JP6597865B2 - テンプレート基板の製造方法、および、ナノインプリント用テンプレートの製造方法 - Google Patents

テンプレート基板の製造方法、および、ナノインプリント用テンプレートの製造方法 Download PDF

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本発明は、ナノインプリントの技術分野に関するものであり、特に、凹凸形状の転写パターンが形成されたパターン形成面を有するナノインプリント用テンプレートから、平坦な被加工面を有するテンプレート基板を製造する方法、および、前記テンプレート基板から、新たにナノインプリント用テンプレートを製造する方法に関するものである。
近年、半導体リソグラフィにおいては、デバイスの微細化の要求に対して、露光波長の問題や製造コストの問題などからフォトリソグラフィ方式の限界が指摘されており、その対案として、ナノインプリント技術を用いたナノインプリントリソグラフィ(NIL:Nanoimprint Lithography)が注目を集めている。
ナノインプリントリソグラフィは、表面に微細な凹凸形状の転写パターンを形成したテンプレート(モールド、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、半導体ウェハなどの被転写基板の上に形成されたインプリント材料に接触させ、このインプリント材料の表面側の形状を、テンプレートの転写パターンの凹凸形状に成型した後に離型し、次いで、ドライエッチング等により余分な部分(残膜部分)を除去することで、被転写基板の上のインプリント材料にテンプレートの転写パターンの凹凸形状(より詳しくは、凹凸反転形状)を転写させる技術である(例えば、特許文献1、2)。
このナノインプリントリソグラフィは、一度テンプレート(適宜、ナノインプリント用テンプレートとも呼ぶ)を作製すれば、微細な凹凸形状の転写パターンを繰り返し転写成型でき、この転写工程には高額な露光装置(ステッパー)を用いないため、経済的にも有利である。
従来、図8に示すように、テンプレート110の形態としては、その表面側(第1の側110a)に、転写パターン112が形成されるパターン形成面111を上面とするメサ状の凸構造113を有している形態がある。このような形態であれば、インプリント工程において、テンプレート110のパターン形成面111以外の部分が、被転写基板やインプリント材料と接触することを抑制できる。
さらに、テンプレート110の裏面側(第2の側110b)には、平面視において、凸構造113を包含するように凹構造114が形成されている形態もある。(例えば、特許文献3)。このような形態であれば、インプリント工程において、テンプレート110のパターン形成面111を湾曲させることで、テンプレート110とインプリント材料の間に気泡が残留することを抑制することができ、また、テンプレート110とインプリント材料との離型も容易に行うことができる。
特表2004−504718号公報 特開2002−93748号公報 特表2009−536591号公報
ここで、テンプレート基板には、微細な転写パターンを被転写基板側へ転写するために、平坦性や粗度などの観点で高精度に調整された被加工面を有する、高価な基板が用いられる。典型的には、テンプレート基板としてフォトマスクに用いられる基板と同様に、主に、合成石英ガラスを材料とする基板が用いられているが、他の材料に比べて高価である。
さらに、基板が上述のようなメサ状の凸構造や裏面側の凹構造を有する場合は、その製造コストを含め、基板が、より高価なものになる。
一方、ナノインプリント用テンプレートに形成される凹凸形状の転写パターンは、一般に、従来のフォトマスクに形成されるマスクパターンよりも1/4以下のサイズ(幅寸法)が求められ、さらに深さ方向の加工精度も要求されることから、ナノインプリント用テンプレートの製造においては、従来のフォトマスクの製造に比べて、転写パターンの形状不良や欠陥を生じやすい。
それゆえ、製造コストの抑制を図る目的から、このような不良となったナノインプリント用テンプレートから凹凸形状の転写パターンを除去して、テンプレート基板を再生することが求められている。
ここで、上記の不良となったナノインプリント用テンプレートから凹凸形状の転写パターンを除去する方法として、例えば、研磨スラリーを上記ナノインプリント用テンプレートのパターン形成面(凹凸形状の転写パターンが形成されている面)に供給しながら、ウレタン等の研磨パッドが貼り付けられた定盤を押し付けて研磨する方法が考えられる。
この研磨処理は、相対的に粒径の大きい(0.3〜3μm程度)酸化セリウムを主材とする研磨スラリーを用いる第1次研磨処理と、相対的に粒径の小さい(10〜300nm程度)コロイダルシリカを含む研磨スラリーを用いる第2次研磨処理とを含む。
しかしながら、上記のような第1次研磨処理と第2次研磨処理とを含む研磨方法によりナノインプリント用テンプレートの微細凹凸パターンを除去しようとすると、第1次研磨処理により、ナノインプリント用テンプレートにクラックや欠けが発生するおそれがある。
特に、裏面側に凹構造を形成したテンプレートにおいては、その凹構造を形成した部分の厚みが他の部分よりも薄いことから、この薄い部分と肉厚部分との境界にストレスがかかり、クラックや欠け等を発生させてしまうおそれがある。
また、上記のような研磨方法では、第1次研磨処理により、メサ状の凸構造の上面の端部近傍の領域が、上面の中央領域よりも多く研磨されてしまい、凸構造の上面を平坦な被加工面に形成することが困難になるという問題もある。
また、一般に、ナノインプリント用テンプレートの凹凸形状の転写パターンは数十nm程度の高さ(深さ)を有するが、上記のような研磨処理における第2次研磨処理のみにより当該転写パターンを除去しようとしても、転写パターンの凹凸形状の高さ(深さ)が多少減少するものの、当該転写パターンを完全に除去することは極めて困難である。第2次研磨処理のみによって転写パターンを完全に除去することができない理由は定かではないが、研磨スラリーとしてのコロイダルシリカに含まれる相対的に粒径の小さいシリカ粒子が微細凹凸パターン内に入り込んでしまい、微細凹凸パターンの凹部内においてもシリカ粒子による化学的研磨作用が働き、当該凹部が研磨されるためであると考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、上記のようなクラックや欠けが生じることを防止しつつ、凹凸形状の転写パターンが形成されたパターン形成面を有するナノインプリント用テンプレートから平坦な被加工面を有するテンプレート基板を再生し、新たなナノインプリント用テンプレートの作製に利用可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明者は種々研究した結果、テンプレートのパターン形成面上に被覆充填材層を形成し、その上に平坦化層を形成し、この平坦化層および被覆充填材層が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施すことで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、凹凸形状の転写パターンが形成されたパターン形成面を有するナノインプリント用テンプレートから、平坦な被加工面を有するテンプレート基板を製造する方法であって、前記ナノインプリント用テンプレートを準備する準備工程と、前記パターン形成面を覆い、かつ前記転写パターン内に充填されるように、前記パターン形成面上に被覆充填材層を形成する被覆充填材層形成工程と、前記被覆充填材層上にインプリント材料を供給し、該インプリント材料に平坦面を有する平坦化部材を接触させることにより、前記被覆充填材層上に平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、前記平坦化層および前記被覆充填材層が消失するまで、厚み方向にエッチングを施して前記被加工面を形成する被加工面形成工程と、を順に備えることを特徴とするテンプレート基板の製造方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記被加工面形成工程において、前記平坦化層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度の比が、1以下の値となり、前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記テンプレートのパターン形成面を構成する材料の厚み方向におけるエッチング速度の比が、1以下の値となる条件で、エッチングを行うことを特徴とする請求項1に記載のテンプレート基板の製造方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記被加工面形成工程において、前記平坦化層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度の比が、0.9以上1.1以下の値となり、前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記テンプレートのパターン形成面を構成する材料の厚み方向におけるエッチング速度の比が、0.9以上1.1以下の値となる条件で、エッチングを行うことを特徴とする請求項1に記載のテンプレート基板の製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記被加工面形成工程が、前記平坦化層が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施す第1のエッチング工程と、前記被覆充填材層が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施す第2のエッチング工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記被覆充填材層形成工程が原子層堆積法を用いた成膜工程であって、前記原子層堆積法により形成される前記被覆充填材層の厚みが、前記転写パターンの凹部の開口寸法の1/2以上の大きさであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記ナノインプリント用テンプレートが、前記転写パターンが設けられている第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、前記第1の側に、前記パターン形成面を主面とするメサ状の凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記ナノインプリント用テンプレートが、前記転写パターンが設けられている第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、前記第2の側に、凹構造が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、請求項1〜7のテンプレート基板の製造方法により製造されたテンプレート基板の被加工面に、新たな転写パターンを形成することを特徴とするナノインプリント用テンプレートの製造方法である。
本発明のテンプレート基板の製造方法によれば、上記のようなクラックや欠けが生じることを防止しつつ、凹凸形状の転写パターンが形成されたパターン形成面を有するナノインプリント用テンプレートから平坦な被加工面を有するテンプレート基板を製造することができる。
また、本発明のナノインプリント用テンプレートの製造方法によれば、再生したテンプレート基板を用いることで、ナノインプリント用テンプレートの製造コストを低く抑えることができる。
本発明に係るテンプレート基板の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明に係る被覆充填材層の形成方法の一例を示す説明図である。 本発明に係る平坦化層の形成方法の一例を示す概略工程図である。 被覆充填材層の表面が平坦化される過程を示す説明図である。 平坦な被加工面が形成される過程を示す説明図である。 本発明に係るテンプレート基板の製造方法の一例を示す工程流れ図である。 本発明に係るナノインプリント用テンプレートの製造方法の一例を示す概略工程図である。 ナノインプリント用テンプレートの一例を示す説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。 ナノインプリント用テンプレートの他の例を示す説明図である。
以下、本発明に係るテンプレート基板の製造方法、および、本発明に係るナノインプリント用テンプレートの製造方法について説明する。
<テンプレート基板の製造方法>
まず、本発明に係るテンプレート基板の製造方法について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るテンプレート基板の製造方法の一例を示す概略工程図である。
本発明に係るテンプレート基板の製造方法は、例えば、図1に示すように、凹凸形状の転写パターン12が形成されたパターン形成面11を有するナノインプリント用テンプレート10から、平坦な被加工面2を有するテンプレート基板1を製造する方法であって、ナノインプリント用テンプレート10を準備する準備工程と(図1(a))、パターン形成面11を覆い、かつ転写パターン12内に充填されるように、パターン形成面11上に被覆充填材層21を形成する被覆充填材層形成工程と(図1(b))、被覆充填材層21上にインプリント材料を供給し、該インプリント材料に平坦面を有する平坦化部材を接触させることにより、前記被覆充填材層上に平坦化層31を形成する平坦化層形成工程と(図1(c))、平坦化層31および被覆充填材層21が消失するまで、厚み方向にエッチングを施して被加工面2を形成する被加工面形成工程と(図1(d))、を順に備えるものである。
上記のように、本発明においては、従来の研磨工程で行われていたような相対的に粒径の大きい(0.3〜3μm程度)酸化セリウムを主材とする研磨スラリーを用いる第1次研磨処理を含まないため、たとえテンプレートが上記の凹構造を有している形態であっても、薄い部分と肉厚部分との境界にストレスがかかり、クラックや欠け等を発生させてしまうという問題は生じない。
また、本発明においては、上記のような第1次研磨処理を含まないため、テンプレートがメサ状の凸構造を有し、その凸構造の上面にパターン形成面が形成されている形態であっても、メサ状の凸構造の上面の端部近傍の領域が、上面の中央領域よりも多く研磨されてしまって、凸構造の上面を平坦な被加工面に形成することができないという問題を解消することができる。
また、上記のような第1次研磨処理を含む従来の研磨による再生方法では、研磨取代として数μm(例えば、4μm)程度が必要であることから、再生回数に伴って、メサ状の凸構造の高さ(例えば、30μm程度)が大幅に低くなってしまうという問題もあるが、本発明においては、当初のテンプレート10のパターン形成面の高さ位置から消失する深さは、凹凸形状の転写パターンの深さ(例えば、60nm)と同程度にすることが可能であることから、従来の研磨による再生方法に比べて高さの変化を1/100程度に抑えることができる。
以下、本発明に係るテンプレート基板の製造方法の各工程について説明する。
(テンプレート準備工程)
本発明において、準備するナノインプリント用テンプレートとしては、図1(a)に示すテンプレート10のように、凹部12Aと凸部12Bから構成される凹凸形状の転写パターン12が形成されたパターン形成面11を有するナノインプリント用テンプレートであれば、用いることができる。
例えば、図8に示すテンプレート110のように、第1の側110aと、第1の側110aに対向する第2の側110bとを有し、第1の側110aに、転写パターン112が形成されたパターン形成面111を上面とするメサ状の凸構造113が形成されており、第2の側110bに、平面視において、凸構造113を包含するように凹構造114が形成されている形態のナノインプリント用テンプレートを、用いることができる。
また、本発明においては、準備するナノインプリント用テンプレートとして、図9(a)に示すテンプレート210のように、第1の側110aに、パターン形成面111を上面とするメサ状の凸構造113が形成されているが、第2の側110bに凹構造が形成されていない形態のナノインプリント用テンプレートであっても良く、さらには、図9(b)に示すテンプレート211のように、メサ状の凸構造も裏面側の凹構造も形成されておらず、第1の側110aの面が平坦面であって、この平坦面をパターン形成面111として、凹凸形状の転写パターン112が形成されている形態のナノインプリント用テンプレートであっても良い。
(被覆充填材層形成工程)
次に、被覆充填材層を形成する工程について説明する。
図1(b)に示すように、本発明に係るテンプレート基板の製造方法においては、テンプレート10のパターン形成面11上に、パターン形成面11を覆い、かつ、転写パターン12を構成する凹部12A内に充填されるように、被覆充填材層21を形成する。
被覆充填材層21を構成する材料としては、上記の被加工面2を形成する工程において、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向(図1に示すZ方向)におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
Ec/Ep≦1
の関係を満たし、
被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)が、
Eb/Ec≦1
の関係を満たすものであることが好ましい。
上述の被覆充填材層形成工程、平坦化層形成工程、平坦化層31を消失させるエッチング工程、および、被覆充填材層21を消失させるエッチング工程の一連の工程を繰り返すことで、平坦な被加工面2を有するテンプレート基板1を得ることができるからである。
なお、この関係の詳細については、後述する被加工面形成工程において説明する。
また、本発明においては、上記の被加工面2を形成する工程において、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向(図1に示すZ方向)におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
0.9≦Ec/Ep≦1.1
の関係を満たし、被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)が、
0.9≦Eb/Ec≦1.1
の関係を満たすものであっても良い。
被覆充填材層21を構成する材料が、上記の関係を満たすものであれば、上記のような繰り返し工程を施すことなく、1回の工程で概ね目的とする平坦性を有する被加工面を得ることができるからである。
なお、この場合には、上記のような繰り返し工程を施す場合よりも、得られる被加工面の平坦性は劣ることが懸念されるが、1回の工程で済むために、工程短縮化や製造コスト削減の点で有益である。
例えば、再生された被加工面2のPV(Peak to Valley)値が、元の転写パターン12の凹凸段差の10%以下の値であれば、再生テンプレート基板として使用可能である。
ここで、テンプレート10を構成する材料は、主に合成石英ガラスであることから、被覆充填材層21を構成する材料に含まれるものの具体例としては、酸化シリコンを挙げることができる。
被覆充填材層21の形成方法としては、原子層堆積法(ALD法:Atomic Layer Deposition法)、スパッタ成膜法、CVD(Chemical Vapor Deposition)成膜法等の真空成膜法、または、SOG(Spin On Glass)材料をスピンコートする方法などが挙げられる。
中でも原子層堆積法は、原子層単位で成膜可能な技術であって、均一な膜厚の被覆膜を、高い形状追従性で形成できる点で好ましい。
例えば、原子層堆積法を用いて酸化シリコン(SiOx)膜を形成する場合には、上記の原子層堆積法において、シリコン(Si)を含む原料ガスと、酸素(O)を含む反応ガスを用いることで形成することができる。
また、反応ガスには複数種の元素を含むガスを用いても良い。例えば、シリコン(Si)を含む原料ガスと、酸素(O)および窒素(N)を含む反応ガスを用いて、シリコン酸窒化(SiON)膜を形成することや、シリコン(Si)を含む原料ガスと、酸素(O)およびフッ素(F)を含む反応ガスを用いて、フッ素含有シリコン酸化膜(SiOF)膜を形成することもできる。
本発明に係るテンプレート基板の製造方法において、上記の原子層堆積法を用いて被覆充填材層を形成する場合は、原子層堆積法により形成される被覆充填材層の厚みが、テンプレートの転写パターンの凹部の開口寸法の1/2以上の大きさとなるようにすることが好ましい。このような条件を満たすように被覆充填材層を形成することで、凹凸形状の転写パターン内を、被覆充填材層によって確実に充填することができるからである。
上記について、図2を用いて、より詳しく説明する。例えば、図2(a)に示すように、原子層堆積法を用いて形成した被覆充填材層21の厚み(T1)が、テンプレート10の転写パターンの凹部の開口寸法(W)の1/2未満の大きさである場合には、原子層堆積法により形成される堆積膜は高い形状追従性を有するため、前記凹部の側面および底面も、同一膜厚(T1)の被覆充填材層21で被覆されることになり、その結果、前記凹部の内部を完全に充填する状態には至らず、(W−2×T1)の大きさの開口寸法を有する凹部が形成されるに留まってしまう。
一方、図2(b)に示すように、原子層堆積法を用いて形成した被覆充填材層21の厚み(T2)が、テンプレート10の転写パターンの凹部の開口寸法(W)の1/2以上の大きさである場合には、前記凹部において対向する側面に形成される被覆充填材層21は、成膜の進行に伴って膜厚が増大し、やがて互いに接触することから、前記凹部内を、被覆充填材層21によって確実に充填することができる。
(平坦化層形成工程)
次に、平坦化層を形成する工程について説明する。
図1(c)に示すように、本発明に係るテンプレート基板の製造方法においては、被覆充填材層21上に平坦化層31を形成する。
被覆充填材層21の形成に、スパッタ成膜法やCVD法、若しくはスピンコート法を用いる場合は、通常、形成された被覆充填材層21の表面の平坦性が劣ることから、平坦化層31を形成することが必要となる。
また、上記の図2は、原子層堆積法による成膜の原理的な特徴を説明することを主な目的としているため、図2(b)において、被覆充填材層21の表面を平坦な形態として示しているが、現実には、上記の凹部において互いに対向する各側面から、成膜の進行に伴って膜厚が増大する被覆充填材層21が互いに接触する境界、すなわち、前記凹部の中央部では、僅かな段差(例えば数nm〜10nm程度の段差)が生じるおそれがある。
それゆえ、被覆充填材層21の形成に原子層堆積法を用いた場合でも、上記の僅かな段差を含めた被覆充填材層21の表面凹凸を吸収して、より平坦な表面を形成するために、平坦化層31を形成することが好ましい。
本発明に係る平坦化層を形成する工程について、図3を用いてより詳しく説明する。なお、図3は、本発明に係る平坦化層の形成方法の一例を示す概略工程図であるが、煩雑となるのを避けるため、図3においては、本発明に係る被覆充填材層21の上側(表面側)の構成のみを図示し、被覆充填材層21の下側やテンプレート10については図示を省略している。
本発明に係る平坦化層31を形成する工程においては、ナノインプリントリソグラフィの技術を応用する。
すなわち、まず、被覆充填材層21を形成したテンプレートを準備し(図3(a))、この被覆充填材層21上にインプリント材料31aを供給し(図3(b))、次いで、インプリント材料31aに平坦化部材40の平坦面を接触させて、インプリント材料31aを、上面が平坦な層状の形態にする(図3(c))。
次に、例えば、紫外線50を照射する方法等によりインプリント材料31aを硬化させ(図3(d))、その後、平坦化部材40を離型して(図3(e))、被覆充填材層21上に平坦化層31が形成されたテンプレートを得る。
なお、被覆充填材層21上にインプリント材料31aを供給する方法としては、ナノインプリントリソグラフィで用いられている各種方法を用いることができ、例えば、インプリント材料31aを液滴状に吐出するインクジェット法や、従来レジスト塗布方法として周知のスピンコート法を用いることができる。
上記のように、本発明においては、ナノインプリントリソグラフィの技術を応用して、平坦化層31を形成することにより、たとえ被覆充填材層21が、図3(a)に示す段差22を含めた表面凹凸を有していても、平坦化層31によってその表面凹凸を吸収して、より平坦な表面を形成することができる。
本発明においてインプリント材料31aには、ナノインプリントリソグラフィに用いられる各種材料を用いることができるが、このインプリント材料31aを硬化させた平坦化層31は、上述のように、被加工面2を形成する工程において、平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
Ec/Ep≦1
の関係を満たすものであることが好ましい。
上述の平坦化層形成工程と、平坦化層31を消失させるエッチング工程を、繰り返すことで被覆充填材層21の表面を平坦化することができるからである。なお、この関係の詳細については、後述する被加工面形成工程において説明する。
また、本発明においては、上記の被加工面2を形成する工程において、平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
0.9≦Ec/Ep≦1.1
の関係を満たすものであっても良い。
平坦化層31を構成する材料が、上記の関係を満たすものであれば、上記のような繰り返し工程を施すことなく、1回の工程で概ね目的とする平坦性を有する被加工面を得ることができるからである。
インプリント材料31aの具体例としては、紫外線硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を挙げることができる。
また、本発明において平坦化部材40には、所望の平坦性を満たす平坦面を有する各種部材を用いることができるが、例えば、フォトマスクの製造に用いられる合成石英ガラス基板や、ナノインプリント用テンプレートの製造に用いられる合成石英ガラス基板を、好適に用いることができる。
特に、ナノインプリント用テンプレートの製造に用いられる合成石英ガラス基板であれば、本質的に、本発明によって再生されるテンプレート基板の被加工面に求められるレベルと同等の平坦性を有しているため、好ましい。また、紫外線透過性も有している点でも好ましい。
(被加工面形成工程)
次に、被加工面を形成する工程について説明する。
図1(d)に示すように、本発明に係るテンプレート基板の製造方法においては、平坦化層31および被覆充填材層21が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施して、被加工面2を有するテンプレート基板1を製造する。
ここで、本発明においては、上述のように、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向(図1に示すZ方向)におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
Ec/Ep≦1
の関係を満たし、
被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)が、
Eb/Ec≦1
の関係を満たすことが好ましい。
上述の被覆充填材層形成工程、平坦化層形成工程、平坦化層31を消失させるエッチング工程、および、被覆充填材層21を消失させるエッチング工程の一連の工程を繰り返すことで、平坦な被加工面2を有するテンプレート基板1を得ることができるからである。
本発明に係る被加工面形成工程について、図4および図5を用いてより詳しく説明する。ここで、図4は、本発明に係るエッチングにより被覆充填材層21の表面が平坦化される過程を示す説明図であり、図5は、本発明に係るエッチングにより平坦な被加工面2が形成される過程を示す説明図である。
まず、本発明に係るエッチングにより被覆充填材層21の表面が平坦化される過程について説明する。
例えば、図4に示す例のように、エッチングガス61を用いたドライエッチングにおいて、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向(図4に示すZ方向)におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
Ec/Ep=1
の関係を満たす場合、たとえ、被覆充填材層21が、上記の図3(a)に示すような段差22のような表面凹凸を有しており、図4(c)に示すように、平坦化層31のエッチングが進行して、平坦化層31が部分的に残存し、被覆充填材層21の表面が部分的に露出したとしても、残存する平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度(Ep)と、露出する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)は等しい速度であるため、その後も、平坦化層31、被覆充填材層21の両者とも同じ厚み量が消失して行き、平坦化層31が全て消失した後には、表面が平坦化された被覆充填材層21が残る(図4(d))。
次に、本発明に係るエッチングにより平坦な被加工面2が形成される過程について説明する。
図5に示す例のように、例えば、エッチングガス62を用いたドライエッチングにおいて、被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)が、
Eb/Ec=1
の関係を満たす場合、図5(b)に示すように、被覆充填材層21のエッチングが進行して、被覆充填材層21が部分的に残存し、テンプレート10の表面が部分的に露出したとしても、残存する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)と、露出するテンプレート10の厚み方向におけるエッチング速度(Eb)は等しい速度であるため、その後も、被覆充填材層21、テンプレート10の両者とも同じ厚み量が消失して行き、被覆充填材層21が全て消失した後には、平坦な被加工面2を有するテンプレート基板1を得ることができる(図5(c))。
ここで、上記の図4および図5に示す例においては、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
Ec/Ep=1
の関係を満たし、被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)が、
Eb/Ec=1
の関係を満たす場合について説明したが、本発明においては、上述のように、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
Ec/Ep≦1
の関係を満たし、
被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)が、
Eb/Ec≦1
の関係を満たすエッチングであっても、好適に用いることができる。
この場合は、例えば、平坦化層31が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施す工程を第1のエッチング工程とし、被覆充填材層21が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施す工程を第2のエッチング工程とすると、上述の平坦化層形成工程(S3)と第1のエッチング工程(S4)を繰り返すことで被覆充填材層21の表面を平坦化することができ、また、上述の被覆充填材層形成工程(S2)、平坦化層形成工程(S3)、第1のエッチング工程(S4)、第2のエッチング工程(S5)の一連の工程を繰り返すことで、平坦な被加工面2を有するテンプレート基板1を得ることができる。
ただし、製造コストの観点からは、第1のエッチング工程(S4)において、可能な限り、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)の値が、1になるように条件設定することが好ましく、第2のエッチング工程(S5)において、可能な限り、被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)の値が、1になるように条件設定することが好ましい。中でも、第2のエッチング工程(S5)において、Eb/Ecの値が1に近い条件にすることが好ましい。繰り返しの工程を減らすことができるからである。
なお、本発明においては、被覆充填材層21上に形成される平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度(Ep)に対する被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度(Ec)の比(Ec/Ep)が、
0.9≦Ec/Ep≦1.1
の関係を満たし、被覆充填材層21を構成する材料の厚み方向のエッチング速度(Ec)に対するテンプレート10のパターン形成面11を構成する材料のエッチング速度(Eb)の比(Eb/Ec)が、
0.9≦Eb/Ec≦1.1
の関係を満たすものであっても良い。
被覆充填材層21を構成する材料が、上記の関係を満たすものであれば、上記のような繰り返し工程を施すことなく、1回の工程で概ね目的とする平坦性を有する被加工面を得ることができるからである。
本発明においては、例えば、テンプレート10を構成する材料には合成石英ガラスを用い、平坦化層31を構成する材料にはアクリル系の紫外線硬化性樹脂を用い、第1のエッチング工程におけるエッチングガスにはCF4等のフッ素系ガスを用い、被覆充填材層21を構成する材料には酸化シリコンを用い、第2のエッチング工程におけるエッチングガスにはCF4等のフッ素系ガスを用いることができる。
なお、本発明に係るテンプレート基板の製造方法においては、上記の第1のエッチング工程(S4)と第2のエッチング工程(S5)は、それぞれ異なる条件のエッチングであっても良いし、同じ条件のエッチングであっても良い。また、第1のエッチング工程(S4)の初期から第2のエッチング工程(S5)の末期に至るまでの間に、複数段階、若しくは、連続的に条件が変化していくものであっても良い。
また、本発明に係るテンプレート基板の製造方法においては、上述したエッチングにより凹凸形状の転写パターン12を完全に除去してもよいが、深さ数十nmの凹部12Aが、深さ数nm程度になるまでエッチングする等、転写パターン12の高さ(深さ)を減少させ、その後、従来の研磨処理における第2次研磨処理を施すことにより、平坦な被加工面2を有するテンプレート基板1を再生してもよい。
上述したエッチングにより、凹部12Aの深さが数nm程度まで減少した後であれば、上記の第2次研磨処理を用いても、クラックや欠けを生じさせることを防止することが可能であり、かつ、メサ状の凸構造の上面の端部近傍の領域が、上面の中央領域よりも多く研磨されてしまうことも抑制できるからである。
上記のような第2次研磨処理としては、再生対象であるナノインプリント用テンプレート10にクラックや欠け等を発生させることなく、メサ状の凸構造の上面を研磨可能な方法である限り、特に限定されるものではなく、例えば、平均粒径が十数nm〜数百nm程度のシリカ粒子を含むコロイダルシリカを研磨スラリーとして用いた化学的機械的研磨処理(CMP)等を挙げることができる。
<ナノインプリント用テンプレートの製造方法>
次に、本発明に係るナノインプリント用テンプレートの製造方法について、図面を用いて説明する。
本発明に係るナノインプリント用テンプレートの製造方法は、上述の本発明に係るテンプレート基板の製造方法により製造されたテンプレート基板の被加工面に、新たな転写パターンを形成するものである。
本発明のナノインプリント用テンプレートの製造方法によれば、再生したテンプレート基板を用いることで、ナノインプリント用テンプレートの製造コストを低く抑えることができる。
なお、形成する新たな転写パターンは、テンプレート基板を再生する前のテンプレートに形成されていた転写パターンと同じものである必要は無く、所望の転写パターンを形成することができる。
この新たな転写パターンの形成には、従来、ナノインプリント用テンプレートの転写パターンの形成方法として用いられてきた方法を適用することができる。
例えば、図7(a)に示すように、まず、上述の本発明に係るテンプレート基板の製造方法により製造されたテンプレート基板1の被加工面の上に、ハードマスク層71Aを形成する。
次に、ハードマスク層71Aの上に電子線レジストを塗布し、電子線描画および現像、リンスを施して、樹脂パターン72形成する(図7(b))。なお、本発明において、樹脂パターン72を形成する方法は、上記の方法に制限されず、例えば、公知のナノインプリント技術を用いて形成しても良い。
次に、樹脂パターン72から露出するハードマスク層71Aをエッチングしてハードマスクパターン71を形成する(図7(c))。
その後、樹脂パターン72を除去し、次いで、ハードマスクパターン71から露出するテンプレート基板1の被加工面をエッチングして、新たな転写パターン82を形成し(図7(d))、最後に、ハードマスクパターン71を除去して、パターン形成面81(テンプレート基板1の被加工面2に相当)に新たな転写パターン82を有するナノインプリント用テンプレート80を得ることができる(図7(e))。
上記のハードマスク層71Aは、テンプレート基板1をエッチングして、新たな転写パターン82を形成する際のエッチングに対して耐性を有するものであれば用いることができ、例えば、クロム(Cr)等の金属をスパッタ成膜した薄膜を好適に用いることができる。その膜厚は、形成する転写パターン82のサイズにもよるが、例えば、3nm〜10nm程度とすることができる。
ハードマスク層71Aを構成する材料にクロム(Cr)を用いる場合は、塩素と酸素の混合ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスクパターン71を形成することができる。また、CF4等のフッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスクパターン71をエッチングマスクに用いて、転写パターン82を形成することができる。
以上、本発明に係るテンプレート基板の製造方法、および、本発明に係るナノインプリント用テンプレートの製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
<テンプレート基板の製造方法>
(テンプレート準備工程)
再生前のテンプレート10として、平面サイズが6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の第1の側に、パターン形成面11を主面とするメサ状の凸構造を有し、第2の側に、平面視において前記凸構造を包含するような凹構造が形成されているテンプレートを準備した。
ここで、上記のメサ状の凸構造の高さは30μmであり、主面のサイズは26mm×33mmであり、メサ状の凸構造の平面中心が、テンプレートの第1の側の平面中心に一致するように配置されているものを用いた。
また、上記の凹構造は、第2の側の開口が直径64mmの円形であり、その深さは5mmであり、凹構造の平面中心が、テンプレートの第1の側の平面中心に一致するように配置されているものを用いた。
また、上記のメサ状の凸構造の主面には、転写パターン12として、凹部12Aの深さが60nm、凹部12Aの幅が30nm、凸部12Bの幅が30nmの凹凸形状のラインアンドスペースパターンが形成されているものを用いた。
(被覆充填材層形成工程)
次に、上記のテンプレートを原子層堆積装置に搭載し、シリコンを含む原料ガス(トリ−ジメチルアミノシランガス)と、酸素を含む反応ガス(O2ガスとH2Oガスの混合ガス)を交互に供給する原子層堆積法を用いて、パターン形成面11上に、被覆充填材層21として膜厚20nmの酸化シリコン膜を形成した。
ここで、上記の酸化シリコン膜は、原子層堆積法を用いて形成されるため、高い形状追従性でパターン形成面11を覆い、かつ転写パターン12内に充填される。そして、形成された酸化シリコン膜の厚み(20nm)は、転写パターン12の凹部12Aの開口寸法(すなわち、凹部12Aの幅寸法、30nm)の1/2以上の大きさであることから、転写パターン12の凹部12A内を、確実に充填することができる。
(平坦化層形成工程)
次に、上記の酸化シリコン膜を形成したテンプレートを、ナノインプリント装置に搭載し、上記の酸化シリコン膜の上に、インプリント材料31aとして、ラジカル重合タイプのアクリル系紫外線硬化性樹脂を、インクジェット法を用いて供給した。
続いて、平坦化部材40として、ナノインプリント用テンプレートの製造に用いられる合成石英ガラス基板を用い、上記の合成石英ガラス基板の平坦面を、上記のアクリル系紫外線硬化性樹脂に接触させて、上記のアクリル系紫外線硬化性樹脂を、上面が平坦な層状の形態にした。
次に、上記の合成石英ガラス基板を透過させて紫外線を照射することにより、上記のアクリル系紫外線硬化性樹脂を硬化させ、その後、上記の合成石英ガラス基板を離型して、上記の酸化シリコン膜の上に、平坦化層31として、膜厚20nmのアクリル系樹脂が形成されたテンプレートを得た。
(被加工面形成工程)
次に、上記のアクリル系樹脂を形成したテンプレートを、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)方式のドライエッチング装置に搭載し、まず、上記のアクリル系樹脂から構成される平坦化層31が消失するまで厚み方向にエッチングを施し、続いて、上記の酸化シリコン膜から構成される被覆充填材層21が消失するまで厚み方向にエッチングを施して、凹凸形状の転写パターン12を全て消失させ、平坦な被加工面2を有するテンプレート基板1を得た。
ここで、上記のアクリル系樹脂から構成される平坦化層31を消失させるエッチング、および、上記の酸化シリコン膜から構成される被覆充填材層21を消失させるエッチングのいずれにも、エッチングガスにはCF4ガスを用いた。
上記の平坦化層31の厚み方向におけるエッチング速度に対する上記の被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度の比は0.98であり、上記の被覆充填材層21の厚み方向におけるエッチング速度に対する上記のテンプレートのパターン形成面を構成する合成石英ガラスの厚み方向におけるエッチング速度の比は、0.97であった。
<ナノインプリント用テンプレートの製造方法>
次に、上記のようにして得たテンプレート基板1をスパッタ成膜装置に搭載し、テンプレート基板1の被加工面の上に、ハードマスク層71Aとして、膜厚5nmのクロム薄膜を形成した。
次に、上記のクロム薄膜の上に電子線レジストを塗布し、電子線描画および現像、リンスを施して、ライン幅30nmの1:1ラインアンドスペースパターンの樹脂パターンを形成した。
次に、上記の樹脂パターンから露出するクロム薄膜に、塩素と酸素の混合ガスを用いたドライエッチングを施して、クロム薄膜パターンを形成し、その後、酸素プラズマによるアッシング処理で樹脂パターンを除去した。
次に、上記のクロム薄膜パターンから露出するテンプレート基板1の被加工面に、CF4ガスを用いたドライエッチングを施し、その後、クロム薄膜パターンを塩素と酸素の混合ガスを用いたドライエッチングにより除去して、パターン形成面81に、新たな転写パターン82として、凹部82Aの深さが60nm、凹部82Aの幅が30nm、凸部82Bの幅が30nmの凹凸形状のラインアンドスペースパターンを有するテンプレート80を得た。
1・・・テンプレート基板
2・・・被加工面
10、80・・・ナノインプリント用テンプレート
11、81・・・パターン形成面
12、82・・・転写パターン
12A、82A・・・凹部
12B、82B・・・凸部
21・・・被覆充填材層
22・・・段差
31・・・平坦化層
31a・・・インプリント材料
40・・・平坦化部材
50・・・紫外線
61、62・・・エッチングガス
71・・・ハードマスクパターン
71A・・・ハードマスク層
72・・・樹脂パターン
110、210、211・・・ナノインプリント用テンプレート
110a・・・第1の側
110b・・・第2の側
111・・・パターン形成面
112・・・転写パターン
113・・・凸構造
114・・・凹構造

Claims (8)

  1. 凹凸形状の転写パターンが形成されたパターン形成面を有するナノインプリント用テンプレートから、平坦な被加工面を有するテンプレート基板を製造する方法であって、
    前記ナノインプリント用テンプレートを準備する準備工程と、
    前記パターン形成面を覆い、かつ前記転写パターン内に充填されるように、前記パターン形成面上に被覆充填材層を形成する被覆充填材層形成工程と、
    前記被覆充填材層上にインプリント材料を供給し、該インプリント材料に平坦面を有する平坦化部材を接触させることにより、前記被覆充填材層上に平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、
    前記平坦化層および前記被覆充填材層が消失するまで、厚み方向にエッチングを施し、その後、該エッチングが施されて露出した前記パターン形成面を研磨処理して、前記被加工面を形成する被加工面形成工程と、
    を順に備え、
    前記被加工面形成工程において、
    前記平坦化層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度の比が、1以下の値となり、
    前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記テンプレートのパターン形成面を構成する材料の厚み方向におけるエッチング速度の比が、1未満の値となる条件で、エッチングを行うことを特徴とするテンプレート基板の製造方法。
  2. 凹凸形状の転写パターンが形成されたパターン形成面を有するナノインプリント用テンプレートから、平坦な被加工面を有するテンプレート基板を製造する方法であって、
    前記ナノインプリント用テンプレートを準備する準備工程と、
    前記パターン形成面を覆い、かつ前記転写パターン内に充填されるように、前記パターン形成面上に被覆充填材層を形成する被覆充填材層形成工程と、
    前記被覆充填材層上にインプリント材料を供給し、該インプリント材料に平坦面を有する平坦化部材を接触させることにより、前記被覆充填材層上に平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、
    前記平坦化層および前記被覆充填材層が消失するまで、厚み方向にエッチングを施し、その後、該エッチングが施されて露出した前記パターン形成面を研磨処理して、前記被加工面を形成する被加工面形成工程と、
    を順に備え、
    前記被加工面形成工程において、
    前記平坦化層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度の比が、0.9以上1.0以下の値となり、
    前記被覆充填材層の厚み方向におけるエッチング速度に対する前記テンプレートのパターン形成面を構成する材料の厚み方向におけるエッチング速度の比が、0.9以上1.0未満の値となる条件で、エッチングを行うことを特徴とするテンプレート基板の製造方法。
  3. 前記研磨処理が、平均粒径10nm以上300nm以下のシリカ粒子を含むコロイダルシリカを研磨スラリーとして用いた化学的機械的研磨処理であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテンプレート基板の製造方法。
  4. 前記被加工面形成工程が、
    前記平坦化層が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施す第1のエッチング工程と、
    前記被覆充填材層が消失するまで、その厚み方向にエッチングを施す第2のエッチング工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法。
  5. 前記被覆充填材層形成工程が原子層堆積法を用いた成膜工程であって、
    前記原子層堆積法により形成される前記被覆充填材層の厚みが、前記転写パターンの凹部の開口寸法の1/2以上の大きさであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法。
  6. 前記ナノインプリント用テンプレートが、前記転写パターンが設けられている第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、
    前記第1の側に、前記パターン形成面を主面とする凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法。
  7. 前記ナノインプリント用テンプレートが、前記転写パターンが設けられている第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、
    前記第2の側に、凹構造が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のテンプレート基板の製造方法により製造されたテンプレート基板の被加工面に、新たな転写パターンを形成することを特徴とするナノインプリント用テンプレートの製造方法。
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