JP6046376B2 - 光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス転移温度(Tg)が低く、屈折率(n)が1.60〜1.90、好ましくは1.70〜1.90、アッベ数(ν)が20〜60、の範囲の光学定数を有し、かつ希土類の含有量が低い光学ガラスに関する。
屈折率(n)が1.70を超えるような高屈折率の光学ガラスの製造には、一般にLa等の希土類酸化物やNb等を高い含有率にする事で、目的の光学定数を有する光学素子を製造する事が主流となっている。
希土類酸化物であるLaやGdなどは、近年、供給国の一局集中や輸出規制の問題があり、価格の高騰や安定的供給の確保が懸念されている。同様にNbなども、近年、原料価格が高騰しており、これらの原料を含有しないか含有量が低い組成範囲で高屈折の光学定数を有する事が望まれている。
また、光学素子のプレス成型による成形方法は、主に光学ガラス(プリフォーム)を再加熱・軟化させて所定の形状にプレス成型される方式と、金型を加熱した上に溶融ガラスを滴下しプレス成型するダイレクトプレス方式が知られている。これらの方式のプレスは、いずれもプレス金型をガラス転移温度(Tg)近傍または、それ以上の温度に加熱する必要がある。特にモールドプレスの場合には、金型表面が精密に製膜されることを要するので、ガラス転移温度(Tg)が高いと金型の酸化等が促進し、金型の寿命が短くなる。このため、モールドプレスに用いられる光学ガラスが、低いガラス転移温度(Tg)を有する事は重要である。
特開2010−83703号公報には、SiO―NaO−BaO−TiO―Nb系の組成からなり、屈折率ndが1.80以上1.88以下、アッベ数νd20以上30以下の光学ガラスが開示されている。しかしこの光学ガラスは、Nb成分を多く必要とするため、製造原価が高くなってしまう。
また、この文献にはガラス転移温度についての言及がなされていない。
特表2009−527442号公報
本発明の目的は、価格の高騰や安定的供給が懸念される光学ガラス原料に由来する成分を含有しないか、または比較的少なく含有させた場合であっても、所望の光学定数を有し、ガラス転移温度(Tg)が低く、モールドプレスに適した光学ガラスを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、SiO、TiOと適量のRO成分を併用し、所定の範囲内に抑えることで、所望の光学定数を有し、かつガラス転移温度(Tg)が低くモールドプレスに適した光学ガラスが得られることを見出した。具体的には、本発明では以下のものを提供する。
(構成1)
屈折率(n)が1.60〜1.90、アッベ数(ν)が20〜60の範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が600℃以下であり、酸化物基準の質量%で、Ln(Lnは、La、Y、Yb、Gdから選択される1種以上)、Bi、Ta、GeO、及びWOの各成分の合計量が20%以下、Nb成分の含有量が20%以下であることを特徴とする光学ガラス。
(構成2)
酸化物基準の質量%で、
SiO:10%〜50%、
TiO:10%〜50%、
RO:10%〜60%(Rは、Mg、Ca、Zn、Sr、Baから選択される1種以上)、
の各成分を含有する構成1に記載の光学ガラス。
(構成3)
酸化物基準の質量%で、
BaO:0%〜60%、
CaO:0%〜20%、
ZnO:0%〜20%、
SrO:0%〜20%、
MgO:0%〜20%、
LiO:0%〜20%、
NaO:0%〜20%、
O:0%〜20%、
ZrO:0%〜20%、
:0%〜20%、
Al:0%〜20%、
:0%〜20%、
Ta:0%〜20%、
の各成分を含有する構成1または2に記載の光学ガラス。
(構成4)
酸化物基準の質量%で、
La:0%〜20%、
Gd:0%〜20%、
GeO:0%〜20%、
:0%〜20%、
Yb:0%〜20%、
WO:0%〜20%、
Bi:0%〜20%、
Sb:0%〜1%
の各成分を含有する構成1から3のいずれかに記載の光学ガラス。
(構成5)
酸化物基準の質量%で、
SiO+BaO+TiOの合計含有量が20%〜95%である構成1から4のいずれかに記載の光学ガラス。
(構成6)
酸化物基準の質量%で、(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO+B+Al+P)≦2.0である構成1から5のいずれかに記載の光学ガラス。
(構成7)
構成1から6のいずれかに記載の光学ガラスを、熱間加工を含む加工工程により成形して得られる光学ガラス成形体。
(構成8)
前記熱間加工が、ダイレクトプレス成形、リヒートプレスおよびリドロー成形からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする構成7に記載の光学ガラス成形体。
(構成9)
構成1から6のいずれかに記載の光学ガラスを、冷間加工を含む加工工程により成形して得られる光学ガラス成形体。
(構成10)
前記冷間加工が、切断、研削、および研磨からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする構成9に記載の光学ガラス成形体。
(構成11)
構成7から10のいずれかに記載の光学ガラス成形体からなる光学ガラス基板。
(構成12)
構成7から10のいずれかに記載の光学ガラス成形体からなる光学素子用プリフォーム。
(構成13)
構成10に記載の光学ガラス基板を、熱間加工および/または冷間加工してなる光学素子用プリフォーム。
(構成14)
構成12または13のプリフォームをモールドプレス成形を含む加工工程により成形してなる光学素子。
(構成15)
構成11に記載の光学ガラス基板を、モールドプレス成形を含む加工工程により成形してなる光学素子。
本発明によれば、価格の高騰や安定的供給が懸念される光学ガラス原料に由来する成分を含有しないか、または比較的少なく含有させた場合であっても、1.60以上、好ましい態様では1.70以上、より好ましい態様では1.75以上の屈折率(n)と、600℃以下の、好ましい態様では575℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する光学ガラスを提供することが可能となる。
また、屈折率の上限としては、1.86、好ましい態様では1.88、最も好ましい態様では1.90まで得る事が可能である。ガラス転移温度の下限としては、520℃、好ましい態様では550℃、最も好ましい態様では580℃まで得ることが可能である。
また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は、20〜60の範囲内にある。
以下、本発明を具体的に説明するが、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は、特に明記しない場合は、全て酸化物基準のガラス全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物基準」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が、溶融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分の割合を表記するための基準である。
SiO成分は、ガラスの粘度を高め、耐失透性を向上させるのに有効であり、欠かすことのできない成分である。しかし、含有量が少なすぎると上記効果が不十分であり、多すぎるとガラス転移温度(Tg)の上昇や熔融性の悪化を招く。従って、含有率は好ましくは10%、より好ましくは18%以上、最も好ましくは20%を下限とし、好ましくは50%、より好ましくは40%、最も好ましくは35%を上限とする。
TiO成分は、ガラスに高屈折率、高分散特性を与え、光学定数調整の為に有効な成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性又は光線透過率を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは50%、より好ましくは40%、最も好ましくは35%を上限とする。また本発明のガラスに要求される光学特性を容易に実現するためには、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、最も好ましくは25(27)%以上含有する。
RO成分(Rは、Mg、Ca、Zn、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)は、ガラスの形成能を向上させ、ガラスの屈折率や安定性を向上させる効果があり、必須の成分である。しかし、その合計量が多すぎると、ガラスの安定性が損なわれ、耐失透性が悪化しやすくなる。したがって、その合計量を、好ましくは60%、より好ましくは40%、最も好ましくは35%を上限とし含有する。また、前記効果を容易に得る為には、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、最も好ましくは20%以上含有する。RO成分が上記の範囲であれば、RO成分を構成する個々の成分の含有量の下限は0%でも良い。
上記RO成分の中でも、特にBaO成分は光学定数の調整に有効な成分である。しかし、その含有量が多すぎると耐失透性が悪化しやすい。従って、BaO成分の含有率は、好ましくは60%、より好ましくは50%、最も好ましくは40%を上限とすることが好ましい。また少なすぎるとその効果を得ることが難しく10%以上含有することで、その効果を得ることが容易になり、より好ましくは13%、最も好ましくは16.6%を下限とする。
CaO成分は、光学定数の調整および耐失透性の改善に有効な成分である。しかし、その量が多すぎると化学的耐久性を悪化させてしまう恐れがある。従ってCaO成分の含有率は好ましくは20%、より好ましく15%、最も好ましくは10%を上限とする。
ZnO成分は、ガラス転移温度(Tg)を低くするのに効果がある。しかし、その量が多すぎると耐失透性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは11%、最も好ましくは9%を上限とする。
SrO成分は、BaO、CaO成分と同じく光学定数の調整に有効である。しかし、その量が多すぎると耐失透性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは15%、最も好ましくは6%を上限とする。
MgO成分は光学定数の調整で用途に応じて調整する目的で添加する。しかし、その量が多すぎると耐失透性が悪化する恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは10%、さらに好ましくは7%、最も好ましくは2.5%を上限とする。
LiO成分は、ガラス転移温度(Tg)を大幅に下げ、かつ、混合されたガラス原料を溶解する際の溶解を促進する効果を有する任意成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性および耐久性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは10%、最も好ましくは6%を上限とする。本発明のガラスを安定的に生産し、ガラス転移温度(Tg)を大幅に下げるためには、好ましくは0%を超え、より好ましくは1%以上、最も好ましくは1.6%以上含有することが好ましい。
NaO成分はガラスの熔融性を向上させると供にガラス転移温度(Tg)を下げるのに有効な任意成分であるが、その量が多すぎると化学的耐久性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは16%、最も好ましくは12%を上限とする。本発明のガラスを安定的に生産するためには、好ましくは0%を超え、より好ましくは1%以上、最も好ましくは2%以上含有することが好ましい。
O成分は、ガラス転移温度(Tg)を低下させる効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると耐久性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは15%、さらに好ましくは12%、最も好ましくは10%を上限とする。
ZrO成分は、光学定数を調整し、耐失透性を改善する効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は、好ましくは20%、より好ましくは5%、最も好ましくは1.9%を上限とする。
本発明のガラスを安定的に生産するためには、好ましくは0%を超え、より好ましくは0.3%以上、最も好ましくは0.5%以上含有することが好ましい。
成分は、ガラス形成酸化物成分として、ガラスの安定性を増すために有効な任意成分である。しかしその量が多すぎると耐失透性又は化学的耐久性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は、好ましくは20%、より好ましくは15%、最も好ましくは10%を上限とする。
Al成分は、化学的耐久性を向上させるのに有効な成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは7%とし、失透を防止する観点から、Al成分を含有しないことが最も好ましい。
は耐失透性に有効な任意成分である。しかし、その量が多すぎると化学的耐久性を悪化させてしまう恐れがある。従って含有率は、好ましくは20%、より好ましくは6%、最も好ましくは3%を上限とする。
La成分は、ガラスの屈折率を高め、低分散化させるのに有効な任意成分である。しかし、La成分はコストの高い原料であるため、その量が多すぎるとコストを増やしてしまう恐れがある。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは10%、さらに好ましくは3%、最も好ましくは0.5%を上限とする。
Gd成分は、ガラスの屈折率を高め、低分散化させる効果がある任意成分である。しかしその量が多すぎると原料が非常に高価であるため、コストが高くなる。従って、好ましくは20%、より好ましくは10%、さらに好ましくは3%、最も好ましくは0.5%を上限とする。
Yb成分は、ガラスの屈折率を高め、低分散化させる効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性が悪化しやすくなる。また原料が非常に高価である為、コストが高くなる。従って含有率は好ましくは20%、より好ましくは10%、さらに好ましくは7%、最も好ましくは3%を上限とする。
Nb成分は、ガラスに高屈折率、高分散特性を与え、耐失透性を改善する効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると、原料が非常に高価であるため、コストが高くなる。従って、好ましくは20%、より好ましくは10%、さらに好ましくは4.9%、最も好ましくは0.5%を上限とする。
Ta成分は、ガラスの屈折率を高め、化学的耐久性を向上し耐失透性を改善する効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性が悪化する。従って、好ましくは20%、より好ましくは10%、最も好ましくは3%を上限とする。
Bi成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスの転移温度(Tg)を下げる効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性が悪化しやすくなる。従って、好ましくは20%、より好ましくは10%、最も好ましくは3%を上限とする。
GeO成分は、屈折率を高め、耐失透性を改善させる効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると原料が非常に高価であるため、コストが高くなる。従って、好ましくは20%、より好ましく3%を上限とする。本発明の光学ガラスは、GeO成分を含まずとも所望の物性を得ることができるため、GeO成分は含まない事が最も好ましい。
成分は、ガラスの屈折率を高め、低分散化させる効果がある任意成分である。しかし、その量が多すぎると耐失透性が悪化しやすくなる。また、原料が非常に高価である為、コストが高くなる。従って含有率は、好ましくは20%、より好ましくは10%、さらに好ましくは7%、最も好ましくは3%を上限とする。
WO成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスの化学的耐久性を向上させる任意成分であり、その含有率を20%以下にする事で、ガラスの耐失透性を高めることが出来る。従って、好ましくは20%、より好ましくは10%、最も好ましくは3%を上限として含有する事が出来る。
Sb成分は、ガラス溶融時の脱泡のために任意に添加しうるが、その量が多すぎると光線透過率が悪化する恐れがある。従って、含有率は好ましくは1%、より好ましくは0.8%、最も好ましくは0.7%を上限とする。
また、Sb成分に代えて、または同時にCeO成分やSnO成分をガラス溶融時の脱泡のために添加してもよい。この場合、Sb成分、CeO成分およびSnO成分から選ばれる1成分以上の合計の含有量の含有範囲は、好ましくは1%、より好ましくは0.8%、最も好ましくは0.7%を上限とする。
本発明者は、本発明のガラス組成系において、SiO+BaO+TiOの含有量を適宜調節することにより、所望の光学定数を容易に満たすことが可能であることを見出した。しかし、合計含有量が少なすぎると上記効果が不十分であり、多すぎると前記光学定数を得ることが困難になる不利益がある。よって、SiO+BaO+TiOの含有量は、好ましくは20%、より好ましくは25%、最も好ましくは30%を下限とし、好ましくは95%、より好ましくは90%、最も好ましくは87%を上限とすることが好ましい。
本発明の光学ガラスでは、酸化物基準の質量%でSiO成分、B成分、Al成分、およびP成分の合計量に対する、MgO成分、CaO成分、SrO成分、BaO成分及びZnOの合計量の比、すなわち(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO+B+Al+P)値が2.0以下であることが好ましい。前記値を2.0以下にすることで、所望の屈折率を得易くすることができる。従って上記値は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは、1.3以下、最も好ましくは0.97以下とする。
Ln(Lnは、La、Y、Yb、Gdから選択される1種以上)成分は、ガラスの屈折率を高め、低分散化を図る効果が大きい有効な成分である。しかしその量が多すぎると、原料が非常に高価であるため、コストが高くなる。従ってその合計量は、好ましくは20%、より好しくは16%、最も好ましくは12%を上限とする。なお、本発明の光学ガラスは、これらの成分を含まずとも、所望の光学定数を得る事が可能である。
本発明の光学ガラスは、鉛、ヒ素、弗素を含まずとも、所望の物性を得る事ができるため、これらの成分は、環境および人体への影響の鑑定より含まないことが好ましい。
Bi、Ta、GeOおよびWOは、光学定数の調整に有用な成分であるが、これらは着色性を悪化させる懸念があり、また近年の価格高騰によりガラス全体のコストを大幅に上げる恐れがある。よって、Bi、Ta、GeOおよびWOは、その合計量を、好ましくは20%、より好しく16%、最も好ましくは12%を上限とする。なお、本発明の光学ガラスは、これらの成分を含まずとも、所望の光学定数を得る事が可能である。
さらに、ガラス全体のコストを低減させる観点から、Ln(Lnは、La、Y、Yb、Gdから選択される1種以上)、Bi、Ta、GeOおよびWOの合計量を20%以下、より好しくは16%、最も好ましくは12%を上限とする。
[プリフォーム及び光学素子]
本発明の光学ガラスは、様々な光学素子及び光学設計に有用であるが、その中でも特に、本発明の光学ガラスから精密プレス成形等の手段を用いて、レンズやプリズム、ミラー等の光学素子を作製することに使用できる。これにより、カメラやプロジェクタ等のような、光学素子に可視光を透過させる光学機器に用いたときに、高精細で高精度な結像特性を実現しつつ、これら光学機器における光学系の小型化を図ることができる。特に本発明の光学ガラスは、高屈折率低分散特性と低温軟化性を兼ね備えるため、非球面レンズをモールドプレス成形により作成することが可能となり、前記光学系の小型化に大きく寄与することができる。
本発明の光学ガラスは、ダイレクトプレス成形、リヒートプレス及びリドロー成形等の熱間加工を含む加工工程による成形により、レンズ、プリズム、平面を有する板材、微小レンズが複数形成された板状体など、所望の形状を有する光学ガラス成形体とすることが可能である。
また、本発明の光学ガラスは、切断、研削、研磨からなる群から選択される1種以上を含む冷間加工を含む加工工程により、レンズ、プリズム、平面を有する板材、微小レンズが複数形成された板状体など、所望の形状を有する光学ガラス成形体とすることが可能である。
ここで、本発明の光学ガラスからなる光学素子を作製するには、従来の光学ガラスと同様の方法で熱間加工及び/又は冷間加工によりプリフォームを作成して、それらをモールドプレス成形してもよい。
さらに本発明の光学ガラスは、従来のプリフォーム作成方法とは別に、熱間成形、例えば、ダイレクトプレス、モールドプレス、リドロー法などの手法で薄い基板として成形品を作成し、その基板を後工程によりレンズ等の光学素子に仕上げることができる。
さらに、前記基板は、熱間成形された本光学ガラスからなる板材を切断、くり抜き、研削、研磨などの冷間加工により、又は冷間加工と前記熱間加工との組み合わせにより作製しても良い。
前記基板から光学素子を作製する方法は特に限定されるものではないが、前記基板ごとモールドプレス成形することにより、成形型の形状を転写してもよく、あるいは基板をあらかじめ切断することによりプリフォームを作製し、そのプリフォームを成形して光学素子を作製してもよい。
さらに、本発明の光学ガラスは、カメラ等の光学系に使用するだけでなく、LED用封止ガラス、高画素携帯電話用カメラレンズ等にも使用できる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明のガラスの実施例(No.1〜No.21)の組成を、これらのガラスの屈折率(nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移温度(Tg)、屈伏点(At)を表1〜表4に示した。表中、各成分の組成は酸化物基準の質量%で表示するものとする。




































Figure 0006046376
Figure 0006046376
Figure 0006046376
Figure 0006046376
表1〜表4に示した本発明の実施例の光学ガラス(No.1〜No.21)は、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の通常の光学ガラス用原料を、表1〜表4に示した各実施例の組成の割合となるように秤量し、混合し、白金るつぼに投入し、組成による溶融性に応じて、1000〜1300℃で、3〜5時間溶融、清澄、攪拌して均質化した後、金型等に鋳込み、徐冷することにより得ることができた。
屈折率(nd)及びアッベ数(νd)は、徐冷降温速度を−25℃/時にして得られた光学ガラスについて測定した。
ガラス転移温度(Tg)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS08−2003(光学ガラスの熱膨張の測定方法)に記載された方法により測定した。ただし試験片として長さ50mm、直径4mmの試料を使用した。
屈伏点(At)は前記ガラス転移温度(Tg)と同様に、日本光学硝子工業会規格JOGIS08−2003(光学ガラスの熱膨張の測定方法)に記載された方法により測定し、ガラスの伸びが止まり、収縮が始まる温度とした。また、試験片として長さ50mm、直径4mmの試料を使用した。
表1〜表4に見られるとおり、本発明の実施例の光学ガラス(No.1〜No.21)はすべて、前記範囲内の光学定数(屈折率(nd)及びアッベ数(νd))を有し、ガラス転移温度(Tg)が470〜600℃の範囲にあるため、精密モールドプレス成形に適していた。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (10)

  1. 屈折率(n)が1.60〜1.90、アッベ数(ν)が20〜60の範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が600℃以下であり、
    酸化物基準の質量%で、
    SiO:10%〜50%、
    TiO:20%〜50%、
    RO:10%〜40%(Rは、Mg、Ca、Zn、Sr、Baから選択される1種以上)、
    ZrO:0%〜1.9%
    の各成分を含有し、
    Ln(Lnは、La、Y、Yb、Gdから選択される1種以上)、Bi、Ta、GeO、及びWOの各成分の合計量が20%以下、
    Nb成分の含有量が4.9%以下
    であることを特徴とする光学ガラス。
  2. 酸化物基準の質量%で、
    SiO:30.11%〜50%
    を含有する請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 酸化物基準の質量%で、
    BaO:0%〜40%、
    CaO:0%〜20%、
    ZnO:0%〜20%、
    SrO:0%〜20%、
    MgO:0%〜20%、
    LiO:0%〜20%、
    NaO:0%〜20%、
    O:0%〜20%、
    :0%〜20%、
    Al:0%〜20%、
    :0%〜20%、
    Ta:0%〜20%、
    の各成分を含有する請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 酸化物基準の質量%で、
    La:0%〜20%、
    Gd:0%〜20%、
    GeO:0%〜20%、
    :0%〜20%、
    Yb:0%〜20%、
    WO:0%〜20%、
    Bi:0%〜20%、
    Sb:0%〜1%
    の各成分を含有する請求項1から3のいずれかに記載の光学ガラス。
  5. 酸化物基準の質量%で、(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO+B+Al+P)≦2.0である請求項1からのいずれかに記載の光学ガラス。
  6. 酸化物基準の質量%で、
    LiO:0%超〜20%、
    を含有する請求項1からのいずれかに記載の光学ガラス。
  7. 酸化物基準の質量%で、
    NaO:0%超〜20%、
    を含有する請求項1からのいずれかに記載の光学ガラス。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の光学ガラスからなる光学ガラス基板。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子用プリフォーム。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子。
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