JP2011211083A - マスクブランクス、パターン形成方法及びモールドの製造方法 - Google Patents

マスクブランクス、パターン形成方法及びモールドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチングを利用してパターン形成を行う場合に、形成すべき微細パターンの狭ピッチ化が進展しても、当該パターン形成を高精度に行えるようにする。
【解決手段】基板2上にハードマスク層3を有するマスクブランクス1において、前記ハードマスク層1は、前記基板2の側から第一層5と第二層6とが配される積層構造を有する。前記第一層5は、前記基板2に対してエッチングを行う際にマスクとなる層である。前記第二層6は、前記第一層5に対してエッチングを行う際にマスクとなるとともに、前記ハードマスク層3上に形成されるレジストパターン4をマスクにしてエッチングが行われる層である。そして、前記第一層5に対するエッチングの間は前記第二層6が当該第一層5のマスクとして機能するエッチング選択比を有した材料によって、当該第二層6を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスクブランクス、パターン形成方法及びモールドの製造方法に関する。
一般に、半導体装置製造工程では、フォトリソグラフィ法を用いて微細パターンの形成が行われている。フォトリソグラフィ法では、フォトマスクがパターン形成の原盤として用いられる。
また、近年では、フォトリソグラフィ法を用いた微細パターン形成と同様に、インプリント法による微細パターン形成が用いられている。例えば、ハードディスク装置(HDD)用の高密度記録媒体として知られているディスクリートトラック型(以下「DTR」と略す。)やビットパターンド型(以下「BPM」と略す。)等のディスク媒体(以下「パターンド媒体」という。)は、そのトラックパターンやビットパターン等が、インプリント技術を用いて形成される。具体的には、フォトリソグラフィ法を用いて原盤となるインプリントモールドを作製した後、そのインプリントモールドを用いてインプリントを行うことで、パターンド媒体にトラックパターンやビットパターン等が形成されるようになっている。
インプリント技術は、大別すると、熱インプリントと光インプリントがある。熱インプリントは、微細パターンが形成されたインプリントモールドを被成形材料である熱硬化性樹脂に加熱しながら押し付け、その後に被成形材料を冷却・離型し、微細パターンを転写する方法である。また、光インプリントは、微細パターンが形成されたインプリントモールドを被成形材料である光硬化性樹脂に加熱しながら押し付けて紫外光を照射し、その後に被成形材料を離型し、微細パターンを転写する方法である。これら光インプリントと熱インプリントのいずれの場合も、インプリント法では、インプリントモールドがパターン形成の原盤となる。
原盤となるインプリントモールドは、等倍でのパターン転写となるため、フォトマスクに比べて、形成パターンについて高精度のものが要求される。このことから、インプリントモールドについては、以下に述べるマスクブランクスを用いて製造することが提案されている。
図5は、従来におけるインプリントモールドの製造方法の一具体例を示す説明図である。インプリントモールドを製造する場合は、先ず、図5(a)に示すように、パターンを形成するための薄膜21を石英等の基板22上に有するマスクブランク20を用意する。薄膜21は、形成パターン高精度化のためには膜厚が薄いことが有効であるが、薄くなると十分な導電性が得られないおそれがある。そこで、薄膜21は、少なくとも下層23と上層24の積層膜よりなる。下層23は、上層24の電気抵抗を抑制して導電性不足を補うために例えばタンタルを主成分としハフニウムを含む化合物であるタンタルハフニウム(TaHf)で形成され、上層24は、例えばクロムと窒素を含む材料である窒化クロム(CrN)で形成される。そして、このマスクブランク20上にレジスト材料を塗布した後、例えば電子線露光によるパターン描画及び描画されたパターンの現像を行ってレジストパターン25を形成する。続いて、図5(b)に示すように、レジストパターン25をマスクとして、CrN/TaHfの積層膜よりなる薄膜21を、塩素系ガスを用いたドライエッチング処理によりエッチング加工することによって、薄膜パターン(マスクパターン)を形成する。さらにその後は、図5(c)に示すように、薄膜パターンをマスクとして、基板22を、フッ素系ガスを用いたドライエッチング処理によりエッチング加工する。そして、CrN/TaHfの積層膜による薄膜パターンを除去することで、インプリントモールドが得られることになる(例えば、特許文献1参照)。
また、従来におけるインプリントモールドの製造方法の他の具体例として、以下のようなものもある。図6は、従来におけるインプリントモールドの製造方法の他の具体例を示す説明図である。図6(a)に示すように、CrN/TaHfの積層膜よりなる薄膜21が基板22上に形成されたマスクブランク20を用意する点は、上述した具体例の場合と同様である。マスクブランク20を用意したら、図6(b)に示すように、薄膜21上に形成されたレジストパターン25をマスクとして、薄膜21の上層24であるCrN層を、酸素を実質的に含まない(具体的にはエッチング装置内の酸素含有量が5%以下となる程度に酸素を含まない)塩素系ガスを用いたドライエッチング処理によりエッチング加工する。続いて、図6(c)に示すように、上層24のパターンをマスクにして、薄膜21の下層23であるTaHf層及び基板22を、フッ素系ガスを用いたドライエッチング処理により一度にエッチング加工する。そして、例えばCrN/TaHfの積層膜による薄膜パターンを除去することで、インプリントモールドが得られることになる(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−098689号公報 特開2009−080421号公報
ところで、DTRやBPM等のパターンド媒体に対しては、高密度記録が求められている。これに伴って、パターンド媒体へのパターン形成に用いられるインプリントモールドについても、パターン寸法に対する微細化(具体的には、トラック等の狭ピッチ化)の要求が強くなっている。
しかしながら、形成すべきパターンの狭ピッチ化が進むと、狭ピッチ化に伴いレジスト薄膜化等も必要になることから、上述した従来製法では、微細パターンを高精度で形成することが困難になるおそれが生じる。例えば、トラックピッチ50nmレベルの微細パターンについては、CrN/TaHfの積層膜よりなる薄膜21をレジストパターン25でエッチングする際に、レジストとCrNのエッチング選択比が不足して、部分的にマスクとなる薄膜21が消失してしまう可能性がある。さらに詳しくは、トラックピッチの狭ピッチ化に伴うレジスト薄膜化によって、CrN膜のパターン形成完了前にレジストが消失し、エッチングを行うべきではないCrN膜の部分もエッチングされてしまう可能性がある。このようなエッチング選択比の不足による部分的なマスク消失は、最終的な基板22への形成パターンが部分的に消失することに繋がるため、その発生を未然に回避すべきである。
そこで、本発明は、形成すべきパターンの狭ピッチ化が進展する状況下においても、微細パターンを高精度で形成できるマスクブランクス、パターン形成方法及びモールドの製造方法を提供することを、主たる目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
本発明の第1の態様は、基板上にハードマスク層を有するマスクブランクスにおいて、前記ハードマスク層は、前記基板の側から第一層と第二層とが配される積層構造を有しており、前記第一層は、前記基板に対してエッチングを行う際に当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写するためのマスクとなる層であり、前記第二層は、前記第一層に対してエッチングを行う際に当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写するためのマスクとなるとともに、前記ハードマスク層上に形成されるレジストパターンをマスクにしてエッチングが行われる層であり、前記第一層に対するエッチングの間は前記第二層が当該第一層のマスクとして機能するエッチング選択比を有した材料によって当該第二層が形成されていることを特徴とするマスクブランクスである。
本発明の第2の態様は、基板上にハードマスク層を有するマスクブランクスにおいて、前記ハードマスク層は、前記基板の側から第一層と第二層とが配される積層構造を有しており、前記第一層は、前記基板に対してエッチングを行う際に当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写するためのマスクとなる層であり、前記第二層は、前記第一層に対してエッチングを行う際に当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写するためのマスクとなるとともに、前記ハードマスク層上に形成されるレジストパターンをマスクにしてエッチングが行われる層であり、前記レジストパターンに対する前記第一層のエッチング選択比よりも前記第二層に対する前記第一層のエッチング選択比が高い材料によって当該第二層が形成されていることを特徴とするマスクブランクスである。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、前記第一層は、クロム化合物からなり、前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、前記第二層は、アルカリ溶液で溶解する材料によって形成されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の発明において、前記第二層は、ネガ型レジスト層から形成されたレジストパターンをマスクにしてウエットエッチングが行われる層であることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第4または第5の態様に記載の発明において、前記第二層は、酸化タングステンまたは酸化モリブデンのいずれかからなることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、前記第二層は、前記第一層をマスクにした前記基板に対するエッチング中に当該エッチングによって除去される材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載の発明において、前記基板は、石英基板であり、前記第一層は、クロム化合物からなり、前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第4または第5の態様に記載の発明において、前記第二層は、前記第一層をマスクにした前記基板に対するエッチング中に当該エッチングによって除去される材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の第10の態様は、第9の態様に記載の発明において、前記基板は、石英基板であり、前記第一層は、クロム化合物からなり、前記第二層は、酸化タングステンまたは酸化モリブデンのいずれかからなることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、基板上にハードマスク層を構成する第一層を形成する工程と、前記第一層上に前記ハードマスク層を構成する第二層を形成する工程と、前記第一層及び前記第二層を有して構成された前記ハードマスク層上にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層に対するパターニングを行って所望パターンに対応するレジストパターンを得る工程と、前記レジストパターンをマスクにして前記第二層に対するエッチングを行う工程と、エッチング後の前記第二層をマスクにして前記第一層に対するエッチングを行い当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写する工程と、エッチング後の前記第一層をマスクにして前記基板に対するエッチングを行い当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写して当該基板への前記所望パターンの形成を行う工程とを有し、前記第二層の形成材料として、前記第一層に対するエッチングの間は前記第二層が当該第一層のマスクとして機能するエッチング選択比を有した材料を用いることを特徴とするパターン形成方法である。
本発明の第12の態様は、基板上にハードマスク層を構成する第一層を形成する工程と、前記第一層上に前記ハードマスク層を構成する第二層を形成する工程と、前記第一層及び前記第二層を有して構成された前記ハードマスク層上にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層に対するパターニングを行って所望パターンに対応するレジストパターンを得る工程と、前記レジストパターンをマスクにして前記第二層に対するエッチングを行う工程と、エッチング後の前記第二層をマスクにして前記第一層に対するエッチングを行い当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写する工程と、エッチング後の前記第一層をマスクにして前記基板に対するエッチングを行い当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写して当該基板への前記所望パターンの形成を行う工程とを有し、前記第二層の形成材料として、前記レジストパターンに対する前記第一層のエッチング選択比よりも当該第二層に対する前記第一層のエッチング選択比が高い材料を用いることを特徴とするパターン形成方法である。
本発明の第13の態様は、第11または第12の態様に記載の発明において、前記第一層は、クロム化合物からなり、前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなり、前記第二層に対するエッチングを、フッ素系ガスを含むガスによるドライエッチングにて行うことを特徴とする。
本発明の第14の態様は、第11または第12の態様に記載の発明において、前記第一層は、クロム化合物からなり、前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなり、前記第一層に対するエッチングを、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングにて行うことを特徴とする。
本発明の第15の態様は、第11または第12の態様に記載の発明において、前記第二層の形成材料として、アルカリ溶液で溶解する材料を用い、前記第二層に対するエッチングを、前記アルカリ溶液を含む現像液によるウエットエッチングにて行うことを特徴とする。
本発明の第16の態様は、第11から第15のいずれか1態様に記載の発明において、前記レジスト層に対するパターニングを、当該レジスト層への電子線露光によるパターン描画及び描画されたパターンの現像によって行うことを特徴とする。
本発明の第17の態様は、第11から第15のいずれか1態様に記載の発明において、前記レジスト層に対するパターニングを、ナノインプリント用原盤であるインプリントモールドからのパターン転写によって行うことを特徴とする。
本発明の第18の態様は、第16または第17の態様に記載の発明を用いて前記基板へのパターン形成を行い、ナノインプリント用原盤となるモールドを得ることを特徴とするモールドの製造方法である。
本発明によれば、エッチング選択比不足によるマスクパターンの部分的消失が生じないので、形成すべきパターンの狭ピッチ化が進展する状況下においても、微細パターンを高精度で形成することができる。
本発明に係るマスクブランクスの基本的な構成例を示す断面概略図である。 本発明に係るインプリントモールドの製造方法の概要を示す断面概略図である。 本発明に係るサブモールドの製造方法の概要を示す断面概略図である。 台座構造を有するインプリントモールドの製造工程を説明するための断面概略図である。 従来におけるインプリントモールドの製造方法の一具体例を示す説明図である。 従来におけるインプリントモールドの製造方法の他の具体例を示す説明図である。
以下、図面に基づき本発明に係るマスクブランクス、パターン形成方法及びモールドの製造方法について説明する。ここでは、先ず、マスクブランクスの基本的な構成について説明し、次いで、当該マスクブランクスを用いたパターン形成方法を説明する。パターン形成方法の説明では、モールドの一具体例であるインプリントモールドの製造方法と、モールドの他の具体例であるサブモールドの製造方法とを、当該パターン形成方法の例として挙げる。
<1.マスクブランクスの基本的な構成>
図1は、本発明に係るマスクブランクスの基本的な構成例を示す断面概略図である。図例のように、マスクブランクス1は、基板2上にハードマスク層3を有して構成されている。なお、マスクブランクス1におけるハードマスク層3上には、基板2に形成すべきパターンに対応するレジストパターン4が形成されるようになっている。
基板2は、後述するインプリントモールドの製造方法により、当該インプリントモールドとなるものである。または、後述するサブモールドの製造方法により、インプリントモールドの複製品(コピー)であるサブモールドとなるものである。
このような基板2としては、例えば光インプリントを行う場合であれば、被転写材への光照射の観点から、石英基板等の透光性基板を用いることが考えられる。また、例えば熱インプリントを行う場合であれば、ドライエッチングに用いられる塩素系ガスに耐性があるSiC基板を用いることが考えられる。ただし、ハードマスク層3との間にSiO層を介在させることを条件に、SiC基板ではなくシリコンウエハを用いることも可能である。SiO層がシリコンウエハを塩素ガスから保護するためである。さらには、シリコンウエハ上に加工層としてSiO層を設けたものを用いることも可能である。その場合、加工層であるSiO層にパターン溝を設けることになるため、SiO層を介在させてシリコンウエハにパターン溝を設ける場合に比べて加工層を厚くすることが好ましい。以上は、基板2単体の形成材料についての説明である。
基板2の形状は、円盤形状とすることが考えられる。レジスト塗布の際に、回転を利用した均一塗布が可能だからである。ただし、円盤形状に限定されることはなく、矩形、多角形、半円形等といった他の形状であっても構わない。
ハードマスク層3は、基板2の側から第一層5と第二層6とが配される積層構造を有している。ただし、少なくとも第一層5と第二層6とを有して構成されていればよく、これら以外の層を含むものであっても構わない。例えば、第二層6の上にレジストに対する離型層を設けてもよいし、第一層5の下に基板2に対する密着層を設けてもよい。
ハードマスク層3における第一層5は、後述するパターン形成方法の説明において明らかにするように、基板2に対してエッチングを行う際に当該第一層5自体が有するパターンを当該基板2に転写するためのマスクとなる層である。なお、第一層5の形成材料等の詳細については、後述する具体例の説明において詳述する。
ハードマスク層3における第二層6は、後述するパターン形成方法の説明において明らかにするように、第一層5に対してエッチングを行う際に当該第二層6自体が有するパターンを当該第一層5に転写するためのマスクとなる層である。さらに、第二層6は、ハードマスク層3上に形成されるレジストパターン4をマスクにしてエッチングが行われる層でもある。なお、第二層6の形成材料等の詳細についても、第一層5と同様に、後述する具体例の説明において詳述する。
<2.パターン形成方法の概要>
次に、上述した構成のマスクブランクス1を用いて行うパターン形成方法について説明する。ここでは、パターン形成方法の概要を、インプリントモールドの製造方法に適用した場合と、インプリントモールドのコピーであるサブモールドの製造方法に適用した場合とを、それぞれ例に挙げて説明する。ただし、本発明に係るパターン形成方法は、その適用がインプリントモールドまたはサブモールドの製造方法に限定されるものではなく、インプリント法を用いたパターンド媒体の製造方法に適用してもよい。さらには、半導体装置の製造工程で用いられるフォトリソグラフィ法によるパターン形成に適用することも可能である。
[2−1.インプリントモールドの製造方法の概要]
図2は、本発明に係るインプリントモールドの製造方法の概要を示す断面概略図である。インプリントモールドを製造する場合には、図2(a)に示すように、上述した構成のマスクブランクス1を用意する。そして、そのマスクブランクス1におけるハードマスク層3上にレジスト層を形成した後、当該レジスト層への電子線露光によるパターン描画及び描画されたパターンの現像を行って、当該レジスト層に対するパターニングを行う。これにより、ハードマスク層3上には、所望パターンに対応するレジストパターン4が形成される。その後は、図2(b)に示すように、レジストパターン4をマスクにしてハードマスク層3の第二層6に対するエッチングを行う。次いで、図2(c)に示すように、エッチング後の第二層6をマスクにして、ハードマスク層3の第一層5に対するエッチングを行い、当該第二層6自体が有するパターンを当該第一層5に転写する。そして、図2(d)に示すように、エッチング後の第一層5をマスクにして、基板2に対するエッチングを行い、当該第一層5自体が有するパターンを当該基板2に転写する。これにより、基板2には、所望パターンの溝加工がされる。その後、図2(e)に示すように、所望パターン形成後の基板2からマスクとなった第一層5を除去すると、ナノインプリント用原盤となるインプリントモールド7が得られる。なお、ここでは、モールドの製造方法の一具体例としてインプリントモールドの製造方法を例に挙げたが、インプリントモールド以外の微細パターンを有したモールド(成形品)についても、同様の手法で製造することが可能である。
[2−2.サブモールドの製造方法の概要]
図3は、本発明に係るサブモールドの製造方法の概要を示す断面概略図である。サブモールドを製造する場合には、図3(a)に示すように、上述した構成のマスクブランクス1を用意する。そして、そのマスクブランクス1におけるハードマスク層3上にレジスト層を形成した後、当該レジスト層にナノインプリント用原盤であるインプリントモールドからのパターン転写を行って、当該レジスト層に対するパターニングを行う。このときのパターン転写は、熱インプリントによるものであっても、光インプリントによるものであってもよい。これにより、ハードマスク層3上には、インプリントモールドにおけるパターンに対応するレジストパターン4が形成される。その後は、図3(a)及び(b)に示すように、レジストパターン4をマスクにして、当該レジストパターン4のインプリント残膜(スカム)8とハードマスク層3の第二層6とを合わせてエッチングする。次いで、図3(c)に示すように、エッチング後の第二層6をマスクにして、ハードマスク層3の第一層5に対するエッチングを行い、当該第二層6自体が有するパターンを当該第一層5に転写する。そして、図3(d)に示すように、エッチング後の第一層5をマスクにして、基板2に対するエッチングを行い、当該第一層5自体が有するパターンを当該基板2に転写する。これにより、基板2には、インプリントモールドにおけるパターンに対応するパターンの溝加工がされる。その後、図3(e)に示すように、所望パターン形成後の基板2からマスクとなった第一層5を除去すると、サブモールド9が得られることになる。なお、ここでは、モールドの製造方法の他の具体例としてサブモールドの製造方法を例に挙げたが、サブモールド以外の微細パターンを有したモールド(成形品)についても、同様の手法で製造することが可能である。
<3.マスクブランクス及びパターン形成方法の具体例>
次に、マスクブランクス1及び当該マスクブランクス1を用いたパターン形成方法について、具体例を挙げてさらに詳しく説明する。ここでは、主として、本実施形態における特徴的な事項を、第一実施形態〜第三実施形態に分けて説明する。
なお、以下に説明する第一実施形態〜第三実施形態では、図2を参照しながら、インプリントモールドを製造する場合を例に挙げる。ただし、第一実施形態〜第三実施形態がインプリントモールド製造に限定されないことは勿論である。
[3−1.第一実施形態]
インプリントモールドを製造する場合は、既に概要を説明したように、マスクブランクス1の用意及びレジストパターン4の形成(図2(a)参照)、第二層6に対するエッチング(図2(b)参照)、第一層5に対するエッチング(図2(c)参照)、基板2に対するエッチング(図2(d)参照)、という手順を経る。以下、これらの各手順について、順に説明する。
(マスクブランクスの用意)
用意するマスクブランクス1は、基板2上に第一層5を形成する工程と、その第一層5上に第二層6を形成する工程と、を経て形成されるものである(図2(a)参照)。
基板2としては、既に説明したように石英基板やSiC基板等を用いることが考えられるが、以下の説明では石英基板を用いる場合を例に挙げる。石英基板は、平坦度及び平滑度に優れるため、例えばインプリントモールドとして用いてパターン転写を行う場合に、転写パターンの歪み等が生じないで高精度のパターン転写を行える。
基板2上における第一層5の形成材料としては、クロム化合物が挙げられる。さらに詳しくは、窒化クロム(CrN)を用いることが好ましい。CrNは、レジストパターン4を形成する際の電子線描画時のチャージアップを防止するのに十分な導電性を有しているからである。さらに、CrNは、レジスト材料除去のために用いられるアンモニア水や硫酸過水等に対して十分な耐性を有するからである。ただし、第一層5の形成材料は、CrN以外であっても、当該第一層5を導電層として使用できる化合物であればよく、例えばモリブデン化合物、酸化クロム、SiC、アモルファスカーボン、Alを用いてもよい。以下の説明では、CrNを用いる場合を例に挙げる。
このようなCrNからなる第一層5は、例えばクロムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして成膜すればよい。成膜厚さは、十分な導電性が得られる程度であればよく、例えば3〜6nmとすることが考えられる。ただし、基板2に対するパターン加工の溝深さを考慮して、6nmよりも厚く成膜することも可能である。
第一層5上における第二層6は、当該第一層5とのエッチング選択比を考慮して形成されたものである。詳しくは、第二層6の形成材料として、第一層5に対するエッチングの間は当該第二層6が当該第一層5のマスクとして機能するエッチング選択比を有した材料を用いる。「マスクとして機能するエッチング選択比」とは、エッチング選択比の不足による部分的なマスク消失が生じることなく、マスクとしての機能が失われないことを意味する。これにより、少なくとも第一層5に対するエッチングが行われている間は、第二層6が当該第一層5のマスクとして機能し続けていることになる。
また、第二層6の形成材料としては、レジストパターン4に対する第一層5のエッチング選択比よりも第二層6に対する第一層5のエッチング選択比が高い材料を用いる。ここで、「Aに対するBのエッチング選択比」とは、エッチングを行いたくない層(マスクとなる層)であるAとエッチングを行いたい層であるBとのエッチングレートの比をいう。具体的には「Aに対するBのエッチング選択比=Bのエッチング速度/Aのエッチング速度」の式によって特定される。また、「選択比が高い」とは、比較対象に対して、上記定義の選択比の値が大きいことをいう。このような形成材料で第二層6を形成すれば、当該第二層6を介さずにレジストパターン4だけで第一層5に対するエッチングを行う場合のエッチング選択比に比べて、第二層6に対する第一層5のエッチング選択比が高選択比となる。
以上のような第二層6の形成材料の具体例としては、第一層5がCrNからなる場合であれば、酸化タングステン(WOx)、ケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO)または酸化モリブデン(MOx)のいずれかが挙げられる。ただし、第二層6の形成材料は、WOx等以外であっても、第一層5との選択比が上述の内容に合致するものであればよく、例えばTi、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ge、Se、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Sb、Te、Hf、Ir、Pt、W、Au、Biのうちの少なくとも1つ以上の元素と、酸素または窒素との組合せから構成されたものを用いてもよい。以下の説明では、WOxを用いる場合を例に挙げる。
WOxからなる第二層6は、一般的なタングステンターゲットとスパッタガスおよび酸素ガスを用いた反応性スパッタ法により成膜すればよい。成膜厚さは、膜として成立するのに十分な厚さが必要な一方で、微細パターンの高精度形成を可能にするという観点からは極力薄くすることが好ましく、例えば3〜6nmとすることが考えられる。
(レジストパターンの形成)
レジストパターン4は、マスクブランクス1のハードマスク層3上にレジスト層を形成する工程と、そのレジスト層に対するパターニングを行って所望パターンに対応するレジストパターンを得る工程と、を経て形成されるものである(図2(a)参照)。
レジスト層は、その後に行うパターニングに適するものを形成材料に用いればよい。また、レジスト層の形成厚さは、第二層6に対するエッチングが完了するまで残存する厚さであればよい。例えば、レジスト層は、電子線描画用のレジスト材料(日本ゼオン社製ZEP520A)をスピンコートにより45nmの厚みに塗布し、ベーク処理を行うことで形成することが考えられる。
レジスト層に対するパターニングは、例えば、電子線描画機を用いた電子線露光によるパターン描画と、描画されたパターンの現像とによって行う。このとき、レジスト層がポジ型レジストであるならば、電子線描画した箇所が基板2上の溝の位置に対応する。一方、レジスト層がネガ型レジストであるならば、その逆の位置となる。第一実施形態では、ポジ型レジストを用いた場合を例に挙げる。すなわち、レジスト層を現像し、レジストにおける電子線描画した部分を除去して、レジストパターン4を形成する。これにより、電子線が描画された部分が、基板2上の溝の位置に対応することになる。
(第二層に対するエッチング)
レジストパターン4の形成後は、当該レジストパターン4をマスクにして、第二層6に対するエッチングを行う工程を実行する(図2(b)参照)。以下、この第二層6に対するエッチングを「第一エッチング」という。第一エッチングは、レジストパターン4が形成されたマスクブランクス1を、ドライエッチング装置に導入することで行う。
このとき、第一エッチングは、フッ素系ガスを含むガスによるドライエッチングにて行うことが考えられる。例えば第二層6上にレジストパターン4の残膜(スカム)が存在する場合であっても、フッ素系ガスのドライエッチングによって、第二層6の不要部分とスカムとが合わせて除去されることになるからである。具体的には、フッ素系ガスを含むガスとしてCHF/Oガスを用い、これによりWOxからなる第二層6の不要部分とスカムを同時にエッチングする。
ただし、第一エッチングは、第二層6をエッチングできれば、フッ素系ガスを含むガスではなく、他のガスを用いて行ってもよい。他のガスとしては、塩素系ガス、水素ガス、炭化水素系ガス等が挙げられる。
このような第一エッチングを行うことで、第二層6については、その不要部分がエッチング除去される。これにより、第二層6には、レジストパターン4と同じパターンが転写されることになる。
そして、第二層6の不要部分をエッチング除去した後は、次いで行う第一層5に対するエッチングに備える。つまり、第一エッチングは、第二層6をエッチング対象としており、その下層に相当する第一層5についてはエッチング対象としていない。
なお、第一エッチングの後には、必要に応じて、酸溶液等による残存レジストパターン4の洗浄除去を行うようにしてもよい。
(第一層に対するエッチング)
第一エッチングの後は、次いで、エッチング後の第二層6をマスクにして、第一層5に対するエッチングを行い、第二層6自体が有するパターンを第一層5に転写する工程を実行する(図2(c)参照)。以下、この第一層5に対するエッチングを「第二エッチング」という。第二エッチングは、第一エッチングの実行後のマスクブランクス1を、当該第一エッチングで用いられたガスを真空排気した後の同じドライエッチング装置に導入することで行う。
このとき、第二エッチングは、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングにて行うことが考えられる。具体的には、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスとしてCl/Oガスを用い、これによりCrNからなる第一層5の不要部分をエッチングする。第二エッチングでは、既に行われた第一エッチングにて第二層6の不要部分が除去されており、CrNからなる第一層5の不要部分のみをエッチング対象とすることから、当該CrNの除去に好適なCl/Oガスを用いることができる。このCl/Oガスを用いたエッチングが可能であれば、塩素系ガス(例えばClガス)のみを用いた場合のように第一層5の膜厚が制限されることない。例えば、Clガスのみの場合は、エッチング可能なCrN膜の膜厚が3nm程度に限られてしまう。ところが、Cl/Oガスを用いた場合は、CrNからなる第一層5が3nmを超える厚さであっても、その不要部分をエッチング除去することが可能である。このことは、第一層5の厚膜化を通じて、当該第一層5をマスクにして行う基板2に対するエッチングの際に、その加工深さの増大が実現可能であることを意味する。
ただし、第二エッチングは、第一層5をエッチングできれば、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスではなく、他のガスを用いて行ってもよい。他のガスとしては、塩素系ガス、水素ガス、炭化水素系ガス等が挙げられる。
このような第二エッチングを行うことで、第一層5については、その不要部分がエッチング除去される。これにより、第一層5には、第二層6自体が有するパターンと同じパターンが転写されることになる。
ところで、第二エッチングを行う際のマスクとなる第二層6は、当該第二エッチングの間は当該第二層6が当該第一層5のマスクとして機能するエッチング選択比を有した材料によって形成されている。したがって、少なくとも第二エッチングが行われている間は、第二層6が第一層5のマスクとして機能し続けていることになる。つまり、第二エッチングにおいて、マスクとなる第二層6に部分的なパターン消失等が生じることはない。
また、第二エッチングを行う際のマスクとなる第二層6は、レジストパターン4に対する第一層5のエッチング選択比よりも、第二層6に対する第一層5のエッチング選択比が高い材料によって、形成されている。つまり、レジストパターン4に対する第一層5のエッチング選択比に比べて、第二層6に対する第一層5のエッチング選択比が高選択比である。故に、第二層6を介さずにレジストパターン4だけで第一層5に対するエッチングを行う場合に比べると、マスクとなる第二層6がエッチングによりダメージを受けてしまうのを抑制することができる。
以上のような関係を実現するエッチング選択比の具体的な値は、例えば、WOxに対するCrNのエッチング選択比=1以上である。このエッチング選択比は高ければ高いほどよいが、現実的には、エッチング選択比は1〜10程度である。
そして、第二エッチングにより第二層6の不要部分をエッチング除去した後は、次いで行う基板2に対するエッチングに備える。つまり、第二エッチングは、第一層5をエッチング対象としており、基板2についてはエッチング対象としていない。
(基板に対するエッチング)
第二エッチングの後は、次いで、エッチング後の第一層5をマスクにして、基板2に対するエッチングを行い、第一層5自体が有するパターンを基板2に転写して、当該基板2への所望パターンの形成を行う工程を実行する(図2(d)参照)。以下、この基板2に対するエッチングを「第三エッチング」という。第三エッチングは、第二エッチングの実行後のマスクブランクス1を、当該第二エッチングで用いられたガスを真空排気した後の同じドライエッチング装置に導入することで行う。
第三エッチングは、フッ素系ガスによるドライエッチングにて行うことが考えられる。フッ素系ガスとしては、CxFy(例えば、CF、C、C)、CHF、これらの混合ガス、または、これらに添加ガスとして希ガス(He、Ar、Xe等)を含むものが挙げられる。
このような第三エッチングを行うことで、基板2については、所望パターンに対応する溝加工が施されることになる。
(その他のエッチング)
第三エッチングの後は、基板2上の残存膜の除去を行う(図2(e)参照)。残存膜の除去は、その手法が特に限定されるものではなく、広く知られた手法を用いて行えばよい。例えば、CrNからなる第一層5の残存部分を除去する場合であれば、硝酸第二アンモニウムセリウムを溶液として用いたウエットエッチングを行うことが考えられる。そして、残存膜の除去後は、必要があれば、基板2の洗浄等を行う。
第一実施形態では、以上のような各手順を経て、インプリントモールド7を製造する。
なお、ここでは、主に第一〜第三エッチングについて説明したが、第一層5及び第二層6以外のハードマスク層3の構成物質に応じて、別途エッチングを第一〜第三エッチングの間またはその前後に追加してもよい。
また、インプリントモールドを台座構造にするのならば、図4に示すように、CrNからなる第一層5の残存部分等を除去する前に、以下の工程を行ってもよい。
すなわち、CrNからなる第一層5等を残存させたまま基板2上に台座構造用レジスト10を塗布し、紫外光による露光と現像を行う(図4(a)参照)。そして、露光と現像によりレジストパターンを形成した基板2に対して、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムの混合液にてウエットエッチングを行い、さらに所定の酸洗浄によりレジストを除去する(図4(b)参照)。こうして、台座構造を有する基板2を作製し、これをインプリントモールド11としてもよい(図4(c)参照)。
(第一実施形態の作用効果)
以上のような第一実施形態によるマスクブランクス1及び当該マスクブランクス1を用いたパターン形成方法は、以下に述べる作用効果を奏する。
第一実施形態によれば、基板2へのパターン形成を行うのにあたり、レジストパターン4をマスクにして第二層6に対するエッチングを行い、次いで第二層6をマスクにして第一層5に対するエッチングを行い、その後第一層5をマスクにして基板2に対するエッチングを行う。つまり、第一〜第三エッチングによる段階的なエッチング加工を経て、基板2へのパターン形成を行う。
このような段階的なエッチング加工を経る場合において、少なくとも第一層5に対するエッチングが行われている間、すなわち第二エッチングの間は、第二層6が第一層5のマスクとして機能し続けていることになる。したがって、例えばレジストとCrNのエッチング選択比が不足し、レジストパターン4に対する第一層5のエッチング選択比が十分に得られないおそれがあっても、第二層6を介在させることで、当該第二層6にパターンさえ得られれば、第一層5へのパターン形成が可能になる。これにより、エッチング選択比の不足による部分的なマスク消失の発生を未然に回避することができ、形成すべきパターンの狭ピッチ化が進展する状況下においても、微細パターンを高精度で形成することができるようになる。
また、第一実施形態によれば、第一〜第三エッチングによる段階的なエッチング加工を経る場合において、レジストパターン4に対する第一層5のエッチング選択比に比べて、第二層6に対する第一層5のエッチング選択比が高選択比となっている。したがって、第二層6を介さずにレジストパターン4だけで第一層5に対するエッチングを行う場合に比べると、高選択比ゆえに、マスクとなる第二層6がエッチングによりダメージを受けてしまうのを抑制することができ、その結果として基板2に対して高精細な所望パターンを高精度に形成することができる。また、高選択比ゆえに、レジストパターン4だけで第一層5に対するエッチングを行う場合に比べて、当該第一層5を厚くすることができる。したがって、例えば基板2に溝パターンを形成する場合に、当該溝パターンを深く掘ることができる。
なお、エッチングによる部分的なマスク消失の発生を防止するためには、マスクとなる層の膜厚を厚く形成することも考えられる。しかしながら、ハードマスク層3を構成する各層についても、またハードマスク層3上に形成するレジスト層についても、その厚膜化には限界がある。さらに、形成すべきパターンの狭ピッチ化が進展する状況下では、マスクとなる層の薄膜化が求められている。これらのことを考慮すると、部分的なマスク消失については、マスクの膜厚調整で対処するよりも、第一実施形態で説明したように、ハードマスク層3を構成する第一層5及び第二層6について、段階的なエッチング加工を経るとともに、エッチング選択比の観点から第一層5及び第二層6の形成材料の選定を行うことが、非常に有効であると考えられる。
また、第一実施形態では、段階的なエッチング加工を経る場合に、フッ素系ガスを含むガスによるドライエッチングにて、第二層6に対する第一エッチングを行う。したがって、例えば第二層6上にレジストパターン4のスカムが存在する場合であっても、フッ素系ガスのドライエッチングによって、第二層6の不要部分とスカムとが合わせて除去されることになり、処理の迅速化が実現可能となる。
さらに、第一実施形態では、段階的なエッチング加工を経る場合に、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングにて、第一層5に対する第二エッチングを行う。これは、第二エッチングでは、第一層5の不要部分のみをエッチング対象とすることから、CrNの除去に好適なCl/Oガスを使用可能であることによる。したがって、第一層5の厚膜化を通じて、基板2に対する溝加工深さの増大が実現可能となる。
[3−2.第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。ただし、ここでは、第一実施形態との違いを説明する。つまり、特に説明なき事項については、第一実施形態の場合と同様であるものとする。
第二実施形態では、主として、第二層6の形成材料と、当該第二層6に対して行う第一エッチングとについて説明する。
(第二層の形成材料)
第二層6は、アルカリ溶液で溶解する材料によって形成されている。ただし、当該材料は、レジストパターン4を構成するレジスト材料(有機レジスト)との間で、当該レジストパターン4をマスクにして第二層6に対するエッチングができる程度の選択比が確保されているものとする。なお、第一層5とのエッチング選択比に関しては、第一実施形態の場合と同様である。
このような第二層6の形成材料の具体例としては、低濃度アルカリ溶液で溶解するWOxまたはMOxのいずれかが挙げられる。ただし、これらの形成材料に限定されることはなく、必要となるエッチング選択比が得られつつ、アルカリ溶液で溶解する材料であれば、他の材料を用いても構わない。他の材料としては、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ge、Se、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Sb、Te、Hf、Ir、Pt、W、Au、Biのうちの少なくとも1つ以上の元素と、酸素または窒素との組合せから構成されるものが挙げられる。また、これらの無機レジスト以外であっても、感光性樹脂組成物レジストを用いてもよい。この感光性樹脂組成物は、高分子化合物、光重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有するものであり、具体的な高分子化合物としては、露光前、あるいは露光によるパターニングが失敗した場合に、アルカリ性溶液でパターンの除去が可能であるという点や、基材との密着性などの点、さらにはアルカリ溶液による残渣除去の点から、側鎖にカルボキシル基を有する単量体とアクリル系単量体とを共重合していることが好ましい。側鎖にカルボキシル基を有する単量体とは、例えば、アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステルが挙げられる。
以下の説明では、第二層6の形成材料として、WOxを用いる場合を例に挙げる。
(第一エッチング)
第一エッチングでは、レジストパターン4をマスクにして、第二層6に対するエッチングを行う。このとき、第二層6は、アルカリ溶液で溶解する材料によって形成されている。したがって、第二層6については、当該第二層6とレジストパターン4との選択比が必要十分であることを条件に、アルカリ溶液を現像液として用いた解像が可能となる。このことから、第一エッチングでは、第二層6について、第一実施形態で説明したドライエッチングではなく、アルカリ溶液を現像液として用いたウエットエッチングによるパターン解像を行う。
第一エッチングとしてのウエットエッチングは、レジストパターン4が形成されたマスクブランクス1を、ウエットエッチング装置に導入することで行う。詳しくは、アルカリ溶液で満たした容器を備えるウエットエッチング装置を用い、その容器内にマスクブランクス1を浸漬させることで行えばよい。アルカリ溶液としては、例えば2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)系の現像液を用いることが考えられる。ただし、これに限定されることはなく、第二層6の形成材料を溶解可能なものであれば、他のアルカリ溶液を用いてもよい。他のアルカリ溶液としては、例えば水酸化カリウム(KOH)水溶液が挙げられる。
(第二実施形態の作用効果)
以上のような第二実施形態によるマスクブランクス1及び当該マスクブランクス1を用いたパターン形成方法は、以下に述べる作用効果を奏する。
第二実施形態によれば、第二層6がアルカリ溶液で溶解可能なため、当該第二層6についてアルカリ溶液を現像液として用いた解像が可能となる。つまり、第二層6に対して行う第一エッチングついて、ドライエッチングではなく、アルカリ溶液を現像液として用いたウエットエッチングによるパターン解像が行えることになる。
第一エッチングをウエットエッチングによって行えば、ドライエッチングの場合に比べて、第二層6のパターン解像時にレジストパターン4がパターン角部の丸まり発生等のダメージを受けてしまうのを抑制することができる。ドライエッチングの場合はマスクとなるレジストパターン4にも浸食が生じるが、ウエットエッチングによれば、レジストパターン4は有機溶剤等を現像液として用いて解像するものであり、第二層6の現像液として用いるアルカリ溶液には耐性を有しているからである。したがって、第一エッチングをウエットエッチングによって行えば、レジストパターン4のダメージ抑制が可能となり、その結果として基板2に対して高精細な所望パターンを高精度に形成することが実現可能となる。このことは、特に狭ピッチのパターン形成時に顕著な利点となる。狭ピッチの場合、マスクダメージが形成パターンに与える影響が大きくなるからである。
さらに、第一エッチングをウエットエッチングによって行えば、現像工程だけで、レジストパターン4の形成のみならず、第二層6のパターン形成まで行えるようになる。したがって、レジストパターン4の形成から第二層6に対する第一エッチングまでの処理について、その迅速化が実現可能となる。
ところで、第一エッチングをウエットエッチングによって行う場合に、レジストパターン4は、ネガ型レジスト層から形成されたものであることが好ましい。その場合、第二層6は、ネガ型レジスト層から形成されたレジストパターン4をマスクにして、ウエットエッチングが行われる層となる。このように、ネガ型レジスト層から形成されたレジストパターン4を用いれば、第二層6に対する第一エッチングの際に、当該第二層6と当該レジストパターン4とのエッチング選択比を十分に確保することができる。ネガ型レジストの場合、パターンとして残っている部分がエッチングされず、既に説明したエッチング選択比の式において、その分母が「0」に近くなるからである。
ただし、レジストパターン4は、ネガ型レジスト層から形成されたものに限定されることはなく、ポジ型レジスト層(例えば、電子線描画用レジスト)から形成されたものであってもよい。ポジ型レジスト層から形成されたものであっても、有機溶剤等とアルカリ溶液とに対する耐性の違いにより、第一エッチングをウエットエッチングで行うのに必要なエッチング選択比を得られると考えられる。
[3−3.第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。ここでも、第一実施形態または第二実施形態との違いを説明し、特に説明なき事項については第一実施形態または第二実施形態の場合と同様とする。第三実施形態では、主として、第二層6の形成材料について説明する。
(第二層の形成材料)
従来、インプリントモールド等のマスクブランクとしては、既に説明したように、CrN/TaHfの積層膜よりなる薄膜が、石英等の基板上に形成されたものがある(例えば、特許文献1,2参照。)。このような従来構成のマスクブランクにおいて、基板に対するエッチングを終了した後にCrN/TaHfの積層膜を剥離除去する場合は、当該積層膜に対するパターンエッチングと同様に、塩素系ガスを用いたドライエッチング処理を行うことが考えられる。ところが、積層膜を構成するTaHf膜は、非常に酸化し易い材料である。そのため、ドライエッチング装置のチャンバ雰囲気や積層膜の酸化状態の程度等によっては、積層膜の剥離除去が正常に行えず、当該積層膜の残渣が発生するおそれがある。
このことから、第三実施形態では、基板2上を覆うハードマスク層3における第二層6が、以下に述べるように構成されている。すなわち、第二層6は、第一層5をマスクにした基板2に対する第三エッチング中に、当該第三エッチングによって除去される材料で形成されている。
このような第二層6の形成材料の具体例としては、基板2が石英基板であり、第一層5がクロム化合物であるCrNからなり、第三エッチングをフッ素系ガスによるドライエッチングにて行う場合であれば、WOx、Si、SiOまたはMOxのいずれかが挙げられる。ただし、第二層6の形成材料は、WOx等以外であっても、第三エッチング中に当該第三エッチングによって除去される材料であればよく、例えばTi、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ge、Se、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Sb、Te、Hf、Ir、Pt、W、Au、Biのうちの少なくとも1つ以上の元素と、酸素または窒素との組合せから構成されたものを用いてもよい。なお、以上に挙げた形成材料の具体例のうち、第二実施形態で説明したアルカリ溶液で溶解する材料については、当該第二実施形態で説明したように第一エッチングをウエットエッチングによって行うことも可能になる。以下の説明では、WOxを用いる場合を例に挙げる。
(第三実施形態の作用効果)
以上のような第三実施形態によるマスクブランクス1及び当該マスクブランクス1を用いたパターン形成方法は、以下に述べる作用効果を奏する。
第三実施形態によれば、第一〜第三エッチングによる段階的なエッチング加工を経る場合において、第一層5をマスクにした基板2に対する第三エッチング中に第二層6が除去される。つまり、基板2に対する第三エッチングを終了すると、第二層6が既に除去されていることになる。したがって、第二層6の除去が容易に行えるようになるとともに、当該第二層6の形成材料が残渣となるのを防ぐことができる。
また、第三実施形態によれば、第三エッチングの終了後は、基板2上に第一層5の形成材料が残存していても、第二層6の形成材料は除去されて残存していない。そのため、第一層5の形成材料を除去するのにあたり、当該除去に有用な手法を用いることができる。例えば、第一層5の形成材料がCrNであれば、当該CrNのみに対して有用となる選択的な薬液除去を行うことが可能となる。さらに具体的には、ドライエッチングよりも工程が容易であって基板2上のCrNの残渣をより取り除くことができるウエットエッチングを行うことにより、当該基板2直上の残存材料を除去できる。したがって、第二層6の形成材料のみならず、第一層5の形成材料についても、残渣が発生するのを容易に防ぐことができる。
このように、第三実施形態は、第一層5及び第二層6のいずれについても、残渣発生を防止するのに有用である。つまり、第一層5または第二層6の酸化状態の程度等に因らずに、これらの積層膜の剥離除去を正常に行うことができる。このことは、当該積層膜について酸化被膜の形成が許容されることを意味する。そのため、マスクとしての第一層5または第二層6の耐久性を向上させるために、当該酸化被膜を利用するようにしても構わない。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。本明細書中に明示的に記載されているか否か、または示唆されているか否かにかかわらず、いわゆる当業者にとって自明な事項であれば、本明細書の開示内容に基づいて本発明の実施形態に改変を加えて実施してもよい。
次に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明が、以下の実施例に限定されないことは勿論である。
<実施例>
本実施例においては、基板2として円盤状合成石英基板(外径150mm、厚み0.7mm)を用いた(図2(a)参照)。この基板(以下「石英基板」という。)2をスパッタリング装置に導入した。
そして、大気暴露は行わず、クロムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングし、CrN(Cr:N=35:65原子比)からなる第一層(以下「CrN層」という。)5を3nmの厚みで成膜した(図2(a)参照)。
その後、タングステンターゲットをスパッタガスおよび酸素ガスを用いた反応性スパッタ法でスパッタリングし、酸化タングステン(WOx)からなる第二層(以下「WOx層」という。)6を3nmの厚みで成膜した(図2(a)参照)。
CrN層5とWOx層6とが積層されてなるハードマスク層3の形成後、そのハードマスク層3上に、電子線描画用のレジスト層(日本ゼオン社製ZEP520A)をスピンコートにより45nmの厚みに塗布し、ベーク処理を行った。
次いで、電子線描画機(加圧電圧100kV)を用いて、ハードマスク層3上におけるレジスト層に、ライン30nmかつスペース60nmの周期構造のラインアンドスペースパターンを描画した後、レジスト層を現像して微細パターンに対応するレジストパターン4を形成した(図2(a)参照)。
次いで、レジストパターン4を有するハードマスク層3が形成された石英基板2をドライエッチング装置に導入し、CHF/Oガスを用いたドライエッチング(CHF:O=8:1(体積比))を行った。これにより、ハードマスク層3におけるWOx層6の不要部分を除去し、当該WOx層6に対して微細パターンを形成した(図2(b)参照)。
そして、濃硫酸と過酸化水素水からなる硫酸過水(濃硫酸:過酸化水素水=2:1(体積比))を用いてレジストパターン4を除去した。
続いて、WOx層6に対するドライエッチングで用いられたガスを真空排気した後、同じエッチング装置内で、残存するWOx層6をマスクとしながら、Cl/Oガスを用いたドライエッチングを行った。これにより、ハードマスク層3におけるCrN層5の不要部分を除去し、当該CrN層5に対して微細パターンを形成した(図2(c)参照)。
さらに、CrN層5に対するドライエッチングで用いられたガスを真空排気した後、同じエッチング装置内で、残存するCrN層5をマスクとしながら、フッ素系ガスを用いたドライエッチング(CHF:Ar=1:9(体積比))を、石英基板2に対して行った。ここでは、残存するCrN層5をマスクとして石英基板2をエッチング加工し、微細パターンに対応した溝を当該石英基板2に形成した(図2(d)参照)。このドライエッチングにより、CrN層5上に残存するWOx層6についても除去した。
このようにして石英基板2に溝加工がなされた後、当該石英基板2上に残存するCrN層5に対して、硝酸第二アンモニウムセリウムを用いたウエットエッチングを行った。
以上の工程を経て、適宜洗浄処理や乾燥処理等を行い、本実施例におけるインプリントモールドを作成した。
<評価>
上述の実施例について、石英基板上の各層のエッチング選択比を調査するとともに、走査型電子顕微鏡を用いて石英基板における形成パターンを観察した。
実施例におけるWOx層6とCrN層5について、WOxに対するCrNのエッチング選択比=1〜10程度である。これは、レジストに対するCrNのエッチング選択比が1/10=0.1程度であることから、これに比べると高選択比に相当する。
また、実施例における石英基板2の形成パターンについては、走査型電子顕微鏡観察の結果、パターン欠陥が発生しておらず、微細パターンが高精度に形成されていることがわかった。
1…マスクブランクス、2…基板、3…ハードマスク層、4…レジストパターン、5…第一層(CrN層)、6…第二層(WOx層)、7,11…インプリントモールド

Claims (18)

  1. 基板上にハードマスク層を有するマスクブランクスにおいて、
    前記ハードマスク層は、前記基板の側から第一層と第二層とが配される積層構造を有しており、
    前記第一層は、前記基板に対してエッチングを行う際に当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写するためのマスクとなる層であり、
    前記第二層は、前記第一層に対してエッチングを行う際に当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写するためのマスクとなるとともに、前記ハードマスク層上に形成されるレジストパターンをマスクにしてエッチングが行われる層であり、
    前記第一層に対するエッチングの間は前記第二層が当該第一層のマスクとして機能するエッチング選択比を有した材料によって当該第二層が形成されている
    ことを特徴とするマスクブランクス。
  2. 基板上にハードマスク層を有するマスクブランクスにおいて、
    前記ハードマスク層は、前記基板の側から第一層と第二層とが配される積層構造を有しており、
    前記第一層は、前記基板に対してエッチングを行う際に当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写するためのマスクとなる層であり、
    前記第二層は、前記第一層に対してエッチングを行う際に当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写するためのマスクとなるとともに、前記ハードマスク層上に形成されるレジストパターンをマスクにしてエッチングが行われる層であり、
    前記レジストパターンに対する前記第一層のエッチング選択比よりも前記第二層に対する前記第一層のエッチング選択比が高い材料によって当該第二層が形成されている
    ことを特徴とするマスクブランクス。
  3. 前記第一層は、クロム化合物からなり、
    前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマスクブランクス。
  4. 前記第二層は、アルカリ溶液で溶解する材料によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマスクブランクス。
  5. 前記第二層は、ネガ型レジスト層から形成されたレジストパターンをマスクにしてウエットエッチングが行われる層である
    ことを特徴とする請求項4記載のマスクブランクス。
  6. 前記第二層は、酸化タングステンまたは酸化モリブデンのいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項4または5記載のマスクブランクス。
  7. 前記第二層は、前記第一層をマスクにした前記基板に対するエッチング中に当該エッチングによって除去される材料で形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマスクブランクス。
  8. 前記基板は、石英基板であり、
    前記第一層は、クロム化合物からなり、
    前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項7記載のマスクブランクス。
  9. 前記第二層は、前記第一層をマスクにした前記基板に対するエッチング中に当該エッチングによって除去される材料で形成されている
    ことを特徴とする請求項4または5記載のマスクブランクス。
  10. 前記基板は、石英基板であり、
    前記第一層は、クロム化合物からなり、
    前記第二層は、酸化タングステンまたは酸化モリブデンのいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項9記載のマスクブランクス。
  11. 基板上にハードマスク層を構成する第一層を形成する工程と、
    前記第一層上に前記ハードマスク層を構成する第二層を形成する工程と、
    前記第一層及び前記第二層を有して構成された前記ハードマスク層上にレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層に対するパターニングを行って所望パターンに対応するレジストパターンを得る工程と、
    前記レジストパターンをマスクにして前記第二層に対するエッチングを行う工程と、
    エッチング後の前記第二層をマスクにして前記第一層に対するエッチングを行い当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写する工程と、
    エッチング後の前記第一層をマスクにして前記基板に対するエッチングを行い当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写して当該基板への前記所望パターンの形成を行う工程とを有し、
    前記第二層の形成材料として、前記第一層に対するエッチングの間は前記第二層が当該第一層のマスクとして機能するエッチング選択比を有した材料を用いる
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  12. 基板上にハードマスク層を構成する第一層を形成する工程と、
    前記第一層上に前記ハードマスク層を構成する第二層を形成する工程と、
    前記第一層及び前記第二層を有して構成された前記ハードマスク層上にレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層に対するパターニングを行って所望パターンに対応するレジストパターンを得る工程と、
    前記レジストパターンをマスクにして前記第二層に対するエッチングを行う工程と、
    エッチング後の前記第二層をマスクにして前記第一層に対するエッチングを行い当該第二層自体が有するパターンを当該第一層に転写する工程と、
    エッチング後の前記第一層をマスクにして前記基板に対するエッチングを行い当該第一層自体が有するパターンを当該基板に転写して当該基板への前記所望パターンの形成を行う工程とを有し、
    前記第二層の形成材料として、前記レジストパターンに対する前記第一層のエッチング選択比よりも当該第二層に対する前記第一層のエッチング選択比が高い材料を用いる
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  13. 前記第一層は、クロム化合物からなり、
    前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなり、
    前記第二層に対するエッチングを、フッ素系ガスを含むガスによるドライエッチングにて行う
    ことを特徴とする請求項11または12記載のパターン形成方法。
  14. 前記第一層は、クロム化合物からなり、
    前記第二層は、酸化タングステン、ケイ素、二酸化ケイ素または酸化モリブデンのいずれかからなり、
    前記第一層に対するエッチングを、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングにて行う
    ことを特徴とする請求項11または12記載のパターン形成方法。
  15. 前記第二層の形成材料として、アルカリ溶液で溶解する材料を用い、
    前記第二層に対するエッチングを、前記アルカリ溶液を含む現像液によるウエットエッチングにて行う
    ことを特徴とする請求項11または12記載のパターン形成方法。
  16. 前記レジスト層に対するパターニングを、当該レジスト層への電子線露光によるパターン描画及び描画されたパターンの現像によって行う
    ことを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  17. 前記レジスト層に対するパターニングを、ナノインプリント用原盤であるインプリントモールドからのパターン転写によって行う
    ことを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  18. 請求項16または17記載のパターン形成方法を用いて前記基板へのパターン形成を行い、ナノインプリント用原盤となるモールドを得る
    ことを特徴とするモールドの製造方法。
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