22の回転が停止した後に撮像部7により撮像された画像に基づいて、第2支持部22が配置される位置を再度調整する(ステップS47)。すなわち、制御部10は、既述のステップS107の処理と同様の処理を実行し、既述のステップS108の処理と同様の処理を実行する。
このような動作によれば、綴じ部材除去装置1は、第2支持部22を適切に回転させることができる。綴じ部材除去装置1は、動画像に基づいて回転量の適否を逐次判定することにより、回転駆動装置32に駆動誤差がある場合でも、第2支持部22を適切な角度まで回転させることができる。
図14は、ステープルを除去する動作を示すフローチャートである。図14は、図10のフローチャートのステップS111の処理を示している。制御部10は、ステップS111が実行されると、図14に示されているように、撮像部7を制御することにより、綴じ領域の動画像を撮像し、すなわち、所定のサンプリング時間ごとに綴じ領域の静止画像を撮像する(ステップS51)。制御部10は、綴じ領域の画像が撮像された後に、ステープル除去部5の除去爪アクチュエータ24を制御することにより、除去爪23の長手方向47に平行に除去爪23を移動させる(ステップS52)。除去爪23は、長手方向47に平行に移動することにより、綴じ媒体の複数の用紙とステープルとの間に挿入される。
制御部10は、複数の用紙とステープルとの間に除去爪23が挿入された後に撮像部7により撮像された画像に基づいて、除去爪23が適切な挿入量まで挿入されたかどうかを判定する(ステップS53)。制御部10は、除去爪23が適切な挿入量まで挿入されていないと判定されたときに(ステップS53、No)、除去爪アクチュエータ24を制御することにより、除去爪23の挿入を継続させる(ステップS54)。制御部10は、除去爪23が適切な挿入量まで挿入されていると判定されるまで、ステップS53〜ステップS54の処理を繰り返し実行する。
制御部10は、除去爪23が適切な挿入量まで挿入されていると判定されたときに(ステップS53、Yes)、除去爪アクチュエータ24を制御することにより、除去爪23の挿入を停止させる(ステップS55)。制御部10は、除去爪23の挿入が停止した後に、除去爪アクチュエータ24を制御することにより、除去爪23を綴じ媒体の用紙から遠ざける(ステップS56)。綴じ媒体のステープルは、除去爪23が複数の用紙から遠ざかることにより、綴じ媒体から除去される。
このような動作によれば、綴じ部材除去装置1は、複数の用紙とステープルとの間に除去爪23を適切な挿入量まで挿入することができ、ステープルを適切に除去することができる。綴じ部材除去装置1は、動画像に基づいて挿入量の適否を逐次判定することにより、除去爪アクチュエータ24に除去爪23を移動させる駆動誤差がある場合でも、除去爪23を適切な挿入量まで挿入することができ、ステープルを適切に除去することができる。
図15は、ステープル除去の成否を判定する動作を示すフローチャートである。図15は、図10のフローチャートのステップS112の処理を示している。制御部10は、ステップS112が実行されると、図15に示されているように、撮像部7を制御することにより、綴じ媒体のうちの綴じ領域の画像を撮像する(ステップS61)。制御部10は、ステップS61で撮像された画像と、既述の図10のフローのステップS110で撮像された画像とに基づいて差分画像を作成する(ステップS62)。
ステップS61で撮像された画像は、マトリクス状に配置されている複数の画素から形成され、その複数の画素の各々が着色されることにより、被写体の像を写し出している。ステップS110で撮像された画像も、ステップS110で撮像された画像と同様にして、マトリクス状に配置されている複数の画素から形成され、その複数の画素の各々が着色されることにより、被写体の像を写し出している。差分画像は、マトリクス状に配置されている複数の画素から形成されている。差分画像の複数の画素のうちのある位置に対応する画素は、ステップS110で撮像された画像を形成する複数の画素のうちのその位置に対応する画素の色とステップS61で撮像された画像を形成する複数の画素のうちのその位置に対応する画素の色との差を示している。
制御部10は、差分画像の複数の画素のうちの差が所定の閾値より大きい差分画素の個数を計数し、差分画素の個数が所定範囲に含まれているかどうかを判定する(ステップS63)。制御部10は、差分画素の個数が所定範囲に含まれているときに(ステップS63、Yes)、綴じ媒体からステープルが適切に除去されたと判定する(ステップS64)。制御部10は、差分画素の個数が所定範囲に含まれていないときに(ステップS63、No)、綴じ媒体からステープルが適切に除去されることが失敗したと判定する(ステップS65)。このような動作によれば、綴じ部材除去装置1は、ステープルの除去の成否を適切に判定することができる。
[実施例1の綴じ部材除去装置の効果]
実施例1の綴じ部材除去装置1は、ステープル除去部5と撮像部7と除去駆動部6と制御部10とを備えている。ステープル除去部5は、綴じ媒体を綴じる綴じ部材を綴じ媒体から除去する。撮像部7は、綴じ媒体のうちの一部である綴じ領域が写る画像を撮像する。すなわち、撮像部7は、綴じ媒体のうちの綴じ領域と異なる他の一部が画像に写らないように、綴じ媒体の綴じ領域の画像を撮像する。除去駆動部6は、ステープル除去部5を移動させる。制御部10は、綴じ部材が配置される綴じ位置に対応する所定の位置にステープル除去部5が配置されるように、画像に基づいて除去駆動部6を制御する。
このような綴じ部材除去装置1は、ステープル除去部5に対して適当な位置に綴じ部材が配置されていない場合でも、綴じ媒体の綴じ領域の画像に基づいてステープル除去部5を移動させることにより、綴じ媒体から綴じ部材を適切に除去することができる。綴じ部材除去装置1は、綴じ媒体の全体が画像に写らないように綴じ領域の画像を撮像部7が撮像することにより、綴じ媒体の全体を撮像する他の撮像部に比較して、撮像部7を小型化し、または、撮像部7を綴じ媒体の近傍に配置することができる。綴じ部材除去装置1は、撮像部7を小型化することにより、または、撮像部7を綴じ媒体の近傍に配置することにより、装置規模を小型化することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1の撮像部7は、ステープル除去部5に固定されている。このような綴じ部材除去装置1は、撮像部7がステープル除去部5に固定されていることにより、撮像部7がステープル除去部5とともに移動し、綴じ部材に対してステープル除去部5が配置される相対位置を画像から容易に算出することができる。
ところで、実施例1の綴じ部材除去装置1の撮像部7は、ステープル除去部5の第2支持部22に固定されているが、ステープル除去部5の第2支持部22に対して移動可能に支持されてもよい。たとえば、撮像部7は、ティルトまたはパンすることができるように、第2支持部22に支持される。綴じ部材除去装置1は、撮像部7がステープル除去部5にこのように支持される場合でも、撮像部7がステープル除去部5とともに移動することにより、綴じ部材に対してステープル除去部5が配置される相対位置を画像から容易に算出することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1は、綴じ媒体のうちの綴じ部材に綴じられている綴じ領域を検出するステープル検出部3と、綴じ媒体を搬送する搬送部2とをさらに備えている。このとき、制御部10は、撮像部7により綴じ媒体が撮像される前に綴じ領域が撮像部7の視野に配置されるように、搬送部2を制御する。このような綴じ部材除去装置1は、綴じ媒体の綴じ領域が撮像部7の視野に自動的に配置されることにより、ユーザが綴じ媒体を撮像部7の視野に配置する必要がなく、綴じ媒体から綴じ部材を容易に除去することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1の制御部10は、綴じ部材がステープル除去部5に対して所定の除去位置に配置されるように、撮像部7により撮像された画像に基づいて搬送部2を制御する。
このような綴じ部材除去装置1は、綴じ媒体の画像に基づいて綴じ媒体を搬送方向28に平行に移動させることにより、除去駆動部6がステープル除去部5を搬送方向28に移動させない場合でも、綴じ部材を適切な位置に配置することができる。除去駆動部6は、左右方向26に例示される1方向にステープル除去部5を移動させることにより、ステープル除去部5を平面的に併進させる他の除去駆動装置に比較して、簡便に小型に作製されることができる。綴じ部材除去装置1は、除去駆動部6が小型に作製されることにより、装置規模を小型化することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1のステープル除去部5は、第1支持部21と第2支持部22と除去爪23と除去爪アクチュエータ24とを備えている。第1支持部21は、綴じ部材除去装置1のフレームに固定される軸25対して除去駆動部6により移動される。第2支持部22は、綴じ媒体の法線方向に平行である回転軸29を中心に回転可能に第1支持部21に支持されている。第2支持部22は、除去駆動部6により第1支持部21に対して回転される。除去爪23は、移動可能に第2支持部22に支持されている。除去爪アクチュエータ24は、第2支持部22に対して除去爪23を移動させる。このとき、撮像部7は、第2支持部22に固定されている。
このような綴じ部材除去装置1は、撮像部7が第2支持部22に固定されていることにより、撮像部7が除去爪23とともに回転し、綴じ部材に対して除去爪23の挿入方向がどの程度ずれているかを画像から容易に算出することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1の制御部10は、第1支持部21に対して第2支持部22が回転した後に、綴じ部材が写る画像が撮像されるように、撮像部7を制御する。制御部10は、さらに、第1支持部21に対して第2支持部22が所定の角度に配置されるように、第2支持部22が回転した後に撮像された画像に基づいて除去駆動部6を制御する。
このような綴じ部材除去装置1は、第2支持部22が回転した後に撮像された画像に基づいて第2支持部22をさらに回転させることにより、除去爪23を適切な角度に向かせることができ、綴じ部材を適切に除去することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1の制御部10は、撮像部7により撮像された画像に基づいて算出された挿入量まで綴じ媒体と綴じ部材との間に除去爪23が挿入されるように、除去爪アクチュエータ24を制御する。
このような綴じ部材除去装置1は、画像に基づいて除去爪23を綴じ部材に挿入することにより、綴じ部材の大きさに対応する挿入量まで除去爪23を綴じ部材に挿入することができ、大きさが異なる綴じ部材を綴じ媒体から綴じ部材を適切に除去することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1の制御部10は、除去爪23が綴じ媒体と綴じ部材との間に挿入された後に綴じ媒体が写る画像が撮像されるように、撮像部7を制御する。制御部10は、除去爪23が挿入された後に撮像された画像に基づいて算出された他の挿入量まで除去爪23が綴じ媒体と綴じ部材との間に挿入されるように、除去爪アクチュエータ24を制御する。
このような綴じ部材除去装置1は、撮影しながら除去爪23が挿入される挿入量を微調整することにより、除去爪23を移動させる駆動誤差がある場合でも、除去爪23を適切に挿入することができ、綴じ媒体から綴じ部材を適切に除去することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1の制御部10は、ステープル除去部5により綴じ部材が綴じ媒体から除去された後に、綴じ媒体が写る除去後画像が撮像されるように、撮像部7を制御する。
このような綴じ部材除去装置1は、綴じ部材が除去された綴じ媒体の画像を撮像することにより、除去の前後の綴じ媒体の綴じ領域の状態を比較することができ、綴じ媒体から綴じ部材が適切に除去されたかどうかを判別することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1は、オフセット部8をさらに備えている。オフセット部8は、搬送部2によりステープル検出部3からステープル除去部5に搬送された複数の綴じ媒体を、複数種に仕分けて搬送部2のスタッカに保持させる。このとき、制御部10は、綴じ部材の除去の前に撮像された画像と綴じ部材の除去の後に撮像された画像とに基づいて綴じ部材の除去の成否を判別する。制御部10は、綴じ部材の除去が成功であると判別された綴じ媒体と、綴じ部材の除去が失敗であると判別された綴じ媒体とが、異なる種に仕分けられて搬送部2のスタッカに保持されるように、オフセット部8を制御する。
このような綴じ部材除去装置1は、綴じ部材の除去に成功したものと失敗したものとに複数の綴じ部材を仕分けて搬送部2のスタッカに保持させることにより、失敗した綴じ媒体からユーザが綴じ部材を除去する作業を容易にすることができる。綴じ部材除去装置1は、綴じ部材の除去に成功したものと失敗したものとに複数の綴じ部材を仕分けてスタッカに保持させることにより、綴じ部材の除去に失敗する度に停止しないで、複数の綴じ媒体から綴じ部材を高速に除去することができる。
ところで、実施例1の綴じ部材除去装置1のオフセット部8は、搬送部2のスタッカの載置面に載置される媒体を横方向にずらすことにより、媒体を仕分けているが、他の方法で媒体を仕分けてもよい。たとえば、オフセット部8は、ステープル除去が失敗した綴じ媒体に付箋を貼る他の仕分部に置換されることができる。綴じ部材除去装置1は、このような仕分部を備えた場合でも、失敗した綴じ媒体からユーザが綴じ部材を除去する作業を容易にすることができる。実施例1の綴じ部材除去装置1は、オフセット部8を省略してもよい。綴じ部材除去装置1は、オフセット部8が省略された場合でも、撮像部7を小型化することにより、または、撮像部7を綴じ媒体の近傍に配置することにより、装置規模を小型化することができる。
また、実施例1の綴じ部材除去装置1の制御部10は、撮像部7により撮像された画像に基づいて前記綴じ部材の除去の可否を判別する。このとき、制御部10は、前記綴じ部材の除去が可能であると判別された綴じ媒体から前記綴じ部材を除去するように、前記ステープル除去部5を制御する。制御部10は、記綴じ部材の除去が不可能であると判別された綴じ媒体から前記綴じ部材を除去しないように、前記ステープル除去部5を制御する。このような綴じ部材除去装置1は、綴じ部材の除去が不可能であると判別されたときに綴じ部材を除去しないことにより、故障等の不具合を回避することができる。
ところで、実施例1の綴じ部材除去装置1は、第2支持部22が回転した後に撮像された画像に基づいて第2支持部22をさらに回転させているが、第2支持部22の回転の途中に画像の撮像を省略してもよい。図16は、第2支持部22を回転させる動作(ステップS109)の変形例を示すフローチャートである。制御部10は、既述のステップS109が実行されると、図16に示されているように、既述のステップS19で算出された綴じ角度に基づいて第2支持部22を回転する方向と回転量とを決定する(ステップS71)。
制御部10は、除去駆動部6の回転駆動装置32を制御することにより、ステップS71で決定された方向に第1支持部21に対して第2支持部22を回転させる(ステップS72)。制御部10は、除去駆動部6の回転駆動装置32を制御することにより、ステップS71で決定された回転量まで第2支持部22が回転した後に、第2支持部22の回転を停止する(ステップS73)。
制御部10は、第2支持部22の回転が停止した後に撮像部7により撮像された画像に基づいて、第2支持部22が配置される位置を再度調整する(ステップS74)。すなわち、制御部10は、既述のステップS107の処理と同様の処理を実行し、既述のステップS108の処理と同様の処理を実行する。
綴じ部材除去装置1は、このような動作によれば、第2支持部22の回転の途中に画像の撮像を省略した場合でも、第2支持部22を適切に回転させることができ、綴じ媒体からステープルを適切に除去することができる。
ところで、実施例1の綴じ部材除去装置1は、除去爪23が綴じ媒体とステープルとの間に挿入された後に撮像された画像に基づいて除去爪23をさらに挿入させているが、除去爪23の挿入の途中に画像の撮像を省略してもよい。たとえば、制御部10の記憶装置12は、挿入量テーブルが予め記録されている。図17は、挿入量テーブル71を示す図である。挿入量テーブル71は、図17に示されているように、複数のステープル長さ72を複数の除去爪挿入量73に対応付けている。すなわち、複数のステープル長さ72のうちの任意の要素は、複数の除去爪挿入量73のうちの1つの要素に対応している。複数のステープル長さ72の各要素は、長さを示している。複数の除去爪挿入量73の各要素は、挿入量を示している。
図18は、ステープルを除去する動作(ステップS111)の変形例を示すフローチャートである。制御部10は、既述のステップS111が実行されると、図18に示されているように、挿入量テーブル71を参照して、ステップS21で算出されたステープル長さを示す要素を複数のステープル長さ72から抜き出す。制御部10は、その抜き出された要素に対応する要素を複数の除去爪挿入量73から抜き出すことにより挿入量を決定する(ステップS81)。すなわち、その挿入量は、複数のステープル長さ72から抜き出された要素が示す挿入量に等しい。
制御部10は、除去爪アクチュエータ24を制御することにより、その決定された挿入量まで除去爪23を綴じ媒体の複数の用紙とステープルとの間に挿入する(ステップS82)。制御部10は、その決定された挿入量まで除去爪23が挿入された後に、除去爪アクチュエータ24を制御することにより、除去爪23を綴じ媒体の用紙から遠ざける(ステップS83)。綴じ媒体のステープルは、除去爪23が複数の用紙から遠ざかることにより、綴じ媒体から除去される。
綴じ部材除去装置1は、このような動作によれば、除去爪23の挿入の途中に画像の撮像を省略した場合でも、除去爪23を適切な挿入量まで挿入することができ、ステープルを適切に除去することができる。
ところで、実施例1の綴じ部材除去装置1は、ステープルの除去の前後に撮像された綴じ領域の画像を比較することによりステープルの除去の成否を判定しているが、他の方法でステープルの除去の成否を判定してもよい。図19は、ステープル除去の成否を判定する動作(ステップS112)の変形例を示すフローチャートである。制御部10は、既述のステップS112が実行されると、図19に示されているように、まず、撮像部7を制御することにより、綴じ媒体のうちの綴じ領域の画像を撮像する(ステップS91)。制御部10は、ステップS91で撮像された画像を画像処理することにより、綴じ領域にステープルの有無を判定する(ステップS92)。このような画像処理としては、既述の図11のフローのステップS11〜ステップS18の処理が例示される。制御部10は、綴じ領域にステープルがないときに綴じ媒体からステープルが除去されることが成功したと判定し、綴じ領域にステープルがあるときに綴じ媒体からステープルが除去されることが失敗したと判定する。
綴じ部材除去装置1は、このような動作によれば、既述のステップS110で撮像された画像を用いることなく、ステープルの除去の成否を適切に判定することができ、ステップS110の処理を省略することができる。