JP6611725B2 - バンド - Google Patents

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Description

本発明は、バンドを構成する駒部材を連結した時計用や装飾用などのバンドに関する。
図30(a)は、先行技術を示す斜視図である。図30(b)は、図30(a)の先行技術を上からみた平面図である。図30(c)は、図30(a)の先行技術を下から見た平面図である。図31(a)は、先行技術を示す斜視図である。図31(b)は、図31(a)の先行技術を示す分解斜視図である。図31(c)は、図31(a)の先行技術を上からみた平面図である。図31(d)は、図31(a)の先行技術を下から見た平面図である。図32(a)は、先行技術を示す、裏側から見た斜視図である。図32(b)は、図32(a)の裏面の部分拡大斜視図である。
従来技術として、バンドの駒部材の構造としては、(1)プレス加工や鍛造加工、切削加工などによるもの(以下、「無垢タイプ」と呼ぶ。)、(2)無垢材を組み合わせたもの(以下、「別体タイプ」と呼ぶ。)、(3)板状部材を打抜き・曲げ・成形などプレス加工したもの(以下、「板金タイプ」と呼ぶ。)、(4)一体成型した駒部材に板状部材を巻きつけたもの(以下、「巻き付けタイプ」と呼ぶ。)などが知られている。
時計バンドなどでは、連結する駒部材として、立体感がある重厚な外観が好まれるものである。そのため、図30(a)〜(c)に示すように、外駒部102と中駒部103とを、プレス加工や鍛造加工などで一体成型した「無垢タイプ」の駒部材110が知られている。近年、時計ケースや時計バンドのデザインをそれぞれ工夫して、時計自体にデザインバリエーションを拡大する必要が生じてきている。このため、外駒部102と中駒部103を別部材で形成したかのように視認させるため、外駒部102と中駒部103に異なる表面処理や加工を行い、バンドの高級感を生み出すことが求められてきている。しかしながら、一体成型した「無垢タイプ」では、外駒部102と中駒部103を安価で容易に別部材であるかのように視認させることができず、また、外駒部102と中駒部103とに別々の表面処理や加工を行うため、加工コストが高価であった。このため、「無垢タイプ」の駒部材110では、なかなか高級感得ることができなかった。
このような問題に対処するために、図31(a)〜(d)のように、無垢材を組み合わせた「別体タイプ」の駒部材120が知られている。この場合、外駒部122と中駒部123とを別体で作製して組み合わせている。図31(b)に示すように、幅方向の外側に位置する2つの外駒部122は、連結片125により裏側で繋がれている。中駒部123には、連結片125に嵌合する段差部124が設けられており、ピン160を用いて中駒部123のピン孔170にピンを差し込んで、外駒部122と中駒部123とを結合している。これにより、外駒部122と中駒部123を別体の部材に見せることができ、立体感がある重厚な外観が得られて見栄も良い。しかしながら、両外駒部122と連結片125とを一体にした複雑な駒形状では、加工精度の高いコストのかかる加工を行わなければならず、加工工程も多く煩雑なものとなってしまい、品質の安定性が得られない場合があった。
これに対して、「板金タイプ」では、手作業による組立部分を少なくして低コスト化が図れるため、特許文献1〜5等のように、数多くの先行技術が知られている。特許文献1では、連結する1つの駒部材が、1枚の平板を折り返して3層にして無垢材状にしたものである。バンド幅方向の側面は研磨加工を行って、重ねた板片の境目を目立たなくしているものの、やはり無垢材の高級品のイメージが得られていない。しかも、駒部材同士を連結するための巻き付け片が裏面に継ぎ目として表れているので、継ぎ目のバリで腕を傷つけるという問題が発生することがあった。特許文献2も、駒部材裏面に凹凸部が噛合う部分を有しており、特許文献1と同様の問題を持っている。
特許文献3においても、折り曲げ接合部を見えないようにする工夫がなされているものの、特許文献1と同様に、バンド幅方向の側面に重ねた板片の境目が露出して無垢材の高級品のイメージが得られていない。特許文献4は、連結する1つの駒部材が、1枚の平板の先端縁同士を嵌め合わせて連結を強固にした板片を形成した後、先端縁同士のつなぎ目を、別の平板で上下から当該板片を挟んで溶接して重ね合わせたものであるが、やはり、特許文献1と類似の問題が生じている。特許文献5もバンド幅方向の側面に重ねた板片の境目が露出して、特許文献1と同様の問題を呈している。
このような問題を解決するために、駒部材に板状部材を巻きつけた「巻き付けタイプ」として、図32及び図33の時計バンドが知られている。これは、図30に示した無垢タイプの駒における中駒部に、1枚の板状部材を巻いて構成したものである。図32及び図33に示すように、中駒部に巻き付けた板状部材の端部同士が、裏面に継ぎ目として出ているので、端部の角やバリが、時計装着時などに腕の皮膚を傷つけるという問題が生じたりする。裏面に継ぎ目があることから、外観上も高級感に乏しいものであった。
「巻き付けタイプ」に近いものとしては、特許文献6には、時計バンドの一端部に位置するケース取付駒が開示されている。このケース取付駒は、時計ケースのバンド取付部に取り付けるものであり、合成樹脂からなる駒本体を、ステンレスなどの金属板からなるカバー部材で覆うようにして構成したものである。しかしながら、カバー部材の両端部は、ケース取付駒の裏面に存在しているので、図32及び図33の時計バンドと同様な問題点を有している。
実公昭59−005368号公報 実公昭59−029543号公報 特開2001−008716号公報 実開昭59−034610号公報 実公昭56−051775号公報 特開平11−192111号公報 実公昭62−000493号公報 実公平04−014016号公報
駒部材に、部分的に板状部材を巻き付けて、デザインバリエーションの拡大を図るとともに、無垢材で形成したような高級感が出せるように、板状部材の継ぎ目を、連結された駒部材同士によって視認されにくいように工夫したバンドを提供する。
本発明は、複数の駒部材を互いに回動可能に回動軸で連結したバンドであって、前記複数の駒部材の少なくとも一つは、板状部材と、該板状部材が巻きつけられる被巻付け部材とを有し、前記被巻付け部材は、隣合う駒部材と対向する側部を有し、前記板状部材における少なくとも一方の端部を、前記側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置したことを特徴とする。
駒部材に巻き付けられた板状部材の継ぎ目が、連結された駒部材同士によって視認されにくい部位にあるので、無垢材のような高級感が得られる。特に、金やプラチナのような貴金属を板状部材に使用する場合には、無垢材のような美観が得られ格別な効果が発生する。また、駒部材に巻き付けられた板状部材の端部の引っ掛かりやバリで、腕などの皮膚を傷つけるということもなく、肌触りも良好である。さらには、駒部材に巻き付ける板状部材の表面処理、表面仕上げは、駒部材とは独自に行えるので、様々なデザインバリエーションを追及することができ、従来技術に比較して大幅なコスト削減を図ることができるものである。
(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態を示す平面図である。 本発明の第2実施形態の連結した駒部材を示す斜視図である。 図3のA−A線に関する断面斜視図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、図3のA−A線に関する断面図である。 (e)〜(h)は、それぞれ、図3のA−A線に関する断面図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。 (a)は、板状部材の嵌合部を示す斜視図である。(b)及び(c)は、板状部材の嵌合部を示す正面図である。(d)は、板状部材の嵌合部を示す斜視図である。(e)は、板状部材の嵌合部を示す正面図である。(f)及び(g)は、板状部材の嵌合部を示す斜視図である。 図3のA−A線に関する断面図である。 図3のA−A線に関する断面斜視図である。 図18のB−B線に関する部分断面図である。 本発明の第2実施形態の駒部材基部を示す平面図である。 図20のC−C線に関する部分断面図である。 本発明の第3実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態を示す平面図である。 本発明の第3実施形態を示す平面図である。 本発明の第4実施形態の駒部材を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態を示す平面図である。 図27(a)は、駒部材の裏面側両端部が曲面状に窪んだ形状を有する場合のバンド幅方向にカットした駒部材の断面図である。図27(b)は、図27(a)のE部の拡大図である。図27(c)は、駒部材の裏面側両端部が曲面状に窪んだ形状を説明する説明図である。 図27(a)の駒部材を連結した側面図である。 図29(a)、(b)は、図27(a)の駒部材を成形する金型断面の説明図である。 図30(a)は、先行技術を示す斜視図である。図30(b)は、図30(a)の先行技術を上からみた平面図である。図30(c)は、図30(a)の先行技術を下から見た平面図である。 図31(a)は、先行技術を示す斜視図である。図31(b)は、図31(a)の先行技術を示す分解斜視図である。図31(c)は、図31(a)の先行技術を上からみた平面図である。図31(d)は、図31(a)の先行技術を下から見た平面図である。 図32(a)は、先行技術を示す、裏側から見た斜視図である。図32(b)は、図32(a)の裏面の部分拡大斜視図である。 本発明の先行技術を示す斜視図である。
以下、各図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。各実施態様について、同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。以下の本発明の一実施形態は、腕時計用のバンドの実施形態で説明するが、必ずしも腕時計用に限定されるものではなく、本発明は装飾用など意匠的効果を発揮するバンドにも適用することもできる。また、本発明を、以下の実施形態では、駒部材の形態が、いわゆるベースブロック、凸形、H形、E形などの数種類で説明しているが、その他の形態にも適用することができる。
(第1実施形態)
図1(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態の駒部材10を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
第1実施形態は、図1(a)に示すように、バンド1を構成する駒部材10の形状が、平面視で概略四角形である場合の基本となる実施形態である。この形状の駒部材10をベースブロックと呼ぶ。図2に示すように、本実施態様は、複数の駒部材10を互いに回動可能に回動軸4で連結したバンド1である。駒部材10は、溝11Mが掘り込まれた駒部材基部11と板状部材12から構成されている。駒部材基部11のバンド1の長さ方向に板状部材12が巻きつけられている。駒部材基部11には、板状部材12が巻き付けられる溝11Mが、表裏面ではバンド長さ方向に走るようにバンドの幅方向の内側に形成され、この表裏面の間の側部では上下方向に走るようにバンドの幅方向の内側に形成されている。駒部材基部11は、板状部材12が巻き付けられる被巻付け部材である。駒部材基部11に巻き付けられる板状部材12は、本実施形態では1条であるが、意匠的効果を狙って複数条であっても良い。
溝11Mの深さは、通常は、板状部材の厚み程度にして、駒部材10の上面は、駒部材基部11と板状部材12間に段差のない平面状にする。しかしながら、駒部材基部11から板状部材12の側面上部が若干見えるようにしても良く、あるいは、溝11Mの深さが板状部材12の厚みより深くなっていて、側面視で板状部材12が見えないようにしても良い。「埋めこまれる」とは、以上の3形態をすべて含む意味で使用されている。板状部材12に貴金属を用いた場合には、敢えて板状部材12を巻き付けた部分が貴金属の無垢であるように見せるため、板状部材12の側面上部が見えるようにすることがある。なお、駒部材基部11の溝11Mは、駒部材基部11の上面又は下面のいずれか一面だけに設けても良い。また、後述するように、駒部材基部11に溝11Mを設けずに、板状部材12が全面を覆うように構成しても良い。
各駒部材10には、隣合う駒部材10と回動可能に連結するための回動軸4がバンドの幅方向に挿入される貫通穴5がバンドの長さ方向の両側2か所に設けられている。回動軸4は、図2に示すように、本実施形態では、回動部材として扁平リング状に形成されたもので構成されているが、これに限定されるものではなく、平面視で四角に形成されていても良い。なお、バンド1の長さ方向に板状部材を巻き付けると、板状部材の折り返された部分の曲面が形成する折り返し軸は、貫通穴5と同じバンドの幅方向を向いていることになる。
バンド1において、すべての駒部材10が駒部材基部11に板状部材12を巻きつける構成である必要はなく、少なくとも一つの駒部材基部11には板状部材12が巻きつけられていればよい。飛び飛びなどのように、適宜、バンド1の中で板状部材12を有する駒部材10を意匠的に見て選択するとよい。本発明では、回動軸4によって連結されて、バンドを構成する部材が駒部材であり、駒部材基部11に板状部材12を巻き付けたものと巻付けないものを用いている場合は、両方がこのバンドの駒部材である。板状部材12が巻きつけられた駒部材基部11には、隣合う駒部材10と対向する側部11a、11b(ここではバンド長さ方向の側部という)を有している。板状部材12における少なくとも一方の端部を、駒部材基部11の側部11aにおける厚さ方向の上端部11d(駒部材基部11の表側の溝11Mにおけるバンド長さ方向の端部)と下端部11e(駒部材基部11の裏側の溝11Mにおけるバンド長さ方向の端部)との間に配置する。前述のように、駒部材基部11が、溝11Mを有していない形状の場合は、板状部材12が巻きつけられる駒部材基部11の上面と下面のバンド長さ方向のそれぞれの端部が、上端部11dと下端部11eである。尚、この端部を配置するのは、側部11bでも良い。図1(a)の例では、駒部材基部11の側部11aに、板状部材12の両端部12a、12bが配置されて、駒部材基部11の中央部分の4面(表裏面及び2つの側部)を覆うように板状部材12が巻きつけられている。なお、駒部材基部11の側部とは、駒部材基部11の厚さ方向の上端部11dと下端部11eとの間の側面をさしている。(尚、側部11a、11bは、板状部材12を巻きつけない状態の駒部材基部11の側面であるが、図1(a)は板状部材12を巻きつけた図であるため、板状部材12の内部の駒部材基部11の部位を示す意味で、側部とその引き出し線を点線で示している。他の実施形態も同様である。)
板状部材12は、駒部材基部11の上面又は下面側から、側部11aや11b側に曲がった形状に形成されて、板状部材12の少なくとも一方の端部まで繋がるように構成されている。板状部材12の端部は、その端面が、下面側又は上面側に向いた状態で、上端部と下端部との間に配置されている。図1(a)の例では、板状部材12が、駒部材基部11の上面側及び下面側から側部11a側に曲がった形状に形成されて、両端部12a、12bまで繋がっている。板状部材12の両端部12a、12bは、その端面12t,12uが、下面側又は上面側に向いた状態で、上端部11dと下端部11eとの間に配置されている。これらの端部12a、12b及び端面12t、12uは、対向させて配置しても良い。その他板状部材の端部の構成については、詳細は後述する。
板状部材12における少なくとも一方の端部を、駒部材基部11の側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置したことによって、この曲げられた端部が隣に連結される駒部材と対向し、連結された駒部材同士によって隠れて視認されにくくなり、無垢材のような美観が得られる。また、板状部材の継ぎ目(板状部材の両端部又は一方の端部が位置する部分)が側部にあるので、駒部材に巻き付けられた板状部材の端部の引っ掛かりやバリで、腕の皮膚を傷つけるということもなく、肌触りも良好である。
さらには、駒部材基部に巻き付ける板状部材の表面処理、表面仕上げは、駒部材基部とは独自に行えるので、様々なデザインバリエーションを追及することができ、これにより従来技術に比較して大幅なコスト削減を図ることができるものである。無垢タイプの駒の場合、駒部材の中央部だけに鏡面加工を施すのは困難が伴うが、本実施形態では、別体の板状部材12が巻き付けられる前の真っ直ぐ延びた状態で予め鏡面加工して置き、その後に巻きつければよく、加工・組み立て作業は格段容易になっている。そして、板状部材12が真っ直ぐ延びた状態でできる加工は、鏡面加工に限らず、さまざまな加工や表面処理が容易に行うことができる。
このように、時計バンドや装飾バンドでは、様々な意匠効果を生み出す必要があって、メッキ、エッチングのみならずブラストによる梨地加工や、ヘアライン加工を、駒部材基部11と板状部材12とでそれぞれ別体で行えるので加工を容易に行うことができる。これにより、それぞれ別体で異なる加工を行った駒部材基部11と板状部材12の装飾効果が、際立って見えるので、意匠的美観を増すことができる。しかも、板状部材12の継ぎ目が側部にあるので、無垢材としての高級感をもたらすことができる。板状部材12を、駒部材基部11に嵌めこむ前に、ある程度の予備成形をしておくと組立が簡素化する。板状部材12をエッチングする場合には、下地の駒部材基部11の表面加工を見えるようにすれば、格別な意匠効果が得られる。
図1(b)、(c)に一例として示したような、文字16、記号・マーク17、模様などの単数、複数の表示や意匠的美観を板状部材12に施しても良い。図1(b)、(c)では、凸状に浮き上がっているが、もちろん凹状に加工しても良い。加工手段としては、プレス加工などで凹凸状に文字16、記号・マーク17などを浮き上がらせる。板状部材12では、無垢材と異なりプレス加工を容易に行うことができる。プレス加工のみならず、表示や意匠は、刻印、彫刻、エッチング、レーザー加工その他によっても可能であり、加工処理工程が、下地の駒部材11に巻き付ける前に、板状部材単独で加工・処理すればよいので、迅速かつ容易に行うことができる。
このように、板状部材と駒部材とを別体にすると、様々なデザインバリエーションを追及することができることがわかる。もちろん、駒部材基部11や板状部材12には、ステンレス材に限らず、チタン材、合成樹脂など材質によるバリエーションも行われる。第1実施形態について述べた点は、基本的に以下に述べる実施形態においても同様である。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。図4は、本発明の第2実施形態を示す平面図である。図5は、本発明の第2実施形態の連結した駒部材を示す斜視図である。図6は、図3のA−A線に関する断面斜視図である。図7は、本発明の第2実施形態の駒部材を示す斜視図である。
第2実施態様は、図3、4に示すように、複数の駒部材20を互いに回動可能に回動軸4で連結したバンド1である。本実施形態は、いわゆる凸形と称する駒部材20を、同じ駒部材20同士で連結したバンドである。駒部材20は、駒部材基部11と板状部材12から構成されている。板状部材12が巻きつけられた駒部材基部11は、中駒部3と、中駒部3を挟む2つの外駒部2とを有している。中駒部3は、バンドの幅方向の内側に位置し、外駒部2が、バンドの幅方向の外側に位置するように隣合う駒部材20同士が連結されている。外駒部2は、バンドの長さ方向に沿って、中駒部3から突出している。すなわち、図3の斜視図に示すように、中駒部3は前方に突出し、両側の外駒部2は、後方に飛び出している。このような駒部材20の形状は、平面視で厳密には凸形ではないが、ここでは凸形と称する。また、本実施形態では、駒部材基部11は、外駒部2と中駒部3とが一体に形成されたものである。本実施形態においては、図3での上述した前後方向を、駒部材の「前方」、「後方」という。
外駒部2が、バンドの長さ方向における後方(第1の方向)に突出し、中駒部3は、外駒部2に対して、前方(第2の方向)に突出する形状とした場合に、回動軸4は、一対の外駒部2における、それぞれ突出した部分の間に設けられている。それぞれの中駒部3が、バンドの長さ方向に互いに隣り合うように連結され、駒部材基部11を構成するそれぞれの中駒部3には、後方に位置する第1の側部3aと、前方に位置する第2の側部3bが形成されている。板状部材12における少なくとも一方の端部が、中駒部3の第1の側部3aに配置されているが、第2の側部3bに配置されていても良い。図3は、後述する図6に示すように、中駒部3の第1の側部3aに、板状部材12の両端部を配置した例である。
板状部材12は、駒部材基部11の一部を構成する中駒部3に対し、バンドの長さ方向に巻きつけられている。なお、バンド1の長さ方向に板状部材を巻き付けると、板状部材の折り返された部分の曲面が形成する折り返し軸が、連結時の貫通穴5、5’と同じバンドの幅方向を向いていることになる。本実施形態では、板状部材12と中駒部3の幅は同じであるが、板状部材12の幅が中駒部3の幅より狭くしても良く(後述の図10参照)、板状部材12を多条に設けても良い。この場合は、中駒部3には、板状部材12が巻き付けられる溝が、表裏面ではバンド長さ方向に走るように形成されて、板状部材12が埋めこまれるようにしても良い(側面にも当然溝有)。バンド1において、すべての駒部材基部11に板状部材12が巻きつけられる必要はなく、少なくとも一つには板状部材12が巻きつけられていればよい。
駒部材基部11におけるバンドの幅方向には、隣合う駒部材20と回動軸4が貫通する貫通穴5、5’が設けられている。図3に示すように、貫通穴5は、外駒部2に設けられており、貫通穴5’は、中駒部3に設けられている。回動軸4を構成する回動軸部材(連結用ピン)は、図3に示すように、外駒部2の貫通穴5から中駒部3の貫通穴5’を通って、外駒部2の貫通穴5に抜けるように挿入されている。図4に示すように、本実施形態においては、複数の同じ駒部材20が連結して、バンド1を構成している。
図32及び図33の先行技術を参照すると、駒部材基部に巻き付けられた板状部材の端部が駒部材の裏面に存在しており、板状部材の継ぎ目が視認される位置に配置されている。無垢材のような美観が得られないとともに、端部の引っ掛かりやバリで、腕の皮膚を傷つけるということが生じる。これに対して、図5にみられるように、板状部材12における少なくとも一方の端部を、駒部材基部11を構成する中駒部3の側部における厚さ方向の上端部3dと下端部3e(図6参照)との間に配置したことによって、駒部材基部に巻き付けられた板状部材の継ぎ目が、連結された駒部材同士によって隠れて視認されにくくなり、中駒部3が無垢材のような美観が得られるものである。さらに、腕の皮膚を傷つけるということもない。さらに、板状部材12と中駒部3の幅が同じ場合、板状部材12の端部に近い部分に、幅方向に何らかの力が作用したとしても、端部付近が外駒部2の内側の側部に当接することにより、板状部材12の端部が、幅方向にずれて外れてしまうことがない。図6は、駒部材20の中駒部3の後方側(第1の方向)の側部3aに板状部材12の両端部が継ぎ目として存在する場合である。一方、図7は、駒部材基部11を構成する中駒部3の前方側(第2の方向)の側部3bに板状部材12の両端部が継ぎ目として存在する場合である。
尚、図6や図7に示した前方側の側部3bは、垂直面3sを有し、さらに、この垂直面3sと中駒部3の上面や下面との間に位置する斜面3pや曲面3qを有している。このような場合は、斜面3pにおける上面側の端部3gや、曲面3qにおける下面側の端部3hが、それぞれ、側部3bにおける上端部と下端部である。3pが曲面、3qが斜面の場合も同様である。
例えば、斜面3pに板状部材12の端部を配置した場合は、図32及び図33の先行技術のように、駒部材基部の下面に板状部材の端部を配置する場合と比較して、板状部材の端部が視認されにくくなり、端部の引っ掛かりやバリで、腕の皮膚を傷つけにくくなる効果を有している。
その理由は、斜面3pのような傾斜した部分に配置される板状部材12の端部は、通常は斜め方向から視認されることとなり、また、上面よりも凹んだ部分に位置するためである。
但し、板状部材12の端部は、垂直面3sに配置した方が、前述の効果が大きいため、好ましい。また、板状部材12の端部を斜面3pや曲面3qに配置する場合は、中駒部3の上面や下面よりも、垂直面3sに近い位置に配置した方が、前述の効果が大きいため、好ましい。
図6のように、中駒部材3における、バンド長さ方向に引っ込んだ側部3aに、板状部材12の端部を配置することにより、バンドの幅方向の側部からこの部分を見ても、外駒部2によって隠れて視認されない。また、図7のように、中駒部3における、バンド長さ方向に突出する側部3bに、板状部材12の端部を配置することにより、図6に示した場合と比較して、板状部材12が巻き付けやすくなり、組み立て性が向上する。
駒部材20の中駒部3の前方側が時計ケースの取付部を向いている場合では、図6の中駒部3の後方側(第1の方向)に板状部材12の両端部による継ぎ目が存在する場合の方が、時計装着時に各駒部材20における時計ケースの反対側に継ぎ目が位置して、指針や文字板を視認したときに、継ぎ目が死角となって見えにくいことがある。
また、この場合、図5に示すように、駒部材20どうしが約30°程度回動した状態であっても、図5に示す前方側の中駒部3における後方側(第1の方向)の側部3aは、後方側の中駒部3の前方側(第2の方向)における側部3bから裏面の間の部分が対向することによって隠れる。さらに、駒部材20どうしが、約30°以上の角度で回動可能な連結構造であって、図5の状態から、30°以上の角度で回動したとしても、図5に示す前方側の中駒部3における後方側(第1の方向)の側部3aは、後方側の中駒部3における前方側(第2の方向)の裏面が対向することによって隠れる。従って、中駒部3における後方側(第1の方向)の側部3aに板状部材12における端部12a、12bを配置することにより、駒部材どうしの回動角度にかかわらず、端部12a、12bが、隣の駒部材によって隠れることとなる。これは、後方側の中駒部3が、前方側の中駒部3と後方側の中駒部3とを連結する回動軸よりも、前方側の中駒部3の側部3aの方に突出している駒形状(この場合は凸形の形状)であることによる。
このように、時計ケースに対するバンドの取付方向や駒形状によって、より、視認されにくい側部があるが、中駒部3の前方側に継ぎ目を設けるか、中駒部3の後方側に継ぎ目を設けるかは、複数駒の連結状況に応じて適宜設定することができる。継ぎ目の位置は、板状部材12の駒部材基部11に対する巻き付け方によって、適宜設定されるが、要は連結する隣の駒部材20や、外駒部2などで裏表から視認されにくい所で、腕の皮膚を傷つけるということもない位置に設定すると良い。このような条件を満たす板状部材の継ぎ目の位置が、駒部材基部の側部3a又は3bにおける上端部と下端部との間である。
複数駒の連結状況と継ぎ目の視認状況との関係は、これまでの研究開発の結果、次のような結果が得られてきている。駒部材20が凸形であって、板状部材12の端部が中駒部3における後方側の側部3aに位置する場合、板状部材12の厚さを含む駒部材の厚さが3mmから5mm程度の範囲において、連結時に、中駒部に巻き付けた板状部材12の表面と、隣の中駒部3に巻き付けた板状部材12の表面の相互間の隙間は、総じて2mm以下にすると、図5のように回動させた状態で斜めから覗いても、後方側の中駒部3が、前方側の中駒部3に巻きつけられた板状部材12の端部の視認を妨げ、簡単には継ぎ目が視認できなくなることがわかっている。
板状部材12は、駒部材基部11の上面又は下面側から、側部側に曲がった形状に形成されて、板状部材12の少なくとも一方の端部まで繋がるように構成されている。板状部材12の端部は、その端面が、下面側又は上面側に向いた状態で、中駒部3における側部の上端部と下端部との間に配置されている。図6の例では、板状部材12が、駒部材基部11の上面側及び側面側から側部3a側に曲がった形状に形成されて、両端部12a、12bまで繋がっている。板状部材12の端部12a、12bは、その端面12t、12uが、下面側又は上面側に向いた状態で、上端部3dと下端部3eとの間に配置されている。これらの端部12a、12b及び端面12t、12uは、対向させて配置しても良い。次に、板状部材12の駒部材基部11への巻き付け方について、その詳細を説明する。尚、端面12t、12uは、板状部材12に形成されている部位を理解しやすくするために、後の説明で用いる図8(a)にも図示している。
図8(a)〜(d)は、それぞれ、図3のA−A線に関する断面図である。図9(e)〜(h)は、それぞれ、図3のA−A線に関する断面図である。
次に、板状部材12の駒部材基部11へのバンド1の長さ方向への巻き付け方には、図8、9の(a)〜(h)の様々な実施形態が存在する。もちろん巻き付け方はこれらだけに限定されるものではない。尚、駒部材基部11は、第1実施形態の形状のものや、図2実施形態のように中駒部3と外駒部2とから構成されるもの、及び、後述する第3実施形態以降で説明する形状のものもあるが、ここでの説明は、各実施形態における形状のものに適用が可能である。
この説明で例示するのは、第2実施形態における駒部材基部11の一部を構成する中駒部3であり、符号は11を用いる。
図8(a)は、板状部材12の両端部22、22’を、側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置した場合の、板状部材12の駒部材基部11への巻き付け方である。板状部材12の嵌合部については、図16で後述する。ここでは、板状部材12の両端部22、22’がそれぞれ直線状で後述する嵌合部のない場合である。
図8(b)、(c)は、板状部材12における少なくとも一方の端部22を、側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置した場合の、板状部材12の駒部材基部11への巻き付け方である。図8(b)の場合では、一方の端部22と他方の端部22’が重なり合って、他方の端部22’は、板状部材12の内側に隠されており、双方が1つの側部に存在している。図8(c)の場合では、一方の端部22は板状部材12の外側に露出しているが、他方の端部22’は、別の側部に配置されて、この部分を覆う板状部材12の内側に隠されている。板状部材12における少なくとも一方の端部22を、側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置しているが、図8(b)、(c)のように他方の端部22’は板状部材12の内側に隠されて、視認できないようになされている。他方の端部22’は、これらの形態に限らず視認できない、若しくは視認されにくい位置に配置されていれば良いものである。
図8(d)は、板状部材12の両端部22、22’を、一方の側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置した場合であって、板状部材12の両端部22、22’(それぞれ内側が斜面に削れている)が、断面台形形状の側部の溝21に埋め込まれている。両端部のそれぞれ内側が斜面に削れていて、くさび作用で押し込まれた(圧入)ときに両端部22、22’の接合の密着が容易に行うことができ、両端部が外れにくくなる。
図9(e)は、板状部材12のそれぞれの端部22、22’を、一方の側部と他方の側部の斜面に外れないように被せた場合である。
図9(f)は、板状部材12のそれぞれの端部22、22’を、一方の側部と他方の側部の溝21、21に差し込んで埋めた場合である。
図9の(g)は、上下2枚の板状部材12、12’を、駒部材基部11に対して上下から被せて、それぞれの端部22、22’を対向させて、一方の側部と他方の側部の溝21、21に差し込んで埋めた場合である。
図9の(h)は、上下2枚の板状部材12、12’を、駒部材基部11に対して上下から、それぞれの端部22、22’を、図8(d)と同様に、一方の側部と他方の側部の断面台形形状の溝21、21に圧入して埋め込んだ場合である。なお、図9の(g)、(h)において、上の表側を覆う板状部材を第1の板状部材12とし、下の裏側を覆う板状部材を第2の板状部材12’とする。
図9の(g)、(h)では、第1の板状部材12の端部と、第2の板状部材12’の端部が、側部において、端部22、22’を駒部材基部11の溝21に入れるために、L形になって対向している。第1の板状部材12の端部と、第2の板状部材12’の端部は、相互に接着や溶着で接続すれば、ストレートであっても良い。なお、板状部材12の端部を接着や溶着で駒部材基部11に直接固定しても良い。
図10〜15は、本発明の第2実施形態の駒部材における、板状部材12の種々の巻き付け方を示す斜視図である。側部、上端部、下端部、溝等の符号と引き出し線は、説明が必要な図10だけ図示し、図が複雑にならないように、図10〜12、図14、図15では省略する。
板状部材12は、中駒部3又は外駒部2に対し、バンドの長さ方向、幅方向、又は、両方向に巻きつけることができる。本発明での側部とは、必ずしもバンドの長さ方向に配置されたものだけではない。
図10の実施形態は、板状部材12と中駒部3の幅が同じ図3の場合とは異なり、中駒部3に板状部材12を、バンドの幅方向の中駒部3の全幅より短く巻き付けた場合の形態である。
図11の実施形態は、図3と図10の折衷型であり、中駒部3に板状部材12を、一部の中駒部3では、バンドの幅方向の中駒部3の全幅より短く巻き付け、他の部分の中駒部3では、板状部材12と中駒部3の幅を同じにした場合の形態である。図11に図示した例では、板状部材12におけるバンドの幅方向の長さは、中駒部3が外駒部2から突出しない部分が短く、中駒部3が外駒部2からバンドの長さ方向に突出する部分の方が長い。
図12の実施形態は、板状部材12を中駒部3に巻き付けずに、両側又は片側の外駒部2にバンドの長さ方向に巻き付けた場合の形態である。もちろん、板状部材12を外駒部2と中駒部3の両方に巻き付けても良い。
図13の実施形態は、中駒部3に、板状部材12を、バンドの幅方向に巻き付けた場合の形態である。図13に図示した例では、中駒部3が外駒部2からバンドの長さ方向に突出する部分のバンド幅方向に形成した溝3Mに板状部材12が巻き付けられている。板状部材12の両端部は、中駒部3の幅方向の側部3fに配置されている。このように、板状部材12を中駒部3のバンド幅方向に巻き付けた場合は、板状部材12を巻き付けるために駒部材基部11の表側と裏側に形成した溝3Mにおける幅方向の端部が駒部材基部11の上端部3dと下端部3eである。また、中駒部3が溝3Mを有していない形状の場合は、板状部材12が巻き付けられる中駒部3の上面と下面のバンド幅方向のそれぞれの端部が、上端部3dと下端部3eである。上端部と下端部の位置は、外駒部の場合も同様である。
図14の実施形態は、図13の場合とは異なり、両側又は片側の外駒部2に、バンドの幅方向に板状部材12を巻き付けた場合の形態である。図14に示した例では、外駒部2が中駒部3からバンドの長さ方向に突出する部分に板状部材12が巻き付けられている。
図15の実施形態は、中駒部3に、板状部材12を、バンドの長さ方向とバンドの幅方向の両方に、十字形に巻き付けた場合の形態である。板状部材12は、十字形状に形成されている。なお、外駒部2に十字形の板状部材で巻き付けても良い。図15の例では、中駒部3が外駒部2からバンドの長さ方向に突出する部分で、バンドの幅方向に板状部材12が巻き付けられている。
図13〜15の場合には、駒部材に巻き付けられた板状部材の継ぎ目が、連結された駒部材同士によって視認されにくい位置に配置されている。すなわち、図13の実施形態の場合は、板状部材12の端部が、連結する隣の駒部材の外駒部2におけるバンド幅方向の内側の側部に対向することにより、板状部材の継ぎ目が隠れるようにしている。また、図14の実施形態の場合は、板状部材12の端部が、連結する隣の駒部材の中駒部3におけるバンド幅方向の外側の側部に対向することにより、板状部材の継ぎ目が隠れるようにしている。図15の場合のバンドの長さ方向の板状部材12の端部は、実施形態2と同様であり、後方に配置されていて、連結する隣の駒部材の中駒部3に隠れ、バンドの幅方向の板状部材12の端部は、図13の実施形態の場合と同様であり、前方に配置されていて、連結する隣の駒部材の外駒部2に隠れるようになっている。
図13〜図15の場合は、隣り合う互いの駒部材20の回動範囲を制限することによって、バンド幅方向の側部からバンドを視認しても、板状部材12の端部が、これに隣り合う外駒部3又は中駒部2によって、常に隠れて視認され難くすることができる。さらに、図15の場合は、駒部材基部11の表面に直接装飾加工を施す場合に比較して、十字形状のような複雑な装飾を容易に付与すことができる。
また、図12のように、外駒部2におけるバンドの長さ方向に板状部材12を巻き付ける場合には、板状部材12の端部を、外駒部2が中駒部3からバンドの長さ方向に突出しない方の側部に配置するのが好ましい。この場合、図12の前方側に連結される駒部材(図示せず)の外駒部が、図12に示した中駒部3の貫通穴を通る回動軸よりも、継ぎ目側の方に突出することとなる。これにより、図5で説明した場合と同様に、この突出する隣の外駒部の側部から裏面の間のいずれかの部分が、継ぎ目に対向した状態となる。従って、駒部材どうしの回動状態にかかわらず、板状部材12の継ぎ目が隠れることとなる。
図16(a)は、板状部材の嵌合部を示す斜視図である。同(b)及び(c)は、板状部材の嵌合部を示す正面図である。同(d)は、板状部材の嵌合部を示す斜視図である。(e)は、板状部材の嵌合部を示す正面図である。同(f)及び(g)は、板状部材の嵌合部を示す斜視図である。これらの図は、板状部材12のみの斜視図であって、駒部材基部11の表示は省略されている。
図16(a)は、駒部材基部(図示せず)の側部における厚さ方向の上端部と下端部との間において、板状部材12の両端部を、くさび形状の嵌合部13、14で互いに嵌合させて、駒部材20の厚さ方向への離間を防ぐようにしたものである。厚さ方向への離間を防ぐようにできれば、板状部材の両端部に形成されるそれぞれの嵌合部は、両端部が互いに重ならずに任意の嵌合可能な形状を採用することができる。図16(a)では、くさび形状として図16(b)を採用している。板状部材12を真っ直ぐな状態から図16に示す形状に曲げて駒部材基部11に巻き付けた後、通常、板状部材12にスプリングバックが発生して、両端部の継ぎ目に浮きが発生する。板状部材12の両端部を、くさび形状の嵌合部13、14で互いに嵌合させると、このようなスプリングバックによる浮きを防止することができる。また、くさび形状の場合には、板状部材12の両端部を離すような張力やひねりが働いでも、くさび作用で離れることがない。
板状部材の両端部は、嵌合部13、14で互いに嵌合した状態において、両端部の一方(又は双方)に隙間部15が形成されている。板状部材12を駒部材基部11に巻き付け嵌合した後で、鏡面加工などを施した板状部材12の表面に傷などをつけてしまった場合、板状部材12を取り外して交換するなどの修正処理をする必要が生じる。隙間部15は、嵌合部13、14を隙間部15からこじ開けて、板状部材12を駒部材基部11から剥がすために設けられている。ここでは、円弧で形成した隙間部であるが、必ずしもこれに限定されない。図16(c)のように、嵌合部13、14の直線両端部を相互に離して隙間部15を形成しても良い。また板状部材12の両端部の裏には斜面を形成して駒部材基部11の側部と斜面との間にヘラなどの先端が挿入できるようにしておくと、嵌合部13、14をこじ開けるとき容易に行えるので有利である。
図16(d)の場合には、図16の(e)に図示するように、嵌合部13、14が、嵌めこみパズルのような形状に形成されている。板状部材12の両端部の一部に隙間部15が形成されている。その他嵌合部13、14の形状は、鍵状であっても良い。板状部材12の勘合部をこれらの形状にした場合も、スプリングバックによる、駒部材基部11からの両端の浮きを防止できるばかりでなく、ひねりや引張による浮き上がりも同時に防止することができる。図16(f)の場合には、嵌合部13、14が、波形のような形状に形成されている。嵌合部13、14は、バンドの厚さ方向には嵌合せず、幅方向に嵌合する形状に形成されている。従って、この場合には、バンド幅方向における両端のズレを防止することができる。板状部材12の両端部は、接着などにより、互いに固定されるか、又は、駒部材基部11に固定される。この場合にも、両端部の一部に隙間部15が形成され、ここにへらなどを挿入して、接着を剥がす等により、嵌合部13、14をこじ開けられるように構成している。図16(g)の場合には、嵌合部13、14の両端面が斜面で形成されている。この場合、嵌合部13、14は、バンドの厚さ方向及び幅方向には嵌合せず、嵌合部14の斜面が勘合部13の斜面を駒部材基部11側に押さえ付けて隣の駒部材の方に突出しないように嵌合している。図16(f)の場合と同様に、板状部材12の両端部は、接着などによって固定されるとともに、接着を剥がしてこじ開けられるように両端部の一部に隙間部15が形成されている。さらに、嵌合部14の内部方向に面した斜面は、へらなどの先端部を引っ掛けることができため、嵌合部13、14をこじ開けるときに有効である。
駒部材基部11に、板状部材12を巻き付けて固定する場合において、板状部材12の両端部を嵌合形状に形成しない場合には、圧入、真空密着、接着、カシメ、磁力接着、螺子止めなどを活用することができる。また、板状部材12の両端部をレーザーなどにより溶着することも可能である。図8、9(a)〜(h)の場合や、図16(a)〜(g)のように、板状部材12を駒部材基部11に巻き付ける場合には、予め板状部材12を巻き付けやすい形状に予備成形しておくことが可能であり、これにより板状部材12を巻きつける加工工程をきわめて簡潔に行うことができる。
図16(a)〜(e)に示した嵌合部13、14は、互いに、雄雌の関係を逆の形状に形成することもできる。
図16(a)〜(e)に示した例では、駒部材基部11における厚さ方向の上側に配置される嵌合部14が凸形状であり、駒部材基部11における厚さ方向の下側に配置される嵌合部13が凹形状である。
嵌合部13、14は、互いに、雄雌の関係が逆の形状に形成する場合は、駒部材基部11における厚さ方向の上側に配置される嵌合部14が凹形状となり、駒部材基部11における厚さ方向の下側に配置される嵌合部13が凸形状となる。
図16(a)〜(e)に示した凸形状に形成された嵌合部14は、駒部材基部11の幅方向において、下面側に突出する部分の長さが、その左側又は右側の突出しない部分の長さよりも長い。この形状の場合には、継ぎ目の中央部分が長くなり、これが駒部材基部11における下面に近い位置することになる。
これに対し、図16(a)〜(e)に示した嵌合部13、14を、互いに、雄雌の関係が逆の形状になるように形成した場合は、長さが長くなる継ぎ目の中央部分が、駒部材基部11における上面側に近い位置になる。従って、図16(a)〜(e)に示すように、嵌合部14と嵌合部13を、それぞれ、凸形状及び凹形状に形成することにより、これとは逆の形状に形成する場合と比較して、より、継ぎ目を目立たなくすることができる。
図17は、図3のA−A線に関する断面図である。図18は、図3のA−A線に関する断面斜視図である。図19は、図18のB−B線に関する部分断面図である。図20は、本発明の第2実施形態の駒部材基部を示す平面図である。図21は、図20のC−C線に関する部分断面図である。
図17には、外駒部2と中駒部3とによって駒部材基部11に形成される段差δが示されている。段差δの深さは、通常は、板状部材12の厚み程度にして、駒部材20の上面は、駒部材基部11と板状部材12間に段差のない平面状にする。しかしながら、駒部材基部11から板状部材12の側面上部が若干見えるようにしても良く、あるいは、段差δの深さが板状部材12の厚みより深くなっていて、側面視で板状部材12の側面上部が見えないようにしても良い。板状部材12に貴金属を用いた場合には、敢えて板状部材12を巻きつけた部分が貴金属の無垢であるように見せるため、板状部材12の側面上部が見えるようにすることがある。いずれにせよ、板状部材12の下面だけは側面視で視認できないようにすると良い。
通常、外駒部2と、中駒部3とを一体化した駒部材基部11を、プレス加工や鍛造で製造すると、外駒部2と中駒部3との境目Rは、丸み隅部R(いわゆるR部)が形成されてしまう。このため、板状部材12の下面の角部などが、このR部にぶつかって、図19の矢印方向に捲り上がって境目の仕上がりを悪化させることがあった。
このような、捲り上がりの不都合を防止するために、外駒部2と、中駒部3との境目に沿って、中駒部3の表裏両面に溝Sを形成する。溝Lは、バンドの側面視で、外駒部2によって隠れる程度の長さが好ましい。これにより、図21に示すように、溝Sにより、板状部材12の下面の角部が、外駒部2と中駒部3との境目にぶつかることがなくなり、図19のような捲り上がりが発生しない。
(第3実施形態)
図22は、本発明の第3実施形態の駒部材を示す斜視図である。
第3実施態様は、図22〜24に示すように、2種類の駒部材30、40からなる複数の駒部材を、交互に回動可能に連結したバンド1である。本実施形態は、いわゆるH形と称する駒部材30を、それに連結する駒部材40を介して回動可能に回動軸4で連結している。駒部材30は、中駒部3と、中駒部を挟む2つの外駒部2と、中駒部3に巻き付けられた板状部材12を有している。中駒部3と外駒部2が駒部材基部11を構成する。中駒部3は、バンドの幅方向の内側に位置し、外駒部2が、バンドの幅方向の外側に位置するように、駒部材30と駒部材40とが連結されている。外駒部2は、中駒部3からバンド長さ方向の前後両方に突出して、駒部材基部11及び駒部材30が、平面視でH形を構成している。板状部材12が巻きつけられた中駒部3には、隣合う駒部材40と対向する側部3a,3bを有している。板状部材12における少なくとも一方の端部を、中駒部3の側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置する。図22に示した例では、板状部材12の両方の端部を、中駒部3の側部3aにおける上端部3dと下端部3eとの間に配置している。尚、図22に示した例では、中駒部3における厚さ方向の上側と下側に配置される板状部材12の両端部を、それぞれ、凹形状と凸形状とに形成しているが、もちろん、この両端部を、図22とは逆の凹凸形状に形成しても良い。
中駒部3に巻き付けられる板状部材12は、中駒部3のバンド幅方向と同じ幅であるが、短くして、図10の中駒部3のようにしても良い。本実施形態では、中駒部3の駒部材基部11に巻き付けられる板状部材12は1条であるが、意匠的効果を狙って複数条であっても良い。板状部材12の様々な巻き付け方の形態については、第2実施形態と同じである。
第1、2実施形態は、同一の駒部材を連結してバンド1を構成したものであるが、図23に示すように、第3実施形態では、2種類の駒部材30、40からなる複数の駒部材を、交互に回動可能に連結したバンド1である。第3実施形態の駒部材30に連結する駒部材40の形状は、平面視で概略四角形である。図22の場合では、駒部材40には、板状部材12は巻きつけられず、駒部材基部を駒部材として用いる。駒部材40に、板状部材12を巻きつけた図1(a)の第1実施形態のベースブロックを使用しても良く、板状部材12を巻きつけた駒部材40と板状部材12を巻き付けない駒部材40は、バンド1の意匠的効果を考慮していずれかを採用すればよい。第3実施形態にみられるように、他の実施形態においても必ずしも同一の駒部材のみを連結してバンド1を構成しなくても良く、適宜連結する駒部材を任意に選択すればよい。
各駒部材30、40には、隣合う駒部材30、40をバンドの幅方向に回動軸4が貫通して挿入できるように貫通穴5、5’が設けられている。図22に示すように、貫通穴5は、駒部材30の外駒部2に設けられており、貫通穴5’は、駒部材40’に設けられている。回動軸4を構成する回動軸部材(連結用ピン)は、駒部材30の外駒部2の貫通穴5から、駒部材40の貫通穴5’を通って、駒部材30の外駒部2の貫通穴5に抜けるように挿入されている。
以上の駒部材40には、外駒部が存在しなかったが、図24に示すように、駒部材40’は、中駒部3’と、中駒部を挟む2つの外駒部2’とを有する場合であっても良い。中駒部3’は、バンドの幅方向の内側に位置し、外駒部2’が、バンドの幅方向の外側に位置するように、駒部材30と駒部材40’とが連結されている。外駒部2’のバンドの長さ方向の長さは、中駒部3’より短く、中駒部3’は、バンドの長さ方向に沿って、外駒部2’からバンド長さ方向の前後両方に突出している。この場合にも、中駒部3’に、板状部材12を巻きつけても良く、また、巻き付けない場合であっても良い。
本実施形態においても、板状部材12における少なくとも一方の端部を、側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置したことによって、駒部材基部に巻き付けられた板状部材の継ぎ目が、連結された駒部材同士によって視認されにくくなり、無垢材のような美観が得られる。また、板状部材の継ぎ目が側部にあるので、駒部材基部に巻き付けられた板状部材の端部の引っ掛かりやバリで、腕の皮膚を傷つけるということもなく、肌触りも良好である。
(第4実施形態)
図25は、本発明の第4実施形態の駒部材を示す斜視図である。図26は、本発明の第4実施形態を示す平面図である。
第4実施態様は、図25、26に示すように、複数の駒部材50を互いに回動可能に回動軸4で連結したバンド1である。本実施形態は、いわゆるE形と称する駒部材50を、同じ駒部材50同士で連結したバンドである。複数の駒部材50のそれぞれは、第2駒部7に対して第1駒部6が、バンドの長さ方向における第1の方向(図25の前方)に突出し、第2駒部7は、第1駒部6に対して、第1の方向とは反対側の第2の方向(図25の後方)に突出する形状である。1つの駒部材50において、第1駒部6、第2駒部7、第1駒部6、第2駒部7、第1駒部6は、図18と同様にして一体に形成され、1つの駒部材基部11を構成している。第2駒部7には、板状部材12が全面を覆うように巻き付けられている。板状部材12の様々な巻き付け方の形態については、第2実施形態と同じである。
各駒部材50には、隣合う駒部材50をバンドの幅方向に回動軸4が貫通して挿入できるように貫通穴5、5’が設けられている。図25に示すように、貫通穴5は、駒部材基部11における第1駒部6の突出部分に設けられており、貫通穴5’は、駒部材基部11における第2駒部7の突出部分に設けられている。回動軸4を構成する回動軸部材は、駒部材50の第1駒部6の貫通穴5から、隣合う駒部材50を構成する第2駒部7の貫通穴5’を通って、第1駒部6の貫通穴5を通り、隣合う駒部材50を構成する第2駒部7の貫通穴5’を通り、第1駒部6の貫通穴5に至る。板状部材12が巻きつけられた第2駒部7には、隣合う駒部材基部11を構成する第2駒部7と対向する側部7a,7b(バンド長さ方向の側部という)を有している。板状部材12における少なくとも一方の端部を、第2駒部7の側部7a,7bにおける厚さ方向の上端部7dと下端部7eとの間に配置する。図25に示した例では、板状部材12の両端部を、側部7aにおける厚さ方向の上端部7dと下端部7eとの間に配置している。尚、図25に示した例では、第2駒部7における厚さ方向の上側と下側に配置される板状部材12の両端部を、それぞれ、凹形状と凸形状とに形成しているが、もちろん、図25とは逆の凹凸形状に形成しても良い。
以上述べた第4実施形態では、駒部材基部11が3列の第1駒部6と2列の第2駒部7から構成されている。これに限らず、駒部材基部11の構成は、4列の第1駒部6と3列の第2駒部7であってもよく、n列の第1駒部6とn−1列の第2駒部7(但し、nは3以上の整数)であっても良い。すなわち、第4実施形態は、板状部材12が巻きつけられた駒部材基部は、n列の第1駒部6とn−1列の第2駒部7とを有し、バンドの長さ方向における第1の方向に、第2駒部7より突出する第1駒部6と、第1の方向とは反対側の第2の方向に、第1駒部6より突出する第2駒部7とが、前記バンドの幅方向に交互に配置された形状である。
本実施形態においても、板状部材12における少なくとも一方の端部を、側部における厚さ方向の上端部と下端部との間に配置したことによって、駒部材基部に巻き付けられた板状部材の継ぎ目が、連結された駒部材同士によって視認されにくくなり、無垢材のような美観が得られる。また、板状部材の継ぎ目が側部にあるので、駒部材基部に巻き付けられた板状部材の端部の引っ掛かりやバリで、腕の皮膚を傷つけるということもなく、肌触りも良好である。
図27(a)は、駒部材の裏面側両端部が曲面状に窪んだ形状を有する場合のバンド幅方向にカットした駒部材の断面図である。図27(b)は、図27(a)のE部の拡大図である。図27(c)は、駒部材の裏面側両端部が曲面状に窪んだ形状を説明する説明図である。図28は、図27(a)の駒部材を連結した側面図である。図29(a)、(b)は、図27(a)の駒部材を成形する金型断面の説明図である。
次に、図3、図27(a)〜(c)、図28を、一例として参照して、第2実施形態の駒部材20の裏面側両端部の傾斜部Vが、曲面状に窪んだ断面形状を有する場合の実施形態について説明する。本実施形態では、外駒部2の裏面側両端部が、半径rの円弧状に窪んだ断面形状に形成されている。図27(a)、(b)の曲面状に窪んだ断面形状は、製図記号のRに倣って、以下「逆R部形状」ともいう。その他の部分は第2実施形態と同じである。図28に示すように、逆R部形状は、バンド長さ方向に一定の傾斜部Vの幅のものや、一定の逆R部形状のものに限らず、バンド長さ方向に、傾斜部Vの幅や逆R部形状が変化するように形成することも可能である。
従来のバンドを構成する駒部材として、その裏面側両端部に傾斜部Vが形成されず、駒部材の裏面・側面が交わる角部が角張った形状に近いものが用いられている。このような形状の駒部材を用いたバンドは、駒部材の裏面・側面が交わる角部が肌に当って不快に感じたり、角部によって押し付けられた肌が凹んで角部の跡がついたりしていた。これに対して、本実施形態では、バンドを腕に装着した状態で外駒部20における裏面側両端部の傾斜部Vの部分が肌から離間して、角張った部位が肌に当ることがない。しかも、常時バンドが触れている腕に対しては、外駒部2の裏面が腕に接触する接触面積が減る。これらによって、バンドが及ぼす肌への負担が少なくなる。尚、バンドが及ぼす肌への負担を、より、減らすためには、駒部材20が肌に触れる箇所に角張った形状の部位を形成しないことが好ましい。このため、図27(b)に示した、外駒部2の裏面と傾斜部Vとの境界部分Uは、外駒部2の裏面から突出しない滑らかな曲面に形成されている。また、図27(c)にみられるように、駒部材の外駒部2の裏面側両端部を指Wで触れたときに、凹形状の逆R部形状の部分に、指の先端がフィットして、触れた時の違和感が無くなり、触感が向上する。これに対し、特許文献7や、特許文献8に記載のように、駒部材裏面側における両端部が、直線状のテーパー形状で構成された従来技術のバンドも存在する。このようなバンドは、テーパー形状部分を指Wで触れたときに、指とテーパー形状部分とが点接触するか、又は、指の表面の一部が平面形状に変形した状態でテーパー形状部分に接触する。従って、これらのバンドは、逆R部形状の部分を指Wで触れたときに感じるフット感が得られない。さらに、これらの従来技術のバンドように、逆R部形状の部分を、直線状のテーパー形状とした場合には、駒部材に、切削及び研磨によってテーパー形状を加工することとなる。従って、これらの従来技術のバンドは、テーパー形状の加工に、削りが2〜3工程、研磨が1〜2工程必要である。これに対し、本実施形態の逆R形状の場合は、逆R形状の部分を、プレス加工により、プレス1工程で加工できる。
金型によるプレス成型で外駒部2を形成する場合、逆R部形状の部分の形成について、説明する。図29にみられるように、金型それ自体に形状K(逆R部形状を転写する形状)が形成されており、成型の段階から逆R部形状にすることを目的としている。また、図29(a)の丸印G、Hの部分については、プレス成型の特性上、仮に図29(b)の丸印I、Jの部分のように、金型側が隅部Rになっていなくても、外駒部2には多少の隅部Rが形成される。ただし、狙いの形にするためには、図29(a)の丸印G、Hの部分のように、金型は狙い値通りの隅部Rを有する必要がある。本実施形態の外駒部2の裏面側両端部の加工はもちろんプレス成型に限定されるものではないが、プレス成型による場合の方が加工コスト・加工時間の削減上好ましい。
また、本実施形態では、半径rの円弧状に窪んだ断面形状に形成されているが、必ずしもこれに限定されることはなく、傾斜部Vの断面形状は、任意の曲面状に窪んだ断面形状としてもよい。すなわち、本実施形態は、複数の駒部材を互いに回動可能に回動軸で連結したバンドであって、バンドの幅方向の両端部において、複数の駒部材のそれぞれの裏面には、駒部材の内側から側面に向かって、次第に厚さが薄くなる形状に形成された傾斜部Vが、バンドの長さ方向に亘って設けられ、傾斜部Vの断面形状が、曲面状に窪んだ形状であることを特徴としている。さらに、裏面と傾斜部Vとの境界部分U(図27(b)参照)を、裏面から突出しない滑らかな曲面に形成するようにしても良い。本実施形態は、第2実施形態の駒部材20のみならず、第1実施形態のベースブロックタイプを含む上述の各実施形態に適用可能である。例えば、このベースブロックタイプの駒部材に本実施形態を適用する場合には、駒部材基部11の裏面におけるバンド幅方向の両端を、逆R部形状に形成すると良い。さらに、本実施形態を各実施形態の駒部材に適用する場合、各実施形態の駒部材は板状部材12の有無を問わず、板状部材12が巻きつけられていない駒部材にも適用が可能である。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的構成はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
1 バンド
2 外駒部
3 中駒部
4 回動軸
5、5’ 貫通穴
10、20、30、40、50、60 駒部材

Claims (10)

  1. 複数の駒部材を互いに回動可能に回動軸で連結したバンドであって、
    前記複数の駒部材の少なくとも一つは、板状部材と、該板状部材が巻きつけられる被巻付け部材とを有し、
    前記被巻付け部材は、隣合う駒部材と対向する側部を有し、
    前記板状部材の両端部を、前記側部における厚さ方向の上端部と下端部との間で互いに対向させて、前記隣合う駒部材に対向して視認されにくくなるように配置し、
    前記板状部材の両端部は、互いに嵌合した状態において、前記両端部の一部に隙間部が形成されていることを特徴とするバンド。
  2. 前記板状部材は、前記被巻付け部材の上面又は下面側から、前記側部側に曲がった形状に形成されて、前記少なくとも一方の端部まで繋がる部分を有することを特徴とする、請求項1に記載のバンド。
  3. 前記板状部材は、前記駒部材の厚さ方向への離間を防ぐように、前記板状部材の両端部に、互いに嵌合する嵌合部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のバンド。
  4. 前記板状部材の両端部に形成されるそれぞれの嵌合部が、前記両端部が互いに重ならずに嵌合可能な形状であることを特徴とする請求項に記載のバンド。
  5. 前記被巻付け部材は、中駒部と、該中駒部を挟む2つの外駒部とを有し、
    前記被巻付け部材は、前記中駒部が前記バンドの幅方向の内側に位置し、前記外駒部が前記バンドの幅方向の外側に位置するように、隣合う駒部材と連結され、
    前記外駒部は、前記バンドの長さ方向に沿って、前記中駒部から突出し、
    前記板状部材を、前記中駒部又は前記外駒部に対し、前記バンドの長さ方向、幅方向、又は、両方向に巻きつけたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のバンド。
  6. 前記板状部材が巻きつけられた被巻付け部材は、前記中駒部に対し、前記外駒部が固定され、
    前記一対の外駒部の間、又は、前記外駒部から突出する前記中駒部に、前記バンドの幅方向を軸方向とする回動軸を有し、
    前記板状部材が巻きつけられた被巻付け部材は、前記回動軸によって隣り合う駒部材と連結され、
    前記隣り合う駒部材は、その回動位置にかかわらず、前記板状部材における少なくとも一方の端部が配置される前記中駒部又は前記外駒部の側部と対向して、前記端部が前記隣り合う駒部材に隠れることを特徴とする請求項に記載のバンド。
  7. 前記複数の駒部材のそれぞれは、前記中駒部に対して前記外駒部が、前記バンドの長さ方向における第1の方向に突出し、前記中駒部は、前記外駒部に対して、前記1の方向とは反対側の第2の方向に突出する形状の被巻付け部材を有し、
    前記回動軸は、前記一対の外駒部の間に設けられ、
    それぞれの中駒部が、前記バンドの長さ方向に互いに隣り合うように連結され、
    前記被巻付け部材を構成するそれぞれの中駒部には、前記第1の方向に位置する第1の側部と、前記第2の方向に位置する第2の側部が形成され、
    前記板状部材における前記少なくとも一方の端部は、前記中駒部の前記第1の側部に配置されることを特徴とする、請求項に記載のバンド。
  8. 前記被巻付け部材は、n列の第1駒部とn−1列の第2駒部とを有し(但し、nは3以上の整数)、
    前記バンドの長さ方向における第1の方向に、前記第2駒部より突出する第1駒部と、前記第1の方向とは反対側の第2の方向に、前記第1駒部より突出する第2駒部とが、前記バンドの幅方向に交互に配置された形状であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のバンド。
  9. 前記被巻付け部材の上面又は下面の少なくともいずれかの面には、前記バンドの幅方向の内側に溝が形成され、
    前記板状部材が前記溝に埋め込まれるようにして巻きつけられたことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のバンド。
  10. 前記板状部材は、少なくとも一方の端部が、前記中駒部の側部に形成された溝に嵌めこまれていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のバンド。
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