JPH1090876A - 欠陥修正方法および装置 - Google Patents

欠陥修正方法および装置

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JPH1090876A
JPH1090876A JP8244790A JP24479096A JPH1090876A JP H1090876 A JPH1090876 A JP H1090876A JP 8244790 A JP8244790 A JP 8244790A JP 24479096 A JP24479096 A JP 24479096A JP H1090876 A JPH1090876 A JP H1090876A
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JP
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defect
silicon oxide
oxide film
film
convex
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JP8244790A
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Haruki Komano
治樹 駒野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凸状欠陥と平坦化膜とを容易に除去してエッ
チング後の表面平坦性を許容精度内に抑えるとともに、
残留した平坦化膜を容易に除去し得る、位相シフトマス
クの欠陥修正方法を提供する 【解決手段】 表面に凸欠陥を有する位相シフトマスク
の凸欠陥を囲むように、或いは前記欠陥に近接するよう
に、前記基板上に集束イオンビームを用いて第1のシリ
コン酸化膜を堆積する工程と、前記欠陥及び第1のシリ
コン酸化膜の上に、集束イオンビームを用いて第2のシ
リコン酸化膜を平坦に堆積する工程と、前記欠陥とその
上部及び周辺のシリコン酸化膜とをXeF2 を用いたF
IBアシストエッチイングにより同時に除去して凸欠陥
を平坦化する工程と、この除去工程で残った第1及び第
2のシリコン酸化膜を除去する工程とを具備する位相シ
フトマスクの欠陥修正方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクの欠陥修
正、特に集束イオンビームを用いた位相シフトマスクの
欠陥修正方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】益々高集積化するLSIメモリの製造の
ために、近い将来に位相シフトマスクが用いられると予
測されており、中でもレベンソン型位相シフトマスク
(以後、レベンソンマスクと称する)は解像性の高さか
ら最も有力視されている。このようなマスクを用いた転
写によるパターン形成においては、マスクに欠陥がある
とパターンを忠実に転写することが困難になるのみなら
ず、これを用いて形成した全てのパターンに欠陥が生じ
てしまうので、マスクの欠陥は確実に修正する必要があ
る。
【0003】レベンソンマスクの透明なシフタの凸欠陥
修正方法としては、FIBによりカーボン膜を堆積して
平坦化膜として用い、これを凸欠陥とともに除去する方
法が特開平6−347997号に提案されている。カー
ボンからなる平坦化膜とクォーツからなる凸欠陥とを除
去する際には、XeF2 とO2 との2種類のガスを導入
し、平坦化膜と凸欠陥とのエッチングレートを同一にし
てエッチングする。最後に、この工程で残ったカーボン
膜をレーザを用いて除去することにより、凸欠陥が修正
される。
【0004】凸欠陥を修正した後の表面は、許容精度内
の平坦性を有していることが必須であるものの、このた
めにはエッチングに用いるガスの導入条件を最適に設定
しなければならない。上述のように用いるガスが2種類
であると、これらのガス導入条件は極めて複雑となり容
易に設定することができない。しかも、平坦化膜として
FIBで堆積されたカーボンは硬いために、凸欠陥を除
去後に残留したカーボン膜を除去するにはレーザを何度
も照射しなければならず、簡便な方法で除去することが
求められていた。
【0005】なお、そのような欠陥修正方法では、カー
ボン膜を堆積するに当たって予め凸欠陥の高さを求めて
おく必要がある。集束イオンビーム(以下、FIBと称
す)を用いて欠陥のような突起物の高さを測定する方法
としては、市販の電子線三次元粗さ解析装置などで採用
されている4検出器法(“トライボロジスト”第35
巻、第11号(1990)814〜818)が挙げら
れ、この方法をFIB装置に応用することが考えられ
る。
【0006】4検出器法においては、試料上のビームの
入射点に対して90°間隔で4方向に二次電子検出器が
配置されており、2方向の各検出器の差信号を処理する
ことにより試料面の粗さ(突起物などの高さ、くぼみの
深さ)を求める。なお、2つの二次電子検出器により凹
凸を調べる際の原理を図9に示した。しかしながら、こ
の方法を用いても、突起物の高さを必ずしも正確に求め
ることができず、試料表面の突起物の側壁の傾斜角が7
8°以上であると、計算により得られた傾斜角は、実際
の傾斜角に対して誤差が大きくなることが上述の文献に
報告されている。図10に示すように、突起物の側壁の
実際の傾斜角が78°のとき、測定値から計算により得
られた傾きは76.1°であり、このときの突起物の高
さの誤差は14%にも及ぶ。この値は、欠陥修正におい
て許容し得る最大値であり、くぼみに対しても同様であ
る。したがって、側壁の傾斜角が78°以上の凸欠陥の
高さを高精度に求めることができず、結果として、上記
のエッチバック法によりこのような欠陥を高い精度で修
正することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記課題を解決するた
めに、本発明は、凸状欠陥と平坦化膜とを容易に除去し
てエッチング後の表面平坦性を許容精度内に抑えるとと
もに、残留した平坦化膜を容易に除去し得る、位相シフ
トマスクの欠陥修正方法を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、凸状欠陥とともに容易に
除去可能であり、かつその残留部分は簡便な手法で選択
的に除去し得る平坦化膜を堆積するための手段を具備し
た位相シフトマスクの欠陥修正装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、表面に凸欠陥を有する位相シフトマスク
の凸欠陥を囲むように、あるいは前記欠陥に近接するよ
うに、前記基板上に集束イオンビームを用いて第1のシ
リコン酸化膜を堆積する工程と、前記欠陥および第1の
シリコン酸化膜の上に、集束イオンビームを用いて第2
のシリコン酸化膜を平坦に堆積する工程と、前記欠陥と
その上部および周辺のシリコン酸化膜とをXeF2 を用
いたFIBアシストエッチングにより同時に除去して凸
欠陥を平坦化する工程と、この除去工程で残った第1お
よび第2のシリコン酸化膜を除去する工程とを具備する
位相シフトマスクの欠陥修正方法を提供する。
【0010】また本発明は、表面に凸欠陥を有する位相
シフトマスクの凸欠陥の上およびその近傍に側壁角補正
用膜を形成する工程と、前記側壁角補正用膜が形成され
た凸欠陥を囲むように、あるいは前記欠陥に近接するよ
うに、前記基板上に集束イオンビームを用いて第1のシ
リコン酸化膜を堆積する工程と、前記欠陥および第1の
シリコン酸化膜の上に、集束イオンビームを用いて第2
のシリコン酸化膜を平坦に堆積する工程と、前記側壁角
補正用膜が形成された凸欠陥、その上部および周辺のシ
リコン酸化膜をFIBアシストエッチングにより同時に
除去して凸欠陥を平坦化する工程と、この除去工程で残
った側壁角補正用膜、第1および第2のシリコン酸化膜
を除去する工程とを具備する位相シフトマスクの欠陥修
正方法を提供する。
【0011】本発明において、側壁角補正用膜として
は、カーボン膜またはシリコン酸化膜を用いることが好
ましい。さらに本発明は、原料ガスを導入しつつ集束イ
オンビームを照射することにより、位相シフトマスクの
欠陥周囲およびその上にシリコン酸化膜を堆積するため
の手段を有し、前記ガスの導入条件およびイオンビーム
の照射条件を自動的に設定する機能を具備することを特
徴とする位相シフトマスクの欠陥修正装置を提供する。
【0012】本発明の欠陥修正方法によれば、シリコン
酸化膜をFIBで堆積したシリコン酸化膜を平坦化膜と
して用いているので、XeF2 のみを用いたFIBアシ
ストエッチングにより欠陥部と平坦化膜とを除去するこ
とができる。このように使用するガスが1種類であるた
めガス導入条件の設定は容易であり、しかも得られるエ
ッチング面の平坦性は、2種類のガスを用いた場合と比
較して何等劣ることはなく、修正精度の許容値内とな
る。
【0013】また、FIBで堆積された平坦化膜の透過
率がシフタおよび基板の透過率よりも低いので、凸状欠
陥を除去後シフタ表面に残留した平坦化膜は、レーザを
照射することにより選択的かつ容易に除去することがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の欠
陥修正方法および欠陥修正装置を、さらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)図1に、レベンソン型位相シフトマスクの
シフタ凸欠陥を修正する本実施例の方法を説明するため
の断面図を示す。
【0015】まず、図1(a)に示すように基板1上の
シフタ凸欠陥2の周囲に、この凸欠陥と同じ高さで集束
イオンビームアシストデポジション法により第1のシリ
コン酸化膜3を堆積する。シリコン酸化膜の堆積に当た
っては、ノズル4から1,3,5,7−テトラメチルシ
クロテトラシロキサン(TMCTS)ガス6を、0.9
Torrのガス導入管内圧力で導入しつつ、ノズル5か
らO2 ガス7を2.0Torrのガス導入管内圧力で導
入しながら、25keVでGaFIB 8を照射した。
この際、ビーム電流10pAでシリコン酸化膜3の堆積
時間は5分であった。このとき、FIBによるチャージ
アップ防止のために試料上に電子銃から電子ビームを照
射していた。
【0016】なお、シリコン酸化膜の堆積に先立って、
シフタ凸欠陥2の高さをAFM(Atomic Force Microsc
ope )により予め測定して132nmと得ておき、堆積
される第1のシリコン膜の高さが132nmになる時間
を算出して、FIBの照射時間を5分間とした。
【0017】次に、凸欠陥2および第1のシリコン酸化
膜3の上に、前述と同様の方法により第2のシリコン酸
化膜9を堆積して、図1(b)に示すようにシフタ凸欠
陥2を平坦化した。第2のシリコン酸化膜9の厚さは1
00nmであり、堆積時間は4分であった。
【0018】なお、ここで用いたシリコン酸化膜堆積機
能を搭載したFIBマスク修正装置について、図面を参
照して説明する。図2に、FIBマスク修正装置の概略
を表わす模式図を示す。
【0019】図2に示すFIBマスク修正装置25にお
いては、鏡筒14内にGa液体金属イオン源15、ビー
ムブランキング電極16、および偏向器17が設けられ
ており、ビームブランキング電極16および偏向器17
には、それぞれビームブランキング制御系18および偏
向器制御系19が接続されている。ビームブランキング
制御系18によりGaFIB 8のドゥエルタイム等
を、偏向器制御系19によりGaFIB 8の照射間隔
を予め設定して、マスク1にGaFIB 8が入射され
る。
【0020】一方、ステージ13上に載置された凸欠陥
を有するマスク1には、O2 ガス7を供給するためのノ
ズル5およびTMCTSガス6を供給するためのノズル
4が設けられている。これらのガス導入条件は、ガス経
路に設置されたバルブ制御系20,21により制御され
ている。
【0021】2つのバルブ制御系20,21は、ビーム
ブランキング制御系18および偏向器制御系19ととも
にコンピューター24に接続されているので、GaFI
Bのドゥエルタイムや照射間隔等のビーム照射条件とガ
ス導入条件とを最適に設定することにより、所定の透過
率を有するシリコン酸化膜を基板上に堆積することがで
きる。
【0022】なお、ビーム照射条件としては、上述のほ
かに、加速電圧、ビーム電流密度があり、これらを最適
な値にすることにより低透過率のシリコン酸化膜を得る
ことができる。必要に応じて上記条件を組み合わせて最
適化し、目的のシリコン酸化膜を得ればよい。
【0023】このようにして、所定の透過率を有するシ
リコン酸化膜で凸欠陥2を平坦化した後、図1(c)に
示すようにノズル11からXeF2 ガス10をガス導入
管内圧力2.3Torr導入しつつ、25keVでGa
FIBを照射して平坦化膜(シリコン酸化膜3,9)と
シフタ凸欠陥2とをエッチングにより除去した(FIB
アシストエッチング)。ビーム電流60pAでエッチン
グ時間は2分であり、このエッチング時間は、予め求め
たシフタ材料のエッチングレートから算出した。
【0024】エッチング後の表面は平坦であり、基板表
面とエッチング面との段差は10nm以下と修正精度の
許容値内であった。なお、基板表面とエッチング面との
段差の修正精度の許容値は、本実施例の最小線幅0.1
5μm(ウェハ上)用レベンソンマスクでは、30nm
以下であることが望まれている。本実施例においては、
エッチングに使用したガスがXeF2 1種類であったた
め、このように高精度の加工を容易に行なうことができ
た。
【0025】また、XeF2 のみを用いてFIBアシス
トエッチングを行なうことにより、エッチングレートを
高めることができるため、基板内に侵入するGaイオン
量を著しく減少させることができ、結果として、基板表
面におけるダメージ層の形成を避けることができる。G
aイオンが基板内に多量に入り込んだ場合には、基板表
面に深さ15nm程度のダメージ層が生じてしまい、露
光に使用する光の透過率を低下させる。例えば、波長2
48nmの光に対する透過率は40%程度まで落ち込ん
でしまうが、本実施例によれば、このような不都合も避
けることができ、何等問題を引き起こすことなく高い精
度で欠陥を修正することができる。
【0026】最後に、図1(d)に示すように、波長2
48nmのKrFエキシマレーザー光を照射して、基板
1上に残った平坦化膜(シリコン酸化膜3,9)を選択
的に除去した。
【0027】上述したように本実施例においては、シフ
タ材料に類似した材料のシリコン酸化膜を平坦化膜とし
て堆積しているので、極めて高精度に欠陥を修正するこ
とができる。これに関して以下に詳細に説明する。
【0028】シフタ材料(SiO2 )および平坦化膜と
してFIBで基板上に堆積したシリコン酸化膜の組成
は、いずれもSi:O=1:2で同一であるが、−Si
−O−の網目構造が異なっている。これに起因して、K
rFエキシマレーザー光等に対する2つの材料の透過率
が異なり、FIBで堆積したシリコン酸化膜の透過率は
小さくなる。
【0029】なお、凸状欠陥を除去する際のFIBアシ
ストエッチングにおいては、入射GaイオンによりSi
−Oボンドが切断されて解離したSiと、XeF2 のF
とが反応してSiF4 が生じ、これが揮発することによ
りエッチングが進行する。特に、本実施例においてはG
aイオンのエネルギーが25keVと高いので、−Si
−O−の網目構造が異なる材料でもSi−Oボンドの切
断、すなわちSiの解離に関しては差が生じず、結果と
して、凸状欠陥2とFIBで堆積されたシリコン酸化膜
3,9とのエッチングレートはほぼ同一となる。
【0030】一方、前述したように−Si−O−の網目
構造の違いに起因して、FIBで堆積したシリコン酸化
膜と基板との波長248nmの光に対する透過率は異な
っており、具体的には、基板の透過率を100%とする
と、FIBで堆積したシリコン酸化膜の透過率は40%
である。このため、FIBアシストエッチング後、図1
(c)に示したようにシリコン酸化膜3,9が残留して
いる基板に対してレーザー光を照射すると、これらのシ
リコン酸化膜は基板よりも多くのエネルギーを吸収する
ことになる。このとき、レーザパワーおよびレーザ照射
時間を最適化しておけば、レーザ照射により低透過率の
シリコン酸化膜の温度を上昇させ、この熱が基板に伝導
して基板が溶融する前に、低透過率のシリコン酸化膜の
みを蒸発させて除去することが可能である。これによっ
て、基板に対して低透過率のシリコン酸化膜3,9を選
択的かつ容易に除去し、極めて高精度に凸状欠陥を修正
することができた。
【0031】なお、上述の説明ではシフタの凸状欠陥を
修正したが、ガス導入条件やFIBの照射条件(ドゥエ
ル・タイム)を適切に変更して堆積膜の透過率を高めれ
ば、凹状欠陥を修正することもできる。すなわち、シフ
タ凹状欠陥を修正するには、例えば図3に示すように、
(O2 /TMCTS)を7.4に設定すれば、このとき
堆積するシリコン酸化膜(厚さ=250nm)の透過率
を91%とすることができる。
【0032】前述したように、凸状欠陥を修正する際に
FIBで堆積されるシリコン酸化膜は、その透過率を低
くするために(O2 /TMCTS)を1.0に設定して
おり、シフタ凹欠陥の穴埋めとシフタ凸欠陥の平坦化で
はガス導入条件が異なる。なお、この設定値は1.0に
限定されず、残留シリコン酸化膜を除去するために用い
るレーザに必要な透過率が得られる値に設定すればよ
い。図2に示したFIBマスク修正装置は、それぞれの
プロセスを選択すると自動的にガス導入条件が設定され
る機能を備えているので、いずれの場合にも、最適なシ
リコン酸化膜を堆積して、高い精度で欠陥を修正するこ
とができる。 (実施例2)本実施例においては、レベンソン型位相シ
フトマスクのシフタ凸状欠陥の側壁角が大きい場合に、
高い精度でこの欠陥を修正する方法について説明する。
凸状欠陥を修正するためには、その高さを正確に測定し
なければならないが、側壁角の大きな凸状欠陥では、測
定値と実際の値との誤差が大きいという問題があった。
そこで、本発明者らは、側壁角の大きな凸状欠陥の高さ
を極めて高い精度で測定するために、次のような方法を
見出だした。
【0033】図4に、側壁角の大きな凸状欠陥を修正す
るに当たって、高さを正確に測定するための前処理方法
を説明する断面図を示す。図4(a)に示すように、基
板31には、側壁角がほぼ90°の凸状欠陥32が生じ
ている。この基板に対して、図4(b)に示すように、
ノズル34からスチレンガス35を吹き付けながらGa
FIB 36を走査して、凸欠陥32上にカーボン33
を堆積する。さらに、GaFIB 36の走査範囲を次
第に狭めることにより、凸欠陥上に堆積したカーボン膜
の側壁角に傾斜を設ける。このとき、図4(c)に示す
ように、欠陥領域よりも広い領域33´にカーボンを堆
積することによって、高さ測定の基準となる基板表面の
平坦部も、欠陥部と同様のカーボンで覆い、最終的に側
壁角が70°のカーボン33''を堆積した。
【0034】なお、高さ0.2μm、サイズ0.2μm
□の凸状欠陥32に対しては、例えば、加速電圧は30
kV、ビーム電流10pAの条件で1分間堆積すること
により、膜厚0.1μmのカーボン膜を凸状欠陥の上に
堆積することができる。
【0035】側壁角の緩やかなカーボン膜を形成するに
は、例えば、図5(a)〜(d)に示すように、GaF
IBの走査範囲を徐々に狭めて、複数層のカーボン膜3
3a〜33dを、凸状欠陥32の上に堆積すればよい。
【0036】なお、ここで用いたカーボン膜堆積機能を
搭載したFIBマスク修正装置について、図面を参照し
て説明する。図6に、FIBマスク修正装置の概略を表
わす模式図を示す。
【0037】図6に示すFIBマスク修正装置48にお
いては、鏡筒39内にGa液体金属イオン源40、ビー
ムブランキング電極41、および偏向器42が設けられ
ており、ビームブランキング電極41および偏向器42
には、それぞれビームブランキング制御系43および偏
向器制御系44が接続されている。これら2つの制御系
43,44は、コンピューター47に接続されているの
で、偏向器制御系44とビームブランキング制御系43
とによりGaFIB 36の偏向幅を調整することがで
きる。これらを調整することによりGaFIBの走査範
囲を徐々に狭めて、基板上の凸状欠陥の上に側壁角を緩
やかにするためのカーボン膜を形成することができる。
【0038】一方、ステージ38上に載置された凸欠陥
を有するマスク31には、スチレンガス35がスチレン
容器45からノズル34を介して供給される。このよう
なFIBマスク修正装置を用いれば、図5(a)〜
(d)に示すように、GaFIB走査範囲を徐々に狭め
て、図4(c)のような側壁角の緩やかなカーボン膜
(側壁角補正用膜)33を凸状欠陥の上に堆積すること
ができる。
【0039】以上の工程により側壁角を補正するための
カーボン膜を凸状欠陥の上に堆積した後、図7に示すよ
うにカーボン付き欠陥の上にFIB 52を走査し、こ
の際に発生する二次電子を検出器50,51で検出した
信号を処理する。これによって、側壁角補正カーボン膜
付き欠陥の二次元形状、すなわち(凸状欠陥+カーボン
膜)の高さを正確に求めることができる。なお、図7に
示した2つの検出器50,51と直交する方向にさらに
2個の二次電子検出器を配置することもでき、このよう
に4個の検出器を用いれば側壁角補正カーボン膜付き欠
陥の三次元形状を高い精度で求めることができる。
【0040】カーボン膜が形成された凸状欠陥の高さを
測定後には、次のようにして欠陥を修正することができ
る。図8は、本実施例の欠陥修正方法を説明する断面図
である。
【0041】図8(a)は、基板31表面の高さ0.2
μm、サイズ0.2μm□の凸状欠陥部上に、上述した
条件でビーム照射条件でGaFIB 36を照射しつ
つ、ノズル34からスチレンガス35を吹き付けて、側
壁角が70°のカーボン33''を堆積した後の断面図で
ある。なお、ここで得られた側壁角補正カーボン膜3
3''の厚さは、0.1μmであった。
【0042】次に、図7で説明したように2の二次電子
検出器を用いて、カーボン膜付き欠陥の高さを求めた
後、図8(b)に示すように欠陥の周りに欠陥と20n
m程度の間隔をあけて、欠陥部と高さが同じ第1のカー
ボン53の堆積を行なう。以降のカーボン堆積において
は、ビーム電流は60pAである。凸欠陥部の高さは予
め求められているため、予め求めておいたGaFIB照
射量(μC/μm2 )と堆積膜厚との関係から、第1の
カーボン堆積時間を決定することができる。本実施例の
場合、第1カーボン堆積時間は2分であった。
【0043】第1のカーボン堆積後、図8(c)に示す
ように第2のカーボン54を、第1のカーボン膜および
の側壁角補正カーボン膜の上に堆積することにより欠陥
を平坦化する。欠陥部と第1カーボンとの隙間は平坦部
よりも堆積効率が高いので、GaFIB 36を一様に
照射することにより平坦化が可能である。なお、第2の
カーボン膜の厚さは0.5μmであり、堆積時間は3分
30秒であった。
【0044】次に、図8(d)に示すようにノズル55
から(XeF2 +O2 )ガス56を吹き付けながら、第
2のカーボン膜54に対してGaFIBを照射すること
により、堆積したカーボンと欠陥とのエッチングレート
を一致させたエッチングを行なう。このエッチングが基
板31表面まで達すると二次電子信号強度に変化が現れ
るので、これを終点としてエッチングを終了する。本実
施例において、エッチング時間は4分であった。
【0045】最後に、レーザー光を照射することにより
基板上に残留した側壁角補正用、第1および第2のカー
ボン膜を除去して、図8(e)に示すように欠陥修正が
完了する。
【0046】本実施例によれば、側壁角が大きな凸欠陥
上に、カーボンからなる側壁角補正用膜を形成している
ので、4検出器法により修正に必要な精度で凸欠陥部の
高さを得ることができる。このように正確に凸欠陥部の
高さを求めた後、この欠陥の周囲および上部に2段階で
カーボンを堆積して平坦化することができ、エッチバッ
ク法により修正することが可能となる。
【0047】なお、以上の説明では、カーボン膜を用い
て側壁角補正用膜および平坦化膜を形成したが、本実施
例はこれに限定されず、これらの膜としてFIBにより
タングステンを堆積しても同様の効果を得ることができ
る。タングステン膜を堆積する場合には、図6に示した
FIBマスク修正装置を用い、基板表面に供給するガス
をW(CO)6 に変更する以外は前述と同様のプロセス
で欠陥の修正を行なうことができる。
【0048】上述したような凸状欠陥の高さの測定法、
およびエッチバックによる欠陥修正法は、レベンソンマ
スク以外のマスクの欠陥修正にも適用することができ、
その場合も本実施例と同様の効果が得られる。 (実施例3)前述の実施例1および実施例2を組み合わ
せて、凸状欠陥を修正することもできる。すなわち、側
壁角の大きな凸状欠陥上にシリコン酸化膜からなる側壁
角補正用膜を予めFIBにより形成し、この高さを測定
しておく。なお、緩やかな傾斜を有するシリコン酸化膜
の堆積には、図2に示したFIBマスク修正装置を用い
ることができ、膜堆積後の高さは、図7に示した方法を
適用して測定することができる。
【0049】その後は、実施例1において説明したよう
に、図1に示した工程にしたがって、第1のシリコン酸
化膜および第2のシリコン酸化膜を順次形成し、XeF
2 を用いたFIBアシストエッチングにより、凸状欠陥
とともに側壁角補正用、第1および第2のシリコン酸化
膜を除去する。最後に、基板上に残留したシリコン酸化
膜をKrFエキシマレーザー光を照射することによって
選択的に除去する。
【0050】このように、シリコン酸化膜を用いた場合
には、側壁角の大きな凸状欠陥を、よりいっそう容易に
修正して極めて平坦性に優れた表面が得られるという利
点がある。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
凸状欠陥と平坦化膜とを容易に除去してエッチング後の
表面平坦性を許容精度内に抑えるとともに、残留した平
坦化膜を容易に除去し得る、位相シフトマスクの欠陥修
正方法が提供される。また本発明によれば、凸状欠陥と
ともに容易に除去可能であり、かつその残留部分は簡便
な手法で選択的に除去し得る平坦化膜を堆積するための
手段を具備した位相シフトマスクの欠陥修正装置が提供
される。
【0052】本発明を用いることにより、シフタ凸欠陥
とほぼ同じ材料の平坦化膜が形成されるので、XeF2
のみを用いてFIBアシストエッチングにより容易に凸
状欠陥と平坦化膜とをエッチバックすることができる。
また、FIBで堆積する平坦化膜のシリコン酸化膜はシ
フタおよび基板よりも低透過率であるので、エッチバッ
ク後に残留したシリコン酸化膜は、レーザ照射によりシ
フタおよび基板に対して容易に選択的にエッチングする
ことができる。かかる方法は、レベンソンマスク以外の
マスクの欠陥修正にも応用することができ、その工業的
価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたエッチバック法によるシフタ凸
欠陥の修正方法の一例を示す断面図。
【図2】本発明のFIBマスク修正装置の一例を模式的
に示す説明図。
【図3】25keVGaFIBと(TMCTS+O2
ガスとを用いて堆積したシリコン酸化膜の透過率のO2
/TMCTS依存性を示すグラフ図。
【図4】凸状欠陥上に側壁角78°以下のカーボンをF
IBにより堆積する工程を示す断面図。
【図5】GaFIBの走査範囲を徐々に狭めて凸欠陥上
にカーボン膜を堆積する工程を示す断面図。
【図6】本発明のFIBマスク修正装置の他の例を模式
的に示す説明図。
【図7】側壁角78°以下のカーボンを堆積した凸状欠
陥の高さを測定する方法を説明するための断面図。
【図8】本発明を用いたエッチバック法によるシフタ凸
欠陥の修正方法の他の例を示す断面図。
【図9】二次電子検出器により凹凸を測定する原理を示
す説明図。
【図10】突起物の側壁の実際の傾きと、4検出器法に
より得られた計算値との関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
1,31…基板 2,32…凸欠陥 3…第1のシリコン酸化膜 4,5,11,34,55…ノズル 6… 1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
(TMCTS)ガス 7…O2 ガス 8,36…GaFIB 9…第2のシリコン酸化膜 10…XeF2 ガス 12…KrFエキシマレーザー 13,38…ステージ 14,39…鏡筒 15,40…Ga液体金属イオン源 16,41…ビームブランキング電極 17,42…偏光器 18,43…ビームブランキング制御系 19,44…偏光器制御系 20,21…バルブ制御系 22…酸素ボンベ 23…TMCTSボンベ 24,47…コンピューター 35…スチレンガス 45…スチレン容器 46…流量調節バルブ 50,51…二次電子検出器 52…FIB 53…第1のカーボン膜 54…第2のカーボン膜 56…(XeF2 +O2 )ガス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凸欠陥を有する位相シフトマスク
    の凸欠陥を囲むように、あるいは前記欠陥に近接するよ
    うに、前記基板上に集束イオンビームを用いて第1のシ
    リコン酸化膜を堆積する工程と、 前記欠陥および第1のシリコン酸化膜の上に、集束イオ
    ンビームを用いて第2のシリコン酸化膜を平坦に堆積す
    る工程と、 前記欠陥とその上部および周辺のシリコン酸化膜とをX
    eF2 を用いたFIBアシストエッチングにより同時に
    除去して凸欠陥を平坦化する工程と、 この除去工程で残った第1および第2のシリコン酸化膜
    を除去する工程とを具備する位相シフトマスクの欠陥修
    正方法。
  2. 【請求項2】 表面に凸欠陥を有する位相シフトマスク
    の凸欠陥の上およびその近傍に側壁角補正用膜を形成す
    る工程と、 前記側壁角補正用膜が形成された凸欠陥を囲むように、
    あるいは前記欠陥に近接するように、前記基板上に集束
    イオンビームを用いて第1のシリコン酸化膜を堆積する
    工程と、 前記欠陥および第1のシリコン酸化膜の上に、集束イオ
    ンビームを用いて第2のシリコン酸化膜を平坦に堆積す
    る工程と、 前記側壁角補正用膜が形成された凸欠陥、その上部およ
    び周辺のシリコン酸化膜をFIBアシストエッチングに
    より同時に除去して凸欠陥を平坦化する工程と、 この除去工程で残った側壁角補正用膜、第1および第2
    のシリコン酸化膜を除去する工程とを具備する位相シフ
    トマスクの欠陥修正方法。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2のシリコン酸化膜
    は、前記位相シフトマスクの材質よりも低透過率のシリ
    コン酸化膜である請求項1または2に記載の位相シフト
    マスクの欠陥修正方法。
  4. 【請求項4】 原料ガスを導入しつつ集束イオンビーム
    を照射することにより、位相シフトマスクの欠陥周囲お
    よびその上にシリコン酸化膜を堆積するための手段を有
    し、前記ガスの導入条件およびイオンビームの照射条件
    を自動的に設定する機能を具備することを特徴とする位
    相シフトマスクの欠陥修正装置。
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