JP6606323B2 - 光学ガラス - Google Patents
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(1)屈折率が1.83以上でアッベ数が26以下であり、酸化物基準で必須成分としてSiO2、TiO2、Nb2O5およびNa2Oを含有し、外割りでSb2O3を0質量%超0.01質量%未満含有する、光学ガラス。
(2)酸化物基準で、SiO2、TiO2、Nb2O5およびNa2Oの合計含有率が70質量%以上である、上記(1)に記載の光学ガラス。
(3)日本光学硝子工業規格JOGIS02−2003に規定される光学ガラスの着色度の測定方法によって測定したときに、分光透過率70%を示す波長が450nm以下となる着色度を備える、上記(1)または(2)に記載の光学ガラス。
(4)日本光学硝子工業規格JOGIS12−1994に規定される光学ガラスの泡の測定方法によって測定したときに、100mlのガラス中における泡の断面積の総和が0.03mm2以下となる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学ガラス。
(5)Sb2O3の含有率が、外割りで0.001〜0.005質量%である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光学ガラス。
(6)酸化物基準の質量%で、
SiO2:21.0〜30.0%、
TiO2:24.0〜40.0%、
Nb2O5:15.5〜30.0%、
Na2O:10.0〜23.0%、
ZrO2:0〜9.0%、
BaO:0〜25%、
K2O:0〜23.0%
を含有し、(TiO2+Nb2O5)/(Na2O+K2O)が3.0〜4.0である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光学ガラス。
本発明の光学ガラスは、屈折率が1.83以上でアッベ数が26以下であり、酸化物基準で必須成分としてSiO2、TiO2、Nb2O5およびNa2Oを含有し、外割りでSb2O3を0質量%超0.01質量%未満含有する、光学ガラスである。
本発明の光学ガラスは、SiO2−TiO2−Nb2O5−Na2O系ガラスにおいて、Sb2O3含有率を外割りで0超0.01%未満という、極めて限定された特定範囲とすると、ガラス中の泡の量が安定して極めて少なくすることができ、同時に、着色性が悪化しないこと等を本発明者が見出し完成させたものである。
そして、SiO2、TiO2、Nb2O5、Na2OおよびBaOを合計含有率が、酸化物基準で72%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましい。
屈折率は1.83以上、より好ましくは1.84以上、さらに好ましくは1.845以上である。
アッベ数は26以下、より好ましくは25以下、さらに好ましくは24以下である。
なお、この規格の表1には、100mlのガラス中の泡の断面積の総和(mm2)によって、泡の断面積の総和が0.03mm2未満の場合は級1、0.03〜0.1mm2未満の場合は級2、0.1〜0.25mm2未満の場合は級3、0.25〜0.5mm2未満の場合は級4、0.5mm2以上の場合は級5と規定されている。
したがって、本発明の光学ガラスは、日本光学硝子工業規格JOGIS12−1994に規定される光学ガラスの泡の測定方法によって測定したときに、級1に該当する光学ガラスであることが好ましい。
ここで、失透箇所の「径」とは、ガラス試料を観察した際に当該失透下箇所を略楕円形と見た場合の最大径を意味する。また失透箇所の形状が楕円と大きく異なる場合は、当該形状を含むことができる円のうちさらに小さいものの直径を、失透箇所の径と仮定することとする。
本発明の光学ガラスの製造方法は特に限定されないものの、次に説明する2つの製造方法(製造方法1、製造方法2とする)のいずれかによって製造することが好ましい。
製造方法1では、初めにカレット製造装置を用いてカレットを製造する。
カレット製造装置は、粉体のガラス原料を装入する石英ポットが、加熱炉の内部に配置されており、加熱炉の温度を調整することで、石英ポット内のガラス原料を溶解することができる。また、石英ポットの底部から、下方に配置された水槽まで、冷却パイプが延びていて、石英ポットの内部において溶解された溶融ガラスが冷却パイプ内を通過しながら徐々に冷却され、固体となった粉状のカレットが、冷却パイプの下方端部から排出されるように構成されている。
水槽内のカレットは、例えば従来公知の電気乾燥炉を用いて乾燥して、次工程において用いることができる。
製造方法2では、初めに、従来公知の方法によってカレットを製造する。具体的には、例えば、白金製の溶融設備で粉状のガラス原料を溶融した後、得られた溶融ガラスを公知の方法によって急冷し、必要に応じて粉砕してカレットを作成する。
次に、製造方法1の場合と同様に、ガラス成形装置(連続溶解炉)を用いて、得られたカレットを再溶解し、板状のガラスを成形する。
Sb2O3含有率が0.002%(外割り)となるようにガラス原料を調整し、前述の製造方法1によって板ガラスを製造して、着色度、泡の量、耐失透性の評価を行った。
着色度の評価は、前述の日本光学硝子工業規格JOGIS02−2003に規定される方法で行った。
泡の量の評価は、前述の日本光学硝子工業規格JOGIS12−1994に規定される光学ガラスの泡の測定方法によって測定して行った。
耐失透性の評価は、前述のように、800℃で10分間保持することにより、リヒートプレス時の熱履歴を再現し、その際に生じる失透箇所の有無を概観にて評価した。失透箇所が認められない場合には○とし、認められた場合には×とした。
結果を第1表に示す。
SiO2:24.7%
TiO2:27.4%
Nb2O5:17.6%
Na2O:12.0%
ZrO2:0.9%
BaO:17.4%
Sb2O3:0.002%(外割り)
Sb2O3含有率が0.004%(外割り)となるようにガラス原料を調整し、その他については実施例1と同じ方法で板ガラスを製造して、実施例1と同じ方法で着色度、泡の量、耐失透性の評価を行った。得られた板ガラスの組成(酸化物基準)も、Sb2O3以外は実施例1と同じであり、Sb2O3含有率は0.004%(外割り)であった。
結果を第1表に示す。
Sb2O3含有率が0%(外割り)となるようにガラス原料を調整し、その他については実施例1と同じ方法で板ガラスを製造して、実施例1と同じ方法で着色度、泡の量、耐失透性の評価を行った。得られた板ガラスの組成(酸化物基準)も、Sb2O3以外は、実施例1は同じであった。
結果を第1表に示す。
Sb2O3含有率が0.01%(外割り)となるようにガラス原料を調整し、前述の製造方法2によって板ガラスを製造した。そして、実施例1と同じ方法で着色度、泡の量、耐失透性の評価を行った。得られた板ガラスの組成(酸化物基準)も、Sb2O3以外は実施例1と同じであり、Sb2O3含有率は0.01%(外割り)であった。
結果を第1表に示す。
Sb2O3含有率が0.02%(外割り)となるようにガラス原料を調整し、その他については実施例1と同じ方法で板ガラスを製造して、実施例1と同じ方法で着色度、泡の量、耐失透性の評価を行った。得られた板ガラスの組成(酸化物基準)も、Sb2O3以外は実施例1と同じであり、Sb2O3含有率は0.02%(外割り)であった。
結果を第1表に示す。
Sb2O3含有率が0.02%(外割り)となるようにガラス原料を調整し、前述の製造方法2によって板ガラスを製造した。そして、実施例1と同じ方法で着色度、泡の量、耐失透性の評価を行った。得られた板ガラスの組成(酸化物基準)も、Sb2O3以外は実施例1と同じであり、Sb2O3含有率は0.02%(外割り)であった。
結果を第1表に示す。
Claims (4)
- 屈折率が1.83以上でアッベ数が26以下であり、酸化物基準で必須成分としてSiO2、TiO2、Nb2O5およびNa2Oを含有し、外割りでSb2O3を0質量%超0.01質量%未満含有し、
酸化物基準の質量%で、
SiO2:21.0〜24.7%、
TiO2:27.4〜40.0%、
Nb2O5:15.5〜30.0%、
Na2O:10.0〜23.0%、
ZrO2:0〜0.9%、
BaO:0〜25%、
を含有し、(TiO2+Nb2O5)/(Na2O+K2O)が3.55〜3.75であり、
K 2 Oを含まず、
酸化物基準で、SiO2、TiO2、Nb2O5、Na2OおよびBaOの合計含有率が99.1質量%以上である、光学ガラス。 - 日本光学硝子工業規格JOGIS02−2003に規定される光学ガラスの着色度の測定方法によって測定したときに、分光透過率70%を示す波長が450nm以下となる着色度を備える、請求項1に記載の光学ガラス。
- 日本光学硝子工業規格JOGIS12−1994に規定される光学ガラスの泡の測定方法によって測定したときに、100mlのガラス中における泡の断面積の総和が0.03mm2以下となる、請求項1または2に記載の光学ガラス。
- Sb2O3の含有率が、外割りで0.001〜0.005質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラス。
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