JP5979371B2 - カレット、光学ガラスおよびそれらの製造方法 - Google Patents

カレット、光学ガラスおよびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

ガラス成分としてB2O3、La2O3を含む光学ガラスは、高屈折率低分散性を有し、撮像光学系、投射光学系などを構成する光学素子の材料として有用である。
このような光学ガラスが例えば、特許文献1に開示されている。
ガラス原料を加熱、熔融して光学ガラスを生産する方法は2つに大別される。最初の方式は、バッチ原料を粗熔解(以下、ラフメルトという)し、カレットとし、得られたカレットを調合して再熔融(以下、リメルトという)し、成形して光学ガラスを得る方法であり、ラフメルト−リメルト方式と呼ばれている。
もう一つの方式は、バッチ原料を加熱、熔融し、成形して光学ガラスを得る方法であり、バッチダイレクトメルト方式と呼ばれている。
ラフメルト−リメルト方式は特許文献2、バッチダイレクトメルト方式は特許文献3に記載されている。
特開2001-348244号公報 特開平11-258401号公報 特開2002-128528号公報
ラフメルト−リメルト方式、バッチダイレクトメルト方式のいずれにおいても、気泡を含まない均質な光学ガラスを生産する方法として、原料を熔解して得た熔融ガラス(ガラス融液)を昇温し、ガラス液面が雰囲気に開放された状態で一定時間保持し、熔融ガラス中の気泡を除去する清澄工程を行う方法がある。清澄工程では、白金または白金合金製の容器内に熔融ガラスを滞在させて行うが、十分な脱泡を行うには、長時間にわたりガラス融液を高温状態で白金容器に接触させなければならず、熔融ガラスによる白金の侵蝕が助長されてしまう。その結果、白金イオンがガラス融液中に溶け込んでガラスの着色が増大するという問題や、白金異物がガラス中に混入して均質性を悪化させる白金インクルージョンの問題が起こってしまう。
また、清澄時間を長くすることは、生産性を高める上でも障害になっていた。
一方、清澄剤として亜ヒ酸の使用が知られているが、環境への影響を考慮して使用を避けるべきである。亜ヒ酸の清澄効果には及ばないものの、比較的清澄効果が優れたSb2O5は1200℃〜1600℃で酸素ガスを放出し、清澄効果を促進することが知られている。しかし、清澄に必要な量のSb酸化物を加えると、Sb酸化物自体が可視域に吸収を有するためガラスの着色が増加してしまう。また、硝酸塩や炭酸塩なども清澄剤として知られているが、硝酸塩は坩堝を構成する白金あるいは白金合金を侵蝕し、白金イオンの混入によるガラスの着色の増大を招き、炭酸塩は不純物としてFeを含む上に、多量に添加しないと十分な清澄効果を得ることが難しい。そのため、多量の炭酸塩導入に伴い不純物として多量のFeが混入するため、炭酸塩はガラスの着色を抑制する上で不利である。
本発明の一形態は上記問題を解決するため、低着色であり均質性の高い光学ガラスを高い生産性のもとに製造可能なカレットとその製造方法、ならびに前記光学ガラスとその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ガラス成分としてB2O3、La2O3を所定量含む光学ガラスまたは光学ガラスを製造するためのカレットであって、Sb酸化物およびイオウ酸化物を含み、1350℃に加熱、熔融した時の粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスからなる光学ガラスまたはカレットにより、上記目的を達成すること、すなわち、低着色であり均質性の高い光学ガラスあるいは低着色であり均質性の高い光学ガラスを製造可能なカレットを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一つの形態は、光学ガラスまたは光学ガラスを製造するためのカレットであって、酸化物基準でB2O3を3〜50質量%及びLa2O3を15〜60質量%と、Sb酸化物及びイオウ酸化物とを含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスからなる光学ガラスまたはカレット、である。
本発明により、低着色であり均質性の高い光学ガラスあるいは低着色であり均質性の高い光学ガラスを製造可能なカレットを得ることができる。
バッチ原料の調合から光学ガラスの製造までの工程をフローチャートで表したものである。
以下、図1を参照しながら本発明の一形態について説明する。
図1は、バッチ原料と呼ばれる化合物原料の調合から光学ガラスの製造までの工程をフローチャートで表したものである。
まず、目的とする光学ガラスの組成に近似する組成になるよう2種類のバッチ原料を調合する。このうち一方のバッチ原料は目的とする光学ガラスの屈折率nd(0)よりも高い屈折率になるように調合し、他方のバッチ原料は屈折率nd(0)よりも低い屈折率になるように調合する。以下、屈折率nd(0)よりも高い屈折率になるように調合されたバッチ原料をバッチ原料A、屈折率nd(0)よりも低い屈折率になるように調合されたバッチ原料をバッチ原料Bと呼ぶ。
バッチ原料Aを白金製または白金合金製または石英製の坩堝に投入して加熱、熔解して熔融物とする。次に、坩堝より熔融物を流出し、急冷してカレットAを作製する。
カレットAの一部を取り出し、加熱、熔解し、清澄、均質化した後、成形して光学特性測定用のガラス試料Aとする。それからガラス試料Aの屈折率nd(A)を測定する。
次に、調合バッチ原料Bを白金製または白金合金製または石英製の坩堝に投入して加熱、熔解して熔融物とする。それから、坩堝より熔融物を流出し、急冷してカレット原料Bを作製する。
カレット原料Bの一部を取り出し、再熔解し、清澄、均質化した後、成形して光学特性測定用のガラス試料Bとする。それからガラス試料Bの屈折率nd(B)を測定する。
調合バッチ原料を加熱、熔解する工程は、粗熔解またはラフメルトと呼ばれる。粗熔解では調合バッチ原料に含まれるガス成分が、カレット原料中に残存するよう熔解温度、熔解時間を適宜調整する。ガス成分とは調合バッチ原料を加熱、熔解する過程において、発生するガスの源である。例えば、硫酸塩などの、Sb酸化物がガス成分に相当する。
次に質量M(A)のカレット原料A、質量M(B)のカレット原料Bを混合し、調合カレット原料とを得る。
ここで、M(A)、M(B)の比は次式(1)を参考に決めることができる。
M(A):M(B)=|nd(0)−nd(B)|:|nd(0)−nd(A)|
・・・(1)
なお、粗熔解において白金製容器、白金合金製容器、石英製容器を用いることができる。中でも白金製容器、白金合金製容器は、粗熔解時におけるバッチ原料の熔解生成物に対して優れた耐蝕性を有するので、粗熔解を行う容器として好ましい。
次に調合カレットを白金製または白金合金製の坩堝に投入し、加熱、熔解して熔融ガラスを得る。次に熔融ガラス中の泡を除去する清澄を行う。清澄後、熔融ガラスの温度を下げてから攪拌により均質化する。均質化した熔融ガラスを坩堝に取り付けた白金製流出パイプから鋳型に流し込んで成形し、光学ガラスを得る。なお、粗熔解により作製したカレットを再度、熔融することから、調合カレットを加熱、熔解し、清澄、均質化する工程を再熔融またはリメルトと呼ぶ。
白金、白金合金は調合カレットを再熔融する際にも熔融ガラスに対して優れた耐蝕性を有する。
清澄工程では、熔融ガラスの温度を上げて粘度を低下させることが好ましい。粘度が低下することにより、熔融ガラス中の気泡が浮上して熔融ガラスの外へ排出されやすくするからである。
本発明ではSb酸化物とイオウ酸化物を清澄剤として添加することにより、清澄時に熔融ガラス中で清澄剤が発泡して熔融ガラス中の小さな気泡を取り込んで熔融ガラスからの排出を促進することができる。
高い効果を奏する清澄剤として従来亜ヒ酸が知られているが、環境への影響を考慮して使用を避けるべきである。亜ヒ酸の清澄効果には及ばないものの、比較的清澄効果が優れたSb2O5は1200℃〜1600℃で酸素ガスを放出し(下記式参照)、清澄効果を促進することが知られている。
Sb2O5 → Sb2O3+O2
しかし、清澄に必要な量のSb酸化物を加えると、Sb酸化物自体が可視域に吸収を有するためガラスの着色が増加してしまう。
清澄時にガスを発生する物質としては、硝酸塩、炭酸塩なども知られている。しかし、硝酸塩は坩堝を構成する白金あるいは白金合金を侵蝕し、白金イオンの混入によるガラスの着色の増大を招く。また、炭酸塩は、不純物としてFeを含む上に、多量に添加しないと十分な清澄効果を得ることが難しい。そのため、多量の炭酸塩導入に伴い不純物として多量のFeが混入するため、炭酸塩はガラスの着色を抑制する上で不利である。
発明者らは、バッチ原料に、Sb酸化物であるSb2O5を添加し、更に硫酸塩を加えて光学ガラスあるいはカレットを製造したところ、Sb2O5の添加量を大きく削減しても十分な清澄効果を得ることができること、すなわちSb酸化物に基づく着色を低減しかつ十分な清澄効果が得られることを見出した。
Sb酸化物とイオウ酸化物により高い併用効果が得られる理由は明確ではないが、以下の理由が考えられる。
理由の一つとして、Sb酸化物にさらに硫酸塩を添加することにより、従来問題であった白金イオンおよびFeのガラスへの混入を抑制することができるため、ガラスの着色増大を防ぐことができると考えられる。
また他の理由として以下が考えられる。
硫酸塩から遊離するSO3は、1300℃〜1500℃で酸素ガスを放出する(下記式参照)。
SO3 → SO2+1/2O2
また、Sb2O5も1200℃〜1600℃で酸素ガスを放出する。
B2O3を5〜50質量%、La2O3を15〜60質量%含むホウ酸−ランタン系ガラスでは、概ね1350℃において清澄工程に適する粘度、すなわち3dPa・s以下の粘度になる。したがって、1350℃付近においてガスを放出するSO3とSb2O5の相加効果により、ガス放出による清澄効果が高まったものと考えられる。また清澄工程(加熱)後、熔融ガラスの温度を低下させると熔融ガラス中に残存する酸素ガスが以下の反応によりガラス組成物に取り込まれるため、気泡が入らず清澄効果が高まったものと考えられる。
Sb2O3+1/2O2 → Sb2O5
これらの反応を併用することにより、着色が少なく、気泡を含まない均質な光学ガラスを得ることができる。
このような効果を得るには、次のようにすればよい。
第1の例では、酸化物基準でB2O3の含有量が3〜50質量%、La2O3の含有量が15〜60質量%となるようにホウ素化合物とランタン化合物を調合し、かつ、Sb酸化物および硫酸塩を含むバッチ原料を作製し、このバッチ原料を加熱、熔解し、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスからなるカレットを作製する。このカレットを用いて再溶融すれば、清澄工程における熔融ガラス中にSb酸化物とイオウ酸化物(SO3)を共存させることができる。
第1の例によれば、酸化物基準でB2O3を3〜50質量%、La2O3を15〜60質量%、およびSb酸化物とイオウ酸化物を含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスからなるカレットを得ることができる。
第2の例では、Sb酸化物を含むカレットと、イオウ酸化物を含むカレットを調合して調合カレットとし、この調合カレットを加熱、熔解し、得られた熔融ガラスを清澄・均質化し、成形し、酸化物基準でB2O3を3〜50質量%、La2O3を15〜60質量%、およびSb酸化物とイオウ酸化物を含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示す光学ガラスを作製することができる。
第2の例において、例えば以下のように複数種のカレットを組み合わせて調合カレットを作製することができる。
Sb酸化物を含み、かつイオウ酸化物を含まないカレットAと、Sb酸化物を含まず、かつイオウ酸化物を含むカレットBとを用いて調合カレットを作製する。
Sb酸化物およびイオウ酸化物を含むカレットCと、Sb酸化物を含み、かつイオウ酸化物を含まないカレットAとを用いて調合カレットを作製する。
Sb酸化物およびイオウ酸化物を含むカレットCと、Sb酸化物を含まず、かつイオウ酸化物を含むカレットBとを用いて調合カレットを作製する。
Sb酸化物およびイオウ酸化物を含むカレットC1と、Sb酸化物およびイオウ酸化物を含むカレットC2とを用いて調合カレットを作製する。
Sb酸化物およびイオウ酸化物を含むカレットCと、Sb酸化物およびイオウ酸化物いずれも含まないカレットDとを用いて調合カレットを作製する。
3種以上のカレットを組み合わせて調合カレットを作製することもできる。
なおカレット中、イオウ酸化物は硫酸塩またはSO3として存在すると考えられる。
第3の例では、B2O3の含有量が3〜50質量%、La2O3の含有量が15〜60質量%となるようにホウ素化合物とランタン化合物を調合し、さらにSb酸化物および硫酸塩を添加し、得られたバッチ原料を加熱、熔解した後、熔融ガラスの温度を昇温し、清澄・均質化した後、成形して1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示す光学ガラスを作製する。第3の例はバッチダイレクトメルト方式と呼ばれる。
白金、白金合金はバッチダイレクトメルト方式においても、バッチ原料の熔解生成物や熔融ガラスに対して優れた耐蝕性を有する。
第2の例、第3の例においても、清澄工程における熔融ガラス中でSb酸化物とSO3を共存させることができる。
カレットはガラスからなるが、均質なガラスである必要はない。また、カレットは気泡を含むものであってもよい。さらに、バッチ原料の未熔解物を含むものであってもよい。カレットの組成、光学特性(例えば、屈折率、アッベ数など)は、カレットを再熔融して均質で泡を含まないガラスを作り、このガラスの組成、光学特性をそれぞれカレットの組成、光学特性とする。
カレット中あるいはガラス中へのイオウ酸化物の導入は、バッチ原料への硫酸塩の導入により行うことが好ましい。バッチ原料への硫酸塩の導入により、イオウ酸化物の導入量を正確に設定することができる、光学ガラスの光学特性の精度への悪影響を防止することができるなどのメリットを得ることができる。硫酸塩としてはLa2(SO4)3、Ba含有ガラスの製造においてはBaSO4、Zn含有ガラスの製造においてはZnSO4、Zr含有ガラスの製造においてはZr(SO4)2などを使用することができる。
Sb酸化物およびイオウ酸化物を含むカレットにおいて、Sb2O3に換算したSb酸化物の含有量とSO3に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb2O3+SO3)、ならびに合計量(Sb2O3+SO3)に対するSb2O3に換算したSb酸化物の含有量(Sb2O3)の質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))について好ましい範囲が存在する。
十分な清澄効果を得る上から合計量(Sb2O3+SO3)がガラス質量に対し0.01質量%以上であることが好ましい。一方、合計量(Sb2O3+SO3)が過剰になるとガラスの着色が増大傾向を示すため、合計量(Sb2O3+SO3)が0.8質量%以下であることが好ましい。合計量(Sb2O3+SO3)のより好ましい下限は0.02質量%、さらに好ましい下限は0.03質量%、一層好ましい下限は0.04質量%であり、合計量(Sb2O3+SO3)のより好ましい上限は0.7質量%、さらに好ましい上限は0.6質量%、一層好ましい上限は0.55質量%、より一層好ましい上限は0.5質量%、さらに一層好ましい上限は0.4質量%、なお一層好ましい上限は0.3質量%である。
質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))が0.002未満であるとSO3が過剰となり、清澄工程において熔融ガラスの吹き零れが発生しやすくなる。一方、質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))が1.00を超えるとSb2O3によるガラスの着色傾向が増大する。したがって、質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))の好ましい範囲は0.002〜1.00である。質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))のより好ましい下限は0.003、さらに好ましい下限は0.01である。質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))のより好ましい上限は0.95、さらに好ましい上限は0.85である。
カレットの作製において、上記範囲内になるようSb酸化物およびイオウ酸化物の導入量を定めることが好ましい。
また、調合カレットにおける合計量(Sb2O3+SO3)、質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))の好ましい範囲は、上記カレットにおける合計量(Sb2O3+SO3)、質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))の好ましい範囲と同様であり、その理由もカレットにおける理由と同様である。
さらに、目的とする光学ガラスにおける合計量(Sb2O3+SO3)、質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))の好ましい範囲も、上記カレットにおける合計量(Sb2O3+SO3)、質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))の好ましい範囲と同様であり、その理由もカレットにおける理由と同様である。
このようにして、B2O3を3〜50質量%、La2O3を15〜60質量%、およびSb酸化物とイオウ酸化物を含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示す光学ガラスを得ることができる。
なお、熔融ガラスを成形する際の成形性を良好に維持する上から、カレット、光学ガラスともに、1350℃における粘度が0.1dPa・s以上であることが好ましい。
(粗熔解の熔解温度、熔解時間)
粗熔解(ラフメルト)時のバッチ原料の熔解温度(粗熔解温度)を1100〜1350℃の範囲とすることが好ましい。ただし、Sb酸化物およびイオウ酸化物による清澄効果をより高める上から、この粗熔解温度は再熔融工程における清澄温度よりも低くすることが好ましい。粗熔解時の熔解時間は坩堝の容量、バッチ原料の坩堝への投入量を考慮して適宜定めればよい。例えば、粗熔解時の熔解時間を1〜8時間の範囲としてもよい。
(再熔融時の熔解温度、熔解時間)
再熔融(リメルト)時の調合カレットの熔解温度(再熔解温度)は1100〜1500℃の範囲にすることが好ましい。ただし、Sb酸化物およびイオウ酸化物による清澄効果をより高める上から、この再熔解温度を清澄温度よりも低くすることが好ましい。再熔融時の熔解時間は坩堝の容量、調合カレットの坩堝への投入量を考慮して適宜定めればよい。例えば、再熔融時の熔解時間を2〜8時間の範囲としてもよい。
(再熔融時の清澄温度、清澄時間)
再熔融(リメルト)時の清澄温度、すなわち、清澄工程における熔融ガラスの温度は1200〜1500℃の範囲にすることが好ましい。ただし、Sb酸化物およびイオウ酸化物による清澄効果をより高める上から、清澄温度を粗熔解時の熔解温度や再熔融時の熔解温度よりも高くすることが好ましい。再熔融時の清澄時間はガラス中の残存する泡の量が所要の量以下になるように、また、ガラスの着色が所望の値以下になるように定めればよい。清澄時間を長くすることは泡切れ効果を高める上では有効であるが、熔融ガラスを長時間、白金あるいは白金合金製の坩堝内に高温で保持することになるため、白金が熔融ガラス中に溶け込みガラスの着色が増大したり、ガラス中に白金異物が混入するという問題が生じやすくなる。
したがって、十分な泡切れ効果が得られる範囲で清澄時間を短くし、ガラスの着色を抑制することが好ましい。
例えば、清澄時間を1〜4時間の範囲としてもよい。
(再熔融時の均質化温度、均質化時間)
均質化は清澄温度よりも低い温度に熔融ガラスを降温して行う。均質化工程では熔融ガラスを攪拌して均質化する。均質化工程は熔融ガラスを均質化するだけでなく、熔融ガラスを成形に適した粘度になるよう粘度を調整する工程でもある。均質化時間はガラスの均質度、例えば成形したガラスの脈理の有無を観察し、脈理が少なくなるあるいは無くなるように、そして、熔融ガラスが成形に適した粘度になるように、適宜調整すればよい。
(熔融ガラスの流出)
均質化した熔融ガラスを坩堝底部に取り付けたガラス流出パイプより流出し、成形する。ガラス流出パイプの温度は、流れる熔融ガラスが失透しない温度域であって、成形に適した粘度になるように調整、維持する。
原料の熔解、清澄、均質化を一つの坩堝中で行う方式では、ガラス流出パイプの一部を内部のガラスが固化するように冷却してパイプを閉鎖して熔解、清澄、均質化の各工程を行う。その後、パイプの冷却箇所を加熱してガラスを熔解し、パイプを開放して熔融ガラスを流出する。
ガラス流出パイプの温度制御は公知の方法で行えばよい。
(再熔融装置)
調合カレットの熔解、清澄、均質化を一つの坩堝中で行う再熔融装置のほか、複数の槽を備え、各槽内で熔解、清澄、均質化を行う再熔融装置を用いることもできる。
この装置は、調合カレットを熔解する熔解槽、熔解によって得られる熔融ガラスを清澄する清澄槽、清澄後に熔融ガラスを均質化するとともに成形に適した粘度に調整する作業槽、熔解槽から清澄槽へ熔融ガラスを流す連結パイプ、清澄槽から作業槽へ熔融ガラスを流す連結パイプ、作業槽内の熔融ガラスを流出するガラス流出パイプなどを備える。この装置で一つの容器内に仕切りを設けて熔解槽と清澄槽とに分けることもできる。
上記装置は、いずれも公知のものを使用すればよい。
(ガラス組成)
次にガラス組成について説明する。以下、特記しない限りガラス成分の含有量は質量%表示にて示す。
上記ガラスは、酸化物基準でB2O3を3〜50質量%、La2O3を15〜60質量%含む。
B2O3はガラスのネットワークを形成する働きがあり、耐失透性を改善し、液相温度を下げる働きする。また、ガラスの熔解性を改善する働きがある。
B2O3の含有量が3%未満であると耐失透性が低下し、液相温度が上昇傾向を示す。一方、B2O3の含有量が50%を超えると屈折率が低下する。そのため、B2O3の含有量を3〜50%の範囲とする。ガラスの耐失透性を改善する上からB2O3の含有量を5%以上とすることが好ましい。
La2O3は分散を高めずに屈折率を高める働きをし、化学的耐久性を改善する働きもする成分である。La2O3の含有量が15%未満であると屈折率が低下し、La2O3の含有量が60%を超えると耐失透性が低下し、液相温度が上昇傾向を示す。また熔解性が悪化傾向を示す。そのため、La2O3の含有量の範囲は15〜60%の範囲とする。La2O3の含有量の好ましい下限は20%、より好ましい下限は25%であり、好ましい上限は55%、より好ましい上限は50%、さらに好ましい上限は48%である。
次に、上記ガラスの任意成分について説明する。
SiO2はガラスのネットワークを形成する働きをし、耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑え、ガラスの粘度を高めて熔融ガラスの成形性を改善する働きもする。SiO2の含有量が12%を超えると屈折率が低下する傾向を示すため、SiO2の含有量を0〜12%の範囲にすることが好ましい。SiO2の含有量の好ましい下限は0.1%、より好ましい下限は0.5%であり、好ましい上限は10%、より好ましい上限は8%である。
Gd2O3は分散を高めずに屈折率を高めるとともに化学的耐久性を改善する働きをする。また、La2O3などの希土類金属成分と共存することにより耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える働きもする。Gd2O3が32%を超えると耐失透性が悪化し、液相温度が上昇傾向を示すため、Gd2O3の含有量を0〜32%の範囲にすることが好ましい。Gd2O3の含有量の好ましい上限は28%、より好ましい上限は25%である。
Y2O3も分散を高めずに屈折率を高めるとともに化学的耐久性を改善する働きをする。また、La2O3などの希土類金属成分と共存することにより耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える働きもする。Y2O3が20%を超えると耐失透性が悪化し、液相温度が上昇傾向を示すため、Y2O3の含有量を0〜20%の範囲にすることが好ましい。Y2O3の含有量の好ましい上限は16%である。
Ta2O5は屈折率を高めるとともに化学的耐久性を改善する働きをする成分である。適量を含有させることにより耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える働きもする。Ta2O5の含有量が22%を超えると耐失透性が悪化傾向を示し、液相温度が上昇傾向を示すため、Ta2O5の含有量を0〜22%の範囲にすることが好ましい。Ta2O5の含有量の好ましい上限は20%、より好ましい上限は18%である。
Nb2O5は屈折率、分散をともに高めるとともに化学的耐久性を改善する働きをする。適量を含有させることにより耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える働きもする。Nb2O5の含有量が18%を超えると耐失透性が悪化傾向を示し、液相温度が上昇傾向を示すため、Nb2O5の含有量を0〜18%の範囲にすることが好ましい。Nb2O5の含有量の好ましい上限は16%、より好ましい上限は14%である。
ZrO2は屈折率を高めるとともに化学的耐久性を改善する働きをする成分である。適量を含有させることにより耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える働きもする。ZrO2の含有量が12%を超えると耐失透性が悪化傾向を示し、液相温度が上昇傾向を示すため、ZrO2の含有量を0〜12%の範囲とすることが好ましい。ZrO2の含有量の好ましい上限は10%、より好ましい上限は8%である。
TiO2は屈折率、分散をともに高めるとともに化学的耐久性を改善する働きをする。適量を含有させることにより耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える働きもする。TiO2の含有量が28%を超えると耐失透性が悪化傾向を示し、液相温度が上昇傾向を示す。またガラスの着色が増大するため、TiO2の含有量を0〜28%の範囲にすることが好ましい。
WO3は屈折率、分散をともに高めるとともに化学的耐久性を改善する働きをする。適量を含有させることにより耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える働きもする。さらに項屈折率付与成分の中で比較的、ガラス転移温度を上昇させない成分でもある。WO3の含有量が14%を超えると耐失透性が悪化傾向を示し、液相温度が上昇傾向を示す。またガラスの着色が増大するため、WO3の含有量を0〜14%の範囲にすることが好ましい。WO3の含有量の好ましい上限は10%である。
ZnOは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑えるとともに、ガラス転移温度を低下させる働きをする。ZnOの含有量が40%を超えると屈折率が低下し、分散が高くなるため、ZnOの含有量を0〜40%の範囲にすることが好ましい。
BaOは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑える働きをする。BaOの含有量が22%を超えると対失透性が悪化傾向を示すため、BaOの含有量を0〜22%の範囲にすることが好ましい。BaOの含有量の好ましい上限は20%、より好ましい上限は18%である。
SrOは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑える働きをする。SrOの含有量が8%を超えると耐失透性が悪化傾向を示すため、SrOの含有量を0〜8%の範囲にすることが好ましい。SrO含有量の好ましい上限は7%、より好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は5%である。
CaOは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑える働きをする。CaOの含有量が17%を超えると屈折率が低下するため、CaOの含有量を0〜17%の範囲にすることが好ましい。CaOの含有量の好ましい上限は14%、より好ましい上限は12%、さらに好ましい上限は10%である。
MgOは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑える働きをする。MgOの含有量が5%を超えると耐失透性が悪化傾向を示すため、MgOの含有量を0〜5%の範囲にすることが好ましい。
Li2Oは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑える働きをするとともに、アルカリ金属成分の中では比較的屈折率を低下させることなくガラス転移温度を低下させる効果が大きい成分である。Li2Oの含有量が5%を超えると屈折率が低下するため、Li2Oの含有量を0〜5%の範囲にすることが好ましい。
Na2Oは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑える働きをするとともに、ガラス転移温度を低下させる働きもする。Na2Oの含有量が5%を超えると屈折率が低下するため、Na2Oの含有量を0〜5%の範囲にすることが好ましい。
K2Oは熔解性を改善し、ガラスの着色を抑える働きをするとともに、ガラス転移温度を低下させる働きもする。K2Oの含有量が5%を超えると屈折率が低下するため、K2Oの含有量を0〜5%の範囲にすることが好ましい。
Al2O3は化学的耐久性を改善し、少量であれば耐失透性を改善する働きもする。Al2O3の含有量が5%を超えると屈折率が低下するため、Al2O3の含有量を0〜5%の範囲にすることが好ましい。
その他、少量であればGeO2、Lu2O3、HfO2、TeO2などの成分を含有させてもよい。ただし、GeO2、Lu2O3、HfO2は高価な成分であることから、これら成分を含有させないことが好ましい。TeO2は環境への影響を考慮すると含有させないことが好ましい。
Pb、As、Cd、Cr、U、Th、Tlも環境への影響を考慮し、含有させないことが好ましい。
Eu、Tb、Er、Nd、Ni、Cr、Cuなどはガラスを着色するため、含有させないことが好ましい。
(ガラスの成形)
清澄・均質化した熔融ガラスの成形は、公知の方法で行えばよい。例えば熔融ガラスを鋳型に流し込み、成形する。あるいは熔融ガラスから熔融ガラス塊を分離してプレス成形する。あるいは熔融ガラスから熔融ガラス塊を分離して風圧を加えて浮上状態で成形する。
(光学素子の製造)
上記の光学ガラスあるいは上記方法で作製した光学ガラスを使用して光学素子を作るには、公知の方法を適用すればよい。例えば、熔融ガラスを成形してプレス成形用ガラス素材を作製する。次に、このガラス素材を再加熱、プレス成形して光学素子ブランクを作製する。さらに光学素子ブランクを研削、研磨して光学素子を作製する。
あるいは、熔融ガラスを成形してプレス成形用ガラス素材を作製し、このガラス素材を加熱、精密プレス成形して光学素子を作製する。
上記の各工程において、熔融ガラスを成形してガラス成形体を作製し、ガラス成形体を加工してプレス成形用ガラス素材を作製してもよい。
あるいは、熔融ガラスを成形してガラス成形体を作製し、この成形体を加工して光学素子を作製する。
作製した光学素子の光学機能面には使用目的に応じて、反射防止膜、全反射膜などをコーティングしてもよい。
光学素子としては、球面レンズ、非球面レンズ、マクロレンズ、レンズアレイなどの各種レンズ、プリズム、回折格子などを例示することができる。
以下、実施例により発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:[カレットおよび調合カレットの作製]
まず、表1に示す12種の光学ガラスを作製するため、以下のようにしてバッチ原料を用意した。
各光学ガラスに対応して、各光学ガラスの屈折率ndよりも0.00200だけ高い屈折率nd(A)のガラスが得られるようB2O3の一部をLa2O3に置換して各成分に対応する化合物を秤量し、十分混合してバッチ原料Aを作製した。
同様に、各光学ガラスの屈折率ndよりも0.00200だけ低い屈折率nd(B)のガラスが得られるようLa2O3の一部をB2O3に置換して各成分に対応する化合物を秤量し、十分混合してバッチ原料Bを作製した。
次にバッチ原料Aを白金製坩堝に投入し、1100〜1350℃で熔解して熔融物を得、得られた熔融物を水中に滴下してカレットAを得た。
同様にバッチ原料Bを白金製坩堝に投入し、1100〜1350℃で熔解して熔融物を得、得られた熔融物を水中に滴下してカレットBを得た。
水中から取り出したカレットA、Bを乾燥させ、それぞれのカレットの一部を屈折率測定用にサンプリングし、白金製坩堝に入れて熔解し、得られたガラス融液を清澄、均質化した後、鋳型に鋳込んで成形し、ガラス転移温度付近の温度で保持した後、30℃/時の降温速度で冷却した。このようにして得た屈折率測定用試料の屈折率ndを日本光学硝子工業会規格で定められた屈折率測定法により測定し、得られた値をそれぞれnd(A)、nd(B)とした。
次に上述した式(1)によりカレットAとカレットBの調合比を定め、この調合比でカレットAとカレットBとを調合し、12種の光学ガラス製造用の調合カレットを得た。
実施例2:[光学ガラスの作製]
実施例1で作製した調合カレットを白金製坩堝に投入し、再熔融時の熔解温度を1200〜1400℃の範囲とし、調合カレットを加熱、熔融して熔融ガラスとし、坩堝の温度を清澄温度(1300〜1450℃の範囲)にまで昇温し、清澄した後、坩堝の温度を均質化温度にまで降温し、攪拌して均質化した後、坩堝底部に取り付けた白金製のガラス流出パイプより流出し、流出パイプの下方に配置した鋳型に流し込んで成形し、アニールして表1に示す12種の光学ガラスを作製した。
このようにして得られた光学ガラスの組成、諸特性を以下の方法で分析、測定した。
(1)ガラス組成
誘導結合プラズマ原子発光法(ICP−AES法)、イオンクロマトグラフフィー法により各成分の含有量を定量した。
(2)屈折率ndおよびアッベ数νd
降温速度30℃/時間で降温して得られたガラスについて、日本光学硝子工業会規格の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、ncを測定した。これら屈折率の測定値より、アッベ数νdを算出した。
(3)ガラス転移温度Tg
示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度10℃/分として測定した。
(4)着色度
両面が互いに平行かつ平坦に研磨された厚さ10mm±0.1mmの板状ガラス試料を用意し、研磨面に垂直方向から光を入射して、波長280nm〜700nmの範囲で表面反射損失を含む分光透過率を測定する。分光透過率が80%になる波長をλ80、70%になる波長をλ70、分光透過率が5%になる波長をλ5とした。
(5)光学ガラス中の残存気泡
倍率100倍の光学顕微鏡を用いて目視によりガラス中に含まれる泡の有無を調べた。
(6)1350℃におけるガラスの粘度
JIS規格Z8803、共軸二重円筒型回転粘度計による粘度測定方法により粘度を測定した。なお、1350℃における粘度を直接測定しない場合は、異なる温度におけるガラス融液の粘度をJIS規格Z8803、共軸二重円筒型回転粘度計による粘度測定方法により測定し、ファルチャー粘度式を用いて1350℃における粘度を算出してもよい。
各種光学ガラスの屈折率nd、アッベ数νd、ガラス転移温度Tg、1350℃におけるガラスの粘度、着色度の各測定値を表1に示す。
残存気泡は12種のガラスとも0.01個/kg未満であった。
表1
Figure 0005979371
表1(つづき)
Figure 0005979371
実施例3:[プレス成形用ガラスゴブの作製]
実施例2で作製した光学ガラスのうち、表1に記載のNo.1〜No.9の9種の光学ガラスが得られるように調合カレットを熔解、清澄、均質化して熔融ガラスを作り、熔融ガラスを連続的に流出して鋳型に鋳込み、ガラスブロックに成形した後、アニールし、切断して複数個のガラス片を得た。これらガラス片をバレル研磨して上記10種の光学ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブを作製した。
実施例4:[レンズブランクの作製]
実施例3で作製したガラスゴブの表面に窒化ホウ素からなる粉末状離型剤を均一に塗布してから大気中で加熱、軟化し、プレス成形型でプレス成形し、球面凸メニスカスレンズ、球面凹メニスカスレンズ、球面両凸レンズ、球面両凹レンズの各種レンズのブランクを作製した。このようにして上記ガラスからなるレンズブランクを作製した。
実施例5:[レンズブランクの作製]
実施例3で用意した熔融ガラスを流出し、シアを用いて熔融ガラス流を切断して熔融ガラス塊を分離し、プレス成形型を用いてプレス成形し、上記10種の光学ガラスからなる各種レンズブランクを作製した。作製したレンズブランクは、球面凸メニスカスレンズ、球面凹メニスカスレンズ、球面両凸レンズ、球面両凹レンズの各種レンズのブランクである。
実施例6:[各種球面レンズの作製]
実施例4、実施例5で作製したレンズブランクをアニールして歪を除くとともに屈折率を所望値に合わせた後、カーブジェネレータを使用して、レンズブランクの表面を球面研削した。次に研削した面をスムージング加工(精研削加工)し、さらに研磨加工して球面凸メニスカスレンズ、球面凹メニスカスレンズ、球面両凸レンズ、球面両凹レンズの各種レンズを作製した。
実施例7:[プリフォームの作製1]
実施例2で作製した光学ガラスのうち、表1に記載のNo.10〜No.12の3種の光学ガラスが得られるように調合カレットを熔解、清澄、均質化して熔融ガラスを作り、白金製のノズルから滴下してプリフォーム成形型で受け、風圧を加えて浮上させながら上記3種の光学ガラスからなる球状のプリフォームに成形した。
また、上記熔融ガラスを白金製パイプから連続的に流出し、その下端部をプリフォーム成形型で受け、熔融ガラス流にくびれ部を作った後、プリフォーム成形型を真下に急降下して熔融ガラス流をくびれ部で切断し、プリフォーム成形型上に分離した熔融ガラス塊を受け、風圧を加えて浮上させながら上記3種ガラスからなるプリフォームに成形した。得られたプリフォームには、失透、脈理、異物や泡の含有は認められなかった。
実施例8:[プリフォームの作製2]
実施例2で作製した光学ガラスのうち、表1に記載のNo.10〜No.12の3種の光学ガラスが得られるように調合カレットを熔解、清澄、均質化して熔融ガラスを作り、得られた熔融ガラスを連続的に流出して鋳型に鋳込み、ガラスブロックに成形した後、アニールし、切断して複数個のガラス片を得た。これらガラス片を研削、研磨して上記3種の光学ガラスからなるプリフォームを作製した。なお、上記ガラスブロックの内部、すなわち、プリフォームに使用する部分には、失透、脈理、異物、泡は認められなかった。
実施例9:[非球面レンズの作製]
実施例7、8で作製した各プリフォームの表面に炭素含有膜をコートし、成形面に炭素系離型膜を設けたSiC製の上下型および胴型を含むプレス成形型内に導入し、窒素雰囲気中で成形型とプリフォームを一緒に加熱してプリフォームを軟化し、精密プレス成形して上記3種ガラスからなる非球面凸メニスカスレンズ、非球面凹メニスカスレンズ、非球面両凸レンズ、非球面両凹レンズの各種レンズを作製した。
こうして得た各種レンズに心取り加工を施した。
最後に、図等を用いて、実施の形態を総括する。
本発明の実施の形態にかかるカレットは、図1に示す工程の一部により作製され、酸化物基準でB2O3を3〜50質量%、La2O3を15〜60質量%、およびSb酸化物とイオウ酸化物を含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスからなるカレットである。
好ましくは、カレットのSb酸化物の含有量とイオウ酸化物の含有量は、Sb2O3に換算したSb酸化物の含有量とSO3に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb2O3+SO3)が0.01〜0.8質量%、前記合計量(Sb2O3+SO3)に対するSb2O3に換算したSb酸化物の含有量(Sb2O3)の質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))が0.002〜0.91との条件を満たす。
また、好ましくは、カレットの1350℃における粘度は0.1dPa・s以上である。
また、実施の形態の別の局面によれば、カレットの製造方法を提供する。この方法は光学ガラスを製造するためのカレットの製造方法であり、酸化物基準でB2O3の含有量が3〜50質量%、La2O3の含有量が15〜60質量%となるようにホウ素化合物とランタン化合物を調合し、かつ、Sb酸化物およびイオウ酸化物を含むバッチ原料を作製し、バッチ原料を加熱、熔融し、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスからなるカレットを作製する方法である。
好ましくは、Sb2O3に換算したSb酸化物の含有量とSO3に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb2O3+SO3)が0.01〜0.8質量%、前記合計量(Sb2O3+SO3)に対するSb2O3に換算したSb酸化物の含有量(Sb2O3)の質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))が0.002〜0.91となるようにバッチ原料を作製する。
また、好ましくは、1350℃における粘度は0.1dPa・s以上を示すガラスからなるカレットを製造する。
また、実施の形態の別の局面によれば、光学ガラスの製造方法を提供する。この方法は、上記のカレットを含む原料を加熱、熔解し、得られた熔融ガラスを清澄・均質化し、熔融ガラスを成形する光学ガラスの製造方法である。
また、別の方法は、上記の方法によりカレットを作製し、カレットを含む原料を加熱、熔解し、得られた熔融ガラスを清澄・均質化し、熔融ガラスを成形する光学ガラスの製造方法である。
また、別の方法によれば、カレットを加熱、熔解し、得られた熔融ガラスを清澄・均質化し、成形する光学ガラスの製造方法において、Sb酸化物を含むカレットと、イオウ酸化物を含むカレットを調合して調合カレットとし、前記調合カレットを加熱、熔解し、得られた熔融ガラスを清澄・均質化し、成形し、酸化物基準でB2O3を3〜50質量%、La2O3を15〜60質量%、およびSb酸化物とイオウ酸化物を含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示す光学ガラスを作製する光学ガラスの製造方法である。
また、別の方法によれば、バッチ原料を加熱、熔解、清澄・均質化し、成形する光学ガラスの製造方法において、質量%表示にて、B2O3の含有量が7〜50%、La2O3の含有量が15〜60%となるようにホウ素化合物とランタン化合物を調合し、さらにSb酸化物および酸化物を添加し、得られたバッチ原料を加熱、熔解した後、熔融ガラスの温度を昇温し、清澄・均質化した後、成形して1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示す光学ガラスを作製する光学ガラスの製造方法である。
上記各方法において好ましくは、Sb2O3に換算したSb酸化物の含有量とSO3に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb2O3+SO3)が0.01〜0.8質量%、前記合計量(Sb2O3+SO3)に対するSb2O3に換算したSb酸化物の含有量(Sb2O3)の質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))が0.002〜0.91となるようにバッチ原料を作製する。
また、上記各方法において好ましくは、白金または白金合金製の容器内で熔融ガラスを清澄・均質化する。
また、実施の形態の別の局面によれば、光学ガラスを提供する。この光学ガラスは、質量%表示にて、B2O3を3〜50%、La2O3を15〜60%、およびSb酸化物とイオウ酸化物を含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示す光学ガラスである。
好ましくは、Sb2O3に換算したSb酸化物の含有量とSO3に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb2O3+SO3)が0.01〜0.8質量%、前記合計量(Sb2O3+SO3)に対するSb2O3に換算したSb酸化物の含有量(Sb2O3)の質量比(Sb2O3/(Sb2O3+SO3))が0.002〜0.5である光学ガラスである。
また、実施の形態の別の局面によれば、プレス成形用ガラス素材、光学素子ブランク、光学素子を提供し、プレス成形用ガラス素材、光学素子ブランク、光学素子は上記光学ガラスまたは上記方法で製造された光学ガラスを含む。
さらに、実施の形態の別の局面によれば、プレス成形用ガラス素材の製造方法を提供する。この製造方法は、上記光学ガラスからなるガラス成形体を成形または加工する工程を含む。
また、実施の形態の別の局面によれば、光学素子の製造方法を提供する。この製造方法は、上記光学ガラスからなるガラス成形体を加工する工程または上記光学ガラスを成形する工程を含む。

Claims (3)

  1. 光学ガラスを製造するためのカレットの製造方法であって、
    酸化物基準でB2O3の含有量が3〜50質量%、La2O3の含有量が15〜60質量%となるようにホウ素化合物とランタン化合物を調合し、かつ、Sb 2 O 3 に換算したSb酸化物の含有量とSO 3 に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb 2 O 3 +SO 3 )がガラス質量に対し、0.01〜0.8質量%となるようにSb酸化物およびイオウ酸化物を含み、かつ炭酸塩を含まないバッチ原料を作製し、前記バッチ原料を加熱、熔解し、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスを作製することを含むカレットの製造方法。
  2. 光学ガラスの製造方法であって、
    酸化物基準でB2O3の含有量が3〜50質量%、La2O3の含有量が15〜60質量%となるようにホウ素化合物とランタン化合物を調合し、かつ、Sb 2 O 3 に換算したSb酸化物の含有量とSO 3 に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb 2 O 3 +SO 3 )がガラス質量に対し0.01〜0.8質量%となるようにSb酸化物およびイオウ酸化物を含み、かつ炭酸塩を含まないバッチ原料を作製し、前記バッチ原料を加熱、熔解し、得られた熔融ガラスの温度を昇温し、清澄・均質化し、成形して、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスを作製することを含む光学ガラスの製造方法。
  3. バッチ原料から光学ガラスを製造する方法であって、
    Sb酸化物を含みかつ炭酸塩を含まないバッチ原料Aと、イオウ酸化物を含みかつ炭酸塩を含まないバッチ原料から、それぞれカレットA及びカレットBを作製し、前記カレットA及びカレットBを調合して調合カレットとし、前記調合カレットを加熱、熔解し、得られた熔融ガラスを清澄・均質化し、成形し、酸化物基準でB2O3を3〜50質量%、La2O3を15〜60質量%、およびSb酸化物とイオウ酸化物を、Sb 2 O 3 に換算したSb酸化物の含有量とSO 3 に換算したイオウ酸化物の含有量の合計(Sb 2 O 3 +SO 3 )がガラス質量に対し0.01〜0.8質量%となるように含み、1350℃における粘度が3dPa・s以下の範囲を示すガラスを作製する光学ガラスの製造方法。
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