JP6024377B2 - ナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランク、その製造方法、および、ナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法 - Google Patents
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しかしながら、さらなる微細化に対応するためには、露光波長の問題や製造コストの問題などから上記のフォトリソグラフィによる方式の限界が指摘されており、次世代のリソグラフィ技術として、テンプレート(モールド、スタンパ、金型とも呼ばれる)を使うナノインプリントリソグラフィ(NIL:Nanoimprint Lithography)が提案されている。
それゆえ、一般的には、熱インプリント法よりも光インプリント法の方が、生産性、解像性、アライメント精度などの点で優れている。
次に、ハードマスク層112の上に、例えば、電子線描画等のレジスト製版技術を用いてレジストパターン114Pを形成する(図4(b))。
続いて、レジストパターン114Pから露出するハードマスク層112をエッチングしてハードマスクパターン112Pを形成する(図4(c))。
その後、レジストパターン114Pを除去し、次いで、ハードマスクパターン112Pから露出する光透過性基板113をエッチングして凹部110sを形成し(図4(d))、最後に、ハードマスクパターン112Pを除去して、所望の凹凸形状の転写パターンを有するナノインプリントリソグラフィ用テンプレート110を得る(図4(e))。
なお、図4(e)において、符号110sはテンプレート110の転写パターンの凹部を示し、符号110tはテンプレート110の転写パターンの凸部を示す。
ナノインプリントリソグラフィにおいては、テンプレートの転写パターンを等倍で被転写基板上の樹脂に転写するため、その転写パターンのサイズは、1/4縮小露光に用いられるフォトマスクのマスクパターンに比べて、より微細になる。
また、転写された樹脂パターンの高さを所望の高さにするためには、転写パターンの凹部110sの深さも所望の深さ(例えば、凹部の最小幅の2〜3倍程度)に形成する必要がある。
それゆえ、レジストパターン114Pだけで転写パターンをエッチング形成することは困難であり、ハードマスク層112を介して転写パターンを形成することが行われている。
しかしながら、薄膜化したレジストパターンでは、ハードマスク層112のエッチングが完了する前に、そのレジストパターンが消失してしまうおそれがある。
それゆえ、光透過性基板113の上にハードマスク層112を1層だけ設けたテンプレートブランク100のような構成では限界があり、例えば、光透過性基板113をエッチング加工するための下層のハードマスク層の上に、下層のハードマスク層をエッチング加工するための上層のハードマスク層を設けるといった構成が必要になる。
ここで、通常、上層のハードマスク層には、その膜厚が下層のハードマスク層の膜厚以下のものが用いられる。薄膜化したレジストパターンが消失してしまう前に、上層のハードマスク層のエッチングを完了させるためである。
それゆえ、例えば、下層のハードマスク層に上記の膜厚5nmのクロム(Cr)膜を用いる場合、上層のハードマスク層の膜厚は5nm未満であることが好ましいことになる。
しかしながら、従来のスパッタや蒸着による成膜方法では、例えば、形成される膜の膜厚中心値が成膜ごとに変動しやすいという課題や、面内分布がターゲットや基板材料の状態に依存して刻々と変化してしまうという課題があることから、膜厚5nm未満で、テンプレートの転写領域(例えば、26mm×33mm)全域に及んで膜厚均一な膜を安定して形成することは困難であった。
それゆえ、本発明によれば、最表層のハードマスク層の上に形成するレジストパターンの膜厚を従来よりも薄くすることができ、さらなる微細化の要求に応じることができる。
まず、本発明に係るナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクについて、図1を用いて説明する。ここで、図1は、本発明に係るナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクの例を示す概略断面図である。
原子層堆積法は、上記のように、原子層単位で薄膜(原子層堆積膜)を形成することができるため、高い膜厚制御性、膜厚均一性を有している。すなわち、原子層堆積法によって形成される膜(原子層堆積膜)は、従来のスパッタ法や蒸着法によって形成される膜よりも、膜厚中心値が安定しており、面内分布も良好となる。
すなわち、本発明においては、複数層のハードマスク層は、図1に示すように、2層であることが好ましい。
また、反応ガスには複数種の元素を含むガスを用いても良い。例えば、シリコン(Si)を含む原料ガスと、酸素(O)および窒素(N)を含む反応ガスを用いて、シリコン酸窒化(SiON)膜を形成することや、シリコン(Si)を含む原料ガスと、酸素(O)およびフッ素(F)を含む反応ガスを用いて、フッ素含有シリコン酸化膜(SiOF)膜を形成することもできる。
ここで、最表層のハードマスク層を構成する原子層堆積膜の膜厚が2nm未満の場合には、上記のSPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)洗浄等で原子層堆積膜が消失してしまうおそれがある。
そして、上述のように、光透過性基板13は、通常、酸化シリコン(SiOx)を含む材料から構成されているため、最下層のハードマスク層の材料としては、酸化シリコン(SiOx)をドライエッチングする際に用いられるガス(例えば、フッ素を含むガス)に耐性を有する材料であることが好ましい。
例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)等の金属や、前記金属等の酸化物、あるいは窒化物等を用いることができる。上記の材料の中で、クロム(Cr)系の材料は、合成石英ガラス基板のドライエッチングに用いるフッ素系ガスのプラズマに対して強い耐性をもち、好ましい材料である。
なお、この最下層のハードマスク層(図1における第2のハードマスク層12)は、スパッタ膜や蒸着膜であっても良いし、原子層堆積膜であってもよい。
次に、本発明に係るナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクの製造方法について、図2を用いて説明する。ここで、図2は、本発明に係るナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクの製造方法の例を示す概略工程図である。
前記ハードマスク層(最表層から2番目のハードマスク層)の表面に酸化膜が形成されてしまうことを防ぐためである。
また、第2のハードマスク層12が原子層堆積膜の場合は、同一の原子層堆積装置において、第2のハードマスク層12を形成し、続いて、第1のハードマスク層11を形成しても良い。
光透過性基板を加熱することで形成される原子層堆積膜を緻密な膜とすることができ、より洗浄耐性を有する膜とすることができるからである。
なお、光透過性基板の加熱は、最表層のハードマスク層を構成する原子層堆積膜を形成した後に行っても良い。
次に、本発明に係るナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法について、図3を用いて説明する。ここで、図3は、本発明に係るナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法の例を示す概略工程図である。
例えば、図3(c)に示す第1のハードマスクパターン11Pを形成した後であって、図3(e)に示す光透過性基板13の主面をドライエッチングする前に、レジストパターン14Pを除去しておき、図3(e)に示す光透過性基板13の主面をドライエッチングする工程において、第1のハードマスクパターン11Pも、フッ素を含むガスを用いたエッチングによって除去する。
ここで、第1のハードマスクパターン11Pの上にレジストパターン14Pが残存していると、第1のハードマスクパターン11Pの除去を阻害するため、上記のように、光透過性基板13の主面をドライエッチングする前に、レジストパターン14Pを除去しておく。
さらに、上記のように、転写パターンを形成する工程において第1のハードマスクパターンを除去することにより、複雑な工程を施すことなく、上記のナノインプリントリソグラフィ用テンプレートを製造することができる。
光透過性基板13に合成石英ガラス基板を用い、その主面の上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Crターゲットを用いて、Arガス雰囲気下で、Cr膜を6nmの厚さに成膜して第2のハードマスク層12を形成した。
10・・・ナノインプリントリソグラフィ用テンプレート
11・・・第1のハードマスク層
11P・・・第1のハードマスクパターン
12・・・第2のハードマスク層
12P・・・第2のハードマスクパターン
13・・・光透過性基板
14P・・・レジストパターン
10s・・・凹部
10t・・・凸部
100・・・ナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランク
110・・・ナノインプリントリソグラフィ用テンプレート
112・・・ハードマスク層
112P・・・ハードマスクパターン
113・・・光透過性基板
114P・・・レジストパターン
110s・・・凹部
110t・・・凸部
Claims (5)
- 光透過性基板の主面に凹凸形状の転写パターンを有するナノインプリントリソグラフィ用テンプレートを作製するためのナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクであって、
前記光透過性基板の主面の上に複数層のハードマスク層を有し、
前記複数層のハードマスク層の最表層のハードマスク層が、原子層堆積膜であり、
前記複数層のハードマスク層が、前記最表層のハードマスク層である第1のハードマスク層と、下層のハードマスク層である第2のハードマスク層を有しており、
前記第1のハードマスク層がシリコンを含む材料から構成されており、
前記第2のハードマスク層がクロムを含む材料から構成されており、
前記光透過性基板が酸化シリコンを含む材料から構成されており、
前記第1のハードマスク層の膜厚が、2nm以上5nm未満の範囲であり、
前記第2のハードマスク層の膜厚が、5nm以上10nm未満の範囲であることを特徴とするナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランク。 - 請求項1に記載のナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクの製造方法であって、
前記第1のハードマスク層を、シリコンを含むガスと、酸素、窒素、フッ素のいずれか一種または複数種を含むガスとを交互に供給する原子層堆積法を用いて形成する工程を備え、
前記第1のハードマスク層を形成する工程において、前記光透過性基板を、200℃以上600℃未満の温度範囲に加熱することを特徴とするナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクの製造方法。 - 前記第2のハードマスク層を形成する工程と、
前記第2のハードマスク層の表面を大気に曝さずに、前記第2のハードマスク層の上に前記第1のハードマスク層を形成する工程と、
を順に備えることを特徴とする請求項2に記載のナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクの製造方法。 - 請求項1に記載のナノインプリントリソグラフィ用テンプレートブランクを用いたナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法であって、
前記第1のハードマスク層の上にレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンから露出する前記第1のハードマスク層を、フッ素を含むガスを用いてドライエッチングして、第1のハードマスクパターンを形成する工程と、
前記第1のハードマスクパターンから露出する前記第2のハードマスク層を、酸素と塩素を含む混合ガスを用いてドライエッチングして、第2のハードマスクパターンを形成する工程と、
前記第2のハードマスクパターンから露出する前記光透過性基板の主面を、フッ素を含むガスを用いてドライエッチングして、凹凸形状の転写パターンを形成する工程と、
を順に備えることを特徴とするナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法。 - 前記第1のハードマスクパターンを形成する工程の後であって、前記転写パターンを形成する工程の前に、前記レジストパターンを除去する工程を備えており、前記転写パターンを形成する工程において、前記第1のハードマスクパターンを除去することを特徴とする請求項4に記載のナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法。
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