JP2007051055A - 光学ガラス - Google Patents

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荻野道子
Masahiro Onozawa
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Abstract

【課題】高屈折率、高分散の特性を付与しつつ、精密プレス成形性に優れ経時変化による透過率低下をおさえ、ガラスの透過率と内部品質が優れたガラスを提供する。
【解決手段】ガラス中のPt量が1.5ppm以下であることを特徴とするリン酸塩光学ガラス。両面研磨した厚み10mmの試料に紫外域及び/又は可視域の光線を、0.4mW・cm−2以下の受光エネルギーで200h以上照射することにより、波長420nmの光に対する内部透過率の10mm厚みの換算値の試料の照射前後の内部透過率の差(照射前−照射後)が0.1以下であることを特徴とする前記リン酸塩光学ガラス。
【選択図】なし

Description

近年、光学系を使用する機器の高集積化、高機能化が急速に進められる中、光学系に対する高精度化、軽量、小型化の要求がますます強まっており、この要求を実現するために、高屈折率高分散ガラスを用いた光学レンズを使用した光学設計が主流になりつつある。
高屈折率高分散ガラスとしては、従来、鉛を大量に含有する鉛珪酸塩ガラスが知られており、例えば、特開昭57−34042号公報には、PbOを多量に含有するSiO−PbO−B系の高屈折率高分散ガラスが開示されている。しかし、近年、環境汚染物質である鉛を含有するガラスは非酸化性雰囲気では金属鉛が析出する等の問題のため、その使用を止める動きもあり、PbOを含まない材料に置き換えられている。
従来の光学ガラスの中には、SiOやBをフォーマーとしたSFタイプのガラスも存在するが、これらのガラスは、精密プレスを行っている最中にプレスレンズ中に結晶が析出しやすく、その歩留りがかなり悪くなるなどの問題が生じ、量産化には不向きであった。
ところで精密プレス成形用の公知の型材等では、精密プレス成形温度が700℃を越えると型材及び膜の酸化や劣化等の問題が生じ、型材の面精度の保持が難しくなり、精密プレス成形によるレンズの量産が困難になる。従って精密プレス成形される光学ガラスは、700℃以下の温度で精密プレス成形される方が望ましい。
従って、精密プレス成形温度が700℃以下で、プレス中に結晶が析出しにくい材料として、特開2004−588451号公報で知られているようなPを主成分としたガラスが知られている。しかし、かかるガラス(P系をフォーマーとしたガラス)は日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994 に示されるような強い光を照射させないまでも、微弱な光をある一定量照射すると透過率低下が発生するというも問題が発生している。通常、このようなわずかな微弱な光は防ぎようもなく、このような透過率低下は、高精度のデジタルカメラ用や光通信用などの球面レンズや非球面レンズ、回折格子などにおいては非常に不利な特性である。
さらに、特開2004−292301では、精密プレス成形温度が700℃以下で、プレス中に結晶が析出しにくく、かつ、透過率が良く内部品質に優れたガラスが知られているが、かかるガラス(P系をフォーマーとしたガラス)についても、わずかな微弱な光を照射すると透過率低下が発生するというも問題が発生している。このような透過率低下は、高精度のデジタルカメラ用や光通信用などの球面レンズや非球面レンズ、回折格子などにおいては非常に不利な特性である。
特開昭57−34042号公報 特開2004−588451号公報 特開2004−292301号公報
本発明は上記課題を解決し、高屈折率、高分散の特性を付与しつつ、精密プレス成形性に優れ経時変化による透過率低下をおさえ、ガラスの透過率と内部品質が優れたガラスを提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意研究の結果、Nb、RO(アルカリ金属酸化物)を含むことを特徴とするP系をフォーマーとしたガラスにおいて、ガラス中に含まれているPtが、微弱な光を照射させると透過率低下を発生させる原因になっていることを突き止めた。そこで、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、白金を含まない材料を使用し溶融することで、ガラス中のPt量を極端に削減できることを見出しかつガラス中の白金量を最小限に抑えることにより内部品質に優れ、初期透過率が優れ、微弱な光による透過率低下を抑えることができる新規な材料が得られることを見出した。
さらに、Nb、RO(アルカリ金属)を含むことを特徴とするP系をフォーマーとしたガラスにおいて、原料成分に硝酸塩を使用することで、ガラス成分の着色を抑え、透過率の良いガラスを得ることが明確となり本発明をなすに至った。
本発明の第1の構成は、ガラス中のPt量が1.5ppm以下であることを特徴とするリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第2の構成は、両面研磨した厚み10mmの試料に紫外域及び/又は可視域の光線を、0.4mW・cm−2以下の受光エネルギーで200h以上照射することにより、波長420nmの光に対する内部透過率の10mm厚みの換算値の試料の照射前後の内部透過率の差(照射前−照射後)が0.1以下であることを特徴とする前記構成1のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第3の構成は、屈折率(nd)が1.75以上、アッベ数が15〜28.5である前記構成1〜2のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第4の構成は、Tgが700℃以下であることを特徴とする前記構成1〜3のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第5の構成は、必須成分として、P、Nb、RO(アルカリ金属)を含むことを特徴とする前記構成1〜4のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第6の構成は、WO、Bi、RO(アルカリ土類)のいずれかを含むことを特徴とする前記構成1〜5のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第7の構成は、日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994(光学ガラスの泡の測定方法)の表1に示されている100mlのガラス中における泡の断面積の総和が級1〜級4であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS13−1994「光学ガラスの異物の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における異物の断面積の総和が級1〜級4であることを特徴とする前記構成1〜6のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第8の構成は、日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994「光学ガラスの泡の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における泡の断面積の総和が級1〜級3であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS13−1994「光学ガラスの異物の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における異物の断面積の総和が級1〜級3であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS11−1975「光学ガラスの脈理の測定方法」の表2に示されている脈理の程度、級1〜3級である前記構成1〜7のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第9の構成は、日本光学硝子工業会規格JOGIS11−1975「光学ガラスの脈理の測定方法」の表2に示されている脈理の程度が、級1又は級2であり、日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994「光学ガラスの泡の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における泡の断面積の総和が級1又は級2であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS13−1994「光学ガラスの異物の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における異物の断面積の総和が級1又は級2である前記構成1〜8のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第10の構成は、波長420nmの光に対する内部透過率の10mm厚み換算値が0.7以上である光学ガラスである前記構成1〜9のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第11の構成は、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、白金を含まない材料からなる坩堝を使用する前記構成1〜10のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第12の構成は、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、石英を主成分とした材料からなる坩堝を使用する前記構成1〜11のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第13の構成は、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、溶融ガラスの中に非金属製のバブラーを入れ、酸素を吹き込むことを特徴とする前記構成1〜12のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第14の構成は、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、溶融炉内の残存酸素濃度を4%以上にする前記構成1〜13のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第15の構成は、ガラス原料に含まれる硝酸塩の割合を3%以上含有させる前記構成1〜14のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第16の構成は、酸化物基準の質量百分率で、
15〜35%、
Nb 35〜60%、及び
NaO 0.1〜15%未満、
を含む前記構成1〜15のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第17の構成は、酸化物基準の質量百分率で、
BaO 0〜25%未満、
Gd 0〜5%及び/又は
O 0〜10%及び/又は
LiO 0〜10%及び/又は
Bi 0〜15%及び/又は
MgO 0〜10%及び/又は
CaO 0〜10%及び/又は
SrO 0〜10%及び/又は
ZnO 0〜3%及び/又は
SiO 0〜5%及び/又は
0〜5%及び/又は
Al 0〜4%及び/又は
Ta 0〜5%及び/又は
ZrO 0〜3%及び/又は
TiO 0〜10%及び/又は
WO 0〜20%及び/又は
Sb 0〜0.1%
を含む前記構成1〜16のリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第18の構成は、前記構成1〜17のリン酸塩光学ガラスを精密プレス成形してなる光学素子。
本発明の第19の構成は、 前記構成1〜17のリン酸塩光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
本発明の第20の構成は、前記構成19のプリフォームを精密プレス成形してなる光学素子。
本発明の光学ガラスは、上記構成を採用することにより初期透過率が優れ、微弱な光による透過率低下を抑えることができる。
次に本発明の光学ガラスにおいて、具体的な実施態様について説明する。
本発明のガラスは、ガラス中のPt量(PtO、PtO、PtO等の金属酸化物も含む)が1.5ppm以下の光学ガラスである。高屈折率・高分散のガラス、について、ガラス中のPt量を抑えることは微弱な光(紫外域及び/又は可視域の光線を0.4mW・cm−2以下の放射照度の光線)による透過率低下を抑えることができる
なお、本明細書中において、「微弱な光による透過率低下」とは、いわゆる光学ガラスで規定されるソラリゼーションとは異なる概念である。一般にガラスを長時間、紫外線に暴露すると、無色ガラスが着色したり、ガラスの色調が変化することがある。この現象をソラリゼーションと呼ぶ。一般にソラリゼーションの原因として、ガラス中に不純物として含まれるFeやMnなどの可数変動の変化が良く知られているが、本明細書記載のガラスにおいては、今まで知られていなかったガラス中に含まれるPt量により透過率低下がもたらされるのである。
さらに光学ガラスにおいて、ソラリゼーションの測定方法として日本光学硝子工業会規格JOGIS04−1994に定義される超高圧水銀灯の照射が一般的であるが、本透過率低下の現象はJOGIS04−1994に規定されるような強い光を照射させないまでも、紫外域及び/又は可視域の光線を、0.4mW・cm−2以下の光量をある一定時間照射させることで透過率低下が発生するのである。
光学ガラスの製造においては、より高均質なガラスを歩留り良く生産しようとする場合、少なくとも溶融ガラスと接する一部分又は全部が白金又は白金合金材料で構成された溶融装置を用いることが一般的である。そのためガラス中のPt量を完全に0にすることは困難であるが、微弱な光による透過率低下を抑える為には、ガラス中のPt量を1.5ppm以下とし、さらに可能な限り抑えることが好ましく、その含有量が1.0ppm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.9ppm以下であり、最も好ましくは、0.8ppm以下である。本発明の光学ガラスがレンズ等の光学系に使用される場合、内部透過率の減少は0.1以下であることが好ましいが、その中でも高精密機器のようにかかる内部透過率の減少が許されない場合には、内部透過率の減少は0.05以下、さらに好ましくは0.02以下である。その際、ガラス中のPt量は0.8ppm以下であることが好ましい。
上述のように、本発明のガラスは、両面研磨した試料に紫外域及び/又は可視域の光線を、0.4mW・cm−2以下の受光エネルギーで200h以上照射することにより、波長420nmの光に対する内部透過率の10mm厚みの換算値の試料の照射前後の内部透過率の差(照射前−照射後)が0.1以下であることを特徴とするガラスである。
本明細書に記載のガラスは、通常、光学用途としてガラスが使用される場合、微弱な光でも透過率が低下してしまうと困るような高精度の装置などに使用される場合に有利である。本発明の光学ガラスは、好ましくは0.005mW・cm−2以上、より好ましくは0.01W・cm−2以上、最も好ましくは0.02W・cm−2以上の紫外域及び/又は可視域の光線を、200h以上、より好ましくは300h、最も好ましくは400h以上照射させた場合に、波長420nmの光に対する内部透過率の10mm厚みの換算値の試料の照射前後の内部透過率の差(照射前−照射後)が0.1以下、好ましくは、0.06以下、さらに好ましくは0.04以下であることを特徴とする。
本明細書中において「紫外域及び/又は可視域の光線」とは自然光や室内光等をその対象とするものであり、具体的には、概ね290nm〜1000nm、さらに好ましくは概ね350nm〜800nmの範囲の光をいう。
本明細書において「内部透過率の10mm厚みの換算値」とは、日本光学硝子工業会規格JOGIS17−1982「光学ガラスの内部透過率の測定方法」により、求めたものである。
本発明のガラスは、レンズ設計上有意な特性を持つ高屈折率高分散を特徴とするガラスであり、その屈折率[nd]の下限が1.75であり、その中でも、特にndが1.8以上であることが好ましく、さらに好ましくは、1.83以上が好ましく、またその上限が2.0以下、より好ましくは1.90以下であり、最も好ましくは1.87以下である。さらに、アッベ数[νd]15、より好ましくは18、より好ましくは20を下限とし、好ましくは28.5、より好ましくは26、さらに好ましくは25を上限とする。
本発明のガラスは、Tgが700℃以下であることが好ましい。700℃を超えるとプレス温度が高くなりすぎ精密プレスに用いられる型を繰り返し使用することが困難になるおそれがある。好ましくはTgが680℃以下、より好ましくは670℃以下である。
本発明のガラスは、上記特徴を得る為には必須成分としてP、Nb、RO(アルカリ金属)を含むこと組成を有する光学ガラスであり、WO、Bi、RO(アルカリ土類)のいずれかを含むことを特徴とする組成を有することが好ましい。
本発明のガラスの泡評価については、等級が大きくなるほど、泡が光の散乱を発生させるため、光学機器のレンズ等として使用するには好ましくない。この様な理由から、級1〜級4であることが好ましく、級1〜級3であることがより好ましく、級1〜級2であることが最も好ましい。
本発明のガラスの異物評価については、等級が大きくなるほど異物がより光の散乱をおこすため、光学機器のレンズ等として使用するには好ましくない。この様な理由から、級1〜級4であることが好ましく、級1〜級3であることがより好ましく、級1〜級2であることが最も好ましい。
本発明のガラスの脈理評価については、等級が大きくなるほど、均質なガラスが得られにくくなるため、均質性が重要視される光学ガラスにおいては、好ましくなく、脈理の程度が級1〜級4のガラスは、光学機器のレンズ等として使用可能である。この様な理由から、級1〜級4であることが好ましく、級1〜級3であることがより好ましく、級1〜級2であることが最も好ましい。
本発明のガラスは、レンズ設計上有意な特性を持つ高屈折率高分散を特徴とするガラスであり、透過率が良いとレンズ設計上、色補正等に対策が必要となる為、420nmの光に対する内部透過率の10mm厚み換算値が0.7以上であることが必要である。さらに0.75以上であることが好ましく、より好ましくは0.83以上であり、さらに好ましくは0.85以上となる。
本発明のガラスは、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、白金を含まない材料からなる坩堝を使用することが望ましい。原料混合物をガラス状態に溶融する際に通常白金が使用されるが、本発明の光学ガラスは、白金を含まない材料で溶融することによって、フシや異物等の抑えた内部品質に優れかつ光線透過率が高くさらに経時変化による透過率を抑えたガラスを得ることができる。さらに本発明の光学ガラスは、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、石英を主成分とした材料からなる坩堝を使用することが好ましい。
本発明の光学ガラスは、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、溶融炉内の残存酸素濃度を4%以上にすることが重要である。これは炉内のガラスの酸素濃度一定以上にすることで、本発明のリン酸ガラスの着色傾向を抑えることができるためである。上記溶融炉内の残存酸素濃度は6%以上、より好ましくは8%以上であり、さらに好ましくは10%以上、最も好ましくは14%以上である。
酸素濃度を所望の割合以上にするためには、酸素雰囲気を調整できる電気炉で溶解することが好ましい。ガス炉で溶解する場合は、空気圧とガス圧を調整することにより所定の酸素濃度を維持させることが好ましい。
原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、原料混合物中、硝酸塩を3%以上含有させることは、本発明のリン酸ガラスの着色傾向を抑え、ガラスの反応状態を制御する為には非常に効果的であり重要である。
次に本発明の光学ガラスの成分について説明する。本明細書中においてガラス中の各成分は酸化物基準による質量百分率で表記する。酸化物基準による質量百分率とは、ガラス構成成分の原料として使用される酸化物、硝酸塩等が溶融時にすべて分解され酸化物に変化すると仮定した場合に、生成酸化物の総質量を100質量%としてガラス中の各成分を表記するものである。
は、ガラスに高分散性を付与し、高透過率を付与する成分であり、ケイ酸塩ガラスやホウ酸塩ガラス等に比べて、熔融性及びプレス時における失透性も優れており、かつ優れた光線透過率を得ることができる。また、ガラスの耐失透性及び透過率を向上させる効果がある。
また、その量が多すぎると目的とする高屈折率が得難くなり、かえって耐失透性も悪化する傾向となり易い。したがって、特に耐失透性が優れた高屈折率高分散性ガラスを得るためには、好ましくは15%、より好ましくは16%、最も好ましくは17%を下限とし、好ましくは35%、より好ましくは33%最も好ましくは、30%を上限とする。
Nbは、広範囲でガラス化する成分であり、しかも、ガラスの着色度をほとんど大きくすることなく、ガラスを高屈折率高分散にする効果や、ガラスの化学的耐久性を向上させる効果を有する、非常に有用な成分である。そして、これらの効果を十分に得るためには、好ましくは35%、より好ましくは36%、最も好ましくは37%を下限とする。その量が多すぎるとガラスの耐失透性が悪化し、光線透過率が低下する傾向となり易くなるので、好ましくは60%、より好ましくは58%、最も好ましくは56.5%を上限とする。
NaOは、溶融温度を低下させ、ガラスの着色を防止するのに非常に有効な成分であり、しかも、ガラス転移温度や屈伏点温度を低下させることができる。そして、これらの効果を得るためには、0.1%以上含有させることが好ましい。より好ましくは1%以上、最も好ましくは3%以上である。また、その量が多すぎると本発明が目的とする高屈折率のガラスが得難くなり平均膨張係数も大きくなる傾向にある。よって、好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、最も好ましくは9.6%を上限とする。
BaOは、本組成範囲において、溶融中のガラスを安定化させ、失透を防止しガラスを割れやすさを抑える効果やガラスの光線透過率を高める効果がある。
しかし他方では、その量が多過ぎると、本発明が目的とする高屈折率高分散性が得難くなるので、好ましくは上限が25%未満、より好ましくは24.7%、最も好ましくは24.5%を上限とする。
Gdは、本発明のP−Nb−BaO−RO系のガラスにおいて、ガラスを高屈折率に保ったまま、ガラスの光線透過率を向上させる効果や、溶融中のガラスを安定化及び耐失透性を向上させる効果、そして、ガラスの均質性を向上させる効果や、分相を生じ難い性質を有することから、内部品質の優れたガラスを容易に得ることを可能とする効果を有する有用な成分であり、この様な効果を目的として任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると、失透性が悪くなる傾向にある、よって、好ましくは5%、より好ましくは4.8%、最も好ましくは4.5%を上限とする。
Oは、ガラス転移温度や屈伏点温度を低下させることができる成分で、任意に添加することができる。しかし他方では、その量が多過ぎると、ガラスの溶解時において失透し易くなり、結果として内部品質が悪化する傾向となり易い。よって好ましくは10%、さらに好ましくは8%、最も好ましくは6%を上限とする。
LiOは、ガラス転移温度や屈伏点温度を低下させる効果を有しており、任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると、化学的耐久性が悪くなる傾向になり易く、また加工性も悪化する傾向となり易いため、好ましくは10%以下であり、より好ましくは6%未満である。更に化学的耐久性及び平均線膨張係数が小さく加工性の良いガラスを得るためには、2%未満とすることが最も好ましい。
Biは、ガラスの融点を下げ、ガラスを高屈折率高分散にする効果を有する、任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると、短波長領域の透過率が悪化する傾向となり易い。好ましくは15%以下であり、更に好ましくは10%以下とすべきである。さらに、失透しにくいガラスを得る為には、Bi量をさらに少なくし解決することもできる。好ましくは5%未満であり、より好ましくは4.5%以下であり、最も好ましくは3%未満である。
MgO、CaO及びSrOの各成分は、溶融中のガラスを安定化させ、失透を防止する効果を有する、任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると、均質なガラスが得難くなる傾向となり易い。好ましくはこれら各成分の量が、それぞれ、10%以下であり、より好ましくは、それぞれ5%未満であり、最も好ましくは、CaOの上限が3%、MgOの上限が3%、SrOの上限が3%である。
ZnO及びZrOは、共に、ガラスの光学定数を調整するのに有効である、任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると、ガラスの耐失透性が悪化し易い。好ましくは、ZnOの上限が3%、より好ましくは3%未満、より好ましくは2.9%であり、ZrOの上限が3%、より好ましくは2.5%、最も好ましくは2%である。
SiOは、ガラスの化学的耐久性を向上させる効果を有しており、任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると、ガラスの溶融性が悪化する傾向となり易い。好ましくは上限が5%、より好ましくは4%未満であり、最も好ましくは2%を上限とする。
は、耐失透性を向上させる効果を有する、任意に添加し得る成分である。特にP−Nb系のガラスにおいて、SiO成分は溶け残りを生じ易くなる傾向となるが、Bを共存させることにより溶融性が改善され、しかも化学的耐久性が優れたガラスを容易に得ることができる。しかし他方では、その量が多過ぎると本発明が目的とする高屈折率高分散性が得難くなるため、好ましくは5%、より好ましくは3%を上限とする。
Alは、ガラスの化学的耐久性を向上させ、光線透過率を高める効果を得る任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎるとガラスの失透傾向が増大し易くなるため、好ましくは4%であり、より好ましくは3%であり、最も好ましくは2%を上限とする。
Taは、ガラスを高屈折率にする効果を有する、任意に添加し得る成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると脈理が生じ易くなり、その結果、均質なガラスを得難くなる。尚、Taは原料単価が非常に高価な成分であるため、所望の特性を得るために、必要な場合のみ添加することが好ましい。好ましい上限は5%であり、より好ましい上限は3%であり、最も好ましくは含有しない。
TiOは、ガラスの屈折率を高める効果を有する成分である。しかし他方では、その量が多過ぎるとガラスの光線透過率を悪化させ易い成分でもあり、更に、溶融やプレスの際に失透し易くなる傾向も増す。好ましい上限は10%であり、さらに好ましい上限は5%であり、特に内部品質に優れ、短波長領域の光線透過率が非常に良いものを得たい場合には、3%を上限とすることが好ましく、最も好ましくは含有しない。
WOは、低融点特性を維持しながらも高屈折率高分散特性を与えることのできる成分である。しかし他方では、その量が多過ぎると、短波長領域の光線透過率が悪化し易くなる。好ましい上限は20%であり、より好ましい上限は15%であり、最も好ましい上限は10%である。特に内部品質に優れ、短波長領域の光線透過率が非常に良いものを得たい場合には5%以下であり、さらには含有しないことが好ましい。
Sbは、少量含有させることにより、ガラスを溶融する際、泡切れ(脱泡性)良くする効果があるが、その量が少しでも多くなると、短波長領域の光線透過率が悪化する傾向となり易い。好ましい上限は0.1%であり、より好ましい上限は0.05%であり、より好ましい上限は0.01%である。
本発明の光学ガラスは、典型的にはレンズ、プリズム、ミラー用途に使用される本発明の光学素子製造方法においては、溶融状態のガラスを白金等の流出パイプの流出口から滴下させて典型的には球状のプリフォームを作製する。前記プリフォームは精密プレス成形方法によって所望の形状の光学素子が製造される。
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加しても差し支えないが、Tiを除くV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各遷移金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でも着色してしまい、可視域の特定の波長に吸収を生じさせるため、可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
また、Gdを除く各希土類成分それぞれも単独又は複合して含有することにより、着色による可視域の特定波長における吸収を生じさせる、又は失透性が増大する傾向があるため、実質的に含まないことが好ましい。
Th成分は高屈折率化又はガラスとしての安定性の向上を目的として、Cd及びTl成分は低ガラス転移点(Tg)化を目的として含有させることも可能である。しかしその一方でPb、Th、Cd、Tl、Osの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされるため、環境上の影響を重視する場合には実質的に含まないことが好ましい。
PbOは、比重が大きいため、これを含有したガラスをレンズ等として用いると、現在、急速に進行している光学機器の軽量化の障害となり、さらに、鉛は、ガラスを製造、加工、及び廃棄をする際に環境対策上の措置を講ずる必要があり、そのためのコストを要するため、本発明のガラスにPbOを含有させるべきでない。
Asは、ガラスを溶融する際、泡切れ(脱泡性)良くするために使用される成分であるが、ガラスを製造、加工、及び廃棄をする際に環境対策上の措置を講ずる必要があるため、本発明のガラスにAsを含有させることは好ましくない。
本発明の光学ガラスの実施例(No.1〜No.6)の組成、ガラス原料に含まれる硝酸塩の割合、ガラスの屈折率(nd)、アッベ数(νd)、泡評価結果(級)、異物評価結果(級)、脈理評価結果(級)、ガラス転移点(℃)、420nmにおける内部透過率(厚み10mm)、照射試験前後における内部透過率の低下量、ガラス中のPt量(ppm)、原料混合物をガラス状態に溶融する工程における溶融炉内の残存酸素濃度(%)を共に表1に示した。尚、本発明は、これらの実施例にのみ限定されるものではない。
本発明の実施例のガラスは、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、燐酸塩等の通常の光学ガラス用原料を表1に示した各実施例の組成の割合となるように秤量し、混合した後、通常の光学ガラス用原料を石英るつぼに投入し、粗溶融の後、白金るつぼに投入し、ガラス組成による溶融性に応じて850℃〜1300℃において、1〜4時間溶融、清澄、攪拌した後、金型に鋳込み徐冷して得たものである。
さらに、実施例のガラスについては、白金を含まない材料からなる坩堝(例えば石英)で、粗溶融したガラスの塊を特公昭43−12885号公報やDr. Hans Bach, editor, Low Thermal Expansion Glass Ceramics (Springer−Verlag Berlin Heidelberg Printed in Germany 1995),132などに紹介される方法に準じ、溶融ガラスと接する一部分又は全部が石英と、白金、白金又は白金合金で形成された装置で、850〜1300℃で溶解し、徐冷しても作製することができる。
比較例のガラスについても、通常の光学ガラス用原料を表2に示した比較例の組成の割合となるように秤量し、混合した後、通常の光学ガラス用原料を石英るつぼに投入し、粗溶融の後、白金るつぼに投入し、ガラス組成による溶融性に応じて、850℃〜1300℃で1〜4時間溶融、清澄、攪拌した後、金型に鋳込み徐冷して得たものであり、実施例と同様の方法で、各組成については調査した。
以上の様にして得られたガラスより、屈折率[nd]、アッベ数[νd]、内部品質評価用サンプル、ガラス転移点[Tg]、ガラスの内部透過率用測定サンプル、ガラス中のPt量を取得した。
屈折率(nd)及びアッベ数(νd)については、徐冷降温速度を−25℃/Hrとして得られたガラスについて測定した。
また、泡評価は、日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994「光学ガラスの泡の測定方法」により行い、上記規格の表1に基づき100mlのガラス中の泡の断面積の総和(mm)により級別した結果である。級1は泡の断面積の総和が0.03mm未満、級2は0.03〜0.1mm未満、級3は0.1〜0.25mm未満、級4は0.25〜0.5mm未満、級5は0.5mm以上のものである。
また、異物評価は、日本光学硝子工業会規格JOGIS13−1994「光学ガラスの異物の測定方法」により行い、上記規格の表1に基づき100mlのガラス中の異物の断面積の総和(mm)により級別した結果である。上記規格でいう異物とは、微結晶、例えば失透や白金フシ(白金の微結晶)、微小泡及びこれに準ずる異質物である。級1は異物の断面積の総和が0.03mm未満、級2は0.03〜0.1mm未満、級3は0.1〜0.25mm未満、級4は0.25〜0.5mm未満、級5は0.5mm以上のガラスである。
ここで、脈理評価は、日本光学硝子工業会規格JOGIS11−1975「光学ガラスの脈理の測定方法」により行い、上記規格の表2に基づき脈理の程度を級別した結果である。測定試料は50×50×20mmの大きさにしたガラスの50×20mmの両面を平行に研磨したものを用いる。級1は脈理が認められないもの。級2は薄くて分散した脈理で眼に見える限界のもの。級3は研磨面に対して垂直な方向と平行な脈理がわずかにあるもの。級4は研磨面に対して垂直な方向と平行な脈理が級3より多いか、あるいは濃い平行な脈理のあるものである。
ガラス転移点(Tg)については、熱膨張測定機で昇温速度を8℃/minにして測定した。
内部透過率については、日本光学硝子工業会規格JOGIS17−1982「光学ガラスの内部透過率の測定方法」により、厚みの異なる2つの試料より部透過率を求めた。内部透過率低下量については、暗室内において両面研磨した試料に蛍光灯:100V、6W直管型白色蛍光ランプの光線を試料に向けて水平に200h照射させ、照射前後の420nmにおける内部透過率(厚み10mm)の差を求めた。実施例6については透過限界波長が420nmのシャープカットフィルタ(ケンコー株式会社製L−42)を照射面につけて、照射面以外はアルミホイールで包み、420nm以下の波長の光をできるだけ遮断して照射試験を実施した。
光源としては、白色蛍光灯(6W白色蛍光ランプ 光束:240lm(ルーメン))を用い、この蛍光灯の中央点から55mm離れた位置に上記ガラス試料の研磨面を蛍光灯と光源に向けて水平に置き、上記蛍光灯からの照射光をガラス試料に照射した。
その際、上記ガラス試料の研磨面を光源に向けて置いた同じ位置(蛍光灯の中央点から55mm離れた位置)に、紫外線積算光量計(UVD−S405セパレート型受光器(ウシオ電機))を用い、光量を測定した結果、0.393(mW/cm)であった。
ガラス中の白金量については、ガラスをフッ化水素酸+硝酸に溶解後、セイコー電子製、ICP質量分析計SPQ9000型で行った。
酸素濃度の測定は、ガラス熔融時に燃焼管理テスタ(光明理化学工業株式会社 型番MX−512)により溶融時のガラス表面上の酸素濃度を測定した。






Figure 2007051055





Figure 2007051055
本発明の実施例(No.1〜6)のガラスは、ガラス中に含まれているPt量を一定量に抑えることにより、比較例(No.A)のガラスに比べ、いずれも本発明の目的とする光線透過率が優れ、内部品質が優れかつ微弱な光による透過率低下を抑えることができた。
以上述べたとおり、本発明の光学ガラスは、Nb、RO(アルカリ金属)を含むことを特徴とするP系をフォーマーとしたガラスにおいて、ガラス中に含まれているPt量を一定量に抑えることにより、初期透過率が優れ、微弱な光による透過率低下を抑えることができる。さらに本発明は上記特性に加え、ガラスの転移温度を700℃以下にすることにより、精密プレス用型材の寿命を伸ばすことでき、低融点光学ガラスを提供することができる。
さらに、原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、白金を含まない材料を使用し溶融することで、ガラス中のPt量を極端に削減できる。さらに、原料成分に硝酸塩を使用することで、ガラス成分の着色を抑え、透過率の良いガラスを得ることができた。

Claims (20)

  1. ガラス中のPt量が1.5ppm以下であることを特徴とするリン酸塩光学ガラス。
  2. 両面研磨した厚み10mmの試料に紫外域及び/又は可視域の光線を、0.4mW・cm−2以下の受光エネルギーで200h以上照射することにより、波長420nmの光に対する内部透過率の10mm厚みの換算値の試料の照射前後の内部透過率の差(照射前−照射後)が0.1以下であることを特徴とする請求項1のリン酸塩光学ガラス。
  3. 屈折率(nd)が1.75以上、アッベ数が15〜28.5である請求項1又は2に記載のリン酸塩光学ガラス。
  4. Tgが700℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  5. 必須成分として、P、Nb、RO(アルカリ金属)を含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  6. WO、Bi、RO(アルカリ土類)のいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  7. 日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994(光学ガラスの泡の測定方法)の表1に示されている100mlのガラス中における泡の断面積の総和が級1〜級4であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS13−1994「光学ガラスの異物の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における異物の断面積の総和が級1〜級4であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  8. 日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994「光学ガラスの泡の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における泡の断面積の総和が級1〜級3であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS13−1994「光学ガラスの異物の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における異物の断面積の総和が級1〜級3であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS11−1975「光学ガラスの脈理の測定方法」の表2に示されている脈理の程度、級1〜3級であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  9. 日本光学硝子工業会規格JOGIS11−1975「光学ガラスの脈理の測定方法」の表2に示されている脈理の程度が、級1又は級2であり、日本光学硝子工業会規格JOGIS12−1994「光学ガラスの泡の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における泡の断面積の総和が級1又は級2であり、かつ、日本光学硝子工業会規格JOGIS13−1994「光学ガラスの異物の測定方法」の表1に示されている100mlのガラス中における異物の断面積の総和が級1又は級2であることを特徴とする請求項1〜8いずれか一項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  10. 波長420nmの光に対する内部透過率の10mm厚み換算値が0.7以上である光学ガラスであることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  11. 原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、白金を含まない材料からなる坩堝を使用することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス
  12. 原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、石英を主成分とした材料からなる坩堝を使用することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス
  13. 原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、溶融ガラスの中に非金属製のバブラーを入れ、酸素を吹き込むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス
  14. 原料混合物をガラス状態に溶融する工程において、溶融炉内の残存酸素濃度を4%以上にすることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス
  15. ガラス原料に含まれる硝酸塩の割合を3%以上とすることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス
  16. 酸化物基準の質量百分率で、
    15〜35%、
    Nb 35〜60%、及び
    NaO 0.1〜15%未満、
    を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス
  17. 酸化物基準の質量百分率で、
    BaO 0〜25%未満、
    Gd 0〜5%及び/又は
    O 0〜10%及び/又は
    LiO 0〜10%及び/又は
    Bi 0〜15%及び/又は
    MgO 0〜10%及び/又は
    CaO 0〜10%及び/又は
    SrO 0〜10%及び/又は
    ZnO 0〜3%及び/又は
    SiO 0〜5%及び/又は
    0〜5%及び/又は
    Al 0〜4%及び/又は
    Ta 0〜5%及び/又は
    ZrO 0〜3%及び/又は
    TiO 0〜10%及び/又は
    WO 0〜20%及び/又は
    Sb 0〜0.1%
    を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  18. 請求項1〜17のリン酸塩光学ガラスを精密プレス成形してなる光学素子。
  19. 請求項1〜17のリン酸塩光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
  20. 請求項19のプリフォームを精密プレス成形してなる光学素子。
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