JP2015041742A - インプリント用のモールドとその製造方法およびパターン構造体の形成方法 - Google Patents

インプリント用のモールドとその製造方法およびパターン構造体の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凹部形状が良好なインプリント用モールドと、このようなモールドの製造方法、および、パターン構造体の形成方法を提供する。
【解決手段】モールドを、基材12と、この基材12の一の面14aに設定された凹凸構造領域Aと、凹凸構造領域Aに位置する凹凸構造15と、この凹凸構造15の凹部15aの側壁面12aを被覆する側壁角度補正膜16と、を有するものと、凹部15aの側壁面12aは底部から開口端に向かって開口面積が拡大するテーパー形状であり、側壁角度補正膜16は凹部15aの底部12bから開口端12cに向かって膜厚が増大するような膜厚分布を具備するように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インプリント方法に使用するモールドとその製造方法、および、このようなモールドを使用したパターン構造体の形成方法に関する。
近年、フォトリソグラフィ技術に代わる微細なパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成形樹脂材料に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、被成形樹脂材料として光硬化性樹脂を用いたインプリント方法では、転写基板の表面に光硬化性樹脂組成物の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと転写基板とを所定の距離まで近接させて凹凸構造内に光硬化性樹脂組成物を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが備える凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を有するパターン構造体を形成する。
このようなインプリント方法に使用するモールドは、通常、モールド用の基材に電子線感応型のレジストを塗布し、このレジストに電子線描画を行ってレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをエッチングマスクとして基材をドライエッチングして凹凸パターンを形成することにより製造される。しかし、電子線描画を用いる電子線リソグラフィは、高価な描画装置を使用し、描画に長時間を要するため、モールドの製造コストが上昇するという問題があった。また、インプリントにおいて、モールドと転写基板との間に異物が混入すると、両者が大きな損傷を受け、損傷を受けたモールドは再使用が困難となるので、電子線リソグラフィで製造した高価なモールドを損失してしまうという問題があった。
そこで、電子線リソグラフィで製造したモールドをマスターモールドとし、このマスターモールドからインプリント方法を用いたインプリントリソグラフィにより、複製モールド(以下、レプリカモールドと記す)を製造することが行われている。このレプリカモールドの製造においても、マスターモールドを用いてインプリント方法で形成したレジストパターンをエッチングマスクとして基材をドライエッチングして凹凸構造を形成すること、あるいは、基材が備えるハードマスク材料層上にレジストパターンを形成し、レジストパターンを介したドライエッチングでハードマスクを形成し、このハードマスクをエッチングマスクとして基材をドライエッチングして凹凸構造を形成することが行われる。このようなレプリカモールドの製造において、ドライエッチングで形成した凹凸構造にALD法(原子層堆積法)により薄膜を形成して寸法補正を行うことにより、同一のマスターモールドから複数種のレプリカモールドを製造する方法が提案されている(特許文献1等)。
特開2011−108920号公報
上述のようにレジストパターンあるいはハードマスクをエッチングマスクとしてドライエッチングで基材に形成した凹部は、ドライエッチング時におけるエッチングマスクの後退等に起因して、基材表面に対して垂直に形成することが難しく、エッチング条件を種々調整しても、開口端が底部よりも広いテーパー形状となり易い。この傾向は、形成する凹部が数十nm以下の微細構造になるにつれて顕著であり、ドライエッチングにより凹凸構造を形成したモールドを使用したナノメートルオーダーのインプリントリソグラフィにおいて大きな支障となっていた。すなわち、モールドが有する凹凸構造の凹部が、このようなテーパー形状である場合、このモールドを使用してインプリント方法で形成したレジストパターンの凹部もテーパー形状を有するものとなり、必然的に、レジストパターンの凸部は、頂部よりも底部が広いテーパー形状となりやすい。ナノインプリントリソグラフィにおいて、レジストパターンの凹部の底部における厚み(残膜厚みとも言う)の均一性は、レジストパターンの寸法を安定化するうえで必要な事項であるが、レジストパターンに上記のようなテーパー形状が存在する場合には、残膜厚みが均一であってもレジストパターンの寸法が安定しないものとなる。更に、このようにテーパー形状が存在するレジストパターンをエッチングマスクとして基材あるいはハードマスク材料層のドライエッチングを行うと、サイドエッチングによるレジストパターンの細りが生じ易く、これに起因したエッチング精度の低下を招くという問題があった。
また、モールドをインプリント方法において繰り返し使用する場合、モールドに対する洗浄が繰り返し行われるので、モールドが備える凹凸構造の凹部の寸法が開口端側において拡大するような形状の変化を生じ易い。このようなモールドの形状変化が起因となり、上記のようなエッチング精度の低下を招くという問題もあった。
このような問題は、特許文献1に開示されるようなALD法による薄膜形成での寸法補正では解消されないものであった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、凹部形状が良好なインプリント用モールドと、このようなモールドの製造方法、および、パターン構造体の形成方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のインプリント用のモールドは、基材と、該基材の一の面に設定された凹凸構造領域に位置する凹凸構造と、該凹凸構造の凹部を構成する側壁面を少なくとも被覆する側壁角度補正膜と、を有し、前記凹部を構成する側壁面は底部から開口端に向かって開口面積が拡大するテーパー形状であり、前記側壁角度補正膜は前記凹部を構成する底部から開口端に向かって膜厚が増大するような膜厚分布を具備するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記側壁角度補正膜の材質は、前記基材の材質と異なるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記側壁角度補正膜の光透過率は、前記基材の光透過率よりも低いような構成とした。
本発明の他の態様として、前記側壁角度補正膜の水に対する接触角は、前記基材の水に対する接触角よりも大きいような構成とした。
本発明のインプリント用モールドの製造方法は、基材と、該基材の一の面に設定された凹凸構造領域に位置する凹凸構造と、を有し、該凹凸構造の凹部の側壁面は底部から開口端に向かって開口面積が拡大するテーパー形状であるモールドを準備する工程と、前記モールドの前記凹部における前記基材の側壁面に、前記凹部の底部から開口端に向かって膜厚が増大するような膜厚分布を有する側壁角度補正膜を形成する工程と、を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記側壁角度補正膜を形成する工程では、スパッタリング法および真空蒸着法のいずれかを使用し、前記凹凸構造領域が設定されている一の面に対して成膜材料を斜め方向から被着させ、かつ、成膜材料が被着する方向を変化させるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記モールドを準備する工程では、前記凹部を構成する側壁面と、前記凹凸構造領域が設定されている一の面とがなす角度が65°以上となるように前記基材をドライエッチングして前記凹凸構造を形成するような構成とした。
本発明のパターン構造体の形成方法は、被成形樹脂材料を転写基板に供給する樹脂供給工程と、凹凸構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記被成形樹脂材料を展開して被成形樹脂材料層を形成する接触工程と、前記被成形樹脂材料層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、前記転写樹脂層と前記モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、前記モールドは上述の本発明のモールドを使用するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記モールドの凹部内部の前記側壁角度補正膜と、前記凹凸構造領域が設定されている一の面とがなす角度を随時計測し、計測値が側壁角度に関する所定の閾値未満となった場合に、再び新たな側壁角度補正膜を成膜するモールド再生工程を有するような構成とした。
本発明のインプリント用モールドでは、インプリント用モールドが具備する凹凸構造の凹部形状が良好であり、このようなモールドを使用することにより、インプリント方法によりパターン構造体を高い精度で形成することができ、さらに、形成したパターン構造体をエッチングマスクとしたドライエッチングによって高精度のパターン構造体を作製することができる。また、本発明のインプリント用モールドの製造方法は、簡便でありながら凹凸構造の凹部形状が良好なモールドを製造することができる。
図1は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための断面図である。 図2は、図1に示されるインプリント用のモールドの部分拡大断面図である。 図3は、本発明のインプリント用のモールドの他の実施形態を説明するための部分拡大断面図である。 図4は、本発明のインプリント用のモールドの他の実施形態を示す断面図である。 図5は、本発明のインプリント用モールドの製造方法を説明するための工程図である。 図6は、本発明のパターン構造体の形成方法を説明するための工程図である。 図7は、本発明のパターン構造体の形成方法における側壁角度補正膜の作用の一例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[インプリント用のモールド]
図1は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための断面図であり、図2は、図1に示されるインプリント用のモールドの部分拡大断面図である。図1および図2において、インプリント用のモールド11は、基部13の表面13aに位置する凸構造部14を有する、いわゆるメサ構造の基材12と、この基材12の一の面、図示例では、凸構造部14の表面14aに設定された凹凸構造領域Aに位置する凹凸構造15と、凹凸構造15の凹部15aを構成する側壁面12aを被覆する側壁角度補正膜16と、を有している。尚、図1では、側壁角度補正膜16の記載を省略している。
凹凸構造15の凹部15aを構成する側壁面12aは、凹部15aを構成する底部12bから開口端12cに向かって開口面積が拡大するテーパー形状をなしている。このような凹部15aの底部12bにおける開口幅WBは3〜50nm程度、開口端12cにおける開口幅WSは10〜60nm程度、深さDは10〜100nm程度、アスペクト比D/[(WB+WS)/2]は1.5〜2.5程度を好適な範囲としてあげることができる。凹部15aの寸法が上記の範囲から外れると、後述する本発明のインプリント用モールドの製造方法において、側壁角度補正膜の形成が困難となる場合があり、また、本願において記載するような課題の発生頻度が低くなり側壁角度補正膜16の必要性が低下したり、モールド11を用いたインプリントでの離型が困難になる場合がある。
また、側壁面12aを被覆する側壁角度補正膜16は、凹部15aを構成する底部12bから開口端12cに向かって膜厚が増大するような膜厚分布を具備している。このような膜厚分布は、例えば、最小膜厚が0〜10nm程度、最大膜厚が10〜50nm程度となるように設定することができる。側壁角度補正膜16の最小膜厚が0nmである場合としては、凹部15aを構成する底部12bに側壁角度補正膜16が存在しない、あるいは、痕跡程度のみ存在する状態、または、凹部15aを構成する側壁面12aの底部12b側の近傍に側壁角度補正膜16が存在しない、あるいは、痕跡程度のみ存在する状態、または、凹部15aを構成する底部12bおよび側壁面12aの底部12b側の近傍に側壁角度補正膜16が存在しない、あるいは、痕跡程度のみ存在する状態を挙げることができる。
そして、図2に示すように、凹部15aを構成する側壁面12aと、凹凸構造領域Aが設定されている一の面14aとがなす角度をθ1、側壁角度補正膜16と一の面14aとがなす角度をθ2としたときに、θ1<θ2、70°≦θ2<90°の関係が成立することが好ましい。上記の角度θ2が70°未満であると、モールド11を使用したインプリントリソグラフィにおいて、レジストパターンをエッチングマスクとした基材あるいはハードマスク材料層のドライエッチングで、サイドエッチングによるレジストパターンの細りが生じ易く、これに起因したエッチング精度の低下を生じるおそれがある。尚、図示例では、側壁角度補正膜16は、モールド11が有する凹部15aを構成する側壁面12a、底部12bを被覆するとともに、凹凸構造領域Aが設定されている一の面14aを被覆している。このように、凸構造部14の面14a上に位置する側壁角度補正膜16の厚みは、凹部15aを構成する側壁面12a、底部12bを被覆する側壁角度補正膜16の厚みよりも大きいものであってよい。
尚、本発明では、上記の凹部15aの寸法、側壁角度補正膜16の厚み、角度θ1、θ2は、サンプルをパターン方向を考慮して切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面SEM画像を取得し、複数の断面SEM画像を解析して測定する。また、サンプルが小さい場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を利用してもよい。
モールド11の基材12の材質は、インプリントに使用する被成形樹脂材料が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いることができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する被成形樹脂材料が光硬化性ではない場合や、転写基板側から被成形樹脂材料を硬化させるための光を照射可能である場合には、モールド1は光透過性を具備しなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。
モールド11の基材12の厚みは、基部13の表面13aに備える凸構造部14の形状、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。尚、凸構造部14は、その表面14aが、その周囲の領域に対して2段以上の凸構造となっていてもよい。
モールド11が有する側壁角度補正膜16は、図示例では、モールド11が有する凹部15aを構成する側壁面12aを被覆するとともに、凹部15aを構成する底部12b、凹凸構造領域Aが設定されている一の面14aを被覆するものであり、さらに、側壁角度補正膜16は、基部13の表面13aを被覆するように存在してもよい。また、図3に示すように、側壁角度補正膜16は、凹部15aを構成する側壁面12aと底部12bのみを被覆するものであってもよい。
本発明のモールド11を構成する側壁角度補正膜16の材質は、モールド11の基材12の材質と同じであってよい。
また、側壁角度補正膜16の材質は、基材12の材質と異なるものであってもよい。例えば、インプリントに使用する被成形樹脂材料が光硬化性であり、基材12の材質が光透過性を有する場合、側壁角度補正膜16を、基材12の光透過率よりも低い光透過率を有するものとしてもよい。側壁角度補正膜16をこのように構成することにより、後述のパターン構造体の形成方法で説明するように、インプリントで形成したレジストパターンの残膜の除去がより速やかになり、残膜除去後のレジストの側壁が転写基板に対して垂直に近いものとなる。このような基材12と側壁角度補正膜16の組み合わせとして、基材12の材質が石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類と、側壁角度補正膜16の材質がクロム、チタン、モリブデン、珪素、これらの窒化物、酸化物等の無機材料との組み合わせが挙げられる。
また、側壁角度補正膜16を、その水に対する接触角が、基材12の水に対する接触角よりも大きくなるように構成してもよい。側壁角度補正膜16の水に対する接触角が大きいことにより、後述のパターン構造体の形成方法で説明するように、被成形樹脂材料が硬化した後の転写樹脂層とモールドとの離型性が向上する。このような基材12と側壁角度補正膜16の組み合わせとして、基材12の材質が石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス等であり、側壁角度補正膜16の材質が窒化珪素、フッ化クロム、フッ化アルミニウム等であるような組み合わせが挙げられる。ここで、水に対する接触角は、温度25℃、湿度30%、大気圧下でマイクロシリンジから水滴(液量300μL)を滴下して10秒後に接触角測定器(協和界面科学(株)製 CA−Z型)を用いて測定した値とする。
尚、上記のような側壁角度補正膜16は、2種以上の材料が混合されたものであってもよく、また、2種以上の材料が積層されてなるものでもよい。2種以上の材料が積層される場合、例えば、基材12に対する密着性が良好な材料からなる層を基材12に接する第1の層とし、濡れ性、硬度、遮光性、導電性等の種々の観点でパターン構造体の形成に適した材料からなる層を上記の第1の層に積層して備えるような構成としてもよい。例えば、基材12の材質が石英ガラスである場合、第1の層を構成する材料を珪化モリブデン、珪化タンタル、窒化珪化タンタルの中の1種または2種以上とし、第2の層を構成する材料を窒化珪素、フッ化クロム、フッ化アルミニウムの中の1種または2種以上として構成してもよい。
このような本発明のインプリント用のモールドは、具備する凹凸構造の凹部形状が良好であり、インプリント方法によりパターン構造体を高い精度で形成することができ、また、形成したパターン構造体をエッチングマスクとしたエッチングによって高精度のパターン構造体を作製することができる。
上述のインプリント用のモールドの実施形態は例示であり、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。例えば、図4に示されるように、メサ構造を備えない平板形状の基材22の一の面22aに設定された凹凸構造領域Aに位置する凹凸構造25を備えたモールド21であってもよい。この場合も、上述の実施形態と同様に、凹凸構造25の凹部25aを構成する側壁面は、側壁角度補正膜で被覆されており、側壁角度補正膜は、凹部25aを構成する底部から開口端に向かって膜厚が増大するような膜厚分布を具備している。尚、図4では、側壁角度補正膜を省略している。このようなモールド21は、基材22がメサ構造を備えない形状である他は、上述のモールド11と同様とすることができる。
[インプリント用モールドの製造方法]
次に、本発明のインプリント用モールドの製造方法について説明する。
図5は本発明のインプリント用モールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明では、基材と、この基材の一の面に設定された凹凸構造領域Aに位置する凹凸構造と、を有し、凹凸構造の凹部の側壁面は底部から開口端に向かって開口面積が拡大するテーパー形状であるモールドを準備する。図5(A)は、このようなモールドの一例を示す断面図であり、図5(B)は、図5(A)に示されるモールドの部分拡大断面図である。図示例では、モールド31′は、基部33の表面33aに位置する凸構造部34を有する、いわゆるメサ構造の基材32と、この基材32の一の面である凸構造部34の表面34aに設定された凹凸構造領域Aに位置する凹凸構造35と、を有している。凹凸構造35の凹部35aを構成する側壁面32aは、凹部35aを構成する底部32bから開口端32cに向かって開口面積が拡大するテーパー形状をなしている。
このようなモールド31′は、例えば、基材32の基部33の表面33a、凸構造部34の表面34aを被覆し、凸構造部34の表面34aの所望部位に開口部を有するレジストパターンあるいはハードマスクをエッチングマスクとしてドライエッチングにより凹凸構造35を形成することにより準備することができる。このようなドライエッチングにより基材32の凸構造部34に形成した凹部35aは、エッチング条件を種々調整しても、ドライエッチング時におけるエッチングマスクの後退等に起因して、凸構造部34の表面34aに対して垂直に形成することが難しい。したがって、凹部35aは、開口端が底部よりも広いテーパー形状となる。このとき、凹部35aの側壁角度が後述するように補正可能であることを考慮し、凹凸構造35を形成するドライエッチングにおいて、凹部35aの開口端が底部よりも広いテーパー形状となるように意図的に凹部35aを形成してもよい。例えば、凹部35aを構成する側壁面32aと、凹凸構造領域Aが設定されている一の面34aとがなす角度をθ1としたときに、角度θ1が65°以上となるようにドライエッチングを行ってもよい。角度θ1が65°未満であると、後工程にて形成する側壁角度補正膜36と一の面34aとがなす角度をθ2としたときの後述する関係が成立するように側壁角度補正膜36を形成することが困難になる場合があり、好ましくない。このように意図的に凹部35aをテーパー形状に形成するドライエッチングとしては、例えば、エッチングガスにフッ化硫黄(SF6)、四フッ化炭素(CF4)等の活性化ガス、アルゴン、キセノン等の不活性ガスの1種または2種以上を混入したドライエッチング、あるいは、バイアスを下げてエッチングの指向性を高めないように調整したドライエッチング等を挙げることができる。
また、モールド31′として、インプリント方法において繰り返し使用された結果、凹凸構造の凹部の寸法が開口端側において更に拡大するような形状の変化を生じたモールドを準備することができる。モールドの繰り返し使用では、モールドに対する洗浄が繰り返し行われので、モールドを構成する基材に摩耗が生じるが、特に凹凸構造の凹部の開口端側における基材の摩耗が大きく、結果として凹部のテーパー形状が更に顕著なものとなる。このような使用済みのモールドであっても、本発明では、凹凸構造の凹部の寸法を補正して再生し、使用可能とすることができる。
このように準備するモールド31′の凹部35aの底部32bにおける開口幅WBは3〜50nm程度、開口端32cにおける開口幅WSは10〜60nm程度、深さDは10〜100nm程度、アスペクト比D/[(WB+WS)/2]は1.5〜2.5程度を好適な範囲として挙げることができる。凹部35aの寸法が上記の範囲から外れる場合、後述するような側壁角度補正膜36の形成が困難となったり、本願において記載するような課題の発生頻度が低くなり側壁角度補正膜36の必要性が低下したり、作製されるモールドを用いたインプリントでの離型が困難になる場合がある。
次に、モールド31′の凹部35aを構成する側壁面32aに、凹部35aの底部32bから開口端32cに向かって膜厚が増大するような膜厚分布を有する側壁角度補正膜36を形成する(図5(C))。これにより、モールド31が作製される。図示例では、側壁角度補正膜36は、凹部35aを構成する底部32b、凹凸構造領域Aが設定されている一の面34aを被覆するように形成されているが、さらに、側壁角度補正膜36を、基部33の表面33aを被覆するように形成してもよい。また、凹部35aを構成する側壁面32aと底部32bのみを被覆するように側壁角度補正膜36を形成してもよい。このような側壁角度補正膜36の形成は、まず、凸構造部34の表面34aも被覆するように側壁角度補正膜36を形成した後、凸構造部34の表面34aに位置する側壁角度補正膜36を化学機械研磨(CMP)、逆スパッタリング処理等により除去することにより行うことができる。
側壁角度補正膜36は、成膜方法としてスパッタリング法および真空蒸着法のいずれかを使用して形成することができる。スパッタリング法による側壁角度補正膜36の形成では、従来公知のマグネトロンスパッタリング装置、DCスパッタリング装置を使用し、凹凸構造領域Aが設定されている一の面34aに対して成膜材料を斜め方向から被着させることが好ましい。さらに、この成膜時に、凹凸構造領域Aが設定されている一の面34aに垂直な所望の軸を中心にモールド31′を回転させること、あるいは、ターゲットに対してモールド31′を平行移動させることにより、モールド31′に成膜材料が被着する方向を変化させることが好ましい。また、真空蒸着法による側壁角度補正膜36の形成では、従来公知の斜め蒸着法による成膜を行い、この成膜時に、凹凸構造領域Aが設定されている一の面34aに垂直な所望の軸を中心にモールド31′を回転させること、あるいは、シャッターの開口部を通過して飛翔してくる成膜材料の分子流を横切るようにモールド31′を移動させることにより、モールド31′に成膜材料が被着する方向を変化させることが好ましい。尚、一の面34aに対して、成膜材料が斜めに被着される角度は、凹部35aの開口端32cにおける開口幅、凹部35aのアスペクト比、使用する成膜方法、成膜条件に応じて適宜設定することができるが、例えば、5°〜80°の範囲内で設定することができる。
このような斜め方向からの成膜材料の被着、および、モールド31′の回転を実施することにより、モールド31′の凹凸構造領域Aが設定されている一の面34aに対して均一な厚みで、かつ、高い膜強度で側壁角度補正膜36を形成することができる。但し、上述のように、モールド31′の凹部35aは、そのテーパー形状、寸法が所定の範囲にあるため、凹部35aの内部への成膜材料の侵入が抑制され、これにより、凹部35a内部に形成される側壁角度補正膜36は、凹部35aの底部32bから開口端32cに向かって膜厚が増大するような膜厚分布を有することになる。
このような側壁角度補正膜36の形成は、図5(C)に示すように、凹部35aを構成する側壁面32aと、凹凸構造領域Aが設定されている一の面34aとがなす角度をθ1とし、凹部35a内部の側壁角度補正膜36と一の面34aとがなす角度をθ2としたとき、θ1<θ2、70°≦θ2<90°の関係が成立するように行うことが好ましい。上記の角度θ2が70°未満であると、作製したモールド31を使用するインプリントリソグラフィにおいて、レジストパターンをエッチングマスクとした基材あるいはハードマスク材料層のドライエッチングで、サイドエッチングによるレジストパターンの細りが生じ易く、これに起因したエッチング精度の低下を生じるおそれがある。
また、側壁角度補正膜36の形成は、上記の関係が成立するように複数回おこなってもよい。この場合、各成膜時において異なる成膜材料を使用してもよく、また、成膜条件を変更してもよい。
このような本発明のインプリント用モールドの製造方法は、凹凸構造の凹部形状が良好なモールドを簡便に製造することができる。また、凹凸構造の凹部の形状、寸法が劣化した使用済みのモールドであっても、凹部の寸法を補正して再生し、使用可能とすることができる。
上述のインプリント用のモールドの実施形態は例示であり、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。
[パターン構造体の形成方法]
次に、本発明のパターン構造体の形成方法について図面を参照しながら説明する。
本発明のパターン構造体の形成方法は、インプリント用のモールドとして、本発明のインプリント用のモールドを使用する。図6は、本発明のパターン構造体の形成方法の一実施形態を説明するための工程図であり、上述の本発明のモールド11を使用した例とする。
<樹脂供給工程>
本発明のパターン構造体の形成方法では、まず、インプリント用の転写基板51上の所望の領域に、インクジェットヘッド(図示せず)から被成形樹脂材料の液滴61を吐出して供給する(図6(A))。
本発明のパターン形成方法に使用する転写基板51は適宜選択することができ、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。また、転写基板51は、クロム層等のハードマスク材料層を表面に備えるものであってもよい。
被成形樹脂材料は、光硬化性樹脂材料あるいは熱硬化性樹脂材料を使用することができる。インクジェットヘッドは、その構造および材質等に応じて、適合する液体の粘度、表面張力等が異なる。このため、使用するインクジェットヘッドに適した被成形樹脂材料を選択することが好ましく、あるいは、使用する被成形樹脂材料に適合するインクジェットヘッドを適宜に選択することが好ましい。
転写基板51上に供給する被成形樹脂材料の液滴61の個数、隣接する液滴の距離は、個々の液滴の滴下量、必要とされる被成形樹脂材料の総量、転写基板に対する被成形樹脂材料の濡れ性、後工程である接触工程におけるモールド11と転写基板51との間隙等から適宜設定することができる。
<接触工程>
次に、本発明のインプリント用のモールド11と転写基板51を近接させて、このモールド11と転写基板51との間に被成形樹脂材料の液滴61を展開して被成形樹脂材料層62を形成する(図6(B))。
<硬化工程>
次いで、被成形樹脂材料層62を硬化させて、モールド11の凹凸構造が転写された転写樹脂65とする(図6(C))。この硬化工程では、使用する被成形樹脂材料が光硬化性樹脂材料であれば、モールド11側から光照射を行うことにより被成形樹脂材料層62を硬化させることができる。また、転写基板51が光透過性の材料からなる場合、転写基板51側から光照射を行ってもよく、また、転写基板51とモールド11の両側から光照射を行ってもよい。一方、使用する被成形樹脂材料が熱硬化性樹脂材料であれば、被成形樹脂材料層62に対して加熱処理を施すことにより硬化させることができる。
<離型工程>
次に、離型工程にて、転写樹脂層65とモールド11を引き離して、転写樹脂層65であるパターン構造体71を転写基板51上に位置させた状態とする(図6(D))。この離型工程では、モールド11として、側壁角度補正膜16の水に対する接触角が、基材12の水に対する接触角よりも大きいモールドを使用した場合、モールド11と転写樹脂層65との離型性が向上し、離型時の転写樹脂層65の損傷、モールド11の損傷を抑制することができる。
本発明では、上記のように形成したパターン構造体71の凹部71aに存在する残膜を除去して凸部71bのみを残存させ、この凸部71bを介して転写基板51をドライエッチングしてパターン構造体を形成することができる。さらに、本発明のパターン構造体の形成方法では、このようにドライエッチングでパターン構造体が形成された転写基板をレプリカモールドとして使用し、上記のように、凹凸構造を備えたパターン構造体の形成を行うこともできる。
このように、本発明は、インプリント方法によりパターン構造体を高い精度で形成することができ、また、形成したパターン構造体をエッチングマスクとしたドライエッチングによって高精度のパターン構造体を作製することができる。
ここで、本発明のモールド11として、側壁角度補正膜16の光透過率が基材12の光透過率よりも低いモールドを使用した場合について説明する。図7は、このようなモールド11を使用した場合の側壁角度補正膜16の作用を説明するための図であり、本発明のパターン構造体の形成方法の一部の工程を示している。この例では、転写基板51は、表面にハードマスク材料層52を備えており、上述の接触工程と同様に、被成形樹脂材料が転写基板51のハードマスク材料層52とモールド11との間で展開されて被成形樹脂材料層62が形成される(図7(A))。次に、上述の硬化工程と同様に、モールド11側から光照射を行うことにより被成形樹脂材料層62を硬化させて転写樹脂層65する(図7(B))。使用するモールド11は、凸構造部14の面14a上に位置する側壁角度補正膜16の厚みが、凹部15aを構成する側壁面12a、底部12bを被覆する側壁角度補正膜16の厚みよりも大きいものとなっており、側壁角度補正膜16の厚みが大きい箇所ほど、光硬化のための照射光の透過量が少ないものとなる。したがって、硬化工程では、モールド11の凹部15a内に侵入した被成形樹脂材料の光硬化の程度に比べて、モールド11の側壁角度補正膜16と転写基板51のハードマスク材料層52との間に位置する被成形樹脂材料の光硬化は不十分なものとなる。図示例では、便宜的に、転写樹脂層65の中で光硬化の程度が高い部位65aに間隔の狭い斜線を付し、光硬化の程度が低い部位65bに間隔の広い斜線を付して示し、部位65aと部位65bとの境界を鎖線で示している。次に、上述の離型工程と同様に、転写樹脂層65とモールド11を引き離すことにより、パターン構造体71を転写基板51のハードマスク材料層52上に位置させることができる(図6(D)参照)。このように形成したパターン構造体71の凹部71aに存在する残膜の除去では、上記のように残膜部位の光硬化が不十分であるため、残膜の除去がより速やかになる。したがって、パターン構造体71の凹部71aに存在する残膜を除去した後、ハードマスク材料層52上に残存する凸部71bは、その側壁が垂直に近いものとなる(図7(C))。これにより、凸部71bをエッチングマスクとしたハードマスク材料層52のドライエッチング精度が高く、高精度のハードマスクを形成することができる。そして、このハードマスクをエッチングマスクとした転写基材51のドライエッチング精度も高いものとなる。したがって、モールド11の凹部15aの寸法、側壁角度補正膜16の厚み、モールド11の基材12の光透過率と側壁角度補正膜16の光透過率の相違等を適宜設定することにより、高精度のパターン構造体の作製が可能となる。
上述のパターン構造体の形成方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、被成形樹脂材料をスピンコート法により転写基板51上に供給するようにしてもよい。
また、本発明のパターン構造体の形成方法では、例えば、上述の本発明のインプリント用モールド11を使用し連続してインプリントを行う際に、インプリント用モールド11の凹部15a内部の側壁角度補正膜16と、凹凸構造領域Aが設定されている一の面14aとがなす角度を直接あるいは間接的に計測し、計測値が側壁角度に関する所定の閾値未満となった場合に、再び新たな側壁角度補正膜を成膜する工程を行うようにしてもよい。
また、本発明のパターン構造体の形成方法では、転写基板としてウエハを使用し、インプリントリソグラフィーにより半導体装置や磁気記録媒体等を製造することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
厚み675μmの石英ガラス(65mm角)を光インプリント用モールド用基材として準備した。この基材の表面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み15nm)を成膜し、その後、このクロム薄膜上に市販の電子線官能型のレジストを塗布した。
次いで、市販の電子線描画装置内のステージ上に、基材の裏面がステージと対向するように基材を配置し、レジストに電子線を照射して、ライン/スペースのパターン潜像を形成した。このライン/スペースの設計値は30nm/35nmとした。
次に、レジストを現像してレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとしてドライエッチングによりクロムのハードマスクを形成し、さらに、このハードマスクをエッチングマスクとしてドライエッチングにより基材に凹凸構造を形成してモールドを作製した。
このように形成した凹凸構造の凹部を構成する側壁面と基材表面とがなす角度θ1(図2参照)は、75°であった。尚、この角度θ1は、カールツァイス(株)製 Ultra55を用いて、対象物の断面SEM画像を取得し、複数の断面SEM画像を解析して測定した。
次に、このモールドを(株)アルバック製のスパッタリング装置の成膜チャンバー内のホルダーに保持した。このホルダーを、モールド保持面に垂直な軸を中心として回転(100rpm)させながら、下記のスパッタリング条件で窒化珪素をモールドの凹凸構造が形成された面に被着させて、側壁角度補正膜を形成した。尚、凹凸構造を有するモールドの面に対して成膜材料が被着される角度を約50°とした。
(スパッタリング条件)
・成膜ターゲット : 珪素
・電流値 : 3A
・電圧値 : 3V
・反応ガス : 窒素(流量=50sccm)
・成膜厚 : 7nm
このように側壁角度補正膜を形成したモールドについて、カールツァイス(株)製 Ultra55を用いて、断面SEM画像を取得し、複数の断面SEM画像を解析した。その結果、凹凸構造の凹部を構成する側壁面とモールドの基材表面とがなす角度θ1(図2参照)は75°であり、凹部を構成する側壁面に存在する側壁角度補正膜の表面とモールドの基材表面とがなす角度θ2(図2参照)は80°であり、側壁角度補正膜を形成することにより、基材をドライエッチングして作製したモールドの凹部形状が良好なものとなったことが確認された。
インプリント方法を用いた種々のパターン構造体の製造、基板等の被加工体へ微細加工等に適用可能である。
11,21…インプリント用のモールド
12,22…基材
13…基部
14…凸構造部
15,25…凹凸構造
15a,25a…凹部
16…側壁角度補正膜
51…転写基板
61…被成形樹脂材料
62…被成形樹脂材料層
65…転写樹脂層
71…パターン構造体

Claims (9)

  1. 基材と、該基材の一の面に設定された凹凸構造領域に位置する凹凸構造と、該凹凸構造の凹部を構成する側壁面を少なくとも被覆する側壁角度補正膜と、を有し、前記凹部を構成する側壁面は底部から開口端に向かって開口面積が拡大するテーパー形状であり、前記側壁角度補正膜は前記凹部を構成する底部から開口端に向かって膜厚が増大するような膜厚分布を具備することを特徴とするインプリント用のモールド。
  2. 前記側壁角度補正膜の材質は、前記基材の材質と異なることを特徴とする請求項1に記載のインプリント用のモールド。
  3. 前記側壁角度補正膜の光透過率は、前記基材の光透過率よりも低いことを特徴とする請求項2に記載のインプリント用のモールド。
  4. 前記側壁角度補正膜の水に対する接触角は、前記基材の水に対する接触角よりも大きいことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインプリント用のモールド。
  5. 基材と、該基材の一の面に設定された凹凸構造領域に位置する凹凸構造と、を有し、該凹凸構造の凹部の側壁面は底部から開口端に向かって開口面積が拡大するテーパー形状であるモールドを準備する工程と、
    前記モールドの前記凹部における前記基材の側壁面に、前記凹部の底部から開口端に向かって膜厚が増大するような膜厚分布を有する側壁角度補正膜を形成する工程と、を有することを特徴とするインプリント用モールドの製造方法。
  6. 前記側壁角度補正膜を形成する工程では、スパッタリング法および真空蒸着法のいずれかを使用し、前記凹凸構造領域が設定されている一の面に対して成膜材料を斜め方向から被着させ、かつ、成膜材料が被着する方向を変化させることを特徴とする請求項5に記載のインプリント用モールドの製造方法。
  7. 前記モールドを準備する工程では、前記凹部を構成する側壁面と、前記凹凸構造領域が設定されている一の面とがなす角度が65°以上となるように前記基材をドライエッチングして前記凹凸構造を形成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のインプリント用モールドの製造方法。
  8. 被成形樹脂材料を転写基板に供給する樹脂供給工程と、
    凹凸構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記被成形樹脂材料を展開して被成形樹脂材料層を形成する接触工程と、
    前記被成形樹脂材料層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
    前記転写樹脂層と前記モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、
    前記モールドは請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のモールドを使用することを特徴とするパターン構造体の形成方法。
  9. 前記モールドの凹部内部の前記側壁角度補正膜と、前記凹凸構造領域が設定されている一の面とがなす角度を随時計測し、計測値が側壁角度に関する所定の閾値未満となった場合に、再び新たな側壁角度補正膜を成膜するモールド再生工程を有することを特徴とする請求項8に記載のパターン構造体の形成方法。
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