JP6613371B2 - 温度履歴表示体及びそれを用いた物品の品質管理方法 - Google Patents

温度履歴表示体及びそれを用いた物品の品質管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、設定温度域を逸脱した時間を特定可能な温度履歴表示体及びそれを用いた物品の品質管理方法に関する。
生鮮食品、冷凍食品やワクチン、バイオ医薬品等の低温保存医薬品は、生産、輸送、消費の流通過程の中で、途切れることなく低温に保つコールドチェーンが必要である。流通時の温度を絶えず測定・記録するため、通常、運送コンテナには時間と温度を連続的に記録可能なデータロガーを搭載していることが多い。データロガーを搭載することにより、製品にダメージがあった場合に、その責任の所在を明らかにすることが可能である。
製品個別の品質を管理する場合は、データロガーではなく温度インジケータを利用する方法がある。温度インジケータはデータロガーほどの記録精度はないものの、製品個別に貼付け可能であり、あらかじめ設定された温度を上回るか、下回るかした場合に表面が染色されるため、温度環境の変化を知ることが可能である。
また、温度インジケータを用いた場合、製品が生産現場から顧客に到着するまでの間に管理温度を逸脱したことを表示することはできるが、どの物流工程において管理温度を逸脱したか不明である。そこで、管理温度を逸脱した時刻を特定可能な温度インジケータが望まれている。
特許文献1には、時間を計らなくても必要加熱時間が把握できるように、発泡インキによって形成される第1印刷層と、熱変色インキによって前記第1印刷層の上面に形成される第2印刷層とからなり、前記第1印刷層の層厚さを段階的に変化させた加熱時間表示装置が開示されている。
特開平7−244460号公報
特許文献1に開示された加熱時間表示装置は、上限温度を検知するものである。しかしながら、ワクチン、バイオ医薬品の管理温度域は、2〜8℃であり、温度上昇(8℃以上)、および温度下降(2℃以下)の両方の検知が求められる。このようにある温度域で温度管理が求められる場合には、温度上昇と温度下降の両方を不可逆的に検知できることが期待されている。
そこで、本発明は、設定温度域を逸脱した時刻を特定可能な温度履歴表示体を提供することを目的とする。
本発明に係る温度履歴表示体は、基材と、設定温度域を逸脱すると不可逆的に変色する示温材と、を備え、示温材は基材上に複数配置され、示温材同士は、変色する温度が互いに±2℃以内であって、設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間が異なること、を特徴とする。
本発明によれば、設定温度域を逸脱した時刻を特定可能な温度履歴表示体を提供することができる。
一実施形態に係る温度履歴表示体の俯瞰図である。 図1に係る温度履歴表示体の機能を説明する図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体の俯瞰図である。 図3に係る温度履歴表示体の機能を説明する図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体の俯瞰図である。 図6に係る温度履歴表示体の読み取り方法を説明する図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体の断面図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体の断面図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体の断面図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体に用いるインクの機能を説明する図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体に用いるインクの機能を説明する図である。 一実施形態に係る温度履歴表示体に用いるインクの機能を説明する図である。 図10に係るインクの変造防止機能を説明する図である。 図11に係るインクの変造防止機能を説明する図である。 第一のインクおよび第二のインクの温度に対するインクの色濃度変化を示す模式図である。 温度履歴表示体の適用例を示す図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る温度履歴表示体について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(温度履歴表示体の基本構成)
図1に一実施形態に係る温度履歴表示体の俯瞰図を示す。温度履歴表示体は、基材1と、基材上に配置された複数の示温材2と、を備える。示温材は設定温度域を逸脱すると不可逆的に変色するインクから構成されている。ここで、変色とは、色相が変わることだけでなく、色の濃淡が変化することも含む。複数の示温材は、設定温度域が同じであり、その変色温度の精度は±2℃である。つまり、示温材同士は変色する温度が互いに±2℃以内である。また、示温材同士は、設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間が異なる。温度履歴表示体は、時間表示部3を備えていても良い。図1において、時間表示部3は、示温材に含まれるインクが設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間を示している。
図2に図1に係る温度履歴表示体の機能を説明する図を示す。温度履歴表示体は、設定温度域に保管されている場合は色変化しない。設定温度域を逸脱した場合には示温材が色変化する。例えば、温度履歴表示体が図2のように、5分、10分に対応する示温材の色が変化している場合は、設定温度域を逸脱してから10分以上経過しているが、15分は経過していないことが分かる。
上記説明では、示温材を基材上の複数箇所に設けたが、基材上の同一箇所に示温材同士を重ねて設けても良い。図3に示温材を重ねて設けた温度履歴表示体を示す。複数の示温材2は基材1上に重ねて設けられている。このような構成にする場合は、変色後の色を示温材ごとに変える必要がある。変色後の示温材の色と、温度逸脱時間と、の対応関係が分かれば、示温材の色から温度逸脱の有無及び温度逸脱時間が分かる。したがって、基板上に温度逸脱時間と変色後の示温材の色の対応関係を示す時間表示部3を設けることが好ましい。
図4に図3に係る温度履歴表示体の機能を説明する図を示す。図4に係る温度履歴表示体は示温材の色が、10分経過したことを示す色に変化している。したがって、設定温度域を逸脱してから10分以上経過していることが分かる。また、図4に示した温度履歴表示体のように、温度逸脱してから色変化するまでの時間が長い示温材ほど、変色後の色が濃いインクを用いることにより、15分は経過していないことが分かる。
温度履歴表示体は、基材上に1次元コード又は2次元コードを備えていてもよい。図5に2次元コード4を備える温度履歴表示体を示す。コードには、次元の違い以外に各種の規格が存在するが、本発明はそれらの規格に依存するものではない。1次元コード、2次元コードには、例えば製品ID、製造日などの物品に関する情報が含まれる。物品の情報を含む1次元コード又は2次元コードを備える温度履歴表示体を用いることにより、物品(商品)と温度管理の紐付けが可能となる。
また、1次元コード、2次元コードが、示温材の数、位置、設定温度域、設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間、のいずれかの情報を有することが好ましい。
文字列中に商品を表すコードに、示温材の数、位置、設定温度域、色変化する時間を文字列で追加する場合、「1234567;count=3;temperature 10,5min,1.2,0.1;temperature 10,10min,1.2,0.2; temperature 10,15min,1.2,0.3」のような文字列となる。「1234567」は商品を表すコードであり、通常使われているものをそのまま利用する。「count=3」は示温材が3種類存在することを表している。「temperature 10, 5min,1.2,0.1」は温度10度で、色変化時間が5分の示温材が、横方向1.2、縦方向0.1の位置に存在することを表している。位置はmmなどの実際の長さで表すこともできるが、コードの基準位置を利用した相対的な位置とするのが好ましい。図6にコードの基準位置を利用した示温材の相対的な位置を説明する図を示す。図6では、2次元コード4の左上の基準点を原点として、右上の基準点を横方向の1、左下の基準点を縦方向の1とする座標系を設定し、各示温材の中心の位置をこの座標系で表している。この方法を利用すると、示温材を任意の位置へ配置しても読み取ることができる。
なお、上記の例では文字列の先頭部分を商品コードのみとしたが、特定のサイトへアクセスするURL、たとえば「http://www.***.com/code.aspx?ID=1234567;count=3;temperature 10,5min,1.2,0.1;temperature 10,10min,1.2,0.2; temperature 10,15min,1.2,0.3」のような文字列としておくこともできる。
1次元コード又は2次元コードを備える温度履歴表示体は、製造、流通、消費などの段階でその商品を扱う人の操作にもとづいて読み取り装置で読み込まれ、そのデータは記録または送信される。まず1次元コード又は2次元コードの文字列が読み込まれ、その文字列から商品コード、示温材に関するデータが抽出される。次に示温材の色データが読み込まれ、商品コードと色データがメモリに記録、送信される。複数の読み取り機から送信されたデータは集められ、記録される。
1次元コード又は2次元コードと、示温材の位置関係は、データ読み取り時に同時に画像として取り込みしやすいように配置するのが好ましい。
(基材)
基材としては、示温材と基材との密着性が担保されていればよい。例えばポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、塩化ビニル等のプラスチックフィルム材、上質紙、クラフト紙、和紙等の紙素材を用いることができる。
また、基材は裏面に粘着層及び粘着層から取り外し可能なフィルム(離形フィルム)を備えることが好ましい。粘着層により、温度管理対象物への温度履歴表示体の貼付が容易となる。
(示温材)
示温材は、設定温度域を逸脱すると不可逆的に変色するものであればよい。設定温度域の上限温度、下限温度のどちらを逸脱しえも不可逆的に変色する。また、示温材の形状には、特に制限はない。
示温材には、サーモクロミックインクを用いることができる。サーモクロミックインクとは、温度を検知して変色するインクのことをいう。設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間は、例えば、示温材ごとにインクの種類を変えることにより調整できる。図7に一実施形態に係る温度履歴表示体の断面図を示す。示温材として、それぞれインク5、6、7を用いることにより、示温材同士の設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間を調整している。例えば、ロイコ染料と顕色剤と消色剤とを含むインクを用いた場合、示温材に含まれるインクが設定温度域を逸脱してから変色するまでの時間は、例えば、消色剤の種類や、インクに添加する添加剤の量を変更することにより調整することができる。
示温材は、サーモクロミックインクと、熱伝導層と、から構成されてもよい。図8に熱伝導層を備える温度履歴表示体の断面図を示す。熱伝導層8、9、10は、それぞれ示温材5と基材1の間に配置される。サーモクロミックインクはすべての示温材で同じものを用いているが、熱伝導層8、9、10はそれぞれ熱伝導率が異なる。このように熱伝導率が異なる熱伝導層をサーモクロミックインクと基材の間に配置することにより、各サーモクロミックインクにおいて設定温度域を逸脱してから変色するまでの時間を制御することができる。
設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間は、熱伝導層の厚みを変更することにより調整してもよい。図9に熱伝導層の厚みを変更した温度履歴表示体の断面図を示す。図9に示すように、各示温材において、サーモクロミックインク5と熱伝導層8は同じものを用いているが、熱伝導層の厚さを変更している。熱伝導層の厚さが厚いほど、設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間が長くなる。
サーモクロミックインクとしては、昇温時に消色開始する温度Ta1と降温時に顕色開始する温度Td1とが異なる第一のインクと、昇温時に消色開始する温度Ta2と降温時に顕色開始する温度Td2とが異なる第二のインクによって構成され、消色および顕色開始温度は、Td1<Td2<Ta1<Ta2の関係を有するものを用いることが好ましい。また、温度履歴表示体の初期状態(温度検知前の状態)における温度をTとしたときに、初期温度Tと、第一のインクの消色温度Ta1と、第二のインクの顕色開始温度Td2とは、Td2<T<Ta1の関係を満たすことが好ましい。
上記インクの機能を図10を用いて説明する。図10に係るインクは、第一のインクと第二のインクが基材等の同一箇所に印字されることで構成される。初期状態11(第二のインクの顕色開始温度Td2から第一のインクの消色開始Ta1の温度)においては、呈色した第一のインクの色を示している。初期状態のインク11は、温度がTd2以下になると、呈色した第一のインクの色および呈色した第二のインクの色に由来する色12を示す。また、初期状態のインク11は、温度がTa1以上となると、消色した第一のインクの色および消色した第二のインクの色に由来する色13へと変化する。
印字された第一のインクおよび第二のインクは、図11に示すように、印字体の末端間に距離をもって配置されていても良いし、図12に示すように一部重複するように印字されていても良い。
図11において、初期状態11は、呈色した第一のインク14と、消色した第二のインク15とから構成される。初期状態のインク11は、温度がTd2以下になると、呈色した第一のインク14および呈色した第二のインク16の組み合わせとなる。また、初期状態のインク11は、温度がTa1以上となると、消色した第一のインク17と消色した第二のインク15の組み合わせとなる。
図12において、初期状態11は、第一のインクと第二のインクの重複部分18、19、20は、図10と同様に変化する。第一のインクと第二のインクの重複していない部分は、図11と同様に変化する。
図10に係るサーモクロミックインクの変造防止機能について、図13を用いて説明する。初期状態11から温度がTd2以下に低下することにより変色した状態12から、初期状態11に戻すには、第二のインクを消色させる必要がある。第一のインクと第二のインクの消色開始温度はTa2>Ta1の関係を有するため、第二のインクのみを消色させることは困難である。仮に温度をTa2以上に変化させた場合、図13(a)に示したように、第一のインクおよび第二のインク共に消色した状態13となり、初期状態11に戻すことは出来ない。また、初期状態からTa1以上に温度が上昇することにより変色した状態13から、初期状態11へと戻すには、第一のインクを呈色させる必要がある。第一のインクと第二のインクの顕色開始温度は、Td1<Td2の関係を有するため、第一のインクのみを呈色させることは困難である。仮に、Td2以下に温度を変化させた場合、図13(b)に示したように、第一のインクおよび第二のインクが共に呈色した状態12となり、初期状態11の状態の戻すことは出来ない。
図11に係る温度履歴表示体も、同様に説明できる。Td2以下に温度が下降することによって変色した状態12から、初期状態11へと戻すには、第二のインクを消色させる必要がある。第二のインクを消色させるために、Ta2以上に温度を変化させた場合、図14(a)に示したように、第一のインクおよび第二のインク共に消色した状態となる。また、Ta1以上に温度が上昇することにより変色した状態13から、初期状態11に戻すには、第一のインクを呈色させる必要がある。第一のインクを呈色させようとして、Td2以下に温度を変化させた場合、図14(b)に示したように、第一のインクおよび第二のインクが共に呈色した状態となり、初期状態11に戻すことは出来ない。また、変造防止のために、第一のインクと第二のインクの印字距離は、印字体の大きさより小さいことが好ましく、第一のインク及び第二のインクのいずれかの印字の大きさに対して1〜10%以内の距離で配置されていることが好ましい。
以上のように、Td1<Td2<Ta1<Ta2の関係を有する第一のインク及び第二のインクを用いること、第一のインクが呈色し、第二のインクが消色している状態を初期状態とすることにより、変造防止が可能となる。
(第一のインク及び第二のインク)
第一のインク及び第二のインクとしては、消色開始温度と顕色開始温度とが異なるインクを用いることができる。第一および第二のインクの温度変化に伴う可逆的な色変化は、それぞれ図15(a)(b)によって示すことができる。図15においては、横軸に温度、縦軸に色濃度が示されている。例えば、図15(a)に示す第一のインクは、昇温時に温度がTa1に達すると、色濃度が低下し、色濃度が最も低い状態(消色状態)へと変化する。さらに、消色状態にあるインクを冷却させると、Td1までは消色状態を維持するが、Td1に達すると、色濃度が上昇し、呈色状態へと変化する。呈色状態の第一のインクは、Ta1を超える温度上昇がなければ呈色状態が維持される。第二のインクも同様で、Td2およびTa1の温度で、それぞれ呈色および消色状態が変化する。このような可逆的な色変化のサイクルは、一般的にはヒステリシス変色現象として知られているものである。
第一のインクおよび第二のインクは、それぞれのヒステリシス変色現象を活用したものであり、呈色、消色へと変化する温度は、Td1<Td2<Ta1<Ta1の関係を有している。さらに、温度履歴表示体として用いる場合、第一のインクまたは第二のインクのいずれか一方は、温度検知範囲で呈色状態であり、もう一方は消色状態にあることが望ましい。
このようなヒステリシス変色現象を示す素材としては、電子供与性化合物であるロイコ染料、電子受容性化合物である顕色剤、およびヒステリシスの温度範囲を制御するための消色剤からなる組成物が望ましい。ロイコ染料は通常無色または淡色を呈しているが、顕色剤と接触することで呈色する。消色剤はロイコ染料および顕色剤との共存下で、過熱すると呈色したロイコ染料を消色させることが可能である。なお、ヒステリシスの温度範囲は該消色剤の融点および凝固点に大きく依存する。
(ロイコ染料)
ロイコ染料は、電子供与性化合物からなるものであって、従来、感圧複写紙用の染料や、感熱記録紙用染料として公知のものを利用できる。例えば、トリフェニルメタンフタリド系、フルオラン系、フェノチアジン系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタム系、トリフェニルメタン系、トリアゼン系、スピロフタランキサンテン系、ナフトラクタム系、アゾメチン系等が挙げられる。この様なロイコ染料の具体例としては、9−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン−12,3’−フタリド]、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−フルオラン6−(ジエチルアミノ)−2−[(3−トリフルオロメチル)アニリノ]キサンテン−9−スピロ−3’−フタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、2’−アニリノ−6’−(ジブチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテン]、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1−エチル−8−[N−エチル−N−(4−メチルフェニル)アミノ]−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロスピロ[11H−クロメノ[2,3−g]キノリン−11,3’−フタリドが挙げられる。図1、3〜5のように、第一のインクおよび第二のインクが重なって印字された温度履歴表示体には、視認性の観点から、特に黒以外に呈色する染料を用いた方が好ましく、さらに、第一のインクおよび第二のインクは異なる色を呈する方が好ましい。具体的には第一のインクのロイコ染料として9−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン−12,3’−フタリド]、第二のインクのロイコ染料として3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドが好ましい。第一のインクと第二のインクの組み合わせは、これらに限定されるものではなく、異なる色を呈するものであれば良い。
また、第一のインク、第二のインクには、それぞれロイコ染料を、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(顕色剤)
電子受容体である顕色剤は、電子供与性のロイコ染料と接触することで、ロイコ染料の構造を変化させて呈色させることが可能である。顕色剤としては、感熱記録紙や感圧複写紙等に用いられる顕色剤として公知のものを利用できる。このような顕色剤の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,2′−ビフェノール、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、パラオキシ安息香酸エステル、没食子酸エステル等のフェノール類等を挙げることができる。顕色剤は、これらに限定されるものではなく、電子受容体でありロイコ染料を変色させることができる化合物であればよい。また、カルボン酸誘導体の金属塩、サリチル酸及びサリチル酸金属塩、スルホン酸類、スルホン酸塩類、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等を用いてもよい。特に、ロイコ染料や後述する消色剤に対する相溶性が高いものが好ましく、2,2´−ビスフェノール、ビスフェノールA、没食子酸エステル類等の有機系顕色剤が好ましい。
これらの顕色剤を1種、または、2種類以上組み合わせてもよく、さらに、組合せることによりロイコ染料の呈色時の色濃度を調整可能である。顕色剤の使用量は所望される色濃度に応じて選択する。例えば、通常前記したロイコ色素1重量部に対して、0.1〜100重量部程度の範囲内で選択すればよい。
(消色剤)
消色剤とは、ロイコ染料と顕色剤との結合を解離させることが可能な化合物であり、ロイコ染料と顕色剤との呈色温度を制御できる化合物である。一般的に、ロイコ染料が呈色した状態の温度範囲では、消色剤が相分離した状態で固化している。また、ロイコ染料が消色状態となる温度範囲では、消色剤は溶融しており、ロイコ染料と顕色剤との結合を解離させる機能が発揮された状態である。本発明のインクに用いるロイコ染料の呈色および消色温度は、消色剤の凝固点と融点に依存する。そのため、消色剤の凝固点と融点は温度差があることが望ましい。また、融点または凝固点の温度は、対象とする温度管理範囲に依存する。具体的には、コハク酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリカプリリン、トリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン等の脂肪酸エステル化合物があり、ロイコ染料および顕色剤との相溶性の観点から、これらの化合物を含むことが好ましい。また、凝固点、融点、変色時間の調整のため、これらの消色剤を1種、または2種類以上、あるいは、パラフィン、流動パラフィンなどの炭化水素と組み合わせてもよい。勿論、これらの化合物に限定されるものではなく、例えば、他のエステル類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アマイド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類等を挙げることができる。
(第一のインク及び第二のインクのマイクロカプセル化)
ロイコ染料、顕色剤、消色剤を含むインクは、通常の染料や顔料と同様に、インク、塗料、合成樹脂等に均一に分散させて用いることが可能であるが、保存安定性の観点から樹脂被膜から成るマイクロカプセルにより独立して内包されていることが望ましい。特に、図1に示したように第一のインクおよび第二のインクが同一箇所に印刷して用いられる場合には、第一のインクおよび第二のインクのロイコ染料、顕色材、消色剤が混合しないようにするため、マイクロカプセル化することが望ましい。マイクロカプセル化することにより、上記したように組成の湿度等に対する耐環境性が向上し、保存安定性、変色特性の安定化等が可能となる。また、マイクロカプセル化により、インク、塗料などに調製した際に、ロイコ染料、顕色剤、消色剤が他の樹脂剤、添加剤等の化合物から受ける影響を抑制することが可能である。
マイクロカプセル化には、公知の各種手法を適用することが可能である。例えば、乳化重合法、懸濁重合法、コアセルベーション法、界面重合法、スプレードライング法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、2種以上異なる方法を組み合わせてもよい。
マイクロカプセルに用いる樹脂被膜としては、多価アミンとカルボニル化合物から成る尿素樹脂被膜、メラミン・ホルマリンプレポリマ、メチロールメラミンプレポリマ、メチル化メラミンプレポリマーから成るメラミン樹脂被膜、多価イソシアネートとポリオール化合物から成るウレタン樹脂被膜、多塩基酸クロライドと多価アミンから成るアミド樹脂被膜、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化ビニル等の各種モノマー類から成るビニル系の樹脂被膜が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、形成した樹脂被膜の表面処理を行い、インクや塗料化する際の表面エネルギーを調整することで、マイクロカプセルの分散安定性を向上させる等、追加の処理をすることもできる。
また、マイクロカプセルの直径は、装置適合性、保存安定性等が課題となるため、0.1〜100μm程度の範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜1μmの範囲が良い。
(インク溶液)
第一のインク及び第二のインクを、帯電制御式インクジェットプリンタを使用して印字する場合、第一のインクおよび第二のインクを溶媒中に分散させた第一のインク溶液および第二のインク溶液が必要となる。インク溶液は、樹脂、着色剤、ポリジメチルシロキサン鎖を有する添加剤、アルコキシシラン基を有する添加剤、溶剤等を含み、これら材料をオーバーヘッドスターラ等により攪拌しお互いを相溶または分散させることによりインクが形成される。インクの抵抗が高い場合は後述する導電剤も添加する。
また、インク溶液には導電剤を添加することが好ましい。インク溶液の抵抗が高い場合、帯電制御式インクジェットプリンタにおけるインクの吐出部において、インク粒子がまっすぐ飛ばず、曲がる傾向がある。そのため、抵抗は概ね2000Ωcm以下にする必要がある。インクの組成は主に2−ブタノン、エタノールを主成分とする有機溶媒、樹脂、顔料である。これらは導電性が低いので、これだけでインクが構成されると抵抗は5000〜数万Ωcm程度と大きく、帯電制御式インクジェットプリンタでは所望の印字が困難となる。導電剤としては、錯体を用いることが好ましい。導電剤は用いる溶剤に溶解することが必要で、色調に影響を与えないことも重要である。また導電剤は一般には塩構造のものが用いられる。これは分子内に電荷の偏りを有するので、高い導電性が発揮できるものと推定される。塩構造でない物質はかなりの割合加えないと抵抗が2000Ωcm以下にならないので本発明のインクに加えるのは適当ではない。
以上のような観点で検討した結果、導電剤は塩構造で、陽イオンはテトラアルキルアンモニウムイオン構造が好適であることを見出した。アルキル鎖は直鎖、分岐どちらでもよく、炭素数が大きいほど溶媒に対する溶解性は向上する。しかし炭素数が小さいほど、僅かの添加率で抵抗を下げることが可能となる。インクに使う際の現実的な炭素数は2〜8程度である。
陰イオンはヘキサフルオロフォスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン等が溶剤に対する溶解性が高い点で好ましい。
なお、過塩素酸イオンも溶解性は高いが、爆発性があるので、インクに用いるのは現実的ではない。それ以外に、塩素、臭素、ヨウ素イオンも挙げられるが、これらは鉄やステンレス等の金属に接触するとそれらを腐食させる傾向があるので好ましくない。
以上より、好ましい導電剤は、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラプロピルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラペンチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラヘキシルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラオクチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラプロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラオクチルアンモニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。
ロイコ染料と顕色剤と消色剤とを含むインクを用いた場合、示温材に含まれるインクが設定温度域を逸脱してから変色するまでの時間は、消色剤の種類を変更することにより調整することができる。
(温度履歴表示体を用いた品質管理方法)
一実施形態に係る温度履歴表示体の適用方法の一例を、図16を用いて説明する。図16は、ある商品が、製造工程、物流工程、販売工程を経て顧客に届けられるスキームを示す。温度履歴表示体21は商品22、商品の包装等に貼付される。温度管理対象である商品としては、例えば食品、飲料品、医薬品をあげることができる。
例えば、物流業者から販売業者への商品の受け渡しの際に温度履歴表示体が図16のようになっている場合、温度履歴表示体の確認時から20分以上前には設定温度域を逸脱していないが、設定温度域を逸脱してから10分以上経過していることが分かる。各工程の所要時間を把握していれば、どの業者、どの工程において設定温度域を逸脱したかを特定することができる。
温度履歴表示体に用いられる示温材が設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間は、物品の流通の各工程に対応するように設定されていることがこのましい。このように設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間を調整することにより、示温材の色変化の有無に基づいて、各工程で設定温度域を逸脱したか否かを判定することができる。
図16においては、物流業者から販売業者への商品受け渡しの際に温度履歴表示体の示温材の色変化の有無を確認したが、製造業者から物流業者に商品を受け渡しする際、複数の配送業者により商品が配送される場合の配送業者間の商品受け渡しの際、等、どのタイミングで温度履歴表示体の示温材の色変化を確認しても良い。
また、図5に示したように1次元コード又は2次元コードを有する温度履歴表示体を用いる場合は、1次元コード又は2次元コードを読取装置で読み取り、読み取ったコードから得られる示温材に関するデータに基づいて示温材の色変化の有無を認識してもよい。
示温材の色変化は、目視により確認することができるが、カメラにより画像データ又は色の階調のデータとして取り込むことにより機械的に認識してもよい。
(温度履歴表示体の製造方法)
温度履歴表示体を形成方法する手法としては、基材又は熱伝導層上に、帯電制御式インクジェットプリンタ、大文字用インクジェットプリンタ(DOD式産業用インクジェットプリンタ)、スクリーン印刷、ディスペンサ等を用いて示温材を印字すればよい。食品、医薬品等の大量生産品に対応する観点から、帯電制御式インクジェットプリンタを使用する手法が望ましい。帯電制御式インクジェットプリンタを用いることにより、印字時間、コストを低減することが可能である。また、帯電制御式インクジェットプリンタは、インクを飛翔させて印字するため、被印字物と数十ミリメートルと離れていても印字可能で、種々の包装、形状に対応した印字が可能である。帯電制御式インクジェットプリンタを使用して印字された場合、その印字の大きさは0.1mm以上1mm以下となる。
次に、実施例および比較例を示しながら本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(温度履歴表示体の作製)
示温材である第一のインクおよび第二のインクを以下のように作製した。第一のインクには、ロイコ染料として2´−メチル−6´−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−[9H]キサンテン]−3−オン(山田化学工業製RED520)を1重量部、顕色剤として東京化成工業製没食子酸オクチルを1重量部、消色剤としてコハク酸ジメチルをマトリクスとし、フェニル酢酸2-フェニルエチルを添加した混合物を100重量部用いた。
消色剤は、コハク酸ジメチルに対するフェニル酢酸2−フェニルエチルの重量比がフェニル酢酸2−フェニルエチルの重量/コハク酸ジメチルの重量=0、0.05、0.1、0.15、0.2である5種類を用いた。この5種類の消色剤を用いて第一のインクを調整した。
第二のインクには、ロイコ染料として3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタライド(山田化学工業製CVL)を1重量部、顕色剤として東京化成工業製没食子酸エチルを1重量部、消色剤としてセバシン酸ジメチルをマトリクスとし、パラフィンを添加した混合物を100重量部用いた。
消色剤は、コハク酸ジメチルに対するパラフィンの重量比が、パラフィンの重量/コハク酸ジメチルの重量=0、0.25、0.5、0.75、1.0である5種類を用いた。この5種類の消色剤を用いて第二のインクを調整した。
第一のインクおよび第二のインクをそれぞれ構成するロイコ染料、顕色剤、消色剤と、重合開始剤の2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)と、樹脂被膜の構成するスチレンとを、アクリル酸−2−エチルヘキシルに溶解させた油相を、界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステル、ナトリウム塩を添加した水相中に投入し、スターラーにより攪拌することで第一のインク、第二のインクをそれぞれマイクロカプセル化した。
作製したそれぞれのマイクロカプセルをインクジェットプリンタ向けのインク溶液として以下の通り調製した。攪拌羽根を設けた容器に2−ブタノン、樹脂として数平均分子量(Mn)10,000のポリビニルアルコールとポリビニル酢酸ビニルの共重合物(ポリビニルアルコールユニットの繰り返し数:ポリ酢酸ビニルユニットの繰り返し数≒36:64、水酸基価は285)、マイクロカプセル化した第一または第二のインクを投入し、約1時間混合することにより、第一のインクあるいは第二のインクを含むインク溶液をそれぞれ調製した。
調製したインク溶液を日立産機株式会社製インクジェットプリンタ(グラビスRX−HD261J)に充填し、図1の温度履歴表示体となるように、温度5±3℃の雰囲気下でPETフィルム上に印刷した。このとき第一のインクを含むインク溶液は予め2℃以下に冷却し、呈色した状態で、印字した。また、第二のインクを含むインク溶液は予め8℃以上に加熱し、消色した状態で印字した。このようにして5種類の示温材をPETフィルム上に形成した。
(温度履歴表示機能の確認)
作製した温度履歴表示体を2℃以下の環境に置いたところ、各示温材が1、2、3、4、5分で変色することが確認できた。同様に、作製した温度履歴表示体を8℃以上の環境に置いたところ、各示温材がそれぞれ1、2、3、4、5分で変色することを確認できた。以上より、本実施例に係る温度履歴表示体を用いることにより、設定温度域を逸脱した時刻を特定することができる。
1…基材、2…示温材、3…時間表示部、4…2次元コード、5、6、7…サーモクロミックインク、8、9、10…熱伝導層、11…第一のインクと第二のインクの初期状態、12…呈色した第一のインクおよび呈色した第二のインク、13…消色した第一のインクの色および消色した第二のインク、14…呈色した第一のインク、15…消色した第二のインク、16…呈色した第二のインク、17…消色した第一のインク、18、19、20…第一のインクと第二のインクの重複部分、21…温度履歴表示体、22…商品

Claims (12)

  1. 基材と、設定温度域を逸脱すると不可逆的に変色する示温材と、を備え、
    前記示温材は、前記基材上に複数配置され、
    前記示温材同士は、変色する温度が互いに±2℃以内であって、前記設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間が異なり、
    前記示温材は、
    昇温時の消色開始温度T a1 と降温時の顕色開始温度T d1 とが異なる第一のインクと、
    昇温時の消色開始温度T a2 と降温時の顕色開始温度T d2 とが異なる第二のインクと、を含み、
    前記消色開始温度T a1 と前記顕色開始温度T d1 と前記消色開始温度T a2 と前記顕色開始温度T d2 とが、T d1 <T d2 <T a1 <T a2 の関係を有し、
    初期状態において、前記第一のインクが呈色し前記第二のインクが消色しており、
    温度T a1 以上になると前記第一のインクが消色し、
    温度T d2 以下になると前記第二のインクが呈色すること、を特徴とする温度履歴表示体。
  2. 請求項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記第一のインク及び前記第二のインクは、ロイコ染料と顕色剤と消色剤とを含むことを特徴とする温度履歴表示体。
  3. 請求項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記第一のインク及び前記第二のインクは、それぞれ樹脂被膜によってカプセル化されていることを特徴とする温度履歴表示体。
  4. 請求項又はに記載の温度履歴表示体であって、
    前記示温材ごとに、前記第一のインク及び前記第二のインクに含まれる消色剤が異なることを特徴とする温度履歴表示体。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記示温材は、設定温度域を逸脱すると不可逆的に変色するインク層と、前記インク層と前記基材の間に配置される熱伝導層と、を備えることを特徴とする温度履歴表示体。
  6. 請求項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記熱伝導層の熱伝導率は前記示温材ごとに異なることを特徴とする温度履歴表示体。
  7. 請求項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記熱伝導層は前記示温材ごとに厚さが異なることを特徴とする温度履歴表示体。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記基材上に1次元コード又は2次元コードを備えることを特徴とする温度履歴表示体。
  9. 請求項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記1次元コード又は2次元コードは、前記示温材の数、前記示温材の位置、前記示温材の前記設定温度域、前記示温材の前記設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間、のいずれかの情報を有することを特徴とする温度履歴表示体。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の温度履歴表示体を用いた物品の品質管理方法であって、
    前記設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間は、物品の流通の各工程に対応するように設定され、
    前記示温材の色変化の有無に基づいて、各工程で前記設定温度域を逸脱したか否かを判定する物品の品質管理方法。
  11. 請求項又はに記載の温度履歴表示体を用いた物品の品質管理方法であって、
    前記設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間は、物品の流通の各工程に対応するように設定され、
    前記1次元コード又は2次元コードを読取装置で読み取り、
    読み取ったコードから得られる前記示温材に関するデータに基づいて前記示温材の色変化の有無を認識し、
    前記示温材の色変化の有無に基づいて、各工程で前記設定温度域を逸脱したか否かを判定する物品の品質管理方法。
  12. 請求項10又は11に記載の物品の品質管理方法であって、
    前記示温材の色変化を、カメラにより画像データ又は色の階調のデータとして取り込むことを特徴とする物品の品質管理方法。
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