JP3238550B2 - 構造体の欠陥修正方法 - Google Patents

構造体の欠陥修正方法

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JP3238550B2 JP27449193A JP27449193A JP3238550B2 JP 3238550 B2 JP3238550 B2 JP 3238550B2 JP 27449193 A JP27449193 A JP 27449193A JP 27449193 A JP27449193 A JP 27449193A JP 3238550 B2 JP3238550 B2 JP 3238550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造体の凸状欠陥や凹
状欠陥を修正するための方法に係わり、特に位相シフト
マスクの欠陥修正に適した構造体の欠陥修正方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIのパターンをウェハ上に転
写するためのマスクとして、位相シフト効果を利用して
解像度の向上を図った位相シフトマスクが用いられてい
る。このような位相シフトマスクでは、シフタに欠陥が
存在すると、良好なパターン転写を行えないので、欠陥
が発生したときにそれを確実に修正する必要がある。
【0003】位相シフトマスクのシフタに凸状欠陥が存
在する場合、欠陥に集束イオンビーム(以下、FIBと
省略する)を照射することにより凸状欠陥をエッチング
して欠陥を修正する方法が提案されている。しかし、位
相シフタとマスク基板とが同じ材料であることが多いた
め、この方法では凸状欠陥のエッチングの終点を検出す
ることが難しい。また、凸状欠陥のみをエッチングする
ことは極めて困難であり、さらに凸状欠陥のみをエッチ
ングできたとしても、エッチング後のシフタの形状が凸
状欠陥の形状に依存してしまう。
【0004】これを解決するために、膜の上面が平坦に
なるように凸状欠陥上を堆積膜で覆い、凸状欠陥と堆積
膜が同じエッチングレートとなる条件でFIBで凸状欠
陥を含む堆積膜をエッチングして、堆積膜と共に凸状欠
陥を除去するという方法が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、FIB
を用いたアシストデポジションの場合、堆積膜の種類に
よっては、凸状欠陥を覆う際に膜の上面を平坦に形成す
ることは困難である。ある程度まで堆積膜の膜厚を上げ
ていくと凸状欠陥のエッジを覆う部分の堆積膜の段差は
小さくなるが、それよりも厚い膜を形成しても堆積膜の
段差は零となりにくい。そして、段差のある膜をエッチ
ングすると、エッチング後の形状がその段差の形状に依
存し、凸状欠陥を除去して平坦にすることが困難とな
る。
【0006】一方、凹状欠陥の修正においても、埋込部
分の表面を他のシフタ表面と同一平面にして修正するこ
とは極めて困難である。
【0007】このように従来、位相シフトマスクの欠陥
を修正するのにFIBを用いることが考えられるが、欠
陥上に堆積膜を平坦に形成するのが困難であることか
ら、欠陥を基板表面に合わせて平坦に修正することは困
難である。
【0008】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、凸状欠陥或いは凹状欠
陥のいずれであっても基板表面に合わせて平坦に修正す
ることのできる構造体の欠陥修正方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、次のような構成を採用している。
【0010】即ち、本発明の第1の発明は、基板上に所
望のパターンを形成した構造体に生じた凸状欠陥を修正
する構造体の欠陥修正方法であって、前記凸状欠陥の周
囲にもしくは前記凸状欠陥に近接するように前記基板上
に該基板と異なる材料からなる第1の薄膜を形成する工
程、前記凸状欠陥及び第1の薄膜上に第2の薄膜を形成
してその上面を平坦にする工程、前記凸状欠陥とその上
部及び周辺の各薄膜とを荷電粒子線を用いて同時に除去
する工程、並びにこの除去工程で残った各薄膜を除去す
る工程を具備することを特徴とする構造体の欠陥修正方
法を提供する。
【0011】また、本発明の第2の発明は、基板上に所
望のパターンを形成した構造体に生じた凹状欠陥を修正
する構造体の欠陥修正方法であって、前記凹状欠陥に埋
込み材料を埋込むと共に基板表面から突出した突出部を
形成する工程、前記突出部を含む領域を前記基板と異な
る材料からなる平坦化膜で覆い、その上面を平坦にする
工程、前記突出部及びその周辺の前記平坦化膜を荷電粒
子線を用いて同時に除去する工程、並びにこの除去工程
で残った前記平坦化膜を除去する工程を具備することを
特徴とする構造体の欠陥修正方法を提供する。
【0012】ここで、第2の発明における平坦化膜は、
第1の発明のように第1及び第2の薄膜の積層構造とし
てもよい。
【0013】また、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものが挙げられる。
【0014】(1) 第1及び第2の薄膜はFIBでアシス
トデポジションされた炭素を含む物質からなること。こ
のアシストデポジションは、炭化水素系のガスを用いて
行うこと。この炭化水素系のガスがメタクリル酸メチル
ガス、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンガス、ま
たはイソプレンガスであること。
【0015】(2) 第1及び第2の薄膜はFIBでアシス
トデポジションされたタングステンを含む物質からなる
こと。このアシストデポジションは、W(CO)6 又は
WF6を用いて行うこと。
【0016】(3) 平坦化膜は、感光性樹脂、又は荷電粒
子により架橋或いは分解する樹脂からなること。
【0017】(4) 同時除去工程において、凸状欠陥或い
は突出部と第1及び第2の薄膜を、加工条件の制御によ
って同一加工レートで除去すること。
【0018】(5) 同時除去工程において、凸状欠陥或い
は突出部と第1及び第2の薄膜を、FIBのスパッタ及
び/又は荷電粒子のアシストエッチングで除去するこ
と。このアシストエッチングは、XeF2 ガス及び/又
は酸素元素を含むガスを用いて行うこと。酸素元素含む
ガスがO2 或いはオゾン或いはN2 Oであること。
【0019】(6) 同時除去工程において、凸状欠陥或い
は突出部と第1及び第2の薄膜の加工終点を、両者から
放出される2次粒子を計測することで判定すること。
【0020】(7) 同時除去工程で残った第1及び第2の
薄膜を、レーザ光を用いた熱エッチング、O3 或いはO
2 雰囲気でのレーザ光を用いた反応性エッチング、O2
プラズマアッシャ、CF4 、H2 、H2 O、N2 、N2
O、およびNOのうち少なくとも一つをO2 ガスに添加
したケミカルドライエッチング(以下、CDEと省略す
る)、水素ガスまたは水素原子を分子中に含むガスを用
いたCDE又はRIE、又はO3 或いはO2 を用いたF
IBアシストエッチングで除去すること。
【0021】(8) 同時除去工程で残存した感光性樹脂又
は荷電粒子により架橋あるいは分解する樹脂を剥離液を
用いて除去すること。
【0022】(9) 荷電粒子線を用いた除去工程の後、基
板表面のダメージ層を除去すること。 (10) 荷電粒子線を用いた除去工程の後、基板表面のダ
メージ層を、少なくともXeF2 を含むガスを用いたア
シストエッチング又はレーザ光を用いた熱エッチングで
除去すること。
【0023】(11)埋込み材料は基板と同一材料であるこ
と。
【0024】(12)埋込み材料は光学特性、特に透過率及
び屈折率が基板材料と一致すること。 (13)凹状欠陥の埋込みは2段階以上に分けて行うこと。
【0025】(14)凹状欠陥の埋込みは荷電粒子線(FI
B又は電子ビーム)を用いたアシストデポジションで行
うこと。
【0026】(15)凹状欠陥の埋込みのためのアシストデ
ポジションにおけるSi−O結合及び/又はSi−H結
合を持ったガスが1,3,5,7−テトラメチルシクロ
テトラシロキサンであること。酸素元素を含むガスが酸
素或いはオゾン或いはN2 Oであること。FIBがGa
ビーム又はSiビームであること。
【0027】(16)凹状欠陥の埋込みのためのアシストデ
ポジションには、Si−N結合及び/又はSi−H結合
を持ったガス及び窒素を主成分とするガスを使ったこ
と。この窒素元素を含むガスが窒素或いはアンモニアで
あること。
【0028】
【作用】本発明における凸状欠陥修正プロセスの特徴
は、凸状欠陥上に平坦な膜を形成し、堆積膜と凸状欠陥
を同時に、同一エッチングレートになるFIBの加工条
件で、エッチング除去すること、及びその際に堆積膜と
凸状欠陥から放出される2次イオンの比の変極点を検出
することにより加工の終点を判定しようとすることにあ
る。
【0029】ここで、凸状欠陥上に形成する膜が平坦で
ないと、両者を同時にエッチングした後の表面形状が堆
積膜形状に依存し、凸状欠陥を平坦に修正できないとい
う問題が発生する。そこで本発明では、凸状欠陥上に膜
を形成する際、凸状欠陥を覆う膜の上面を平坦にし易く
するために、まず凸状欠陥から所望の間隔を開けて第1
の薄膜を形成し、さらに凸状欠陥と第1の薄膜を覆うよ
うに第2の薄膜を形成するという、2段階の薄膜形成を
行う。
【0030】また、本発明における凹状欠陥修正プロセ
スの特徴は、凹状欠陥の形状に応じて埋込材料を僅かに
欠陥よりも突出させて堆積させ、その後に上記の凸状欠
陥修正プロセスを適用できるようにしたことにある。
【0031】このように本発明による欠陥修正プロセス
を適用すれば、凸状欠陥或いは凹状欠陥のいずれであっ
ても基板表面に合わせて平坦に修正することができ、位
相シフトマスク等の欠陥修正に極めて有効である。
【0032】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示の実施例によって
説明する。
【0033】(実施例1)第1の実施例では、位相シフ
トマスクのマスク基板上に生じたシリコン酸化物の凸状
欠陥を修正する方法について説明する。
【0034】凸状欠陥修正プロセスの特徴は、FIB装
置を用いて凸状欠陥上に平坦な膜を形成し、堆積膜と凸
状欠陥を同時に、同一エッチングレートになるFIBの
加工条件でエッチング除去すること、及びその際に堆積
膜と凸状欠陥から放出される2次イオンの比の変極点を
検出することにより加工の終点を判定しようとすること
にある。従って、凸状欠陥上に形成する膜が平坦でない
と両者を同時にエッチングした後の表面形状が、堆積膜
形状に依存し、凸状欠陥を平坦に修正できないという問
題が発生してしまうため、このプロセスでは平坦化膜の
形成が最も重要となる。
【0035】図1に、本実施例方法に使用したFIB装
置の概略構成を示す。この装置は周知の構成であり、1
はイオン源、2は拡大レンズ、3は質量分離機構、4は
偏向器、5は対物レンズ、6はチャージニュートライ
ザ、7は2次イオン検出器、8は試料、9は試料ステー
ジ、11はガスボンベ、12は静電容量型圧力計(バラ
トロン)、13はノズルをそれぞれ示している。
【0036】図2及び図3は、石英基板101上に形成
された位相シフタの凸状欠陥102を修正するためのプ
ロセスフローであり、図2(A)及び図3(A)は断面
図を、図2(B)及び図3(B)は平面図を示してい
る。
【0037】図2(A1 ),図2(B1 )に示すよう
に、位相シフトマスクは、例えば石英基板101上にシ
リコン酸化物からなる位相シフタパターン103を形成
したシフタエッジ利用型位相シフトマスクである。位相
を反転するための位相シフタの膜厚tは、露光光源の波
長をλ,屈折率をnとすると、t=λ/{2(n−
1)}の奇数倍で表わされる。ここでは、KrFを光源
とし(λ=248nm )、位相シフタをシリコン酸化膜(n
=1.508 )としたため、t=244nm となる。
【0038】まず、一般的な欠陥検査装置を使って求め
られた欠陥の大きさ,形状(凸か凹か),位置などの情
報をもとに、図1に示すFIB装置を用いて修正すべき
欠陥を認識する。これにより、凸状欠陥102が認識さ
れたとする。
【0039】欠陥が確認された後、図2(A2 ),図2
(B2 )に示すように、凸状欠陥102の周りに僅かな
間隔をあけて第1の薄膜104をドーナツ状に欠陥10
2と同じ高さまで堆積させる。この堆積膜104は、例
えば室温(25℃)で20keVに加速されたGaFI
Bでピレンガスを分解して炭素(C)を堆積させるアシ
ストデポジションにより形成する。ここで、第1の堆積
膜104は最終的に除去する必要があるため、基板10
1との選択比が十分大きいことが必須である。
【0040】次いで、図2(A3 ),図2(B3 )に示
すように、凸状欠陥102と第1の堆積膜104を覆う
領域に第2の堆積膜105を形成する。この第2の堆積
膜105の形成は、第1の堆積膜104の形成と同様に
アシストデポジションにて行う。
【0041】ここで、凸状欠陥102と第1の堆積膜1
04との間隔xと、第2の堆積膜105を厚さ1.0μ
mで形成した際に生じる表面の凹みの深さyとの間に
は、図4に示すような関係がある。即ち、xが小さくな
るほどyが小さくなる。これは、イオンビームとガスを
用いたアシストデポジションでは、狭い溝の内部で多重
散乱したイオン及び2次電子により堆積が進むため、凸
状欠陥102や第1の堆積膜104上より溝の内部のほ
うが成膜速度が速くなり、yが小さくなって平坦な膜が
得られ得るためである。なお、上述した2段階の炭素膜
堆積法は、凸状欠陥が小さい場合や修正すべき欠陥の近
傍にパターンが接近している場合には、1段階の炭素膜
の形成を行うだけでもよい。
【0042】次いで、図3(A4 ),図3(B4 )に示
すように、このようにして形成された平坦な膜(10
4,105)と凸状欠陥102とを、同時に同一レート
でエッチバック(平坦化して平坦化膜とエッチング対象
物を同時にエッチングする)する。例えば、上述した2
0keVのGaFIBとピレンガスで形成した炭素膜1
04,105とシリコン酸化膜からなる凸状欠陥102
とを室温でGaFIBでスパッタエッチングする際に
は、図5に示すようにC/SiO2 のエッチングレート
比はGaFIBの加速電圧に依存して変化し、約30k
VでC/SiO2 のエッチレート比は約1となる。従っ
て、この条件で細く絞ったビーム106を使って凸状欠
陥102より僅かに大きい領域をラスタ走査して炭素と
SiO2 を同時に、同一エッチングレートで削り取るこ
とができる。
【0043】この加工の際に発生する炭素とSiの2次
イオンの比を質量分析計107を使って計測しておく
と、ビーム走査領域内で凸状欠陥102の周囲の炭素が
消失した瞬間にC/Siの2次イオン比が大きく変化す
るため、凸状欠陥102が基板101表面と同じ高さま
で削られたことが判定できる。また、C/Siの2次イ
オン比の代わりに、C/Oの2次イオン比を使って終点
を判定することも可能である。このような2次イオンの
計測を使ってプロセスの終点を判定する方法は、例えば
特開昭58−106750号公報に開示されている。ま
た、二次電子を検出することによっても炭素とSiO2
との界面の判別が可能である。
【0044】しかしながら、GaFIBによるスパッタ
リングでは、スパッタリングされた基板101表面に深
さ15nm程度のダメージ層108が残り、露光に使用す
る光の透過率を低下させる。このため、凸状欠陥102
の除去が完了後、例えば、XeF2 ガスとGaFIBを
用いて、室温で図3(A5 ),図3(B5 )に示すよう
に前記ダメージ層108をアシストエッチングする。こ
のガスを用いたアシストエッチングではダメージ層がで
きないため、ダメージ層108の除去が可能となる。試
料温度を室温よりも低くすると、ガスの吸着が進みエッ
チングがより効果的にできる。なお、この加工によって
約15nmの凹みができることになるが、この程度の凹み
ではウェハに転写されないし、周囲のパターンにも影響
を与えない。なお、GaFIBの代わりに電子ビームを
用いても同様にアシストエッチングができる。
【0045】最後に、図3(A6 ),図3(B6 )に示
すように、凸状欠陥除去の際に周囲に残った炭素をO2
プラズマアッシャによって除去する。例えば、O2 ガス
をチャンバ内が0.9Torrになるように流し、高周波電
力500Wを印加することによりアッシングを行うと、
ダメージなく炭素の除去が行える。炭素の除去は、O2
プラズマアッシャのみならず、O2 ガス又はCF4 を添
加したO2 ガスを使ったCDEでも行うことが可能であ
る。さらに、基板温度を150〜400℃に保つことに
より効果的である。さらに、O2 又はO3 雰囲気中での
レーザ光照射又はFIB照射によってもこの除去が可能
である。
【0046】なお、残存する炭素の除去は全ての欠陥の
修正が終了した後に一括で行えばより効率的である。ま
た、最後の2工程、即ち炭素除去工程とダメージ除去工
程は順序を入れ替えることも可能である。
【0047】ここで、上記修正プロセスを用いて凸状欠
陥を修正した際に基板表面に形成される段差について述
べておくことにする。修正によってできる段差は平坦化
膜の凹み量yとダメージ層除去できる凹み量Dyとの和
に、平坦化膜と欠陥とのエッチングレートの差によって
形成される凸或いは凹の段差Deが足された量になる。
従って、このようにしてできた段差は当然、転写パター
ンに許される線幅変動分を発生させる段差以下に抑えな
ければならない。
【0048】レベンソン型の位相シフトマスクを例にと
ると、最小解像寸法の10%を許容値とすれば、波長2
48nm、最小寸法0.25μm、ステッパのNA=0.
45、露光波長の可干渉性を示すコヒーレンスファクタ
σ=0.3の場合で約40nm、波長365nm、最小寸法
0.35μm、ステッパのNA=0.46、露光波長の
可干渉性を示すコヒーレンスファクタσ=0.3の場合
で約80nmとなる。即ち、これらの段差量以下になれば
位相シフトマスクの転写性能には問題がないことにな
る。逆の言い方をすれば、(y+Dy+De)が上記段
差になるまで各工程の加工条件を緩和することができ
る。即ち、波長KrFではy=10nm、Dy=15nmで
あれば、Deが最大15nmになるまでエッチングレート
比(0.94〜1.06)を緩めることができる。
【0049】このように、本実施例の修正プロセスフロ
ーに従って凸状欠陥の修正を行えば、次のような効果が
得られる。
【0050】(1) 凸状欠陥102はそれより広い範囲で
平坦化膜(第1の堆積膜104、第2の堆積膜105)
に覆われているため、欠陥除去時にGaビーム照射によ
って生じる欠陥領域周辺へのダメージ発生を極力抑える
ことができる。
【0051】(2) 材質の異なる平坦化膜(104,10
5)と凸状欠陥102を同時に加工し、平坦化膜(C)
と欠陥(SiO2 )から放出される2次イオン又はそれ
ら2次イオン比又は2次電子を計測することで、加工の
終点検出が容易である。
【0052】(3) 厚さが一定でない凸状欠陥102を平
坦化膜(104,105)を使用して平坦化することに
より、修正後の平坦な形状を容易に得ることができる。
【0053】(4) 基板101に残ったダメージ層108
は、XeF2 とGaFIB又は電子ビームを用いたアシ
ストエッチングで容易に除去することができる。
【0054】(5) 欠陥除去のために用いた炭素膜(10
4,105)も、O2 プラズマアッシャで他にダメージ
を与えることなく容易に除去することができる。
【0055】(6) GaFIB装置を使い、装置中に導入
するガスの種類を変えるだけで大部分の修正が行えるた
め、極めて効率のよい欠陥修正が可能となる。
【0056】以上凸状欠陥の修正プロセスについて述べ
てきたが、本修正プロセスは上記実施例だけに限定され
るものではない。
【0057】実施例では、凸状欠陥を覆う平坦化膜とし
てピレンガスを原料として形成した炭素膜について述べ
たが、他の炭化水素ガスを原料として形成した炭素膜や
例えばW(CO)6 を用いて形成したタングステン膜を
用いてもよい。タングステン膜の被覆性は炭素膜とほぼ
同じであり、室温で上述の2段階デポジションを行った
ところ、炭素膜と同様表面に凹みの小さい平坦な膜を得
ることができた。さらに、欠陥(SiO2 )とタングス
テン膜との同時加工では、エッチングレート比が約1に
なる点が一般的なFIB装置の加速電圧範囲に存在す
る。
【0058】また、凸状欠陥を覆う平坦化膜としては、
FIBで形成した膜のみならず、感光性樹脂又は荷電粒
子により架橋或いは分解する樹脂からなる膜であっても
よい。この場合、スピンコーティングによりこれらの樹
脂をレチクル上に塗布した後、顕微鏡を使用するか検査
工程で得られた座標を利用して所望の欠陥を含む領域の
みにレーザ光、スリットを使用して絞った光、FIB又
は電子ビームを照射する。これを現像することにより平
坦化膜を形成する。第1の薄膜及び第2の薄膜の形成
は、上記工程を繰り返すことにより行い、その膜厚調整
は、レジストを感光させるときの露光量(照射光量)又
はレジストの濃度調整により行う。なお、凸状欠陥が小
さい場合や修正すべき欠陥の近傍にパターンが近接して
いる場合には、1回の平坦化膜形成を行うだけでよい。
以後、上記ピレンガスを原料とするFIBを使用して形
成した炭素膜と同様の加工を行うことができる。また、
感光性樹脂又は荷電粒子により架橋あるいは分解する樹
脂を用いる場合には、硫酸と過酸化水素の混合液のよう
な剥離液を用いて除去することができる。
【0059】また、炭素,SiO2 の同時エッチングを
上記実施例ではGaFIBにより行っているが、ガスを
用いたFIB又は電子ビームアシストエッチングでも可
能である。この場合にはガスの選択や組み合わせによ
り、堆積膜とシフタのエッチングレートの制御が可能と
なる。さらに、ガスとしてXeF2 混合ガスを用いれば
欠陥除去の際、基板表面にダメージ層が残らず、前述し
たプロセスフローでのダメージ層除去工程を削減でき、
余分の堀込みを行なわずに済ませることができる。この
場合、一般的な加速電圧範囲内に炭素,SiO2 のエッ
チングレートが約1になる点が存在し、しかも絶対的な
エッチングレートがスパッタエッチングの場合よりも大
きくなるのでスループットを向上させることができる。
【0060】また、GaFIBによるスパッタ加工で
は、例えば石英基板のスパッタリング収率が時間と共に
飽和してくる(図6)。これは、スパッタリングではス
パッタリングされた物質が加工域周辺に再付着し、時間
に対してスパッタリング収率が飽和してくるためであ
る。一方、XeF2 ガスとGaFIB又は電子ビームを
用いてのアシストエッチングでは、石英基板のエッチン
グ収率は再付着の効果がないため常に一定となり(図
7)、加工の制御性が極めて良いという利点が得られ
る。
【0061】また、欠陥を除去後に残留する炭素の除去
は上記ではO2 アッシャで行っていたが、例えばレーザ
を用いてもよい。この方法は、レーザ光の吸収による炭
素の蒸発を利用するもので、レーザ光をスリットを使っ
て細く絞り、残留炭素に照射するとレーザエネルギーは
炭素に吸収されて熱となり、炭素が昇華し、飛散する。
しかもこの際にダメージ層でもレーザエネルギーの吸収
が起こり、ダメージ層が炭素と同様に除去される。残留
炭素除去とダメージ層除去の2工程が1工程に短縮され
ることになり、修正プロセスがより効率的に実施される
ことになる。
【0062】もう一つの方法としては、O2 又はO3
囲気下でレーザ光照射によりCとO2 又はO3 を反応さ
せて、CO,CO2 として除去するというものである。
この場合には、化学的な反応を利用しているため、レー
ザ光のパワーを落とすことができ、欠陥近傍の遮光体に
レーザ光が照射されても遮光体は蒸発せず、炭素のみを
除去できる条件が存在する。従って、レーザ光のビーム
径の許容度,位置合わせの許容度が大きくなり、プロセ
スマージンが広がるという利点がある。また、レーザを
使用すると加熱を局所的に行えるため、熱によるパター
ン歪みを抑えることができる。さらに、O2 又はO3
囲気下で、レーザ光の代わりにFIBを用いても同様の
効果が期待できる。この場合には、基板と炭素の選択比
を取るために、軽イオンを用いるか、加速エネルギーを
10keV以下としたFIBを用いる必要がある。
【0063】また、炭素の堆積、炭素、SiO2 の同時
エッチング、ダメージ層の除去はいずれもGaFIBに
より行っているが、このイオンに限定されるわけではな
い。例えば、Au,Siなどの他のイオンを用いて上記
各工程のプロセスを行ってもよいことは明かである。
【0064】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変更して実施することができる。なお、上述した実
施例では、シフタエッジ利用型位相シフトマスクを例に
挙げて修正方法を説明したが、本発明はシフタエッジ利
用型位相シフトマスクに限られるものではない。他の位
相シフトマスク、すなわちレベンソン型位相シフトマス
ク、ハーフトーン型位相シフトマスク等についても適用
できる。また、通常のCrマスクやX線マスクの修正に
ついても適用できる。
【0065】(実施例2)第2の実施例では、シフタ凹
状欠陥の修正方法を図8を用いて詳しく説明する。ま
ず、一般的な欠陥検査装置を使って求められた欠陥の大
きさ、形状(凸か凹か)、位置などの情報をもとに、F
IB装置を用いて修正すべき欠陥を認識する。図8
(A)に示すように、位相シフタ201に凹状欠陥20
2が確認された後、室温で凹状欠陥202上にノズル2
03からSi−O結合及び/又はSi−H結合を持つガ
ス、又はそれを含む混合ガス、例えば1,3,5,7−
テトラメチルシクロテトラシロキサンと酸素の混合ガス
204(混合比=1:3)を吹き付けながら、凹状欠陥
202よりやや広い領域に50keVのSi2+FIB2
05を照射する。これにより、図8(B)に示すよう
に、シフタ201表面より僅かに突出したSiO2
(埋込み材料)206を堆積する。ここで用いたノズル
の径は0.2mm、図1に示した静電容量型圧力計での圧
力は4Torrであった。このときのガスのノズル出口での
全流量は0.05sccmであった。
【0066】このようにして堆積した0.4μm厚のS
iO2 膜の波長436nmの光に対する光透過率は100
%であり、従来のテトラメトキシシランと酸素の混合ガ
スを用いて形成した膜(SiOx)の光透過率が40%
であることと比較して、光学特性が良い。さらに、本実
施例の方法により形成したSiO2 膜の波長248nmの
光(レベンソン型位相シフトマスク法で用いる光)に対
する光透過率は90.6%であり、凹状欠陥修正に必要
とされる光透過率(80.6%)以上の値を有してい
る。
【0067】なお、堆積膜の光透過率向上が必要な場合
には、次の後処理などを行えばよい。膜堆積後に、堆積
膜表面でのパワー密度が200mW/cm2 のUV光を
1時間照射する。また、このようなUV光処理の代わり
にUV光を照射しながら成膜を行っても同様の光透過率
を有する堆積膜が得られ、その他に形成した膜をO2
囲気中で350℃,1時間のアニール処理を行っても同
様の効果が得られる。
【0068】ここで、上記2種類のガスをそれぞれ別々
のノズルから吹き付けてもよく、酸素の代わりにO3
2 Oなど酸素を主成分とするガスを用いてもよい。ガ
スの混合比は1:7だけではなく、用いるガス種、FI
Bのイオン種、エネルギーに応じて堆積物が透明で、形
状良く凹状欠陥が埋まる混合比とすればよい。例えばT
EOS(テトラエトキシシラン)を用いた場合、室温で
は堆積物内部に“す”ができてしまうが、マスク温度を
−70度程度まで下げると“す”ができずに凹状欠陥を
埋めることができる。FIBのエネルギー、イオン種
は、50keVのSi2+FIBばかりでなく、25ke
VのGa+ FIBなど他のエネルギー、イオン種を選択
することが可能である。また、FIBの代りに電子ビー
ムを用いてもよい。
【0069】しかし、チャージニュートライザがガスノ
ズルの近くにありニュートライザ内の電子放出フィラメ
ントからの輻射熱がガスに影響を与える場合には、マス
ク基板上に炭素からなる黒色のコンタミネーションが付
着する。従って、チャージニュートライザはガスノズル
から離して配置することが望ましい。
【0070】次いで、図8(C)に示すように、SiO
2 膜206の突出部の周りに、僅かな間隔をあけて第1
の薄膜207をドーナツ状にSiO2 膜206と同じ高
さまで形成する。この堆積膜207は、例えば20ke
Vに加速されたGaFIBでピレンガスを分解させて炭
素(C)を堆積させるアシストデポジションにより形成
する。
【0071】次いで、図8(D)に示すように、SiO
2 膜206の突出部と第1の堆積膜207を覆う領域
に、第2の堆積膜208を形成する。この際のSiO2
膜の突出部と第1の堆積膜207との間隔xと、第2の
堆積膜208を厚さ1.0μmで形成した際に生じる表
面の凹みの深さyとの間には、前記図4に示すような関
係がある。即ち、xが小さくなるほどyが小さくなる。
これは、イオンビームとガスを用いたアシストデポジシ
ョンでは、狭い溝の内部で多重散乱したイオン及び2次
電子により堆積が進むため、SiO2 膜の206の突出
部や第1の堆積膜207上より溝の内部のほうが成膜速
度が速くなり、yが小さくなって平坦な膜が得られるた
めである。
【0072】次いで、図8(E)に示すように、このよ
うにして形成された平坦な膜(207,208)とSi
2 膜206の突出部とを、同時に同一レートでエッチ
ングする。例えば、上述した20keVGaFIBとピ
レンガスで形成した炭素膜(207,208)とSiO
2 膜206の突出部とをGaFIBでスパッタエッチす
る際には、前記図5に示すようにC/SiO2 のエッチ
ングレート比はGaFIBの加速電圧に依存して変化
し、約30kVでC/SiO2 のエッチングレート比は
約1となる。従って、この条件で細く絞ったビーム20
9を使って突出部より僅かに大きい領域をラスタ走査し
て炭素とSiO2 を同時に、同一エッチングレートで削
り取ることができる。
【0073】この加工の際に発生する炭素とSiの2次
イオンの比を質量分析計210を使って計測しておく
と、ビーム走査領域内でSiO2 膜206の突出部の周
囲の炭素が消失した瞬間にC/Siの2次イオン比が大
きく変化するため、SiO2 膜206の突出部がシフタ
201表面と同じ高さまで削られたことが判定できる。
また、C/Siの2次イオン比の代わりにC/Oの2次
イオン比を使って終点を判定することも可能である。
【0074】しかしながら、GaFIBによるスパッタ
加工では加工された基板表面に深さ15nm程度のダメー
ジ層211が残り、露光に使用する光の透過率を低下さ
せる。このため、SiO2 膜206の突出部の除去が完
了した後、図8(F)に示すように、例えばXeF2
スとGaFIBを用いて前記ダメージ層211をアシス
トエッチングする。このガスを用いたアシストエッチン
グではダメージ層211が残らないため、ダメージ層2
11の除去が可能となる。なお、この加工によって約1
5nmの凹みができることになるが、この程度の凹みでは
ウェハに転写されず、周囲のパターンにも影響を与えな
い。
【0075】最後に、図8(G)に示すように、SiO
2 膜206の突出部の除去の際に周囲に残った炭素をO
2 プラズマアッシャによって除去する。例えば、O2
スをチャンバ内が0.9Torrになるように流し、高周波
電力500Wを印加することによりアッシングを行う
と、ダメージなく炭素の除去を行うことができる。炭素
の除去は、O2 プラズマアッシャのみならず、O2 ガス
又はCF4 を添加したO2 ガスを使ったCDEでも行う
ことが可能である。さらに、基板温度を150〜400
℃に保つとより効果的である。さらに、O2 又はO3
囲気中でのレーザ光照射、又はFIB照射によっても炭
素の除去が可能である。
【0076】なお、残存する炭素の除去は全ての欠陥の
修正が終了した後に一括で行えばより効率的である。ま
た、最後の2工程、炭素除去工程とダメージ除去工程は
順序を入れ替えることも可能である。
【0077】このように、本実施例の修正プロセスフロ
ーに従って凹状欠陥の修正を行えば、次のような効果が
得られる。
【0078】(1) 凹状欠陥202をSiO2 膜206で
凹み形状通りに埋め込む必要が無いため、極めてプロセ
スが簡単になる。
【0079】(2) 凹状欠陥202の埋め込みによって生
じた突出部は、それよりも広い範囲で平坦化膜(第1の
堆積膜207、第2の堆積膜208)に覆われているた
め、突出部の除去時、Gaビーム照射によって生じる欠
陥領域周辺へのダメージ発生を極力抑えることができ
る。
【0080】(3) 材質の異なる平坦化膜(207,20
8)とSiO2 膜206の突出部を同時に加工し、平坦
化膜(C)と突出部(SiO2 )から放出される2次イ
オン又はその2次イオン比を計測することにより、突出
部加工の終点検出が容易である。(4) 厚さが一定でない
突出部も平坦化膜(207,208)を使用して平坦化
されるため、修正表面は容易に平坦化される。
【0081】(5) 修正された凹状欠陥表面に残ったダメ
ージ層211はXeF2 とGaFIBを用いたアシスト
エッチングで容易に除去することができる。
【0082】(6) 欠陥修正のために用いた炭素膜(20
7,208)も、O2 プラズマアッシャで他にダメージ
を与えることなく容易に除去することができる。
【0083】(7) GaFIB装置を使い、装置中に導入
するガスの種類を変えるだけで大部分の修正が行えるた
め、極めて効率のよい欠陥修正が可能となる。
【0084】以上凹状欠陥の修正プロセスについて述べ
てきたが、本修正プロセスは上記実施例だけに限定され
るものではない。
【0085】実施例では、凹状欠陥をSiO2 で埋め込
んだ後に残る突出部を覆う平坦化膜としてピレンガスを
原料として形成した炭素膜について述べたが、他の炭化
水素ガスを原料として形成した炭素膜や例えばW(C
O)6 を用いて形成したタングステン膜を用いることも
できる。タングステン膜の被覆性は炭素膜とほぼ同じで
あり、上述の2段階デポジションを行ったところ、炭素
膜と同様表面に凹みの小さい平坦な膜を得ることができ
た。さらに、突出部(SiO2 )とタングステン膜との
同時加工では、エッチングレート比が約1になる点が一
般的なFIB装置の加速電圧範囲に存在する。
【0086】また、凸状欠陥を覆う平坦化膜としては、
FIBで形成した膜のみならず、感光性樹脂又は荷電粒
子により架橋あるいは分解する樹脂からなる膜であって
もよい。これらの膜を形成する場合、これらの樹脂をス
ピンコーティングによりレチクル上に塗布した後、顕微
鏡を使用するか検査工程で得られた座標を利用して所望
の欠陥を含む領域のみにレーザ光、スリットを使用して
絞った光、FIB又は電子ビームを照射する。次いで、
これを現像して平坦化膜を形成する。第1の薄膜及び第
2の薄膜の形成は、上記工程を繰り返すことにより行
い、その膜厚調整は、レジストを感光させるときの露光
量(照射光量)又はレジストの濃度調整により行う。な
お、凸状欠陥が小さい場合や修正すべき欠陥の近傍にパ
ターンが近接している場合には、1回の平坦化膜形成を
行うだけでよい。以後、上記ピレンガスを原料とするF
IBを使用して形成した炭素膜と同様の加工を行うこと
ができる。また、感光性樹脂又は荷電粒子により架橋あ
るいは分解する樹脂を用いる場合には、硫酸と過酸化水
素の混合液のような剥離液を用いて除去することができ
る。
【0087】また、炭素,SiO2 の同時エッチングと
しては,第1の実施例と同様の変形が可能である。さら
に、突出部の除去後に残留する平坦化膜の除去も、第1
の実施例と同様の変形が可能である。また、炭素の堆
積、炭素、SiO2 の同時エッチング、ダメージ層の除
去に用いるイオン源も、第1の実施例と同様の変形が可
能である。
【0088】また、上記プロセスでは凹状欠陥の形状に
ついては記述しなかったが、形状によってプロセスを省
略することができる。即ち、アスペクト比が大きな凹状
欠陥の場合、1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンを用いたSiO2 の堆積形状は図9(A)
のようになる。このような場合には表面での凹凸は欠陥
修正で許される段差の大きさ以内に収まるため、図8
(C)以降の工程を進める必要はない。
【0089】これに対して図9(B),図9(C)で示
すような欠陥の場合には、SiO2を堆積させた後の表
面の凹凸が許容される段差の大きさ以内にならないた
め、図8で示した全工程が必要になる。また、図9
(C)のような欠陥であれば、図10(A)〜(C)に
示すように、予め凹みの中に側壁から僅かに離してSi
2を堆積させ、続いて欠陥を完全に覆う領域にSiO
2 を堆積させることによって、表面凹凸が小さくなるよ
うに堆積させることができる。このようにすると、上述
したのと同様に図8(C)以降の工程を進める必要がな
い場合もある。
【0090】また、上記実施例では凹状欠陥をシリコン
酸化膜で埋め込んだが、埋込み材料はシリコン酸化物に
限定されるものではない。シフタの材質によって埋込み
材料は選択するべきであり、シリコン窒化物、クロム酸
化物等でも上記修正を同様に行うことが可能である。
【0091】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変更して実施することができる。
【0092】(実施例3)第3の実施例では、シフタエ
ッジ型位相シフトマスクのシフタ−エッジ部における凹
状欠陥の修正方法について、図11及び図12を用いて
説明する。ここで、図11(A)及び図12(A)は断
面図を、図11(B)及び図12(B)は平面図を示し
ている。
【0093】まず、一般的な欠陥検査装置を使って求め
られた欠陥の大きさ,形状(凸か凹か)、位置などの情
報に基づいてFIB装置を使って修正すべき欠陥を認識
する。図11(A1 ),図11(B1 )に示すように、
SiO2 基板301上に形成された位相シフタ302の
エッジ部分に凹状欠陥303が確認された後、凹状欠陥
303上にノズル304からSi−O結合を持つガス及
び/又はSi−H結合を持つガス、又はそれを含む混合
ガス、例えば1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンと酸素の混合ガス305(混合比=1:
7)を吹き付けながら、凹状欠陥領域よりやや広い領域
に50keVのSi2+FIB306を照射する。これに
より、図11(A2 ),図11(B2 )に示すように、
凹状欠陥303より広い領域に突出SiO2 307を堆
積する。
【0094】ここで、上記2種類のガスをそれぞれ別々
のノズルから吹き付けてもよく、酸素の代わりにO3
2 Oなど酸素を主成分とするガスを用いてもよい。ガ
スの混合比は1:7だけではなく、用いるガス種,FI
Bのイオン種、エネルギーに応じて堆積物が透明になる
混合比とすればよい。FIBのエネルギー、イオン種
は、50keVのSi2+FIBばかりでなく、25ke
VのGa+ FIBなど他のエネルギー、イオン種を選択
することが可能である。また、FIBの代わりに電子ビ
ームを用いてもよい。
【0095】次いで、図11(A3 ),図11(B3
に示すように、FIBによる炭素膜堆積方法により第1
の薄膜(炭素膜)308,308′を形成する。この時
の突出SiO2 307と第1の炭素膜308,308′
との間隔は0.4μm以下とした。
【0096】次いで、図11(A4 ),図11(B4
に示すように、第2の薄膜(炭素膜)309を突出Si
2 307と第1の炭素膜308,308′の上に上記
と同様の方法により形成する。膜厚は約1μmである。
このようにすることにより、第2の炭素膜309の表面
は平坦になる。
【0097】次いで、図12(A5 ),図12(B5
に示すように、このようにして形成した平坦な膜309
と突出307とを同時に同一レートでエッチングする。
例えば、上述した20keVのGaFIBとピレンガス
を用いて形成した炭素膜308,308′,309とシ
リコン酸化膜からなる突出307とをGaFIBでスパ
ッタエッチする際には、前記図5に示すようにC/Si
2 のエッチングレート比はGaFIBの加速電圧に依
存して変化し、約30kVでC/SiO2 のエッチング
レート比は約1となる。従って、この条件で細く絞った
ビーム310を使って突出307より僅かに大きい領域
をラスター走査して炭素とSiO2 を同時に、同一エッ
チングレートで削り取ることができる。
【0098】この加工の際に発生する炭素とSiの2次
イオンの比を質量分析計311を使用して計測すると、
ビーム走査領域内で凸状欠陥の周囲の炭素が消失した瞬
間にC/Siの2次イオン比が大きく変化して突出30
7がシフタ302表面と同じ高さまで削られたことが判
定できる。また、C/Siの2次イオン比の代わりに、
C/Oの2次イオン比を使って終点を判定することも可
能である。
【0099】さらに、エッジ部の凹状欠陥では修正のた
めに生じた余分な突出をエッジに合わせて削除しなけれ
ばならない。まず、FIBを用いてエッジ位置の検出を
行なう。次に、エッジ部の延長線上からはみでた突出S
iO2 313が全て除去できるだけのビームの走査領域
を決定する。走査領域の一辺を先に求めたエッジ位置に
合わせ、細く絞ったビームをラスタ走査して突出31
3、即ち炭素とSiO2を同時に、同一エッチングレー
トで削り取る。突出313加工の終点は、この加工の際
に発生する炭素とSiの2次イオンの比を質量分析計を
使って計測する。即ち、ビーム走査領域内で突出313
の周囲の炭素が消失した瞬間に、C/Siの2次イオン
比が大きく変化して突出313が石英基板301表面と
同じ高さまで削られたことを判定する。
【0100】しかしながら、GaFIBによるスパッタ
リングではスパッタリングされた基板表面に深さ15nm
程度のダメージ層312が残り、露光に使用する光透過
率を低下させる。このため、突出307,313の除去
が完了後、例えば、XeF2ガスとGaFIBを用い
て、前記ダメージ層312をアシストエッチングする。
このガスを用いたアシストエッチングではダメージ層が
残らないため、図12(A7 ),図12(B7 )に示す
ように、ダメージ層312の除去が可能となる。この加
工によって約15nmの凹みができることになるが、この
程度の凹みではウェハに転写されないし、周囲のパター
ンにも影響を与えない。
【0101】最後に、図12(A8 ),図12(B8
に示すように、突出307,313除去の際に周囲に残
った炭素をO2 プラズマアッシャーによって除去する。
例えば、O2 ガスをチャンバ内が0.9Torrになるよう
に流し、高周波電力500Wを印加することによりアッ
シングを行うとダメージなく炭素の除去が行える。炭素
の除去は、O2 プラズマアッシャーのみならず、O2
ス又はCF4 を添加したO2 ガスを使ったCDEでも行
うことが可能である。なお、残存する炭素の除去は全て
の欠陥の修正が終了した後に一括で行えばより効率的で
ある。また、最後の工程、炭素除去工程とダメージ除去
工程は順序を入れ替えることも可能である。さらに、基
板温度を150〜400℃に保つとより効果的である。
さらに、O2 又はO3 雰囲気中でレーザ光照射、又はF
IB照射によっても炭素の除去が可能である。
【0102】このように、本実施例の修正プロセスフロ
ーに従ってエッジ部の凹状欠陥の修正を行えば、次のよ
うな効果が得られる。
【0103】(1) 凹状欠陥302をSiO2 で凹み形状
通りに埋め込む必要が無いため、極めてプロセスが簡単
になる。
【0104】(2) 凹状欠陥302の埋め込みによって生
じた突出307は、それよりも広い範囲で平坦化膜(第
1の炭素膜308、第2のC膜309)に覆われている
ため、突出除去時、Gaビーム照射によって生じる欠陥
領域周辺へのダメージ発生を極力抑えることができる。
【0105】(3) 材質の異なる平坦化膜(308,30
9)と突出307を同時に加工し、平坦化膜(C)と突
出(SiO2 )から放出される2次イオン又はそれら2
次イオン比を計測することにより、突出加工の終点検出
が容易である。
【0106】(4) 厚さが一定でない突出307も平坦化
膜(308,309)を使用して平坦化されるため、修
正表面は容易に平坦化される。
【0107】(5) 修正された凹状欠陥表面に残ったダメ
ージ層312は、XeF2 とGaFIBを用いたアシス
トエッチングで容易に除去することができる。
【0108】(6) 欠陥修正のために用いた炭素膜も、O
2 プラズマアッシャーで他にダメージを与えることなく
容易に除去することができる。
【0109】(7) GaFIB装置を使い、装置中に導入
するガスの種類を変えるだけで大部分の修正が行えるた
め、極めて効率のよい欠陥修正が可能となる。
【0110】以上凹状欠陥の修正プロセスについて述べ
てきたが、本修正プロセスは上記実施例だけに限定され
るものではない。
【0111】実施例では、凹状欠陥をSiO2 で埋め込
んだ後に残る突出を覆う平坦化膜としてピレンガスを原
料として形成した炭素膜について述べたが、他の炭化水
素ガスを原料として形成した炭素膜や例えばW(CO)
6 を用いて形成したタングステン膜を用いてもよい。タ
ングステン膜の被覆性は炭素膜とほぼ同じであり、上述
の2段階デポジションを行ったところ、炭素膜と同様表
面に凹みの小さい平坦な膜を得ることができた。さら
に、欠陥(SiO2 )とタングステン膜の同時加工で
は、加速電圧に対しては前記図5に示すような傾向を示
しており、エッチングレート比が約1になる点が一般的
なFIB装置の加速電圧範囲に存在する。
【0112】また、凸状欠陥を覆う平坦化膜としては、
FIBで形成した膜のみならず、感光性樹脂又は荷電粒
子により架橋あるいは分解する樹脂からなる膜であって
もよい。これらの膜を形成する場合、これらの樹脂をス
ピンコーティングによりレチクル上に塗布した後、顕微
鏡を使用するか検査工程で得られた座標を利用して所望
の欠陥を含む領域のみにレーザ光、スリットを使用して
絞った光、FIB又は電子ビームを照射する。次いで、
これを現像して平坦化膜を形成する。第1の薄膜及び第
2の薄膜の形成は、上記工程を繰り返すことにより行
い、その膜厚調整は、レジストを感光させるときの露光
量(照射光量)又はレジストの濃度調整により行う。な
お、凸状欠陥が小さい場合や修正すべき欠陥の近傍にパ
ターンが近接している場合には、1回の平坦化膜形成を
行うだけでよい。以後、上記ピレンガスを原料とするF
IBを使用して形成した炭素膜と同様の加工を行うこと
ができる。また、感光性樹脂又は荷電粒子により架橋あ
るいは分解する樹脂を用いる場合には、硫酸と過酸化水
素の混合液のような剥離液を用いて除去することができ
る。
【0113】また、炭素、SiO2 の同時エッチングと
しては、第1の実施例と同様の変形が可能である。さら
に、突出部の除去後に残留する炭素の除去も、第1の実
施例と同様の変形が可能である。また、炭素の堆積、炭
素、SiO2 の同時エッチング、ダメージ層の除去に用
いるイオン源も、第1の実施例と同様の変形が可能であ
る。
【0114】また、実施例では凹状欠陥をシリコン酸化
膜で埋め込んだが、埋込み材料はシリコン酸化物に限定
するものではない。シフタの材質によって埋込み材料は
選択するべきであり、シリコン窒化物,クロム酸化物等
でも上記修正を同様に行うことが可能である。
【0115】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変更して実施することができる。
【0116】(実施例4)第4の実施例では、シフタエ
ッジ型位相シフトマスクのシフタ−エッジ部における凸
状欠陥修正方法について、図13を参照して説明する。
ここで、図13(A)は断面図、図13(B)は平面図
であり、401は基板、402は位相シフタ、403は
凸状欠陥を示している。
【0117】まず、一般的な欠陥検査装置を使って求め
られた欠陥の大きさ、形状(凸か凹か)、位置などの情
報を基にFIB装置を使って修正すべき欠陥を認識す
る。この場合、欠陥はエッジから突出しているため、図
11(A2 ),図11(B2 )に示した修正法の工程が
完了した状態に相当する。従って、後は以下の工程に従
ってプロセスを進めれば、エッジ部の凸状欠陥の修正が
完了する。エッジからは出っ張っているが、シフタ膜厚
よりも薄い場合には、図11(A3 ),図11(B3
以下に示す工程のうち図12(A5 ),図12(B5
に示す工程を省くことができる。
【0118】(実施例5)第5の実施例では、位相シフ
トマスクのマスク基板上に生じたシリコン酸化物からな
る直方体でない不定形の凸状欠陥を修正する方法につい
て説明する。このような欠陥の発生はエッチング時のゴ
ミの付着やレジスト残り、ピンホール等に起因してお
り、数多く発生する。
【0119】凸状欠陥修正プロセスの特徴は、FIB装
置を用いて凸状欠陥上に平坦な膜を形成し、堆積膜と凸
状欠陥を同時に、同一エッチングレートになるFIBの
加工条件でエッチング除去すること、及びその際に堆積
膜と凸状欠陥から放出される二次イオンの比の変極点を
検出することにより加工の終点を判定しようとすること
にある。従って、凸状欠陥上に形成する膜が平坦でない
と、両者を同時にエッチングした後の表面形状が堆積膜
形状に依存し、凸状欠陥を平坦に修正できないという問
題が発生してしまう。このため、平坦化膜の形成が最も
重要となる。
【0120】図14は、石英基板501上に形成された
位相シフタの凸状欠陥502を修正するためのプロセス
フローである。この位相シフトマスクは、例えば石英基
板501上にシリコン酸化物の位相シフトパターンを形
成したシフタエッジ利用型位相シフトマスクである。位
相を反転するための位相シフタの膜厚tは、露光光源の
波長をλ、屈折率をnとするとt=λ/{2(n−
1)}の奇数倍で表される。ここでは、KrFを光源と
し(λ=248 nm)、位相シフタをシリコン酸化膜(n=
1.508 )としたため、t=244 nmとなる。
【0121】まず、一般的な欠陥検査装置を使って求め
られた欠陥の大きさ、形状、膜厚、位置などの情報をも
とにFIB装置を使って修正すべき欠陥を認識する。こ
れにより凸状欠陥502が認識されたとする。
【0122】次いで、凸状欠陥を平坦に覆うように膜を
形成する。この堆積膜は、例えば室温(25℃)で20
KeVに加速されたGaFIBでピレンガスを分解させ
て炭素(C)を堆積させるアシストデポジションにより
形成する。
【0123】図14(A)のような欠陥を修正する場合
には実施例1と同様な方法、即ち図15(A),図15
(B)に示すように欠陥502の周りに僅かの間隔をあ
けて第1の堆積膜503をドーナツ状に欠陥502と同
じ高さまで形成し、次いで凸状欠陥502と第1の堆積
膜503を覆うように第2の堆積膜504を形成するだ
けでは図15(C)のようになってしまう。その結果、
平坦化するのに第2の堆積膜504を非常に厚く堆積さ
せる必要ができてしまい、実用的ではない。
【0124】そこで、欠陥検査装置により得られた欠陥
形状についての情報に基づいて、図14(B)に示すよ
うに、凸状欠陥502の最も高い部分と同じ高さになる
よう、適当な距離をあけて第1の堆積膜503を形成す
る。次いで、図14(C)に示すように、凸状欠陥50
2と第1の堆積膜503を覆う領域に第2の堆積膜50
4を形成する。
【0125】第1の堆積膜503間の距離xは第2の堆
積膜504の膜厚を一定にしたときの、距離xと平面の
凹みの深さyとの関係から決めることができる。例え
ば、第2の堆積膜504を厚さ1.0μmで形成した際
には前記図4に示すような関係がある。即ち、xが小さ
くなるほどyが小さくなる。これは、イオンビームとガ
スを用いたアシストデポジションでは、狭い溝の内部で
多重散乱したイオン及び二次電子により堆積が進むた
め、第1の堆積膜503上より溝の内部のほうが成膜速
度が速くなり、yが小さくなって平坦な膜が得られるた
めである。
【0126】上記では、2段階で凸状欠陥を平坦化させ
たが、図16(A)に示すように凸状欠陥の凹凸が激し
い場合には、図16(B)〜16(D)に示すように多
段階工程を用いて、凸状欠陥を第1,第2,第3の堆積
膜503,504,508で埋め込む方法が有効であ
る。
【0127】次いで、図14(D)に示すように、この
ようにして形成された平坦な膜(503,504)と凸
状欠陥502を、同時に同一レートでエッチバックす
る。例えば、上述した20keVのGaFIBとピレン
ガスで形成した炭素膜(503,504)とシリコン酸
化膜からなる凸状欠陥502とを室温(25℃)でGa
FIBでスパッタエッチする際には、前記図5に示すよ
うにC/SiO2 のエッチレート比はGaFIBの加速
電圧に依存して変化し、約30kVでC/SiO2 のエ
ッチレート比は約1となる。従って、この条件で細く絞
ったビーム505を使って凸状欠陥502より僅かに大
きい領域をラスタ走査して炭素とSiO2を同時に、同
一エッチングレートで削り取ることができる。
【0128】この加工の際に発生するCとSiの二次イ
オンの比を質量分析計506を使って計測しておくと、
ビーム走査領域内で凸状欠陥502の周囲の炭素が消失
した瞬間にC/Siの二次イオン比が大きく変化して、
凸状欠陥502が基板501表面と同じ高さまで削られ
たことが判定できる。また、C/Siの二次イオン比の
代わりに、C/Oの二次イオン比を使って終点を判定す
ることも可能である。このような二次イオンの計測を使
ってプロセスの終点を判定する方法は、例えば特開昭5
8−106750号公報に開示されている。
【0129】しかしながら、GaFIBによるスパッタ
リングではスパッタリングされた基板501表面に深さ
15nm程度のダメージ層507が残り、露光に使用する
光の透過率を低下させる。このため、凸状欠陥502の
除去が完了した後、例えばXeF2 ガスとGaFIBを
用いて室温(25℃)で、図14(E)に示すように、
ダメージ層507をアシストエッチングする。このガス
を用いたアシストエッチングではダメージ層ができない
ため、基板表面をダメージのない良好な状態にすること
が可能となる。この加工によって約15nmの凹みができ
ることになるが、この程度の凹みではウェハに転写され
ず、周囲のパターンにも影響を与えない。
【0130】最後に図14(F)に示すように、凸状欠
陥除去の際に周囲に残った炭素をO2 プラズマアッシャ
ーによって除去する。例えば、O2 ガスをチャンバ内が
0.9Torrになるように流し、高周波電力500Wを印
加することによりアッシングを行うとダメージなく炭素
の除去を行うことができる。炭素の除去はO2 プラズマ
アッシャーのみならず、O2 ガス又はCF4 を添加した
2 ガスを使ったCDEでも行うことが可能である。さ
らに、基板の温度を150〜400℃に保つことより効
果的である。さらに、O2 又はO3 雰囲気中でのレーザ
光照射又はFIB照射によってもこの除去が可能であ
る。
【0131】なお、残存する炭素の除去は全ての欠陥の
修正が終了した後に一括に行えば効率的である。また、
最後の2工程、炭素除去工程とダメージ除去工程は順序
を入れ替えることも可能である。
【0132】ここで、上記修正プロセスを用いて凸状欠
陥を修正した際に基板表面に形成される段差について述
べておくことにする。修正によってできる段差は平坦化
膜の凹み量yとダメージ層除去で生じる凹み量Dyとの
和に、平坦化膜と欠陥とのエッチングレートの差によっ
て形成される凸或いは凹の段差Deが足された量にな
る。従って、このようにしてできた段差は当然転写パタ
ーンに許される線幅変動分を発生させる段差以下に抑え
なければならない。
【0133】レベンソン型の位相シフトマスクを例にと
ると、最小解像寸法の10%を許容値とすれば、波長2
48nm、最小寸法0.25μm、ステッパのNA=0.
45、露光波長の可干渉性を示すコヒーレンスファクタ
σ=0.3の場合で約40nm、波長365nm、最小寸法
0.35μm、ステッパのNA=0.46、露光波長の
可干渉性示すコヒーレンスファクタσ=0.3の場合で
約80nmとなる。即ち、これらの段差量以下になれば位
相シフトマスクの転写性能には問題がないことになる。
逆の言い方をすれば、(y+Dy+De)が上記段差に
なるまで各工程の加工条件を甘くすることができる。即
ち、波長KrFではy=10nm,Dy=15nmであれ
ば、Deが最大15nmになるまでエッチングレート比
(0.94〜1.06)を緩めることができる。
【0134】このように本実施例の修正プロセスフロー
に従って凸状欠陥の修正を行えば、次のような効果が得
られる。
【0135】(1) 凸状欠陥502はそれより広い範囲で
平坦化膜(第1の堆積膜503、第2の堆積膜504)
に覆われているため、欠陥除去時にGaビーム照射によ
って生じる欠陥領域周辺へのダメージ発生を極力抑える
ことができる。
【0136】(2) 材質の異なる平坦化膜(503、50
4)と凸状欠陥を同時に加工し、平坦化膜(C)と欠陥
(SiO2 )から放出される二次イオン又はそれら二次
イオン比を計測することで、加工の終点検出が容易であ
る。
【0137】(3) 厚さが一定でない凸状欠陥502を平
坦化膜(503、504)を使用して平坦化することに
より、修正後の平坦な形状を容易に得ることができる。
【0138】(4) 基板501に残ったダメージ層507
は、XeF2 とGaFIBを用いたアシストエッチング
で容易に除去することができる。
【0139】(5) 欠陥除去のために用いた炭素膜(50
3、504)も、O2 プラズマアッシャーで他にダメー
ジを与えることなく容易に除去することができる。
【0140】(6) GaFIB装置を使い、装置中に導入
するガスの種類を変えるだけで大部分の修正が行えるた
め、極めて効率のよい欠陥修正が可能となる。
【0141】以上凸状欠陥の修正プロセスについて述べ
てきたが、本修正プロセスは上記実施例だけに限定され
るものではない。
【0142】実施例では凸状欠陥を覆う平坦化膜として
ピレンガスを原料として形成した炭素膜について述べた
が、他の炭化水素ガスを原料として形成した炭素膜や例
えばW(CO)6 を用いて形成したタングステン膜でも
よい。タングステン膜の被覆性は炭素膜とほぼ同じであ
り、室温(25℃)で上述の2段階デポジションを行っ
たところ、炭素膜と同様表面に凹みに小さい平坦な膜を
得ることができた。さらに、欠陥(SiO2 )とタング
ステン膜との同時加工では、エッチングレート比が約1
になる点が一般的なFIB装置の加速電圧範囲に存在す
る。
【0143】また、凸状欠陥を覆う平坦化膜としてはF
IBで形成した膜のみならず、感光性樹脂又は荷電粒子
により架橋或いは分解する樹脂からなる膜であってもよ
い。スピンコーティングによりこれらの樹脂をレチクル
上に塗布した後、顕微鏡を使用するか検査工程で得られ
た座標を利用して所望の欠陥を含む領域のみにレーザ
光、スリットを使用して絞った光、FIB又は電子ビー
ムを照射する。これを現像して平坦化膜を形成する。第
1の薄膜及び第2の薄膜の形成は、上記工程を繰り返す
ことにより行い、その膜厚調整は、レジストを感光させ
るときの露光量(照射光量)又はレジストの濃度調整に
より行う。なお、凸状欠陥が小さい場合や修正すべき欠
陥の近傍にパターンが近接している場合には、1回の平
坦化膜形成を行うだけでよい。以後、上記ピレンガスを
原料としてFIBを使用して形成した炭素膜と同様の加
工を行うことができる。また、感光性樹脂又は荷電粒子
により架橋あるいは分解する樹脂を用いる場合には、硫
酸と過酸化水素の混合液のような剥離液を用いて除去す
ることができる。
【0144】また、炭素,SiO2 の同時エッチングを
上記実施例ではGaFIBにより行っているが、ガスを
用いたFIBアシストエッチングでも可能である。この
場合にはガスの選択や組み合わせにより、堆積膜とシフ
タのエッチングレートの制御御が可能となる。さらに、
ガスとしてXeF2 混合ガスを用いれば欠陥除去の際、
基板表面にダメージ層が残らず、前述したプロセスフロ
ーでのダメージ層除去工程を削減でき、余分の堀込みを
行わずに済ますことができる。この場合、一般的な電圧
範囲内に炭素,SiO2 のエッチングレートが約1にな
る点が存在し、しかも絶対的なエッチングレートがスパ
ッタエッチングの場合よりも大きくなるのでスループッ
トを向上させることができる。
【0145】また、GaFIBによるスパッタリングで
は、例えば石英基板のスパッタリング収率が時間と共に
飽和してくる(図6)。これは、スパッタリングではス
パッタリングされた物質が加工域周辺に再付着し、時間
に対してスパッタリング収率が飽和してくるためであ
る。一方、XeF2 ガスとGaFIBを用いてのアシス
トエッチングでは石英基板のエッチング収率は再付着の
効果がないため常に一定となり(図7)、加工の制御性
が極めて良いという利点が得られる。
【0146】また、欠陥を除去後に残留する炭素の除去
は上記ではO2 アッシャーで行っていたが、例えばレー
ザ光を用いてもよい。一つの方法としてはレーザ光吸収
による炭素の蒸発を利用するもので、レーザ光をスリッ
トを使って細く絞り、残留炭素に照射するとレーザエネ
ルギーは炭素に吸収されて熱となり、炭素が昇華し飛散
する。この際に、ダメージ層でもレーザエネルギーの吸
収が起こり、ダメージ層が炭素と同様に除去される。残
留炭素除去とダメージ層除去と2工程が1工程に短縮さ
れることになり、修正プロセスがより効率的に実施され
ることになる。
【0147】もう一つの方法としては、O2 又はO3
囲気下でレーザ光照射により炭素とO2 又はO3 を反応
させて、CO,CO2 として除去するというものであ
る。この場合には、化学的な反応を利用しているため、
レーザ光のパワーを落とすことができ、欠陥近傍の遮光
体にレーザ光が照射されても遮光体は蒸発せず、炭素の
みを除去できる条件が存在する。従って、レーザ光のビ
ーム径の許容度、位置合わせの許容度が大きくなり、プ
ロセスマージンが広がるという利点がある。また、レー
ザ光を使用すると加熱を局所的に行えるため、熱による
パターン歪みを抑えることができる。さらに、O2 又は
3 雰囲気下で、レーザ光の代わりにFIBを用いても
同様の効果が期待できる。この場合には、基板材料と炭
素の選択比を取るために、軽イオンを用いるか、加速エ
ネルギーを10keV以下としたFIBを用いる必要が
ある。
【0148】また、炭素の堆積、炭素、SiO2 の同時
エッチング、ダメージ層の除去はいずれもGaFIBに
より行っているが、このイオンに限定されるわけではな
い。例えば、Au,Siなどの他のイオンを用いて上記
各工程のプロセスを行ってもよいことは明らかである。
【0149】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変更して実施することができる。なお、上述した実
施例では、シリコン酸化物からなるスフタについての修
正方法を説明したが、本発明はシリコン酸化物からなる
シフタに限られるものではない。レジスト等の有機物か
らなるシフタやシリコン、シリコン窒化物からなるシフ
タ等についても適用することができる。また、通常のC
rマスクやX線マスクの修正についても適用することが
できる。
【0150】(実施例6)第6の実施例では、直方体で
ない不定形のシフタ凹状欠陥を、表面の凹凸を低減して
修正する方法について図17を用いて詳しく説明する。
【0151】まず、一般的な欠陥検査装置を使って求め
られた欠陥の大きさ、形状(凸か凹か),膜厚,位置な
どの情報に基づいて、FIB装置を使って修正すべき欠
陥を認識する。位相シフタ601に凹状欠陥602が確
認された後、ノズルから吹き付けられたガスとFIBを
使用してシフタ601表面より僅かに突出するようにシ
リコン酸化膜を形成する。
【0152】この際、凹状欠陥全体を覆うようにFIB
を照射すると図17(A)に示すような複雑な形状をし
た凹状欠陥を埋めるためにはシフタ表面よりかなり大き
く突出させて堆積する必要があり、後工程に関する時間
も増え、スループット的に実用的ではない。そこで、多
段階の堆積を行って表面の凹凸を低減させる。欠陥検査
装置により得られた欠陥形状についての情報に基づい
て、図17(B)に示すように基板表面とほぼ同じ高さ
になるよう、適当な間隔をあけて第1のシリコン酸化膜
603を形成する。
【0153】次いで、図17(C)に示すように、凹状
欠陥602と第1のシリコン酸化膜603を覆う領域に
第2のシリコン酸化膜604を形成する。イオンビーム
とガスを用いたアシストデポジションでは、狭い溝の内
部で多重散乱したイオン及び二次電子により堆積が進む
ため、第1のシリコン酸化膜603上より溝の内部の方
が成膜速度が速くなり、表面の凹凸が小さくなって平坦
な膜を得ることができる。
【0154】上記では2段階で凹状欠陥をシリコン酸化
膜で埋め込んだが、図18(A)に示すように凹状欠陥
の凹凸が激しい場合には、図18(B)〜18(D)に
示すように多段階工程を用いて、凹状欠陥を第1,第
2,第3,第4のシリコン酸化膜(堆積膜)603,6
04,610,612で埋め込む方法が有効である。
【0155】上記のシリコン酸化膜はSi−O結合及び
/又はSi−H結合を持つガス、又はそれを含む混合ガ
ス、例えば1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサンと酸素の混合ガス(混合比=1:7)を吹き
付けながら室温(25℃)で50keVのSi2+FIB
を照射して形成する。ここで用いたノズルの径は0.2
mm、図1に示した静電容量型圧力計での圧力は4Torrで
あった。このときのガスのノズル出口での全流量は0.
05sccmであった。
【0156】このようにして形成した厚さ0.4μmの
シリコン酸化膜の波長436nmに対する光透過率は10
0%であり、従来のテトラメトキシシランと酸素の混合
ガスを用いて形成した膜の光透過率が40%であること
と比較して、光学特性がよい。さらに、本実施例の方法
により形成したシリコン酸化膜の波長248nmの光(レ
ベンソン型位相シフトマスク法で用いる光)に対する光
透過率は、90.6%であり、凹状欠陥修正に必要とさ
れる光透過率(80.6%)以上の値を有している。
【0157】なお、堆積膜の光透過率を向上させる必要
がある場合には、次の後処理を行ってもよい。成膜後に
堆積膜表面でのパワー密度が200mW/cm2 のUV
光を1時間照射する処理を行う。また、このようなUV
光処理の代わりにUV光を照射しながら成膜を行っても
同様の光透過率の堆積膜が得られ、その他に形成した膜
をO2 雰囲気中で350℃,1時間のアニール処理を行
っても同様の効果が得られる。
【0158】ここで、上記2種類のガスをそれぞれ別々
のノズルから吹き付けてもよく、酸素の代わりにO3
2 Oなど酸素を主成分とするガスを用いてもよい。ガ
スの混合比は1:7だけではなく、用いるガス種、FI
Bのイオン種、エネルギーに応じて堆積物が透明で、内
部に空洞ができない混合比とすればよい。例えばTEO
Sを用いた場合、室温では堆積物内部に“す”ができて
しまうが、マスク温度を−70度程度まで下げると
“す”ができずに凹状欠陥を埋めることができる。FI
Bのエネルギー、イオン種は、50keVSi2+FIB
ばかりでなく、25keVのGa+ FIBなど他のエネ
ルギー、イオン種を選択することが可能である。また、
FIBの代わりに電子ビームを用いてもよい。
【0159】しかし、チャージニュートライザーがガス
ノズルの近くにありニュートライザー内の電子放出フィ
ラメントからの輻射熱がガスに影響を与える場合にはマ
スク基板上に炭素からなる黒色のコンタミネーションが
付着する。従って、チャージニュートライザーはガスノ
ズルから離して配置することが望ましい。
【0160】次いで、図17(D)に示すように、シリ
コン酸化膜(603、604)の突出部の周りに僅かな
間隔をあけて第1の平坦化膜605をドーナツ状にシリ
コン酸化膜(603、604)と同じ高さまで形成す
る。この平坦化膜605は、例えば20keVに加速さ
れたGaFIBでピレンガスを分解させて炭素(C)を
堆積させるアシストデポジションにより形成する。
【0161】次いで、図17(E)に示すように、シリ
コン酸化膜(603、604)と第1の平坦化膜605
を覆う領域に第2の平坦化膜606を形成する。この
際、シリコン酸化膜の突出部と第1の平坦化膜605と
の間隔xと第2の平坦化膜606を厚さ1.0μmで形
成した際に生じる表面の凹みの深さyとの間には、前記
図3に示すような関係がある。即ち、xが小さくなるほ
どyが小さくなる。これはイオンビームとガスを用いた
アシストデポジションでは、狭い溝の内部で多重散乱し
たイオン及び二次電子により堆積が進むため、シリコン
酸化膜(603、604)の突出部や第1の平坦化膜6
05上より溝の内部の方が成膜速度が速くなり、yが小
さくなって平坦な膜が得られるためである。
【0162】上記では、2段階で凹状欠陥部分を平坦化
させたが、凹状欠陥の凹凸が激しい場合に、1段階又は
2段階で凹状欠陥を埋め込んだ後、図16に示すような
多段階工程を用いて凹状欠陥部分を平坦化することも有
効である。
【0163】次いで、図17(F)に示すように、この
ようにして形成した平坦な膜(605、606)とシリ
コン酸化膜(603、604)とを、同時に同一レート
でエッチバッグする。例えば、上述した20keVのG
aFIBとピレンガスを用いて形成した炭素膜(60
5、606)とシリコン酸化膜からなる突出部(60
3、604)とをGaFIBでスパッタエッチする際に
は、前記図5に示すようにC/SiO2 のエッチングレ
ート比はGaFIBの加速電圧に依存して変化し、約3
0kVでC/SiO2 のエッチングレート比は約1とな
る。従って、この条件で細く絞ったビーム607を使っ
てシリコン酸化膜からなる突出部(603、604)よ
り僅かに大きい領域をラスタ走査して炭素とシリコン酸
化膜を同時に、同一エッチングレートで削り取ることが
できる。
【0164】この加工の際に発生するCとSiの二次イ
オンの比を質量分析計608を使って計測しておくと、
ビーム走査領域内でシリコン酸化膜(603、604)
の周囲の炭素が消失した瞬間にC/Siの二次イオン比
が大きく変化するため、シリコン酸化膜がシフタ601
表面と同じ高さまで削られたことが判定できる。またC
/Siの二次イオン比の代わりに、C/Oの二次イオン
比を使って終点を判定することも可能である。このよう
な二次イオンの計測を使ってプロセスの終点を判定する
方法は、例えば特開昭58−106750号公報に開示
されている。
【0165】しかしながら、GaFIBによるスパッタ
リングではスパッタリングされた基板表面に深さ15nm
程度のダメージ層609が残り、露光に使用する光透過
率を低下させる。このため、シリコン酸化膜(603,
604)の除去が完了した後、図17(G)に示すよう
に、例えばXeF2 ガスとGaFIBを用いてダメージ
層609をアシストエッチングする。このガスを用いた
アシストエッチングではダメージ層が残らないため、基
板表面をダメージのない良好な状態にすることが可能と
なる。この加工によって約15nmの凹みができることに
なるが、この程度の凹みではウェハに転写されず、周囲
のパターンにも影響を与えない。
【0166】最後に、図17(H)に示すように、シリ
コン酸化膜(603,604)の除去の際に周囲に残っ
た炭素を、O2 プラズマアッシャーによって除去する。
例えばO2 ガスをチャンバ内が0.9Torrになるように
流し、高周波電力500Wを印加することによりアッシ
ングを行うと、ダメージなく炭素の除去が行える。炭素
の除去はO2 プラズマアッシャーのみならず、O2 ガス
又はCF4 を添加したO2 ガスを使ったCDEでも行う
ことが可能である。さらに、基板温度を150〜400
℃に保つことにより効果的である。さらに、O2 又はO
3 雰囲気下でのレーザ照射又はFIB照射によっても炭
素の除去が可能である。
【0167】なお、残存する炭素の除去は全ての欠陥の
修正が終了した後に一括で行えばより効率的である。ま
た、最後の2工程、炭素除去工程とダメージ除去工程は
順序を入れ替えることも可能である。
【0168】以上述べたように本修正プロセスフローに
従って欠陥の修正を行えば、次のような効果が得られ
る。
【0169】(1) 凹状欠陥602をシリコン酸化膜(6
03、604)で凹み形状通りに埋め込む必要が無いた
め、極めてプロセスが簡単になる。
【0170】(2) 凹状欠陥602の埋め込みによって生
じた突出部は、それよりも広い範囲で平坦化膜(60
5,606)に覆われているため、突出部除去時にGa
ビーム照射によって生じる欠陥領域周辺へのダメージ発
生を極力抑えることができる。
【0171】(3) 材質の異なる平坦化膜(605,60
6)とシリコン酸化膜(603,604)を同時に加工
し、平坦化膜(C)と突出部(シリコン酸化膜)から放
出される二次イオン又はそれら二次イオン比を計測する
ことで、突出部加工の終点検出が容易である。
【0172】(4) 厚さが一定でない突出部も平坦化膜
(605,606)を使用して平坦化されるため、修正
表面は容易に平坦化される。
【0173】(5) 修正された凹状欠陥表面に残ったダメ
ージ層609は、XeF2 とGaFIBを用いたアシス
トエッチングで容易に除去することができる。
【0174】(6) 欠陥修正のために用いた炭素膜も、O
2 プラズマアッシャーで他にダメージを与えることなく
容易に除去することができる。
【0175】(7) GaFIB装置を使い、装置中に導入
するガスの種類を変えるだけで大部分の修正が行えるた
め、極めて効率のよい欠陥修正が可能となる。
【0176】以上凹状欠陥の修正プロセスについて述べ
てきたが、本修正プロセスは上記実施例だけに限定され
るものではない。
【0177】実施例では凹状欠陥をシリコン酸化膜で埋
め込んだ後に残る突出部を覆う平坦化材料としてピレン
ガスを原料とする炭素膜について述べたが、第1の実施
例と同様の変形が可能である。
【0178】また、炭素、SiO2 の同時にエッチング
としては、第1の実施例と同様の変形が可能である。さ
らに、突出部の除去後に残留する炭素の除去も、第1の
実施例と同様の変形が可能である。また、炭素の堆積、
炭素、SiO2 の同時エッチング、ダメージ層の除去に
用いるイオン源も、第1の実施例と同様の変形が可能で
ある。
【0179】また、凹状欠陥の形状によってプロセスを
省略することができる。即ち、図17(A)〜17
(C)に示したような多段階でのシリコン酸化膜の形成
後、凹状欠陥の形状によっては表面での凹凸は欠陥修正
で許される段差以内に収まるため、図17(D)以降に
示す工程を進める必要はない。
【0180】また、上記実施例では凹状欠陥をシリコン
酸化膜で埋め込んだが、埋め込み材料はシリコン酸化物
に限定されるものではない。シフタの材質によって埋め
込み材料は選択すべきものであり、シリコン窒化物、ク
ロム酸化物等でも上記修正を同様に行うことが可能であ
る。
【0181】(実施例7)第7の実施例では、シフタ凹
状欠陥の修正方法を、特に凹状欠陥に堆積させた埋込み
材料の膜質改善効果を含めて説明する。
【0182】この実施例は基本的には第2の実施例と同
様であり、図20(A)〜20(D)に示す工程と同様
にして、SiO2 膜706を形成し、さらに第1及び第
2の堆積膜707,708を形成する。この後、第1及
び第2の堆積膜707,708で覆われた領域にレーザ
光を照射し、炭素膜のエネルギー吸収による発熱によっ
て堆積膜707,708下のSiO2 膜706を局所的
に加熱する。SiO2膜706は加熱によるアニール効
果でSiOx構造の欠陥が改善され、SiO2膜の光透
過率が向上する。このようにすると、図19に示すよう
な光透過率の向上が認められる。これ以降は、図8
(E)〜8(G)に示す工程と同様にして、SiO2
706及び堆積膜707,708のエッチバック、ダメ
ージ層211の除去を行う。
【0183】このように、本実施例の修正プロセスフロ
ーに従って凹状欠陥の修正を行えば、第2の実施例で述
べた (1)〜(7) の効果に加え、SiO2 膜706の構造
欠陥がレーザアニールで改善され、SiO2 膜706の
光透過率を向上させることができるという効果が得られ
る。
【0184】(実施例8)第8の実施例では、シフタ凹
状欠陥の修正方法を、図20を用いて詳しく説明する。
この実施例は、基本的には第2の実施例と同じである
が、膜堆積の際に照射するFIBのエネルギーを低くし
て堆積膜の透過率の向上を図っている点が第2の実施例
とは異なっている。
【0185】まず、一般的な欠陥検査装置を使って求め
られた欠陥の大きさ,形状(凸か凹か)、位置などの情
報を基に、FIB装置を用いて修正すべき欠陥を認識す
る。図20(A)に示すように、位相シフタ701に凹
状欠陥702が確認された後、室温で凹状欠陥702上
にノズル703からSi−O結合及び/又はSi−H結
合を持つガス、又はそれを含む混合ガス、例えば1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと酸
素の混合ガス704(混合比=1:7)を吹き付けなが
ら、凹状欠陥702よりやや広い領域にGaFIB70
5を照射する。これにより、図20(B)に示すよう
に、シフタ701表面より僅かに突出したSiO2
(埋込み材料)706を形成する。なお、用いたノズル
の径は0.2mm、Fig.1に示した静電容量型圧力計での
圧力は4Torrであった。このときのガスのノズル出口で
の全流量は0.05sccmであった。
【0186】ここで、照射するGaFIBのエネルギー
と形成したSiO2 膜(厚さ0.3μm)の248nmの
光(レベンソン型位相シフトマスクに用いる光)に対す
る光透過率の関係を図23に示す。GaFIBのエネル
ギーが下がるに従って光透過率は高くなる。これは、S
iO2 膜の成膜中に堆積膜内にGa+ イオンが注入され
て光透過率低下の原因となる欠陥を生じるが、Ga+
オンのエネルギーが小さいほど、イオン1個当たりに発
生する欠陥の数が少なくなるためである。ここでは、G
aFIBのエネルギーを5.5keVとしたので、形成
した膜の光透過率は91%となり、凹状欠陥修正に必要
とされる光透過率(80.6%)以上の値を有してい
る。また、GaFIBのビーム電流は20pAであっ
た。ここではリターディングモードのFIB装置、即ち
加速電圧25kVで試料台の電圧を19.5kVと設定
可能な装置を用いているため、Ga+ イオンの照射エネ
ルギー [(加速電圧)−(試料台電圧)]×e(素電荷) を5.5keVとしてもビーム径は0.05μmφであ
り、微細な領域への成膜が可能である。リターディング
モードではなく通常のFIB装置では加速電圧を5.5
kVと設定しなければならず、この場合のビーム径は〜
1μmとなり、微細な領域への成膜が困難となる。
【0187】なお、ここでは5.5keVのGa+ FI
Bを用いたが、図23のGa+ イオンのエネルギーと光
透過率の関係を考慮して他のエネルギーを選択すること
が可能であり、また他のイオン種を選択することも可能
である。また、前記2種類のガスはそれぞれ別々のノズ
ルから吹き付けてもよく、酸素の代わりにO3 、N2
など酸素を主成分とするガスを用いてもよい。ガスの混
合比は1:7だけではなく、用いるガス種、FIBのイ
オン種、エネルギーに応じて堆積物が透明で、形状良く
凹状欠陥が埋まる混合比とすればよい。
【0188】また、チャージニュートライザがガスノズ
ルの近くにありニュートライザ内の電子放出フィラメン
トからの輻射熱がガスに影響を与える場合には、マスク
基板上に炭素からなる黒色のコンタミネーションが付着
する。従って、チャージニュートライザはガスノズルか
ら離して配置することが望ましい。
【0189】次いで、図20(C)に示すように、Si
2 膜706の突出部の周りに、僅かな間隔をあけて第
1の薄膜707をドーナツ状にSiO2 膜706と同じ
高さまで形成する。この堆積膜707は、例えば20k
eVに加速されたGaFIBでピレンガスを分解させて
炭素(C)を堆積させるアシストデポジションにより形
成する。
【0190】次いで、図20(D)に示すように、Si
2 膜706の突出部と第1の堆積膜707を覆う領域
に、第2の堆積膜708を形成する。この際のSiO2
膜の突出部と第1の堆積膜707との間隔xと、第2の
堆積膜708を厚さ1.0μmで形成した際に生じる表
面の凹みの深さyとの間には、前記図4に示すような関
係がある。即ち、xが小さくなるほどyが小さくなる。
これは、イオンビームとガスを用いたアシストデポジシ
ョンでは、狭い溝の内部で多重散乱したイオン及び2次
電子により堆積が進むため、SiO2 膜の706の突出
部や第1の堆積膜707上より溝の内部のほうが成膜速
度が速くなり、yが小さくなって平坦な膜が得られ得る
ためである。
【0191】次いで、図20(E)に示すように、この
ようにして形成された平坦な膜(707,708)とS
iO2 膜706の突出部とを、同時に同一レートでエッ
チングする。例えば、上述した20keVのGaFIB
とピレンガスを用いて形成した炭素膜(707,70
8)とSiO2 膜706の突出部とをGaFIBでスパ
ッタエッチする際には、前記図5に示すようにC/Si
2 のエッチングレート比はGaFIBの加速電圧に依
存して変化し、約30kVでC/SiO2 のエッチング
レート比は約1となる。従って、この条件で細く絞った
ビーム709を使って突出部より僅かに大きい領域をラ
スタ走査してCとSiO2 を同時に、同一エッチングレ
ートで削り取ることができる。
【0192】この加工の際に発生する炭素とSiの2次
イオンの比を質量分析計710を使って計測しておく
と、ビーム走査領域内でSiO2 膜706の突出部の周
囲の炭素が消失した瞬間にC/Siの2次イオン比が大
きく変化するため、SiO2 膜706の突出部がシフタ
701表面と同じ高さまで削られたことが判定できる。
また、C/Siの2次イオン比の代わりにC/Oの2次
イオン比を使って終点を判定することも可能である。
【0193】しかしながら、GaFIBによるスパッタ
リングではスパッタリングされた基板表面に深さ15nm
程度のダメージ層711が残り、露光に使用する光透過
率を低下させる。このため、SiO2 膜706の突出部
の除去が完了した後、図20(F)に示すように、例え
ばXeF2 ガスとGaFIBを用いて前記ダメージ層7
11をアシストエッチングする。このガスを用いたアシ
ストエッチングではダメージ層711が残らないため、
ダメージ層711の除去が可能となる。なお、この加工
によって約15nmの凹みができることになるが、この程
度の凹みではウエハ上に転写されないし、周囲のパター
ンにも影響を与えない。
【0194】最後に、図20(G)に示すように、Si
2 膜706の突出部の除去の際に周囲に残存した炭素
をO2 プラズマアッシャによって除去する。例えば、O
2 ガスをチャンバ内が0.9Torrになるように流し、高
周波電力500Wを印加することによりアッシングを行
うと、ダメージなく炭素の除去が行える。炭素の除去
は、O2 プラズマアッシャのみならず、O2 ガス又はC
4 を添加したO2 ガスを使ったCDEでも行うことが
可能である。さらに、基板温度を150〜400℃に保
つとより効果的である。さらに、O2 又はO3 雰囲気中
でのレーザ光照射、又はFIB照射によっても炭素の除
去が可能である。
【0195】なお、残存する炭素の除去は全ての欠陥の
修正が終了した後に一括で行えばより効率的である。ま
た、最後の2工程、炭素除去工程とダメージ除去工程は
順序を入れ替えることも可能である。
【0196】このように、本実施例の修正プロセスフロ
ーに従って凹状欠陥の修正を行えば、次のような効果が
得られる。
【0197】(1) 凹状欠陥702をSiO2 膜706で
凹み形状通りに埋め込む必要が無いため、極めてプロセ
スが簡単になる。
【0198】(2) 凹状欠陥702の埋め込みによって生
じた突出部は、それよりも広い範囲で平坦化膜(第1の
堆積膜707、第2の堆積膜708)に覆われているた
め、突出部の除去時、Gaビーム照射によって生じる欠
陥領域周辺へのダメージ発生を極力抑えることができ
る。
【0199】(3) 材質の異なる平坦化膜(707,70
8)とSiO2 膜706の突出部を同時に加工し、平坦
化膜(C)と突出部(SiO2 )から放出される2次イ
オン又はそれら2次イオン比を計測することにより、突
出部加工の終点検出が容易である。
【0200】(4) 厚さが一定でない突出部も平坦化膜
(707,708)を使用して平坦化されるため、修正
表面は容易に平坦化される。
【0201】(5) 修正された凹状欠陥表面に残ったダメ
ージ層711はXeF2 とGaFIBを用いたアシスト
エッチングで容易に除去することができる。
【0202】(6) 欠陥修正のために用いた炭素膜(70
7,708)も、O2 プラズマアッシャで他にダメージ
を与えることなく容易に除去することができる。
【0203】(7) GaFIB装置を使い、装置中に導入
するガスの種類を変えるだけで大部分の修正が行えるた
め、極めて効率のよい欠陥修正が可能となる。
【0204】(8) Ga+ イオンの加速エネルギーを低く
しているので、凹部内に堆積するSiO2 膜706の光
透過率を短い波長(248nm)に対しても十分に高くす
ることができ、上記の波長領域で使用するレベンソン型
位相シフトマスクの修正に適用することができる。
【0205】以上凹状欠陥の修正プロセスについて述べ
てきたが、本修正プロセスは上記実施例だけに限定され
るものではない。
【0206】実施例では、凹状欠陥をSiO2 で埋め込
んだ後に残る突出部を覆う平坦化膜としてピレンガスを
原料として形成した炭素膜について述べたが、他の炭化
水素ガスを原料として形成した炭素膜や例えばW(C
O)6 を用いて形成したタングステン膜を用いることも
できる。タングステン膜の被覆性は炭素膜とほぼ同じで
あり、上述の2段階デポジションを行ったところ、炭素
膜と同様表面に凹みの小さい平坦な膜を得ることができ
た。さらに、突出部(SiO2 )とタングステン膜との
同時加工では、エッチングレート比が約1になる点が一
般的なFIB装置の加速電圧範囲に存在する。
【0207】また、凸状欠陥を覆う平坦化膜としては、
FIBで形成した膜のみならず、感光性樹脂又は荷電粒
子により架橋あるいは分解する樹脂からなる膜であって
もよい。これらの膜を形成する場合、これらの樹脂をス
ピンコーティングによりレチクル上に塗布した後、顕微
鏡を使用するか検査工程で得られた座標を利用して所望
の欠陥を含む領域のみにレーザ光、スリットを使用して
絞った光、FIB又は電子ビームを照射する。次いで、
これを現像して平坦化膜を形成する。第1の薄膜及び第
2の薄膜の形成は、上記工程を繰り返すことにより行
い、その膜厚調整は、レジストを感光させるときの露光
量(照射光量)又はレジストの濃度調整により行う。な
お、凸状欠陥が小さい場合や修正すべき欠陥の近傍にパ
ターンが近接している場合には、1回の平坦化膜形成を
行うだけでよい。以後、上記ピレンガスを原料とするF
IBを使用して形成した炭素膜と同様の加工を行うこと
ができる。また、感光性樹脂又は荷電粒子により架橋あ
るいは分解する樹脂を用いる場合には、硫酸と過酸化水
素の混合液のような剥離液を用いて除去することができ
る。
【0208】また、炭素、SiO2 の同時エッチングと
しては,第1の実施例と同様の変形が可能である。さら
に、突出部の除去後に残留する炭素の除去も、第1の実
施例と同様の変形が可能である。また、炭素の堆積、炭
素,SiO2 の同時エッチング、ダメージ層の除去に用
いるイオン源も、第1の実施例と同様の変形が可能であ
る。
【0209】また、上記プロセスでは凹状欠陥の形状に
ついては記述しなかったが、形状によってプロセスを省
略することができる。即ち、アスペクト比が大きな凹状
欠陥の場合、1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンを用いたSiO2 の堆積形状は図21
(A)のようになる。このような場合には表面での凹凸
は欠陥修正で許される段差以内に収まるため、図20
(C)以降に示す工程を進める必要はない。
【0210】これに対して図21(B),図21(C)
で示すような欠陥の場合には、SiO2 を堆積させた後
の表面の凹凸が許容段差以内にならないため、図20で
示した全工程が必要になる。また、図21(C)のよう
な欠陥であれば、図22に示すように予め凹みの中に側
壁から僅かに離してSiO2 を堆積させ、続いて欠陥を
完全に覆う領域にSiO2 を堆積させることによって、
表面凹凸の小さい堆積をさせることができる。このよう
にすると、上述したのと同様に図20(C)以降に示す
工程を進める必要がない場合もあり得る。
【0211】また、上記実施例ではシリコン酸化物につ
いて述べたが、シリコン酸化物に限定されるものではな
い。例えば、シリコン窒化物、Cr酸化物等でも膜形成
の際に、照射するFIBエネルギーを低くすることによ
り、イオン照射に起因する光透過率の低下を抑えること
ができる。
【0212】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変更して実施することができる。
【0213】なお、上述した各実施例では位相シフトマ
スクを例に挙げて修正方法を説明したが、本発明は位相
シフトマスクに限られるものではない。通常のCrマス
クやX線マスクの修正についても適用できる。さらに、
フレネルゾーンプレートや他の光学部品の修正にも適用
することが可能である。
【0214】(実施例9)第9の実施例では、シフタ凹
状欠陥の修正方法を、特に凹状欠陥に堆積する埋め込み
材料のSiO2 膜形成について説明する。
【0215】この実施例は、基本的には特願平4−29
4536号明細書における第2の実施例と同じである。
まず、一般的な欠陥検査装置を使って求められた欠陥の
大きさ、形状(凸か凹か)、位置などの情報に基づい
て、FIB装置を用いて修正すべき欠陥を認識する。位
相シフタに凹状欠陥が確認された後、室温で凹状欠陥上
にノズルからSi−O結合及び/又はSi−H結合をも
つガス、またはそれを含むガス、例えば1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサンと酸素の混合ガ
スを吹き付けながら、凹状欠陥よりやや広い領域にGa
+ FIBを照射する。これにより、シフタ表面より僅か
に突出したSiO2 膜(埋込み材料)を形成する。ここ
で用いたノズルの径は0.2mm、ガスのノズル出口での
全流量は0.05sccmであった。
【0216】特願平4−294536号明細書によれ
ば、この埋込み材料であるSiO2 膜の光透過率を向上
させるために、堆積膜のUV光照射、またはUV光照射
しながらの成膜、または堆積膜のO2 雰囲気中でのアニ
ール処理、または低エネルギーイオンによる堆積を行う
としている。50keVのSi2+FIBを用いて形成し
たSiO2 膜の場合は、O2 雰囲気中でのアニール処理
により光透過率の向上が見られたが、25keVのGa
+ FIBを用いて形成したSiO2 膜の場合は、O2
囲気中でのアニール処理による光透過率向上の効果が得
られない。また、レベンソン型位相シフトマスク修正の
工程においてのアニール処理は、マスクパターンの歪み
などの問題を生じる恐れがある。
【0217】一方、低エネルギーイオンを用いて形成す
る場合は、リターディングモードのFIB装置を用いれ
ば、イオンエネルギーを5.5keVとしてもビーム径
は0.05μmφであるので、微細な領域の成膜が可能
であるが、通常のFIB装置ではイオンエネルギー5.
5keVの場合、ビーム径〜1μmφとなり、微細な領
域への成膜が困難である。また5.5keVでは成膜効
率が低いためにあまり実用的ではない。この実施例で
は、Ga+ FIBを用い、イオンエネルギー5.5ke
V以外のエネルギーで、しかもアニールやUV光照射な
どの後処理なしで位相シフタの修正に使用可能な光透過
率を持つSiO2 膜を形成した例を示す。
【0218】この実施例では、SiO2 膜の形成を、膜
付け用の原料ガスとして1,3,5,7−テトラメチル
シクロテトラシロキサン(TMCTS)と酸素の混合ガ
スを用い、Ga+ FIBを照射することで行った。イオ
ンエネルギー25keVのときのビーム電流密度と形成
したSiO2 膜のKrF光(波長248nm)に対する光
透過率との関係を図24に示す。
【0219】図24から分かるように、ビーム電流密度
が低くなるに従い光透過率は高くなる傾向にあるが、ビ
ーム電流密度11mA/cm2 以下になると光透過率は
飽和する。この飽和傾向はイオンエネルギーにかかわら
ず同じである。したがって、各イオンエネルギーにおい
て、光透過率が飽和するビーム電流密度のビームを用い
て成膜を行った。
【0220】次に、イオンエネルギー、及びO2 分圧比
を変えて形成した場合のSiO2 膜(膜厚250nm)の
KrF光(波長248nm)に対する光透過率を図25に
示す。これによれば、TMCTSに対するO2 分圧比が
高い、及び/或いはイオンのエネルギーが低いほど光透
過率は高い、という傾向がある。
【0221】KrF光用レベンソン型位相シフトマスク
では、位相を反転するための位相シフタの膜厚tは、露
光光源の波長をλ、屈折率をnとするとt=λ/{2
(n−1)}の奇数倍で表される。ここでは、KrFを
光源とし(λ=248nm )、位相シフタをシリコン酸化膜
(n=1.508 )としたため、t=244nm としている。ま
た、シミュレーションによればKrF光用レベンソン型
位相シフトマスクのシフタの凹状欠陥修正のために必要
なKrF光に対する光透過率は、80%以上であればよ
いことが分かっている。そのため、図25のKrF光に
対する光透過率が80%を示す曲線以上の分圧比の条件
でSiO2 膜を形成すればよい。
【0222】この方法によれば、通常のFIB装置でい
ずれのエネルギーのイオンを用いても透過率の高いSi
2 膜の形成を行うことができる。なお、光透過率が7
0%でよい場合には、図25の70%を示す曲線以上の
2 分圧比で堆積を行えばよいし、またその他の光透過
率の場合には、その光透過率におけるO2 分圧比とイオ
ンエネルギーの関係から求めたO2 分圧比以上の領域で
SiO2 膜を形成すればよい。
【0223】これ以降の工程は特願平4−294536
号明細書の実施例2に示す工程と同様にして、SiO2
膜及び第1及び第2の薄膜のエッチバックを行う。
【0224】この様に、本実施例の修正プロセスフロー
にしたがって凹状欠陥の修正を行えば、特願平4−29
4536の実施例2で述べた(1) 〜(7) の効果に加え、
位相シフトマスクの位相シフタ凹状欠陥修正に使用可能
な光透過率の高いSiO2 を、後処理なしで効率よく形
成できる、という効果が得られる。
【0225】ここで、本実施例において使用されたTM
CTSについて説明する。まず第1に、TMCTSは、
図27(A)に示すように、−Si−O−Si−の結合
を有する環状の分子である。環状であるためTMCTS
の−Si−O−Si−結合は安定であり、これを保持し
て図26に示すSiO2 膜になり易い。これは、比較的
反応性が高く、エタノールとして脱離し易いエトキシ基
のOがSiと結合したTEOSと大きく異なる。
【0226】第2に、TMCTSでは、図27(A)に
示すように、Si−O結合およびSi−C結合の他にS
i−H結合がある。これは、図27(B)に示すよう
に、Si−O結合とSi−C結合のみからなるOMCT
S(octamethylcyclotetrasiloxane)と異なり、TMCT
Sを用いて成膜する場合、嵩高いCH3 基による立体障
害が小さいので、O原子がSi原子と反応し易くSi−
O結合を生じ易い。このように、TMCTSを用いて得
られるSiO2 膜は、OMCTSを用いて得られるSi
2 膜よりも光透過率が高い。
【0227】第3に、GaFIBによるSiO2 膜の成
膜収率は、TMCTSを用いた場合には7atom/ionであ
り、TEOSを用いた場合には2atom/ionである。した
がって、TMCTSを用いた場合の方が特定膜厚まで成
膜する際に入射するイオン数がすくないので、成膜中の
入射イオンによるダメージが小さく、得られたSiO2
膜の光透過率が高くなる。
【0228】(実施例10)第10の実施例では、凸状
欠陥を覆う平坦化膜の形成と、平坦化膜および凸状欠陥
エッチング後の残留平坦化膜の除去について説明する。
特願平4−294536号明細書によれば、第1及び第
2の膜はFIBでアシストデポジションした炭素膜を用
いて平坦化を行うとしている。この実施例では、平坦化
膜としてFIBでアシストデポジションしたAuを用
い、ウェットエッチングにより残留平坦化膜除去を行っ
た例について示す。
【0229】まず、一般的な欠陥検査装置を使って求め
られた欠陥の大きさ、形状(凸か凹か)、位置などの情
報に基づいて、FIB装置を用いて修正をすべき欠陥を
認識する。凹状欠陥が確認された後、15keVのGa
+ FIBとAu膜形成のための原料ガス、例えばジメチ
ルゴールドヘキサフルオロアセチルアセトネートを(C
7 7 6 2 Au)を用いたアシストデポジションに
より、凸状欠陥の上部が平坦になるようにAuを堆積す
る。この際、特願平4−294536号明細書で示した
ように、欠陥の形状と位置に応じて2段階あるいは多段
階デポジションにより平坦化を行う。
【0230】平坦化膜堆積後は、特願平4−29453
6号明細書に示す工程と同様にして、30keVのGa
FIBとXeF2 ガスを用いて凸状欠陥を含むAu膜の
平坦である領域を除去する。ここで、AuはGaFIB
によるスパッタリングにより除去され、凸状欠陥(Si
2 )はGaFIBとXeF2 のアシストエッチングに
より光透過率の減少なく除去される。このとき、XeF
2 のガス圧を調節することによりAuとSiO2 のエッ
チングレートを等しくする。
【0231】エッチバック後の余剰のAu膜の剥離は、
王水によるウェットエッチングにより行う。Auは王水
に溶解するのに対し、マスクのシフタの材料であるSi
2、および遮光体であるクロムまたは酸化クロムは王
水に不溶であるので、遮光体およびシフタにダメージを
与えずにAuのみを剥離することができる。
【0232】王水に溶ける物質としてAuの他にPtが
あるので、Au膜の代わりに凸状欠陥を覆う平坦化膜と
して、FIBとPt膜堆積のための原料ガス、例えば
(メチルシクロペンタジメチル)トリメチルプラチナ
[(MeCp)PtMe3 ]を用いて堆積するPt膜を
使用しても良い。その他、マスクの遮光体およびシフタ
が不溶である薬液に溶解する材料を平坦化膜として使用
することも可能である。また、本実施例の方法は、凹状
欠陥にシフタ表面より僅かに突出して堆積させたSiO
2 膜(埋混み材料)を平坦に加工する工程でも使えるこ
とは明らかである。
【0233】(実施例11)第11の実施例では、凸状
欠陥を覆う平坦化膜の除去について説明する。特に、平
坦化膜の原料ガスとして炭化水素ガスと水素ガスの混合
ガスを用いることについて説明する。
【0234】特願平4−294536号明細書におい
て、凸状欠陥を覆う炭素からなる平坦化材料の原料ガス
としてピレン、スチレン、メタクリル酸メチル、2,
4,4−トリメチル−1−ペンテン、イソプレンといっ
た炭化水素ガスを用いると述べたが、原料ガスとして炭
化水素ガスと水素ガスの混合ガスを用いることもでき
る。水素ガスを混合することにより炭素膜中の水素量が
増加し、炭素膜のポリマー化が進む。これにより、炭素
膜の除去を容易にすることができる。これは、スパッタ
リング等で作製した炭素膜とポリマーであるレジストを
比較するとレジストのほうがアッシャー、CDE、レー
ザ等により容易に除去できることから理解できる。
【0235】例えば、炭化水素ガスである2,4,4−
トリメチル−1−ペンテンガスと水素ガスとを使用した
場合について述べると、図1に示す装置において、2,
4,4−トリメチル−1−ペンテンガスと水素ガスをガ
スボンベ11に入れ、ガス導入系中で2,4,4−トリ
メチル−1−ペンテン1.0Torrと水素ガス1.0Torr
を混合し、ノズル13から試料8表面に吹き付ける。こ
こにGaイオン源1から引き出した、ビーム電流10p
A、加速電圧25keVのFIBを照射し、炭素膜を形
成した。このように形成した炭素膜の成膜効率は、18
atom/ionであり、2,4,4−トリメチル−1−ペンテ
ン単独の場合の1.6倍となっていた。また、この炭素
膜を水20sccm、酸素ガス200sccmを用いてパワー1
00WでのCDEにより除去したところ、除去速度が
2,4,4−トリメチル−1−ペンテンガスのみを原料
ガスとして形成した炭素膜の場合の5倍向上した。ここ
では、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンガスと水
素ガスの混合比率を1:1としたが、全圧を一定とした
場合、水素ガス分圧の上昇により形成した炭素膜の除去
速度が上昇する一方、ガス分圧が高くなりすぎると成膜
効率の低下を招くため水素ガス分圧については適当な条
件を選ぶことが望ましい。
【0236】(実施例12)第12の実施例では、凸状
欠陥を覆う平坦化膜の除去について説明する。特に、G
a除去工程について説明する。
【0237】特願平4−294536号明細書における
炭素膜の除去工程において、炭素を酸化させるためにO
2 単独、O3 単独、またはO2 とN2 、H2 O、C
4 、H2 、N2 O、もしくはNOとの混合ガスを使っ
たCDEや、O2 またはO3 雰囲気下でのレーザー照射
等により炭素を除去する際に、Ga除去工程を含むこと
が望ましい。
【0238】FIBアシストデポジションにより形成し
た炭素膜は炭素のみならずGaやOも含んでいる。この
ため、炭素を酸化させて除去する上記の方法において
は、炭素はCO、CO2 となって除去されるが、Gaは
酸化によっては除去されず、酸化ガリウムになって表層
に残存する。このため、炭素膜のエッチングが進むにつ
れて炭素膜表面のGaの濃度が高くなり、エッチング速
度が落ちる。このエッチング速度が落ちてしまった炭素
膜を、例えば1N硝酸水溶液中にレチクルごと5分間放
置しておくと、炭素膜表面に残存した酸化ガリウムが除
去される。その後、炭素の酸化を利用したCDEやレー
ザ照射を行うことにより、良好にエッチングを行うこと
ができる。この場合、石英基板は硝酸には不溶であり、
遮光体であるCrや反射防止膜であるCrOxは硝酸に
対して不動態を作るためやはり不溶であり、レチクルへ
のダメージは生じなかった。このようなウェットエッチ
ングによる酸化ガリウムの除去は、硝酸だけでなく、濃
硫酸、KOHやNaOH等のアルカリを用いることもで
きる。
【0239】(実施例13)第13の実施例では、凸状
欠陥を覆う平坦化膜の堆積とエッチバック後の残留平坦
化膜の除去について説明する。すなわち、本実施例で
は、平坦化膜として溶液で除去しやすい膜を薄く形成
し、その上に炭素膜を形成して2層構造の膜を形成し、
エッチバック後に溶液で下層膜と共に残留した炭素膜を
除去した例について説明する。
【0240】まず、一般的な欠陥検査装置を用いて求め
られた欠陥の大きさ、形状(凹か凸か)、位置などの情
報をもとに、凸状欠陥を含む領域にPIBM(ポリイソ
ブチルメタクリレート)のLB(ラングミュアーブロジ
ェット)膜を形成する(18層、厚さ200オングスト
ローム)。次に、前記欠陥の情報をもとにFIB装置を
用いて修正すべき欠陥を認識する。凸状欠陥が認識され
たのち、ピレンガスを用いて5keVのGaFIBで、
平坦化膜を形成する領域を含むLB膜上に炭素膜を厚さ
200オングストロームで形成する。次に、精度よく平
坦化膜を形成するために、特願平4−294536号明
細書に示すように、ピレンガスを用いて20keVのG
aFIBで、欠陥の形状と位置に応じて2段階あるいは
多段階堆積を行い、これにより平坦化する。ここで、5
keVのGaイオンのLB膜内のレンジは100オング
ストローム以内であるので、LB膜内へのGaイオンの
注入によりLB膜の構造が全て壊れることはない。ま
た、5keVのGaFIBによる炭素膜形成により、そ
の後の20keVのGaFIBによる炭素膜形成でのG
aイオンがLB膜の構造を完全に壊すこともない。
【0241】平坦化膜を形成した後は特願平4−294
536号明細書に示す工程と同様にして凸状欠陥を含む
炭素膜の平坦に形成された領域を除去する。エッチバッ
ク後、メタクレンでLB膜を溶かすことによりその上の
残留炭素膜を除去する。メタクレンでは、マスクの基板
およびシフタ材料であるSiO2 および遮光膜材料であ
るCrを溶解させることができないので、遮光体および
シフタにダメージを与えることなく炭素膜とLB膜のみ
を除去することができる。
【0242】なお、2層構造の平坦化膜としては、PI
BMのLB膜と炭素膜の組み合わせばかりでなく、下層
膜としてSiO2 およびCrが不溶の溶液に溶ける膜で
あって、上層膜として凸状欠陥をエッチバック可能な膜
であれば良い。また、下層膜としては、ブラシなどによ
り機械的に除去できる膜あるいはSiO2 膜とCr膜に
ダメージを与えない方法で除去できる膜であれば良い。
【0243】また、2層構造の平坦化膜ばかりでなく、
少なくとも最下層膜が前記の様に除去しやすい膜で構成
された多層構造の平坦化膜であっても良いことは明らか
である。
【0244】(実施例14)第14の実施例では、基板
のFIB照射領域へのダメージ層の形成を防止して凸状
欠陥の突出部と平坦化膜を除去することについて説明す
る。
【0245】平坦化膜の原料ガスとしてスチレン等を使
用した場合には成膜効率が低く、欠陥が発生した場合に
その修正に長時間を要する。また、成膜効率が低いため
に成膜の際のイオン照射量が多くなり、同時除去工程後
にO2 ガスを使ったケミカルドライエッチングより平坦
化膜を除去するときに高温で長時間ケミカルドライエッ
チングを行わなければならない。
【0246】また、凸状欠陥の突出部と平坦化膜をそれ
ぞれのエッチングレートを一致させてスパッタエッチン
グにより除去すると、基板のFIB照射領域にダメージ
層が生じる。このダメージ層の発生を防止するためにX
eF2 を含むガスを用いたアシストエッチングまたはレ
ーザ光を用いた熱エッチングを行うと、余分な掘込みを
行うことになり、加工の余裕度を狭めてしまう。
【0247】上記問題を解決するために本実施例では、
次のような手段を採用する。
【0248】第1に、凸状欠陥もしくは凹状欠陥を修正
する際に、炭素を含む材料からなる第1及び第2の薄膜
をメタクリル酸メチルガス、2,4,4−トリメチル−
1−ペンテンガスを原料ガスとして使用したFIBアシ
ストデポジションで形成すること。
【0249】これにより、平坦化膜の成膜効率を向上さ
せることができ、修正に要する時間を短縮できると共
に、成膜の際のイオン照射量を抑えることができるた
め、同時除去工程後に残存する平坦化膜を容易に除去で
きる。
【0250】第2に、凸状欠陥もしくは凹状欠陥を修正
する際に、突出部と第1及び第2の薄膜をXeF2 ガス
とO2 ガスあるいはO3 ガスとを用いたFIBアシスト
エッチングで同時除去すること。
【0251】これにより、平坦化膜とシフタのエッチン
グレートを一致させることができ、かつ基板表面にダメ
ージを残さずに修正を行うことができる。このため、ダ
メージ層除去工程が削減できる。したがって、ダメージ
層除去工程の際に発生する余分な掘り込みがなくなる。
【0252】第3に、凸状欠陥もしくは凹状欠陥を修正
する際に、同時除去工程後に残存した第1及び第2の薄
膜をCF4 、H2 、H2 O、N2 、N2 O、またはNO
の少なくとも一つのガスをO2 ガスに添加した混合ガス
を用いてケミカルドライエッチングにより除去するこ
と。
【0253】これにより、高周波電力を印加する際に、
放電する原子状の酸素が増加し、炭素の除去速度が速く
なる。また、低温から炭素の除去が起こるので、スルー
プットの向上を図ることができる。
【0254】次に、本発明の具体例を説明する。
【0255】常温で液体であるメタクリル酸メチル(モ
ノマー)、(CH2 :C(CH3 )COOCH3 )、
2,4,4−トリメチル−1−ペンテン((CH3 3
CCH2 C(CH3 ):CH2 )、イソプレン(C
2 :C(CH3 )CH:CH2 )を用いたFIBアシ
ストデポジションを図1を用いて説明する。
【0256】メタクリル酸メチル、2,4,4−トリメ
チル−1−ペンテン、またはイソプレンをガスボンベ1
1に投入し、このガスボンベ11内を真空排気して出て
くるガスをノズル13から試料8上に吹き付けた。この
ときのノズル13内のガス圧力は1Torrである。次い
で、ガスを吹き付けている試料上にイオン源1から引き
出した、ビーム電流が10pAである、25keVのG
aFIBを照射して試料8上に炭素膜を形成した。
【0257】このようにして炭素膜の成膜効率を調べた
ところ、メタクリル酸メチルを用いた場合は7.5atom
/ionであり、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンを
用いた場合は11atom/ionであり、イソプレンを用いた
場合は9atom/ionであった。特願平4−294536号
明細書において、平坦化膜及び石英基板の同時エッチン
グをガスを用いたFIBアシストエッチングでも可能で
あることを述べた。この際、チャージニュートライザー
を構成するフィラメントと使用するガスとが反応するこ
とがある。例えば、酸化剤となるガスを用いると、タン
グステンフィラメントとそのガスが反応してタングステ
ン酸化物ができ、修正する試料に付着してしまい光透過
率を低下させる。これを防止するために、タングステン
フィラメントにカバーを取り付け、生じたタングステン
酸化物をカバー表面に付着させるようにし、電子のみが
試料表面に達するようにする必要がある。また、タング
ステン酸化物の発生を抑えてフィラメントの寿命を延ば
すために、差動排気を行ってフィラメント付近でのガス
の圧力を抑えることが望ましい。
【0258】また、特願平4−294536号明細書に
おいて、平坦化膜及び石英基板の同時エッチングの際の
ガスとしてXeF2 を含む混合ガスを用いることによ
り、欠陥除去を基板表面にダメージを残さずに行えるこ
とを述べた。すなわち、使用する平坦化膜の膜材料に依
存するが、平坦化膜がFIBアシストデポジションによ
り形成した炭素膜の場合には、ほとんどがXeF2 ガス
単独雰囲気下では石英のほうがエッチング速度が速く、
XeF2 ガスに酸化剤として機能するガスを加えること
により、平坦化膜とシフタのエッチングレートを一致さ
せることが可能となる。
【0259】例えば、XeF2 ガスとO2 ガスからなる
混合ガスを用いてFIBアシストデポジションを行った
場合について説明する。図28はガス分圧0.15Torr
のXeF2 ガスにO2 ガスを添加する場合のエッチング
レートを示しており、O2 ガス分圧が約4Torr以上で炭
素と石英のエッチング速度が一致するようになる。この
ときの光透過率の変化を図29に示す。図29から分か
るように、O2 分圧が5Torr付近から光透過率が低下す
るが、O2 分圧が6Torr付近でも93%以上を示してい
る。実際に、KrFエキシマステッパーを使った露光実
験を行ったところ、露光量、焦点深度、現像等の条件を
変化させても転写結果に修正の影響はでなかった。
【0260】このようにXeF2 ガスとO2 ガスの混合
ガスを用いることにより、基板表面にダメージを残さず
に修正を行うことができ、したがってダメージ層除去工
程を削減でき、しかも余分な掘込みを行わずに済ませる
ことができる。
【0261】ここで、炭素と石英のエッチング速度差の
許容値は、マスクの使用条件により変わるので、各々の
マスクの使用条件により許容値を適宜決定する必要があ
る。
【0262】例えば、ガス分圧0.15TorrのXeF2
ガスを用いる場合には、炭素と石英のエッチング速度差
が許容値の範囲内に入るO2 ガス分圧の範囲は広いが、
エッチング収率はスパッタリングの場合の2倍以下まで
下がってしまい、スループットはあまり向上しない。
【0263】スループットの向上を望む場合には、Xe
2 ガスの圧力を上げる必要がある。例えば、ガス分圧
0.30TorrであるXeF2 ガスを用いる場合を図30
に示す。この場合には、石英を示す曲線と炭素を示す曲
線が交差したところで両者のエッチング速度が一致す
る。この際のエッチング収率は、スパッタリングの場合
と比較して炭素の場合には7.3倍、石英の場合には
5.6倍となっており、スループットの向上を望むこと
ができる。このときの光透過率の変化を図31に示す。
図31から分かるように、光透過率はほぼ95%程度を
示しており、実際にKrFエキシマステッパーを使った
露光実験を行ったところ露光量、焦点深度、現像等の条
件を変化させても転写結果に修正の影響は出なかった。
【0264】この場合にもXeF2 ガスとO2 ガスの混
合ガスを用いることにより、基板表面にダメージを残さ
ずに修正を行えるため、したがってダメージ層除去工程
を削減でき、しかも余分な堀込みも行わずに済ませるこ
とができる。
【0265】ここで、炭素と石英のエッチング速度差の
許容値は、マスクの使用条件により変わるので、各々の
マスクの使用条件により許容値を適宜決定する必要があ
る。
【0266】この場合、炭素と石英のエッチング速度差
が許容値の範囲内に入るO2 ガス分圧の範囲は狭いた
め、ガス分圧、ガス全圧ともに精密に制御する必要があ
り、マスフローコントローラ等のフィードバック制御機
構が必要となる。
【0267】また、酸化剤として機能するガスとしてO
2 ガスのみならずO3 ガスを用いてもダメージを残さ
ず、炭素と石英のエッチング速度を一致させることがで
きる。図32に、ガス分圧0.15TorrであるXeF2
ガスにO3 ガス+O2 ガスを添加する場合を示す。通常
オゾナイザーで発生させたO3 ガスの濃度は高濃度用の
ものでも10%程度である。この実験で使用したオゾナ
イザーではオゾナイザー出口でのO3 濃度は10%であ
った。O3 ガス+O2 ガスをガス分圧2.1TorrでXe
2 ガスに添加すると、炭素と石英のエッチング速度が
一致するようになる。このときの光透過率の変化を図3
3に示す。図33から分かるように、このガス分圧では
95%程度を示している。また、実際にKrFエキシマ
ステッパーを使った露光実験を行ったところ露光量、焦
点深度、現像等の条件を変化させても転写結果に修正の
影響は出なかった。
【0268】このように、XeF2 ガスとO3 ガス+O
2 ガスの混合ガスを用いることにより、基板表面にダメ
−ジを残さずに修正を行うことができる。したがってダ
メ−ジ層除去工程を削減でき、しかも余分な掘込みも行
わずに済ませることができる。 ここで、炭素と石英の
エッチング速度差の許容値は、マスクの使用条件により
変わるので、各々のマスクの使用条件により許容値は適
宜決定する必要がある。
【0269】この場合、炭素と石英のエッチング速度差
が許容値の範囲内に入るO2 ガス分圧の範囲は狭いた
め、ガス分圧、ガス全圧ともに精密に制御する必要があ
り、マスフローコントローラ等のフィードバック制御機
構が必要となる。
【0270】また、酸化剤として機能するガスにO3
使用する際、O3 は低温でも熱分解し易い(250℃以
上では瞬時にO2 に分解する)ので、圧力計としてピラ
ニーゲージのような熱源を内部に含む圧力計を用いるこ
とはできない。上記の例ではではバラトロンを使用した
が、熱源を内部に含まない圧力測定手段を用いることが
必要である。
【0271】特願平4−294536号明細書におい
て、凸状欠陥除去の際に、周囲に残存した炭素をCDE
で除去できることを述べた。この際に用いるガスとして
はO2混合ガスを使用することができる。特に、C
4 、H2 O、N2 、N2 O、NOガスを単独または組
み合わせてO2 ガスに添加して高周波電力を印加し、一
緒に放電させて酸素のラジカルを増加させることによ
り、炭素の除去速度が上り、より低温から炭素の除去を
行うことができ、いっそう効果的である。
【0272】例えば、O2 ガスにH2 Oを添加した場
合、炭素膜の材料に依存するが、O2ガス単独では10
0℃付近からエッチングが開始するが、H2 Oを添加す
ることにより室温付近からエッチングが開始する。ま
た、基板の温度に依存するが、同じ基板温度ではH2
を添加することにより、一桁エッチング速度が上がる。
このH2 O添加によるエッチング速度向上の効果は、炭
素に対してのみであり、Crや石英に対してはエッチン
グ速度は向上しないので、H2 O添加によるマスクへの
悪影響はない。
【0273】また、炭素の堆積、炭素、SiO2 の同時
エッチング、ダメ−ジ層の除去はいずれもGaFIBに
より行っているが、このイオンに限定されるわけではな
い。例えば、Au、Siなどの他のイオンを用いて上記
各工程のプロセスを行ってもよいことは明らかである。
【0274】(実施例15)第15の実施例では、炭素
膜の除去に水素原子を分子中に含むガスを使用すること
について説明する。
【0275】本発明においては、水素ガスや水素原子を
分子中に含むガスを使用して、炭素膜の除去を行うこと
も可能である。
【0276】例えば、水素ガス流量20sccm、圧力0.
5Torrで、高周波電力を200W印加することにより、
平行平板型のRIE装置を用いて、ピレンを原料ガスと
してFIBにより形成した平坦化膜の除去を行ったとこ
ろ、Cr、石英をエッチングせずに平坦化膜のみ除去す
ることができた。また、平坦化膜を除去した後、石英基
板の光透過率の低下や、遮光体表面の反射防止膜の還元
等のマスクへのダメージは観察されず、修正を施したマ
スクを使ってのパタ−ン転写実験においても問題は生じ
なかった。
【0277】上記の実施例ではRIE装置を用いてドラ
イエッチング行ったが、ドライエッチングの方法はこれ
に限定されるものではない。CDE、ECRエッチン
グ、マグネトロンRIE等、水素ガスまたは水素原子を
分子中に含むガスの放電を利用したエッチング方法によ
り炭素膜の除去を行うことが可能である。また、除去方
法はドライエッチングに限定されるものではなく、水素
ガス、水素原子を分子中に含むガス雰囲気下でのレーザ
光照射によっても炭素膜を除去することが可能である。
【0278】また、平坦化膜としてピレンを原料ガスと
してFIBにより形成した炭素膜を用いた場合について
説明しているが、スチレンやメタクリル酸メチル、2,
4,4−トリメチル−1−ペンテン、イソプレン等の炭
化水素系ガス単独または炭化水素系ガスと水素ガスの混
合ガスを原料としてFIBにより形成した炭素膜や、レ
ジスト膜等のように炭素を含む膜に対しても適用するこ
とが可能である。
【0279】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、凸状欠
陥上に平坦に膜を堆積でき、そしてFIBによるスパッ
タエッチ或いは荷電粒子線アシストエッチで欠陥を平坦
に加工できる。そして荷電粒子線アシストエッチにより
石英基板へのダメージを除去することができ、O2 アッ
シャーなどにより残りの堆積膜を除去でき、これにより
凸状欠陥を修正することができる。また、荷電粒子線ア
シストデポにより凹状欠陥を埋めることができ、前記凸
状欠陥修正方法と組み合わせることにより凹状欠陥を平
坦に修正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例方法に使用したFIB装置を示
す概略構成図。
【図2】第1の実施例によるシフター凸状欠陥修正プロ
セスの前半を示す図。
【図3】第1の実施例によるシフター凸状欠陥修正プロ
セスの後半を示す図。
【図4】2段階膜堆積による平坦性の測定結果を示す
図。
【図5】炭素膜とSiO2 のエッチレート比のFIB加
速電圧依存性を示す図。
【図6】GaFIBによる石英基板のスパッタリング収
率の加工時間依存性を示す図。
【図7】FIBアシストエッチングによる石英基板のエ
ッチング収率の加工時間依存性を示す図。
【図8】第2の実施例によるシフター凹状欠陥の修正プ
ロセスを示す断面図。
【図9】凹状欠陥へのSiO2 埋込形状を説明するため
の断面図。
【図10】凹状欠陥へのSiO2 埋込の他の例を示す断
面図。
【図11】第3の実施例によるシフタエッジ型位相シフ
トマスクのシフタ−エッジ部における凹状欠陥修正プロ
セスの前半を示す図。
【図12】第3の実施例によるシフタエッジ型位相シフ
トマスクのシフタ−エッジ部における凹状欠陥修正プロ
セスの後半を示す図。
【図13】第4の実施例によるシフタエッジ型位相シフ
トマスクのシフタ−エッジ部における凸状欠陥の修正プ
ロセスを示す図。
【図14】第5の実施例による位相シフタの不定形凸状
欠陥の2段階での修正プロセスを示す断面図。
【図15】不定形凸状欠陥平坦化の問題点を説明するた
めの断面図。
【図16】第5の実施例による位相シフタの不定形凸状
欠陥の多段階での修正プロセスを示す断面図。
【図17】第6の実施例による位相シフタの不定形凹状
欠陥の2段階での修正プロセスを示す断面図。
【図18】第6の実施例による位相シフタの不定形凹状
欠陥の多段階での修正プロセスを示す断面図。
【図19】第7の実施例を説明するためのもので、Si
2 膜のアニール前後の透過率の変化を示す特性図。
【図20】第8の実施例によるシフター凹状欠陥の修正
プロセスを示す断面図。
【図21】凹状欠陥へのSiO2 埋込形状を説明するた
めの断面図。
【図22】凹状欠陥へのSiO2 埋込の他の例を示す断
面図。
【図23】波長248nmの光に対するSiO2 堆積膜の
透過率のGa+ イオンエネルギー依存性を示す特性図。
【図24】ビーム電流密度と堆積したSiO2 膜のKr
F光(波長248nm)に対する光透過率との関係を示す
グラフ。
【図25】KrF光(波長248nm)に対する光透過率
別のイオンエネルギーとO2 分圧比との関係を示すグラ
フ。
【図26】TMCTSの原子結合状態を示す図。
【図27】TMCTSおよびOMCTSの原子結合状態
を示す模式図。
【図28】エッチング速度とO2 分圧との関係を示すグ
ラフ。
【図29】光透過率とO2 分圧との関係を示すグラフ。
【図30】エッチング速度とO2 分圧との関係を示すグ
ラフ。
【図31】光透過率とO2 分圧との関係を示すグラフ。
【図32】エッチング速度とO2 +O3 分圧との関係を
示すグラフ。
【図33】光透過率とO2 +O3 分圧との関係を示すグ
ラフ。
【符号の説明】
101,301…石英基板、101…位相シフタの凸状
欠陥、103…位相シフタパターン、104,207…
第1の堆積膜、105,208…第2の堆積膜、10
6,205,209,306,310…集束イオンビー
ム、107,210,311…質量分析器(2次イオン
検出器)、108,211,312…ダメージ層、20
1,302…位相シフタ、202…位相シフタの凹状欠
陥、203,304…ノズル、204,305…ガス、
206,307…突出したシリコン酸化膜、303…位
相シフタエッジ部に形成された凹状欠陥、308…第1
の炭素膜、309…第2の炭素膜、313…シリコン酸
化膜の余分な突出。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 壮一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 杉原 和佳 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 森 一朗 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 堀岡 啓治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 三好 元介 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式 会社東芝堀川町工場内 (72)発明者 渡辺 徹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 岡野 晴雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝多摩川工場内 (72)発明者 滝川 忠宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 山崎 裕一郎 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式 会社東芝堀川町工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16 H01J 37/30 B23K 15/00 H01L 21/302

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と前記基板上に設けられた所望のパ
    ターンとを備えた構造体に生じた凸状欠陥を修正する構
    造体の欠陥修復方法であって、 前記凸状欠陥の周囲にもしくは前記凸状欠陥に近接する
    ように前記凸状欠陥の下地を構成する材料異なる材
    料からなる第1の薄膜を形成する工程、前記凸状欠陥及
    び第1の薄膜上に第2の薄膜を形成してその上面を平坦
    にする工程、前記第1及び第2の薄膜のうち前記凸状欠陥 の上部及び
    周辺に位置する部分と前記凸状欠陥とを荷電粒子線を用
    いて同時に除去する工程、並びに前記第1及び第2の薄
    膜の前記除去工程で残った部分を除去する工程、 を具備することを特徴とする構造体の欠陥修復方法。
  2. 【請求項2】 基板と前記基板上に設けられた所望のパ
    ターンとを備えた構造体に生じた凹状欠陥を修復する構
    造体の欠陥修正方法であって、 前記凹状欠陥に埋込み材料を埋込むと共に前記凹状欠陥
    が生じた表面から突出した突出部を形成する工程、 前記突出部を含む領域を前記凹状欠陥が生じた表面領域
    を構成する材料異なる材料からなる平坦化膜で覆
    い、その上面を平坦にする工程、前記平坦化膜のうち前記突出部の上部及び周辺に位置す
    る部分と前記突出部と を荷電粒子線を用いて同時に除去
    する工程、並びに前記平坦化膜の前記除去工程で残った
    部分を除去する工程、 を具備することを特徴とする構造体の欠陥修正方法。
  3. 【請求項3】 前記平坦化膜が第1及び第2の薄膜から
    なる積層構造を有する請求項2記載の構造体の欠陥修正
    方法。
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