JP6616060B2 - 貼付装置及び貼付方法 - Google Patents

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Description

本発明の一形態は、貼付装置及び貼付方法に関する。
従来、例えば特許文献1に示すように、所定の物品(特許文献1では車両のボンネット)の表面にフィルムを貼り付ける場合があった。ここで、近年、幅が広くあらゆる形状を有する物品(例えば車両の屋根等)の表面にフィルムを貼り付けることが要請されている。このようなフィルムの貼り付け作業は、先端にゴム板を装着したスキージ型の道具等を用いて手作業で行われることが一般的である。
特開平6−238753号公報
しかしながら、被貼付面の形状が平面ではなく曲面等であった場合に上述の方法にてフィルムの貼り付けを行った場合、作業に時間がかかってしまうと共に、貼付後のフィルムに筋等が残ってしまう場合や、スキージの跡が残ってしまう可能性があった。従って、被貼付面に対するフィルムの貼り付けを迅速に行うと共に、仕上がりの品質を向上させることが要請されていた。
本発明の一形態に係る貼付装置は、被貼付面を有する基材に対し、基材の延在方向である第1の方向に沿ってフィルムを貼り付ける貼付装置であって、フィルムを押圧することにより、フィルムを、基材における第1の方向の一端から他端に向かって貼り付ける貼付部を有する貼付機構と、フィルムにおける他端側の端部を把持し、第1の方向に直交すると共に被貼付面とフィルムとが対向する方向である第2の方向に駆動可能なフィルム把持部と、を備え、貼付部は、基材に対して第1及び第2の方向において相対的に移動することにより、フィルムを押圧する。
このような形態によれば、貼付機構が、基材における第1の方向の一端から他端に向かって貼り付ける貼付部を有している。また、貼付部は、フィルムがフィルム把持部で把持された状態で、基材に対して第1及び第2の方向において相対的に移動することにより、フィルムを押圧する。これによって、貼付部によって第1の方向に沿って基材に対してフィルムが押圧されることで、フィルムが基材の被貼付面に貼り付けられる。このように、貼付機構を用いて迅速にフィルムの貼り付けを行うことができる。また、フィルム把持部は、第1の方向に直交すると共に被貼付面とフィルムとが対向する方向である第2の方向に駆動可能である。従って、基材に対する貼付部の位置に応じて、フィルム把持部の第2の方向における位置を調整することで、基材に対するフィルムの未貼り付け部分の角度を所定の範囲内に保つことができる。これによって、貼り付け後のフィルムにしわ等が生じることを抑制できる。以上によって、被貼付面に対するフィルムの貼り付けを迅速に行うと共に、仕上がりの品質を向上させることができる。
別の形態に係る貼付装置において、貼付部は、第1及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って複数の分割部に分割されていてよい。
別の形態に係る貼付装置において、貼付機構は、複数の分割部を、それぞれ独立して、第1及び第2の方向の少なくとも一方に駆動させることが可能であってよい。
別の形態に係る貼付装置において、貼付機構は、基材に対する貼付部の角度を調整可能な調整機構を有してよい。
別の形態に係る貼付装置において、フィルムの張力を調整可能な張力調整部を更に備えてよい。
別の形態に係る貼付装置において、張力調整部は、フィルム把持部に搭載されていてよい。
別の形態に係る貼付装置において、基材の一端及び他端と連続するように設けられた拡張部を更に備えてよい。
別の形態に係る貼付装置において、貼付部は、第2の方向から見て、基材の一端から他端に向かって凸となるよう、湾曲形状に形成されていてよい。
別の形態に係る貼付装置において、貼付部の第1及び第2の方向に直交する方向である第3の方向における長さは、基材の第3の方向における長さよりも長くてよい。
別の形態に係る貼付装置において、貼付部は、フィルムを押圧している状態において、基材に対する第1の方向の相対的な移動速度が可変であってよい。
本発明の一形態に係る物品は、上述の貼付装置を用いてフィルムが貼り付けられている。
本発明の一形態に係る物品は、貼付面を有する基材に対し、基材の延在方向である第1の方向に沿ってフィルムを貼り付ける貼付方法であって、フィルムを、貼付部で押圧することにより基材における第1の方向の一端から他端に向かって貼り付ける工程と、フィルムにおける他端側の端部を把持し、他端側の端部を、第1の方向に直交すると共に被貼付面とフィルムとが対向する方向である第2の方向に移動させる工程と、を含み、フィルムを基材に貼り付ける工程では、貼付部を、基材に対して第1及び第2の方向に相対的に移動させることにより、フィルムを押圧してよい。
このような形態によれば、上述の貼付装置と同様な作用・効果を得ることができる。
本発明の一側面によれば、被貼付面に対するフィルムの貼り付けを迅速に行うと共に、仕上がりの品質を向上させることができる。
図1は、第1実施形態に係る貼付装置の正面図である。 図2は、第1実施形態に係る貼付装置の側面図である。 図3は、第1実施形態に係る貼付装置の平面図である。 図4は、貼付機構とフィルム把持部との連動を模式的に示した図である。 図5は、貼付部によるフィルムの貼り付けを模式的に示した図である。 図6は、第2実施形態に係る貼付機構の概略図である。 図7は、第2実施形態に係る貼付機構の概略図である。 図8は、第2実施形態に係る貼付機構を説明するための図である。 図9は、第3実施形態に係る貼付部の概略図である。 図10は、変形例に係る貼付装置の概略図である。の寸法関係を示す図及び表である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、第1実施形態に係る貼付装置1の構成について説明する。貼付装置1は、被貼付面BSを有する基材Bに対してフィルムFを貼り付ける貼付装置である。被貼付面BSを有する基材Bとは、フィルムFが貼付けられる面を有した基材であれば特に限定されないが、例えば車両の屋根部分(ルーフパネル)である。その他、飛行機、船舶、建築物の部材等、あらゆる物品をフィルムFを貼り付ける対象物として採用してよい。なお、本実施形態では、基材Bとして、上方へ凸となるように湾曲した被貼付面BSを有し、長さ方向における横断面形状が一定であるものを採用した(図5(c)を参照)。フィルムFとは、薄い膜状のものであれば特に限定されないが、例えば合成樹脂等の高分子成分を薄い膜状に成型したものである。
まず、貼付装置1の躯体構成50について説明する。図1〜図3に示すように、貼付装置1は、躯体構成50として、土台部51と、土台部51の上端において略水平に設けられた矩形状の平板部52と、平板部52の四隅から上方に延びる4本の柱部53と、隣り合う柱部53の上端間に架け渡された4本の梁部54と、を備えている。躯体構成50の各構成は、例えばアルミフレームにより構成されている。土台部51は、キャスター51aにより移動可能とされている。平板部52上には、基材Bを載置する矩形状のテーブル41が設けられている。平板部52及びテーブル41の長手方向及び短手方向は一致している。以下、平板部52及びテーブル41の長手方向をX軸方向、短手方向をY軸方向として説明する場合がある。また、X軸方向及びY軸方向と直交する方向であって柱部53が延びる方向をZ軸方向として説明する場合がある。
貼付装置1は、フィルムFを押圧することによりフィルムFを基材Bに貼り付ける貼付機構10と、フィルムFを把持するフィルム把持部30と、フィルムFの張力を調整可能な張力調整部40と、を備えている。これらの貼付機構10及びフィルム把持部30は、上述の躯体構成50中に組み込まれている。なお、図1においては、貼付機構10及びフィルム把持部30の詳細を明確に示すために、紙面手前側に配置される一部の部材(後述のシャフト部17等)を省略して示している。
貼付機構10は、フィルムFを押圧することにより、フィルムFを基材Bにおける第1の方向の一端BE1から他端BE2に向かって貼り付ける貼付部11を有する。第1の方向とは、テーブル41に基材Bが載置された状態における基材Bの延在方向であって、上述したX軸方向である。以下では、基材Bがテーブル41に載置されていることを前提として説明する。
貼付機構10は、上述の貼付部11と、第2の方向における貼付部11によるフィルムFの押圧位置を決定する位置決め機構12と、貼付部11をX軸方向に駆動させる駆動機構13と、貼付部11を支持する支持機構14と、を有している。第2の方向とは、X軸方向に直交すると共に被貼付面BSとフィルムFとが対向する方向であり、上述したZ軸方向である。貼付機構10は、基材Bに対して、X軸方向及びZ軸方向において相対的に移動することによって、フィルムFを押圧する。具体的には、位置決め機構12が貼付部11をZ軸方向に駆動させるとともに、駆動機構13が貼付部11をX軸方向に駆動させることによって、貼付部11により基材Bに対してフィルムFが押圧される。
貼付部11は、フィルムFを押圧することにより、フィルムFを基材Bの被貼付面BSに貼り付ける。フィルムFを押圧するとは、貼付部11と被貼付面BSとの間にフィルムFが挟まれた状態において、貼付部11がフィルムFを被貼付面BSに押し当てることをいう。貼付部11は、支持機構14によってフィルムF及び基材Bよりも上方で支持されており(詳細は後述)、フィルムF及び基材Bよりも上方から、フィルムFを押圧する。貼付部11は、先端11Xがスキージ型の形状とされており、先端11XでフィルムFを押圧する。先端11Xには、クッション材として例えばゴムブレード(図示せず)が設けられる。なお、貼付部11の先端11Xの形状はスキージ型に限定されず、例えばローラ型であってもよい。貼付部11は、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向である第3の方向における長さが、基材Bの第3の方向における長さよりも長い。第3の方向とは、基材B及び貼付部11の幅方向であり、上述したY軸方向である。すなわち、貼付部11の幅方向の長さは、基材Bの幅方向の長さよりも長い。
貼付部11は、Y軸方向に沿って複数の分割部11a,11b,11cに分割されている。貼付部11は、分割部11aの両脇に分割部11b,11cが配置されており、分割部11aと分割部11b、及び、分割部11aと分割部11cは、それぞれ連結具(連結金具)15により連結されている。本実施形態では、X軸方向から見て、基材B(被貼付面BS)が湾曲形状とされており、Y軸方向における基材Bの中央部分ほど、Z軸方向(且つ上方向)に凸形状とされている。貼付部11は、先端11Xが基材B(被貼付面BS)の湾曲形状に応じた形状とされている。すなわち、貼付部11は、X軸方向から見て、Y軸方向における先端11Xの中央部分ほど、Z軸方向(且つ上方向)に凹形状とされている。また、貼付部11は、Z軸方向から見て、基材Bの一端BE1から他端BE2に向かって凸形状となるように、湾曲形状に形成されている。連結具15は可動式の連結具であり、分割部11a,11b,11c及びガイドシャフト24の配置に応じて回動する連結具である。また連結具15は、分割部11a,11b,11cの間に過度な隙間が生じないよう分割部11a,11b,11cの相対的な位置を調整するように機能してもよい。例えば、基材Bの被貼付面BSが大きく湾曲したものであり、Y軸方向における中央部分における突出量が大きい場合、分割部11b,11cが内側に絞られた状態で、連結具15により分割部11b,11cと分割部11aとが連結される。分割部11a,11b,11cは、駆動部12bの駆動力によって、それぞれ独立してZ軸方向へ駆動可能である。なお、駆動部を追加することによって、分割部11a,11b,11cが、それぞれ独立してX軸方向へ駆動可能であってもよい。これによって、Z軸方向から見たときの貼付部11の湾曲形状を基材Bに合わせて調整することができる。このとき、連結具15は、Z軸方向から見たときの分割部11a,11b,11c同士の連結角度を変更可能である。なお、連結具15は必ずしも設けられていなくてもよい。すなわち、分割部11a,11b,11cが互いに連結されたものでなくてもよい。
支持機構14は、基材Bの上方から貼付部11を支持するための機構である。また、支持機構14は、貼付部11のX軸方向への駆動をガイドするガイド機構としても機能する。支持機構14は、X軸方向に延びる一対の梁部54の両端部において該一対の梁部54間に架け渡されるように設けられた一対の取付板16と、一対の取付板16間に架け渡されるように設けられたX軸方向に延びる一対のシャフト部17(なお、図2では、一対のシャフト部17のうち、Y軸正側のシャフト部17のみ示している)と、一対のシャフト部17それぞれの両端を取付板16に固定するシャフトホルダ18(なお、図2では、シャフトホルダ18のうち、Y軸負側のシャフトホルダ18のみ示している)と、一対のシャフト部17間においてX軸方向に延びて一対の取付板16に固定された駆動機構取付板19と、一対のシャフト部17それぞれに設けられた一対のリニアベアリング(リニアブッシュ)20と、一対のリニアベアリング20の上面及び駆動機構取付板19に取り付けられるスライダ13b(詳細は後述)に固定されたスライド板21と、スライド板21をZ軸方向に貫通するとともにスライド板21に固定されたガイドシャフト22と、ガイドシャフト22の下端に固定された支持用の箱体23と、を有している。
箱体23は、略水平に設けられZ軸方向で対向する上壁部23a及び下壁部23bと、略垂直に設けられ上壁部23a及び下壁部23bを連結する連結壁部23cとを含んで構成されている。上壁部23aの上面にはZ軸方向下方に推力を与える位置決め機構12の駆動部12a(詳細は後述)が固定されている。ガイドシャフト22は、駆動部12aが上壁部23aをZ軸下方に駆動させることに伴って、Z軸方向に伸縮可能とされている。また、上壁部23aの下面にはZ軸方向下方に推力を与える駆動部12b(詳細は後述)が固定されており、該駆動部12bの下端にガイドシャフト24が固定され、該ガイドシャフト24の下端に貼付部11が固定されている。シャフト部17は例えばアルミ製の円筒軸状部材である。リニアベアリング20は、シャフト部17と組み合わせて使用されるガイド部材であり、スライダ13bの駆動に伴い、シャフト部17の周上を少ない摩擦抵抗でX軸方向に直線運動する。リニアベアリング20は、スライダ13bに固定されたスライド板21のX軸方向の駆動をガイドする。
位置決め機構12は、貼付部11によるフィルムFのZ軸方向における押圧位置を決定する。位置決め機構12は、駆動部12a,12bにより構成されている。駆動部12a,12bとしてエアリンダが採用されており、当該エアシリンダは、空気圧によって貼付部11をZ軸下方に駆動させる。駆動部12a,12bに与えられる空気圧は、基材Bの形状に応じて予め設定されている。駆動部12aは、上端がスライド板21に固定されるとともに下端が上壁部23aの上面に固定されている。駆動部12aは、空気圧によって箱体23をZ軸下方に駆動させることにより、駆動部12b及びガイドシャフト24を介して貼付部11をZ軸下方に駆動させる。すなわち、駆動部12aは、箱体23をZ軸下方に駆動させることにより、貼付部11のZ軸方向における大まかな押圧位置を決定する。駆動部12aは、例えばY軸方向に並んで2つ設けられている。
駆動部12bは、空気圧によってガイドシャフト24をZ軸下方に駆動させることにより、ガイドシャフト24の下端に固定された貼付部11をZ軸下方に駆動させる。駆動部12bは、例えばY軸方向に並んで7つ設けられている。Y軸方向中央に位置する3つの駆動部12bはガイドシャフト24を介して貼付部11の分割部11aに固定されている。また、Y軸方向一端側に位置する2つの駆動部12bはガイドシャフト24を介して分割部11bに固定されており、Y軸方向他端側に位置する2つの駆動部12bはガイドシャフト24を介して分割部11cに固定されている。このため、駆動部12bは分割部11a,11b,11cをそれぞれ独立してZ軸下方に駆動させることが可能であるが、各駆動部12bが、それぞれ同じ推力で分割部11a,11b,11cをZ軸下方に駆動させてもよい。駆動部12bが分割部11a,11b,11cをそれぞれ独立してZ軸下方に駆動させる場合には、連結具15が設けられていなくてもよいし、または、分割部11a,11b,11cの独立した動作を阻害しないように連結具15自体にアクチュエータが内蔵されていてもよい。駆動部12bは、駆動部12aによって貼付部11のZ軸方向における大まかな押圧位置が決定された後に、各分割部11a,11b,11cをZ軸下方に駆動させることにより貼付部11のZ軸方向における詳細な押圧位置を決定する。駆動部12bによる位置決め後の貼付部11のZ軸方向の位置は、フィルムFを基材Bの被貼付面BSに押圧可能な位置である。
駆動機構13は、支持機構14であるスライド板21をX軸方向に駆動させることにより、支持機構14に支持された貼付部11をX軸方向に駆動させる。駆動機構13は例えば単軸ロボットを採用した駆動機構によって構成される。以下では、駆動機構13が単軸ロボットであるものとして説明する。駆動機構13は、駆動機構取付板19上に固定されたX軸方向に延びるベース部13aと、モータによってベース部13a内をX軸方向に駆動するスライダ13bとを有している。スライダ13bは、その上面においてスライド板21を固定している。駆動機構13は、専用のコントローラ(図示せず)により制御される。コントローラには、例えば、スライダ13bを駆動させる際のスライダ13bの駆動速度及び駆動距離が予め設定されている。なお、コントローラに予め設定された移動速度(駆動速度)は、貼付部11がフィルムFを押圧している状態において可変である。
ここで、テーブル41には基材Bに加えて拡張部60が設けられている。拡張部60は、X軸方向において基材Bの一端BE1に連続して設けられた第一拡張部60aと、基材Bの他端BE2に連続して設けられた第二拡張部60bとを有している。第一拡張部60a及び第二拡張部60bの上面は、基材Bの被貼付面BSと面一とされている。駆動機構13は、貼付部11をX軸方向に駆動させるに際し、駆動の始点を第一拡張部60aが設けられた位置とするとともに、駆動の終点を第二拡張部60bが設けられた位置とする。なお、図1〜図3には図示していないが、フィルムFは、第一拡張部60aよりもX軸方向外側(X軸方向において基材Bが設けられた側と反対側)であって基材Bの被貼付面BSとZ軸方向の位置が略一致する位置において、フィルム把持部30に把持された側と反対側の端部が把持されているものとする。
フィルム把持部30は、X軸方向における他端BE2側のフィルムFの端部FEを把持するとともに、Z軸方向に駆動する。フィルム把持部30は、端部FEを把持する把持部材31a,31b,31cが設けられたY軸方向に延びる把持板31と、X軸方向における他端BE2側で隣り合う柱部53の上端間及び下端間で架け渡された一対の取付板32と、一対の取付板32間に架け渡されるように設けられたZ軸方向に延びる一対のシャフト部33(図3(b)ではY軸正側のシャフト部33のみ示している)と、一対のシャフト部33それぞれの両端を取付板32に固定するシャフトホルダ34(図3(b)ではY軸負側のシャフトホルダ34のみ示している)と、一対のシャフト部33間においてZ軸方向に延びて一対の取付板32に固定された駆動機構取付板35と、駆動機構取付板35に固定されたZ軸方向に延びる駆動機構36と、一対のシャフト部33それぞれに設けられた一対のリニアベアリング(リニアブッシュ)37と、一対のリニアベアリング37及び駆動機構36のスライダ36bに固定されたスライド板38と、を有している。把持部材31aは把持板31におけるY軸方向中央部分に設けられており、把持部材31b,31cは、把持板31におけるY軸方向両端部分に設けられている。
駆動機構36は、上述した駆動機構13同様、例えば単軸ロボットを用いた駆動機構によって構成される。駆動機構36は、駆動機構取付板35に固定されたZ軸方向に延びるベース部36aと、モータによってベース部36a内をZ軸方向に駆動するスライダ36bとを有している。スライダ36bはスライド板38、ガイドシャフト39、及び連結板44を介して把持板31と固定されている。よって、把持板31は、スライダ36bのZ軸方向への駆動に伴ってZ軸方向に駆動する。駆動機構36は、専用のコントローラ(図示せず)により制御される。コントローラには、例えば、スライダ36bを駆動させる際のスライダ36bの駆動速度及び駆動距離が予め設定されている。スライダ36bのZ軸方向の駆動速度及び駆動距離は、駆動機構13のコントローラに設定されたスライダ13bのX軸方向の駆動速度及び駆動距離に応じて決まる。図4に示されるように、本実施形態では、貼付部11によるフィルムFの押圧時において、常に、X軸方向(被貼付面BSの延在方向)と押圧前のフィルムFとがなす角度を略一定角度(角度P)とする。そのために、スライダ36bの駆動速度及び駆動距離は、スライダ13bの駆動速度及び駆動距離に応じた値とする必要がある。スライダ13b,36bの駆動速度及び駆動距離は、駆動機構13,36のコントローラにおいて予め対応づけられた値が設定されていてもよい。また、例えば、駆動機構13,36のコントローラ間において、貼付部11による押圧時に、リアルタイムに位置、速度、フィルムに対する押圧力などに関する情報の信号の送受信がなされることで、双方の駆動速度及び駆動距離を調整するものであってもよい。
張力調整部40は、フィルム把持部30に搭載されている。具体的には、張力調整部40は、把持部材31a,31b,31cをX軸方向へ駆動させる駆動部43と、スライド板38をX軸方向に貫通するとともにスライド板38に固定されたガイドシャフト39と、把持板31及びガイドシャフト39を連結する連結板44と、を備えている。駆動部43として、例えばエアシリンダが採用されており、空気圧を制御することによって張力を調整することができる。張力調整部40は、把持板31を介して把持部材31a,31b,31cをX軸方向へ駆動させることができる。なお、張力調整部は、エアシリンダ等の駆動部を用いることに代えて、ロール状の巻取り装置を設け、フィルムの繰出し長さを調整する構造であってもよい。
次に、本実施形態に係る貼付装置1を用いたフィルムFの貼付方法について説明する。貼付装置1を動作させる前の準備段階において、テーブル41に基材Bをセットするとともに、フィルムFの一方の端部FEをフィルム把持部30の把持部材31a,31b,31cに把持させ、フィルムFの他方の端部を備えつけの把持部材(図示せず)に把持させた状態にしておく。また、張力調整部40によってフィルムFにフィルム貼付に際し適切なテンションを与える。そして、貼付部11のX軸方向における位置が、貼付部11の駆動の始点である第一拡張部60aが設けられた位置となるように、貼付機構10をセットしておく。
準備が完了した状態で、まず、操作者の指示(例えばZ軸方向への駆動を開始させるスタートボタンの押下等)を契機として、駆動部12aが空気圧により貼付部11をZ軸下方に駆動させる。これにより貼付部11のZ軸方向における大まかな押圧位置が決定する。続いて、駆動部12bが空気圧により貼付部11をZ軸下方に駆動させる。これにより貼付部11のZ軸方向における詳細な押圧位置が決定する。駆動部12bによる位置決め後の貼付部11のZ軸方向における位置は、貼付部11がフィルムFを基材Bに押圧可能な位置である。貼付部11のX軸方向における位置が、第一拡張部60aが設けられた位置であるため、貼付部11は押圧開始時において第一拡張部60aにフィルムFを押圧する(図1の仮想線で示す貼付部11を参照)。
続いて、操作者の指示(例えばX軸方向への駆動を開始させるスタートボタンの押下等)を契機として、駆動機構13のスライダ13bが、X軸方向であって基材Bの一端BE1から他端BE2に向かう方向へ駆動する。これにより、貼付部11は、基材Bの一端BE1から他端BE2に向かう方向へ駆動しながら、フィルムFを基材Bへ貼り付ける。スライダ13bがX軸方向へ駆動している際には、スライダ13bのX軸方向への駆動に対応して、フィルム把持部30のスライダ36bがZ軸方向下方へ駆動する。これにより、フィルム把持部30の把持部材31a,31b,31cがZ軸方向下方へ駆動する。貼付部11がフィルムFを押圧している状態においては、X軸方向(被貼付面BSの延在方向)と押圧前のフィルムFとがなす角度が常に略一定角度(角度P)となるように、スライダ13b,36bの駆動速度等が調整される。すなわち、駆動機構13,36のコントローラにおいて予めスライダ13b,36bの駆動速度が対応付けられて設定されるか、又は、貼付部11による押圧時に駆動機構13,36のコントローラ間でリアルタイムに信号の送受信がなされることで、駆動機構13,36双方の駆動速度等が調整される。また、貼付部11がフィルムFを押圧している状態においては、張力調整部40の駆動部43が把持部材31a,31b,31cをX軸方向へ駆動させることによりフィルムFの張力が調整される。
貼付部11のX軸方向における位置が貼付部11の駆動の終点である第二拡張部60bが設けられた位置になると、スライダ13bのX軸方向への駆動が終了し貼付部11が停止する。停止後、貼付部11は、駆動部12a,12bによりスタート前のZ軸方向における位置に戻され、さらにスライダ13bによりスタート前のX軸方向における位置(第一拡張部60aが設けられた位置)に戻される。
続いて、フィルムFのPET(PolyEthylene Terephthalate)部分が剥がされる。フィルムFは、例えばPET部分と本体部分とで構成された2層構造である。フィルムFの本体部分は、基材Bに貼り付けられる部分と第二拡張部60bに貼り付けられる部分との間に切れ目が形成されている。そのため、フィルムFの本体部分のうち、基材Bに貼り付けられる部分と第二拡張部60bに貼り付けられる部分とを容易に切り離すことができる。フィルムFのPET部分が剥がされた後に、本体部分のうち第二拡張部60bに貼り付けられている部分が切り離されることにより、基材BへのフィルムFの貼付作業が完了する。以上が、貼付装置1を用いたフィルムFの貼付方法に係る工程である。なお、フィルムFの貼付作業完了後の基材Bは、請求項における「貼付装置を用いてフィルムが貼り付けられた物品」に該当する。
次に、本実施形態に係る貼付装置1の作用・効果について説明する。
例えば車両の屋根等の幅の広い基材にフィルムを貼り付ける作業は、先端にゴム板を装着したスキージ型の道具等を用いて手作業で行われることが一般的である。しかしながら、作業が複数人による手作業で行われるものであるため作業時間を要している。また、手作業で行った場合にはフィルムにしわが生じる場合があり、フィルムを綺麗に貼ることが難しい。
それに対し、本実施形態に係る貼付装置1では、貼付機構10が、基材Bにおける第1の方向の一端BE1から他端BE2に向かって貼り付ける貼付部11を有している。また、貼付部11は、フィルムFがフィルム把持部30で把持された状態で、基材Bに対して第1及び第2の方向において相対的に移動することにより、フィルムFを押圧する。これによって、貼付部11によって第1の方向に沿って基材Bに対してフィルムFが押圧されることで、フィルムFが基材Bの被貼付面BSに貼り付けられる。すなわち、フィルム把持部30がフィルムFの端部FEを把持した状態で、貼付機構10の貼付部11が基材Bにおける一端BE1から他端BE2に向かってフィルムFを貼り付けることができる。このように、貼付機構10を用いて迅速にフィルムの貼り付けを行うことができる。このため、従来複数人による手作業で行っているフィルムの貼付作業を貼付装置1により半自動化することができる。
ここで、フィルムFを貼り付ける際、フィルム把持部30がフィルムFを把持する位置が固定されていると(一定であると)、フィルムFを綺麗に貼ることができない場合がある。すなわち、例えば図5(a)(b)に示す基材BXのように被貼付面BPが平面である場合においてフィルム把持部30の位置が固定されていると、貼付部11がX軸方向に駆動するのに従って徐々にフィルムFがX軸方向に突っ張った状態(強く張った状態)となってしまう。このことで、フィルムFを綺麗に貼れない場合がある。さらに、例えば図5(c)に示す基材Bのように被貼付面BSが曲面(湾曲形状)である場合には、貼付部11がX軸方向に駆動するのに従って、フィルムFがX軸方向に突っ張った状態となることに加え、フィルムFの未貼付部分が幅方向にたわんでしまう(図5(d))。この状態で貼付部11がフィルムFを押圧すると、貼り付けられたフィルムFにしわが生じる場合がある。よって、図5(c)に示す基材Bのように被貼付面BSが曲面である場合には、図5(a)に示す基材BXのように被貼付面BPが平面である場合と比べて、フィルムFを綺麗に貼ることがより困難である。
より詳細に、図5(c)及び図5(d)に示す方法では、フィルムFの把持部の位置が固定されているため、フィルムFの貼り付けが進行し、貼付部11が把持部に近づくに従って、被貼付面BSに対するフィルムFの未貼り付け部分の角度が大きくなる(図5(d)の仮想線で示すフィルムFを参照)。このような貼付方法では、貼付部11が押圧するフィルムFと被貼付面BSとの交線(貼付部11とフィルムFが線接触することによって、貼付部11による押圧力が作用しているライン)の形状が一定にならず、貼付部11のX軸方向への駆動に伴って変化してしまう。このことが、フィルムFのたわみの原因となる。このため、当該交線の形状を略一定に保つことができれば被貼付面BSが曲面であってもフィルムFがたわむことを抑制できる。当該交線を略一定にするためには、貼付部11によるフィルムFの押圧時において、基材Bに対してフィルムF(押圧前の未貼り付け部分に係るフィルムF)がなす角度を適切な角度Pに設定し、当該角度Pにて略一定とすればよい(図4参照)。本実施形態に係る貼付装置1では、貼付部11がX軸方向に駆動するのに対し、フィルム把持部30がZ軸方向に駆動する。よって、例えば、貼付部11のX軸方向への駆動に対応させるようにフィルム把持部30をZ軸方向に駆動させることにより、基材Bと押圧前のフィルムFとがなす角度を角度P(一定、あるいは、角度が変化するとしても略一定)とでき、フィルムFの幅方向がたわむことを防止できる。すなわち、フィルムFにしわが生じることを防止し、綺麗にフィルムFを貼ることができる。また、貼付部11のX軸方向への駆動に伴ってフィルム把持部30がZ軸方向に駆動するため、フィルムFがX軸方向に突っ張った状態となることが防止され、フィルムFを綺麗に貼ることができる。以上によって、被貼付面BSに対するフィルムFの貼り付けを迅速に行うと共に、仕上がりの品質を向上させることができる。
また、貼付部11がY軸方向に沿って複数の分割部11a,11b,11cに分割されていることによって、貼付部11の形状を基材Bの形状に応じた形状とし易くなり、貼付部11によるフィルムFへの押圧力を一定とし易くなる。
また、貼付機構10は、複数の分割部11a,11b,11cを、それぞれ独立して、第1及び第2の方向の少なくとも一方に駆動させることが可能である。これによって、基材BがX−Z平面及び/又はY−Z平面で曲率を持った面を有していたとしても、被貼付面BS及びフィルムFに対する貼付部11の交線を略一定に維持することができるため、貼付部11を、更に基材Bの形状に応じた形状とし易くなる。
また、貼付装置1は、フィルムFの張力を調整可能な張力調整部40を備えており、該張力調整部40はフィルム把持部30に搭載されている。フィルム把持部30によるフィルムFの把持力(張力)は、把持部材31a,31b,31cで略一定となることが好ましい。そのため、張力調整部40によって、把持部材31aがフィルムFを把持する張力を調整することにより、フィルム把持部30によるフィルムFの把持力(張力)を略一定にすることができる。
また、貼付装置1は、基材Bの一端BE1及び他端BE2と連続するように設けられた拡張部60を更に備えている。貼付後のフィルムFの筋やしわ等は、貼付部11で貼付けを開始する開始点や、貼付部11を停止する停止点付近で生じる可能性が高い、従って、基材Bの外側の領域に配置されている拡張部60の位置で貼り付けの開始及び停止を行うことによって、基材Bにおいて筋やしわ等が発生することを抑制できる。
また、貼付装置1において、貼付部11は、第2の方向から見て、基材Bの一端から他端に向かって凸となるよう、湾曲形状に形成されていている。このような形状により、より確実にフィルムFの筋やしわ等の発生を抑制することができる。
また、貼付装置1において、貼付部11の第3の方向における長さは、基材Bの第3の方向における長さよりも長い。これによって、貼付部11による一度の貼り付け動作によって、基材Bに対する第3の方向における全領域に対してフィルムを貼り付けることができる。
また、貼付装置1において、貼付部11は、フィルムFを押圧している状態において、基材Bに対する第1の方向の相対的な移動速度が可変であってよい。これによって、フィルムFの貼付状態に応じて適宜移動速度を調整することが可能となる。
(第2実施形態)
図6及び図7を参照して、第2実施形態に係る貼付装置の貼付機構100,150について説明する。貼付機構100,150は、基材に対する貼付部111,161の角度を調整可能な調整機構110,160を有する。このような調整機構110,160を用いた場合、被貼付面BSが第2の方向のみならず、第1の方向に沿っても湾曲するような三次元曲面であった場合であっても、筋やしわ等の発生無くフィルムFを貼り付けることができる。
具体的には、図6に示すように、貼付機構100の調整機構110は、X軸方向に対向する一対の貼付部111(貼付部111A,111B)と、貼付部111A,111Bを支持する支持部材112と、可動アーム116と、Z軸方向へ貼付部111を駆動する駆動部114(12bに対応),118(12aに対応)と、を備える。駆動部114として例えばエアシリンダが採用され、駆動部118として単軸ロボットが採用されるが、Z軸方向へ駆動できるものであればよく、これらに限定されない。貼付部111Aは支持部材112に固定されているのに対し、貼付部111Bは駆動部114から駆動力を付与されることで、支持部材112に対して伸縮可能な構成となっている。支持部材112は、軸部113を介して可動アーム116の下端部に連結されている。支持部材112は、軸部113を中心として回動可能に連結されている。
上述のような構成により、調整機構110は、基材の被貼付面BSの形状に応じて、貼付部111A,111Bの基材に対する角度を調整できる。具体的には、調整機構110は、貼付部111A,111Bの両方が、被貼付面BSに(フィルムFを介して)当接する状態が維持されるように調整を行う。すなわち、図6(b)に示すように、被貼付面BSの形状がX軸方向に沿って変化する場合、貼付部111Aが被貼付面BSと当接した状態が維持されるように、駆動部114,118による位置調整が行われる。さらに、Z軸方向へ貼付部111を駆動する駆動部117によって、貼付部111A、111Bが被貼付面BSと当接した状態が維持されるように、伸縮可能な構成であってもよい。駆動部117として単軸ロボットが採用されるが、Z軸方向へ駆動できるものであればよく、これらに限定されない。駆動部118によって貼付部111をZ軸負側へ駆動させることにより、貼付部111Aが被貼付面BSと当接した状態で、支持部材112が軸部113周りに回動する。このとき、支持部材112の軸部113周りの回動によるZ軸方向への変位を駆動部117によって微調整してよい。また、駆動部114は、貼付部111Bが被貼付面BSと当接するように、貼付部111Bの位置の微調整を行う。これにより、被貼付面BSの形状がX軸方向に沿って変化する場合であっても、貼付部111A,111Bの基材に対する入射角を略一定にすることができる。このように、基材に対する貼付部111A,111Bの入射角を略一定にすることで、貼付部111A,111Bが押圧するフィルムFと被貼付面BSとの交線の形状を略一定に保つことができる。なお、駆動部117の機能を駆動部118が発揮してもよい。
また、図7に示すように、貼付機構150の調整機構160は、貼付部161と、貼付部161を支持する支持部材162と、貼付部161をZ軸方向へ駆動する駆動部166と、支持部材162に接続された可動アーム167A,167Bと、可動アーム167A,167BをZ軸方向に駆動する駆動部168A,168Bと、駆動部168A,168Bを支持する支持部材169と、支持部材169をZ軸方向へ駆動する駆動部171と、を備える。駆動部168A,168B,171として例えば単軸ロボットが採用され、駆動部166としてエアシリンダが採用されるが、Z軸方向へ駆動できるものであればよく、これらに限定されない。貼付部161は、駆動部166から駆動力を付与されることで、支持部材162に対して伸縮可能な構成となっている。支持部材162は、軸部163を介して可動アーム167Aの下端部に連結されている。支持部材162は、軸部163を中心として回動可能に連結されている。また、支持部材162は、軸部164を介して可動アーム167Bの下端部に連結されている。支持部材162には、軸部163を挿通させる長穴165が形成されている。当該長穴165によって、支持部材162と軸部164との連結位置を補正することができる。
上述のような構成により、調整機構160は、基材の被貼付面BSの形状に応じて、貼付部161の基材に対する角度を調整できる。具体的には、駆動部171及び駆動部168A,168Bは、図示されないコントローラから信号を受信し、支持部材162を介して貼付部161の位置を調整する。このとき、駆動部168Aと駆動部168Bとの間の伸縮量に差がある場合、図7(b)に示すように、支持部材162は軸部163周りに回動する。このとき、軸部164は長穴165に沿ってスライドするため、支持部材162の回動が阻害されない。また、駆動部166は、貼付部161が被貼付面BSと当接するように、当該貼付部161の位置の微調整を行う。これにより、被貼付面BSの形状がX軸方向に沿って変化する場合であっても、貼付部161の基材に対する入射角を略一定にすることで、貼付部161が押圧するフィルムFと被貼付面BSとの交線の形状を略一定に保つことができる。なお、駆動部171は必ずしも設けられていなくてもよく、駆動部168A,168Bが、Z軸方向へ大きく駆動することにより駆動部171の役割を担うものであってもよい。
図8を参照して、被貼付面BSに対する貼付部の入射角及びフィルムFの角度について説明する。図8に示すように、被貼付面BSがX軸方向に沿って湾曲する場合であっても、基材に対する未貼り付け部分に係るフィルムFの角度は略一定とすることが好ましい。さらに、貼付部11の、被貼付面BS及びフィルムFに対する交線を略一定に維持することがより好ましい。例えば、位置AにフィルムFを貼り付ける場合、位置Aの接線Laに対する未貼り付け部分に係るフィルムFの角度をαとし、フィルムFに対する貼付部の入射角をβ(すなわち、接線Laに対する入射角はα+βとなる)とする。このように設定した場合、位置BにフィルムFを貼り付けるときも、位置Bの接線Lbに対する未貼り付け部分に係るフィルムFの角度はαに設定され、フィルムFに対する貼付部の入射角はβ(すなわち、接線Lbに対する入射角はα+βとなる)に設定される。
以上により、本実施形態に係る貼付装置において、貼付機構100,150は、基材に対する貼付部111A,111B,161の角度を調整可能な調整機構110,160を有している。これによって、被貼付面BSがY軸方向に沿って湾曲するのみならず、X軸方向に沿って湾曲するような曲面であっても、貼付部161の基材に対する入射角を略一定にすることで、貼付部161が押圧するフィルムFと被貼付面BSとの交線の形状を略一定に保つことができる。
(第3実施形態)
図9を参照して、第3実施形態に係る貼付装置の貼付部181について説明する。貼付部181は、Y軸方向に沿って例えば6つの分割部181a,181b,181c,181d,181e,181fに分割されている。貼付部181の分割数が多く、例えば6つ等とされることにより、独立して駆動可能な構成が多くなるため、基材B(被貼付面BS)の形状により対応し易くなる。すなわち、基材BがY軸方向に湾曲している場合において例えば湾曲形状の曲率が大きい場合であっても、分割部181a,181b,181c,181d,181e,181fそれぞれが独立して駆動することにより、貼付部181を基材Bに対応した形状とできる。また、基材BがX軸方向に湾曲している場合においても、分割部181a,181b,181c,181d,181e,181fそれぞれが独立して駆動することにより、貼付部181を基材Bに対応した形状とすることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、上述した実施形態ではテーブル41に載置された基材Bに対してフィルムFを貼り付けるとして説明したがこれに限定されず、図10に示される貼付装置201のように、貼付部211が、テーブルに載置できないサイズの基材、例えば車両Cの屋根部分CRに対してフィルムFを貼り付けるものであってもよい。なお、この場合においても、基材である屋根部分CRと押圧前のフィルムFとがなす角度は、押圧開始時(図10(a)参照)から押圧終了時(図10(b)参照)の間、略一定の角度θとされることが好ましい。なお、フィルムFの貼付作業完了後の車両C(屋根部分CR)は、請求項における「貼付装置を用いてフィルムが貼り付けられた物品」に該当する。
また、駆動機構13が貼付部11をX軸方向に駆動させるとして説明したが、貼付部が基材に対してX軸方向に相対的に移動するものであればよい。すなわち、貼付部のX軸方向への駆動は行わずに、ベルトコンベア等に載置された基材がX軸方向に駆動することによって、貼付部が基材に対して相対的に移動するものであってもよい。また、位置決め機構12が貼付部11をZ軸方向に駆動させるとして説明したが、貼付部が基材に対してZ軸方向に相対的に移動するものであればよい。すなわち、貼付部のZ軸方向への駆動は行わずに、リフト等に載置された基材がZ軸方向に駆動することにより、貼付部が基材に対して相対的に移動するものであってもよい。
また、貼付部11はフィルムFを押圧している状態においてX軸方向への駆動速度が可変であるとして説明したが、貼付部の基材に対するX軸方向の相対的な移動速度が可変であればよい。すなわち、貼付部のX軸方向への駆動速度は一定であって、基材の駆動速度が可変であってもよい。
1,201…貼付装置、10,100,150…貼付機構、11,111,161,181,211…貼付部、11a,11b,11c,181a,181b,181c,181d,181e,181f…分割部、30…フィルム把持部、40…張力調整部、60…拡張部、110,160…調整機構、B…基材、BE1…一端、BE2…他端、F…フィルム。

Claims (13)

  1. 被貼付面を有する基材に対し、前記基材の延在方向である第1の方向に沿ってフィルムを貼り付ける貼付装置であって、
    前記フィルムを押圧することにより、前記フィルムを、前記基材における前記第1の方向の一端から他端に向かって貼り付ける貼付部を有する貼付機構と、
    前記フィルムにおける前記他端側の端部を把持し、前記第1の方向に直交すると共に前記被貼付面と前記フィルムとが対向する方向である第2の方向に駆動可能なフィルム把持部と、を備え、
    前記貼付部は、前記基材に対して前記第1及び第2の方向において相対的に移動することにより、前記フィルムを押圧する、貼付装置。
  2. 被貼付面である車両表面を有する車両基材に対し、前記車両基材の延在方向である第1の方向に沿ってフィルムを貼り付ける貼付装置であって、
    前記フィルムを押圧することにより、前記フィルムを、前記車両基材における前記第1の方向の一端から他端に向かって貼り付ける貼付部を有する貼付機構と、
    前記フィルムにおける前記他端側の端部を把持し、前記第1の方向に直交すると共に前記車両表面と前記フィルムとが対向する方向である第2の方向に駆動可能なフィルム把持部と、を備え、
    前記貼付部は、前記車両基材に対して前記第1及び第2の方向において相対的に移動することにより、前記フィルムを押圧する、車両表面にフィルムを貼付するための貼付装置。
  3. 前記貼付部は、前記第1及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って複数の分割部に分割されている、請求項1又は2に記載の貼付装置。
  4. 前記貼付機構は、複数の前記分割部を、それぞれ独立して、前記第1及び第2の方向の少なくとも一方に駆動させることが可能である、請求項に記載の貼付装置。
  5. 前記貼付機構は、前記基材又は前記車両基材に対する前記貼付部の角度を調整可能な調整機構を有する、請求項1〜のいずれか一項記載の貼付装置。
  6. 前記フィルムの張力を調整可能な張力調整部を更に備える、請求項1〜のいずれか一項記載の貼付装置。
  7. 前記張力調整部は、前記フィルム把持部に搭載されている、請求項に記載の貼付装置。
  8. 前記基材又は前記車両基材の前記一端及び前記他端と連続するように設けられた拡張部を更に備える、請求項1〜のいずれか一項記載の貼付装置。
  9. 前記貼付部は、前記第2の方向から見て、前記基材又は前記車両基材の前記一端から前記他端に向かって凸となるよう、湾曲形状に形成されている、請求項1〜のいずれか一項記載の貼付装置。
  10. 前記貼付部の前記第1及び第2の方向に直交する方向である第3の方向における長さは、前記基材又は前記車両基材の前記第3の方向における長さよりも長い、請求項1〜のいずれか一項記載の貼付装置。
  11. 前記貼付部は、前記フィルムを押圧している状態において、前記基材又は前記車両基材に対する前記第1の方向の相対的な移動速度が可変である、請求項1〜10のいずれか一項記載の貼付装置。
  12. 被貼付面を有する基材に対し、前記基材の延在方向である第1の方向に沿ってフィルムを貼り付ける貼付方法であって、
    前記フィルムを、貼付部で押圧することにより前記基材における前記第1の方向の一端から他端に向かって貼り付ける工程と、
    前記フィルムにおける前記他端側の端部を把持し、前記他端側の端部を、前記第1の方向に直交すると共に前記被貼付面と前記フィルムとが対向する方向である第2の方向に移動させる工程と、を含み、
    前記フィルムを前記基材に貼り付ける工程では、
    前記貼付部を、前記基材に対して前記第1及び第2の方向に相対的に移動させることにより、前記フィルムを押圧する、貼付方法。
  13. 被貼付面である車両表面を有する車両基材に対し、前記車両基材の延在方向である第1の方向に沿ってフィルムを貼り付ける貼付方法であって、
    前記フィルムを、貼付部で押圧することにより前記車両基材における前記第1の方向の一端から他端に向かって貼り付ける工程と、
    前記フィルムにおける前記他端側の端部を把持し、前記他端側の端部を、前記第1の方向に直交すると共に前記被貼付面と前記フィルムとが対向する方向である第2の方向に移動させる工程と、を含み、
    前記フィルムを前記車両基材に貼り付ける工程では、
    前記貼付部を、前記車両基材に対して前記第1及び第2の方向に相対的に移動させることにより、前記フィルムを押圧する、車両表面にフィルムを貼付するための貼付方法。
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